JP4455045B2 - 漂白活性化剤及び漂白剤組成物 - Google Patents
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Description
前記ペルオキシ化合物は、低温では比較的漂白効果が低いため、低温で十分な漂白効果を得るべく種々の提案がなされている。例えば、グルコースペンタアセテート(GPAC)等のO−アセチル化物、テトラアセチルエチレンジアミン等のN−アシル化物、無水マレイン酸等の酸無水物などの漂白活性化剤を用いてペルオキシ化合物の漂白力を向上させる方法が提案されている。
<1> 下記構造式(1)で表されることを特徴とする漂白活性化剤である。
前記構造式(1)において、Lは0〜2の整数を表す。
Xは、炭素原子又は窒素原子を表す。
Yは、式:R1−A(ただし、R1は、エーテル基が挿入されていてもよい炭素数1又は2のアルキレン基を表す。Aは、カルボキシル基又はピリジル基を表す。)を表す。
Sは、式:R2−B(ただし、R2は、エーテル基が挿入されていてもよい炭素数1又は2のアルキレン基を表す。Bは、カルボキシル基又はピリジル基を表す。)を表す。
Zは、水素原子を表す。Xが炭素原子の場合、nは1であり、一方、Xが窒素原子の場合、nは0である。
なお、前記式R1−A、及び前記式R2−Bは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
Wは、水素原子、又は−NO2の置換基を表す。mは、1の整数を表す。
<2> 下記構造式(2)で表される前記<1>に記載の漂白活性化剤である。
ただし、前記構造式(2)において、W及びmは、上記と同じ意味を表す。V及びFは、互いに同一であっても異なっていてもよい、カルボキシル基、又はピリジル基を表す。
<3> 下記構造式(3)で表される前記<1>に記載の漂白活性化剤である。
ただし、前記構造式(3)において、W及びmは、上記と同じ意味を表す。gは、0又は1の整数を表す。R15及びR16は、エーテル基が挿入されていてもよい炭素数1又は2のアルキレン基を表す。P及びQは、互いに同一であっても異なっていてもよい、カルボキシル基、又はピリジル基を表す。
<4> パルプの漂白に用いられる前記<1>から<3>のいずれかに記載の漂白活性化剤である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の漂白活性化剤と、ペルオキシ化合物とを含有することを特徴とする漂白剤組成物である。
<6> 多価金属塩及び多価金属酸化物の少なくともいずれかを含有する前記<5>に記載の漂白剤組成物である。
<7> パルプの漂白に用いられる前記<5>から<6>のいずれかに記載の漂白剤組成物である。
<8> 多価金属塩が、CaCl2、ZnCl2、CaSO4及びZnSO4のいずれかである前記<6>から<7>のいずれかに記載の漂白剤組成物である。
<9> 更に、界面活性剤を含有する前記<5>から<8>のいずれかに記載の漂白剤組成物である。
<10> 漂白活性化剤の配合量が、漂白剤組成物全量に対し0.1〜40質量%である前記<5>から<9>のいずれかに記載の漂白剤組成物である。
本発明の漂白活性化剤は、下記構造式(1)で表される。
前記炭化水素基としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜18、特に1〜10の飽和炭化水素基が好ましく、例えば、−(CH2)−、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−CH2CH(CH3)−、−(CH2)4−、−(CH2)8−、−(CH2)9−、−(CH2)10−、などが挙げられる。
前記不飽和炭化水素基としては、直鎖又は分岐鎖の炭素数2〜18、特に2〜10が好ましく、例えば、−CH=CH−、−CH=CH−CH2−、−CH=C(CH3)−、−CH2−CH=CH−CH2−、−CH2−CH=CH−(CH2)3−、−(CH2)5−CH=CH−(CH2)3−、などが挙げられる。
前記炭化水素基としては、上記Rと同様である。
