JP2005179261A - ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩の保存方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩を、水溶液として、安定に保存する方法を提供すること。
【解決手段】 下式(I)で示されるω−メルカプトアルキルピリジン類と鉱酸類(z)とを、水の存在下に、疎水性有機溶媒の存在下又は非存在下で反応させて得られる下式(II)で示されるω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩を、pHを1以下且つ30℃以下の水溶液として保存することを特徴とするω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩の保存方法。
Figure 2005179261

Figure 2005179261

[式中、n’は0〜2の整数を表し、n’が0であるときは、単結合を表す。q’は0〜2の整数を表す。r’は鉱酸類(z)におけるアニオンの価数である。]
【選択図】 なし

Description

本発明は、ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩の保存方法に関する。
2−(2−メルカプトエチル)ピリジンや4−(2−メルカプトエチル)ピリジン等のω−メルカプトアルキルピリジン類は、ビスフェノールAを製造する際に用いられるキレート触媒への添加剤や医農薬中間体等として有用な化合物である。
従来、ω−メルカプトアルキルピリジン類の製造法としては、例えば、2−ビニルピリジンに硫化水素を反応させて、2−(2−メルカプトエチル)ピリジンを製造する方法が公知である(非特許文献1及び非特許文献2を参照)。
P.S.K.Chia et al., Aust. J. Chem., 19, 1835 (1966)
R.B.Thompson et al., Industrial and Engineering Chemistry, 44, 1659 (1952)
しかしながら、上記の非特許文献記載の方法で得られるω−メルカプトアルキルピリジン類は、保存中に空気と接触すると比較的安定性が悪く、式(IV)
Figure 2005179261
[式中、n’は0〜2の整数を表し、n’が0であるときは、単結合を表す。q’は0〜2の整数を表す。]
で表される化合物が不純物として副生し、ω−メルカプトアルキルピリジン類の純度を低下させるという問題があった。
また、ω−メルカプトアルキルピリジン類と鉱酸類を水の存在下に反応させて得たω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩は、水溶液として保存した場合、該鉱酸塩水溶液のpH及び温度が高くなると、下式(V)
Figure 2005179261
(式中、n’及びq’は、それぞれ前記と同じ定義である。)
で表される化合物が不純物として副生し、ω−メルカプトアルキルピリジン類の純度を低下させるばかりでなく、硫化水素ガスが発生して、硫化水素の悪臭や人体への悪影響等の問題があった。
本発明の目的は、ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)を、水溶液として長期間保存しても、化合物(V)の副生量や硫化水素ガスの発生量が比較的少ないω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩の保存方法を提供することである。
すなわち、本発明は、下式(II)
Figure 2005179261
[式中、n’は0〜2の整数を表し、n’が0であるときは、単結合を表す。q’は0〜2の整数を表す。r’は鉱酸類(z)におけるアニオンの価数である。]
で表されるω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩を、pHを1以下且つ30℃以下の水溶液として保存することを特徴とするω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩の保存方法を提供するものである。
本発明のω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)の保存方法によれば、水溶液として長期間保存しても、上式(V)で示される化合物等の副生や硫化水素ガスの発生を抑制することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)は、例えば、下式(I)
Figure 2005179261
[式中、n’は0〜2の整数を表し、n’が0であるときは、単結合を表す。q’は0〜2の整数を表す。]
で表されるω−メルカプトアルキルピリジン類と鉱酸類(z)とを、水の存在下に、疎水性有機溶媒の存在下又は非存在下に反応させることにより得られる。
鉱酸類(z)としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸や燐酸等が挙げられる。鉱酸類(z)としては、塩酸が好ましい。
