JP2012188946A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】シャフト中抜き部に給油機構と連通した給油孔を設け、上下の摺動部に異なる経路で給油することで信頼性と性能を向上させた圧縮機を提供する。
【解決手段】中抜き部186に設けた給油孔190から、潤滑油103を上側摺動部184と下側摺動部188へ供給することにより、起動時から潤滑油103が各摺動部へ供給されるまでの時間が短縮でき、信頼性が向上する。また、上側摺動部184と下側摺動部188に、独立した給油溝192、194を設けることができるため、運転時に負荷の小さい部分を狙って給油溝192、194を配置でき、摺動損失の低減が可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に電気冷凍冷蔵庫などの冷凍サイクルに使用される密閉型圧縮機に関するものである。
従来、この種の密閉型圧縮機については、入力低減を目標にシャフトの主軸に中抜き部を設け、摺動損失を低減させ、またシャフトやピストンなどの摺動部に潤滑油を供給する給油機構をシャフトの主軸部下端に設け、主軸下側摺動部の外周部に、給油機構から連通する給油孔を設け、その後粘性を利用して潤滑油を各摺動部に供給する給油溝を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、摺動部に給油を行うために、主な給油経路とは異なる給油溝を、シャフト摺動部に設けているものもある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、主軸部に中抜き部を設け、中抜き部の圧力を下げることにより、潤滑油を吸い上げる機構を設けているものもある(例えば特許文献3参照)。
まず、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機を説明する。
図9は、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の縦断面図であり、図10は、図9のシャフトの構成を示した図である。
図9および図10に示すように、密閉容器1内の底部には、潤滑油3が貯留されている。圧縮機本体5は、固定子13と回転子15を備える電動要素11と、電動要素11の上方に配置される圧縮要素17とからなり、密閉容器1内に収容されている。密閉容器1は、ターミナル16を備えており、リード線14により、電動要素11と接続されている。
圧縮要素17を構成するシャフト21は、主軸23と、主軸23に対して偏心して形成された偏心軸25を有している。主軸23は、上側摺動部84a、中抜き部86a、下側摺動部88aが形成されており、主軸23の下端に給油機構19、下側摺動部88aに給油機構19と連通する給油孔90aが設けられている。給油穴90aは、主軸23に設けられた給油溝24とつながっている。
シリンダブロック27は、略円筒形のシリンダ39と、主軸23を軸支する軸受部31と、軸受部31の上部にスラスト面51を有している。
軸受部31は、シリンダブロック27と一体に形成され、周囲の支持部33により支持されている。
ピストン35は、シリンダ39に往復自在に挿入され、シリンダ39の端面に配設されるバルブプレート41とともに圧縮室43を形成する。また、ピストン35は、偏心軸25とコンロッド45によって連結されている。
さらに、固定子13は、回転子15と略一定の隙間を保つように、回転子15の外径側に配置され、シリンダブロック27の脚部29に固定されている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
電動要素11に通電されると、固定子13に発生する磁界により、回転子15はシャフト21とともに回転する。主軸23の回転に伴い、偏心軸25は偏心回転し、この偏心運動は、コンロッド45を介して往復運動に変換され、ピストン35をシリンダ39内で往復運動させる。このピストン35の動作に伴い、密閉容器1内の冷媒を圧縮室43内に吸入し、圧縮する圧縮動作を行う。
また、主軸23の下端の給油機構19は、潤滑油3に浸漬しており、シャフト21が回転することにより、潤滑油3を給油孔90aまで運び、その後、給油孔90aを通り、給油溝24によって下側摺動部88a、中抜き部86a、上側摺動部84aを経由し、圧縮要素17の各部に供給され、摺動部(図示せず)の潤滑を行う。ピストン35が冷媒を圧縮する際、ピストン35にかかる圧縮荷重は、コンロッド45を介して偏心軸25に作用し、最終的に主軸23と軸受部31によって受け止めている。
