JP2005179620A - 漂白活性化剤及び漂白剤組成物 - Google Patents

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Naoki Mizushima
直樹 水島
Tokuji Ito
篤司 伊藤
Yoshiaki Nagai
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Abstract

【課題】 特別な安定化施策なしに製品へ安定配合することが可能であり、かつ、ペルオキシ化合物を添加することにより高い漂白効果が得られる新規な漂白活性化剤、及び該漂白活性化剤を含有する漂白剤組成物の提供。
【解決手段】 下記構造式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする漂白活性化剤である。また、該漂白活性化剤と、ペルオキシ化合物とを含有することを特徴とする漂白剤組成物である。該漂白剤組成物は、金属塩及び金属酸化物の少なくともいずれかを含有することが好ましい。
【化20】
Figure 2005179620

【選択図】 なし

Description

本発明は、漂白活性化剤及び漂白剤組成物に関し、特に、衣服についたしみ、食器、陶器、ガラス、プラスチック、義歯等の硬表面についた汚れの漂白、かび取り剤、パルプの漂白、染色排水の処理、洗濯中における染料移動の防止、衣類、硬表面などの殺菌等を行うために広く用いることができるペルオキシ化合物に対する漂白活性化剤、及び該漂白活性化剤を含有する漂白剤組成物に関する。
従来から、過酸化水素、又は水溶液中で過酸化水素を遊離するか、若しくはそれ自体過酸結合を有する無機の過酸塩などのペルオキシ化合物は、漂白剤組成物の有効成分として広く使用されている。
前記ペルオキシ化合物は、低温では比較的漂白効果が低いため、低温で十分な漂白効果を得るべく種々の提案がなされている。例えば、グルコースペンタアセテート(GPAC)等のO−アセチル化物、テトラアセチルエチレンジアミン等のN−アシル化物、無水マレイン酸等の酸無水物などの漂白活性化剤を用いてペルオキシ化合物の漂白力を向上させる方法が提案されている。
また、漂白活性化剤をより有効に用いるために種々の分子構造の改良について提案されている。例えば、脂肪族カルボン酸とフェノール類からなるエステルの漂白活性化剤が提案されている(特許文献1参照)。また、安息香酸フェニルなどの構造を有する漂白活性化剤が提案されている(特許文献2参照)。これらの漂白活性化剤は、脱離基として芳香族基を導入することにより高い過酸生成率を達成している。
しかしながら、前記従来の漂白活性化剤は、芳香族基の導入により、過酸生成率が向上する反面、ペルオキシ化合物と併用した場合の保存安定性が低下してしまい、製品配合時に何らかの安定化施策を行わなければ漂白活性化剤が分解されてしまうという問題がある。
一方、金属塩と、漂白活性化剤であるエステル化合物と、過酸化水素とを含む漂白剤組成物が提案されている(特許文献3参照)。しかし、金属塩は、漂白剤組成物を安定化させる目的で添加されており、過酸生成向上には関与しておらず、十分な漂白効果を有さないものである。
よって、特別な安定化施策を行うことなくペルオキシ化合物と併用した場合でも保存安定性に優れ、かつ、ペルオキシ化合物を添加することにより高い漂白効果が得られる新規な漂白活性化剤、及び該漂白活性化剤を含有する漂白剤組成物は未だ提供されておらず、更なる改良開発が望まれているのが現状である。
特開昭59−135298号公報 特開平1−311199号公報 特開平7−305094号公報
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、特別な安定化施策を行うことなくペルオキシ化合物と併用した場合でも保存安定性に優れ、かつ、ペルオキシ化合物を添加することにより高い漂白効果が得られる新規な漂白活性化剤、及び該漂白活性化剤を含有する漂白剤組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者が鋭意検討した結果、特定化合物をベースにし、少なくとも2つのCOOM基(ただし、Mは、水素原子又は塩形成カチオン基を表す)を有する置換基を2つ導入した漂白活性化剤をペルオキシ化合物へ添加することにより、過酸生成反応が著しく活性化され、室温、かつ中性からアルカリ性領域において、ペルオキシ化合物の漂白力を活性化する漂白効果と、ペルオキシ化合物と併用した場合の保存安定性とを両立することができるとの新知見を得た。
本発明は、本発明者による前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 下記構造式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする漂白活性化剤である。
Figure 2005179620
前記構造式(1)において、X及びYは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、少なくとも二つのCOOM(ただし、Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す)を有する有機残基を表す。Wは、エステル基、アミン基、若しくはエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基、水酸基、SOM(ただし、Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す)、又はCOOM(ただし、Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す)を表す。nは、0〜4の整数を表す。
<2> 少なくとも二つのCOOMを有する有機残基が、下記構造式(2)で表される前記<1>に記載の漂白活性化剤である。
Figure 2005179620
前記構造式(2)において、R及びRは、エステル基、アミン基、又はエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基を表す。
