JP2008208812A - 密閉形圧縮機及び冷蔵庫 - Google Patents

密閉形圧縮機及び冷蔵庫 Download PDF

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Abstract

【課題】
密閉形圧縮機において、クランクシャフトの回転効率と、各部への潤滑油の供給効率とを向上させることで、信頼性を確保して、かつ体格を小型化した圧縮機及び、この圧縮機を設けた冷蔵庫を提供する。
【解決手段】
密閉容器内に圧縮要素及び電動要素が収納され、電動要素で駆動されるクランクシャフト7とピストン4がコンロッド2により連結される密閉形圧縮機において、電動要素のステータ5が絶縁性皮膜を有する磁性紛を圧縮成形したクローポールと、シャフトの円周方向に巻いたコイルにより構成されたエンドコイルのないクローポールモータとすることで、圧縮機の高さを抑制して、各摺動部への潤滑油の供給効率を向上することができる密閉形圧縮機及び、この密閉形圧縮機を冷蔵庫に設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、密閉形圧縮機及び冷蔵庫に関する。
密閉容器内に電動機と圧縮機構部とを収納される密閉形圧縮機においては、往復運動するピストンを有するレシプロ式圧縮機が知られている。圧縮機構部は、クランクシャフトの一端とピストンとがコンロッドで連結されて構成される。クランクシャフトの他端には、回転子が取り付けられており、この回転子の外側にはコイル部を有する固定子が取り付けられている。
この構成により、クランクシャフトの回転運動を往復運動に変換して、圧縮動作を行う。このようなレシプロ式圧縮機における従来技術として、例えば、特許文献1乃至3に記載されたものがある。
特許文献1では、電動機の固定子に設けたコイルが、積層板よりも上下に突出する構成について述べている。
また、特許文献2では、斜板式圧縮機,スクロール式圧縮機、及びロータリ式のいずれかの電動圧縮機において、クローポールモータを使用した例について述べている。
また、特許文献3では、クランクシャフトの主軸部の下端に下端孔が形成され、下端孔より斜めに、かつ上方に延びた傾斜通路が穿設されている。その傾斜通路の上端は主軸受の下部に達し、かつ下端よりもクランクシャフトの外周に接近して配列している。また、傾斜通路の上終端部には、主軸部の上端に開口して密閉容器内と傾斜して連通するガス抜き連通孔を設ける構成について述べている。
特開2004−27969号公報 特開2001−280247号公報 特開2004−138057号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、電動機の固定子にコイルエンドが存在し、ステータの軸方向長さが相対的に長くなる。さらに、コイル部を絶縁する絶縁部の長さ寸法が必要になる。そのため、モータが軸方向に長くなり、圧縮機が大型になる。
特許文献2に記載の構成では、クローポールモータを使用して、固定子のコイルエンドがない斜板式、スクロール式、およびロータリ式の圧縮機に関する構成を夫々述べている。しかし、潤滑油の安定的な供給が図れないおそれがある。
特許文献3に記載の構成では、安定した給油ができるが、クランクシャフトの主軸が偏心して、回転効率が低下するおそれがある。また、圧縮機の小型化についても開示されていない。
本発明は、上記従来の課題を解決するものである。本発明の目的は、密閉形圧縮機において、クランクシャフトの回転効率と、各部への潤滑油の供給効率とを向上させることで、信頼性を確保して、かつ体格を小型化した圧縮機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明における第一の態様の密閉形圧縮機は、密閉容器内に圧縮要素及び電動要素が収納され、前記電動要素で駆動されるクランクシャフトとピストンがコンロッドによって連結された密閉形圧縮機において、前記電動要素の固定子が、絶縁被覆された磁性紛により構成されたクローポールモータであることを特徴とする。
また、上記圧縮機において、前記クローポールモータの前記固定子が、樹脂により被覆されていることを特徴とする。
