JP2006263974A - 強化木質繊維板、その製造方法及び床基材 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶剤の使用によるコストアップや環境上の問題を招くことなく、木質繊維板にその内部までの深い強化層を形成できるようにする。
【解決手段】木質繊維板からなる基材1の少なくとも表面にイソシアネート化合物を塗布浸透させて基材1中の水分と反応硬化させる。
【選択図】図1
【解決手段】木質繊維板からなる基材1の少なくとも表面にイソシアネート化合物を塗布浸透させて基材1中の水分と反応硬化させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、強化された木質繊維板、床基材及び強化木質繊維板の製造方法に関するものである。
従来より、この種の強化木質繊維板として、特許文献1に示されるように、解繊した植物繊維が接着剤により仮成形された繊維マットを加熱圧締した後、繊維板の表面にホルマリン系以外の高分子化合物を塗布含浸させ、その高分子化合物を加熱圧締時の余熱により硬化乾燥させることで、表層部に樹脂含浸層(強化層)を形成するようにしたものは知られている。
また、特許文献2に示されるものでは、中密度木質繊維板(MDF)の表面に木質化粧単板を貼り合わせた木質床材に対し、繊維板の表層部にポリウレタン系シーラーを浸透させてシーラー強化層を形成することが提案されている。
特開平9−234712号公報
特開平9−279821号公報
しかし、上記特許文献1のものでは、表層部に高分子化合物の塗布含浸による樹脂含浸層を形成するので、その樹脂含浸層に粘着性が残存した場合、製造された複数枚の木質繊維板を積み重ねて保管等をすると、その繊維板同士が粘着して互いに離れ難くなるという問題があった。
また、木質繊維板の製造時に通常行われるように、プレキュア層と呼ばれる表裏面の低比重層を除去するために、その繊維板の表裏面を研磨して厚さ調整をしたときに、樹脂含浸層が削られてしまい、その樹脂含浸層による表層強化の効果が減少する虞れがある。さりとて、研磨しないで樹脂含浸層を残すと、低比重層も残存するために必要以上の高分子化合物が必要となるばかりか、厚み調整が行われないことで実用上の問題が残る。
さらに、表面のみに高分子化合物を塗布してもよいが、繊維板表裏層の熱膨張率が異なるようになり、乾燥硬化時に繊維板が反るという問題が生じる。
一方、特許文献2のものでは、繊維板の表層部にポリウレタン樹脂を主成分とするポリウレタン系シーラーを浸透させるので、そのポリウレタン系シーラーの繊維板への浸透性を高めるには、溶剤を使用して100mPa・s以下の程度まで粘度を低下させる必要がある。従って、溶剤によって粘度を低下させたポリウレタン樹脂により繊維板の内部まで強化されるが、溶剤の使用によりコストが増大したり環境上の問題が生じたりするのは避けられない。また、溶剤の量を減少させると、浸透性に問題があり、十分な効果が期待できない。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的は、溶剤の使用によるコストアップや環境上の問題を招くことなく、木質繊維板にその内部までの深い強化層を形成できるようにすることにある。
上記の目的の達成のため、この発明では、木質繊維板に低分子のイソシアネート化合物を浸透させるようにした。
具体的には、請求項1の発明の強化木質繊維板は、木質繊維板からなる基材の少なくとも表面に塗布されて浸透したイソシアネート化合物が基材中の水分と反応して硬化したことを特徴とする。
上記の構成によると、低分子のイソシアネート化合物を用いているので、そのイソシアネート化合物の基材内部への浸透性が優れ、イソシアネート化合物が浸透後に基材中の水分と反応して硬化し(イソシアネート基と水とが反応してウレア結合する)、表面だけでなく基材内部まで強固な高分子化合物が生成される。また、溶剤によって粘度を低下させる必要がなく、溶剤の使用によるコストアップや環境上の問題が生じることはない。
請求項2の発明では、上記基材は、撥水剤もしくは防水剤を含有しないか又は木質繊維に対して1重量%以下を含有していることを特徴とする。
この構成により、基材中に薬剤(イソシアネート化合物)がより一層浸透し易くなる。
請求項3の発明では、上記基材は、イソシアネート化合物を主成分とする接着剤を必須とするものとする。
