JP2005179167A - 薄膜形成用基板、薄膜基板及び発光素子 - Google Patents

薄膜形成用基板、薄膜基板及び発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする高品質の単結晶薄膜を得、該単結晶薄膜が形成された薄膜基板を実現し、さらに発光効率に優れた発光素子を実現する。
【解決手段】 基板としてセラミック材料を主成分とする焼結体、特に光透過性の焼結体を用いることでその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性の高い単結晶薄膜が形成できる。また、結晶性の高い単結晶薄膜が形成された薄膜基板を提供できる。このようなセラミック材料を主成分とする焼結体を用いることで発光効率に優れた発光素子を提供できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、セラミック材料を主成分とする焼結体からなる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜を形成するための基板及び該薄膜が形成されている薄膜基板、該基板を用いて作製される発光素子に関する。
近年、発光ダイオード(LED)あるいはレーザーダイオード(LD)などさまざまな発光半導体素子がディスプレイ、照明装置、光通信、記憶装置用などの光源に用いられるようになった。このような発光半導体素子の中で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とし、該成分をドーピングによりP及びN型半導体化したIII−V族窒化物単結晶薄膜層及び量子井戸構造などの発光層の少なくとも3層以上からなるIII−V族窒化物薄膜を例えばサファイアなどの基板上に主にエピタキシャル成長させた緑青色〜青色〜青紫色〜紫外線を発光する素子が開発されて来ている。上記の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなり少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子(以下本発明において特に断らない限り単に“発光素子”という)は信号機、液晶用バックライト、白熱電球や蛍光灯に代わる一般照明用などの光源や、高容量光ディスク装置のレーザー光源などに使用されている。用途によって発光素子からの光をそのまま使用するか、蛍光体を用いて相互作用により白色光に変換して用いられる。該発光素子は通常上記各窒化物あるいは各窒化物混晶のP型半導体及びN型半導体と発光層とから形成された二端子素子(ダイオード)構造で直流電力を印加することで駆動する。
このような発光素子を高出力レーザーの光源として用いたり、一般照明の光源として用いるなど発光素子の高出力化が始まっている。発光素子をこのような用途に用いようとするとき発光素子を形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル膜を主体とする薄膜を形成するための基板が問題となってきている。すなわち従来から用いられているサファイア基板は単結晶ではあっても発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムとは結晶構造や熱膨張率などが異なりそのためサファイア基板の上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が良好な結晶性を有するものになりにくく、ようやく近年の研究で高い結晶性の単結晶薄膜として形成できるようになった。しかしながらたとえ高い結晶性の単結晶薄膜であってもサファイア基板と該薄膜との間の結晶格子不整合性や熱膨張率の違いによって該薄膜中には結晶転位やひずみが生じ易いのでこのような薄膜を用いて製造される発光素子は製造歩留まりが低下に結びつき易く、発光素子の発光効率向上あるいはレーザー発振の高出力化や長寿命化などの特性向上の達成も困難である。また、サファイア基板は単結晶であるので製造コストも高くその上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が広範な用途に使用できにくいという問題もある。
また一方では本発明による発光素子あるいは従来からのレーザーダイオード及び発光ダイオードからの光を所望の強さ、距離、位置に導くための光導波路も従来からさまざまなものが提案されてきている。通常LiNbO、シリコンなどの結晶基板、あるいは石英ガラスなどのガラス基板に高屈折率部を形成することで得られる。従来からの光導波路は青色光、紫外線などの波長の短い光に対する透過性が低かったり、基板の電気絶縁性が小さいために光導波路が形成されている基板上に電気回路を同時に形成しにくかったり、あるいは基板の熱伝導率が低いために光導波路が形成されている基板上に高出力の発光素子を同時に搭載できにくい、などの問題がある。
上記のように従来からのサファイア基板を用いその上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は近年比較的高い結晶性の単結晶薄膜として形成できるようになってきた。しかしながらサファイア基板を用いその上に形成される薄膜により構成される発光素子の発光効率は低く通常2%〜8%程度であり素子を駆動させるために加えられる電力の92%〜98%が光に変換されず例えば熱などとなって無駄に消費されており本来のIII−V族窒化物半導体の有する発光特性が十分に発現されていない。その原因は発光素子を構成する薄膜がサファイア基板上にたとえ高い結晶性の単結晶薄膜として形成できたとしてもサファイア基板と該薄膜との間の結晶格子不整合性や熱膨張率の違いによって該薄膜中には結晶転位やひずみが生じ易く、さらにサファイア基板は薄膜状の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムと比べても屈折率が小さく、また透明で均質なバルク単結晶であるため発光素子から発した光の多くはサファイア基板と上記薄膜との界面やサファイア基板の表面で反射されて発光素子内部に戻り閉じ込められ易いためであろうと思われる。
そのため窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル膜を含む薄膜を形成し発光素子を製造するための基板材料に関して従来のサファイアに代わって炭化珪素、シリコンなどを主成分とする単結晶基板材料が提案されている。炭化珪素単結晶を基板として用いる例として例えば特開平10−27947あるいは特開平11−40884などの方法が提案されている。シリコン基板としては例えば特開平10−214959などの方法が提案されている。しかしながらこれらの基板を用いてもやはり窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜と結晶構造や格子定数が異なるなどの理由で該基板上に良好な単結晶薄膜が形成されにくい。さらに特開平9−172199には従来からの単結晶基板の持つ問題点を解決すべく単結晶基板に代わって石英ガラスなどのガラス基板、多結晶シリコンなど焼結法により作製した基板を用いる方法が提案されている。しかしながらこの方法は基板上に窒化ガリウム系化合物半導体層を形成する前に酸化亜鉛や酸化水銀などのII族元素の酸化物からなる膜材料を形成しなければならないがその効果は必ずしも明確にされていない。このようなII族元素の酸化物を形成した基板を用いた場合そこに形成される窒化ガリウム系化合物半導体を構成する薄膜の結晶性は必ずしも明確でなく作製される半導体素子の発光効率などの特性に関しても明確でなく結局問題解決には至っていない。上記のように従来からのサファイアや炭化珪素などの単結晶基板に代わり窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする良質な単結晶薄膜が形成できる基板が求められているが実現できていない。また、上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする良質な単結晶薄膜を形成した薄膜基板が求められているが実現できていない。
このように従来からのサファイア基板を用いて作製される発光素子は発光効率が低く本来のIII−V族窒化物半導体の有する発光特性を十分に発現できているとは云いがたく、少なくともサファイア基板を用いて作製される発光素子の発光効率と同等以上のものが求められているが上記のようにサファイア基板に代わりその欠点を改善するために提案されてきた基板を用いて作製される発光素子もサファイア基板を用いて作製される発光素子より発光効率が向上しているとはいえず本来のIII−V族窒化物半導体の有する発光特性が十分に実現できていないという問題があった。
また、一方発光素子からの青色光、紫外線などの波長の短い光を所望の強さ、距離、位置に導くための光導波路として例えば特許第3119965に記載される方法が提案されている。この提案はシリコン、サファイアなどからなる単結晶基板に窒化アルミニウム薄膜による光導波路を形成する方法が開示されているが、青色光、紫外線などの波長の短い光の伝送性を得るために酸窒化アルミニウムやサイアロンなどからなるバッファ層を設ける必要がある。このような工夫はおそらく基板材料のシリコン、サファイアと窒化アルミニウムとの間に結晶格子不整合性や熱膨張率の違いがありその結果高い結晶性の窒化アルミニウム薄膜の形成が困難であり導波路の伝送損失が大きくなるためであろうと推測される。また、格子不整合性や熱膨張率の違い以外にもシリコン基板を用いた場合直接形成された窒化アルミニウム薄膜の屈折率がシリコンに比べて小さいため窒化アルミニウム薄膜中で光の全反射が生じないため導波路として機能しないことも大きな原因であろうと推測される。さらに、基板にシリコンを用いた場合電気絶縁性が小さくかつ誘電率が高いので直接基板上に電気回路が形成できにくく、発光素子が基板上に一体となって搭載できにくいという問題がある。また、基板にサファイアを使用する場合熱伝導率が小さいので高出力発光素子を搭載した場合放熱性に問題が生じる。
したがって、発光素子からの青色光、紫外線などの波長の短い光を透過し、素子駆動用などの電気回路が形成され、高出力発光素子が搭載可能な光導波路は満足なものが得られていないという問題があった。
本発明は上記に示したような課題を解決するためになされたものである。本発明者は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するための基板として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を中心に各種セラミック材料を主成分とする焼結体を検討し該セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いることで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする結晶性に優れた単結晶薄膜がクラックや剥離などがなく強固に固着した状態で直接形成できることを見出し特願2002−362783、特願2003−186175、特願2003−294259等にて提案してきた。また今回上記のように窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る窒化アルミニウムなどのセラミック材料を主成分とする焼結体には無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜など必ずしもエピタキシャル成長した単結晶薄膜ではない窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜であってもクラックや剥離などがなく強固に固着した状態で直接形成できることを見出した。さらにこのような各種結晶状態の薄膜をあらかじめ形成したセラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いこの基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を成長させた時クラックや剥離などがなく強固に固着した状態で形成でき、得られる該単結晶薄膜は窒化アルミニウムなどのセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成した単結晶薄膜より結晶性が優れていること、などを見出した。
また本発明において光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体にはより結晶性の優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し得ることが見出された。光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体には無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜など必ずしもエピタキシャル成長した単結晶薄膜ではない窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜も形成し得る。このような各種結晶状態の薄膜をあらかじめ形成した光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いればその上にはさらに結晶性の優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し得ることが見出された。
このように本発明においてセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性に優れた単結晶薄膜を形成できることが見出され、またセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いることで上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性に優れた単結晶薄膜を形成した薄膜基板が得られることが見出された。
上記の薄膜を形成していないセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体、あるいは上記セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板を用いることで従来からのサファイア基板を用いて作製される発光素子と比較して少なくとも同等以上、最大4〜5倍以上の発光効率を有する発光素子が製造できる。さらに上記薄膜基板を用いることで伝送損失が小さくかつ紫外光の伝送が低損失で可能な光導波路が製造できることが明らかとなった。また本発明において表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体にはエピタキシャル成長した単結晶薄膜及び無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜など各種結晶状態の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成し得ることが見出された。このような表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を用いることで従来からのサファイア基板を用いて作製される発光素子と比較して少なくとも同等以上の発光効率を有する発光素子が作製し得ることも見出された。
本発明において、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜状の単結晶とセラミック材料を主成分とする焼結体とは強固に一体化し、単結晶及びセラミック材料を主成分とする焼結体のそれぞれ単独ではなし得ない相乗効果を有する薄膜基板が実現し得ることが見出された。またこのようにセラミック材料を主成分とする焼結体と一体化された薄膜状の単結晶であっても従来からのサファイアや炭化珪素などの塊状やバルク状単結晶と同等かそれに近い高い結晶性を有するものが作製できることが見出された。
本発明において、発光素子などの電子素子、あるいは回路基板などの電子部品を作製する上で従来からのサファイアや炭化珪素などの塊状やバルク状などそれ自体独立で単結晶として存在し使用される材料では実現が困難であった特性を有する基板が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性に優れた薄膜状の単結晶とセラミック材料を主成分とする焼結体とを強固に一体化し、単結晶及びセラミック材料を主成分とする焼結体のそれぞれ単独ではなし得ない相乗効果を引き出すことにより実現し得ることが見出された。
本発明者はその他に、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、窒化ガリウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体には酸化水銀などのII族元素の酸化物膜材料などを介在させなくとも窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成し得ること、特に特定の表面状態あるいは表面粗さのものを用いることで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性の高い単結晶薄膜を形成できることを見出した。また、上記六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものはその上により結晶性のすぐれた単結晶薄膜が形成できることを見出した。
また、上記六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のなかで特定の組成を有する酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、窒化ガリウムを主成分とするものは単結晶薄膜を形成するために優れていることを見出した。また光透過性に優れたものが得られるので発光素子を作製するための基板として好ましいことを見出した。上記酸化亜鉛を主成分とする焼結体としてアルミニウム成分を含むもの、及び窒化ガリウムを主成分とする焼結体は導電性でかつ光透過性を有するのでこのような酸化亜鉛を主成分とする焼結体及び窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いれば発光効率の優れた発光素子が簡易な製造工程で作製し得ることを見出した。
本発明は上記のような炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板を含み、さらに六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板も含む。
また、本発明者はこのような炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体、あるいは窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜があらかじめ形成された炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子を含み、該発光素子の発光効率は少なくともサファイア基板を用いて作製される発光素子と比較して少なくとも同等以上、最大3〜4倍以上のものが製造できることを見出した。
また本発明者はその他に、例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものはその上により結晶性のすぐれた単結晶薄膜が形成できることを見出した。上記の酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものはその上に結晶性のすぐれた単結晶薄膜が形成できることを見出した。また、これらの各種セラミック材料を主成分とする焼結体は比較的容易に光透過性を有するものが作製できることも見出した。
また、本発明者は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体だけでなく例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などのセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子の発光効率は少なくともサファイア基板を用いて作製される発光素子と比較して少なくとも同等以上、最大2〜3倍以上のものが製造できることを見出した。
その他にも本発明者は比較的凹凸の多い表面状態のセラミック材料を主成分とする焼結体、言い換えれば表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子は同じセラミックを主成分とする材料であっても表面粗さの小さいものを用いて作製される発光素子に比べて発光効率が向上し易いことを見出した。
本発明は上記のようにセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するための薄膜形成用基板を含み、さらにセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板も含む。
また、本発明は上記のように光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための薄膜形成用基板を含み、さらに光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板も含む。
また、本発明は上記のように窒化アルミニウム及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するものだけでなく例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などのセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子も含む。
このように本発明は窒化アルミニウム及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するものだけでなく例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などのセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子も含む。
また、本発明は上記のように窒化アルミニウム及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するものだけでなく例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子も含む。
また、本発明は上記のように窒化アルミニウム及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するものだけでなく例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子も含む。
また、本発明は上記のように窒化アルミニウム及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するものだけでなく例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子も含む。
また、本発明は上記のように窒化アルミニウム及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するものだけでなく例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子も含む。
本発明は上記のように単結晶あるいは特定の結晶方位を有する配向性多結晶に比べて不均質であるセラミック材料を主成分とする焼結体であっても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成でき、その結果該単結晶薄膜が形成された薄膜基板が比較的容易に製造できることを見出すことによってなされた。なお、各種セラミック材料を主成分とする焼結体にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものを用いても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする同様に単結晶薄膜が形成でき、その結果該単結晶薄膜が形成された薄膜基板が比較的容易に製造できる。
さらに、本発明者は上記のように単結晶あるいは特定の結晶方位を有する配向性多結晶に比べて不均質であるセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子であってもその発光効率は従来からのサファイアなどのバルク状単結晶基板を用いて作製される発光素子と比較して少なくとも同等以上、最大4〜5倍以上のものが製造できることを見出した。セラミック材料を主成分とする焼結体にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたものを用いて作製される発光素子であってもその発光効率はサファイア基板を用いて作製される発光素子と比較して少なくとも同等以上、最大4〜5倍以上のものが製造できることを見出した。
本発明者は上記のように鋭意研究した結果本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するための基板であって、該基板がセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板、である。
また本発明は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板が光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板、である。
また本発明は、上記薄膜形成用基板に用いられるセラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする薄膜形成用基板、である。
また本発明は、上記薄膜形成用基板に用いられるセラミック材料を主成分とする焼結体が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体であることを特徴とする薄膜形成用基板、である。
また本発明は、上記薄膜形成用基板に用いられるセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする薄膜形成用基板、である。
また本発明は、上記薄膜形成用基板に用いられるセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする薄膜形成用基板、である。
また本発明は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板の製造方法であって、該基板が原料として酸化アルミニウムの還元法によるもの及び金属アルミニウムの直接窒化法によるもののなかから選ばれたいずれかをそれぞれ単独で用いるかあるいは酸化アルミニウムの還元法によるもの及び金属アルミニウムの直接窒化法によるものを混合して用いるか少なくともいずれかの原料を用いて製造される窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板の製造方法、である。
また本発明は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板の製造方法であって、該基板が窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体を非酸化性雰囲気中1500℃以上の温度で10分間以上焼成することで得られる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板の製造方法、である。
また本発明は、希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が元素換算で合計0.5重量%以下、酸素含有量が元素換算で0.9重量%以下、結晶相としてAlNを95%以上、窒化アルミニウム粒子の大きさが5μm以上、かつ光透過性を有することを特徴とする窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、である。
また本発明は、少なくともアルミニウム成分を含みかつ光透過性を有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体、である。
また本発明は、光透過性を有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体、である。
また本発明は、導電性を有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体、である。
また本発明は、光透過性を有しかつ導電性を有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体、である。
また本発明は、アルカリ土類金属及び希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体、である。
また本発明は、亜鉛、カドミウム、ベリリウム、マグネシウム、炭素、珪素、ゲルマニウム、セレン、及びテルルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体、である。
また本発明は、アルミニウム、インジウム、及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体、である。
また本発明は、遷移金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体、である。
また本発明は、酸素含有量10重量%以下の窒化ガリウムを主成分とする粉末、である。
また本発明は、平均粒径10μm以下の窒化ガリウムを主成分とする粉末、である。
また本発明は、金属ガリウムと窒素含有物質とを窒化反応せしめることを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする粉末の製造方法、である。
また本発明は、酸化ガリウムを還元剤及び窒素含有物質とを用いて窒化反応せしめることを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする粉末の製造方法、である。
また本発明は、気体状のガリウム化合物を窒素含有物質と窒化反応せしめることを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする粉末の製造方法、である。
また本発明は、セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板、である。
また本発明は、光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板、である。
また本発明は、上記薄膜基板に用いられるセラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする薄膜基板、である。
また本発明は、上記薄膜基板に用いられるセラミック材料を主成分とする焼結体が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体であることを特徴とする薄膜基板、である。
また本発明は、上記薄膜基板に用いられるセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする薄膜基板、である。
また本発明は、上記薄膜基板に用いられるセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする薄膜基板、である。
また本発明は、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜により光導波路が形成されていることを特徴とする薄膜基板、である。
また本発明は、セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成した薄膜基板の製造方法であって、該薄膜がガリウム、インジウム、アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上のを含む有機化合物を主原料としアンモニア、窒素、水素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を反応ガスとして形成されるものであることを特徴とする薄膜基板の製造方法、である。
また本発明は、セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成した薄膜基板の製造方法であって、該薄膜がガリウム、インジウム、アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むハロゲン化物を主原料としアンモニア、窒素、水素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を反応ガスとして形成されるものであることを特徴とする薄膜基板の製造方法、である。
また本発明は、光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した薄膜基板の製造方法であって、該薄膜がガリウム、インジウム、アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む有機化合物を主原料としアンモニア、窒素、水素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を反応ガスとして形成されるものであることを特徴とする薄膜基板の製造方法、である。
また本発明は、光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した薄膜基板の製造方法であって、該薄膜がガリウム、インジウム、アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むハロゲン化物を主原料としアンモニア、窒素、水素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を反応ガスとして形成されるものであることを特徴とする薄膜基板の製造方法、である。
また本発明は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分としさらにニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むことを特徴とする光導波路、である。
また本発明は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体がセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子、である。
また本発明は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子、である。
また本発明は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子、である。
また本発明は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子、である。
また本発明は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子、である。
また本発明は、上記発光素子に用いられるセラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする発光素子、である。
また本発明は、上記発光素子に用いられるセラミック材料を主成分とする焼結体が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体であることを特徴とする発光素子、である。
また本発明は、上記発光素子に用いられる六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体であり該六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする発光素子、である。
また本発明は、上記発光素子に用いられるセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする発光素子、である。
上記本発明について項1〜項1727において詳細を説明した。
本発明により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜あるいは各種結晶状態の薄膜が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、あるいは各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の上に形成できることが示された。この単結晶薄膜は発光素子の一部として使用、あるいは光導波路として使用できる程度の高い結晶性を有する。このような窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板あるいは各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及び該基板に単結晶薄膜あるいは各種結晶状態の薄膜が形成された薄膜基板は、いずれの基板を用いてもその上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする窒化物半導体からなる発光素子が作製可能となった。この発光素子の発光効率は従来からのサファイアなどのバルク状単結晶基板を用いて作製される発光素子と比較して発光効率が少なくとも同等か、最大4〜5倍以上と大きく向上できた。したがって従来困難と考えられていた家庭用の照明などの一般照明に発光素子が用いられる道が実質的に開かれた。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成された窒化アルミニウムを主成分とする薄膜を用いることにより紫外光を低損失で伝送できる光導波路が作製できるようになった。このように本発明による窒化アルミニウムをはじめとする各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及び該基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜あるいは各種結晶状態の薄膜が形成された薄膜基板は、上記のような発光素子あるいは光導波路をはじめその他に薄膜をフィールドエミッション材料として用いたディスプレイ、表面弾性波素子、あるいは回路基板など広範な用途に応用できるので産業上に与える効果は大きい。
また、本発明による基板を用いて発光素子を製造する場合の効果をまとめるとは次の通りである。
1)基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性が高いため発光素子の発光効率が高まる。
2)基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶方位を制御できる。
3)光透過率の高い基板を用いることができるの発光素子からの光が基板にあまり吸収されることなく素子外部に効率よく放出でき発光素子の発光効率が向上する。
4)基板の熱伝導率が高いので発光素子に高い電力が印加でき発光素子の発光出力を高めることができる。
5)基板の熱膨張率が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜と近いので該単結晶薄膜に熱膨張率差による転位や亀裂などの発生が少なくなり発光素子の発光効率が高まる。
6)基板に上下面を電気的に接続するための導通ビアを設けることができ、さらに導電性の酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用いることができるので発光素子のP及びN電極を素子の片面だけでなく素子の上下面に配置できる。したがって電極を形成するために素子の一部をエッチングする必要がなく、基板を切断するだけでそのまま素子が作製でき製造工程が簡略化される上にエッチング中に生じやすい素子のダメージの恐れが減少する。
7)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする窒化物半導体からなる発光素子の発光効率が従来からのサファイアなどの単結晶基板を用いたものと少なくとも同等か、最大4〜5倍以上に向上した上、基板がセラミック材料を主成分とする焼結体であるためより従来からのサファイアなどの単結晶基板を用いたもの安いコストで製造できる。
本発明の意義と目的は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性に優れた薄膜状の単結晶とセラミック材料を主成分とする焼結体とを一体化することで単結晶及びセラミック材料を主成分とする焼結体それぞれ単独ではなし得ない相乗効果を引き出し、従来からのサファイアや炭化珪素などの塊状やバルク状などそれ自体独立で単結晶として存在し使用される材料では実現が困難であった優れた機能を有する基板及び該基板を用いた発光素子などの電子素子、あるいは回路基板などの電子部品を提供することにある。またこのような効果をもたらすセラミック材料を主成分とする焼結体を提供することにある。
本発明は大きく見ればセラミック材料を主成分とする焼結体を用いた薄膜基板及び該基板を用いた電子素子に関するものであるがより詳しく見れば、1.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜を形成するための基板、2.上記単結晶薄膜形成用基板の材料、3.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成された薄膜基板、4.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜により構成される光導波路、5.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜により構成される発光素子、に関するものであり基板の材料として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体など各種セラミック材料を主成分とする焼結体を用いた点に特徴がある。
さらに本発明は、6.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜を形成するための基板、7.上記薄膜形成用基板の材料、8.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜が形成された薄膜基板、9.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜により構成される光導波路、10.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜により構成される発光素子、に関するものであり基板の材料として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体など光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いた点に特徴がある。
すなわち、上記1.〜10.に関する発明は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体など各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする結晶性に優れた単結晶薄膜が形成できるという現象を見出すことによって実現され、さらに窒化アルミニウムを主成分とする焼結体など各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする結晶性に優れた単結晶薄膜を形成していく検討の過程で新たに見出された現象に基づいて完成されたものである。以下、上記1.〜10.に示された本発明について詳細に説明していく。
上記のように本発明において薄膜形成用基板は、セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなるが、さらに1)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体、2)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体、が含まれる。より具体的に言えば、3)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体をそのまま基板として用いたもの、4)六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体をそのまま基板として用いたもの、だけではなく5)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたものをさらに薄膜形成用基板として用いたもの、あるいは6)六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたものをさらに薄膜形成用基板として用いたもの、その他にも7)例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体をそのまま薄膜形成用基板として用いたもの、また8)例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたものをさらに薄膜形成用基板として用いたもの、なども含まれる。
本発明による薄膜形成用基板は上記のように、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するための基板であって、該基板がセラミック材料を主成分とする焼結体からなるもの、及び窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板が光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなるもの、である。そのうちセラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されるものであるが、該セラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板には単結晶の他に無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものも形成し得る。
上記本発明による薄膜基板は、セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されていることを特徴とするもの、及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されていることを特徴とするものであるがより具体的に言えば、1)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されたもの、あるいは2)六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されたもの、その他に3)例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されたもの、4)光透過性を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたもの、あるいは5)光透過性を有する六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたもの、その他にも6)例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などを主成分とする光透過性を有する焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板を含む。
上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいは六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体、あるいは酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などのセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は通常単結晶であるが、その他にも無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態のものも形成し得る。また、上記薄膜は単一層だけでなく例えば単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態のものもあらかじめセラミック材料を主成分とする焼結体に形成しさらにその上に単結晶薄膜を形成するといった2以上の層からなる薄膜も用いることができる。通常単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態のものもあらかじめ形成しさらにその上に形成した単結晶薄膜の結晶性はセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成したものより向上し易いので好ましい。
本発明において、上記薄膜基板を窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための薄膜形成用基板として用いることができる。
なお、上記セラミック材料を主成分とする焼結体として用いる結晶化ガラスとは例えば硼珪酸ガラス(通常SiO及びBを主成分とし、その他にAl、CaO、BaO、PbOなどの成分を含む)などのガラス母体(ガラスマトリックス)中にコージエライト、アノールサイト(灰長石)、コランダム(Al)、ムライト(3Al・2SiO)、ウォラストナイト(CaO・SiO)、珪酸マグネシウム(MgO・SiO)などの結晶成分が存在している構造を有しているものである。結晶化ガラスは通常ガラス粉末に適宜アルミナ粉末、シリカ粉末、マグネシア粉末、炭酸カルシウム粉末、炭酸バリウム粉末、酸化硼素粉末、酸化鉛粉末などを加え、さらに要すればTiO、ZrO、SnO、ZnO、LiOなどの成分を加えて混合し、一軸プレス法やシート成形法などで粉末成形体となし、その後焼成して上記粉末成形体を焼き固める方法により作製される。製造の際上記TiO、ZrO、SnO、ZnO、LiOなどの成分を適宜加えたものを焼成すれば結晶化が促進される場合が多い。その他に結晶化ガラスは溶融して成形したガラス成形体を熱処理し、該ガラス成形体中に結晶を析出させる方法などによっても作製し得る。
本発明による薄膜形成用基板及び薄膜基板に用いるセラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体における「セラミック材料」とは焼結体を構成する材料が無機材料を主成分とするものであることを意味する。該無機材料は通常金属元素及び半金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素と非金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素との組成物あるいは化合物、あるいは金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素と半金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素との組成物あるいは化合物、あるいは半金属元素のうちから選ばれた少なくともいずれか2種以上の元素との組成物あるいは化合物を主成分とするものからなる。上記非金属元素としては通常窒素、りん、酸素、硫黄、ハロゲン元素(フッ素、塩素、臭素、沃素、アスタチン)などが好適に用いられる。半金属元素としては通常ほう素、炭素、珪素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレン、テルル、ポロニウムなどが好適に用いられる。上記セラミック材料は通常無機化合物を主成分とするものであり、これらのセラミック材料は結晶質のものであってもよいしあるいは例えばガラスなどの非晶質状態のものであってもよいしあるいは結晶質のものと非晶質のものとが混在したものであってもよい。上記セラミック材料は通常窒化物、炭化物、酸化物、硼化物、珪化物などの化合物あるいは組成物を主成分とするものである。これらの化合物あるいは組成物をより具体的に示せば例えば窒化アルミニウム、六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する化合物(例えば炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなど)、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などである。
なお、本発明において上記セラミック材料としては主成分である無機材料以外に金属、合金、金属間化合物、有機物質、有機化合物、有機樹脂、その他に例えばハロゲン元素あるいはカルコゲン元素などの非金属などを含有するもの含まれる。
本発明において、上記セラミック材料を主成分とする焼結体は光透過性を有するものが好ましく、該セラミック材料を主成分とする焼結体に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性が向上し易くなるので好ましい。
上記で示した本発明による薄膜形成用基板及び薄膜基板はその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜を形成して発光素子を作製するための基板として用いることができる。またそれ以外にも上記エピタキシャル成長した薄膜をフィールドエミッション材料として作製するための基板としても用いられる。上記薄膜基板はその上にさらに薄膜や単結晶薄膜を形成せずもともと形成されている薄膜を適宜加工して光導波路や表面弾性波素子用などの圧電膜や電気回路基板用の絶縁膜や誘電膜などにも用い得る。
本発明による窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するための基板は窒化アルミニウムなどセラミック材料を主成分とする焼結体であってバルク状単結晶や配向性多結晶体ではない。なおバルク状単結晶とは基板など他の材料に形成された状態でしか単結晶として存在し得ないものではなく自己だけの状態で単結晶として存在し得るものを意味する。したがって大きさには関係なく薄い膜状や小さな粒状であっても仮に基板に形成されるなど他の材料と共存している状態のものであっても自己だけの状態で存在し得るものであればバルク状単結晶である。また、配向性多結晶とは構成材料の結晶が特定の結晶軸方位に向きかつそれ以外の結晶軸方位に対してはでたらめな方向を向いている多結晶であり、バルク状単結晶とは異なる。また、例えば焼結体など構成材料の結晶がでたらめな結晶方位を向いている通常の多結晶とも異なる。
本発明による窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板は焼結体であるため主成分の窒化アルミニウム結晶の方位はでたらめでありあらゆる結晶軸方位の窒化アルミニウム微結晶粒子からなっている。また、本発明による薄膜形成用基板は上記窒化アルミニウム以外に例えば炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ベリリウムなどの六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料、あるいはその他に例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体であるためその結晶方位はでたらめでありあらゆる結晶軸方位の微結晶粒子からなっている。したがって上記本発明による基板に単一波長の特性X線を照射しX線回折を行うとバルク状単結晶や配向性多結晶であれば特定の結晶格子面からの回折線だけしか出現しないが本発明による基板は消滅則によってもともとは出現し得ない回折線を除いてあらゆる回折線が出現するので明らかに区別できる。本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいは例えば炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ベリリウムなどの六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料、あるいはその他に例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体はX線回折を行うと上記のような特性を示す多結晶体であるが、このような焼結体は窒化アルミニウム、あるいは例えば炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ベリリウムなどの六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料、あるいはその他に例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする原料粉末とその他必要に応じて焼結助剤や有機バインダーあるいは溶媒などとを混合しその後金型プレス、ラバープレス、鋳込み成形、シート成形、などの方法で目的に応じた形状に成形し必要に応じて脱バインダーなどの予備焼成を行い最後に高温焼成することにより製造され、その結果原料粉末同士が焼き固められて緻密化し微細な窒化アルミニウム結晶粒子、あるいは例えば炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ベリリウムなどの六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料の微細な結晶粒子、あるいはその他に例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料の微細な結晶粒子、を主成分に構成された多結晶体となしたものである。
本発明による単結晶薄膜はセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成され基板と膜の状態で固着一体化したものであって2次元的な面状の広がりを有しそれ自体単独ではなく基板と一体化した状態で存在し機能を発現し得る点に特徴があり、3次元的な寸法を有しそれ自体で独立して存在し機能を発現し得るバルク状単結晶とは異なる。
従来から塊状やバルク状といった比較的大型で3次元の寸法で表わされ得る単結晶を例えば昇華法などによって基板上に成長させる場合は基板の組成や材質あるいは基板の内部組織あるいは表面状態などの影響をあまり受けずに比較的容易に結晶性に優れたものが作製できる場合が多い。また基板に形成されていたとしても形成された該塊状やバルク状単結晶は基板から切り離し得るものであり、それ自体で独立して存在しそして機能し得る。それに対して本発明による面状の2次元的な広がりを持った膜状の単結晶はセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に固着した状態で存在しそして機能するものであるが、このようなセラミック材料を主成分とする焼結体と固着した薄膜状の単結晶を形成しようという試みは少なく、仮に有ったとしても通常薄膜の厚みは300μm未満通常は100μm〜200μm以下程度と薄く多結晶体であるセラミック材料を主成分とする焼結体の組成や材質あるいは不均質な内部組織あるいは表面状態などの影響を受け易く結晶方位の不揃いなすなわち結晶性の低い例えば無定形あるいは多結晶薄膜あるいは配向性多結晶薄膜となり易いので単結晶の薄膜が形成されにくい。また膜状の単結晶の内部構造とセラミック材料を主成分とする焼結体の内部組織が異なるなどの理由で形成された単結晶薄膜にクラックや欠陥が生じたり、該単結晶薄膜とセラミック材料を主成分とする焼結体との界面で剥離などが生じ易かった。また、例えば上記昇華法などの方法は塊状やバルク状など単独で大型の単結晶を得る方法としては適していると思われるが結晶成長が高温で行われるため歪みが生じ易く基板に薄膜状の単結晶を成長させたとき該薄膜状の単結晶及び基板にクラックや剥離などの不具合が生じ易いという欠点がある。したがって基板と一体化した状態の薄膜状の単結晶を作製することは困難であった。そのような状況において本発明によりセラミック材料を主成分とする焼結体に対して直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が該焼結体に強固に固着、一体化され上記クラックや欠陥あるいは剥離など無い状態で形成し得ることが可能となった。このように本発明により薄い膜状の単結晶であってもセラミック材料を主成分とする焼結体と強固に固着し一体化が行われ得ることが明らかとなった。さらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする例えば単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜をあらかじめ形成したセラミック材料を主成分とする焼結体を用いることでその上にはさらに優れた結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が強固に一体化され上記クラックや欠陥あるいは剥離など無い状態で形成し得ることが明らかとなった。またこのようにして形成される単結晶薄膜は比較的厚みの厚い例えば100μm〜200μmより厚いものであっても結晶性に優れたものが形成し得る。このような単結晶薄膜の結晶性の向上が見られるのはおそらくあらかじめ上記各種結晶状態の薄膜を形成しておくことで多結晶体であるセラミック材料を主成分とする焼結体の組成や材質あるいは内部組織あるいは表面状態などの影響を受けにくくなり従ってより結晶性に優れた単結晶薄膜が成長し易くなるものと思われる。本発明はこのようなセラミック材料を主成分とする焼結体を用いた薄膜形成用基板を提供するものである。また本発明は、セラミック材料を主成分とする焼結体と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするより結晶性の高い単結晶薄膜とが強固に一体化した薄膜基板をも提供するものである。
本発明において、光透過性の窒化アルミニウムなど各種セラミック材料を主成分とする焼結体にはより結晶性の優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し得る場合が多く、また比較的厚みの厚い例えば100μm〜200μmより厚い薄膜であっても比較的高い結晶性のものが形成し得る場合が多い。通常光透過性の窒化アルミニウムなど各種セラミック材料を主成分とする焼結体は光透過性を有しないものに比べて比較的純度が高く焼結体内部組織は比較的均質である場合が多いことからも上記の推察が間接的に成り立つのではないかと思われる。すなわち多結晶体である窒化アルミニウムなど各種セラミック材料を主成分とする焼結体に強固に固着し一体となった窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜状の単結晶は塊状やバルク状の単結晶を作製する場合と異なり該焼結体の組成や材質あるいは内部組織あるいは表面状態などの影響を受け易いと思われる。本発明においては光透過性のセラミック材料を主成分とする焼結体を用いることで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするより結晶性の高い面状の単結晶薄膜が該焼結体に強固に一体化した状態で提供できる。さらに、より結晶性の高い単結晶薄膜を得るために窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜をあらかじめ形成した光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体も好適に用いることができる。本発明はこのような光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いた薄膜形成用基板を提供するものである。また本発明は、光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするより結晶性の高い単結晶薄膜とが強固に一体化した薄膜基板をも提供するものである。
上記のように塊状やバルク状といった比較的大型で3次元の寸法で表わされ得る単結晶は、例えば通常昇華法などのように雰囲気の圧力やガス組成などを制御しながら比較的高温で素材の融点や分解温度に近い温度(例えば炭化珪素を主成分とするバルク状単結晶の場合は2000℃〜2600℃程度、窒化アルミニウムを主成分とするバルク状単結晶の場合1700℃〜2200℃程度)のおそらく平衡に近い状態で単結晶素材そのものを含む原料(例えば7炭化珪素を主成分とするバルク状単結晶の場合は炭化珪素粉末、窒化アルミニウムを主成分とするバルク状単結晶を作製する場合は窒化アルミニウム粉末)を加熱し素材そのものを昇華した後単結晶として析出させるといった方法で作製される場合が多く、基板の材質や基板の内部組織あるいは表面状態などの影響をあまり受けずに比較的容易に単独で結晶性に優れた大型の単結晶が作製できる場合が多い。これは恐らく上記塊状やバルク状の単結晶を昇華法で基板上に成長させる場合平衡に近い状態で単結晶が行われるため昇華物質そのものが種結晶となり易いので基板の影響をあまり受けずに結晶性の高い単結晶が成長するものと思われる。また例えば引き上げ法などでサファイアを作製する場合などは原料のアルミナを溶融して単結晶を育成するため平衡に近い状態で該単結晶が作製される。一方本発明による2次元的な広がりを持った薄膜状の単結晶をセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に固着し一体化した状態で形成する場合、該薄膜状の単結晶の結晶性をより高め易くするためにMOCVD(有機金属化学気相分解成長)法やMOVPE(有機金属気相エピタキシャル成長)法あるいはハライドVPE(ハロゲン化物気相エピタキシャル成長)法などで通常作製される。このような方法において通常基板温度は最高1500℃程度であり該形成法や単結晶組成によって単結晶化し易い基板温度範囲があり、さらに単結晶薄膜形成用の原料も目的とする組成の中の金属成分を含む化合物(窒化ガリウムの場合はガリウム成分を含む化合物、例えばトリメチルガリウムなど、あるいは窒化インジウムの場合はインジウム成分を含む化合物、例えばトリメチルインジウムなど、あるいは窒化アルミニウムの場合はアルミニウム成分を含む化合物、例えばトリメチルアルミニウムなど)が用いられる場合が多くこのような化合物は一旦分解されてその後窒化反応により目的とする組成となし単結晶薄膜を得るという過程を経るため非平衡状態で単結晶薄膜の形成が行われ易いので条件により結晶性の低い例えば無定形あるいは多結晶薄膜あるいは配向性多結晶薄膜となる場合がある。また、スパッタリング法やイオンプレーティング法あるいは蒸着法などが薄膜形成用の原料として分解・反応などの過程を経ない薄膜組成そのものを用いて薄膜形成を行う方法として使用し得るが通常基板温度は600℃〜700℃以下程度の低温で行われるなど、薄膜形成が非平衡状態で行われるため形成される薄膜は単結晶とはなりにくく結晶性の低い例えば無定形あるいは多結晶薄膜あるいは配向性多結晶薄膜となり易い。上記のように基板に形成される薄膜状の単結晶は3次元的な大きさを有する塊状やバルク状の単結晶と比較して結晶性が小さくなり易い。またクラックや剥離など欠陥が生じ易い。本発明は上記で示したように結晶性が小さくなり易く、欠陥などが生じ易い傾向を有する薄膜状の単結晶であっても塊状やバルク状の単結晶と同等に近い比較的高い結晶性を有しさらにクラックや基板との間の剥離などの欠陥の少ないものを提供し得る方法を提示したものである。本発明により例えば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜として厚み300μm未満通常200μm程度のものだけでなく0.1nm程度の薄いものであっても好適に形成し得るようになった。
上記のように本発明において、セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成し得る。さらにより結晶性の高い単結晶薄膜をセラミック材料を主成分とする焼結体に形成しようとする場合は、例えば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体を用いる、あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いる、あるいは窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いる、といった方法などを用いることが好ましい。
より詳しく言えば、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体を用いる方法の場合、該窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜として無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものを好適に用いることができる。これらの結晶状態を有する薄膜のうち少なくとも一部が単結晶であるものが好ましい。また、これらの薄膜として1層だけからなるものを用いることができる。また、これらの薄膜として少なくとも2以上の層からなるものも用いることができる。また、この2以上の層からなる薄膜において各層がそれぞれ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものを好適に用いることができる。また、この2以上の層からなる薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものを用いることができる。また、この2以上の層からなる薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものを用いることができる。また、この2以上の層からなる薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が配向性多結晶であるものを用いることができる。また、この2以上の層からなる薄膜において少なくとも1層が単結晶であるものを用いることができる。また、この2以上の層からなる薄膜において最上層の薄膜が単結晶であるものが好ましい。最上層の薄膜が単結晶であればその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性の優れた薄膜が形成し得る。また、セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが300μm未満通常は200μm以下であるものを用いることが好ましい。セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された該単結晶薄膜層のより好ましい厚みは100μm以下である。また、セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜として少なくとも0.1nm以上の厚みを有するものを用いることが好ましい。これは薄膜にピンホールや結晶の乱れなどに起因する欠陥を防止する上で好ましい。薄膜が2以上の層の薄膜層からなる場合各薄膜層の厚みがそれぞれ0.1nmより薄い場合であってもすべての薄膜層を合計した厚みが0.1nm以上であれば上記の欠陥が生じにく。より好ましい厚みは0.5nm以上であり0.3μm以上の厚みのものがさらに好ましい。また厚み3.5μm以上、あるいは10μm以上、あるいは50μm以上の薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体も薄膜形成用基板として好適に用いることができる。また、セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜として少なくとも窒化ガリウムを含むものを用いることができる。より具体的には、セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜として少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を有するものを用いることができる。さらに、セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜として窒化ガリウムを主成分とするものを用いることができる。例えば上記の少なくとも窒化ガリウムを含む薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体を用いた場合その上には結晶の優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し易くなり、上記の少なくとも窒化ガリウムを含む薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製すればより発光効率の高いものが作製し得るようになる。窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜には窒化ガリウム成分の他に例えば窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分やSiやMgなどのドーピング成分が含まれている薄膜であってもよい。なお、上記の「少なくとも窒化ガリウムを含む薄膜」についてより具体的に説明すれば、本発明によるセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするものであるがこれを例えば化学式AlGaIn1−x−yNで表わしたとき「少なくとも窒化ガリウムを含む薄膜」とは0<y≦1の組成を有するもの(すなわち0≦x<1、0≦1−x−y<1)を意味する。通常窒化ガリウムを主成分とする薄膜とは窒化ガリウム成分を50モル%以上含むものである。また、セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜として少なくとも単結晶を含むもの用いる場合該単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下の結晶性であることが好ましく、300秒以下であることがより好ましい。また240秒以下のもの、あるいは200秒以下、あるいは150秒以下、あるいは130秒以下のものがさらに好ましく、100秒以下のものが最も好ましい。
また、光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いる方法の場合、通常光透過率1%以上のセラミック材料を主成分とする焼結体を用いることができる。また、光透過率10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、さらに光透過率80%以上及び85%以上のものも用いることができる。
また、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いる方法の場合、該窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜として無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものを好適に用いることができる。これらの結晶状態を有する薄膜のうち少なくとも一部が単結晶であるものが好ましい。また、光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜は少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を有するものを用いることができる。また、これらの薄膜として1層だけからなるものを用いることができる。また、これらの薄膜として少なくとも2以上の層からなるものも用いることができる。また、この2以上の層からなる薄膜において各層がそれぞれ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものを好適に用いることができる。また、この2以上の層からなる薄膜において光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものを用いることができる。また、この2以上の層からなる薄膜において光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものを用いることができる。また、この2以上の層からなる薄膜において光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が配向性多結晶であるものを用いることができる。また、この2以上の層からなる薄膜において少なくとも1層が単結晶であるものを用いることができる。また、この2以上の層からなる薄膜において最上層の薄膜が単結晶であるものが好ましい。最上層の薄膜が単結晶であればその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性の優れた薄膜が形成し得る。また、光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが300μm未満通常は200μm以下であるものを用いることが好ましい。光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された該単結晶薄膜層のより好ましい厚みは100μm以下である。また、光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜として少なくとも0.1nm以上の厚みを有するものを用いることが好ましい。これは薄膜にピンホールや結晶の乱れなどに起因する欠陥を防止する上で好ましい。薄膜が2以上の層の薄膜層からなる場合各薄膜層の厚みがそれぞれ0.1nmより薄い場合であってもすべての薄膜層を合計した厚みが0.1nm以上であれば上記の欠陥が生じにく。より好ましい厚みは0.5nm以上であり0.3μm以上の厚みのものがさらに好ましい。また厚み3.5μm以上、あるいは10μm以上、あるいは50μm以上の薄膜を形成した光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体も薄膜形成用基板として好適に用いることができる。光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜として少なくとも窒化ガリウムを含むものを用いることができる。より具体的には、光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜は少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を有するものを用いることができる。さらに、光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜として窒化ガリウムを主成分とするものを用いることができる。例えば上記の少なくとも窒化ガリウムを含む薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体を用いた場合その上には結晶の優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し易くなり、上記の少なくとも窒化ガリウムを含む薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製すればより発光効率の高いものが作製し得るようになる。窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜には窒化ガリウム成分の他に例えば窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分やSiやMgなどのドーピング成分が含まれている薄膜であってもよい。なお、上記の「少なくとも窒化ガリウムを含む薄膜」についてより具体的に説明すれば、本発明による光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするものであるがこれを例えば化学式AlGaIn1−x−yNで表わしたとき「少なくとも窒化ガリウムを含む薄膜」とは0<y≦1の組成を有するもの(すなわち0≦x<1、0≦1−x−y<1)を意味する。通常窒化ガリウムを主成分とする薄膜とは窒化ガリウム成分を50モル%以上含むものである。また、光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜として少なくとも単結晶を含むもの用いる場合該単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下の結晶性であることが好ましく、300秒以下であることがより好ましい。また240秒以下のもの、あるいは200秒以下、あるいは150秒以下、あるいは130秒以下のものがさらに好ましく、100秒以下のものが最も好ましい。
なお本発明においては、たとえ光透過性の小さいセラミック材料を主成分とする焼結体、例えば光透過率が1%より小さいセラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過率0%のセラミック材料を主成分とする焼結体であっても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成し得る。例えばこのような光透過性の小さいセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成することによりより結晶性の高い単結晶薄膜を形成し得る。
上記のように本発明による薄膜形成用基板はセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなるが、さらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体及び窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体、が含まれる。また、薄膜基板はセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したもの、及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものである。上記セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体は少なくとも窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいは六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体、あるいは酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、のうちから選ばれた少なくとも1種以上の材料からなる焼結体、などが少なくとも含まれる。また、上記六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体には酸化亜鉛を主成分とする焼結体、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体、炭化珪素を主成分とする焼結体、窒化珪素を主成分とする焼結体、窒化ガリウムを主成分とする焼結体、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体を含む。
上記説明した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板において、形成された薄膜は単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものが用い得るが、これらの薄膜は単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態がそれぞれ単独で存在しているものだけでなく各結晶状態のものが少なくとも2以上同時に存在しているものであってもよい。すなわち例えば各結晶状態の薄膜が明確な層を形成せず2以上の結晶状態で混在しているものようなものであってもよい。より具体的に言えば例えば無定形と配向性多結晶、あるいは配向性多結晶と単結晶、あるいは無定形と単結晶、あるいは無定形と多結晶、など明確な層を形成せずあたかも単一の層として存在しているようなものであってもよい。又例えばセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が単一層あるいは少なくとも2以上の層からなる場合、該薄膜の少なくとも1以上の層が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれか2以上の結晶状態が同時に混在しているものであってもよい。
また、上記薄膜基板においてセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体に形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものが用い得るが、これらの薄膜は単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態がそれぞれ単独で存在しているものだけでなく各結晶状態のものが少なくとも2以上同時に存在しているものであってもよい。すなわち例えば各結晶状態の薄膜が明確な層を形成せず2以上の結晶状態で混在しているものようなものであってもよい。より具体的に言えば例えば無定形と配向性多結晶、あるいは配向性多結晶と単結晶、あるいは無定形と単結晶、あるいは無定形と多結晶、など明確な層を形成せずあたかも単一の層として存在しているようなものであってもよい。
本発明において窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みとして例えば200μmより厚いものであってもセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成し得るが薄膜の厚みを厚く形成すれば該単結晶薄膜の結晶性は小さくなり易い傾向があるためセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成する場合は厚みとして例えば300μm未満通常は200μm以下と薄い状態で形成することが結晶性に優れた単結晶薄膜を得る上では好ましい。セラミック材料を主成分とする焼結体に上記のような例えば200μmより厚みの厚い単結晶薄膜を形成しようとする場合は、上記で示したように例えば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体を用いるか、あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いるか、あるいは窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いる、といった方法などを用いることが好ましい。
本発明においてセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体を形成して発光素子を作製すれば、従来からのサファイアなどのバルク状単結晶を用いて作製した発光素子に比べて少なくとも同等かより優れた発光効率を有する発光素子が提供し得る。さらに、該セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体として窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものを用いればより優れた発光効率を有する発光素子が作製し得る。また、上記薄膜の中で少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とするものを形成した該セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いることによりさらに優れた発光効率を有する発光素子が作製し得る。
本発明において上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製する方法において、薄膜として単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものが用い得るが、通常表面の(最上層の)薄膜すなわち上記発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体を直接形成する薄膜は単結晶であることが好ましく、より優れた発光効率を有する発光素子が作製し得る。
また、セラミック材料を主成分とする焼結体として通常平均表面粗さRa2000nm以下の表面状態を有するものを用いることで比較的結晶性に優れた単結晶薄膜を形成することができる。このような表面状態は通常セラミック材料を主成分とする焼結体の焼成されたそのままの表面〔焼き放し(as−fire)表面〕、ラップ研磨された表面、ブラスト研磨された表面、鏡面研磨された表面、化学腐食された表面及びプラズマガスにより腐食された表面、あるいは溝切りなど機械的な加工が施された表面などにおいて得ることができる。本発明において上記表面状態を有するセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いその上に発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体を形成して発光素子を作製することにより、従来からのサファイアなどのバルク状単結晶を用いて作製した発光素子に比べて少なくとも同等かより優れた発光効率を有する発光素子が提供し得る。
また、本発明においてはセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体として表面粗さの大きいものであっても比較的結晶性に優れた単結晶薄膜を形成することができる。例えば表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体としては平均表面粗さRa70nm以上のものがであっても該焼結体には比較的結晶性に優れた単結晶薄膜を形成することができる。さらにRa2000nmより大きい平均表面粗さを有するセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体であっても比較的結晶性に優れた単結晶薄膜を形成することができる。このような表面状態は通常セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の焼成されたそのままの表面〔焼き放し(as−fire)表面〕、ラップ研磨された表面、ブラスト研磨された表面、化学腐食された表面及びプラズマガスにより腐食された表面、あるいは溝切りなど機械的な加工が施された表面などにおいて得ることができる。本発明においてセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いその上に発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体を形成して発光素子を作製する場合、該セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体としては上記で例示した表面粗さの大きいものを用いることにより該発光素子の発光効率をより高め得る。通常表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体として平均表面粗さがRa70nm以上のものを用いることが好ましい。また、平均表面粗さがRa1000nmより大きいものさらにRa1000nmより大きいものも用い得、発光効率のより高い発光素子が作製し得る。
本発明において上記平均表面粗さRa2000nm以下あるいは表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする比較的結晶性に優れた単結晶薄膜が直接形成し得るが、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものを用いその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すればより結晶性に優れたものが作製し得る。本発明においては上記平均表面粗さRa2000nm以下あるいは表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体を直接形成して発光素子を作製することも可能であるが、通常上記平均表面粗さRa2000nm以下あるいは表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものを用いその上に上記積層体を形成することによって発光効率のより高い発光素子が作製し得る。
本発明は上記のようにセラミック材料を主成分とする焼結体を用いた発光素子を提供する。また本発明は、光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いた発光素子を提供する。また本発明は、表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を用いた発光素子を提供する。また本発明は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体を用いた発光素子を提供する。また本発明は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体を用いた発光素子を提供する。
なお、本発明における発光効率とは、発光素子を駆動させるために素子に加えられた電力(電気エネルギー)と実際発光素子によって光に変換され発光素子の外部へ放出された光出力(光エネルギー)との百分率比を意味する。例えば発光効率が10%ということは、電圧3.6ボルト、電流500mAを注入して発光素子を駆動させたとき光出力として180mWが得られるということである。光出力は例えば発光素子を積分球に装填して発光させ発せられたすべての光を集め、分光光度計などを用いて測定することができる。なお、照明分野で一般的に用いられている発光効率は単位時間当りの光エネルギー(W)に対する光の量(光束:lm)であるが(すなわちlm/Wで表わされる)、本発明の発光効率は照明分野で一般的に使用されている発光効率とは異なる。
通常結晶性など素材としての特性は塊状やバルク状単結晶の方がセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に固着、一体化された薄膜状の単結晶より優れている場合が多かった。しかしながら上記のように本発明により塊状やバルク状の単結晶と同等に近い結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜がセラミック材料を主成分とする焼結体に形成できるようになった。その結果、該単結晶薄膜とセラミック材料を主成分とする焼結体とが一体化した状態のものは従来の塊状やバルク状単結晶ではなし得なかった特性が発現し得ることが見出された。例えばセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子であっても従来からのサファイアなどのバルク状単結晶を用いて作製した発光素子に比べて少なくとも同等かより優れた発光効率を有する発光素子が提供し得るようになった。仮に上記セラミック材料を主成分とする焼結体に形成される薄膜状の単結晶の結晶性が塊状やバルク状などの単結晶より劣っているとしても発光素子や光導波路あるいは回路基板などの電子素子や電子部品を作製する場合、セラミック材料を主成分とする焼結体と単結晶薄膜とが固着、一体化された薄膜基板及び単結晶薄膜が形成し得るセラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板を用いる方が塊状やバルク状単結晶など単独で単結晶であるものを基板として用いたものより優れた特性を有するものが得られ易い。すなわち素材の特性がよいからといってそれを電子素子あるいは電子部品を作製するための基板に用いたとしても作製される該電子素子あるいは電子部品の特性が優れているとは限らない。本発明で示すようにセラミック材料を主成分とする焼結体と薄膜状の単結晶とが一体となったものを用いることで初めて従来からの塊状やバルク状単結晶だけ用いたものではなし得なかった優れた特性の電子素子あるいは電子部品が作製し得る。すなわち例えば、発光素子を作製する場合、塊状やバルク状などの単結晶だけを基板として用いて作製したものに比べ本発明によるセラミック材料を主成分とする焼結体に固着、一体化された薄膜状の単結晶を有する薄膜基板及びこのような薄膜が形成し得るセラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板を用いて作製されたものは発光効率の面でより優れている。すなわち低消費電力で大きな発光エネルギーが得られる。これは塊状やバルク状塊状やバルク状などの単結晶だけを基板として用いた場合、発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体は良好な結晶性のものが形成できるが、該塊状やバルク状の単結晶の有する均一性などの影響で該発光素子を構成する積層体と基板との界面で光の反射が生じ易くなり発光層からの光が発光素子を構成する該積層体の内部に閉じ込められ易くなるためであると考えられる。それに対して本発明による上記薄膜基板あるいは薄膜形成用基板を用いた場合、上記発光素子を構成する積層体は比較的高い結晶性のものが形成できるということと、さらにセラミック材料を主成分とする焼結体が微粒子からなる多結晶体であるため積層体と基板との界面で光の反射が生じにくくなり発光層からの光が発光素子を構成する該積層体の内部に閉じ込められず素子外部に放出され易くなる、という塊状やバルク状などの単結晶だけを基板として用いたものでは実現し得ない2つの機能の相乗効果を有するためと考えられる。
また、その他例えば光導波路や回路基板などの電子素子や電子部品を作製する場合も本発明による上記薄膜基板あるいは薄膜形成用基板を用いれば、セラミック材料を主成分とする焼結体内部に電気回路が形成し得るので小型化や配線の引き回しが少ないため電気特性の向上など塊状やバルク状などの単結晶だけを基板として用いたものでは実現し得ない優れた機能を有するものが実現できる。
本発明の意義と目的は上記のように、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性に優れた単結晶を薄膜状となしセラミック材料を主成分とする焼結体と一体化することで単結晶及びセラミック材料を主成分とする焼結体それぞれ単独ではなし得ない相乗効果を引き出し、従来からのサファイアや炭化珪素などの塊状やバルク状などそれ自体独立で単結晶として存在し使用される材料では実現が困難であった優れた機能を有する基板及び該基板を用いた発光素子などの電子素子、あるいは回路基板などの電子部品を提供することにある。またこのような効果をもたらすセラミック材料を主成分とする焼結体を提供することにある。
以下本発明に付いてさらに詳しく説明する。
本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板は直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜をその表面に形成でき、薄膜として少なくともエピタキシャル成長した単結晶が直接形成できる。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いたときそこには窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜としては上記のような単結晶状態のものだけに限らずその他無定形状態のもの、多結晶状態のもの、あるいは配向性多結晶状態のもの、など各種結晶状態の薄膜が直接形成できる。本発明において上記の単結晶状態及び無定形状態、多結晶状態、配向性多結晶状態など各種結晶状態の薄膜が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い、この基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を成長させた時、得られる該単結晶薄膜は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した単結晶薄膜より結晶性が向上したものが形成され易い。本発明において「直接」という意味は文字通り窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に他の材料や介在物などを介することなく直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するということである。上記薄膜を形成するために窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板表面に特別な材料や介在物や介在材料などは必要としない。このように本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いることで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性に優れた単結晶薄膜を形成できる。本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成される薄膜は単結晶のものが形成できるがそれだけに限らず無定形状態のもの、多結晶状態のもの、あるいは配向性多結晶状態のもの、など各種結晶状態のものが形成できる。さらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶の薄膜を形成しようとする場合、本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など上記各種結晶状態の薄膜があらかじめ形成された薄膜基板を用いその上に単結晶薄膜を形成することでより高い結晶性の単結晶薄膜が得られる。この窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶あるいは無定形を始めとする各種結晶状態の薄膜をあらかじめ形成しさらにその上に単結晶薄膜を形成することで得られる薄膜基板の効果は、この単結晶薄膜が形成された薄膜基板を発光素子形成用基板として用いた場合さらに大きいものとなる。発光素子は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分としてP型半導体層、N型半導体層、発光層など複数の薄膜層をエピタキシャル成長させ積層することで製造されるが、このような発光素子の特性はエピタキシャル成長させた薄膜、すなわち単結晶薄膜の結晶性が高いほど優れている。このように発光素子を製造する場合など、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜をより高い結晶性を有する単結晶薄膜として形成することが求められる場合は、上記のように本発明による単結晶薄膜が形成された薄膜基板を用いることがより効果的となる。なお、本発明による単結晶薄膜が形成された薄膜基板の中には上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜をあらかじめ形成しさらにその上に単結晶薄膜を形成することで得られる薄膜基板だけでなく、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成することにより得られる薄膜基板も含まれる。このように本発明による薄膜は自立したバルク材料とは異なり各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に固着され一体化された状態で存在し得るものである。
本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板には上記のように単結晶だけに限らず無定形状態のもの、多結晶状態のもの、あるいは配向性多結晶状態のものなど各種結晶状態の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を直接形成できる。本発明において重要なことは窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶の薄膜を形成するということであり、たとえ各種結晶状態の薄膜が形成できたとしても単結晶状態のものが形成し得ない基板を用いることは好ましくない。すなわち本発明は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成し得る基板を提供すること、及び窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする少なくとも単結晶薄膜が形成された薄膜基板を提供すること、が大きな目的である。上記のように本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板には少なくとも単結晶状態の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が直接形成できる。このように本発明による薄膜形成用基板は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る優れたものである。しかしながら本発明による薄膜形成用基板を用いた実際の使用形態において、必ずしも上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するための基板としてだけに限定されるものではない。本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板には単結晶以外に無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜も直接形成し得る。本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶状態の薄膜を形成するためだけでなく、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分と薄膜を形成するための基板としても実際使用できる。
上記のように本発明による単結晶薄膜を形成し得る窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は単結晶薄膜が形成できるだけでなく、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成できる。具体的にいえば本発明は、1)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されたもの、2)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形薄膜が形成されたもの、3)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする多結晶薄膜が形成されたもの、4)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜が形成されたもの、など窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に単結晶薄膜が形成された薄膜基板以外の無定形薄膜あるいは多結晶薄膜あるいは配向性多結晶薄膜など各種結晶状態の薄膜が形成された薄膜基板を提供することができる。
すなわち本発明は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分と薄膜を形成するための基板であって、該基板は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板、を含む。さらに本発明は、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板、も含む。
本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は薄膜形成用基板及び薄膜形成用基板のどちらの用途にも等しく用いることができる。
本発明において、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を形成するにあたって特別な成膜技術は必要とせず前記のように通常のMOCVD(有機金属化学気相分解成長)法、MOVPE(有機金属気相エピタキシャル成長)法、ハイドライドVPE(水素化物気相エピタキシャル成長)法、クロライドVPE(塩化物気相エピタキシャル成長)法などを含むハライドVPE(ハロゲン化物気相エピタキシャル成長)法、プラズマCVD法、その他のCVD(化学気相分解成長)法、MBE(分子線エピタキシー)法など、あるいはあらかじめ形成した目的成分を含む固体材料を原料としエキシマレーザーなどを用いたレーザーアブレーション法、PLD(パルスレーザーデポジション:パルスレーザー分解)法、あるいはスパッタリング法、イオンプレーティング法、蒸着法など目的とする化学成分の少なくとも一部を含有する化合物や単体を化学的物理的に分解しあるいは分解せずそのままの状態で気体、イオンあるいは分子線とし適宜前記以外の化合物と反応させあるいは反応させずいったん目的とする化学成分を含む成分を気相とした後目的とする組成の薄膜を成長させる方法であればどのようなものでも任意に適用できる。単結晶状態、無定形状態、多結晶状態、配向性多結晶状態など各種結晶状態の薄膜作製用の原料としてはトリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリイソブチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウム、トリイソブチルインジウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機金属化合物、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化アルミニウムなどの塩化物や臭化ガリウム、臭化インジウム、臭化アルミニウムなどの臭化物を含むガリウム、インジウム、アルミニウムのハロゲン化物、ジエチルガリウムクロライド、ジエチルインジウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライドなどのハロゲン元素を含むガリウム、インジウム、アルミニウムの有機化合物、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムなどの窒化物、ガリウム、インジウム、アルミニウムなどの純金属、その他ドーピング元素用としてSi、あるいはSiH、SiHCl、Si(Cなどのシラン化合物、SiCl、SiBrなどシリコンのハロゲン化物、Si、SiCなどのシリコン化合物、マグネシウム、ベリリウム、カルシウム、亜鉛、カドミウム、ゲルマニウムなどの金属及びジアルキルベリリウム(例えばジメチルベリリウムなど)、ジアルキルマグネシウム(例えばジメチルマグネシウムなど)やビス−シクロペンタジエニルマグネシウム(MgCp)、ビス−シクロペンタジエニルカルシウム(CaCp)、ジエチル亜鉛、ジメチルカドミウム、テトラメチルゲルマン、BeCl、BeBr、MgCl、MgBr、CaCl、CaBr、ZnCl、ZnBr、CdCl、CdBr、GeCl、GeBrなど該金属を含む有機金属化合物やハロゲン化物などの化合物、あるいは炭素、シリコン、セレン、テルル、酸素などの非金属及び該非金属を含む化合物、など各種化合物が使用できる。MOCVD法、MOVPE法では例えばトリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウムなどの有機化合物が主原料として用いられる。また、クロライドVPE、ハライドVPE法では例えば塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化アルミニウムなどのハロゲン化物が主原料として用いられる。上記MOCVD法、MOVPE法、ハイドライドVPE法、クロライドVPE法などを含むハライドVPE法、プラズマCVD法、その他のCVD法、MBE法など、原料を気体状態として薄膜を形成する方法において原料との反応ガスとしては通常アンモニアあるいは窒素が単独であるいは混合された状態で使用される。また反応ガスとしてアンモニアあるいは窒素の他に水素を含むものを用いることが結晶性の優れた単結晶薄膜を形成する上で好ましい。原料を気体状態とし反応部に搬送するキャリアガスとしては水素、アルゴンあるいは窒素などが単独であるいは混合された状態で使用される。結晶性の優れた単結晶薄膜を形成するためには前記キャリアガスとしては少なくとも水素を含むものを用いることがより好ましい。薄膜形成チャンバー内の雰囲気としては通常アンモニア、水素、アルゴン、窒素などが常圧下あるいは減圧下で用いられる。また、スパッタリング法により薄膜を形成する場合は上記各種原料をターゲットとして形成したものが用いられる。このような方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態で任意に得ることができる。
なお、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成する場合は、例えばMOCVD法あるいはハライドVPE法などのように原料としては目的とする組成の金属成分を含む化合物(窒化ガリウムの場合はガリウム成分を含む化合物、例えばトリメチルガリウム、三塩化ガリウムなど、あるいは窒化インジウムの場合はインジウム成分を含む化合物、例えばトリメチルインジウム、三塩化インジウムなど、あるいは窒化アルミニウムの場合はアルミニウム成分を含む化合物、例えばトリメチルアルミニウム、塩化アルミニウムなど)を用い、該化合物は一旦分解されてその後アンモニアなどの反応ガスと窒化反応して目的とする組成のものが形成されるという過程を経て単結晶薄膜の形成を行うという方法を用いることが好ましい。セラミック材料を主成分とする焼結体に薄膜状の単結晶を形成する場合は、バルク状や塊状の単結晶を作製するときのように昇華法などにより目的とする組成の原料をそのまま用い単に該原料を高温で昇華させ平衡に近い状態で単結晶を作製するという方法よりも前記のように目的とする組成の金属成分を含む化合物を用い該化合物を一旦分解しその後窒化反応させて目的とする組成を得るという方法のほうがより結晶性の高い単結晶が作製し得る。その理由は、セラミック材料を主成分とする焼結体はあらゆる方向を向いた微結晶粒子から構成されているので2次元的な広がりを有する薄膜状の単結晶を形成しようとしたとき、原料となる材料や化合物の選定の範囲が広くさらにセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に対する原料や反応ガスなどの供給方向や供給量あるいは基板温度などの制御が容易なため、セラミック材料を主成分とする焼結体中に存在するあらゆる方向を向いた微結晶粒子の結晶方向にしたがった自発的な結晶成長でなく目的とする方向に単結晶が成長するよう制御することが可能であるためと思われる(すなわち、例えば基板面に対してC軸が垂直な方向にだけ成長するように制御できる)。一方、昇華法などのように目的とする組成の原料をそのまま用いて高温で昇華させて単結晶を作製する方法では大量の原料が昇華できそのためバルク状や塊状などのように大型の単結晶を短時間で得る場合には適していると思われる。しかしながらセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に薄膜状の単結晶を得るには原料の選定範囲が狭く原料の供給方向や供給量などの制御が困難となり易いので本発明による単結晶薄膜を作製する方法としては必ずしも適した方法であるとは言えない。
また上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成する場合の基板温度として薄膜の組成や薄膜形成法の相違などにより適宜選択し得る。薄膜として単結晶を形成する場合は無定形、多結晶、配向性多結晶などの結晶状態を有するものよりも通常基板温度を高めることが好ましく、基板温度が低い場合は単結晶薄膜が形成しにくくなる場合がある。例えば、通常基板温度として窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成する場合400℃〜1200℃、窒化インジウムを主成分とする薄膜を形成する場合400℃〜1000℃、窒化アルミニウムを主成分とする場合は500℃〜1500℃で行うことが望ましい。上記各薄膜において窒化ガリウムを主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶など単結晶以外の結晶状態の薄膜を形成する場合基板温度として400℃〜900℃、単結晶薄膜を形成する場合は700℃〜1200℃と基板温度を高めて行うことが望ましい。また、窒化インジウムを主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶など単結晶以外の結晶状態の薄膜を形成する場合基板温度として400℃〜700℃、単結晶薄膜を形成する場合は500℃〜900℃と基板温度を高めて行うことが望ましい。また、窒化アルミニウムを主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶など単結晶以外の結晶状態の薄膜を形成する場合基板温度として500℃〜1200℃、単結晶薄膜を形成する場合は600℃〜1500℃と基板温度を高めて行うことが望ましい。より具体的には例えばMOCVD法、MOVPE法により単結晶薄膜を形成する場合の基板温度として窒化ガリウムを主成分とする薄膜では900℃〜1100℃、窒化インジウムを主成分とする薄膜では600℃〜900℃、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜では900℃〜1200℃の範囲とすることが好ましい。クロライドVPE法あるいはハライドVPE法により単結晶薄膜を形成する場合の基板温度として窒化ガリウム(GaN)を主成分とする薄膜では900℃〜1250℃、窒化インジウム(InN)を主成分とする薄膜では700℃〜1000℃、窒化アルミニウム(AlN)薄膜では1000℃〜1500℃とすることが好ましく、1100℃以上とすることが結晶性の高い単結晶薄膜が形成し得るのでより好ましい。基板温度が上記例示した温度より低い低い場合は通常単結晶薄膜が形成しにくくなり易い。このように窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成する場合基板温度を高めることが好ましく、無定形、多結晶、配向性多結晶などの結晶状態のものを形成する場合基板温度を低くすることが好ましい場合が多い。
基板の加熱は各種ヒーターを用いた抵抗加熱、高周波電源を用いた高周波加熱、赤外線ランプによる加熱、など、どのような方法でも用いることができる。
本発明においてどのような薄膜形成法を用いたとしても基板温度としては上記の範囲にだけ限定されず、窒化ガリウムを主成分とする薄膜を基板温度として室温〜400℃、窒化インジウムを主成分とする薄膜を基板温度として室温〜400℃、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜を基板温度として室温〜500℃、といった比較的低温で形成できる。このような方法の例として例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法、蒸着法などの方法を用いることで上記の比較的低温で薄膜が形成できる。また、例えば気体状態の原料と反応ガスとにより薄膜を形成する方法においても、例えばアンモニアあるいは窒素などの反応ガスとして高周波(例えば周波数2.45GHzのマイクロ波、あるいは周波数13.56MHzのラジオ波、など)や磁力などによりプラズマ化された状態のものを用いれば基板温度が上記のように低温であっても良好な薄膜を得ることができる。
本発明において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板上に成長する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜はその結晶系が六方晶(Hexagonal)で表わされる。上記CVD法などを用いた場合形成される単結晶薄膜は通常基板面に対して該六方晶のC軸方位でエピタキシャル成長しやすい傾向を有する。言い換えれば上記単結晶薄膜は基板面とC面とが平行な方位でエピタキシャル成長しやすい傾向を有する。これは基板上に形成した上記単結晶薄膜のX線回折を行うと六方晶のミラー指数(002)の格子面からの強い回折線が観測されるので、上記単結晶薄膜は基板面に対してC軸方向にエピタキシャル成長していることが観測されることから説明できる。言い換えれば上記単結晶薄膜は基板面とC面とが平行にエピタキシャル成長していることが観測されることから説明できる。図1にこの様子を示す。図1において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板1の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜2が形成されている。また、図1のように単結晶薄膜2が基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された基板において該単結晶薄膜2の表面にX線を照射すれば六方晶ウルツ鉱型結晶構造を有する窒化アルミニウム結晶のミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが得られる。図2にこの様子を示す。もし基板1の上に形成された薄膜が単結晶でなく多結晶化した状態であれば図2に示すような六方晶のミラー指数(002)の格子面以外の例えば(100)格子面からの回折など複数の回折線が観察されるので明確に区別できる。なお、配向性多結晶は結晶粒子が特定の結晶軸の方向に揃った特殊な状態の多結晶体である。このような配向性多結晶であっても単結晶とは比較的容易に区別することができる。より具体的に言えば、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜はウルツ鉱型の結晶構造を有し、例えば基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶薄膜は通常のX線回折2θ/θスキャンを行えばミラー指数(002)の格子面からの回折線だけしか出現しない。一方薄膜が例えば基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された配向性多結晶の場合もX線回折の2θ/θスキャンではミラー指数(002)の格子面からの回折線だけしか出現しない。しかし、単結晶薄膜の場合C軸に平行なミラー指数(100)の格子面を固定して2θ/φスキャンを行えばミラー指数(100)の格子面からの回折線しか出現しないが配向性多結晶薄膜の場合はC軸に平行な他の格子面例えばミラー指数(110)格子面からの回折線も出現するので形成された薄膜が単結晶かあるいは配向性多結晶かの相違は容易に判定できる。すなわち単結晶にはC面内回転が見られないのに対して配向性多結晶薄膜の場合はC面内で結晶の回転が見られる。これは単結晶の場合均質で一体化しており結晶粒子としての境界がないのに対して配向性多結晶は結晶粒子の集合体でありそれぞれの結晶粒子において特定方向には結晶軸(例えばC軸)が揃っているが他の結晶軸(例えばA軸)はそれぞれの結晶粒子間で異なる方位を取っているためと思われる。このように配向性多結晶は結晶粒子が特定の結晶軸の方向に揃った特殊な状態の多結晶体とも云える。通常の多結晶薄膜は前記のようにX線回折2θ/θスキャンを行えばミラー指数(002)の格子面からだけでなく例えば(100)の格子面からの回折線も出現するので通常の多結晶薄膜と配向性多結晶薄膜とは容易に区別することができる。またもし基板1の上に形成された薄膜が単結晶あるいは多結晶でなく無定形状態であれば明確なピークを持った回折線が得られず回折線はブロードなパターンとなるので単結晶あるいは多結晶あるいは配向性多結晶と明確に区別できる。図1において該単結晶薄膜2はC軸方向に成長し易くその成長方向は基板面に対して垂直な方向であり、それはすなわち基板面と水平な方向が該単結晶薄膜2のC面方向となる。本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のC軸は基板面に対して垂直な方向に自発的に成長し易い。しかしながら上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を使用した場合でも薄膜の成長方法を適宜工夫すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のC軸を基板面に対して水平な方向に形成し得る。例えば上記基板温度を最初低めに設定し徐々に温度を上げながら薄膜形成用の原料ガスを基板に対して水平な方向から供給するなどの工夫を行えば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のC軸を基板面に対して水平な方向に形成し得る。この様子を図4に示す。図4は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板1に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜2のC軸が基板面に対して水平な方向に形成されている(すなわちC面が基板面に対して垂直な方向に形成されている)ことを示す。本発明においてX線ロッキングカーブによる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性の評価は特に断らない限り図1に示すような基板面に対してC軸が垂直な方向に成長したものを用いて行った。なお、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板1だけで表面のX線回折を行えばJCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)ファイル番号25−1134に記された粉末状AlNに相当する回折線が得られ焼結体中の窒化アルミニウム粒子は特定の方向でなくあらゆる方向を向いた多結晶状態であることを示している。なお、図1、図2及び図4において例示された基板の形状は円形であるが本発明において使用できる基板の形状は円形だけでなく正方形、長方形、あるいはその他多角形など任意の形状のものが使用できる。また、図1、図2及び図4に例示された本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板及び窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いることで作製される薄膜基板は焼結体および薄膜作製において通常用いられている方法を用いることで任意の大きさのものが作製できる。すなわち焼結体の場合例えば外形0.01mm〜1000mm、厚み1μm〜20mm程度のものは容易に作製できる。
また本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体とは強固に接合し、形成された薄膜内のクラックや該薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との接合界面での剥離などは見られない。接合性については例えば形成した上記薄膜に粘着テープを接着し引き剥がしテストを行っても該薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との接合界面での剥離や破壊は見られない。また窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との間の接合性は通常垂直引張り強度で2Kg/mm以上でありさらに垂直引張り強度4Kg/mm以上の接合のものも得られる。
窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のうち窒化ガリウムおよび窒化インジウムを主成分とする単結晶薄膜において含まれる単結晶状態の薄膜の結晶性を上記のようにX線回折により判定する場合は六方晶ウルツ鉱型結晶構造を有する該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面からの回折線と下地の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の六方晶のミラー指数(002)の格子面からの回折線とは明確に区別できるので形成した該単結晶薄膜のほとんどすべての厚みのものにX線回折法が結晶性の判定に使用できる。これは窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムは同じ六方晶に属するウルツ鉱型の結晶構造をもっていても格子定数が少しずつ異なるためX線回折による六方晶のミラー指数(002)の格子面からの回折線の位置が容易に判別できる程度に異なるからである。特性X線としてCuKα線(波長1.542Å)を用いたとき下地窒化アルミニウム焼結体製基板のミラー指数(002)の格子面からの回折線は回折角θ=17.65°〜18.45°、窒化ガリウム単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面からの回折線は回折角θ=17.20°〜17.53°、窒化インジウム単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面からの回折線は回折角θ=15.55°〜15.88°付近の範囲で現れるからであり、これらの回折線どうし判定を不可能にするような重なり合いが生じることは実質的にない。一方、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面からの回折線は回折角θ=17.88°〜18.20°の範囲にある。したがって上記単結晶薄膜のうち窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の結晶性をX線回折により判定する場合形成されている該単結晶薄膜の厚みが薄くなればX線が該単結晶薄膜を透過し下にある窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からの回折線と重なり合いその影響が見られるようになる。本発明においては使用した特性X線は透過エネルギーを小さく抑えるために波長の比較的長いCrKα線(波長2.291Å)、あるいはCuKαを用い、X線発生管球への加速電圧をできるだけ小さくすることで対応した。X線回折により窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の結晶性を判定する場合、上記のような工夫によって下地の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からの回折の影響が排除できる限界の単結晶薄膜厚みは500nm程度である。500nm以下、5nm程度までの厚みの窒化アルミニウムを主成分とする薄膜の単結晶性の判定には例えばRHEED(反射高速電子線回折)などの電子線回折を併用し、基板である窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からの影響が無いように考慮した。したがって本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板上へ形成する窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅による結晶性の評価は通常該単結晶薄膜の厚み500nm以上好ましくは1000nm以上にて行った。
本発明により形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は0.5nm程度の厚みのものが形成できるがこのような少なくとも0.5nm程度の厚みのものでも単結晶として形成されているものと考えられる。本発明において上記の薄膜は単結晶だけでなく無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態のものも形成できる。これら薄膜においてその厚みは0.1nm〜0.2nm程度の厚みのものも形成し得る。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を薄膜形成用基板として使用し上記の薄膜を直接該基板に形成した場合は薄膜の厚みは0.5nm以上であることが好ましい。
本発明において、窒化アルミニウムなど各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板を用いることにより窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜が形成し得る。また上記薄膜形成用基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成された薄膜基板、及び窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜があらかじめ形成された薄膜基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜をさらに形成した薄膜基板を得ることができる。さらに前記薄膜基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜が形成し得る。本発明において上記薄膜のうち単結晶が形成し得る基板には通常無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜も比較的容易に形成できる。本発明においては上記薄膜形成用基板及び薄膜基板が優れているかどうかの判定を該基板に単結晶薄膜を形成しこの単結晶薄膜の結晶性を評価することにより行った。
本発明において窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の結晶状態は前記のようにX線回折により分析することで容易に判定できる。すなわち上記薄膜が単結晶であれば該単結晶薄膜のC軸が基板面に対して垂直な方位に形成されている場合六方晶ウルツ鉱型結晶のミラー指数(002)の格子面からの回折線しか検出されない。また該単結晶薄膜のC軸が基板面に対して水平な方位に形成されている場合六方晶ウルツ鉱型結晶のミラー指数(100)の格子面からの回折線しか検出されない。上記薄膜が多結晶であればミラー指数(002)、あるいは(100)などの格子面からの複数の回折線が検出されるので容易に判別できる。また上記薄膜が無定形であれば明確な回折ピークは検出されずブロードな回折パターンとなるので容易に判別できる。なお本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を薄膜形成用基板として用いた場合窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜はC軸が基板面に対して垂直な方位に形成されやすいので通常は六方晶ウルツ鉱型結晶のミラー指数(002)の格子面からの回折線しか検出されない。
本発明において該単結晶薄膜の結晶性評価は通常特に断らない限り該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅を測定して行った。使用した特性X線はCuKα線(波長1.542Å)である。また、本発明においては特に断らない限りミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は通常のωスキャンによって測定されたものであり、単位として秒(arcsecant)で示す。なおこのような結晶性の評価を行うにあたり、該単結晶薄膜形成用の基板として用いられる窒化アルミニウムなど各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板表面は特に断らない限り平均表面粗さRa=30nm前後の鏡面状態としたものを使用した。
