JP2005180313A - 圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】同期モーターで構成された密閉型電動圧縮機に関し、始動時の同期引込み時にクランクシャフトの瞬時の加速によって発生する軸受部の摩耗を防止すること。
【解決手段】電動要素が同期モーターで構成されると共に、軸受部108と固定子105の間に2枚のスラストプレート118a及び118bに挟まれるようにスラストボールベアリング114を配設することによって、起動時の同期引込み時におけるスラスト摩耗を防止することができる同期モーターを搭載した圧縮機を提供できる。
【選択図】図1
【解決手段】電動要素が同期モーターで構成されると共に、軸受部108と固定子105の間に2枚のスラストプレート118a及び118bに挟まれるようにスラストボールベアリング114を配設することによって、起動時の同期引込み時におけるスラスト摩耗を防止することができる同期モーターを搭載した圧縮機を提供できる。
【選択図】図1
Description
本発明は同期型誘導電動機(以下同期モーターという)を搭載した圧縮機の信頼性の向上に関するものである。
従来、この種の圧縮機はオイルによって流体潤滑を形成するスラストワッシャーを備えたものがある。(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の圧縮機を説明する。
図7は、特許文献1に記載された従来の密閉型電動圧縮機の横断面図、図8は従来の密閉型電動圧縮機の要部拡大図、図9は同期型電動誘導電動機の回転子の断面図、図10は同期型電動誘導機を搭載した圧縮機のS−T特性図である。
図7から図10において、密閉容器1内には圧縮要素2と固定子4と回転子5から成る電動要素3が収納され、下部にはオイル6が貯蔵されている。
圧縮要素2は軸受部8を有しシリンダー9を形成するシリンダーブロック10と、偏芯軸部7aと主軸部7bを有したクランクシャフト7と、シリンダー9内を往復運動するピストン12と、クランクシャフト7の偏芯部7aとピストン12とを連結するコンロッド11とを備えている。また、クランクシャフト7の偏芯部7aの下端部には遠心ポンプを構成する給油管13が取付けられている。
クランクシャフト7の段差部7cと回転子5との間には焼入鋼製のスラストワッシャー14a及び14bが挟持されており、軸受部8の上端に形成されたスラスト面8aとの間で摺動する。軸受部8は鋳鉄又はアルミ製で上端のスラスト面8aには給油管13から吸い上げられたオイル6が流出する油流出8bを備えている。
回転子5を形成する鉄心5cには、2個の平板形で同極性の永久磁石5aを山形状に挿入配置して回転子磁極の一つの極を形成し、回転子全体で2極の回転子磁極を形成している。また、鉄心5cの外周近傍にはアルミからなる2次導体を形成しており、電動要素3は始動時に誘導電動機として始動し同期回転数近くで同期運転に移る同期モーターを形成している。
以上のように構成された圧縮機について以下にその動作を説明する。
電動要素3の固定子4に電圧が印加されることで始動時に誘導電動機として始動し回転子5は回転を始める。そして回転子5が加速され最大トルクを超え同期速度近くまで回転を上げ同期引込みトルクに達した時に、瞬時に同期速度に引き込まれ同期電動機として定常運転を継続する。
回転子5の回転に伴ってクランクシャフト7が回転し、クランクシャフト7の偏芯部7aに連結されたコンロッド11を介してピストン12がシリンダー9内を往復運動して冷媒ガスを圧縮する。
この際、給油管13は密閉容器1内に貯留したオイル6を吸い上げて摺動部へ供給することで各摺動部を潤滑し、油流出構8bから流出する。この際、油流出構8bから流出するオイル6は、軸受部8の上端に形成されたスラスト面8aとの間に形成される摺動部を潤滑する。
特開平10−54361号公報
しかしながら上記従来の構成では、同期モーターは誘導電動機とは異なり、回転子5が同期引込みトルクに達した時に瞬時に同期速度に引き込まれるため、この際回転が瞬時に加速される。
