JP4586362B2 - ω−メルカプトアルキルピリジン類の製造方法 - Google Patents

ω−メルカプトアルキルピリジン類の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ω−メルカプトアルキルピリジン類を製造する方法に関する。
2−(2−メルカプトエチル)ピリジンや4−(2−メルカプトエチル)ピリジン等のω−メルカプトアルキルピリジン類は、ビスフェノールAを製造する際に用いられるキレート触媒への添加剤や医農薬中間体等として有用な化合物である。
従来、ω−メルカプトアルキルピリジン類の製造方法としては、例えば、2−ビニルピリジンに硫化水素を反応させて、2−(2−メルカプトエチル)ピリジンを製造する方法が報告されている(非特許文献1及び非特許文献2)。
P.S.K.Chia et al., Aust. J. Chem., 19, 1835 (1966)
R.B.Thompson et al., Industrial and Engineering Chemistry, 44, 1659 (1952)
しかしながら、上記の非特許文献記載の方法では、下式(I)で表されるピリジン類と硫化水素とを反応させてω−メルカプトアルキルピリジン類を製造する際に、下式(III)
Figure 0004586362
(式中、n’は0〜2の整数を表し、n’が0であるときは、単結合を表す。q’は0〜2の整数を表す。)
で示される化合物[以下、化合物(III)という]が不純物として多量に副生し、ω−メルカプトアルキルピリジン類の収率が著しく低下するという問題があった。
この問題を解決するためには、硫化水素が存在する反応容器にピリジン類を添加すればよいが、硫化水素が存在する反応容器に該硫化水素と当量のピリジン類を添加する方法では、ピリジン類と硫化水素の混合が不十分であった。そのため、大過剰の硫化水素が存在する反応容器中にピリジン類を添加する必要があった。ところが、大過剰の硫化水素を用いる方法では、未反応の硫化水素が反応液中に多量に溶存し、反応液中の溶存硫化水素は容易に除去できないという問題があった。
本発明者らは、大過剰の硫化水素を用いた場合であっても、化合物(III)の副生量が少なく且つ操作性良くω−メルカプトアルキルピリジン類を製造すべく鋭意検討した結果、ω−メルカプトアルキルピリジン類を含む反応液中に特定量以上の不活性ガスを導入すると、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下式(I)
Figure 0004586362
[式中、n’は0〜2の整数を表し、n’が0であるときは、単結合を表す。q’は0〜2の整数を表す。]
で示されるピリジン類と該ピリジン類に対して化学量論量よりも多い硫化水素とを上記ピリジン類とは異なる第三級アミンの存在下に反応させて得た反応液中に下式(1’)で算出される量の不活性ガスを導入することを特徴とする下式(II)
Figure 0004586362
[式中、q’及びn’は前記と同じ定義である。]
で示されるω−メルカプトアルキルピリジン類の製造方法を提供するものである。
不活性ガス導入量(l)≧[反応時における硫化水素の過剰モル数の5倍](1’)
但し、上記の不活性ガス導入量は0℃、1気圧に換算したときのリットル値である。
本発明によれば、ピリジン類(I)に対して化学量論量よりも多い硫化水素を用いても、化合物(III)の副生量が少なく且つ操作性良くω−メルカプトアルキルピリジン類(II)を製造することができる。
また、本発明によれば、反応液中に不活性ガスを導入するので、下式(IV)
Figure 0004586362
[式中、q’及びn’は前記と同じ定義である。]
で示される化合物[以下、化合物(IV)という]等の副生物の生成をも抑制することができ、より優れた収率でω−メルカプトアルキルピリジン類(II)を製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のω−メルカプトアルキルピリジン類(II)の製造方法は、通常回分式で行われるが、ピリジン類(I)と、硫化水素及び上記ピリジン類とは異なる第三級アミンとを、同時並行的に反応槽に導入する方法で行うこともできる。
本発明の製造方法に用いられるピリジン類の中でも、上式(I)においてn’が0であるピリジン類が好ましく、式(I)においてn’が0であり、且つq’が0であるピリジン類がより好ましく、2−ビニルピリジンや4−ビニルピリジンが殊に好ましい。