この構成により、木質繊維板からなる基材自体の接着剤としてイソシアネート化合物を主成分としたものが用いられているので、その少なくとも表面に塗布したイノシアネート化合物との親和性が良く、イノシアネート化合物がさらに浸透し易くなる。
請求項4の発明の床基材は、少なくとも表面部が、上記請求項1〜3のいずれか1つの強化木質繊維板からなることを特徴とする。
この構成により、強化木質繊維板を少なくとも床基材の表面部に用いることで、表面が硬く水に対する寸法安定性に優れた床基材が得られる。
請求項5の発明の強化木質繊維板の製造方法は、木質繊維板からなる基材の少なくとも表面にイソシアネート化合物を塗布して浸透させた後、上記イソシアネート化合物と基材中の水分とを反応硬化させることを特徴とする。
この発明でも、請求項1の発明と同様の作用効果を奏することができる。
以上説明した如く、請求項1又は5の発明によると、木質繊維板からなる基材の少なくとも表面にイソシアネート化合物を塗布浸透させて基材中の水分と反応硬化させ、強化木質繊維板を得るようにしたことにより、溶剤の使用によるコストアップや環境上の問題が生じることなく、表面だけでなく基材内部まで強固な高分子化合物が生成された強化層を有する強化木質繊維板が得られる。
請求項2の発明によると、基材は、撥水剤もしくは防水剤を含有しないか又は木質繊維に対して1重量%以下を含有しているものとしたことにより、基材中にイソシアネート化合物がより一層浸透し易くなる。
請求項3の発明によると、基材は、イソシアネート化合物を主成分とする接着剤を必須とするものとしたことにより、基材表面に塗布したイノシアネート化合物との親和性が良く、イノシアネート化合物がさらに浸透し易くなる。
請求項4の発明の床基材によると、床基材の少なくとも表面部を請求項1〜3のいずれか1つの強化木質繊維板からなるものとしたことにより、表面が硬く水に対する寸法安定性に優れた床基材が得られる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る強化木質繊維板Aを示し、この強化木質繊維板Aはそのまま例えば床基材として用いられる。強化木質繊維板Aは中密度繊維板(MDF)を基材1とし、この基材1の表面及び裏面(表面だけでもよい)に、塗布により浸透したイソシアネート化合物が基材1中の水分と反応して硬化した強化層2が形成されたものである。
図1は本発明の実施形態1に係る強化木質繊維板Aを示し、この強化木質繊維板Aはそのまま例えば床基材として用いられる。強化木質繊維板Aは中密度繊維板(MDF)を基材1とし、この基材1の表面及び裏面(表面だけでもよい)に、塗布により浸透したイソシアネート化合物が基材1中の水分と反応して硬化した強化層2が形成されたものである。
上記強化木質繊維板Aは、基材1の表裏面(又は表面のみ)にイソシアネート化合物を塗布して浸透させた後、自然養生又は加熱圧縮等により、そのイソシアネート化合物と基材1中の水分とを反応硬化させることによって製造される。
使用する基材1の含水率は通常一般のMDFと同様に5〜13重量%の範囲のものでよい。また、基材1の厚さは、通常のMDF或いはそのMDFを厚さ方向に半分や4分の1に引き裂いたものでもかまわないが、床基材として使用する場合、表面硬度を効果的に発生させるために0.5mm以上とすることが望ましい。
しかしながら、生産時にパラフィンワックス等の撥水剤や防水剤を一定量使用したMDFは、イソシアネート化合物の浸透性が悪化する。このため、本実施形態の基材1は、撥水剤もしくは防水剤を全く使用せずにそれらを含有していないMDFか、又はこれらの添加量が原料の木質繊維に対して1.0重量%以下であるMDFを使用する必要がある。
さらに、生産時の木質繊維間の接着剤として、イソシアネート化合物を主成分とする接着剤を使用しているMDFを基材1とすれば、特にイソシアネート化合物の浸透性がよく、かつアミノ樹脂のように加熱により加水分解が発生し、MDFの低質化やホルムアルデヒド放散量の増加がないために好ましい。
上記塗布により基材1に浸透させるイソシアネート化合物(基材1中に接着剤として含まれるイソシアネート化合物も同様である)とは、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するもので、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等であり、これらの粗製物でもかまわない。特に、PMDIと呼ばれる粗製ジフェニルメタンジイソシアネートが反応速度、価格、安全性の面から適している。また、イソシアネート化合物に自己乳化性を付与させたり、反応性を向上させたりしたものを用いてもよい。