本発明による薄膜形成用基板は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であればよいのであって基板に直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶を含む各種結晶状態の薄膜が形成できる。また、上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において光透過性を有するものを用いることが基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性を高め易い。このような焼結体の中でも少なくとも可視光領域において光透光性が高いものほど形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性が高まるので好ましい。可視光領域における光透光性は波長380nm〜800nmの範囲において、直径25.4mm厚み0.5mmの円盤状で表面を平均粗さRa=30nm程度の鏡面に研磨した焼結体で光透過率1%以上のものが好ましい。光透過率1%以上の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いることで直接その上に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下と良好なものが得られ易い。光透過率が5%以上の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いることで上記X線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下とより良好なものが得られ易い。さらに光透過率が10%以上の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いることで上記X線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下とさらに良好なものが得られ易くさらに好ましい。本発明において可視光領域における光透過率とは上記波長380nm〜800nmの範囲の光における光透過率のことであり、本発明においては通常特に断らない限り波長605nmの光で測定された光透過率の値を用いた。また本発明による上記のような可視光領域における光透過率を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は波長200nm〜380nmの紫外領域の光においても同様な光透過率を有し、その光透過率は1%以上のものが得られる。すなわち本発明において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の中でも少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対する光透過性が高いものほど形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性が高まるので好ましい。また本発明による可視光透過率を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は波長250〜380nmの範囲の紫外光においては5%以上の光透過率を有するものが得られ、波長300〜380nmの範囲の紫外光においては10%以上の光透過率を有するものが得られる。本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は上記波長200nm〜380nmの紫外領域において40%以上の光透過率を有するものが得られ、さらに最大60〜80%あるいは80%以上の光透過率のものも得られる。上記のように本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板は紫外光に対する透過性も有するので前記本発明による基板に例えば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を用いて紫外線発光の素子を形成すれば素子から発光された紫外線が基板部分で吸収されることが少ないので発光素子の発光効率が高まるという効果が得られ好ましい。
このように本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板は200nm〜800nmの範囲の光において少なくとも1%以上の光透過率を有しこのような光透過率を有する基板を用いることでより優れた結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できることが明らかにされた。また本発明において、少なくとも1%以上の光透過率を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶以外の無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜も形成できる。
以下本発明において特に断らない限り光透過率は波長605nmの光において測定されたものである。本発明による光透過性を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は通常少なくとも波長380nm〜800nmの範囲の可視光領域においてはどのような波長の光に対しても波長605nmの光で測定された光透過率とほぼ同様の光透過率を示す。本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は波長200nm〜800nmのすべての波長範囲の光において波長605nm以外で波長605nmと同様の光透過率を有するとは限らないが波長605nmの光において測定された光透過率を用いるだけで本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の性能例えば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したときの結晶性などを代表して判別できる。すなわち光透過性を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の基板としての特性を上記波長605nmの光において測定した光透過率で代表して判定し得る。
本発明において、光透過性を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は通常波長200nm以上の光に対して光透過性を示す場合が多い。すなわち、波長200nm〜250nmの範囲の光に対して光透過性を示し始め、波長250nm〜350nmの範囲の光に対して急激に光透過性が上昇し紫外光から可視光領域入る境界領域にある波長350nm〜400nm以上の光に対してはほぼ一定の光透過率を有する傾向がある。本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率とは特に断らない限り波長605nmの光に対して測定された光透過率を意味する。通常本発明において光透過性を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体では波長200nm〜380nmの紫外光で測定された光透過率より波長380nm〜800nmの範囲の可視光における光透過率の方が大きい。具体的には通常本発明において光透過性を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において波長200nm〜380nmの紫外光で測定された光透過率が1%以上であれば波長380nm〜800nmの範囲の可視光における光透過率は1%より大きなものとなる。したがって波長200nm〜380nmの紫外光で測定された光透過率が1%以上の光透過性を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いたときさらに優れた結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。このように光透過率として波長605nm以外の光に対する測定値を用いなくても波長605nmの光に対する光透過率を把握しておけば本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の性能すなわち窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したときの結晶性を代表して判別することが容易となり、さらに例えば発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体を形成するための基板(以下、特に断らない限り単に「発光素子作製用基板」と言う)として用いたとき作製される発光素子の発光効率を判定し得る。
本発明において、波長200nm〜380nmの範囲の紫外光における光透過率とは波長200nm〜380nmの範囲におけるいずれか特定の波長に対する光透過率を意味する。また、本発明において特に断らない限り可視光とは波長380nm〜800nmの範囲の光であり、紫外光とは波長380nm以下の光をいう。
本発明における光透過率の測定値は特に断らない限り直径25.4mm厚み0.5mmの円盤状で表面を鏡面に研磨した(通常は、平均表面粗さRa=30nm程度)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及びその他のセラミック材料を主成分とする焼結体(例えば六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体、及び酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体、など)を試料として用い、通常分光光度計などを用いて所定の波長の光を上記焼結体試料に当て、入射した光の強度と透過した光の強度を測定しその比を百分率で表わしたものである。波長としては通常特に断らない限り605nmのものを用いて測定されたものである。本発明における光透過率は上記測定用試料を積分球の内部にセットして全透過光を集めこの全透過光と入射光との強度比を百分率で表した全透過率として求めたものである。
ガラスなどの透明体の光透過率は通常直線透過率として求められるが、一般に窒化アルミニウムを主成分とする焼結体などのセラミック材料の光透過率は入射光が焼結体内部で散乱され直線的に透過されず、散乱された状態であらゆる方向へ透過される。したがって透過光の強度はこのような方向性のない散乱光をすべて集めたものとなる。本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他のセラミック材料を主成分とする焼結体の光透過率はこのような全透過率として測定されたものであり、ガラスなどの透明体の直線透過率とは異なる。
光透過率は試料の厚みによって変化し本発明による上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及びその他のセラミック材料を主成分とする焼結体(例えば六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体、及び酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体、など)を薄膜形成用基板、薄膜基板、あるいは発光素子作製用基板などに用いる場合該基板の厚みを薄くして光透過率を高めることは例えば発光素子の発光効率を高める上で有効である。通常薄膜形成用基板、薄膜基板、あるいは発光素子作製用基板などとしては厚み0.01mm以上のものを用いることが取り扱い上の強度の点からは好ましい。又厚みが厚くなると光透過率が低下し易いので通常薄膜形成用基板、薄膜基板あるいは発光素子作製用基板などとしては厚み8.0mm以下のものを用いることが好ましい。本発明において上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他のセラミック材料を主成分とする焼結体はその厚みが少なくとも0.01mm〜8.0mmの範囲において実際に使用される状態の薄膜形成用基板、薄膜基板あるいは発光素子作製用基板などが光透過性を有していれば有効である。すなわち、上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他のセラミック材料を主成分とする焼結体はその厚みが少なくとも0.01mm〜8.0mmの範囲あるいはそれ以外であっても実際に使用される状態での光透過率が少なくとも1%以上であればよいのであって、例えば発光素子作製用基板として実際に厚み0.1mmあるいは2.0mmなど厚みが必ずしも0.5mmではないものであっても光透過性を有し光透過率が少なくとも1%以上であれば作製される発光素子の発光効率は向上し易い。
本発明において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及びその他のセラミック材料を主成分とする焼結体(例えば六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体、及び酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体、など)の光透過性は厚みには関係無い。厚い状態では光透過性を有しないものであっても薄くすることで光透過性を有するものは本発明に含まれる。すなわち、例えば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他のセラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが0.5mmのとき光透過性を有しないものであっても厚みを薄くすることで光透過性が発現するものは本発明に含まれる。また、例えば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他のセラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが0.5mmより厚いとき光透過性を有しないものであっても厚みを0.5mmとすることで光透過性が発現するものは本発明に含まれる。光透過性を別の言葉で表現すれば、本発明の光透過率として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他のセラミック材料を主成分とする焼結体の厚みには関係無く、該焼結体の光透過率が1%以上であれば本発明に含まれる。すなわち、例えば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他のセラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが0.5mmのとき光透過率が1%より小さいものであっても厚みを薄くすることで光透過率が1%以上であるものは本発明に含まれる。また、例えば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他のセラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが0.5mmより厚いとき光透過率が1%より小さいものであっても厚みを0.5mmとすることで光透過率が1%以上であるものは本発明に含まれる。
上記のように本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他のセラミック材料を主成分とする焼結体の光透過性としては実際該焼結体が用いられている状態での光透過性が重要である。したがって窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他のセラミック材料を主成分とする焼結体として実際該焼結体が用いられている状態で光透過性を有していれば本発明に含まれる。別の表現をすれば、本発明の光透過率としては窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他のセラミック材料を主成分とする焼結体の厚みには関係無く、該焼結体の実使用状態での光透過率が1%以上であれば本発明に含まれる。すなわち、例えば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他のセラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが実使用状態で0.5mm以下あるいは0.5mmより大きいとき光透過率が1%以上であるものは本発明に含まれる。
窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他のセラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが実使用状態で0.5mmより薄い場合あるいは0.5mmより厚い場合は基板厚み0.5mmのとき測定した光透過率と異なり、光透過率は0.5mmより薄い場合は0.5mmのとき測定したより高くなり易く0.5mmより厚い場合は0.5mmのとき測定した光透過率より低くなり易い。本発明においては上記のように実際に使用される状態で光透過率が少なくとも1%以上の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他のセラミック材料を主成分とする焼結体を用いることが好ましい。
本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下である必要性は必ずしもない。例えば上記X線回折ロッキングカーブの半値幅がブロードな結晶性のものでも表面弾性波素子用などの圧電膜や回路基板用の絶縁膜や誘電膜、あるいは光導波路用材料などの用途には問題なく使用できる。このような用途には上記X線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下程度であれば問題なく使用できる。また上記用途において窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の結晶性は場合によっては必ずしも単結晶でない無定形、多結晶、配向性多結晶などの結晶状態のものであっても使用し得る。しかしながら窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いそこに形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の上に発光素子を形成する場合、あるいは該単結晶薄膜を直接発光素子構成層の一部として用いる場合、あるいは該単結晶薄膜をフィールドエミッションディスプレイ(電界放出によるディスプレイ)の冷陰極材料として用いる場合などは該単結晶薄膜の結晶性は上記ミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下のシャープなものであることが好ましい。
本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶を含む各種結晶状態の薄膜が形成できる。さらに本発明において上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶を含む各種結晶状態の薄膜を例えば発光素子を製造する場合などのように2以上の層構成として形成できる。この2以上の層で形成された薄膜は各層において結晶状態、組成、あるいは厚みなどそれぞれ異なる状態で形成できる。本発明による2層以上の薄膜層からなる薄膜基板は2層以上の薄膜層のうち少なくとも1層以上は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜からなる。本発明による薄膜基板を発光素子形成用基板などのように、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するために用いる場合など薄膜基板表面の薄膜は通常単結晶であることが好ましい。本発明においては2層以上から構成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶を含む各種結晶状態の薄膜においても形成されている単結晶薄膜においてそのミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下と、シャープで結晶性の高いものが得られ易い。
窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の可視光あるいは紫外光に対する光透過率は1)焼結密度、2)焼結体内部の気孔の有無や大きさ、3)焼結助剤含有量、4)酸素含有量、5)焼結助剤及び酸素以外の不純物含有量、6)焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさ、あるいは7)焼結体中の窒化アルミニウム粒子の形状、などといったセラミック特有の複雑な要因で変化する。通常は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板において1)焼結密度が高く、2)焼結体内部の気孔が少なくもしあったとしてもサイズが小さく、3)焼結助剤量が必要最小量であるかもしくは焼結助剤を含まない、4)酸素含有量が少ないこと、5)焼結助剤以外の不純物含有量が少ないかもしくは含まない、6)焼結体中の窒化アルミニウム粒子が小さいか又は大きさが均一である、あるいは7)焼結体中の窒化アルミニウム粒子の角が取れた丸いものより多角形でお互いの粒子同士多角形の面や稜線、あるいは多角形の頂点での重なりが隙間なく緊密であるもの、あるいは8)焼結体中の窒化アルミニウム粒子が大きくても焼結助剤などのAlN以外の成分が少なくAlNとしての純度が高いもの、9)焼結体中の焼結助剤などAlN以外の成分が多くても窒化アルミニウム粒子が大きく成長したもの、などの性状を有する窒化アルミニウム焼結体であれば可視光に対する光透過率が1%以上と高くなる傾向を有する。したがってこのような性状の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いることで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の膜質、結晶性は向上し易い。
元来窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は焼結助剤や含有酸素量あるいはその他の不純物量を制御することで熱伝導率が室温において少なくとも50W/mK以上であり、通常は100W/mK以上と高いものが得られる。そのため窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基材として用いて作製される発光素子はそこに加えられる電力を基材がサファイアの場合に比べて大きくできるので発光素子の発光出力が高まるという利点を有する。上記の焼結助剤や酸素あるいはその他の不純物を含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の場合は室温における熱伝導率が150W/mK以上のものが容易に得られ、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基材として製造される発光素子への投入電力をより高めることができるので好ましい。また、上記の焼結助剤や酸素あるいはその他の不純物を含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の場合は室温における熱伝導率が170W/mK以上のものも容易に得られ、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基材として製造される発光素子への投入電力をさらに高めることができるのでより好ましい。
本願発明者は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶を含む各種結晶状態の薄膜を直接形成するための基板として窒化アルミニウム(AlN)以外で炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si)、窒化ガリウム(GaN)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、アルミン酸マグネシウム(MgAl:スピネル)などを主成分とする焼結体を検討してきた。そのなかで炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶(Hexagonal)結晶構造を有するか三方晶(Trigonal)結晶構造の酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を単結晶化できる。各炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム基板、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体製基板においてその上に形成される該単結晶薄膜の六方晶及び三方晶のミラー指数(002)格子面のロッキングカーブの半値幅は3600秒以下という結晶性を示し易い。一方酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、スピネルを主成分とする焼結体からなる基板上に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は多結晶の状態であり単結晶化しにくい。これは酸化ジルコニウムの結晶系は正方晶(Tetragonal)もしくは立方晶(Cubic)もしくは単斜晶(Monoclinic)であり、酸化マグネシウムとスピネルはそれぞれ立方晶(Cubic)であるためと思われる。酸化アルミニウムの結晶系は三方晶であるが六方晶としての分類も可能であるのでその上に直接形成される薄膜が単結晶化できる焼結体は結局本質的には結晶系が六方晶及び六方晶として分類できる材料を主成分とする基板だけであろうと本願発明者は考えている。その理由は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウム各薄膜の有する結晶構造はウルツ鉱型結晶であり該ウルツ鉱型結晶の属する結晶系は六方晶であり基板となる焼結体の主成分が六方晶系あるいは三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有していれば上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が自発的に単結晶化し易いためと思われる。本発明において窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を上記炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する材料を主成分とする焼結体を用いた基板に直接形成する場合、図1、図2、図4に示したような基板1の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に代わって上記炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム及び酸化アルミニウムなどの焼結体からなる基板を用いることで実現できる。この場合該単結晶薄膜の成長方位は基板面に対して垂直な方向が該薄膜結晶の属する六方晶のC軸として成長し易い。又X線を照射すれば図2に示したのと同様該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが検出される。なお、上記炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム及び酸化アルミニウムなどを主成分とする焼結体からなる基板の形状は本発明において円形だけでなく正方形、長方形、あるいはその他多角形など任意の形状のものが使用できる。また、上記炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム及び酸化アルミニウムなどを主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム及び酸化アルミニウムなどを主成分とする焼結体を用いることで作製される薄膜基板は焼結体および薄膜作製において通常用いられている方法を用いることで任意の大きさのものが作製できる。すなわち焼結体の場合例えば外形0.01mm〜1000mm、厚み1μm〜20mm程度のものは容易に作製できる。
本発明において検討してきた各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の中で窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板は特に優れている。上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成された殆どすべての窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜において該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として300秒以下とシャープで特に結晶性に優れている。したがって本発明が完成に至ったのもこのような知見が得られたことが背景の大きな一つである。おそらく窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は結晶系だけでなく熱膨張率も窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜及び無定形、多結晶、配向性多結晶などの各種結晶状態の薄膜と極めて近いことも優れている原因の一つと本発明者は推測している。すなわち窒化ガリウムが5.59×10−6(℃−1)であり、窒化インジウムが5.70×10−6(℃−1)であり、窒化アルミニウムが5.64×10−6(℃−1)である。例えば本発明による薄膜形成用基板として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いて窒化ガリウムの単結晶薄膜を1000℃程度の温度で形成し室温まで冷却した後窒化ガリウム単結晶薄膜に生じる応力はわずかで窒化ガリウム単結晶薄膜に不具合が生じにくい。またこの組み合わせの場合窒化ガリウム単結晶薄膜に生じる応力は圧縮応力となり、そのためさらに窒化ガリウム単結晶薄膜に不具合が生じにくくなるものと推測される。上記のように基板の熱膨張率が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜及び無定形、多結晶、配向性多結晶などの各種結晶状態の薄膜と近いことの利点としてはその他、基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜及び無定形、多結晶、配向性多結晶などの各種結晶状態の薄膜の膜厚を厚くする必要がある場合該単結晶薄膜に生じる応力が小さくさらにその応力も圧縮応力であることが多いので例えば10μm以上といった厚い膜厚の前記該単結晶薄膜及び無定形、多結晶、配向性多結晶などの各種結晶状態の薄膜に転位や亀裂などの不具合が生じることが少ない、ということが挙げられる。このように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を薄膜形成用基板として用いたとき該基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜及び無定形、多結晶、配向性多結晶などの各種結晶状態の薄膜の厚みは任意の厚みのものが形成できるが少なくとも0.5nm以上のものが形成できさらに10μmm以上の厚いものも容易に形成できる。このように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を薄膜形成用基板として用いたとき該基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は単結晶だけに限らず無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶性のものも任意の厚みで形成でき少なくとも0.5nm以上のものが形成できさらに10μmm以上の厚いもの、又必要に応じて50μm以上のものも容易に形成できる。本発明において上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成された殆どすべての窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みが0.5nm以上の場合(10μm以上、あるいは50μm以上の単結晶薄膜であっても)、該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は300秒以下とシャープで特に結晶性に優れている。したがって本発明による基板を用いて窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜及び無定形、多結晶、配向性多結晶などの各種結晶状態の薄膜の積層によって発光素子を形成したとき素子中の転位が少なく、発光素子を形成するにあたって必要な単結晶薄膜及び無定形、多結晶、配向性多結晶などの各種結晶状態の薄膜の厚み及び発光素子全体の厚みが任意に設定できるので発光素子の設計が容易となり発光効率の高い素子が製造できる。
このように、基板として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いれば炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム及び酸化アルミニウムなどを主成分とする焼結体に比べて基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜及び無定形、多結晶、配向性多結晶などの各種結晶状態の薄膜はより高品質のものが得られやすいという特徴を有する。その他、基板として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いる場合の副次的な利点は波長380nm以下の紫外光に対する光透過率の高さである。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体以外の炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム及び酸化アルミニウムなどを主成分とする焼結体の場合波長380nm以下の紫外光に対する光透過率は殆ど無く実質的に0%である。したがって基板として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いる場合炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム及び酸化アルミニウムなどを主成分とする焼結体に比べて発光素子からの紫外光が基板で吸収される割合が減るので発光素子の発光効率が高まるという利点がある。
基板にサファイアや炭化珪素単結晶あるいはシリコンといった単結晶材料を用い窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したときこれらの基板材料は単結晶であるにもかかわらず得られる該単結晶薄膜には反りや亀裂あるいは転位の増大が生じ易くさらに場合によっては該単結晶薄膜が厚く形成できない場合があるが、その原因の一つは該単結晶薄膜と熱膨張率が異なることも主因の一つと推察される。例えば上記単結晶基板の中で炭化珪素単結晶及びシリコンの熱膨張率は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜及び無定形、多結晶、配向性多結晶などの各種結晶状態の薄膜より小さくそのため該薄膜中には引張り応力が働き該薄膜を例えば0.5μmといった比較的薄い厚みで形成しても該薄膜には亀裂や転位が生じやすい。
上記に述べたように窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するための基板として必ずしも単結晶が優れている訳ではなく、本発明者が示したように基板としてセラミック材料を用いても優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が1形成できる。セラミック材料の中でも窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が優れており従来からの問題点を解決できる。
本発明による薄膜形成用基板及び薄膜基板は図1、図2及び図4で例示されたような窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成したものだけではない。本発明による薄膜形成用基板としては窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板だけでなく、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、その他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板も使用でき、該基板には単結晶を含め無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が直接形成し得る。
図5は、本発明による薄膜形成用基板、及び薄膜基板の1例を斜視図である。図5において符号4で示したものが本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板であり薄膜形成用基板として用いられる。該基板4には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜5が形成され該基板4及び薄膜5により薄膜基板6が構成されている。該基板4には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とし単結晶あるいは無定形状態、多結晶状態、配向性多結晶状態のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜5が形成されている。薄膜5は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする2層以上から構成される薄膜としても形成できる。本発明において2層以上からなる薄膜のうち通常少なくとも1層以上は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶状態の薄膜が形成されたものが発光素子形成用基板、あるいはフィールドエミッション用基板、あるいは回路基板用誘電体材料、あるいは光導波路材料、など各種電子素子及び電子部品用途に使用していく上では好ましい。上記の2層以上で構成された薄膜のうち基板表面の薄膜は単結晶であることがより好ましい。2層以上に形成された薄膜5は各層において単結晶状態を含め無定形状態、多結晶状態、配向性多結晶状態などの各種結晶状態、組成、あるいは厚みなどそれぞれ異なる状態で形成できる。すなわち、例えば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、などを含めた各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形状態あるいは配向性多結晶状態の薄膜があらかじめ形成されさらにその上に単結晶状態の薄膜が形成されている場合、などである。本発明において同じ結晶状態で組成がそれぞれ異なる2層の薄膜としても形成できる。すなわち、例えば形成される薄膜がそれぞれ同じく単結晶で組成がそれぞれ異なる2層の薄膜として形成できる。
なお、図36に窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板だけの図を例示し、該基板を符号4で示した。図36に例示した基板4は薄膜形成用基板として用いられ、該基板の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成される。
本発明による上記の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、などを含めた各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板4には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする少なくとも単結晶状態の薄膜が直接形成でき、その他に無定形状態、多結晶状態、配向性多結晶状態など各種結晶状態の薄膜も直接形成できる。本発明における実施形態として上記基板4には必ずしも窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする少なくとも単結晶状態の薄膜が直接形成されたものでなくてもよく、無定形状態、多結晶状態、配向性多結晶状態のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜が直接形成されているものであってもよい。
本発明において図5に示したような薄膜基板を用いその上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成することができる。その場合該薄膜基板は薄膜形成用基板としての機能を果たすことになる。
図5に例示した本発明による薄膜形成用基板、及び薄膜基板を用いて発光素子、あるいはフィールドエミッションディスプレイ、あるいは回路基板、あるいは光導波路など、各種電子素子及び電子部品を作製することができる。
図6は、図5に示した薄膜が2層で構成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。図6において、符号4で示したものが本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、などを含めた各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板であり薄膜形成用基板として用いられる。該薄膜形成用基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜5及び薄膜8がそれぞれ1層合計2層の薄膜が形成され薄膜基板6が構成されている。
図6に例示した薄膜5及び薄膜8は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とし単結晶状態の薄膜、あるいは必要に応じて、無定形状態、多結晶状態、配向性多結晶状態のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものである。図6に示した薄膜5及び薄膜8は各層において単結晶を含め無定形、多結晶、配向性多結晶などの結晶状態、組成、あるいは厚みなどそれぞれ異なる状態で形成できる。図6に示した薄膜構成において薄膜5を単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態で形成し、薄膜8をエピタキシャル成長した単結晶として形成すれば該薄膜8の結晶性は基板4に直接形成した単結晶薄膜の結晶性よりも向上し易いので好ましい。このような薄膜構成の薄膜基板は例えば発光素子、あるいはフィールドエミッション、あるいは回路基板、あるいは光導波路など、各種電子素子及び電子部品の作製用に使用していく上で好ましい。上記のように薄膜8をエピタキシャル成長した単結晶として形成していく場合、薄膜5は無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態で形成されたものが該薄膜8の結晶性などの特性面で優れたものが得られ易いので好ましく、薄膜5が配向性多結晶として形成されたものがより好ましい。
また、本発明において、図6に示すような薄膜を2層形成したものだけでなくさらに3層以上に形成された薄膜基板も容易に提供することができる。
上記のように図5及び図6に示した薄膜はすべてが単結晶であるとは限らない。また単一の層であるとは限らない。図5及び図6に示した薄膜は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶状態、無定形状態、多結晶状態、配向性多結晶状態など各種結晶状態のものを用いることができる。また、図5及び図6に示した薄膜は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする2層以上から構成される薄膜としても形成できる。2層以上からなる薄膜は各層において単結晶状態を含め無定形状態、多結晶状態、配向性多結晶状態などの結晶状態、組成、あるいは厚みなどそれぞれ異なる状態で形成できるが、本発明において2層以上で構成された薄膜のうち少なくとも1層以上は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶であることが好ましい。本発明による薄膜基板を発光素子形成用基板、あるいはフィールドエミッション用基板、あるいは回路基板用誘電体材料、あるいは光導波路用材料、などのように、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜をはじめとする各種結晶状態の薄膜を形成するために用いる場合など本発明による薄膜基板の表面は通常単結晶状態であることが好ましい。
本発明による薄膜基板とは、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、その他各種セラミック材料を主成分とする焼結体っを基板として用い、該基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された基板であって、要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部がエピタキシャル成長した単結晶状態である基板である。本発明による薄膜基板において表面に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を有するものの場合窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、などを含めた各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶状態、無定形状態、多結晶状態、配向性多結晶状態のうちから選ばれる少なくともいすれかの結晶状態の薄膜をあらかじめ形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜を形成したものが望ましい。そうすることで窒化アルミニウムなど各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶を直接形成したものより単結晶薄膜の結晶性が向上するので好ましい。
本発明による上記図5で示した薄膜基板6及び図6で示した薄膜基板8には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする少なくとも一部が単結晶状態である薄膜が形成でき、その他無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜も形成できる。
本発明による薄膜形成用基板としては図5で示した窒化アルミニウムなど各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板だけでなく、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された基板も用いることができる。このような窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された基板は図6で示した薄膜基板と同質であり、本発明による薄膜基板は発光素子作製用基板、あるいはフィールドエミッション用基板、あるいは回路基板用誘電体材料、あるいは光導波路用材料、などの電子素子及び電子部品だけでなく本発明による薄膜形成用基板としても用いることができる。
本発明による薄膜基板において窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するために用いる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は通常基板状で用いられる。該基板状の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は本発明による薄膜形成用基板として用いる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板と同質である。すなわち本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板は本発明による薄膜基板を構成する基板としても用いることができる。
図5及び図6に記載されている薄膜形成用基板及び薄膜基板は円盤状であり、薄膜は基板の1面だけに形成されているように描かれているが、本発明において上記薄膜は基板の1面だけでなくその他の面にも必要に応じて形成され得る。また、薄膜形成用基板及び薄膜基板として例えば四角い板状(直方体)のものを用いた場合窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は必要に応じて上記薄膜形成用基板及び薄膜基板の1面だけ、あるいは2面だけ、あるいは3面だけ、あるいは4面だけ、あるいは5面だけ、あるいは6面すべて、に形成できる。
図1、図2、図4、図5、図6で示された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜5は少なくとも単結晶状態を含み必要に応じて、さらに無定形状態、多結晶状態、配向性多結晶状態など各種結晶状態を含むものとして形成でき、さらに該薄膜5は単一の層だけでなく組成や結晶状態あるいは厚みの異なる複数の層としても形成し得る。
本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の製造は従来からの方法を用いることができる。すなわち窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体をヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素などの少なくとも1種以上を主体とする中性雰囲気あるいは水素、一酸化炭素、炭素、炭化水素などの少なくとも1種以上を含む還元性雰囲気といった非酸化性雰囲気の常圧下で、あるいは減圧下で、あるいは加圧下で通常1500〜2400℃程度の温度範囲で加熱し製造される。焼成時間は通常10分〜3時間程度の範囲が用いられる。又真空中での焼成によっても製造され得る。さらにホットプレス法あるいはHIP(熱間静水圧加圧焼結)によっても製造される。ホットプレス法による焼成条件としては上記非酸化性雰囲気中あるいは真空中通常1500〜2400℃程度の焼成温度範囲及び10分〜3時間程度の範囲の焼成時間及び10Kg/cm〜1000Kg/cm程度の圧力範囲が用いられる。またHIP法による焼成条件としては上記非酸化性雰囲気を500Kg/cm〜10000Kg/cm程度の範囲に加圧し通常1500〜2400℃程度の焼成温度範囲及び10分〜10時間程度の範囲の焼成時間が用いられる。上記の焼成に際して窒化アルミニウム成分が焼成雰囲気中に存在するような工夫を行うことでより光透過性に優れた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が得やすい。すなわち、窒化アルミニウムを主成分とする蒸気が焼成雰囲気中に存在することで光透過性に優れた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がより得易くなる。窒化アルミニウム成分を焼成雰囲気中に存在させる方法としては例えば被焼成物である窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体あるいは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の焼成中に該被焼成物自体からの蒸発によって雰囲気中に供給するか、あるいは該被焼成物以外から供給する方法がある。具体的には例えば、被焼成物自体から窒化アルミニウム成分を焼成雰囲気中に供給する方法として、該被焼成物を窒化ほう素あるいはタングステン、モリブデンなどできるだけカーボンを含まない材料で作製された「さや」や「こう鉢」などの焼成容器あるいは「セッター」などの焼成治具に収納し焼成するか、あるいはカーボンを含んだ焼成容器あるいは焼成治具を用いたとしてもその表面を窒化ほう素などでコーティングしたものを用いるなど効果がある。焼成容器あるいは焼成治具などに収納後さらに密閉度を高めた状態で被焼成物を焼成することにより光透過性に優れた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を作製することもできる。被焼成物以外から窒化アルミニウム成分を焼成雰囲気中に供給する方法として、被焼成物を窒化アルミニウムを主成分とする材料で作製された「さや」や「こう鉢」などの焼成容器あるいは「セッター」などの焼成治具に収納し焼成することで光透過性に優れた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を作製することができる。また、被焼成物を窒化アルミニウムを主成分とする粉末中に埋設して焼成する方法は光透過性に優れた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が得やすい。上記焼成容器あるいは焼成治具内に被焼成物以外の窒化アルミニウムを主成分とする粉末あるいは窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体あるいは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれか1以上のものを被焼成物とともに同時に存在させて焼成しても光透過率に優れた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を作製することができる。この方法では被焼成物をフリーな状態で焼成することができるので製品の大量処理や複雑な形状のものを焼成する場合に好適である。なお、上記焼成容器あるいは焼成治具のうち窒化アルミニウムを主成分とする材料で作製された焼成容器あるいは焼成治具を用い、被焼成物以外の窒化アルミニウムを主成分とする粉末あるいは窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体あるいは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれか1以上のものを被焼成物とともに同時に存在させて焼成しても光透過率に優れた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を作製することができる。上記窒化アルミニウム成分を焼成雰囲気中に存在させ光透過性に優れた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を作製する方法のなかで、通常該窒化アルミニウム成分を被焼成物自体からの蒸発によって雰囲気中に供給するよりも被焼成物以外から供給する方がより光透過性に優れた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が作製し得る。なお、上記窒化アルミニウム成分を焼成雰囲気中に存在させ光透過性に優れた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を作製する方法は、通常焼結助剤などの添加物や原料中に含まれる酸素あるいは不可避不純物などの成分が焼成中に揮散しないので粉末成形体とほとんど同じ組成の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を作製することができる。
その他、ホットプレス法やHIP法による焼成に際しては窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体をそのまま加圧焼成するよりも該粉末成形体をいったん焼成して窒化アルミニウムを主成分とする焼結体となし、該焼結体をあらためて加圧焼成する方がより光透過性に優れた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が得やすい。また、ホットプレス法やHIP法による焼成においても、上記焼成容器や焼成治具を用いるなど各種方法により焼成雰囲気中に窒化アルミニウ成分を存在させて焼成することがより光透過性に優れた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を作製する上で好ましい。
窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の化学的純度を向上させるときは必要に応じて上記以外の条件も選択できる。例えば1750℃以上の温度で3時間以上の比較的長い時間をかけ要すれば還元性雰囲気中で焼成を行えば含まれる酸素や焼結助剤として用いられる希土類元素化合物やアルカリ土類金属化合物などの成分あるいは焼成温度低減化剤として用いられるアルカリ金属や珪素などの成分あるいは黒色化剤として用いられるMo、W、V、Nb、Ta、Tiなどの金属成分やカーボンあるいはMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の不可避金属成分などを飛散・除去し減少化できるのでALONや上記アルミニウム以外の金属成分や珪素あるいはカーボンを含む化合物の含有量が低減化されてAlN純度が高まりその結果光透過性が向上した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を製造することが可能となる。上記のように1750℃以上の温度で3時間以上の比較的長い時間をかけ要すれば還元性雰囲気中で焼成を行うことで窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過性をより高めることができるが、該焼成により窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の窒化アルミニウム粒子が成長し易くその結果粒子境界が減少することも光透過性が高まり易くなることの要因の1つではないかと本願発明者は推測している。
上記のようにAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いて窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶の薄膜を形成したとき該単結晶薄膜はより結晶性の高いものが形成でき易くなるので好ましい。また、例えば1750℃以上の温度で3時間以上の比較的長い時間をかけて焼成を行うことで窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の窒化アルミニウム粒子を大きく成長させることができる。窒化アルミニウム粒子が成長した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いて窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶の薄膜を形成したとき該単結晶薄膜はより結晶性の高いものが形成でき易くなるので好ましい。本発明においてはこのように窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板としてAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体だけでなく、窒化アルミニウム粒子が成長した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体も有効である。上記のようなAlN純度の高い窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは窒化アルミニウム粒子が成長した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を製造するときの焼成温度として焼成時間を短縮する上で1900℃以上がより好ましく、2050℃以上がさらに好ましく、2100℃以上が最も好ましい。2050℃以上はもちろんさらに2100℃以上の高温であってもAlN成分自体は殆ど昇華することなく焼成できる。AlNの純度を高めるためあるいは窒化アルミニウム粒子を成長させるために焼成温度1750℃〜1900℃の範囲では焼成時間は通常10時間以上とすることが好ましくさらに24時間以上でより大きな効果が得られる。焼成温度1900℃以上では焼成時間6時間以上で十分AlN純度を高める、あるいは窒化アルミニウム粒子を成長させる効果が得られさらに10時間以上でAlNの純度を高める、あるいは窒化アルミニウム粒子を成長させるためのより大きな効果が得られる。焼成温度2050℃以上では焼成時間4時間以上で十分AlN純度を高める、あるいは窒化アルミニウム粒子を成長させる効果が得られさらに6時間以上でAlNの純度を高める、あるいは窒化アルミニウム粒子を成長させるためのより大きな効果が得られる。また焼成温度2100℃以上では焼成時間3時間以上で十分AlN純度を高める、あるいは窒化アルミニウム粒子を成長させる効果が得られさらに4時間以上でAlNの純度を高める、あるいは窒化アルミニウム粒子を成長させるためのより大きな効果が得られる。上記のように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のAlN純度を高める、あるいは窒化アルミニウム粒子を成長させる上では焼成温度を高めれば焼成時間を短くでき焼成温度を低くすれば焼成時間が長くなるという関係にあり、焼成温度と焼成時間は任意の条件のものを用いることができる。上記のようなAlN純度の高い窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を製造するときの焼成雰囲気は不純物をより揮散させ易くするために例えば水素、一酸化炭素、炭素、炭化水素などの少なくとも1種以上を含む還元性雰囲気を用いることが好ましい。還元性雰囲気としては水素、一酸化炭素、炭素、炭化水素などのうち少なくとも1種以上を主体とするものでも良いが窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどのうち少なくとも1種以上を主成分とする雰囲気中に水素、一酸化炭素、炭素、炭化水素などのうち少なくとも1種以上を例えば0.1ppm程度の微量含む雰囲気であっても良い。還元性雰囲気が窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどのうち少なくとも1種以上を主体とする雰囲気中に水素、一酸化炭素、炭素、炭化水素などのうち少なくとも1種以上を微量含む雰囲気である場合水素、一酸化炭素、炭素、炭化水素などのうち少なくとも1種以上を10ppm以上含むものが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を高純度化する上でより好ましい。また前記還元性雰囲気において水素、一酸化炭素、炭素、炭化水素などのうち少なくとも1種以上を100ppm以上含むものが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を高純度化する上でさらに好ましい。窒化アルミニウム粒子が成長した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を製造する時の雰囲気は特に還元雰囲気を用いる必要性はなく非酸化性の雰囲気であれば十分である。上記のような比較的長い時間焼成を行いAlN純度の高い窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは窒化アルミニウム粒子が成長した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を製造するとき、窒化アルミニウム原料粉末を主成分とする粉末成形体を用いて焼成してもよいし、前記粉末成形体をいったん焼成し焼結体としたものを用いても良い。また、主成分である窒化アルミニウム以外に希土類元素化合物あるいはアルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含む窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体や焼結体を用いることも好ましい。
AlN純度の高い窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を製造するときには特に焼結助剤を使用せず原料粉末をそのまま使った粉末成形体や焼結体を用い好ましくは前記のような還元性雰囲気中1750℃以上の温度で3時間以上加熱して含まれる成分を揮散・除去してもよいが、上記のように希土類元素化合物あるいはアルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含む窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体や焼結体を用いることがAlN以外の成分を揮散・除去、低減化し高純度化が達成され易いのでより好ましい。また、希土類元素化合物から選ばれた化合物を少なくとも1種以上及びアルカリ土類金属化合物から選ばれた化合物を少なくとも1種以上同時に含んだ窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体あるいは粉末成形体をいったん焼成して焼結体としたものを用いることで、希土類元素化合物あるいはアルカリ土類金属化合物をそれぞれ単独で用いた場合に比べて焼成温度を50℃〜300℃程度低下することが可能となり効率的に窒化アルミニウム以外の成分を揮散・除去、低減化し高純度化が達成され易くなるのでより好ましい。このような方法によりX線回折などの方法を用いた分析で実質的にAlN単一相からなる窒化アルミニウム焼結体も製造できる。
本願発明において薄膜形成用基板として用いる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のAlN純度を高めることはこの基板に形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の質を向上させるためには有効である。その理由として焼結体中で粒界相の占める面積が減少しAlN粒子だけの影響しか受けにくくなるためであろうと思われる。
しかしながら一方で窒化アルミニウム粒子が成長した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることも有効である。すなわち例えば前記粉末成形体や焼結体を1750℃以上の温度で3時間以上の比較的長い時間をかけて焼成を行って得られる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は窒化アルミニウム粒子は大きく成長している一方で希土類元素化合物やアルカリ土類金属化合物などの焼結助剤、あるいは酸素、あるいは焼成温度低減化剤として用いられるアルカリ金属や珪素などの成分、あるいは黒色化剤として用いられるMo、W、V、Nb、Ta、Tiなどの金属成分やカーボン、あるいはMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の不可避金属成分、あるいはALONや上記アルミニウム以外の金属成分や珪素あるいはカーボンを含む化合物、などの成分が比較的多く残存している場合がある。このような焼結体を基板として用いてもこの基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性が向上するなど薄膜の質は向上する。すなわち本発明において窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板として用いられる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は必ずしもAlN純度の高いものでなくても焼結体中の窒化アルミニウム粒子を大きくすることが有効であることを示している。その理由として焼結体中の窒化アルミニウム結晶粒子の大きさが増大化すれば粒界が減少するので粒界の影響が少なくなりこの大きく増大したAlN粒子が単結晶に近い性質を発現し易くなるためであろうと推測される。上記のように高い温度で長時間焼成すれば焼結体中の窒化アルミニウム結晶粒子の大きさが増大化するが通常それと同時に窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中のAlN純度が高まり易い。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の窒化アルミニウム結晶粒子の大きさを増大化させるだけでAlN純度の向上を抑制するためには焼成雰囲気を水素、一酸化炭素、炭素、炭化水素などの還元性成分の比較的少ない窒素やアルゴンなどの非酸化性雰囲気を用いることが好ましい。又焼成炉もカーボン発熱体を用いる方式のものあるいは電磁誘導でカーボンを発熱させる方式あるいはカーボン製の炉材を用いたものなど以外、例えばタングステン、モリブデンなどの高融点金属を発熱体とする方式のものあるいは電磁誘導でタングステン、モリブデンなどの高融点金属を発熱させる方式あるいはタングステン、モリブデンなどの高融点金属製の炉材を用いたものなどを用いることが有効である。また水素、一酸化炭素、炭素、炭化水素などを含む還元性雰囲気中で焼成してもあるいはカーボン発熱体を用いる方式のものや電磁誘導でカーボンを発熱させる方式の焼成炉を用いても、前記粉末成形体や焼結体を窒化アルミニウムや窒化ほう素あるいはタングステンなどできるだけカーボンを含まないセッターや治具あるいはさや内に収納するか、あるいは窒化アルミニウム粉末中に埋設するか、あるいはカーボンを含んだセッターや治具あるいはさやを用いたとしても窒化アルミニウム粉末中に埋設するか、あるいは上記セッターや治具あるいはさや内に収納しさらに窒化アルミニウム粉末中に埋設するなど、できるだけ還元性雰囲気と隔絶した状態で焼成することも有効である。
上記のような焼結体の高純度化を抑制するような焼成法でなくカーボン発熱体を用いる方式のものあるいは電磁誘導でカーボンを発熱させる方式のものあるいはカーボン製の炉材を用いた焼成炉などを用いるか、カーボン製のセッターや治具あるいはさやを用いて前記粉末成形体あるいは焼結体を焼成すれば自発的に一酸化炭素や炭素を含む還元雰囲気が形成され易いのでAlN以外の成分が揮散・除去され易くなりAlN純度が高くかつ窒化アルミニウム粒子が成長した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を容易に得ることができるので好ましい。通常カーボン発熱体を用いる方式のものあるいは電磁誘導でカーボンを発熱させる方式のものあるいはカーボン製の炉材を用いた焼成炉などを用い、同時にカーボン製のセッターや治具あるいはさやを用いて前記粉末成形体あるいは焼結体を焼成することがAlN純度が高くかつ窒化アルミニウム粒子が成長した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を製造する上で好ましい。
また、上記のような還元性が弱いかあるいは還元性成分を含まない非酸化性雰囲気中で3時間以下と比較的短い時間、又は還元性が弱いかあるいは還元性成分を含まない非酸化性雰囲気中で例えば1900℃以下と比較的低温で焼成を行ない、窒化アルミニウム結晶粒子の大きさの増大が比較的少なく、不純物や焼結助剤などが比較的多く残存した状態の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体も窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板として問題なく用いられる。すなわち、このようにして作製される窒化アルミニウムを主成分とする焼結体には原料粉末中の不純物酸素や粉末成形体に添加したAlに起因する酸素、あるいは添加した希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物などの焼結助剤中の金属成分や酸素成分など、あるいは添加したアルカリ金属化合物及び珪素含有化合物中の金属成分、珪素成分、酸素成分など、あるいは添加したMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属を含む化合物及びカーボンを含む化合物中の金属成分やカーボン成分など、あるいは添加したFe、Ni、Cr、Mn、Zr、Hf、Co、Cu、Znなどの不可避不純物を含む化合物中の金属成分や酸素成分などは焼成により殆ど揮散・除去されないで粉末成形体中と殆ど同じ量存在する場合が多い。一方、本発明においては特に断らない限り粉末成形体及び窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中に含まれる不純物あるいは加えられた各種添加物の量は実際含まれる不純物あるいは加えられる焼結助剤などの化合物を酸化物換算あるいは元素換算した量で示しており、前記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の酸素成分や金属成分あるいは珪素成分の量は通常特に断らない限り酸化物換算あるいは元素換算によるものである。
上記のようにAlN純度が高くかつ窒化アルミニウム粒子が成長した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は薄膜形成用基板として好ましいが、必ずしもAlNの純度が高くなくても、すなわち希土類元素化合物やアルカリ土類金属化合物などの焼結助剤、あるいは酸素、あるいは焼成温度低減化剤として用いられるアルカリ金属や珪素などの成分、あるいは黒色化剤として用いられるMo、W、V、Nb、Ta、Tiなどの金属成分やカーボン、あるいはFe、Ni、Cr、Mn、Zr、Hf、Co、Cu、ZnなどMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の不可避金属成分、あるいはALONや上記アルミニウム以外の金属成分や珪素あるいはカーボンを含む化合物、などの成分が比較的多く残存している窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であっても窒化アルミニウム粒子が成長したものであれば結晶性の高い窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し得る基板となり得る。上記のような不純物が残存している一方で窒化アルミニウム粒子が成長している窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は必ずしも光透過性がなかったりあるいは小さいものではなく、光透過率60%〜80%の高いものが得られる。このような窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は結晶性の高い窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成し得る優れた基板となり得る。
このようなAlN純度の高い窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは窒化アルミニウム粒子が成長した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいはAlN純度が高くかつ窒化アルミニウム粒子が成長した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は可視光あるいは紫外光透過率が高まる。さらに、熱伝導率も例えば室温において200W/mK以上あるいは220W/mK以上に向上できるという副次的な効果をもたらす。元来窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は熱伝導率が室温において少なくとも50W/mK以上、通常は100W/mK以上と高くそのため窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基材として用いて作製される発光素子はそこに加えられる電力を基板がサファイアの場合に比べて大きくできるので発光素子の発光出力が高まるという利点を有するが、さらに例えば上記のような方法で熱伝導率を室温において200W/mK以上に高めることでさらに発光素子の発光出力を高めることができより好ましい。
さらに上記AlN純度の高い窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは窒化アルミニウム粒子が成長した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は可視光及び/又は波長200nm〜380nmの範囲の紫外光における光透過率が高まり20〜40%以上と比較的高いものが得られ易いので発光素子からの光が基板で吸収される割合が減り発光素子の発光効率が高まるという別の利点もある。
上記の高純度化された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過性を高めるためには焼成に供する粉末成形体や焼結体の形状はどのようなものでも用いることができるが同じ体積であれば立方体や直方体あるいは円柱状などのブロック状よりも例えば板状などより表面積の大きなものを用いることが好ましい。また上記焼成に供する粉末成形体や焼結体の形状でその1辺大きさが8mm以下のものを用いることが高純度化された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過性を高める上で好ましい。さらに上記の1辺の大きさが5mm以下のものを用いることがより好ましく、上記の1辺の大きさが2.5mm以下のものを用いることがさらに好ましく、1辺の大きさが1mm以下のものを用いることが最も好ましい。上記焼成に供する粉末成形体や焼結体の形状が板状のときその厚みは8mm以下のものを用いることが高純度化された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過性を高める上で好ましい。さらに上記板状の粉末成形体や焼結体の厚みは5mm以下のものを用いることがより好ましく、厚み2.5mm以下のものを用いることがさらに好ましく、厚み1mm以下のものを用いることが最も好ましい。上記に示したことを具体的に述べれば例えば、組成が実質的に同じで実質的にAlN単一相の焼結体であっても上記立方体や直方体あるいは円柱状などのブロック状のものあるいは1辺が5mmを越える粉末成形体や焼結体を用いて製造した高純度化された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体では板状あるいは1辺が8mm以下の成形体や焼結体を用いて製造したものに比べて光透過率が低減化し、場合によっては黒色化して光透過率がゼロに近いものとなる場合がある。その理由は必ずしも明確ではないが、焼成の過程でAlN以外の成分が揮散・除去されるに際して該揮散成分の圧力が高まり焼結体から急激な抜け方をしたり、例えば焼結助剤のYなど揮散中にX線回折や化学分析では判別できにくい微量成分が窒化物や炭化物などの還元生成物に変質するためではないかと推測される。
上記例示した方法などを適宜用いることで窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の、1)緻密度、2)気孔の量や大きさ、3)焼結助剤などの量や分布、4)酸素の含有量や存在状態、5)焼結助剤以外の不純物の量や分布、6)窒化アルミニウム粒子の大きさや粒度分布、7)窒化アルミニウム粒子の形状、などを制御できる。
また、上記のように含まれるアルミニウム及び窒素以外の成分を飛散・除去し減少化させる焼成法により製造された焼結体は通常の焼成法(上記した減圧下、常圧下、雰囲気加圧下、ホットプレス、HIPなどの方法を含む)により製造されたものに比べて光透過性が高くなり、AlN純度も高くなり、窒化アルミニウム粒子の大きさも大きくなる、といった特徴がある。このような焼結体は多結晶体ではあるが粒界の影響が少なくなるので単結晶の性状に近づくため該焼結体を基板として用いたものに形成される単結晶薄膜の結晶性が高まるなど窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の品質が向上し易い。本発明はこのような高純度化を目的とした焼成法により製造されるAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは窒化アルミニウム粒子の大きさを成長させた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいはAlN純度を高め窒化アルミニウム粒子の大きさを成長させた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体も提供する。
上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の製造に用いる原料粉末は酸化アルミニウムをカーボンで還元し、窒化する酸化物還元法によるもの、あるいは金属アルミニウムを直接窒化する直接窒化法によるもの、塩化アルミニウム、トリメチルアルミニウム、アルミニウムアルコキシドなどのアルミニウム化合物を分解し気相中でアンモニアなどを用いて窒化するCVD法、といった方法で作製されたものが使用される。焼結体の光透過性を高めるためには均一なサブミクロンの一次粒子を有し化学的な純度の高い酸化物還元法により作製された原料を用いることが好ましい。そのため上記方法による原料のうち酸化アルミニウムをカーボンで還元し、窒化する酸化物還元法によるもの、あるいは金属アルミニウムを直接窒化する直接窒化法によるものを単独で用いるか混合して用いることが好ましい。
窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率は上記製造法を適宜用いることで60〜80%程度あるいは80〜90%以上のものが得られる。40%以上の光透過率を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることで該基板に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下と良好なものが得られ易く好ましい。また60%以上の高い光透過率を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下と良好なものが得られ易く特に好ましい。また80%以上の高い光透過率を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下と良好なものが得られ易く最も好ましい。上記光透過率は通常波長605nmの単色光で測定されたものであるが前記方法により測定された光透過率を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は波長380nm〜800nmの範囲の全可視光領域でも同様な光透過率を有する。またこのような可視光に対する光透過率を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は波長200nm〜380nmの範囲の紫外領域の光においても高い光透過率を有し、この紫外領域の光の中で波長250nm〜380nmの範囲の光においてはより高い光透過率を有する。
本発明において基板は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であるため焼結体中の窒化アルミニウム粒子の結晶方位はランダムな方向を向いている。したがって該上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の窒化アルミニウム粒子は窒化ガリウムや窒化インジウムと同じウルツ鉱型の結晶構造であり格子定数も殆ど同じであるが窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜と基板とは従来から言われている理論的な考え方において格子整合するとは言い得ない。このように理論的には基板と格子整合し得ないと思われるにもかかわらず基板上に形成される薄膜は単結晶である。実際本願発明者は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を0.5〜5nm程度の比較的薄い厚みで形成してみたが少なくとも窒化ガリウム、窒化インジウムを主成分とする薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の良好な結晶性を有する単結晶薄膜である。また窒化アルミニウムを主成分とする上記厚み0.5〜5nmの薄膜も電子線回折で単結晶であると判定される。上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の厚みを3〜6μm及び10μm以上と厚く形成したものでもミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下と良好な結晶性のものが得られる。さらに可視光に対する光透過率以外に下記に示すような窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の特性により基板上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性をミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒〜150秒以下のより良好なものとすることもできる。本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体という多結晶体からなる基板を用いることで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜がなぜ形成できるのかその原因については現時点では必ずしも明確ではない。おそらく窒化アルミニウムという化学成分とそれが有する結晶構造のために焼結体内で窒化アルミニウム微粒子がまったくランダムな方向性であっても、その上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする気体成分が気体から固体に変化し核成長が始まるとき一斉に例えばC軸方向に整列し単結晶化し易い性状をもともと有しているのではないかと推測される。すなわち窒化アルミニウムという焼結体中の主成分そのものが、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする成分が気体から固体へ変化し窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板上へ薄膜が形成される過程において薄膜の単結晶化を手助けするような性質をもともと強く持っているためではないかと推測される。基板が窒化アルミニウムと同じ六方晶あるいは三方晶の結晶系に属する炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、などを主成分とする焼結体でも該薄膜の単結晶化は達成できるが形成された薄膜の結晶性において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体をもちいた基板上に直接形成されたものが優れていることからも上記推察の妥当性が間接的ながらも説明できる。また薄膜がいったん窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を形成しうる成分を含む気体、イオン、単分子あるいは分子線などを経てその後窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする固体膜へと変換される過程を経た薄膜は単結晶化したものが得られ易い。
本発明において基板としては窒化アルミニウムを50体積%以上含む焼結体を用いることで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接基板上に形成され易くなるので好ましい。なお窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板中の窒化アルミニウムの含有量は焼結体に含まれる希土類元素化合物、アルカリ土類金属化合物、酸素、アルカリ金属、珪素、Mo、W、V、Nb、Ta、Tiなどの金属成分、カーボン、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の不可避金属成分、ALON、上記アルミニウム以外の金属成分、などアルミニウム以外の成分の含有量をそれぞれ元素換算として求めることにより容易に算定できる。なお酸素は酸化アルミニウムとして換算したものである。
上記推測は実際窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過性と基板上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性とに相関が見られることからもある程度は説明されうる。すなわち、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過性は、1)焼結体の密度、2)焼結体内部の気孔の有無や大きさ、3)焼結体の焼結助剤や黒色化剤の含有量、4)焼結体の酸素含有量、5)焼結体の焼結助剤及び酸素以外の不純物含有量、6)焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさ、7)焼結体中の窒化アルミニウム粒子の形状、といった要因で変化するが、これら焼結体の光透過性に影響を与える要因は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の生成に対しても何らかの影響を与えている可能性が高いと思えるからである。
本発明において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過性と該焼結体からなる基板上の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の生成との間には上記のように相関が認められるが、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の可視光に対する光透過率あるいは紫外光に対する光透過率がそれぞれ1%より低いかあるいは実質的に光を透過しないものであっても窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の生成は可能である。例えばモリブデン、タングステン、カーボンなどの黒色化元素を含むものや鉄、ニッケル、クロム、マンガンなどの不可避金属不純物を含むものあるいはリチウムなどのアルカリ金属や珪素化合物などの焼成温度低減化剤を含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率は1%より低いかあるいは実質的に光透過率はゼロの場合が多い。このような焼結体からなる基板であってもその上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成でき、さらにその結晶性は上記ミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下と良好なものも得られる。このことはやはり前記のように、窒化アルミニウムという焼結体中の主成分そのものが窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする成分が気相や分子線を経て窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板上へ薄膜として形成される過程で容易に単結晶化されるのを手助けするような性質をもともと持っているためと推測される。
窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の密度であるが、窒化アルミニウムや焼結助剤などが密に詰まった状態でないと単結晶薄膜は形成できないであろうことは容易に推測できる。実際本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の相対密度95%以上であることが好ましくこのような基板には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できる。実際本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の相対密度98%以上で該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線ロッキングカーブの半値幅が300秒以下のものが形成され易い。焼結体の相対密度99%以上で該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線ロッキングカーブの半値幅として240秒以下のものが形成され易くより好ましい。また、焼結体の相対密度99.5%以上で該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線ロッキングカーブの半値幅として200秒以下のものが形成され易くさらに好ましい。なお、本発明において相対密度は焼結助剤や黒色化剤などの添加物を加えないで作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は窒化アルミニウムの理論密度(3.261g/cm)に対するものであるが、焼結助剤や黒色化剤などの添加物を加えて作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は窒化アルミニウムの理論密度に対するものではなく窒化アルミニウムと焼結助剤などの成分が単に混合していていると見なしたとき計算上の密度に対する値で示した。したがって窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の相対密度は焼結体組成に依存する。具体的に言えば例えば窒化アルミニウム(AlN)を95重量%、酸化イットリウム(Y)を5重量%含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において、AlNの密度は3.261g/cmであり、Yの密度は5.03g/cmであるからこの組成の焼結体が完全に緻密化したときの密度は3.319g/cmであると算定されるので、実際得られた焼結体の密度と前記計算上の密度との百分率が本発明で言う相対密度となる。さらに具体例を示せば窒化アルミニウム(AlN)を90重量%、酸化エルビウム(Er)を10重量%含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において、Erの密度は8.64g/cmであるからこの組成の焼結体が完全に緻密化したときの密度は3.477g/cmであると算定されるので、実際得られた焼結体の密度と前記計算上の密度との百分率が本発明で言う相対密度となる。また窒化アルミニウム(AlN)を99.5重量%、酸化カルシウム(CaO)を0.5重量%含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において、CaOの密度は3.25g/cmであるからこの組成の焼結体が完全に緻密化したときの密度は3.261g/cmであると算定されるので、実際得られた焼結体の密度とこの計算上の密度との百分率が本発明で言う相対密度となる。
また窒化アルミニウムを主成分とする焼結体内部の気孔の大きさも小さいほうが良質な単結晶薄膜が形成できるであろうことも容易に推測できる。実際本発明において焼結体中の気孔の大きさが平均1μm以下で該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線ロッキングカーブの半値幅が300秒以下のものが形成され易い。また、気孔の大きさが平均0.7μm以下で該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線ロッキングカーブの半値幅として240秒以下のものが形成され易くより好ましい。また、気孔の大きさが平均0.5μm以下で該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線ロッキングカーブの半値幅として200秒以下のものが形成され易い。
上記焼結体密度の向上、及び焼結体内部気孔の減少あるいは内部気孔の大きさを小さくするためには例えば以下の方法が有効である。すなわち、1.焼結体製造用原料として一次粒子がサブミクロンで粒子サイズの分布が均一なものを使用する、2.焼成温度を低減化し粒子成長を抑制する、3.雰囲気加圧焼成やホットプレスあるいはHIPなど焼成を1気圧より高い状態で行う、4.焼成において保持温度を多段階に行う、5.減圧焼成あるいは常圧焼成と雰囲気加圧焼成やホットプレスあるいはHIPなどの1気圧より高い雰囲気下での焼成とを組み合わせて行う、などである。また、上記方法を2以上組み合わせて行うことも有効である。
また本発明による基板は主成分である窒化アルミニウム以外に焼結助剤として例えばSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、などの希土類元素酸化物あるいはその他Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分、あるいはその他Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどを含む炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物などの無機希土類化合物、酢酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩などの有機希土類化合物などの各種希土類元素化合物、BeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属酸化物やBe、Mg、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属元素成分、あるいはその他Be、Mg、Ca、Sr、Baなどを含む炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物などの無機アルカリ土類金属化合物、酢酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩などの有機アルカリ土類金属化合物などの各種アルカリ土類金属化合物、焼成温度低減化のために希土類元素化合物とアルカリ土類金属化合物を同時併用で用いることやLiO、LiCO、LiF、LiOH、NaO、NaCO、NaF、NaOH、KO、KCO、KF、KOHなどのアルカリ金属化合物やSiO、Si、SiCなどの珪素化合物、黒色化をはかるためにMo、W、V、Nb、Ta、Tiなどを含む金属、合金及び金属化合物やカーボンなどの成分を含んだものも用いることができる。本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体には上記のように希土類元素成分及びアルカリ土類金属成分、アルカリ金属成分、珪素成分、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンなどの成分を含むものを用いることができる。これら焼結助剤や焼成温度低減化剤、黒色化剤も焼結体の光透過性に影響を与えることは容易に推測できる。実際本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板において、上記主成分である窒化アルミニウム以外の成分の含有量は希土類元素及びアルカリ土類金属の場合は酸化物換算で合計25体積%以下、アルカリ金属及び珪素の場合は酸化物換算で合計10体積%、上記黒色化をはかるための成分は元素換算で合計25体積%以下の焼結体を用いることで、基板上には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成され易い。このとき基板上に直接形成された該単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅において300秒以下と良好なものが得られ易い。また、アルカリ金属成分及び珪素成分を酸化物換算で合計5体積%以下含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることで、基板上には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成され易い。このとき基板上に直接形成された該単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅において240秒以下と良好なものが得られ易い。アルカリ金属成分及び珪素成分はそれぞれ単独で含有されたものであってもよいしアルカリ金属成分及び珪素成分を同時に含有された状態であってもよい。上記焼結助剤や焼成温度低減化剤、黒色化剤は窒化アルミニウムと異なる化合物や結晶相を焼結体内部に生じ易い。上記焼結助剤や焼成温度低減化剤、黒色化剤により生成した化合物や結晶相の結晶構造は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムなどのウルツ鉱型と異なるので上記焼結助剤や焼成温度低減化剤、黒色化剤により生成した化合物や結晶相が多量に存在している基板上では結晶核成長の方向が不規則となり易く良好な結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は得られにくいものとも推測される。
本発明で言う上記基板を構成する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に含まれる希土類元素及びアルカリ土類金属の含有量とは含まれる希土類及びアルカリ土類金属を希土類元素及びアルカリ土類金属元素として重量百分率(重量%)で求めその後希土類元素酸化物及びアルカリ土類金属酸化物に換算し、さらにこれら酸化物の密度から体積百分率(体積%)に算定し直して求めたものである。換算に用いる希土類元素酸化物はSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luであり、アルカリ土類金属酸化物はBeO、MgO、CaO、SrO、BaOである。また、基板を構成する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に含まれるアルカリ金属及び珪素の含有量とは含まれるアルカリ金属及び珪素の含有量をアルカリ金属元素及び珪素として重量百分率(重量%)で求めその後アルカリ金属酸化物及び珪素酸化物に換算し、さらにこれら酸化物の密度から体積百分率(体積%)に算定し直して求めたものである。換算に用いるアルカリ金属酸化物はLiO、NaO、KO、RbO、CsOであり、珪素酸化物はSiO(密度:2.65g/cm)、である。また、基板を構成する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に含まれるMo、W、V、Nb、Ta、Tiなどを含む金属、合金及び金属化合物やカーボンなどを含む化合物の含有量とは、含まれるMo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボン各成分の含有量を元素として重量百分率(重量%)で求め、さらにこれら元素の密度から体積百分率(体積%)に算定し直して求めたものである。
本発明において特に断らない限りアルカリ土類金属にはカルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)だけでなくベリリウム(Be)及びマグネシウム(Mg)を含む。
なお上記体積%(体積百分率)とは基板に含まれる窒化アルミニウム以外の各元素成分を酸化物に換算しこの酸化物の密度と重量百分率とから算定したものである。例えば前記基板に含まれる窒化アルミニウム以外の各元素成分がお互いにあるいは酸素や遷移金属などの不可避混入成分と反応して実際生じる反応物の体積百分率を意味するものではないが焼結体の緻密さを測る尺度になり得る。
具体的に言えば例えば窒化アルミニウム(AlN)を95重量%、酸化イットリウム(Y)を5重量%含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において、AlNの密度は3.261g/cmであり、Yの密度は5.03g/cmであるから希土類元素化合物の含有量は3.30体積%であると算定される。また窒化アルミニウム(AlN)を90重量%、酸化エルビウム(Er)を10重量%含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において、Erの密度は8.64g/cmであるから希土類元素化合物の含有量は4.02体積%であると算定される。また窒化アルミニウム(AlN)を99.5重量%、炭酸カルシウム(CaCO)を酸化カルシウム(CaO)換算で0.5重量%含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において、CaOの密度は3.25g/cmであるからアルカリ土類金属化合物の含有量は0.50体積%であると算定される。
また、本発明による基板は主成分である窒化アルミニウム以外に上記焼結助剤としての成分、黒色化をはかるための成分、焼成温度の低減化を図るための成分だけでなく焼結体製造用原料に含まれさらに製造工程から混入し易い遷移金属の不可避不純物成分を含有する。このような不可避不純物は希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属例えば鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛などの成分を含むものである。本発明において上記「遷移金属の不可避不純物成分を含有する」とは上記鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛などの成分のうちの少なくとも1種以上を含むことを意味する。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に含まれる上記遷移金属などの不可避不純物成分の混入量は通常1重量%以下である場合が多く0.5重量%以下、あるいは0.2重量%以下、好ましくは0.05重量%以下である。勿論このような不可避不純物の混入はできるだけ少ない方が好ましいが本発明においては上記鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛などの遷移金属成分を比較的多く含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であっても基板には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できる。すなわち、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の上記鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛などの遷移金属成分の含有量は元素換算で30重量%以下であることが好ましく基板上には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成でき、このとき窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板上に形成された該単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅において300秒以下と良好なものが得られ易い。又不可避不純物を含む成分の含有量が元素換算で20重量%以下の基板を用いることで基板上に直接形成された該単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅において240秒以下と良好なものが得られ易いので、基板としてはより好ましく、10重量%以下であることが基板上に直接形成された該単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅において200秒以下と良好なものが得られ易いのでより好ましい。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の製造に際して高純度原料を使用しグリーンシートや粉末プレス用顆粒製造あるいは焼成などの製造工程でセラミックが接触する部分に使用する部材の高純度化をはかるなどの工夫で不可避不純物の混入を減少することができる。
また、本発明による基板は主成分である窒化アルミニウム以外に上記焼結助剤としての成分、黒色化をはかるための成分、焼成温度の低減化を図るための成分、不可避金属不純物成分だけでなく焼結体製造用原料に含まれさらに製造工程から混入する酸素を含有する。焼結体製造用原料には通常酸素が0.01〜5.0重量%程度含まれ、焼成中に一部揮散するが殆どこのまま焼結体中に取り込まれることが多く焼結助剤などを用いないで製造された焼結体中にはスピネル型結晶構造のALON(酸窒化アルミニウム:AlNとAlとの化合物)が生成されることが多い。このALONは通常JCPDSファイル番号36−50に示される回折線を示す。酸素は又焼結体中にALONを生成するよう積極的にAlを添加することにより含有される。さらに、焼結助剤や黒色化剤が酸化物や複合酸化物など酸素を含む化合物である場合はこれらの分も含有される。焼結体中の酸素量が10重量%より多いと焼結体内部でALONあるいは焼結助剤と酸素、黒色化剤と酸素、焼成温度低減化剤と酸素、などの化合物の生成が多くなり単結晶薄膜の結晶性の低下をもたらし易い。焼結体中でのALONの生成量は酸素量と希土類元素化合物やアルカリ土類金属化合物などの焼結助剤量で制御できるが、焼結助剤を用いない場合は焼結体中の酸素量だけに依存する。上記ALONの結晶構造は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムなどのウルツ鉱型と異なるがALON量が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中で12%以下であれば該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性として該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅240秒以下のものが形成され易く結晶性の向上が見られるので好ましい。また、ALONの量が7%以下の焼結体を基板として用いることで上記X線回折ロッキングカーブの半値幅において200秒以下のものが形成され易くより結晶性の向上が見られるので好ましい。なおALONの含有量は基板表面のX線回折によりALONのミラー指数(311)格子面からの回折線強度とAlNのミラー指数(100)格子面からの回折線強度との比を百分率で求めたものである。焼結体中において12%以下のALONの量は焼結助剤などの添加剤を用いずに窒化アルミニウム原料粉末だけあるいは該原料粉末とAlとの混合粉末とだけで焼成された焼結体において酸素量5.0重量%以下のもので形成され易い。7%以下のALONの量は焼結助剤などの添加剤を用いずに窒化アルミニウム原料粉末だけあるいは該原料粉末とAlとの混合粉末とだけで焼成された焼結体において酸素量3.0重量%以下のもので形成され易い。また焼結体中のALONの量が20%以下の基板を用いることで基板上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅において300秒以下のものが形成され易い。20%以下のALONの含有量は焼結助剤などの添加剤を用いずに窒化アルミニウム原料粉末だけあるいは該原料粉末とAlとの混合粉末とだけで焼成された焼結体において酸素量10.0重量%以下のもので形成され易い。焼結体中にALONが20%より多く生成している基板上ではミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅において300秒以下の良好な結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は形成しにくくなる。それはウルツ鉱型と異なるALON結晶が多くなることで該単結晶薄膜の結晶成長がもともと有しているできるだけC軸方向に向かおうとする力が阻害され不規則な方向となり易くなるためであろうと推測される。
なお、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中のALON含有量は上記のようにX線回折によってALONのミラー指数(311)格子面からの回折線強度とAlNのミラー指数(100)格子面からの回折線強度との比の百分率で求めたものであるが、該焼結体に含まれる酸素含有量と上記JCPDSファイル番号36−50に記載されているALONの密度3.837g/cmとを比較してみて近似的に体積分率と見なし得る。
また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中にAlN及びALON以外の化合物が生成している場合ALONの含有量はX線回折による該化合物の最強線とAlN及びALONの最強線を合計しALONの最強線との比を百分率で含めたものである。
また、本発明において酸素の含有量、及び鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛などのMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属の含有量はそれぞれの元素換算による重量百分率(重量%)で示したが、これら成分を体積百分率で表示し直すことは上記方法により容易に行うことができる。鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛などの含有量を体積百分率に算定しなおす場合はこれら鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛などの各成分の含有量を元素として重量百分率(重量%)で求め、さらにこれら元素の密度から体積百分率(体積%)に算定し直して求めることができる。また、酸素の含有量を体積百分率で算定し直す場合、該酸素含有量を市販の酸素・窒素分析装置などを用いて元素として重量百分率で求めた後Al3に換算し直して、すなわちAl3の体積百分率として求めることができる。Al3に換算し直す理由は該酸素は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中でアルミニウム成分あるいは窒化アルミニウム成分あるいは希土類元素やアルカリ土類金属などの焼結助剤と反応してAlとして、あるいはALONとして、あるいは希土類元素やアルカリ土類金属との複合酸化物として存在している場合が多く、該ALONはAlNとAl3との化合物であり該希土類元素やアルカリ土類金属との複合酸化物は希土類元素の酸化物やアルカリ土類金属の酸化物とAlとの化合物であるため結局含まれる酸素成分はAlとして見なし得る場合が多いためである。Alの密度は3.987g/cmでありこれに基き容易に算定し直すことができる。
例えば酸素を5重量%含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体においてAlNの密度が3.261g/cmであるので該酸素の含有量は8.86体積%であると算定される。また鉄を元素換算で1重量%含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において鉄の密度が7.86g/cmであるので鉄の含有量は元素換算で0.417体積%であると算定される。
また、本発明においてALONの含有量を体積百分率に算定し直す場合はX線回折によりALONの含有量を求めた後、ALONの密度3.837g/cm及びAlNの密度さらにALON及びAlN以外に含まれる場合はその成分の含有量と密度を求めることにより行うことができる。なお、検量線の作成結果X線回折による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中に含まれるALONの含有量は近似的には重量分率であると見なし得る。例えばALONを10%含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体においてALONの含有量は8.63体積%であると算定できる。
本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板において焼結体中の窒化アルミニウム粒子を例えば平均0.5μm程度と成長させずに、すなわち原料粉末の粒子の大きさと同じ状態で焼結したものも使用できる。一方、本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板において焼結体内部に含まれる窒化アルミニウム粒子の大きさが増大化すれば該基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の結晶性が向上し易い。窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を単結晶で形成し該単結晶薄膜の結晶性により薄膜の品質を評価したとき窒化アルミニウムを主成分とする焼結体内部に含まれる窒化アルミニウム粒子の大きさが平均1μm以上であれば該焼結体からなる基板上に直接形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下のものが形成され易い。窒化アルミニウム粒子の大きさが平均5μm以上の焼結体では基板上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下と良好な結晶性のものが得られ易い。窒化アルミニウム粒子の大きさが平均8μm以上の焼結体では上記単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下とより良好な結晶性のものが得られ易い。窒化アルミニウム粒子の大きさが平均15μm以上の焼結体では上記単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下とさらに良好な結晶性のものが得られ易い。窒化アルミニウム粒子の大きさが平均25μm以上の焼結体では上記単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下とさらに良好な結晶性のものが得られ易い。これは焼結体内部の窒化アルミニウム粒子の大きさが大きくなれば窒化アルミニウム結晶粒子の粒界の面積が減少し粒界の影響が減じるので窒化アルミニウム結晶粒子自体の性質が反映され易くなり窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の核成長の方向をより規則的なものにし易いためであろうと推測される。
上記のような窒化アルミニウム粒子を大きくすることの効果は通常どのような組成の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板であっても見られる。このような窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の例としては前記した酸素、あるいは焼結助剤として用いられる希土類元素化合物やアルカリ土類金属化合物などの成分、あるいは焼成温度低減化剤として用いられるアルカリ金属や珪素などの成分、あるいは黒色化剤として用いられるMo、W、V、Nb、Ta、Tiなどの金属成分、あるいはカーボンあるいはMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の不可避金属成分など、さらに結晶相としてALONなどを含むものである。また、このような窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の例としては原料粉末に焼結助剤を加えないで製造され実質的に希土類元素化合物あるいはアルカリ土類金属化合物などの焼結助剤を含まない焼結体も含まれる。上記で例示した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板において、窒化アルミニウム粒子の大きさを増大することで該基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の品質が向上し易くなる。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさを増大化させる効果はあとでも述べるが、窒化アルミニウム粒子の大きさを増大化させさらにAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を薄膜形成用基板として用いれば、これら基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の品質が向上し易くなる。上記のような窒化アルミニウム粒子を大きくすることの効果は通常どのような組成の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板であっても見られが、焼結体中のAlNの含有量が少なくなるにつれて効果の程度は少なくなる傾向はある。本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板におけるAlNの含有量は50体積%以上であれば該基板を用いて窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できる。AlNの含有量が50体積%以上の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において該焼結体に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下のものが得られ易い。上記のような窒化アルミニウム粒子を大きくすることの効果を発現し易くするためには窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板におけるAlNの含有量は80体積%以上であることが望ましい。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のAlNの含有量が80体積%以上のものでは該焼結体に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下のものが得られ易い。
なお、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体内部に含まれる結晶粒子の大きさは平均の大きさであって含まれる結晶粒子が均等に近い大きさに揃っている状態のものだけでなく結晶粒子の大きさが不揃いのものや結晶粒子の形状がいびつで針状あるいは板状など一辺が小さく他の一辺が大きい形状の結晶粒子、例えばポリタイプAlN粒子など一辺が数μmで他の一辺が10数μm以上に大きく成長した針状あるいは板状などの結晶粒子を含むものであっても本発明においては問題なく用いることができる。
窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさを増大化させるために通常焼成温度を高めるか焼成時間を長くすることが効果的である。窒化アルミニウム粒子の大きさを制御するためには窒化アルミニウムの原料粉末の由来や粒度、あるいは成形体や焼結体の組成にも依存しやすいが本発明によれば1750℃以上の温度で3時間以上比較的長い時間焼成することで平均5μm以上の窒化アルミニウム粒子を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が得られ易い。平均8μm以上を有する窒化アルミニウム粒子の焼結体を得るために1750℃以上の温度で10時間以上、1900℃以上の温度では3時間以上の焼成を行うことが好ましい。平均15μm以上を有する窒化アルミニウム粒子の焼結体を得るためには1900℃以上の温度で6時間以上、2050℃以上の温度で3時間以上の焼成を行うことが好ましい。平均25μm以上を有する窒化アルミニウム粒子の焼結体を得るためには2050℃以上の温度で4時間以、2100℃以上の温度で3時間以上の焼成を行うことが好ましい。このような焼成において窒化アルミニウム粒子の大きさが増大しているだけで酸素、あるいは焼結助剤として用いられる希土類元素化合物やアルカリ土類金属化合物などの成分、あるいは焼成温度低減化剤として用いられるアルカリ金属や珪素などの成分、あるいは黒色化剤として用いられるMo、W、V、Nb、Ta、Tiなどの金属成分、あるいはカーボンあるいはMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の不可避金属成分など、の成分の揮散・除去を抑制しさらに含まれる結晶相としてALONなどを含有した状態の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を得るためには前記したように還元性成分の比較的少ない窒素やアルゴンなどの非酸化性雰囲気を用いることが好ましい。一方窒化アルミニウム粒子の大きさが増大しかつAlN純度が向上した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を得るためには水素、一酸化炭素、炭素、炭化水素などの還元性成分を含む非酸化性雰囲気中で焼成することが好ましい。
また、本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板において焼結体内部に含まれる窒化アルミニウム粒子の形状は粒子の角が取れた丸いものより多角形でお互いの面や稜線、多角形の頂点での重なり緊密なものであることが焼結体の光透過率を1%以上に高め、基板上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性が形成されたミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅において300秒以下と良好なものが得られ易いので、基板としては好ましい。これは窒化アルミニウム粒子の形状が角が取れた丸いものであれば焼結体内部において焼結体粒子同士が隙間なく合体できず窒化アルミニウム以外の成分からなる粒界相が介在し易く、これら粒界相によって焼結体の光透過性は低下しさらに成長し始めている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の核成長の方向を不規則なものとするためであろうと推測される。焼結体粒子が丸みを帯びたものは通常前記焼結助剤や焼成温度低減化剤が過剰に含まれる場合に見られる。すなわち焼成中過剰な焼結助剤によって過剰な液相が生成されその液相の中で焼結体粒子が成長するので丸みを帯び易い。本発明において焼結体粒子が丸みを帯び易くなるのは前記の希土類元素化合物やアルカリ土類金属元素化合物などの焼結助剤、アルカリ金属元素化合物、珪素化合物などの焼成温度低減化剤などが前記に示した範囲より多く含まれる場合に生じやすいということを意味する。
なお上記薄膜形成用基板として用いられる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を製造するための原料粉末中には通常AlN成分以外に酸素を0.01重量%〜5.0重量%程度含む。本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中に含まれる希土類元素の含有量は前記のように酸化物換算で50体積%以下のものを用いることが好ましい。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中に含まれる希土類元素の含有量は酸化物換算で25体積%以下であることがさらに好ましい。上記希土類元素の好ましい含有量は酸化物換算で12.0体積%以下である。より好ましい含有量は酸化物換算で7.0体積%以下である。上記希土類元素は窒化アルミニウム粉末成形体の緻密化を促進しながら原料中に含まれる酸素をトラップし粒界相として析出させ焼結体中の窒化アルミニウム結晶粒子を高純度化させる作用をするので、全体として得られた基板の熱伝導率を向上させる。そのため焼成後得られた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体における希土類元素の存在形態はアルミニウムとの複合酸化物あるいは希土類元素単独の酸化物である場合が多い。複合酸化物としての存在はX線回折により容易に同定出来る。該複合酸化物は希土類元素をLnで表した時、ガーネット型結晶構造の3Ln・5Al、ぺロブスカイト型結晶構造のLn・Al、単斜晶結晶構造2Ln・Al、など3種類の結晶形のものである。これら複合酸化物のうちの一又は二以上を同時に含む。上記複合酸化物は焼結体内部において主に窒化アルミニウム粒子間の粒界相として存在している。本発明の基板はこれら複合酸化物が形成されたものを含む。これら複合酸化物は窒化アルミニウム粒子のウルツ鉱型と異なる結晶構造を有している。本発明による薄膜形成用基板及び薄膜基板において希土類元素の含有量が酸化物換算で50体積%以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として3600秒以下のものが得られ易い。また、場合によっては希土類元素の含有量が酸化物換算で50体積%以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として300秒以下のものが得られることがある。本発明による薄膜形成用基板及び薄膜基板において希土類元素の含有量が酸化物換算で25体積%以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下と結晶性に優れたものが得られ易い。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の希土類元素含有量が前記に示したように酸化物換算で25体積%より多いと形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下のものが場合によっては得られなくなるのは、おそらくこのような結晶構造の異なる複合酸化物が多く生成したため単結晶薄膜の核成長の方向を一定にする制御力が限界を超えその結果核成長が不規則なものとなるのではないかと推測される。本発明において希土類元素を含む基板においてもともと焼結体中の窒化アルミニウム粒子の形状は角が取れた丸いものではなく多角形でお互いの粒子同士面や稜線、あるいは多角形の頂点での重なりが隙間なく緊密なものとなり易い。また、希土類元素の含有量が酸化物換算で12.0体積%以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いることで該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下とより結晶性に優れたものが得られ易い。また希土類元素の含有量が酸化物換算で7.0体積%以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体では該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下とさらに結晶性に優れたものが得られ易い。この窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性の向上はおそらく主として粒界相として存在する上記ガーネット型結晶構造の3Ln・5Al(例えば3Y・5Al、3Dy・5Al、3Ho・5Al、3Er・5Al、3Yb・5Al、など)、ぺロブスカイト型結晶構造のLn・Al(例えばYAlO、LaAlO、PrAlO、NdAlO、SmAlO、EuAlO、GdAlO、DyAlO、HoAlO、ErAlO、YbAlO、など)、単斜晶結晶構造2Ln・Al(例えば2Y・Al、2Sm・Al、2Eu・Al、2Gd・Al、2Dy・Al、2Ho・Al、2Er・Al、2Yb・Al、など)の生成量の減少に伴うものであろうと推測される。
本発明の基板において上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中に含まれるアルカリ土類金属の含有量も前記の通り酸化物換算で25体積%以下であることが好ましい。好ましい含有量は酸化物換算で5.0体積%以下である。より好ましい含有量は酸化物換算で3.0体積%以下である。アルカリ土類金属は窒化アルミニウム粉末成形体の緻密化を促進しながら原料中に含まれる酸素をトラップし粒界相として析出させ窒化アルミニウムセラミック中のAlN結晶粒子を高純度化させる作用をするので、全体として得られた基板の熱伝導率を向上させる。そのため焼成後得られた窒化アルミニウム基板におけるアルカリ土類元素の存在形態はアルミニウムとの複合酸化物あるいはアルカリ土類金属単独の酸化物である場合が多い。複合酸化物としての存在はX線回折により容易に同定出来る。該複合酸化物はアルカリ土類金属元素をAeで表した時、3AeO・Al、Ae・Al、Ae・2Al、Ae・6Al、などの結晶形のものである。これら複合酸化物のうちの一又は二以上を同時に含む。上記アルカリ土類金属元素を含む複合酸化物は焼結体内部において主に窒化アルミニウム粒子間の粒界相として存在している。本発明の基板はこれら複合酸化物が形成されたものを含む。これら複合酸化物は窒化アルミニウム粒子のウルツ鉱型と異なる結晶構造を有している。本発明の基板において焼結体中のアルカリ土類金属の含有量が酸化物換算で25体積%以下のもので窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下と結晶性に優れたものが得られ易い。本発明の基板においてアルカリ土類金属が前記に示したように酸化物換算で25体積%より多いと形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下と結晶性に優れたものが得られにくくなる傾向を有するのは、おそらくこのような結晶構造の異なる複合酸化物が多く生成したため単結晶薄膜の核成長の方向を一定にする制御力が限界を超えその結果核成長が不規則なものとなるのではないかと推測される。本発明における窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板においてアルカリ土類金属の含有量が酸化物換算で5.0体積%以下のものは焼結体中の窒化アルミニウム粒子の形状は多角形のもものが多く粒子同士お互いの面や稜線、あるいは多角形粒子の頂点での重なりが緊密なものとなり易い。この組成範囲のアルカリ土類金属を含む基板を用いることで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下とより結晶性に優れたものが得られ易い。またアルカリ土類金属の含有量が酸化物換算で3.0体積%以下の基板では窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下とさらに結晶性に優れたものが得られ易い。この窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性の向上はおそらく主として粒界相として存在する上記3AeO・Al、Ae・Al、Ae・2Al、Ae・6Al、などウルツ鉱型と異なる結晶構造を有する複合酸化物の生成量の減少に伴うものであろうと推測される。
本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中に含まれるMo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量は前記のように元素換算で25体積%以下であることが好ましい。このような組成の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成され易く該単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅において300秒以下と良好なものが得られ易い。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のMo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が元素換算で10体積%以下の基板においては形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性がミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅において240秒以下とより良好なものが得られ易い。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のMo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が元素換算で5体積%以下の基板においては形成される上記単結晶薄膜の結晶性がミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅において200秒以下とさらに良好なものが得られ易い。
本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中に含まれる酸素は主成分のAlNと反応してALONとして存在するかあるいは焼結助剤の希土類元素化合物やアルカリ土類金属化合物と反応して粒界相として存在するかあるいは焼結体中のAlN結晶粒子の結晶格子に固溶するかいずれかで存在していると思われる。本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中に含まれる全酸素量は10重量%以下が好ましい。全酸素量が10重量%以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板においてその上に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下と結晶性に優れたものが得られ易い。全酸素量が5.0重量%以下の焼結体で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下のより優れた結晶性を有する単結晶薄膜が形成し易い。また全酸素量が3.0重量%以下の焼結体で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下のさらに優れた結晶性を有する単結晶薄膜が形成し易い。