次に、特許文献2に記載された従来の密閉型圧縮機を説明する。なお、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機と同一の構成要素については同符号を付して、詳細な説明を省略する。
図11は、特許文献2に記載された従来の密閉型圧縮機の縦断面図であり、図12は、図11の密閉型圧縮機のシャフトの構成を示した図である。
図11および図12に示すように、シャフト21の主軸23の上側摺動部84bに給油溝24とは別に逆向き方向の逆螺旋溝26が設けられている。
以上のように構成された密閉型圧縮機において、以下その動作を説明する。なお、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機と同じ動作については、詳細な説明を省略する。
上側摺動部84bには、特許文献1と異なり、給油溝24とは別に給油溝24と異なる向きの逆螺旋溝26が設けられ、給油溝24によって運ばれた潤滑油3は、逆螺旋溝26内に滞留する。
したがって、シャフト21が正規の回転方向に対して瞬間的に逆方向に回転し、運転された際にも、逆螺旋溝26により潤滑油3を摺動部に供給し、油膜を形成することで金属接触を抑制し、信頼性を向上させることができる。
次に、特許文献3に記載された従来の横型ロータリ圧縮機を説明する。
図13は、特許文献3に記載された従来の横型ロータリ圧縮機の縦断面図であり、図14は、図13の要部拡大図であり、図15は図14の断面図である。
密閉容器1内には電動要素11が配設され、電動要素11の側方には、ロータリ式の圧縮要素17が設けられている。
すなわち、電動要素11の側方には、圧縮室43を有するシリンダブロック27が密閉容器1に密嵌圧入されており、圧縮室43の左右両側には、主軸受57と副軸受59が配設され、主軸受57と副軸受59によって圧縮室43の左右開口部が閉塞される。シャフト21には、偏心軸25が一体に形成されており、その偏心軸25が圧縮室43内に配設され、その偏心軸25の外周に嵌装されたローリングピストン73の外面に、シリンダブロック27に形成されたブレード67用溝に摺動自在に挿入されたブレード67が、スプリング69を介して圧接されている。一方、シャフト21の一端部には電動要素11の回
転子15が装着されている。
シャフト21には、軸線方向に貫通する中心孔53が穿設され、電動要素11と反対側に位置する副軸受59の外側部には、シリンダから吐出された吐出ガスを入れる吐出マフラ63が設けられている。そして、この吐出マフラ63が、シャフト21の中心孔53の端部に、通気管65によって連通している。
主軸受57、副軸受59には、密閉容器1内の下方に滞留している潤滑油3と連通する給油小孔74、75がそれぞれ穿孔されている。
またシャフト21の外周には、図14に示すように、主軸受57と副軸受59に接する部分に中抜き部86cがそれぞれ形成され、さらに、図15に示すように、中抜き部86cは、穿孔55を介して中心孔53に連通している。なお、主軸受57と副軸受59に接するシャフト21の各部分は、同じ構成であるため、シャフト21における主軸受57側の部分構造を示す図14と図15を用いて、両軸受57、59の潤滑構造を説明する。
さらに、図15に示すように、この中抜き部86c、86dと中心孔53を接続する穿孔55、56の開口部位置において、中心孔53に絞り部71、72をそれぞれ設けている。
以上のように構成された密閉型圧縮機において、以下その動作を説明する。
シャフト21を電動要素11によって回転させると、冷媒ガスが圧縮室内のピストン35によって圧縮されて、吐出マフラ63へ導かれる。この吐出ガスは、通気管65を介してシャフト21の中心孔53の一端から他端へ向って速い速度(例えば約5〜7m/s)で流れ、中心孔53の他端から密閉容器1内へ排出される。
そしてシャフト21の外周に設けられた中抜き部86c、86d内は、中心孔53内に設けられた絞り部71、72によって、ここを通過する吐出ガスの流速を増し、この高速で流れる吐出ガスのエジェクター効果によって穿孔55に負圧を生じさせる。この負圧によって、中抜き部86c、86dと連通している主軸受57、副軸受59にある給油小孔74、75を介して潤滑油3を吸上げ、シャフト21の給油溝24によって摺動部に供給され、当該部の潤滑を行なう。
