JP2005179255A - 貼付用ゲル組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 物性の経時劣化および基剤の染み出しがない上、配合された薬効成分を効率良く供給可能であるとともに、皮膚に対する刺激が少ない貼付用ゲル組成物を提供すること。
【解決手段】 (A)グリセリン、オリゴグリセリンおよびポリグリセリンから選ばれる少なくとも1種を40〜99質量%、並びに(B)ヒドロキシエチルセルロース、ペクチン、キサンタンガム、カラギーナンおよびプルランから選ばれる少なくとも1種のポリマーを含む貼付用ゲル組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、貼付用ゲル組成物に関する。
従来、薬剤を経皮吸収させるための製剤として、ポリアクリル酸などのポリマーを水で膨潤させた、いわゆるパップ剤が用いられているが、このパップ剤には、貼付中に水が蒸散して膏体が硬くなったり、粘着性が損なわれたりするという欠点があった。
このようなパップ剤の欠点を改善すべく、SIS(スチレン−イソプレンースチレンブロック共重合体)や、ポリイソブテンなどのゴム系粘着剤に可塑剤を加えた、いわゆるプラスター貼付剤が開発されている。このプラスター貼付剤の場合には、パップ剤で問題となるような経時変化は生じないものの、粘着力が強力すぎて皮膚の角質層が剥離したり、透湿性が不足しているため蒸れやかぶれなどの皮膚刺激を起こしたりする場合があった。
さらに、これら以外の貼付用基剤として、例えば、特許文献1(特開2001−245913号公報)には、ポリオールを種々のポリマーでゲル化してなるものが開示されている。しかし、この場合も、ポリオールとポリマーとの組み合わせによっては、経時で染み出しが発生するという欠点がある上、基剤中に含有される薬物の放出性能については明らかではない。
特許文献2(特開2000−281565号公報)には、肌荒れ治療用ゲル組成物中にグリセリンを6〜30%配合することによって、肌荒れ改善効果が向上することが明らかにされているが、この場合も基剤中に含有される薬物の放出性能については不明である。
特許文献3(特開2002−193793号公報)には、非ステロイド系消炎鎮痛剤含有ゲル基剤において、グリセリンとグリコール類とを組み合わせて用いると、安定な配合が可能であることが明らかにされているが、薬物の放出性能や皮膚刺激については明らかではない。
特許文献4(特開平10−45579号公報)には、多価アルコール、特にグリセリンを用いた場合に、ジクロフェナクナトリウムの経皮吸収性が向上することが明らかにされている。しかし、この組成物は、吸水性充填剤を必須成分とするものである上、この文献では、皮膚刺激性の低い貼付剤を提供することが課題として掲げられているが、その解決手段や評価結果について具体的な記載はなされていない。
このように、グリセリンを初めとする添加剤およびそれらの組み合わせや、支持体を工夫することで、前述の水系ゲルまたはゴム系基剤の欠点を解消する種々の試みがなされてきているものの、経時安定性、低皮膚刺激性、高薬物放出性の全てを満足する程度に兼ね備えた基剤は今だ存在しないのが現状である。
特開2001−245913号公報 特開2000−281565号公報 特開2002−193793号公報 特開平10−45579号公報
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、物性の経時劣化および基剤の染み出しがない上、配合された薬効成分を効率良く放出可能であるとともに、皮膚に対する刺激が少ない貼付用ゲル組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、グリセリン、オリゴグリセリンおよびポリグリセリンから選ばれる少なくとも1種を所定量で含み、さらにヒドロキシエチルセルロース、ペクチン、キサンタンガム、カラギーナンおよびプルランから選ばれる少なくとも1種のポリマーを含む組成物が、物性の経時的安定性に優れるとともに、皮膚に対する刺激が少ないこと、および基剤の染み出しが低減されている上に、配合された薬効成分を効率良く放出可能であるため貼付用基剤に好適であること、を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1.(A)グリセリン、オリゴグリセリンおよびポリグリセリンから選ばれる少なくとも1種を40〜99質量%、並びに(B)ヒドロキシエチルセルロース、ペクチン、キサンタンガム、カラギーナンおよびプルランから選ばれる少なくとも1種のポリマーを含むことを特徴とする貼付用ゲル組成物、
2.さらに、メントールまたはトウガラシエキスを含むことを特徴とする1の貼付用ゲル組成物、