本願発明者は前記1750℃以上の温度で3時間以上要すれば還元性雰囲気中で焼成を行い含まれる酸素、希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物など焼結助剤として用いられる成分、あるいは焼成温度低減化剤として用いられるアルカリ金属や珪素などの成分あるいは黒色化剤として用いられるMo、W、V、Nb、Ta、Tiなどの金属成分やカーボンあるいはMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の不可避金属成分などを飛散・除去し、減少させ、結晶相としてのALONや上記アルミニウム以外の金属成分や珪素あるいはカーボンを含む化合物の含有量が低減化されたAlN純度の高い窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を直接形成するための基板として使用ときの基板特性についてさらに検討した。また、上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体としての特性及び該焼結体に直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した薄膜基板の特性を調べた。
上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体においてAlN純度は焼成温度が高くなるほど又焼成時間を長くするほど高くなる傾向がある。焼成温度としては1900℃以上がより好ましく、2050℃以上がさらに好ましく、2100℃以上が最も好ましい。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のAlN純度を高める上では焼成温度を高めれば焼成時間を短くでき焼成温度を低くすれば焼成時間が長くなるという関係にあり、どちらでも効果は殆ど同じである。AlNの純度を高めるために焼成温度1750℃〜1900℃の範囲では焼成時間は通常10時間以上とすることが好ましい。焼成温度1900℃以上では焼成時間6時間以上、焼成温度2050℃以上では焼成時間4時間以上、焼成温度2100℃以上では焼成時間3時間以上とすることが好ましい。このような方法により本発明によるAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体として希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の含有量が元素換算で合計0.5重量%(5000ppm)以下かつ酸素含有量が0.9重量%以下の組成のものを得ることができる。このような組成のAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いこの基板に直接形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は結晶性の優れたものが得られる。本発明においてこのAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体として希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の含有量が元素換算で合計0.2重量%(2000ppm)以下かつ酸素含有量が0.5重量%以下の組成を有するものを得ることができ好ましい。また本発明においてAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体として希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の含有量が元素換算で合計0.05重量%(500ppm)以下かつ酸素含有量が0.2重量%以下の組成を有するものを得ることができより好ましい。また、このAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体として希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の含有量が元素換算で合計0.02重量%(200ppm)以下かつ酸素含有量が0.1重量%以下の組成を有するものを得ることができさらに好ましい。また、このAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体として希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の含有量が元素換算で合計0.005重量%(50ppm)以下かつ酸素量が0.05重量%以下の組成を有するものを得ることができ最も好ましい。本発明者はこのAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板に用いこの基板に直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を成長させて製造される薄膜の品質を調べた。なお形成された薄膜は単結晶であり薄膜の品質としてはこの単結晶薄膜の結晶性で評価した。その結果AlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体として希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の含有量が元素換算で合計0.5重量%以下かつ酸素含有量が0.9重量%以下の組成を有するものを基板として用いたときそこに直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下と良好な結晶性を有するものが得られ易い。また、AlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体として希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の含有量が元素換算で合計0.2重量%以下かつ酸素含有量が0.5重量%以下の組成を有するものを基板として用いたときそこに直接形成される上記単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下とより良好な結晶性を有するものが得られ易く好ましい。また、AlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体として希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の含有量が元素換算で合計0.05重量%以下かつ酸素含有量が0.2重量%以下の組成を有するものを基板として用いたときそこに直接形成される上記単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下とより良好な結晶性を有するものが得られ易くより好ましい。また、AlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体として希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の含有量が元素換算で合計0.02重量%以下かつ酸素含有量が0.1重量%以下の組成を有するものを基板として用いたときそこに直接形成される上記単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下とより良好な結晶性を有するものが得られ易くさらに好ましい。AlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体として希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の含有量が元素換算で合計0.005重量%以下かつ酸素含有量が0.05重量%以下の組成を有するものを基板として用いたときそこに直接形成される上記単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下とより良好な結晶性を有するものが得られ易く最も好ましい。
上記AlN純度を高めた組成を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に含まれる結晶相はAlNが95〜98%以上であり、ALONや希土類元素化合物あるいはアルカリ土類金属化合物などの結晶相は2〜5%以下であり、実質的にAlN単一相のものも得られる。また、光透過性を有するものが得られ易く例えば光透過率1%以上のものが得られ易く、さらに5%以上、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、60%以上、80%以上のものも得られ最大85%以上の光透過率を有するものも得られる。なお、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の結晶相はX線回折による得られた各結晶相の示す回折ピークの最強線を相対比較することで容易に計測できる。
また、上記の方法により酸素あるいは希土類元素やアルカリ土類金属以外にも焼成温度低減化剤として用いられるアルカリ金属や珪素などの成分あるいは黒色化剤として用いられるMo、W、V(バナジウム)、Nb、Ta、Ti、カーボンなどの成分あるいはMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の窒化アルミニウム粉末原料や焼結体製造工程から混入するFe、Ni、Co、Mn、Cr、Zr、Hf、Cu、Znなどの遷移金属不純物が揮散・除去、低減化できるのでAlN純度の高い窒化アルミニウム焼結体を製造できる。AlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体として含まれるアルカリ金属や珪素成分が元素換算で合計0.2重量%以下かつ酸素量が0.9重量%以下の組成を有するものを基板に用いたときそこに直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下と良好な結晶性を有するものが得られ易い。AlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中としてMo、W、V(バナジウム)、Nb、Ta、Ti、カーボンが元素換算で合計0.2重量%以下かつ酸素量が0.9重量%以下の組成を有するものを基板に用いたときそこに直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下と良好な結晶性を有するものが得られ易い。また、AlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体としてFe、Ni、Co、Mn、Cr、Zr、Hf、Cu、Znが元素換算で合計0.2重量%以下かつ酸素量が0.9重量%以下の組成を有するものを基板に用いたときそこに直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下と良好な結晶性を有するものが得られ易い。
なお上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中に含まれる希土類元素化合物とはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素、及びSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、などの希土類元素酸化物あるいはその他Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、などを含む炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物などの無機希土類化合物、酢酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩などの有機希土類化合物などの各種希土類元素化合物であり、さらにLnを希土類元素として表したときガーネット型結晶構造の3Ln・5Al(例えば3Y・5Al、3Dy・5Al、3Ho・5Al、3Er・5Al、3Yb・5Al、など)、ぺロブスカイト型結晶構造のLn・Al(例えばYAlO、LaAlO、PrAlO、NdAlO、SmAlO、EuAlO、GdAlO、DyAlO、HoAlO、ErAlO、YbAlO、など)、単斜晶結晶構造2Ln・Al(例えば2Y・Al、2Sm・Al、2Eu・Al、2Gd・Al、2Dy・Al、2Ho・Al、2Er・Al、2Yb・Al、など)などの各種希土類元素を含む複合酸化物、などである。また上記窒化アルミニウム焼結体中に含まれるアルカリ土類金属化合物とはBe、Mg、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属、及びBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属酸化物やその他Be、Mg、Ca、Sr、Baなどを含む炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物などの無機アルカリ土類金属化合物、酢酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩などの有機アルカリ土類金属化合物などの各種アルカリ土類金属化合物であり、さらにAeをアルカリ土類金属として表したとき3AeO・Al、Ae・Al、Ae・2Al、Ae・6Alなどのアルカリ土類金属を含む複合酸化物、などである。
上記還元性雰囲気中1750℃以上の温度で3時間以上といった比較的長い時間加熱する方法により得られる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の特徴は室温における熱伝導率が室温において200W/mK以上と高いものが得られ易い。又窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において不純物含有量が少ないものやAlN単一相からなるものの場合にはさらに室温における熱伝導率が220W/mK以上のものが得られ易い。このような特徴に加えて上記AlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は光透過性の高いものが得られ易い。これは希土類元素やアルカリ土類金属以外にも焼成温度低減化剤として用いられるアルカリ金属や珪素などの成分あるいは黒色化剤として用いられるMo、W、V(バナジウム)、Nb、Ta、Ti、カーボンなどの成分あるいはMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の窒化アルミニウム粉末原料や焼結体製造工程から混入するFe、Ni、Co、Mnなどの遷移金属不純物が揮散・除去、低減化されるためであろうと推測される。また、上記遷移金属などの不純物や焼結助剤が残留している焼結体であっても室温における熱伝導率が200W/mK以上さらに220W/mK以上の高熱伝導率を有するもの、あるいは光透過性に優れた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が得られる。これはおそらく長時間加熱することで焼結体中の窒化アルミニウム粒子が大きく成長し粒界の影響が少なくなるためにAlN本来の単結晶としての性質がより発現し易くなるためであろうと本願発明者は推測している。
本発明によれば上記高純度化を行う焼成過程で窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが通常増大化する。上記高純度化されAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが増大化することが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性を増大化させ、さらに高い光透過率を与える大きな要因であると思われる。焼成温度を高めるか焼成時間を長くすることで窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の焼結助剤などAlN以外の成分が揮散・除去減少し焼結体中の窒化アルミニウム粒子内部や窒化アルミニウム粒子の粒界にAlN以外の成分が少なくなるかあるいは実質的にゼロに近くなるということに加えて焼結体中の窒化アルミニウム結晶粒子の大きさが増大化する。これは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において窒化アルミニウム粒子内部や窒化アルミニウム粒子の粒界にAlN以外の成分が少なくなるかあるいは実質的にゼロに近くなるということに加えて焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが増大化すれば窒化アルミニウム粒子境界(粒界)が減少するので粒界の影響が少なくなりこの大きく増大した窒化アルミニウム粒子自体も高純度化されさらに結晶性も高まり純度の高い単結晶の窒化アルミニウムに近い性質を発現し易くなるためであろうと推測される。すなわち純度の高い単結晶に近い状態の大きな結晶粒子からなる焼結体であるため光透過性も窒化アルミニウム単結晶の吸収端の波長200nm付近から長波長側で単結晶に匹敵する高い光透過率を有するようになる。またこの焼結体を基板に使用すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が窒化アルミニウムの単結晶を基板として用いたのと同程度の高い結晶性で形成され易くなる。本発明において焼成温度を高めあるいは焼成時間を長くすることでAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が製造されるがこの焼結体の窒化アルミニウム粒子の大きさは通常平均5μm以上である。通常焼成温度を高めていくかあるいは焼成時間を長くすれば焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさも平均25μm以上に増大する。また実験上では窒化アルミニウム粒子の大きさ平均100μm程度のものが得られている。このように増大化した窒化アルミニウム粒子はAlN純度も高まることから単結晶に近い状態であろうと思われる。上記方法により高純度化されAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いたとき焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが平均5μm以上では該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下と良好なものが得られる。窒化アルミニウム粒子の大きさが平均8μm以上の基板を用いたとき該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下と良好なものが得られる。また、窒化アルミニウム粒子の大きさが平均15μm以上の基板を用いたとき該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下と良好なものが得られる。また、窒化アルミニウム粒子の大きさが平均25μm以上の基板を用いたとき該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下と良好なものが得られる。このように焼結助剤などAlN以外の成分を揮散・除去、減少することで製造される高純度化された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の窒化アルミニウム粒子の大きさは重要である。本発明においては上記のように焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが平均5μm以上の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を提供でき、該焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさ平均100μm程度のものは比較的容易に製造できる。
例えば平均粒径1μm、酸素を1重量%含む高純度窒化アルミニウム粉末を原料とし焼結助剤としてYを3.3体積%(Yとして3.9重量%、酸素として1.1重量%を含む)混合した大きさ外形60×60mm、厚み0.8mmの板状正方形とした粉末成形体を1800℃1時間焼成して得られる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は室温における熱伝導率150W/mK〜180W/mKの範囲であり、焼結助剤として用いられたY中のイットリウム成分は殆どそのままの量焼結体中に残り5〜20%程度の量のY・5Al、YAlO、2Y・Al、Yなどの希土類元素化合物を主体とする粒界相がX線回折により存在することが認められる。また原料の酸素及び焼結助剤として用いられたY中の酸素も殆どそのままの量焼結体中に残り、該焼結体の光透過率は10%程度あるいはそれ以下の場合もある。上記焼結体において窒化アルミニウム粒子の大きさは平均2〜4μm程度である。この焼結体をさらに例えば一酸化炭素を1ppm〜1000ppmの範囲で含む窒素雰囲気中で2050℃〜2200℃3時間〜24時間焼成すれば用いた原料及び焼結助剤に含まれていた酸素は0.5量%以下に減少し最も少ないもので0.014重量%のものが得られた。Yは殆ど揮散・除去され含有量は0.2重量%以下となり最も少ないもので0.00005重量%(0.5ppm)以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が得られた。波長200nm〜800nmの範囲の光において光透過率は最低でも10%以上多くのものが20%〜60%以上であり最大88%のものが得られた。焼結体の相構成はAlN98%以上であり実質的にAlN単一相のものも容易に得られた。室温における熱伝導率は200W/mK〜220W/mK以上となり最大237W/mKのものが得られた。この焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさは最低平均5〜8μm以上多くのものは平均15μm〜25μm以上に大きく成長しており最大で平均74μmのものが得られた。上記例示したAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いこの基板に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下の良好な結晶性を示すものが得られ、最も結晶性のよいもので100秒以下のものが得られる。上記例示した焼成条件で焼結助剤を揮散・除去し減少化する方法により作製し高純度化されAlN純度が高められた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を厚み0.5mmに研削及び鏡面研磨して光透過率を測定したところ波長605nmにおいて88%の高いものであった。その結果を図9に示す。なおこの光透過率測定に用いた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のY(イットリウム)含有量は0.0005重量%以下、酸素含有量0.034重量%、構成相は実質的にAlN単一相であり、窒化アルミニウム粒子の大きさは平均29mμである。
この窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率は図9から明らかなように波長210〜220nmの光に対して1%以上の光透過率を示し、波長220nm〜230nmの光において5%以上の光透過率であり、波長250nmの光において光透過率は30%以上であり、波長300nmの光において光透過率は60%以上であり、波長330nmの光で80%以上の光透過率を示すようになり、波長330nm以上のすべての波長の光において80%以上の光透過率を示す。又光透過率の最大値は波長480nm〜650nmの範囲の光において85〜88%と85%以上の高いものである。この窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いこの基板に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下と良好なものが得られた。
上記のAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いた時の主な有効性をまとめると、1)基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は高い結晶性のものが得られやすいのでこの単結晶薄膜を用いて製造される発光素子内部からの発光効率は高いものとなる、2)基板の熱伝導率が室温において200W/mK以上と高いものが得られ易くこのような基板に形成される発光素子には大きな電力の印加が可能となり発光出力を高めることができる、3)基板の波長200nm〜800nmの範囲の光において光透過率が高いので基板からの光吸収が少なく発光素子から出た光は大部分素子外部へ放出される、などの点である。すなわち高効率、高出力、かつ低コストの発光素子の製造が可能となり産業に与える影響は大である。
本発明において、光透過性を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は通常波長200nm以上の光において光透過性を示す。図9に例示したように波長200nm〜250nmの範囲の光において光透過性を示し始め、波長250nm〜350nmの範囲の光において急激に光透過性が上昇し波長350nm〜400nm以上の光においてはほぼ一定の光透過率を有する傾向があることが確認された。本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率は特に断らない限り波長605nmの光において測定された光透過率を意味しているが、波長605nmの光における光透過率を用いても本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の性能すなわち窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成したときの結晶性を代表して判別できる。より具体的にいえば本発明において特に断らない限り1%以上の光透過率とは波長605nmの光に対する光透過率である。このような1%以上の光透過率を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は波長200nm〜800nmの範囲の光において波長605nm以外でも1%以上の光透過率を有するとは限らないがこの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることでより優れた結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できる。本発明において、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するための基板として用いる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は波長200nm〜800nmの範囲の光においてどの波長の光に対しても1%以上の光透過率を有するものが望ましいが、仮にすべての波長に対して1%以上の光透過率を有さないとしても少なくとも波長605nmの光に対して1%以上の光透過率を有するものが望ましい。また本発明において、1%以上の光透過率を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶以外の無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜も形成できる。
本発明においてAlN純度が高くかつ窒化アルミニウム粒子が成長した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は単結晶薄膜を形成するための基板として好ましいが、必ずしもAlNの純度が高くなくても、すなわち希土類元素化合物やアルカリ土類金属化合物などの焼結助剤、あるいは酸素、あるいは焼成温度低減化剤として用いられるアルカリ金属や珪素などの成分、あるいは黒色化剤として用いられるMo、W、V、Nb、Ta、Tiなどの金属成分やカーボン、あるいはMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の不可避金属成分、あるいはALONや上記アルミニウム以外の金属成分や珪素あるいはカーボンを含む化合物、などの成分が比較的多く残存している窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であっても窒化アルミニウム粒子が成長したものであれば結晶性の高い窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し得る基板となり得る。このような窒化アルミニウム以外の成分を比較的多く含み窒化アルミニウム粒子が成長した窒化アルミニウムを主成分とした焼結体は前述のようにできるだけ還元性成分を含まない非酸化性雰囲気中で1750℃以上で3時間以上の比較的高温、かつ長時間焼成することにより作製できる。なわち、上記のような希土類元素、アルカリ土類金属、酸素、アルカリ金属、珪素、Mo、W、V、Nb、Ta、Tiなどの金属成分、カーボン、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の不可避金属成分、ALON、上記アルミニウム以外の金属成分、などの成分を比較的多く含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体内部に含まれる窒化アルミニウム粒子の大きさが平均1μm以上であれば該焼結体からなる基板上に直接形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下のものが形成され易い。窒化アルミニウム粒子の大きさが平均5μm以上に成長した焼結体では該基板上に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下と良好な結晶性のものが得られ易い。窒化アルミニウム粒子の大きさが平均8μm以上に成長した焼結体では該基板上に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下とより良好な結晶性のものが得られ易い。窒化アルミニウム粒子の大きさが平均15μm以上に成長した焼結体では該基板上に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下とさらに良好な結晶性のものが得られ易い。窒化アルミニウム粒子の大きさが平均25μm以上に成長した焼結体では該基板上に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下とさらに良好な結晶性のものが得られ易い。これは焼結体内部の窒化アルミニウム粒子の大きさが大きくなれば窒化アルミニウム結晶粒子の粒界の面積が減少し粒界の影響が減じるので窒化アルミニウム結晶粒子自体の性質が反映され易くなり窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の核成長の方向をより規則的なものにし易いためであろうと推測される。本発明において上記のようにできるだけ還元性成分を含まない非酸化性雰囲気中焼成温度を高めあるいは焼成時間を長くすることで希土類元素、アルカリ土類金属、酸素、アルカリ金属、珪素、Mo、W、V、Nb、Ta、Tiなどの金属成分、カーボン、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の不可避金属成分、ALON、上記アルミニウム以外の金属成分、などの成分を比較的多く含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体においても窒化アルミニウム粒子が成長したものが製造されるが、この焼結体の成長した窒化アルミニウム粒子の大きさは通常平均5μm以上である。通常焼成温度を高めていくかあるいは焼成時間を長くすれば焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさも平均8μm以上、さらに平均15μm以上、さらに平均25μm以上に増大し、実験上では窒化アルミニウム粒子の大きさ平均100μm程度のものも得られる。
本発明において上記のようにできるだけ還元性成分を含まない非酸化性雰囲気中焼成温度を高めあるいは焼成時間を長くすることで窒化アルミニウム粒子が成長し、希土類元素、アルカリ土類金属、酸素、アルカリ金属、珪素、Mo、W、V、Nb、Ta、Tiなどの金属成分、カーボン、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の不可避金属成分、ALON、上記アルミニウム以外の金属成分、などの成分を比較的多く含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体としては窒化アルミニウムを主成分とする(例えばAlNとして50%体積以上含む)ものであればどのような組成のものでも使用できるが、その中で希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の含有量が酸化物換算で25体積%以下、酸素含有量10重量%以下、アルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が酸化物換算で10体積%以下、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上を含む成分の含有量が元素換算で25体積%以下、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛など希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属を含む成分の含有量が元素換算で合計30重量%以下、ALON含有量20%以下、の組成のものを用いることが好ましい。上記のような組成であれば必ずしもAlNの純度が高くない窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であっても窒化アルミニウムの粒子が成長したものは優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜形成用の基板として使用し得る。このような組成を有し窒化アルミニウムの粒子が成長した基板には上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶状態の薄膜が直接形成でき、さらに単結晶以外の無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜も形成できる。また、上記のような組成であれば必ずしもAlNの純度が高くない窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であっても窒化アルミニウムの粒子が成長したものを基板として用い該基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成された優れた薄膜基板が製造し得る。このような単結晶薄膜が形成された薄膜基板にはさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶状態の薄膜が形成でき、さらに単結晶以外の無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜も形成できる。
上記のように焼成温度を高めあるいは焼成時間を長くすることで窒化アルミニウム粒子が成長し、希土類元素、アルカリ土類金属、酸素、アルカリ金属、珪素、Mo、W、V、Nb、Ta、Tiなどの金属成分、カーボン、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の不可避金属成分、ALON、上記アルミニウム以外の金属成分、などの成分を比較的多く含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体はできるだけ水素や一酸化炭素、炭素、炭化水素などの還元性成分を含まない焼成雰囲気で焼成することにより得られ易い。
本発明において上記のように薄膜形成用基板として用いられる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の含有量が酸化物換算で25体積%以下、酸素含有量10重量%以下、アルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が酸化物換算で10体積%以下、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上を含む成分の含有量が元素換算で25体積%以下、希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属を含む成分の含有量が元素換算で30重量%以下、ALON含有量20%以下、の組成のものを用いることが好ましい。このような組成の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を薄膜形成用基板として用いることで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性のものが得られ易い。
本発明においては窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の窒化アルミニウム成分の含有量は50体積%以上であることが好ましいが、該焼結体の希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の含有量が酸化物換算で50体積%以下、酸素含有量25重量%以下、アルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が酸化物換算で20体積%以下、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上を含む成分の含有量が元素換算で50体積%以下、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛など希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属を含む成分の含有量が元素換算で50重量%以下、ALON含有量50%以下、の窒化アルミニウム以外の成分を比較的多く含むものを薄膜形成用基板として用いた場合でも、該基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜としてミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が少なくとも3600秒以下の結晶性のものが得られ易く、該半値幅が300秒以下の結晶性のものも得られる。
さらに上記窒化アルミニウム以外の成分を比較的多く含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において、該焼結体中に含有される希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上とアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種の成分を同時に酸化物換算で50体積%以下含むもの、該焼結体の酸素含有量が25重量%以下で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むもの、該焼結体のアルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が酸化物換算で20体積%以下で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むもの、該焼結体のMo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上を含む成分の含有量が元素換算で50体積%以下で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むもの、該焼結体の鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛など希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属を含む成分の含有量が元素換算で50重量%以下で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むもの、該焼結体のALON含有量が50%以下で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むもの、を薄膜形成用基板として用いたとき、該基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が少なくとも300秒以下の結晶性のものがより一層得られ易くなる。すなわち、希土類元素とアルカリ土類金属成分を同時に含む、あるいは酸素、アルカリ金属、珪素、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボン、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛、ALONなどの成分と同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を薄膜形成用基板として用いたとき、希土類元素、アルカリ土類金属、酸素、アルカリ金属、珪素、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボン、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛、ALONなどの成分をそれぞれ単独に含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を薄膜形成用基板として用いた場合に比べて該基板上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性が向上し易い。
なお上記のように希土類元素とアルカリ土類金属成分を同時に含む、あるいは酸素、アルカリ金属、珪素、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボン、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛、ALONなどの成分と同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体においても窒化アルミニウム成分の含有量は50体積%であることが好ましい。窒化アルミニウム成分の含有量が50体積%より少なければ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の形成が困難になり易いので好ましくない。すなわち、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素とアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を同時に合計50体積%以下含むもの、該焼結体のアルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が酸化物換算で20体積%以下で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を合計50体積%以下含むもの、該焼結体のMo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上を含む成分の含有量が元素換算で50体積%以下で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を合計50体積%以下含むもの、該焼結体の鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛など希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属を含む成分の含有量が元素換算で50重量%以下で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を合計50体積%含むもの、該焼結体のALON含有量が50%以下で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を合計50体積%以下含むもの、該焼結体の酸素含有量が25重量%以下で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を合計50体積%以下含むもの、といった組成を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いることが好ましい。
このように希土類元素とアルカリ土類金属成分を同時に含む、あるいは酸素、アルカリ金属、珪素、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボン、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛、ALONなどの成分と同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を単結晶薄膜を形成するための基板として用いたとき、希土類元素、アルカリ土類金属、酸素、アルカリ金属、珪素、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボン、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛、ALONなどの成分をそれぞれ単独に含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を単結晶薄膜を形成するための基板として用いた場合に比べて該基板上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性は向上し易いが、その理由については必ずしも明確ではない。本願発明者は、希土類元素とアルカリ土類金属を同時に含む場合あるいは酸素、アルカリ金属、珪素、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボン、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛、ALONなどの成分と同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含む場合は各成分をそれぞれ単独で含む場合に比べて50℃〜300℃程度低い焼成温度で緻密化が可能となることから液相が比較的多量に生成し易く、そのため上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を構成する窒化アルミニウム粒子の結晶子が該液相中で自発的に発達して結晶性が向上し、その結果上記単結晶薄膜が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体上に形成される過程で該単結晶薄膜の結晶整列が促進されるのではないかと推測している。
上記希土類元素とアルカリ土類金属を同時に含む、あるいは酸素、アルカリ金属、珪素、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボン、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛、ALONなどの成分と同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を単結晶薄膜を形成するための基板として用いたとき、希土類元素、アルカリ土類金属、酸素、アルカリ金属、珪素、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボン、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛、ALONなどの成分をそれぞれ単独に含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を単結晶薄膜を形成するための基板として用いた場合に比べて該基板上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性が向上し易いのは、上記各成分を比較的多量に含む場合だけに限らない。
本発明においては、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中に含有される希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上とアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上とを同時に酸化物換算で25体積%以下含むもの、該焼結体の酸素含有量が10重量%以下で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含むもの、該焼結体のアルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が酸化物換算で10体積%以下で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含むもの、該焼結体のMo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上を含む成分の含有量が元素換算で25体積%以下で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含むもの、該焼結体の鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛など希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属を含む成分の含有量が元素換算で30重量%以下で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含むもの、該焼結体のALON含有量が20%以下で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含むもの、を単結晶薄膜を形成するための基板として用いたとき該基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性は向上し易く該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として少なくとも240秒以下のものが得られ易い。
また、本発明においては、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中に含有される希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上とアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上とを同時に酸化物換算で25体積%以上含むもの、該焼結体の酸素含有量が10重量%以上で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含むもの、該焼結体のアルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が酸化物換算で10体積%以上で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含むもの、該焼結体のMo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上を含む成分の含有量が元素換算で25体積%以上で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含むもの、該焼結体の鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛など希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属を含む成分の含有量が元素換算で30重量%以上で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含むもの、該焼結体のALON含有量が20%以上で同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含むもの、を単結晶薄膜を形成するための基板として用いたとき該基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性は向上し易く該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として少なくとも300秒以下のものが得られ易い。
本発明において窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するための基板を製造するとき上記の高純度化された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過性を高めるためには焼成に供する粉末成形体や焼結体の形状は例えば立方体や直方体あるいは円柱状などどのようなものでも用いることができるが基板状に加工し易いあらかじめ板状のものを用いることが好ましい。同じ体積であれば立方体や直方体あるいは円柱状などのブロック状よりも表面積の大きなものを用いることが好ましい。また上記焼成に供する粉末成形体や焼結体の形状でその1辺大きさが8mm以下のものを用いることが高純度化された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過性を高める上で好ましい。さらに上記の1辺の大きさが5mm以下のものを用いることがより好ましく、1辺の大きさが2.5mm以下のものを用いることがさらに好ましく、1辺の大きさが1mm以下のものを用いることが最も好ましい。上記焼成に供する粉末成形体や焼結体の形状が板状のときその厚みは8mm以下のものを用いることが高純度化された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過性を高める上で好ましい。さらに上記板状の粉末成形体や焼結体の厚みは5mm以下のものを用いることがより好ましく、厚み2.5mm以下のものを用いることがさらに好ましく、厚み1mm以下のものを用いることが最も好ましい。上記に示したことを具体的に述べれば例えば、組成が実質的に同じで実質的にAlN単一相の焼結体であっても上記立方体や直方体あるいは円柱状などのブロック状のものあるいは1辺が8mmを越える粉末成形体や焼結体を用いて製造した高純度化された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体では板状あるいは1辺が8mm以下の成形体や焼結体を用いて製造したものに比べて光透過率が低減化し、場合によっては黒色化が高まって光透過率がさらに低下する場合がある。
窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するために本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板(すなわち薄膜形成用基板)表面あるいは該単結晶薄膜が形成された薄膜基板表面の平滑度は平均表面粗さRaが2000nm以下であることが好ましい。このような基板の表面平滑性を有することが上記単結晶薄膜を形成するためには望ましい。したがって本発明においては上記薄膜形成用基板及び薄膜基板の少なくとも1つ以上の面が上記のような平滑度を有することが望ましい。本発明においてはRa2000nm以下の平均表面粗さを有する基板は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の焼き放し(as−fire)表面やラップ研削された表面、あるいはサンドブラストなどにより研磨された表面、あるいは鏡面研磨された表面、あるいは化学的にエッチング(腐食)された表面、あるいは機械的に溝切り加工などが施された表面などにおいて得ることができる。化学的なエッチングは例えば薬液などを用いたウェット方式やフッ素などの成分を含有するプラズマガスなどによるドライ方式などが好適に使用し得る。Ra2000nm以下の平均表面粗さを有する基板には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として3600秒以下のものが得られ易い。より好ましくい基板の平均表面粗さRaは1000nm以下である。Ra1000nm以下の平均表面粗さを有する基板は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の焼き放し(as−fire)表面やラップ研削された表面、あるいはブラスト研磨された表面、あるいは鏡面研磨された表面、あるいは化学的にエッチング(腐食)された表面、あるいは機械的に溝切り加工などが施された表面などにおいて得ることができる。Ra1000nm以下の平均表面粗さを有する基板には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として1000秒以下のものが得られ易い。また基板の平均表面粗さRaは100nm以下であることがさらに好ましい。Ra100nm以下の平均表面粗さRaを有する基板は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の焼き放し(as−fire)表面や鏡面研磨された表面などにおいて得ることができる。Ra100nm以下の平均表面粗さを有する基板には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として300秒以下のものが得られ易い。100nm以下の平均表面粗さRaを有する基板において通常はRa60nm以下より好ましくはRa30nm以下さらに好ましくはRa20nm以下の鏡面状態としたものが好ましい。鏡面状態とすることで形成される単結晶薄膜の結晶性が向上し易くなる。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板において平均表面粗さRa60nm以下のものには窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として240秒以下のものが得られ易い。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板の中で平均表面粗さRa30nm以下のものには窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として200秒以下のものが得られ易い。また窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板の中で平均表面粗さRa20nm以下のものには窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として150秒以下のものが得られ易い。
上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の焼き放し(as−fire)面を用いるときは、ブラシ掛けあるいはアルミナ粉末などを用いたホーニングにより基板表面の付着物、異物、突起などを取り除いた状態のものを用いることが好ましい。ラップ研磨は通常用いられているラップ研削機によりアルミナ砥粒、炭化珪素砥粒、ダイヤモンド砥粒などを用いた方法が問題なく使用できる。ブラスト研磨はアルミナ砥粒、炭化珪素砥粒などを用いて通常のサンドブラスト機などにより問題なく行うことができる。また、鏡面研磨は通常の布製パッドやポリウレタンパッドなどの工具(ポリシャー)を有する研磨機により微粒のアルミナ、酸化セリウム、ダイヤモンド、酸化珪素あるいは酸化クロムなどを主成分とする研磨剤を適宜用いた方法が問題なく使用できる。
本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることで作製される薄膜基板においては窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成する場合その基板の表面状態、表面平滑性が特に重要である。この表面状態、表面平滑性は例えば1750℃以上の温度で3時間以上の比較的長い時間焼成することなどで得られるAlN純度が高められた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは窒化アルミニウム粒子が大きく成長した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは光透過率が高められた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、などを基板とした場合も同様に重要である。また、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が基板の1面しか形成されない場合、該薄膜が形成されていない窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板の面、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることで作製される薄膜基板の面の表面状態、表面平滑性は必要に応じて任意の状態が選択でき該薄膜が形成される表面状態と異なっていても良い。本発明による上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の表面状態としては鏡面に研磨した状態のものが基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性が高い傾向がある。焼き放し(as−fire)状態のものとラップ研磨した状態のものを比較すると焼き放し状態の基板表面の方が基板に直接形成される上記単結晶薄膜の結晶性が高い傾向がある。このような現象はおそらく基板表面の平滑度すなわち基板表面の粗さの程度により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の成長時における核成長の方向を一定にする度合いが異なるためであろうと推測される。
上記焼き放し状態、あるいはラップ研磨、ブラスト研磨、鏡面研磨、機械的な溝切り加工などの表面加工を施した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板をさらに例えばフッ化水素酸(HF)、フッ硝酸(HF+HNOの混合酸)、硝酸(HNO)、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)などの酸に浸漬したり、アセトン、イソプロピルアルコール、塩化メチレン、フルオロカーボンなどの有機溶剤に浸漬したり、H、N、Arなどを含む非酸化性雰囲気中あるいは減圧中で加熱アニールする、あるいはこれらを複数組み合わせて行う、などの処理を施すことにより基板に形成される単結晶薄膜の結晶性の改善をはかることが可能であり有効となり得る。このような処理を施すことで形成される単結晶薄膜の結晶性が改善され易くなる理由は基板表面の異物、突起、傷、くぼみなどの欠陥あるいは研削・研磨などにより生じるひずみが除去されたり軽減されるためであろうと本願発明者は推測している。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板は窒化アルミニウム微粒子の集合した多結晶体であるので基板表面に微粒子脱落や微粒子の欠けなどによる欠陥や研削・研磨ひずみが生じ易いと思われるのでこのような処理を施すことで平均表面粗さを例えばRa10nm以下とより小さくできる効果があると思われる。
本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板の表面平滑性は通常基板として使用する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の表面状態と同等かあるいは向上する。すなわち窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板表面の平滑度が例えば平均表面粗さRa=30nmであれば本発明による薄膜基板の表面平滑度はRa30nmあるいはそれ以下となる。したがって本発明による窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板表面の平滑性は、平均表面粗さRa=2000nm以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合は2000nm以下、平均表面粗さRa=1000nm以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合はRa1000nm以下、平均表面粗さRa=100nm以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合はRa100nm以下、平均表面粗さRa=20nm以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合はRa20nm以下である。本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板表面の平滑性は平均表面粗さRa10nm以下あるいはRa3nm〜5nm以下さらにRa1nm〜3nm以下のもの得られる。本発明による薄膜基板において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の表面平滑性と同等あるいはそれ以上に向上した表面平滑性を与える薄膜は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とし単結晶薄膜だけに限らない。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用い窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成された本発明による薄膜基板の場合も上記単結晶薄膜と同様に、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の表面平滑性と同等かそれ以上に向上し、平滑性の程度も平均表面粗さRa20nm以下、あるいはRa10nm以下、あるいはRa3nm〜5nm以下、さらにRa1nm〜3nm以下のもの得られる。
このような表面平滑性を有する薄膜基板にはさらに優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成できる。すなわち、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されている薄膜基板に対して、あるいは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とし単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成されている薄膜基板に対して、さらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成した場合、上記薄膜基板の表面平滑性がRa50nm以下では該薄膜基板に形成される上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下の単結晶薄膜が得られ易い。また、上記薄膜基板の表面平滑性がRa20nm以下では該薄膜基板に形成される上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の単結晶薄膜が得られ易い。上記薄膜基板の表面平滑性がRa10nm以下では該薄膜基板に形成される上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下の単結晶薄膜が得られ易い。上記本薄膜基板の表面平滑性がRa5nm以下では該薄膜基板に形成される上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下の単結晶薄膜が得られ易い。さらに上記薄膜基板の表面平滑性がRa3nm以下では該薄膜基板に形成される上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下の単結晶薄膜が得られ易い。本発明によるこのような平滑性を有する薄膜基板には上記例示したような窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜だけでなく、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜も形成できる。
また、本発明による上記薄膜基板において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成され該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の表面平滑性と同等あるいはそれ以上に向上した表面平滑性を与える薄膜は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とし単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものであるが、この薄膜の厚みは0.5nm以上であれば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の表面平滑性と同等あるいはそれ以上に向上した表面平滑性の薄膜基板が得られる。
上記のように、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜が形成された基板の表面平滑性は、薄膜が形成されていない窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板よりも向上し易い。また、上記の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜があらかじめ形成された基板の上にさらに単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を形成することにより(薄膜を多層に形成することにより)基板の表面粗さが小さくなり表面平滑性がさらに改善され得る。該基板の平均表面粗さRaは通常10nm以下のものが比較的容易に得られる。このような多層の薄膜を形成することで基板の表面平滑性を改善する場合、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ最初に形成される単結晶薄膜、無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜の中では無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜のなかから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成した基板を用いることが好ましく、平均表面粗さRaが3nm以下の薄膜基板が作製し得る。また、上記多層の薄膜を形成することで基板の表面平滑性を改善する場合、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ最初に形成される単結晶薄膜、無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜の中では配向性多結晶薄膜を形成した基板を用いることが好ましい。まず窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接配向性多結晶薄膜を形成し、その後さらに単結晶薄膜、無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜を形成した基板の平均表面粗さは少なくともRa2nm以下さらにはRa1nm以下のものが得られ易い。上記のような配向性多結晶薄膜形成による効果がなぜ生じるのかその理由は必ずしも明確でないが、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に薄膜を直接形成する時に生じる表面平滑性の違いがそのままその上に形成される薄膜にも影響を与えることが大きな要因ではないかと本願発明者は推測している。すなわち、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成される配向性多結晶薄膜の表面粗さは通常単結晶薄膜、無定形薄膜及び多結晶薄膜より小さい場合が多い。このような元々の表面粗さの違いがそのままその上に形成される薄膜の表面粗さの違いとして反映されるのではないかと思われる。元々の表面粗さの違いは、例えば単結晶薄膜を形成する時は比較的高温を要することが多いので薄膜中で局部的な結晶成長の相違により、あるいは無定形薄膜及び多結晶薄膜では薄膜の緻密さが低くミクロな欠陥が多く存在することにより、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に存在するミクロな空孔、突起、窒化アルミニウム粒子の欠けなど焼結体に起因する欠陥を補う程度が配向性多結晶薄膜より小さい結果生じるのではないかと本願発明者は推測している。
窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成された薄膜によるこのような表面平滑性は自発的に生じ得るが、前記で例示したような研削及び研磨装置、研磨剤を用いてメカノケミカルな(機械的化学的な操作による)研削あるいは鏡面研磨を行うことによっても達成される。メカノケミカルな研削あるいは鏡面研磨により薄膜基板の平均表面粗さRaは少なくとも10nm以下のものが作製し得る。また、平均表面粗さRaが3nm以下、あるいは2nm以下、さらには1nm以下の薄膜基板が作製し得る。上記メカノケミカルな研削あるいは研磨により窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と同等かそれ以上の優れた平滑性が得られる理由は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成された薄膜は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に比べてより微細な粒子からなるかあるいは微粒子などからでなく均質で連続し一体化した構造(モノリシック構造)であるためnmレベルの欠陥が少ないためであろうと推測される。
また、上記のような薄膜が形成された基板をさらに例えばフッ化水素酸(HF)、フッ硝酸(HF+HNOの混合酸)、硝酸(HNO)、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)などの酸に浸漬したり、H、N、Arなどを含む非酸化性雰囲気中あるいは減圧中で加熱アニールする、あるいはこれらを複数組み合わせて行う、などの処理を施すことにより基板表面に形成される単結晶薄膜の結晶性の改善をはかることが可能であり有効となり得る。
このような表面平滑性を有する薄膜基板を用いて、発光素子、光導波路、回路基板、表面弾性波素子などの電子素子あるいは電子部品を作製すればより優れた特性のものが得られ易い。特に発光効率の優れた発光素子が作製し得る。
窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶をはじめ各種結晶状態の薄膜を形成するために本発明において炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料からなる焼結体を用いた基板(すなわち薄膜形成用基板)表面あるいは前記薄膜形成用基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板表面の平滑度は平均表面粗さRaが1000nm以下であることが好ましい。このような基板の表面平滑性を有することが前記単結晶薄膜を形成するためには望ましい。したがって本発明においては前記薄膜形成用基板を用いて作製される薄膜基板の少なくとも1つの面が上記のような平滑度を有することが望ましい。Ra1000nm以下の平均表面粗さを有する基板は炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体の焼き放し(as−fire)表面やラップ研削された表面、あるいはブラスト研磨された表面、あるいは鏡面研磨された表面、あるいは化学的にエッチング(腐食)された表面、あるいは機械的に溝切り加工などが施された表面、あるいは前記薄膜形成用基板を用いて作製される薄膜基板の表面などにおいて得ることができる。化学的なエッチングは例えば薬液などを用いたウェット方式やフッ素などの成分を含有するプラズマガスなどによるドライ方式などが好適に使用し得る。Ra1000nm以下の平均表面粗さを有するこれら基板には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として3600秒以下のものが得られ易い。前記薄膜形成用基板を用いて作製される薄膜基板の表面平滑性は通常はRa100nm以下、より好ましくはRa30nm以下の鏡面状態のものが好ましい。鏡面状態とすることで形成される単結晶薄膜の結晶性が向上し易くなる。炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体を用いた基板の中で平均表面粗さRaが100nm以下のものには窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として1000秒以下のものが得られ易い。またこれら基板の平均表面粗さRaは10nm以下であることがより好ましい。Ra10nm以下の平均表面粗さを有するこれらの基板は炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体の鏡面研磨された前記薄膜形成用基板を用いて作製される薄膜基板の表面などにおいて得ることができる。Ra10nm以下の平均表面粗さを有する基板には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として300秒以下のものが得られ易い。またこれら基板の平均表面粗さRaは5nm以下であることがさらに好ましい。Ra5nm以下の平均表面粗さを有する基板は炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体の鏡面研磨された前記薄膜形成用基板を用いて作製される薄膜基板の表面などにおいて得ることができる。Ra5nm以下の平均表面粗さを有する基板には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として240秒以下のものが得られ易い。
上記炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板の焼き放し(as−fire)面を用いるときは、ブラシやアルミナ粉末などを用いたホーニングにより基板表面の付着物、異物、突起などを取り除いた状態のものを用いることが好ましい。ラップ研磨は通常行われているようなラップ研削機によりアルミナ砥粒、炭化珪素砥粒、ダイヤモンド砥粒を用いた方法が問題なく使用できる。また、鏡面研磨は通常の布製パッドやポリウレタンパッドなどの工具を有する研磨機により微粒のアルミナ、酸化セリウム、ダイヤモンド、酸化珪素あるいは酸化クロムなどを主成分とする研磨剤を適宜用いた方法が問題なく使用できる。
本発明において炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板を用いて作製される薄膜基板においてその表面状態は薄膜が形成される面が特に重要である。窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が基板の1面しか形成されない場合、該薄膜が形成されない炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板を用いて作製される薄膜基板の表面状態は必要に応じて任意の状態が選択でき窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成される表面状態と異なっていても良い。本発明による上記炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板の表面状態としては鏡面に研磨した状態のものが基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性が高い傾向がある。焼き放し(as−fire)状態のものとラップ研磨した状態のものを比較すると焼き放し状態の基板表面の方が基板に直接形成される上記単結晶薄膜の結晶性が高い傾向がある。このような現象はおそらく基板表面の平滑度すなわち基板表面の粗さの程度により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の成長時における核成長の方向を一定にする度合いが異なるためであろうと推測される。また、このような現象は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板の場合に比べより基板表面の平滑度が高いものが求められるという違いはあるが、おそらく基板表面の平滑度すなわち基板表面の粗さの程度により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の成長時における核成長の方向を一定にする度合いが異なるためであろうと推測される。
本発明において炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体を基板として用い窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成される薄膜基板の表面平滑性は通常基板として使用する炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体の表面状態と同等かあるいは向上する。すなわち炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板表面の平滑度が例えば平均表面粗さRa=30nmであれば本発明による薄膜基板の表面平滑度はRa30nmあるいはそれ以下となる。したがって本発明による窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成された薄膜基板表面の平滑性は、平均表面粗さRa=1000nm以下の炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合はRa1000nm以下、平均表面粗さRa=100nm以下の炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合はRa100nm以下、平均表面粗さRa=30nm以下の炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合はRa30nm以下、平均表面粗さRa=10nm以下の炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合はRa10nm以下、平均表面粗さRa=5nm以下の炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合はRa5nm以下である。
本発明による炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体を基板として用い窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板表面の平滑性はRa10nm以下あるいはRa3nm〜5nm以下さらにRa1nm〜3nm以下のもの得られる。本発明による薄膜基板において、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板の表面平滑性と同等あるいはそれ以上に向上した表面平滑性を与える薄膜は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とし単結晶薄膜だけに限らない。炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板を用い窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成された本発明による薄膜基板の場合も上記単結晶薄膜と同様に、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板の表面平滑性と同等かそれ以上に向上し、平滑性の程度もRa20nm以下、あるいはRa10nm以下、あるいはRa3nm〜5nm以下、さらにRa1nm〜3nm以下のもの得られる。
また、本発明による上記薄膜基板において、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板の表面平滑性と同等あるいはそれ以上に向上した表面平滑性を与える薄膜は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とし単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものであるが、この薄膜の厚みは0.5nm以上であれば炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板の表面平滑性と同等あるいはそれ以上に向上した表面平滑性の薄膜基板が得られる。
上記のように、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜が形成された基板の表面平滑性は、薄膜が形成されていない炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板よりも向上し易い。また、上記の炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板に単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜があらかじめ形成された基板の上にさらに単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を形成することにより(薄膜を多層に形成することにより)基板の表面粗さが小さくなり表面平滑性がさらに改善され得る。このような多層の薄膜を形成することで基板の表面平滑性を改善する場合、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板に最初に直接形成される単結晶薄膜、無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜の中では配向性多結晶薄膜を形成した基板を用いることが好ましい。まず炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板に直接配向性多結晶薄膜を形成し、その後さらに単結晶薄膜、無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜を形成した基板の表面粗さは少なくとも2nm以下さらには1nm以下のものが得られ易い。上記のような配向性多結晶薄膜形成による効果がなぜ生じるのかその理由は必ずしも明確でないが、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板に薄膜を直接形成する時に生じる表面平滑性の違いがそのままその上に形成される薄膜にも影響を与えることが大きな要因ではないかと本願発明者は推測している。すなわち、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成される配向性多結晶薄膜の表面粗さは通常単結晶薄膜、無定形薄膜及び多結晶薄膜より小さい場合が多い。このような元々の表面粗さの違いがそのままその上に形成される薄膜の表面粗さの違いとして反映されるのではないかと思われる。元々の表面粗さの違いは、例えば単結晶薄膜を形成する時は比較的高温を要することが多いので薄膜中で局部的な結晶成長の相違により、あるいは無定形薄膜及び多結晶薄膜では薄膜の緻密さが低くミクロな欠陥が多く存在することにより、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板に存在するミクロな空孔、突起、焼結体粒子の欠けなど焼結体に起因する欠陥を補う程度が配向性多結晶薄膜より小さい結果生じるのではないかと本願発明者は推測している。
炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成された薄膜によるこのような平滑性は自発的に生じ得るが、メカノケミカルな(機械的化学的な操作による)研削あるいは研磨を行うことによっても達成される。上記メカノケミカルな研削あるいは研磨により炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体と同等かそれ以上の優れた平滑性が得られる理由は各焼結体に形成された薄膜は炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体に比べてより微細な粒子からなるかあるいは微粒子などからでなく均質で連続し一体化した構造(モノリシック構造)であるためnmレベルの欠陥が少ないためであろうと推測される。上記のように薄膜が形成された基板をさらに例えばフッ化水素酸(HF)、フッ硝酸(HF+HNOの混合酸)、硝酸(HNO)、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)などの酸に浸漬したり、H、N、Arなどを含む非酸化性雰囲気中あるいは減圧中で加熱アニールする、あるいはこれらを複数組み合わせて行う、などの処理を施すことにより基板表面に形成される単結晶薄膜の結晶性の改善をはかることが可能であり有効となり得る。
なお、上記の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の表面状態及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体の表面状態とその上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性及び単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜の表面状態との関係は、これら焼結体以外の例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体を用いた場合であってもその表面状態とその上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性及び単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜の表面状態との関係においても同様の傾向を有する。
本願発明者は、基板として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いる場合可視光及び/又は波長200nm〜380nmの範囲の紫外光における光透過率と基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性とは相関があることを示した。さらに光透過率が高い場合の利点として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成される発光素子、あるいは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成した基板に形成される発光素子からの光を基板で吸収する割合が小さくでき素子の外部に放出される光の割合を高めることができるので発光素子の発光効率を高めることができる。上記のような特徴や利点を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の光透過率を高めるためには焼結体の化学組成や微構造などの焼結体そのものの特性を改善する以外に基板の厚みを薄くすることも有効である。基板の厚みが8.0mm以下であれば波長200nm〜800nmの範囲の光に対して光透過性を維持し得る。透過性を維持できるということは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の厚みが8.0mmであっても光透過率が1%以上であるということを意味する。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の厚みが0.5mmのものを用いて測定した時の光透過率が例えば波長200nm〜800nmの範囲の光において60〜80%の範囲の高い光透過率を有するものでも基板の厚みが厚くなれば光透過率は減少していく。基板の厚みが0.5mmのものを用いて測定した時の波長200nm〜800nmの範囲の光における光透過率が例えば80%の基板の場合その厚みが8.0mmであっても波長200nm〜800nmの範囲の光において光透過率は1%以上である。基板の厚みが5.0mm以下であれば光透過率は5%以上のものが得られる。基板の厚みが2.5mm以下であれば光透過率は10%以上のものが得られる。さらに基板の厚みが1.0mm以下であれば光透過率は60%以上のものが得られる。基板の厚みが0.2mm以下と薄くなれば光透過率は90%以上のものが得られる。基板の厚みが0.05mm以下の場合光透過率は95%以上のものが得られる。また基板の厚みが0.5mmのものを用いて測定した時の波長200nm〜800nmの範囲の光に対する光透過率が例えば1.0%の基板の場合その厚みが0.2mmと薄くなれば光透過率10%以上のものが得られる。基板の厚みが0.1mm以下の場合光透過率は20%以上のものが得られる。また基板の厚みが0.05mm以下の場合光透過率は40%以上のものが得られる。このように波長200nm〜800nmの範囲の光において60%以上の高い光透過率を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板において厚み1.0mm以下では基板の厚みにあまり影響されず高い光透過性を有し、0.2mm以下の厚みでは90%以上殆ど透明に近い光透過率となる。実質的に100%に近い光透過率を有するものも得られる。通常基板の厚みは薄いほど光透過率は高まる傾向を有するが機械的強度が小さくなるので基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成する場合の作業時にクラックや欠けが生じ始めるという欠点があるので基板の厚みは0.01mm以上であることが好ましく、0.02mm以上であることがより好ましく、0.05mm以上であることがさらに好ましい。上記のように本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板として用いる場合光透過性の観点からみて(すなわち本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に発光素子を形成した時の優位性)基板の厚みは8mm以下であることが好ましく、5.0mm以下であることがより好ましい。また基板の厚みは2.5mm以下であることがさらに好ましく、基板の厚みは1.0mm以下であることが最も好ましい。このような厚みの基板において機械的強度の観点からは0.01mm以上であることが好ましく、0.02mm以上であることがより好ましく、0.05mm以上であることがさらに好ましい。
本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板には導通ビアを設けることができる。導通ビアが設けられた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板は単結晶薄膜を形成するためだけでなく各種結晶状態の薄膜形成用基板としても同等に用いることができる。導通ビアは通常窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板の内部に設けられる。該導通ビアは通常基板の上下表面(すなわち単結晶薄膜、あるいは無定形薄膜、あるいは多結晶薄膜、あるいは配向性多結晶薄膜などの各種結晶状態の薄膜が形成される側の基板面と、その反対側の基板面)を電気的に接続するために形成される。該導通ビアは例えば窒化アルミニウムを主成分とするグリーンシートなどのセラミック粉末成形体にスルーホール(貫通孔)を形成してそこにあらかじめ金属などを主成分とする導電性粉末を入れ同時焼成する、スルーホールが形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を溶融金属に含浸し該スルーホール部分に溶融金属導入する、基板のスルーホールに導電性ペーストを導入し加熱あるいは焼成する、などの方法で容易に形成できる。上記導通ビアは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の内部だけでなく、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料からなる焼結体にも形成することができる。
図3には内部に導通ビア3(斜線で示された部分)を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板9の様子が例示されている。該導通ビア3を有する基板9は薄膜形成用基板として用いることができる。
また、該薄膜形成用基板の上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成できる。
図7には導通ビア3が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板9の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成された薄膜基板の1例が示されている。
図7において、導通ビア3が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板9が薄膜形成用基板として用いられ、該薄膜形成用基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜5が形成され該基板9及び薄膜5により薄膜基板7が構成されている。
このような導通ビアが形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムあるいは酸化アルミニウムなどの各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜が形成できるが、導通ビアにも直接上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜が形成できる。
図7で例示された導通ビアを有する薄膜基板に形成されている薄膜5はエピタキシャル成長した単結晶薄膜として形成できるが該薄膜5はすべてが単結晶でなくその他に無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜も形成できる。また単一層としてだけでなく2層以上の多層化された薄膜構成のものも形成できる。すなわち、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しその上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜が形成された2層構成の薄膜が形成できる。このような構成で形成された単結晶薄膜の結晶性は基板に直接形成された単結晶薄膜よりも優れたものが得られ易いので好ましい。また例えば、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成でき、単結晶を含まない構成の薄膜も形成し得る。また上記の構成に限らず薄膜5は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする2層以上から構成される薄膜として形成できる。2層以上に形成された薄膜5は各層において単結晶を含め無定形、多結晶、配向性多結晶などの結晶状態、組成、あるいは厚みなどそれぞれ異なる状態で形成でき、本発明において2層以上の薄膜層のすべてが単結晶でない薄膜構成であっても形成出来る。2層以上の薄膜層で構成されている薄膜層すべてが窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜からなるものも形成出来る。本発明による薄膜基板を発光素子、あるいはフィールドエミッションディスプレイ、あるいは回路基板、あるいは光導波路など、各種電子素子及び電子部品の作製用として用いる場合など、薄膜基板表面に形成される薄膜は通常エピタキシャル成長した単結晶であることが好ましい。
図7で例示された薄膜基板7にはさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成できる。その場合該薄膜基板は薄膜形成用基板としての機能を果たすことになる。
図8には薄膜を2層形成した導通ビアを有する薄膜基板の1例を示す。図8において、薄膜形成用基板として導通ビア3が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板9が用いられ、該基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜5及び薄膜8が形成され導通ビアを有する薄膜基板7が形成されている。
図8で例示された薄膜基板に形成されている薄膜5及び薄膜8はエピタキシャル成長した単結晶薄膜として形成できるが該薄膜すべてが単結晶でなくその他に無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜も形成できる。例えば、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態を有する薄膜を形成でき、単結晶を含まない構成の薄膜も形成し得る。また例えば、薄膜5として窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものを形成し、その上に薄膜8として窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜を形成すれば該薄膜8の結晶性は基板9に直接形成した単結晶薄膜の結晶性よりも向上し易いので好ましい。このような薄膜構成の薄膜基板は例えば発光素子、あるいはフィールドエミッション、あるいは回路基板、あるいは光導波路など、各種電子素子及び電子部品の作製用に使用していく上で好ましい。また上記の構成に限らず薄膜5及び薄膜8をそれぞれ2層以上に多層化し窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする合計3層以上の薄膜で構成することもできる。それぞれ2層以上に形成された薄膜5及び薄膜8は各層において単結晶を含め無定形、多結晶、配向性多結晶などの結晶状態、組成、あるいは厚みなどそれぞれ異なる状態で形成でき、本発明において薄膜層のすべてが単結晶でない窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の構成であっても形成出来る。
図8に例示された薄膜層2層で構成された薄膜基板だけでなく薄膜層が3層以上形成された薄膜基板であっても該薄膜層すべてが窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜からなるものも形成出来る。
図8で例示された薄膜基板7にはさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成できる。その場合該薄膜基板は薄膜形成用基板としての機能を果たすことになる。
また、図8に例示された薄膜基板において導通ビア3には上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態を有する薄膜5が直接形成し得る。
図8に例示された薄膜2層あるいは3層以上が形成された薄膜基板を発光素子、あるいはフィールドエミッションディスプレイ、あるいは回路基板、あるいは光導波路など、各種電子素子及び電子部品の作製用として用いる場合など、薄膜基板表面に形成される薄膜は通常エピタキシャル成長した単結晶であることが好ましい。
本発明による導通ビアを有する薄膜基板とは、導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された基板である。
本発明による導通ビアを有する薄膜基板に形成される薄膜として、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をあらかじめ形成し、要すればさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成した構成とすることで該単結晶薄膜の結晶はよりすぐれたものが得られ易いので好ましい。
図3、図7及び図8において示された導通ビアを有する基板の形状は円盤状であるが本発明において使用できる導通ビアを内部に形成した基板の形状は円盤状だけでなく正方形、長方形、あるいはその他多角形状など任意の形状のものが使用できる。又、図3、図7、図8において導通ビアは1個しか示されていないが基板中には適宜複数個の導通ビアを設けることができる。例えば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を構成成分とする発光素子1個の大きさは0.05〜10.0mm程度であるので直径25.4mmの円盤状基板では切断しろを考慮して2〜10000個程度の導通ビアを設けることができる。この導通ビアを有する基板上に発光素子を形成後発光素子を1個ずつ基板から切り離すことで素子の上下面にPN電極配置を有する発光素子が形成できる。このような上下面配置の電極が形成され発光素子はサファイア基板を用いた場合のように素子の片面にだけPN電極が形成されたものと違い電極を形成するために素子の一部をエッチングする必要がなく、基板から切り離すだけでそのまま素子が形成できるのでエッチング中に生じやすい素子のダメージの恐れがなくまた素子の製造コストの低減化がはかれるので好ましい。また、本発明による導通ビアを形成した基板を用いることでPNの電極を素子の片面だけでなく素子の上下面に電極を配置した素子が設計できるので設計に自由度も向上するという特徴もある。
導通ビアに用いられる導電性材料は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体と一体化し易くさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との接合性が高く該薄膜を導通ビアに対して形成したときにクラックや導通ビアとの界面における剥離などの不具合が生じることがなくさらに要すれば電気的にも薄膜との接続性が高いものであればどのような材料でも用いることができる。このような材料は例えば金、銀、銅、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、タングステン、モリブデン、クロム、チタン、窒化チタン及び窒化ジルコニウムなどのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするものである。このような材料からなる導通ビアは上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板材料と一体化し易いだけでなく、基板に形成される薄膜との接合性が高く導通ビアには直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成できる。また、上記材料からなる導通ビアは電気的にも窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との接続性が高い。通常上記材料からなる導通ビアに直接形成される単結晶薄膜は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅3600秒以下の結晶性のものが得られ易い。またビアの材料として上記の主成分に窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、希土類元素化合物、アルカリ土類金属化合物などのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を加えたものは窒化アルミニウム焼結体を始めとする基板材料とより一体化し易いだけでなく、基板に形成される薄膜との接合性がさらに高く導通ビアには直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できその結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅1000秒以下のものが得られ易い。また、上記材料からなる導通ビアは電気的にも窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との接続性も高い。上記の導通ビアの材料の中でモリブデン、タングステン、銅、窒化チタン、窒化ジルコニウムの中から選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするものは基板の窒化アルミニウム焼結体を始めとする材料とより一体化し易いだけでなく、基板に形成される薄膜を介してあるいは導通ビアに直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できその結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅300秒以下のものが得られ易いのでより好ましい。また、モリブデン、タングステン、銅、窒化チタン、窒化ジルコニウムの中から選ばれた少なくとも1種以上の成分を主成分としさらに窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、希土類元素化合物、アルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものは基板の窒化アルミニウム焼結体を始めとする材料とより一体化し易いだけでなく、基板に形成される薄膜を介してあるいは導通ビアに直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できその結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅240秒以下のものが得られ易いのでさらに好ましい。この導通ビアを形成する材料に含まれる窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、希土類元素化合物、アルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量は合計で30重量%以下であることが好ましく上記材料により構成される導通ビアの室温における抵抗率が1×10−3Ω・cm以下となる。30重量%より多いと上記材料により構成される導通ビアの室温における抵抗率が1×10−3Ω・cmより高いものとなり易いので好ましくない。より好ましい含有量は10重量%以下であり、上記材料により構成される導通ビアの室温における抵抗率は1×10−4Ω・cm以下となり易いのでより好ましい。さらに好ましい含有量は5重量%以下であり、上記材料により構成される導通ビアの室温における抵抗率は1×10−5Ω・cm以下となり易いのでより好ましい。なお、上記導通ビアの主成分として用いられるモリブデン及びタングステンは金属だけでなく炭化物や窒化物としても用いることができる。このように導通ビアの材料の中でモリブデン、タングステン、銅、窒化チタン、窒化ジルコニウムの中から選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするものや、モリブデン、タングステン、銅、窒化チタン、窒化ジルコニウムの中から選ばれた少なくとも1種以上の成分を主成分としさらに窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、希土類元素化合物、アルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものが基板に形成される薄膜を介してあるいは導通ビアに直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が高い結晶性を有する理由は必ずしも明確でない。本願発明者はおそらく上記モリブデン、タングステン、銅、窒化チタン、窒化ジルコニウムの中から選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする材料の熱膨張率は比較的小さく窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に近くまた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の熱膨張率に近いため、あるいは銅の場合比較的軟質であるためエピタキシャル成長した該単結晶薄膜に大きなひずみや応力が生じにくいと推測しており、また導通ビアに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜形成されるとき窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が導通ビア付近で該薄膜の単結晶化が阻害されないように働くのではないかと推測している。
なお、上記導通ビアに用いられる希土類元素化合物とはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Yb、Luなどの希土類元素、及びSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Yb、Lu、などの希土類元素酸化物あるいはその他Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Yb、Lu、などを含む炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物などの無機希土類化合物、酢酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩などの有機希土類化合物などの各種希土類元素化合物などであり、さらにLnを希土類元素として表したときガーネット型結晶構造の3Ln・5Al(例えば3Y・5Al、3Dy・5Al、3Ho・5Al、3Er・5Al、3Yb・5Al、など)、ぺロブスカイト型結晶構造のLn・Al(例えばYAlO、LaAlO、PrAlO、NdAlO、SmAlO、EuAlO、GdAlO、DyAlO、HoAlO、ErAlO、YbAlO、など)、単斜晶結晶構造2Ln・Al(例えば2Y・Al、2Sm・Al、2Eu・Al、2Gd・Al、2Dy・Al、2Ho・Al、2Er・Al、2Yb・Al、など)などの希土類元素を含む複合酸化物、などである。また上記導通ビアに用いられるアルカリ土類金属化合物とはMg、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属、及びMgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属酸化物やその他Mg、Ca、Sr、Baなどを含む炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物などの無機アルカリ土類金属化合物、酢酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩などの有機アルカリ土類金属化合物などの各種アルカリ土類金属化合物であり、さらにAeをアルカリ土類金属として表したとき3AeO・Al、Ae・Al、Ae・2Al、Ae・6Alなどのアルカリ土類金属を含む複合酸化物、である。
本発明において、導通ビアに用いられる前記モリブデン、タングステン、銅、窒化チタン、窒化ジルコニウムの中から選ばれた少なくとも1種以上の成分を主成分としさらに窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、希土類元素化合物、アルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むもの以外の各材料においてもその室温における抵抗率は1×10−3Ω・cm以下程度の導電性があれば好ましく室温における抵抗率が1×10−4Ω・cm以下であることがより好ましくまた室温における抵抗率が1×10−5Ω・cm以下であることがさらに好ましい。
本発明において上記導通ビアが形成される基板が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体である場合焼結助剤、焼成温度低減化剤、黒色化剤、不可避不純物、ALONなどのうち少なくとも1種以上を含むものであっても良いし、高純度化され結晶相としてAlNを95%以上含むものあるいはAlNを98%以上含むものあるいは実質的にAlN単一相からなるものであってもよく、いずれの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体も用いることができる。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成される導通ビアの材料がモリブデン、タングステン、銅、窒化チタン、窒化ジルコニウムの中から選ばれた少なくとも1種以上の成分を主成分とするもの、あるいはモリブデン、タングステン、銅、窒化チタン、窒化ジルコニウムの中から選ばれた少なくとも1種以上の成分を主成分としさらに窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、希土類元素化合物、アルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものを用いれば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を高純度化し光透過性を高めるために行われる高温で長時間の熱処理中にも揮散されることが殆どないので導通ビアを有する基板が容易に製造可能となり、高熱伝導率で光透過性を有し熱膨張率が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜に近くさらに基板の上下面を電気的に接続できる優れた基板が低コストで提供でき産業界に与える影響はさらに大きい。
本発明において導通ビアの大きさ及び形状は適宜選定でき、どのような大きさのものであっても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜が直接形成し得要すれば単結晶薄膜が形成し得るものであればよい。又形状もどのようなものでも選択でき窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜が直接形成し得要すれば単結晶薄膜が形成し得るものであればよい。通常導通ビアの大きさは250μmより大きいものであっても該導通ビアに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。すなわち導通ビアの大きさが250μmより大きい場合でも導通ビアに直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜として該単結晶博膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅3600秒以下の結晶性のものが得られ易い。例えば導通ビアの大きさが500μmといった比較的大きいものであっても該導通ビアに形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜として該単結晶博膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅3600秒以下の結晶性のものが得られる。通常導通ビアの大きさは250μm以下であることが好ましい。導通ビアの大きさが250μm以下であれば導通ビアに直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下と結晶性に優れたものが得られ易い。好ましくい導通ビアの大きさは100μm以下である。導通ビアの大きさが100μm以下であれば導通ビアに直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下とより結晶性に優れたものが得られ易い。さらに好ましくは50μm以下である。導通ビアの大きさが50μm以下であれば導通ビアに直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下とさらに結晶性に優れたものが得られ易い。さらに好ましくは25μm以下である。導通ビアの大きさが25μm以下であれば導通ビアに直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下とさらに結晶性に優れたものが得られ易い。導通ビアの大きさにより基板上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性に相違が生じる易いのは、導通ビアは基板の主成分である窒化アルミニウムとは異なる材料であるためその大きさにより基板上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の成長時における核成長の方向を一定にする度合いに違いが生じるためであろうと推測される。なお、本発明において導通ビアの大きさとは断面の最大寸法で示す。すなわち断面が直径200μmの円形の場合導通ビアの大きさはそのまま200μmであり、一辺150μmの正方形の場合導通ビアの大きさは212μmである。
また導通ビアの断面形状は任意のものが使用できるが加工性の点から断面が円形のものを用いることが好ましくこのような形状であれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し得る。
導通ビアを形成するために上記のように窒化アルミニウムを主成分とするグリーンシートなどのセラミック粉末成形体にスルーホールを形成する方法として通常行われているニードルを用いたパンチング法以外に例えば炭酸ガスレーザーやYAGレーザーあるいはエキシマレーザーなどによるレーザー加工法が微細な穴あけ加工法としては好ましい。上記レーザー加工法は焼成後の焼結体への穿孔にも適する。レーザー加工法を用いることで50μm以下、1μm程度までの導通ビアが形成できる。グリーンシートを焼成することにより得られる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成された導通ビアの大きさが50μmからさらに小さくなり1μmに近づくにつれ導通ビアに直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が本来有していると思われる150秒以下と結晶性に優れたものが得られ易くなり特に好ましい。
また、本発明において導通ビアの形態として導電性材料がスルーホール内に密に充填されたものやスルーホールの側壁に導電性材料を形成したものなど各種形態のものが使用できる。その中でスルーホール内に導電性材料が緻密な状態で形成されたいわゆる充填ビアの形態のものが好ましく、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が容易に形成できる利点がある。
導通ビアを設けることで元来電気的には絶縁体である窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板の表裏面を電気的に接続できるので、素子の電極を上下面からとすることができる。導通ビアを設けない場合発光素子の電極は基板上に形成された発光素子側だけの面にしか設けられないが、基板に導通ビアを形成することで発光素子の実装を行う場合の自由度が高まり有利となる。
本発明者は各種金属、合金、金属窒化物、金属炭化物、金属珪化物などの材料を主成分とする導電性を有する薄膜が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体について窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜形成について検討を行なった。その結果上記各種金属、合金、金属窒化物、金属炭化物、金属珪化物などを主成分とする薄膜導電性材料が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は該薄膜導電性材料が形成されていない窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と同等に薄膜形成用基板として用いることができることが明らかになった。このような薄膜導電性材料は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との接合性が高く窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との接合性が高くさらに要すれば電気的な接続性が高いものあるいは光反射率の高いものであればどのようなものでも用いることができる。すなわち、例えば金、銀、銅、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、タンタル、モリブデン、タングステン、クロム、チタン、ニッケル−クロム合金、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、などのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする導電性材料を用いスパッタリング、イオンプレーティング、蒸着、MOCVD(有機金属化学気相分解成長)法、MOVPE(有機金属気相エピタキシャル成長)法、ハイドライドVPE(水素化物気相エピタキシャル成長)法、クロライドVPE(塩化物気相エピタキシャル成長)法などのハライドVPE(ハロゲン化物気相エピタキシャル成長)法、、プラズマCVD法、その他のCVD(化学気相分解成長)法、MBE(分子線エピタキシー)法、あるいはエキシマレーザーなどを用いたレーザーアブレーション法、PLD(パルスレーザーデポジション:パルスレーザー分解)法などの方法により目的成分を含む有機化合物、無機化合物、窒化物などの各種化合物、金属、合金などからなる材料を原料とし本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に該導電性材料を主成分とする薄膜を形成して薄膜導電性材料を得、該薄膜導電性材料の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成できる。通常上記薄膜導電性材料は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の表面に形成される。前記薄膜導電性材料が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体には適宜成膜条件を選択することにより単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成することができる。なおスパッタリング法の条件として上記金、銀、銅、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、タンタル、モリブデン、タングステン、クロム、チタン、ニッケル−クロム合金、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、などのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする導電性材料をターゲットとして用い基板温度を適宜室温〜300℃としさらに基板温度を適宜300℃以上とし減圧下例えばArガスを圧力0.2〜2.0Paで10〜200cc/min.の流量で流し0.3〜3KWの直流電力あるいは高周波電力をかけて成膜を行う。高周波(RF)電力の周波数は通常2.45GHzのマイクロ波あるいは13.56MHzのラジオ波などが用いられる。また薄膜導電性材料が窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタルなどの金属化合物である場合など雰囲気ガスとして適宜例えばNガスやNHガスなどの反応性ガスを単独であるいはArガス、Hガスなどのキャリアガスに加えて用い反応性スパッタリングにより該薄膜導電性材料を形成することも有効である。イオンプレーティング法の条件として上記金、銀、銅、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、タンタル、モリブデン、タングステン、クロム、チタン、ニッケル−クロム合金、などのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする導電性材料を溶融原料として用い基板温度を適宜室温〜300℃としあるいは基板温度を適宜300℃以上とし成膜チャンバー内の真空度を2×10−3Pa以下の真空度としてイオン化電圧10〜200V、基板への印加電圧300〜5000Vにて成膜を行う。あるいは印加電力として高周波を用いて行うこともできる。高周波(RF)電力の周波数は通常2.45GHzのマイクロ波あるいは13.56MHzなどが用いられる。また薄膜導電性材料が窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタルなどの金属化合物である場合など溶融材料にチタン、ジルコニウム、タンタルなどの金属を用いてチャンバー内に適宜例えばNガスやNHガスなどの反応性ガスを単独であるいはArガス、Hガス、Nガスなどのキャリアガスに加えて導入して反応性イオンプレーティング法により該薄膜導電性材料を形成することも有効に実施できる。真空蒸着法の条件として上記金、銀、銅、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、タンタル、モリブデン、タングステン、クロム、チタン、ニッケル−クロム合金、などのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする導電性材料を溶融原料として用い基板温度を適宜室温〜300℃としさらに基板温度を適宜300℃以上とし成膜チャンバー内の真空度を2×10−3Pa以下の真空度として成膜を行う。上記スパッタリング法、イオンプレーティング法あるいは蒸着法は薄膜導電性材料の形成だけでなくMOCVD法、クロライドVPE法、ハライドVPE法、ハイドライドVPE法あるいはMBE法などともに本発明による窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜、及びSi、Ge、Se、Te、O、Mg、Be、Ca、Zn、Cd、Cなどのドーピング成分を含む窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を形成する方法としても用いることができる。これらの薄膜形成に際してスパッタリング法では窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とするターゲットを用いて目的とする組成の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜を得る、あるいは金属ガリウム、金属インジウム、金属アルミニウムをターゲットとして用い上記NガスやNHガスなどと反応させることで目的とする組成の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜を得ることができる。また、イオンプレーティング法及び蒸着法では金属ガリウム、金属インジウム、金属アルミニウムをターゲットとして用い上記NガスやNHガスなどと反応させることで目的とする組成の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜を得ることができる。薄膜導電性材料を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜にはクラックは見られず、該薄膜導電性材料と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との間に剥離などの不具合は見られにくい。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に上記導電性材料を主成分とする薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したとき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅3600秒以下の結晶性のものが得られ易い。また、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との接合性も高く垂直引っ張り強度2Kg/mm以上のものが得られ易いので好ましい。また、上記薄膜導電性材料を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜に粘着テープを接着し引き剥がしテストを行っても、該薄膜導電性材料と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との間に剥離は見られない。上記の接合性は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶などどのような結晶状態であっても同様に得ることができる。このように本発明による薄膜導電性材料は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との間に高い接合性を有しているが、上記の接合性評価法の結果から見て本発明による薄膜導電性材料は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に対しても垂直引張り強度2Kg/mm以上と薄膜と少なくとも同等の接合性を有しているものと思われる。通常上記薄膜導電性材料はその厚みが20μm以下のものを使用することがその上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の品質を高め該薄膜との接合性を高める上で好ましい。すなわち上記薄膜導電性材料の厚みが20μm以下であれば該薄膜導電性材料の上に形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅300秒以下の結晶性のものが得られ易く、また該薄膜が無定形や多結晶など必ずしも単結晶でない結晶状態であっても該薄膜との接合性も垂直引っ張り強度2Kg/mm以上のものが得られ易いのでより好ましい。また上記薄膜導電性材料の厚みが5μm以下であれば該薄膜導電性材料の上に形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅240秒以下の結晶性のものが得られ易く、また該薄膜が無定形や多結晶など必ずしも単結晶でない結晶状態であっても該薄膜との接合性も垂直引っ張り強度2Kg/mm以上のものが得られ易いのでより好ましい。上記薄膜導電性材料の厚みが1μm以下であれば該薄膜導電性材料の上に形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅200秒以下の比較的結晶性の高いものが得られ易く、また該薄膜が無定形や多結晶など必ずしも単結晶でない結晶状態であっても該薄膜との接合性も垂直引っ張り強度2Kg/mm以上のものが得られ易いのでより好ましい。
上記の結果、薄膜導電性材料が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板を製造することができることが確認された。
また、上記薄膜導電性材料が形成された炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の上にはさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成できる。該薄膜は単一層としてだけでなく結晶状態、組成などが異なる2層以上の薄膜層として形成できる。