特開2009−243354号公報 特開2009−257171号公報 特公平1−25917号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来の構成は、下側摺動部88aに給油孔90aが設けてあるため、給油機構19から給油穴90aに供給された潤滑油3がまず中抜き部86aに溜まり、その後、上側摺動部84aへ供給されるため、上側摺動部84aへ潤滑油3が供給されるまでに時間がかかる構成である。したがって、起動時などにおいては、各摺動部に潤滑油3が十分に供給できずに金属接触が起き、その結果、摺動部の摩耗量が大きくなり、摺動損失が大きくなるという課題を有していた。
また、上記特許文献2に記載の従来の構成は、逆螺旋溝26が逆転時のみ潤滑油3を摺
動部に供給し、正規の回転時は、下側摺動部88bに給油孔90bを設けていることから、特許文献1と同じように上側摺動部84bへ潤滑油3が供給されるまでに時間がかかっていた。その結果、起動時などにおいては、同様に各摺動部へ潤滑油3を十分に供給することが難しく、金属接触が発生して摺動部の摩耗量が大きくなり、摺動損失が大きくなるという課題を有していた。
また、上記特許文献3に記載の従来の構成は、シャフト21の内部に設けられた絞り部71、72を有する中心孔53に、冷媒を高速で通過させる必要があり、シャフト21の一端が潤滑油3に浸漬している圧縮機では、実施が難しいという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、シャフトの給油機構からの主軸への潤滑油の供給ルートを変更し、短時間で主軸の各摺動部へ潤滑油を供給することにより、摺動損失を軽減し、より一層の高信頼性化と高効率化を達成することができる密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、シャフトの中抜き部に、給油機構と連通する給油孔と、上側摺動部に給油孔を始点とする上部給油溝と、下側摺動部に下部給油溝を設けたものである。
これによって、潤滑油は、シャフトの給油機構によって中抜き部に設けた給油孔から上側摺動部へは上部給油溝を伝わり、下側摺動部には、中抜き部を自重で落下した潤滑油が下部給油溝を伝わって供給される構成となる。その結果、潤滑油の上下に分布する各摺動部への供給時間が短縮でき、起動時の摺動損失を低減することが可能になる。
本発明の密閉型圧縮機は、中抜き部に設けた給油孔から起動時に短時間で主軸の上側摺動部と下側摺動部に潤滑油を供給することができ、摺動損失の低減による高効率化と信頼性の向上が達成できる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態1におけるシャフトの主軸部の断面図 同実施の形態1におけるシャフトの主軸部の展開図 同実施の形態1におけるシャフト上部給油溝と下部給油溝の断面図 本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態2におけるシャフトの主軸部の断面図 同実施の形態2におけるシャフトの主軸部の展開図 同実施の形態2におけるシャフト上部給油溝と下部給油溝の断面図 従来の密閉型圧縮機の縦断面図 同密閉型圧縮機におけるシャフトの構成図 異なる従来の密閉型圧縮機の縦断面図 同圧縮機の給油溝が分岐しているシャフトの構成図 さらに異なる従来の横型ロータリ圧縮機の縦断面図 同横型ロータリ圧縮機の要部拡大図 同横型ロータリ圧縮機の要部断面図
第1の発明は、密閉容器内に潤滑油を貯留するとともに、電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素を、前記電動要素によって回転駆動さ
れる主軸と、前記主軸の一端で、かつ該主軸と一体運動するように形成された偏心軸と、前記主軸の下端に形成された給油機構を有するシャフトと、前記主軸を軸支するシリンダブロックと、前記シリンダブロックに設けられた略円筒形の圧縮室と、前記圧縮室の内部に往復動可能に挿設されたピストンと、前記偏心軸と前記ピストンを連結するコンロッドを備えた構成とし、前記シャフトの主軸に、上側摺動部と、中抜き部と、下側摺動部をそれぞれ形成し、前記中抜き部に、前記給油機構と連通した給油孔を設け、前記上側摺動部に、前記給油孔を始点とする上部給油溝を設け、さらに、前記下側摺動部に、下部給油溝を設けたものである。
かかる構成とすることにより、前記潤滑油は、前記シャフトの給油機構によって中抜き部に設けた給油孔から、前記上側摺動部へは、上部給油溝を伝わり、前記下側摺動部へは、前記中抜き部を自重で落下した潤滑油が下部給油溝を伝わってそれぞれ供給される。
