JP2005180126A - 作業車両の作業機支持機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大きな押しつけ荷重を作業機に与えることの可能な路盤再生車両を提供する。
【解決手段】 車両用エンジン(55)で駆動される油圧ポンプ(77)と、油圧モータ(95)を介して油圧ポンプ(77)で駆動される作業機(16)と、前記作業機(16)を車体(102)に対して左右方向に移動させる第1シフトシリンダ(91)と、所定の支点を中心として作業機(16)を少なくとも上下方向に回動自在に支持する支持アーム(60,60)と、前記支持アーム(60,60)と車体(102)との間を接続し、作業機(16)を車体(102)に対して略上下方向に移動させるリフトシリンダ(53,53)と、前記リフトシリンダ(53,53)を車体(102)に対して左右方向に移動させる第2シフトシリンダ(92)とを備えたことを特徴とする、作業車両の作業機支持機構。
【選択図】 図1

Description

本発明は、作業車両の作業機支持機構に関する。
従来から、路上で既設のアスファルト等の表層材と路盤材とを破砕・混合する、スタビライザと呼ばれる路盤再生車両が知られている(特許文献1及び非特許文献1参照)。
尚、以下の説明においては、鉛直方向をZ軸方向又は上下方向、車両の進行方向をY軸方向又は前後方向、Z軸方向及びY軸方向に垂直な方向をX軸方向又は左右方向として説明する。また、X軸及びY軸を含む面をX−Y面というように定義する。また、車両の前進する向きを前方、反対の向きを後方と呼ぶ。
図12に、非特許文献1に開示された路盤再生車両11の斜視図を示す。図12に示すように路盤再生車両11は、前輪72と後輪73との間の車体102の下部に、作業機16を有している。作業機16のカバー46の内部には、X軸回りに回転自在の、周面にビット100を有するロータドラム17が内蔵されている。
路盤再生車両11は、車体102の上部にトラニオン45を介して付設されたリフトシリンダ53によって作業機16を上下させ、ロータドラム17を道路の舗装表面に押しつけて道路の表層材及び路盤材を破砕・混合する。
このような路上再生路盤工法においては、走行する路盤再生車両11の車体102よりも、外側の領域の表層材及び路盤材を破砕することが必要な場合がある。そのために、作業機16は、路盤再生車両11の車体102に対し、X軸方向にシフト可能になっている。
作業機16は、くの字型のブラケット47及びその前方のバー48により、車体102と接続されている。バー48は、車体102に対してX軸回りに回動自在となるように、ピン49で連結されている。バー48の後部には、ブラケット47が図示しない接続手段によって、車体に対してY軸回りに回動自在に接続されている。
ブラケット47上部の一端部は、リフトシリンダ53のシリンダロッド54の先端部と接続されている。また、ブラケット47の略中心部及び他端部には、X軸方向に第1、第2シャフト58,59が貫通している。第1、第2シャフト58,59は、作業機16の側板19に固定されている。
また、ブラケット47と作業機16の側板19との間には、シフトシリンダ56が介装されている。シフトシリンダ56を伸縮させることにより、ロータドラム17及び第1、第2シャフト58,59が車体102に対してX軸方向にシフトする。
また、リフトシリンダ53のシリンダロッド54を伸長させることにより、ブラケット47を介して作業機16がピン49を中心としてX軸回りに回動し、ロータドラム17が道路の舗装表面に押しつけられる。
実開昭57−75008号 「株式会社小松製作所 スタビライザGS360−2カタログ」、1988年7月
しかしながら、前記従来技術には、次に述べるような問題がある。
即ち、図12に示したような路盤再生車両11においては、リフトシリンダ53と作業機16との、Y軸方向の距離が離れている。そして、リフトシリンダ53が作業機16を路面に押しつける力が、作業機16の回動中心であるピン49の近くに印加されている。
そのために、ロータドラム17を路面に押しつける押しつけ荷重が不足し、路盤を深くまで破砕することが困難であるという問題がある。