薄膜導電性材料が形成されている窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜が形成できるがすべてが単結晶でなくその他に無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜も形成できる。また単一層としてだけでなく2層以上の多層化された薄膜構成のものも形成できる。すなわち、あらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態からなる薄膜を形成しその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜が形成された2層構成の薄膜が形成できる。このような構成で形成された単結晶薄膜の結晶性は薄膜導電性材料が形成されている窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された単結晶薄膜よりも優れたものが得られ易いので好ましい。また例えば、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し、その上に単結晶を含まない無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態からなる薄膜が形成された2層構成の薄膜も形成できる。2層以上で形成された薄膜は各層において単結晶を含め無定形、多結晶、配向性多結晶などの結晶状態、組成、あるいは厚みなどそれぞれ異なる状態で形成でき、本発明においては2層以上の薄膜層のすべてが単結晶でない薄膜構成であっても形成出来る。2層以上の薄膜層で構成されている薄膜層すべてが窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜からなるものも形成出来る。2層以上で構成されている薄膜層のうち少なくとも1層以上要すれば表面の薄膜層は単結晶であることが好ましい。特に、本発明によるあらかじめ薄膜導電性材料が形成された基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板を発光素子、あるいはフィールドエミッションディスプレイ、あるいは回路基板、あるいは光導波路など、各種電子素子及び電子部品の作製に用いる場合など、基板表面に形成される薄膜は通常エピタキシャル成長した単結晶であることが好ましい。
本発明において上記薄膜導電性材料は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板にも形成することができる。すなわち、上記薄膜導電性材料は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体にあらかじめ形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜に形成でき十分な接合性を有している。上記薄膜導電性材料が形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜にはクラックは見られず、該窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜と上記薄膜導電性材料と間に剥離などの不具合は見られにくい。また、接合強度も垂直引っ張り法で2Kg/mm以上のものが得られ易い。このような良好な接合性が得られる理由として窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成されているため格子不整合や熱膨張率の相違などによる内部応力が少なく、さらに薄膜導電性材料を形成したときに生じる歪や引っ張り応力は脆性材料である該薄膜にではなく比較的柔らかくあるいは熱膨張率のより大きい薄膜導電性材料により多くあるいは薄膜導電性材料にだけ生じやすいことが大きな要因ではないかと本願発明者は推測している。
なお、上記の接合性は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶などどのような結晶状態であっても同様に得ることができる。
上記薄膜導電性材料のうち金あるいは銅のようにはんだ付けが可能な材料を形成しはんだを用いて接合強度を測定すれば4Kg/mm以上の垂直引張り強度のものが得られやすい。これは本発明による薄膜導電性材料と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との接合が高いということだけでなく、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と薄膜導電性材料との接合性及び窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との接合性も本来高いものであることを示している。
本発明による上記薄膜導電性材料は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の表面だけでなく該薄膜の内部にも形成することができる。すなわち、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体にあらかじめ形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜に対して薄膜導電性材料を形成しさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を被覆して窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の内部に薄膜導電性材料を形成したとき、該薄膜導電性材料と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との接合界面の剥離や窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜内部にクラックやなどの不具合が生じにくい。
また本発明は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板は薄膜導電性材料が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板を含む。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板であって、さらに薄膜導電性材料が形成されていることを特徴とする薄膜基板を含む。
このように本発明においては、1)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に薄膜導電性材料が形成された薄膜形成用基板、2)あらかじめ薄膜導電性材料が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板、3)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の上にさらに薄膜導電性材料を形成した薄膜基板、4)あらかじめ薄膜導電性材料が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成しその上にさらに薄膜導電性材料を形成した薄膜基板、など各種薄膜形成用基板及び薄膜基板を提供することができる。また、上記2)、3)、4)のそれぞれの薄膜基板において、形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の内部に薄膜導電性材料が形成された薄膜基板も提供することができる。
本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に上記薄膜導電性材料が形成された薄膜形成用基板及び薄膜基板を用いる効果は、該薄膜形成用基板及び該薄膜基板を単に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板としてだけでなく、例えば上記薄膜導電性材料を回路パターン状に加工するなどして該薄膜導電性材料が形成された薄膜形成用基板及び薄膜基板上に形成される発光素子を電気的に駆動させるための電気回路機能が付加された基板として用いることができることである。さらに導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に上記薄膜導電性材料が形成された薄膜形成用基板及び薄膜基板を用いれば該薄膜導電性材料が形成されていない導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いる場合に比べて基板の上下表面の電気的接続性が向上するという効果が得られる。すなわち、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が導電性を有するものであれば導通ビアを介して該導電性を有する薄膜と該薄膜が形成されている反対側の基板面とを電気的に接続することができる。また、本発明による上記薄膜導電性材料を形成した薄膜形成用基板あるいは薄膜基板を用いて発光素子をその上に形成する場合上記薄膜導電性材料を該発光素子から発せられる光の反射部材として用いることができるので発光素子から発せられる光を効率よく集光したり特定の方向へ放出することが可能になるという効果がある。すなわち、発光素子の発光層から発せられる光を素子外部へ窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板側でなくその反対側のほうから放出したい場合や反対側の特定の方向に集光したい場合など、反射部材として上記薄膜導電性材料を基板に形成しておくことにより比較的容易に実現することができる。特定の方向に発光素子からの光を制御することが望まれるのは例えば面発光レーザーダイオード(LD)や平板状表示装置などに使用される発光ダイオード(LED)などである。上記薄膜導電性材料を形成していない窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の少なくとも波長200nmあるいは200nmより長い波長の光に対する反射率は通常15%以下と低いので仮に基板側からの光透過を防止する目的で光透過性の小さい窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いたとしても効率よく目的とする発光素子からの光の方向制御や集光制御することが困難となることが多い。
上記薄膜導電性材料を反射部材としても形成した基板を用いて作製した発光素子であってもその発光効率が従来からのサファイアなどの基板を用いた場合と比べて大きく低下することは少なく、少なくとも同等以上の発光効率を有する発光素子が提供し得る。上記薄膜導電性材料を反射部材としても形成した基板を用いて作製した発光素子は通常少なくとも8%以上の発光効率を有するものが作製し得る。
このような薄膜導電性材料のうち例えば室温における抵抗率が1×10−3Ω・cm以下の低抵抗のものは電気回路の導体として用いることが好ましい。また、1×10−3Ω・cm以上の抵抗率の高いものは電気回路の抵抗体として用いることが好ましい。
また、上記薄膜導電性材料を発光素子作製用の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成し反射部材として用いる場合通常基板の表面に形成される。また、該薄膜導電性材料を反射部材として用いる場合は発光素子からの発光に対する反射率は15%以上のものを用いることが好ましい。また発光素子からの発光に対する反射率が50%以上の材料を用いることがより好ましい。また発光素子からの発光に対する反射率が70%以上の材料を用いることがさらに好ましい。また発光素子からの発光に対する反射率が80%以上の材料を用いることが最も好ましい。なお、上記発光素子からの発光に対する反射率とは少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対する反射率である。また、波長200nm〜800nmの範囲の光に対する反射率とは波長200nm〜800nmの範囲のいずれか特定の波長の光で測定された反射率を意味する。本発明においては特に断らない限り通常波長605nmの光に対する反射率を用いた。
上記薄膜導電性材料は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に対して例えば金、銀、銅、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、タンタル、モリブデン、タングステン、クロム、チタン、ニッケル−クロム合金、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタルなどのうちから選ばれた単一の材料だけを用いた1層構造のメタライズとして形成されたもの、などを用いることができる。またその他にクロム、チタン、ジルコニウム、窒化チタン、窒化ジルコニウムなどを窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との密着材料として用い、その上に鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、モリブデン、タングステン、窒化チタン、窒化ジルコニウムなどを適宜バリア材料として形成し、さらに金、銀、銅、アルミニウムなどの低抵抗材料を適宜形成した例えばクロム/銅、チタン/モリブデン/金、チタン/タングステン/ニッケル、チタン/タングステン/金、チタン/白金/金、チタン/ニッケル/金、ジルコニウム/タングステン/金、ジルコニウム/白金/金、など薄膜多層構造のものも用いることができる。上記薄膜導電性材料のうち金、銀、銅、アルミニウムなどの低抵抗材料を主成分として用いた1層構造あるいは多層構造のものは電気回路の導体として用いることが好ましい。また窒化タンタルやニッケル−クロム合金など抵抗率の高い材料は電気回路の抵抗体として用いることが好ましい。なお上記窒化タンタルとしてはTa及びTaとNとの化合物(例えばTaN、TaN等)及びアモルファス状のTa−N組成系の薄膜などを使用することができる。
また、該薄膜導電性材料を反射部材として用いる場合、例えば適宜ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、希土類金属、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、レニウム(Re)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、などのうちから1種以上を主成分とする金属あるいは合金を使用できる。合金としてはこれらの金属あるいは合金の波長605nmの光に対する反射率は通常15%以上であり、基板の表面に形成されることで十分反射部材として使用し得る。また、上記例示された材料の中でCu、Ag、Au、Al、Mg、Zn、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Rh、Pd、Os、Ir、Ptのうちから選ばれた1種以上を主成分とする金属あるいは合金は波長605nmの光に対する反射率が50%以上と高いものが得やすく損失が小さいので好ましい。また、上記金属材料あるいは合金材料のうちCu、Ag、Au、Al、Mg、Zn、Fe、Co、Ni、Rh、Pd、Os、Ir、Ptのうちから選ばれた1種以上を主成分とする金属あるいは合金が波長605nmの光に対する反射率が70%以上とより高いものが得やすく損失がより小さいので好ましい。これら金属あるいは合金のなかで銅/タングステン、銅/モリブデン、銀/タングステン、銀/モリブデン、金/タングステン、金/モリブデンなどCu、Ag、AuとW、Moとの合金なども波長605nmの光に対する反射率が50%以上と高いものが得易くさらに組成によっては反射率が70%以上とより高いものも得られるので反射部材として好適に用いることができる。上記例示した反射率70%以上の14種類の金属あるいは合金のうちRh、Pd、Os、Ir、Ptなどの白金族のうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする金属又は合金は作製条件により反射率80%以上のものが得られるので好ましい。また、これら反射率70%以上の金属あるいは合金材料のうちCu、Ag、Au、Alを主成分とする金属あるいは合金は波長605nmの光に対する反射率80%以上の高いものが得やすく損失が最も小さいので好ましい。
このように上記で例示した各種金属あるいは合金からなる薄膜導電性材料を本発明による発光素子作製用基板に形成して用いた場合、該薄膜導電性材料は発光素子からの発光に対する良好な反射部材としての機能を有する。
なお、薄膜導電性材料の反射率は分光光度計(Spectrophotometer)などの光学機器を用いて容易に行うことができる。
本発明において、上記薄膜導電性材料は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体だけでなく、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にも形成することができる。また、該炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体として導通ビアを有するものも用いることができる。
上記薄膜導電性材料が形成された炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の上にはさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成できる。該薄膜は単一層としてだけでなく結晶状態、組成などが異なる2層以上の薄膜層として形成できる。
薄膜導電性材料が形成されている炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜が形成できるがすべてが単結晶でなくその他に無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜も形成できる。また単一層としてだけでなく2層以上の多層化された薄膜構成のものも形成できる。すなわち、あらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態からなる薄膜を形成しその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜が形成された2層構成の薄膜が形成できる。このような構成で形成された単結晶薄膜の結晶性は薄膜導電性材料が形成されている窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された単結晶薄膜よりも優れたものが得られ易いので好ましい。また例えば、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し、その上に単結晶を含まない無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態からなる薄膜が形成された2層構成の薄膜も形成できる。2層以上で形成された薄膜は各層において単結晶を含め無定形、多結晶、配向性多結晶などの結晶状態、組成、あるいは厚みなどそれぞれ異なる状態で形成でき、本発明においては2層以上の薄膜層のすべてが単結晶でない薄膜構成であっても形成出来る。2層以上の薄膜層で構成されている薄膜層すべてが窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜からなるものも形成出来る。2層以上で構成されている薄膜層のうち少なくとも1層以上要すれば表面の薄膜層は単結晶であることが好ましい。特に、本発明によるあらかじめ薄膜導電性材料が形成された基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板を発光素子、あるいはフィールドエミッションディスプレイ、あるいは回路基板、あるいは光導波路など、各種電子素子及び電子部品の作製に用いる場合など、基板表面に形成される薄膜は通常エピタキシャル成長した単結晶であることが好ましい。
また、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上には薄膜導電性材料が形成できるが、本発明においては上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板だけでなく窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成された炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の上にも薄膜導電性材料が形成できる。
上記のように本発明において薄膜導電性材料が形成された炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いて発光素子、あるいはフィールドエミッションディスプレイ、あるいは回路基板、あるいは光導波路、など各種電子素子及び電子部品を作製していくことができる。
以下、図10〜図20、及び図37〜図38で本発明による薄膜導電性材料が形成された薄膜形成用基板、及び薄膜基板の例を示す。図69〜図70は薄膜導電性材料の1例を示す。図10〜図20、及び図37〜図38は斜視図で記載し、図69〜図70は正面図で記載した。
図10は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板13に薄膜導電性材料11が形成された薄膜形成用基板の1例を示す図である。
図11は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板13の両面に薄膜導電性材料11が形成された薄膜形成用基板の1例を示す図である。
図12は導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板10の両面に薄膜導電性材料11が形成された薄膜形成用基板の1例を示す図である。導通ビアにより基板両面に形成された薄膜導電性材料11どうしが電気的に接続される。
図13は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板13に回路パターン状の薄膜導電性材料12が形成された薄膜形成用基板の1例を示す図である。本発明においてはこれら回路パターンに直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成することができる。あるいはこれら回路パターンを避け回路パターンが形成されていない窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の部分に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成することもできる。また本発明による薄膜導電性材料を電気回路パターンとして形成した薄膜形成用基板いて例えば該薄膜形成用基板上に発光素子などの機能素子を形成すれば、発光素子を搭載するための回路基板あるいはパッケージ一体型の基板としても機能する。したがって通常であれば発光素子などの機能素子を搭載するための回路基板あるいはパッケージが必要であるが本発明による機能一体型の基板を用いることで回路基板あるいはパッケージを別に用意する必要がなくなるという効果が得られる。
図14はあらかじめ薄膜導電性材料が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5が形成されている薄膜基板の1例を示す図である。図14において薄膜導電性材料11が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板13に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5が形成されることで薄膜基板15が構成されている。
図15はあらかじめ薄膜導電性材料が形成された導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板の1例を示す図である。図15においてあらかじめ薄膜導電性材料11が基板の片面に形成された導通ビア3を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板10の該薄膜導電性材料11が形成されていない方の面に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5が形成されることで薄膜基板16が構成されている。図15において窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5が導電性を有するものであれば該導電性を有する薄膜5と導通ビア3を介して該薄膜5が形成されている反対側の基板面とを電気的に接続することができる。
図16はあらかじめ薄膜導電性材料が両面に形成された導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5が形成されている薄膜基板の1例を示す図である。図16においてあらかじめ薄膜導電性材料11が両面に形成された導通ビア3を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板10に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5が形成されることで薄膜基板17が構成されている。図16において窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5が導電性を有するものであれば該導電性を有する薄膜5と導通ビア3を介して該薄膜5が形成されている反対側の基板面とより高い信頼性で電気的に接続することができる。
図17は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の上にさらに薄膜導電性材料を形成した薄膜基板の1例を示す。図17において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板13に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5が形成されその上に薄膜導電性材料11が形成された薄膜基板18の様子が示されている。
図18はあらかじめ薄膜導電性材料が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されその上にさらに薄膜導電性材料が形成された薄膜基板の1例を示す。図18においてあらかじめ薄膜導電性材料11が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板13に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5が形成されさらに薄膜5の表面上に薄膜導電性材料11が形成された薄膜基板19の様子が示されている。
図19はあらかじめ薄膜導電性材料が形成された導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されその上にさらに薄膜導電性材料が形成された薄膜基板の1例を示す。図19においてあらかじめ薄膜導電性材料11が形成された導通ビア3を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板10に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5が形成されさらに薄膜5の表面上に薄膜導電性材料11が形成された薄膜基板20の様子が示されている。
図20は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ薄膜導電性材料が形成されその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成され該薄膜表面にさらに薄膜導電性材料による電気回路パターンが形成された薄膜基板の1例を示す。図20においてあらかじめ薄膜導電性材料11が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板13に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5が形成されさらに薄膜5の表面上に回路パターン形状の薄膜導電性材料12が形成された薄膜基板21の様子が示されている。
図37はあらかじめ薄膜導電性材料が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が2層形成された薄膜基板の1例を示す。図37においてあらかじめ薄膜導電性材料11が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板13に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5が形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜8が形成された構成の薄膜基板が符号22で示されている。例えば、薄膜5として窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものを形成し、その上に薄膜8として窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜を形成すれば該薄膜8の結晶性は基板13に直接形成した単結晶薄膜の結晶性よりも向上し易いので好ましい。このような薄膜構成の薄膜基板は例えば発光素子、あるいはフィールドエミッション、あるいは回路基板、あるいは光導波路など、各種電子素子及び電子部品の作製用に使用していく上で好ましい。
図38はあらかじめ薄膜導電性材料が形成された導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が2層形成された薄膜基板の1例を示す。図38においてあらかじめ薄膜導電性材料11が形成された導通ビア3を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板10に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5が形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜8が形成された構成の薄膜基板が符号23で示されている。例えば、薄膜5として窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものを形成し、その上に薄膜8として窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜を形成すれば該薄膜8の結晶性は基板10に直接形成した単結晶薄膜の結晶性よりも向上し易いので好ましい。このような薄膜構成の薄膜基板は例えば発光素子、あるいはフィールドエミッション、あるいは回路基板、あるいは光導波路など、各種電子素子及び電子部品の作製用に使用していく上で好ましい。
図69及び図70は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成する薄膜導電性材料の例を示す正面図である。図69及び図70において薄膜導電性材料11の内部に空間24が形成されている。該空間は本発明による薄膜導電性材料が形成された基板を例えば発光素子作製用基板として用いる場合など、発光素子から発せられた光が薄膜導電性材料に遮断され基板外部に放出されにくくなることを防止するために設けられる。薄膜導電性材料に空間を設けることで発光素子から発せられた光は薄膜導電性材料に遮断されることなく該空間を通過して基板外部に放出され易くなり、発光素子の発光効率が高められるので好ましい。図69は空間が円形であるものを示す。空間は円形に限らず例えば図70に示すような四角形などどのような形状のものであってもよく、このような空間を設けることにより発光素子の発光効率の向上が可能となり易いので好ましい。
図10〜図20、及び図37〜図38で示された薄膜導電性材料が形成された基板には窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた例が示されているが、本発明においては上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板(すなわちそれぞれ、図10の符号13で示される基板、図11の符号13で示される基板、図12の符号10で示される基板、図13の符号13で示される基板、図14の符号13で示される基板、図15の符号10で示される基板、図16の符号10で示される基板、図17の符号13で示される基板、図18の符号13で示される基板、図19の符号10で示される基板、図20の符号13で示される基板)に代えて、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いて上記薄膜導電性材料が形成された図10〜図20で例示されたものと同じ態様の薄膜形成用基板及び薄膜基板を作製することができる。
本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板には上記のように窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成できる。本願発明者は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するための実験を行ってきたが、その過程で新たに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする必ずしも単結晶ではない薄膜が形成できることを見出した。すなわちこの薄膜は単結晶状態だけではなく無定形状態や多結晶状態あるいは配向性多結晶状態など各種結晶状態のものであり、これら各種結晶状態の薄膜も窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成できる。なお、配向性多結晶とは特定の一方向に結晶が成長した多結晶を意味する。例えば基板表面に対し垂直の方向にC軸が成長した多結晶で、基板面に対して水平の方向にある結晶軸は単結晶と異なりあらゆる方向を向いている。窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜であれば基板面に対し垂直な方向にC軸が成長した場合A軸は基板面に水平の方向に成長しかつその方向は一定であるが、配向性多結晶では基板面に対し垂直な方向にC軸が成長していても基板と水平な方向A軸は一定の方向性がない。なお、上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板及び各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板には導通ビアを有する基板も含まれる。
本発明は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し得る窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板には、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形状態など必ずしも単結晶だけではない薄膜も直接形成し得るという知見に基づいてなされたものである。上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形薄膜や多結晶薄膜あるいは配向性多結晶薄膜は単結晶薄膜と同様比較的容易に形成できる。すなわち上記単結晶以外の薄膜はMOCVD(有機金属化学気相分解成長)法、MOVPE(有機金属気相エピタキシャル成長)法、ハイドライドVPE(水素化物気相エピタキシャル成長)法、クロライドVPE(塩化物気相エピタキシャル成長)法などのハライドVPE(ハロゲン化物気相エピタキシャル成長)法、プラズマCVD法、その他のCVD(化学気相分解成長)法、MBE(分子線エピタキシー)法など、あるいはあらかじめ形成した目的成分を含む固体材料を原料としエキシマレーザーなどを用いたレーザーアブレーション法、PLD(パルスレーザーデポジション:パルスレーザー分解)法など通常はエピタキシャル成長に用い得る方法、あるいはスパッタリング法、イオンプレーティング法、蒸着法、などの方法で形成できる。単結晶あるいは単結晶以外の薄膜を形成する場合は前記成膜法を用いたとき、例えば基板の温度を低く設定するか、薄膜原料ガスの濃度を高めにするなど成膜条件の変更などで容易に行うことができる。例えば上記MOCVD、ハイドライドVPE法、クロライドVPE法、ハライドVPE法などの各種CVD、あるいはスパッタリング法やイオンプレーティング法を用いて窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成する場合、単結晶薄膜の場合は該基板の温度を例えば600℃〜700℃以上と比較的高めとし、単結晶以外の薄膜を形成する場合は該基板の温度を600℃〜700℃以下例えば500℃以下さらに400℃以下に低く設定することで比較的容易に単結晶薄膜と単結晶以外の薄膜とを作り分けることが可能である。例えば窒化ガリウムの薄膜をトリメチルガリウムを原料としてMOCVD法で形成する場合単結晶薄膜は700℃〜800℃以上、好ましくは900℃〜1100℃で形成できる。無定形状態や多結晶状態あるいは配向性多結晶状態の薄膜は800℃以下の例えば600℃以下の温度で形成できる。
また、上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜形成を行うに際して単一の方法を用いるだけでなく、例えばMOCVD法とスパッタリング法を組み合わせて行う、あるいはクロライドVPE法とスパッタリング法を組み合わせて行う、あるいはMOCVD法とクロライドVPE法及びスパッタリング法の3つの方法を組み合わせて行う、など複数の方法を組み合わせて上記薄膜を形成することができる。このような組み合わせにより、例えば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にまずあらかじめスパッタリング法で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする基板面に対して垂直方向に結晶C軸が成長した配向性多結晶状態の薄膜あるいは無定形状態の薄膜を形成し、その上にMOCVD法あるいはクロライドVPE法などにより窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶状態の薄膜を形成するといったことなどを任意に実施できる。さらに単結晶以外の薄膜はイオンプレーティング法あるいは蒸着法など通常は単結晶薄膜が形成できにくい薄膜形成法を用いても窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に比較的容易に直接形成できるという特徴がある。このような単結晶以外の薄膜をイオンプレーティング法、あるいは蒸着法を用いて形成する場合窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板温度は600℃以下、通常400℃以下で行われる。
上記薄膜がどのような結晶状態であるかはX線回折により容易に判別できることは前に述べた。すなわち、無定形であればブロードな回折パターンとなり特定の回折角度の位置に回折線が出現しない。多結晶であれば回折パターンはブロードな図形となり易く1本の特定の回折線(例えばミラー指数(002)の回折線だけあるいは(100)の回折線)だけでなく複数の回折線が出現するので容易に単結晶であるかどうかの判別ができる。配向性多結晶の場合X線回折により結晶配向方向に従って特定の回折線が出現する。前記のように例えば基板面に対してC軸が垂直な方向に配向した多結晶薄膜では出現する回折線は2θ/θスキャンではミラー指数(002)面の回折線だけである。また、基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶薄膜においても2θ/θスキャンのX線回折を行えば出現する回折線はミラー指数(002)面の回折線だけである。本発明において単結晶薄膜の場合ミラー指数(002)の格子面の回折線はシャープであり、該ミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は3600秒以下のものが容易に得られる。一方配向性多結晶薄膜ではミラー指数(002)の格子面の回折線は単結晶と比較してブロードなものとなり易く、該ミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は3600秒以上となり易い。配向性多結晶薄膜が上記のようなミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブがブロードになる理由は必ずしも明確でないが、単結晶薄膜が均質で連続し一体化した構造であるのに対して配向性多結晶薄膜はC軸方向だけが垂直な方向に揃った窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする微粒子からなるためであろうと推測される。したがってX線回折の2θ/θスキャン及び2θ/φスキャンの二つを組み合わせて結晶のC面内回転の有無を確認する方法だけでなく上記2θ/θスキャンX線回折だけ行いロッキングカーブの半値幅を測定することによっても配向性多結晶薄膜と単結晶薄膜との区別を容易に行うことができる。またSEM(走査型電子顕微鏡)、SPM(走査型プローブ顕微鏡)などによる薄膜の微構造観察、あるいはRHEED(反射高速電子線回折)を併用することでも比較的容易に多結晶薄膜と単結晶薄膜との区別をつけることができる。
窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするC軸が垂直な方向に配向した配向性多結晶薄膜を上記各方法により窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成する場合、通常形成される配向性多結晶のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として36000秒以下の結晶性を有するものが形成し得る。また上記各種方法のうちMOCVD法、MOVPE法、ハイドライドVPE法、クロライドVPE法、ハライドVPE法、プラズマCVD法、その他のCVD法、MBE法、エキシマレーザーなどを用いたレーザーアブレーション法、PLD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、蒸着法を用いて形成した配向性多結晶薄膜は該薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として21000秒以下の結晶性を有するものが形成し得る。
上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜のうち配向性多結晶薄膜を窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成する場合通常MOCVD法、MOVPE法、ハイドライドVPE法、クロライドVPE法、ハライドVPE法、プラズマCVD法、その他のCVD法、MBE法などの方法を用いる方が、スパッタリング法、イオンプレーティング法、あるいは蒸着法を用いるよりも結晶性の優れた配向性多結晶薄膜が得られ易い。例えば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜を形成する場合、MOCVD法、MOVPE法、ハイドライドVPE法、クロライドVPE法、ハライドVPE法、プラズマCVD法、その他のCVD法、MBE法などの方法を用いて形成したものはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として5000秒以下のものが形成し得る。
上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜のうち配向性多結晶薄膜をMOCVD法、MOVPE法、ハイドライドVPE法、クロライドVPE法、ハライドVPE法、プラズマCVD法、その他のCVD法、MBE法などの方法を用いて形成する場合、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いる方がより結晶性に優れた配向性多結晶薄膜が形成し得る。炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に上記MOCVD法、MOVPE法、ハイドライドVPE法、クロライドVPE法、ハライドVPE法、プラズマCVD法、その他のCVD法、MBE法などの方法を用いて直接形成する場合得られる配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として5000秒より大きいものになり易い。
なお、本発明によるミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅による薄膜の結晶性評価法において、形成される薄膜の結晶性は、該薄膜内部の結晶がどの程度乱れているかという指標で評価が行われると言い換えることもできる。一般的に従来から実在の結晶は単結晶と見なされるものであっても不完全であり、微細な完全結晶(結晶子)の集合体であるモザイク構造から成ると云われている。モザイク構造は方位が少しずつ異なる微細な完全結晶(結晶子)が集合した構造であり、実在の単結晶はこのように乱れたモザイク構造から成ると云われている。本発明において例えば形成される薄膜が単結晶であれば該薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は通常3600秒以下である。従って本発明において単結晶薄膜はその内部においておよそ±3600秒以内すなわちおよそ±1度以内の角度でお互いのC軸方位が異なる結晶子から成るものであるとも推測される。さらに具体的に言えば、例えば形成される薄膜がミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として300秒の単結晶であれば該薄膜はその内部においておよそ±300秒以内すなわち±5分以内の角度でお互いのC軸方位が異なる結晶子から成るものであるとも推測される。本発明による薄膜は自立したバルク材料とは異なり各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板上に形成された状態のものである。従って別の表現をすれば、薄膜中の結晶子が基板面に対してどの程度の傾きを有しているかということで、形成される薄膜の結晶性が評価され得るものと見なすことも可能であると思われる。例えば薄膜のC軸を基板面に対して垂直になるよう形成する場合、形成される薄膜がミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒の単結晶であれば該薄膜はそのC軸が基板面に対しておよそ89度〜90度の角度範囲(すなわち基板面の垂線に対しておよそ1度以内の角度範囲)にある結晶子から成っているとも見なし得る。また、例えば形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒であれば該薄膜はそのC軸が基板面に対しておよそ89度55分〜90度の角度範囲(すなわち基板面の垂線に対しておよそ5分以内の角度範囲)にある微結晶から成っているとも見なし得る。
一方、例えば形成される薄膜が配向性多結晶の場合該薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は3600秒以上となり易いので配向性多結晶から成る薄膜は単結晶薄膜に比べてさらに結晶方位が乱れた結晶子あるいは微粒子から成るものと推測される。すなわち本発明において配向性多結晶薄膜はその内部において±3600秒以上すなわち±1度以上の角度でお互いのC軸方位が異なる結晶子あるいは微粒子が相当数存在するものであると推測される。さらに具体的に言えば、例えば形成される薄膜がミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として21000秒の配向性多結晶であれば該薄膜はその内部においておよそ±21000秒以内すなわち±7度以内の角度でお互いのC軸方位が異なる結晶子あるいは微粒子から成るものであるとも推測される。別の表現をすれば薄膜のC軸を基板面に対して垂直になるよう形成するとき形成される該薄膜がミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が21000秒の配向性多結晶であれば該薄膜はそのC軸が基板面に対しておよそ83度以下の角度範囲(すなわち基板面の垂線に対しておよそ7度以内の角度範囲)にある結晶子から成っているとも見なし得る。
このような単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる薄膜を窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成することの意味は大きい。すなわち窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる上記単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しても、該各種結晶状態の薄膜の上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が比較的容易に形成でき、このようにして形成された該単結晶薄膜の結晶性は向上し易くなり、さらに該単結晶薄膜の結晶方位の制御ができ易くなるという利点が生じるためである。
本発明においては窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板には高い結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜がもともと直接形成できる。
すなわち、本発明においては窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶薄膜を直接形成することができ該単結晶薄膜の結晶性は高いものが形成し得る。しかしながら、上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、上記のようにあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いることで、上記各種結晶状態の薄膜の上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶薄膜の結晶性はさらに向上し易くなる。本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し、さらに該薄膜の上から窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜の結晶性をさらに高めることが可能となる。このような薄膜構成は、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をあらかじめ形成し、該薄膜の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するという、少なくとも3層構成の薄膜において2層目あるいは3層目以上に形成されるそれぞれの単結晶薄膜の結晶性を高めることができる。
また、本発明において単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶などの各種結晶状態の薄膜を形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶薄膜の結晶方位が制御でき易くなる。
本発明において上記のように、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し、さらに該薄膜の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成することで、上記各種セラミック材料からなる基板に直接形成するよりも優れた結晶性を有する単結晶薄膜が形成された薄膜基板を作製し得る。このような薄膜構成からなる薄膜基板を用いて作製される発光素子、光導波路、回路基板、音響光学素子などの電子素子あるいは電子部品などの特性が向上し易い。例えば上記薄膜基板の上に新たに発光素子、光導波路、回路基板、音響光学素子などの電子素子あるいは電子部品を形成していく場合、あるいは上記薄膜基板を構成している各種薄膜の一部を発光素子、光導波路、回路基板、音響光学素子などの電子素子あるいは電子部品を構成する部材の少なくとも1部として用いる場合、など該発光素子、光導波路、回路基板、音響光学素子などの電子素子あるいは電子部品特性の向上がはかり易くなるので好ましい。
本発明において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜は、該薄膜を単一層として形成したものだけでなくそれぞれ異なる2以上の結晶状態のものからなる2層以上の多層薄膜層として形成したもの、あるいは同じ結晶状態であってもそれぞれ異なる2以上の組成からなる2層以上の多層薄膜層として形成したもの、など組成及び/又は結晶状態が異なる2層以上の多層構成のものも用いることができる。また、さらに上記各種結晶状態の薄膜の上から形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜も同じ組成ではあっても異なる結晶性を有するもの、あるいは異なる組成を有するもの、など2以上の薄膜層を積層して多層構成としたものも用いることができる。また上記2以上の薄膜層を積層して多層構成としたもののなかで少なくとも1以上の薄膜層は単結晶状態であり残りの薄膜層は無定形、多結晶、配向性多結晶など単結晶状態でない構成としたものも用いることができる。また、同じ組成でかつ同じ結晶状態のものを2回以上に分けて2以上の薄膜層として形成することもできる。
また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜の厚みは任意のものが形成できる。また、さらにその上に形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みも任意のものが形成できる。上記あらかじめ形成される単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜及びさらにその上に形成される単結晶薄膜はそれぞれ任意の厚みの単一層あるいは2以上の薄膜層で構成される多層構造のものが作製し得る。上記あらかじめ形成される薄膜及びさらにその上に形成される単結晶薄膜の各薄膜層の膜厚は通常それぞれ0.5nm〜1000μmの範囲もの、好ましくは0.5nm〜200μmの範囲のものを適宜組み合わせて用いることが好ましい。
より具体的に述べれば、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をあらかじめ形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したとき、該単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が少なくとも300秒以下のものが形成できるだけでなくさらに100秒以下と高い結晶性のものが形成し得る。また、このような薄膜構成は、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をあらかじめ形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し、合計2層の薄膜が形成された基板にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶薄膜を形成した場合でも、2層目あるいは3層目に形成される単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が少なくとも300秒以下のものが形成できるだけでなくさらに100秒以下と高い結晶性のものが形成し得る。このような効果は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をあらかじめ1層あるいは2層形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板だけでなくあらかじめ3層以上形成したものを基板として用いた場合でも同様に得られる。すなわち窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をあらかじめ合計3層以上形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したとき、該単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が少なくとも300秒以下のものが形成できるだけでなくさらに100秒以下と高い結晶性のものが形成し得る。
前記のように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に例えば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下の高い結晶性の単結晶薄膜を直接形成しようとすれば、焼結体の光透過性を向上させたり、焼結体製造時の焼成を高温で長時間行い焼結体中の窒化アルミニウム粒子を増大化させたり、焼結助剤を揮散させ焼結体の純度を高めるなど、焼結体材質の改善が必要な場合が多い。また、基板の厚みや表面平滑性などによっても形成される単結晶薄膜の結晶性は影響を受け易い。
しかしながら本発明においては、上記のように窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成し、さらに該単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態からなる薄膜の上から窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶薄膜を形成することで、該単結晶薄膜は基板として用いる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過性、焼結体粒子の大きさ、該焼結体の組成や純度、など該焼結体の材質、あるいは基板の厚み、基板の表面平滑性、基板中の導通ビアの有無、などに余り影響を受けずにあるいは影響を受けたとしてもより高い結晶性のものが得られ易い。すなわち本発明においては窒化アルミニウムを主成分とする焼結体としてはその材質や製造条件などにあまり影響を受けることなくあるいは影響を受けたとしてもより高い結晶性の単結晶薄膜を形成するための基板として用いることが可能である。また言い換えれば、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成することは、該無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態からなる薄膜の上からさらに形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性を向上させる効果があると云える。このような効果は基板として用いる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過性、該焼結体粒子の大きさ、該焼結体の組成や純度、など焼結体の材質、あるいは基板の厚み、基板の表面平滑性、基板中の導通ビアの有無、などに余り影響されずに発現され得る。
もちろん上記のように例えば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が高い光透過率を有するもの、該焼結体製造時の焼成を高温で長時間行い焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが増大化したもの、焼結助剤を揮散させ該焼結体の純度を高めたもの、などを基板として用いた場合などもともと該基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下を有する単結晶薄膜が直接形成できるが、このような窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合でも該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したとき、該単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は少なくとも100秒以下のものが形成し得る。
別の見方をすれば、もともと窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が少なくとも100秒以下の結晶性で直接形成し得る窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は、あらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しなくても、どのような方法であっても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする上記のような結晶性に優れた単結晶薄膜を形成し得るので単結晶薄膜を形成するための基板として優れた特性を有していると云える。
上記のように、本発明においては窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成することができ形成された該単結晶薄膜の結晶性は高いが、上記のように該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し該単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜の上からさらに単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜の結晶性はさらに向上し易くなる。
窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の中で単結晶よりも無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を用いる方がその上に形成される単結晶薄膜の結晶性をより向上させる効果が大きい。すなわち、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し、さらに該結晶状態を有する薄膜の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したとき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は容易に100秒以下の高い結晶性のものが得られ易い。一方、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶状態の薄膜を形成し、さらに該単結晶状態の薄膜の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したとき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は100秒以下のものが得られる場合もあるが必ずしも100秒以下の高い結晶性のものが得られるとは限らず、条件によっては100秒以上ものが形成される場合がある。その理由は必ずしも明確でないが、通常窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した状態の単結晶薄膜の表面平滑性は基板に直接形成した状態の無定形、多結晶、配向性多結晶の結晶状態を有する薄膜より小さい(表面粗さが大きい)場合が多いので、おそらくこのような基板表面に存在する微細な凹凸が生じ易くそのため形成条件によってはその上に成長する単結晶薄膜の結晶方位に歪みが生じ易くなるためではないかと本願発明者は推測している。
本発明において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜のうち無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し、該薄膜の上からさらに単結晶薄膜を形成すれば表面平滑性により優れた単結晶薄膜が得られ易いので好ましい。すなわち、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する薄膜が単結晶の場合、該単結晶薄膜の上からさらに形成される単結晶薄膜の平均表面粗さRaは通常3nmより大きくなり易いのに対して、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものである場合、該無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜の上からさらに形成される単結晶薄膜の平均表面粗さRaは通常少なくとも3nm以下になり易い。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ直接形成する単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜のうち配向性多結晶薄膜を形成し、該配向性多結晶薄膜の上からさらに単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜の表面平滑性としてはさらに優れたものが得られ易いので好ましい。すなわち、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する各種結晶状態の薄膜のうち無定形薄膜及び多結晶薄膜の場合、該無定形薄膜及び多結晶薄膜の上からさらに形成される単結晶薄膜の平均表面粗さRaは通常2nmより大きくなり易いのに対して、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する薄膜が配向性多結晶の場合、該配向性多結晶薄膜の上からさらに形成される単結晶薄膜の平均表面粗さRaは少なくとも2nm以下になり易く、通常は1.5nm以下になり易く、さらに1.0nm以下のものも比較的容易に得られ易い。このようにRa2nm以下の単結晶薄膜をそのまま発光素子などを構成する薄膜層の一部として用いる、あるいはRa2nm以下の単結晶薄膜が形成された薄膜基板を用いてその上に発光素子などを形成すれば発光効率などの特性がより優れたものが製造できるという効果がある。
上記のように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の中で単結晶よりも無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を用いる方が好ましいことを説明した。さらに本発明においては、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜の中で配向性多結晶薄膜を用いるほうがより好ましい。その理由は上記のように、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が配向性多結晶である場合、さらにその上に形成される単結晶薄膜の表面平滑性が無定形、多結晶状態の薄膜よりも優れたものが得易く、また該単結晶薄膜の結晶性もより優れたものが得易いためである。通常少なくとも同じ窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用い該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶の薄膜を形成した場合、該配向性多結晶薄膜の上からさらに形成される単結晶薄膜の結晶性はあらかじめ形成される薄膜が無定形、多結晶のものよりも優れたものが得易い。
例えば、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成した薄膜基板の上にエピタキシャル成長した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜により発光素子を作製していく場合、あるいは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し、該薄膜の上からさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成した薄膜基板の上にエピタキシャル成長した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜により発光素子を作製していく場合、などあらかじめ形成する薄膜が単結晶のものより無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する方がより発光効率などの優れたものが得易く、あらかじめ形成する薄膜が無定形、多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものより配向性多結晶である方がさらに発光効率などの優れたものが得易い。
また、このような効果は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いた場合だけでなく、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いた場合でも同様である。すなわち、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をあらかじめ形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したとき、該単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が少なくとも300秒以下のものが形成できるだけでなくさらに200秒以下と高い結晶性のものが形成し得る。また、このような薄膜構成は、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をあらかじめ形成し、その上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を合計2層あらかじめ形成した基板を用い、この基板にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成した場合でも、2層目あるいは3層目に形成される単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が少なくとも300秒以下のものが形成できるだけでなくさらに200秒以下と高い結晶性のものが形成し得る。このような効果は炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をあらかじめ1層あるいは2層だけ形成した場合だけでなく、さらにあらかじめ合計3層以上形成したものを基板として用いた場合でも同様に得られる。すなわち窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をあらかじめ3層以上形成した炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したとき、該単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が少なくとも300秒以下のものが形成できるだけでなくさらに200秒以下と高い結晶性のものが形成し得る。
前記のように炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に例えば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の高い結晶性の単結晶薄膜を直接形成しようとすれば、例えば焼結体中の結晶粒子の大きさを大きくする、光透過性の焼結体を用いる、基板の表面平滑性を向上させる、形成する単結晶薄膜の厚みを増大させる、などの工夫によっても通常困難な場合が多い。
しかしながら本発明においては、上記のように窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶薄膜を形成することで、該単結晶薄膜は基板として用いる焼結体の結晶粒子の大きさ、基板の表面平滑性、薄膜の厚みなどに余り影響を受けずにあるいは影響を受けたとしてもより高い結晶性のものが得られ易い。すなわち本発明においては基板として用いる炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体の材質や、該焼結体を基板として用いたとき表面平滑性など基板の性状などにあまり影響を受けることなくあるいは影響を受けたとしてもより高い結晶性の単結晶薄膜を形成することが可能である。
上記のように、本発明においては炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成することができまた該単結晶薄膜の結晶性は高いものが形成し得るが、上記のように炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成したものを用い、この基板に単結晶薄膜を形成すればこの単結晶薄膜の結晶性はさらに向上し易くなる。
炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体にあらかじめ形成する上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の中で単結晶よりも無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を用いる方が該薄膜の上に形成される単結晶薄膜の結晶性をより向上させる効果が大きいのでより好ましい。すなわち、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をあらかじめ形成し、その上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したとき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は容易に200秒以下の高い結晶性のものが得られ易い。一方、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜をあらかじめ形成し、その上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したとき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は必ずしも200秒以下の高い結晶性のものが得られるとは限らず、条件によっては200秒以上のものが形成される場合がある。その理由は必ずしも明確でないが、通常炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した状態の単結晶薄膜の表面平滑性は、あらかじめ基板に形成した無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜より小さい(表面粗さが大きい)場合が多いので、おそらくこのような基板表面に存在する微細な凹凸が生じ易くそのため形成条件によってはその上に成長する単結晶薄膜の結晶方位に歪みが生じ易くなるためではないかと本願発明者は推測している。
また、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体にあらかじめ形成する上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の中で無定形及び多結晶よりも配向性多結晶の結晶状態を有する薄膜を用いる方がその上に形成される単結晶薄膜の結晶性をより向上させる効果が大きいのでさらに好ましい。すなわち、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶の結晶状態を有する薄膜があらかじめ形成された炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いたとき、その上に形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は容易に150秒以下の高い結晶性のものが得られ易い。一方、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形状態及び多結晶状態の薄膜があらかじめ形成された炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いたときは、その上に形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は必ずしも150秒以下の高い結晶性のものが得られるとは限らない。その理由は必ずしも明確でないが、通常炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した無定形薄膜及び多結晶薄膜の表面平滑性は基板に直接形成した配向性多結晶薄膜より小さい(表面粗さが大きい)場合が多いので、おそらくこのような基板表面に存在する微細な凹凸が生じ易くそのため形成条件によってはその上に成長する単結晶薄膜の結晶方位に歪みが生じ易くなるためではないかと本願発明者は推測している。
例えば、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成した薄膜基板の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜により発光素子を作製していく場合、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し、該薄膜の上からさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成して得られる薄膜基板を用いて、その上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜により発光素子を作製していく場合、などあらかじめ形成する薄膜が単結晶のものより無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものの方がより発光効率などの特性に優れたものが得易く、あらかじめ形成する薄膜が無定形及び多結晶のものより配向性多結晶の結晶状態である方がさらに発光効率などの特性に優れたものが得易い。
上記のように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば結晶性に優れた単結晶薄膜が容易に形成できる。
本発明においては通常前記のように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成できるが、該基板に直接形成した単結晶薄膜の結晶性は前記のように基板として用いる焼結体の組成、焼結体の光透過性、焼結体中の結晶粒子の大きさ、基板の表面平滑性などにより影響を受ける。
しかしながら一方において上記のように、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成することにより窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の表面平滑性や焼結体中の結晶粒子の大きさなどにあまり影響されることなくあるいは影響を受けたとしてもより高い結晶性の単結晶薄膜を比較的容易に形成することが可能となる。
また、本発明においては窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板表面の平滑性が例えば焼き放し(as−fire)状態、ラップ研磨状態、鏡面研磨状態、ブラスト研磨状態など、どのようなものであっても、あるいは基板の表面状態がその他例えば研削加工、研磨加工、溝切り加工などによってどのようなものであったとしても、上記のようにあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成すれば、該基板には結晶性の高い単結晶薄膜が比較的容易に形成できる。すなわち、基板表面の平滑性が小さい、すなわち平均表面粗さRaが大きい基板であっても上記のようにあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成することにより該基板には結晶性の高い単結晶薄膜が比較的容易に形成できる。
通常窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の場合例えば焼き放し(as−fire)の表面、あるいはラップ研磨、ブラスト研磨などの加工を施した表面など平均表面粗さRaが2000nmより大きい基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成できないことが多いが、該基板に上記のようにあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成することにより、平均表面粗さRaが2000nmより大きい基板であっても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅300秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が比較的容易に形成し得る。また、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の場合では例えば焼き放し(as−fire)の表面、あるいはラップ研磨、ブラスト研磨などの加工を施した表面など平均表面粗さRaが1000nmより大きい基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成できないことが多いが、該基板に上記のようにあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成することにより、平均表面粗さRaが1000nmより大きい基板であっても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅300秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が比較的容易に形成し得る。
本発明において、基板として用いる炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体中の結晶粒子は例えば0.5μm程度と成長させずに、すなわち原料粉末の粒子の大きさと同じ状態で焼結したものも使用でき、このような基板の上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅3600秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。通常は平均1μm以上の結晶粒子からなる焼結体が基板として用いられる。すなわち、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする平均1μm以上の結晶粒子からなる焼結体を基板として用いたとき該基板にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅3600秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。また、上記各種セラミック材料を主成分とする焼結体内部の結晶粒子の大きさが増大化すれば該基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の結晶性が向上し易い。すなわち、上記各種セラミック材料を主成分とする焼結体内部に含まれる結晶粒子の大きさが平均5μm以上の焼結体では基板上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が2000秒以下の結晶性を有するものが直接形成し得る。また、上記各種セラミック材料を主成分とする焼結体内部に含まれる結晶粒子の大きさが平均8μm以上の焼結体では基板上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が1000秒以下と良好な結晶性のものが直接形成し得る。また、上記各種セラミック材料を主成分とする焼結体内部に含まれる結晶粒子の大きさが平均15μm以上の焼結体では基板上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下とより良好な結晶性のものが直接形成し得る。また、上記各種セラミック材料を主成分とする焼結体内部に含まれる結晶粒子の大きさが平均25μm以上の焼結体では基板上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下とさらに良好な結晶性のものが直接形成し得る。
なお、上記各種セラミック材料を主成分とする焼結体内部に含まれる結晶粒子の大きさは平均の大きさであって含まれる結晶粒子が均等に近い大きさに揃っている状態のものだけでなく結晶粒子の大きさが不揃いのものや結晶粒子の形状がいびつで針状あるいは板状など一辺が小さく他の一辺が大きい形状の結晶粒子、例えば窒化珪素を主成分とする焼結体においてβ−Si粒子など一辺が数μmで他の一辺が10数μm以上に大きく成長した針状あるいは板状などの結晶粒子を含むものであっても本発明においては問題なく用いることができる。また、上記各種セラミック材料を主成分とする焼結体内部に含まれる結晶粒子の大きさは、焼成温度を高くする、あるいは焼成時間を長くする、などの焼成条件を単独で用いるか併用することで制御することができる。
しかしながら、本発明においては前記のように、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜の結晶性は上記各種セラミック材料を主成分とする焼結体中の結晶粒子の大きさや、該焼結体からなる基板の表面平滑性などに比較的影響を受けずに良好なものを作製することができる。
上記のように窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成した基板を用いることでその上には良好な結晶性を有する単結晶薄膜が形成されるが、本発明において該単結晶薄膜の結晶性をさらに改善することが可能である。すなわち、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の表面平滑性の向上によりさらに改善し得る。より具体的に言えば、上記各種セラミック材料からなる焼結体を用いた基板の平均表面粗さRaが10nmより大きい場合、該基板にあらかじめ形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が10000秒より大きくなり易く、このような結晶性を有する配向性多結晶薄膜の上に形成される単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は150秒より大きくなり易い傾向を有する。しかしながら、上記各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の平均表面粗さRaが10nm以下の場合、該基板にあらかじめ形成される上記配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が10000秒以下となり易く、このような結晶性の配向性多結晶薄膜の上に形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は150秒以下となり易い傾向を有する。さらに、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の平均表面粗さRaが5nm以下の場合、該基板にあらかじめ形成される上記配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として8000秒以下となり易く、このような結晶性の配向性多結晶薄膜の上に形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は130秒以下となり易い傾向を有し、通常は120秒以下となり易い傾向がある。上記炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の平均表面粗さRaが5nm以下の場合、該基板にあらかじめ形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜のうち無定形、多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものもその上に形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は130秒以下となり易い傾向を有するが、上記のようにあらかじめ基板に形成する薄膜が配向性多結晶の結晶状態であるほうが、さらにその上に形成した単結晶薄膜の結晶性はより優れたものとなり易い。
本発明において、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜のうち無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものを形成した基板のほうが、その上に形成する単結晶薄膜の表面平滑性としてはより優れたものが通常得られ易いので好ましい。基板にあらかじめ形成する薄膜が単結晶である場合、さらにその上に形成される単結晶薄膜の平均表面粗さRaは通常3nmより大きいのに対して、基板にあらかじめ形成する薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものである場合、その上に形成される単結晶薄膜の平均表面粗さRaは通常少なくとも3nm以下である。また、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する薄膜が配向性多結晶である場合、その上に形成する単結晶薄膜の表面平滑性としては通常最も優れたものが得られ易いのでさらに好ましい。該基板にあらかじめ形成する薄膜が無定形及び多結晶である場合その上に形成される単結晶薄膜の平均表面粗さRaは通常2nmより大きくなり易いが、該基板にあらかじめ形成する薄膜が配向性多結晶の場合、その上に形成される単結晶薄膜の平均表面粗さRaは少なくとも2nm以下であり、通常は1.5nm以下で、さらに1.0nm以下のものも比較的容易に得られる。このようにRa2nm以下の単結晶薄膜をそのまま発光素子などの電子素子を構成する薄膜層の一部に用いる、あるいはRa2nm以下の単結晶薄膜が形成された基板を用いてその上に発光素子などの電子素子を形成すれば発光効率などの特性がより優れたものが製造できるという効果がある。
このような高い結晶性の単結晶薄膜が形成された基板に発光素子を形成していく場合、あるいは直接この高い結晶性の単結晶薄膜を発光素子を構成する薄膜の一部として用いる場合など形成される発光素子の発光効率が高まり易いので好ましい。
また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成後さらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のC軸結晶方位が基板面に垂直な方向あるいは基板面に水平な方向に制御し易くなる。該単結晶薄膜のC軸結晶方位が基板面に垂直な方向に形成されたものは該単結晶薄膜の示すX線回折パターンはミラー指数(002)の回折面からの回折線が出現しミラー指数(100)の回折面からの回折線は出現しない。また、該単結晶薄膜のC軸結晶方位が基板面に水平な方向に形成されたものは該単結晶薄膜の示すX線回折パターンはミラー指数(100)の回折面からの回折線が出現しミラー指数(002)の回折面からの回折線は出現しないので該単結晶薄膜の方位は容易に判別できる。
上記のように本発明においては窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成した基板を用い、該薄膜が形成された基板に単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜の結晶性はさらに向上し得る。
以下この現象が生じる理由を窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を例にして具体的に説明する。すなわち、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶薄膜を直接形成する場合、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過性、化学組成、結晶粒子の大きさなど該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の材質によって形成される単結晶薄膜の結晶性は影響を受けやすい。例えば通常窒化アルミニウムを主成分とする焼結体として窒化アルミニウム成分を50体積%以上含むことが良質の単結晶薄膜を直接形成する場合には重要である。窒化アルミニウム成分の含有量が50体積%より少ないと良質の単結晶薄膜が直接形成できにくいかあるいは多結晶状態の薄膜が形成され易いので好ましくない場合がある。
それに対して単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をあらかじめ形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いこの薄膜があらかじめ形成された基板に単結晶薄膜を形成すれば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過性、化学組成、結晶粒子の大きさなど該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の材質によって形成される単結晶薄膜の結晶性は影響を受けにくくなるという特徴がある。すなわち例えば、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の窒化アルミニウム成分の含有量が50体積%より少ないものであってもその上にあらかじめ単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成したものを基板として用いれば、その上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる薄膜は多結晶化しにくく比較的結晶性に優れた単結晶薄膜が形成し得る。このような現象は単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜中にN型半導体特性を付与するSi、Ge、Se、Te、O及びP型半導体特性を付与するMg、Be、Ca、Zn、Cd、Cなどのドーピング成分が1あるいは2以上含まれていてもその効果は同様である。実験的には少なくとも20体積%以上の窒化アルミニウム成分を含有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の上にあらかじめ単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成可能であり、該薄膜を形成したものを基板として用いれば、その上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶薄膜が形成できることが確かめられた。また、50体積%以上の窒化アルミニウム成分を含有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の上にあらかじめ単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成したものを基板として用いれば、その上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶薄膜が形成し得ることが確かめられた。
上記20体積%以上の窒化アルミニウム成分を含有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において、窒化アルミニウム以外の成分として例えば希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくともいずれかの成分を酸化物換算で80体積%以下、あるいはMo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくともいずれかの成分を元素換算で80体積%以下、あるいはALONを80%以下含むものを好適に用いることができる。また、20体積%以上の窒化アルミニウム成分を含有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において酸素含有量としては元素換算で30重量%以下のものを好適に用いることができる。酸素含有量が30重量%以下であればALON含有量80%以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が得られ易い。上記の成分は1種だけ単独で含まれていてもよいし2種以上が同時に含まれていてもよい。2種以上が同時に含まれる場合、上記希土類元素及びアルカリ土類金属の中から1種以上、及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくともいずれかの成分の中から1種以上、及びALON、及び酸素、の中から選ばれる成分が適宜2種以上含まれたものでもよいし、あるいは例えば希土類元素の中から適宜2種以上、あるいはアルカリ土類金属の中から適宜2種以上、あるいはMo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくともいずれかの成分の中から適宜2種以上、含まれたものであってもよい。
また、50体積%以上の窒化アルミニウム成分を含有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体においては、上記窒化アルミニウム以外の各成分を50体積%以下含むものと、その他にアルカリ金属及び珪素のうちから選ばれた少なくともいずれかの成分を酸化物換算で50体積%以下含むものも好適に用いることができる。そのうちアルカリ金属としては酸化物換算で30体積%以下含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いることが好ましい。また、希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属例えば鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛のうちから選ばれた少なくともいずれかの成分を元素換算で80重量%以下含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体も基板として好適に用いることができる。本発明において上記希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属例えば鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛各成分の含有量は元素換算の重量百分率(重量%)で示してきたがこれら成分の密度から容易に体積百分率(体積%)に算定し直すことができる。上記の成分は1種だけ単独で含まれていてもよいし2種以上が同時に含まれていてもよい。2種以上が同時に含まれる場合、上記アルカリ金属及び珪素のうちから選ばれた少なくともいずれかの成分の中から適宜1種以上、及び希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属例えば鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛のうちから選ばれた少なくともいずれかの成分の中から適宜1種以上、の中から選ばれる成分が適宜2種以上含まれたものでもよいし、あるいはアルカリ金属及び珪素のうちから選ばれた少なくともいずれかの成分の中から適宜2種以上、あるいは希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属例えば鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛のうちから選ばれた少なくともいずれかの成分の中から適宜2種以上、含まれたものであってもよい。
前記のように酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化マグネシウム(MgO)、アルミン酸マグネシウム(MgAl)などを主成分とする焼結体からなる基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成することは困難な場合が多い。しかしながら、上記基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜であれば直接形成し得ることが見出された。さらに、本発明において上記酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウムなどを主成分とする焼結体を基板とし、該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成すれば、その上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が少なくとも3600秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し得ることも見出された。また、例えば酸化チタン(TiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:チタンとジルコニウムをモル数1:1の割合で含む複合酸化物)、酸化イットリウム(Y)などの希土類酸化物、酸化トリウム(ThO)、各種フェライト(FeあるいはMnFeなど一般式AFeであらわされる複合酸化物:ただし、Aは2価の金属元素)、ムライト(3Al・2SiO)、フォルステライト(2MgO・SiO)、ステアタイト(MgO・SiO)、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体も基板として用いることができ、該基板にも窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜であれば直接形成し得ることが見出された。さらにあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成したものを基板として用いれば、その上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が少なくとも3600秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し得ることも見出された。上記酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の表面を鏡面研磨あるいはその他の方法で研削し平均表面粗さ50nm以下とした基板を用い、あらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成することで、その上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が少なくとも300秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し得る。また、平均表面粗さ10nm以下とした基板には該ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の結晶性を有する単結晶薄膜が形成し得る。また、平均表面粗さ5nm以下とした基板には該ロッキングカーブの半値幅が150秒以下の結晶性を有する単結晶薄膜が形成し得る。また、平均表面粗さ10nm以下とした基板にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が10000秒以下の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜があらかじめ形成し得る。また、平均表面粗さ5nm以下とした基板にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が8000秒以下の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜があらかじめ形成し得る。
窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及び酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる上記単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成後さらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶薄膜を形成する方法として例えば以下のものが例示できる。すなわち、単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成された基板を成膜装置から取り出しあらためて単結晶薄膜を形成していくという方法、あるいは基板の温度を最初低く設定しておき、まず無定形の薄膜を基板に形成し基板はそのままの状態で基板の温度を段階的もしくは連続的に上昇して段階的もしくは連続的に単結晶薄膜を形成していく、などの方法がある。
窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、あるいは酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成される薄膜は単一層としてだけではなく上記のように少なくとも2層以上からなる薄膜として形成できる。なお、上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板及び各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板には導通ビアを有する基板も含まれる。この2層以上の薄膜として形成される薄膜は同一組成としてあるいはそれぞれ異なる成分からなるものとしても形成でき、さらに3層以上の薄膜においてすべて同一組成として形成できまた2層以上が同一組成で他の1層以上が異なる組成の薄膜層として形成することができさらに全て異なる組成の薄膜層としても形成できる。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及び酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に2層以上に分けて形成された薄膜の構成は各薄膜層の組成が異なるだけではなく前述のように各薄膜層の結晶状態が同一の状態のものや各薄膜層の結晶状態が例えば単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など異なるものであっても窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及び酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成できる。すなわち窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、さらに酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる薄膜が2層以上形成できるが、この2層以上で構成されている薄膜において各薄膜層として単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれの状態のものが何ら制限されることなく形成できる。例えば薄膜層が2層の場合、2層とも同じ結晶状態であるものと各層の結晶状態が異なるものがあり、2層とも同じ結晶状態であるものを例示すれば1)各薄膜層全ての層が単結晶状態であるもの、2)各層全てが無定形であるもの、などであり、各層の結晶状態が異なるものを例示すれば3)基板側の薄膜が無定形でその上に形成されている薄膜が単結晶であるもの、あるいは4)基板側の薄膜が多結晶でその上に形成されている薄膜が単結晶であるもの、あるいは5)基板側の薄膜が配向性多結晶でその上に形成されている薄膜が単結晶であるもの、などである。上記薄膜層が2層の場合薄膜層の結晶状態は、基板側の薄膜層として単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶の少なくとも4種類の結晶状態のものが形成でき、この上に形成される薄膜層はそれぞれ単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶の少なくとも4種類の結晶状態のものが形成できるので計16種類の組み合わせの2層薄膜形成が可能である。また、例えば薄膜層が3層の場合、3層とも同じ結晶状態であるもの、各層の結晶状態が3層とも異なるもの、3層のうち2層が同じ結晶状態で1層が異なるものがあり、3層とも同じ結晶状態であるものを例示すれば1)各薄膜層全ての層が単結晶状態であるもの、2)各層全てが無定形であるもの、などであり、各層の結晶状態が3層とも異なるものを例示すれば3)基板側の薄膜が無定形でその上に形成されている薄膜が多結晶でその上に形成されている薄膜が単結晶であるもの、3層のうち2層が同じ結晶状態で1層が異なるものを例示すれば4)基板側の薄膜が無定形でその上に形成されている薄膜が2層とも単結晶であるもの、などである。上記薄膜層が3層の場合薄膜層の結晶状態は、基板側の薄膜層が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶の少なくとも4種類の結晶状態のものが形成でき、この上に形成される薄膜層はそれぞれ単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶の少なくとも4種類の結晶状態のものが形成でき、さらにその上に形成される薄膜層はそれぞれ単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶の少なくとも4種類の結晶状態のものが形成できるので結晶状態が異なる少なくとも計64種類の組み合わせの3層薄膜形成が可能である。また、4層以上の薄膜も上記のように4層薄膜であれば少なくとも256種類、5層薄膜であれば少なくとも1024種類、あるいは6層薄膜であれば少なくとも4096種類、また7層薄膜であれば少なくとも16384種類、さらに8層薄膜であれば少なくとも65536種類の組み合わせの、というように各層の結晶状態を任意に組み合わせることで結晶状態が異なるあらゆる多層薄膜の形成が可能である。
本発明において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及び酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に少なくとも2層以上で形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の各層における膜厚も任意の組み合わせが可能である。通常各薄膜層の膜厚はそれぞれ0.5nm〜1000μmの範囲もの、好ましくは0.5nm〜200μmの範囲のものを適宜組み合わせて用いられる。
このように本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及び酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板に形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は単一の結晶状態のものだけでなく単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の異なる2以上を適宜組み合わせた構成からなるものを用いることができる。このような薄膜の結晶状態の組み合わせとして例えば薄膜が2つの異なる結晶状態からなる場合、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板側にある薄膜は単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶の少なくとも4種類の結晶状態のものが形成でき、この上に形成される薄膜はそれぞれ単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶の少なくとも4種類の結晶状態のものが形成できるので、2つの異なる結晶状態で構成されている薄膜の場合は計12種類の異なる結晶状態の組み合わせのものが形成可能である。また、例えば薄膜が3つのそれぞれ異なる結晶状態からなる場合、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板側の薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶の各4種類の結晶状態のものが形成でき、この上に形成される薄膜は単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶の各4種類の結晶状態のものが形成でき、さらにその上に形成される薄膜層はそれぞれ単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶の各4種類の結晶状態のものが形成できるので計36種類の組み合わせが3つの異なる結晶状態からなる薄膜において形成可能である。また、4つ以上の異なる結晶状態からなる薄膜も上記のように108種類の組み合わせが4つの異なる結晶状態からなる薄膜において、324種類の組み合わせが5つの異なる結晶状態からなる薄膜において、972種類の組み合わせが6つの異なる結晶状態からなる薄膜において、また2916種類の組み合わせが7つの異なる結晶状態からなる薄膜において、さらに8748種類の組み合わせが8つの異なる結晶状態からなる薄膜において、というように異なる結晶状態の組み合わせが無限に形成可能である。
なお、本発明による薄膜基板は形成されている薄膜が多層化され各層が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態で、組成も各薄膜層で異なりさらに厚みも各層で異なっていたとしても少なくとも単結晶薄膜が形成されているものである。また上記薄膜基板に形成されている単結晶薄膜は、基板に直接形成されているものより、単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜をあらかじめ形成した基板を用いてその上に形成したもののほうが通常は結晶性に優れる。本発明による薄膜基板に形成される薄膜は多層化され各層が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態で、組成も各薄膜層で異なりさらに厚みも各層で異なっていたとしても少なくとも単結晶薄膜を含む。
少なくとも2層以上からなる薄膜において成分が異なるという意味は薄膜の実質的な組成が異なるということであり、薄膜の組成として該薄膜の主成分である窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる成分の割合が異なるものだけでなく、例えば薄膜が主成分として窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれる1種類だけでその他の成分として例えばドーピング剤だけの場合なども含まれる。より具体的に言えば、薄膜の主成分が例えば窒化ガリウムだけでその他実質的にドーピング剤としてマグネシウム(Mg)だけを含むものの場合、窒化ガリウムとマグネシウムの組成比が異なるものも含まれる。あるいは同様に、薄膜の主成分が例えば窒化アルミニウムだけでその他実質的にドーピング剤として珪素(Si)だけを含むものの場合、窒化アルミニウムと珪素の組成比が異なるものも含まれる。本発明においては上記のように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする同一成分の薄膜を単一層としてあるいは少なくとも2層以上に分けて形成できるだけでなく異なる成分からなる少なくとも2層以上の薄膜として形成することができる。同一成分を2層以上に分けて形成したものや異なる成分のものを2層以上に形成したものであっても形成されたそれぞれの薄膜が単結晶である場合該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下と優れた結晶性のものが得られる。また上記のような2層以上の薄膜を炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体を基板として用いて形成したとき窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の優れた結晶性のものが得られるので好ましい。
本発明においては上記のように、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、あるいは酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成された薄膜は単一層としてだけではなく上記のように少なくとも単結晶を含む2層以上からなる薄膜として形成できる。本発明において単結晶薄膜を含む上記2層以上に形成できる薄膜として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、あるいは酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板に形成され得る薄膜だけではなく、本発明による薄膜基板に形成されている薄膜も含まれる。すなわち、本発明において上記2層以上に形成できる薄膜には薄膜形成用基板に形成され得る薄膜、及び薄膜基板に形成された薄膜の2つの薄膜が含まれる。これらの薄膜は単一の層としてだけではなく少なくとも2層以上の単結晶薄膜を含む薄膜としても形成できることを明らかにした。
本発明は上記のように、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し得る窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板を提供する。さらに、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成されている薄膜基板も提供する。また本発明は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し得る炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板を提供する。さらに、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成されている薄膜基板も提供する。
また本発明は、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成し得る酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板を提供する。さらに、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成されている薄膜基板も提供する。
また本発明においては前記のように、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及び酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶薄膜が形成し得る。該単結晶薄膜は各焼結体におけるセラミック材料の違いによって該焼結体に直接形成し得るものもあるし、あるいは該焼結体にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成後その上に形成し得るものもある。例えば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶薄膜が直接形成し得る。一方、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体にはあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成後その上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶薄膜を形成し得る。
かくして本発明により、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するための基板であって、該基板がセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板、が提供し得る。また本発明により、セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板、が提供し得る。又本発明により、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板が光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板、が提供し得る。さらに本発明により、光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板、が提供し得る。なお、上記セラミック材料とは焼結体を構成する例えば窒化アルミニウム、六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する化合物(例えば炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなど)、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの金属元素及び半金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素と非金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素との組成物あるいは化合物、あるいは金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素と半金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素との組成物あるいは化合物、あるいは半金属元素のうちから選ばれた少なくともいずれか2種以上の元素との組成物あるいは化合物を主成分とするものからなる。上記非金属元素としては通常窒素、りん、酸素、硫黄、ハロゲン元素(フッ素、塩素、臭素、沃素、アスタチン)などが好適に用いられる。半金属元素としては通常ほう素、炭素、珪素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレン、テルル、ポロニウムなどが好適に用いられる。上記セラミック材料は通常無機化合物を主成分とするものであり、これらのセラミック材料は結晶質のものであってもよいしあるいは例えばガラスなどの非晶質状態のものであってもよいしあるいは結晶質のものと非晶質のものとが混在したものであってもよい。上記セラミック材料は通常窒化物、炭化物、酸化物、硼化物、珪化物などの化合物あるいは組成物を主成分とするものである。
なお、本発明において上記セラミック材料としては主成分である無機材料以外に金属、合金、金属間化合物、有機物質、有機化合物、有機樹脂、その他に例えばハロゲン元素あるいはカルコゲン元素などの非金属などを含有するもの含まれる。
本発明において、上記セラミック材料を主成分とする焼結体は光透過性を有するものが好ましく、該セラミック材料を主成分とする焼結体に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性が向上し易くなるので好ましい。
上記薄膜形成用基板は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶をはじめ無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を形成するために用いることができる。又上記薄膜基板も窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶をはじめ無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を形成するために用いることができる。その他に上記薄膜形成用基板及び薄膜基板は発光素子、あるいは光導波路、あるいは表面弾性波素子用などの圧電膜、あるいは電気回路基板用の絶縁膜や誘電膜などにも用いることができる。
上記のように本発明は、(1)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶をはじめ無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を形成するための薄膜形成用基板、(2)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする少なくとも単結晶をはじめ無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜が形成された薄膜基板、という大きく分けて二種類の基板を提供する。上記二種類の基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成し得る。これら2種類の基板にはそれぞれ導通ビアを有するものも含まれる。上記二種類の基板をより具体的にいえば、(1)薄膜形成用基板:窒化アルミニウムをはじめとする各種セラミック材料を主成分とする焼結体をそのまま基板としたもの、(2)薄膜基板:窒化アルミニウムをはじめとする各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶をはじめ無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成したもの、の二種類である。本発明はこれらを提供する。また、上記二種類の基板にはそれぞれ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成し得る。また、これら二種類の基板にはそれぞれ導通ビアを有するものも含まれる。なお、上記薄膜基板は薄膜形成用基板としても用いることができる。
上記のように本発明は薄膜形成用基板、及び薄膜基板の2種類の基板を提供するものであることを説明した。また、この2種類の基板の中で薄膜形成用基板は窒化アルミニウムをはじめとする各種セラミック材料を主成分とする焼結体をそのまま基板としたものであることを説明したが、該薄膜形成用基板としては窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体をそのまま基板としたものだけでなく、該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスなどの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたものを基板としたものも用いることができる。すなわち本発明による薄膜形成用基板としては窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体をそのまま基板としたもの、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたものを基板としたもの(すなわち薄膜基板と同質)、という2種類のものを用いることができる。前記のように窒化アルミニウムをはじめとする各種セラミック材料を主成分とする焼結体には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成することができる。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜として前記のように単結晶及び無定形、多結晶、配向性多結晶などの結晶状態のものを用いることができる。また、該薄膜は前記のように単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた単一の結晶状態のものだけでなくこれら結晶状態のうちから選ばれた少なくとも2以上の結晶状態からなるものも同時に用いることができる。また、該薄膜は前記のように単一層のものだけでなく少なくとも2以上の層で構成されたものも好適に用いることができる。また、該薄膜は前記のように単一組成のものだけでなく異なる2以上の組成からなるものであっても好適に用いることができる。また、該薄膜は前記のように少なくとも2以上の層で構成され各薄膜層のうち少なくとも2以上は異なる組成からなるものであっても好適に用いることができる。また、該薄膜は前記のように導電性を有するものであっても好適に用いることができる。前記のように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜があらかじめ形成されたものを基板として用いることによりその上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性は該薄膜を形成していない窒化アルミニウムを主成分とする焼結体をそのまま基板として用いる場合に比べてより向上し易くなる。窒化アルミニウムをはじめとする各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された基板には導通ビアを有するものも含まれる。
本発明において上記のように薄膜形成用基板としては窒化アルミニウムをはじめとする各種セラミック材料を主成分とする焼結体などをそのまま基板としたもの、窒化アルミニウムをはじめとする各種セラミック材料を主成分とする焼結体などに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたものを基板としたもの、という2種類のものを用いることができる。
すなわち本発明による薄膜形成用基板として、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体をそのまま基板としたものと、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、も含まれる。
本発明は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板も含む。本発明による薄膜基板に形成されている薄膜の結晶状態としては単結晶のものだけではなく無定形、多結晶、配向性多結晶などのように必ずしも単結晶でない状態のものであってもよい。より詳しく言えば、本発明による前記薄膜基板に形成されている薄膜の結晶状態としては単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態のものであってもよく、例えば必ずしも単結晶を含まない窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形状態だけの薄膜であってもよい。本発明によるこのような薄膜基板をより具体的に例示すれば、例えば1)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成された薄膜基板、また例えば2)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形薄膜が形成された薄膜基板、また例えば3)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする多結晶薄膜が形成された薄膜基板、また例えば4)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜が形成された薄膜基板、また例えば5)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形薄膜が形成されさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成された薄膜基板、また例えば6)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする多結晶薄膜が形成されさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成された薄膜基板、また例えば7)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜が形成されさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成された薄膜基板、また例えば8)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成された薄膜基板、また例えば9)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形薄膜が形成されさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜が形成されさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成された薄膜基板、などである。
なお、本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板は形成されている薄膜が多層化され各層が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態で、組成も各薄膜層で異なりさらに厚みも各層で異なっていたとしてもその上には単結晶薄膜が形成し得る。また本発明による薄膜基板に形成される単結晶薄膜は、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成されるものより窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態の薄膜が形成された基板を用い、その上に形成されたもののほうが結晶性に優れる。
上記本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板において、少なくとも2層以上で形成されている薄膜の成分が異なるという意味は薄膜の実質的な組成が異なるということであり、薄膜の組成として該薄膜の主成分である窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる成分の割合が異なるものだけでなく、例えば薄膜が主成分として窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれる1種類だけでその他の成分として例えばドーピング剤だけの場合なども含まれる。より具体的に言えば、薄膜の主成分が例えば窒化ガリウムだけでその他実質的にドーピング剤としてマグネシウム(Mg)だけを含むものの場合、窒化ガリウムとマグネシウムの組成比が異なるものも含まれる。あるいは同様に、薄膜の主成分が例えば窒化アルミニウムだけでその他実質的にドーピング剤として珪素(Si)だけを含むものの場合、窒化アルミニウムと珪素の組成比が異なるものも含まれる。本発明においては上記のように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする同一成分の薄膜を単一層としてあるいは少なくとも2層以上に分けて形成できるだけでなく異なる成分からなる少なくとも2層以上の薄膜として形成することができる。同一成分を2層以上に分けて形成したものや異なる成分のものを2層以上に形成したものであっても形成された薄膜が単結晶である場合該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下と優れた結晶性のものが得られる。また、本発明においては窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板には前記のように少なくとも2以上の層で構成される薄膜が形成できるが、各薄膜層のうち少なくとも2以上は異なる組成からなるものであっても好適に用いることができる。このことをより具体的に説明すれば、例えば薄膜が3層から構成される場合3層のうち2層は同じ組成で残り1層の組成が異なるもの、及び3層ともはそれぞれ組成が異なるもの、の2種類の状態の薄膜が含まれる。また、例えば薄膜が4層から構成される場合4層のうち2層は同じ組成で残り2層の組成がそれぞれ異なるもの、4層のうち3層は同じ組成で残り1層の組成が異なるもの、4層ともそれぞれ組成が異なるもの、の3種類の状態の薄膜が含まれる。
本発明は上記のように、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態の薄膜を形成し得る窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板を提供する。さらに、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態の薄膜が形成されている薄膜基板も提供する。
また、本発明は上記のように、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態の薄膜を形成し得る炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板を提供する。さらに、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態の薄膜が形成されている薄膜基板も提供する。