Aは、R−COOM(ただし、Rは、エステル基、アミン基、又はエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基を表す。Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す)、又は、エステル基、アミン基、若しくはエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基を表す。
Bは、水素原子、R−COOM(ただし、Rは、エステル基、アミン基、又はエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基を表す。Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す)、又は、エステル基、アミン基、若しくはエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基を表す。
Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す。
Zは、炭素原子、又は窒素原子を表す。Zが、炭素原子である場合には、mは0又は1を表し、p、q及びrは1を表す。Zが炭素原子である場合のR〜Rは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。Zが、窒素原子である場合には、mは0又は1を表し、p及びrは1を表し、qは0を表す。Zが窒素原子である場合のR〜Rは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
<3> パルプの漂白に用いられる前記<1>から<2>のいずれかに記載の漂白活性化剤である。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載の漂白活性化剤と、ペルオキシ化合物とを含有することを特徴とする漂白剤組成物である。
<5> 金属塩及び金属酸化物の少なくともいずれかを含有する前記<4>に記載の漂白剤組成物である。
<6> パルプの漂白に用いられる前記<4>から<5>のいずれかに記載の漂白剤組成物である。
本発明においては、更に下記の態様も好適である。
<7> 金属塩が、AlCl、ZnCl、CaCl、CaSO及びZnSOから選択されるいずれかである前記<5>から<6>のいずれかに記載の漂白剤組成物である。
<8> 金属酸化物が、CaO、Al及びZnOから選択されるいずれかである前記<5>から<7>のいずれかに記載の漂白剤組成物である。
<9> 更に、界面活性剤を含有する前記<4>から<8>のいずれかに記載の漂白剤組成物である。
<10> 漂白活性化剤の配合量が、漂白剤組成物全量に対し0.05〜40質量%である前記<4>から<9>のいずれかに記載の漂白剤組成物である。
本発明の漂白活性化剤は、前記構造式(1)で表される化合物を含むことにより、ペルオキシ化合物の漂白力を活性化させ、ペルオキシ化合物との共存下で長期間保存した場合であっても、前記漂白活性化剤の分解が極めて抑制される。
本発明の漂白剤組成物は、本発明の漂白活性化剤と、ペルオキシ化合物とを含有することにより、ペルオキシ化合物の漂白力が活性化され、前記漂白剤組成物を長期間保存した場合であっても、前記漂白活性化剤の分解が極めて抑制される。
本発明の漂白活性化剤によると、浴室をはじめとする住居内のカビ、台所ストレーナー、三角コーナーのぬめり、食器の茶渋、衣類などに付いた各種のしみ、有機物の汚れやパルプに対して、室温、かつ中性からアルカリ性領域においてペルオキシ化合物の漂白力を活性化することができ、漂白効果を極めて向上させることができる。
また、本発明の漂白剤組成物によると、各種のしみや有機物の汚れに対して高い漂白効果を有すると共に、ペルオキシ化合物と併用した場合でも本発明の漂白活性化剤の分解が極めて抑制され、保存安定性に優れる。
(漂白活性化剤)
本発明の漂白活性化剤は、下記構造式(1)で表される化合物を少なくとも含む。
Figure 2005179620
前記構造式(1)において、X及びYは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、少なくとも二つのCOOM(ただし、Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す)を有する有機残基を表すが、下記構造式(2)で表されるものが好ましい。
Figure 2005179620
前記構造式(2)において、R及びRは、エステル基、アミン基、又はエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基を表す。
前記R及びRの炭化水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エステル基、アミン基、若しくはエーテル基が挿入されていてもよいアルキレン基、又はアルケニレン基が好ましい。
前記アルキレン基としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜6が好ましく、例えば、−CH−、−CHCH−、−(CH)−、−CHCH(CH)−、−(CH)−、などが挙げられる。
前記アルケニレン基としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜6が好ましく、例えば、−CH=CH−、−CH=CH−CH−、−CH=C(CH)−、−CH=CH−CHCH−、−CH−CH=CH−CH−、などが挙げられる。
Aは、R−COOM(ただし、Rは、エステル基、アミン基、又はエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基を表す。Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す)、又は、エステル基、アミン基、若しくはエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基を表す。
前記Rの炭化水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エステル基、アミン基、若しくはエーテル基が挿入されていてもよいアルキリデン基又はアルケニリデン基が好ましい。