これらイソシアネート化合物は、通常粘度30〜500mPa・sで溶剤により分散せずとも上記基材1(MDF)への浸透性がよく、塗布直後には基材1中に浸透するため、次工程等の作業性が良好となるだけでなく、搬送中の樹脂ダレがなく、硬化の際に加熱圧締せずとも自然硬化で済む。
また、イソシアネート化合物の浸透性を向上させるために、イソシアネート化合物や基板の温度を上げてもよい。
また、イソシアネート化合物は有効成分100%であり、その乾燥工程が不要で、溶剤を含まないために、製造時の作業環境や製品としての床基材等の使用環境にも問題がない。
これらのイソシアネート化合物に反応促進剤等を混合してもかまわないが、塗布液の粘度は500mPa・s以内に抑える必要がある。また、イソシアネート化合物の塗布量は10〜500g/m2が適当であり、10g/m2未満ではその効果が低くなる一方、500g/m2を越えると製造コストが高くなり、さらには加熱硬化の場合に余分の樹脂が染み出すために無駄となる。
基材1(MDF)にイソシアネート化合物を塗布することによっては基材1自身の膨潤が殆どなく、MDFが元々持つ強度や耐水性が維持される。さらに、イソシアネート化合物が水と反応して強固な樹脂となることにより、効果的に強度、耐水性の改善がなされる。
上記基材1へのイソシアネート化合物の塗布方法はスプレッダー、ロールコーターやフローコーター等の一般的な設備でよい。
また、MDFに浸透したイソシアネート化合物を硬化させる方法としては、常温でも反応が進行することから、自然放置でもかまわないが、加熱圧締を行えば短時間で硬化するため好ましい。この加熱圧締方法は、100℃以上で行うことが良好で、平板プレスや熱圧ロール等の設備を用いて生産される。圧力は特に限定しないが0.49MPa以上の圧力をかけることでMDFが圧密化されて密度が上がり、表面硬度、曲げ強さ等がさらに向上する。さらにイソシアネート化合物と熱板との反応、接着を防ぐために、予め熱板やMDF表面に離型剤を塗布及び噴霧したり、フッ素樹脂等の離型シートを熱板とMDFとの間に介在させることが必要である。また、この加熱圧締時に化粧シートや木材単板等の化粧材料をMDFに堆積して化粧板を同時に成形してもよい。
したがって、この実施形態では、基材1(MDF)中に浸透したイソシアネート化合物は基材1中の水分と反応し、非常に強固で耐水性の高い反応硬化物となる。
また、この手法により工程中のMDFの持つ特性を損なわないため、必要以上のイソシアネートを塗布する必要がないとともに、水や溶剤を使用しないため、乾燥が不要である等の作業性が良好であり、かつ作業衆境、使用環境にも問題がない。
(実施形態2)
図1は本発明の実施形態2に係る床基材Bを示し、上記実施形態1と同様の構成の強化木質繊維板Aを別の基材と一体的に複合化したものである。
図1は本発明の実施形態2に係る床基材Bを示し、上記実施形態1と同様の構成の強化木質繊維板Aを別の基材と一体的に複合化したものである。
すなわち、この床基材Bは基板3と、その表面に接着剤層4により接着された強化木質繊維板Aとからなり、基板3は例えば合板等からなる。
この床基材Bの製造方法では、まず、上記実施形態1と同様にして強化木質繊維板Aを形成した後、その強化木質繊維板Aを基板3と貼着してもよく、或いは強化前の木質繊維板の基材1を基板3表面に貼着した後にその基材1の表面を実施形態1と同様にして強化してもよい。さらには、予めイソシアネート化合物を表面に塗布した木質繊維板の基材1を基板3に積層し、両者の接着と同時にイソシアネート化合物を加熱圧締して硬化させてもかまわない。
(その他の実施形態)
上記実施形態1の強化木質繊維板Aは、床基材以外の用途に使用できるのは勿論である。
上記実施形態1の強化木質繊維板Aは、床基材以外の用途に使用できるのは勿論である。
(1) 次に、強化木質繊維板について具体的に実施した実施例について説明する。
(実施例1)
