JP2005180740A - 車両用蓄冷式空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両用蓄冷式空調装置において、液冷媒循環用電動ポンプのメンテナンス性の向上、および冷媒通路接続構成の簡素化を図る。
【解決手段】 冷媒タンク部10a内の液冷媒を圧縮機停止時に蒸発器入口側に導入する電動ポンプ22を、タンク底面部材18の下方側に位置するポンプ部22Aと駆動用モータ部22Bとにより構成する。ポンプハウジング23を厚肉部材からなるブロック状部品で構成し、ポンプハウジング23の上面部に円弧状凹部30aからなる冷媒連通路30を形成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、停車時等に圧縮機の駆動源である車両エンジンを一時的に停止させる車両に適用される車両用蓄冷式空調装置に関するものである。
近年、環境保護、車両エンジンの燃費向上等を目的にして、信号待ち等の停車時に車両エンジンを自動的に停止する車両(ハイブリッド車等のエコラン車)が実用化されており、今後、停車時に車両エンジンを停止する車両が増加する傾向にある。
ところで、車両用空調装置においては、冷凍サイクルの圧縮機を車両エンジンにより駆動しているので、上記エコラン車においては信号待ち等で停車して、車両エンジンが停止される毎に、圧縮機も停止して冷房用蒸発器の温度が上昇し、車室内への吹出空気温度が上昇するので、乗員の冷房フィーリングを損なうという不具合が発生する。
そこで、車両エンジン(圧縮機)の稼働時に蓄冷される蓄冷手段を備え、車両エンジン(圧縮機)が停止して蒸発器の冷却作用が停止したときには蓄冷手段の蓄冷熱量を使用して車室内への吹出空気を冷却できる車両用蓄冷式空調装置の必要性が高まっている(例えば、特許文献1参照)。
本発明者らは先に特願2002−372092号の特許出願において、このような車両用蓄冷式空調装置を提案している。
具体的には、この先願のものでは、蓄冷材を有する蓄冷熱交換器と液冷媒循環用電動ポンプとをタンク部材の内部に設け、冷凍サイクルの圧縮機を車両エンジンにより駆動するとき(圧縮機の稼働時)には冷凍サイクルの低圧冷媒を蓄冷熱交換器を通して空調用の蒸発器に直列に流す。これにより、蓄冷熱交換器の蓄冷材を冷却して蓄冷材への蓄冷を行う。
一方、車両エンジンが停止して圧縮機が停止したときには、タンク部材の下部に一体に形成された液冷媒タンク部の液冷媒を電動ポンプにより空調用蒸発器に導入し、空調用蒸発器において液冷媒が車室内への送風空気から吸熱して蒸発することにより、車室内への送風空気を冷却する。
そして、空調用蒸発器で蒸発した気相冷媒を蓄冷熱交換器に導入して蓄冷材の蓄冷熱により冷却して凝縮するようにしている。以上により、停車時等において車両エンジンが停止して圧縮機が停止する状態においても、空調用蒸発器での液冷媒の蒸発による冷房作用を続行できる。
特開2000−313226号公報
ところで、上記先願のものでは、タンク部材を含む蓄冷ユニット全体の小型化のために、電動ポンプをタンク部材の液冷媒タンク部内に液冷媒中に浸漬する形態で配置している。従って、電動ポンプへの給電用の電気リード線を液冷媒タンク部の内外を貫通して配線する必要が生じる。この結果、液冷媒タンク部のリード線取り出し部の電気絶縁と液冷媒の洩れ防止のためのシール構造を特別に必要とし、タンク構造が複雑となる。
また、電動ポンプをタンク部材の内部に蓄冷熱交換器等の部品とともに内蔵しているので、電動ポンプのモータブラシを摩耗等により交換する際には、電動ポンプを蓄冷熱交換器等の部品とともにタンク部材の外部へ取り出す必要が生じる。従って、電動ポンプのメンテナンスに際しては、冷凍サイクル中の冷媒を一旦抜き取り、電動ポンプ等をタンク部材外部へ取り出す作業が必要となり、メンテナンス性が非常に悪い。
本発明は、上記点に鑑み、車両用蓄冷式空調装置において、液冷媒循環用電動ポンプのメンテナンス性の向上を図ることを目的とする。
また、本発明は、車両用蓄冷式空調装置において、液冷媒循環用電動ポンプ周辺の冷媒通路接続構成の簡素化を図ることを他の目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車両エンジン(4)により駆動される圧縮機(1)と、
前記圧縮機(1)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う高圧側熱交換器(6)と、
前記高圧側熱交換器(6)を通過した冷媒を減圧する減圧手段(7)と、
前記減圧手段(7)により減圧された低圧冷媒を蒸発させて車室内へ送風される空気を冷却する蒸発器(8)と、
前記蒸発器(8)の入口側に前記蒸発器(8)と直列に設けられ、前記圧縮機(1)の稼働時に、前記低圧冷媒により冷却される蓄冷材(11a)を有する蓄冷熱交換器(11)と、
前記蓄冷熱交換器(11)を内蔵するタンク部材(10)と、
前記タンク部材(10)の底面部に配置されるタンク底面部材(18)と、
前記タンク底面部材(18)により前記蓄冷熱交換器(11)の下方部に形成され、液冷媒を溜める液冷媒タンク部(10a)と、
前記圧縮機(1)の停止時に、前記液冷媒タンク部(10a)内の液冷媒を前記蒸発器(8)の入口側に導入する電動ポンプ(22)とを備え、
前記電動ポンプ(22)は、前記タンク底面部材(18)の下方側に配置され、前記液冷媒タンク部(10a)内の液冷媒を吸入し前記蒸発器(8)の入口側に向けて吐出するポンプ部(22A)と、前記ポンプ部(22A)を駆動するモータ部(22B)とにより構成され、
前記ポンプ部(22A)は、液冷媒圧送機構(24)と前記液冷媒圧送機構(24)を内蔵するポンプハウジング(23)とを有し、
前記タンク部材(10)の内部に前記蒸発器(8)の入口側に向かって冷媒が流れる出口冷媒通路(21)が構成され、
前記液冷媒タンク部(10a)と前記出口冷媒通路(21)との間に逆止弁(19)が設けられ、
前記逆止弁(19)は、前記圧縮機(1)の稼働時に前記蓄冷熱交換器(11)を通過した低圧冷媒が前記液冷媒タンク部(10a)から前記出口冷媒通路(21)側に向かって流れることを許容し、前記圧縮機(1)の停止時には前記電動ポンプ(22)からの吐出液冷媒が前記液冷媒タンク部(10a)側に直接戻ることを防止するように構成されており、
前記ポンプハウジング(23)を厚肉部材からなるブロック状部品で構成し、
前記ポンプハウジング(23)のうち、前記タンク底面部材(18)の底面部に対向する上面部に、凹部(30a)からなる冷媒連通路(30)を形成し、前記冷媒連通路(30)により、前記逆止弁(19)の出口側および前記液冷媒圧送用ポンプ機構(24)の吐出側を前記出口冷媒通路(21)に連通するようにした車両用蓄冷式空調装置を特徴としている。
これによると、液冷媒循環用電動ポンプ(22)をタンク底面部材(18)の下方側に配置して、液冷媒タンク部(10a)の外部に液冷媒循環用電動ポンプ(22)を配置するから、電動ポンプ(22)のメンテナンスに際しては、冷凍サイクル中の冷媒を一旦抜き取る必要がなくなり、電動ポンプ(22)のメンテナンス性が良好である。
また、電動ポンプ(22)への給電用の電気リード線を液冷媒タンク部(10a)の内外を貫通して配線する必要がなくなるので、電動ポンプ(22)の電気リード線取り出し構造が簡単となる。