前記多価金属配位可能な置換基Aとは、2価以上の金属イオンと配位結合することのできる置換基を意味し、例えば、ピリジル基、イミダゾリル基、アルキル基で置換されていても良いアミノ基、カルボキシル基又はそのエステル、リン酸基又はそのエステル、などが挙げられる。
Zは、水素原子、又は式:R3−Cを表す。前記R3は、エステル基、アミン基、若しくはエーテル基が挿入されていてもよい炭化水素基を表す。前記R3は前記R1と同じ意味を表す。Cは、多価金属配位可能な置換基を表す。前記Cは前記Bと同じ意味を表す。
Xが炭素原子の場合、Y、S、及びZがすべて水素原子であることはなく、Xが窒素原子の場合、Y及びSがいずれも水素原子であることはない。なお、前記式R1−A、前記式R2−B、及び前記式R3−Cは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記Mの塩形成カチオン基としては、例えば、ナトリウム、カリウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、などが挙げられ、これらの中でも、水素原子、ナトリウムが好ましい。
本発明の漂白剤組成物は、前記漂白活性化剤と、ペルオキシ化合物と、を含有し、更に必要に応じて、多価金属塩、多価金属酸化物、界面活性剤、その他の成分を含有する。
前記配合量が少なすぎると十分な効果が得られなくなる場合があり、一方、多すぎても効果が頭打ちとなる場合がある。
前記(b)成分の無機の過塩としては、例えば、アルカリ金属の過炭酸塩、過硼酸塩、過燐酸塩、過珪酸塩、過硫酸塩、などが挙げられる。これらの中でも、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過硼酸ナトリウム、過硫酸カリウム、などが特に好ましい。
前記配合量が少なすぎると十分な効果が得られなくなる場合があり、一方、多すぎても効果が頭打ちとなる場合がある。
また、前記構造式(1)で表される漂白活性化剤と、ペルオキシ化合物の混合割合はモル比(漂白活性化剤:ペルオキシ化合物)で1:1〜1:100が好ましく、1:1〜1:10がより好ましい。
前記多価金属塩としては、ハロゲン化塩、硫酸化塩、リン酸塩、カルボン酸塩等が挙げられる。
具体的には、例えば、CaCl2、AlCl3、TiCl2、TiCl3、FeCl2、FeCl3、CuCl2、NiCl2、ZnCl2、SnCl3、SnCl4、BaSO4、FeSO4、Fe2(SO4)3、CoSO4、SnSO4、NiSO4、Al2(SO4)3、ZnSO4、CaO、Al2O3、ZnO、などが挙げられ、漂白効率及び取り扱い性の点からZn又はCaのハロゲン化塩や硫酸化塩が好ましく、CaCl2、ZnCl2、CaSO4が特に好ましい。
前記多価金属塩又は多価金属酸化物の配合量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜調整できるが、漂白剤組成物全量に対し0.05〜40質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
前記漂白活性化剤と多価金属塩又は多価金属酸化物の混合割合は、モル比(漂白活性化剤:多価金属塩又は多価金属酸化物)で200:1〜1:10が好ましく、20:1〜1:5がより好ましく、4:1〜1:1が更に好ましい。なお、前記多価金属塩は、水道水中にCa2+、Mg2+が一定量一般に存在するので、水道水で希釈して使用する形態で用いる場合、別途多価金属塩を添加しなくても、実質的に多価金属塩の共存下で漂白を行っていることとなる。
前記界面活性剤の配合量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜調整できるが、漂白剤組成物全量に対し0〜40質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。
前記ビルダーの配合量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜調整できるが、漂白剤組成物全量に対し0〜40質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。
その他、香料、蛍光剤、シリコーン等の抑泡剤、過酸化物の安定化剤、等を含んでいてもよい。