製造時に接着剤として粗製ジフェニルメタンジイソシアネートが8重量%添加され、パラフィンワックス等の撥水剤、防水剤が使用されていない2.7mm厚のMDFを基材とし、その両面(表裏面)に粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを100g/m2ずつ塗布した後、温度130℃、圧力0.49MPa、時間3分の条件で加熱圧締して実施例1を作製した。
製造時に接着剤として粗製ジフェニルメタンジイソシアネートが8重量%添加され、パラフィンワックス等の撥水剤、防水剤が使用されていない2.7mm厚のMDFを基材とし、その両面(表裏面)に粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを100g/m2ずつ塗布した後、温度130℃、圧力0.49MPa、時間3分の条件で加熱圧締して実施例1を作製した。
(実施例2)
加熱圧締の代わりに2週間の自然放置とした以外は実施例1と同様の処理工程を行うことで、実施例2を得た。
加熱圧締の代わりに2週間の自然放置とした以外は実施例1と同様の処理工程を行うことで、実施例2を得た。
(実施例3)
製造時に接着剤として尿素メラミンホルムアルデヒド樹脂が16重量%添加され、パラフィンワックス等の撥水剤や防水剤が使用されていない2.7mm厚のMDFを基材とし、その表裏面に粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを100g/m2ずつ塗布した後、温度130℃、圧力0.49MPa、時間3分の条件で加熱圧締して実施例3を作製した。
製造時に接着剤として尿素メラミンホルムアルデヒド樹脂が16重量%添加され、パラフィンワックス等の撥水剤や防水剤が使用されていない2.7mm厚のMDFを基材とし、その表裏面に粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを100g/m2ずつ塗布した後、温度130℃、圧力0.49MPa、時間3分の条件で加熱圧締して実施例3を作製した。
(実施例4)
製造時に接着剤として粗製ジフェニルメタンジイソシアネートが8重量%添加され、融点60℃のパラフィンワックスが0.7重量%添加されている2.7mm厚のMDFの表裏面に粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを100g/m2ずつ塗布した後、温度130℃、圧力0.49MPa、時間3分の条件で加熱圧締して実施例4を作製した。
製造時に接着剤として粗製ジフェニルメタンジイソシアネートが8重量%添加され、融点60℃のパラフィンワックスが0.7重量%添加されている2.7mm厚のMDFの表裏面に粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを100g/m2ずつ塗布した後、温度130℃、圧力0.49MPa、時間3分の条件で加熱圧締して実施例4を作製した。
(比較例1)
実施例1において、粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを塗布する前の基材である。
実施例1において、粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを塗布する前の基材である。
(比較例2)
実施例3において、粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを塗布する前の基材である。
実施例3において、粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを塗布する前の基材である。
(比較例3)
実施例4において、粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを塗布する前の基材である。
実施例4において、粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを塗布する前の基材である。
(比較例4)
製造時に接着剤として粗製ジフェニルメタンジイソシアネートが8重量%添加され、融点60℃のパラフィンワックスが1.5重量%添加されている2.7mm厚のMDFである。
製造時に接着剤として粗製ジフェニルメタンジイソシアネートが8重量%添加され、融点60℃のパラフィンワックスが1.5重量%添加されている2.7mm厚のMDFである。
(比較例5)