更に、上記に加え、ポンプハウジング(23)を厚肉部材からなるブロック状部品で構成してポンプハウジング(23)の上面部に、凹部(30a)からなる冷媒連通路(30)を形成し、この冷媒連通路(30)により、逆止弁(19)の出口側および液冷媒圧送用ポンプ機構(24)の吐出側をタンク部材(10)内部の出口冷媒通路(21)に連通するから、ポンプハウジング(23)をタンク底面部材(18)に締結する作業を一度行うだけで、ポンプハウジング(23)側とタンク底面部材(18)側との冷媒通路接続を簡単に行うことができる。
請求項2に記載の発明では、車両エンジン(4)により駆動される圧縮機(1)と、
前記圧縮機(1)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う高圧側熱交換器(6)と、
前記高圧側熱交換器(6)を通過した冷媒を減圧する減圧手段(7)と、
前記減圧手段(7)により減圧された低圧冷媒を蒸発させて車室内へ送風される空気を冷却する蒸発器(8)と、
前記蒸発器(8)の入口側に前記蒸発器(8)と直列に設けられ、前記圧縮機(1)の稼働時に、前記低圧冷媒により冷却される蓄冷材(11a)を有する蓄冷熱交換器(11)と、
前記蓄冷熱交換器(11)を内蔵するタンク部材(10)と、
前記タンク部材(10)の底面部に配置されるタンク底面部材(18)と、
前記タンク底面部材(18)により前記蓄冷熱交換器(11)の下方部に形成され、液冷媒を溜める液冷媒タンク部(10a)と、
前記圧縮機(1)の停止時に、前記液冷媒タンク部(10a)内の液冷媒を前記蒸発器(8)の入口側に導入する電動ポンプ(22)とを備え、
前記電動ポンプ(22)は、前記タンク底面部材(18)の下方側に位置して、前記液冷媒タンク部(10a)内の液冷媒を吸入し前記蒸発器(8)の入口側に向けて吐出するポンプ部(22A)と、前記ポンプ部(22A)を駆動するモータ部(22B)とにより構成され、
前記ポンプ部(22A)は、液冷媒圧送機構(24)と前記液冷媒圧送機構(24)を内蔵するポンプハウジング(23)とを有し、
前記タンク部材(10)の内部に前記蒸発器(8)の入口側に向かって冷媒が流れる出口冷媒通路(21)が構成され、
前記液冷媒タンク部(10a)と前記出口冷媒通路(21)との間に逆止弁(19)が設けられ、
前記逆止弁(19)は、前記圧縮機(1)の稼働時に前記蓄冷熱交換器(11)を通過した低圧冷媒が前記液冷媒タンク部(10a)から前記出口冷媒通路(21)側に向かって流れることを許容し、前記圧縮機(1)の停止時には前記電動ポンプ(22)からの吐出液冷媒が前記液冷媒タンク部(10a)側に直接戻ることを防止するように構成されており、
前記タンク底面部材(18)を厚肉部材からなるブロック状部品で構成し、
前記タンク底面部材(18)のうち、前記ポンプハウジング(23)の上面部に対向する底面部に、凹部(30a)からなる冷媒連通路(30)を形成し、前記冷媒連通路(30)により、前記逆止弁(19)の出口側および前記液冷媒圧送用ポンプ機構(24)の吐出側を前記出口冷媒通路(21)に連通するようにした車両用蓄冷式空調装置を特徴としている。
請求項2に記載の発明では、後述の図10に例示するようにタンク底面部材(18)を厚肉部材からなるブロック状部品で構成し、凹部(30a)からなる冷媒連通路(30)をタンク底面部材(18)の底面部に形成することが請求項1と相違しているのみで、他の点は請求項1と共通している。従って、請求項2に記載の発明においても、請求項1と同様の作用効果を発揮できる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の車両用蓄冷式空調装置において、冷媒連通路(30)を、液冷媒タンク部(10a)内の液冷媒を液冷媒圧送機構(24)の吸入側に吸入する円形状の吸入通路(27、28)の外周側に円弧状に形成することを特徴としている。
これによると、円形状の吸入通路(27、28)の外周に沿って冷媒連通路(30)を省スペースにて形成できる。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の車両用蓄冷式空調装置において、円形状の吸入通路(27、28)の外周側と円弧状の冷媒連通路(30)の内周側との間に位置する小径の第1Oリング(31)と、円弧状の冷媒連通路(30)の外周側に位置する大径の第2Oリング(32)とを備え、
この第1Oリング(31)と第2Oリング(32)を、タンク底面部材(18)の底面部とポンプハウジング(23)の上面部との間に同心状に配置したことを特徴とする。
これにより、タンク底面部材(18)とポンプハウジング(23)間の通路接続部のシール機能を良好に発揮できる。
また、請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の車両用蓄冷式空調装置において、円形状の吸入通路(27、28)に対応する円形状の第1開口部(60a)と、円弧状の冷媒連通路(30)に対応する円弧状の第2開口部(60b)とを有する1枚のシート状のガスケット(60)を備え、このガスケット(60)をタンク底面部材(18)の底面部とポンプハウジング(23)の上面部との間に配置したことを特徴とする。
これによると、タンク底面部材(18)とポンプハウジング(23)間の通路接続部のシール機能を、1枚のシート状のガスケット(60)を用いて良好に発揮できる。
請求項6に記載の発明では、車両エンジン(4)により駆動される圧縮機(1)と、
前記圧縮機(1)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う高圧側熱交換器(6)と、
前記高圧側熱交換器(6)を通過した冷媒を減圧する減圧手段(7)と、
前記減圧手段(7)により減圧された低圧冷媒を蒸発させて車室内へ送風される空気を冷却する蒸発器(8)と、
前記蒸発器(8)と直列に設けられ、前記圧縮機(1)の稼働時に、前記低圧冷媒により冷却される蓄冷材(11a)を有する蓄冷熱交換器(11)と、
前記蓄冷熱交換器(11)を内蔵するタンク部材(10)と、
前記タンク部材(10)の内部において、前記蓄冷熱交換器(11)の下方部に形成され、液冷媒を溜める液冷媒タンク部(10a)と、
前記圧縮機(1)の停止時に、前記液冷媒タンク部(10a)内の液冷媒を前記蒸発器(8)の入口側に導入する電動ポンプ(22)とを備え、
前記電動ポンプ(22)は、前記液冷媒タンク部(10a)の下方側に配置されて、前記液冷媒タンク部(10a)内の液冷媒を吸入し前記蒸発器(8)の入口側に向けて吐出するポンプ部(22A)と、前記ポンプ部(21A)を駆動するモータ部(22B)とにより構成される車両用蓄冷式空調装置を特徴としている。
これによると、液冷媒循環用電動ポンプ(22)を液冷媒タンク部(10a)下方側、すなわち、タンク外部に配置するから、電動ポンプ(22)のメンテナンスに際しては、冷凍サイクル中の冷媒を一旦抜き取る必要がなくなり、電動ポンプ(22)のメンテナンス性が良好である。
また、電動ポンプ(22)への給電用の電気リード線を液冷媒タンク部(10a)の内外を貫通して配線する必要がなくなるので、電動ポンプ(22)の電気リード線取り出し構造が簡単となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態による車両用空調装置の冷凍サイクルRを示す。車両用空調装置の冷凍サイクルRは冷媒を吸入、圧縮、吐出する圧縮機1を有し、この圧縮機1には動力断続用の電磁クラッチ2が備えられている。