式(I)で表されるω−メルカプトアルキルピリジン類は、例えば、下式(III)
Figure 2005179261
[式中、n’は0〜2の整数を表し、n’が0であるときは、単結合を表す。q’は0〜2の整数を表す。]
で表されるピリジン類と硫化水素とを上記ピリジン類とは異なる第三級アミンの存在下に反応させて得られる。
上記のω−メルカプトアルキルピリジン類(I)は、例えば、上記の反応により得られた反応液を、疎水性有機溶媒の存在下に水洗して得たω−メルカプトアルキルピリジン類を用いてもよく、上記反応液を蒸留することによって得られたω−メルカプトアルキルピリジン類を用いてもよい。また、ω−メルカプトアルキルピリジン類(I)は、ピリジン類(III)とチオ尿素の反応により得られた反応液を、さらにアルカリ等で分解して得た反応液を用いてもよい。勿論、この反応液を蒸留することによって得たω−メルカプトアルキルピリジン類を用いてもよい。
上記ピリジン類(III)の中でも、n’が0であるピリジン類が好ましく、n’及びq’が0であるピリジン類がより好ましく、2−ビニルピリジン又は4−ビニルピリジンが特に好ましい。
ピリジン類(III)にハイドロキノン類やカテコール類等の重合禁止剤が含まれる場合、上述した反応に使用する前にピリジン類中の重合禁止剤を蒸留等の手段を用いて除去することが好ましい。
ピリジン類(III)と反応させる硫化水素は、有機溶媒や水等に溶解させた溶液の形態で用いてもよく、硫化水素ガスを用いてもよい。硫化水素を溶解させる有機溶媒としては、芳香族炭化水素溶媒や脂肪族炭化水素溶媒が挙げられる。硫化水素の有機溶媒への溶解状態は、飽和濃度でもよく、不飽和濃度であってもよい。
硫化水素の使用量は、ピリジン類(III)の1モル当り、通常は1〜30モルの範囲である。
上記のピリジン類(III)とは異なる第三級アミンの使用量は、ピリジン類(III)の1モル当り、0.005モル以上であればよい。
前記のピリジン類(III)とは異なる第三級アミンとしては、下記(A)〜(C)からなる群から選ばれる一種以上のアミンが好ましく用いられる。
(A):下式(a)で表わされる第三級アミン
Figure 2005179261
[式(a)におけるR21〜R23は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素数4〜12の環状アルキル基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表す。該鎖状アルキル基、該環状アルキル基及び該芳香族炭化水素基中の水素原子は、アミノ基、炭素数1〜8のN−アルキルアミノ基、炭素数1〜8のN,N−ジアルキルアミノ基及び水酸基から選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。]
(B):下式(b)で表わされる脂環式第三級アミン
Figure 2005179261
[式(b)におけるR24は、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素数4〜12の環状アルキル基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、該鎖状アルキル基、該環状アルキル基及び該芳香族炭化水素基中の水素原子は、それぞれ、アミノ基、N−アルキルアミノ基(但し、該アルキルは炭素数が1〜8個である)、N,N−ジアルキルアミノ基(但し、各アルキルはそれぞれ独立に炭素数が1〜8個である)又は水酸基で置換されていてもよい。また、式(b)における複素環中の一部の−CH−は、−NH−又は−O−で置換されていてもよい。mは0〜8の整数を表す。]
(C):含窒素芳香族複素環化合物
[含窒素芳香族複素環化合物は、複素環を構成する炭素原子に炭素数1〜8のアルキル基が結合していてもよく、さらに、該アルキル基中の水素原子はアミノ基、N−アルキルアミノ基(但し、該アルキルは炭素数が1〜8である)、N,N−ジアルキルアミノ基(但し、各アルキルはそれぞれ独立に炭素数が1〜8である)又は水酸基で置換されていてもよい。]
アミン(A)としては、3個のアルキル基と結合した窒素原子を有する第三級アミンや、芳香族炭化水素基と結合した窒素原子を有する第三級アミン等が挙げられる。
前記3個のアルキル基と結合した窒素原子を有する第三級アミンとしては、例えば、以下の式(1)〜(6)で表されるアミン等が挙げられる。
Figure 2005179261
[式(1)におけるR〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。]
式(1)で表される第三級アミンの具体例としては、トリメチルアミンやトリエチルアミン等が挙げられる。
Figure 2005179261
[式(2)におけるR〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表し、pは1〜3の整数を表す。]
式(2)で表される第三級アミンの具体例としては、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンやN,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン等が挙げられる。