上記のピリジン類(I)には、該ピリジン類(I)の100重量部当り、ハイドロキノン類やカテコール類等の重合禁止剤が0.01〜0.5重量部程度含まれていてもよい。より好ましくは、前記ピリジン類(I)は、上述の反応に供する前に、単蒸留等の手段により精製される。
本発明の製造方法においては、反応容器に予め硫化水素を導入した後、ピリジン類(I)と該ピリジン類とは異なる第三級アミンとを混合させる方法や、ピリジン類(I)と前記の第三級アミンと硫化水素とを同時並行的に反応容器に導入する仕込み方法等が例示される。
硫化水素を仕込む際に、上記の反応を効率良く行う目的で、反応容器を密閉してもよく、加圧反応器を用いてもよい。
大気圧下に反応させる場合、硫化水素の使用量はピリジン類(I)の1モル当り、通常は1.05〜30モルの範囲であり、好ましくは1.1〜10モルの範囲である。
加圧下に反応させる場合、硫化水素の使用量はピリジン類(I)の1モル当り、好ましくは1.05〜5モルの範囲である。
本発明の製造方法において用いられる第三級アミンは、分子内に、3つの炭素原子と結合した窒素原子を1個以上有する化合物である。
上記の第三級アミンとしては、例えば、次に示す(A)〜(C)の化合物等が挙げられる。
(A):下式(a)で表わされる第三級アミン
Figure 0004586362
[式(a)におけるR21〜R23は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素数4〜12の環状アルキル基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表す。該鎖状アルキル基、該環状アルキル基及び該芳香族炭化水素基中の水素原子は、アミノ基、炭素数1〜8のN−アルキルアミノ基、炭素数1〜8のN,N−ジアルキルアミノ基及び水酸基から選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。]
(B):下式(b)で表わされる脂環式第三級アミン
Figure 0004586362
[式(b)におけるR24は、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素数4〜12の環状アルキル基又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、該鎖状アルキル基、該環状アルキル基及び該芳香族炭化水素基中の水素原子は、それぞれ、アミノ基、N−アルキルアミノ基(但し、該アルキルは炭素数が1〜8個である)、N,N−ジアルキルアミノ基(但し、各アルキルはそれぞれ独立に炭素数が1〜8個である)又は水酸基で置換されていてもよい。また、式(b)における複素環中の一部の−CH−は、−NH−又は−O−で置換されてもよい。mは0〜8の整数を表す。]
(C):含窒素芳香族複素環化合物
[該含窒素芳香族複素環化合物は、複素環を構成する炭素原子に炭素数1〜8のアルキル基が結合していてもよく、さらに、該アルキル基中の水素原子はアミノ基、N−アルキルアミノ基(但し、該アルキルは炭素数が1〜8である)、N,N−ジアルキルアミノ基(但し、各アルキルはそれぞれ独立に炭素数が1〜8である)又は水酸基で置換されていてもよい。]
式(a)中のR21、R22及びR23における上記鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基やブチル基等の炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
また、式(a)中のR21、R22及びR23における上記環状アルキル基としては、例えば、シクロペンチル基やシクロヘキシル基等の炭素数4〜12のアルキル基が挙げられる。
さらに、式(a)中のR21、R22及びR23における上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基やベンジル基等の炭素数6〜12の炭化水素基が挙げられる。
上記の(A)としては、3個のアルキル基と結合した窒素原子を有する第三級アミン;1個以上の芳香族炭化水素基及び2個以下のアルキル基と結合した窒素原子を有する第三級アミン;スチレン−ジビニルベンゼン骨格に−CHN(CH基を有する弱塩基性イオン交換樹脂等が挙げられる。
前記3個のアルキル基と結合した窒素原子を有する第三級アミンとしては、例えば、以下の式(1)〜(6)で表される第三級アミンが挙げられる。
Figure 0004586362
[式(1)におけるR〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。]