被漂白物としては、特に制限はなく、浴室をはじめとする住居内のカビ、台所ストレーナーや三角コーナーのぬめり、排水口、便器、衣類、ふきん、じゅうたん、食器、陶器、ガラス、プラスチック、義歯等についたしみ、有機物汚れ、黄ばみ物質、歯牙のステイン、特に染みとしてカレー、ワイン、果汁、トマトケチャップ、ソース、醤油、血液、草汁、紅茶、コーヒー等、洗濯浴中に衣類から溶出した染料(移染防止)、染料廃液やパルプ、紙、織物、糸等が挙げられる。
−漂白活性化剤Aの合成−
エタノールアミン6.1g(0.1M)と、炭酸水素カリウム20.0g(0.2M)と、ジメチルホルムアミド200mLを500ミリリットルのナス型フラスコに量りとり、氷浴下で激しく攪拌しながら、ブロモ酢酸−t−ブチルエステル39.0g(0.2M)をゆっくりと滴下した。室温で12時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応停止し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥後の溶液を濾過した。この濾液から溶媒を除去すると、Glycine,N-[2-(1,1-dimethylethoxy)2-oxoethyl]-N-(2-hidroxyethyl)-1,1-dimethylethyl
ester(白色固体28.6g)が得られた(収率99%)。
ester28.9g(0.1M)と、ニトロ安息香酸クロリド18.6g(0.1M)と、塩化メチレン200mLを、500ミリリットルのナス型フラスコに量りとり、氷浴下で激しく攪拌しながら、トリエチルアミン10.1g(0.1M)をゆっくりと滴下した。室温で12時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応停止し、塩化メチレンで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥後の溶液を濾過した。この濾液から溶媒を除去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、充分に乾燥した。
得られた固体と、ジオキサン300mLを1リットルのナス型フラスコに量りとり、塩酸100mLを滴下して、12時間攪拌後、溶媒を留去した。得られた固体を水と酢酸エチルで洗浄すると、白色固体状の下記構造式で表される漂白活性化剤Aが26.1g得られた(収率80%)。
−漂白活性化剤Bの合成−
実施例1の途中で得られたGlycine,N-[2-(1,1-dimethylethoxy)2-oxoethyl]-N-(2-hidroxyethyl)-1,1-dimethylethyl
ester28.9g(0.1M)と、安息香酸クロリド14.6g(0.1M)と、塩化メチレン200mLを500ミリリットルのナス型フラスコに量りとり、氷浴下で激しく攪拌しながら、トリエチルアミン10.1g(0.1M)をゆっくりと滴下した。室温で12時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応停止し、塩化メチレンで抽出した。
この抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥後の溶液を濾過した。この濾液から溶媒を除去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒、ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、充分に乾燥させた。
得られた固体と、ジオキサン300mLとを1リットルのナス型フラスコに量りとり、塩酸100mLを滴下し、12時間攪拌後、溶媒を留去した。得られた固体を酢酸エチルで洗浄すると、白色固体状の下記構造式で表される漂白活性化剤Bが16.9g得られた(収率60%)。
−漂白活性化剤Cの合成−
アミノエタノール1.0g(16mmol)と、ピコリルクロライド塩酸塩5.6g(34mmol)をイオン交換水30ml及びエタノール20mlに溶解した。この溶液に、炭酸カリウム4.7g(34mmol)を添加し、110℃で還流を4時間行った。この溶液を室温まで冷却した後、炭酸水素ナトリウムを適量加えて、弱アルカリ条件下、ジクロロメタン30mLで3回有機層に抽出を行い、ジクロロメタン溶液を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去しN、N−ジピコリルアミノエタノールを得た。