3.前記(A)成分がグリセリンであり、前記(B)成分がヒドロキシエチルセルロースであることを特徴とする1または2の貼付用ゲル組成物
を提供する。
本発明の貼付用ゲル組成物によれば、(A)グリセリン、オリゴグリセリンおよびポリグリセリンから選ばれる少なくとも1種を40〜99質量%、並びに(B)ヒドロキシエチルセルロース、ペクチン、キサンタンガム、カラギーナンおよびプルランから選ばれる少なくとも1種のポリマーを含んでなるものであるから、乾燥による硬化や染み出しなどの経時変化を起こさず、しかも皮膚刺激のない、薬剤放出性に優れるものであり、特に貼付用として好適である。
本発明に係る貼付用ゲル組成物は、(A)グリセリン、オリゴグリセリンおよびポリグリセリンから選ばれる少なくとも1種を40〜99質量%、並びに(B)ヒドロキシエチルセルロース、ペクチン、キサンタンガム、カラギーナンおよびプルランから選ばれる少なくとも1種のポリマーを含むことを特徴とする。
(A)成分のグリセリン、オリゴグリセリン、ポリグリセリン(以下、併せてグリセリン類という)としては、平均重合度1〜10のものが好ましく、より好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜3であり、ゲル組成物の柔軟性を高めることを考慮すると、グリセリンが好適である。平均重合度が10を超えると、ゲル組成物が硬くなる虞がある。
ゲル組成物中のグリセリン類の含有量は、40〜99質量%であることが必要である。この含有量が40質量%未満であると、ゲル組成物の柔軟性が低下する可能性が高く、一方、99質量%を超えると、グリセリン類がゲル組成物から染み出す可能性が高くなる。このゲル組成物の柔軟性の維持と、染み出し性とのバランスを考慮すると、グリセリン類の含有量は、60〜97質量%が好ましく、70〜95質量%がより好ましい。
また、本発明においては、グリセリン類とその他の任意の溶剤とを混合して用いることができるが、例えば、水を用いた場合に、水分の含量が多いと、蒸散による物性変化が生じ、逆にグリセリン類よりも極性の低い溶剤を用いると薬物の放出能力が低下する。したがって、その他の溶剤を使用する場合でも、グリセリン類の含有比率を高めることが好ましい。グリセリン類とその他の溶剤との使用比率(質量比)は、グリセリン類:その他の溶剤=100:0〜70:30程度であることが好ましい。
(B)成分のポリマーは、グリセリン類に溶解または膨潤してゲル化するものである。具体的には、ヒドロキシエチルセルロース、ペクチン、キサンタンガム、カラギーナンおよびプルランから選ばれる少なくとも1種のポリマーである。
なお、これらのポリマーは、架橋させて用いることもでき、その態様としては、(1)予めその一部が架橋された架橋体、(2)グリセリン類に溶解または膨潤させた後に架橋された架橋体のどちらを用いることもできる。
これらのポリマーの中でも、ゲル組成物のゲル強度保持という点から、ヒドロキシエチルセルロースを用いることが好適である。
特に、置換度1.0以上のヒドロキシエチルセルロースを用いることが好ましい。ここで置換度とは、セルロース骨格中のグルコース単位に含まれる3つの水酸基のうち、平均何個の水酸基がヒドロキシエチル基に置換されたかを示すものであり、この置換度が低すぎると、グリセリン類との相溶性が充分に得られない可能性が高い。
本発明のポリマーの重量平均分子量は、良好なゲル形成性が得られる程度において高い方が好ましく、例えば、1万〜1000万、好ましくは10万〜500万である。なお、この平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による測定値である。
ゲル組成物中におけるポリマーの含有量は、特に限定されるものではないが、通常、1〜50質量%、好ましくは3〜40質量%、より好ましくは5〜30質量%である。この含有量が1質量%未満であると、ゲル組成物のゲル強度が低下する虞があり、一方、50質量%を超えると、ゲル組成物が硬くなる虞がある。
本発明において、ゲル組成物中におけるグリセリン類とポリマーとの総含有量は、特に限定されるものではないが、組成物全体に対し、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、より一層好ましくは80質量%以上である。この総含有量が、60質量%未満であると、ゲル組成物のゲル強度が低下する虞がある。
本発明のゲル組成物には、有効成分および薬効成分等のその他の添加物を適宜配合することができる。この任意成分は、グリセリン類に溶解または分散可能であれば、特に制限なく使用することができる。