前記Aにおけるエステル基、アミン基、若しくはエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルキレン基、又はアルケニレン基が好ましく、アルキレン基及びアルケニレン基としては上述した通りである。
Bは、水素原子、R−COOM(ただし、Rは、エステル基、アミン基、又はエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基を表す。Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す)、又は、エステル基、アミン基、若しくはエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基を表す。
前記Rの炭化水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エステル基、アミン基、若しくはエーテル基が挿入されていてもよいアルキレン基又はアルケニレン基が好ましく、アルキレン基及びアルケニレン基としては上述した通りである。
前記Bにおけるエステル基、アミン基、若しくはエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基としては、例えば、エステル基、アミン基、若しくはエーテル基が挿入されていてもよいアルキル基、又はアルケニル基が好ましい。
前記アルキル基としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜6、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、などが挙げられる。
前記アルケニル基としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜6、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、などが挙げられる。
Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す。
Zは、炭素原子、又は窒素原子を表す。Zが、炭素原子である場合には、mは0又は1を表し、p、q及びrは1を表す。Zが炭素原子である場合のR〜Rは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。Zが、窒素原子である場合には、mは0又は1を表し、p及びrは1を表し、qは0を表す。Zが窒素原子である場合のR〜Rは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
また、前記構造式(1)において、Wは、エステル基、アミン基、若しくはエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基、水酸基、SOM(ただし、Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す)、又はCOOM(ただし、Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す)を表す。nは、0〜4の整数を表す。
前記Wにおけるエステル基、アミン基、若しくはエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基としては、アルキル基、又はアルケニル基が好ましく、アルキレン基及びアルケニル基としては、上述した通りである。
前記塩形成カチオン基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、例えば、Na、K、HN(C、HN(COH)、などが挙げられる。
前記構造式(1)におけるMとしては、水素原子、Na、が好ましい。
前記構造式(1)で表される漂白活性化剤としては、例えば、下記構造式(3)から(13)で表されるものが挙げられ、これらの中でも、構造式(3)〜(6)が好ましい。
Figure 2005179620
Figure 2005179620
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Figure 2005179620
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Figure 2005179620
Figure 2005179620
Figure 2005179620
なお、前記構造式(3)〜(13)で表される漂白活性化剤の合成方法としては、特に制限はなく、フタル酸誘導体などを出発原料として、合成することができ、具体的には、前記構造式(3)及び(5)については後述する合成例1〜2に記載の方法により合成することができる。
(漂白剤組成物)
本発明の漂白剤組成物は、本発明の前記漂白活性化剤と、ペルオキシ化合物とを含有し、更に必要に応じて、金属塩、金属酸化物、界面活性剤、その他の成分を含有する。
本発明の前記漂白活性化剤としては、上述した通りである。
前記漂白活性化剤の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、漂白剤組成物全量に対し0.05〜40質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましい。
前記配合量が少なすぎると十分な効果が得られなくなる場合があり、一方、多すぎても効果が頭打ちとなる場合がある。
前記ペルオキシ化合物としては、(a)過酸化水素、(b)水溶液中で過酸化水素を遊離するか、又はそれ自体過酸結合を有する無機の過酸塩、などが挙げられる。
前記(b)成分の無機の過酸塩としては、例えば、アルカリ金属の過炭酸塩、過硼酸塩、過燐酸塩、過珪酸塩、過硫酸塩、などが挙げられる。これらの中でも、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過硼酸ナトリウム、過硫酸カリウム、などが特に好ましい。
前記ペルオキシ化合物の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、漂白剤組成物全量に対して0.5〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