また、前記クローポールモータの前記固定子を被覆する樹脂が、ポリフェニレンサルファイド樹脂であることを特徴とする。
また、密閉容器内に貯留された潤滑油を吸い上げる給油ピースが前記クランクシャフトの下部に設けられ、前記給油ピースの上部は前記クローポールモータの下部よりも上方に位置することを特徴とする。
また、前記クランクシャフトの下部から回転軸方向に中空部が設けられ、前記中空部に連通するガス抜き孔が、前記中空部の上方で、かつ、前記クランクシャフトの回転軸上に設けられたことを特徴とする。
また、前記クランクシャフトの下部から回転軸方向に形成された中空部の側部に、副軸受と接するように副軸受給油孔が設けられ、前記副軸受給油孔は前記給油ピースの側部に設けられた給油孔と連通するように設置されたことを特徴とする。
また、前記給油ピース側部の前記給油孔は、前記クランクシャフト側部の前記副軸受給油孔よりも大きいことを特徴とする。
また、前記クローポールモータの前記固定子が、前記クローポールモータの回転子の内側に設けられたことを特徴とする。
また、前記クローポールモータの前記固定子が、前記クローポールモータの回転子の外側に設けられたことを特徴とする。
本発明における第二の態様の密閉形圧縮機は、密閉容器に圧縮要素及び電動要素が収納され、電動要素で駆動されるクランクシャフトとピストンがコンロッドにより連結される密閉形圧縮機において、前記電動要素の固定子は回転子の内側にあり、前記固定子は絶縁被覆された磁性紛により構成されたクローポールモータであって、前記回転子の上方と下方に夫々軸受構造を有し、この軸受構造の間に前記圧縮要素へ運動を伝える伝達要素が設けられたことを特徴とする。
また、上記圧縮機において、前記上方の軸受構造の直径が、前記下方の軸受構造の直径より大きいことを特徴とする。
また、前記上方の軸受構造が、軸受面に対して鉛直方向に分割される部材で構成されていることを特徴とする。
また、前記上方の軸受に挿入される軸が、軸受面に対して鉛直方向に分割される部材で構成されていることを特徴とする。
また、前記クランクシャフトの内径部と外径部とを連通する給油孔が、前記クランクシャフトの偏心部に設けられていることを特徴とする。
また、上記第一の態様または第二の態様の密閉形圧縮機において、前記クローポールモータのコイルを独立して3つ或いはその倍数あり、かつ直流インバータモータであることを特徴とする。
また、前記密閉形圧縮機が、圧縮室内で往復動するピストンを有するレシプロ圧縮機であることを特徴とする。
また、前記ピストンと前記コンロッドとの連結部は、前記ピストンの内部の内球面と前記コンロッドの球体面とをボールジョイント構造で連結されていることを特徴とする。
また、上記いずれかの密閉形圧縮機が設けられた冷蔵庫であることを特徴とする。
本発明によれば、密閉形圧縮機において、クランクシャフトの回転効率と、各部への潤滑油の供給効率とを向上させることで、信頼性を確保して、かつ体格を小型化した圧縮機を提供することができる。
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例について図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係る一実施例の密閉形圧縮機の縦断面図である。本実施例の密閉形圧縮機は、密閉容器内の中央部にクランクシャフト7が設けられ、クランクシャフト7の主軸部25がフレームの主軸受部1aに貫通してフレーム1の下方から上方へ延在している。クランクシャフト7の主軸部25上部には、クランクピン7aが主軸部25と一体に、かつ回転軸から偏心するように形成されている。また、クランクピン7aはフレーム1の上部に配設されている。
フレーム1は、シリンダ1bと一体に形成されており、シリンダ1b内をピストン4が往復動して、圧縮要素を構成する。本実施例では、フレーム1とシリンダ1bは一体構造としているが、これに限られるものではなく、これらを別体構造としてもよい。フレーム1bの下部には、電動要素として、電動機を構成するロータ6がクランクシャフト7の主軸部25の外周に配設され、さらにロータ6の外周にはステータ5が配設されている。クランクシャフト7の下部はロータ6と直結しており、電動機の動力によってクランクシャフト7は回転する。クランクピン7aとピストン4との間はコンロッド2で連結されており、クランクピン7a及びコンロッド2を介してピストン4がシリンダ1b内を往復摺動する構成となっている。さらに好ましくは、クランクピン7aとピストン4は、ピストン4の内部の内球面とコンロッド2の球体面とがボールジョイント構造で連結されている。