本発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、大きな押しつけ荷重を作業機に与えることの可能な路盤再生車両を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、第1発明は、
車両用エンジンで駆動される油圧ポンプと、
油圧モータを介して油圧ポンプで駆動される作業機と、
前記作業機を車体に対して左右方向に移動させる第1シフトシリンダと、
所定の支点を中心として作業機を少なくとも上下方向に回動自在に支持する支持アームと、
前記支持アームと車体との間を接続し、作業機を車体に対して略上下方向に移動させるリフトシリンダと、
前記リフトシリンダを車体に対して左右方向に移動させる第2シフトシリンダとを備えている。
また第2発明は、
車両用エンジンで駆動される油圧ポンプと、
油圧モータを介して油圧ポンプで駆動される作業機と、
車体に対してトラニオンを介して支持された第1サポートシャフトと、
前記第1サポートシャフトの両端部に固定され、トラニオンを中心として作業機を少なくとも上下方向に回動自在に支持する支持アームと、
前記作業機を車体に対して左右方向に移動させる第1シフトシリンダと、
車体に対して左右方向に摺動自在に支持された第2サポートシャフトと、
前記第2サポートシャフトの両端部に回動自在のトラニオンを介して支持され、第2サポートシャフトと支持アームとの間を接続して作業機を車体に対して略上下方向に移動させるリフトシリンダと、
前記第2サポートシャフトを車体に対して左右方向に移動させる第2シフトシリンダとを備えている。
また第3発明は、第1又は第2発明において、
前記第1シフトシリンダと第2シフトシリンダとを同期させて動作させている。
第1発明によれば、作業機と、作業機を上下させるリフトシリンダを左右方向に移動自在としているので、作業機とリフトシリンダとの左右方向の位置が略一致し、作業機を路面に強く押しつけることが可能となる。また、例えばシリンダロッドの本体部がトラニオンに固定され、先端部が作業機に固定されてシフトするような方式と比較するならば、リフトシリンダ全体がシフトするのでリフトシリンダが斜めにならず、作業機の上下方向のリフト量が大きくなる。
また第2発明によれば、作業機がトラニオンを介して車体に固定されるので、車体が傾いても作業機が所望する角度を保つことができる。
また第3発明によれば、作業機とリフトシリンダとが同期してシフトするので、常にリフトシリンダが作業機からずれることなく、強い押しつけが可能である。
以下、図を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1に、実施形態における路盤再生車両11と、これに接続されたタンクローリー12とを側面図で示す。タンクローリー12は、溶融したアスファルトを内蔵するアスファルトタンク13を備えている。アスファルトタンク13は、図示しない保温装置によって保温されている。
タンクローリー12と路盤再生車両11との間は、両端部が回動自在の連結ロッド14によって、互いの間隔が変化しないように接続されている。また、タンクローリー12と路盤再生車両11との間は、2本の外部配管15A,15Bで結ばれている。
路盤再生車両11は、車体102の下部に作業機16を備えている。作業機16のカバー46の内部には、X軸回りに回転自在の、周面にビット100を有するロータドラム17が内蔵されている。このロータドラム17を、リフトシリンダ53によって道路の舗装表面に押しつけて回転させ、道路のアスファルト等の表層材及び路盤材を破砕し、混合する。
また作業機16には、溶融したアスファルトに水と空気とを混合させてフォームドアスファルトFAを生成し、生成したフォームドアスファルトを道路に散布するフォームドアスファルト散布装置18(後述)が内蔵されている。
路盤再生車両11は、ロータドラム17によって破砕・混合された表層材及び路盤材と、瀝青材であるフォームドアスファルトとを混合させることにより、路盤の改良を行なっている。
図2に、作業機16の詳細側面図、図3に、図2における平面図を示す。尚、図3において、車体102、ベース103、及びカバー46は、図示を省略している。
図2、図3に示すように、作業機16は、X軸に直交して対向する一対の支持アーム60,60を備えている。支持アーム60,60の一端部間には、第1サポートシャフト61が一体に横架されており、第1サポートシャフト61は、車体102の下部のX軸方向略中央部に設けられたセンタサポート65に、X軸回りに回動自在に支持されている。