前記配合量が少なすぎると十分な効果が得られなくなる場合があり、一方、多すぎても効果が頭打ちとなる場合がある。
また、前記構造式(1)で表される漂白活性化剤と、ペルオキシ化合物の混合割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、モル比(漂白活性化剤:ペルオキシ化合物)で、1:1〜1:100が好ましく、1:1〜1:10がより好ましい。
本発明の漂白剤組成物には、前記漂白活性化剤及びペルオキシ化合物以外にも金属塩、又は金属酸化物を含有することが好ましい。
前記金属塩における塩としては、例えば、ハロゲン化塩、硫酸化塩、リン酸塩、カルボン酸塩等が挙げられる。
前記金属塩としては、例えば、CaCl、AlCl、TiCl、TiCl、FeCl、FeCl、CuCl、NiCl、ZnCl、SnCl、SnCl、BaSO、FeSO、Fe(SO、CoSO、SnSO、NiSO、Al(SO、ZnSO、などが挙げられる。これらは1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、漂白効率及び取り扱い性の点から、Zn又はCaのハロゲン化塩や硫酸化塩が好ましく、CaCl、ZnCl、CaSO、が特に好ましい。
前記金属酸化物としては、例えば、CaO、Al、ZnO、などが挙げられる。
前記金属塩、又は前記金属酸化物を漂白剤組成物へ添加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)予め金属を漂白剤組成物中へ配合する方法、(2)容器内を仕切り、一方を金属溶液として使用の際に混合する方法、(3)容器内の溶液流路の一部に金属を配置し、使用の際、溶液を金属と接触させる方法、などが挙げられる。また、金属塩又は金属酸化物を添加することなく水道水や汚垢中に含まれる金属を利用することも可能である。
前記金属塩、又は前記金属酸化物の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、漂白剤組成物全量に対し0.05〜40質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
前記漂白活性化剤と、前記金属塩又は前記金属酸化物の混合割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、モル比(漂白活性化剤:金属塩又は金属酸化物)で、200:1〜1:10が好ましく、20:1〜1:5がより好ましく、4:1〜1:1が特に好ましい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、例えば、各種界面活性剤、キレート剤、ビルダー、酵素、香料等を併用することができる。また、水性漂白剤組成物のpHが1〜11になるように、pH緩衝剤などを含有させることが好ましい。更に、水性及び粉末いずれの漂白剤組成物においても、漂白浴中のpHが7〜10になることが好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸、アルキルポリエトキシエーテル硫酸、アルキルフェニルエーテル硫酸エステル、パラフィンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、α−スルホカルボン酸及びそれらのエステル等の水溶性塩、石鹸等のアニオン界面活性剤;ポリオキシアルキルエーテル、ポリオキシアルキルフェニルエーテル等のエトキシ化ノニオン、シュガーエステル、グルコシドエステル、メチルグルコシドエステル、エチルグルコシドエステル、アルキルポリグルコキシド等の糖系界面活性剤;アルキルジエタノールアミド、脂肪酸N−アルキルグルカミド等のアミド系界面活性剤等のノニオン界面活性剤;アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホキシベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルアラニネート等のアミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体、アルキルアミンオキシド等の両性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤が挙げられる。
前記界面活性剤の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜調整できるが、漂白剤組成物全量に対し0〜40質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。
前記ビルダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、ゼオライト等のアルミノケイ酸塩、層状珪酸塩、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩、硼酸塩、燐酸塩、ポリ燐酸塩、トリポリ燐酸塩等の無機ビルダー、ニトリロトリ酢酸、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、ポリアクリル酸等のポリカルボン酸塩等の有機ビルダーが挙げられる。
前記ビルダーの配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜調整できるが、漂白剤組成物全量に対し0〜40質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。
前記酵素としては、例えば、アルカラーゼ、リパーゼ、等が挙げられる。
その他、漂白剤組成物に通常用いられる香料、蛍光剤、シリコーン等の抑泡剤、過酸化物の安定化剤、等を含んでいてもよい。
本発明の漂白剤組成物は、特に、低温〜ぬるま湯程度、例えば、5〜40℃で優れた漂白効果を示す。
被漂白物としては、特に制限はなく、浴室をはじめとする住居内のカビ、台所ストレーナーや三角コーナーのぬめり、排水口、便器、衣類、ふきん、じゅうたん、食器、陶器、ガラス、プラスチック、義歯等についたしみ、有機物汚れ、黄ばみ物質、歯牙のステイン、特に染みとしてカレー、ワイン、果汁、トマトケチャップ、ソース、醤油、血液、草汁、紅茶、コーヒー等、洗濯浴中に衣類から溶出した染料(移染防止)、染料廃液やパルプ、紙、織物、糸、などが挙げられる。