すなわち、本実施例の密閉形圧縮機は、密閉容器内にシリンダ1、ピストン4等の圧縮要素と、電動機等の電動要素が収納されており、クランクシャフト7によって電動要素からの回転運動をピストン4へ往復運動として伝える構成を前提としている。
次に電動要素の設置について、図1を用いて説明する。ステータ5は上部をフレーム
1bで、下部をステータ固定治具10によって挟持固定されている。ステータ固定治具
10によって、副軸受11が固定されており、ロータ6の上端に主軸受1a、下端に副軸受11が配設される。
ロータ6の外周には、リング磁石30が配設されている。ロータ6の円筒部には、クランクシャフト7が焼き嵌めされている。クランクシャフト7の主軸部25は、下部が開放端、上部が閉鎖端の中空構造であり、この中空部の開放端には給油ピース12が圧入されている。給油ピース12の上部はクローポールモータの下部よりも上方に位置するように配設される。すなわち、給油ピース12の圧入部とロータ6の圧入部が重複するように構成されるため、給油ピース12及びロータ6のクランクシャフト7への固定が確実になり、信頼性を向上することができる。
ステータ5は磁性紛を混ぜたポリフェニレンサルファイド樹脂を射出成形したリング状のクローポール51と、クランクシャフト7の円周方向に巻かれたコイル52により構成されている。具体的には、コイル52がクローポール51によってクランクシャフト7の回転軸方向に対して両側から挟持されるように、リング状のステータ5が形成される。なお、ステータ5はポリフェニレンサルファイド樹脂に限るのもではなく、絶縁皮膜を有する磁性紛を圧縮成形したものであればよい。このように、圧縮成形されたクローポールは、電磁鋼板を曲げ成形して構成されたクローポールに比べて、高出力化できる。曲げ成形によって構成されたクローポールの場合は、曲げ部において磁場が小さくなり、高い出力が得られないためである。
クローポール51の内周面には爪磁極53、爪磁極53′とが交互に配置される状態で形成され、コイル52に流す電流により爪磁極53、爪磁極53′がN極もしくはS極となり、ロータ6に回転力を与える。本実施例では図1のようにクローポールはスペーサ
27を介して3相重ねて、リング磁石の外周に配設されている。一例として、1相をU相として、その下方に電気角で120度ずらして爪磁極53、爪磁極53′が配置されるように別の相(V相)を設ける。さらに下方には、電気角で120度ずらして爪磁極53、爪磁極53′が配置されるように別の相(W相)を設け、3相のクローポールモータを構成する。
また、クローポールの各相に対応するように、リング磁石30が配設されている。なお、図1ではクローポールを3つにしているが、少なくとも3つであればよく、その倍数、例えば6つや9つ等、複数でもよい。さらに、直流インバータモータとする構成がよい。これにより、ロータの停止位置によらず、回転駆動することができる。
次に、ステータ5の磁界とリング磁石30との関係について図7を用いて説明する。図7(a)はコイル52に通電する三相交流電流の時間変化を示す。図7(b)は、時刻
t1のときに爪磁極とコイルに流れる電流との関係を示す斜視図である。図7(c)は、図7(b)のAからCの断面図であり、時刻t1でステータ5に形成される磁界とリング磁石30との関係を示す。時刻t1のとき、U相は正の電流が流れている。このとき図7(b)のように、コイル52uには図示した矢印方向の電流が流れる。これにより、図7(c)A断面に示す矢印のように磁束が生じる。これにより、爪磁極53uは、内径面から外径面の方向に、分子磁石がS極−N極と配列する。すなわち、爪磁極53uから出る方向に磁束が生じるため、爪磁極53uはN極の働きをする。爪磁極53uから出た磁束は、爪磁極53u′に入る方向に生じるため、爪磁極53u′はS極の働きをする。これにより、ステータ5とリング磁石30との間には反発力が生じる。