図4に、センタサポート65の側面断面図を示す。図4に示すように、センタサポート65は、Y軸を前上がりに所定角だけ傾けた軸(以下、W軸と呼ぶ)に直交して対向する2枚のプレート81,81を備えている。プレート81,81は、ベース103を介して、車体102に固定されている。
プレート81,81間には、直方体状のボックス82が挟まれ、ボックス82には、中空円筒形の第1サポートシリンダ83が、X軸を長手方向として固着されている(図3参照)。
第1サポートシリンダ83には、ブッシュ84を介して、第1サポートシャフト61がX軸方向に摺動自在、かつX軸回りに回転自在に貫通している。
また、プレート81,81には貫通孔85,85が設けられており、ボックス82のW軸方向両端部には、貫通孔85,85に相当する位置に、所定深さのピン穴86,86が設けられている。この貫通孔85,85及びピン穴86,86にピン70,70を嵌め込み、ピン70,70をプレート81,81にボルト90で固定することにより、ボックス82が車体102に対して、W軸回りに回動自在に支持される。
これにより、作業機16は車体102に対してX軸及びW軸に対して回動自在、かつX軸方向に摺動自在に支持されたことになる。即ち、センタサポート65は、トラニオンを形成している。
また図2において、支持アーム60,60の他端部には、円筒形のロータドラム17が、X軸回りに回転自在に固定されている。ロータドラム17の周辺部には、複数のビット100が取着されている。後述するように、図示しない油圧モータにより、減速機を介してロータドラム17を回転させ、ビット100によって表層材及び路盤材を破砕・混合する。
また図3に示すように、一側の支持アーム60と第1サポートシリンダ83との間には、第1シフトシリンダ91が介装されている。この第1シフトシリンダ91を伸縮させることにより、第1サポートシャフト61が第1サポートシリンダ83及びセンタサポート65に対して摺動し、作業機16が車体102に対してX軸方向にシフトする。
次に、リフトシリンダ53について説明する。
図5に、リフトシリンダ53の斜視図を示す。図3及び図5に示すように、車体102には円筒形の第2サポートシリンダ94が、長手方向をX軸方向と一致させて固定されている。第2サポートシリンダ94には、第2サポートシャフト93が、X軸方向に摺動自在に貫通している。
第2サポートシリンダ94と第2サポートシャフト93との間には、第2シフトシリンダ92が介装されている(図5には図示せず)。第2シフトシリンダ92を伸縮させることにより、第2サポートシャフト93が第2サポートシリンダ94に対してX軸方向に摺動する。
第2サポートシャフト93の両端部には、それぞれトラニオン45,45を介して、リフトシリンダ53が付設されている。トラニオン45,45は、第2サポートシャフト93に対し、Y軸回り及びX軸回りに回動自在となっている。
リフトシリンダ53のシリンダロッド54の先端部は、支持アーム60,60に、X軸回りに回動自在に連結されている。リフトシリンダ53を伸縮させることにより、支持アーム60,60を第1サポートシャフト61を回動中心として回動させ、作業機16を上下させることが可能である。
このとき、第1シフトシリンダ91と第2シフトシリンダ92とは、常に同期して動作し、リフトシリンダ53と作業機16とを、同じ向きにほぼ同じシフト量だけ、ほぼ同時にシフトさせるようになっている。
図6に、第1、第2シフトシリンダ91,92の油圧回路図を示す。図3及び図6に示すように、第1シフトシリンダ91と第2シフトシリンダ92とは、反対の向きに設置されている。第1シフトシリンダ91のロッド側と第2シフトシリンダ92のロッド側とは、管路で接続されている。また、第1シフトシリンダ91のシリンダ径と第2シフトシリンダ92のシリンダ径とは、同一となっている。
例えば第1シフトシリンダ91を伸長させる場合には、バルブ98を図6中右側へ操作し、A位置とする(矢印104A参照)。これにより、油圧ポンプ99から出た作動油が、所定量だけ第1シフトシリンダ91のボトム側に入り、第1シフトシリンダ91は伸長する(矢印104B参照)。