本発明の漂白剤組成物が液体の場合、製品の安定性確保のため、pHを2〜5とするのが好ましい。この場合、漂白時にはpHが7〜11の中性〜アルカリ領域の範囲になるようアルカリを添加するのが好ましい。
前記アルカリ添加法としては、使用の際にアルカリを別途添加する方法の他に、容器内を仕切り、一方をアルカリ溶液として使用の際に混合する方法や、容器内の溶液流路の一部に固体アルカリを配置し、使用の際、溶液を固体アルカリと接触させる方法、などが挙げられる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
(合成例1)
−漂白活性化剤の合成−
下記合成スキームにより、ジ−グリセロール−α,α’−ジ酢酸−テレフタレイト(DGDA)を合成した。なお、前記DGDAは、前記構造式(3)で表される化合物である。
即ち、エチレングリコールモノターシャルブチルエーテル(55g、0.46M)と、水酸化ナトリウム(18g、0.46M)とを、200mlナス型フラスコに量りとり、120℃で2時間激しく攪拌させた後、1,3−ジブロモプロパノール(25g、0.12M)を滴下した。120℃で更に24時間攪拌した後、水により反応を停止し、酢酸エチルで抽出を行った。得られた抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、溶液を濾過し、過剰のエチレングリコールモノターシャルブチルエーテルを真空ポンプで留去した。以上により、24.56gの化合物(1)を合成した(収率70質量%)。
合成した前記化合物(1)(24.56g、0.08M)と、テレフタル酸ジクロライド(5.62g、0.04M)と、塩化メチレン80mlとを、300mlのナス型フラスコに量りとり、氷浴下で激しく攪拌しながら、トリエチルアミン(8.08g、0.08M)をゆっくりと滴下させた。室温で12時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応停止し、塩化メチレンで抽出を行った。得られた抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、溶液を濾過した。濾液から溶媒を除去した後、シリカゲルカラムトグラフィー(展開溶媒ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製することにより、22.9gの化合物(2)を合成した(収率80質量%)。
合成した前記化合物(2)(22.9g、0.03M)と、臭化水素33質量%と、酢酸溶液60mlとを、200mlのナス型フラスコに量りとり、室温で8時間攪拌した。次に、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出を行った。得られた抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、溶液を濾過した。濾液から溶媒を除去した後、シリカゲルカラムトグラフィー(展開溶媒ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することにより、15.7gの化合物(3)を合成した(収率90質量%)。
合成した前記化合物(3)(15.7g、0.03M)のアセトン120ml溶液中に、氷浴下、三酸化クロム(50g、0.5M)と、硫酸(74g、0.74M)水溶液120mlとをゆっくりと滴下させた。室温で24時間攪拌した後、亜硫酸水素ナトリウム水溶液により反応を停止し、酢酸エチルで抽出して、抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、溶液を濾過した。濾液から溶媒を除去した後、シリカゲルカラムトグラフィー(展開溶媒ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することにより、収率90質量%で化合物(4)(DGDA、15.7g)の漂白活性化剤を合成した。なお、これらの化合物は、NMRスペクトルより、構造異性体が10%含まれていることが分かった。
Figure 2005179620
(合成例2)
下記合成スキームにより、ジ−(2−(ジ−カルボキシメチル)−アミノエチル)−テレフタレイト(DCAE)を合成した。なお、前記DCAEは、前記構造式(5)で表される化合物である。
即ち、化合物(5)(29.0g、0.10M)と、テレフタル酸ジクロライド(10.1g、0.05M)と、塩化メチレン200mlとをナスフラスコに量りとり、氷浴下で攪拌しながら、トリエチルアミン10.1g(0.1M)をゆっくりと滴下した。次に、反応容器を室温に戻し、終夜攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で反応を停止し、塩化メチレンで抽出を行った。得られた抽出液を水、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、溶液を濾過した。濾液を濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、収率80質量%で化合物(6)(28.3g)を合成した。
合成した前記化合物(6)(28.3g、0.04M)と、ジオキサン60mlと、濃塩酸20mlとをナスフラスコに量りとり、室温で終夜攪拌した。反応溶液を濃縮した後、残留物をヘキサン、酢酸エチルで洗浄することにより、収率85質量%で化合物(7)(DCAE、16.5g)の漂白活性化剤を合成した。
Figure 2005179620
(実施例1〜12)
−漂白剤組成物の調製−
前記ペルオキシ化合物として過酸化水素と、前記合成例1〜2において合成した漂白活性化剤と、金属塩化物とを、表1〜2に示す組成で常法により混合し、更に炭酸水素ナトリウムと、炭酸ナトリウムとを用いて表1〜2に示すpHに調整することにより、実施例1〜12の漂白剤組成物を調製した。調製した漂白剤組成物について、漂白率の評価を以下のようにして行った。結果を表1〜2に示した。
<評価>