圧縮機1には電磁クラッチ2およびベルト3を介して車両エンジン4の動力が伝達されるので、電磁クラッチ2への通電を空調用制御装置5により断続することにより圧縮機1の運転が断続される。
圧縮機1から吐出された高温、高圧の過熱気相冷媒は高圧側熱交換器をなす凝縮器6に流入し、図示しない冷却ファンより送風される外気と熱交換して冷却され凝縮するようになっている。
凝縮器6は凝縮部6aと、凝縮部6aを通過した後の冷媒の気液を分離して液冷媒を溜めるとともに液冷媒を導出する受液器6bと、受液器6bからの液冷媒を過冷却する過冷却部6cとを一体に構成した周知のものである。
この過冷却部6cからの過冷却液冷媒は減圧手段をなす膨張弁7により低圧に減圧され、低圧の気液2相状態となる。膨張弁7は低圧側の冷房用熱交換器をなす蒸発器8の出口冷媒の過熱度を所定値に調節するように弁開度(冷媒流量)を調節する温度式膨張弁である。
蓄冷ユニット9は図1の2点鎖線枠内の機器を図2、図3に示すタンク部材10を主体とした1つのユニット構造体として一体的に構成したものである。図2は蓄冷ユニット9の一部断面正面図で、図3は図2のA−A断面図である。但し、図3において、ポンプモータ部の断面図示は省略している。
タンク部材10は上下方向に延びる円筒状の形状であり、その底面部に低温の低圧液冷媒を溜める液冷媒タンク部10aを一体に構成している。そして、タンク部材10内部において液冷媒タンク部10aの上方部に、蓄冷材11aと冷媒との熱交換を行う蓄冷熱交換器11を配置している。この蓄冷熱交換器11としては先願(特願2002−372092号)にて既述したごとく種々の具体的構成を採用できるが、本実施形態では、一般にシェルアンドチューブタイプと称される熱交換器構成を基本にしている。
すなわち、蓄冷熱交換器11は、タンク部材10内周面に円板からなる上下の端板11b、11cを所定間隔を開けて固定し、この上下の端板11b、11cにより円管からなる多数の冷媒チューブ11dの上下両端部を保持固定している。冷媒チューブ11dの上端部は上側端板11bの上方空間10bに、冷媒チューブ11dの下端部は下側端板11cの下方空間(液冷媒タンク部10aの上方空間)10cにそれぞれ連通する。
この多数の冷媒チューブ11dは互いに所定間隔を開けて配置され、それにより、多数の冷媒チューブ11d相互間に蓄冷材11aの封入空間を形成している。タンク部材10において上側端板11bの直下の部位に蓄冷材11aの出し入れのための複数の開口部10dが開口している。
この開口部10dから蓄冷材11aを冷媒チューブ11d相互間の空間に挿入するようになっている。蓄冷材11aの挿入後に図示しないキャップによって開口部10dを密封することはもちろんである。
蓄冷材11aとしては、冷凍サイクルRの低圧冷媒により冷却されて相変化(液相→固相)して凝固潜熱を蓄冷できる材料、すなわち、低圧冷媒温度よりも高い温度で凝固する材料を選択する。
ここで、低圧冷媒温度は蒸発器8でのフロスト防止のために、通常3〜4℃程度の温度に制御され、また、冷房時における車室内吹出空気温度の目標上限温度は冷房フィーリングの確保、蒸発器8からの悪臭防止等のために、通常は12℃〜15°程度の温度に設定される。
従って、蓄冷材11aとしては、凝固点が上記低圧冷媒温度と冷房時吹出空気温度の目標上限温度との間に位置する材料が好ましく、具体的には、凝固点が6℃〜8℃程度のパラフィンが最適である。もちろん、低圧冷媒温度を0℃以下に制御すれば、蓄冷材11aとして水(氷)を使用することもできる。
蓄冷材11aの蓄冷状態(凝固状態)を維持するためには、タンク部材10内部を蓄冷材11aの凝固点以下の低温状態に維持する必要があるため、タンク部材10は断熱タンクとして構成することが好ましい。従って、タンク部材10は断熱性に優れた樹脂タンク、あるいは金属タンク表面に断熱材を貼り付けたもの等を用いる。
次に、蓄冷ユニット9と冷凍サイクル冷媒通路との接続関係を説明すると、タンク部材10の上側端面には上側蓋板12がシール固定されて、タンク部材10の上側端面を閉塞する。この上側蓋板12の上面部には配管接続ブロック体13がシール固定され、この配管接続ブロック体13には第1冷媒入口部14が形成されている。
この第1冷媒入口部14は、図1に示すように膨張弁7を通過して減圧された低温の低圧冷媒が流入するものである。そして、この第1冷媒入口部14は上側蓋板12を貫通する第1連通穴12aを介してタンク部材10内において蓄冷熱交換器11の上方空間10bに低温の低圧冷媒を流入させる。
また、配管接続ブロック体13には、第1冷媒入口部14と反対方向に開口する第1冷媒出口部15が形成されている。この第1冷媒出口部15は図1に示すように蒸発器8の入口部に接続されるもので、後述の出口パイプ21からの冷媒を蒸発器8の入口部に導入するためのものである。
更に、配管接続ブロック体13には、図2に示すように第1冷媒出口部15に隣接して第2冷媒入口部16が形成されている。この第2冷媒入口部16は図1に示すように蒸発器8の出口部に接続され、蒸発器8の出口冷媒が流入する。そして、配管接続ブロック体13において、第2冷媒入口部16の通路は図2の紙面垂直方向に貫通するように形成される。
この第2冷媒入口部16の貫通通路において図2の紙面裏側の開口部を第2冷媒出口部17として構成している。この第2冷媒出口部17は図1に示すように圧縮機1の吸入側に接続される。そして、配管接続ブロック体13において、第2冷媒入口部16と第2冷媒出口部17との中間部位は、図1、図2に示すように後述の第2逆止弁20を介して蓄冷熱交換器11の入口側、すなわち、蓄冷熱交換器11の上方空間10bに連通している。
なお、膨張弁7として、そのハウジング内に蒸発器8の出口冷媒が流れる蒸発器出口冷媒通路を構成して、蒸発器8の出口冷媒の感温機構を自身のハウジング内に一体構成する、いわゆるボックス型の温度式膨張弁を用いる場合には、第2冷媒出口部17をボックス型の温度式膨張弁7の蒸発器出口冷媒通路に接続すればよい。
一方、タンク部材10の下側端面の内周面に、所定厚さを有する円形の厚肉部材からなるタンク底面部材18を挿入してシール固定している。このタンク底面部材18に蓄冷熱交換器11の下方空間10cから下方へ向かって凹んだ凹状部18aを形成し、この凹状部18aにより上記液冷媒タンク部10aを形成している。
図3に示すようにタンク底面部材18に第1逆止弁19が配置してある。この第1逆止弁19の入口19aは蓄冷熱交換器11の下方空間10cおよび液冷媒タンク部10aに常時連通している。
第1逆止弁19の弁体19bに対して入口19aから出口19cの方向(上方から下方の方向)に冷媒圧力が作用するときは弁体19bの弾性シール材19eが弁座部19dから下方へ開離して開弁状態となる。逆に、弁体19bに対して出口19cから入口19aの方向に冷媒圧力が作用するときは弁体19bの弾性シール材19eが図3のように弁座部19dに圧着して閉弁状態となる。
そして、第1逆止弁19の入口19aの開口位置を液冷媒タンク部10aの底面部よりも所定高さHだけ高い位置に設定してあるので、後述の通常冷房・蓄冷モード時にこの所定高さHに対応する液冷媒量を液冷媒タンク部10aに貯えることができるようになっている。
