JP2005179474A - 熱硬化性接着剤とそれを用いた木質系建材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 接着剤の接着性を損なうことなく、放散されるホルムアルデヒドの量を効果的に低減させることのできる熱硬化性接着剤と、ホルムアルデヒド放散量を低減させた木質系建材の製造方法を提供する。
【解決手段】 熱硬化性接着剤成分に加えて、熱硬化性接着剤の硬化温度よりも高い温度でホルムアルデヒド捕捉作用を発現するホルムアルデヒドキャッチャー剤を含有することを特徴とする熱硬化性接着剤と、それを用いた木質系建材の製造方法とする。
【選択図】なし

Description

この出願の発明は、熱硬化性接着剤とそれを用いた木質系建材の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、ホルムアルデヒド放散量の少ない熱硬化性接着剤と、遊離ホルムアルデヒド量を低減した木質系建材の製造方法に関するものである。
住宅等の内装材として用いられる木質系建材は、通常、合板やパーティクルボード等の木質系基板に、接着剤を介して木材の単板や樹脂シートを化粧層として接着して得られている。このような木質系建材の製造方法では、接着剤として、熱硬化性のユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等に、架橋剤としてホルムアルデヒドを混合したものが使用されている。
一方、建材や家具等から放散される揮発性有機化合物(VOC)等の化学物質に対してアレルギー症状を示すシックハウス症候群が大きな社会問題となっており、化学物質による環境や人体への悪影響に対する関心が高まっている。なかでもホルムアルデヒドは、木材中に天然由来成分として存在する上、前記のとおり木質系建材の製造において使用される接着剤の硬化剤として一般的に用いられており、未反応分や重合物の加水分解により発生する遊離分がシックハウス症候群の主な原因物質の一つとして挙げられている。
室内空気中のホルムアルデヒド量を低減するには、居住者が積極的に十分な換気を行うことが必要であるが、必要以上の換気は住宅の断熱性を低下させるため、快適な室内温度を維持するためにエネルギー消費量が多くなるという問題がある。また、換気方法を誤れば、室内の気圧が低下し、通常室温下では放散されないような建材内部に存在するホルムアルデヒドが促進放散される結果となり、逆効果を及ぼす場合もある。
そこで、木質系建材からのホルムアルデヒド類の放散量を低減する方法として、接着剤中のホルムアルデヒド量を調整して遊離ホルムアルデヒドを削減すること(特許文献1)や、木質系建材にホルムアルデヒドと反応して化学的に無害な物質に変化させるホルムアルデヒドキャッチャー剤を加えること(特許文献2)が提案されている。
しかし、これらの方法では、硬化反応に寄与する接着剤中のホルムアルデヒド量が減少するため熱硬化反応が十分に進行しなくなり、化粧層の木質系基板への接着性が低下するという問題があった。
また、ノンホルムアルデヒド系接着剤やノンホルムアルデヒド系木質系建材の開発も進められているが、これらは価格が高いという問題があった。
特開平10−140124 特公平7−110484
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、接着剤の接着性を損なうことなく、放散されるホルムアルデヒドの量を効果的に低減させることのできる熱硬化性接着剤と、ホルムアルデヒド放散量を低減させた木質系建材の製造方法を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、熱硬化性接着剤成分に加えて、熱硬化性接着剤の硬化温度よりも高い温度でホルムアルデヒド捕捉作用を発現するホルムアルデヒドキャッチャー剤を含有することを特徴とする熱硬化性接着剤を提供する。