カレー、紅茶、又はほうれん草で染色した3×3cmの綿布と、黒カビ(Cladosporium cladosporioides)を培養して被着させた素焼きタイル(INAX製:SPKC−1060)とをモデル汚垢サンプルとして用いた。
得られた各漂白剤組成物20ml中に各モデル汚垢サンプルを10分間浸漬させた後、該各モデル汚垢サンプルを水洗、風乾させて、色彩色差計(MINOLTA製;CR−200)を用いて明度(L値)を測定し、下記数式1から漂白率(%)を求めた。
〔数式1〕
漂白率(%)=100×{(L−L)/(Ls−L)}
ただし、前記数式1において、Lsは、染色前の綿布又は黒カビ被着前のタイルのL値を表す。Lは、漂白前の染色布又はタイルのL値を表す。Lは、染色した綿布、又は素焼きタイルの漂白後のL値を表す。
次に、得られた漂白率(%)に基づいて下記基準により漂白効果を評価した。
〔漂白率の評価基準〕
×・・・漂白率が0〜20%未満である。
○・・・漂白率が20%以上80%以下である。
◎・・・漂白率が80%を超える。
(比較例1〜6)
−漂白剤組成物の調製−
実施例1において、漂白活性化剤として前記合成例1〜2で合成した漂白活性化剤に代えて、比較例2及び5では、表3に示す汎用のオクタノイルオキシベンゼンカルボン酸(OBC)を用い、比較例3及び6ではコリンを脱離基としたTerephthalic acid dicholine ester(TPDC)を用い、比較例1及び4では、漂白活性化剤を用いないで調製を行った。結果を表3に示した。
Figure 2005179620
*DGDA:ジ−グリセロール−α,α’−ジ酢酸−テレフタレイト
Figure 2005179620
*DCAE:ジ−(2−(ジ−カルボキシメチル)−アミノエチル)−テレフタレイト
Figure 2005179620
*OBC:オクタノイルオキシベンゼンカルボン酸
*TPDC:コリンを脱離基としたTerephthalic acid dicholine ester
表1〜3の結果より、実施例1〜12の漂白剤組成物は、過酸化水素と漂白活性化剤(DGDA、又はDCAE)とを併用することにより、過酸化水素を単独で用いる場合や汎用の漂白活性化剤であるOBC、又はTPDCと併用する場合と比較して、漂白率の向上が認められることが判った。また、金属塩化物である塩化カルシウム、又は塩化亜鉛を添加することにより、漂白率が更に向上することが判った。
また、実施例5及び11では、漂白活性化剤の濃度を100mMから50mMに落とした場合においても、漂白力は維持されていることが判った。更に、実施例6及び12では、塩化カルシウムと併用した場合には、過酸化水素や従来の酸素系漂白剤では、全く認められなかった中性での漂白力も認められた。
(実施例13〜16)
−漂白剤組成物の調製−
前記ペルオキシ化合物として過酸化水素と、前記合成例1において合成した漂白活性化剤(DGDA)と、金属塩化物と、界面活性剤とを、表4に示す組成で常法により混合し、更に炭酸水素ナトリウムと、炭酸ナトリウムとを用いてpH9に調整することにより、実施例13〜16の漂白剤組成物を調製した。
調製した漂白剤組成物は、実施例1〜12と同様にして、黒カビの漂白率の評価を行った。結果を表4に示した。
Figure 2005179620
表4の結果より、界面活性剤を添加することにより、界面活性剤を添加しない場合(実施例13)より更に漂白率が向上することが認められた。
(実施例17〜18及び比較例6〜8)
−漂白剤組成物の調製−
表5に示したように、前記ペルオキシ化合物として過酸化水素と、前記合成例1〜2で合成した漂白活性化剤とを常法により室温で混合し、更に炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムを用いてpHを3に調整することにより、実施例17〜18の漂白剤組成物を調製した。
また、比較例6〜8の漂白剤組成物は、前記合成例1〜2で合成した漂白活性化剤に代えて、比較例6では、汎用の漂白活性化剤としてのオクタノイルオキシベンゼンカルボン酸(OBC)を用い、比較例7では、汎用の漂白活性化剤としてのノナノイルオキシベンゼンスルホン酸(NOBC)を用い、比較例8では、漂白活性化剤としてのコリンを脱離基としたTerephthalic acid dicholine ester(TPDC)を用いることにより調製した。
前記調製した実施例17〜18及び比較例6〜8の漂白剤組成物について、保存安定性の評価を以下のようにして行った。
<保存安定性の評価>
各漂白剤組成物について、それぞれ50℃の条件下で1箇月間放置して、HITACHI社製D−6500型三次元クロマトシステム(カラムInertsil ODS2)により各漂白剤組成物中における漂白活性化剤のモル濃度(mM)を測定し、下記数式2より漂白活性化剤の残存率(%)を求めた。結果を表5に示した。
〔数式2〕
漂白活性化剤の残存率=(M/M)×100
ただし、前記数式2において、Mは、放置前の漂白活性化剤のモル濃度を表す。Mは、放置後の漂白活性化剤のモル濃度を表す。
Figure 2005179620
*OBC:オクタノイルオキシベンゼンカルボン酸
*NOBS:ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸
*TPDC:コリンを脱離基としたTerephthalic acid dicholine ester
*DGDA:ジ−グリセロール−α,α’−ジ酢酸−テレフタレイト
*DCAE:ジ−(2−(ジ−カルボキシメチル)−アミノエチル)−テレフタレイト
表5の結果から、本発明の漂白活性化剤(DGDA及びDCAE)は、いずれも、安定化剤等のない条件下で過酸化水素と共存させても、漂白活性化剤の残存率が非常に高く、保存安定性に極めて優れていることが認められる。
(実施例19〜22及び比較例9)
−漂白剤組成物の調製−
表6に示したように、前記ペルオキシ化合物として過酸化水素と、前記合成例1〜2で合成した漂白活性化剤と、金属塩化物とを常法により混合し、更に水酸化ナトリウムと塩酸を用いてpH9.5に調整することにより、実施例19〜22の漂白剤組成物を調製した。なお、比較例9は、過酸化水素のみである。
前記調製した実施例19〜22及び比較例9の漂白剤組成物について、茶渋除去効果の評価を以下のようにして行った。