第2逆止弁20も第1逆止弁19と同様の構成になっており、弁体20bに対して入口20aから出口20cの方向(上方から下方の方向)に冷媒圧力が作用するときは弁体20bの弾性シール材20eが弁座部20dから下方へ開離して開弁状態となる。逆に、弁体20bに対して出口20cから入口20aの方向に冷媒圧力が作用するときは弁体20bの弾性シール材20eが弁座部20dに圧着して閉弁状態となる。
タンク部材10の中心部には出口冷媒通路をなす出口パイプ21が蓄冷熱交換器11の中心部を貫通して上下方向に延びるように配置されている。この出口パイプ21の上端部はタンク部材10の上側蓋板12の中心部に位置する第2連通穴12bに嵌合してシール固定されている。
一方、出口パイプ21の下端側はタンク底面部材18の凹状部18aの底部に形成された嵌合穴18bに嵌合してシール固定されている。この嵌合穴18bは後述の通路構成により第1逆止弁19の出口19c側と電動ポンプ22の吐出側の両方に連通するようになっている。
電動ポンプ22は大別して、ポンプ部22Aと駆動用モータ部22Bとにより構成される。ポンプ部22Aは、所定厚さ(所定の軸方向寸法)を有する厚肉部材からなるブロック状のポンプハウジング23を有し、このポンプハウジング23内に遠心式ポンプ機構を構成している。
ポンプハウジング23の外形は図4に示すように略矩形状であり、アルミニュウム等の金属材料からなる。このポンプハウジング23内にポンプ室23aを形成し、このポンプ室23a内に液冷媒圧送用のインペラ(回転羽根)24を回転軸25と一体に回転自在に配置している。この回転軸25は軸受け26によりポンプハウジング23に回転自在に支持されている。
なお、ポンプハウジング23は図3の断面図にて1つの一体ハウジングとして図示しているが、実際には、製造上の作り易さから複数のハウジング部品に分割して所定形状に形成した後に、この複数のハウジング部品を一体にシール結合するのが好ましい。ポンプハウジング23およびタンク底面部材18はアルミニュウム等の金属材料を切削、冷間鍛造等の加工法を用いて形成される。
ポンプハウジング23においてポンプ室23aの中心部の上方部に円形状のポンプ吸入口27が形成され、この冷媒吸入口27はタンク底面部材18に開けられた円形状の連通穴28に対向している。このため、冷媒吸入口27は、タンク底面部材18に開けられた連通穴28を介して液冷媒タンク部10aの底面部に連通している。
ここで、冷媒吸入口27と連通穴28とによりポンプ部22Aの液冷媒吸入通路が構成される。また、ポンプ室23aの外周部の上方側に円形状のポンプ吐出口29が形成されている。
一方、ポンプハウジング23の上面部には、図4に示すように中心部のポンプ吸入口27よりも外周側部位にポンプ吸入口27の円形状に沿って円弧状の凹部30aを形成し、この円弧状の凹部30aにより円弧状の冷媒連通路30を形成している。
この冷媒連通路30の円弧形状の一端部が第1逆止弁19の出口19cに対向してこの出口19cに連通する。そして、冷媒連通路30の円弧形状の他端部の下面側がポンプ吐出口29に対向してこのポンプ吐出口29に連通する。また、冷媒連通路30の円弧形状の他端部の上面側がタンク底面部材18の嵌合穴18bに対向して出口パイプ21の下端部に連通する。
なお、ポンプハウジング23の矩形状角部近傍の4カ所に取付穴33(図4)を形成すしている。そして、後述の駆動用モータ部22Bのモータハウジング40のフランジ部40aに、この取付穴33に対応する取付穴40d(図6)を形成している。この両取付穴33、40dにボルト32(図2、3)を通して、このボルト32をタンク底面部材18側の雌ねじ18c(図2、図4)にねじ込むようになっている。これにより、ポンプハウジング23およびモータハウジング40をタンク底面部材18に対して共締めで一体に締結する構成になっている。
その際に、タンク底面部材18の底面部において円形状の連通穴28の外周側と円弧状の冷媒連通路30の内周側との間に小径の第1Oリング31(図3)を配置して、連通穴28とポンプ吸入口27との接続部をシールする。これにより、この接続部からの冷媒洩れを防止する。
また、タンク底面部材18の底面部において円弧状の冷媒連通路30よりも更に外周側の部位に大径の第2Oリング32(図3)を配置している。これにより、内外の両Oリング31、32により、冷媒連通路30と第1逆止弁19の出口19cとの接続部および冷媒連通路30と嵌合穴18bとの接続部をシールして、この両接続部からの冷媒洩れを防止する。
小径の第1Oリング31と大径の第2Oリング32はタンク底面部材18の底面部に図5に示すように同心状に配置される。
次に、電動ポンプ22における駆動用モータ部22Bの概要を図6に基づいて説明する。駆動用モータ部22Bは樹脂製の円筒状モータハウジング40を有している。このモータハウジング40のうち、ポンプ部22A側の端部(上方側端部)に上記フランジ部40aおよび隔壁40bを一体成形している。
フランジ部40aは板状部材であり、モータハウジング40の円筒状の径外方側にポンプハウジング23の矩形状に対応した矩形状に突き出す形状になっている。これに対し、隔壁40bはモータハウジング40の円筒状の径内方側に形成され、ポンプ部22Aのポンプハウジング23の内部空間と駆動用モータ部22Bのモータハウジング40の内部空間とを隔離するものである。隔壁40bの中心部には円筒状凹部40cが形成されている。
モータハウジング40内には電機子部41および整流子42が回転軸41aと一体に回転可能に構成され、回転軸41aは軸受け41bによりモータハウジング40に回転自在に支持されている。電機子部41には整流子42およびブラシ43を介して電流が流れるようになっている。ブラシ43はリード線43aによりコネクタ部44に電気的に接続され、このコネクタ部44を介して外部電気回路、すなわち、図1の制御装置5に接続される。
モータハウジング40にはブラシ43の配置場所に対応してブラシ取り出し穴45を設け、このブラシ取り出し穴45を着脱可能なキャップ46にて閉塞するようになっている。従って、キャップ46を穴45から取り外すことによりブラシ43の点検交換を容易に行うことが可能である。
また、モータハウジング40内において、隔壁40bの円筒状凹部40cの外周側に円筒状永久磁石47が回転自在に配置されている。この円筒状永久磁石47は電機子部41と一体に結合され、電機子部41と一体に回転するようになっている。
一方、円筒状凹部40cはポンプ部22A側の端部(上方側端部)が開口する形状になっており、この円筒状凹部40cの内部にポンプ部22Aの回転軸25に結合された円柱状永久磁石48が回転自在に配置されている。
これらの両永久磁石47、48は隔壁40bを介在して同心状に配置されている。そして、隔壁40bが非磁性体(樹脂)であるため、両永久磁石47、48間を非接触で一体に結合する磁気吸引力がこの隔壁40bを貫通して作用する。つまり、両永久磁石47、48は、モータ電機子部41とポンプ回転軸25とを非接触で一体に結合するマグネットカップリングを構成する。
なお、蓄冷ユニット9のタンク部材10の上面に膨張弁7を配置すれば、膨張弁7も蓄冷ユニット9の一部分として一体化し、膨張弁7と蓄冷ユニット9を一体状態にて車両に搭載することができる。
また、蓄冷ユニット9はタンク部材10内部の低温状態を維持するためにはタンク部材10内部への熱の侵入をできるだけ抑制した方が良い。そのためには、蓄冷ユニット9を車室内、例えば、車室内前部の計器盤内側等に設置した方が良い。しかし、車室内のスペース的制約から車室内に蓄冷ユニット9の搭載スペースを確保できない場合は、蓄冷ユニット9を車室外、例えば、エンジンルーム等に設置することになる。