このように、前記シャフトの中抜き部を基点に上下位置へ潤滑油を分流供給することにより、各摺動部への潤滑油の供給時間が短縮でき、潤滑不足に伴う騒音を抑制し、起動時の摺動損失を低減することが可能になる。
第2の発明は、第1の発明の密閉型圧縮機において、前記上部給油溝の断面積を、前記下部給油溝の断面積より大きく設定したものである。
かかる構成とすることにより、上部給油溝の断面積を大きくすることで、上側摺動部への潤滑油の搬送能力を、潤滑油の供給に重力を利用できる下部給油溝の搬送能力よりも大きくすることができる。したがって、上部給油溝と下部給油溝それぞれによって供給される潤滑油の量を制御し、特に上側摺動部の潤滑に必要な量の潤滑油量を確保することができ、第1の発明に記載の効果に加えて、さらに信頼性の向上と、摺動損失の軽減による高効率化を達成することが可能になる。
第3の発明は、第1または第2の発明の密閉型圧縮機において、前記上部給油溝を、螺旋溝で形成し、前記下部給油溝を、直線溝で形成したものである。
かかる構成とすることにより、前記下側摺動部への給油は、自重を利用でき、かつ運転時のシャフトが受ける荷重の小さい部分を的確に狙って給油溝を設けることができる。また、前記上側摺動部へは、潤滑油の粘性を利用して積極的な給油が可能になり、さらなる信頼性の向上と、摺動損失軽減による高効率化を達成することが可能になる。
第4の発明は、第1または第2の発明の密閉型圧縮機において、前記上部給油溝を、前記シャフトの回転の向きと逆向きの螺旋溝で形成し、前記下部給油溝を、前記シャフトの回転と同じ向きの螺旋溝で形成したものである。
かかる構成とすることにより、前記上側摺動部、下側摺動部への給油に、潤滑油の粘性を利用した積極的な給油が行え、各摺動部に安定した油膜を形成することができる。
第5の発明は、第1から第4のいずれか一つの発明の密閉型圧縮機において、前記シャフトにおける主軸の中抜き部に設けられている給油孔と、前記給油孔連通する上部給油溝を、それぞれ複数としたものである。
かかる構成とすることにより、前記給油孔と上部給油溝による上側摺動部への潤滑油の供給量が増え、さらなる潤滑油供給の安定化と、潤滑作用の信頼性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図、図2は、同実施の形態1におけるシャフトの主軸部の構成図、図3は、同実施の形態1におけるシャフトの主軸部の展開図を示している。図4(a)は、同実施の形態1における上部給油溝の断面図、図4(b)は、同下部給油溝の断面図である。尚、図3において斜線部は、軸受部との摺動部を示している。
図1から図4において、密閉容器101内には、その底部に潤滑油103が貯留され、さらに、圧縮機本体105が、サスペンションスプリング107により懸架配置されている。また、密閉容器101には、温暖化係数の低い冷媒であるR600a(イソブタン)が充填されている。
圧縮機本体105は、電動要素111と、これによって駆動される圧縮要素117から構成され、密閉容器101には、電動要素111に電源を供給するための電源端子109が取り付けられている。
まず、電動要素111について説明する。
電動要素111は、薄板を積層した鉄心に銅製の巻線が巻かれて形成される固定子113と、固定子113の内径側に配置される回転子115を備え、固定子113の巻線が電源端子109を経由して密閉型圧縮機外の電源(図示せず)と導線118により接続されている。
次に、圧縮要素117について説明する。
圧縮要素117は、電動要素111の上方に配設されている。圧縮要素117を構成するシャフト121は、上側摺動部184、中抜き部186、下側摺動部188からなる主軸123と、主軸123と平行な偏心軸125と、主軸123と偏心軸125の間に形成されたフランジ部121aを備えている。また、主軸123には、回転子115が固定されている。
シャフト121は、下端が密閉容器101底部の潤滑油103に浸漬しており、主軸123の表面には、上部給油溝192と、給油孔190と、下部給油溝194を備え、また、内部には、下端から給油孔190に至る給油機構119(図2)を備えている。
シリンダブロック127は、円筒形の内面を有する軸受部131を備え、軸受部131に主軸123が回転自在な状態で挿入かつ支持され、偏心軸125に作用した荷重を、主軸123と軸受部131で支持する片持ち軸受の構成になっている。