Figure 2005179261
[式(3)及び(4)におけるR10〜R12は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。q及びrはそれぞれ独立に1〜4の整数を表す。]
式(3)で表される第三級アミンとしては、N,N−ジエチルエタノールアミン等が例示される。また、式(4)で表される第三級アミンとしては、N−メチルジエタノールアミン等が例示される。
芳香族炭化水素基と結合した窒素原子を有する第三級アミンとしては、例えば式(5)及び(6)で表されるアミン等が挙げられる。
Figure 2005179261
[式(5)及び(6)におけるR13〜R15は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。また、φ1〜φは、それぞれ独立に芳香族炭化水素基を表す。]
(B)の脂環式第三級アミンとしては、例えば、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、(ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンやN−(3−アミノプロピル)モルホリン等のアミンが挙げられる。
(C)の含窒素芳香族複素環化合物としては、例えば、ピリジン、α−ピコリン、γ−ピコリン、ルチジンや4−ピペリジノピリジン等のアミンが挙げられる。
上記の第三級アミンは、2種以上の混合物であってもよい。
第三級アミンとしては、ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)の収率の観点からは、前記(A)及び(B)の第三級アミンが好ましく、(A)の式(1)、(2)、(5)及び(6)で表される第三級アミン並びに(B)の脂環式第三級アミンからなる群から選ばれる一種以上の第三級アミンがより好ましく、前記式(1)及び(2)で表される第三級アミンが特に好ましい。
上記のR〜R、R〜R及びR13〜R15で表される鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基やブチル基等の炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。上記のR〜R、R〜R及びR13〜R15で表される環状アルキル基としては、例えば、シクロペンチル基やシクロヘキシル基等の炭素数4〜12の環状アルキル基が挙げられる。上記のφ1〜φで表される芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基やベンジル基等の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基が挙げられる。
本発明のω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)の保存方法における硫化水素としては、通常はボンベ等の容器に充填されたものがそのまま用いられる。
硫化水素を使用する際には、反応を効率よく実施するために、必要に応じて反応容器又は反応槽を密封してもよいし、加圧してもよい。
硫化水素の使用量は、ピリジン類(III)の1モルに対して通常は1〜30モルの範囲である。反応容器として密封容器を用いた場合は、硫化水素の使用量は、ピリジン類(III)の1モルに対して通常は1〜10モルの範囲である。
ピリジン類(III)と硫化水素を第三級アミンの存在下に反応させることにより、ω−メルカプトアルキルピリジン類(I)を含む反応液が得られる。
具体的には、(ア)第三級アミンとピリジン類(III)と必要に応じて反応溶媒を含む混合物中に硫化水素を導入する方法;(イ)第三級アミンと反応溶媒の混合物中に、又は第三級アミンの単独中に、硫化水素を導入後、ピリジン類(III)を導入する方法;(ウ)反応容器内の硫化水素中に、第三級アミンを導入し、次いでピリジン類(III)を導入する方法;(エ)反応容器内の硫化水素中に、第三級アミン及びピリジン類(III)を順次又は同時に導入する方法(オ)反応容器に、第三級アミンとピリジン類(III)と硫化水素を同時に導入する方法等が挙げられる。
下式(V)
Figure 2005179261
(式中、n’及びq’は、それぞれ前記と同じ定義である。)
で示されるスルフィド体等の副生量を抑制する観点からは、上記(イ)と(ウ)の方法のように、硫化水素が予め存在する反応容器又は反応槽にピリジン類(III)を導入する方法が好ましく、(ウ)の方法が殊に好ましい。
硫化水素導入後のゲージ圧(大気圧に対する差圧)は、好ましくは0.1〜1.5MPaであり、より好ましくは0.2〜1.0MPaである。反応容器内での硫化水素の形態は気体状態でもよいし、液体状態でもよい。また、加圧の際に窒素やヘリウム等の不活性ガスを用いて圧力調整してもよい。さらに、反応終了後に残存した硫化水素は、別に設置した反応容器に移しておき、次回の反応に再使用してもよい。