また、この出願の発明は、第2には、ホルムアルデヒドキャッチャー剤が、熱硬化性接着剤の硬化温度よりも高い温度で内包物を放散するマイクロカプセルに内包されたものである前記の熱硬化性接着剤を提供する。
そして、この出願の発明は、第3には、木質系基板、接着剤、および化粧層を順に積層し、プレスにより熱圧着する木質系建材の製造方法であって、木質系基板と前記いずれかの熱硬化性接着剤と化粧層を積層し、接着剤の硬化温度で熱圧着を行った後、熱硬化性接着剤に含まれるホルムアルデヒドキャッチャー剤がホルムアルデヒド捕捉作用を発現する温度より高い温度で加熱することを特徴とする木質系建材の製造方法を提供する。
上記第1の発明の熱硬化性接着剤では、熱硬化性接着剤成分に加えて、熱硬化性接着剤の硬化温度よりも高い温度でホルムアルデヒド捕捉作用を発現するホルムアルデヒドキャッチャー剤が含まれている。したがって、熱硬化性接着剤を接着対象に塗布した後、硬化温度まで加熱すれば、熱硬化性接着剤の硬化反応が進行し、高い接着性が発揮される。さらに、硬化反応に次いで、ホルムアルデヒドキャッチャー剤のホルムアルデヒド捕捉作用が発現される温度まで加熱することにより、未反応の架橋剤由来のホルムアルデヒドや熱硬化性接着剤成分の分解により発生したホルムアルデヒドなどは、ホルムアルデヒドキャッチャー剤により捕捉される。そのため、この熱硬化性接着剤を用いれば、高い接着性を維持しながら、熱硬化性接着剤からのホルムアルデヒドの放散量を大幅に低減させることができる。
また、上記第2の発明の熱硬化性接着剤では、ホルムアルデヒドキャッチャー剤を、熱硬化性接着剤の硬化温度よりも高い温度で内包物を放散するマイクロカプセルに内包されたものとすることにより、硬化温度においては、ホルムアルデヒドキャッチャー剤はマイクロカプセルに内包された状態にあり、ホルムアルデヒドを捕捉できない。そのため、硬化反応が十分に進行し、高い接着性が発揮される。そして、硬化反応の後、マイクロカプセルがホルムアルデヒドキャッチャー剤を放散する温度まで加熱することにより、ホルムアルデヒドキャッチャー剤のホルムアルデヒド捕捉作用が発現され、未反応の架橋剤に含まれるホルムアルデヒドや重合物の分解により発生したホルムアルデヒドなどが捕捉される。したがって、この熱硬化性接着剤を用いれば、熱硬化性接着剤からのホルムアルデヒドの放散量を大幅に低減させることができる。
さらに、上記第3の発明の木質系建材の製造方法では、木質系基板、接着剤、および化粧層を順に積層し、プレスにより熱圧着するが、接着剤を前記のもの、すなわち、熱硬化性接着剤成分に加えて、熱硬化性接着剤の硬化温度よりも高い温度でホルムアルデヒド捕捉作用を発現するホルムアルデヒドキャッチャー剤またはかかるホルムアルデヒドキャッチャー剤が内包されたマイクロカプセルを含有する熱硬化性接着剤とし、接着剤の硬化温度で熱圧着を行った後、ホルムアルデヒドキャッチャー剤のホルムアルデヒド捕捉作用発現温度より高い温度で加熱することにより、まず、熱硬化性接着剤の硬化反応が進行し、十分な接着性が発揮される。このとき、未反応の架橋剤由来の、あるいは重合物の加水分解により発生した遊離ホルムアルデヒドは、その後、ホルムアルデヒドキャッチャー剤のホルムアルデヒド捕捉作用が発現され、捕捉される。したがって、製造される木質系建材から放散されるホルムアルデヒド量が大幅に低減される。
この出願の発明の熱硬化性接着剤は、熱硬化性接着剤成分に加えて、熱硬化性接着剤の硬化温度よりも高い温度でホルムアルデヒド捕捉作用を発現するホルムアルデヒドキャッチャー剤を含有することを特徴とするものである。
本明細書において、熱硬化性接着剤成分とは、架橋剤としてホルムアルデヒドを含有するものや、熱硬化性接着剤成分の加水分解物がホルムアルデヒドを含有するもの等を意味する。具体的には、ユリア樹脂系(尿素/ホルムアルデヒド)、メラミン樹脂系(メラミン/ホルムアルデヒド)、フェノール樹脂系(フェノール/ホルムアルデヒド)の接着剤等が例示される。