一方、この同期速度に引き込まれるのは起動直後であり、この時点では給油管13がより供給されるオイル6はまだスラスト面8aとスラストワッシャー14aとが形成する摺動面やクランクシャフト7の主軸7bと軸受部8とが形成する摺動面に到達しておらず、これら摺動部へはまだ供給されない。従ってこの時点での上記摺動部の潤滑は残留した付着オイルによって行われることになり、極めて不安定な潤滑状態となっている。
そこに急激な回転スピードの上昇によって上記摺動面の摺動速度が瞬時に加速されると境界潤滑から固体潤滑の領域での過酷な摺動状態となり、以降、圧縮機の起動停止を繰り返すことによってスラスト面8aやクランクシャフト7の主軸7b及び軸受部8の摩耗が進行しやすいという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、同期型電動機を搭載し且つ信頼性の高い圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の圧縮機は、電動要素を同期モータで構成する圧縮機において、軸受部のスラスト部にスラストボールベアリングを配設したものであり、同期引込み時の瞬時の加速がかかってもスラスト方向にかかる荷重を全てボールベアリングで受けるために回転方向の摩擦係数が小さくなり、摩耗を防止できるという作用を有する。
また上記従来の課題を解決するために、本発明の圧縮機は、電動要素を同期モータで構成する圧縮機において、軸受部に軸受け全体をはさみ込むように2つのラジアルボールベアリングを圧入したものであり、同期引込み時の瞬時の加速がかかってもラジアル方向の荷重を全てボールベアリングで受けるために回転方向の摩擦係数が小さくなり、摩耗を防止できるという作用を有する。
また上記従来の課題を解決するために、本発明の圧縮機は電動要素を同期モーターで構成する圧縮機において、回転子の重力荷重を受ける軸受部のスラスト面に固体潤滑性を備えたスラストワッシャーを配設したもので、固体潤滑材の自己潤滑作用によって摩擦係数が小さくなり、摩耗を防止することができるという作用を有する。
本発明の圧縮機は、同期モーターを搭載した圧縮機において摺動部の摺動状態を向上させることで、圧縮機の信頼性を向上することができる。
請求項1に記載の発明は、密閉容器内に固定子と回転子から成る電動要素と、前記電動要素により駆動される圧縮要素とを収納し、前記電動要素は誘導電動機として始動し同期回転数近くで同期運転に移行する同期モーターであり、前記圧縮要素は前記回転子を固定したクランクシャフトと、前記クランクシャフトを軸支する軸受部とを備え、前記回転子の重力荷重を受ける前記軸受部のスラスト面にスラストボールベアリングを配設した圧縮機としたもので、同期モーターを搭載した圧縮機において、始動直後の同期引込み時の瞬時の加速によってスラスト面が悪い潤滑状態になっても、スラスト面にボールベアリングを配設しているので、スラストに係る荷重を全てボールベアリングで受けるため回転方向の摺動面積が減り摩擦係数が小さくなるので、スラスト摩耗が防止でき信頼性の高い圧縮機を提供できる。
請求項2に記載の発明は、密閉容器内に固定子と回転子から成る電動要素と、前記電動要素により駆動される圧縮要素とを収納し、前記電動要素は誘導電動機として始動し同期回転数近くで同期運転に移行する同期モーターであり、前記圧縮要素は、前記回転子を固定したクランクシャフトと、前記クランクシャフトを軸支する軸受部とを備え、前記クランクシャフトと前記軸受部との間にラジアルボールベアリングを配設した圧縮機としたもので、同期モーターを搭載した圧縮機において、始動直後の同期引込み時の瞬時の加速によってクランクシャフトの主軸と軸受間が悪い潤滑状態になっても、軸受部にラジアルボールベアリングを採用しているので、ラジアル方向の荷重を全てボールベアリングで受けるため回転方向の摩擦係数が小さくなってクランクシャフトの主軸及び軸受の摩耗を防止でき、信頼性の高い圧縮機を提供できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、ボールベアリングのボールを非磁性体としたとしたものであり、非磁性体のボールを使用することで同期モーターの固定子に内蔵した希土類の永久磁石によってボールが磁化されないのでスラスト面に鉄粉などのゴミを呼び込みにくくなり、信頼性の高い圧縮機を提供できると共に鉄損が減り効率の高い圧縮機を提供できる。