第1シフトシリンダ91のボトム側に作動油が入るとともに、第1シフトシリンダ91のロッド側から、作動油が排出される。排出された作動油は、第2シフトシリンダ92のロッド側に入り、第2シフトシリンダ92を、第1シフトシリンダ91の伸びと同じ長さだけ短縮させる(矢印104C参照)。これに伴い、第2シフトシリンダ92のシリンダ側から、作動油が排出され、タンク101に戻る。
これにより、第1シフトシリンダ91の伸長と第2シフトシリンダ92の短縮とが、略同時に略同じ量だけ行なわれるので、作業機16及びリフトシリンダ53が、略同時に同じ向きに略同一量だけシフトすることになる。
作業機16及びリフトシリンダ53を反対の向きにシフトさせる場合は、バルブ98をB位置とすればよい。
図7に、路盤再生車両11のパワー系統図を示す。図7に示すように、路盤再生車両11は、HST(Hydro Static Transmission)方式により、走行系の駆動を行なっている。
即ち、路盤再生車両11の後部に搭載された車両用エンジン55(図1参照)の動力取出軸(PTO)43によって、走行用油圧ポンプ71を駆動する。そして、走行用油圧ポンプ71から吐出した作動油によって4台の走行用油圧モータ75を回転させ、減速機74を介して前輪72,72及び後輪73,73をそれぞれ駆動して走行を行なっている。
また路盤再生車両11は、車両用エンジン55の動力取出軸(PTO)43によって2台のロータ油圧ポンプ78,78を駆動し、ロータ油圧モータ79,79により減速機80,80を介して、ロータドラム17を回転させている。
また路盤再生車両11は、車両用エンジン55の動力取出軸(PTO)43によって、可変容量式の発電用油圧ポンプ44を駆動している。そして、発電用油圧モータ51及びエア用油圧モータ50により、ヒータ52に電力を供給する発電機57及びエアコンプレッサ38を駆動している。
さらには、路盤再生車両11は、車両用エンジン55の動力取出軸(PTO)43によって、ステアリング及び散布ポンプを駆動する油圧ポンプ76と、ブレーキ及び作業機16を駆動する油圧ポンプ77とを駆動している。
以下、ロータドラム17によって破砕・混合された表層材及び路盤材に、瀝青材であるフォームドアスファルトを混合させ、路盤の改良を行なうための動作について説明する。
図8に、タンクローリー12及び路盤再生車両11における、フォームドアスファルト散布装置18の配管系統図を示す。
尚、以下の説明においては、アスファルトタンク13から、フォームドアスファルト散布装置18の散布マニホールド28(後述)に溶融アスファルトを送る経路を、往路と呼ぶ(矢印69A参照)。また、散布マニホールド28からアスファルトタンク13に溶融アスファルトを戻す経路を、復路と呼ぶ(矢印69B参照)。
また、アスファルトタンク13の溶融アスファルトの出口を最上流とし、矢印69A,69Bの向きに沿って、配管系統の上流及び下流を定義する。
アスファルトタンク13には、路盤再生車両11に溶融アスファルトを送る往路外部配管15Aと、路盤再生車両11からアスファルトタンク13に溶融アスファルトを戻す復路外部配管15Bとが接続されている。
外部配管15A,15Bは、わずかに可撓性を有する金属製のフレキシブルチューブからなっている。往路外部配管15A及び復路外部配管15Bは、それぞれ路盤再生車両11の往路内部配管24A及び復路内部配管24Bに、往路フランジ66A及び復路フランジ66Bを介して接続されている。
往路内部配管24A及び復路内部配管24Bには、往路フランジ66A及び復路フランジ66Bの近傍に、それぞれ往路接続コック20A及び復路接続コック20Bが設けられている。これらの接続コック20A,20Bは、外部配管15A,15Bを、内部配管24A,24Bに接続したときに開けられ、内部配管24A,24Bから外すときに閉じられる。
往路内部配管24Aの往路接続コック20Aの下流には、ストレーナ21が設置され、その下流には、溶融アスファルトを流す散布ポンプ22が設置されている。ストレーナ21及び散布ポンプ22を、散布ポンプ部23と呼ぶ。
散布ポンプ部23の下流には、往路作業機フランジ67Aを介して往路ホース36Aの一端部が接続され、往路ホース36Aの他端部は、角パイプ状の散布マニホールド28の一端部に接続されている。