また、シリンダブロック127は、円筒状の穴部であるシリンダ139を備えており、ピストン135が、シリンダ139に往復自在に挿入されている。また、コンロッド145は、ピストン135に設けられたピストンピン137と偏心軸125を連結している。
シリンダ139端面には、バルブプレート141が取り付けられ、シリンダ139およびピストン135とともに圧縮室143を形成している。さらに、バルブプレート141を覆って蓋をするように、シリンダヘッド147が固定されている。吸入マフラ149は、PBTなどの樹脂で成型され、内部に消音空間を形成し、バルブプレート141とシリ
ンダヘッド147との間に挟持されることで固定されている。
本実施の形態1において、従来の密閉型圧縮機と大きく異なる点は、シャフト121の構成にある。シャフト121は、中抜き部186に給油機構119と連通した給油孔190と、シャフト121の表面に形成され、かつ上側摺動部184に連通する螺旋溝で形成された上部給油溝192と、シャフト121の表面に形成され、かつ下側摺動部188に連通する鉛直下向きの下部給油溝(直線溝)194を備え、さらに、上部給油溝192の断面積が、下部給油溝194の断面積よりも大きく形成されている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
電動要素111に通電されると、回転子115はシャフト121を回転させ、偏心軸125の回転運動がコンロッド145、ピストンピン137を介してピストン135に伝えられることで、ピストン135はシリンダ139内を往復運動する。
それにより、R600aガスは、冷却システム(図示せず)から圧縮室143内へ吸入、圧縮された後、再び冷却システムへと吐き出される。
次に、潤滑油103の供給について説明する。
密閉容器101の底部の潤滑油103は、シャフト121の回転に伴い、シャフト121の下端に設けられた給油機構119を介して上方に汲み上げられ、シャフト121の中抜き部186に設けられた給油孔190から、主軸123の外周部に供給される。その後、潤滑油103の一部は、自重を利用して下部給油溝194を通過し、下側摺動部188へ供給される。また、残る潤滑油103は、回転するシャフト121と静止している軸受部131との速度差と、潤滑油103の粘性を利用して上部給油溝192を通過し、上側摺動部184や偏心軸125などの各摺動部へ供給される。その結果、潤滑油103は、給油孔190から各摺動部へ短時間で供給される。
したがって、起動時の潤滑油103の供給不足を防ぐことが可能になり、信頼性を向上させることが可能になる。また、上部給油溝192の断面積を、下部給油溝194の断面積より大きく設定することにより、上部給油溝192の潤滑油の搬送能力を、潤滑油の供給に重力を利用できる下部給油溝194の潤滑油の搬送能力よりも大きくすることができる。したがって、上部給油溝192と下部給油溝194それぞれによって供給される潤滑油103の量を制御でき、各摺動部、特に上側摺動部184の潤滑に必要な量の潤滑油を確保し、供給できるため、信頼性の向上と、摺動損失軽減による高効率化を達成することが可能になる。また、上部給油溝192と下部給油溝194を、運転時に主軸123が受ける荷重の小さい部分に設けることができ、各摺動部の摺動損失を抑えることができる。
このように、単純な構成で、十分、かつ安定した給油が可能になり、信頼性の向上や高効率化が可能になる。
なお、本実施の形態1では、給油機構119を、遠心力を利用したポンプ機構としたが、例えば、粘性を利用したポンプ機構であっても同様の効果を得ることができ、また、いかなる形態のポンプ機構であっても同様の効果が期待できる。
また、本実施の形態1においては、中抜き部186に設けた給油孔190と、この給油孔190に連通する上部給油溝192を一つとする構成としたが、この給油孔190と上部給油溝192を2個以上設けることによって、中抜き部186からの潤滑油103の供給量を増やすことが可能となり、さらに信頼性を向上させることが期待できる。
さらに、給油孔190を可能な限り上方に位置させ、上部給油溝192の長さを短くすることにより、潤滑油103の上側摺動部184への供給時間がより短縮化され、好ましい構成が期待できる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機の縦断面図、図6は、同実施の形態2におけるシャフトの主軸部の構成図、図7は、同実施の形態2におけるシャフトの主軸部の展開図を示している。図8(a)は、同実施の形態2における上部給油溝の断面図、図8(b)は、同下部給油溝の断面図である。尚、図7において斜線部は、軸受部との摺動部を示している。