第三級アミンの存在下におけるピリジン類(III)と硫化水素の反応における温度は、通常は−40〜100℃の範囲であり、好ましくは−30〜60℃の範囲である。反応温度が−40℃以上であると反応速度が向上する傾向にあることから好ましく、100℃以下であると式(V)で表されるスルフィド体等の副生量が抑制される点で好ましい。
反応時間は、ピリジン類(III)、第三級アミン及び硫化水素の量や、これらの原料化合物の導入方法や、反応温度等によっても異なるが、通常は0.1〜20時間の範囲である。
反応終了後に得られた反応液は、上記の疎水性有機溶媒の存在下に水洗することにより、第三級アミン、着色成分及びゲル分等の不純物を、ω−メルカプトアルキルピリジン類(I)から分離することができる。また、蒸留等により不純物を除去した後、ω−メルカプトアルキルピリジン類(I)を得ることもできる。
ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)は、例えば、水洗後に得られるω−メルカプトアルキルピリジン類(I)の疎水性有機溶媒溶液を蒸留して疎水性有機溶媒を分離後、上述した鉱酸類(z)の水溶液を用いて鉱酸塩化することにより、水溶液とすることができる。
このようにして得たω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)の水溶液は、pH1以下且つ30℃以下で保存することにより、ビスフェノールA製造用のキレート触媒の添加剤等として用いることができる。
水洗する際に用いる疎水性有機溶媒は、ピリジン類と硫化水素との反応で得られた反応液に加えてもよく、反応の際に加えてもよい。
水洗する際に用いる疎水性有機溶媒としては、例えば、炭素数5以上の脂肪族ケトン(メチルイソブチルケトン等)、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、オクタン等)、脂環式炭化水素(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(トルエン、エチルベンゼン、キシレンやシメン等)が挙げられる。
上記反応の際に用いる疎水性有機溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、オクタン等)、脂環式炭化水素(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(トルエン、エチルベンゼン、キシレン、シメン等)が挙げられる。
疎水性有機溶媒としては、上述した2種以上の溶媒の混合物を使用してもよい。
疎水性有機溶媒の使用量は、上記の反応液1重量部当り、通常は0.5〜5重量部の範囲であり、好ましくは1〜4重量部の範囲である。
疎水性有機溶媒の使用量が0.5重量倍未満では水洗時の分液性が悪くなり、且つω−メルカプトアルキルピリジン類(I)の得量が低下する傾向がある。一方、疎水性有機溶媒の使用量が5重量倍を超えても、ω−メルカプトアルキルピリジン類の得量が向上することはない。
水洗は、空気雰囲気下で行ってもよいが、上記化合物(IV)の副生量を抑制するという観点からは、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
水洗時の温度は、通常は5〜90℃の範囲であり、好ましくは10〜60℃の範囲である。水洗時の温度が5℃未満ではω−メルカプトアルキルピリジン類(I)の得量が低下する傾向があり、水洗時の温度が90℃を超えると、第三級アミンの疎水性有機溶媒への溶解度が水に対する溶解度よりも相対的に高くなり、第三級アミンの除去に必要な洗浄水量が増加する傾向がある。
水洗時の水量は、前記反応液1重量部当り、通常は0.1〜2重量部の範囲であり、好ましくは0.1〜1重量部の範囲である。
水洗時の水量が2重量倍を超えると、ω−メルカプトアルキルピリジン類(I)の収率が低下する傾向がある。また、水洗時の水量が1重量倍未満であると、疎水性有機溶媒と水の分液性が悪化する傾向があり、操作性の観点から好ましくない。
水洗の回数は、第三級アミンの使用量等により異なるが、通常は1〜10回、好ましくは3〜5回である。
水洗を行わないと反応液中の着色物が除去できず、水洗の回数が増えるとω−メルカプトアルキルピリジン類(I)の得量が低下する傾向がある。
かくして得られるω−メルカプトアルキルピリジン類(I)の疏水性有機溶媒溶液は、該溶媒を除去した後にω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)を製造する際の原料として用いてもよいし、疏水性有機溶媒溶液の状態でω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)を製造する際の原料として用いてもよい。
ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)の水溶液を得る場合は、ω−メルカプトアルキルピリジン類(I)と鉱酸類(z)とを、水の存在下に、pHを調節しながら反応させることによって得られる。また、水と疏水性有機溶媒を併用して反応させた場合は、該疏水性有機溶媒を水層から分離して、ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)の水溶液を得ることができる。