<茶渋除去効果評価>
水道水1L中にティーバック(LIPTON YELLOW LABEL TEA)5個を入れ、100℃で1時間煮出した。その煮出した紅茶を白色のティーカップに5分目まで注ぎ、1晩室温で放置することにより、茶渋を作成した。
得られた各漂白剤組成物5mLをキムワイプに吸収させて、ティーカップを5分間湿布し、水ですすいだ後に目視にて汚垢の除去具合を下記基準により判定した。結果を表6に示した。
〔評価基準〕
×・・・汚れの大半が残存している。
○・・・汚れがわずかに残存している。
◎・・・汚れを完全に除去できている。
Figure 2005179620
*OBC:オクタノイルオキシベンゼンカルボン酸
*NOBS:ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸
*TPDC:コリンを脱離基としたTerephthalic acid dicholine ester
*DGDA:ジ−グリセロール−α,α’−ジ酢酸−テレフタレイト
*DCAE:ジ−(2−(ジ−カルボキシメチル)−アミノエチル)−テレフタレイト
表6の結果から、過酸化水素を単独で用いる場合と比較して、漂白活性化剤を添加することにより、汚れ除去効果の向上が認められることが判った。また、茶渋のように、汚垢そのものが成分中に金属を含有する場合、金属を添加しなくても汚垢中の金属を利用することにより、金属を添加した場合と同等の高い効果が得られた。
(実施例23〜25)
粉砕した絶乾パルプ(白色度50.4)30gに水を加え、パルプ濃度20質量%のパルプスラリーを調製した。該パルプスラリーに所定の水酸化ナトリウム(対パルプで2質量%)、珪酸ナトリウム(対パルプで4質量%)、及び、表7に示す量(いずれも対パルプ%)の過酸化水素と、合成例1で合成したDGDAとからなる漂白剤組成物を表7に示した量だけ添加した後、パルプ濃度を15質量%になるまで水で希釈した。得られたスラリーを攪拌し、60℃で表7に示した時間漂白した。漂白後、パルプ濃度を1質量%まで希釈し、TAPIシートマシンを用いて測定用のパルプシートを作成した。
得られたパルプシートは乾燥後に、JISP−8123に準じて白色度を色測色差計(日本電色工業社製)を用いて測定した。なお、白色度は数値が大きいほど漂白効果が大きいことを意味する。
(実施例26〜28)
実施例23〜25において、DGDAを合成例2で合成したDCAEに代えた以外は実施例23〜25と同様にして実施例26〜28の漂白剤組成物を調製し、白色度の測定を行った。結果を表7に示した。
(比較例10〜12)
実施例23〜25において、DGDAを添加しなかったこと、過酸化水素の添加量を表8に示した量としたこと、及び、漂白時間を表8に示した時間とした以外は実施例23〜25と同様にして比較例10〜12の漂白剤組成物を調製し、白色度の評価を行った。結果を表8に示した。
Figure 2005179620
Figure 2005179620
表7〜8の結果から、実施例23〜28の漂白活性化剤組成物は、比較例10〜12の漂白剤組成物と比較して、パルプの漂白に優れていることが判った。
(実施例29及び30)
原料の印刷古紙(オフセット印刷新聞/チラシ=7/3)を3×3cmに切断し、パルプ離解機(熊谷理機工業社製)に入れ、温水を加えて温度40℃、パルプ濃度15質量%に調整した。ここに、水酸化ナトリウム(対パルプで0.25質量)と、珪酸ソーダ(対パルプで0.25質量%)とを用いて、pHを10.3に調整し、表9に示した過酸化水素と、漂白活性化剤(いずれも対パルプの質量%)とからなる漂白剤組成物、及び、脱墨剤(ライオン社製、リプトールSA350)(対パルプで0.2質量%)を添加した。次いで、10分間の漂白及び離解処理を行い、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリーを温水にてパルプ濃度1質量%に調整した後、デンバー型フローテーター(極東振興社製)にて、5分間フローテーション処理(FT)を行った。尚、フローテーション時のpHは9.2であった。また、用いた水のCaのイオン濃度は2.5ppmであった。
このスラリーを「FT後スラリー」とし、TAPIシートマシンを用いて測定用のパルプシートを作成した。また、「FT後スラリー」を80メッシュの篩を用いて洗浄し、剥離したインキを完全に取り除いたスラリーを「完全洗浄スラリー」とし、TAPIシートマシンを用いて測定用のパルプシートを作成した。
得られた各パルプシートは、乾燥後に、JISP−8123に準じて白色度を色測色差計(日本電色工業社製)を用いて測定した。なお、白色度は数値が大きいほど漂白効果が大きいことを意味する。
(比較例13〜15)
実施例29及び30において、漂白活性化剤を添加しなかったこと、及び過酸化水素の添加量を表9に示した量とした以外は実施例29及び30と同様にして比較例13〜15の漂白剤組成物を調製し、白色度の評価を行った。結果を表9に示した。
Figure 2005179620
表9の結果から、実施例29〜30の漂白活性化剤組成物は、比較例13〜15の漂白剤組成物と比較して、パルプの漂白に優れていることが判った。
(実施例31及び32)
原料の印刷古紙(オフセット印刷新聞/チラシ=7/3)を3×3cmに切断し、パルプ離解機(熊谷理機工業社製)に入れ、温水を加えて温度40℃、パルプ濃度15質量%に調整した。ここに、水酸化ナトリウム(対パルプで0.15質量)と、珪酸ソーダ(対パルプで0.1質量%)とを用いて、pHを10.5に調整し、脱墨剤(ライオン社製、リプトールSA350)(対パルプで0.2質量%)を添加した。次いで、パルプ離解機にて10分間の離解処理を行い、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリーを80メッシュ濾布にて遠心脱水を行い、パルプ濃度を20質量%に濃縮した。該濃縮したパルプスラリーに、表10に示した過酸化水素と、漂白活性化剤(いずれも対パルプの質量%)とからなる漂白剤組成物を添加し、更に、水酸化ナトリウム(対パルプで0.25質量)と、珪酸ソーダ(対パルプで0.25質量%)を添加し攪拌機で均一に混合攪拌した。薬剤が均一に混合されたパルプスラリーは、ビニールシートで密閉され、60℃で表10に示した時間熟成して漂白した。熟成後、温水を加えてパルプ濃度を5質量%に調整し、パルプ離解機で3分間離解処理を行った。次いで、温水にてパルプ濃度1質量%に調整した後、デンバー型フローテーター(極東振興社製)にて、5分間フローテーション処理(FT)を行った。尚、フローテーション時のpHは9.0であった。また、用いた水のCaのイオン濃度は2.5ppmであった。