同様に、時刻t1におけるV相には正の電流が流れている。このとき図7(b)に示すように、爪磁極53vはN極の働きをするため、リング磁石30のS極との間に吸引力を生じる。一方、53v′はS極の働きをするため、リング磁石30のS極との間には反発力を生じ、リング磁石30のN極との間には吸引力を生じる。
同様に、時刻t1におけるW相には負の電流が流れる。このとき図7(b)に示すように、爪磁極53wはS極の働きをするため、リング磁石30のS極との間には反発力を生じ、リング磁石30のN極との間には吸引力を生じる。一方、53w′はN極の働きをするため、リング磁石30のS極との間には吸引力を生じ、リング磁石30のN極との間には反発力を生じる。これにより、各相の合力がロータ6に回転力を生じて回転駆動する。
また、クローポール51はポリフェニレンサルファイド樹脂により被覆されているため、磁性紛の脱落を防止でき、強度を保つことができる。すなわち、磁性紛によって成形されたクローポールと比べて、本構成ではクローポールの脆性が改善され、信頼性を向上できる。さらに、クローポールを用いたエンドコイルのない構成の電動機により、従来必要であった絶縁部を設けなくてよいので、電動機両端の軸受間距離を短くすることができる。よって、圧縮機全体を小型化することができる。なお、ロータ6は磁極を構成するものであれば、その構成を問わない。
次に、圧縮機下部に貯留される潤滑油について図3を用いて説明する。副軸受11は、貯留された潤滑油の油面位置14に対して、下部が浸漬するように配設され、副軸受11への給油がなされる。また、給油ピース12の側部には、クランクシャフト7の主軸部
25側面に設けられた副軸受給油孔29に連通するように、給油孔13が設けられている。この構成により、給油ピース12内部の潤滑油は、給油孔13、副軸受連通孔29を通って、副軸受11の上部からも給油されるので、副軸受12の信頼性を向上できる。さらに、ロータ6は潤滑油に浸漬しない位置となるため、ロータ6の回転時に粘性抵抗が大きくなることを防ぎ、回転効率を向上させることができる。
また、給油ピース12に設けられた給油孔13の孔径は、主軸部25の副軸受連通孔
29よりも大きい構成とする。これにより、給油ピース12取り付け時の位置ズレを許容できる。本実施例では、給油ピース12の給油孔13の直径をφ5mm、主軸部25の副軸受連通孔29の直径をφ4mm、主軸部25の直径をφ20mmとすることで、給油ピース
12の取り付け誤差を5.5度まで許容できる。
次に、潤滑油の汲み上げ動作について図1にて説明する。クランクシャフト7の回転によって、遠心ポンプ機能が発生し、密閉容器の下部に貯留された潤滑油は給油ピース12内部に流入する。給油ピース12内部に流入した潤滑油は、遠心力によりクランクシャフト7の中空部26を通って上部へと汲み上げられる。このとき、中空部26における潤滑油は、放物線状の自由表面を形成する。汲み上げられた潤滑油は、さらに油面位置が上昇すると、主軸部25の外周に設けられた螺旋溝(螺旋ポンプ)を流れる。螺旋ポンプの上端は、クランクピン孔28に連通しており、潤滑油はクランクピン孔28から流出して飛散する。これにより、主軸部25,クランクピン7a,軸受部,ピストンとシリンダとの摺動部を潤滑する。
また、クローポールモータを用いて圧縮機を小型化すると、圧縮機の放熱面積は減少する。これにより、圧縮機内に貯留した潤滑油は温度上昇して、潤滑油の粘性が低下する。したがって、潤滑油を効率よく各摺動部に供給して機械効率を向上できるので、圧縮機の性能を向上できる。
次に、ガス抜き孔15について説明する。ガス抜き孔15は、クランクシャフト7の回転軸上で、かつ中空部26の上部閉鎖端に設けられる。ガス抜き孔15の直径は、少なくとも1.0mm であることがよい。この構成により、ロータの回転に伴い中空部26に流入した潤滑油の油面位置が上昇しても、ガス抜き孔15は潤滑油で塞がれることはない。よって、中空部26の空気を排除し、潤滑油を流入させるという動作が阻害されないので、各摺動部への給油効率を向上させることができる。