式(1)で表される第三級アミンの具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミンやジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。
Figure 0004586362
[式(2)におけるR〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。pは1〜3の整数を表す。]
式(2)で表される第三級アミンの具体例としては、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンやN,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン等が挙げられる。
Figure 0004586362
[式(3)及び(4)におけるR10〜R12は、それぞれ独立に炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。q及びrはそれぞれ独立に1〜4の整数を表す。]
式(3)で表される第三級アミンとしては、N,N−ジエチルエタノールアミン等が例示される。また、式(4)で表される第三級アミンとしては、N−メチルジエタノールアミン等が例示される。
芳香族炭化水素基と結合した窒素原子を有する第三級アミンとしては、例えば、下式(5)及び(6)で表される第三級アミン等が挙げられる。
Figure 0004586362
[式(5)及び(6)におけるR13〜R15は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。φ1〜φは、それぞれ独立に、芳香族炭化水素基を表す。]
式(5)で表される第三級アミンの具体例としては、N,N−ジメチルアニリンやN,N−ジエチルアニリン等が挙げられる。
上記(B)の脂環式第三級アミンとしては、例えば、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、(ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−(3−アミノプロピル)モルホリンや1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の脂環式第三級アミンが挙げられる。
上記(C)の含窒素芳香族複素環化合物としては、例えば、ピリジン、α−ピコリン、γ−ピコリン、ルチジン、2−プロピルピリジン、4−ピロリジノピリジン、4−ピペリジノピリジンやo−フェナントロリン等が挙げられる。
本発明におけるピリジン類(I)とは異なる第三級アミンとしては、2種以上の第三級アミンの混合物を用いてもよい。
上記の第三級アミンとしては、ω−メルカプトアルキルピリジン類(II)の収率が向上するという観点から、上記(A)及び(B)に属する第三級アミンが好ましく、前記(A)の式(1)、(2)、(5)及び(6)で表される第三級アミン並びに前記(B)の脂環式第三級アミンからなる群から選ばれる一種以上の第三級アミンがより好ましく、式(1)及び(2)で表される第三級アミンが殊に好ましい。
本発明の製造方法におけるピリジン類(I)とは異なる第三級アミンの使用量は、ピリジン類(I)1モル当り、通常は0.005〜1モルの範囲である。
硫化水素導入後のゲージ圧(大気圧に対する差圧)としては、0.1〜1.5MPa、好ましくは0.2〜1.0MPaである。反応容器又は反応槽内での硫化水素の形態としては、少なくとも一部が液状であることが好ましい。また、加圧の際に窒素やヘリウム等の不活性ガスを用いて上記ゲージ圧を調整してもよい。
本発明の製造方法における反応温度は、通常は−40〜100℃の範囲であり、好ましくは−30〜60℃の範囲であり、より好ましくは−30〜30℃の範囲である。反応温度が−40℃以上であると反応速度が向上する傾向にあることから好ましく、100℃以下であると前述した化合物(III)の生成が抑制される傾向にあることから好ましい。
反応時間は、ピリジン類(I)、第三級アミン及び硫化水素の量、各原料化合物の仕込み方法、反応温度等によっても異なるが、通常は0.1〜20時間の範囲である。
本発明の製造方法では、反応液中に不活性ガスを導入することによって、反応液中に溶存する未反応の硫化水素を除去する。上記の不活性ガスの導入は、好ましくは、反応容器等の系内を大気圧まで戻した後、又は、減圧下に行われる。大気圧下で不活性ガスを導入する方が、硫化水素の回収操作が容易であり、より好ましい。