有効成分としては、例えば、温感用有効成分、冷感用有効成分、末梢循環促進作用剤、消炎鎮痛成分、血行促進剤、局所麻酔剤、発汗促進剤、水虫薬、抗菌・滅菌剤、美白成分、皮脂抑制剤、角質溶解剤等がある。これらの有効成分は1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
温感用有効成分としては、例えば、トウガラシエキス、トウガラシチンキ、カプサイシン、黄檗エキス、肉桂、ジンジャーエキス、ショウキョウアルコールエキス、カンタリスチンキ、ニコチン酸ベンジルエステル、ビタミンE、ボルネオール、dl−カンフル、l−メントール、ハッカ油、ユーカリ油、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、ワニリルアルコール誘導体、ノニル酸ワニリルアミド、バニリルアルコールアルキルエーテル、コショウ科植物抽出エキス、アザミ属植物抽出エキス、アレチアザミ属植物抽出エキス、チョウジ油、オイゲノール誘導体等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。また、その使用量は、組成物全体に対し、通常0.01〜5質量%程度である。これらの成分を添加すると、当該成分が有する皮膚に対する局所刺激または誘導刺激による血行促進作用から、使用者に温感を与えることができる。
冷感用有効成分としては、例えば、メントール、メントールグリセロールエーテル、およびそれらのエステル誘導体等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。また、その使用量は、組成物全体に対し、通常0.01〜5質量%程度である。これらの成分を添加すると、当該成分が有する皮膚に対する局所刺激または誘導刺激により、使用者に冷感を与えることができる。
末梢循環促進作用剤としては、例えば、酢酸トコフェロール等が挙げられる。消炎鎮痛成分には、例えば、(サリチル酸)ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン酸アンモニウム、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ステアリル、β−グリチルレチン酸、アラントイン、アズレン、ε−アミノカプロン酸、ヒドロコルチゾン、パントテン酸カルシウム、パントテン酸エチルエーテル、酢酸ヒドロコーチゾン、ノニル酸ワニルアミド、ジフェニルヒドラミン、インドメタシン、アルニカチンキ、甘草、黄連、シコン、西洋ノコギリ草、ヒリハリ草、アロエ、サリチル酸グリコール、ビタミンE酢酸エステル、サリチル酸メチル等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。頸椎捻挫用有効成分には、例えば、アミノアルコキシビベンジル類等が挙げられる。また、これらの薬剤の使用量は、組成物全体に対し、通常0.01〜5質量%程度である。
血行促進剤としては、例えば、センブリエキス、セファランチン、ビタミンEおよびその誘導体、γ−オリザノール、ペパーミント油、テレビン油、チョウジ油、ゲラニオール油、チモール油、ウイキョウ油、ベルガモット油、アニス油、ラベンダー油、ブラックペッパー油、ベニバナ油、アルニカエキス、マロニエエキス、エンメイソウエキス、ボダイジュエキス、メリッサエキス、N−エチル−p−3−メンタン−カルボキシアミド等が挙げられる。局所麻酔剤には、例えば、ロートエキス等が挙げられ、これは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。また、その使用量は、組成物全体に対し、通常0.01〜1質量%程度である。
収れん成分としては、タンニン含有成分が好ましくは使用され、例えば、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛、タンニン酸、クエン酸、乳酸、オウバク末、ハマメリス、オドリコ草、白樺、ダイオウ等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。また、その使用量は、組成物全体に対し、通常0.01〜5質量%程度である。
発汗促進剤としては、無機塩が好適に使用され、その具体例としては、焼石こう、塩化カルシウム、無水塩化カルシウム、塩化マグネシウム、無水塩化マグネシウム、炭酸カルシウム、無水炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、無水硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、無水硫酸マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ゼオライト、モンモリロナイト、スメクタイト、カオリン、タルク、粘土鉱物、その他各種塩類等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。また、その使用量は、組成物全体に対し、通常0.01〜10質量%程度である。