請求項4に記載の発明は、密閉容器内に固定子と回転子から成る電動要素と、前記電動要素により駆動される圧縮要素とを収納し、前記電動要素は誘導電動機として始動し同期回転数近くで同期運転に移行する同期モーターであり、前記圧縮要素は、前記回転子を固定したクランクシャフトと、前記クランクシャフトを軸支する軸受部とを備え、前記回転子の重力荷重を受ける前記軸受部のスラスト面に固体潤滑性を備えたスラストワッシャーを配設した圧縮機としたものであり、同期モーターを搭載した圧縮機において始動直後の同期引込み時のクランクシャフトの瞬時の加速によってスラスト面が悪い潤滑状態になっても、スラストワッシャ−にコーティングした固体潤滑材の自己潤滑性作用よって摩擦係数が小さくなるのでスラスト摩耗が防止でき、信頼性の高い圧縮機を提供できる。
請求項5に記載の発明は請求項1から4のいずれか一項に記載の発明に加えて、塩素およびフッ素を含まない炭化水素系冷媒を使用したものであり、炭化水素系冷媒は冷媒がオイルに溶け込む量が多いため始動時に発泡しガスを吸って給油阻害を起こしやすくなると共に同期モーターの始動直後の同期引込み時のクランクシャフトの瞬時の加速によって、クランクシャフトの主軸及び軸受やスラスト面の潤滑状態が悪くなるが、請求項1〜4の対策によってスラストの荷重を全てボールベアリングで受けるためスラスト面の回転方向の摩擦係数が小さくなると共にラジアルボールベアリングでラジアル方向の荷重を全てボールベアリングで受けるので回転方向の摩擦係数が低減でき、また、スラストにコーティングした固体潤滑剤によって自己潤滑できるため、炭化水素系冷媒を使用し同期モーターを搭載した圧縮機においても始動時の同期引込み時のスラスト面及びクランクシャフトの主軸と軸受間の摩耗が防止でき信頼性の高い圧縮機を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における圧縮機の横断面図、図2は同実施の形態における要部拡大図である。
図1は本発明の実施の形態1における圧縮機の横断面図、図2は同実施の形態における要部拡大図である。
図1、図2および背景技術の説明に用いた図9において、密閉容器101内には圧縮要素102と、圧縮要素102を駆動するとともに固定子104と回転子105から成る電動要素103が収納され、下部には鉱油からなるオイル106が貯蔵されている。また冷媒には塩素およびフッ素を含まない炭化水素系冷媒を使用している。
圧縮要素102は軸受部108を有しシリンダー109を形成するシリンダーブロック110と、偏芯軸部107aと主軸部107bを有したクランクシャフト107と、シリンダー109内を往復運動するピストン112と、クランクシャフト107の偏芯部107aとピストン112とを連結するコンロッド111とを備えている。また、クランクシャフト107の偏芯部107aの下端部には遠心ポンプを構成する給油管113が取付けられている。
軸受部108はアルミ製で上端のスラスト面108aには給油管113から供給されたオイル106が流出する油流出108bを備えており、スラスト面108aと回転子105との間にはスラストボールベアリング114が挟持されている。
スラストボールベアリング114はスラストボール115を回転自在に拘束する複数のガイド孔116を設けたガイドプレート117と、スラストボール115の上下にそれぞれ配設され、スラストボール115と転がり接触するスラストプレート118a,118bから構成されている。
回転子5を形成する鉄心5cには、2個の平板形で同極性の永久磁石5aを山形状に挿入配置して回転子磁極の一つの極を形成し、回転子全体で2極の回転子磁極を形成している。また、鉄心5cの外周近傍にはアルミからなる2次導体を形成しており、電動要素103は始動時に誘導電動機として始動し同期回転数近くで同期運転に移る同期モーターを形成している。