上記の疏水性有機溶媒としては、前述したω−メルカプトアルキルピリジン類(I)の製造で用いられる溶媒と同じ溶媒が例示される。
本発明の保存方法において用いる鉱酸類としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸や燐酸等が挙げられる。該鉱酸類のうち、塩酸が好ましい。
ω−メルカプトアルキルピリジン類(I)と鉱酸類(z)との反応は、水の存在下に、疏水性有機溶媒の存在下又は非存在下に行われる。通常は、上記鉱酸類の種類に応じてその添加量を決め、鉱酸塩化における反応液のpHを調整する。反応液のpHは1以下に調整することが好ましい。反応終了時における反応液のpHが1を超えると、ω−メルカプトアルキルピリジン類(I)と鉱酸類(z)との反応が完結しにくく、ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)の収率が低下する傾向がある。
鉱酸類(z)の使用量は、その種類によって異なるが、反応終了時の反応液のpHが1以下となる量が好ましい。例えば、鉱酸類(z)として塩酸を用いる場合は、ω−メルカプトアルキルピリジン類(I)の1モル当り、0.94モル以上使用することが好ましく、1.0〜1.1モルの範囲で使用することが特に好ましい。
ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)の水溶液を製造する際の水量は、ω−メルカプトアルキルピリジン類(I)の100重量部当り、通常は50〜500重量部の範囲であり、好ましくは100〜200重量部の範囲である。ω−メルカプトアルキルピリジン類(I)100重量部当りの水量が、50重量部未満では、ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)の結晶が析出しやすくなる傾向がある。
使用される鉱酸類の形態は、特に制限されず、水等の溶媒で希釈して溶液として用いてもよい。
ω−メルカプトアルキルピリジン類(I)と鉱酸類(z)の反応温度は、通常は0〜90℃の範囲であり、好ましくは10〜60℃の範囲である。該反応温度が0℃未満の場合は、ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)の結晶が析出しやすくなる傾向がある。
鉱酸塩化の反応時間は、通常は鉱酸類の添加が終了した時点から4時間以内である。
鉱酸塩化の反応時に疏水性有機溶媒を使用しなかった場合は、ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)を含む反応液は、水溶液として得られる。また、疎水性有機溶媒を使用した場合は、反応終了後に疏水性有機溶媒を水層と分離すれば、ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)の水溶液が得られる。
ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)の水溶液は、ビスフェノールAの製造等に用いる前に、該鉱酸塩(II)の分解を抑制するために、上記水溶液のpHを1以下に調節して、30℃以下で保存される。
ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)の水溶液を保存する場合の好ましいpHは、0.1〜0.5の範囲である。pHが1を超えると、ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)が分解し易く、硫化水素ガスの発生が多くなる。また、pHが0.1未満であると、鉱酸類の使用量が増加する。
本発明における保存温度は、好ましくは0〜20℃の範囲であり、より好ましくは5〜20℃の範囲である。
保存温度が30℃を超えると、ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)が分解して、上記化合物(V)が多く副生する。また、硫化水素ガスの発生量も増加する。
また、0℃未満では、ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)の結晶が析出し易くなる。
ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩の水溶液を保存する際の鉱酸塩(II)の含量は、ω−メルカプトアルキルピリジン類換算で45重量%以下の範囲であればよく、ω−メルカプトアルキルピリジン類(I)換算で20〜40重量%の範囲が好ましい。
水溶液に含まれる上記鉱酸塩(II)の量が、ω−メルカプトアルキルピリジン類(I)換算で45重量%を超えると、上記鉱酸塩(II)が結晶として析出し易くなる。また、前記鉱酸塩(II)の含量がω−メルカプトアルキルピリジン類(I)換算で20重量%未満の場合は、保存用の容器等に対する容積効率が低下する。
ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)を水溶液として保存する際に、前記化合物(IV)の副生量を抑制するという観点からは、保存容器内を窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。
上記の保存容器は、上記容器の全体又は容器の内壁が耐腐食性材料であることが好ましいが、ポリエチレン製等の袋にω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)の水溶液を入れ、袋ごと容器内に収納して保存してもよい。
上述した耐腐食性材料としては、例えば、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンやポリ塩化ビニル等の樹脂が挙げられる。
本発明によれば、ω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩(II)の分解と硫化水素ガスの発生を抑制することができる。
以下、実施例等により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[4−(2−メルカプトエチル)ピリジンの収率等の算出法]
4−(2−メルカプトエチル)ピリジンの収率及び純度は、反応終了後の溶液をアセトニトリル/水の混合液で希釈して、下記条件の液体クロマトグラフ法(面積百分率法)によって求めた。
<面積百分率法>
カラム:L−column ODS 4.6mmφ×15cm
移動相:2.5mmol/Lの1−ペンタンスルホン酸ナトリウム塩を含有するアセトニトリル/水
検出:UV254nm
参考例1
オートクレーブ内を硫化水素で置換後、約0.5MPa(ゲージ圧5kg/cm)に保ちながら、硫化水素545g(16モル)を導入した。
次いで、4−ビニルピリジン421.6g(4モル)とN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン23.4g(0.2モル)の混合溶液を攪拌下に5℃で3時間かけて滴下した。次いで3℃で1時間攪拌後、オートクレーブ内の圧力を徐々に大気圧に戻して過剰の硫化水素を除去し、4−(2−メルカプトエチル)ピリジンの反応液の577gを得た。次に、窒素雰囲気下で反応液の全量を別の反応容器に移し、除々に30℃まで昇温後、同温度でトルエン2020gを加えた。その後、380gのイオン交換水で3回洗浄した。得られた混合液を濾過後、4−(2−メルカプトエチル)ピリジンのトルエン溶液2590gを得た。この溶液を分析した結果、4−(2−メルカプトエチル)ピリジンの含量は20.2%であった。また、トルエン濃縮後の純度は94.2%であった。
参考例2
反応容器に参考例1で得た4−(2−メルカプトエチル)ピリジンのトルエン溶液500gを窒素雰囲気下で加え、さらにイオン交換水115gを加えた後、25〜30℃の温度で攪拌しながら、同温度で36%塩酸55.7gを約2時間かけて滴下した。次いで、同温度で約1時間保温した。保温終了後、トルエン層を分離して、4−(2−メルカプトエチル)ピリジン塩酸塩の水溶液277gを得た。
上記塩酸塩水溶液のpHは2であった。また、前記塩酸塩の純度は、4−(2−メルカプトエチル)ピリジン換算で94.0%であった。
実施例1
参考例2で得た4−(2−メルカプトエチル)ピリジン塩酸塩水溶液20gを用い、36%塩酸でpH1.0に調節した後、窒素雰囲気下で20mlのガラス製容器に該塩酸塩水溶液10gを入れて密封し、20℃で60日間保存した。保存後の水溶液中の塩酸塩純度は、4−(2−メルカプトエチル)ピリジン換算で94.0%であった。また、上記ガラス製容器内において、気相部における硫化水素の濃度は、690ppmであった。
実施例2
5℃で90日間保存した以外は、実施例1と同様の操作を行った。保存終了後、前記鉱酸塩水溶液の純度を分析した結果、4−(2−メルカプトエチル)ピリジン換算で94.0%であった。また、前記ガラス製容器内において、気相部における硫化水素の濃度は、90ppmであった。
実施例3
参考例2においてpHの調節を0.5にし、且つ、実施例1において保存温度を30℃にした以外は、実施例1と同様の操作を行った。保存終了後、前記鉱酸塩水溶液の純度を分析した結果、4−(2−メルカプトエチル)ピリジン換算で94.0%であった。また、前記ガラス製容器内において、気相部における硫化水素の濃度は、600ppmであった。
実施例4
参考例2においてpHの調節を0.5にし、且つ、実施例1において保存温度及び保存日数をそれぞれ5℃及び90日間に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。保存終了後、前記鉱酸塩水溶液の純度を分析した結果、4−(2−メルカプトエチル)ピリジン換算で94.0%であった。また、前記ガラス製容器内において、気相部における硫化水素の濃度は、75ppmであった。
実施例5
参考例2においてpHの調節を0.1にし、且つ、実施例1において保存温度及び保存日数をそれぞれ30℃及び90日間に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。保存終了後、前記鉱酸塩水溶液の純度を分析した結果、4−(2−メルカプトエチル)ピリジン換算で94.0%であった。また、前記ガラス製容器内おいて、気相部における硫化水素の濃度は、220ppmであった。