このスラリーを「FT後スラリー」とし、TAPIシートマシンを用いて測定用のパルプシートを作成した。また、「FT後スラリー」を80メッシュの篩を用いて洗浄し、剥離したインキを完全に取り除いたスラリーを「完全洗浄スラリー」とし、TAPIシートマシンを用いて測定用のパルプシートを作成した。
得られた各パルプシートは、乾燥後に、JISP−8123に準じて白色度を色測色差計(日本電色工業社製)を用いて測定した。なお、白色度は数値が大きいほど漂白効果が大きいことを意味する。
(比較例16〜18)
実施例31及び32において、漂白活性化剤を添加しなかったこと、過酸化水素の添加量を表10に示した量としたこと、及び、漂白時間を表10に示した時間とした以外は実施例31及び32と同様にして比較例16〜18の漂白剤組成物を調製し、白色度の評価を行った。結果を表10に示した。
Figure 2005179620
表10の結果から、実施例31及び32の漂白活性化剤組成物は、比較例16〜18の漂白剤組成物と比較して、パルプの漂白に優れていることが判った。
本発明の漂白活性化剤は、ペルオキシ化合物の漂白力を活性化することができるため、特に、衣服についたしみ、食器、陶器、ガラス、プラスチック、義歯等の硬表面についた汚れの漂白、かび取り剤、パルプの漂白、染色排水の処理、洗濯中における染料移動の防止、衣類、硬表面などの殺菌等を行うためのペルオキシ化合物に対する漂白活性化剤として幅広く使用することができる。本発明の漂白剤組成物は、各種のしみや有機物の汚れに対して有効に漂白を行うことができると共に、本発明の漂白活性化剤の分解が抑制され、保存安定性に優れるため、特に、カビ取り剤、ストレーナー洗浄剤、三角コーナー洗浄剤、台所用漂白剤、パイプ詰まり除去剤、トイレ洗浄剤、自動食器洗浄機用洗剤、義歯洗浄剤などの硬表面の洗浄漂白剤、洗濯槽洗浄剤、パルプ漂白剤、染色排水処理剤、各種衣料用漂白剤、洗濯中における染料移動防止剤、衣類及び硬表面等の殺菌剤などに幅広く使用することができる。

Claims (6)

  1. 下記構造式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする漂白活性化剤。
    Figure 2005179620
    前記構造式(1)において、X及びYは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、少なくとも二つのCOOM(ただし、Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す)を有する有機残基を表す。Wは、エステル基、アミン基、若しくはエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基、水酸基、SOM(ただし、Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す)、又はCOOM(ただし、Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す)を表す。nは、0〜4の整数を表す。
  2. 少なくとも二つのCOOMを有する有機残基が、下記構造式(2)で表される請求項1に記載の漂白活性化剤。
    Figure 2005179620
    前記構造式(2)において、R及びRは、エステル基、アミン基、又はエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基を表す。
    Aは、R−COOM(ただし、Rは、エステル基、アミン基、又はエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基を表す。Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す)、又は、エステル基、アミン基、若しくはエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基を表す。
    Bは、水素原子、R−COOM(ただし、Rは、エステル基、アミン基、又はエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基を表す。Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す)、又は、エステル基、アミン基、若しくはエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基を表す。
    Mは、水素原子、又は塩形成カチオン基を表す。
    Zは、炭素原子、又は窒素原子を表す。Zが、炭素原子である場合には、mは0又は1を表し、p、q及びrは1を表す。Zが炭素原子である場合のR〜Rは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。Zが、窒素原子である場合には、mは0又は1を表し、p及びrは1を表し、qは0を表す。Zが窒素原子である場合のR〜Rは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
  3. パルプの漂白に用いられる請求項1から2のいずれかに記載の漂白活性化剤。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の漂白活性化剤と、ペルオキシ化合物とを含有することを特徴とする漂白剤組成物。
  5. 金属塩及び金属酸化物の少なくともいずれかを含有する請求項4に記載の漂白剤組成物。
  6. パルプの漂白に用いられる請求項4から5のいずれかに記載の漂白剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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