散布マニホールド28には、複数の散布ノズル29が、例えば一列に並んで設置されている。散布ノズル29には、それぞれ散布コック30が設けられている。
散布マニホールド28の他端部と復路内部配管24B端部の復路作業機フランジ67Bとの間は、復路ホース36Bによって接続されている。復路内部配管24Bの、復路作業機フランジ67Bと復路接続コック20Bとの間には、復路コック32が設置されている。
また、往路内部配管24Aにおける散布ポンプ部23−往路作業機フランジ67A間と、復路内部配管24Bにおける復路作業機フランジ67B−復路コック32間とは、バイパスコック89が介挿されたバイパス配管88を介して短絡することができるようになっている。
さらに、復路内部配管24Bにおいては、復路コック32と復路接続コック20Bとの間、及びバイパス配管88の分岐と復路コック32との間に、それぞれ第1洗浄配管27A及び第2洗浄配管27Bの一端部が分岐している。
第1洗浄配管27Aには、第1洗浄コック25Aが介挿され、第1洗浄配管27Aの他端部は、洗浄液の入った洗浄タンク26に接続されている。また、第2洗浄配管27Bには、第2洗浄コック25Bが介挿され、第2洗浄配管27Bの他端部は洗浄タンク26に戻っている。
洗浄コック25A,25Bは、洗浄時にのみ開かれるものであり、フォームドアスファルトを用いて路盤改良を行なう場合には、閉じられている。
また、往路内部配管24Aにおける往路接続コック20A−散布ポンプ部23間と、復路内部配管24Bにおける復路コック32間−復路接続コック20Bとは、短絡コック35が介挿された短絡配管68を介して短絡することができるようになっている。
短絡コック35は、洗浄時、及び予め乳剤を混合された乳剤アスファルトを用いて路盤改良を行なう場合に開かれるものであり、フォームドアスファルトを用いて路盤改良を行なう場合には、閉じられている。
各配管15B,24B,27A,27B,68,88、各コック20B,25A,25B,32,35,89、及び散布ポンプ部23等の部材には、溶融アスファルトの固化を避けるため、一点鎖線で示した保温材33を巻装し、その内側にヒータ52を付設して温めている。
尚、図8においては、ヒータ52は保温材33を巻装した領域の、一部の範囲のみに付設されているように描画しているが、実際には保温材33を巻装した領域全体に付設されている。
そして、往路外部配管15A、往路内部配管24Aの往路フランジ66Aから散布ポンプ部23までの部位、往路ホース36A、及び復路ホース36Bには、破線で示した保温材34を被せている。
図9に、散布ノズル29及び散布マニホールド28の拡大図を示す。すべての散布ノズル29の側面には、エア配管63と水配管64とが接続されている(図示は1箇所のみ)。
エア配管63はエアコンプレッサ38に接続され、エアバルブ41の開閉によって、散布ノズル29内に圧縮空気Aを供給できるようになっている。また水配管64は、水タンク37に接続され、水ポンプ62の作動及び水バルブ39の開閉によって、散布ノズル29内に水Wを供給できるようになっている。
バルブバー40を、図示しない手段によって図中上下方向に動かすことにより、バルブレバー42を介して散布コック30を開閉し、散布を行なうか否かを選択することができる。
図9は、アスファルトの散布時の様子を示しており、散布マニホールド28を図中上方に向かって流れるアスファルトAsの一部が、散布コック30を通じて、散布ノズル29の方に分流されている。散布ノズル29の内部で、アスファルトAsと水W及び圧縮空気Aとが混合し、フォームドアスファルトFAが生成されて、散布ノズル29の先端部から図中右方向に噴出する。
尚、図9の散布コック30は、溶融アスファルトAsが散布マニホールド28を、図中上方に向けて流れる場合を示している。溶融アスファルトAsが散布マニホールド28を、図中下方に向けて流れる場合については、散布コック30内部の流路が、図中上下方向に180度反転した形状となる。
以下、溶融アスファルトの流れについて、説明する。
図10に、循環時の溶融アスファルトAsの流れを矢印で示す。尚、各コックについては、開状態を○で表すものとし、閉状態は○中に×で表すものとする。
アスファルトタンク13と路盤再生車両11とを外部配管15A,15Bで接続している場合には、散布時/循環時に関わらず、往路接続コック20A及び復路接続コック20Bは常に開状態となっており、散布ポンプ22は運転されている。