実施例6
参考例2においてpHの調節を0.1にし、且つ、実施例1において保存温度及び保存日数をそれぞれ5℃及び90日間に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。保存終了後、前記鉱酸塩水溶液の純度を分析した結果、4−(2−メルカプトエチル)ピリジン換算で94.0%であった。また、前記ガラス製容器内において気相部における硫化水素の濃度は、50ppmであった。
比較例1
参考例2においてpHの調節を1.7にし、且つ、実施例1において保存温度及び保存日数をそれぞれ50℃及び60日間に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。保存終了後、前記鉱酸塩水溶液の純度を分析した結果、4−(2−メルカプトエチル)ピリジン換算で89.6%であった。また、前記ガラス製容器内において気相部における硫化水素の濃度は、390000ppmであった。
比較例2
参考例2においてpHの調節を1.7にし、且つ、実施例1において保存温度及び保存日数をそれぞれ30℃及び60日間に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。保存終了後、前記鉱酸塩水溶液の純度を分析した結果、4−(2−メルカプトエチル)ピリジン換算で93.9%であった。また、前記ガラス製容器内において気相部における硫化水素の濃度は、14000ppmであった。
比較例3
参考例2においてpHの調節を1.0にし、且つ、実施例1において保存温度及び保存日数をそれぞれ50℃及び60日間に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。保存終了後、前記鉱酸塩水溶液の純度を分析した結果、4−(2−メルカプトエチル)ピリジン換算で93.5%であった。また、前記ガラス製容器内において気相部における硫化水素の濃度は、57000ppmであった。
比較例4
参考例2においてpHの調節を0.5にし、且つ、実施例1において保存温度及び保存日数をそれぞれ50℃及び60日間に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。保存終了後、前記鉱酸塩水溶液の純度を分析した結果、4−(2−メルカプトエチル)ピリジン換算で93.9%であった。また、前記ガラス製容器内において気相部における硫化水素の濃度は、11000ppmであった。
比較例5
参考例2においてpHの調節を0.1にし、且つ、実施例1において保存温度及び保存日数をそれぞれ50℃及び60日間に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。保存終了後、前記鉱酸塩水溶液の純度を分析した結果、4−(2−メルカプトエチル)ピリジン換算で94.0%であった。また、前記ガラス製容器内において気相部における硫化水素の濃度は、2300ppmであった。
以上の各実施例及び各比較例の結果を下表に纏めた。
Figure 2005179261

Claims (9)

  1. 下式(II)
    Figure 2005179261
    [式中、n’は0〜2の整数を表し、n’が0であるときは、単結合を表す。q’は0〜2の整数を表す。r’は鉱酸類(z)におけるアニオンの価数である。]
    で表されるω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩を、pHを1以下且つ30℃以下の水溶液として保存することを特徴とするω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩の保存方法。
  2. 式(II)で表されるω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩が、下式(I)
    Figure 2005179261
    [式中、n’は0〜2の整数を表し、n’が0であるときは、単結合を表す。q’は0〜2の整数を表す。]
    で表されるω−メルカプトアルキルピリジン類と鉱酸類(z)とを、水の存在下に、疎水性有機溶媒の存在下又は非存在下で反応させて得たものである請求項1に記載のω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩の保存方法。
  3. 式(I)で表されるω−メルカプトアルキルピリジン類が、下式(III)
    Figure 2005179261
    [式中、n’は0〜2の整数を表し、n’が0であるときは、単結合を表す。q’は0〜2の整数を表す。]
    で表されるピリジン類と硫化水素とを上記ピリジン類とは異なる第三級アミンの存在下に反応させて得たものである請求項2に記載のω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩の保存方法。