得られたN、N−ジピコリルアミノエタノールをジクロロメタン50mLに溶解し、ニトロベンゾイルクロライド3.0g(16mmol)を少量ずつ添加した後、2時間室温で攪拌した。反応溶液を20mLまで濃縮し、生成物を濾別した。少量のジクロロメタンで洗浄すると、下記構造式で表される漂白活性化剤Cが6.2g得られた(収率86%)。
−漂白活性化剤D及びEの合成−
まず、エチレングリコールモノターシャルブチルエーテル(55g、0.46M)、水酸化ナトリウム(18g、0.46M)を200mLナス型フラスコに量りとり、120℃にて2時間激しく攪拌後、1,2−ジブロモプロパノール(25g、0.12M)を滴下した。120℃にて24時間攪拌した後、水により反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶液を濾過し、過剰のエチレングリコールモノターシャルブチルエーテルを真空ポンプ゜により留去すると、収率70%で下記構造式で表される化合物(1)(無色液体24.56g)が得られた。
表1に示したように、過酸化水素、漂白活性化剤、及び多価金属塩を常法により混合して漂白剤組成物を調製し(比較例1は過酸化水素のみ)、炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムを用いてpH9に調整した。
比較例2は、汎用の漂白活性化剤としてのオクタノイルオキシベンゼンカルボン酸(OBC)、比較例3は、漂白活性化剤としてのコリンを脱離基としたTerephthalic acid dicholine ester(TPDC)を用いた。
カレー、紅茶、及びほうれん草で染色した3×3cmの綿布と、黒カビ(Cladosporium cladosporioides)を培養して被着させた素焼きタイル(INAX製:SPKC−1060)とをモデル汚垢サンプルとして用いた。
得られた各漂白剤組成物20ml中に各モデル汚垢サンプルを10分間浸漬させた後、該各モデル汚垢サンプルを水洗、風乾させて、色彩色差計(MINOLTA製;CR−200)を用いて明度(L値)を測定し、下記数式1から漂白率(%)を求めた。
〔数式1〕
漂白率(%)=100×{(L1−L0)/(Ls−L0)}
ただし、前記数式1において、Lsは、染色前の綿布又は黒カビ被着前のタイルのL値を表す。L0は、漂白前の染色布又はタイルのL値を表す。L1は、染色布又はタイルの漂白後のL値を表す。
〔漂白率の評価基準〕
×・・・漂白率が0〜20%未満である。
○・・・漂白率が20%以上80%以下である。
◎・・・漂白率が80%を超える。
*TPDC:コリンを脱離基としたTerephthalic acid dicholine ester
表2に示したように、前記実施例5〜8において、漂白活性化剤Aを漂白活性化剤Bに代えた以外は、実施例5〜8と同様にして、実施例9〜12及び比較例4の漂白剤組成物を調製し(但し、比較例4は過酸化水素のみ)、上記同様に漂白率の評価を行った。結果を表2に示す。
表3に示したように、実施例5〜8において、漂白活性化剤Aを漂白活性化剤Cに代えた以外は、実施例5〜8と同様にして、実施例13〜16及び比較例5漂白剤組成物を調製し(但し、比較例5は過酸化水素のみ)、上記同様に漂白率の評価を行った。結果を表3に示す。
実施例5〜8において、漂白活性化剤Aを漂白活性化剤Cに代え、多価金属塩を硫酸亜鉛としたこと、及び表4に示す界面活性剤を4質量%になるように変えて添加したこと以外は、実施例5〜8と同様にして、実施例17〜20の漂白剤組成物を調製した。得られた各漂白剤組成物について、上記同様にして、黒カビ漂白率を求めた。結果を表4に示す。
表5に示したように、過酸化水素1200mM、漂白活性化剤100mMとなるように室温で実施例21〜23の漂白剤組成物を調製し、炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムを用いてpH3に調整した。