反応容器等の系内を大気圧まで戻す時間は、特に制限されないが、24時間以内が好ましい。反応容器等の系内を大気圧まで戻すときの温度は、通常は−40〜100℃の範囲であり、好ましくは−30〜60℃の範囲であり、より好ましくは−30〜30℃の範囲である。反応容器等の系内を大気圧まで戻すときの温度が−40℃未満では、硫化水素の除去速度が遅くなり、100℃を超えると前述した化合物(III)等の副生量が増加する傾向がある。
反応系内を大気圧まで戻す際に回収された硫化水素は、例えば、反応容器外又は反応槽外に別に設置された反応容器等に移して、本発明の製造方法における次回の反応に再使用してもよい。
反応系内を大気圧まで戻した後、不活性ガスを反応液中に導入する方法としては、例えば、次の(i)〜(ii)の方法等が挙げられる。
(i)反応容器又は反応槽の上部に設けられた導入管等から、反応液中に不活性ガスを吹き込む方法、
(ii)反応容器又は反応槽の底部に設けられた導入管等から、反応液中に不活性ガスを吹き込む方法。
上記の方法のうち、(ii)の方法が好ましい。
上記の反応容器又は反応槽の外部から導入管等を通じて反応液中に吹込まれた不活性ガスにより回収された硫化水素は、反応容器又は反応槽の外部に別に設置された反応容器等に移して、本発明の製造方法における次回の反応に再使用してもよい。
上記の不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス及び/又は希ガス類等が挙げられる。
上記の希ガス類としては、例えば、ヘリウムやアルゴン等が挙げられる。
反応系内を大気圧まで戻した後、不活性ガスを反応液中に導入する際の不活性ガスの流量としては、反応容器や反応槽の容量や反応液量にもよるが、通常は反応容器や反応槽の容量1l(リットル)当り、毎分0.05〜10lの範囲であり、好ましくは毎分0.1〜2lの範囲である。不活性ガスの流量が毎分0.05l以下であると硫化水素の追い出しに要する時間が長くなり、毎分10l以上では吹き込む不活性ガス量の割には硫化水素が追い出せないので経済的に不利となる。
硫化水素の追い出しの終点は、通常はガス出口の硫化水素濃度が10〜1000ppmの範囲であり、好ましくは30〜300ppmの範囲である。ガス出口の硫化水素濃度を10ppm未満にすることは事実上無意味であり、ガス出口の硫化水素濃度が1000ppmを超えると反応液中の硫化水素濃度が高くなり、安全衛生上好ましくない。
反応系内を大気圧まで戻した後、硫化水素の追い出しに用いられる不活性ガスの導入量は、反応時における硫化水素の過剰モル数の5倍量(0℃、1気圧に換算したときのリットル値)以上用いる。5倍量未満ではガス出口の硫化水素濃度が1000ppmを超える可能性があり、安全衛生上好ましくない。不活性ガスの導入量は、好ましくは、50倍量以下である。
硫化水素を追い出す際の時間は、通常は48時間以内であり、好ましくは24時間以内である。
硫化水素を追い出す際の温度は、通常は−40〜100℃の範囲であり、好ましくは−30〜60℃の範囲であり、より好ましくは−30〜30℃の範囲である。硫化水素を追い出す際の温度が−40℃未満では追い出し速度が遅くなり、100℃を超えると化合物(III)等の副生量が増加する傾向がある。
硫化水素の追い出し終了後、前述したピリジン類とは異なる第三級アミンを、減圧濃縮や水洗等により反応液から除去し、ω−メルカプトアルキルピリジン類(II)を得ることができる。第三級アミンを除去した粗ω−メルカプトアルキルピリジン類は、蒸留して精製してもよい。
得られたω−メルカプトアルキルピリジン類(II)は、必要に応じて、無機酸(塩酸、硫酸、硝酸や燐酸等)又は有機酸(酢酸やクエン酸等)の水溶液を用いて、ω−メルカプトアルキルピリジン類(II)の塩の水溶液とすることもできる。
また、粗ω−メルカプトアルキルピリジン類を上記の無機酸や有機酸の塩として再結晶後、アルカリ等を用いて中和してω−メルカプトアルキルピリジン類(II)を単離してもよい。
かくして、本発明の製造方法によれば、ω−メルカプトアルキルピリジン類を含む反応液中に不活性ガスを吹き込むことによって、反応液中に溶存している未反応の硫化水素を安全に且つ効率良く追い出すことができる。
以下、実施例等により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[排ガス中の硫化水素濃度の測定]
反応系出口の排ガスをガス捕集バッグ(テドラーバッグ)で捕集し、ガス検知器/検知菅[(株)ガステック製]で測定した。