以上のように構成された圧縮機について以下その動作、作用を説明する。
電動要素103の固定子104に電圧が印加されることで始動時に誘導電動機として始動し回転子5は回転を始める。そして回転子5が加速され最大トルクを超え同期速度近くまで回転を上げ同期引込みトルクに達した時に、瞬時に同期速度に引き込まれ同期電動機として定常運転を継続する。
回転子5の回転に伴ってクランクシャフト107が回転し、クランクシャフト107の偏芯部107aに連結されたコンロッド111を介してピストン112がシリンダー109内を往復運動してガスを圧縮する。
この際、給油管113は密閉容器101内に貯留したオイル106を吸い上げ、摺動部へ供給することで各摺動部を潤滑し、軸受部108を潤滑したオイル106は、油流出構108bから流出する。
ここで、同期モーターは誘導電動機とは異なり、回転子5が同期引込みトルクに達した時に瞬時に同期速度に引き込まれるため、この際回転が瞬時に加速される。
一方、この時点では給油管113から供給されるオイル106はまだスラストボールベアリング114に到達しないことが多い。従ってこの時点でのスラストボールベアリング114の潤滑は残留した付着オイルによって行われることになる。
しかしながら、スラストボールベアリング114はスラストボール115とスラストプレート118aおよびスラストプレート118bとがころがり接触をすることで回転方向の摩擦係数が小さくなり、僅かな付着オイルでも凝着を防ぐことができ、急激な回転スピードの上昇によってころがり接触速度が瞬時に加速されても、スラストボール115とスラストプレート118aおよびスラストプレート118bとの摩耗はほとんど発生せず、高い信頼性を得ることができる。
さらに回転方向の摩擦係数が小さくなることで摺動損失が小さくなり、その結果、効率が良化する。
一方、ボールベアリング114のスラストボール115を非磁性体材料、例えばセラミクスにて形成することにより、回転子5に組み込まれた永久磁石5aによって、スラストボール115が磁化されることが無く、鉄粉などのゴミを吸着しなくなり信頼性は更に向上する。
尚、本実施の形態では冷媒に塩素およびフッ素を含まない炭化水素系冷媒を使用しているが、炭化水素系冷媒は鉱油からなるオイル106との相溶性が非常に高く、その結果始動時にオイル106から冷媒ガスが蒸発し給油管113を冷媒ガスで塞いでしまい、さらにスラストボールベアリング114への給油状態は悪化するが、そういった場合でも前述したようにスラストボールベアリング114はスラストボール115とスラストプレート118a,118bとがころがり接触をすることで回転方向の摩擦係数が小さくなり、僅かな付着オイルでも凝着を防ぐことができるため、スラストボール115とスラストプレート118a,118bとの摩耗はほとんど発生せず、高い信頼性を備えた圧縮機を得ることができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における圧縮機の横断面図、図4は同実施の形態におる要部拡大図である。
図3は、本発明の実施の形態2における圧縮機の横断面図、図4は同実施の形態におる要部拡大図である。
以下、図3、図4および背景技術の説明に用いた図9に基づいて本実施の形態2について説明する。尚、実施の形態1と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
密閉容器101内には圧縮要素102と、圧縮要素102を駆動するとともに固定子104と回転子5から成る電動要素103が収納され、下部には鉱油からなるオイル106が貯蔵されている。また冷媒には塩素およびフッ素を含まない炭化水素系冷媒を使用している。
圧縮要素102は軸受部208を有しシリンダー109を形成するシリンダーブロック110と、偏芯軸部207aと主軸部207bを有したクランクシャフト207と、シリンダー109内を往復運動するピストン112と、クランクシャフト207の偏芯部207aとピストン112とを連結するコンロッド111とを備えている。 また、クランクシャフト207の偏芯部207aの下端部には遠心ポンプを構成する給油管113が取付けられている。