ガス抜き孔15が傾斜したり、偏心したりする構成の場合、クランクシャフト7の回転バランスの関係上、問題となる。本構成では、クランクシャフト7の下端から設けられた中空部の上部終端であって、かつクランクシャフト7の回転軸上にガス抜き孔15が設けられている。これにより、回転バランスを容易にとることができる。さらに、加工が容易になり、成形時に工具の磨耗を低減することができる。また、クローポールモータを利用することにより、圧縮機の高さ方向距離を短くできるため、潤滑油の汲み上げ距離を短くできる。これにより、クランクシャフト7の中空部を回転軸に沿って設けられ、回転バランスをさらに容易にとることができる。
また、クランクピン孔28から流出,飛散してから流れ落ちてくる潤滑油によって、ガス抜き孔15が塞がれてしまうおそれがある。そこで本構成は、ガス抜き孔15の直径を少なくとも1mmとしているので、潤滑油がガス抜き孔15に流れ込んでも、そのまま中空部26に流れ落ちるので、ガス抜き孔15が塞がれたままの状態を防ぐことができる。
エンドコイルのないクローポール型電動機を用いる場合に、ガス抜き孔をクランクシャフトの側部に設けようとすると、軸受間距離が従来よりも短いため、潤滑油が上昇して塞がれるおそれがある。本構成のように回転軸上で、かつ中空部26の上部にガス抜き孔を設けることで、ガス抜き孔が潤滑油の上昇で塞がれることを防ぎ、給油動作の信頼性を向上させることができる。
また、圧縮機下部に溜める潤滑油の油面位置14は、ステータ5が浸漬しない位置であり、圧縮機運転中の潤滑油の渦状流れによりステータ5が侵食されない構成とした。本構成により、ステータ5の磁性紛が脱落せず、各摺動部に潤滑油を供給する信頼性を向上できる。
冷媒にハイドロカーボン系のR600a(イソブタン)を用い、潤滑油にエステル系合成油を用いると、クローポールモータに異常は発生せず、摺動部に異常な磨耗は発生しない。なお、潤滑油として鉱油とエステル系合成油を混合して用いた場合、あるいは鉱油を用いた場合でも、良好な摺動性を維持できる。
また、この密閉形圧縮機を冷蔵庫に適用することで、圧縮機が配設される冷蔵庫本体の機械室容積を小さくできる。これにより、冷却性能を低下させることなく、冷蔵庫の収納容積を拡大することができる。
(実施例2)
次に、本発明の第2の実施例について、図4を用いて説明する。第1の実施例は、回転子が固定子の内側に配設されたインナーロータによって、クローポールモータが構成されている。一方、本実施例では回転子が固定子の外側に配設されたアウターロータによって、クローポールモータが構成されている。
第2の実施例の構成について、図4から図6を用いて説明する。図4は、アウターロータで構成されたクローポールモータを使用した、圧縮機の圧縮機構部及び電動要素の縦断面図である。本実施例の圧縮機は、ロータ6の外周に、回転軸から偏心したピン部20を焼き嵌めしている。ピン部20の外周で、かつ回転軸方向に対して中央部には、コンロッド2が嵌合されて配設されている。ピン部20の回転軸方向の両端には、下端に下軸受
21、上端に上シャフト22が夫々圧入されて配設される。ピン部20とピストン4との間はコンロッド2で連結されており、ピン部20及びコンロッド2を介してピストン4がシリンダ1b内を往復摺動する構成となっている。さらに好ましくは、ピン部20とピストン4は、コンロッド2によりボールジョイント構造で連結されている。
下軸受21は、ピン部20挿入部211と軸受部212とが、回転軸から偏心するように構成されている。軸受部212には、フレーム23のシャフト部231が挿入される。上シャフト22は、ピン部20挿入部221とシャフト部222とが、回転軸から偏心するように構成される。そして、下軸受21の軸受部212と、上シャフト22のシャフト部222は、同心となるようにピン部20に取り付けられている。
また、上シャフト22は、図5に示すように、バランスウエイト部223とシャフト部222とが、回転軸に沿って夫々分割される部材で構成される。上軸受24は、図6に示すように、シリンダ側部241と後側部242とが、回転軸に沿って夫々分割される部材で構成される。この構成により、上シャフト22と上軸受24との組立性を向上することができる。
また、下軸受21にはバランスウエイト213を一体化し、上シャフト22にはバランスウエイト223を一体化している。この構成により、コンロッド2の上下において、シャフト7の回転バランスをとることができる。
よって、本構成により圧縮機の組立性を向上でき、かつ電動機の回転バランスを維持することで運転効率を向上することができる。