比較例6は、汎用の漂白活性化剤としてのオクタノイルオキシベンゼンカルボン酸(OBC)、比較例7は、汎用の漂白活性化剤としてのノナノイルオキシベンゼンスルホン酸(NOBC)、比較例8は、漂白活性化剤としてのコリンを脱離基としたTerephthalic acid dicholine ester(TPDC)を用いた。
各漂白剤組成物について、それぞれ50℃の条件下で1箇月間放置して、HITACHI社製D−6500型三次元クロマトシステム(カラムInertsil ODS2)により各漂白剤組成物中における漂白活性化剤のモル濃度(mM)を測定し、下記数式2より漂白活性化剤の残存率(%)を求めた。結果を表5に示す。
〔数式2〕
漂白活性化剤の残存率=(M1/M0)×100
ただし、前記数式2において、M0は、放置前の漂白活性化剤のモル濃度を表す。M1は、放置後の漂白活性化剤のモル濃度を表す。
*NOBS:ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸
*TPDC:コリンを脱離基としたTerephthalic acid dicholine ester
表6に示したように、過酸化水素、漂白活性化剤(A、D+E)、及び多価金属塩を常法により混合して漂白剤組成物を調整し、水酸化ナトリウムと塩酸を用いてpH9.5に調整した。なお、漂白活性化剤(D+E)における混合質量比(漂白活性化剤D:漂白活性化剤E)は3:1であり、両者を加算した濃度が100mMとなるよう、溶液を調整した。
比較例9は、漂白活性化剤なしで評価を行った場合の結果を示した。
水道水1L中にティーバック(LIPTON YELLOW LABEL TEA)5個を入れ、100℃で1時間煮出した。その煮出した紅茶を白色のティーカップに5分目まで注ぎ、1晩室温で放置することにより、茶渋を作成した。
得られた各漂白剤組成物5mLをキムワイプに吸収させて、ティーカップを5分間湿布し、水ですすいだ後に目視にて汚垢の除去具合を下記基準により判定した。結果を表6に示す。
〔評価基準〕
×・・・汚れの大半が残存している。
○・・・汚れがわずかに残存している。
◎・・・汚れを完全に除去できている。
粉砕した絶乾パルプ(白色度50.4)30gに水を加え、パルプ濃度20質量%のパルプスラリーを調製した。該パルプスラリーに所定の水酸化ナトリウム(対パルプで2質量%)、珪酸ナトリウム(対パルプで4質量%)、及び、表7に示す量(いずれも対パルプ%)の過酸化水素と、実施例1で合成した漂白活性化剤Aとからなる漂白剤組成物を表7に示した量だけ添加した後、パルプ濃度を15質量%になるまで水で希釈した。得られたスラリーを攪拌し、60℃で表7に示した時間漂白した。漂白後、パルプ濃度を1質量%まで希釈し、TAPIシートマシンを用いて測定用のパルプシートを作成した。
実施例28〜30において、漂白活性化剤Aを実施例2で合成した漂白活性化剤Bに代えた以外は実施例28〜30と同様にして実施例31〜33の漂白剤組成物を調製し、白色度の測定を行った。結果を表7に示した。
実施例28〜30において、漂白活性化剤Aを添加しなかったこと、過酸化水素の添加量を表8に示した量としたこと、及び、漂白時間を表8に示した時間とした以外は実施例28〜30と同様にして比較例10〜12の漂白剤組成物を調製し、白色度の評価を行った。結果を表8に示した。
原料の印刷古紙(オフセット印刷新聞/チラシ=7/3)を3×3cmに切断し、パルプ離解機(熊谷理機工業社製)に入れ、温水を加えて温度40℃、パルプ濃度15質量%に調整した。ここに、水酸化ナトリウム(対パルプで0.25質量)と、珪酸ソーダ(対パルプで0.25質量%)とを用いて、pHを10.3に調整し、表9に示した過酸化水素と、漂白活性化剤(いずれも対パルプの質量%)とからなる漂白剤組成物、及び、脱墨剤(ライオン社製、リプトールSA350)(対パルプで0.2質量%)を添加した。次いで、10分間の漂白及び離解処理を行い、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリーを温水にてパルプ濃度1質量%に調整した後、デンバー型フローテーター(極東振興社製)にて、5分間フローテーション処理(FT)を行った。尚、フローテーション時のpHは9.2であった。また、用いた水のCaのイオン濃度は2.5ppmであった。