軸受部208はアルミ製で2つのラジアルボールベアリング213a,213bを電動要素側と圧縮要素側にそれぞれ圧入しており、スラスト荷重は上側に圧入したラジアルボールベアリング213aで受けている。
2つのラジアルボールベアリング213a,213bはおのおの、内周ガイド215a,215bと、外周ガイド216a,216bと、内周ガイド215a,215bと外周ガイド216a,216bとの間に回転自在に挟持されるラジアルボール217a,217bとから構成されている。
そして2つのラジアルボールベアリング213a,213bはおのおの内径がクランクシャフト207の主軸部207bに圧入されている。主軸部207b外周には給油管113に連通するリード溝220がラジアルボールベアリング213aに届くまで刻設されている。
以上のように構成された圧縮機について以下その動作、作用を説明する。
電動要素103の固定子104に電圧が印加されることで始動時に誘導電動機として始動し回転子5は回転を始める。そして回転子5が加速され最大トルクを超え同期速度近くまで回転を上げ同期引込みトルクに達した時に、瞬時に同期速度に引き込まれ同期電動機として定常運転を継続する。
電動要素103の固定子104に電圧が印加されることで始動時に誘導電動機として始動し回転子5は回転を始める。そして回転子5が加速され最大トルクを超え同期速度近くまで回転を上げ同期引込みトルクに達した時に、瞬時に同期速度に引き込まれ同期電動機として定常運転を継続する。
回転子5の回転に伴ってクランクシャフト207が回転し、クランクシャフト207の偏芯部207aに連結されたコンロッド111を介してピストン112がシリンダー109内を往復運動してガスを圧縮する。
この際、給油管113は密閉容器101内に貯留したオイル106を吸い上げ、このオイル106が摺動部へ供給されて各摺動部を潤滑し、油流出構108bから流出する。
ここで、同期モーターは誘導電動機とは異なり、回転子5が同期引込みトルクに達した時に瞬時に同期速度に引き込まれるため、この際回転が瞬時に加速される。
一方、同期引込み時に回転子5が瞬時に加速されると、クランクシャフト207の摺動速度が瞬時に加速され境界潤滑から固体潤滑へ移行し、クランクシャフト207と軸受部208との間が過酷な摺動状態になる。しかしながら、ラジアルボールベアリング213a,213bは、クランクシャフトを圧入した内周ガイド215a,215bと軸受208に圧入された外周ガイド216a,216bとの間をラジアルボール213a,213bが回転自在に転がり接触するので回転方向の摩擦係数は小さくなり、僅かな付着オイルでも凝着を防ぐことができ、急激な回転スピードの上昇によってころがり接触速度が瞬時に加速されても、ラジアルボール217a,217bと外周ガイド216a,216bと内周ガイド215a,215bとの摩耗はほとんど発生せず、高い信頼性を得ることができる。
一方、同期引込み時に回転子5が瞬時に加速されると、クランクシャフト207の摺動速度が瞬時に加速され境界潤滑から固体潤滑へ移行し、クランクシャフト207と軸受部208との間が過酷な摺動状態になる。しかしながら、ラジアルボールベアリング213a,213bは、クランクシャフトを圧入した内周ガイド215a,215bと軸受208に圧入された外周ガイド216a,216bとの間をラジアルボール213a,213bが回転自在に転がり接触するので回転方向の摩擦係数は小さくなり、僅かな付着オイルでも凝着を防ぐことができ、急激な回転スピードの上昇によってころがり接触速度が瞬時に加速されても、ラジアルボール217a,217bと外周ガイド216a,216bと内周ガイド215a,215bとの摩耗はほとんど発生せず、高い信頼性を得ることができる。
さらに回転方向の摩擦係数が小さくなることで摺動損失が小さくなり、その結果、効率が良化する。