殺菌・抗菌剤としては、ピロクトンオラミン、シクロピロクスオラミン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ハロカルバン、塩酸クロロヘキシジン、ジンクピリチオン、フェノール、トリクロロカルバニリド、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム、イソプロピルメチルフェノール、アラントイン、抗プラスミン剤(ε−アミノカプロン酸、トラネキサム酸)、ジヒドロコレステロール、当帰エキス、カミツレ(アズレン含有)、ユーカリ油などの精油類、ヒノキチオール等が挙げられ、これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。また、その使用量は、組成物全体に対し、通常0.01〜1質量%程度である。
水虫薬としては、薬効成分であるキヌハダ(Callophyllis flabellulata)水抽出物、硝酸ミコナゾール、その他鎮痒剤である塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、カンファーおよびラポライト、ジンクピリチオン、トリクロロカルバニリド、トリクロサン、アロエエキス、ニンジンエキス、カンゾウエキス、オオバクエキス、カミツレエキス、ビワ抽出液、水溶性セリウム塩、アビエチン酸、ピマール酸、ビス(2−ピリジンチオール−1−オキサイド)亜鉛、ピリジンチオン塩、ヒスタミン2受容体拮抗薬、ビタミンE酢酸エステル、パントテニルエチルエーテル、クエン酸トリエチルエステル、メチオニン、シスチン、システインなどの含硫アミノ酸およびその塩酸塩、シナモン・クローブ・タイム・ペンゾイン・オークモス・バニラからの抽出物、亜鉛ピリチオン、10−アリール−1,8−ジヒドロキシアントロン、トリクロサン、安息香酸ナトリウム、アントシアニン、アントシアニジン類、ピペラジン誘導体、尿酸、ペタイン類、ルチン、1−ヒドロキシ−2−ピリドン類、亜硫酸イオン発生水溶性塩、アルミノケイ酸ナトリウム、油溶性甘草抽出物およびラポライト等が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができ、またその使用量は、組成物全体に対し、通常0.01〜5質量%程度である。
美白成分、皮脂抑制剤、角質溶解剤等は、主として化粧品を目的とする場合に配合される。美白成分としては、例えば、アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、ビタミンC、プラセンタエキス、酸化チタン、ホソバノトサカモドキ(Callophyllis japonica)水抽出物およびクロトサカモドキ(Callophyllis adhaerens)水抽出物等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。また、その使用量は、組成物全体に対し、通常0.01〜1質量%程度である。
皮脂抑制剤、角質溶解剤としては、エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、ビタミンB6、イオウ、レゾルシン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ハロカルバン、2,4,4−トリクロロ−2−ヒドロキシフェノール、硫化セレン、ペンタデカン酸、ペンタデカン酸誘導体、各種ビタミン類等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。また、その使用量は、組成物全体に対し、通常0.01〜5質量%程度である。
香料としては、例えば、アミルシンナミックアルデヒド、ベンジルアセテート、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、シクラセット、シクラプロップ、ガラキソリッド、ベディオン、オレンジ油等が挙げられ、その使用量は、組成物全体に対し、通常0.01〜5質量%程度である。また、色素には、例えば、赤2号、緑色3号、青色1号、だいだい402号、黄色401号、紫色401号等が挙げられ、その使用量は、組成物全体に対し、通常0.01〜1000ppmである。これらの香料および/または色素は1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明において、貼付用ゲル組成物の製造法は、特に限定されるものではなく、従来公知の任意のゲル組成物製造法を用いればよい。一例を挙げると、(A)成分であるグリセリン類またはグリセリン類を含む混合溶媒で(B)成分であるポリマーを溶解させ、または膨潤させてゲルを形成する方法を用いることができる。