上記比較例4を基材とし、その表裏面に粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを100g/m2ずつ塗布した後、温度130℃、圧力0.49MPa、時間3分の条件で加熱圧締して比較例5を作製した。
上記比較例4を基材とし、その表裏面に粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを100g/m2ずつ塗布した後、温度130℃、圧力0.49MPa、時間3分の条件で加熱圧締して比較例5を作製した。
(比較例6)
5.5mm厚さのラワン単板を使用した特類合板を比較例6とした。
5.5mm厚さのラワン単板を使用した特類合板を比較例6とした。
(試験)
以上の強化MDF、非強化MDF及び合板からなる実施例及び比較例について、JISA5905「繊維板」の曲げ強さ試験、湿潤時曲げ強さA試験(試験前後の試験片中央部の厚さ膨潤率も同時に測定した)、湿潤時曲げ強さB試験(試験前後の試験片中央部の厚さ膨潤率も同時に測定した)、吸水厚さ膨潤率試験、及びブリネル表面硬度試験を行った。その結果を表1に示す。
以上の強化MDF、非強化MDF及び合板からなる実施例及び比較例について、JISA5905「繊維板」の曲げ強さ試験、湿潤時曲げ強さA試験(試験前後の試験片中央部の厚さ膨潤率も同時に測定した)、湿潤時曲げ強さB試験(試験前後の試験片中央部の厚さ膨潤率も同時に測定した)、吸水厚さ膨潤率試験、及びブリネル表面硬度試験を行った。その結果を表1に示す。
この表1によれば、実施例1〜4はいずれも常態曲げ強度で40N/mm2以上を示し、吸水曲げ強度でもB試験で20N/mm2以上確保している。吸水の厚さ膨張率でも、略1割程度以内に収まっている。ブリネル硬さも略30N/mm2以上を確保している。従って、本発明によると、特類合板(比較例6)と同等以上の寸法安定性及び強度を保持でき、かつ表面性等のMDFの長所を損ねることもなく、作業性の良好な強化MDFが得られることが判る。
(2) 次いで、床基材の実施例について説明する。
(実施例1)
(実施例1)
パラフィンワックス等の撥水剤、防水剤を使用していない2.7mm厚のMDFの表面(片面)に粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを100g/m2塗布し、温度130℃、圧力0.98MPa、時間3分の条件で熱圧した。この強化木質繊維板を8.5mm厚の南洋材合板に接着し、厚さ12mmの実施例1(床基材)を得た。
(実施例2)
パラフィンワックス等の撥水剤、防水剤を使用していない5.5mm厚のMタイプMDFの表裏面に粗製ジフェニルメタンジイノシアネートを各100g/m2塗布して、常温で1週間放置することで、厚さ5.5mmの実施例2(床基材)を得た。
パラフィンワックス等の撥水剤、防水剤を使用していない5.5mm厚のMタイプMDFの表裏面に粗製ジフェニルメタンジイノシアネートを各100g/m2塗布して、常温で1週間放置することで、厚さ5.5mmの実施例2(床基材)を得た。
(比較例1)
パラフィンワックス等の撥水剤、防水剤を使用していない5.5mm厚のMタイプMDF(実施例2において、粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを塗布していない無処理MDF)である。
パラフィンワックス等の撥水剤、防水剤を使用していない5.5mm厚のMタイプMDF(実施例2において、粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを塗布していない無処理MDF)である。
(比較例2)
パラフィンワックス等の撥水剤、防水剤を使用していない2.7mm厚のMDFを9mm厚の南洋材合板に接着したものである。
パラフィンワックス等の撥水剤、防水剤を使用していない2.7mm厚のMDFを9mm厚の南洋材合板に接着したものである。
(比較例3)
融点70℃のパラフィンワックスが1.5重量%添加されている2.7mm厚のMDFの表面(片面)に粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを100g/m2塗布し、温度130℃、圧力0.98MPa、時間3分の条件で熱圧したものである。尚、この比較例3では、MDF内面に樹脂が浸透していなかった。