図1に示す空調室内ユニット50は通常、車室内前部の計器盤内側に搭載される。空調室内ユニット50の空調ケース51は図示しない空調用送風機により車室内へ向かって送風される空気の通路を構成する。この空調ケース51内に蒸発器8が設置されている。
蒸発器8の空気吹出直後の部位に蒸発器8の温度センサ52が配置され、蒸発器吹出温度Teを検出する。ここで、蒸発器温度センサ52により検出される蒸発器吹出温度Teは、通常の空調装置と同様に、圧縮機1の電磁クラッチ2の断続制御や、圧縮機1が可変容量型である場合はその吐出容量制御に使用され、これらのクラッチ断続制御や吐出容量制御により蒸発器8の冷却能力を調節して、蒸発器8の吹出温度を制御する。
図1に示すように、空調用制御装置5には、上記の温度センサ52の他に、空調制御のために、内気温Tr、外気温Tam、日射量Ts、温水温度Tw等を検出する周知のセンサ群53から検出信号が入力される。また、車室内計器盤近傍に設置される空調制御パネル54の操作スイッチ群の操作信号も空調用制御装置5に入力される。
空調制御パネル54には乗員により手動操作される温度設定スイッチ、風量切替スイッチ、吹出モードスイッチ、内外気切替スイッチ、圧縮機1のオンオフ信号を発生するエアコンスイッチ等の種々な操作スイッチ群(図示せず)が備えられている。
また、空調用制御装置5はエンジン用制御装置55に接続されており、エンジン用制御装置55から空調用制御装置5には車両エンジン4の回転数信号、車速信号等が入力される。
エンジン用制御装置55は周知のごとく車両エンジン4の運転状況等を検出するセンサ群56からの信号に基づいて車両エンジン4への燃料噴射量、点火時期等を総合的に制御するものである。さらに、本実施形態の対象とするエコラン車においては、車両エンジン4の回転数信号、車速信号、ブレーキ信号等に基づいて停車状態を判定すると、エンジン用制御装置55は、点火装置の電源遮断、燃料噴射の停止等により車両エンジン4を自動的に停止させる。
また、エンジン停止後、運転者の運転操作により車両が停車状態から発進状態に移行すると、エンジン用制御装置55は車両の発進状態をアクセル信号等に基づいて判定して、車両エンジン4を自動的に始動させる。なお、空調用制御装置5は、車両エンジン4停止後の放冷冷房モードの時間が長時間に及び、蓄冷熱交換器11の蓄冷熱量による冷房を持続できない状態になった時、すなわち、蒸発器吹出温度Teが所定の目標上限温度まで上昇した時は、エンジン再稼働要求の信号をエンジン用制御装置55に出力する。
空調用制御装置5およびエンジン用制御装置55はCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータと、その周辺回路にて構成されるものである。なお、空調用制御装置5およびエンジン用制御装置55を1つの制御装置として統合してもよい。
次に、上記構成において第1実施形態の作動を説明する。図7は車両走行時の通常冷房・蓄冷モード時の作動を示すものであり、この通常冷房・蓄冷モード時では車両エンジン4によって圧縮機1を駆動することにより冷凍サイクルRが運転される。
従って、圧縮機1から吐出された高圧気相冷媒が凝縮器6にて冷却され、過冷却状態の液冷媒となって膨張弁7に流入する。この膨張弁7で高圧液冷媒が減圧されて低温低圧の気液2相状態となり、この低圧冷媒が蓄冷ユニット9の配管接続ブロック体13の第1冷媒入口部14からタンク部材10内に流入する。この流入冷媒はタンク部材10内において蓄冷熱交換器11の上方空間10bから多数の冷媒チューブ11d内を上方から下方へと流れる。
ここで、蓄冷熱交換器11の下方部に位置する第1逆止弁19の弁体19bに対して入口19aから出口19cの方向(順方向)に冷媒圧力が作用して、第1逆止弁19が開弁するので、蓄冷熱交換器11の下方空間10cが第1逆止弁19を介してポンプハウジング23の円弧状冷媒連通路30に連通する。
従って、蓄冷熱交換器11の下方空間10cに到達した低圧冷媒は第1逆止弁19および冷媒連通路30を通過して出口パイプ21の下端部へと流れる。そして、低圧冷媒は出口パイプ21を下方から上方へと通過して配管接続ブロック体13の第1冷媒出口部15に到達する。
なお、通常冷房・蓄冷モード時は液冷媒循環用の電動ポンプ22の作動が不要であるため、空調制御装置5の出力により電動ポンプ22が停止している。このため、電動ポンプ22のインペラ24が流通抵抗となるので、蓄冷熱交換器11の下側空間10c(液冷媒タンク部10a)の冷媒が電動ポンプ22内を通過して出口パイプ21の下端部に流入する量は僅少である。従って、蓄冷熱交換器11の下側空間10cの冷媒の大部分は第1逆止弁19および冷媒連通路30を通過して出口パイプ21の下端部へと流れる。
このとき、第2逆止弁20の弁体20bに対しては出口20cから入口20aの方向(逆方向)に冷媒圧力が作用して、第2逆止弁20は閉弁状態を維持する。
第1冷媒出口部15に到達した低圧冷媒はその後、蒸発器8の入口部に流入し、蒸発器8において空調ケース51内の送風空気から吸熱して蒸発し、気相冷媒となる。この気相冷媒は、蒸発器8の出口から配管接続ブロック体13の第2冷媒入口部16に流入する。
この第2冷媒入口部16に流入した気相冷媒は、第2逆止弁20が閉弁しているので、第2冷媒出口部17から圧縮機1の吸入側に向かって流れて圧縮機1に吸入され、再度圧縮される。蒸発器8にて吸熱された冷風は空調ケース51の吹出口(図示せず)から車室内へ吹き出して車室内を冷房する。
次に、通常冷房・蓄冷モード時における蓄冷ユニット9のタンク部材10内部での冷媒の挙動をより具体的に説明すると、夏期の高外気温時に冷房を始動する場合には蒸発器8の吸い込み空気温度が40℃以上にも及ぶ高温となり、蒸発器8の冷房熱負荷が非常に大きくなる。このような冷房高負荷条件の下では、蒸発器8の出口冷媒の過熱度が過大となり、膨張弁7の弁部の開度が全開となり、冷凍サイクルの低圧圧力が上昇する。
そのため、蓄冷ユニット9の蓄冷熱交換器11に流入する低圧冷媒の温度が蓄冷熱交換器11の蓄冷材11aの凝固点(6〜8℃程度)より高い温度となる。従って、蓄冷材11aは低圧冷媒との熱交換で凝固せず、蓄冷材11aから顕熱分を吸熱するだけである。その結果、冷房高負荷条件では低圧冷媒が蓄冷熱交換器11にて吸熱する熱量は僅少量となる。
そのため、低圧冷媒のほとんどは蓄冷熱交換器11を持たない通常の空調装置と同様に蒸発器8にて車室内吹出空気から吸熱して蒸発する。なお、冷房高負荷時には、通常、室内空調ユニット50において図示しない内外気切替箱から内気を吸入する内気モードが選択されるから、冷房始動後の時間経過により蒸発器8の吸い込み空気温度が低下し、冷房熱負荷が低下する。これにより、蒸発器8の出口冷媒の過熱度が減少するので、膨張弁7の弁部の開度が減少し、冷凍サイクルの低圧圧力が低下し、低圧冷媒温度が低下する。
そして、低圧冷媒温度が蓄冷熱交換器11の蓄冷材11aの凝固点より低下すると、蓄冷材11aの凝固が開始され、低圧冷媒は蓄冷材11aから凝固潜熱を吸熱するので、蓄冷材11aからの吸熱量が増加する。しかし、蓄冷材11aがこのように凝固潜熱を蓄冷する段階に至った時点では、既に、冷房熱負荷の低下により低圧冷媒温度が十分低下し、車室内吹出空気が十分低下している。