ポリマーをグリセリン類に溶解または膨潤させる際に、加熱処理を行うこともできる。加熱処理は、ポリマーとグリセリン類との混合時に行ってもよく、ポリマーとグリセリン類とからなるスラリーを不織布等の支持体に塗布した後にオーブン等を用いて行ってもよい。加熱温度は、特に限定されるものではないが、通常、室温〜150℃程度、好ましくは50℃〜130℃、より好ましくは70℃〜120℃程度である。
なお、有効成分および薬効成分等のその他の添加物は、ゲル形成時に添加してもよく、ゲル形成後に添加してもよい。
貼付用ゲル組成物の製造において、グリセリン類またはグリセリン類を含む混合溶媒と、ポリマーとの使用比率は任意であるが、ゲルの形態保持性を高めるという点から、グリセリン類またはグリセリン類を含む混合溶媒とポリマーとの使用比率(質量比)は、通常、99/1〜40/60程度、好ましくは97/5〜50/50、より好ましくは95/5〜80/20である。
なお、上記製造法の他にも、(B)成分のポリマーを架橋させて予めゲル状またはシート状にした後、(A)成分のグリセリン類を上述の質量比で含浸させる方法を用いることもできる。
以上で説明した貼付用ゲル組成物は、シート等の支持体上に塗布・展延することで貼付剤とし、これを人体の皮膚表面に貼付して使用するものである。
ここで、支持体としては、特に限定されるものではなく、例えば、紙、編布、織布、不織布、プラスチックフィルム等が挙げられ、具体的には、レーヨン不織布、ポリエステル不織布および編布、ポリプロピレン不織布、ポリウレタンフィルム等が挙げられる。
支持体単位面積あたりの貼付用ゲル組成物の質量は、ゲル組成物の種類等にもよるため一概には規定できないが、通常0.01〜10g/cm2程度であり、0.05〜5g/cm2が好適である。
また、ゲル組成物への水分の吸着防止や、ゲル組成物からの薬物の揮発防止、粘着面の保護などを目的として、必要に応じて、ゲル組成物表面上にフェイシング層を設けてもよい。フェイシング層としては、上記各目的を達成できるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、「部」は「質量部」を意味する。また、組成物の練合には、ベンチニーダー(PNV−1、(株)日立製作所製)を、展延には、ロールサンドコーター(花栄機械工業(株)製)を用いた。
[実施例1]
グリセリン(阪本薬品工業(株)製)89部と、ヒドロキシエチルセルロース(HECダイセル900、ダイセル化学工業(株)製)10部とを120℃で1時間練合した後、冷感付与剤であるメントール(高砂香料工業(株)製)1部を加えて10分間練合し、貼付用ゲル組成物を得た。
[実施例2]
ポリグリセリン(ポリグリセリン#750、阪本薬品工業(株)製)94部と、ヒドロキシエチルセルロース(HEC600、ダイセル化学工業(株)製)5部とを100℃で1時間練合した後、メントール1部を加えて10分間練合し、貼付用ゲル組成物を得た。
[実施例3]
グリセリン91部、ペクチン5部(GENUペクチンHM−USP−H、三晶(株)製)、およびプルラン(Pl−20、(株)林原製)3部を、100℃で30分練合した後、メントール1部を加え、10分間練合した後にシート状に展延し、貼付用ゲル組成物を得た。
[実施例4]
グリセリン93部と、キサンタンガム(XANTULAL180、モンサント社製)6部とを120℃で1時間練合した後、温感付与剤であるトウガラシエキス1部を加え、10分間練合した後にシート状に展延し、貼付用ゲル組成物を得た。
[実施例5]
ポリグリセリン(ポリグリセリン#310、阪本薬品工業(株)製)93部と、ヒドロキシエチルセルロース(HEC600、ダイセル化学工業(株)製)とを100℃で1時間練合した後、トウガラシエキス1部を加えて10分間練合し、貼付用ゲル組成物を得た。
[実施例6]
グリセリン92部、ポリアクリル酸(PW110、日本純薬(株)製)3部、およびプルラン4部を、100℃で30分練合した後、トウガラシエキス1部を加え、10分間練合した後にシート状に展延し、貼付用ゲル組成物を得た。
[比較例1]
ポリエチレングリコール(PEG300、ライオン(株)製)89部と、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H、日本曹達(株)製)10部とを90℃で30分練合した後、メントール1部を加えて10分間練合し、貼付用ゲル組成物を得た。
[比較例2]