図10に示すように、循環時には、各散布ノズル29に設けられた散布コック30は、すべて閉状態となっている。また、復路コック32は、開状態となっている。エアバルブ41及び水バルブ39は閉状態となり、圧縮空気及び水は停止している。また、上述したように、短絡コック35及び洗浄コック25A,25Bは閉状態となっている。
散布ポンプ22によって流れを与えられた溶融アスファルトAsは、アスファルトタンク13から往路外部配管15A−往路内部配管24A−往路ホース36Aを通り、散布マニホールド28に達する。そして、復路ホース36B−復路内部配管24B−復路外部配管15Bを通って、アスファルトタンク13に戻る。
このように、循環時においては、常に溶融アスファルトAsを配管に流し、アスファルトタンク13に環流させている。そして、このときの散布ポンプ22の回転数を、図示しない回転センサによって測定することにより、溶融アスファルトAsの配管内流量を把握し、散布した際にどれだけの溶融アスファルトAsが散布されるかを把握するようにしている。
図11に、溶融アスファルトをフォームドアスファルト化して散布する、散布時の流れを示す。図11に示すように、散布時には散布コック30を開状態とするとともに、バイパスコック89及び復路コック32を開状態とする。
また、図10と同様に、短絡コック35及び洗浄コック25A,25Bは閉状態となっている。
これにより、散布ポンプ部23を出た溶融アスファルトAsは、約半分が往路ホース36Aを通り、散布マニホールド28の一端部に達する。また、残りの約半分の溶融アスファルトAsは、バイパス配管88を図11の上向きに流れて復路内部配管24Bに達し、復路内部配管24B及び復路ホース36Bを循環時と逆向きに流れて、散布マニホールド28の他端部に達する。
そして溶融アスファルトAsは、その両側から散布マニホールド28に入り、散布コック30を通って、散布ノズル29内に噴出する。
このとき、エアバルブ41及び水バルブ39を開状態とすることにより、散布ノズル29の内部で溶融アスファルトAsと圧縮空気A及び水Wとが混合し、フォームドアスファルトFAが生成される。そして、フォームドアスファルトFAが、各散布ノズル29を通って道路に散布される。
尚、散布コック30をすべて開状態とするように説明したが、これに限られるものではなく、一部を開状態としてもよい。
このようにして生成されたフォームドアスファルトFAを、作業機16のカバー46の内部で、ロータドラム17で破砕された表層材及び路盤材と混合することにより、路盤の再生を行なっている。
以上説明したように本発明の作業機支持機構によれば、作業機16をシフトする際に、作業機16を路面に押さえつけるためのリフトシリンダ53をも同じようにシフトしている。これにより、リフトシリンダ53が作業機16の任意の場所を押さえることが可能となるので、ロータドラム17近傍を押さえることにより、大きな押しつけ荷重を印加して、路盤を深くまで破砕することが可能となる。
尚、上記の説明は、タンクローリー12と連結されて表層材及び路盤材を破砕・混合するとともに、これにフォームドアスファルトからなる瀝青材を混合する路盤再生車両11について説明したが、本発明の応用範囲は、これに限られるものではない。
即ち、従来技術で説明したような、瀝青材を混合せずに表層材及び路盤材を破砕・混合する路盤再生車両にも、同様に応用が可能である。
路盤再生車両及びタンクローリーの側面図(実施形態)。 作業機の詳細側面図(実施形態)。 図2の平面図(実施形態)。 センタサポートの側面断面図(実施形態)。 リフトシリンダの斜視図(実施形態)。 シフトシリンダの油圧回路図(実施形態)。 路盤再生車両のパワー系統図(実施形態)。 フォームドアスファルト散布装置の配管系統図(実施形態)。 散布ノズルの拡大図(実施形態)。 循環時の溶融アスファルトの流れを示す説明図(実施形態)。 散布時の溶融アスファルトの流れを示す説明図(実施形態)。 路盤再生車両の斜視図(従来技術)。
符号の説明