上記薄膜形成用基板は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる薄膜のうち単結晶薄膜を形成するために用いることができる。又上記薄膜基板も窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる単結晶薄膜を形成するために用いることができる。
上記で説明したように本発明による薄膜基板は、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板、である。また本発明による薄膜基板は、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板、である。また本発明による薄膜基板は、光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板、である。また本発明による薄膜基板は、セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板、である。本発明による薄膜基板はより具体的に、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及びその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とし単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板、である。
本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及びその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板上へ形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜として導電性を有するものが形成し得ることが見出された。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板としてこの基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜をあらかじめ形成した薄膜基板を用いた場合にも、この基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は導電性を有するものが形成し得ることが見出された。このような導電性の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を導通ビアが形成されている窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に形成した薄膜基板は該導通ビアを介して該薄膜基板の上下表面を電気的に接続できる。したがってこのような導電性薄膜が形成されている薄膜基板あるいは薄膜形成用基板を用いて発光素子などの半導体デバイスを作製すれば素子の片面でなく上下面に電極を配置できるので電極を取り出すための薄膜エッチングが不要になりさらに該素子のパッケージへの実装性を高めることができるので好ましい。導電性を発現するために通常は該薄膜にドーピング剤を加えることでP型あるいはN型に半導体化できるようになる。P型あるいはN型に半導体化することで該薄膜を多層構造の発光素子を構成するひとつの半導体層としても用いることができる。本発明においては窒化アルミニウム及び各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種結晶状態の薄膜を形成した薄膜基板に形成される無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜も導電性を有するものが形成できる。上記薄膜基板に形成された各種結晶状態の薄膜においても導電性はドーピング剤を加えP型あるいはN型に半導体化することで発現するようになる場合が多いが、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜のなかで窒化ガリウム、窒化インジウムを主成分とする薄膜(窒化ガリウム+窒化インジウムの混合組成からなる薄膜を含む)はドーピング剤なしで自発的にN型に半導体化し導電性が発現する場合がある。P型あるいはN型に半導体化することで本発明による薄膜基板に形成された各種結晶状態の薄膜を多層構造の発光素子を構成するひとつの半導体層として用いることができる。又、上記各種結晶状態の薄膜を半導体化することで導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に発光素子などの半導体デバイスを作製すれば素子の片面でなく上下面に電極を配置できるので電極を取り出すための薄膜エッチングが不要になりさらに該素子のパッケージへの実装性を高めることができるので好ましい。本発明による各種結晶状態の薄膜をP型半導体化するためのドーピング剤としてはマグネシウム、ベリリウム、亜鉛、炭素など1種あるいは2種以上同時に使用できる。本発明による各種結晶状態の薄膜をN型半導体化するためのドーピング剤としては珪素、酸素など1種あるいは2種以上同時に使用できる。また上記P型半導体及びN型半導体形成用ドーピング剤の両方を用いるいわゆるコドープによる半導体化も可能である。半導体化された上記無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶などの各種結晶状態の薄膜の室温における抵抗率は1×10Ω・cm以下であることが好ましい。より好ましくは室温における抵抗率1×10Ω・cm以下である。さらに好ましくは室温における抵抗率1×10Ω・cm以下である。最も好ましくは室温における抵抗率1×10Ω・cm以下である。このような抵抗率を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及びその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及びこれらの基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板に形成できることが明らかとなった。
また本発明による上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及びその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及びこれらの基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板には単結晶を始めとして無定形、多結晶、配向性多結晶、など各種結晶状態の導電性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成できる。本発明による上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及びその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、及びこれらの基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板に形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種結晶状態の薄膜をP型半導体化するためのドーピング剤としてはマグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、炭素(C)など1種あるいは2種以上同時に使用できる。また該窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種結晶状態の薄膜をN型半導体化するためのドーピング剤としては珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、酸素(O)、セレン(Se)、テルル(Te)など1種あるいは2種以上同時に使用できる。また上記P型半導体及びN型半導体形成用ドーピング剤の両方を用いるいわゆるコドープによる半導体化も可能である。上記薄膜形成用基板、及び薄膜基板には室温における抵抗率は1×10Ω・cm以下の半導体化された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜が形成できる。また上記薄膜形成用基板、及び薄膜基板には室温における抵抗率1×10Ω・cm以下の無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜が形成できるので好ましい。さらに上記薄膜形成用基板、及び薄膜基板には室温における抵抗率1×10Ω・cm以下の無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜が形成できるのでより好ましい。また上記薄膜形成用基板、及び薄膜基板には室温における抵抗率1×10Ω・cm以下の無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜が形成できるのでさらに好ましい。本発明による無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を上記のような抵抗率を有する半導体となすことにより該各種結晶状態の薄膜を直接発光素子の一部として使用することができるし、発光素子の電極を形成するために通常行われる発光素子を形成する薄膜層の一部をエッチングする工程が省略でき、さらに該発光素子をパッケージへ実装する場合などに有利である。Mg、Be、Ca、Zn、Cd、C、Si、Ge、O、Se、Teなどのドーピング剤を含む薄膜は通常該薄膜形成後、純N中や真空中などの雰囲気中で再熱処理を行ったり電子線などを照射することで導電性が向上する場合があるので適宜実行することが好ましい。
Mg、Be、Ca、Zn、Cd、Cなど窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜をP型半導体化するために用いられるドーピング成分、及びSi、Ge、O、Se、Teなど窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜をN型半導体化するために用いられるドーピング成分は通常該窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜中に元素換算で0.00001〜10モル%の範囲含まれることが好ましく、該窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の室温における抵抗率を少なくとも1×10Ω・cm以下とすることができる。上記ドーピング成分を元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含む窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が、該主成分として窒化アルミニウムを95モル%以下含み残りが窒化ガリウム、窒化インジウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる組成を有するものである場合、通常室温における抵抗率が少なくとも1×10Ω・cm以下のものを作製し得る。また、上記ドーピング成分を元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含む窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が、該主成分として窒化アルミニウム成分を55モル%以下含み残りが窒化ガリウム、窒化インジウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる組成を有するものである場合、通常室温における抵抗率が少なくとも1×10Ω・cm以下のものを作製し得る。
上記のように本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いた薄膜形成用基板、及び薄膜基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の導電性を有する薄膜が形成できる。本発明においてこのような薄膜の中で、AlGa1−xN(0≦x≦1.0)の化学組成式であらわされる窒化ガリウムと窒化アルミニウムの二成分を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の導電性薄膜も得ることができる。上記二成分系の薄膜は波長380nm以下の紫外光の吸収が少ないのでこの材料を形成した薄膜基板を発光素子作製用基板として用いれば基板による光吸収が少ない、したがって発光効率に優れた発光素子が製造し得る。該二成分系薄膜の導電性はドーピング剤を用いP型及びN型に半導体化することで得られる。P型半導体化用のドーピング剤にはマグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、炭素(C)などを好適に用いることができ、その中ではマグネシウム(Mg)を用いることがより好ましい。また、N型半導体化用のドーピング剤には珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、酸素(O)、セレン(Se)、テルル(Te)などを好適に用いることができ、その中では珪素(Si)を用いることがより好ましい。上記二成分系の薄膜は主成分AlGa1−xN(0≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物に対し上記MgなどのP型半導体化用のドーピング剤を元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含むことができ室温における抵抗率1×10Ω・cm以下の無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の導電性薄膜が形成できる。その中で主成分AlGa1−xN(0≦x≦0.6)の化学式であらわされる組成物に対して上記MgなどのP型半導体化用のドーピング剤を元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含む薄膜は室温における抵抗率1×10−1Ω・cm〜1×10Ω・cm程度の無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の導電性薄膜が形成できる。また、上記二成分系の薄膜において主成分AlGa1−xN(0.6≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物に対して上記MgなどのP型半導体化用のドーピング剤を元素換算で0.00001〜0.5モル%の範囲で含む薄膜は室温における抵抗率1×10Ω・cm以下の無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の導電性薄膜が形成できる。また、上記二成分系の薄膜は主成分AlGa1−xN(0≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物に対し上記SiなどのN型半導体化用のドーピング剤を元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含むことができ室温における抵抗率1×10Ω・cm〜1×10Ω・cm以下の無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の導電性薄膜が形成できる。その中で主成分AlGa1−xN(0.6≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物に対し上記SiなどのN型半導体化用のドーピング剤を元素換算で0.00001〜0.5モル%の範囲で含む薄膜は室温における抵抗率1×10Ω・cm〜1×10Ω・cm以下の無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の導電性薄膜が形成できる。この組成の薄膜にはx=1.0すなわち主成分が窒化アルミニウムだけからなり上記SiなどのN型半導体化用のドーピング剤を元素換算で0.00001モル%〜0.5モル%の範囲で含有する薄膜も含まれる。また、主成分AlGa1−xN(0≦x≦0.6)の化学式であらわされる組成物に対して上記SiなどのN型半導体化用のドーピング剤を元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含む薄膜は室温における抵抗率1×10−3Ω・cm〜1×10Ω・cm程度の比較的低抵抗の無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の導電性薄膜が形成できる。また、上記二成分系薄膜において主成分AlGa1−xN(0≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物に対し上記MgなどのP型半導体化用のドーピング剤及びSiなどのN型半導体化用のドーピング剤とを同時に合計で元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含むことができその室温における抵抗率は1×10Ω・cm以下の無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の導電性薄膜が形成できる。なお、例えばMg、Siなどのドーピング剤の含有量が主成分に対して元素換算で0.00001〜10モル%であるということは上記二成分系薄膜が主成分であるAlGa1−xNを90〜99.99999モル%の範囲含み、ドーピング剤であるMg、Siなどを元素換算で0.00001〜10モル%範囲で含む組成からなるものであることを意味する。
本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体あるいはその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体を窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を形成するための基板として用いることができる。また、本発明においては窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、あるいはその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を形成した薄膜基板が提供できる。該薄膜の厚みは任意のものが形成し得るが、該薄膜を上記の各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板に形成する場合その厚みは薄膜中のピンホールや欠陥などを低減化し易くするために少なくとも0.5nm以上であることが望ましい。上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板に直接形成された薄膜は0.5nm以上の厚み、あるいはさらに10μm以上のものも形成できる。またさらに50μm以上といったものも形成し得る。前記のように本発明においてはMOCVD(有機金属化学気相分解成長)法、MOVPE(有機金属気相エピタキシャル成長)法、ハイドライドVPE(水素化物気相エピタキシャル成長)法、クロライドVPE(塩化物気相エピタキシャル成長)法などのハライドVPE(ハロゲン化物気相エピタキシャル成長)法、プラズマCVD法、その他のCVD(化学気相分解成長)法、あるいはMBE(分子線エピタキシー)法、あるいはエキシマレーザーなどを用いたレーザーアブレーション法、PLD(パルスレーザーデポジション:パルスレーザー分解)法など、あるいはスパッタリング法などの方法を適宜用いて500μm〜1000μm程度の比較的厚みの厚いものも形成し得るが、通常薄膜の厚みとしては200μm以下のものを用いることが結晶性の高い単結晶薄膜を得る上では好ましい。通常MOCVD法、あるいはMOVPE法では薄膜の成長速度が1時間当り最大で5μm〜10μmであり、また通常はそれ以下で比較的小さい場合が多いのに対して、原料として塩化ガリウムなどのようなハロゲン化物を用いるクロライドVPE法、ハライドVPE法などを用いれば薄膜の成長速度が1時間当り5μm〜200μmと大きくより短時間で厚みの厚い薄膜を形成することができるので特に、厚みの厚い薄膜を形成する場合は好ましい。また、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜は上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板、あるいはその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板に直接形成されたものだけでなく、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、あるいはその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜が形成された薄膜基板の上に形成される薄膜においても上記と同様な膜厚を有するものが比較的容易に得られる。
本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板、あるいはその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜、配向性多結晶薄膜の結晶性は前記のように焼結体の組成や光透過性あるいは焼結体粒子の大きさ、基板の表面状態、形成される薄膜の構成、あるいは薄膜形成条件などにも影響されるが、一方では形成される該薄膜の厚みにも影響される。
本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする厚み0.5nm以上の単結晶薄膜が形成できる。この厚みの単結晶薄膜の結晶性としてはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として300秒以下のものが形成し得る。また、本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板あるいは薄膜基板を用いることで0.3μm以上の厚みの上記単結晶薄膜も形成できる。窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みが0.3μm以上のものであれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として240秒以下の結晶性のものが得られ易い。本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いることで3.5μm以上の厚みの上記単結晶薄膜も形成できる。窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みが3.5μm以上のものであれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として200秒以下の結晶性のものが得られ易い。また、本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いることで10μm以上の比較的厚い単結晶薄膜も形成できる。窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みが10μm以上のものであっても該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として150秒以下の結晶性に優れたものが得られ易い。本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みとして50μm以上は十分可能である。窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みが50μm以上のものであれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として130秒以下の結晶性のものが得られ易く好ましい。本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜として厚み200μm程度のものは十分形成が可能である。なお、例えば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜をあらかじめ形成した基板を用いたり、あるいは光透過性の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いれば実際上1000μm程度の厚みの単結晶薄膜も形成し得るが、通常窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みとしては200μm程度以下のものが好ましい。本発明において薄膜は通常MOCVD法やMOVPE法あるいはハライドVPE法などの非平衡状態で形成されるため該薄膜の厚みが200μmより厚くなれば上記のように結晶性の低下が生じ易くなる場合があるからである。
本発明において、上記で示した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の膜厚と結晶性との関係は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接形成されたものだけではなく、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いて作製される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜があらかじめ形成された薄膜基板の上に形成された単結晶薄膜においても同様な薄膜の膜厚と結晶性との関係を有する。
また、基板としては上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなるものだけでなく、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にも窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜が形成できる。本発明において炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜、配向性多結晶薄膜の結晶性は前記のように基板の表面状態、形成される薄膜の構成、あるいは薄膜形成条件などにも影響されるが、一方では形成される該薄膜の厚みにも影響される。本発明において炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする厚み0.5nm以上の単結晶薄膜が形成できる。その結晶性は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として300秒以下のものが形成し得る。また、本発明による炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いることで0.3μm以上の厚みの上記単結晶薄膜も形成できる。窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みが0.3μm以上のものにおいても該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として300秒以下の結晶性のものが得られ易い。本発明による炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いることで3.5μm以上の厚みの上記単結晶薄膜も形成できる。窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みが3.5μm以上のものであれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として240秒以下の結晶性のものが得られ易い。また、本発明による炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いることで10μm以上の比較的厚い単結晶薄膜も形成できる。窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みが10μm以上のものであっても該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として240秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が得られ易い。また、本発明による炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みとして50μm以上は十分可能である。本発明による炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みが50μm以上のものであれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として200秒以下の結晶性のものが得られ易く好ましい。また、本発明による炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みとして100μm〜200μm程度のものは十分可能である。なお、例えば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜をあらかじめ形成した基板を用いたり、あるいは光透過性の炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みが500μm〜1000μm程度のものであっても形成し得るが、通常窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みとしては200μm程度以下のものが好ましい。本発明において薄膜は通常MOCVD法やMOVPE法あるいはハライドVPE法などの非平衡状態で形成されるため該薄膜の厚みが200μmより厚くなれば上記のように結晶性の低下が生じ易くなる場合があるからである。
本発明において、上記で示した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の膜厚と結晶性との関係は炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体に単一層として形成されたものだけではなく、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜があらかじめ形成された薄膜基板の上に形成された単結晶薄膜においても同様な薄膜の膜厚と結晶性との関係を有する。
上記のように、本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成される該単結晶薄膜の膜厚に比べてより薄いものであっても結晶性に優れたものが得られ易い。
本発明において上記のように、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板あるいはその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は単一層としてだけではなく上記のように少なくとも2層以上からなる薄膜として形成できる。又上記2層以上の薄膜には組成がそれぞれ異なるもの結晶状態がそれぞれ異なるものなどが含まれる。今まで説明してきたように本発明において窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は単一の層としてだけではなく少なくとも2層以上の薄膜としても形成できることを明らかにしてきたが、本発明においては上記少なくとも2層以上からなる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜においても各薄膜層において任意の厚みのものが形成し得る。また、上記少なくとも2層以上からなる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板あるいはその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成されている薄膜層(基板側に形成されている薄膜層)はその厚みが0.5nm以上であることがより結晶性に優れた単結晶薄膜を得る上で好ましい。上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板あるいはその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成される少なくとも2層以上からなる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜のうち少なくとも1層が単結晶薄膜でありその厚みが0.5nm以上の場合該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として300秒以下の結晶性のものが形成し得る。また、上記少なくとも2層以上からなる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜層のうち少なくとも1層が単結晶薄膜でありその厚みが0.3μm以上の場合該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として300秒以下の結晶性のものが形成し得る。該単結晶薄膜が形成される基板が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下の結晶性の良い単結晶薄膜が得られる。また、上記少なくとも2層以上からなる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜層のうち少なくとも1層が単結晶薄膜でありその厚みが3.5μm以上の場合でも該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として300秒以下の結晶性のものが形成し得る。該単結晶薄膜層が形成される基板が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が得られる。また本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板あるいはその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いることで少なくとも2層以上からなる10μm以上の比較的厚い薄膜も形成できる。上記少なくとも2層以上からなる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜層のうち少なくとも1層が単結晶薄膜でありその厚みが10μm以上の場合でも該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として300秒以下の結晶性のものが形成し得る。該単結晶薄膜が形成される基板が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が得られる。本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板あるいはその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする2層以上からなる薄膜として厚み50μm以上のものは十分形成可能である。上記少なくとも2層以上からなる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜層のうち少なくとも1層が単結晶薄膜でありその厚みが50μm以上の場合でも該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として300秒以下の結晶性のものが形成し得る。該単結晶薄膜が形成される基板が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下の優れた結晶性のものが得られるので好ましい。本発明による薄膜形成用基板として例えば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜をあらかじめ形成した基板を用いたり、あるいは光透過性の基板を用いれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする少なくとも2層以上からなる厚み500μm程度の薄膜を形成することが十分可能であり、実際上1000μmの厚みの単結晶薄膜も形成し得る場合がある。上記少なくとも2層以上からなる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜層のうち少なくとも1層が単結晶薄膜でありその厚みが500μm〜1000μmの範囲のものであっても該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として300秒以下の結晶性のものも形成し得る。通常上記少なくとも2層以上からなる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みとしては200μm程度までのものが好ましい。本発明において薄膜は通常MOCVD法やMOVPE法あるいはハライドVPE法などの非平衡状態で形成されるため該薄膜の厚みが200μmより厚くなれば上記のように結晶性の低下が生じ易くなる場合があるからである。
本発明において、上記少なくとも2層以上からなる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するにあたりMOCVD(有機金属化学気相分解成長)法、MOVPE(有機金属気相エピタキシャル成長)法、ハイドライドVPE(水素化物気相エピタキシャル成長)法、クロライドVPE(塩化物気相エピタキシャル成長)法などのハライドVPE(ハロゲン化物気相エピタキシャル成長)法、プラズマCVD法、その他のCVD(化学気相分解成長)法、あるいはMBE(分子線エピタキシー)法、あるいはエキシマレーザーなどを用いたレーザーアブレーション法、PLD(パルスレーザーデポジション:パルスレーザー分解)法など、あるいはスパッタリング法などを適宜用いて目的とする構成の薄膜を得ることができる。また、上記10μm以上の比較的厚い単結晶薄膜は塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化アルミニウムなどの金属塩化物とアンモニア、窒素、水素などの反応ガスを原料としたクロライドVPE(塩化物気相エピタキシャル成長)法などを用いれば薄膜の成長速度が1時間あたり10μm〜500μm程度と大きいので生産性の面で有利である。
本発明において、上記2層以上からなる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜のうち単結晶薄膜の厚みとその結晶性との関係は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成されたものだけではなく、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体あるいはその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜があらかじめ形成された薄膜基板の上に形成された単結晶薄膜においても上記と同様な膜厚と結晶性との関係を得ることができる。
本発明において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料の焼結体からなる基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は同一成分のものを単一層としてあるいは少なくとも2層以上に分けて形成できるだけでなく異なる成分からなる少なくとも2層以上の単結晶薄膜として形成することができる。本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体あるいはその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体には上記のように少なくとも2以上の層で構成される単結晶薄膜が形成できるが、各単結晶薄膜層のうち少なくとも2以上は異なる組成からなるものであっても好適に用いることができる。このことをより具体的に説明すれば、例えば単結晶薄膜が3層から構成される場合3層のうち2層は同じ組成で残り1層の組成が異なるもの、及び3層ともはそれぞれ組成が異なるもの、の2種類の状態の単結晶薄膜が含まれる。また、例えば単結晶薄膜が4層から構成される場合4層のうち2層は同じ組成で残り2層の組成がそれぞれ異なるもの、4層のうち3層は同じ組成で残り1層の組成が異なるもの、4層ともはそれぞれ組成が異なるもの、の3種類の状態の単結晶薄膜が含まれる。
ここで異なる組成という意味は単結晶薄膜の実質的な組成が異なるということであり、単結晶薄膜の組成が該単結晶薄膜の主成分である窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる成分の割合が異なるものだけでなく、例えば単結晶薄膜の主成分が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうち1種類だけでその他の成分が実質的に例えばドーピング剤だけの場合なども含まれる。より具体的に言えば、単結晶薄膜の主成分が例えば窒化ガリウムだけでその他実質的にドーピング剤としてマグネシウム(Mg)だけを含むものの場合、窒化ガリウムとマグネシウムの組成比が異なるものも含まれる。あるいは同様に、単結晶薄膜の主成分が例えば窒化アルミニウムだけでその他実質的にドーピング剤として珪素(Si)だけを含むものの場合、窒化アルミニウムと珪素の組成比が異なるものも含まれる。本発明においては上記のように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する材料の焼結体からなる基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は同一成分のものを単一層としてあるいは少なくとも2層以上に分けて形成できるだけでなく異なる成分からなる少なくとも2層以上の単結晶薄膜として形成することができるが、同一成分を2層以上に分けて形成したものや異なる成分のものを2層以上に形成したものであっても各層の単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性のものが得られる。また、該単結晶薄膜が直接形成される基板が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下の優れた結晶性のものが得られるので好ましい。
本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、あるいはその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜の結晶性に与える因子としては、今まで説明してきたことをまとめると次のように分類される。使用する基板においては、1)セラミックの材質(窒化アルミニウムを主成分とする焼結体か、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体か、などの相違)、2)セラミックの組成(主成分の純度及び含有量、添加物あるいは不純物の含有量、など)、3)セラミックの光透過率、4)セラミック粒子の大きさ、5)セラミックの密度、6)セラミックの厚み、7)セラミックの焼成条件、8)基板の表面平滑性、また薄膜においては、9)薄膜の構成(単一層、あるいは2層以上の多層構成か、など)、10)薄膜の厚み、11)薄膜の形成条件(MOCVD、クロライドVPEあるいはスパッタリングなどの薄膜形成方法、基板温度、など)、などである。
また、上記セラミック基板に形成される薄膜の結晶性にあまり影響を与えない因子としては以下の点が挙げられる。1)セラミック基板中に導通ビアを有しているかどうか(導通ビアの有無にかかわらず、基板に形成される薄膜の結晶性にはあまり影響がない)、2)薄膜の組成(窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする組成であればあらゆる組み合わせが形成される薄膜の結晶性を左右されることなく可能、また各種ドーピング成分を含有する薄膜も結晶性を左右されることなく形成可能)、などである。
本発明において、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成するための薄膜形成用基板、及び該薄膜が形成された薄膜基板を製造するにあたり、上記のように基板として用いる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の材質が重要である。そのうち炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体についても従来から行われている方法を用いて製造されたものを問題なく使用できる。すなわち、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスなどを主成分とする微粉末に適宜焼結助剤、バインダー、分散剤などを混合した粉末成形体を高温で焼成し焼結体としたものである。
焼成条件はそれぞれ各種セラミック材料の原料粉末の粒度や組成に依存するが、焼成温度として例えば炭化珪素で1500℃〜2500℃、窒化珪素で1600℃〜2100℃、窒化ガリウムで1000℃〜1700℃、酸化亜鉛で1100℃〜1700℃、酸化ベリリウムで1100℃〜2000℃、酸化アルミニウムで1100℃〜2000℃、などの温度が用いられる。焼成時の雰囲気として炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムなどの非酸化物の場合はアルゴン、ヘリウム、窒素、水素、一酸化炭素、カーボンなどを主成分とする非酸化性雰囲気や760Torr未満の減圧状態あるいは1×10−3Torr以下の高真空状態などが用いられ、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの酸化物の場合は上記非酸化性雰囲気や減圧状態あるいは高真空状態以外にも大気、酸素、二酸化炭素などを主成分とする酸化性雰囲気などが用いられる。焼成時の圧力は上記減圧状態あるいは高真空状態以外にも常圧焼成で用いられる1Kg/cm(760Torr)前後の圧力、及び加圧焼成、ホットプレス、HIPなどで用いられる5000Kg/cm程度以下の圧力が問題なく使用できる。
上記炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体の組成としては焼結助剤などの添加物を含まずそれぞれの材料の主成分だけ含むもの、あるいは主成分の他に適宜焼結助剤、黒色化剤、あるいは原料中の不純物、などの成分を単独であるいは複合で含むものであっても問題なく使用できる。すなわち、例えば炭化珪素を主成分とする焼結体の組成としては実質的にSiCだけからなるもの、あるいはカーボン成分、あるいはB、BC、BNなどの硼素成分、あるいはY、Er、Ybなどの希土類元素成分、BeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、あるいはAlなどのアルミニウム成分、あるいはSiOなどの珪素成分、これらの成分を単独あるいは複合で含むものなどである。窒化珪素を主成分とする焼結体の組成としては実質的にSiだけからなるもの、あるいはY、Er、Ybなどの希土類元素成分、BeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、あるいはAlなどのアルミニウム成分、あるいはSiOなどの珪素成分、あるいはカーボン、モリブデン、タングステンなどの黒色化促進成分、あるいはTiO、Cr、MnO、CoO、NiO、Feなどの遷移金属成分、これらの成分を単独あるいは複合で含むものなどである。窒化ガリウムを主成分とする焼結体の組成としては実質的にGaNだけからなるもの、あるいはY、Er、Ybなどの希土類元素成分、BeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、あるいはAlなどのアルミニウム成分、あるいはSiOなどの珪素成分、あるいはカーボン、モリブデン、タングステンなどの黒色化促進成分、あるいはTiO、Cr、MnO、CoO、NiO、Feなどの遷移金属成分、これらの成分を単独あるいは複合で含むものなどである。酸化亜鉛を主成分とする焼結体の組成としては実質的にZnOだけからなるもの、あるいはY、Er、Ybなどの希土類元素成分、あるいはBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、あるいはAlなどのアルミニウム成分、あるいはSiOなどの珪素成分、あるいはTiO、Cr、MnO、CoO、NiO、Feなどの遷移金属成分、これらの成分を単独あるいは複合で含むものなどである。酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の組成としては実質的にBeOだけからなるもの、あるいはY、Er、Ybなどの希土類元素成分、あるいはMgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、あるいはAlなどのアルミニウム成分、あるいはSiOなどの珪素成分、あるいはTiO、Cr、MnO、CoO、NiO、Feなどの遷移金属成分、これらの成分を単独あるいは複合で含むものなどである。酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の組成としては実質的にAlだけからなるもの、あるいはY、Er、Ybなどの希土類元素成分、あるいはBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、あるいはSiOなどの珪素成分、あるいはTiO、Cr、MnO、CoO、NiO、Feなどの遷移金属成分、これらの成分を単独あるいは複合で含むものなどである。
今まで説明してきたように炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いたときこの基板上の表面平滑性を高めることで該基板上に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性を高めることができる。しかしながら該基板の平滑性として平均表面粗さRaが2nm程度のものであっても該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒より大きいものとなり易い。
一方、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用い、該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有する薄膜を形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成することで該単結晶薄膜の結晶性を高めることができる。このような薄膜構成とすることで上記基板の表面平滑性などにあまり影響されずに形成される単結晶薄膜の結晶性を高めることが可能となる。また、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体の組成を最適化することでさらに高い結晶性を有する単結晶薄膜が作製し得る。
前記のように、酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用いたとき該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は該基板の表面平滑性などの影響を受け易く必ずしも結晶性に優れたものとなり得ない場合があるのに対して、該酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板の上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜は該基板の表面平滑性などの影響をより受けにくくなり結晶性はさらに優れたものとなり得る。すなわち、酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用い、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の比較的結晶性に優れたものになるとは必ずしも限らない。それに対して、酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用い、該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は200秒以下の比較的結晶性に優れたものが形成し得る。
上記酸化亜鉛を主成分とする焼結体において、亜鉛以外にBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、あるいはSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分、あるいはSiOなどの珪素成分、あるいはMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiOなどの遷移金属成分、あるいはアルミニウム成分などを含有するものを基板として用いたとき該基板には比較的良好な結晶性の薄膜が形成し得る場合が多い。そのなかでもアルミニウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を用いることが好ましい。通常アルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用いたときその上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性に優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。上記酸化亜鉛を主成分とする焼結体のうちアルミニウム成分をAl換算で0.001モル%〜45.0モル%の範囲で含むものを基板として用いたときその上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の結晶性に優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成できる。さらに、アルミニウム成分をAl換算で0.02モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用いたとき該基板にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が直接形成できる。また、アルミニウム成分をAl換算で0.08モル%〜35.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用いたとき該基板にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が直接形成できる。
また、酸化亜鉛を主成分とする焼結体において、亜鉛以外にSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分、あるいはMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiOなどの遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含有するものを基板として用いた場合でも該基板の上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性に優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。通常上記遷移金属成分としてFe及びCrのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算(それぞれFe及びCrで示される)で10.0モル%以下含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体が好ましく、このような組成の焼結体を基板として用いることでその上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性に優れた単結晶薄膜が形成し得る。
さらに、上記アルミニウム成分を含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いたとき該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、同じ組成のアルミニウム成分を含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板の上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜の結晶性はさらに優れたものとなり得る。具体的に言えば、アルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用いたとき、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すればミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として200秒以下、通常150秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が比較的容易に形成できる。また、アルミニウム成分をAl換算で0.001モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用いれば、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成することによりミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として130秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が比較的容易に形成できる。また、アルミニウム成分をAl換算で0.005モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用いたとき、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すればミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として100秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が比較的容易に形成し得る。
その際、上記アルミニウム成分をAl換算で0.001モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜の結晶性も上記範囲のアルミニウム成分を含まない酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いたものに比べて向上し易く、該配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は9000秒以下のものが比較的容易に形成し得る。また、アルミニウム成分をAl換算で0.005モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板では、該基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として8000秒以下のものが比較的容易に形成し得る。
また、酸化亜鉛を主成分とする焼結体において、亜鉛以外にSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分、あるいはMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiOなどの遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含有するものを基板として用いた場合、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として130秒以下の結晶性に優れたものが比較的容易に形成し得る。通常上記遷移金属成分としてFe及びCrのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算(それぞれFe及びCrで示される)で10モル%以下含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体が好ましく、このような組成の焼結体を基板として用いることでその上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性に優れた単結晶薄膜が形成し得る。
このように酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成すれば、さらにその上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性を向上させる効果がある。その効果は酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板の組成以外の要素、例えば表面平滑性などにも大きく影響されず、例えば平均表面粗さRaを5nm以下にしたものでなくても(すなわち、焼き放しの表面状態の基板、ラップ研磨した表面状態の基板、ブラスト研磨した表面状態の基板、機械的な溝切り加工が施された基板、あるいは鏡面研磨してある基板など、平均表面粗さRaが5nm以上のものであっても)発揮され得る。
このような単結晶薄膜の結晶性に及ぼす酸化亜鉛を主成分とする焼結体中の亜鉛以外の成分そのなかでも特にアルミニウム成分の効果は、例えば該酸化亜鉛を主成分とする焼結体中にBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、あるいはSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分、あるいはSiOなどの珪素成分、あるいはMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiOなどの遷移金属成分、などアルミニウム成分以外の金属成分が少なくとも1種以上含まれていたとしても減じることは少ない。
アルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用いたとき基板の上に形成される単結晶薄膜がこのような高い結晶性を有するものとなる原因は必ずしも明確ではないが、本願発明者は以下のように考えている。アルミニウム成分を含まない酸化亜鉛を主成分とする焼結体は通常白色あるいは黄白色を呈しているのに対してアルミニウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体は通常青色に呈色しアルミニウム成分の含有量の増加に伴って呈色性が増大する傾向を有する。上記青色への呈色は酸化亜鉛中に存在するAlイオンが酸化亜鉛の結晶格子へ入り込みZnイオンと置換されてドナー準位を形成するためであり、上記Alイオンによる酸化亜鉛結晶中のZnイオンとの置換により該酸化亜鉛結晶の大きさが小さくなる方向へ変化し(すなわち格子定数が小さくなる)、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の成長開始時における薄膜結晶の成長方向がより揃い易くなり(エピタキシャル成長性が自発的に高まり)、その結果このようなアルミニウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用いたときその上には結晶性に優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成され易くなるものと本願発明者は推測している。
アルミニウム成分を含まない酸化亜鉛を主成分とする焼結体の導電性は通常小さいが、上記アルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体の導電性は向上する。具体的にいえば、アルミニウム成分をAl換算で0.001モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体の導電性は向上し例えば室温における抵抗率が少なくとも1×10Ω・cm以下のものが得られ易い。アルミニウム成分をAl換算で0.005モル%〜45.0モル%の範囲含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体では室温における抵抗率が少なくとも1×10Ω・cm以下のものが得られ易く該焼結体を導通ビアのない基板として用いることが可能となるので好ましい。また、アルミニウム成分をAl換算で0.02モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体では室温における抵抗率が少なくとも1×10Ω・cm以下のものが得られ易く該焼結体を導通ビアのない基板として用いることが可能となるのでより好ましい。アルミニウム成分をAl換算で0.08モル%〜35.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体では室温における抵抗率が少なくとも1×10−1Ω・cm以下のものが得られ易く該焼結体を導通ビアのない基板として用いることが可能となるのでさらに好ましい。アルミニウム成分をAl換算で0.2モル%〜25.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体では室温における抵抗率が少なくとも1×10−2Ω・cm以下のものが得られ易く、1〜2×10−3Ω・cm程度のより低い抵抗率を有するものも得られる。このような導電性を有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体は特に基板の上下表面を電気的に接続するための導通ビアを設ける必要がないので好ましい。また、上記酸化亜鉛を主成分とする焼結体はBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、あるいはMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiOなどの遷移金属成分、あるいはSiOなどの珪素成分、あるいはSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分、などのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分がアルミニウム成分以外に含まれていたとしても導電性が損なわれる程度は少ない。上記酸化亜鉛を主成分とする焼結体中に含まれるアルミニウム以外の成分の含有量としては導電性が損なわれる程度が小さければどのようなものであってもよい。通常該アルミニウム以外の成分の含有量として酸化物換算で10.0モル%以下であることが導電性が損なわれる程度が小さいので好ましい。
また、導電性を有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体は亜鉛以外の成分としてアルミニウム成分だけでなく、Sc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分、あるいはMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiOなどの遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10モル%以下含有するものでも得ることが可能である。通常上記遷移金属成分としてFe及びCrのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10モル%以下含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体が好ましく、このような組成の焼結体を基板として用いることでその上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性に優れた単結晶薄膜が形成し得る。
上記酸化亜鉛を主成分とする焼結体はCOやHなどを含む還元性雰囲気、あるいはAr、He、Nなどを含む非酸化性雰囲気、あるいは減圧状態、あるいはホットプレスなどによる高圧状態などの雰囲気中で焼成することで比較的高い光透過性を有するものが作製できるが、特にこのような雰囲気を用いず常圧の大気中で焼成を行ったものであっても比較的高い光透過性を有するものを作製可能である。すなわち、酸化亜鉛を主成分とする焼結体はどのような組成のものであっても少なくとも波長380nm以上の可視光及び可視光より波長の長い光に対して光透過性を有するものが作製し得る。例えば、酸化亜鉛を主成分とする焼結体はどのような組成のものであっても光透過率1%以上のものが作製し得る。通常酸化亜鉛成分をZnO換算で55.0モル%以上含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体において光透過率1%以上のものが作製し得る。また、例えば添加物を用いず焼成し実質的にZnOだけからなる酸化亜鉛を主成分とする焼結体では光透過率10%以上のものが作製し得る。なお、本発明において酸化亜鉛を主成分とする焼結体の光透過率は少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものである。上記光透過率は波長605nmの光に対して測定されたものである。本発明においては今後特に断らない限り酸化亜鉛を主成分とする焼結体の光透過率には上記測定値を用いた。
また、上記のようにアルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体は上記のように導電性を有するだけでなく光透過性を有するものが作製し得る。上記アルミニウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体の光透過率としては1%以上のものが作製でき、通常光透過率10%以上のものが作製し得る。さらに、上記のようにアルミニウム成分をAl換算で0.001モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体は上記のように導電性を有するだけでなく光透過率20%以上に向上したものが得られ易く、光透過率30%以上、40%以上、50%以上、60%以上さらに80%以上のものも作製し得る。なお上記光透過率とはガラスなどの透明体の直線透過率ではなく窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率と同様に全透過率を意味する。
詳しく説明すれば、このような光透過性を有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体は他にBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、あるいはMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiOなどの遷移金属成分、あるいはSiOなどの珪素成分、あるいはSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分、などの金属成分がアルミニウム成分以外に含まれていたとしても光透過性あるいは導電性が減じることは少ない。その中で例えばAlなどのアルミニウム成分と同時にSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体であっても光透過率20%以上のものを得ることができる。また、上記希土類元素成分を酸化物換算で0.0002モル%〜10.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体はさらに光透過率が向上し易くなり光透過率30%以上のものが得られ易くなり、本発明においては最大84%のものも得られた。すなわちアルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含み同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.0002モル%〜10.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体は光透過率30%以上のものが得られ易い。また、アルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含みさらに希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.0006モル%〜6.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体は光透過率40%以上のものが得られ易い。また、アルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含みさらに希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.001モル%〜6.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体は光透過率50%以上のものが得られ易い。また、アルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含みさらに希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.002モル%〜3.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体は光透過率60%以上のものが得られ易い。
なお、上記酸化亜鉛を主成分とする焼結体に含まれる希土類元素成分の含有量の換算に用いる酸化物とはSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luを意味する。また、上記アルミニウム成分と希土類元素成分とを同時に含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体におけるアルミニウム成分の含有量はAl換算で0.001モル%〜45.0モル%の範囲であることが光透過性を高める上では好ましい。このようにアルミニウム成分と希土類元素成分とを同時に含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体はより光透過性の優れたものが得られ易いが、アルミニウム成分と希土類元素成分とを同時含むことによって導電性が損じられることは少ない。
また、上記アルミニウム成分の他に希土類元素成分とを同時に含む比較的高い光透過性を有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用いた場合でも、該基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜、あるいは窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜の結晶性は、アルミニウム成分を含むが実質的に希土類元素成分を含まない酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用いたものに比べて通常は同じ程度であり、結晶性が大きく低下するなどの変化は少ない。
上記のように、アルミニウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体は導電性とともに比較的高い光透過性とを有するものが比較的容易に作製し得る。
また上記のように、アルミニウム成分と希土類元素成分とを同時に含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体は導電性とともにより高い光透過性とを有するものが比較的容易に作製し得る。
また、上記のような酸化亜鉛などの導電性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いて発光素子を作製すれば、基板に導通ビアを形成せずに上下に電極を配して電極と素子との電気的接続をはかるという形状の発光素子が作製し得るという特徴を有する。導電性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いる場合該焼結体の室温における抵抗率としては1×10Ω・cm以下であれば上下に電極を配した形状の発光素子であっても少ない損失で十分な電力を供給し得る。導電性を有する焼結体の室温における抵抗率としては室温において1×10Ω・cm以下のものが好ましく、1×10Ω・cm以下のものがより好ましく、1×10−1Ω・cm以下のものがさらに好ましい。
また、本発明において前記のように、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用いたとき該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は該基板の表面平滑性などの影響を受け易く必ずしも結晶性に優れたものとなり得ない場合があるのに対して、該酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板の上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜は該基板の表面平滑性などの影響をより受けにくくなり結晶性はさらに優れたものとなり得る。すなわち、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用い、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の比較的結晶性に優れたものになるとは必ずしも限らない。それに対して、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用い、あらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は200秒以下の比較的結晶性に優れたものが形成し得る。
上記酸化ベリリウムを主成分とする焼結体において、ベリリウム以外にマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有するものを基板として用いたとき該基板には比較的良好な結晶性の薄膜が形成し得る。通常マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計35.0モル%以下の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用いたときその基板上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性に優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。上記酸化ベリリウムを主成分とする焼結体のうちマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.0002モル%〜35.0モル%の範囲で含むものを基板として用いたときその基板上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の結晶性に優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成できる。また、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.004モル%〜35.0モル%の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用いたとき該基板にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が直接形成できる。また、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.015モル%〜25.0モル%の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用いたとき該基板にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が直接形成できる。
なお、上記酸化ベリリウムを主成分とする焼結体において、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分、各成分の含有量として酸化物換算した値が用いられているが換算に用いた酸化物とはマグネシウム成分の場合MgO、カルシウム成分の場合はCaO、珪素成分の場合はSiOである。以下本発明において酸化ベリリウムを主成分とする焼結体に含まれるマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分、各成分の酸化物換算に用いる化合物としては特に断らない限りそれぞれMgO、CaO、SiOである。
さらに、上記マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分を含有する酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いたとき該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、同じ組成のマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分を含有する酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板の上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜の結晶性はさらに優れたものとなり得る。具体的に言えば、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計35.0モル%以下の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用い、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅としては200秒以下、通常150秒以下の結晶性に優れたものが比較的容易に形成し得る。また、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.0002モル%〜35.0モル%の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用い、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として130秒以下の結晶性に優れたものが比較的容易に形成し得る。また、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.001モル%〜35.0モル%の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用い、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として100秒以下の結晶性に優れたものが比較的容易に形成し得る。
その際、上記マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.0002モル%〜35.0モル%の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜の結晶性も上記範囲のマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分を含まない酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いたものに比べて向上し易く、該配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は9000秒以下のものが比較的容易に形成し得る。また、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.001モル%〜35.0モル%の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板では、該基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜では該配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として8000秒以下のものが比較的容易に形成し得る。
このように酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成すれば、さらにその上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性を向上させる効果がある。その効果は酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板の組成以外の要素、例えば表面平滑性などにも大きく影響されず、例えば平均表面粗さRaを5nm以下にしたものでなくても(すなわち、焼き放しの表面状態の基板、ラップ研磨した表面状態の基板、ブラスト研磨した表面状態の基板、機械的な溝切り加工が施された基板、あるいは鏡面研磨してある基板など、平均表面粗さRaが5nm以上のものであっても)発揮され得る。
このような単結晶薄膜の結晶性に及ぼす酸化ベリリウムを主成分とする焼結体中のマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むことの効果は、例えば該酸化ベリリウムを主成分とする焼結体中にSrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、あるいはSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分、その他MnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiOなど、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分以外の金属成分が含まれていたとしても減じることは少ない。マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計35.0モル%以下の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用いたときその上に形成される単結晶薄膜がこのような高い結晶性を有するものとなる原因については必ずしも明確ではないが、おそらく上記の成分は粒界相となって酸化ベリリウム粒子間に存在し一部の酸化ベリリウム粒子の異常粒子成長を抑制するので粒子間の空隙が少なく酸化ベリリウム結晶粒子の大きさが比較的揃った微構造の焼結体となりその結果形成される単結晶薄膜の結晶性の向上をもたらすものと本願発明者は考えている。
また、上記酸化ベリリウムを主成分とする焼結体は通常COやHなどを含む還元性雰囲気、あるいはAr、He、Nなどを含む非酸化性雰囲気、あるいは減圧状態、あるいはホットプレスなどによる高圧状態などの雰囲気中で焼成することで高い光透過性を有するものが作製できるが、このような雰囲気を用いず常圧の大気中で焼成を行ったものであっても比較的高い光透過性を有するものが得られる。すなわち、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体はどのような組成のものであっても少なくとも波長200nm以上の紫外光、可視光及び可視光より波長の長い光に対して光透過性を有するものが作製し得る。例えば、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体はどのような組成のものであっても光透過率1%以上のものが作製し得る。通常酸化ベリリウム成分をBeO換算で65.0モル%以上含有する酸化ベリリウムを主成分とする焼結体において光透過率1%以上のものが作製し得る。また、例えば添加物を用いず焼成し実質的にBeOだけからなる酸化ベリリウムを主成分とする焼結体では光透過率10%以上のものが作製し得る。なお、本発明において酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の光透過率は少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものである。上記光透過率は波長605nmの光に対して測定されたものである。本発明においては今後特に断らない限り酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の光透過率には上記測定値を用いた。
また、上記のようにマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計35.0モル%以下の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体でも光透過率が10%以上のものが作製し得る。さらに、上記のようにマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.0002モル%〜35.0モル%の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体は光透過率が20%以上に向上したものが得られ易く、光透過率30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、さらに80%以上のものも作製し得る。なお上記光透過率とはガラスなどの透明体の直線透過率ではなく窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率と同様に全透過率を意味する。
詳しく説明すれば、上記に示すような酸化ベリリウムを主成分とする焼結体はSrO、BaO、MnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiO、Sc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなど、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分以外の他の金属成分が含まれていたとしても光透過性が減じることは少ない。その中で例えばMgOなどのマグネシウム成分、CaOなどのカルシウム成分、SiOなどの珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分と同時にSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計5.0モル%以下含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体であっても光透過率20%以上のものを得ることができる。また、上記希土類元素成分を酸化物換算で0.00005モル%〜5.0モル%の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体はさらに光透過性が向上し易くなり光透過率30%以上のものが得られ易くなり、本発明においては最大81%のものも得られた。すなわちマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計35.0モル%以下の範囲で含み、さらに希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.00005モル%〜5.0モル%の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体は光透過率30%以上のものが得られ易い。また、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計35.0モル%以下の範囲で含み、さらに希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.0005モル%〜3.0モル%の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体は光透過率40%以上のものが得られ易い。また、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計35.0モル%以下の範囲で含み、さらに希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.002モル%〜3.0モル%の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体は光透過率50%以上のものが得られ易い。また、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計35.0モル%以下の範囲で含み、さらに希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.005モル%〜3.0モル%の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体は光透過率60%以上のものが得られ易い。
なお、上記酸化ベリリウムを主成分とする焼結体に含まれる希土類元素成分の含有量の換算に用いる酸化物とはSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luである。また、上記マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうち少なくとも1種以上を含み、さらに希土類元素成分を含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体において、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量としては酸化物換算で合計0.0002モル%〜35.0モル%の範囲であることが、光透過性を高める上では好ましい。
また、上記マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうち少なくとも1種以上の成分を含みさらに希土類元素成分を同時に含む比較的高い光透過性を有する酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用いた場合でも、該基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜、あるいは窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜の結晶性は、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうち少なくとも1種以上の成分を含むが実質的に希土類元素成分を含まない酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用いたものに比べて通常は同じ程度であり、結晶性が大きく低下するなどの変化は少ない。
本発明において前記のように、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いたとき該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は該基板の表面平滑性などの影響を受け易く必ずしも結晶性に優れたものとなり得ない場合があるのに対して、該酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜は該基板の表面平滑性などの影響をより受けにくくなり結晶性はさらに優れたものとなり得る。すなわち、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は200秒以下の比較的結晶性に優れたものになるとは必ずしも限らない。それに対して、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い、あらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は200秒以下の比較的結晶性に優れたものが形成し得る。
上記酸化アルミニウムを主成分とする焼結体において、アルミニウム以外にマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有するものを基板として用いたとき該基板には比較的良好な結晶性の薄膜が形成し得る。通常マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計45.0モル%以下の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いたときその基板上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性に優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。上記酸化アルミニウムを主成分とする焼結体のうちマグネシウム、カルシウム、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.001モル%〜45.0モル%の範囲で含むものを基板として用いたときその基板上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の結晶性に優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成できる。また、マグネシウム、カルシウム、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.02モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いたとき該基板にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が直接形成できる。また、マグネシウム、カルシウム、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.08モル%〜35.0モル%の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いたとき該基板にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が直接形成できる。
なお、上記酸化アルミニウムを主成分とする焼結体において、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分、各成分の含有量として酸化物換算した値が用いられているが換算に用いた酸化物とはマグネシウム成分の場合MgO、カルシウム成分の場合はCaO、珪素成分の場合はSiOである。以下本発明において酸化アルミニウムを主成分とする焼結体に含まれるマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分、各成分の酸化物換算に用いる化合物としては特に断らない限りそれぞれMgO、CaO、SiOである。
さらに、上記マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分を含有する酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いたとき該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、同じ組成のマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分を含有する酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜の結晶性はさらに優れたものとなり得る。具体的に言えば、マグネシウム、カルシウム、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計45.0モル%以下の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅としては200秒以下、通常150秒以下の結晶性に優れたものが比較的容易に形成できる。また、マグネシウム、カルシウム、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.001モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として130秒以下の結晶性に優れたものが比較的容易に形成できる。また、マグネシウム、カルシウム、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.005モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として100秒以下の結晶性に優れたものが比較的容易に形成し得る。
その際、上記マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.001モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜の結晶性も上記範囲のマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分を含まない酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いたものに比べて向上し易く、該配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は9000秒以下のものが比較的容易に形成し得る。また、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.005モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板では、該基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として8000秒以下のものが比較的容易に形成し得る。
このように酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成すれば、さらにその上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶の結晶性を向上させる効果がある。その効果は酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の組成以外の要素、例えば表面平滑性などにも大きく影響されず、例えば平均表面粗さRaを5nm以下にしたものでなくても(すなわち、焼き放しの表面状態の基板、ラップ研磨した表面状態の基板、ブラスト研磨した表面状態の基板、機械的な溝切り加工が施された基板、あるいは鏡面研磨してある基板など、平均表面粗さRaが5nm以上のものであっても)発揮され得る。
このような単結晶薄膜の結晶性に及ぼす酸化アルミニウムを主成分とする焼結体中のマグネシウム、カルシウム、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含むことの効果は、例えば該酸化アルミニウムを主成分とする焼結体中にBeO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、あるいはSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分、その他MnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiOなど、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分以外の金属成分が含まれていたとしても減じることは少ない。マグネシウム、カルシウム、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計45.0モル%以下の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いたときその上に形成される単結晶薄膜がこのような高い結晶性を有するものとなる原因については必ずしも明確ではないが、おそらく上記の成分は粒界相となって酸化アルミニウム粒子間に存在し一部の酸化アルミニウム粒子の異常粒子成長を抑制するので粒子間の空隙が少なく酸化アルミニウム結晶粒子の大きさが比較的揃った微構造の焼結体となりその結果形成される単結晶薄膜の結晶性の向上をもたらすものと本願発明者は考えている。
また、上記酸化アルミニウムを主成分とする焼結体は通常COやHなどを含む還元性雰囲気、あるいはAr、He、Nなどを含む非酸化性雰囲気、あるいは減圧状態、あるいはホットプレスなどによる高圧状態などの雰囲気中で焼成することで高い光透過性を有するものが作製できるが、このような雰囲気を用いず常圧の大気中で焼成を行ったものであっても比較的高い光透過性を有するものが得られる。すなわち、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体はどのような組成のものであっても少なくとも波長160nm以上の紫外光、可視光及び可視光より波長の長い光に対して光透過性を有するものが作製し得る。例えば、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体はどのような組成のものであっても光透過率1%以上のものが作製し得る。通常酸化アルミニウム成分をAl換算で55.0モル%以上含有する酸化アルミニウムを主成分とする焼結体において光透過率1%以上のものが作製し得る。また、例えば添加物を用いず焼成し実質的にAlだけからなる酸化アルミニウムを主成分とする焼結体では光透過率10%以上のものが作製し得る。なお、本発明において酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率は少なくとも波長160nm〜800nmの範囲の光に対してのものである。上記の光透過率は波長605nmの光に対して測定されたものである。本発明においては今後特に断らない限り酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率には上記測定値を用いた。
また、上記のようにマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体のうち、少なくともMgOなどのマグネシウム成分及びCaOなどのカルシウム成分及びSiOなどの珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計45.0モル%以下の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体は通常光透過率が10%以上のものが作製し得る。さらに、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体のうち、少なくともMgOなどのマグネシウム成分及びCaOなどのカルシウム成分及びSiOなどの珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.001モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体は通常光透過率が20%以上に向上したものが得られ易く、光透過率30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、さらに80%以上のものも作製し得る。なお、上記光透過率とはガラスなどの透明体の直線透過率ではなく窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率と同様に全透過率を意味する。
詳しく説明すれば、このような酸化アルミニウムを主成分とする焼結体はBeO、SrO、BaO、MnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiO、Sc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなど、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分以外の他の金属成分が含まれていたとしても光透過性が減じることは少ない。その中で例えばMgOなどのマグネシウム成分及びCaOなどのカルシウム成分及びSiOなどの珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含み、さらに同時にSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体であっても光透過率20%以上のものを得ることができる。また、上記希土類元素成分を酸化物換算で0.0002モル%〜10.0モル%の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体はさらに光透過性が向上し易くなり光透過率30%以上のものが得られ易くなり、本発明においては最大82%のものも得られた。すなわち、マグネシウム成分及びカルシウム成分及び珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計45.0モル%以下含み、さらに同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.0002モル%〜10.0モル%の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体は光透過率30%以上のものが得られ易い。また、マグネシウム成分及びカルシウム成分及び珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計45.0モル%以下含み、さらに同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.001モル%〜6.0モル%の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体は光透過率40%以上のものが得られ易い。また、マグネシウム成分及びカルシウム成分及び珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計45.0モル%以下含み、さらに同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.005モル%〜6.0モル%の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体は光透過率50%以上のものが得られ易い。また、マグネシウム成分及びカルシウム成分及び珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計45.0モル%以下含み、さらに同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.01モル%〜3.0モル%の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体は光透過率60%以上のものが得られ易い。
また、上記マグネシウム成分及びカルシウム成分及び珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含みさらに同時に希土類元素成分を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体において、含まれるマグネシウム成分及びカルシウム成分及び珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分は酸化物換算で合計0.001モル%〜45.0モル%の範囲であることが、光透過性を高める上では好ましい。
なお、上記酸化アルミニウムを主成分とする焼結体に希土類元素成分と同時に含まれるマグネシウム成分及びカルシウム成分及び珪素成分としては通常これらのうちの少なくとも2種以上を用いることが光透過性をより向上させる上で好ましい。MgOなどのマグネシウム成分及びCaOなどのカルシウム成分及びSiOなどの珪素成分のうちから選ばれた少なくとも2種以上の成分を含むということは具体的にはマグネシウム成分と珪素成分とを同時に含む、あるいはカルシウム成分と珪素成分とを同時に含む、あるいはマグネシウム成分とカルシウム成分とを同時に含む、あるいはマグネシウム成分とカルシウム成分及び珪素成分の3成分を同時に含むということを意味する。上記酸化アルミニウムを主成分とする焼結体に含まれるマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分の含有量の換算に用いる酸化物とはそれぞれマグネシウム成分でMgO、カルシウム成分でCaO、珪素成分でSiOである。また、上記酸化アルミニウムを主成分とする焼結体に含まれる希土類元素成分の含有量の換算に用いる酸化物とはSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luである。
また、上記マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含みさらに希土類元素成分を同時に含む比較的高い光透過性を有する酸化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいはマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上あるいは2種以上の成分を含みさらに希土類元素成分を同時に含む比較的高い光透過性を有する酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いた場合でも、該基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜、あるいは窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜の結晶性は、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうち少なくとも1種以上の成分を含むが実質的に希土類元素成分を含まない酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いたものに比べて通常は同じ程度であり、大きく結晶性が低下するなどの変化は少ない。
前記のように、窒化ガリウムを主成分とする焼結体を基板として用いたとき該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は該基板の表面平滑性などの影響を受け易く必ずしも結晶性に優れたものとなり得ない場合があるのに対して、該窒化ガリウムを主成分とする焼結体からなる基板の上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜は該基板の表面平滑性などの影響をより受けにくくなり結晶性はさらに優れたものとなり得る。すなわち、窒化ガリウムを主成分とする焼結体を基板として用い、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の比較的結晶性に優れたものになるとは必ずしも限らない。それに対して、窒化ガリウムを主成分とする焼結体を基板として用い、該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は200秒以下の比較的結晶性に優れたものが形成し得る。
上記窒化ガリウムを主成分とする焼結体において、ガリウム以外にBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、及びSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分、及びMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiO、MoO、WO、Nb、Ta、Vなどの遷移金属元素成分、及びアルミニウム成分、及びインジウム成分、及び酸素、及び亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、炭素(C)、珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、セレン(Se)、テルル(Te)などの成分を少なくとも1種以上含有するものを用いたとき該焼結体には比較的良好な結晶性の薄膜が形成し得る場合が多い。なお、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素などの成分を少なくとも1種以上含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体は比較的高い導電性を有するものが作製し得る。
通常ガリウム成分をGaN換算で55.0モル%以上含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いたときその上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性に優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。上記窒化ガリウムを主成分とする焼結体のうちBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、及びSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分を含むものは該焼結体に形成される単結晶薄膜の結晶性向上に有効な作用を及ぼす。アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分は窒化ガリウムを主成分とする焼結体中にそれぞれ単独で含まれていてもよいしあるいは同時に含まれていてもよい。該アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で30.0モル%以下含むものを用いたときその上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の結晶性に優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成できる。さらに、BeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、及びSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で20.0モル%以下含窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いたときその上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が直接形成できる。また、BeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、及びSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いたときその上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が直接形成できる。
また、上記窒化ガリウムを主成分とする焼結体として、その他ガリウム以外にMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiO、MoO、WO、Nb、Ta、Vなどの遷移金属元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で10.0モル%以下含有するものを用いた場合でも該焼結体の上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性に優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。通常上記遷移金属元素成分としてMo、W、Nb、Ta、V、及びTiのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で10.0モル%以下含有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体が好ましく、このような組成の焼結体を用いることでその上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性に優れた単結晶薄膜が形成し得る。
また、上記窒化ガリウムを主成分とする焼結体として、ガリウム以外にZn、Cd、Be、Mg、C、Si、Ge、Se、Teなどのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有するものは比較的高い導電性を有するが得られ易いが、該Zn、Cd、Be、Mg、C、Si、Ge、Se、Teなどのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で10.0モル%以下含有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いた場合でも該焼結体の上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性に優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。
また、上記窒化ガリウムを主成分とする焼結体として、その他ガリウム以外にアルミニウム、及びインジウム、及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で40.0モル%以下含有するものを用いた場合でも該焼結体の上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性に優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。
さらに、上記アルミニウム成分を含有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いたとき該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、同じ組成の窒化ガリウムを主成分とする焼結体の上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜の結晶性はさらに優れたものとなり得る。具体的に言えば、ガリウム成分をGaN換算で55.0モル%以上含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いたとき、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すればミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として200秒以下、通常150秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が比較的容易に形成できる。また、BeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、及びSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で30.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いれば、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成することによりミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として130秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が比較的容易に形成できる。また、BeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、及びSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で20.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いたとき、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すればミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として100秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が比較的容易に形成し得る。
その際、上記BeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、及びSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で30.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜の結晶性も上記範囲のアルミニウム成分を含まない窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いたものに比べて向上し易く、該配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は9000秒以下のものが比較的容易に形成し得る。また、BeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、及びSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で20.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体では、該焼結体にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として8000秒以下のものが比較的容易に形成し得る。
また、窒化ガリウムを主成分とする焼結体として、ガリウム以外にMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiO、MoO、WO、Nb、Ta、Vなどの遷移金属元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で10.0モル%以下含有するものを用いた場合、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として130秒以下の結晶性に優れたものが比較的容易に形成し得る。また、上記遷移金属元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で5.0モル%以下含有するものを用いた場合、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として100秒以下の結晶性に優れたものが比較的容易に形成し得るので好ましい。通常上記遷移金属元素成分としてMo、W、Nb、Ta、V、及びTiのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で10.0モル%以下含有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体が好ましく、このような組成の焼結体を用いることでその上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性に優れた単結晶薄膜が形成し得る。
また、窒化ガリウムを主成分とする焼結体として、その他ガリウム以外にZn、Cd、C、Si、Ge、Se、Teなどのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で10.0モル%以下含有するものを用いた場合、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として130秒以下の結晶性に優れたものが比較的容易に形成し得る。また、上記Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Teなどのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で5.0モル%以下含有するものを用いた場合、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として100秒以下の結晶性に優れたものが比較的容易に形成し得るので好ましい。
また、窒化ガリウムを主成分とする焼結体として、その他ガリウム以外にアルミニウム、及びインジウム、及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で40.0モル%以下含有するものを用いた場合、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として130秒以下の結晶性に優れたものが比較的容易に形成し得る。また、上記アルミニウム、及びインジウム、及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で30.0モル%以下含有するものを用いた場合、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として100秒以下の結晶性に優れたものが比較的容易に形成し得るので好ましい。
このように窒化ガリウムを主成分とする焼結体にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成すれば、さらにその上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性を向上させる効果がある。その効果は窒化ガリウムを主成分とする焼結体の組成以外の要素、例えば表面平滑性などにも大きく影響されず、例えば平均表面粗さRaを5nm以下にしたものでなくても(すなわち、焼き放しの表面状態の焼結体、ラップ研磨した表面状態の焼結体、ブラスト研磨した表面状態の焼結体、表面に機械的な溝切り加工が施された焼結体、あるいは鏡面研磨してある焼結体、など平均表面粗さRaが5nm以上のものであっても)発揮され得る。
このような単結晶薄膜の結晶性に及ぼす窒化ガリウムを主成分とする焼結体中のガリウム以外の成分のなかでも特にBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、及びSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分の効果は、例えば該窒化ガリウムを主成分とする焼結体中にMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiO、MoO、WO、Nb、Ta、Vなどの遷移金属元素成分、アルミニウム成分、インジウム成分、酸素、及びZn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、などアルカリ土類金属成分及び希土類元素成分以外の成分が少なくとも1種以上含まれていたとしても減じることは少ない。
ガリウム成分をGaN換算で55.0モル%以上含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いたとき該焼結体の上に形成される単結晶薄膜がこのような高い結晶性を有するものとなる原因は必ずしも明確ではないが、本願発明者は窒化ガリウムを主成分とする焼結体は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウム各薄膜と同じウルツ鉱型結晶の結晶構造であるため窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が自発的に単結晶化し易いためと推測している。
窒化ガリウムを主成分とする焼結体は窒化ガリウム粒子からなり従って粒界が存在しており、単結晶や薄膜などのように比較的均質に近い状態ではないにもかかわらず通常導電性を有するものが得られる場合が多い。該窒化ガリウムを主成分とする焼結体がBe、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素などの成分を実質的に含まないものであっても室温における抵抗率1×10Ω・cm以下の導電性を有するものが得られる場合が多い。また、Be、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体の導電性は向上し易いので好ましい。すなわち、Be、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素などの成分を実質的に含まない窒化ガリウムを主成分とする焼結体は室温における抵抗率が必ずしも1×10Ω・cm以下の導電性を有するとは限らないがBe、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体の導電性は室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下に向上し易いので好ましい。より具体的に言えば、Be、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を元素換算で10.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体の導電性は向上し例えば室温における抵抗率が少なくとも1×10Ω・cm以下のものが得られ易い。また、Be、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で0.00001モル%〜10.0モル%の範囲含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体の導電性は向上し例えば室温における抵抗率が少なくとも1×10Ω・cm以下のものが得られ易い。また、Be、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で0.00001モル%〜7.0モル%の範囲含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体では室温における抵抗率が少なくとも1×10Ω・cm以下のものが得られ易く該焼結体を導通ビアのない基板として用いることが可能となるので好ましい。また、Be、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で0.00001モル%〜5.0モル%の範囲で含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体では室温における抵抗率が少なくとも1×10Ω・cm以下のものが得られ易く該焼結体を導通ビアのない基板として用いることが可能となるのでより好ましい。また、Be、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で0.00001モル%〜3.0モル%の範囲で含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体では室温における抵抗率が少なくとも1×10−1Ω・cm以下のものが得られ易く該焼結体を導通ビアのない基板として用いることが可能となるのでさらに好ましい。このような組成の窒化ガリウムを主成分とする焼結体において室温における抵抗率が1×10−2Ω・cm以下あるいはさらに1〜2×10−3Ω・cm程度のより低い抵抗率を有するものも得られる。このような導電性を有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体は特に基板の上下表面を電気的に接続するための導通ビアを設ける必要がないので好ましい。
また、上記窒化ガリウムを主成分とする焼結体はCaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、及びSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分、及びMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiO、MoO、WO、Nb、Ta、Vなどの遷移金属元素成分、及びアルミニウム成分、インジウム成分などのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分がBe、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分以外に含まれていたとしても導電性が損なわれる程度は少ない。上記窒化ガリウムを主成分とする焼結体中に含まれるBe、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分以外の成分の含有量は導電性が損なわれる程度が小さければどのようなものであってもよい。通常該Be、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分以外の成分の含有量としてアルカリ土類金属成分及び希土類元素成分は酸化物換算で10.0モル%以下、遷移金属元素成分は元素換算で10.0モル%以下、アルミニウム成分及びインジウム成分は元素換算で40.0モル%以下であることが導電性が損なわれる程度が小さいので好ましい。