水55部、グリセリン25部、およびポリアクリル酸(PW110、日本純薬(株)製)10部を、30℃で30分間練合した後、メントール1部を加えて10分間練合した。その後、合成ヒドロタルサイト(アルカマック 協和化学(株)製)0.2部を加え、さらに5分間練合した。シート状に展延後、架橋反応を促進するために40℃の恒温槽中で14日間保存し、貼付用ゲル組成物を得た。
[比較例3]
スチレンイソプレンスチレンブロック共重合(KratonD−1112、シェル社製)35部、流動パラフィン(ハイコールM172、カネダ(株)製)30部、およびロジンエステル(KE−311、荒川化学工業(株)製)35部を、130℃で10分間練合した後、90℃まで冷却してメントール1部を加え、10分間練合し、貼付用ゲル組成物を得た。
[比較例4]
ポリエチレングリコール(PEG400、ライオン(株)製)70部、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H、日本曹達(株)製)8部、およびポリアクリル酸(PW111、日本純薬(株)製)を、100℃で30分練合した後、トウガラシエキス1部を加えて10分間練合し、貼付用ゲル組成物を得た。
[比較例5]
水60部、グリセリン20部、ポリアクリル酸(PW110、日本純薬(株)製)5部、およびカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC1110、ダイセル化学工業(株)製)5部を、30℃で30分間練合した後にメントールを1部加え、10分間練合した。その後、合成ヒドロタルサイト(アルカマック 協和化学(株)製)0.2部を加え、さらに5分間練合した。シート状に展延後、架橋反応を促進するために40℃の恒温槽中で14日間保存し、貼付用ゲル組成物を得た。
[比較例6]
スチレンイソプレンスチレンブロック共重合(KratonD−KX406 シェル社製)30部、流動パラフィン(ハイコールM72、カネダ(株)製)39部、およびロジンエステル(KE−311、荒川化学工業(株)製)30部を、130℃で10分間練合した後、90℃まで冷却してメントール1部を加え、10分間練合し、貼付用ゲル組成物を得た。
上記各実施例および比較例で調製したゲル組成物を、14g/100cm2でポリエステルニット(東宝繊維(株)製)上にシート状に展延し、貼付剤を製造した。
作成したシート状の貼付剤を10cm×12cmの大きさに裁断して5名のパネラーの前腕部内側に貼付した。25℃、湿度60%の条件下で貼付部位を上向きにして机上に置き、安静に椅子に腰掛けた状態で、貼付直後、貼付中および貼付3時間後の官能評価を下記基準により行うとともに、貼付3時間後に貼付剤を剥離して皮膚刺激を下記基準により確認し、評価した。
[1]貼付直後の冷感/温感
貼付10分後に 3点:はっきり感じる 2点:やや感じる 1点:感じない
[2]冷感/温感持続性
貼付3時間後に 3点:はっきり感じる 2点:やや感じる 1点:感じない
[3]貼付中の染み出し性
3点:全く染み出ない 2点:やや染み出る 1点:液が流れるほど染み出る
[4]突っ張り性(貼付直後、3時間後)
3点:全く感じない 2点:やや感じる 1点:はっきり感じる
[5]剥離後の皮膚刺激
3点:発赤や蒸れがない 2点:注意してみると発赤や蒸れがある 1点:発赤や蒸れがある
上記基準により評価し、5名のパネラーの平均点を算出し、2.5以上を○、1.5以上2.5未満を△、1.5未満を×とした。これらの結果を表1に示す。
Figure 2005179255
表1に示されるように、各実施例で得られた貼付用ゲル組成物を用いてなる貼付剤では経時での乾燥や膏体の染み出しがなく、皮膚刺激も起こしていないことがわかる。また、含有する薬剤の効果は貼付直後から3時間経過後も感じられるものであった。
これに対し、比較例1,4のポリエチレングリコールゲルは経時で吸湿に伴う染み出しが膏体から発生していることがわかる。比較例2,5の水を主成分とするパップ剤では薬剤の効果は持続したが、乾燥により一部硬化して突っ張り感が発生し、やや皮膚刺激が発生していることがわかる。比較例3,6ではともに貼付直後から突っ張り感があり皮膚刺激が発生していることがわかる。

Claims (3)

  1. (A)グリセリン、オリゴグリセリンおよびポリグリセリンから選ばれる少なくとも1種を40〜99質量%、並びに(B)ヒドロキシエチルセルロース、ペクチン、キサンタンガム、カラギーナンおよびプルランから選ばれる少なくとも1種のポリマーを含むことを特徴とする貼付用ゲル組成物。
  2. さらに、メントールまたはトウガラシエキスを含むことを特徴とする請求項1記載の貼付用ゲル組成物。
  3. 前記(A)成分がグリセリンであり、前記(B)成分がヒドロキシエチルセルロースであることを特徴とする請求項1または2記載の貼付用ゲル組成物。
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