融点70℃のパラフィンワックスが1.5重量%添加されている2.7mm厚のMDFの表面(片面)に粗製ジフェニルメタンジイソシアネートを100g/m2塗布し、温度130℃、圧力0.98MPa、時間3分の条件で熱圧したものである。尚、この比較例3では、MDF内面に樹脂が浸透していなかった。
(比較例4)
パラフィンワックス等の撥水剤、防水剤を使用していない2.7mm厚のMDFが表面(片面)に貼着されている南洋樹合板台板のMDF表面に、粘度が700mPa・sの湿気硬化型ポリウレタン樹脂を100g/m2塗布し、温度130℃、圧力0.98MPa、時間3分の条件で熱圧して床基材6を得た。この比較例4でも、MDF内面に樹脂が浸透していなかった。
パラフィンワックス等の撥水剤、防水剤を使用していない2.7mm厚のMDFが表面(片面)に貼着されている南洋樹合板台板のMDF表面に、粘度が700mPa・sの湿気硬化型ポリウレタン樹脂を100g/m2塗布し、温度130℃、圧力0.98MPa、時間3分の条件で熱圧して床基材6を得た。この比較例4でも、MDF内面に樹脂が浸透していなかった。
(試験)
以上の床基材についての実施例及び比較例について、ブリネル表面硬度及びJAS規格一類浸漬剥離試験(Type1)を行い、試験前後のMDF部の膨潤厚さ量と外観変化とを評価した。その結果を表2に示す。
以上の床基材についての実施例及び比較例について、ブリネル表面硬度及びJAS規格一類浸漬剥離試験(Type1)を行い、試験前後のMDF部の膨潤厚さ量と外観変化とを評価した。その結果を表2に示す。
この表2によれば、実施例の場合、ブリネル硬さで20N/mm2以上を確保している。JAS規格一類浸漬剥離試験の結果についても、厚さ膨張が1割程度で、外観変化も木口の割れ等が見られない。本発明によると、表面が硬くて水に対する寸法安定性に優れた床基材を得ることができることが判る。
本発明は、溶剤の使用によるコストアップや環境上の問題が生じることなく、表面だけでなく基材内部まで強固な高分子化合物が生成された強化層を有する木質繊維板が得られ、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
A 強化木質繊維板
B 床基材
1 基材
2 強化層
B 床基材
1 基材
2 強化層
Claims (5)
- 木質繊維板からなる基材の少なくとも表面に塗布されて浸透したイソシアネート化合物が基材中の水分と反応して硬化したことを特徴とする強化木質繊維板。
- 請求項1の強化木質繊維板において、
基材は、撥水剤もしくは防水剤を含有しないか又は木質繊維に対して1重量%以下を含有していることを特徴とする強化木質繊維板。 - 請求項1又は2の強化木質繊維板において、
基材は、イソシアネート化合物を主成分とする接着剤を必須とするものであることを特徴とする強化木質繊維板。 - 少なくとも表面部が、請求項1〜3のいずれか1つの強化木質繊維板からなることを特徴とする床基材。
- 木質繊維板からなる基材の少なくとも表面にイソシアネート化合物を塗布して浸透させた後、
上記イソシアネート化合物と基材中の水分とを反応硬化させることを特徴とする強化木質繊維板の製造方法。
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JP2010234716A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Victor Co Of Japan Ltd | 木製成形体およびその製造方法 |
JP2012045789A (ja) * | 2010-08-25 | 2012-03-08 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 木質化粧板の製造方法 |
US20140356632A1 (en) * | 2013-05-30 | 2014-12-04 | Weyerhaeuser Nr Company | Water-resistant surface treatment for wood products |
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2005
- 2005-03-22 JP JP2005081924A patent/JP2006263974A/ja active Pending
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