11:路盤再生車両11、12:タンクローリー、13:アスファルトタンク、14:連結ロッド、15A,15B:外部配管、16:作業機、17:ロータドラム、18:フォームドアスファルト散布装置、19:側板、20A,20B:接続コック、21:ストレーナ、22:アスファルトポンプ、23:ポンプ部、24A,24B:内部配管、25:洗浄コック、26:洗浄タンク26、27:洗浄配管、28:散布マニホールド、29:散布ノズル、30:散布コック、31:循環コック、32:復路コック、33:保温材、34:保温材、35:乳剤用コック、36A,36B:ホース、37:水タンク、38:エアコンプレッサ、39:水バルブ、40:バルブバー、41:エアバルブ、42:バルブレバー、43:動力取出軸(PTO)、44:油圧ポンプ、45:トラニオン、46:カバー、47:ブラケット、48:バー、49:ピン、50:エア用油圧モータ、51:発電用油圧モータ、52:ヒータ、53:リフトシリンダ、54:シリンダロッド、55:車両用エンジン、56:シフトシリンダ、57:発電機、58:第1シャフト、59:第2シャフト、60:支持アーム、61:第1サポートシャフト、62:水ポンプ、63:エア配管、64:水配管、65:センタサポート、66A,66B:フランジ、67A,67B:作業機フランジ、68:短絡配管、70:ピン、71:走行用油圧ポンプ、72:前輪、73:後輪、74:減速機、75:走行用油圧モータ、76:油圧ポンプ、77:油圧ポンプ、78:ロータ油圧ポンプ、79:ロータ油圧モータ、80:減速機、81:プレート、82:ボックス、83:第1サポートシリンダ、84:ブッシュ、85:貫通孔、86:ピン穴、87A,87B:角パイプ、88:バイパス配管、89:バイパスコック、90:ボルト、91:第1シフトシリンダ、92:第2シフトシリンダ、93:第2サポートシャフト、94:第2サポートシリンダ、96:油圧ポンプ、97:第2サポートシリンダ、98:バルブ、99:油圧ポンプ、100:ビット、101:タンク、102:車体、103:ベース。

Claims (3)

  1. 車両用エンジン(55)で駆動される油圧ポンプ(77)と、
    油圧モータ(95)を介して油圧ポンプ(77)で駆動される作業機(16)と、
    前記作業機(16)を車体(102)に対して左右方向に移動させる第1シフトシリンダ(91)と、
    所定の支点を中心として作業機(16)を少なくとも上下方向に回動自在に支持する支持アーム(60,60)と、
    前記支持アーム(60,60)と車体(102)との間を接続し、作業機(16)を車体(102)に対して略上下方向に移動させるリフトシリンダ(53,53)と、
    前記リフトシリンダ(53,53)を車体(102)に対して左右方向に移動させる第2シフトシリンダ(92)とを備えた
    ことを特徴とする、作業車両の作業機支持機構。
  2. 車両用エンジン(55)で駆動される油圧ポンプ(77)と、
    油圧モータ(95)を介して油圧ポンプ(77)で駆動される作業機(16)と、
    車体(102)に対してトラニオン(65)を介して支持された第1サポートシャフト(61)と、
    前記第1サポートシャフト(61)の両端部に固定され、トラニオン(65)を中心として作業機(16)を少なくとも上下方向に回動自在に支持する支持アーム(60,60)と、
    前記作業機(16)を車体(102)に対して左右方向に移動させる第1シフトシリンダ(91)と、
    車体(102)に対して左右方向に摺動自在に支持された第2サポートシャフト(93)と、
    前記第2サポートシャフト(93)の両端部に回動自在のトラニオン(45,45)を介して支持され、第2サポートシャフト(93)と支持アーム(60,60)との間を接続して作業機(16)を車体(102)に対して略上下方向に移動させるリフトシリンダ(53,53)と、
    前記第2サポートシャフト(93)を車体(102)に対して左右方向に移動させる第2シフトシリンダ(92)とを備えた
    ことを特徴とする、作業車両の作業機支持機構。
  3. 前記第1シフトシリンダ(91)と第2シフトシリンダ(92)とを同期させて動作させる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の作業車両の作業機支持機構。
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