また、熱硬化性接着剤成分とは、一般に熱硬化性接着剤に含有される成分を意味し、主剤としてのユリア系、メラミン系、フェノール系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリイミド系等の熱硬化性樹脂、水、アルコール等の溶剤、フェノール樹脂、アミン化合物、有機リン化合物等の硬化剤や硬化促進剤、ゴム、エラストマー等の変性剤を含む。
この出願の発明の熱硬化性接着剤は、これらの熱硬化性接着剤成分とともに、熱硬化性接着剤の硬化温度よりも高い温度でホルムアルデヒド捕捉作用を発現するホルムアルデヒドキャッチャー剤を含有するものである。一般に、ホルムアルデヒドキャッチャー剤としては、尿素(NH2CONH2)等のアルデヒド類のカルボニル炭素と求核反応するような化合物、ヒドラジン類、1,2−ヒドロキシルアミン類、1,2−ジアミン類等のα位に電子供与性基が結合した窒素求核剤等が知られているが、この出願の発明の熱硬化性接着剤に含まれるホルムアルデヒドキャッチャー剤としては、熱硬化性接着剤の硬化温度より高い温度で分解し、これらの化合物を生成するものや、熱硬化性接着剤の硬化温度より高い温度で内包物を放散するマイクロカプセル中に、これらの化合物が内包されたものが例示される。具体的には、例えば、120〜150℃で硬化する接着剤に対して、160℃以上で崩壊あるいは分解するマイクロカプセルに尿素を内包させたものが適用される。
この出願の発明の熱硬化性接着剤において、ホルムアルデヒドキャッチャー剤の含有量はとくに限定されない。加熱時における熱硬化性接着剤成分からのホルムアルデヒド発生量を考慮し、熱硬化性接着剤の硬化反応を阻害しない範囲で適宜調整すればよい。例えば、前記のとおり、尿素をマイクロカプセルに内包させた例では、熱硬化性接着剤成分100重量部に対して1〜10重量部のマイクロカプセル内包尿素を添加できる。
以上のとおりのこの出願の発明の熱硬化性接着剤は、どのような形状を有するものであってもよく、水溶液、溶液、エマルジョン、無溶剤、固形、テープ等が例示される。また、この出願の発明の熱硬化性接着剤は、その接着性を損なわない範囲で、さらに、溶剤、安定剤、顔料、充填材等を含有するものであってもよい。
この出願の発明は、さらに、以上のとおりの熱硬化性接着剤を用いた木質系建材の製造方法をも提供する。つまり、この出願の発明の木質系建材の製造方法は、木質系基板と前記の熱硬化性接着剤と化粧層を順に積層し、熱硬化性接着剤の硬化温度で熱圧着を行った後、熱硬化性接着剤に含まれるホルムアルデヒドキャッチャー剤がホルムアルデヒド捕捉作用を発現する温度より高い温度で加熱することを特徴とするものである。
この出願の発明の木質系建材の製造方法において使用される木質系基板の種類や大きさはとくに限定されない。例えば、木材を小片化し、合成樹脂接着成分を用いて成形、熱圧したパーティクルボードやMDF、原木を薄く剥いだ単板(Veneer:ベニヤ)を乾燥させ、奇数枚の単板を繊維方向(木目方向)が交差するように積層接着し、1枚の板にした合板などが適用される。また、これらはさらに、強度や耐久性を高めるための様々な処理が施されたものであってもよい。
このような木質系基板の原料として使用される接着成分や防腐剤は、ホルムアルデヒド等の室内空気汚染物質を含まないものとすることが好ましいといえる。しかし、この出願の発明の木質系建材の製造方法において、木質系基板と化粧層の熱圧着に使用される熱硬化性接着剤は、前記のとおりにホルムアルデヒドキャッチャー剤を含有するものであり、木質系基板から放散されるホルムアルデヒドをも効果的に捕捉できることから、木質系基板は、ホルムアルデヒドを含有する安価な接着成分や防腐剤を用いて得られたものであってもよい。