また、導電性を有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体はガリウム以外の成分としてBe、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分だけでなく、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分及びSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下、あるいはMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiO、MoO、WO、Nb、Ta、Vなどの遷移金属元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で10.0モル%以下、あるいは成分アルミニウム成分及びインジウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で40.0モル%以下含有するものでも得ることが可能である。
上記窒化ガリウムを主成分とする焼結体はCOやHなどを含む還元性雰囲気及びAr、He、Nなどを含む非酸化性雰囲気の常圧中、あるいは減圧中、あるいはホットプレスやHIPなどによる高圧下で焼成することにより比較的高い光透過性を有するものが作製し得る。すなわち、窒化ガリウムを主成分とする焼結体はどのような組成のものであっても通常少なくとも波長360nm以上の可視光及び可視光より波長の長い光に対して光透過性を有するものが作製し得る。例えば、窒化ガリウムを主成分とする焼結体はどのような組成のものであっても光透過率1%以上のものが作製し得る。通常ガリウム成分をGaN換算で55.0モル%以上含有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体において光透過率1%以上のものが作製し得る。また、例えば添加物を用いず焼成し実質的にGaNだけからなる窒化ガリウムを主成分とする焼結体では光透過率10%以上のものが作製し得る。なお、本発明において窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率は少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものである。上記光透過率は波長605nmの光に対して測定されたものである。本発明においては今後特に断らない限り窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率には上記測定値を用いた。
その中で例えばBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分及びSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分は窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過性に有効な作用を及ぼす。アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分は窒化ガリウムを主成分とする焼結体中にそれぞれ単独で含まれていてもよいしあるいは同時に含まれていてもよい。該アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で30.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体は光透過率10%以上のものが作製し得る。また、上記アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で20.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体はさらに光透過性が向上し易くなり光透過率20%以上のものが得られ易い。また、アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体は光透過率30%以上のものが得られ易い。また、アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で6.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体は光透過率40%以上のものが得られ易い。また、アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で3.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体は光透過率50%以上のものが得られ易い。また、アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.0001モル%〜3.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体は光透過率60%以上のものが得られ易い。さらに光透過率80%以上のものも作製し得る。本発明においては光透過率が最大86%のものが得られた。
その他、MnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiO、MoO、WO、Nb、Ta、Vなどの遷移金属元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で10.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体では光透過率10%以上のものが作製し得る。また、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Teのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で10.0モル%以下の範囲で含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体では光透過率10%以上のものが作製し得る。さらに、アルミニウム及びインジウム及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で40.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体では光透過率10%以上のものが作製し得る。また、アルミニウム及びインジウム及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で30.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体では光透過率20%以上のものが作製し得るので好ましい。
また、上記アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分、あるいはMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiO、MoO、WO、Nb、Ta、Vなどの遷移金属元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分、あるいはZn、Cd、C、Si、Ge、Se、Teのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分、あるいはアルミニウム及びインジウム及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分、といった成分を少なくとも2種以上同時に含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体であっても光透過性のものが作製し得る。例えば、BeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分及びSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で30.0モル%以下含み同時にMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiO、MoO、WO、Nb、Ta、Vなどの遷移金属元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で10.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体、あるいは上記範囲のアルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含み同時にZn、Cd、C、Si、Ge、Se、Teのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で10.0モル%以下の範囲で含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体、あるいは上記範囲のアルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含み同時にアルミニウム及びインジウム及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で40.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体、であってもそれぞれ光透過率10%以上のものが作製し得る。
なお、上記アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分、あるいはMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiO、MoO、WO、Nb、Ta、Vなどの遷移金属元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分、あるいはZn、Cd、C、Si、Ge、Se、Teのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分、あるいはアルミニウム及びインジウム及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分、といった成分を少なくとも2種以上同時に含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体であっても、該焼結体に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜、あるいは窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜の結晶性は、上記アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分、あるいはMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiO、MoO、WO、Nb、Ta、Vなどの遷移金属元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分、あるいはZn、Cd、C、Si、Ge、Se、Teのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分、あるいはアルミニウム及びインジウム及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分、といった成分をそれぞれ単独で含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いたものに比べて通常は同じ程度であり、結晶性が大きく低下するなどの変化は少ない。
また、Be、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体は導電性を有するだけでなく光透過性を有するものが作製し得る。上記Be、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率としては1%以上のものが作製し得る。上記のようにBe、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で10.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体は上記のように導電性を有するだけでなく光透過率10%以上に向上したものが作製し得る。また、Be、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で0.00001モル%〜10.0モル%の範囲で含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体は導電性を有するだけでなく光透過率20%以上のものが作製し得、さらに光超過率が30%以上、40%以上、50%以上、60%以上さらに80%以上のものも作製し得る。
また、このような導電性を有しさらに光透過性を有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体において、Be、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分が含まれているものだけでなく同時にCaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分及びSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むもの、あるいはBe、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分と同時にMnO、CoO、NiO、Fe、Cr、TiO、MoO、WO、Nb、Ta、Vなどの遷移金属元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むもの、あるいはBe、Mg、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分と同時にアルミニウム及びインジウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであったとしても上記導電性あるいは光透過性が減じることは少ない。導電性を有しさらに光透過性を有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体において、上記の例示した成分をそれぞれ1種ずつ計2種含むものだけでなく、どちらかの成分を少なくとも2種以上計3種以上の成分を含むものであっても上記導電性あるいは光透過性が減じることは少ない。本発明において、例えば上記アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分及びZn、Cd、C、Si、Ge、Se、Teのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を同時に含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体は室温における抵抗率1×10Ω・cm以下の導電性を有しかつ光透過性を有するものが作製し得るが、このような組成の窒化ガリウムを主成分とする焼結体において室温における抵抗率1.7×10−2Ω・cmを有し光透過率82%と高い導電性と同時に高い光透過率を有するものもが得られた。
なお上記光透過率とはガラスなどの透明体の直線透過率ではなく窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率と同様に全透過率を意味する。
窒化ガリウムを主成分とする焼結体が上記のような高い光透過性を有する理由については必ずしも明確ではないが、比較的均質で緻密な組織を有するものが容易に作製し得ることが大きな要因であろうと推測される。さらに上記組成の窒化ガリウムを主成分とする焼結体においてより均質で緻密な組織を有するものが作製し得るため光透過性の高いものが得られるものと思われる。
窒化ガリウムを主成分とする焼結体は通常窒化ガリウムを主成分とする粉末を主体とする成形体を非酸化性雰囲気中1000℃〜1700℃程度の温度で焼成することにより比較的容易に作製できる。光透過性を高めるためには通常1200℃以上で焼成することが好ましい。上記の窒化ガリウムを主成分とする焼結体を作製するために使用する窒化ガリウムの原料粉末はどのようなものでも使用できるが、焼結性に優れたものを用いることが光透過性の窒化ガリウムを主成分とする焼結体を作製する上で好ましい。通常平均粒径10μm以下の微粉末であれば好適に用いることができ光透過性の窒化ガリウムを主成分とする焼結体が作製し得る。また、平均粒径5.0μm以下のものがより好ましく、平均粒径2.0μm以下のものがさらに好ましい。また、平均粒径1.0μm以下のものも用いることができる。なお、平均粒径10μmより大きいものであってもボールミルやジェットミルなどで粉砕することにより10μm以下の微粉末とすることにより好適に用いることができる。このような窒化ガリウムを主成分とする原料粉末としては、1)金属ガリウムを窒素やアンモニアなどの窒素含有物質などを用いて直接窒化反応せしめて作製したもの、2)酸化ガリウムをカーボンなどの還元剤と窒素やアンモニアなどの窒素含有物質とを用いて還元窒化して作製したもの、3)ガリウム化合物(例えばトリメチルガリウムなどの有機ガリウム化合物や塩化ガリウムなどの無機ガリウム化合物)を気体となして窒素やアンモニアなどの窒素含有物質と反応させて(要すれば水素などの還元ガスを共存させ)作製した化学輸送法によるもの、などが好適に用いられる。また、その他市販のものも用いることができる。金属ガリウムを直接窒化して窒化ガリウム粉末を作製する方法として、例えば金属ガリウムは融点が低いので通常アルゴン、ヘリウムなどの不活性雰囲気中、あるいは水素などの還元雰囲気中で300℃〜1700℃程度の温度で加熱し金属ガリウムを気化させた後、該気体となった金属ガリウムを窒素やアンモニアなどの窒素成分を含むガスと300℃〜1700℃程度の温度で反応させて窒化ガリウム粉末を作製するといった方法がある。酸化ガリウムを還元窒化して窒化ガリウム粉末を作製する方法として、例えば酸化ガリウム粉末をカーボン粉末とともに混合し窒素やアンモニアなどの窒素成分を含むガスと400℃〜1600℃程度の温度で加熱して酸化ガリウムの還元と窒化反応を行ない窒化ガリウム粉末を作製するといった方法がある。なお反応物中に残留カーボンがあれば大気などの酸化雰囲気中で加熱するなどして除去する。ガリウム化合物を気化させて窒化ガリウム粉末を作製する方法として、例えば塩化ガリウム、臭化ガリウムあるいはトリメチルガリウムなどのガリウム化合物をアルゴン、ヘリウム、窒素などの非酸化性雰囲気中、あるいは水素などの還元雰囲気中で50℃〜1800℃程度の温度で加熱し該塩化ガリウム、臭化ガリウムあるいはトリメチルガリウムなどのガリウム化合物を気化させた後、気体となった該塩化ガリウム、臭化ガリウムあるいはトリメチルガリウムなどのガリウム化合物を窒素やアンモニアなどの窒素成分を含むガスさらに要すれば水素などの還元ガスを加えた窒素やアンモニアなどの窒素成分を含むガスと300℃〜1800℃程度の温度で反応させて窒化ガリウム粉末を作製するといった方法がある。このような焼結体作製用の原料として用い得る窒化ガリウムを主成分とする粉末には不純物として酸素が含まれる場合があるがこのような不純物酸素を含む原料粉末を用いて作製される窒化ガリウムを主成分とする焼結体であっても緻密で光透過性を有するもの、導電性を有するものが作製し得る。通常窒化ガリウム粉末の酸素含有量が10重量%以下であれば該粉末を用いて作製される窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過性あるいは導電性は発現し得る。さらに酸素含有量10重量%以下の窒化ガリウム粉末を用いて作製される窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いた場合、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として300秒以下の単結晶薄膜が比較的容易に直接形成し得る。また該窒化ガリウムを主成分とする焼結体あらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として130秒以下の結晶性に優れたものが比較的容易に形成し得る。窒化ガリウム粉末の酸素含有量が5.0重量%以下であれば少なくとも光透過率5%以上あるいは室温における抵抗率1×10Ω・cm以下の窒化ガリウムを主成分とする焼結体を得るので好ましい。
なお、上記本発明による窒化ガリウムを主成分とする粉末とは通常ガリウム成分をGa換算で55.0モル%以上含む粉末を意味する。
なお、上記窒化ガリウムを主成分とする焼結体に含まれるアルカリ土類金属成分の含有量の換算に用いる酸化物とはBeO、MgO、CaO、SrO、BaOを意味し、希土類元素成分の含有量の換算に用いる酸化物とはSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luを意味する。
本発明において、上記のような窒化ガリウムなどの導電性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製すれば、基板に導通ビアを形成せずに上下に電極を配して電極と素子との電気的接続をはかるという形状の発光素子が作製し得るという特徴を有する。導電性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いる場合該焼結体の室温における抵抗率としては1×10Ω・cm以下であれば上下に電極を配した形状の発光素子が作製し得る。導電性を有する焼結体の室温における抵抗率としては室温において通常1×10Ω・cm以下のものであれば少ない損失で十分な電力を供給し得る。導電性を有する焼結体の室温における抵抗率としては室温において1×10Ω・cm以下のものが好ましく、1×10Ω・cm以下のものがより好ましく、1×10−1Ω・cm以下のものがさらに好ましい。
本発明において、上記のように酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムそれぞれを主成分とする焼結体を基板とすることで高い結晶性の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が作製できる。したがって、このような単結晶薄膜が形成された基板を用いてその上にあらためて薄膜を形成することで発光素子を作製することもできるし、あるいはこのような高い結晶性を有する薄膜をそのまま発光素子を構成する薄膜層の少なくとも一部として使用することにより発光素子を作製することもできる。このような酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムそれぞれを主成分とする焼結体を基板として用いて作製される発光素子は従来からのサファイア基板を用いて作製される発光素子に比べて発光効率が少なくとも同等かそれ以上のものが提供できるようになった。
一方、上記のように酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムそれぞれを主成分とする焼結体は比較的高い光透過性のものが得られ、したがってこのような光透過性の酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムそれぞれを主成分とする焼結体を基板として用いた発光素子も作製できる。このような光透過性の酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムそれぞれを主成分とする焼結体を基板として用いて作製された発光素子はさらに発光効率の優れたものが得られ易いので従来からのサファイア基板を用いて作製される発光素子に比べてより発光効率の優れたものが提供できる。その理由は必ずしも明確でないが、基板が従来からのサファイアなどの単結晶と異なり微粒子から構成される多結晶質の焼結体であり微粒子の結晶方向があらゆる方向を向いているため発光素子からの発光は基板と発光素子を構成する薄膜との界面で反射が減少しそのまま基板内へ透過され易くなり、基板が光透過性であるため基板に進入した光が基板外部へ放出され易くなり発光素子の発光効率が向上し易くなるものと思われる。また発光素子を構成する薄膜層と周囲の雰囲気との界面での反射が生じにくくなり発光素子からの発光が該薄膜層を通して素子外部へ放出され易くなるものと思われる。
なお、本発明において特に断らない限り上記の炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体の光透過率の測定値は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と同様直径25.4mm厚み0.5mmの円盤状で表面を鏡面に研磨した状態の試料を用い所定の波長の光を上記焼結体試料に当て、入射した光の強度と透過した光の強度を分光光度計などで測定しその比を百分率で表わしたものである。波長としては通常特に断らない限り605nmのものを用いて測定されたものである。本発明における光透過率は上記測定用試料を積分球の内部にセットして全透過光を集めこの全透過光と入射光との強度比を百分率で表した全透過率として求めたものである。なお、光透過率として波長605nm以外の光に対するものを測定していなくても波長605nmの光に対しての光透過率を把握していれば本発明による炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体の性能、すなわち例えば発光素子作製用基板として用いたとき作製される発光素子の発光効率を判定し得る。
光透過率は試料の厚みによって変化し本発明による上記炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を薄膜形成用基板、薄膜基板あるいは発光素子作製用基板などとして実際に用いる場合該基板の厚みを薄くして光透過率を高めることは例えば発光素子の発光効率を高める上で有効である。通常薄膜形成用基板、薄膜基板あるいは発光素子作製用基板などとしては厚み0.01mm以上のものを用いることが取り扱い上の強度の点からは好ましい。又厚みが厚くなると光透過率が低下し易いので通常薄膜形成用基板、薄膜基板あるいは発光素子作製用基板などとしては厚み8.0mm以下のものを用いることが好ましい。本発明において上記炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体としてはその厚みが少なくとも0.01mm〜8.0mmの範囲において薄膜形成用基板、薄膜基板あるいは発光素子作製用などの基板として該焼結体を実際に使用する状態で光透過性を有していれば有効である。すなわち、上記炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体はその厚みが少なくとも0.01mm〜8.0mmの範囲あるいはそれ以外であっても実際に使用される状態での光透過率が少なくとも1%以上であればよいのであって、例えば発光素子作製用基板として実際に厚み0.1mmあるいは2.0mmなど厚みが必ずしも0.5mmではないものであっても光透過性を有し例えば光透過率が少なくとも1%以上であれば作製される発光素子の発光効率は向上し易い。
本発明において、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体の光透過性は厚みには関係無い。厚い状態では光透過性を有しないものであっても薄くすることで光透過性を有するものは本発明に含まれる。すなわち、例えば炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが0.5mmのとき光透過性を有しないものであっても厚みを薄くすることで光透過性が発現するものは本発明に含まれる。また、例えば炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが0.5mmより厚いとき光透過性を有しないものであっても厚みを0.5mmとすることで光透過性が発現するものは本発明に含まれる。光透過性を別の言葉で表現すれば、本発明の光透過率として炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体の厚みには関係無く、該焼結体の光透過率が1%以上であれば本発明に含まれる。すなわち、例えば炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが0.5mmのとき光透過率が1%より小さいものであっても厚みを薄くすることで光透過率が1%以上であるものは本発明に含まれる。また、例えば炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが0.5mmより厚いとき光透過率が1%より小さいものであっても厚みを0.5mmとすることで光透過率が1%以上であるものは本発明に含まれる。
上記のように本発明による炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体の光透過性としては実際該焼結体が用いられている状態での光透過性が重要である。したがって炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体として実際該焼結体が用いられている状態で光透過性を有していれば本発明に含まれる。別の表現をすれば、本発明の光透過率としては炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体の厚みには関係無く、該焼結体の実使用状態での光透過率が1%以上であれば本発明に含まれる。すなわち、例えば炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが実使用状態で0.5mm以下あるいは0.5mmより大きいとき光透過率が1%以上であるものは本発明に含まれる。
炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが実使用状態で0.5mmより薄い場合あるいは0.5mmより厚い場合は基板厚み0.5mmのとき測定した光透過率と異なり、光透過率は0.5mmより薄い場合は0.5mmのとき測定したより高くなり易く0.5mmより厚い場合は0.5mmのとき測定した光透過率より低くなり易い。本発明においては上記のように実際に使用される状態で光透過率が1%以上の炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を用いることが好ましい。
なお、今まで炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどを主成分とする焼結体は通常主成分である該炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどとして六方晶あるいは三方晶の結晶構造を有するものが薄膜形成用基板及び薄膜基板として用いられることを主に例示してきたが上記主成分が例えば立方晶、正方晶、斜方晶、単斜晶、三斜晶、アモルファスなど六方晶あるいは三方晶以外の結晶構造を有するものであっても炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどを主成分とするものであれば薄膜形成用基板及び薄膜基板として好適に用いることができる。例えば炭化珪素を主成分とする焼結体などは結晶構造として例えば立方晶を有するものであっても好適に用いることができる。また例えば酸化アルミニウムを主成分とする焼結体などは結晶構造として例えば立方晶、スピネル構造の酸化アルミニウムを主成分とする焼結体であっても基板として好適に用いることができる。
本発明において、上記酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムを主成分とする焼結体だけでなく、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などのセラミック材料を主成分とする焼結体を基板とし、該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を形成したものを基板として用いれば、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し得るので、このような単結晶薄膜が形成された基板を用いてその上にあらためて薄膜を形成することで発光素子を作製することもできるし、あるいはこのようにして形成された単結晶薄膜をそのまま発光素子を構成する薄膜層の少なくとも一部として使用することにより発光素子を作製することもできる。
本発明において、上記のようにあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成した基板を用いて作製される発光素子も従来からのサファイア基板を用いて作製される発光素子に比べて発光効率が少なくとも同等かそれ以上のものが提供できるようになった。
詳しく説明すれば、本発明において上記酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムを主成分とする焼結体だけでなく、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体においても光透過性を有するものを得ることが可能である。具体的には光透過率として少なくとも1%以上通常10%以上を有するものが作製し得る。また上記酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛(特に希土類元素成分を含むもの)、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などを主成分とする焼結体は光透過率が50%以上のものが作製でき、最大80%以上のものも作製し得る。このような光透過性の各種セラミック材料を主成分とする焼結体を発光素子作製用基板に用いれば、作製される発光素子の発光効率は従来からのサファイアなどを基板として用いて作製される発光素子と比べて向上し易い。その理由は必ずしも明確でないが、基板が従来からのサファイアなどと異なり焼結体であるため発光素子からの発光は基板と発光素子を構成する薄膜との界面で反射が減少しそのまま基板内へ透過され易くなり、基板が光透過性であるため基板に進入した光が基板外部へ放出され易くなるため発光素子の発光効率が向上し易くなるものと思われる。また発光素子を構成する薄膜層からも周囲の雰囲気との界面での反射が生じにくくなり発光素子からの発光が薄膜層を通して素子外部へ放出され易くなるものと思われる。上記各種セラミック材料を主成分とする焼結体のうちで酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、ムライト、結晶化ガラスを主成分とする焼結体は特に光透過性に優れ、適宜焼結助剤を添加して常圧焼成(例えば大気中、あるいはHなどの還元性ガス中、あるいはNなどの非酸化性ガス中、あるいはCOなどの弱酸化性ガス中)、減圧焼成、ホットプレスなどの定法により比較的容易に光透過性のものを作製することができる。大気中での常圧焼成であっても光透過率10%以上、通常光透過率20%以上あるいは光透過率30%以上のものを作製することができる。また水素中での焼成あるいはホットプレスあるいは減圧焼成などによって光透過率40%以上、通常は光透過率50%以上あるいは光透過率60%以上のものを作製することができ、光透過率80%以上のものも作製できる。光透過性を向上させるために焼結助剤としては例えば酸化ジルコニウムの場合はSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなど希土類元素成分を含む酸化物などの化合物あるいはBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどアルカリ土類金属成分を含む酸化物などの化合物、などを好適に用いることができる。また、酸化マグネシウムの場合はSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなど希土類元素成分を含む酸化物などの化合物あるいはBeO、CaO、SrO、BaOなどアルカリ土類金属成分を含む酸化物などの化合物あるいはLiF、NaFなどアルカリ金属成分を含む弗化物などの化合物あるいはSiOなどの珪素化合物、などを好適に用いることができる。また、アルミン酸マグネシウムの場合はSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなど希土類元素成分を含む酸化物などの化合物あるいはBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどアルカリ土類金属成分を含む酸化物などの化合物あるいはSiOなどの珪素化合物、などを好適に用いることができる。また、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物の場合はAlなどアルミニウム成分を含む酸化物などの化合物あるいはSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの中から選ばれた少なくとも1種以上の主成分と異なる希土類元素成分を含む酸化物などの化合物あるいはBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどアルカリ土類金属成分を含む酸化物などの化合物、などを好適に用いることができる。また、酸化トリウムの場合はSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなど希土類元素成分を含む酸化物などの化合物あるいはBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどアルカリ土類金属成分を含む酸化物などの化合物、などを好適に用いることができる。また、ムライトの場合はSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなど希土類元素成分を含む酸化物などの化合物あるいはBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどアルカリ土類金属成分を含む酸化物などの化合物あるいはSiOなどの珪素化合物、などを好適に用いることができる。また、結晶化ガラスの場合はSc、Y、La、CeO、Pr11、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなど希土類元素成分を含む酸化物などの化合物あるいはBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどアルカリ土類金属成分を含む酸化物などの化合物あるいはSiOなどの珪素化合物、などを好適に用いることができる。
また、これら酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、ムライト、結晶化ガラスを主成分とする焼結体にはそれぞれ上記例示した成分以外に例えばモリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、タンタル、チタン、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛などの遷移金属成分、あるいはカーボンなどの成分を含むものも好適に用いることができ、これらの成分を含むものは黒色、灰黒色、灰色、褐色、黄色、緑色、青色、あずき色、赤色などに呈色したものが得られ易く、呈色したものであっても光透過性を有するものが得られる。
なお、本発明において上記各種セラミック材料を主成分とする焼結体の光透過率は少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものである。上記光透過率は波長605nmの光に対して測定されたものである。本発明においては今後特に断らない限り各種セラミック材料を主成分とする焼結体の光透過率には上記測定値を用いた。
このような光透過性を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板とし、該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を形成したものを基板として用いれば、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し得るので、このような単結晶薄膜が形成された基板を用いてその上にあらためて薄膜を形成することで発光素子を作製することもできるし、あるいはこのようにして形成された単結晶薄膜の少なくとも一部を発光素子を構成する薄膜層の少なくとも一部として使用することにより発光素子を作製することもできる。
本発明において、上記酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などそれぞれを主成分とする焼結体のうち光透過性を有するものを基板として用いて作製される発光素子は発光効率の優れたものが得られ易いので従来からのサファイア基板を用いて作製される発光素子に比べて発光効率が少なくとも同等か、最大2〜3倍以上に向上したものが作製できるようになった。
なお、本発明において特に断らない限り上記の酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体の光透過率の測定値は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と同様直径25.4mm厚み0.5mmの円盤状で表面を鏡面に研磨した状態の試料を用い所定の波長の光を上記焼結体試料に当て、入射した光の強度と透過した光の強度を分光光度計などで測定しその比を百分率で表わしたものである。波長としては通常特に断らない限り605nmのものを用いて測定されたものである。本発明における光透過率は上記測定用試料を積分球の内部にセットして全透過光を集めこの全透過光と入射光との強度比を百分率で表した全透過率として求めたものである。なお、光透過率として波長605nm以外の光に対するものを測定していなくても波長605nmの光に対しての光透過率を把握していれば本発明による酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体の性能、すなわち例えば発光素子作製用基板として用いたとき作製される発光素子の発光効率を判定し得る。
光透過率は試料の厚みによって変化し本発明による上記酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体を薄膜形成用基板、薄膜基板あるいは発光素子作製用基板などとして実際に用いる場合該基板の厚みを薄くして光透過率を高めることは例えば発光素子の発光効率を高める上で有効である。通常薄膜形成用基板、薄膜基板あるいは発光素子作製用などの基板としては厚み0.01mm以上のものを用いることが取り扱い上の強度の点からは好ましい。又厚みが厚くなると光透過率が低下し易いので通常薄膜形成用基板、薄膜基板あるいは発光素子作製用などの基板としては厚み8.0mm以下のものを用いることが好ましい。本発明において上記酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体としてはその厚みが少なくとも0.01mm〜8.0mmの範囲において薄膜形成用基板、薄膜基板あるいは発光素子作製用などの基板として該焼結体を実際に使用する状態で光透過性を有していれば有効である。すなわち、上記酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体はその厚みが少なくとも0.01mm〜8.0mmの範囲あるいはそれ以外であっても実際に使用される状態での光透過率が少なくとも1%以上であればよいのであって、例えば発光素子作製用基板として実際に厚み0.1mmあるいは2.0mmなど厚みが必ずしも0.5mmではないものであっても光透過性を有し例えば光透過率が少なくとも1%以上であれば作製される発光素子の発光効率は向上し易い。
本発明において、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体の光透過性は該焼結体の厚みには関係無い。厚い状態では光透過性を有しないものであっても薄くすることで光透過性を有するものは本発明に含まれる。すなわち、例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが0.5mmのとき光透過性を有しないものであっても厚みを薄くすることで光透過性が発現するものは本発明に含まれる。また、例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが0.5mmより厚いとき光透過性を有しないものであっても厚みを0.5mmとすることで光透過性が発現するものは本発明に含まれる。光透過性を別の言葉で表現すれば、本発明の光透過率として酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体の厚みには関係無く、該焼結体の光透過率が1%以上であれば本発明に含まれる。すなわち、例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが0.5mmのとき光透過率が1%より小さいものであっても厚みを薄くすることで光透過率が1%以上であるものは本発明に含まれる。また、例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが0.5mmより厚いとき光透過率が1%より小さいものであっても厚みを0.5mmとすることで光透過率が1%以上であるものは本発明に含まれる。
上記のように本発明による酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体としては実際該焼結体が用いられている状態での光透過性が重要である。したがって酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体として実際該焼結体が用いられている状態で光透過性を有していれば本発明に含まれる。別の表現をすれば、本発明の光透過率としては酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体の厚みには関係無く、該焼結体の実使用状態での光透過率が1%以上であれば本発明に含まれる。すなわち、例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが実使用状態で0.5mm以下あるいは0.5mmより大きいとき光透過率が1%以上であるものは本発明に含まれる。
酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体の厚みが実使用状態で0.5mmより薄い場合あるいは0.5mmより厚い場合は基板厚み0.5mmのとき測定した光透過率と異なり、光透過率は0.5mmより薄い場合は0.5mmのとき測定したより高くなり易く0.5mmより厚い場合は0.5mmのとき測定した光透過率より低くなり易い。本発明においては上記実際に使用される状態で光透過率が少なくとも1%以上の酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体を用いることが好ましい。
また、本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜による光導波路が形成された薄膜基板を提供することができる。本発明による光導波路が形成された薄膜基板を用いることで例えば波長200nm〜7000nmの範囲といった紫外線領域から赤外線領域の幅広い波長領域の光伝送に対応できる薄膜基板が提供できる。特に200nm〜380nmの範囲の紫外光を大きな損失を伴うことなく伝送することが可能となった。光導波路として用いる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれたいずれか少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶であれば光の伝送損失をより低減化することができる。この光伝送性は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が高い光透過性を有することにより実現できる。波長の短い特に200nm〜380nmの範囲の紫外光の伝送は窒化アルミニウムの含有量の多い薄膜を用いることで実現できる。このような光伝送性は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に光導波路となる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶として形成し得るということにも起因する。さらにこのような光伝送性は光導波路となる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との良好な接合性にも起因する。前記のように窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との間の接合性について接合後の薄膜にはクラックは見られず、接合界面には剥離が見られず、粘着テープによる引き剥がしテストなどを行っても接合界面での剥離が生じない。さらに、本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できるということによる。本発明は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜により光導波路が形成された薄膜基板を含むが、基板を構成する材料に窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いており放熱性に優れるので半導体レーザーなど高出力の発光素子を搭載する上で好ましい。
また、該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体には上記光導波路だけでなくその内部及び/又は表面に電気回路を形成することができるので、上記光導波路及び電気回路とを有する光配線基板として用いることができるという特徴がある。すなわち、本発明により今後大きく応用が広がると予測される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする半導体レーザーダイオードあるいは発光ダイオードなどの青色及び紫外光発光素子からの光を伝送可能な薄膜基板が提供できる。また、本発明は上記青色及び紫外光発光素子を直接搭載し光配線基板として機能する薄膜基板を提供できるという特徴がある。
窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜による光導波路として単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものを用いることができる。このような結晶状態の薄膜を用いることで例えば波長650nmの光を伝送したとき伝送損失が通常少なくとも10dB/cm以下の光導波路が形成できる。その中でも単結晶薄膜を用いることで伝送損失の低減化をはかることが可能となり通常少なくとも5dB/cm以下の光導波路を形成することが可能となる。窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面からのX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下のものでは少なくとも3dB/cm以下の光導波路を形成することが可能となる。
本発明による光導波路を用いて伝送可能な光の波長は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の組成に依存する。波長200nm〜380nmの範囲の紫外光及び波長380nm以上の光に対しては窒化ガリウム及び窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を光導波路として用いることが好ましい。より波長の短い紫外光を透過する場合窒化アルミニウム単独か窒化アルミニウムの含有量の多い組成の薄膜を用いることが好ましい。このような組成の薄膜を用いることで波長の短い紫外光をより低損失で伝送することができるようになる。波長380nm〜650nmの可視光に対しては上記組成の薄膜の他に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を光導波路として用いることができる。より波長の短い可視光を透過する場合窒化アルミニウム単独か窒化アルミニウムの含有量の多い組成の薄膜あるいは窒化ガリウム単独か窒化ガリウムの含有量の多い組成の薄膜を用いることが好ましい。このような組成の薄膜を用いることで波長の短い可視光をより低損失で伝送することができるようになる。また、少なくとも波長650nm以上の光に対しては窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのあらゆる組み合わせの組成の薄膜を光導波路として用いることができる。
本発明において紫外光を伝送するための光導波路としては上記のように窒化ガリウム及び窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を用いることが好ましい。より具体的にいえば紫外光を伝送するための光導波路としてAlGa1−xN(0.0≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分とする薄膜を用いることが好ましい。これらの材料を光導波路として用いることで波長200nmの紫外線まで伝送することが可能となる。上記窒化ガリウム及び窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜により形成された光導波路は紫外光だけでなく波長380nm以上の可視光及び波長800nm以上の赤外光も低損失で伝送することができる。より波長の短い紫外光の伝送損失を少なくする上では窒化アルミニウム成分を多く含む薄膜を光導波路として用いることがより好ましい。すなわち上記の化学式において波長380nm以下の光を伝送する上では0.0≦x≦1.0の範囲の組成を有する薄膜を用いることが好ましく波長380nmの光を用いたとき伝送損失10dB/cm以下の光導波路が形成できる。上記組成範囲の薄膜として単結晶を用いることにより伝送損失5dB/cm以下の光導波路が形成できる。該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下のものでは少なくとも3dB/cm以下の光導波路を形成することが可能となる。
また、波長300nm以下の光を伝送する上では0.5≦x≦1.0の範囲の組成を有する薄膜を用いることが好ましく波長300nmの光を用いたとき伝送損失10dB/cm以下の光導波路が形成できる。上記組成範囲の薄膜として単結晶を用いることにより伝送損失5dB/cm以下の光導波路が形成できる。該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下のものでは少なくとも3dB/cm以下の光導波路を形成することが可能となる。
波長270nm以下の光を伝送する上では0.8≦x≦1.0の範囲の組成を有する薄膜を用いることが好ましく波長270nmの光を用いたとき伝送損失10dB/cm以下の光導波路が形成できる。上記組成範囲の薄膜として単結晶を用いることにより伝送損失5dB/cm以下の光導波路が形成できる。該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下のものでは少なくとも3dB/cm以下の光導波路を形成することが可能となる。
波長250nm以下の光を伝送する上では0.9≦x≦1.0の範囲の組成を有する薄膜を用いることが好ましく波長250nmの光を用いたとき伝送損失10dB/cm以下の光導波路が形成できる。上記組成範囲の薄膜として単結晶を用いることにより伝送損失5dB/cm以下の光導波路が形成できる。該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下のものでは少なくとも3dB/cm以下の光導波路を形成することが可能となる。
また上記0.8≦x≦1.0の範囲の組成を有する単結晶薄膜を用いれば波長300nm以上の光の伝送損失1dB/cm以下の埋め込み型の三次元光導波路が得ることが可能となる。
光導波路として従来から使用されているLiNbO、LiTaO、PLZT、GaAs、PbMoOなどの材料は紫外光を透過しないので紫外光の伝送ができない。紫外光を透過し伝送可能な材料としてシリカガラス、アルミナ(サファイア)、弗化カルシウムなど多くのものが知られている。しかしながらこれらの材料を薄膜として例えば0.5μm以上の厚みで窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成したとき、これらの薄膜には格子不整合あるいは熱膨張率差に起因すると考えられる歪が生じたり極端な場合はクラックが発生したりあるいは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体とシリカガラス、アルミナ(サファイア)、弗化カルシウムなどの薄膜材料との接合界面で剥離が生じる場合があるので実質上紫外光の伝送には不適当である。本発明においては窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム及び窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を用いるためこのような不具合は生じにくい。上記のように本発明により従来のLiNbO系など従来材料を用いた光導波路では困難であった紫外光が伝送可能な光導波路を有する薄膜基板が提供できる。
その他、紫外光を透過し伝送可能な材料として窒化ガリウム及び窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜をサファイア基板やシリコン基板に光導波路として形成したものがある。しかしこれらの薄膜はたとえ高い結晶性の単結晶薄膜として形成できても基板と該薄膜との間の結晶格子不整合性や熱膨張率の違いによって光導波路中に結晶転位やひずみが生じ易くその結果伝送損失が10dB/cmより大きくなり易い。また、シリコン基板に形成した窒化アルミニウム薄膜にはクラックや基板との剥離が生じ易く光導波路として機能することが困難であり、さらに、シリコン基板を用いた場合電気絶縁性が小さくかつ誘電率が高いので直接基板上に電気回路が形成しにくい。
また、本発明による上記紫外光が伝送可能な光導波路を有する薄膜基板を構成する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体には上記光導波路だけでなくその内部及び/又は表面に電気回路を形成することができるので、本発明による薄膜基板は光導波路と電気回路とを有する紫外光の伝送が可能な光配線基板として用いることができるという特徴がある。
本発明において光導波路としては窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を光導波路として用いることができる。また、あらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いその上にあらためて形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を光導波路として用いることもでき、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接薄膜を形成したものより伝送損失を低減化し得る場合がある。
上記あらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の上にあらためて形成される薄膜の屈折率は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体にあらかじめ形成されている薄膜の屈折率よりも大きいものであることが伝送損失を低減化する上で望ましい。それは前記のように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接形成するよりも良質の薄膜が形成できるという理由以外に、屈折率の小さい材料に屈折率の大きい材料が形成された場合屈折率の大きい材料中を透過する光は屈折率の大きい材料中に閉じ込められその結果光が伝送されるという原理によるものと考えられる。
また上記あらかじめ形成する薄膜の厚みはどのようなものでも用いることができ、例えば0.5nm〜1000μmの範囲のもの、通常は結晶性の高い単結晶薄膜を得られるので薄膜の厚みとして200μm以下のものを用いることがは好ましい。また、厚み50nm以上とすることでより伝送損失の少ない光導波路を作製することができる。また、あらかじめ形成する薄膜の上からあらためて形成する光導波路として機能する屈折率の大きい薄膜の厚みは0.1μm〜1000μmの範囲のもの、通常は結晶性の高い単結晶薄膜を得られるので薄膜の厚みとして200μm以下のものを用いることがは好ましい。屈折率の小さい薄膜と屈折率の大きい薄膜とを組み合わせて屈折率の大きい薄膜を光導波路として機能させる場合該光導波路の厚みは0.1μm以上あれば十分機能し得る。
本発明においては屈折率の小さい薄膜と光導波路となる屈折率の大きい薄膜のあらゆる組み合わせが可能である。すなわち、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜のすべての組成において、あるいは単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶などすべての結晶状態において上記組み合わせが可能である。該屈折率の小さい薄膜は通常従来から用いられている光導波路におけるクラッド層としての役割を担い得る。
本発明において上記のように屈折率の小さい薄膜は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と光導波路として用いる屈折率の大きい薄膜との間に形成されるものだけではなく、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成された光導波路として用いられる屈折率の大きい薄膜の上に形成された状態のものも用いることができ、屈折率の小さい薄膜が上記のような形成状態であっても通常従来から用いられている光導波路におけるクラッド層としての役割を担い得る。
屈折率の小さい薄膜に光導波路となる屈折率の大きい薄膜とを組み合わせて形成した薄膜基板について具体的な例を示せば、1)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分としガリウム、インジウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分をより多く含む薄膜とを組み合わせたものがある。また、2)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分としさらにニオブ、タンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む薄膜とを組み合わせたもの、などの例がある。
上記具体例が示されたことの背景は以下2点の知見が得られたことに基づく。すなわち、1)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜においてガリウム、インジウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を多く含むにしたがって薄膜の屈折率は上昇することが確認されことによる。具体的にいえば、元々の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜に対して窒化ガリウム及び窒化インジウムのうちから選ばれた少なくともいずれか一種以上の成分の増加量が主成分に対して20モル%以下の場合屈折率の上昇は2×10−1以下である。また、元々の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜に対して窒化ガリウム及び窒化インジウムのうちから選ばれた少なくともいずれか一種以上の成分の増加量が主成分に対して0.01モル%程度であっても屈折率の上昇が少なくとも1×10−5以上認められる。2)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分としさらにニオブ、タンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む薄膜はニオブあるいはタンタルを含まない窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜に比べて屈折率が上昇することが見出されたことによる。具体的にいえば、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜においてニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が主成分に対して窒化物換算で20モル%以下のものでは屈折率の上昇は2×10−1以下である。また、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜においてニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が主成分に対して窒化物換算で0.01モル%程度であっても屈折率の上昇が1×10−5以上認められる。
ニオブあるいはタンタルを含むことの効果はおそらくニオブあるいはタンタルが窒化ガリウムあるいは窒化インジウムあるいは窒化アルミニウムあるいはこれら成分を複数有する化合物へ固溶し易い性質を持つことが主原因であろうと本願発明者は推測している。すなわちニオブあるいはタンタルは窒化ニオブあるいは窒化タンタルとして窒化ガリウムあるいは窒化インジウムあるいは窒化アルミニウムあるいはこれら成分を複数有する化合物の結晶へ固溶するものと推測される。窒化ニオブあるいは窒化タンタルは窒化ガリウムあるいは窒化インジウムあるいは窒化アルミニウムあるいはこれら成分を複数有する化合物と同じ六方晶系の結晶構造を有するため固溶が実現され易いと思われる。異なる材料として単に物理的に混合されているのではなく異なる成分であっても同じ結晶構造のもの同士が結晶内部で原子レベルで溶け合っているため屈折率の上昇が達成されるものと推測される。
本発明において上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分としさらにニオブあるいはタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む薄膜は可視光及び赤外光を伝送できるだけでなく波長200nm〜380nmの範囲の紫外領域の光を伝送できるので少なくとも波長200nm〜7000nmの範囲の光を伝送する光導波路としても使用することができる。
なお、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜はニオブ単独あるいはタンタル単独あるいはニオブ及びタンタルの両方の成分を同時に含むものを得ることができる。また、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜のニオブ及びタンタルのうちから選ばれる少なくとも1種以上の成分の含有量は主成分に対して窒化物換算で20モル%以下であることが好ましい。すなわち、ニオブ成分及びタンタル成分は薄膜中でそれぞれ窒化ニオブ(NbN)、窒化タンタル(TaN)として存在しているものとみなして、主成分の含有量をm(AlGaIn1−x−yN:0.0≦x≦1.0、0.0≦y≦1.0かつ0.0≦x+y≦1.0)の組成式で表わしたとき含有されるニオブ成分あるいはタンタル成分の含有量は(1−m)(NbTa1−uN)の組成式で示され、薄膜中のニオブ及びタンタルの含有量は0.8≦m≦1.0かつ0.0≦u≦1.0の範囲であることが好ましい。薄膜中のニオブ及びタンタルのうちから選ばれる少なくとも1種以上の成分の含有量が窒化物換算で20モル%より多ければ該薄膜を光導波路として使用したとき伝送損失が増大化し易くなるためである。また窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜へのニオブ及びタンタルが含有されることの効果は主成分に対して窒化物換算で0.01モル%程度の量であっても主成分の屈折率を少なくとも1×10−5以上上昇させ該薄膜を光導波路として機能せしめ得る。
なお、薄膜の屈折率の測定は通常のエリプソメーターなどを用いた偏光解析法、繰り返し干渉顕微鏡法、プリズムカップラー方式、あるいはその他分光光度計(Spectrophotometer)などの光学機器を用いて容易に行うことができる。このような屈折率の測定精度は1×10−5の桁まで可能で少なくとも2×10−5の精度で測定できる。
上記のように本発明において窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜だけでなく、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜にニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む薄膜も光導波路として用いることができる。
上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜にニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む薄膜は該薄膜より屈折率の小さい薄膜と組み合わせた光導波路としてだけでなく、例えば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接形成するなど該薄膜単独でも光導波路として用いることができる。
本発明において上記屈折率の小さい薄膜に光導波路となる屈折率の大きい薄膜を形成した薄膜基板、あるいは光導波路となる屈折率の大きい薄膜に屈折率の小さい薄膜を形成した薄膜基板は、前記CVD、MOCVD、MBE、スパッタなどの定法により屈折率の小さい薄膜に屈折率の大きい薄膜、あるいは屈折率の大きい薄膜に屈折率の小さい薄膜を順次積層されたものを用いることができる。このような方法により例えば図21、図22、図23、図24、図25、図26、図34に例示される光導波路を作製することができる。また、屈折率の小さい薄膜中に溝や窪みを形成しておき屈折率の大きい薄膜を順次埋め込んでいくという方法も用いることができ、このような方法によって図27、図28、図29、図30、図31、図32、図33、図35に例示される光導波路を作製することができる。
また、上記屈折率の小さい薄膜に光導波路となる屈折率の大きい薄膜を形成した薄膜基板として上記のように積層法により薄膜を順次形成していくという以外にも、例えば熱拡散法あるいはイオン注入法などを用いて窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の特に深さ方向に例えばガリウム、インジウム、ニオブ、タンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有せしめることで該ガリウム、インジウム、ニオブ、タンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分が含有された薄膜部分の屈折率を上昇させる方法によっても形成することができる。
熱拡散法としては、例えば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜に窒化ガリウム、金属ガリウム、酸化ガリウムなどのガリウム成分、あるいは窒化インジウム、金属インジウム、酸化インジウムなどのインジウム成分、あるいは窒化ニオブ、金属ニオブ、酸化ニオブなどのニオブ成分、あるいは窒化タンタル、金属タンタル、酸化タンタルなどのタンタル成分を含有する材料をあらたに形成し例えば窒素などの非酸化性雰囲気中要すれば800℃以上の高温で加熱処理することにより該ガリウム、インジウム、ニオブ、タンタル成分を窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜中に拡散させる、などの方法がある。その結果元々の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜よりもガリウムあるいはインジウムの含有量の多い部分が薄膜の深さ方向及び幅方向に形成され屈折率が上昇し光導波路として機能するようになる。また、ニオブあるいはタンタル成分をあらたに含む窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成され屈折率が上昇し光導波路として機能するようになる。上記熱拡散法によれば屈折率の上昇は加熱温度あるいは加熱時間にもよるが2×10−1以下であり通常1×10−5〜2×10−1の範囲にあるので元々の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜に対して窒化ガリウム及び窒化インジウムのうちから選ばれた少なくともいずれか一種以上の成分の増加量は主成分に対して20モル%以下であると思われる。また上記窒化ガリウムあるいは窒化インジウム成分の増加量は主成分に対して1モル%以下のものであっても屈折率の上昇は通常1×10−5〜1×10−2の範囲にあり十分光導波路として機能する。さらに、上記熱拡散法によればニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上を含む窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の屈折率は加熱温度あるいは加熱時間にもよるが2×10−1以下であり通常1×10−5〜2×10−1の範囲にあるのでニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量は主成分に対して20モル%以下であると思われる。ニオブあるいはタンタルの含有量は伝送損失を低減化する上では主成分に対して10モル%以下であることが好ましい。また上記ニオブあるいはタンタル含有量は主成分に対して1モル%以下のものであっても屈折率の上昇は通常1×10−5〜1×10−2の範囲にあり十分光導波路として機能する。
イオン注入法としては、例えばイオン源に塩化ガリウム、臭化ガリウム、水素化ガリウムなどのガリウム成分、あるいは塩化インジウム、臭化インジウム、水素化インジウムなどのインジウム成分、あるいは塩化ニオブ、臭化ニオブ、水素化ニオブなどのニオブ成分、あるいは塩化タンタル、臭化タンタル、水素化タンタルなどのタンタル成分を用い放電などを用いて上記成分をイオン化し質量分析器などで不要イオンを取り除いた後加速器でガリウム、インジウム、ニオブ、タンタルイオンを加速して窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜に打ち込みその後打ち込んだイオンが均一になるよう例えば窒素などの非酸化性雰囲気中要すれば500℃以上の温度で加熱処理し該薄膜にガリウムあるいはインジウムが多く含まれる部分やニオブあるいはタンタルを新たに含有する部分を形成する、といった方法などがある。その結果元々の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜よりもガリウムあるいはインジウムの含有量の多い部分が薄膜の深さ方向及び幅方向に形成され屈折率が上昇し光導波路として機能するようになる。また、ニオブあるいはタンタル成分をあらたに含む窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成され屈折率が上昇し光導波路として機能するようになる。
上記熱拡散法あるいはイオン注入法により光導波路を形成する場合窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成された元々の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は光導波路より屈折率が小さくなるので該薄膜は必然的に光導波路で伝送される光を閉じ込めるためのクラッド層として機能する。
熱拡散法あるいはイオン注入法は光リソグラフィーなど加工法を用いて微細な光導波路が形成できるので従来から広く用いられている埋め込み型の光導波路を形成する場合など有効である。なお、埋め込み型の光導波路の例として本発明においては後述する図30、図31、図32、図33、図35を例示してある。
上記本発明において熱拡散法あるいはイオン注入法により光導波路を形成する場合屈折率を向上させる成分が導入される部分の大きさは任意のものが作製できるが、通常上記埋め込み型の光導波路の場合幅として0.5μm以上あれば十分光導波路として機能する。通常光導波路の幅は1μm以上で形成される。通常光導波路の幅は1μm〜500μmの範囲のものが用いられる。また拡散深さあるいは注入深さは任意のものが作製できるが、0.1μm以上あれば十分伝送損失の小さい光導波路として機能し得る。また拡散深さあるいは注入深さは0.3μm以上あれば伝送損失のより小さい光導波路として機能し得る。通常拡散深さあるいは注入深さは0.5μm以上のものが用いられる。
また、上記熱拡散法あるいはイオン注入法により光導波路を形成する場合特に熱拡散法においてあらかじめ薄膜上に屈折率を向上させる成分が形成された部分は熱拡散後に該屈折率向上成分が導入された部分の幅が熱拡散前と比べて広がり易いがこのような状態であっても問題なく光導波路として機能し得る。
なお、上記光導波路のような幅の細い薄膜の屈折率測定において通常の光学的方法を用いる場合被測定部分へ照射する光ビームを光学レンズなどで絞り込むため屈折率の精度が1×10−1〜1×10−2程度の桁まで低下し易いのでこのような幅の細い部分では直接測定せず、同じ方法で同じ組成になるよう薄膜を広い面状に別の部分に形成し該薄膜の屈折率を測定することで幅の細い薄膜の屈折率と見なす場合が多い。被測定部分へ照射する光ビームの径は通常500μm以上のものが用いられるがこのような光ビームを光学レンズなどを用いて最小で光の波長例えば650nm程度に絞り込み、例えば幅650nmあるいはそれ以上の幅を有する薄膜部分に照射して屈折率を測定することは可能であるが、その結果屈折率の測定精度が本来の1×10−5の桁から1×10−1〜1×10−2程度の桁まで大きく低下し易い。より具体的に言えば、例えば上記順次積層法、拡散法あるいはイオン注入法などを用いて幅10μmの細い薄膜を光導波路として形成する場合、この光導波路を形成する部分の薄膜の屈折率は直接測定せず、同じ組成になるように別の部分に広い面積(例えば0.5mm×2mmあるいはそれ以上)で形成した薄膜の屈折率を測定し、該薄膜の屈折率をもって幅10μmの光導波路の屈折率と見なす、ということである。本発明においても幅の細い薄膜で構成された光導波路の屈折率はこのような方法で測定された。
本発明においてニオブ及びタンタルを含有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする材料の屈折率の増加及び光導波路としての光伝送性は上記薄膜以外でも確かめられた。すなわち、薄膜ではない窒化ガリウム及び窒化アルミニウムの各バルク状単結晶を用いて熱拡散法によりニオブ及びタンタルを含有せしめたところ屈折率の上昇及び光伝送性が認められる。上記熱拡散法により窒化ガリウムのバルク状単結晶にインジウム、ニオブ及びタンタルを含有せしめることで形成した光導波路において屈折率が可視光領域において少なくとも1×10−5以上上昇し、該窒化ガリウムを主成分とするバルク単結晶には少なくとも波長380nm以上の光が伝送損失3dB/cm以下で伝送可能な光導波路が形成し得る。また上記熱拡散法により窒化アルミニウムのバルク状単結晶にガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタルを含有せしめることで形成した光導波路において屈折率が可視光領域において少なくとも1×10−5以上上昇し、該窒化ガリウムを主成分とするバルク単結晶には少なくとも波長250nm以上の光が伝送損失3dB/cm以下で伝送可能な光導波路が形成し得る。さらに該窒化ガリウムを主成分とするバルク単結晶には少なくとも波長220nm以上の光が伝送損失10dB/cm以下で伝送可能な光導波路が形成し得る。
本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を光導波路として用いたとき、上記バルク単結晶を用いて作製した光導波路と比べて少なくとも同等あるいはそれ以下の低い伝送損失のものが作製し得る。
本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を光導波路として用いることができる。このことは薄膜の屈折率が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体より高いものであることを示唆している。元々窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムの各成分の中で窒化アルミニウムが最も屈折率が小さいことが大きな要因であると思われるが、その他にも十分緻密化された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において該焼結体を構成する窒化アルミニウム粒子は十分結晶化が進行し単結晶に近い状態になっているものと考えられるが窒化アルミニウム粒子中への不純物固溶や焼結体としての粒界や粒界相の影響で単結晶の屈折率よりも小さくなるためであろうと推測される。そのため窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接形成された薄膜であってもその中で全反射が生じ易くなるものと思われる。窒化アルミニウム結晶は光軸すなわち結晶C軸に垂直な方向が常光の方向となりC軸に平行な方向が異常光の方向となる光学的異方体で常光と異常光とで屈折率が異なり異常光の屈折率のほうが可視光領域においては0.05程度大きい。一方窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は多結晶体であるので該焼結体を構成する窒化アルミニウム結晶粒子はあらゆる方向を向いているのでこのような結晶の方向性は実質的になく結晶としての光学的な性質は平均化されたものになっていると思われる。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は焼成により作製されるので焼結体を構成する窒化アルミニウム粒子中への微量な陽イオン不純物あるいは炭素や酸素など不純物固溶があると思われる。さらに、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は上記のように多結晶体であるので粒界や粒界相が存在するためその部分への不純物凝縮や析出が考えられる。以上のような焼結体としての特徴の結果屈折率は単結晶より低下ししたがって窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が光導波路として十分機能できるものと本願発明者は考えている。
通常窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜であっても単結晶として形成されたものの屈折率は2.0以上であり十分光導波路として機能する。光導波路として用いる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜、その中でも窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の結晶性を向上させるために窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との間に中間層として同質の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を用いる場合該中間層薄膜の屈折率は2.0より小さいものを用いることが好ましい。この場合該中間層薄膜は光導波路を機能させるためのクラッド層としての役割を果たすものと思われる。
本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる光導波路が形成された薄膜基板に電極を設けることで該薄膜基板を光変調器、光位相変換器、波長フィルター、光スイッチなどの光伝送用基板あるいは音響光学デバイスとして使用することができる。それが可能となるのは窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜に対して電位を印加することで該薄膜の屈折率を変化させることができるためであろうと思われる。また、形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は単結晶を用いることが好ましい。その理由は伝送損失が低減化でき易いというほかに、該薄膜が単結晶であれば光軸(すなわち結晶のC軸)に対する電位の方向を制御できその結果屈折率の変化量を制御し易くなるためである。窒化アルミニウム結晶、窒化ガリウム結晶、窒化インジウム結晶、あるいはこれら窒化物同士の混晶は光軸すなわち結晶C軸に垂直な方向が常光の方向となりC軸に平行な方向が異常光の方向となる光学的異方体で常光と異常光とで屈折率が異なり異常光のほうが大きい。薄膜が単結晶であれば電位の印加方向をC軸に平行にしたりあるいはC軸に垂直にすることで屈折率の変化を制御でき易くなる。さらに本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成した薄膜基板を提供できるが、該単結晶薄膜の結晶軸形成方向は基板面に対してC軸が垂直な方向あるいは水平の方向のいずれも作製可能であり、多様な屈折率制御がさらに可能でとなる。
光導波路を形成する薄膜に上記のような単結晶を用いる効果は例えば後述(例えば図30、図31、図32、図33、図35)の埋め込み型光導波路を有する薄膜基板において大きい。本発明において上記のように電極を設け電位を印加することで該薄膜の屈折率が変化し易いという性質を利用して光変調器、光位相変換器、波長フィルター、光スイッチ、などを作製することができる。
上記のように本発明の特徴は従来からのサファイア基板などでなく、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜による光導波路が形成できるという点にある。例えば紫外光を低伝送損失で伝送できるといった上記のような光導波路としての特性が得られるのは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との高い接合性が得られることが主因の一つと思われる。その結果ひずみや欠陥が少ない薄膜が容易に形成し易くなる。また、上記のような光導波路としての特性が得られるのは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できるということも主因の1つであると思われる。
上記のように本発明によって窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜による光導波路が形成された薄膜基板を提供できる。本発明による光導波路は従来から知れられているどのような構造の二次元導波路及び三次元光導波路のものであっても作製することができる。
また、本発明による薄膜基板にさらに電気回路を形成することで該薄膜基板を少なくとも光導波路及び電気回路を有する光配線基板として用いることができる。上記電気回路を形成するための材料として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との接合性の優れるため本発明による薄膜導電性材料を用いることが好ましい。その他上記電気回路を形成するための材料として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との同時焼成により形成されるタングステン、モリブデン、銅を主成分とするもの、あるいは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に対して厚膜焼付け法により形成される金、銀、銅、白金、パラジウム、タングステン、モリブデン、マンガン、ニッケルなどを主成分材料、あるいは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に対して導電性ペーストとして樹脂成分を用いた接着法による金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケルなどを主成分材料、などを用いることができる。
以下本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜による光導波路が形成された薄膜基板について以下図を例示して説明する。
図21〜図23は二次元光導波路が形成された薄膜基板を示す例である。
図21は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜により二次元光導波路50が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。
図22は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜により二次元光導波路50が形成され該二次元光導波路の上にクラッド層70が形成され薄膜基板の1例を示す斜視図である。図22において、クラッド層は光導波路を形成している窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜より屈折率の小さい材料であれば、例えばSiO、Al、各種ガラスなど、どのようなものでも用いることができるが同質の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする材料を用いることが接合性などの点から好ましい。また、図22において、クラッド層は空気を用いることができその場合図22に示される薄膜基板は図21に示された薄膜基板と同等のものとなる。
図23は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14にクラッド層70が形成されその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜により二次元光導波路50が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。図23において、クラッド層は光導波路を形成している窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜より屈折率の小さい材料であれば、例えばSiO、Al、各種ガラスなど、どのようなものでも用いることができるが同質の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする材料を用いることが接合性などの点から好ましい。
図21〜図23において、平板状に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜に光が導入されたとき導入光は基板の垂直方向に閉じ込められ、該薄膜は二次元光導波路として機能する。
図24〜図30は三次元光導波路が形成された薄膜基板を示す例である。
図24は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜により三次元光導波路60が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。図24において三次元光導波路60の周囲は空気である。
図25は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14にクラッド層70が形成されその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜により三次元光導波路60が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。図25において、クラッド層は光導波路を形成している窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜より屈折率の小さい材料であれば、例えばSiO、Al、各種ガラスなど、どのようなものでも用いることができるが同質の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする材料を用いることが接合性などの点から好ましい。
図26は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするリッジ(山の背)状に形成された薄膜により三次元光導波路61が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。図26には図示されていないが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14とリッジ状の三次元光導波路61との間に該光導波路より屈折率の小さい材料、例えば同質の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするものを用いることが光伝送損失を低減化する上で好ましい。
図27は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする平板状の薄膜を形成することで二次元光導波路50を作製し該二次元光導波路にSiO、Al、各種ガラスなどの誘電体材料40を形成し該誘電体材料が形成された部分の二次元光導波路の屈折率を上昇させることで三次元光導波路62とせしめた薄膜基板の1例を示す斜視図である。図27には図示されていないが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14と二次元光導波路50及び三次元光導波路62との間に該光導波路より屈折率の小さい材料、例えば同質の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするものを用いることが光伝送損失を低減化する上で好ましい。
図28は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする平板状の薄膜を形成することで二次元光導波路50を作製し該二次元光導波路に金属材料100を直接形成し該金属材料が形成された部分の二次元光導波路の屈折率を低化させることで相対的に該金属の形成されていない部分の屈折率を高め三次元光導波路63とせしめた薄膜基板の1例を示す斜視図である。図28には図示されていないが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14と二次元光導波路50及び三次元光導波路63との間に該光導波路より屈折率の小さい材料、例えば同質の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするものを用いることが光伝送損失を低減化する上で好ましい。
図29は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする平板状の薄膜を形成することで二次元光導波路50を作製しさらに例えばSiO、Al、各種ガラスなど窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜より屈折率の小さい材料によりバッファ層110を形成しその上に電極90及び91を形成し該電極間に電位を印加して高い電位が印加されている電極91の部分の二次元光導波路の屈折率を上昇させることで三次元光導波路64を形成せしめた薄膜基板の1例を示す斜視図である。図29には図示されていないが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14と二次元光導波路50及び三次元光導波路64との間に該光導波路より屈折率の小さい材料、例えば同質の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするものを用いることが光伝送損失を低減化する上で好ましい。
図30は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜80に埋め込み型の三次元光導波路65が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。図30において三次元光導波路65は該導波路より屈折率の小さい薄膜80の内部に埋め込まれ基板表面においてその一部が空気に接することで埋め込み型の三次元光導波路として機能する。図30において光導波路65は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜80に溝加工しこの溝に薄膜80より屈折率の大きい窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を積層することにより得られる。また、図30において埋め込み型の光導波路65は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜80にガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有せしめることのより薄膜80より屈折率の大きい部分を薄膜80の内部に形成することでも作製することができる。この屈折率が大きくなった部分を光導波路65として用いる。窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜80にガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有せしめる方法として前記熱拡散及びイオン注入などの方法を用いることができる。すなわち窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14に形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜80にレジストを塗布し光リソグラフィーにより光導波路65の幅の大きさだけレジストを取り除いて該薄膜表面に達する空間を形成する。熱拡散法では例えば上記リフトオフ法を用いて光導波路を形成できる。すなわち、光リソグラフィーにより光導波路65の幅の大きさだけレジストを取り除いて該薄膜表面に達する空間を形成し該空間からガリウムあるいはインジウムあるいはニオブあるいはタンタル成分を含む薄膜をスパッタや真空蒸着あるいはCVDなどの方法で形成し、その後レジストを取り除けば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜80表面には光導波路65の幅だけガリウムあるいはインジウムあるいはニオブあるいはタンタル成分を含む薄膜が残りその状態で高温加熱処理すればガリウムあるいはインジウムあるいはニオブあるいはタンタル成分が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜80中に拡散し光導波路65が該薄膜80に埋め込まれた形態で形成される。イオン注入法では例えば上記の方法により形成されたレジストに形成された空間からガリウムあるいはインジウムあるいはニオブあるいはタンタル成分を含むイオンを打ち込み適宜熱処理を行って光導波路65が該薄膜80に埋め込まれた形態で形成される。
なお、図30には図示されていないが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14と薄膜80との間に同質の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜をさらに形成することで光伝送損失が低減化され易くなり好ましい。
図31〜図33は光導波路を有する薄膜基板に電極が形成された例を示している。なお、図31〜図33において光導波路としては図30で例示した埋め込み型のものを用いて記載されている。本発明において上記のように電極を設け電位を印加することで該薄膜の屈折率が変化し易いという性質を利用して光変調器、光スイッチなどを作製することができる。図31〜図33に例示された電極が形成された光導波路を有する薄膜基板はこのような機能を有する薄膜基板の例として示されている。埋め込み型光導波路を有する薄膜基板において、ガリウムあるいはインジウムの含有量の多い光導波路の領域もしくはニオブあるいはタンタル成分を含む光導波路の領域では上記電位の印加によりさらに大きな屈折率変化得られ易い。
図31は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜80に埋め込み型の三次元光導波路65が形成されさらに電極120が光導波路65を挟むように薄膜80の表面に形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。図31に示された薄膜基板は電極に電位を印加することで屈折率を変化させて光位相の変調、光波長の変調、光振幅の変調などができ光位相変調器などに使用し得る。
図32は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜80に埋め込み型の三次元光導波路65が形成されさらに電極120が薄膜80及び光導波路65に形成されている薄膜基板の例を示す斜視図である。図32に示された薄膜基板は電極に電位を印加することで屈折率を変化させて光位相の変調、光波長の変調、光振幅の変調などができ光位相変調器などに使用し得る。
図33は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜80に埋め込み型の三次元光導波路65が形成されさらに電極120が光導波路65に形成されている薄膜基板の例を示す斜視図である。図33に示された薄膜基板は電極に電位を印加することで屈折率を変化させて光位相の変調、光波長の変調、光振幅の変調などができ光位相変調器、伝送路切換などの光スイッチなどに使用し得る。
なお、図31〜図33において電極120としてはどのような材料でも用い得るが窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との接合信頼性が高いなど本発明による前記の薄膜導電性材料を用いることが好ましい。また図31〜図33には示されていないが薄膜80と電極120との間、及び光導波路65と電極120との間に例えばSiO、Al、各種ガラスなど薄膜80及び光導波路65より屈折率の小さい材料によりバッファ層を形成することが伝送損失を低減化する上では好ましい。
また、図31〜図33には図示されていないが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14と薄膜80との間に同質の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜をさらに形成することで光伝送損失が低減化され易くなり好ましい。
図34及び図35は本発明による光導波路を有する薄膜基板にさらに電気回路が同時に形成された薄膜基板の例を示したものである。図34及び図35に例示した薄膜基板は電気及び光の両方が伝送可能な光配線基板として用いることができる。
図34は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜などからなるクラッド層71が形成されその上に三次元導波路60が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。さらに窒化アルミニウムを主成分とする焼結体14部分には電気回路12が同時に形成されている。なお、クラッド層の屈折率は光導波路の屈折率より小さいものであることが光の伝送損失を低減化する上で好ましい。
図35は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜80に埋め込み型の三次元光導波路65が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。さらに該薄膜80の一部には電気回路12が同時に形成されている。図35には図示されていないが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板14と薄膜80との間に同質の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜をさらに形成することで光伝送損失が低減化され易くなり好ましい。
なお、光導波路には通常該光導波路の外部側面から光が導入され他の外部側面から放出される。図30には推測される光導波路内への導入光の進行状況が点線及び矢印で示されている。すなわち、図30に示す光導波路65の側面65’の部分から該光導波路と薄膜層80との界面に対して水平方向に光66が導入され、光導波路内では点線で示すように該光導波路に沿って進行し反対側の側面から光66’として放出されるものと思われる。
図30に示した光導波路のように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜内に作製した光導波路だけでなく、該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を直接形成することにより作製した光導波路であっても伝送損失は少ない。その原因は導入される光の方向が光導波路と基板との間の界面に対して水平方向な方向であるため、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いても該焼結体と上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との界面において該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体による導入光の透過、及び該焼結体中の結晶粒子や粒界あるいは添加物などによる粒界相による光の吸収や散乱が生じにくいことも伝送損失が小さい原因であろうと思われる。
このような光導波路内に導入された光の挙動は図30に例示する本発明による三次元光導波路だけでなく二次元光導波路においても同様であると思われる。
本発明による光導波路の大きさはどのようなものでも用いることができ、幅として0.5μm以上、深さ(あるいは厚み)は0.1μm以上であれば十分機能する。図24〜図35に例示した本発明による三次元導波路において通常幅1μm以上、深さ(あるいは厚み)は0.3μm以上であれば十分機能する。
本発明により窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、あるいは該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成した薄膜基板、を用いることで発光効率に優れた発光素子が作製し得る。このような基板上へ形成される発光素子は通常トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウムなどの有機金属化合物や塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化アルミニウムなどのハロゲン化物とアンモニアなどの窒素含有化合物とを主な原料として、その他にSiH、SiHなどのシラン化合物やジメチルマグネシウムやビス−シクロペンタジエニルマグネシウムなどの有機金属化合物をドーピング元素用の原料として前記MOCVD法、MOVPE法、ハイドライドVPE法、クロライドVPE法を含むハライドVPE法、プラズマCVD法、その他のCVD(化学気相分解成長)法、MBE(分子線エピタキシー)法、あるいはあらかじめ形成した目的成分を含む固体材料を原料としエキシマレーザーなどを用いたレーザーアブレーション法、PLD(パルスレーザーデポジション:パルスレーザー分解)法、あるいはスパッタリング法、イオンプレーティング法、蒸着法などによって目的とする化学成分の少なくとも一部を含有する化合物や単体を化学的物理的に分解しあるいは分解せずそのままの状態で気体、イオンあるいは分子線とし適宜前記以外の化合物と反応させあるいは反応させずいったん目的とする化学成分を含む成分を気相とした後目的とする組成の薄膜をエピタキシャル成長させることで製造される。発光素子の構成は通常基板上に上記に例示した原料から窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した各種組成の薄膜を用い、それぞれ0.5nm〜数μm程度の厚みで少なくともN型半導体層及び量子井戸構造などからなる発光層及びP型半導体層を積層して発光機能を発現させたものである。上記N型半導体層及び発光層及びP型半導体層は発光層の発光を発現させるための基本的構成要素である。本発明は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは該焼結体を基板状としその上に少なくとも上記のN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を積層して積層体となし発光素子を構成したことに特徴がある。上記N型半導体層は通常主成分以外にSi、Ge、Se、Te、Oなどのドナー形成ドーピング剤を含む。また、P型半導体層は通常主成分以外にMg、Be、Ca、Zn、Cd、Cなどのアクセプター形成ドーピング剤を含む。発光素子の基本的構成要素である上記N型半導体層、発光層、及びP型半導体層は通常エピタキシャル成長した単結晶薄膜が用いられるが、該単結晶以外に適宜無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態のものも用い得る。その他、発光素子の構成要素として上記N型半導体層、発光層、及びP型半導体層以外に基板と該N型半導体層、あるいはP型半導体層との間の緩衝層(バッファ層)も適宜必要に応じて用いられる。該バッファ層は通常窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜により形成される。該バッファ層を構成する薄膜は無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態のものが用い得るが、通常は無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態のものが用いられる。また、エピタキシャル成長した単結晶のものも用いることができる。このようような発光素子に数mW〜数W程度の直流電力を注入することで緑青色、あるいは青色、あるいは青紫色、あるいは紫外線、あるいは例えばYAG(イットリウムアルミニウムガーネット)を主成分とする蛍光体などを併用して白色などの発光(Light Emission)や、あるいはレーザー発振による光が得られる。上記発光素子を作製するに際して無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜形成は通常400℃〜1300℃程度の基板温度で行われる。あるいは適宜室温〜400℃の比較的低温の基板温度で行われる。基板温度を低温で行うことは基板に形成する薄膜の結晶成長を抑制し結晶方位を制御するときなどに有効な場合がある。なお、MgなどのP型半導体を形成するためのドーピング元素は単結晶薄膜形成後に水素をできるだけ含まない窒素などの非酸化性雰囲気中400℃以上でアニーリングを行うことがより低抵抗のP型単結晶薄膜を形成する上で好ましい。本発明は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板上に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜がP型半導体層、あるいはN型半導体層、あるいは量子井戸構造を有する発光層、として発光素子を構成する層の一部として形成されているものも含まれる。また、本発明は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板上に直接形成される上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を用いた発光素子も含まれる。
なお、通常発光効率を高めるために発光素子を構成する少なくともN型半導体層、発光層、P型半導体層、の各薄膜層はエピタキシャル成長した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性の高い単結晶薄膜であることが好ましい。本発明においてこの発光素子を構成する単結晶薄膜の結晶性をより高めるために該単結晶薄膜を形成する前にあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成することが好ましいが、この窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する薄膜は単結晶に限らず無定形、多結晶、配向性多結晶など、どのような結晶状態のものであっても用いることができる。
また、上記N型半導体層は単一層だけでなく電極と接続するためのコンタクト層及び発光層と接続するクラッド層など少なくとも2層以上の薄膜層から構成されるものも好適に使用される。また上記N型半導体層を構成するコンタクト層及びクラッド層は単一層だけでなくそれぞれ少なくとも2層以上の薄膜層から構成されるものも好適に使用される。発光層はヘテロ構造やダブルへテロ構造、あるいは単一量子井戸構造などのように単一層だけでなく、例えば多重量子井戸構造のように少なくとも2層以上の薄膜層から構成されるのものも好適に使用される。またP型半導体層は単一層だけでなく電極と接続するためのコンタクト層及び発光層と接続するクラッド層など少なくとも2層以上の薄膜層から構成されるものも好適に使用される。上記P型半導体層を構成するコンタクト層及びクラッド層は単一層だけでなくそれぞれ少なくとも2層以上の薄膜層から構成されるものも好適に使用される。
また、基板上に発光素子を形成していく場合、基板に直ちにコンタクト層を形成せず基板とコンタクト層との間に通常窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる緩衝層(バッファ層)を形成しその後N半導体特性あるいはP型半導体特性を有するコンタクト層を形成することが好ましい。該バッファ層を形成する薄膜は上記のように窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶などのうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態のものが用い得るが通常無定形、多結晶、配向性多結晶などの結晶状態のものが用いられる。また、エピタキシャル成長した結晶性の高い単結晶薄膜であっても用いることができる。また、該バッファ層はドーピング元素を含まない状態でも用い得るしドーピング元素を含有せしめてN半導体特性あるいはP型半導体特性を有する状態でも好適に用い得る。
本発明による発光素子の特徴はその基板に窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた点にある。さらに詳しく言えば、本発明による発光素子を作製するための基板として、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体をそのまま基板として用いたものと、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板としてその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶などのうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板としたもの、という少なくとも2種類の基板がある。さらに該薄膜基板には、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶などのうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜を少なくとも1層以上形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板としたものも含まれる。
本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として使用して作製した発光素子は従来からのサファイアなどの単結晶基板を使用して作製された発光素子の発光効率が通常2%〜8%程度であるのに対して少なくとも同等あるいは最大4〜5倍以上の発光効率のものが得られる。すなわち本発明による発光素子は入力された電力の最大30〜40%以上が発光素子外部へ光エネルギーとして放出し得る。なお、本発明における発光効率とは前記のように、発光素子を駆動させるために該素子に加えられた電力(電気エネルギー)と実際発光素子によって光に変換され発光素子の外部へ放出された光出力(光エネルギー)との百分率比である。例えば発光効率が40%ということは、例えば発光層がGaN/InN系の量子井戸構造などで構成される発光素子を用い、該素子に電圧3.6ボルト、電流500mAを注入して駆動させたとき光出力として720mWが得られるということである。
本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される発光素子が高い発光効率を有する原因については必ずしも明確ではないが、素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする高い結晶性の単結晶薄膜が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成できるようになりこのような結晶性に優れた単結晶薄膜を発光素子の少なくともN型半導体層、発光層、P型半導体層、として使用できるようになったことが第一番目に重要なことであることは間違いない。しかし、本発明による発光素子がサファイアなどの単結晶基板を用いたものより高い発光効率を有する原因としてはそれだけではなく、基板として用いる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体としての微構造に起因することが大きく寄与していると思われる。
本願発明者が検討したところサファイア基板上にも窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板と同様にミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が少なくとも300秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できる。従来サファイアなどの基板上に要すればバッファ層をまず形成した後このような結晶性に優れた単結晶薄膜を少なくともN型半導体層、発光層、P型半導体層、の各層が構成されるよう形成することで発光素子が製造されてきた。また、一方本発明において今まで説明してきたように、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にも従来からのサファイアなどの単結晶基板と少なくとも同等あるいはそれ以上に結晶性の優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成でき、該単結晶薄膜は発光素子として機能するよう少なくともそれぞれN型半導体層、発光層、P型半導体層、あるいはバッファ層として形成することができる。本発明において、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を用いて同じ膜構成で発光素子を作製したとき、基板として従来からのサファイアなどを用いた場合と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた場合とで比較したとき、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合は従来からのサファイアなどを基板として用いた場合と少なくとも同等かあるいは最大4倍〜5倍以上高い。具体的にいえば、基板として従来からのサファイア及び窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用い、これらの基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜で同じ構成のN型半導体層、発光層、P型半導体層、あるいは必要に応じてバッファ層を有する発光素子を作製したとき、発光素子を構成するこれらの薄膜層のうち少なくとも該N型半導体層、発光層、P型半導体層を構成する薄膜がミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として例えば同じ150秒の結晶性を有する単結晶であったとしても、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製した発光素子の発光効率が従来からのサファイアを基板として用いた場合と比較して少なくとも同等か最大4倍〜5倍以上高い。
したがって、上記のように発光効率の高い発光素子を作製する場合、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に結晶性の優れた単結晶薄膜が形成できるということはまず第一番目に重要な条件ではあっても、それだけでは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製した発光素子の発光効率が従来からのサファイアなどの基板と少なくとも同等かそれよりもさらに高いということにはならないと思われる。やはり、光吸収端が波長200nm付近にある、あるいは屈折率が窒化ガリウムに近いなど窒化アルミニウムという物質が元来有する特性とともに、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は窒化アルミニウムを主成分とする結晶粒子あるいは粒界相が焼き固まって構成されているという微構造を有するためサファイアのような透明体と異なり焼結体と薄膜との界面あるいは焼結体と外部空間との界面で光の反射が生じにくいためと推測される。すなわち、このような光反射が生じにくいので発光素子から発せられた光のうち直接上記焼結体と薄膜との界面に照射されたもの、あるいは発光素子を構成している薄膜のうち基板側でなく外部空間と直接接している薄膜面から反射されて上記界面に照射された光も、ほとんど反射されることなく窒化アルミニウムを主成分とする焼結体内部へ侵入しさらに該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と外部空間との界面に達した光は素子外部へと放出されるものと思われる。
サファイア基板と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との光透過性を比較したとき窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の場合は最も優れているものでも波長210〜220nmまでの光に対して透過性を示し、波長330nmの光で80%以上の光透過率を示すのに対してサファイア基板の場合通常波長150nm付近の紫外領域まで透明で光透過率も波長200nm〜4500nmの範囲で80%〜90%でありさらに透明体であるので光は直線的に透過し易く、したがって光透過性の面ではサファイア基板の方が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板よりも優れていると思える。したがって光透過性の面から見ると発光素子の発光層から発せられた光はサファイア基板を用いた方が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板よりも素子の外部へより多く放出されると思われるが実際はその逆になっている。
また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のうち光透過性のないものを基板として用いたときでも該基板上に形成される発光素子の発光効率はサファイア基板と同等以上であったので、おそらく発光素子の発光層から発せられた光はサファイア基板と薄膜との界面あるいはサファイア基板と外部空間との界面で反射されサファイア基板を殆ど透過しないものと思われる。言い換えれば、サファイア基板を用いた場合おそらく上記各界面で発光素子の発光層から発せられた光は反射されて素子内部へ戻されサファイア基板を透過しては素子外部へ放出されにくいものと推測される。また、発光素子から発せられた光のうち発光素子を構成している薄膜のうちサファイア基板側でなく外部空間と直接接している薄膜面から反射されて上記各界面に照射された光もほとんどのものは反射され再び外部空間と直接接している薄膜面に達し、該薄膜面でまた反射されるという繰り返えしが生じ、その結果として該薄膜面から外部へ放出される光も光透過性を有しない窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いた場合よりもかえって減少し易いのではないかと推測される。
発光素子の外形の大きさは0.05mm角〜10mm角程度で通常は0.1mm角〜3mm角程度であり、発光素子を構成する薄膜層の厚みは合計すると0.5μm〜50μm程度で通常は1μm〜20μm程度である。また、発光素子の発光層は面形状であり該発光層から発せられた光は0.5μm〜50μm程度の距離をおいて垂直に対峙する基板面に照射されると思われるのでもともとは基板と発光素子を構成する薄膜との界面で全反射などの現象は生じにくいと思われるが、サファイア基板の場合波長650nmにおいて屈折率が1.76〜1.78と薄膜を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムと比べて低く、さらに単結晶であるため粒界や粒界相などはなく均質であり基板表面の平滑性も高いことなどが原因となって上記の界面における反射が生じ易くなるものと思われる。また、上記のように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のうち光透過性のないものを基板として用いたものでも該基板上に形成される発光素子の発光効率はサファイア基板を用いたものと同等かあるいはさらに優れていたので従来から云われているように格子不整合や熱膨張率の違いなどによる薄膜中の転位あるいはひずみがサファイア基板の場合は多いことも発光効率が低い原因であろうと推測された。
それに対して基板として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた場合、窒化アルミニウムの屈折率は波長650nmにおいて2.00〜2.25であり発光素子を構成する窒化アルミニウム以外の窒化ガリウム、窒化インジウムと比較的近く、発光素子を構成する薄膜との界面には窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の窒化アルミニウムを主成分とする結晶粒子や粒界あるいは添加物などによる粒界相が存在し均質でなく基板表面の平滑性もサファイアに比べて通常は小さいので発光層から発せられた光の反射がより一層生じにくく窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中に発光層から発せられた光の多くが進入可能であることが発光効率向上の大きな原因であろうと推測される。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は透明体と異なり直線的な光透過性は低くても光透過率としては80%以上と比較的高いものが製造できるのでこのような窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中に進入した発光素子の発光層から発せられた多くの光が該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を透過して発光素子外部へと放出されることもサファイア基板に比べて発光効率が飛躍的に高まった大きな原因であろうと推測される。
また、上記のように発光素子の外形の大きさは0.05mm角〜10mm角程度で通常は0.1mm角〜3mm角程度であり、発光素子を構成する薄膜層の厚みは合計すると0.5μm〜50μm程度で通常は1μm〜20μm程度である。通常発光素子に形成されている発光層は面形状であり該発光層から発せられた光は0.5μm〜50μm程度の距離をおいて垂直に対峙する基板面に照射されると思われるのでもともとは基板と発光素子を構成する薄膜との界面で全反射などの現象は生じにくい構造であることも基板として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がより有効に機能する大きな要因であると思われる。
さらに窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板の熱伝導率はサファイア基板に比べて5倍〜10倍と大きいのでたとえ一部の光が素子内部に閉じ込めら熱エネルギーに変わったとしても速やかに発光素子の外部へ放出されるため素子の温度上昇が抑制されるので素子の温度上昇による発光効率の低下がないことも要因の一つであろうと思われる。
本発明において、上記発光素子を作製するための基板として用いられる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は、該発光素子の構成要素である少なくともN型半導体層、発光層、P型半導体層を形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜がエピタキシャル成長した単結晶として形成しうるものであればどのようなものでも用いることができる。言い換えれば、以下に述べる方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜が形成できるものであればどのような窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であっても発光素子を作製するための基板として用いることができる。
すなわち、1)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体をそのまま基板として用い、その上に直接発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、として積層し発光素子を作製していく方法である。この方法において要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず基板上に形成し、その上にN型半導体層、発光層、P型半導体層を積層して発光素子を作製していくことが望ましい。
また、2)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として作製し、該基板の上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、その上に発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、として積層し発光素子を作製していく方法である。上記薄膜基板を用いて発光素子を作製していく場合、該薄膜基板に形成されている薄膜層の少なくとも一部を発光素子が機能するための構成要素として用いることも可能である。この方法において薄膜基板の上に要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず形成し、その上にN型半導体層、発光層、P型半導体層を積層して発光素子を作製していくことが望ましい。
また、3)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として作製し、該基板の上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をあらかじめ少なくとも1層以上形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、その上に発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、として積層し発光素子を作製していく方法である。上記薄膜基板を用いて発光素子を作製していく場合、該薄膜基板に形成されている薄膜層の少なくとも一部を発光素子が機能するための構成要素として用いることも可能である。この方法において薄膜基板の上に要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず形成し、その上にN型半導体層、発光層、P型半導体層を積層して発光素子を作製していくことが望ましい。
上記1)〜3)で示した方法のなかで、2)〜3)に示した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板とし該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成したものを薄膜作製用基板として用いることが発光効率の優れた発光素子を作製する上で好ましい。通常このような薄膜基板を用いることで発光効率10%以上の発光素子が作製し得る。さらに、基板に形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも2層以上とし、該2層以上の薄膜のうち表面のものを単結晶とした基板を用いれば、基板にあらかじめ形成する薄膜の結晶状態に関係なくその上には発光効率に優れた発光素子を容易に作製し得るので好ましい。すなわち、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いる場合、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を少なくとも1層以上形成した基板を用いれば、その上には発光効率12%以上の発光素子を容易に作製し得る。特に発光素子として発光効率が15%以上のものを作製していく場合、あるいは発光素子としてレーザーダイオードを作製する場合にはこのような表面に単結晶薄膜を形成した薄膜基板を用いることが有効である。
上記薄膜基板を用いて発光素子を作製していく場合、該薄膜基板に形成されている薄膜層の少なくとも一部を発光素子が機能するための構成要素として用いることも可能である。この方法において薄膜基板の上に要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず形成し、その上にN型半導体層、発光層、P型半導体層を積層して発光素子を作製していくことが望ましい。また本発明による薄膜基板を用いて発光素子を作製していく場合、上記バッファ層を特に設けずに発光素子を作製することも可能である。
本発明において、このような特性を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板に形成される薄膜の結晶性などの性状について、該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の組成、純度、窒化アルミニウム成分の含有量、光透過性、焼結体結晶粒子の大きさ、導通ビアの有無などとの関係、あるいは該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板としたときの表面平滑性、基板の厚みなどとの関係、あるいは該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成される薄膜構成、薄膜厚みなどとの関係について今まで説明してきた。
本発明において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できるものであればどのような組成のものであっても該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることにより優れた発光効率を有する発光素子が作製し得る。通常従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大4〜5倍以上に改善された発光効率を有する発光素子を提供し得る。通常窒化アルミニウム成分を少なくとも20体積%以上含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることが好ましく従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大4〜5倍以上に改善された発光素子を作製し得る。