図5から図8において、密閉容器201内には、その底部に潤滑油203が貯留され、さらに、圧縮機本体205が、サスペンションスプリング207により懸架配置されている。また、密閉容器201には、温暖化係数の低い冷媒であるR600a(イソブタン)が充填されている。
圧縮機本体205は、電動要素211と、これによって駆動される圧縮要素217から構成され、密閉容器201には、電動要素211に電源を供給するための電源端子209が取り付けられている。
まず、電動要素211について説明する。
電動要素211は、薄板を積層した鉄心に銅製の巻線が巻かれて形成される固定子213と、固定子213の内径側に配置される回転子215を備え、固定子213の巻線が電源端子209を経由して密閉型圧縮機外の電源(図示せず)と導線218により接続されている。
次に、圧縮要素217について説明する。
圧縮要素217は、電動要素211の上方に配設されている。圧縮要素217を構成するシャフト221は、上側摺動部284、中抜き部286、下側摺動部288からなる主軸223と、主軸223と平行な偏心軸225と、主軸223と偏心軸225の間に形成されたフランジ部221aを備えている。また、主軸223には、回転子215が固定されている。
シャフト221は、下端が密閉容器201底部の潤滑油203に浸漬しており、主軸223の表面には、上部給油溝292と、給油孔290と、下部給油溝294を備え、また、内部には、下端から給油孔290に至る給油機構219(図6)を備えている。
シリンダブロック227は、円筒形の内面を有する軸受部231を備え、軸受部231に主軸223が回転自在な状態で挿入かつ支持され、偏心軸225に作用した荷重を、主軸223と軸受部231で支持する片持ち軸受の構成になっている。
また、シリンダブロック227は、円筒状の穴部であるシリンダ239を備えており、ピストン235が、シリンダ239に往復自在に挿入されている。また、コンロッド245は、ピストン235に設けられたピストンピン237と偏心軸225を連結している。
シリンダ239端面には、バルブプレート241が取り付けられ、シリンダ239およびピストン235とともに圧縮室243を形成している。さらに、バルブプレート241
を覆って蓋をするように、シリンダヘッド247が固定されている。吸入マフラ249は、PBTなどの樹脂で成型され、内部に消音空間を形成し、バルブプレート241とシリンダヘッド247との間に挟持されることで固定されている。
本実施の形態2において、従来の密閉型圧縮機と大きく異なる点は、シャフト221の構成にある。シャフト221は、中抜き部286に給油機構219と連通した給油孔290と、シャフト221の表面に形成され、かつ上側摺動部284に連通するシャフト221の回転の向きと逆向きの傾きの螺旋溝で形成された上部給油溝292と、シャフト121の表面に形成され、かつ下側摺動部288に連通するシャフト221の回転と同じ向きの傾きの螺旋溝で形成された下部給油溝294を備え、さらに、上部給油溝292の断面積が、下部給油溝294の断面積よりも大きく形成されている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
電動要素211に通電されると、回転子215はシャフト221を回転させ、偏心軸225の回転運動がコンロッド245、ピストンピン237を介してピストン235に伝えられることで、ピストン235はシリンダ239内を往復運動する。
それにより、R600aガスは、冷却システム(図示せず)から圧縮室243内へ吸入、圧縮された後、再び冷却システムへと吐き出される。
次に、潤滑油203の供給について説明する。
密閉容器201の底部の潤滑油203は、シャフト221の回転に伴い、シャフト221の下端に設けられた給油機構219を介して上方に汲み上げられ、シャフト221の中抜き部286に設けられた給油孔290から、主軸223の外周部に供給される。その後、潤滑油203の一部は、潤滑油203の自重と、静止している軸受部231との速度差と、潤滑油203の粘性を利用して下部給油溝294を通過し、下側摺動部288へ供給される。また、残る潤滑油203は、回転するシャフト221と静止している軸受部231との速度差と、潤滑油203の粘性を利用して上部給油溝292を通過し、上側摺動部284や偏心軸225などの各摺動部へ供給される。その結果、潤滑油203は、給油孔290から各摺動部へ短時間で供給される。