一方、ラジアルボールベアリング213aのラジアルボール217aを非磁性体材料、例えばセラミクスにて形成することにより、回転子5に組み込まれた永久磁石5aによって、ラジアルボール217aが磁化されることが無く、鉄粉などのゴミを吸着しなくなり信頼性は更に向上する。
尚、本実施の形態では冷媒に塩素およびフッ素を含まない炭化水素系冷媒を使用しているが、炭化水素系冷媒は鉱油からなるオイル106との相溶性が非常に高く、その結果始動時にオイル106から冷媒ガスが蒸発し給油管113を冷媒ガスで塞いでしまい、さらにクランクシャフト207と軸受208への給油状態は悪化するが、そういった場合でも前述したようにラジアルボール217a及び217bと外周ガイド216a及び216bと内周ガイド215a及び215bとがころがり接触をすることで回転方向の摩擦係数が小さくなり、僅かな付着オイルでも凝着を防ぐことができるため、ラジアルボール217a及び217bと外周ガイド216a及び216bと内周ガイド215a及び215bとの摩耗はほとんど発生せず、高い信頼性を得ることができる。
(実施の形態3)
図5は本発明の実施の形態3における圧縮機の横断面図、図6は同実施の形態における要部拡大図である。以下、図5、図6および背景技術の説明に用いた図9に基づいて本実施の形態3について説明する。尚、実施の形態1と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図5は本発明の実施の形態3における圧縮機の横断面図、図6は同実施の形態における要部拡大図である。以下、図5、図6および背景技術の説明に用いた図9に基づいて本実施の形態3について説明する。尚、実施の形態1と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図5及び図6において、密閉容器101内には圧縮要素102と固定子104と回転子105から成る電動要素103が収納され、下部にはオイル106が貯蔵されている。
圧縮要素102は軸受部108を有しシリンダー109を形成するシリンダーブロック110と、偏芯軸部107aと主軸部107bを有したクランクシャフト107と、シリンダー109内を往復運動するピストン112と、クランクシャフト107の偏芯部107aとピストン112とを連結するコンロッド111とを備えている。また、クランクシャフト107の偏芯部107aの下端部には遠心ポンプを構成する給油管113が取付けられている。
クランクシャフト107の段差部7cと回転子5との間には焼入鋼製のスラストワッシャー314a,314bが挟持されており、軸受部108の上端に形成されたスラスト面108aとの間で摺動する。本実施例ではスラストワッシャー314a,314bの表面に固体潤滑材314cをコーティングしている。また、軸受部108は鋳鉄又はアルミ製で上端のスラスト面108aには給油管113から供給されたオイル106が流出する油流出108bを備えている。
回転子5を形成する鉄心5cには、2個の平板形で同極性の永久磁石5aを山形状に挿入配置して回転子磁極の一つの極を形成し、回転子全体で2極の回転子磁極を形成している。また、鉄心5cの外周近傍にはアルミからなる2次導体を形成しており、電動要素103は始動時に誘導電動機として始動し同期回転数近くで同期運転に移る同期モーターを形成している。
以上のように構成された圧縮機について以下にその動作を説明する。電動要素103の固定子104に電圧が印加されることで始動時に誘導電動機として始動し回転子5は回転を始める。そして回転子5が加速され最大トルクを超え同期速度近くまで回転を上げ同期引込みトルクに達した時に、瞬時に同期速度に引き込まれ同期電動機として定常運転を継続する。
回転子5の回転に伴ってクランクシャフト107が回転し、クランクシャフト107の偏芯部107aに連結されたコンロッド111を介してピストン112がシリンダー109内を往復運動してガスを圧縮する。
一方、この時点では給油管113から供給されたオイル106はまだスラスト面108aとスラストワッシャー314a及び314bとが形成する摺動面やクランクシャフト107の主軸107bと軸受部108とが形成する摺動面に到達しておらず、これら摺動部へはまだ供給されない。