従って、蓄冷材11aへの凝固潜熱の蓄冷作用によって、冷房高負荷条件における急速冷房性能(クールダウン性能)が大きく阻害されることがない。換言すると、蓄冷熱交換器11を冷房用蒸発器8の冷媒回路に直列接続しても、冷房高負荷条件における急速冷房性能を、僅少量低下させるだけであり、良好に発揮できる。
そして、冷房熱負荷が低下して蓄冷材11aが凝固する時には、サイクル内の循環冷媒流量が減少し、蓄冷ユニット9のタンク部材10内での冷媒流速が低下して、気液2相状態の低圧冷媒の気液分離が起こりやすくなる。これにより、タンク部材10の下部に形成されている液冷媒タンク部10aに液冷媒が重力により落下し、徐々に溜まっていく。
そして、液冷媒タンク部10aにおける貯留液冷媒の液面が上昇して、第1逆止弁19の入口19aの高さH(図3)に到達すると、液冷媒タンク部10aの液冷媒は第1逆止弁19を通して蒸発器8に送り込まれるから、第1逆止弁19の入口19aの高さHよりも貯留液冷媒の液面が上昇することはない。換言すると、第1逆止弁19の入口19aの高さHにより貯留液冷媒の最大量を決めることができる。
次に、信号待ち等の停車時に車両エンジン4を自動的に停止する場合の放冷冷房モードについて説明する。図8はこの停車時における放冷冷房モードの冷媒循環経路を示す。停車時には空調作動状態(空調用送風機の作動状態)であっても、車両エンジン4の停止に伴って冷凍サイクルRの圧縮機1も強制的に停止状態となる。そこで、空調用制御装置5ではこの停車時のエンジン(圧縮機)停止状態を判定して、蓄冷ユニット9の電動ポンプ22の駆動用モータ部22Bに給電し、電動ポンプ22を作動させる。
より具体的に説明すると、駆動用モータ部22Bのブラシ43および整流子42を介して電機子部41に給電されると、電機子部41が円筒状永久磁石47と一体に回転する。そして、モータ側の円筒状永久磁石47とポンプ側の円柱状永久磁石48とが隔壁40bを介在して、非接触で一体に磁気結合されているので、電機子部41の回転は円柱状永久磁石48と一体に結合されたポンプインペラ24に伝達され、ポンプインペラ24が電機子部41と一体に回転する。
これにより、タンク部材10下部の液冷媒タンク部10aに溜まっている液冷媒をポンプインペラ24が吸入してポンプ吐出口29側へ吐出する。このポンプインペラ24による液冷媒の吸入、吐出作用によって、第1逆止弁19には冷媒圧力が逆方向に作用して第1逆止弁19は閉弁する。
そして、液冷媒はポンプ吐出口29→出口パイプ21→第1冷媒出口部15の経路を経て蒸発器8の入口部に流入し、蒸発器8において空調ケース51内の送風空気から吸熱して蒸発し、気相冷媒となる。従って、蒸発器8では圧縮機停止後においても送風空気の冷却作用を継続でき、車室内の冷房作用(放冷冷房作用)を継続できる。
蒸発器8で蒸発した気相冷媒は、蒸発器8の出口から配管接続ブロック体13の第2冷媒入口部16に流入する。このとき、第2逆止弁20の弁体20bに対して、その入口20aから出口20cの方向(順方向)に冷媒圧力が作用するので、第2逆止弁20は開弁状態にある。従って、第2冷媒入口部16の気相冷媒は第2逆止弁20部分を通過してタンク部材10内部の蓄冷熱交換器11の上方空間10bに流入する。そして、この上方空間10bから気相冷媒は冷媒チューブ11dを上方から下方へと流れる。
ここで、蒸発器8で蒸発した気相冷媒の温度は蓄冷熱交換器11の蓄冷材11aの凝固点より高いので、蓄冷材11aは気相冷媒から融解潜熱を吸熱して固相から液相に相変化(融解)する。これにより、気相冷媒は蓄冷材11aにより冷却され凝縮する。この液冷媒は重力により落下して液冷媒タンク部10aに蓄えられる。
そして、蓄冷材11aが液相に相変化していくことにより、液冷媒タンク部10a内の液冷媒量が減少していくが、液冷媒タンク部10a内の液冷媒が残存している間、停車時(圧縮機停止時)の車室内冷房作用を継続できる。
上記した停車時の放冷冷房モードでは、図8の矢印に示すように、液冷媒タンク部10a→電動ポンプ22→蒸発器8→第2逆止弁20→蓄冷熱交換器11→液冷媒タンク部10aからなる冷媒循環回路で冷媒が循環して、車室内の冷房作用を継続することになる。
なお、信号待ちによる停車時間は通常、1〜2分程度の短時間であるから、蓄冷材11aとして、凝固点=6℃、凝固潜熱=229kJ/kgのパラフィンを、420g程度用いることにより、1〜2分程度の停車時の間、車室内冷房作用を継続できることを確認している。
次に、第1実施形態の作用効果を、図9に示す一般的な遠心式の電動ポンプ22と対比して説明する。図9に示す一般的な電動ポンプ22では、ポンプ部22Aのポンプハウジング23に吸入パイプ280および吐出パイプ290を設けて、この両パイプパイプ280、290をそれぞれ接続相手の部材に接続している。更に、本実施形態の対象とする蓄冷式の空調装置においては、第1逆止弁19の出口19c側をポンプ部22Aの吐出パイプ290側に接続する必要がある。
従って、図9に示す一般的な電動ポンプ22をそのまま本実施形態に適用すると、電動ポンプ22の吸入側、吐出側の接続作業の他に、第1逆止弁19の出口19c側とポンプ吐出側との接続作業も必要となり、接続箇所が増える。この結果、装置全体の体格が大きくなって、車両搭載性を悪化するとともに、コストアップを招く。
これに反し、本実施形態においては、電動ポンプ22のポンプ部22Aのポンプハウジング23を、所定厚さ(所定の軸方向寸法)を有する厚肉部材からなるブロック状の部品で構成し、このポンプハウジング23の上面部に、タンク部材10のタンク底面部材18の円形状連通穴28に対向する円形状のポンプ吸入口27を形成するとともに、このポンプ吸入口27の外周側に円弧状の凹部30aを形成して、この円弧状の凹部30aにより円弧状の冷媒連通路30を形成している。
そして、この冷媒連通路30の円弧形状の一端部の上面側を第1逆止弁19の出口19cに対向して連通させ、冷媒連通路30の円弧形状の他端部の下面側をポンプ吐出口29に対向して連通させている。更に、冷媒連通路30の円弧形状の他端部の上面側をタンク底面部材18の嵌合穴18bに対向して出口パイプ21の下端部に連通させている。
このため、出口パイプ21の下端部をポンプハウジング23の上面部に形成した1つの冷媒連通路30を介して第1逆止弁19の出口19c側とポンプ吐出口29側の両方に連通できる。
それ故、ポンプハウジング23をタンク部材10のタンク底面部材18側にボルト32で締結するという1カ所の締結作業を行うのみで、ポンプ吸入口27と液冷媒タンク部10aの底面部との連通接続作業、および出口パイプ21と第1逆止弁19の出口19c側およびポンプ吐出口29側との連通接続作業を同時に完了できる。また、第1逆止弁19の入口19aの所定高さHの設定により所定量の液冷媒を液冷媒タンク部10a内に保持する機能をも確保できる。
この結果、電動ポンプ22とタンク部材10との通路接続構成を簡素化でき、装置全体の体格を小型化できる。よって、蓄冷ユニット9の車両搭載性を向上できるとともに、蓄冷ユニット9のコストを低減できる。
しかも、ボルト32の締結作業はタンク部材10外部の広い作業スペースを利用して簡単に行うことができる。
また、タンク底面部材18の下方側に電動ポンプ22を配置するとともに、電動ポンプ22のポンプ部22Aの内部空間と駆動用モータ部22Bの内部空間との間を、モータハウジング40に一体成形された隔壁40bにより隔離し、駆動用モータ部22Bの電機子部41とポンプ部22Aのポンプ回転軸25との間を、永久磁石47、48によるマグネットカップリング構造にて非接触で一体に結合している。