この出願の発明の木質系建材の製造方法では、以上のとおりの木質系基板上に化粧層を熱圧着させるが、このとき、木質系基板と化粧層の間に前記の熱硬化性接着剤を施す。熱硬化性接着剤は、木質系基板の表面に塗布してもよいし、化粧層の裏面に塗布してもよい。また、予め裏面にこの出願の発明の熱硬化性接着剤を接着層として有する化粧層を用いてもよい。もちろん、熱硬化性接着剤の塗布量や塗布厚さは木質系基板表面に化粧層を熱圧着するのに十分なものであればよく、とくに限定されない。
また、この出願の発明の木質系建材の製造方法において使用される化粧層は、特に限定されるものではなく、木材の単板やポリプロピレン、ポリエステル等の樹脂化粧シートなどを使用することができる。
以上のとおりのこの出願の発明の木質系建材の製造方法では、木質系基板、熱硬化性接着剤および化粧層を積層した後、プレスによる熱圧着を行うが、このときのプレス温度は、熱硬化性接着剤の加硬化温度前後とすることが望ましく、例えば、100〜160℃とすることができる。また、プレス圧力についても、一般的に木質系基板表面に化粧層を熱圧着するのに適当な圧力であればよく、とくに限定されない。これにより、熱硬化性接着剤が加熱され、硬化反応が十分に進行し、化粧層が木質系基板と密着性高く一体化される。
このとき、未反応の架橋剤に含まれるホルムアルデヒドや、樹脂成分の熱分解により発生したホルムアルデヒドは遊離ホルムアルデヒドとなる。また、木質系基板中に含まれる防腐剤や接着成分からも遊離ホルムアルデヒドが発生する。
この出願の発明の木質系建材の製造方法においては、次いで、ホルムアルデヒドキャッチャー剤のホルムアルデヒド捕捉作用発現温度より高い温度で加熱することにより、ホルムアルデヒドキャッチャー剤のホルムアルデヒド捕捉作用が発現される。これにより、遊離ホルムアルデヒドがホルムアルデヒドキャッチャー剤に捕捉される。したがって、熱硬化性接着剤に含有されるホルムアルデヒドキャッチャー剤は、熱硬化性接着剤の硬化反応を阻害することなく、遊離ホルムアルデヒドのみを効果的に捕捉できる。
以下、実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
<実施例1>
(1) 温度160℃で内包物を放散するマイクロカプセルに尿素を内包させ、ホルムアルデヒドキャッチャー剤とした(尿素含有量:60重量%)。このホルムアルデヒドキャッチャー剤を、ユリアメラミン系接着剤(株式会社サンベーク製)100重量部に対して、5重量部加え、熱硬化性接着剤を得た。
次に、ホルムアルデヒドの発散量がF☆☆☆等級(温度28℃、相対湿度50 %、ホルムアルデヒド濃度0.1 mg/m3において、ホルムアルデヒド発散速度が0.005 mg/m2h超0.02 mg/m2h以下)で、厚みが9 mmのクロス合板を30 cm角に切断し、この熱硬化性接着剤を100 g/m2となるように塗布した。
さらに、厚み0.3 mmのオーク単板を積載し、温度120℃、プレス圧力6 kg/cm2で60秒間熱圧着した後、温度を170℃に上げ、さらにプレス圧力6 kg/cm2で60秒間熱圧着した。
得られた評価用試料について、JIS A 1901「建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散測定方法−小型チャンバー法」に準拠した容積20 Lの小型チャンバーを用い、温度28℃、相対湿度50 %、換気回数0.5回/h、試料負荷率2.2 m2/m3の条件において、試料設置24時間後のチャンバー内空気を採取し、JIS A 1901に準拠した方法によりホルムアルデヒド放散速度を測定した。
(2) 次に、上記(1)と同様の方法で75 cm角の評価用試料を作製し、フローリングのJASに記載されている浸漬剥離試験に準拠して接着性を評価した。