実施例34及び35において、漂白活性化剤を添加しなかったこと、及び過酸化水素の添加量を表9に示した量とした以外は実施例34及び35と同様にして比較例13〜15の漂白剤組成物を調製し、白色度の評価を行った。結果を表9に示した。
原料の印刷古紙(オフセット印刷新聞/チラシ=7/3)を3×3cmに切断し、パルプ離解機(熊谷理機工業社製)に入れ、温水を加えて温度40℃、パルプ濃度15質量%に調整した。ここに、水酸化ナトリウム(対パルプで0.15質量)と、珪酸ソーダ(対パルプで0.1質量%)とを用いて、pHを10.5に調整し、脱墨剤(ライオン社製、リプトールSA350)(対パルプで0.2質量%)を添加した。次いで、パルプ離解機にて10分間の離解処理を行い、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリーを80メッシュ濾布にて遠心脱水を行い、パルプ濃度を20質量%に濃縮した。該濃縮したパルプスラリーに、表10に示した過酸化水素と、漂白活性化剤(いずれも対パルプの質量%)とからなる漂白剤組成物を添加し、更に、水酸化ナトリウム(対パルプで0.25質量)と、珪酸ソーダ(対パルプで0.25質量%)を添加し攪拌機で均一に混合攪拌した。薬剤が均一に混合されたパルプスラリーは、ビニールシートで密閉され、60℃で表10に示した時間熟成して漂白した。熟成後、温水を加えてパルプ濃度を5質量%に調整し、パルプ離解機で3分間離解処理を行った。次いで、温水にてパルプ濃度1質量%に調整した後、デンバー型フローテーター(極東振興社製)にて、5分間フローテーション処理(FT)を行った。尚、フローテーション時のpHは9.0であった。また、用いた水のCaのイオン濃度は2.5ppmであった。
実施例36及び37において、漂白活性化剤を添加しなかったこと、過酸化水素の添加量を表10に示した量としたこと、及び、漂白時間を表10に示した時間とした以外は実施例36及び37と同様にして比較例16〜18の漂白剤組成物を調製し、白色度の評価を行った。結果を表10に示した。
Claims (7)
- 下記構造式(1)で表されることを特徴とする漂白活性化剤。
前記構造式(1)において、Lは0〜2の整数を表す。
Xは、炭素原子又は窒素原子を表す。
Yは、式:R1−A(ただし、R1は、エーテル基が挿入されていてもよい炭素数1又は2のアルキレン基を表す。Aは、カルボキシル基又はピリジル基を表す。)を表す。
Sは、式:R2−B(ただし、R2は、エーテル基が挿入されていてもよい炭素数1又は2のアルキレン基を表す。Bは、カルボキシル基又はピリジル基を表す。)を表す。
Zは、水素原子を表す。Xが炭素原子の場合、nは1であり、一方、Xが窒素原子の場合、nは0である。
なお、前記式R1−A、及び前記式R2−Bは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
Wは、水素原子、又は−NO2の置換基を表す。mは、1の整数を表す。 - 下記構造式(2)で表される請求項1に記載の漂白活性化剤。
ただし、前記構造式(2)において、W及びmは、上記と同じ意味を表す。V及びFは、互いに同一であっても異なっていてもよい、カルボキシル基、又はピリジル基を表す。 - 下記構造式(3)で表される請求項1に記載の漂白活性化剤。
ただし、前記構造式(3)において、W及びmは、上記と同じ意味を表す。gは、0又は1の整数を表す。R15及びR16は、エーテル基が挿入されていてもよい炭素数1又は2のアルキレン基を表す。P及びQは、互いに同一であっても異なっていてもよい、カルボキシル基、又はピリジル基を表す。 - パルプの漂白に用いられる請求項1から3のいずれかに記載の漂白活性化剤。
- 請求項1から4のいずれかに記載の漂白活性化剤と、ペルオキシ化合物とを含有することを特徴とする漂白剤組成物。
- 多価金属塩及び多価金属酸化物の少なくともいずれかを含有する請求項5に記載の漂白剤組成物。
- パルプの漂白に用いられる請求項5から6のいずれかに記載の漂白剤組成物。
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