実施例1
オートクレーブに硫化水素570.5g(16.7モル)を0.8MPa(ゲージ圧、8kg/cm)加圧を保ちながら導入したのち、4−ビニルピリジン421.0g(4.0モル)とN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン 23.4g(0.2モル)の混合溶液を攪拌下に5℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、3℃で1時間攪拌した。次いで、オートクレーブ内を30℃まで昇温しながら大気圧にまで戻して、硫化水素を反応系外へ放出した。30℃で大気圧にまで戻した反応液中に、窒素を毎分0.3l(リットル)の流量で吹き込んだ。窒素を5時間吹き込み後、反応系出口の排ガス中の硫化水素濃度を測定したところ、230ppmであった。
実施例2
窒素吹き込み時間を12時間にした以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応系出口の排ガス中の硫化水素濃度を測定したところ、120ppmであった。
実施例3
窒素吹き込み時間を24時間にした以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応系出口の排ガス中の硫化水素濃度を測定したところ、110ppmであった。
実施例4
窒素吹き込み時間を48時間にした以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応系出口の排ガス中の硫化水素濃度を測定したところ、110ppmであった。
比較例1
窒素吹き込み時間を2時間にした以外は実施例1と同様の操作を行った。排ガスライン出口でガス中の硫化水素濃度を測定したところ、硫化水素濃度7000ppmであった。
Figure 0004586362

Claims (6)

  1. 下式(I)
    Figure 0004586362
    [式中、n’は0〜2の整数を表し、n’が0であるときは、単結合を表す。q’は0〜2の整数を表す。]
    で示されるピリジン類と該ピリジン類に対して化学量論量よりも多い硫化水素とを、下記式(1)及び(2)で表されるアミン群から選ばれる一種以上のアミンの存在下に反応させて得た反応液中に、下式(1’)で算出される量の不活性ガスを導入することを特徴とする下式(II)
    Figure 0004586362
    [式中、q’及びn’は前記と同じ定義である。]
    で示されるω−メルカプトアルキルピリジン類の製造方法。
    不活性ガス導入量(l)≧[反応時における硫化水素の過剰モル数の5倍] (1’) 但し、上記の不活性ガス導入量は0℃、1気圧に換算したときのリットル値である。
    Figure 0004586362
    [式(1)におけるR 〜R は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。]
    Figure 0004586362
    [式(2)におけるR 〜R は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の鎖状アルキル基又は炭素数4〜12の環状アルキル基を表す。pは1〜3の整数を表す。]
  2. 式(I)で示されるピリジン類と該ピリジン類に対して化学量論量よりも多い硫化水素とを、上記式(1)及び(2)で表されるアミン群から選ばれる一種以上のアミンの存在下に反応させて得た反応液中に、大気圧下に不活性ガスを導入する請求項1に記載のω−メルカプトアルキルピリジン類の製造方法。
  3. 式(1)及び(2)で表されるアミン群から選ばれる一種以上のアミンが、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンである請求項1又は2に記載のω−メルカプトアルキルピリジン類の製造方法。
  4. 式(I)で示されるピリジン類が、4−ビニルピリジン及び/又は2−ビニルピリジンである請求項1〜3のいずれかに記載のω−メルカプトアルキルピリジン類の製造方法。
  5. 不活性ガスが、窒素ガス及び/又は希ガス類である請求項1〜のいずれかに記載のω−メルカプトアルキルピリジン類の製造方法。
  6. 希ガス類が、ヘリウム又はアルゴンである請求項に記載のω−メルカプトアルキルピリジン類の製造方法。
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