まず、75 cm角の評価用試料を70±3℃の温水中に2時間浸漬した後、60±3℃の恒温乾燥機に入れ、湿気がこもらないように換気しながら3時間乾燥した。乾燥後の評価用試料の接着層を観察し、試料の同一接着層において、剥離しない部分の長さがそれぞれの側面で2/3以上である場合を合格とした。
以上の結果を表1に示した。
<比較例1>
熱硬化性接着剤をホルムアルデヒドキャッチャー剤を含有しないユリアメラミン系接着剤(株式会社サンベーク)とした以外は、実施例1と同様にして評価用試料を作製した。
実施例1と同様の方法により、ホルムアルデヒド放散速度を測定し、接着性を評価した。結果を表1に示した。
<比較例2>
熱硬化性接着剤をユリアメラミン系接着剤(株式会社サンベーク)100重量部に対して粒状尿素を3重量部加えたものとした以外は、実施例1と同様にして評価用試料を作製した。
実施例1と同様の方法により、ホルムアルデヒド放散速度を測定し、接着性を評価して結果を表1に示した。
Figure 2005179474
表1より、熱硬化性接着剤として、熱硬化性接着剤の硬化温度よりも高い温度でホルムアルデヒド捕捉作用を発現するホルムアルデヒドキャッチャー剤を含有するものを使用して作製された評価用試料(実施例1)では、高い接着性が発揮され、かつホルムアルデヒド放散速度が大幅に低減されることが示された。これより、本願発明の木質系建材の製造方法により製造される木質系建材では、接着剤の硬化反応が十分に進行し、かつ未反応の架橋剤等から発生する遊離ホルムアルデヒドがホルムアルデヒドキャッチャー剤により効果的に捕捉されていることが確認された。
一方、熱硬化性接着剤の硬化温度よりも高い温度でホルムアルデヒド捕捉作用を発現するホルムアルデヒドキャッチャー剤を含有しない熱硬化性接着剤を用いて作製された評価用試料(比較例1)では、高い接着性が発揮されたものの、ホルムアルデヒド放散速度が大きかった。これは熱圧着により硬化反応が進行した後、未反応の架橋剤等から遊離ホルムアルデヒドが発生し、放散されていることを示す。
また、従来のホルムアルデヒドキャッチャー剤を含有する熱硬化性接着剤を用いて作製された評価用試料(比較例2)では、ホルムアルデヒド放散速度が低減したものの、木質系基板に対する化粧層の接着性が低かった。これは、ホルムアルデヒドキャッチャー剤が架橋剤としてのホルムアルデヒドをも捕捉してしまい、熱硬化性接着剤の硬化反応が十分に進行しなかったためと考えられる。
以上詳しく説明したとおり、この発明によって、接着剤による高い接着性を維持しながら、ホルムアルデヒド放散量を効果的に低減させることのできる熱硬化性接着剤と、ホルムアルデヒド放散量を低減させた木質系建材の製造方法が提供される。

Claims (3)

  1. 熱硬化性接着剤成分に加えて、熱硬化性接着剤の硬化温度よりも高い温度でホルムアルデヒド捕捉作用を発現するホルムアルデヒドキャッチャー剤を含有することを特徴とする熱硬化性接着剤。
  2. ホルムアルデヒドキャッチャー剤は、熱硬化性接着剤の硬化温度よりも高い温度で内包物を放散するマイクロカプセルに内包されたものとする請求項1の熱硬化性接着剤。
  3. 木質系基板、接着剤、および化粧層を順に積層し、プレスにより熱圧着する木質系建材の製造方法であって、木質系基板と請求項1または2の熱硬化性接着剤と化粧層を積層し、接着剤の硬化温度で熱圧着を行った後、熱硬化性接着剤に含まれるホルムアルデヒドキャッチャー剤がホルムアルデヒド捕捉作用を発現する温度より高い温度で加熱することを特徴とする木質系建材の製造方法。
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JP2013000918A (ja) * 2011-06-13 2013-01-07 Panasonic Corp 木質化粧板とその製造方法

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