  4. 式(III)で表されるピリジン類とは異なる第三級アミンが、下記(A)〜(C)からなる群から選ばれる少なくとも一種のアミンである請求項3に記載のω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩の保存方法。
    (A):下式(a)で表わされる第三級アミン
    Figure 2005179261
    [式(a)におけるR21〜R23は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素数4〜12の環状アルキル基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表す。該鎖状アルキル基、該環状アルキル基及び該芳香族炭化水素基中の水素原子は、アミノ基、炭素数1〜8のN−アルキルアミノ基、炭素数1〜8のN,N−ジアルキルアミノ基及び水酸基から選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。]
    (B):下式(b)で表わされる脂環式第三級アミン
    Figure 2005179261
    [式(b)における複素環中の窒素原子に結合するR24は、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素数4〜12の環状アルキル基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、該鎖状アルキル基、該環状アルキル基及び該芳香族炭化水素基中の水素原子は、それぞれ、アミノ基、N−アルキルアミノ基(但し、該アルキルは炭素数が1〜8個である)、N,N−ジアルキルアミノ基(但し、各アルキルはそれぞれ独立に炭素数が1〜8個である)又は水酸基で置換されていてもよい。また、式(b)における複素環中の一部の−CH−は、−NH−又は−O−で置換されていてもよい。mは0〜8の整数を表す。]
    (C):含窒素芳香族複素環化合物
    含窒素芳香族複素環化合物は、複素環を構成する炭素原子に炭素数1〜8のアルキル基が結合していてもよく、該アルキル基中の水素原子はアミノ基、N−アルキルアミノ基(但し、該アルキルは炭素数が1〜8である)、炭素数1〜8のN,N−ジアルキルアミノ基(但し、各アルキルはそれぞれ独立に炭素数が1〜8である)又は水酸基で置換されていてもよい。
  5. 式(III)で表されるピリジン類が、4−ビニルピリジン及び/又は2−ビニルピリジンである請求項3又は4に記載のω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩の保存方法。
  6. 式(III)で表されるピリジン類とは異なる第三級アミンが、下式(1)、(2)、(5)及び(6)で表されるアミン群から選ばれる一種以上のアミンである請求項3〜5のいずれかに記載のω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩の保存方法。
    Figure 2005179261
    [式(1)におけるR〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。]
    Figure 2005179261
    [式(2)におけるR〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表し、pは1〜3の整数を表す。]
    Figure 2005179261
    [式(5)及び(6)におけるR13〜R15は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。また、φ1〜φは、それぞれ独立に、芳香族炭化水素基を表す。]
  7. 疎水性有機溶媒が、次のa)〜d)群から選ばれる一つ以上の溶媒である請求項1〜6のいずれかに記載のω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩の保存方法。
    a)脂肪族炭化水素類
    b)脂環式炭化水素類
    c)芳香族炭化水素類
    d)炭素数5以上の脂肪族ケトン
  8. 式(I)で表されるω−メルカプトアルキルピリジン類が、該ω−メルカプトアルキルピリジン類と鉱酸類(z)とを水の存在下に、疎水性有機溶媒の存在下又は非存在下、反応終了時のpHが1以下になるように反応させて得られるものである請求項1〜7のいずれかに記載のω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩の保存方法。
  9. 鉱酸類(z)が、塩酸、硫酸、硝酸及び燐酸から選ばれる一つ以上の酸である請求項1〜8のいずれかに記載のω−メルカプトアルキルピリジン類鉱酸塩の保存方法。
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JPN6008064491, Zeitschrift fuer Chemie, 1961, Vol.1, p.19−21 *
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