次に電動機を構成するステータ5について、図2及び図4にて説明する。ステータ5は磁性紛を混ぜたポリフェニレンサルファイド樹脂を射出成形されたリング状のクローポール51と、リング状に巻かれたコイル52により構成されている。具体的には、コイル
52が一対のクローポール51によって回転軸方向に対して両側から挟持されるように、リング状のステータ5が形成される。なお、ステータ5はポリフェニレンサルファイド樹脂に限るのもではなく、絶縁皮膜を有する磁性紛を圧縮成形したものであればよい。このように、圧縮成形されたクローポール51は、電磁鋼板を曲げ成形して構成されたクローポール51に比べて、高出力化できる。曲げ成形によって構成されたクローポール51の場合は、曲げ部において磁場が小さくなり、高い出力が得られないためである。
クローポール51の内周面には爪磁極53が形成され、コイル52に流す電流により爪磁極53がN極もしくはS極となり、ロータ6に回転力を与える。本実施例では図1のようにクローポールを回転軸方向に3層重ねて、各々にU層,V層,W層の電流を流すことにより直流インバータモータとした。なお、図4ではクローポールを3層としているが、少なくとも3層であればよく、その倍数の層数、例えば6層,9層等の複数層であればよい。
このように、クローポール51はポリフェニレンサルファイド樹脂により被覆されているため、磁性紛の脱落を防止でき、強度を保つことができる。すなわち、磁性紛によって成形されたクローポールと比べて、本構成ではクローポールの脆性が改善され、信頼性を向上できる。さらに、クローポールを用いたエンドコイルのない構成の電動機により、従来必要であった絶縁部を設けなくてよいので、電動機両端の軸受間距離を短くすることができる。よって、圧縮機全体を小型化することができる。なお、ロータ6は磁極を構成するものであれば、その構成を問わない。
次に本実施例における潤滑油の供給経路について、図4にて説明する。ピン部20は中空構造であり、ピン部20の偏心部には、内径部と外径部を連通するように、給油孔が設けられている。そして、上シャフト22のシャフト部222の外径は、下軸受の軸受部
212の外径よりも大きく構成されている。この構成により、ピン部20が回転すると、遠心ポンプ作用によって、給油孔へ潤滑油が流入する。これにより、上シャフト22と上軸受24の摺動部へ潤滑油を効率よく供給できるので、信頼性を向上できる。
なお、アウターロータであるクローポールモータを使用し、ピン部20をロータ5に圧入した構成では、ピン部20とコンロッド2の摺動面積が増加するため、摩擦損失が増加し、圧縮機の運転時に電力消費量が増加する可能性がある。このような場合、クローポールモータの直径を小さくして配設することにより、摩擦損失を低減し省電力化した密閉形圧縮機にすることができる。
一例として、冷媒にハイドロカーボン系のR600a(イソブタン)を用い、潤滑油にエステル系合成油を用いると、クローポールモータに異常は発生せず、摺動部に異常な磨耗が発生しない結果を得られる。なお、潤滑油として鉱油とエステル系合成油を混合して用いた場合、鉱油のみを用いた場合でも良好な摺動性は維持できる。
また、この密閉形圧縮機を冷蔵庫に適用することで、圧縮機が配設される冷蔵庫本体の機械室容積を小さくできる。これにより、冷却性能を低下させることなく、冷蔵庫の収納容積を拡大することができる。
上述の実施例によれば、圧縮機の高さを低く抑えることができる。そのため、圧縮機が収納される冷蔵庫の機械室容積を減らすことができ、冷蔵庫の収納容積を増やすことができる。また、圧縮機の高さを低く抑えて、各摺動部へ供給する潤滑油の循環効率を向上させることができ、結果として密閉形圧縮機の効率向上に寄与する。よって本発明は、信頼性が高く、省電力に適した密閉形圧縮機を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る密閉形圧縮機の縦断面図。 クローポールモータの詳細図。 潤滑油の油面位置の説明図。 本発明の一実施形態に係る密閉形圧縮機の縦断面図。 上シャフトの分解図。 上軸受の分解図。 爪磁極とリング磁石との関係図。
符号の説明
1 シリンダ
2 コンロッド
4 ピストン
7 クランクシャフト