これにより、駆動用モータ部22Bの内部空間はポンプ部22A側の液冷媒空間から切り離して構成できる。従って、駆動用モータ部22Bのブラシ43の点検交換に際しては、モータハウジング40のブラシ取り出し穴45に設けたキャップ46を脱着するのみで、ブラシ43をブラシ取り出し穴45から容易に脱着できる。よって、ブラシ43の点検交換を簡単な作業で容易に行うことができる。
また、前述した先願のものでは、液冷媒循環用の電動ポンプをタンク部材の液冷媒タンク部内に液冷媒中に浸漬する形態で配置しているので、電動ポンプへの給電用の電気リード線を液冷媒タンク部の内外を貫通して配線する必要が生じる。この結果、液冷媒タンク部のリード線取り出し部の電気絶縁と液冷媒の洩れ防止のためのシール構造を特別に必要としているが、本実施形態では、ブラシ43のリード線43aの取り出し部は大気中に位置しており、液冷媒中に浸漬されないから、特別のシール構造は一切必要としない。
(第2実施形態)
上述の第1実施形態では、電動ポンプ22のポンプ部22Aのポンプハウジング23を、所定厚さ(所定の軸方向寸法)を有する厚肉部材からなるブロック状の部品で構成し、このポンプハウジング23の上面部に、円弧状の凹部30aからなる円弧状の冷媒連通路30を形成しているが、第2実施形態では、図10に示すように、冷媒連通路30をタンク部材10のタンク底面部材18側に形成している。
第2実施形態をより具体的に説明すると、タンク部材10のタンク底面部材18を第1実施形態よりも上下方向の厚さ寸法が一層大きい厚肉部材からなるブロック状の部品で構成している。これにより、タンク底面部材18のうち、液冷媒タンク部10a下方の底面部に冷媒連通路30を形成している。
この冷媒連通路30は、円形状の連通穴28の外周側に形成した円弧状の凹部30aにより円弧状に形成される。そして、この冷媒連通路30の円弧形状の一端部の上面側は第1逆止弁19の出口19cに直接連通している。冷媒連通路30の円弧形状の他端部の下面側は、ポンプハウジング23のポンプ吐出口29の上端開口部に対向して連通する。更に、冷媒連通路30の円弧形状の他端部の上面側は、タンク底面部材18の底部に形成された嵌合穴18bに直接連通している。
第2実施形態によると、冷媒連通路30をタンク底面部材18側に形成しているので、ポンプハウジング23側には冷媒通路接続のためにポンプ吸入口27とポンプ吐出口29を形成するだけでよい。従って、ポンプハウジング23のブロック状肉厚寸法を小さくできる。
一方、冷媒連通路30をタンク底面部材18側に形成しても、電動ポンプ22とタンク部材10との通路接続構成を簡素化でき、装置全体の体格を小型化できる等の効果は第1実施形態と同様に発揮できる。
(第3実施形態)
上述の第1、第2実施形態では、図5に示すように、タンク底面部材18の底面部に小径の第1Oリング31と大径の第2Oリング32を同心状に配置して、タンク底面部材18とポンプハウジング23との間の各接続部をシールしているが、第3実施形態では図11に示す1枚の円形シート状のガスケット60を用いて、2個の第1、第2Oリング31、32と同様のシール効果を発揮するものである。
円形シート状のガスケット60はゴム等の弾性変形可能な弾性材料により円形のシート状に成形されたものである。この1枚のガスケット60の中心部には円形状の連通穴28およびポンプ吸入口27に対応する円形状の第1開口部60aが開けてある。また、ガスケット60において、この円形状の第1開口部60aの外周側に、円弧状の冷媒連通路30に対応する円弧状の第2開口部60bが開けてある。
このように円形状の第1開口部60aと円弧状の第2開口部60bを有する円形シート状のガスケット60を用いることにより、タンク底面部材18とポンプハウジング23との間の各接続部のシール機能を1枚のガスケット60にて発揮できる。
(他の実施形態)
なお、第1実施形態では、駆動用モータ部22Bの電機子部41の回転軸41aとポンプ部22Aのポンプ回転軸25との間を、永久磁石47、48によるマグネットカップリング構造にて非接触で一体に結合する構成とし、駆動用モータ部22Bの内部空間とポンプ部22Aの内部空間との間を隔壁40bにより隔離しているが、このようなマグネットカップリング構造を廃止して、駆動用モータ部22Bの電機子部41の回転軸41aによりポンプ部22Aのインペラ24を直接回転駆動する構成としてもよい。
すなわち、電機子部41の回転軸41aをポンプ部22Aのポンプ室23a内部まで延長して、この延長先端部にインペラ24を直接取り付け、電機子部41の回転軸41aによりインペラ24を直接回転駆動するようにしてもよい。
但し、この場合は、回転軸41aとポンプハウジング23の嵌合部(図3、図6の軸受け26の嵌合部に相当する部分)との間に軸シール装置を設けて、液冷媒のモータ側への洩れを防止する。
また、上記の各実施形態では、停車時に車両エンジン4を停止する制御を行う車両に搭載される車両用空調装置について説明したが、例えば、車両走行用の動力源として、車両エンジン4と電動モータの両方を備えるハイブリッド車に本発明を適用してもよい。ハイブリッド車では、車両走行時にも走行条件に応じて(例えば減速時、低負荷走行時等に)車両エンジン4を停止する場合もあるので、この車両走行時における車両エンジン4の停止時にも上記各実施形態の放冷冷房モードを実施すればよい。
本発明の第1実施形態を示す冷凍サイクルの回路図および電気制御部を含む全体システム図である。 図1の蓄冷ユニットの具体的構成を例示する一部断面正面図である。 図2のA−A断面図で、モータ部の断面図示は省略している。 第1実施形態による蓄冷ユニットの要部の概略斜視図である。 第1実施形態による蓄冷ユニットのシール用Oリングの配置説明図である。 第1実施形態による蓄冷ユニットの電動ポンプの断面図で、モータ部は半断面で図示している。 第1実施形態による通常冷房・蓄冷モード時の作動説明図である。 第1実施形態による放冷冷房モード時の作動説明図である。 一般的な遠心式ポンプの概略斜視図である。 第2実施形態による蓄冷ユニットの要部の断面図である。 第3実施形態によるシール用ガスケットの正面図である。
符号の説明
1…圧縮機、4…車両エンジン、6…凝縮器(高圧側熱交換器)、
7…膨張弁(減圧手段)、8…蒸発器、9…蓄冷ユニット、10…タンク部材、
10a…液冷媒タンク部、11…蓄冷熱交換器、11a…蓄冷材、18…タンク底面部材、
19、20…逆止弁、22…電動ポンプ、22A…ポンプ部、22B…モータ部、
30…円弧状冷媒連通路、30a…円弧状凹部。

Claims (6)

  1. 車両エンジン(4)により駆動される圧縮機(1)と、
    前記圧縮機(1)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う高圧側熱交換器(6)と、
    前記高圧側熱交換器(6)を通過した冷媒を減圧する減圧手段(7)と、
    前記減圧手段(7)により減圧された低圧冷媒を蒸発させて車室内へ送風される空気を冷却する蒸発器(8)と、
    前記蒸発器(8)の入口側に前記蒸発器(8)と直列に設けられ、前記圧縮機(1)の稼働時に、前記低圧冷媒により冷却される蓄冷材(11a)を有する蓄冷熱交換器(11)と、
    前記蓄冷熱交換器(11)を内蔵するタンク部材(10)と、