したがって、起動時の潤滑油203の供給不足を防ぐことが可能になり、信頼性を向上させることが可能になる。また、上部給油溝292の断面積を、下部給油溝294の断面積より大きく設定することにより、上部給油溝292の潤滑油の搬送能力を、潤滑油の供給に重力を利用できる下部給油溝294の潤滑油の搬送能力よりも大きくすることができる。したがって、上部給油溝292と下部給油溝294それぞれによって供給される潤滑油203の量を制御でき、各摺動部、特に上側摺動部284の潤滑に必要な量の潤滑油を確保し、供給できるため、信頼性の向上と、摺動損失軽減による高効率化を達成することが可能になる。また、上部給油溝292と下部給油溝294を、運転時に主軸223が受ける荷重の小さい部分に設けることができ、各摺動部の摺動損失を抑えることができる。
このように、単純な構成で、十分、かつ安定した給油が可能になり、信頼性の向上や高効率化が可能になる。
なお、本実施の形態2では、給油機構219を、遠心力を利用したポンプ機構としたが、例えば、粘性を利用したポンプ機構であっても同様の効果を得ることができ、また、いかなる形態のポンプ機構であっても同様の効果が期待できる。
また、本実施の形態2においては、中抜き部286に設けた給油孔290と、この給油孔290に連通する上部給油溝292を一つとする構成としたが、この給油孔290と上部給油溝292を2個以上設けることによって、中抜き部286からの潤滑油203の供給量を増やすことが可能となり、さらに信頼性を向上させることが期待できる。
さらに、給油孔290を可能な限り上方に位置させ、上部給油溝292の長さを短くすることにより、潤滑油203の上側摺動部284への供給時間がより短縮化され、好ましい構成が期待できる。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、シャフトの中抜き部に給油機構と連通した給油孔設けたことで、性能と信頼性が向上でき、家庭用電気冷凍冷蔵庫に限らず、エアーコンディショナー、自動販売機やその他の業務用冷凍装置等に広く適用できる。
101、201 密閉容器
103、203 潤滑油
111、211 電動要素
117、217 圧縮要素
119、219 給油機構
121、221 シャフト
123、223 主軸
125、225 偏心軸
127、227 シリンダブロック
131、231 軸受部
135、235 ピストン
143、243 圧縮室
145、245 コンロッド45
184、284 上側摺動部
186、286 中抜き部
188、288 下側摺動部
192、292 上部給油溝
194、294 下部給油溝

Claims (5)

  1. 密閉容器内に潤滑油を貯留するとともに、電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素を、前記電動要素によって回転駆動される主軸と、前記主軸の一端で、かつ該主軸と一体運動するように形成された偏心軸と、前記主軸の下端に形成された給油機構を有するシャフトと、前記主軸を軸支するシリンダブロックと、前記シリンダブロックに設けられた略円筒形の圧縮室と、前記圧縮室の内部に往復動可能に挿設されたピストンと、前記偏心軸と前記ピストンを連結するコンロッドを備えた構成とし、前記シャフトの主軸に、上側摺動部と、中抜き部と、下側摺動部をそれぞれ形成し、前記中抜き部に、前記給油機構と連通した給油孔を設け、前記上側摺動部に、前記給油孔を始点とする上部給油溝を設け、さらに、前記下側摺動部に、下部給油溝を設けた密閉型圧縮機。
  2. 前記上部給油溝の断面積を、前記下部給油溝の断面積より大きく設定した請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 前記上部給油溝を、螺旋溝で形成し、前記下部給油溝を、直線溝で形成した請求項1または請求項2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 前記上部給油溝を、前記シャフトの回転の向きと逆向きの螺旋溝で形成し、前記下部給油溝を、前記シャフトの回転と同じ向きの螺旋溝で形成した請求項1または請求項2に記載の密閉型圧縮機。
  5. 前記シャフトにおける主軸の中抜き部に設けられている給油孔と、前記給油孔連通する上部給油溝を、それぞれ複数とした請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
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