10 ステータ固定治具
11 副軸受
12 給油ピース
13 給油孔
14 油面位置
15 ガス抜き孔
20 ピン部
21 下軸受
22 上シャフト
23 フレーム
24 上軸受
25 主軸部
26 中空部
29 副軸受連通孔

Claims (18)

  1. 密閉容器内に圧縮要素及び電動要素が収納され、前記電動要素で駆動されるクランクシャフトとピストンがコンロッドによって連結された密閉形圧縮機において、前記電動要素の固定子が、絶縁被覆された磁性紛により構成されたクローポールモータであることを特徴とする密閉形圧縮機。
  2. 前記クローポールモータの前記固定子が、樹脂により被覆されていることを特徴とする、請求項1に記載の密閉形圧縮機。
  3. 前記クローポールモータの前記固定子を被覆する樹脂が、ポリフェニレンサルファイド樹脂であることを特徴とする、請求項2に記載の密閉形圧縮機。
  4. 密閉容器内に貯留された潤滑油を吸い上げる給油ピースが前記クランクシャフトの下部に設けられ、前記給油ピースの上部は前記クローポールモータの下部よりも上方に位置することを特徴とする、請求項1に記載の密閉形圧縮機。
  5. 前記クランクシャフトの下部から回転軸方向に中空部が設けられ、前記中空部に連通するガス抜き孔が、前記中空部の上方で、かつ、前記クランクシャフトの回転軸上に設けられたことを特徴とする、請求項1に記載の密閉形圧縮機。
  6. 前記クランクシャフトの下部から回転軸方向に形成された中空部の側部に、副軸受と接するように副軸受給油孔が設けられ、前記副軸受給油孔は前記給油ピースの側部に設けられた給油孔と連通するように設置されたことを特徴とする、請求項4に記載の密閉形圧縮機。
  7. 前記給油ピース側部の前記給油孔は、前記クランクシャフト側部の前記副軸受給油孔よりも大きいことを特徴とする、請求項6に記載の密閉形縮機。
  8. 前記クローポールモータの前記固定子が、前記クローポールモータの回転子の内側に設けられたことを特徴とする、請求項1に記載の密閉形圧縮機。
  9. 前記クローポールモータの前記固定子が、前記クローポールモータの回転子の外側に設けられたことを特徴とする、請求項1に記載の密閉形圧縮機。
  10. 密閉容器に圧縮要素及び電動要素が収納され、電動要素で駆動されるクランクシャフトとピストンがコンロッドにより連結される密閉形圧縮機において、前記電動要素の固定子は回転子の内側にあり、前記固定子は絶縁被覆された磁性紛により構成されたクローポールモータであって、前記回転子の上方と下方に夫々軸受構造を有し、この軸受構造の間に前記圧縮要素へ運動を伝える伝達要素が設けられたことを特徴とする密閉形圧縮機。
  11. 前記上方の軸受構造の直径が、前記下方の軸受構造の直径より大きいことを特徴とする、請求項10に記載の密閉形圧縮機。
  12. 前記上方の軸受構造が、軸受面に対して鉛直方向に分割される部材で構成されていることを特徴とする、請求項10に記載の密閉形圧縮機。
  13. 前記上方の軸受に挿入される軸が、軸受面に対して鉛直方向に分割される部材で構成されていることを特徴とする、請求項10に記載の密閉形圧縮機。
  14. 前記クランクシャフトの内径部と外径部とを連通する給油孔が、前記クランクシャフトの偏心部に設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の密閉形圧縮機。
  15. 前記クローポールモータのコイルを独立して3つ或いはその倍数設けて、かつ直流インバータモータであることを特徴とする、請求項1乃至14のいずれかに記載の密閉形圧縮機。
  16. 前記密閉形圧縮機が、圧縮室内で往復動するピストンを有するレシプロ圧縮機であることを特徴とする、請求項1乃至14のいずれかに記載の密閉形圧縮機。
  17. 前記ピストンと前記コンロッドとの連結部は、前記ピストンの内部の内球面と前記コンロッドの球体面とをボールジョイント構造で連結されていることを特徴とする、請求項1乃至14のいずれかに記載の密閉形圧縮機。
  18. 請求項1乃至14のいずれかに記載の密閉形圧縮機が設けられたことを特徴とする冷蔵庫。
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