    前記タンク部材(10)の底面部に配置されるタンク底面部材(18)と、
    前記タンク底面部材(18)により前記蓄冷熱交換器(11)の下方部に形成され、液冷媒を溜める液冷媒タンク部(10a)と、
    前記圧縮機(1)の停止時に、前記液冷媒タンク部(10a)内の液冷媒を前記蒸発器(8)の入口側に導入する電動ポンプ(22)とを備え、
    前記電動ポンプ(22)は、前記タンク底面部材(18)の下方側に配置され、前記液冷媒タンク部(10a)内の液冷媒を吸入し前記蒸発器(8)の入口側に向けて吐出するポンプ部(22A)と、前記ポンプ部(22A)を駆動するモータ部(22B)とにより構成され、
    前記ポンプ部(22A)は、液冷媒圧送機構(24)と前記液冷媒圧送機構(24)を内蔵するポンプハウジング(23)とを有し、
    前記タンク部材(10)の内部に前記蒸発器(8)の入口側に向かって冷媒が流れる出口冷媒通路(21)が構成され、
    前記液冷媒タンク部(10a)と前記出口冷媒通路(21)との間に逆止弁(19)が設けられ、
    前記逆止弁(19)は、前記圧縮機(1)の稼働時に前記蓄冷熱交換器(11)を通過した低圧冷媒が前記液冷媒タンク部(10a)から前記出口冷媒通路(21)側に向かって流れることを許容し、前記圧縮機(1)の停止時には前記電動ポンプ(22)からの吐出液冷媒が前記液冷媒タンク部(10a)側に直接戻ることを防止するように構成されており、
    前記ポンプハウジング(23)を厚肉部材からなるブロック状部品で構成し、
    前記ポンプハウジング(23)のうち、前記タンク底面部材(18)の底面部に対向する上面部に、凹部(30a)からなる冷媒連通路(30)を形成し、前記冷媒連通路(30)により、前記逆止弁(19)の出口側および前記液冷媒圧送用ポンプ機構(24)の吐出側を前記出口冷媒通路(21)に連通するようにしたことを特徴とする車両用蓄冷式空調装置。
  2. 車両エンジン(4)により駆動される圧縮機(1)と、
    前記圧縮機(1)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う高圧側熱交換器(6)と、
    前記高圧側熱交換器(6)を通過した冷媒を減圧する減圧手段(7)と、
    前記減圧手段(7)により減圧された低圧冷媒を蒸発させて車室内へ送風される空気を冷却する蒸発器(8)と、
    前記蒸発器(8)の入口側に前記蒸発器(8)と直列に設けられ、前記圧縮機(1)の稼働時に、前記低圧冷媒により冷却される蓄冷材(11a)を有する蓄冷熱交換器(11)と、
    前記蓄冷熱交換器(11)を内蔵するタンク部材(10)と、
    前記タンク部材(10)の底面部に配置されるタンク底面部材(18)と、
    前記タンク底面部材(18)により前記蓄冷熱交換器(11)の下方部に形成され、液冷媒を溜める液冷媒タンク部(10a)と、
    前記圧縮機(1)の停止時に、前記液冷媒タンク部(10a)内の液冷媒を前記蒸発器(8)の入口側に導入する電動ポンプ(22)とを備え、
    前記電動ポンプ(22)は、前記タンク底面部材(18)の下方側に位置して、前記液冷媒タンク部(10a)内の液冷媒を吸入し前記蒸発器(8)の入口側に向けて吐出するポンプ部(22A)と、前記ポンプ部(22A)を駆動するモータ部(22B)とにより構成され、
    前記ポンプ部(22A)は、液冷媒圧送機構(24)と前記液冷媒圧送機構(24)を内蔵するポンプハウジング(23)とを有し、
    前記タンク部材(10)の内部に前記蒸発器(8)の入口側に向かって冷媒が流れる出口冷媒通路(21)が構成され、
    前記液冷媒タンク部(10a)と前記出口冷媒通路(21)との間に逆止弁(19)が設けられ、
    前記逆止弁(19)は、前記圧縮機(1)の稼働時に前記蓄冷熱交換器(11)を通過した低圧冷媒が前記液冷媒タンク部(10a)から前記出口冷媒通路(21)側に向かって流れることを許容し、前記圧縮機(1)の停止時には前記電動ポンプ(22)からの吐出液冷媒が前記液冷媒タンク部(10a)側に直接戻ることを防止するように構成されており、
    前記タンク底面部材(18)を厚肉部材からなるブロック状部品で構成し、
    前記タンク底面部材(18)のうち、前記ポンプハウジング(23)の上面部に対向する底面部に、凹部(30a)からなる冷媒連通路(30)を形成し、前記冷媒連通路(30)により、前記逆止弁(19)の出口側および前記液冷媒圧送用ポンプ機構(24)の吐出側を前記出口冷媒通路(21)に連通するようにしたことを特徴とする車両用蓄冷式空調装置。
  3. 前記冷媒連通路(30)は、前記液冷媒タンク部(10a)内の液冷媒を前記液冷媒圧送機構(24)の吸入側に吸入する円形状の吸入通路(27、28)の外周側に円弧状に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用蓄冷式空調装置。
  4. 前記円形状の吸入通路(27、28)の外周側と前記円弧状の冷媒連通路(30)の内周側との間に位置する小径の第1Oリング(31)と、
    前記円弧状の冷媒連通路(30)の外周側に位置する大径の第2Oリング(32)とを備え、
    前記第1Oリング(31)と前記第2Oリング(32)を、前記タンク底面部材(18)の底面部と前記ポンプハウジング(23)の上面部との間に同心状に配置したことを特徴とする請求項3に記載の車両用蓄冷式空調装置。
  5. 前記円形状の吸入通路(27、28)に対応する円形状の第1開口部(60a)と、前記円弧状の冷媒連通路(30)に対応する円弧状の第2開口部(60b)とを有する1枚のシート状のガスケット(60)を備え、
    前記ガスケット(60)を前記タンク底面部材(18)の底面部と前記ポンプハウジング(23)の上面部との間に配置したことを特徴とする請求項3に記載の車両用蓄冷式空調装置。
  6. 車両エンジン(4)により駆動される圧縮機(1)と、
    前記圧縮機(1)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う高圧側熱交換器(6)と、
    前記高圧側熱交換器(6)を通過した冷媒を減圧する減圧手段(7)と、
    前記減圧手段(7)により減圧された低圧冷媒を蒸発させて車室内へ送風される空気を冷却する蒸発器(8)と、
    前記蒸発器(8)と直列に設けられ、前記圧縮機(1)の稼働時に、前記低圧冷媒により冷却される蓄冷材(11a)を有する蓄冷熱交換器(11)と、
    前記蓄冷熱交換器(11)を内蔵するタンク部材(10)と、
    前記タンク部材(10)の内部において、前記蓄冷熱交換器(11)の下方部に形成され、液冷媒を溜める液冷媒タンク部(10a)と、
    前記圧縮機(1)の停止時に、前記液冷媒タンク部(10a)内の液冷媒を前記蒸発器(8)の入口側に導入する電動ポンプ(22)とを備え、
    前記電動ポンプ(22)は、前記液冷媒タンク部(10a)の下方側に配置され、前記液冷媒タンク部(10a)内の液冷媒を吸入し前記蒸発器(8)の入口側に向けて吐出するポンプ部(22A)と、前記ポンプ部(21A)を駆動するモータ部(22B)とにより構成されることを特徴とする車両用蓄冷式空調装置。
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