従ってこの時点でのスラスト面108aの潤滑は残留した付着オイルによって行われることになり、極めて不安定な潤滑状態となっており、始動を繰り返すことで摩耗が進行するが、本実施例ではスラストワッシャー314a及び314bに自己潤滑剤314cをコーティングしているので、供給されるオイルが少なくても自己潤滑剤314aの潤滑作用によってスラストワッシャー314a及び314bとスラスト面108aとの間の摩擦係数が小さくなり摩耗が防止できる。尚、本実施の形態では冷媒に塩素およびフッ素を含まない炭化水素系冷媒を使用しているが、炭化水素系冷媒はオイル106との相溶性が非常に高く、その結果始動時にオイル106から冷媒ガスが蒸発し給油管113を冷媒ガスで塞いでしまい、さらにスラスト面108aへの給油状態は悪化するが、そういった場合でも前述したようにスラストワッシャーに自己潤滑剤314cをコーティングすることでスラスト面108aとスラストワッシャー314a及び314bとの間の摩擦係数を小さくでき、安価にスラスト摩耗を防止できる。
尚、スラストワッシャー314a及び314bに自己潤滑剤314cをコーティングするとしたが、二硫化モリブデン(MOS2)をショットピーニングしたり、スラストワッシャー314a及び314bの材料に4フッ化エチレンを使用しても同様に同期モーターを搭載した圧縮機のスラスト摩耗を防止する効果が得られる。
以上のように、本発明にかかる圧縮機は同期モーターで構成されて始動直後の同期引込み時の速度変化によって油膜が形成されにくくなっても自己潤滑が可能となるので、自販機、冷凍ショーケース、除湿機などの用途にも適用できる。
101 密閉容器
102 圧縮要素
103 電動要素
104 固定子
5 回転子
107,207 クランクシャフト
108,208 軸受部
108a スラスト面
114 スラストボールベアリング
112a,213c ボール
213a,213b ラジアルボールベアリング
314a,314b スラストワッシャー
102 圧縮要素
103 電動要素
104 固定子
5 回転子
107,207 クランクシャフト
108,208 軸受部
108a スラスト面
114 スラストボールベアリング
112a,213c ボール
213a,213b ラジアルボールベアリング
314a,314b スラストワッシャー
Claims (5)
- 密閉容器内に固定子と回転子から成る電動要素と、前記電動要素により駆動される圧縮要素とを収納し、前記電動要素は誘導電動機として始動し同期回転数近くで同期運転に移行する同期モーターであり、前記圧縮要素は前記回転子を固定したクランクシャフトと、前記クランクシャフトを軸支する軸受部とを備え、前記回転子の重力荷重を受ける前記軸受部のスラスト面にスラストボールベアリングを配設した圧縮機。
- 密閉容器内に固定子と回転子から成る電動要素と、前記電動要素により駆動される圧縮要素とを収納し、前記電動要素は誘導電動機として始動し同期回転数近くで同期運転に移行する同期モーターであり、前記圧縮要素は、前記回転子を固定したクランクシャフトと、前記クランクシャフトを軸支する軸受部とを備え、前記クランクシャフトと前記軸受部との間にラジアルボールベアリングを配設した圧縮機。
- ボールベアリングのボールを非磁性体とした請求項1又は2に記載の圧縮機。
- 密閉容器内に固定子と回転子から成る電動要素と、前記電動要素により駆動される圧縮要素とを収納し、前記電動要素は誘導電動機として始動し同期回転数近くで同期運転に移行する同期モーターであり、前記圧縮要素は、前記回転子を固定したクランクシャフトと、前記クランクシャフトを軸支する軸受部とを備え、前記回転子の重力荷重を受ける前記軸受部のスラスト面に固体潤滑性を備えたスラストワッシャーを配設した圧縮機。
- 塩素およびフッ素を含まない炭化水素系冷媒を使用した請求項1から4のいずれか一項に記載の圧縮機。
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