より詳しく言えば、1)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体をそのまま基板として用い、その上に直接要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず形成し、その上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、として積層していくことで発光素子を作製していく方法の場合、通常窒化アルミニウム成分を50体積%以上含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いることが好ましく発光効率が少なくとも10%以上の発光素子を作製し得る。
また、2)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として作製し、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、該薄膜基板の上に要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず形成し、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、として積層して発光素子を作製していく方法、及び3)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として作製し、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、該薄膜基板の上に要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず形成し、その上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、として積層して発光素子を作製していく方法、という上記2)〜3)で説明した方法により発光素子を作製する場合でも、発光効率が少なくとも10%以上の発光素子を作製し得る。
上記1)〜3)に示した方法において通常窒化アルミニウム成分を20体積%以上含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることが好ましく発光効率が少なくとも10%以上の発光素子を作製し得る。窒化アルミニウム成分を20体積%以上含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いる場合、通常該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成した基板を用いることが好ましい。窒化アルミニウム成分を20体積%以上含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いる場合、該基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が配向性多結晶の結晶状態を有するものであれば、その上には発光効率が少なくとも12%以上の発光素子を作製し得る。また、窒化アルミニウム成分を20体積%以上含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いる場合、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも2層以上形成し、該2層以上の薄膜のうち表面のものが単結晶であれば、基板にあらかじめ形成する薄膜の結晶状態に関係なくその上には発光効率が少なくとも12%以上の発光素子を作製し得る。すなわち、窒化アルミニウム成分を20体積%以上含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いる場合、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を少なくとも1層以上形成した基板を用いれば、その上には発光効率が少なくとも12%以上の発光素子を作製し得る。また、窒化アルミニウム成分を50体積%以上含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いる場合、そのまま発光素子作製用基板として用いることができるが、通常該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成したものを用いることが好ましい。窒化アルミニウム成分を50体積%以上含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いる場合、該基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものであれば、その上には発光効率が少なくとも12%以上の発光素子を作製し得る。また、窒化アルミニウム成分を50体積%以上含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いる場合、該基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が配向性多結晶の結晶状態を有するものであれば、その上には発光効率が少なくとも15%以上の発光素子を作製し得る。また、窒化アルミニウム成分を50体積%以上含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いる場合、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも2層以上形成し、該2層以上の薄膜のうち表面のものが単結晶であれば、基板にあらかじめ形成する薄膜の結晶状態に関係なくその上には発光効率が少なくとも15%以上の発光素子を作製し得る。すなわち、窒化アルミニウム成分を50体積%以上含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いる場合、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を少なくとも1層以上形成した基板を用いれば、その上には発光効率が少なくとも15%以上の発光素子を作製し得る。特に発光素子として発光効率が20%以上のものを作製していく場合、あるいは発光素子としてレーザーダイオードを作製する場合にはこのような表面に単結晶薄膜を形成した基板を用いることが有効である。
本発明において、光透過率が1%より小さいかあるいは実質的に光透過性を有しない窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いても優れた発光効率を有する発光素子を作製し得る。また、光透過率が1%以上の光透過性を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いても優れた発光効率を有する発光素子を作製し得る。通常上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることにより発光効率が従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大4〜5倍以上に改善された発光素子を提供し得る。
より詳しく言えば、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が1%より小さいか実質的に光透過性を有しないもの、あるいは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が1%以上のものを基板として用いれば発光効率10%以上の発光素子を作製し得る。通常、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体はより高い光透過性を有するものを基板として用いるほうがより発光効率の高い発光素子を作製し得るので好ましい。すなわち、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率10%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は12%以上のものが得られ易いので好ましい。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率20%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は15%以上のものが得られ易い。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率30%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は20%以上のものが得られ易い。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率40%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は25%以上のものが得られ易い。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率50%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は30%以上のものが得られ易い。前記のように本発明において光透過率が60%以上、さらに最大80%以上のものも得られるがこのような高い光透過率を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体ものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は40%以上、最大62%のものが得られた。
このように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いて作製される発光素子の発光効率は少なくとも10%以上のものが得られ易いので、従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大4〜5倍以上に改善された発光素子を提供し得る。
本発明において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できるものであれば該焼結体中の窒化アルミニウム結晶粒子がどのような大きさのものであっても該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることにより優れた発光効率を有する発光素子が作製し得る。通常該発光素子の発光効率は従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大4〜5倍以上に改善された発光素子を提供できる。通常窒化アルミニウム結晶粒子の大きさが平均0.5μm以上の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることが好ましく従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大4〜5倍以上に改善された発光素子を作製し得る。
より詳しく言えば、窒化アルミニウム結晶粒子の大きさが平均1.0μm以上の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることで発光効率が少なくとも10%以上の発光素子を作製し得る。
また、含まれる結晶粒子が均等に近い大きさに揃っている状態のものだけでなく結晶粒子の大きさが不揃いのものや結晶粒子の形状がいびつで針状あるいは板状など一辺が小さく他の一辺が大きい形状の結晶粒子、例えばポリタイプAlN粒子など一辺が数μmで他の一辺が10数μm以上に大きく成長した針状あるいは板状などの形状の結晶粒子を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いても何ら問題なく発光効率の優れた発光素子を作製することができる。
その他、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中に導通ビアを形成したものを基板として用いても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成可能であり優れた発光効率を有する発光素子が作製し得る。導通ビアとしては導電性を有する材料であればどのようなものでも用いることが可能である。通常は導通ビアの材料としてタングステン、モリブデン、金、銀、銅、窒化チタンなどの金属、あるいは合金、あるいは金属化合物を主成分とする材料が用いられる。このような材料からなる導通ビアを形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることにより、通常従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大4〜5倍以上に改善された発光効率を有する発光素子を提供し得る。
より詳しく言えば、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中に導通ビアを形成したものを基板として用いることで発光効率が少なくとも10%以上の発光素子を作製し得る。
上記のように、発光素子を作製するための基板として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いることは有効であり、特に光透過性を有するものであればより発光効率に優れた発光素子が作製し得ることを説明した。
また本発明において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の表面平滑性としてどのような状態のものであっても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できるものであれば、該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上に形成される発光素子は優れた発光効率を有するものが作製し得る。通常上記表面平滑性を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いることにより作製される発光素子の発光効率は従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大4〜5倍以上に改善されたものを提供し得る。
より詳しく言えば、1)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体をそのまま基板として用い、その上に直接要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず形成し、その上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、として積層することで発光素子を作製していく方法の場合、通常窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の平均表面粗さRaが2000nm以下のものを用いることで発光効率が少なくとも10%以上の発光素子を作製し得る。
また、2)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として作製し、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、該薄膜基板の上に要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず形成し、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、として積層して発光素子を作製していく方法、及び3)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として作製し、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、該薄膜基板の上に要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず形成し、その上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、として積層して発光素子を作製していく方法、という上記2)〜3)で示した方法により発光素子を作製する場合、通常窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の平均表面粗さRaが2000nmより大きいものを用いても発光効率が少なくとも10%以上の発光素子を作製し得る。
本発明において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の厚みはどのようなものであっても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できるものであれば、該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上に形成される発光素子は優れた発光効率を有するものが作製し得る。通常上記基板厚みを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いることにより作製される発光素子の発光効率は従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大4〜5倍以上に改善されたものを提供し得る。通常窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の厚みが8.0mm以下のものを用いることで発光効率が少なくとも10%以上の発光素子を作製し得る。
以上、発光素子を作製するための基板として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いることは有効であり、該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体について純度(組成)、光透過率、焼結体結晶粒子、導通ビアの有無、基板としての表面平滑性、基板としての厚み、などについてその効果を説明してきた。
上記で説明してきたように、a)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として作製し、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、該薄膜基板の上にN型半導体層、発光層、P型半導体層、を積層して発光素子を作製していく方法、さらにb)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として作製し、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、該薄膜基板の上にN型半導体層、発光層、P型半導体層、を積層して発光素子を作製していく方法、という上記a)、b)で示した方法により発光素子を作製する場合、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものでは、特に断らない限りその上には通常発光効率10%以上の発光素子が作製し得る。上記の基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜のうち無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものがより好ましい。また、基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が配向性多結晶の結晶状態を有するものでは、特に断らない限りその上には通常発光効率12%以上の発光素子が作製し得る。また、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも2層以上とし、該2層以上の薄膜のうち表面のものを単結晶とした基板を用いれば、基板にあらかじめ形成する薄膜の結晶状態に関係なくその上には通常発光効率12%以上の発光素子が作製し得る。
本発明において、上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板だけでなく、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用い、該基板に要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず形成し、その上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、として積層し発光素子を作製することができる。本発明は炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは該焼結体を基板状としその上に少なくとも上記のN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を積層して積層体となし発光素子を構成したことに特徴がある。上記炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いて作製される発光素子も発光効率の優れたものを作製し得る。すなわち、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いることにより、従来からのサファイアなどの単結晶基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大3〜4倍以上に改善された発光効率を有する発光素子が提供し得る。すなわち本発明による炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される発光素子は入力された電力の最大20〜30%以上が発光素子外部へ光エネルギーとして放出し得る。
炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される発光素子がなぜこのような優れた発光効率を有するかその原因については必ずしも明確ではないが、上記基板には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性に優れた単結晶薄膜が形成し得るということがまず第一に重要であると思われる。しかしそれだけではなく上記炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板と同様、サファイアのようなバルク単結晶でなく焼き固められ結晶粒子や粒界相などから構成される焼結体としての微構造を有するということが従来からのサファイアなどの単結晶基板と同等あるいはそれ以上の発光効率を有する原因としてさらに重要であると思われる。
上記のように、サファイア基板上にもミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が少なくとも300秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成でき、このような結晶性に優れた単結晶薄膜を少なくともN型半導体層、発光層、P型半導体層の各層が構成されるようサファイア基板上に形成することで発光素子が製造されてきた。本発明による炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される発光素子は、上記サファイアなどの単結晶基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大3〜4倍以上に改善された発光効率を有する発光素子が提供し得る。すなわち、本発明による炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される発光素子は、少なくとも発光効率8%以上のものが作製し得る。
本発明において、上記発光素子を作製するための基板として用いられる炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体は、該発光素子の構成要素である少なくともN型半導体層、発光層、P型半導体層、を形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜がエピタキシャル成長した単結晶として形成しうるものであればどのようなものでも用いることができる。言い換えれば、以下に述べる方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜が形成できるものであればどのような炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体であっても発光素子を作製するための基板として用いることができる。
すなわち、1)炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体をそのまま基板として用い、その上に直接発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、として積層し発光素子を作製していく方法である。この方法において要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず基板上に形成し、その上にN型半導体層、発光層、P型半導体層を積層して発光素子を作製していくことが望ましい。
また、2)炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として作製し、該基板の上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、その上に発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、として積層し発光素子を作製していく方法である。上記薄膜基板を用いて発光素子を作製していく場合、該薄膜基板に形成されている薄膜層の少なくとも一部を発光素子が機能するための構成要素として用いることも可能である。なお、この方法において上記薄膜基板の上に要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず形成し、その上にN型半導体層、発光層、P型半導体層を積層して発光素子を作製していくことが望ましい。
また、3)炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として作製し、該基板の上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をあらかじめ少なくとも1層以上形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、その上に発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、として積層し発光素子を作製していく方法である。上記薄膜基板を用いて発光素子を作製していく場合、該薄膜基板に形成されている薄膜層の少なくとも一部を発光素子が機能するための構成要素として用いることも可能である。なお、この方法において上記薄膜基板の上に要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず形成し、その上にN型半導体層、発光層、P型半導体層を積層して発光素子を作製していくことが望ましい。
上記1)〜3)で示した方法により、本発明による炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を発光素子作製用基板として用いることで発光効率8%以上の発光素子を容易に作製し得る。
上記1)〜3)で示した方法のなかで、基板に形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも2層以上とし、該2層以上の薄膜のうち表面の薄膜を単結晶とした基板を用いれば、基板にあらかじめ形成する薄膜の結晶状態に関係なくその上には発光効率に優れた発光素子を容易に作製し得るので好ましい。すなわち、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いる場合、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を少なくとも1層以上形成した基板を用いれば、その上には発光効率10%以上の発光素子を容易に作製し得る。特に発光素子として発光効率が12%以上のものを作製していく場合、あるいは発光素子としてレーザーダイオードを作製する場合にはこのような表面に単結晶薄膜を形成した基板を用いることが有効である。
上記薄膜基板を用いて発光素子を作製していく場合、該薄膜基板に形成されている薄膜層の少なくとも一部を発光素子が機能するための構成要素として用いることも可能である。この方法において薄膜基板の上に要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず形成し、その上にN型半導体層、発光層、P型半導体層を積層して発光素子を作製していくことが望ましい。また本発明による薄膜基板を用いて発光素子を作製していく場合、上記バッファ層を特に設けずに発光素子を作製することも可能である。
本発明において、このような特性を有する炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を用いた基板に形成される薄膜の結晶性などの性状について、該炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体の組成、純度、窒化アルミニウム成分の含有量、光透過性、焼結体結晶粒子の大きさ、導通ビアの有無などとの関係、あるいは該炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板としたときの表面平滑性などとの関係、あるいは該炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に形成される薄膜構成、薄膜厚みなどとの関係について今まで説明してきた。
本発明において、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できるものであればどのような組成のものであっても、該炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いることにより優れた発光効率を有する発光素子が作製し得る。通常従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大3〜4倍以上に改善された発光効率を有する発光素子を提供し得る。
具体的には、例えば炭化珪素を主成分とする焼結体の組成としては実質的にSiCだけからなるもの、あるいはカーボン成分、あるいはB、BC、BNなどの硼素成分、あるいはY、Er、Ybなどの希土類元素成分、BeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、あるいはAlなどのアルミニウム成分、あるいはSiOなどの珪素成分、これらの成分を単独あるいは複合で含むものなどである。窒化珪素を主成分とする焼結体の組成としては実質的にSiだけからなるもの、あるいはY、Er、Ybなどの希土類元素成分、BeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、あるいはAlなどのアルミニウム成分、あるいはSiOなどの珪素成分、あるいはカーボン、モリブデン、タングステンなどの黒色化促進成分、あるいはTiO、Cr、MnO、CoO、NiO、Feなどの遷移金属成分、これらの成分を単独あるいは複合で含むものなどである。酸化亜鉛を主成分とする焼結体の組成としては実質的にZnOだけからなるもの、あるいはY、Er、Ybなどの希土類元素成分、あるいはBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、あるいはAlなどのアルミニウム成分、あるいはSiOなどの珪素成分、あるいはTiO、Cr、MnO、CoO、NiO、Feなどの遷移金属成分、これらの成分を単独あるいは複合で含むものなどである。酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の組成としては実質的にBeOだけからなるもの、あるいはY、Er、Ybなどの希土類元素成分、あるいはMgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、あるいはAlなどのアルミニウム成分、あるいはSiOなどの珪素成分、あるいはTiO、Cr、MnO、CoO、NiO、Feなどの遷移金属成分、これらの成分を単独あるいは複合で含むものなどである。酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の組成としては実質的にAlだけからなるもの、あるいはY、Er、Ybなどの希土類元素成分、あるいはBeO、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属成分、あるいはSiOなどの珪素成分、あるいはTiO、Cr、MnO、CoO、NiO、Feなどの遷移金属成分、これらの成分を単独あるいは複合で含むものなどである。
より詳しく言えば、通常酸化亜鉛成分をZnO換算で55.0モル%以上含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を用いることが好ましく、該酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用いることで発光効率が少なくとも8%以上の発光素子を作製し得る。上記酸化亜鉛以外の成分として、例えばアルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体、あるいはアルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含み同時にSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体、これらの焼結体からなる基板を用いることで発光効率が少なくとも8%以上の発光素子を作製し得る。
また、通常酸化ベリリウム成分をBeO換算で65.0モル%以上含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を用いることが好ましく、該酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用いることで発光効率が少なくとも8%以上の発光素子を作製し得る。上記酸化ベリリウム以外の成分として、例えばマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分をMgO、CaO、SiO換算で合計35.0モル%以下含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体、あるいはマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分をMgO、CaO、SiO換算で合計35.0モル%以下含み同時にSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で5.0モル%以下含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体、これらの焼結体からなる基板を用いることで発光効率が少なくとも8%以上の発光素子を作製し得る。
また、通常酸化アルミニウム成分をAl換算で55.0モル%以上含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いることが好ましく、該酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることで発光効率が少なくとも8%以上の発光素子を作製し得る。上記酸化アルミニウム以外の成分として、例えばマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分をMgO、CaO、SiO換算で合計45.0モル%以下含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいはマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分をMgO、CaO、SiO換算で合計45.0モル%以下含み同時にSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいはマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分をMgO、CaO、SiO換算で合計45.0モル%以下含み同時にSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの希土類元素成分のうちから選ばれた少なくともいずれか2種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体、これらの焼結体からなる基板を用いることで発光効率が少なくとも8%以上の発光素子を作製し得る。
本発明において、光透過率が1%より小さいかあるいは実質的に光透過性を有しない炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いても優れた発光効率を有する発光素子が作製し得る。また、光透過率が1%以上の光透過性を有する炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いても優れた発光効率を有する発光素子が作製し得る。通常上記炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いることにより発光効率が従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大3〜4倍以上に改善された発光素子を提供し得る。
より詳しく言えば、酸化亜鉛を主成分とする焼結体の光透過率が1%より小さいか実質的に光透過性を有しないもの、あるいは酸化亜鉛を主成分とする焼結体の光透過率が1%以上のものを基板として用いれば発光効率8%以上の発光素子を作製し得る。通常、酸化亜鉛を主成分とする焼結体はより高い光透過性を有するものを基板として用いるほうがより発光効率の高い発光素子を作製し得るので好ましい。すなわち、酸化亜鉛を主成分とする焼結体の光透過率10%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は10%以上のものが得られ易い。また、酸化亜鉛を主成分とする焼結体の光透過率20%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は12%以上のものが得られ易いので好ましい。また、酸化亜鉛を主成分とする焼結体の光透過率30%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は15%以上のものが得られ易い。また、酸化亜鉛を主成分とする焼結体の光透過率40%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は20%以上のものが得られ易い。また、酸化亜鉛を主成分とする焼結体の光透過率50%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は25%以上のものが得られ易い。前記のように本発明において光透過率が60%以上、さらに最大80%以上のものも得られるがこのような高い光透過率を有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体ものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は30%以上、最大55%のものが得られた。
また、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の光透過率が1%より小さいか実質的に光透過性を有しないもの、あるいは酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の光透過率が1%以上のものを基板として用いれば発光効率8%以上の発光素子を作製し得る。通常、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体はより高い光透過性を有するものを基板として用いるほうがより発光効率の高い発光素子を作製し得るので好ましい。すなわち、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の光透過率10%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は10%以上のものが得られ易い。また、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の光透過率20%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は12%以上のものが得られ易いので好ましい。また、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の光透過率30%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は15%以上のものが得られ易い。また、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の光透過率40%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は20%以上のものが得られ易い。また、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の光透過率50%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は25%以上のものが得られ易い。前記のように本発明において光透過率が60%以上、さらに最大80%以上のものも得られるがこのような高い光透過率を有する酸化ベリリウムを主成分とする焼結体ものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は30%以上、最大52%のものが得られた。
また、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が1%より小さいか実質的に光透過性を有しないもの、あるいは酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が1%以上のものを基板として用いれば発光効率8%以上の発光素子を作製し得る。通常、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体はより高い光透過性を有するものを基板として用いるほうがより発光効率の高い発光素子を作製し得るので好ましい。すなわち、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率10%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は10%以上のものが得られ易い。また、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率20%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は12%以上のものが得られ易いので好ましい。また、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率30%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は15%以上のものが得られ易い。また、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率40%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は20%以上のものが得られ易い。また、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率50%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は25%以上のものが得られ易い。前記のように本発明において光透過率が60%以上、さらに最大80%以上のものも得られるがこのような高い光透過率を有する酸化アルミニウムを主成分とする焼結体ものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は30%以上、最大51%のものが得られた。
また、窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率が1%より小さいか実質的に光透過性を有しないもの、あるいは窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率が1%以上のものを基板として用いれば発光効率8%以上の発光素子を作製し得る。通常、窒化ガリウムを主成分とする焼結体はより高い光透過性を有するものを基板として用いるほうがより発光効率の高い発光素子を作製し得るので好ましい。すなわち、窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率10%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は10%以上のものが得られ易い。また、窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率20%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は12%以上のものが得られ易いので好ましい。また、窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率30%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は15%以上のものが得られ易い。また、窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率40%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は20%以上のものが得られ易い。また、窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率50%以上のものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は25%以上のものが得られ易い。前記のように本発明において光透過率が60%以上、さらに最大80%以上のものも得られるがこのような高い光透過率を有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体ものを基板として用いたときその上に形成される発光素子の発光効率は30%以上、最大63%と高いものが得られた。
このように炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いて作製される発光素子の発光効率は少なくとも8%以上のものが得られ易いので、従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大3〜4倍以上に改善された発光素子を提供し得る。
本発明において、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できるものであれば該焼結体中の炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの結晶粒子がどのような大きさのものであっても該炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いることにより優れた発光効率を有する発光素子が作製し得る。通常該発光素子の発光効率は従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大3〜4倍以上に改善された発光素子を提供できる。
通常炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの結晶粒子の大きさが平均0.5μm以上の炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いることが好ましく従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大3〜4倍以上に改善された発光素子を作製し得る。
より詳しく言えば、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどの結晶粒子の大きさが平均1.0μm以上の炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いることで発光効率が少なくとも8%以上の発光素子を作製し得る。
また、含まれる結晶粒子が均等に近い大きさに揃っている状態のものだけでなく結晶粒子の大きさが不揃いのものや結晶粒子の形状がいびつで針状あるいは板状など一辺が小さく他の一辺が大きい形状の結晶粒子、例えばβ−Si粒子など一辺が数μmで他の一辺が10数μm以上に大きく成長した針状あるいは板状などの形状の結晶粒子を有する炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いても何ら問題なく発光効率の優れた発光素子を作製することができる。
その他、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体中に導通ビアを形成したものを基板として用いても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成可能であり優れた発光効率を有する発光素子が作製し得る。導通ビアとしては導電性を有する材料であればどのようなものでも用いることが可能である。通常は導通ビアの材料としてタングステン、モリブデン、金、銀、銅、窒化チタンなどを主成分とする材料が用いられる。このような材料からなる導通ビアを形成した炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いることにより、通常従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大3〜4倍以上に改善された発光効率を有する発光素子を提供し得る。
より詳しく言えば、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体中に導通ビアを形成したものを基板として用いることで発光効率が少なくとも8%以上の発光素子を作製し得る。
上記のように、発光素子を作製するための基板として炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を用いることは有効であり、特に光透過性を有するものであればより発光効率に優れた発光素子が作製し得ることを説明した。
また本発明において、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の表面平滑性としてどのような状態のものであっても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できるものであれば、該炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の上に形成される発光素子は優れた発光効率を有するものが作製し得る。通常上記表面平滑性を有する炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いることにより作製される発光素子の発光効率は従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大3〜4倍以上に改善されたものを提供し得る。
より詳しく言えば、1)炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体をそのまま基板として用い、その上に要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず形成し、その上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、として積層し発光素子を作製していく方法の場合、通常炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の平均表面粗さRaが1000nm以下のものを用いることで発光効率が少なくとも8%以上の発光素子を作製し得る。
また、2)炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として作製し、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、該薄膜基板の上に要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず形成し、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、として積層して発光素子を作製していく方法、及び3)炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として作製し、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、該薄膜基板の上に要すれば窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層をまず形成し、その上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、として積層して発光素子を作製していく方法、という上記2)〜3)で示した方法により発光素子を作製する場合、通常炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の平均表面粗さRaが1000nmより大きいものを用いても発光効率が少なくとも8%以上の発光素子を作製し得る。
本発明において、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の厚みはどのようなものであっても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できるものであれば、該炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の上に形成される発光素子は優れた発光効率を有するものが作製し得る。通常上記基板厚みを有する炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いることにより作製される発光素子の発光効率は従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の発光効率と比べて少なくとも同等か、最大3〜4倍以上に改善されたものを提供し得る。通常炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の厚みが8.0mm以下のものを用いることで発光効率が少なくとも8%以上の発光素子を作製し得る。
以上、発光素子を作製するための基板として炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を用いることは有効であり、該炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体について純度(組成)、光透過率、焼結体結晶粒子、導通ビアの有無、基板としての表面平滑性、基板としての厚み、などについてその効果を説明してきた。
上記で説明してきた、a)炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として作製し、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、該薄膜基板の上に発光素子を作製していく方法、及びb)炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として作製し、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、該薄膜基板の上に発光素子を作製していく方法、という上記a)、b)で示した方法により発光素子を作製する場合、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものでは、特に断らない限りその上には通常発光効率8%以上の発光素子が作製し得る。上記の基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜のうち無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものがより好ましい。また、基板にあらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が配向性多結晶の結晶状態を有するものでは、特に断らない限りその上には通常発光効率10%以上の発光素子が作製し得る。また、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも2層以上とし、該2層以上の薄膜のうち表面のものを単結晶とした基板を用いれば、基板にあらかじめ形成する薄膜の結晶状態に関係なくその上には通常発光効率10%以上の発光素子が作製し得る。
なお、上記例示した炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどを主成分とする焼結体は通常主成分である該炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどとして六方晶あるいは三方晶の結晶構造を有する主成分とするものが発光素子作製用基板として用いられることを主に例示してきたが上記主成分が例えば立方晶、正方晶、斜方晶、単斜晶、三斜晶、アモルファスなど六方晶あるいは三方晶以外の結晶構造を有するものであっても炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなどを主成分とするものであれば発光素子作製用基板として好適に用いることができる。例えば炭化珪素を主成分とする焼結体などは結晶構造として例えば立方晶を有する炭化珪素を主成分とする焼結体であっても基板として好適に用いることができる。また例えば酸化アルミニウムを主成分とする焼結体などは結晶構造として例えば立方晶、スピネル構造の酸化アルミニウムを主成分とする焼結体であっても基板として好適に用いることができる。
本発明において、上記炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体だけでなく、例えば酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化マグネシウム(MgO)、アルミン酸マグネシウム(MgAl)、酸化チタン(TiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:チタンとジルコニウムをモル数1:1の割合で含む複合酸化物)、酸化イットリウム(Y)などの希土類酸化物、酸化トリウム(ThO)、各種フェライト(FeあるいはMnFeなど一般式AFeであらわされる複合酸化物:ただし、Aは2価の金属元素)、ムライト(3Al・2SiO)、フォルステライト(2MgO・SiO)、ステアタイト(MgO・SiO)、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いることで発光効率の優れた発光素子が作製し得る。また上記例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体は光透過性を有するものが比較的容易に作製できるので、このような光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いることでも発光効率のより優れた発光素子が作製し得る。
通常上記炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体だけでなく、例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体をそのまま基板として用い、その上に直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜を形成することが困難な場合が多いので、上記各焼結体をそのまま用いてエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、として積層し発光素子を作製していく方法では良好な発光効率を有する発光素子を作製することが通常は困難である。
しかしながら、上記例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、該薄膜基板の上には発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜をN型半導体層、発光層、P型半導体層、あるいはバッファ層として積層していくことが可能となり、たとえ光透過率が1%より小さいかあるいは実質的に光透過性を有しないものであっても少なくとも8%以上の発光効率を有する発光素子を作製し得る。なおこの際、あらかじめ形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部を発光素子の構成要素として用いることも可能である。
本発明において、上記のように酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、該薄膜基板を用いることによりたとえ光透過率が1%より小さいかあるいは実質的に光透過性を有しないものであっても少なくとも10%以上の発光効率を有する発光素子が作製し得るようになるので好ましい。
このように本発明において、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いても従来からのサファイアなどの単結晶基板を用いて作製される発光素子に比べて発光効率が少なくとも同等か、最大2〜3倍以上に改善されたものを提供し得る。
本発明において、上記の酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など光透過性を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体は光透過率として少なくとも1%以上、通常10%以上を有するものが作製し得る。上記酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛(特に希土類元素成分を含むもの)、酸化イットリウム、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、のうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体は光透過率が50%以上のものが作製でき、最大80%以上のものも作製し得る。その中で酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、ムライト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体を用いることが好ましい。また特に、Yなどの希土類元素化合物あるいはCaOなどのアルカリ土類金属化合物含む酸化ジルコニウムを主成分とする焼結体、LiFやNaFなどのアルカリ金属あるいはCaOなどのアルカリ土類金属あるいはYなどの希土類元素化合物を含む酸化マグネシウムを主成分とする焼結体、原料中や製造工程中に混入する不純物以外の成分を含まない実質的に酸化マグネシウムだけからなる焼結体、CaOなどのアルカリ土類金属あるいはYなどの希土類元素化合物を含むアルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体、原料中や製造工程中に混入する不純物以外の成分を含まない実質的にアルミン酸マグネシウムだけからなる焼結体、異なる希土類元素成分を含むYなどの希土類元素酸化物を主成分とする焼結体、原料中や製造工程中に混入する不純物以外の成分を含まない実質的にYなどの希土類元素酸化物だけからなる焼結体、などは優れた光透過性のものが作製できるのでより好ましい。このような光透過性を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板とし、該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を形成したものを基板として用いれば、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し得るので、このような単結晶薄膜が形成された基板を用いてその上にあらためて薄膜を形成することで発光素子を作製することもできるし、あるいはこのようにして形成された単結晶薄膜をそのまま発光素子を構成する薄膜層の少なくとも一部として使用することにより発光素子を作製することもできる。
本発明において、上記酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などそれぞれの材料を主成分とする焼結体のうち光透過性を有するものを基板として用いて作製される発光素子はよりすぐれた発光効率のものが作製可能で従来からのサファイアなどの単結晶基板を用いて作製される発光素子に比べて発光効率が少なくとも同等か、最大3〜4倍以上に改善されたものを提供し得る。
より具体的に言えば、上記酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などそれぞれの材料を主成分とする焼結体のうち10%以上の光透過性を有するものを基板として用いて作製される発光素子は発光効率10%以上を有するものを作製し得る。また、光透過率が20%以上のものを基板として用いて作製される発光素子は発光効率12%以上を有するものを作製し得る。また、光透過率が30%以上のものを基板として用いて作製される発光素子は発光効率15%以上を有するものを作製し得る。また、光透過率が40%以上のものを基板として用いて作製される発光素子は発光効率20%以上を有するものを作製し得る。また、光透過率が50%以上のものを基板として用いて作製される発光素子は発光効率25%以上を有するものを作製し得る。また、光透過率が60%以上のものを基板として用いて作製される発光素子は発光効率30%以上を有するものを作製し得る。また、本発明において酸化マグネシウム、及びアルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体からなる基板でそれぞれ83%及び81%の光透過性を有するものが作製されたが、これらの基板を用いて作製された発光素子は発光効率がそれぞれ最大51%及び50%と優れたものであった。
上記で説明してきたように、本発明においては酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として作製し、その上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、該薄膜基板の上に発光素子を作製していく方法により発光素子を作製する場合、作製される発光素子は特に断らない限り通常発光効率8%以上のものが作製し得る。また、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板とし、該薄膜基板を用いることにより特に断らない限り通常少なくとも10%の発光効率を有する発光素子が作製し得る。
本発明による発光素子の特徴はその基板に窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他に例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体を用いた点にある。
本発明による発光素子を作製するための基板として、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他に例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体のうち光透過性を有するものを用いることが発光素子の発光効率を高める上ではより好ましい。本発明による発光素子の特徴はさらにこのような光透過性を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を発光素子を作製するための基板として用いた点に特徴がある。
本発明による発光素子を作製するための基板として、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体をそのまま基板として用いたものと、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他に例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板としその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板としたもの、という少なくとも2種類の基板がある。また、該薄膜基板には窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他に例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板としその上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶などのうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜を少なくとも1層以上形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板としたものもある。通常このような発光素子を作製するための薄膜基板のなかで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したものを用いることが発光素子の発光効率を高める上では好ましい。
本発明において、上記各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板のなかで、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いたものがより発光効率の優れた発光素子が得られ易いので好ましい。すなわち、具体的には窒化アルミニウムを主成分とする焼結体をそのまま基板として用いたもの、及び窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板としその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板としたもの、及び該薄膜基板のなかで窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板としその上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜を少なくとも1層以上形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を少なくとも1層以上形成して薄膜基板としたもの、などである。
また、上記各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板のなかで、酸化亜鉛を主成分とする焼結体を用いたものが発光効率の比較的優れた発光素子を作製でき、さらに該酸化亜鉛を主成分とする焼結体は光透過率が10%以下あるいはさらに光透過率が0%と光透過性が小さいかあるいは光透過性を有しないものであっても室温における抵抗率1×10Ω・cm以下の導電性のものも作製でき上下導通タイプの電極配置の発光素子を作製し得るので好ましい。
また、上記各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板のなかで、光透過性を有する焼結体を用いたものがより発光効率の優れた発光素子が得られ易いので好ましい。上記酸化亜鉛を主成分とする焼結体は光透過性と同時に導電性を有するものが得られるので発光効率に優れた上下導通タイプの電極配置の発光素子を作製し得るので好ましい。
上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他に例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体に、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜を少なくとも1層以上形成した薄膜基板は、該薄膜基板に形成された該窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜が形成されたままの状態で使用することもできるし、あるいは該薄膜を鏡面など研磨にした状態で用いることもできる。
また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他に例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体に、あらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜を少なくとも1層以上形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を少なくとも1層以上形成した薄膜基板は、該薄膜基板に形成された該窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されたままの状態で使用することもできるし、あるいは該単結晶薄膜を鏡面など研磨した状態で用いることもできる。
上記薄膜基板の表面平滑性は薄膜が形成されたままの状態でもすなわち自発的に平均表面粗さRaが少なくとも10nm以下のものが得られ、さらに自発的に平均表面粗さRaが3nm以下、あるいは2nm以下、あるいは1nm以下の薄膜基板も比較的容易に作製し得る。また、該薄膜基板をメカノケミカルな方法などを用いた鏡面研磨などによっても少なくとも平均表面粗さRaが少なくとも10nm以下のものが得られ、さらに平均表面粗さRaが3nm以下、あるいは2nm以下、あるいは1nm以下の薄膜基板も比較的容易に作製し得る。したがって仮に基板に形成した薄膜の自発的な表面平滑性が低かったとしても、上記の研磨あるいは研削などをの方法を用いて目的とする表面平滑性の薄膜基板を作製することができる。
このような表面平滑性を有する薄膜基板を用いることにより発光効率の優れた発光素子が作製し得る。
本発明による発光素子は基板として上記のように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他に例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスなど各種セラミック材料を主成分とする焼結体、を用いた点が大きな特徴である。さらに光透過性を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体を用いた点が大きな特徴である。本発明において、発光素子はこれらのセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板をそのまま用いてその上に作製する、あるいはこれらのセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成後その上に作製していく、あるいはこれらのセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成して薄膜基板とし該薄膜基板の上に作製していく、といった方法で提供することができる。上記のセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板として、図3、図5〜図8、図10〜図20、図36〜図38に例示するものなどが好適に用いられる。
上記発光素子を作製していく前にセラミック材料を主成分とする基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜、及び薄膜基板を作製するためにセラミック材料を主成分とする基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は通常スパッタリング法、あるいはイオンプレーティング法、あるいは蒸着法、あるいはMOCVD法、あるいはMOVPE法、あるいはその他のCVD法、あるいはクロライドVPE法などのハライドVPE法、あるいはその他のハライドVPE法、あるいはMBE法などの方法により形成される。該薄膜としては単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態のものが用い得る。該薄膜は単一層あるいは少なくとも2層以上の多層構成のものも問題なく用いることができる。該薄膜を単一層として形成する場合、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態で形成することがその上に結晶性及び表面平滑性などの特性がより優れた単結晶薄膜が形成でき発光素子の発光効率を高める上で好ましい。また、該薄膜を単一層として形成する場合、配向性多結晶の結晶状態で形成することがその上に結晶性及び表面平滑性などの特性がさらに優れた単結晶薄膜が形成できるのでさらに好ましい。該薄膜のうち配向性多結晶状態あるいは単結晶状態で形成する場合は通常結晶のC軸が基板面に対して垂直方向に形成されたものが用いられる。上記のように該薄膜は単一の層構成でなく複数の層(例えば組成が異なる、あるいは結晶状態が異なる、など)から構成されたものであってもよい。該薄膜が複数層で形成される場合表面層の薄膜が結晶性の優れた単結晶として形成し得るのでその上には発光効率の優れた発光素子が作製し得る。このような結晶性のより優れた単結晶薄膜を形成するためには上記セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜を形成しておくことが好ましい。また、あらかじめ配向性多結晶状態の薄膜を形成しておくことがさらに好ましい。該薄膜は導電性を有するものであってもよいが必ずしも導電性を有するものでなくともよい。該薄膜には主成分に対してSi(珪素)、Ge(ゲルマニウム)、Se(セレン)、Te(テルル)、O(酸素)、Mg(マグネシウム)、Be(ベリリウム)、Ca(カルシウム)、Zn(亜鉛)、Cd(カドミウム)、C(炭素)などのドーピング成分を加えることで該薄膜をN型半導体化あるいはP型半導体化することで比較的容易に導電性を付与することができる。
上記のように本発明によりセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体を発光素子作製用基板として用いることで高い発光効率を有する発光素子が製造できるようになった。本発明においては発光素子の発光効率をさらに高めることが可能である。具体的には以下に述べる少なくとも2つの方法がある。すなわち、1)表面粗さの比較的大きなセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体を基板として用いる、2)基板として用いるセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体に形成する薄膜として少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とするものを用いる、ことである。これらの方法をさらに詳しく説明を行う。
まず上記1)の方法であるが、発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体を形成するセラミック材料を主成分とする焼結体の表面を比較的凹凸の多い状態とすることで発光素子の発光効率が向上する。すなわち、例えば鏡面研磨された面のように比較的凹凸の少ない表面状態のセラミック材料を主成分とする焼結体を発光素子作製用基板として用いて作製される発光素子の発光効率に比べて、同じセラミック材料を主成分とする焼結体で表面の凹凸が比較的多いものを用いて作製される発光素子の発光効率は少なくとも同等かそれ以上の、通常は2%〜50%程度高い発光素子をもたらす場合が多い。すなわち例えば鏡面研磨された面のように凹凸の少ない表面状態のセラミック材料を主成分とする焼結体を発光素子作製用基板として用いて作製される発光素子の発光効率が10%であれば、上記のように比較的凹凸の多い表面状態のセラミック材料を主成分とする焼結体を発光素子作製用基板として用いた場合は発光効率が少なくとも10%以上、通常は発光効率が12%〜60%の発光素子を作製し得る。このような表面状態のセラミック材料を主成分とする焼結体を用いることで、微粒子の集合体である該セラミック材料を主成分とする焼結体が本来有する発光素子の発光効率を向上させ易いという効果をさらに高めることが可能となる。
上記比較的凹凸の多い表面状態のセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製する場合に見られる発光効率の向上は、該セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有するか否かに拘わらず見られる。セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有する場合、該セラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子は比較的高い発光効率を有するものが得られ易いが、セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有しその表面が比較的凹凸の多い表面状態言い換えれば表面粗さの大きいものであれば、該セラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子はさらに高い発光効率を有するものが得られ易い。本発明においては例えば光透過率80%以上を有する例えば窒化ガリウムを主成分とする焼結体、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、酸化亜鉛を主成分とする焼結体などを用いて作製した発光素子では発光効率70%以上のものが作製し得る。また、セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有しないものであってもその表面が比較的凹凸の多い表面状態であれば、該セラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子は同じ光透過性を有しないセラミック材料を主成分とする焼結体で比較的凹凸の少ない表面状態のものを用いて作製される発光素子に比べて高い発光効率を有するものが得られ易い。
セラミック材料を主成分とする焼結体の表面が比較的凹凸の多い状態とは通常表面平滑性の小さい、言い換えれば表面粗さの大きい状態を意味する。また、セラミック材料を主成分とする焼結体の表面が比較的凹凸の多い状態のものには、例えば焼き放し(as−fire)表面やラップ研削された表面、あるいはブラスト研磨された表面、あるいは化学的にエッチング(腐食)された表面、などのように比較的不規則な凹凸状態からなるものだけでなく、例えば溝切りなど機械的な加工を施し規則的な桝目状、円形状、直線状などの凹凸が形成されたものなども含まれる。溝切りなどの機械加工は例えばダイヤモンドブレードやダイヤモンドドリルなどのダイヤモンド工具を用いる方法、超音波を用いる方法、レーザーを用いる方法、などが好適に用いられる。上記規則的な桝目状、円形状、直線状などの凹凸の形成は機械的な加工法だけに限らず例えばセラミック材料を主成分とする焼結体に規則的な空隙が形成されているレジストなどのマスクを施し、空隙部分のセラミック材料を主成分とする焼結体部分だけを化学的に薬液あるいは不活性ガス、フッ素、酸素などの成分を含有するイオンビームやプラズマガスなどによるRIE(反応性イオンエッッチング)、ECR(電子サイクロトロン共鳴)、イオンミリングなどのドライ方式でエッチングしたり、サンドブラストなどによる物理的な加工法によっても達成できる。
上記のように本発明において、セラミック材料を主成分とする焼結体を機械的方法、物理的方法あるいは化学的方法などを用いて加工することにより表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を得ることができる。
また一方、本発明においては機械的方法あるいは物理的方法あるいは化学的方法などを用いて焼成後のセラミック材料を主成分とする焼結体の表面を特に加工しなくても粉末成形体を焼成することで焼き放し(as−fire)のものであっても表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を得ることができる。焼き放し(as−fire)の状態で表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を得る場合、焼成前の粉末成形体として特に表面粗さを大きくしたものでなくても粉末成形体の焼成過程で自発的にセラミック材料を主成分とする焼結体が表面粗さの大きい状態を有するものとなり得る。また、焼き放し(as−fire)状態で表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を得る場合、焼成前の粉末成形体として表面粗さの大きいものを用いることも有効である。より具体的に言えば、目的とするセラミック材料を主成分とする粉末を例えばシート成形や一軸プレス成形あるいは静水圧(Isostatic Press)成形あるいは鋳込み成形あるいは押し出し成形などの成形法によって作製した粉末成形体を表面粗さの大きい状態に加工し該粉末成形体を焼成することで焼き放し(as−fire)の状態で表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体が作製できる。上記粉末成形体の表面粗さを大きくする方法としては一旦作製した粉末成形体の表面を溝切りやサンドブラストあるいはブラシ研磨などの機械的方法あるいはその他に物理的方法あるいは化学的方法などにより後から加工する方法がある。上記粉末成形体を後から加工し粉末成形体の表面粗さを大きくする方法の場合、凹凸など適宜の形状を有する型や針状や棒状といった形状を有する治工具を粉末成形体に押しつけて前記型や治工具に形成された形状のものを粉末成形体の表面に形成し目的とする表面粗さの大きい粉末成形体を得る、といった方法なども用いることができる。例えばドクターブレード法によるシート成形などによりシート状の粉末成形体を作製し該粉末成形体の表面粗さを大きくする場合、上記シート成形体は溶媒の乾燥過程で自発的に形成された表面状態を有し易く表面粗さの制御範囲が狭い場合が多いので上記のような後から粉末成形体の表面粗さを大きくする方法が有効に適応でき、任意の表面粗さのシート成形体を作製することが可能である。粉末成形体の表面に後から上記例示した型や治工具などを押し付けて表面粗さの大きなものを形成する場合室温で行うこともできるが、含まれるバインダーや可塑剤などの種類や量などにより該粉末成形体を適宜例えば室温〜200℃程度の温度範囲に加熱し該粉末成形体を柔らかい状態にしたものを用いることで型や治工具に形成された形状のものがそのまま粉末成形体の表面により一層形成され易くなりその結果目的とする表面粗さを有する粉末成形体をより好適に作製することができる。加熱して柔らかい状態にした粉末成形体を用い型や治工具などを押し付けて表面粗さの大きい粉末成形体を作製する方法は、例えばドクターブレード法によるシート状の粉末成形体の表面粗さを大きくする場合などに対して好適に用いることができる。上記例示した型あるいは治工具を粉末成形体に押しつけて目的とする表面粗さの大きい粉末成形体を得る方法において、型や治工具を押し付けるときの圧力は通常200Kg/cm以下で十分効果が発揮し得る。加熱して柔らかい状態の粉末成形体を用いる場合は通常100Kg/cm以下の圧力で十分効果が発揮し得る。
また、上記粉末成形体の表面粗さを大きくする方法として成形するとき同時に該粉末成形体の表面粗さを大きくする方法があり好適に用いることができる。例えば一軸プレス成形や静水圧成形あるいは鋳込み成形などにより粉末成形体を作製する場合、成形用の金型やゴム型あるいは石膏型などの型に凹凸や溝など適宜の形状を施し成形と同時に凹凸や溝などの形状が形成された粉末成形体が作製できその結果目的とする表面状態を有する粉末成形体が得られる。また例えば押し出し成形により粉末成形体を作製する場合、成形用の口金に凹凸などの形状を施したものを用いれば成形と同時に成形方向に溝あるいは凹凸などの形状が形成された成形体が作製できその結果表面粗さの大きい粉末成形体が得られる。もちろん上記例示した一軸プレス成形や静水圧成形あるいは鋳込み成形あるいは押し出し成形などを用いて作製した粉末成形体においては成形と同時に表面粗さを大きく方法だけでなく、成形後に前記機械的あるいは物理的あるいは化学的な方法などで表面粗さを大きくすることもできる。このような成形後あるいは成形と同時に表面粗さを大きくした粉末成形体を用いて表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を得ることができる。
なおその他、焼き放し(as−fire)の状態で表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を得る場合、ホットプレスやHIP法などの高圧焼成法も用いることができる。例えば凹凸や溝など適宜の形状を施したカーボン製などの型を用いてホットプレスを行ないセラミック材料を主成分とする成形用粉末を焼結すると同時に凹凸や溝などの形状が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体が作製でき、その結果焼き放し(as−fire)の状態で目的とする表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体が得られる。
上記のように、本発明においてはセラミック材料を主成分とする焼結体を機械的方法、物理的方法あるいは化学的方法などを用いて加工することにより表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を得ることができる。また焼き放し(as−fire)状態で自発的に表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を得ることができる。さらに、表面粗さの大きな粉末成形体を用いて焼成することで表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を得ることができる。
本発明において、上記で例示した表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し得る。該単結晶薄膜はあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶などの結晶状態を有する薄膜が形成された表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に対してだけでなく、該表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に対して直接形成し得る。該単結晶薄膜は形成方法を工夫することで表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に対してであっても比較的容易に直接形成し得る。例えば、薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分を該表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に対して特定の方向から供給するなどの工夫で直接形成し得る。より具体的にいえば、薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分の供給をセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して垂直及び水平及び斜めのうちから選ばれた少なくとも1以上の方向から行うことで、表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に対して窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。通常薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分をセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して垂直及び水平及び斜めのうちから選ばれた少なくとも2以上の方向から供給することで、表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に対して窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性に優れた単結晶薄膜が直接形成し得る。すなわち、1)上記薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分の供給をセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して垂直方向から行う、2)上記薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分の供給をセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して水平方向から行う、3)上記薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分の供給をセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して斜め方向から行う、4)上記薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分の供給をセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して垂直方向及び水平方向の2方向から行う、5)上記薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分の供給をセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して垂直方向及び斜め方向の2方向から行う、6)上記薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分の供給をセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して水平方向及び斜め方向の2方向から行う、7)上記薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分の供給をセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して垂直方向及び水平方向及び斜め方向の3方向から行う、という少なくとも7つの方法で薄膜の原料を供給することで表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に対して窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。なお、薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分の供給方向が斜めであるということは、該供給方向が基板面に対して垂直及び水平以外のすべての方向であるということを意味する。
本発明において、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜は例えばMOCVD法あるいはハライドVPE法などガリウム成分、インジウム成分、及びアルミニウム成分を含む化合物を一旦分解しその後アンモニアなどの反応ガスとの窒化反応により目的とする組成のものを作製する方法により良好な結晶性のものが形成される場合が多いので、薄膜の原料を特定の方向から供給することは容易であり効果的に単結晶薄膜を形成することが可能となり得る。より具体的にいえば、例えばMOCVD法やハライドVPE法を用いて単結晶薄膜を形成する場合、主原料である例えば有機ガリウム化合物、有機インジウム化合物、有機アルミニウム化合物、ガリウムのハロゲン化物、インジウムのハロゲン化物、アルミニウムのハロゲン化物をセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して垂直及び水平及び斜めのうちから選ばれた少なくとも1以上の方向から供給することで、比較的表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体であってもその表面には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。通常上記主原料である例えば有機ガリウム化合物、有機インジウム化合物、有機アルミニウム化合物、ガリウムのハロゲン化物、インジウムのハロゲン化物、アルミニウムのハロゲン化物をセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して垂直及び水平及び斜めのうちから選ばれた少なくとも2以上の方向から供給することが形成される単結晶薄膜の結晶性を高める上で好ましい。該単結晶薄膜としてミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として少なくとも300秒以下の比較的結晶性に優れたものが形成し得る。通常MOCVD法あるいはハライドVPE法などの方法を用いる場合ガリウム成分、インジウム成分、及びアルミニウム成分を含む主原料は水素あるいは窒素+水素あるいはアルゴンなどのキャリアガスとともに供給される。また、反応ガスであるアンモニアや窒素あるいは水素などもセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して垂直及び水平及び斜めのうちから選ばれた少なくとも1以上好ましくは2以上の方向から供給することが該セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成する上で好ましい。このように本発明において、表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体であっても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できる。その結果本発明において、表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を用いることで高い発光効率を有する発光素子を作製することができる。
なお、表面粗さの大きい窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいは酸化亜鉛を主成分とする焼結体、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体、炭化珪素を主成分とする焼結体、窒化珪素を主成分とする焼結体、窒化ガリウムを主成分とする焼結体など六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に対しては薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分の供給を上記のようにセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して垂直及び水平及び斜めのうちから選ばれた少なくとも1以上あるいは少なくとも2以上といった特定の方向から行わなくても、すなわち薄膜の原料供給の方向を特に限定しなくても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得るが、結晶性の優れた単結晶薄膜を形成する上では薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分を上記のように少なくとも1以上好ましくは2以上の方向から供給することが好ましい。
また、本発明において上記のように薄膜の形成方法を工夫することで、例えば薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分をセラミック材料を主成分とする焼結体に対して特定の方向から供給するなどの工夫で窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいは酸化亜鉛を主成分とする焼結体、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体、炭化珪素を主成分とする焼結体、窒化珪素を主成分とする焼結体、窒化ガリウムを主成分とする焼結体など六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体ではなくても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得ることが見出された。より具体的に言えば、薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分をセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して垂直及び水平及び斜めのうちから選ばれた少なくとも1以上好ましくは2以上の方向から供給することで、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいは酸化亜鉛を主成分とする焼結体、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体、炭化珪素を主成分とする焼結体、窒化珪素を主成分とする焼結体、窒化ガリウムを主成分とする焼結体など六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体ではなくても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得ることが見出された。
すなわち、例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成しようとしたとき、薄膜の原料供給の方向を限定せずに行えば通常単結晶薄膜の形成が困難である場合が多い。一方、薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分の供給を特定の方向から行えば、例えば原料の供給を上記セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して垂直及び水平及び斜めのうちから選ばれた少なくとも1以上の方向から行えば、あるいは原料の供給を少なくとも異なる2以上の方向を組み合わせることにより薄膜の形成を行えば、例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。これらのセラミック材料を主成分とする焼結体はその表面状態によらず、例えば平均表面粗さRa70nm以上と比較的大きいものでなくても、すなわち例えば平均表面粗さRa70nm以下のものであっても上記のように薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分を上記セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して垂直及び水平及び斜めのうちから選ばれた少なくとも1以上、好ましくは少なくとも2以上の方向から供給することにより窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が該セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成し得る。
本発明において比較的表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜であっても該薄膜にはクラックあるいはひび割れなど生じにくく、該薄膜と該セラミック材料を主成分とする焼結体との間で剥離などの不具合も生じにくく強固の固着する。上記薄膜として無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶などどのような結晶状態のものであっても表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体との接合性は上記のように高い。
このように薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分をセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して垂直及び水平及び斜めのうちから選ばれた少なくとも1以上、好ましくは少なくとも2以上の方向から供給することにより窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいは六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体ではないセラミック材料を主成分とする焼結体、及び表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に対して窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る理由については必ずしも明確でない。しかしながら本発明者はその理由を以下のように推測している。すなわち、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜、特にMOCVD法あるいはハライドVPE法などのようにガリウム成分、インジウム成分、及びアルミニウム成分を含む化合物を一旦分解しその後アンモニアなどの反応ガスとの窒化反応により作製される薄膜は元来基板面に対して垂直な方向にC軸が成長し易い性質を有しているものと思われるが、セラミック材料を主成分とする焼結体は結晶方向があらゆる方向を向いた微粒子からなる多結晶体であるので原料が一つの方向からだけ供給されればセラミック材料の種類によっては薄膜結晶の成長がセラミック粒子の結晶方向に従って行われるので多結晶化され易くなり、原料が少なくとも1以上の方向からあるいはさらに2以上の方向から供給されればセラミック粒子の結晶方向に薄膜結晶が成長しようとする力を打ち消しあるいは抑制し窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が元来有している方向への結晶成長が行われ易くなり従って結晶性に優れた単結晶薄膜が直接形成し得るようになるものと思われる。
上記のように比較的表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は自発的に表面平滑性に優れたものとなり得るが、メカノケミカルな(機械的化学的な操作による)研削あるいは鏡面研磨を行うことによっても表面平滑性あるいは平坦性を高めたりすることができる。メカノケミカルな研削あるいは鏡面研磨により比較的表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜であってもその平均表面粗さRaは少なくとも10nm以下のものが作製し得る。また、平均表面粗さRaが3nm以下、あるいは2nm以下、さらには1nm以下のものが作製し得る。上記のように窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の平滑性あるいは平坦性を高めることでその上には高い発光効率を有する発光素子が作製し得る。また、上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された比較的表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板をさらに例えばフッ化水素酸(HF)、フッ硝酸(HF+HNOの混合酸)、硝酸(HNO)、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)などの酸に浸漬したり、H、N、Arなどを含む非酸化性雰囲気中あるいは減圧中で加熱アニールする、あるいはこれらを複数組み合わせて行う、などの処理を施すことにより基板表面に形成される単結晶薄膜の結晶性の改善をはかることが可能であり有効となり得る。
図71は比較的不規則な凹凸表面を有する(言い換えれば表面粗さの大きい)セラミック材料を主成分とする焼結体の表面状態の1例を示す模式図である。図72は規則的な凹凸表面を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の表面状態の1例を示す斜視図である。図72において、例えば機械的な溝切り加工やプラズマガスなどによるエッチングなどによりセラミック材料を主成分とする焼結体表面に直線状の溝部170を設けることで規則的な凹凸表面が形成されている様子が示されている。図73は規則的な凹凸表面を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の表面状態の1例を示す斜視図である。図73において、例えば機械的な溝切り加工などによりセラミック材料を主成分とする焼結体表面に直線状の溝部170及び171をお互い直角方向に設けることで規則的な桝目状の凹凸表面が形成されている様子が示されている。
セラミック材料を主成分とする焼結体表面の凹凸状態(凹凸の程度)は通常上記のように表面平滑性、すなわち表面粗さにより表わされ得る。特に図71に例示した比較的不規則な凹凸状態の表面に対してはその凹凸の程度を明確に表わし得る。表面粗さは十点平均表面粗さ(Rz)、最大表面粗さ(Rmax)、平均表面粗さ(Ra:算術平均粗さ)、などによって表わされるが本発明においては平均表面粗さ(Ra)を用いた。また機械加工などにより規則的な凹凸を施したセラミック材料を主成分とする焼結体表面の凹凸状態(凹凸の程度)も上記表面粗さにより表わし得るが、加工形状とその大きさによっても表わし得る。
本発明において、比較的凹凸の多い表面状態のセラミック材料を主成分とする焼結体として通常平均表面粗さRaが70nm以上、通用Ra100nm以上のものを用いることが好ましい。同じセラミック材料を主成分とする焼結体を用いた場合、平均表面粗さRa70nmより小さいセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子に比べて発光効率が少なくとも同等かそれ以上の、通常は2%〜30%程度高い発光素子をもたらす場合が多い。すなわち例えば鏡面研磨された面のように凹凸の少ない表面状態のセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子の発光効率が40%であれば、上記のように比較的凹凸の多い表面状態のセラミック材料を主成分とする焼結体を発光素子作製用基板として用いた場合は発光効率が少なくとも40%以上、通常発光効率が42%〜70%の発光素子を作製し得る。セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さとしてRa70nm以上であれば該焼結体を用いて作製される発光素子の発光効率向上の効果が認められる場合が多い。例えばRa2000nmあるいはそれ以上の比較的凹凸の多い表面状態を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製した場合、平均表面粗さRa70nmより小さい状態の同じセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子に比べて発光効率向上の効果が認められる場合が多い。したがって窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜がクラックや剥離などの不具合が生じない状態で形成し得るものであればセラミック材料を主成分とする焼結体の表面状態としてどのようなものであっても好適に用いることができる。例えばMOCVD法、ハライドVPE法などの各種CVD法、MBE法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、蒸着法、あるいはPLD法などを用いることができる。発光素子の発光効率を高める上で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性の高い単結晶薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体を用いることが好ましい場合が多い。上記単結晶薄膜は表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成したものであってもよいし、まず窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶などの結晶状態を有する薄膜を該セラミック材料を主成分とする焼結体に形成しその上にあらためて形成したものであってもよい。すなわち、単結晶薄膜を形成した表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体を形成していくことが好ましい場合が多い。このような方法であれば例えばセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さとしてRa5000nm程度の凹凸の多いものであっても薄膜中や薄膜とセラミック材料を主成分とする焼結体との界面での剥離などの不具合が生じにくくなり、発光効率の高い発光素子が安定に作製し得る。
なお、本発明においてはセラミック材料を主成分とする焼結体の組成や材質あるいは内部構造が異なれば平均表面粗さRa70nmより小さい表面状態を有するものを用いて作製した発光素子であってもRa70nm以上のセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子の発光効率と同等かさらに優れたものが作製し得る場合もある。
本発明において、比較的凹凸の多い表面状態の、言い換えれば表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製する場合、該発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体を直接上記の比較的凹凸の多い表面状態のセラミック材料を主成分とする焼結体に形成することも可能であるが、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体に上記積層体を形成すればより発光効率の高い発光素子が作製し得る。上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は通常無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態で使用される。上記比較的凹凸の多い表面状態を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は、例えば無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有するもの1層だけの構成のものだけでなく、2層以上の構成のものも好適に用いることができる。2層以上の構成の薄膜は、例えばまず無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有するものを形成しその上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶状態のものを形成したもの、などがあり好適に用いることができる。表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成する薄膜としては通常単結晶薄膜を用いることが発光素子の発光効率を高める上で好ましい。セラミック材料を主成分とする焼結体が例えば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、窒化ガリウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体であれば、比較的凹凸の多い表面状態を有したものであっても該セラミック材料を主成分とする焼結体には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。また一方で、薄膜の原料となるガリウム成分、インジウム成分及びアルミニウム成分の供給をセラミック材料を主成分とする焼結体に対して特定の方向から行うことで、上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、窒化ガリウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体以外のものであっても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得る。該単結晶薄膜としてミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が少なくとも3600秒以下、通常300秒以下の結晶性を有するものが作製し得る。また上記のように、比較的凹凸の多い表面状態を有するセラミック材料を主成分とする焼結体であっても該焼結体には例えば無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有する2層以上で構成される薄膜が形成し得る。本発明において今まで、セラミック材料を主成分とする焼結体にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有する薄膜を形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜は該焼結体の表面平滑性などの影響を受けにくくなり高い結晶性の薄膜が作製し得ることを説明してきた。セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、窒化ガリウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体だけでなく、その他例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスなどを主成分とする焼結体など、通常どのようなセラミック材料を主成分とするものであってもその上には単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有する薄膜が直接形成し得る。該単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の上にはさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜及び、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有する薄膜が形成し得る。このように比較的凹凸の多い表面状態を有するセラミック材料を主成分とする焼結体がどのような材料を主成分とするものであってもその上には薄膜の構成を少なくとも2層以上とすることによっても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し得る。すなわち、セラミック材料を主成分とする焼結体が例えば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、窒化ガリウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体、あるいは酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスなどを主成分とする焼結体など、通常どのようなセラミック材料を主成分とする焼結体であってもその上にまず窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有する薄膜を形成しその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成する、といった方法などにより単結晶薄膜を含む2層以上で構成される薄膜が形成し得る。上記2層以上で構成されている薄膜のうち少なくとも単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性を有するものが作製し得る。
上記のように比較的凹凸の多い表面状態のセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製する場合、なぜ該発光素子の発光効率が向上し易いのかその原因については必ずしも明確でない。セラミック材料を主成分とする焼結体は単結晶やガラスなどと異なり微粒子からなっているのでその表面状態に依らず、発光素子を構成するN型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体、あるいはあらかじめ形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜と該セラミック材料を主成分とする焼結体との界面で反射あるいは全反射がもともと生じにくいと推測される。比較的凹凸の多い表面状態のセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製する場合、発光素子を構成するN型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体と該セラミック材料を主成分とする焼結体との界面、あるいはあらかじめ形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜と該セラミック材料を主成分とする焼結体との界面で、発光層からの光がより一層反射あるいは全反射されにくくなるため発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体内部に光が閉じ込められにくくなりその結果該積層体外部へ(すなわち発光素子外部へ)放出され易くなるためであろうと思われる。
次に、発光素子の発光効率をさらに高めるために、上記2)少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体用いて発光素子を作製する方法に付いて説明する。
本発明による発光素子は上記のように、セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体を形成したものである。発光素子を作製するにあたりセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体には直接上記積層体を形成することも可能であるが、通常窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に上記積層体を形成することによって発光効率のより高い発光素子が作製し得る。なお上記セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は通常無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態で用いられる。セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜としては、例えば無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有するもの1層だけの構成のものだけでなく、2層以上の構成のものも好適に用いることができる。2層以上の構成の薄膜としては、例えばまず無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有するものを形成しその上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶状態のものを形成したもの、などがあり好適に用いることができる。
本発明において、上記のように窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体あるいは窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製すれば比較的高い発光効率を有する発光素子が作製し得るが、該セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成する薄膜として少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とするものを用いることでより高い発光効率を有する発光素子が作製し得るので好ましい。本発明において上記少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体あるいは少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成した光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いてその上に発光素子を作製すれば、窒化ガリウムを含まない窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上だけを主成分とする薄膜を形成した同じセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子よりも少なくとも同等かそれ以上の、通常は2%〜10%程度高い発光素子をもたらす場合が多い。すなわち例えば窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体あるいは窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子の発光効率が50%であれば、上記のように少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成した同じセラミック材料を主成分とする焼結体及び少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成した同じ光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いた場合、発光効率が少なくとも50%以上、通常は発光効率が52%〜60%の発光素子を作製し得る。
本発明において上記のように少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体あるいは少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成した光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いてその上に発光素子を作製すれば該発光素子の発光効率はより向上し易い。本発明においてセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成した窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜とは少なくとも窒化ガリウム成分を含むかあるいは窒化ガリウム成分が主成分として含まれる薄膜を意味する。窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜には窒化ガリウム成分の他に例えば窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分やSiやMgなどのドーピング成分が含まれている薄膜であってもよい。通常窒化ガリウムを主成分とする薄膜とは窒化ガリウム成分を50モル%以上含むものである。本発明においてはこのような窒化ガリウムを主成分とする薄膜だけでなく窒化ガリウム成分を50モル%より少ない量しか含まない薄膜であっても少なくとも窒化ガリウム成分を含むものであれば発光素子の発光効率向上に寄与し得る。本発明においては窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製した場合該発光素子の発光効率はより向上し得る。上記の「少なくとも窒化ガリウムを含む薄膜」について別の表現で説明すれば、本発明によるセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするものであるがこれを例えば化学式AlGaIn1−x−yNで表わしたとき「少なくとも窒化ガリウムを含む薄膜」とは0<y≦1の組成を有するもの(すなわち0≦x<1、0≦1−x−y<1)を意味する。セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成した薄膜がすべてこのような少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜のものだけでなく少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜が少なくとも一部含まれる構成のものであっても発光素子の発光効率の向上に寄与する場合が多い。すなわち窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜と少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜とを組み合わせて形成したセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製した場合でも、該発光素子の発光効率は向上する。具体的に言えばセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成した薄膜として一部が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜であり一部が窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするものであっても発光素子の発光効率は向上する。より具体的に言えば例えばセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成した薄膜が2層からなる場合2層すべてが少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とするものであってもよいし、あるいは1層が窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするもので1層が窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とするものであってもよい。また、表面(最上層)の薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜であれば発光素子の発光効率はより向上し得る。このように少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を含む構成の薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製した場合該発光素子の発光効率はより向上し得る。
上記のように少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体あるいは少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成した光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いることで、微粒子の集合体である該セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が本来有する発光素子の発光効率を向上させ易いという効果をさらに高めることが可能となる。
上記少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製する場合に見られる発光効率の向上は、該セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有するか否かに拘わらず見られる。セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有する場合、該光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子は比較的高い発光効率を有するものが得られ易いが、セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有しさらに少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したものであれば、該セラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子はさらに高い発光効率を有するものが得られ易い。なお、セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有しないものであっても少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したものであれば、該セラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子は同じ光透過性を有しないセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子に比べて高い発光効率を有するものが得られ易い。
また、上記少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製する場合に見られる発光効率の向上は、該セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が前記比較的凹凸の多い表面状態を有するセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したものであっても同様に見ることができる。比較的凹凸の多い表面状態を有するセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製される発光素子は比較的高い発光効率を有するものが得られ易いが、該比較的凹凸の多い表面状態を有するセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体にさらに少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したものを用いて作製される発光素子はさらに高い発光効率を有するものが得られ易い。本発明においては平均表面粗さ70nm以上の比較的凹凸の多い表面状態を有する例えば窒化ガリウムを主成分とする焼結体、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び酸化亜鉛を主成分とする焼結体などに少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したものを用いて作製した発光素子では発光効率70%以上のものが作製し得る。
窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜は例えば無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有するものなどが使用し得る。また、薄膜構成として1層だけのものだけでなく、2層以上の構成のものも好適に用いることができる。2層以上の構成の薄膜としては、例えばまず無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有するものを形成しその上にさらに無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有するものを形成したもの、などがあり好適に用いることができる。通常セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成する窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜が2層以上で構成される場合表面の薄膜(すなわち発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体が直接形成される薄膜)は単結晶であることが発光効率に優れた発光素子を作製する上で好ましい。また、セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいはその他に炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、窒化ガリウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体であれば、該セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し得るが該単結晶薄膜が窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とするものであっても直接形成し得る。該窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする単結晶薄膜としてミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下の結晶性を有するものが作製し得る。セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、窒化ガリウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体だけでなく、その他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスなどを主成分とする焼結体など、通常どのようなセラミック材料を主成分とするものであってもその上には少なくとも無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が直接形成し得るが該薄膜が窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とするものであっても直接形成し得る。該無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有する薄膜の上にはさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜、及び無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくとも1種以上の結晶状態を有する薄膜が形成し得るが該薄膜が窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とするものであっても形成し得る。このようにセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体がどのような材料を主成分とするものであってもその上には薄膜の構成を少なくとも2層以上とすることで窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜が単結晶の状態で形成し得る。上記2層以上で構成されている薄膜のうち少なくとも単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性を有するものが作製し得る。
上記のように少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製する場合、該発光素子の発光効率が窒化インジウム及び窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜だけを形成したセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子に比べてなぜ向上し易いのかその原因については必ずしも明確でない。窒化ガリウムと窒化アルミニウムとを比較したとき窒化ガリウムの屈折率は窒化アルミニウムの屈折率よりも大きい。そのため形成された窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜とセラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体との界面における発光層からの光の反射あるいは全反射が窒化アルミニウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とする薄膜とセラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体との界面におけるものよりも生じにくいと推測される。従って少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製すれば、窒化アルミニウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とする薄膜だけを形成したセラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子に比べて発光素子を構成する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体内部に光が閉じ込められにくくなり、その結果該積層体外部へ(すなわち発光素子外部へ)放出され易くなるためであろうと思われる。また、窒化インジウムあるいは窒化インジウムを主成分とする薄膜だけを形成したセラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製した場合、窒化インジウムあるいは窒化インジウムを主成分とする薄膜のバンドギャップエネルギーが窒化ガリウムに比べて小さいため窒化ガリウムに比べて波長の短い光の吸収が生じ易く、従って発光効率が低下し易くなるものと推測される。
このように本発明においては発光素子の発光効率を高めるために、1)光透過性のセラミック材料を主成分とする焼結体を使用して発光素子を作製する、2)比較的凹凸の多い表面状態を有するセラミック材料を主成分とする焼結体、言い換えれば表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を使用して発光素子を作製する、3)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製する、4)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体のうちで少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて発光素子を作製する、といった方法などが有効である。さらにこれらの方法を組み合わせて発光素子を作製することが発光効率を高める上で効果的である。例えば、5)光透過性でかつ表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を使用して発光素子を作製する、6)光透過性のセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものを使用して発光素子を作製する、7)光透過性のセラミック材料を主成分とする焼結体に少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したものを使用して発光素子を作製する、8)表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものを使用して発光素子を作製する、9)表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したものを使用して発光素子を作製する、10)光透過性でかつ表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものを使用して発光素子を作製する、11)光透過性でかつ表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したものを使用して発光素子を作製する、といった方法などが有効である。また上記の発光素子の発光効率を高めるために使用されるセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体としては窒化ガリウムを主成分とする焼結体、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び酸化亜鉛を主成分とする焼結体などを用いることが好ましい。
このように本発明により、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体がセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子、が提供される。本発明による発光素子は少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体がセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とし、従来からのサファイアなどの単結晶基板を用いて作製される発光素子に比べて発光効率が少なくとも同等か、最大4〜5倍以上のものが提供できる。本発明による発光素子は少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体が単結晶や配向性多結晶などに比べて不均質なセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されているにもかかわらず従来からのサファイアなどの単結晶基板を用いて作製される発光素子に比べて発光効率が少なくとも同等か、最大4〜5倍以上のものが提供できる。従来セラミック材料を主成分とする材料は不均質であり単結晶基板や配向性多結晶基板でなければ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜をエピタキシャル成長させることが困難であると通常考えられており、もしエピタキシャル成長できたとしてもその結晶性は低くそのため少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体から構成される発光素子の発光効率は従来からのサファイアなどの単結晶基板を用いて作製される発光素子に比べて必ずしも優れたものが提供できる状態ではなかった。本発明により従来からのこのような常識及び状況が打破されたといえる。上記セラミック材料を主成分とする焼結体としては光透過性を有しないものだけでなく光透過性を有するものを用いることも可能である。セラミック材料を主成分とする焼結体として光透過性を有するものを用いれば発光素子の発光効率が向上し易いので好ましい。また、上記発光素子を構成する少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体はセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成することができるだけでなくあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体にも形成することができる。あらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体を用いその上に少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体を形成すれば発光素子の発光効率が向上し易いので好ましい。
なお、上記セラミック材料とは焼結体を構成する例えば窒化アルミニウム、六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料(例えば炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムなど)、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの金属元素及び半金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素と非金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素との組成物あるいは化合物、あるいは金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素と半金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素との組成物あるいは化合物、あるいは半金属元素のうちから選ばれた少なくともいずれか2種以上の元素との組成物あるいは化合物を主成分とするものからなる。上記非金属元素としては通常窒素、りん、酸素、硫黄、ハロゲン元素(フッ素、塩素、臭素、沃素、アスタチン)などが好適に用いられる。半金属元素としては通常ほう素、炭素、珪素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレン、テルル、ポロニウムなどが好適に用いられる。上記セラミック材料は通常無機化合物を主成分とするものであり、これらのセラミック材料は結晶質のものであってもよいしあるいは例えばガラスなどの非晶質状態のものであってもよいしあるいは結晶質のものと非晶質のものとが混在したものであってもよい。上記セラミック材料は通常窒化物、炭化物、酸化物、硼化物、珪化物などの化合物あるいは組成物を主成分とするものである。
なお、本発明において上記セラミック材料としては主成分である無機材料以外に金属、合金、金属間化合物、有機物質、有機化合物、有機樹脂、その他に例えばハロゲン元素あるいはカルコゲン元素などの非金属などを含有するもの含まれる。
本発明において、上記セラミック材料を主成分とする焼結体は光透過性を有するものが好ましく、該光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の結晶性が向上し易くなるとともに、該光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成した少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体から構成される発光素子の発光効率がより優れたものとなる得るので好ましい。また本発明において、上記セラミック材料を主成分とする焼結体としては窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜をあらかじめ形成したものが好ましく、該薄膜があらかじめ形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体には結晶性の優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し易くなるとともに、該薄膜があらかじめ形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体に少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体を形成することにより得られる発光素子の発光効率がより優れたものとなり得るので好ましい。
本発明による発光素子は、1)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体がセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子、であるがさらに詳細に言えば、2)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子、を含む。また、3)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子、を含む。また、4)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子、を含む。また、5)上記発光素子に用いられるセラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする発光素子、を含む。また、6)上記発光素子に用いられるセラミック材料を主成分とする焼結体が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体であることを特徴とする発光素子、を含む。また、7)上記発光素子に用いられるセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする発光素子、を含む。
本発明による発光素子は上記のように、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体をセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成したものを含む。また窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体をあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体に形成したものも含まれる。本発明による発光素子は構成要素である窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる積層体としてN型半導体層及び発光層及びP型半導体層の他にバッファ層を有するものも含む。本発明の発光素子は上記バッファ層を必ずしも必要としない。本発明においてはセラミック材料を主成分とする焼結体にバッファ層を有せずN型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体を形成した発光素子も含む。発光素子がバッファ層を有する場合は通常セラミック材料を主成分とする焼結体にまずバッファ層を形成しその後N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体を形成する。本発明において発光素子がバッファ層を有する場合、発光素子の構成要素である窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる積層体は少なくともバッファ層及びN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む構成となる。通常バッファ層は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜をエピタキシャル成長させない状態(すなわち無定形、多結晶、配向性多結晶の結晶状態)のものが用いられる。上記セラミック材料を主成分とする焼結体としてあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたものを用いればバッファ層としては窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した(すなわち単結晶状態の)薄膜でも比較的容易に使用できる。さらにセラミック材料を主成分とする焼結体としてあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたものを用いればバッファ層としては適宜炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなど六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する化合物あるいは酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイトなどの化合物を主成分とする薄膜を用いてもよい。
以下、発光素子について図を用いて説明する。
図39は発光素子の基本的な構成を示す断面図である。すなわち発光素子作製用基板30に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜によりバッファ層31が形成され、その上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするN型又はP型の半導体特性を有する薄膜により薄膜層34が形成される。その上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜により発光層36が形成される。その上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするP型又はN型の半導体特性を有する薄膜により薄膜層35が形成される。該薄膜層35は薄膜層34がN型の半導体特性を有するときはP型に、薄膜層34がP型の半導体特性を有するときはN型の半導体特性になるように設定される。薄膜層34及び薄膜層35にはそれぞれ電極38が設けられる。このように基板30の上に要すればまずバッファ層31を形成し、その上にN型半導体層(P型半導体層)34、発光層36、P型半導体層(N型半導体層)35、を積層し、さらに電極38、を形成し基板を含めて全体として発光素子32が構成される。N型半導体層及びP型半導体層に形成された電極38に直流電力を印加することで発光素子が駆動する。発光の波長は発光層の組成を調整することなどで例えば紫外線領域から可視光領域の広い波長範囲にわたって光を発することができる。具体的にいえば例えば250nm〜650nmの波長範囲の光を発することができ、通常300nm〜600nmの波長範囲の光を発するように作製されることが多い。
さらに詳しく説明すると、図39において発光素子作製用基板30として従来からは例えばサファイアなどが用いられてきた。本発明においては発光素子作製用基板30として例えば図3、図5〜図8、図10〜図20、図36〜図38に例示するような窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他に酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスなどの各種セラミック材料を主成分とする焼結体をそのままの状態で基板としたもの、あるいはこれらのセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成して薄膜基板としたもの、がある。基板30の上にはMOCVD法、あるいはMOVPE法、あるいはその他のCVD法、あるいはクロライドVPE法などのハライドVPE法、あるいはMBE法などの方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層31が形成される。バッファ薄膜層31としては通常無定形状態のものが用いられるが、その他に多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態のものも用いることができ、さらにエピタキシャル成長した単結晶状態のものも用いることができる。バッファ層31はN型あるいはP型に半導体化した導電性を有するものであってもよいが必ずしも導電性を有するものでなくともよい。バッファ層31の上にはMOCVD法、あるいはMOVPE法、あるいはその他のCVD法、あるいはクロライドVPE法などのハライドVPE法、あるいはMBE法などの方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜により構成されるN型又はP型の半導体特性を有する薄膜層34が形成されている。なお、上記バッファ層31は通常基板30と薄膜層34との間の結晶不整合を調整し薄膜層34の結晶性や表面平滑性などの特性を向上するために設けられるが、必要に応じて設ければよく本発明においては特に設けなくても基板30の上に直接薄膜層34を形成し発光素子を作製していくことも可能である。薄膜層34は通常N型半導体特性を有するよう調整されるがP型半導体であってもよい。N型半導体特性は通常該薄膜層34を構成する主成分に例えばSi(珪素)、Ge(ゲルマニウム)、Se(セレン)、Te(テルル)、O(酸素)などのドナー形成ドーピング成分を含有せしめることにより発現される。薄膜層34の上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜から構成される発光層36が形成されている。発光層36を構成する薄膜は通常ドーピング成分を含まないアンドープ型の薄膜、あるいはアクセプター形成ドーピング成分のうちから選ばれた1種以上を含むもの、ドナー形成ドーピング成分のうちから選ばれた1種以上を含むもの、あるいはアクセプター形成ドーピング成分及びドナー形成ドーピング成分のうちから選ばれたそれぞれ1種以上を同時に含む(コドープされた)薄膜が適宜用いられる。発光層から発せられる光の波長は発光層として用いられるGaN、InN、AlNの組成あるいはドーピング成分の種類などによって制御できる。発光層36は例えばヘテロ構造やダブルへテロ構造、あるいは単一量子井戸構造などのように単一の薄膜層から形成されたものでもよいし、あるいは例えば多重量子井戸構造のように2層以上で構成されたものでもよい。単一量子井戸構造の場合、発光層36は井戸層となる例えば100Å以下の薄い単一組成の単一薄膜層からなりN型半導体薄膜の障壁層とP型半導体薄膜の障壁層とで挟まれた構造である。また発光層36には井戸層及び障壁層となる薄い少なくとも2以上の異なる組成の薄膜を交互に積層して構成される多重量子井戸構造のものも用い得る。多重量子井戸構造の場合、井戸層及び障壁層の厚みは井戸層が150Å以下好ましくは100Å以下さらに好ましくは70Å以下、障壁層が200Å以下好ましくは150Å以下さらに好ましく100Å以下のものが通常用いられる。また、多重量子井戸構造の場合、最外層にある2つの薄膜層は通常井戸層で形成されることが好ましい。なお上記ヘテロ構造やダブルへテロ構造、あるいは単一量子井戸構造の発光素子は通常発光ダイオード(LED)として用いられ、多重量子井戸構造を有する発光素子は通常レーザーダイオード(LD)として用いられる。上記発光層を構成する井戸層及び障壁層となる薄膜も通常窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜から構成されることが好ましい。単一量子井戸構造及び多重量子井戸構造の井戸層となる薄膜はドーピング成分を加えないアンドープの状態のものが通常用いられるが、適宜ドーピング成分を加えてそれぞれN型あるいはP型に半導体化したものあるいはN型及びP型半導体化ドーピング成分を同時に加えて半導体化したものなども用いることが可能である。また発光層が多重量子井戸構造の場合障壁層となる薄膜はドーピング成分を加えないアンドープの状態のものが通常用いられるが、適宜ドーピング成分を加えてN型あるいはP型に半導体化したものあるいはそれぞれN型及びP型半導体化ドーピング成分を同時に加えて半導体化したものなども用いることが可能である。量子井戸層を構成する井戸層/障壁層としては例えば、InGaN/GaN、InGaN/InGaN(それぞれ組成が異なる)、InGaN/AlGaN、AlGaN/GaN、などの組成系からなる組み合わせのものがある。さらに、発光層36の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜により構成される薄膜層35が形成されている。薄膜層35は前記薄膜層34がN型半導体特性を有する場合P型半導体特性を有するよう調整される。また前記薄膜層34がP型半導体特性を有する場合N型半導体特性を有するよう調整される。P型半導体特性は通常該薄膜層35を構成する主成分に例えばMg(マグネシウム)、Be(ベリリウム)、Ca(カルシウム)、Zn(亜鉛)、Cd(カドミウム)、C(炭素)などのアクセプター形成ドーピング成分を含有せしめることにより発現される。なお、上記ドナー形成ドーピング成分及びアクセプタ−形成ドーピング成分は薄膜をN型半導体化あるいはP型半導体化しさらに該薄膜の抵抗率を小さくするために主成分に対してどのような割合でも含有させることができるが通常元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含有される。また、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜はドーピング成分を含まないアンドープ型のものであっても自発的にN型の半導体特性を有し導電性が発現される場合があるが、発光素子にはこのようなアンドープ型の薄膜であっても用いることができる。上記薄膜層34及び薄膜層35にはAl、Au、Pt、Ti、Ni、Cr、Sn、Al/Ti、Au/Ni、Au/Ti、Au/Pd、Au/Pt/Tiなどから構成される電極38が形成されそこから直流電位が印加されることで素子の発光が行われる。
なお、上記薄膜層34及び薄膜層35はそれぞれ単一の層構成でなく2以上の複数の層(例えば組成が異なる、など)から構成されたものであってもよい。より詳しく言えば、上記薄膜層34及び薄膜層35は単一の層として構成されたものだけでなく少なくともどちらか一方の層が例えば電極と接続するためのコンタクト層及び発光層と接続するクラッド層など少なくとも2層以上の薄膜層から構成されるものも好適に使用される。また上記薄膜層34及び薄膜層35を構成するコンタクト層及びクラッド層は単一層だけでなく少なくともどちらか一方の層がそれぞれ少なくとも2層以上の薄膜層から構成されるものも好適に使用される。また、薄膜層34及び薄膜層35がそれぞれ単一の薄膜層あるいはどちらか一方だけが単一の薄膜層であっても発光層36が量子井戸構造の井戸層として用いられる場合の障壁層として機能させることもできる。例えば、単一量子井戸構造を有する発光素子を作製しようとする場合、図36の発光層36を例えば100Å以下の薄い単一組成で単一薄膜層からなる井戸層として形成し、薄膜層34あるいは薄膜層35のうち単一層の薄膜層を該井戸層の障壁層として用いることで目的とする単一量子井戸構造を有する発光素子を作製することもできる。また、薄膜層34及び薄膜層35がそれぞれ2層以上の薄膜層からなるかあるいはどちらか一方だけが2層以上の薄膜層からなる場合であって2層以上の薄膜層のうち発光層と直接接しているクラッド層を井戸層の障壁層として用いて単一量子井戸構造を形成することもできる。
上記薄膜層34、薄膜層35、及び発光層36はそれぞれ通常発光素子の発光効率を高めるためにエピタキシャル成長した単結晶であることが好ましい。その結晶性は該薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下、要すれば300秒以下であることが好ましく、さらにそれ以上の結晶性であることが好ましい。
また、薄膜層34及び薄膜層35は通常すべて単結晶状態であることが好ましいが上記のように該薄膜層34及び薄膜層35が少なくともコンタクト層及びクラッド層の2層以上からなる場合電極接続用のコンタクト層は必ずしも単結晶状態でなく、無定形、多結晶、配向性多結晶の結晶状態であってもよい。
本発明による発光素子は従来からのサファイアなどからなる基板に代えて上記セラミック材料を主成分とする焼結体をそのまま基板として用いる、あるいは該基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成して薄膜基板としたものを用いることで、従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子に比べて発光効率が少なくとも同等、あるいは2〜3倍以上、あるいは3〜4倍以上、あるいは最大4〜5倍以上の優れたものが得られるようになった。実際発光素子を作製していく場合、上記セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板だけを用意しその上に順次各薄膜層を形成していく方法でもよいし、上記セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶などのうちから選ばれたいずれかの結晶状態を有する薄膜を少なくとも1層以上形成した薄膜基板を用意し、その上に順次各薄膜層を形成していく方法であってもよい。
図40及び図41は従来からのサファイアなどの基板を用いて作製された発光素子の1例を示した断面図である。図40で例示する構造の発光素子は図39における薄膜層35が2層の状態で形成されている例である。通常このような薄膜構成により単一量子井戸構造の発光素子が作製される。
図40において例えば基板面がC面の(すなわち基板面に対してC軸が垂直の方向の)サファイアなどの基板33の上にMOCVD法、あるいはMOVPE法、あるいはその他のCVD法、あるいはクロライドVPE法などのハライドVPE法、あるいはMBE法などの方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層31が形成される。なお、基板33はそのまま発光素子作製用基板30として用いられる。バッファ薄膜層31としては通常無定形のGaN薄膜を100Å〜1500Å程度の厚みで形成したものが用いられる。バッファ層31の上にはMOCVD法、あるいはMOVPE法、あるいはその他のCVD法、あるいはクロライドVPE法などのハライドVPE法、あるいはMBE法などの方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜により構成されるN型又はP型の半導体特性を有する薄膜層34が形成される。薄膜層34は単一量子井戸層の障壁層としても機能し得る。薄膜層34として通常SiなどがドープされたN型の半導体特性を有するエピタキシャル成長した単結晶GaN薄膜を0.5μm〜20μm程度の厚みで形成したものが用いられる。薄膜層34の上にはMOCVD法、あるいはMOVPE法、あるいはその他のCVD法、あるいはクロライドVPE法などのハライドVPE法、あるいはMBE法などの方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜により構成される発光層36が形成される。例えば単一量子井戸構造を有する発光素子を作製する場合、発光層36は井戸層として通常アンドープのエピタキシャル成長した単結晶InGaN混合組成の薄膜を5Å〜200Å程度の厚みで形成したものが用いられる。発光層から発せられる光の波長はInGaN組成によって変化し、In0.45Ga0.55Nの組成で発光波長は520nm程度(緑色)、In0.20Ga0.80Nの組成で発光波長は450nm程度(青色)、In0.06Ga0.94Nの組成で発光波長は390nm程度(紫色)、である。発光層36の上にはMOCVD法、あるいはMOVPE法、あるいはその他のCVD法、あるいはクロライドVPE法などのハライドVPE法、あるいはMBE法などの方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜により構成されるP型又はN型の半導体特性を有する薄膜層35−1が形成される。薄膜層35−1は薄膜層34がN型半導体であるときはP型の半導体、薄膜層34がP型半導体であるときはN型の半導体特性に調整される。薄膜層35−1は単一量子井戸層の障壁層としても機能し得る。薄膜層35−1として通常MgなどがドープされたP型の半導体特性を有するエピタキシャル成長した単結晶AlGaN混合組成の薄膜を0.02μm〜1.0μm程度の厚みで形成したものが用いられる。薄膜層35−1の上にはMOCVD法、あるいはMOVPE法、あるいはその他のCVD法、あるいはクロライドVPE法などのハライドVPE法、あるいはMBE法などの方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜により構成される薄膜層35−1と同じ型の半導体特性を有する薄膜層35−2が形成される。薄膜層35−2は通常コンタクト層として機能する。薄膜層35−2として通常MgなどがドープされたP型の半導体特性を有するエピタキシャル成長した単結晶GaN薄膜を0.05μm〜5μm程度の厚みで形成したものが用いられる。薄膜層34は井戸層の障壁層だけでなく電極を形成するコンタクト層としても用いられる。薄膜層34及び薄膜層35にはTi/AlあるいはNi/Auなどで構成された電極38が形成される。
なお、青紫色や紫色あるいは紫外線など波長の短い光を発光する発光素子の場合、薄膜層34及び薄膜層35−1及び薄膜層35−2は極力発光の吸収を少なくするために主成分を100モル%GaNでなくAlNとGaNの混合組成AlGaNで形成したものが好適に用いられる。
また、Si、Ge、Se、Te、Oなどのドナー形成ドーピング成分及びMg、Be、Ca、Zn、Cd、Cなどのアクセプタ−形成ドーピング成分は薄膜をN型半導体化あるいはP型半導体化しさらに該薄膜の抵抗率を小さくするために主成分に対してどのような割合でも含有させることができるが通常元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含有される。
図40に例示されるように、サファイアなどからなる基板33、バッファ層31、N型半導体特性を有する薄膜層(またはP型半導体特性を有する薄膜層)34、発光層36、P型半導体特性を有する薄膜層(またはN型半導体特性を有する薄膜層)35−1、P型半導体特性を有する薄膜層(またはN型半導体特性を有する薄膜層)35−2、電極38、により単一量子井戸構造などを有する従来からの発光素子37が形成されてきた。電極38に直流電力を印加することで発光素子が駆動し発光される。
サファイアなどの基板を用いて作製される上記単一量子井戸構造などの従来からの発光素子の発光効率は通常2%〜8%程度である。
図41は従来からのサファイアなどの基板を用いて作製される発光素子の1例を示す断面図である。図41で例示する構造の発光素子は図39における薄膜層34及び薄膜層35がそれぞれ2層ずつの状態で形成された例である。通常このような薄膜構成によりダブルヘテロ構造の発光素子が作製される。
図41において例えば基板面がC面の(すなわち基板面に対してC軸が垂直の方向の)サファイアなどの基板33の上にMOCVD法、あるいはMOVPE法、あるいはその他のCVD法、あるいはクロライドVPE法などのハライドVPE法、あるいはMBE法などの方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるバッファ層31が形成される。なお、基板33はそのまま発光素子作製用基板30として用いられる。バッファ薄膜層31としては通常無定形のGaN薄膜を100Å〜2000Å程度の厚みで形成したものが用いられる。バッファ層31の上にはMOCVD法、あるいはMOVPE法、あるいはその他のCVD法、あるいはクロライドVPE法などのハライドVPE法、あるいはMBE法などの方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜により構成されるN型又はP型の半導体特性を有する薄膜層34−2が形成される。薄膜層34−2は電極と電気的に接続し発光層へ電位を印加するためのコンタクト層である。薄膜層34−2として通常SiなどがドープされたN型の半導体特性を有するエピタキシャル成長した単結晶GaN薄膜を0.5μm〜20μm程度の厚みで形成したものが用いられる。薄膜層34−2の上にはMOCVD法、あるいはMOVPE法、あるいはその他のCVD法、あるいはクロライドVPE法などのハライドVPE法、あるいはMBE法などの方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜により構成されるN型又はP型の半導体特性を有する薄膜層34−1が形成される。薄膜層34−1は発光層を挟むクラッド層のうちの一つである。薄膜層34−1として通常SiなどがドープされたN型の半導体特性を有するエピタキシャル成長した単結晶AlGaN薄膜を0.02μm〜1.0μm程度の厚みで形成したものが用いられる。薄膜層34−1及び薄膜層34−2とは同じ型の半導体特性を有する。薄膜層34−1の上にはMOCVD法、あるいはMOVPE法、あるいはその他のCVD法、あるいはクロライドVPE法などのハライドVPE法、あるいはMBE法などの方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜により構成されるアンドープ、あるいはZn単独ドープ、あるいはSi単独ドープ、あるいはZnとSiとを同時にドープした発光層36が形成される。例えばダブルへテロ構造の発光素子を作製する場合発光層36は通常アンドープ、あるいは上記ドーピング成分を含むエピタキシャル成長した単結晶InGaN混合組成の薄膜を50Å〜5000Å程度の厚みで形成したものが用いられる。発光層からの発せられる光の波長はInGaN組成、あるいはドーピング成分の種類によって変化し、アンドープのIn0.20Ga0.80Nの組成で発光波長は450nm程度(青色)、アンドープのIn0.06Ga0.94Nの組成で発光波長は390nm程度(紫色)、Zn単独あるいはZn及びSiの同時ドーピングのIn0.06Ga0.94Nの組成で発光波長は450nm程度(青色)である。発光層36の上にはMOCVD法、あるいはMOVPE法、あるいはその他のCVD法、あるいはクロライドVPE法などのハライドVPE法、あるいはMBE法などの方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜により構成されるP型又はN型の半導体特性を有する薄膜層35−1が形成される。薄膜層35−1は薄膜層34−1がN型半導体であるときはP型の半導体、薄膜層34−1がP型半導体であるときはN型の半導体特性に調整される。薄膜層35−1は発光層を挟むクラッド層として機能する。薄膜層35−1として通常MgなどがドープされたP型の半導体特性を有するエピタキシャル成長した単結晶AlGaN混合組成の薄膜を0.02μm〜1.0μm程度の厚みで形成したものが用いられる。薄膜層35−1の上にはMOCVD法(MOVPE法)、あるいはその他のCVD法、あるいはクロライドVPE法などのハライドVPE法、あるいはMBE法などの方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜により構成される薄膜層35−1と同じ型の半導体特性を有する薄膜層35−2が形成される。薄膜層35−2はコンタクト層として機能する。薄膜層35−2として通常MgなどがドープされたP型の半導体特性を有するエピタキシャル成長した単結晶GaN薄膜を0.05μm〜5μm程度の厚みで形成したものが用いられる。薄膜層34−2及び薄膜層35−2にはTi/AlあるいはNi/Auなどで構成された電極38が形成される。
図41に示す発光素子は発光層36が2層の半導体薄膜層34−1及び34−2と2層の半導体薄膜層35−1及び35−2とに挟まれておりダブルへテロ構造を有する。
なお、クラッド層である上記薄膜層34−1及び薄膜層35−1をさらに2層で形成しコンタクト層を含め合計それぞれ3層の薄膜層で発光層を挟んだ構造の発光素子も作製できる。すなわちこのような例として、例えば薄膜層34−1として発光層側にSiなどをドーピングしたInGaN混合組成の薄膜及びコンタクト層側にSiなどをドーピングしたAlGaN混合組成の薄膜、薄膜層35−1として発光層側にMgなどをドーピングしたInGaN混合組成の薄膜及びコンタクト層側にMgなどをドーピングしたAlGaN混合組成の薄膜、それぞれ2層づつから構成されたものなどである。
なお、青紫色や紫色あるいは紫外線など波長の短い光を発光する発光素子の場合、薄膜層34−1、薄膜層34−2、薄膜層35−1及び薄膜層35−2は極力発光の吸収を少なくするために主成分を100モル%GaNでなくAlNとGaNの混合組成AlGaNで形成したものが好適に用いられる。
また、Si、Ge、Se、Te、Oなどのドナー形成ドーピング成分及びMg、Be、Ca、Zn、Cd、Cなどのアクセプタ−形成ドーピング成分は薄膜をN型半導体化あるいはP型半導体化しさらに該薄膜の抵抗率を小さくするために主成分に対してどのような割合でも含有させることができるが通常元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含有されることが好ましい。
図41に例示するように、サファイアなどからなる基板33、バッファ層31、N型半導体特性を有する薄膜層(またはP型半導体特性を有する薄膜層)34−2、N型半導体特性を有する薄膜層(又はP型半導体特性を有する薄膜層)34−1、発光層36、P型半導体特性を有する薄膜層(またはN型半導体特性を有する薄膜層)35−1、P型半導体特性を有する薄膜層(またはN型半導体特性を有する薄膜層)35−2、電極38、によりダブルへテロ構造で従来からの発光素子37が形成されてきた。電極38に直流電力を印加することで発光素子が駆動し発光される。
サファイアなどの基板を用いて作製される上記従来からのダブルへテロ構造の発光素子の発光効率は通常2%〜8%程度である。
図42〜図61図は本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体、などのセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製された発光素子の例を示す。図42〜図61図には上記の各セラミック材料を主成分とする焼結体を基板とし該基板に発光素子の基本要素である窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなるN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を積層して発光素子が構成される様子が示されている。
図42は従来からのサファイアなどの基板に代えてセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板をそのまま発光素子作製用基板として用いた本発明による発光素子の1例を示す断面図である。すなわち、図42においてセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板4をそのまま発光素子作製用基板30として用い、その他は図40で示したものと同様な薄膜構成により本発明による発光素子39が形成されている様子が示されている。図42においてセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板4そのものが発光素子作製用基板30として用いられる。
図42で例示した本発明による発光素子において薄膜層34、薄膜層35−1、薄膜層35−2及び発光層36はそれぞれ通常発光素子の発光効率を高めるためにエピタキシャル成長した単結晶として形成できる。その結晶性は該薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下、通常300秒以下、さらに100秒以下の結晶性のものが形成できる。
薄膜層34、薄膜層35−1及び薄膜層35−2は通常すべて単結晶状態であることが好ましいが、薄膜層35−2及び薄膜層34が2層以上からなる場合2層のうち電極接続用のコンタクト層のほうは必ずしも単結晶状態でなく、無定形、多結晶、配向性多結晶の結晶状態であってもよい。
図42に例示した本発明によるセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される上記発光素子の発光効率は通常8%以上であり、サファイアなどの基板を用いて作製される従来からの発光素子の発光効率よりすぐれている。基板4として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた場合少なくとも10%以上の発光効率を有する発光素子を作製することができる。
図43は従来からのサファイアなどの基板に代えてセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも1層形成したものを発光素子作製用基板として用いた本発明による発光素子の1例を示す断面図である。すなわち、図43においてセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板4の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5を形成したものを発光素子作製用基板30として用い、その他は図40で示したものと同様な薄膜構成により本発明による発光素子39が形成されている様子が示されている。薄膜5は通常単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態のものが用いられる。図43においてセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板4及び該基板4の上に形成された薄膜5とにより発光素子作製用基板30が構成される。
図43で例示した本発明による発光素子において薄膜層34、薄膜層35−1、薄膜層35−2及び発光層36はそれぞれ通常発光素子の発光効率を高めるためにエピタキシャル成長した単結晶として形成できる。その結晶性は該薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下、通常300秒以下、さらに100秒以下の結晶性のものが形成できる。
薄膜層34、薄膜層35−1及び薄膜層35−2は通常すべて単結晶状態であることが好ましいが、薄膜層35−2及び薄膜層34が2層以上からなる場合2層のうち電極接続用のコンタクト層のほうは必ずしも単結晶状態でなく、無定形、多結晶、配向性多結晶の結晶状態であってもよい。
図43に例示した本発明によるセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される上記発光素子の発光効率は通常8%以上であり、サファイアなどの基板を用いて作製される従来からの発光素子の発光効率よりすぐれている。基板4として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた場合少なくとも10%以上の発光効率を有する発光素子を作製することができる。
図44は従来からのサファイアなどの基板に代えてセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも2層形成したものを発光素子作製用基板として用いた本発明による発光素子の1例を示す断面図である。すなわち、図44においてセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板4の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5を形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜8を形成した少なくとも薄膜2層以上が形成されたものを発光素子作製用基板30として用い、その他は図40で示したものと同様な薄膜構成により発光素子39が形成されている様子が示されている。薄膜5及び薄膜8は通常単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態のものが用いられる。通常薄膜8は単結晶状態のものを用いることが好ましい。その場合薄膜5として無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態のものを用いることが好ましく、さらに配向性多結晶状態のものを用いることがより好ましい。図44においてセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板4及び該基板4の上に形成された薄膜5及び薄膜8とにより発光素子作製用基板30が構成される。
図44で例示した本発明による発光素子において薄膜層34、薄膜層35−1、薄膜層35−2及び発光層36はそれぞれ通常発光素子の発光効率を高めるためにエピタキシャル成長した単結晶として形成できる。その結晶性は該薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下、通常300秒以下、さらに100秒以下の結晶性のものが形成できる。
薄膜層34、薄膜層35−1及び薄膜層35−2は通常すべて単結晶状態であることが好ましいが、薄膜層35−2及び薄膜層34が2層以上からなる場合2層のうち電極接続用のコンタクト層のほうは必ずしも単結晶状態でなく、無定形、多結晶、配向性多結晶の結晶状態であってもよい。
図44に例示した本発明によるセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される上記発光素子の発光効率は通常8%以上であり、サファイアなどの基板を用いて作製される従来からの発光素子の発光効率よりすぐれている。基板4として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた場合少なくとも10%以上の発光効率を有する発光素子を作製することができる。
図45は図44で断面図として示されている本発明による発光素子を斜めから見た様子の1例を示す斜視図である。図45は従来からのサファイアなどの基板に代えてセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも2層形成したものを発光素子作製用基板として用いた例として示されている。図45において薄膜層34の隅の一部をエッチングなどで取り除いて電極38が小さく形成されている様子が示されている。他の電極38も薄膜層35−2の隅の部分に小さく形成されている。このような電極配置で構成される発光素子は通常発光層全面から発光が行われるような発光ダイオード(LED)に用いられる。図45に例示されているように電極を薄膜層の隅の部分などに小さく形成するか、あるいは図45には記載されていないが電気的接続を高めるために電極を薄膜層34及び薄膜層35−2の広い面積にわたって形成する場合発光層からの発光を透過できるような厚みにまで電極を薄くして発光層全面からの発光が電極でできるだけ遮断されないようにし、発光を可能な限り素子外部に放出されるよう電極を構成することが好ましい。
図46は図44で断面図として示されている本発明による発光素子を斜めから見た様子の1例を示す斜視図である。図46は従来からのサファイアなどの基板に代えてセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも2層形成したものを発光素子作製用基板として用いた例として示されている。図46は図45示されている本発明による発光素子の電極配置を薄膜層の隅に小さく形成するのではなく、薄膜層全体にわたり帯状に形成した発光素子の例を示している。図46において薄膜層34の1辺の部分をすべてエッチングなどで取り除いて電極38が帯状に形成されており、もう一方の電極38も薄膜層35−2に帯状で形成されている。このような電極配置で構成される発光素子は薄膜層35−2に形成された電極直下部分の発光層内で光が多重反射され発光層からレーザー光のように一定の方向にだけ高いエネルギーで発光が行われるレーザーダイオード(LD)として通常用いられる。
図46で例示された構造の発光素子をレーザーダイオードとして形成する場合は発光素子作製用基板30を構成するセラミック基板4として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなるものが好ましい。すなわち、従来からのサファイアなどの基板を用いてレーザーダイオードを作製する場合、基板とその上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との間の格子不整合や熱膨張率などの不一致を軽減するためにあらかじめSiOなどの薄膜を帯状に形成しその上にあらためて該窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成し薄膜中の転位やクラックなどの少ない部分をレーザーダイオードとして機能する部材として使用していくといういわゆるELO成長(Epitaxially Lateral Over−growth)法による方法が用いられることが多いが、基板4として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなるものも用いれば基板と該窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との間の格子不整合や熱膨張率などの不一致などが小さいので、図46に記載されているようにSiOなどの薄膜を形成せず基板に直接転位やクラックの少ない該窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成できるので、該薄膜の特定の場所によらず該薄膜のいずれの部分を用いても発光効率の優れたレーザーダイオードが作製できるという効果がある。
また、レーザーダイオードとして、厚みの薄い例えば100Å以下のAlGaN混合組成の薄膜と100Å以下のGaN薄膜とを数十層以上積層したスーパーラティス構造の薄膜層をそれぞれN型及びP型半導体として発光層を挟むように形成する構造のものが高出力で寿命の長いものが得られ易いが、本発明においては特に発光素子作製用基板として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた場合、このようなスーパーラティス構造の薄膜層を用いて作製されるレーザーダイオードは勿論、該スーパーラティス構造の薄膜層は用いず多重量子井戸構造の発光層以外のクラッド層あるいはコンタクト層などはそれぞれ単層の薄膜で構成されたものであっても発光効率が高く高出力で高寿命のレーザーダイオードが作製し得る。
図46で例示された構造の発光素子においても基板に形成される薄膜層8としては窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜であることが好ましい。その場合薄膜5として無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態のものを用いることが好ましく、さらに配向性多結晶状態のものを用いることがより好ましい。
また、図46で例示された構造の発光素子をレーザーダイオードとして形成する場合は発光層として薄膜1層の井戸層からなる単一量子井戸構造でなく、井戸層と障壁層とを繰り返し積層した多重量子井戸構造を用いることが好ましい。また、発光素子をレーザーダイオードとして形成する場合は薄膜層34、薄膜層35−1、薄膜層34−2なども適宜それぞれ多層化して形成したものが用いられる。
図47は従来からのサファイアなどの基板に代えて導通ビアを有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板をそのまま発光素子作製用基板として用いた本発明による発光素子の1例を示す断面図である。すなわち、図47において導通ビア3を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板9をそのまま発光素子作製用基板30として用い、その他は図40で示したものと同様な薄膜構成により本発明による発光素子39が形成されている様子が示されている。図47において導通ビア3を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板9そのものが発光素子作製用基板30として用いられる。
図47に例示した本発明による導通ビア3を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板9を用いて作製される発光素子の場合、図42〜図46で示したように薄膜層34の一部をエッチングなどにより取り除いて電極を形成する必要がなく、電極38をセラミック基板9に形成した上下に電極が配置された構成の発光素子を作製することができる。
図48は従来からのサファイアなどの基板に代えて導通ビアを有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも1層形成したものを発光素子作製用基板として用いた本発明による発光素子の1例を示す断面図である。すなわち、図48において導通ビア3を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板9の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5を形成したものを発光素子作製用基板30として用い、その他は図40で示したものと同様な薄膜構成により本発明による発光素子39が形成されている様子が示されている。薄膜5は通常単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態のものが用いられる。図48において導通ビア3を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板9の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5を形成したものが発光素子作製用基板30として用いられる。
図48に例示した本発明による導通ビア3を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板9を用いて作製される発光素子の場合、薄膜5を導電性とすることで図42〜図46で示したように薄膜層34の一部をエッチングなどにより取り除いて電極を形成する必要がなく、電極38をセラミック基板9に形成した上下に電極が配置された構成の発光素子を作製することができる。
図49は従来からのサファイアなどの基板に代えて導通ビアを有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも2層形成したものを発光素子作製用基板として用いた本発明による発光素子の1例を示す断面図である。すなわち、図49において導通ビア3を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板9の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5を形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜8を形成した少なくとも薄膜2層以上が形成されたものを発光素子作製用基板30として用い、その他は図40で示したものと同様な薄膜構成により本発明による発光素子39が形成されている様子が示されている。薄膜5は通常単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態のものが用いられる。図49において導通ビア3を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板9の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5を形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜8を形成した少なくとも薄膜2層以上を形成したものが発光素子作製用基板30として用いられる。
図49に例示した本発明による導通ビア3を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板9を用いて作製される発光素子の場合、薄膜5及び薄膜8を導電性とすることで図42〜図46で示したように薄膜層34の一部をエッチングなどにより取り除いて電極を形成する必要がなく、電極38をセラミック基板9に形成した上下に電極が配置された構成の発光素子を作製することができる。
図47〜図49で例示した導通ビアを有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される本発明による発光素子において薄膜層34、薄膜層35−1、薄膜層35−2及び発光層36はそれぞれ通常発光素子の発光効率を高めるためにエピタキシャル成長した単結晶として形成できる。その結晶性は該薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下、通常300秒以下、さらに100秒以下の結晶性のものが形成できる。上記薄膜層34、薄膜層35−1及び薄膜層35−2は通常すべて単結晶状態であることが好ましいが、薄膜層35−2及び薄膜層34が2層以上からなる場合2層のうち電極接続用のコンタクト層のほうは必ずしも単結晶状態でなく、無定形、多結晶、配向性多結晶の結晶状態であってもよい。
図47〜図49に例示した本発明による導通ビアを有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される上記発光素子の発光効率は通常8%以上であり、サファイアなどの基板を用いて作製される従来からの発光素子の発光効率よりすぐれている。基板9として窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた場合少なくとも10%以上の発光効率を有する発光素子を作製することができる。
図50は従来からのサファイアなどの基板に代えて導電性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも2層形成したものを発光素子作製用基板として用いた本発明による発光素子の1例を示す断面図である。すなわち、図50において導電性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板130の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5を形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜8を形成した少なくとも薄膜2層以上が形成されたものを発光素子作製用基板30として用い、その他は図40で示したものと同様な薄膜構成により本発明による発光素子39が形成されている様子が示されている。薄膜5は通常単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態のものが用いられる。図50において導電性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板130の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜5を形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜8を形成した少なくとも薄膜2層以上を形成したものが発光素子作製用基板30として用いられる。
図50に例示した本発明による導電性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板130を用いて作製される発光素子の場合、薄膜5及び薄膜8を導電性とすることで図42〜図46で示したように薄膜層34の一部をエッチングなどにより取り除いて電極を形成する必要がなく、電極38をセラミック基板9に形成した上下に電極が配置された構成の発光素子を作製することができる。上記導電性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の室温における抵抗率は通常1×10Ω・cm以下のものが用いられる。発光層へできるだけ損失を少なく電力の供給を行うために室温における抵抗率としては1×10Ω・cm以下のものが好ましく、1×10Ω・cm以下のものがより好ましく、1×10−1Ω・cm以下のものがさらに好ましく、1×10−2Ω・cm以下のものが最も好ましい。
導電性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板130として例えば酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなるものを用いることができる。酸化亜鉛を主成分とする焼結体の場合アルミニウム成分や鉄あるいはクロムなどの遷移金属成分を加えるかアルミニウム成分と同時に上記遷移金属成分あるいは希土類元素成分とを同時に加えることによって室温における抵抗率1×10Ω・cm以下のものが比較的容易に得られる。また室温における抵抗率として1×10Ω・cm以下のもの、1×10Ω・cm以下のもの、1×10−1Ω・cm以下のもの、さらに1×10−2Ω・cm以下のものも比較的容易に得ることができるので好ましい。
また、酸化亜鉛を主成分とする焼結体の場合本発明によって明らかとなったように導電性と同時に光透過性のものが得られるので発光効率に優れた上下導通タイプの電極配置の発光素子を作製するための基板として用いることができるので好ましい。
図50で例示した導電性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される本発明による発光素子において薄膜層34、薄膜層35−1、薄膜層35−2及び発光層36はそれぞれ通常発光素子の発光効率を高めるためにエピタキシャル成長した単結晶として形成できる。その結晶性は該薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下、通常300秒以下、さらに100秒以下の結晶性のものが形成できる。上記薄膜層34、薄膜層35−1及び薄膜層35−2は通常すべて単結晶状態であることが好ましいが、薄膜層35−2及び薄膜層34が2層以上からなる場合2層のうち電極接続用のコンタクト層のほうは必ずしも単結晶状態でなく、無定形、多結晶、配向性多結晶の結晶状態であってもよい。
図50に例示した本発明による導電性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される上記発光素子の発光効率は通常8%以上であり、サファイアなどの基板を用いて作製される従来からの発光素子の発光効率よりすぐれている。
図51は従来からのサファイアなどの基板に代えて窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上に各種金属、合金、金属窒化物、金属炭化物、金属珪化物などの材料を主成分とする薄膜導電性材料を少なくとも1層形成したものを発光素子作製用基板として用いた本発明による発光素子の1例を示す断面図である。すなわち、図51おいて窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板13の上に薄膜導電性材料11を形成したものを発光素子作製用基板30として用い、その他は図40で示したものと同様な薄膜構成により本発明による発光素子39が形成されている様子が示されている。図51において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板13の上に薄膜導電性材料11を形成したものが発光素子作製用基板30として用いられる。
図51に例示した本発明による薄膜導電性材料11が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板13を用いて作製される発光素子の場合、該薄膜導電性材料11を反射部材として用いることで発光素子からの発光は基板13からは放出されにくくなり、該基板13より上の方向から素子外部へ放出され易くなるので例えば面発光レーザーあるいは平板状ディスプレイに用いる発光ダイオードなど発光の方向性制御が要求される発光素子が作製し得るので好ましい。
図52は、図51に示した薄膜導電性材料11を形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板13の上に図43及び図48と同様の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも1層形成したものを発光素子作製用基板30として用いて作製される本発明による発光素子の1例を示す断面図である。
また、薄膜導電性材料11を反射部材として用いた場合の効果については図51で例示した発光素子と同様である。
図53は、図51に示した薄膜導電性材料11を形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板13の上に図44、図49及び図50と同様、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも1層形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した少なくとも薄膜2層以上が形成されたものを発光素子作製用基板30として用いて作製される本発明による発光素子の1例を示す断面図である。
また薄膜導電性材料11を反射部材として用いた場合の効果については図51で例示した発光素子と同様である。
図51〜図53で例示した薄膜導電性材料が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される本発明による発光素子において薄膜層34、薄膜層35−1、薄膜層35−2及び発光層36はそれぞれ通常発光素子の発光効率を高めるためにエピタキシャル成長した単結晶として形成できる。その結晶性は該薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下、通常300秒以下、さらに100秒以下の結晶性のものが形成できる。上記薄膜層34、薄膜層35−1及び薄膜層35−2は通常すべて単結晶状態であることが好ましいが、薄膜層35−2及び薄膜層34が2層以上からなる場合2層のうち電極接続用のコンタクト層のほうは必ずしも単結晶状態でなく、無定形、多結晶、配向性多結晶の結晶状態であってもよい。
また、図51〜図53に例示する薄膜導電性材料が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される発光素子の発光効率は通常8%以上であり、サファイアなどの基板を用いて作製される従来からの発光素子の発光効率よりすぐれている。
図54〜図56は、導通ビア3を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板10に図51〜図53で示した薄膜導電性材料11を形成したものを発光素子作製用基板30として用いて作製される本発明による発光素子の例を示す断面図である。図54〜図56において導通ビア3を形成することの効果は図47〜図49で例示した発光素子と同様で薄膜層34の一部をエッチングなどに取り除いて電極を形成する必要がなく上下に電極を配置した発光素子が作製できる。さらに薄膜導電性材料11を形成することで該薄膜導電性材料の上に形成される発光素子のバッファ層31及び薄膜層34及び発光層36との電気的接続が向上し易くなるといった効果もある。
図54は、導通ビア3を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板10に薄膜導電性材料11を形成したものをそのまま発光素子作製用基板30として用いて作製される本発明による発光素子の1例を示したものである。
図55は、導通ビア3を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板10に薄膜導電性材料11を形成し、その上に図43、図48及び図52と同様の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも1層形成したものを発光素子作製用基板30として用いて作製される本発明による発光素子の1例を示したものである。
図56は、導通ビア3を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板10に薄膜導電性材料11を形成し、その上に図44、図49、図50及び図53と同様、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも1層形成し、その上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した少なくとも薄膜2層が形成されたものを発光素子作製用基板30として用いて作製される本発明による発光素子の1例を示したものである。
図54〜図56で例示する発光素子において、薄膜導電性材料11を反射部材として用いた場合の効果については図51で例示した発光素子と同様である。
図54〜図56で例示した薄膜導電性材料が形成された導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される本発明による発光素子において薄膜層34、薄膜層35−1、薄膜層35−2及び発光層36はそれぞれ通常発光素子の発光効率を高めるためにエピタキシャル成長した単結晶として形成できる。その結晶性は該薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下、通常300秒以下、さらに100秒以下の結晶性のものが形成できる。上記薄膜層34、薄膜層35−1及び薄膜層35−2は通常すべて単結晶状態であることが好ましいが、薄膜層35−2及び薄膜層34が2層以上からなる場合2層のうち電極接続用のコンタクト層のほうは必ずしも単結晶状態でなく、無定形、多結晶、配向性多結晶の結晶状態であってもよい。
また、図54〜図56で例示する薄膜導電性材料が形成された導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される発光素子の発光効率は通常8%以上であり、サファイアなどの基板を用いて作製される従来からの発光素子の発光効率よりすぐれている。
また、本発明においては図51〜図56に示される上記薄膜導電性材料が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に代えて、該薄膜導電性材料が形成された炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いて発光素子を作製することができる。このような窒化アルミニウムを主成分とする焼結体以外のセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される発光素子も該薄膜導電性材料を反射部材として用いることで発光素子からの発光は基板側からは放出されにくくなり、該基板より上の方向から素子外部へ放出され易くなるので例えば面発光レーザーあるいは平板状ディスプレイに用いる発光ダイオードなど発光の方向性制御が要求される発光素子が作製し得る。
図57は、図44で示す本発明による発光素子において薄膜層34が薄膜層34−1及び薄膜層34−2の2層で形成された例を示す断面図である。薄膜層34−2は通常電極38と接続されるコンタクト層として用いられる。図57で例示する構成からなる発光素子はダブルへテロ構造あるいは単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造などの発光素子として作製し得る。ダブルへテロ構造の発光素子の場合薄膜層34−1は薄膜層35−1とともに発光層36を挟むクラッド層として用いられる。また、図57で例示する構成からなる発光素子が単一量子井戸構造の発光素子として作製される場合、該薄膜層34−1は井戸層として機能する発光層36の障壁層として用いられる。
図58は、図57で示す本発明による発光素子において薄膜層34−1が薄膜層34−1−1及び薄膜層34−1−2の2層で形成され、さらに薄膜層35−1が薄膜層35−1−1及び薄膜層35−1−2の2層で形成された例を示す断面図である。図58で例示する構成からなる発光素子はN型及びP型半導体特性を有するクラッド層がそれぞれ2層ずつ形成されたダブルへテロ構造あるいは単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造などの発光素子として作製し得る。ダブルへテロ構造の発光素子の場合薄膜層34−1−1及び薄膜層34−1−2は薄膜層35−1−1及び薄膜層35−1−2とともに発光層36を挟むクラッド層として用いられる。また、図58で例示する構成からなる発光素子が単一量子井戸構造の発光素子として作製される場合、該薄膜層34−1−1及び薄膜層35−1−1は井戸層として機能する発光層36の障壁層として用いられる。
また、図58で示すような多層構成のエピタキシャル成長した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる発光素子は発光層として井戸層と障壁層をそれぞれ多層積層した多重量子井戸層構造のレーザーダイオードとして作製することができる。
本発明において発光素子は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した薄膜状の少なくともN型半導体層、発光層、P型半導体層の3層以上の積層により構成されている。また発光素子の外形の大きさは0.05mm角〜10mm角程度、通常は0.1mm角〜3mm角程度の範囲であり発光素子を構成する各薄膜層の厚みはそれぞれの薄膜層で異なりそれぞれは0.005μm〜20μm程度の範囲であるが各薄膜層が多層化され発光素子となった状態では合計するとその厚みは0.5μm〜50μm程度で通常は1μm〜20μm程度の範囲である。通常発光素子の発光層は面形状であり該発光層から発せられた光は0.5μm〜50μm程度の距離をおいて垂直に対峙する基板面に照射されるものと思われる。この様子を図59及び図60で模式的に示す。図59は図42に示されている発光素子の発光層から発せられる光の放出状況を推測し模式的に記入した断面図である。図60は図45示されるように斜視図として描かれている発光素子の発光層から発せられる光の放出状況を推測し模式的に記入したものである。図59及び図60において発光素子39の発光層36は通常面状に形成されており発光層36から発せられた光140は垂直に対峙するセラミックを主成分とする焼結体からなる基板4の表面に対して一部は斜め方向から照射されると思われる。このとき基板4が仮にサファイアであれば基板4の上に形成される薄膜層31(あるいは薄膜層34)と基板4との界面150において発光層36から発せられた光140の多くは反射されて薄膜層あるいは発光層に戻って薄膜層31、薄膜層34、薄膜層35−1、薄膜層35−2あるいは発光層36に閉じ込められて発光素子の外部へは放出されず発光層から発せられる光は主に薄膜層35−2からその一部だけが素子外部へ放出光142として放出される。そのため発光効率が低いものと思われる。それに対して基板4が本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体、あるいはその他各種セラミック材料からなる焼結体であれば薄膜層31(あるいは薄膜層34)と基板30との界面150において発光層36から発せられた光140の多くは反射されず、さらに基板4が光透過性を有している場合は該基板を透過して発光素子の外部へ放出光141として放出される。その他に発光層から発せられる光の一部は薄膜層35−2のほうから放出光142として、また一部は発光層の側面から放出光143として素子外部へ放出される。したがってこのようなセラミックを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製した発光素子の発光効率はサファイア基板を用いた場合に比べて高くなると思われる。
このような現象は図43及び図44に例示されるようなセラミックを主成分とする焼結体からなる基板4の上に薄膜5の薄膜1層あるいは薄膜5及び薄膜8の薄膜2層が形成されたものであってもセラミックを主成分とする焼結体からなる基板4と薄膜5との界面で生じるものと推測される。すなわち、上記図43及び図44に例示されるようなセラミックを主成分とする焼結体からなる基板4の上に薄膜が少なくとも1層あるいは2層以上形成されたものを基板として用いて作製される発光素子であっても、発光効率は図42に例示される該薄膜が形成されていないものと同様従来からのサファイアなどを基板として用いて作製される発光素子の発光効率と同等、あるいは2〜3倍以上、あるいは3〜4倍以上、あるいは最大4〜5倍以上になるものと推測される。
その他、本発明による電極を広い面積にわたって形成した発光素子の例として図61を示す。図61は図44で断面図として示されている本発明による発光素子を斜めから見た様子の1例を示す斜視図である。図61は従来からのサファイアなどの基板に代えてセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を少なくとも2層形成したものを発光素子作製用基板として用いた例として示されている。図61において薄膜層34の隅の一部をエッチングなどで取り除いて電極38が帯状に広く形成されている様子が示されている。もう一方の電極38は薄膜層35−2の上に広い面積にわたって形成されている。このような広い電極を用いることにより大きな電流が低損失で発光層に供給し易くなるという利点がある。広い面積の電極を用いて発光素子を作製する場合、発光層からの発光が電極によってできるだけ遮断されないように透明電極あるいは光透過性の電極を用いることが好ましい。該透明電極あるいは光透過性の電極は少なくとも発光素子から発せられる光に対して透明あるいは光透過性を有するものを用いることが好ましい。したがって電極としては少なくとも波長550nm以下の光に対して透明であるかあるいは光透過性を有する導電性材料を用いることが好ましい。また、電極として金属や合金など通常では光を透過しにくい材料を用いる場合厚みを少なくとも100nm以下、好ましくは10nm以下とし透明性あるいは光透過性を発現させることが好ましい。さらに上記の広い面積で形成された電極への電力供給を高めるために別に導電性に優れた材料などを用いて電力供給用端子38−1を電極上に設けることも効果がある。
本発明による発光素子の発光効率は上記のように、各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の有無あるいは該薄膜の結晶状態によって影響される。さらに、本発明による発光素子の発光効率は基板として用いられる各種セラミック材料からなる焼結体の材質(主成分)、組成、純度、光透過性、焼結体結晶粒子の大きさ、導通ビアの有無、各種セラミック材料からなる焼結体を基板基板としたときの表面平滑性、該基板の厚み、などによっても影響を受けるが、少なくとも従来からのサファイアなどを基板として用いて作製される発光素子の発光効率と同等、あるいは2〜3倍以上、あるいは3〜4倍以上、あるいは最大4〜5倍以上のものが提供できる。
このように本発明により従来からサファイア基板やLiNbO基板などを用いて作製される光導波路よりも紫外線の伝送損失が少ない光導波路が提供できるようになった。また、従来からのサファイアなどの単結晶基板を用いて作製される発光素子よりも発光効率の優れた発光素子が提供できるようになった。
それが実現できた要因は均質な単結晶基板でなく各種セラミック材料を主成分とする結晶粒子や粒界あるいは添加物などによる粒界相などからなる焼結体を基板として用いその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする結晶性の高い単結晶薄膜が形成できたことであると思える。また、該単結晶薄膜を含め窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜と基板との間あるいは該薄膜間に高い接合性が実現されたことも大きな要因と思える。このような焼結体として窒化アルミニウムを主成分とするもの、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とするものが好適に使用できる。またその他酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウム、酸化トリウム、フェライト、ムライト、フォルステライト、結晶化ガラス、など各種セラミック材料を主成分とする焼結体などからなる基板を用いても発光効率に優れた発光素子を作製し得る。発光素子作製用基板として上記各焼結体の中で窒化アルミニウムを主成分とするものがより優れた発光効率を有するので好ましい。また、光導波路においても窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いることが好ましい。
以上説明してきた上記各種セラミック材料からなる焼結体を用いた基板に形成する単結晶薄膜の結晶性に与える要因をまとめうと以下の通りである。
(1)セラミックの材質(窒化アルミニウムを主成分とする焼結体か、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体か、基本的主成分の相違)
(2)セラミックの組成(主成分の純度及び含有量、添加物あるいは不純物の含有量、など)
(3)セラミックの光透過性
(4)セラミック粒子の大きさ
(5)セラミックの密度
(6)セラミックの厚み
(7)セラミックの焼成条件
(8)基板の表面平滑性
(9)薄膜の構成(単一層、あるいは2層以上の多層構成か、など)
(10)あらかじめ基板に形成する薄膜の結晶状態
(11)薄膜の厚み
(12)薄膜の形成条件(MOCVD法、クロライドVPE法などのハライドVPE法あるいはスパッタリング法などの薄膜形成方法、基板温度、など)
また、セラミック基板に形成される薄膜の結晶性にあまり影響を与えなにくい因子としては以下の点が挙げられる。
(13)焼結体中に導通ビアを有しているかどうか(焼結体中に導通ビアが形成されているかどうかにかかわらず、該焼結体からなる基板には比較的結晶性の優れた薄膜が形成できる)
(14)薄膜の組成(窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする組成であればどのような組み合わせであっても比較的結晶性の優れた薄膜が形成可能である。また薄膜中に各種ドーピング成分を含んでいるものであっても比較的結晶性の優れた薄膜が形成可能である。)
本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板上あるいは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を使用した薄膜形成用基板及び薄膜基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜はフィールドエミッション材料及び冷陰極としても用いることができる。これは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体という従来では窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜と格子整合しないと思われていた基板上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下と良好な結晶性を有する単結晶薄膜が形成できたことによる寄与があってはじめて実現できた。フィールドエミッション材料あるいは冷陰極の性能は蛍光体を発光させたとこの輝度が高いほどディスプレイに用いたときには優れるが、本発明においては上記単結晶を含む各種結晶状態の薄膜のうち窒化アルミニウム及び窒化アルミニウムを主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜をフィールドエミッション材料あるいは冷陰極を用いたときカラー蛍光体を発色させたときの輝度は1000カンデラ/m以上の高い値が得られ易い。本発明による上記無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜をフィールドエミッション材料あるいは冷陰極として用いる場合は該無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜をSi、OなどをドーピングしN型半導体化しておくことが電子を放出し易くする上で好ましい。本発明において窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜からなるフィールドエミッション材料あるいは冷陰極は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板上に形成されるので少なくとも10インチ以上の大型サイズでコスト的にも安価なディスプレイの実現が可能となり産業上の効果が大きい。
本発明は上記のように、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶あるいは無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を形成するための基板であって、該基板が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする薄膜形成用基板、であるが、さらに窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板、も含まれる。該薄膜基板は上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする発光素子形成用基板として使用できる他に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶あるいは無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を表面弾性波素子用材料として用いた基板、あるいは窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を誘電体材料・絶縁材料として用いた回路基板、あるいは窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を光導波路として用いた基板、などに使用もできる。
また、本発明は上記のような単結晶など各種結晶状態の薄膜が形成し得る薄膜形成用基板及び単結晶など各種結晶状態の薄膜が形成された薄膜基板以外にも、たとえば含有成分を揮散・除去、低減化する方法により製造される高純度化されAlN純度の高い窒化アルミニウムを主成分とする焼結体も含まれる。このような焼結体を基板として用いることでより特性の優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶をはじめ無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜が形成し得る。
セラミック原料粉末として窒化アルミニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ベリリウム(BeO)、アルミン酸マグネシウム(MgAl:スピネル)の高純度でサブミクロン粒子からなるものを用意した。窒化アルミニウム粉末は徳山曹達株式会社(現:株式会社トクヤマ)製「F」グレード、炭化珪素粉末は屋久島電工株式会社製「OY−15」グレード、窒化珪素粉末は宇部興産株式会社製「SN−E05」グレード、アルミナは住友化学株式会社製「AKP−30」グレード、酸化ジルコニウムは安定化剤としてYを3モル%含む東ソー株式会社製部分安定化ジルコニア「TZ−3Y」グレード、酸化亜鉛は堺化学工業株式会社製「1種」銘柄、酸化マグネシウムは関東化学株式会社製の特級試薬粉末、酸化ベリリウム及びスピネルは株式会社高純度化学研究所製の粉末を用いた。純度は部分安定化ジルコニアを除いて主成分99重量%以上である。上記窒化アルミニウム粉末には主成分のAlN以外に主要不純物として分析の結果酸素が1.0重量%含まれる。前記原料粉末の純度において窒化アルミニウム粉末の場合は酸素を除いた成分におけるAlNの純度である。炭化珪素粉末にはBC粉末1.0重量%とカーボン粉末1.0重量%を加え、窒化珪素粉末にはY粉末2.0重量%とAl粉末2.0重量%を加え、酸化ベリリウム粉末にはCaCO粉末1.8重量%加えエタノールを溶媒にボールミルで24時間湿式混合後、乾燥してエタノールを揮散させた。これら乾燥後の混合粉末にパラフィンワックスを5重量%加え成形用粉末を作製し、該粉末を圧力500Kg/cmで一軸プレス成形し直径25.4mm×厚み1.5mm及び直径32mm×厚み1.5mmの円盤状成形体を得た。これら成形体を300℃で減圧脱脂後表1に示す焼成条件で焼成し焼結体を得た。焼成後の各焼結体の相対密度はいずれも99%以上であった。得られたこれらの焼結体表面を酸化クロム及びアルミナ研磨剤を用いて鏡面研磨した後アセトンで超音波洗浄し、薄膜形成用の基板を作製した。得られた各基板の表面粗さを表1に示した。次にこの薄膜作製用基板の構成相をX線回折により調べた。その結果窒化アルミニウム粉末を原料として得られた焼結体の示すX線回折パターンはJCPDSファイル番号25−1133に記載されている結晶相すなわちAlN(Hexagonal)を主相とするものであった。炭化珪素を原料として得られた焼結体の示すX線回折パターンは上記ファイル番号29−1131に記載されているα−SiC(Hexagonal)を主相とするものであった。窒化珪素を原料として得られた焼結体の示すX線回折パターンは上記ファイル番号33−1160に記載されているβ−Si(Hexagonal)を主相としその他6.6%の不明相からなるものであった。酸化アルミニウムを原料として得られた焼結体の示すX線回折パターンは上記ファイル番号10−173に記載されているα−Al(Trigonal)を主相とするものであった。酸化ジルコニウムを原料として得られた焼結体の示すX線回折パターンは上記ファイル番号17−923に記載されているZrO(Tetragonal)を主相とするものであった。酸化亜鉛を原料として得られた焼結体の示すX線回折パターンは上記ファイル番号36−1451に記載されているZnO(Hexagonal)を主相とするものであった。酸化マグネシウムを原料として得られた焼結体の示すX線回折パターンは上記ファイル番号4−829に記載されているMgO(Cubic)を主相とするものであった。酸化ベリリウムを原料として得られた焼結体の示すX線回折パターンは上記ファイル番号35−818に記載されているBeO(Hexagonal)を主相とするものであった。アルミン酸マグネシウムを原料として得られた焼結体の示すX線回折パターンは上記ファイル番号21−1152に記載されているMgAl(Cubic)を主相とするものであった。又得られたこれら焼結体は明らかに焼結体内部の主成分結晶粒子の方位があらゆる方向を向いた多結晶体であった。薄膜作製用基板のX線回折による相構成の結果について表1に示した。次に得られた各基板を用い高周波加熱によるMOCVD(有機金属化学気相分解成長)装置により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウム薄膜を基板表面に直接形成した。すなわち、作製した基板を上記装置の反応容器に入れまず水素ガスを流しながら1000℃で加熱した。その後薄膜作製用原料としてトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)、トリメチルアルミニウム(TMA)を用い、水素あるいは窒素+水素をキャリアガスとして上記各3種類の液体原料中に導入してバブリングさせ、それぞれの原料をアンモニアガスとともに高周波加熱による反応部に送り、窒化ガリウム(GaN)薄膜は基板温度1000℃、窒化インジウム(InN)薄膜は700℃、窒化アルミニウム(AlN)薄膜は1100℃、50モル%GaN+50モル%AlNの混晶薄膜は1050℃で形成した。薄膜の形成速度はそれぞれ0.2〜0.4μm/時間、0.2〜0.5μm/時間、1〜3μm/時間、0.5〜1.5μm/時間、程度である。形成した各薄膜の厚みは0.25μmである。なお窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成する窒化アルミニウム薄膜の場合だけ厚み3μm、及び6μmのものを作製した。得られた各薄膜の観察を光学顕微鏡、電子顕微鏡を用いて行ったが薄膜内部にはクラックが見られず薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他の各種セラミック材料を主成分とする焼結体との接合界面での剥離も見られない。得られた各薄膜に粘着テープを接着し引き剥がしテストを行ったが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他の各種セラミック材料を主成分とする焼結体と薄膜とは界面で剥離するものはなく、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他の各種セラミック材料を主成分とする焼結体と薄膜とは強固に接合している。また、形成された上記各薄膜にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他の各種セラミック材料を主成分とする焼結体と上記各薄膜とは強固に接合している。薄膜形成後CuKα線を用いて各薄膜のX線回折パターンを測定して薄膜の結晶状態を調べ、さらに各薄膜のミラー指数(002)格子面のX線回折ロッキングカーブをとりその半値幅を測定した。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成された厚み0.25μmの窒化アルミニウム薄膜の場合だけ電子線回折を行いその薄膜の結晶状態を調べた。その結果を表1に示す。表1において各薄膜のX線回折パターン測定の結果酸化ジルコニウム及び酸化マグネシウム及びスピネルを主成分とする焼結体からなる基板上に直接形成されたものは単結晶化しないことが示されている。それはミラー指数(002)格子面からだけでなく(100)格子面からの回折線が出現していることから多結晶であることは自明である。それ以外の焼結体基板上に形成した薄膜はミラー指数(002)格子面からだけの回折線だけしか出現せず単結晶化している。されたまたこの単結晶化した薄膜のミラー指数(002)格子面のロッキングカーブの半値幅はいずれの基板においても3600秒以下であった。また、これら単結晶薄膜の基板に対する形成方位は薄膜が単結晶化したすべての焼結体において該単結晶薄膜のC軸が基板面に対して垂直の方向であった。この実験結果から薄膜が単結晶化しなかった原因は酸化ジルコニウムの結晶系は正方晶(Tetragonal)であり、酸化マグネシウムとスピネルは立方晶(Cubic)であるためと思われる。その他の基板の主成分は酸化アルミニウムを除いてすべて六方晶(Hexagonal)である。前記酸化アルミニウムの結晶系は三方晶(Trigonal)であるが六方晶としての分類も可能であるのでその上に直接形成される薄膜が単結晶化するのは本質的には六方晶及び六方晶として分類できる材料を主成分とする焼結体からなる基板の場合だけであると思われる。また、実験結果から明らかなように直接その上に形成した薄膜が単結晶化した基板の中で窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板は特に優れている。形成された殆どすべての薄膜でミラー指数(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下とシャープで結晶性に優れている。
上記のように各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板としても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が該焼結体製基板に直接形成し得ることが確かめられた。その中でも窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いて作製される単結晶薄膜の結晶性が最も優れていた。
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次に、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板上に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性に対して窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の組成や焼結体の微構造、光透過率などの特性による影響を調べた。実験に用いた焼結体作製用原料粉末は実施例1で使用したのと同じ高純度窒化アルミニウム粉末〔徳山曹達株式会社(現:株式会社トクヤマ)製「F」グレード〕を用意した。この原料粉末は酸化物還元法にて製造されたものである。この原料粉末に適宜焼結助剤などの添加物や黒色化剤などを加えエタノールとともにボールミルで24時間混合後乾燥しエタノールを揮散した後パラフィンワックスを粉末混合体に対して5重量%加え成形用粉末を作製し、直径25.4mm×厚み1.5mm及び直径32mm×厚み1.5mmの円形粉末成形体を一軸プレス成形により得た。その後減圧下300℃でパラフィンワックスを脱脂し、焼成用治具としてタングステン製のセッターを使用して還元性雰囲気にならないよう純窒素雰囲気中で被焼成物である粉末成形体の周囲をタングステン製の枠で囲んで常圧焼成、雰囲気加圧焼成(ガス圧焼成)を行ない各種窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を作製した。また、ホットプレス、HIP(ホットアイソスタチックプレス:静水圧加圧焼結)により各種窒化アルミニウムを主成分とする焼結体も作製した。焼成条件の詳細は表2に記載されている。得られた焼結体を直径25.4mm×厚み0.5mmの寸法に研削、及び研磨加工し窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を作製した。なお、得られた各種窒化アルミニウム焼結体中には原料粉末中の酸素などの不可避混入成分や希土類元素化合物、アルカリ土類金属化合物などの焼結助剤、アルカリ金属、珪素成分、モリブデン、タングステン、ニオブ、チタン、カーボン、鉄、ニッケルなどの成分は殆ど揮散・除去されないで粉末成形体中とほぼ同量存在している。
このようにして得られた各種基板を用い実施例1と同様の高周波加熱によるMOCVD(有機金属化学気相分解)装置を用いた方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜を基板表面に形成した。なお、50モル%GaN+50モル%InNの混晶薄膜は基板温度780℃で形成した。得られた薄膜はCuKα特性X線を用いたX線回折パターン及び電子線回折の測定結果すべて単結晶であると認められる。得られた単結晶薄膜の観察を光学顕微鏡、電子顕微鏡を用いて行ったが単結晶薄膜内部にはクラックが見られず単結晶薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との接合界面での剥離も見られない。得られた上記単結晶薄膜に粘着テープを接着し引き剥がしテストを行ったが該単結晶薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との接合界面での剥離や破壊は見られなかった。また、形成された上記各単結晶薄膜にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と上記各単結晶薄膜とは強固に接合している。
次いでミラー指数(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅を測定し前記単結晶薄膜の結晶性を調べた。これら単結晶薄膜の基板に対する形成方位はすべて該単結晶薄膜のC軸が基板面に対して垂直の方向であった。
これらの結果を表2及び表3に示した。表2には試験に供した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の作製条件及び基板の特性を示した。表3には上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる各種基板を用い、この基板に形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の組成、膜厚及び結晶性について示した。
表2及び表3において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率1%以上の基板を用いることで直接その上に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下であることが示されている。光透過率が5%以上の焼結体では該単結晶薄膜の(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下である。光透過率が10%以上の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体では該単結晶薄膜の(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下である。また、光透過率が40%以上の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体では該単結晶薄膜の(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下である。
なお、光透過率の測定は日立製作所製の分光光度計U−4000を用い積分球内に作製した窒化アルミニウムを主成分とする基板を入れ該焼結体に入射する光の強度と透過する光をすべて集めてその強度を測定し、全透過光と入射光との強度の百分率比を算出して光透過率とした。また、光透過率の値は波長605nmの光に対して測定されたものである。
表2及び表3において焼結体中の希土類元素及びアルカリ土類金属の含有量が酸化物換算でそれぞれ25体積%以下の基板では直接その上に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下である。また含有量がそれぞれ12体積%以下の焼結体では該単結晶薄膜の(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下である。含有量がそれぞれ7体積%以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体では該単結晶薄膜の(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下である。
表2において実験No.34、45、49、50、58、66で使用した単結晶薄膜を形成していない窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のX線回折において、実験No.34の焼結体はJCPDSファイル番号25−1134で示される主相の多結晶AlNとJCPDSファイル番号36−50で示される多結晶ALONの回折線であり、No.45では異相は検出されずJCPDSファイル番号25−1134で示される多結晶AlNの回折線だけであったが、No.49の基板の場合は上記AlNのほかにYAlO及びYAlの回折線が検出され、No.50の基板の場合は上記AlNのほかにYAlO及びYAl及びYの回折線が検出され、No.58の基板の場合は上記AlNのほかにErAlO及びErAlの回折線が検出され、No.66の基板の場合は上記AlNのほかにW(タングステン)の回折線が検出された。なお、No.34の焼結体中のALONの含有量はAlNとALONの回折線の最強線ピーク比で計算すると1.4%と算定された。又実験No.37〜40で使用した単結晶薄膜を形成していない窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のX線回折を行うとJCPDSファイル番号25−1134で示される多結晶AlNの回折線のほかJCPDSファイル番号36−50で示される多結晶ALONの回折線が検出された。ALONの最強線(311)とAlNの最強線(100)の強度比から求めた焼結体中のALON含有量はそれぞれNo.37で3.2%、No.38で9.6%、No.39で19.1%、No.40で29.4%と算出された。
表2及び表3においてアルカリ金属あるいは珪素化合物を含有する実験No.61、62、63の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板上に直接形成された窒化ガリウム及び窒化アルミニウム単結晶薄膜の結晶性は(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下である。
表2及び表3において実験No.65、66、68、70の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の波長605nmの光に対して測定された光透過率(全透過率)を示すが該光透過率は1%より小さく実験No.65、68、70の焼結体はゼロであるがこれらの基板上に直接形成された窒化ガリウム及び窒化アルミニウム単結晶薄膜の結晶性は(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下である。
表2及び表3において実験に用いた全酸素量が10重量%以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板はその上に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下である。全酸素量が5.0重量%以下の焼結体で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は240秒以下である。また全酸素量が3.0重量%以下の焼結体で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下である。
表2及び表3において実験に用いた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中のALON量が20%以下の基板はその上に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下である。またALON量が7%以下の焼結体で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下である。
表2及び表3において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の相対密度98%以上の基板上に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線ロッキングカーブの半値幅が300秒以下であることが示されている。焼結体の相対密度99%以上では該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線ロッキングカーブの半値幅は240秒以下である。また、焼結体の相対密度99.5%以上で該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線ロッキングカーブの半値幅は200秒以下である。
表2及び表3において実験に用いた焼結体中の気孔の大きさは平均1μm以下で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線ロッキングカーブの半値幅が300秒以下である。焼結体中の気孔の大きさが平均0.7μm以下では該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線ロッキングカーブの半値幅は240秒以下である。また、焼結体中の気孔の大きさが平均0.5μm以下では該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線ロッキングカーブの半値幅は200秒以下である。
表2及び表3において、焼成温度が高く又焼成時間が長くなれば窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中のAlN結晶粒子の大きさは増大する傾向がある。すなわち1900℃以上の温度で3時間以上の焼成で焼結体中のAlN結晶粒子の大きさは8μm以上となる。又1900℃以上の温度で6時間以上の焼成で焼結体中のAlN結晶粒子の大きさは15μm以上となる。実験に用いた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のAlN結晶粒子の大きさは平均1μm以上で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線ロッキングカーブの半値幅が300秒以下である。焼結体のAlN結晶粒子の大きさが平均5μm以上では該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線ロッキングカーブの半値幅は240秒以下である。また、焼結体のAlN結晶粒子の大きさが平均8μm以上では該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線ロッキングカーブの半値幅は200秒以下である。また、焼結体のAlN結晶粒子の大きさが平均15μm以上では該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線ロッキングカーブの半値幅は150秒以下のものが得られる。なおAlN含有量が80体積%より少ない焼結体においては形成される単結晶薄膜の結晶性が低下するものが見られる。
表2及び表3において実験に用いた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の表面平滑度が平均表面粗さRa100nm以下の基板はその上に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下である。
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窒化アルミニウムを主成分とする焼結体作製用原料粉末として高純度窒化アルミニウム粉末〔徳山曹達株式会社(現:株式会社トクヤマ)製「H」グレード〕を用意した。この原料粉末は酸化物還元法にて製造されたものである。この原料粉末は酸素を1.3重量%不純物として含む。この原料粉末に適宜Y粉末を3.3体積%加えたもの、Er粉末を4.02体積%加えたもの、及びCaCO粉末をCaO換算で0.6体積%加えたものをトルエンおよびイソプロピルアルコールとともにボールミルで24時間混合後アクリルバインダーを粉末原料100重量部に対して12重量部加えさらに12時間混合することでペースト化しドクターブレード法で厚み0.75mmの3種類の組成を有するグリーンシートを作製した。このグリーンシートから一辺35mmの正方形状のシートを作製しこのシートにYAGレーザーで表裏面を貫通する直径25μm、50μm、250μm及び500μmの円形スルーホールを形成した。次に溶媒としてαテルピネオール、バインダーとしてアクリル樹脂を加え導電性成分として純タングステン、50体積%タングステン+50体積%銅の混合粉末および純銅粉末の3種類の粉末を用いて導通ビア用ペーストを作製して上記のスルーホール内に充填し、乾燥後、適宜窒素又は窒素/水素混合ガスを主成分とする雰囲気中で脱バインダー後N中1820℃で2時間常圧焼成し導通ビアが内部に形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を得た。なお、焼成に際しては被焼成物であるスルーホールに導通ビアペーストが充填されたグリーンシートの脱脂物をタングステン製セッターに置き該被焼成物とは別に窒化アルミニウム粉末成形体を同時に置き周囲をタングステンの枠で囲んで行った。スルーホール内の金属成分は焼結あるいは溶融凝固により十分緻密化し導電性が発現しており窒化アルミニウムを主成分とする焼結体とも一体化しており、導通ビアとして機能している。得られた焼結体を直径25.4mm×厚み0.5mmの寸法に研削、及び鏡面研磨加工して導通ビアを露出させ表面平滑度Ra=26nmの導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を作製した。その後導通ビアの室温における抵抗を4端子法で測定し導通ビアの形状から室温における抵抗率を算出した。導通ビアの大きさは焼成後収縮しそれぞれ直径20〜23μm、40〜44μm、209〜215μm及び422μmになっていた。また上記導通ビアが形成された基板上に直接実施例1及び2で用いたものと同じMOCVD装置を用いた方法で窒化ガリウムの単結晶薄膜を0.25μmの厚みで基板の片面に形成した後該単結晶薄膜のミラー指数(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅を測定した。それらの結果を表4に示した。単結晶薄膜形成後導通ビアが形成されている周囲の単結晶薄膜について観察を行ったがクラックや導通ビアとの界面における剥離などの不具合は特に見当たらず良好な外観状態であり本発明による材料を用いた導通ビアは窒化ガリウム薄膜と良好な接合性を有していることが確認された。該単結晶薄膜のミラー指数(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はすべて300秒以下であり、導通ビアの室温における抵抗率は2.0×10−6Ω・cm〜7.7×10−6Ω・cmの範囲であった。本実施例において作製した窒化ガリウムを主成分とする薄膜は導電性を有する。さらに導通ビアが形成されている各焼結体を用いて作製した該窒化ガリウムを主成分とする薄膜と該薄膜が形成されていない基板面側に露出している導通ビアとの間には導通がある。このように本実施例で作製した導電性を有する窒化ガリウムを主成分とする単結晶薄膜と導通ビアとは機械的な接合性だけでなく電気的にも接続されていることが確認された。
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実施例3で作製したグリーンシートから一辺35mmの正方形状のシートを作製し空気中500℃で脱バインダー後、窒素中1800℃で1時間常圧焼成し窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を得た。得られた焼結体を一辺25.4mm×厚み0.5mmの正方形に研削、及び研磨加工し表面平滑度Ra=25nmの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を作製した。次に実施例1及び2で用いたものと同じMOCVD装置を用いて窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする0.7nm〜4200nmの各種厚みの薄膜を基板上に直接形成した。なお、50モル%InN+50モル%AlNの混晶薄膜は基板温度820℃で形成した。このようにして得られた実験No.90の100%窒化アルミニウムを除く薄膜のCuKαによるX線回折パターンを取ったがすべてミラー指数(002)の格子面からの回折線であり単結晶化していた。なお100%窒化アルミニウム薄膜は電子線回折で調べたがこれもミラー指数(002)の格子面からの回折だけでミラー指数(100)の格子面からの回折は見られず単結晶化している。次に得られた単結晶薄膜のミラー指数(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅を測定した。その結果を表5に示した。単結晶薄膜の厚みにおいてミラー指数(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は300秒以下である。
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窒化アルミニウムを主成分とする焼結体作製用原料粉末として実施例1、2、3で用いた2種類の酸化アルミニウムの還元法による原料のほかにアルミニウム金属の直接窒化法により作製された2種類の窒化アルミニウム粉末(東洋アルミニウム株式会社製「TOYALNITE」及びドイツStarck社製「Grade B」)を用意した。これらの原料のうちアルミニウム金属の直接窒化法により作製された原料粉末は2種類それぞれ単独で、また酸化アルミニウムの還元法によるものはアルミニウム金属の直接窒化法により作製された原料とそれぞれ50重量%ずつ混合したものを実施例1と同様の方法で成形、脱脂を行った後窒素中1950℃×2時間、300Kg/cmでホットプレスを行い窒化アルミニウムを主成分とする6種類の焼結体を得た。得られた焼結体を直径25.4mm×厚み0.5mmの寸法に研削、及び研磨加工し表面平滑度Ra=27nmの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を作製した。X線回折により原料に「TOYALNITE」だけを用いた焼結体は主相がAlNでその他1.6%のALONが検出される。また原料に「Grade B」だけを用いた焼結体は主相がAlNでその他2.2%のALONが検出される。又酸化アルミニウムの還元法によるものとアルミニウム金属の直接窒化法により作製された原料との混合原料から作製された焼結体も同様主相はAlNであり1.2〜1.9%のALONを含む。これら6種類の焼結体の相対密度はすべて98%以上である。又気孔率はすべて1%以下であった。次に実施例1及び2で用いたものと同じMOCVD装置を用いて窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする厚み0.25μmの単結晶薄膜を基板上に直接形成した。なお100%窒化アルミニウムの単結晶薄膜は厚み6μmmで形成した。このようにして得られた単結晶薄膜のミラー指数(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅を測定した。その結果すべての単結晶薄膜においてミラー指数(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は300秒以下であった。
実施例2と同様の原料を用いて新たに常圧焼成及びホットプレスによる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を作製し実施例2と同様に基板の特性を調べさらにこれらの基板に実施例1及び実施例2と同様に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成しその結晶性を調べた。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を作製するのに際して粉末成形体及び粉末成形体の脱脂までは実施例2と同様の方法により行った。粉末成形体として焼結助剤などの添加物無しのもの、また焼結助剤などの添加物としてMgO、CaCO、Al、Y、Er、V、Crを用いた。その詳細は表6に記載した。上記各種添加物を含む粉末成形体を脱脂後、該粉末成形体を被焼成物として焼成した。該粉末成形体の焼成に際してタングステン製のセッターを用い別に用意した窒化アルミニウム粉末だけからなる粉末成形体を該セッター内に被焼成物とともに置きこれらの周囲をタングステン製の枠で囲むか、窒化アルミニウム製のセッターを用い被焼成物の周囲を窒化アルミニウム製の枠で囲んで焼成を行った。常圧焼成は1気圧のN中1820℃で2時間の条件で行った。又ホットプレスに際しては粉末成形体をいったん上記のようにタングステンセッターを用いて1820℃で1時間窒素中で常圧焼成しいったん焼結体としたものを用いて加圧焼成を行った。
その結果を表6に示す。その結果、得られた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率はすべて30%以上であった。実施例2で作製した添加物を含まないもの、また添加物としてMgO、CaCO、Al、Y、Erを含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率に比べて向上していることが確認された。本実施例では実施例2と比べて焼成雰囲気中に窒化アルミニウム成分が被焼成物以外から供給されたため光透過性がより向上したものと思われる。また表6には記載していないが、添加物としてMgO、V、Crを含む粉末成形体をいったん焼成せずにそのまま窒素雰囲気中1820℃で1時間、圧力300Kg/cmでホットプレスすることにより得られた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率はすべて0%であった。
このようにして得られた各種窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のうち光透過率40%以上の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いることで直接その上に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下であることが示されている。光透過率が60%以上の焼結体では該単結晶薄膜の(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下である。また可視光透過率ゼロの窒化アルミニウム焼結体からなる基板であってもそこに直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下であることが示されている。
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実施例2及び6において作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の波長300nmの光に対する光透過率を測定した。測定は光が紫外線に代わった以外は実施例2と同様の方法で行った。その結果を表7に示す。この結果は明らかに可視光透過率の高い窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板は紫外光に対する透過率も高い傾向を有することが示されている。また、300nmの紫外光に対する光透過率は最大67%と高いものが得られる。
Figure 2005179167
実施例1〜6において作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び実施例1で作製した炭化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムの各種セラミック材料を主成分とする焼結体を用意した。これらの基板の表面平滑性とそこに直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性との関係を調べた。基板の表面平滑性は次の3種類の状態のものを用いた。すなわち、1)基板表面が焼き放し(as−fire)状態のもの(ただし、表面付着物をアルミナ粉を使いブラシで取り除く)、2)SiCあるいはアルミナ砥粒を用いてラップ研磨により基板表面を研削加工した状態のもの、3)アルミナ、酸化セリウム、ダイヤモンド、酸化珪素あるいは酸化クロムを主成分とする研磨剤を用いて基板表面を鏡面状に加工した状態のもの、である。なお、ラップ研磨に用いた砥粒及びその粒度は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の場合実施例1の実験No.1〜5で作製し使用したもの、実施例2の実験No.62および64で作製したものはSiCの#240、実施例6の実験No.107で作製したものはSiCの#280、実施例2の実験No.34および46で作製したもの、実施例4の実験No.86〜92で作製し使用したもの、実施例4の実験No.100〜102で作製し使用したものたもの、実施例6の実験No.105で作製したものはSiCの#400を用い、その他の焼結体ではSiCの#600であった。炭化珪素を主成分とする焼結体の場合SiCの粒度#240の砥粒を用いた。窒化珪素を主成分とする焼結体の場合SiCの粒度#800の砥粒を用いた。酸化亜鉛を主成分とする焼結体の場合アルミナの粒度#400の砥粒を用いた。また、ラップ研磨を行った窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び窒化珪素を主成分とする焼結体は研削加工後N中1200℃で1時間加熱処理を行った。ラップ研磨を行った炭化珪素を主成分とする焼結体は研削加工後アルゴン中1200℃で1時間加熱処理を行った。ラップ研磨を行った酸化亜鉛を主成分とする焼結体は研削加工後大気中1000℃で1時間加熱処理を行った。また、上記鏡面加工は市販の布製パッドをポリシャーとして用い研磨剤として以下のものをそれぞれ用いることにより行った。すなわち、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の鏡面研磨には粒径0.1μm及び0.2μmの酸化クロムを主成分とする研磨剤を用いた。炭化珪素を主成分とする焼結体からなる基板の鏡面研磨には粒径0.1μmのダイヤモンドを主成分とする研磨剤(鏡面1)及び粒径0.05μmのコロイド状アルミナを主成分とする研磨剤(鏡面2)を用い、窒化珪素を主成分とする焼結体からなる基板の鏡面研磨には粒径0.25μmのダイヤモンドを主成分とする研磨剤(鏡面3)及び粒径0.05μmのコロイド状アルミナを主成分とする研磨剤(鏡面4)を用い、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の鏡面研磨には粒径0.1μmのダイヤモンドを主成分とする研磨剤(鏡面5)及び粒径0.02μmのコロイド状酸化珪素を主成分とする研磨剤(鏡面6)を用い、酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板の鏡面研磨には粒径0.5μmの酸化セリウムを主成分とする研磨剤(鏡面7)を用い、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板の鏡面研磨には粒径0.25μmのダイヤモンドを主成分とする研磨剤(鏡面8)及び粒径0.05μmのコロイド状のアルミナを主成分とする研磨剤(鏡面9)を用いた。なお表8には記載していないが、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の鏡面研磨に用いた酸化クロムを主成分とする研磨剤のうち粒径0.1μmのものを使用した基板ではすべて表面粗さRa20nm以下の表面平滑性を有するものが得られた(実験No.198〜200及び実験No.210〜211で用いた基板)。その他の基板はすべて粒径0.2μmの酸化クロムを主成分とする研磨剤により鏡面研磨を行った。このようにして作製した上記各基板の表面平滑性(表面粗さRaで示す)及び基板の表面状態を表8に示した。
上記のような表面状態を有する各基板をアセトン及びIPAで超音波洗浄後に実施例1及び実施例2と同様に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を表8に示されている厚みで形成しその結晶性を調べた。以上の実験結果を表8に示す。その結果窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板においては焼き放し(as−fire)の状態であってもその表面には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が多結晶化することなく単結晶で形成できる。また焼き放し(as−fire)状態の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板の表面平滑性は平均表面粗さRaで90〜1000nmの範囲にある。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板においては表面をラップ研磨した状態のものであってもその表面には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が多結晶化することなく単結晶で形成できる。また表面をラップ研磨した状態の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板の表面平滑性は平均表面粗さRaで100〜2000nmの範囲にある。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板においては表面を鏡面研磨した状態のものはその表面には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が多結晶化することなく単結晶で形成できる。また表面を鏡面研磨した状態の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板の表面平滑性は平均表面粗さRaで100nm以下の範囲にある。本実施例の結果が表8において示されている。すなわち窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板において基板の表面状態が上記3種類の中で鏡面研磨したものを用いることで基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜はより結晶性のすぐれたものが得られ易いことが示された。表8において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板の平均表面粗さRaが2000nm以下のものには直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下の単結晶薄膜が得られることが示されている。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板の中で平均表面粗さRaが1000nm以下のものには直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が1000秒以下の単結晶薄膜が得られることが示されている。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板の中で平均表面粗さRaが100nm以下のものには直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の単結晶薄膜が得られることが示されている。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板の中で平均表面粗さRaが60nm以下のものには直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下の単結晶薄膜が得られることが示されている。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板の中で平均表面粗さRaが30nm以下のものには直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の単結晶薄膜が得られることが示されている。また窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板の中で平均表面粗さRaが20nm以下のものには直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下の単結晶薄膜が得られることが示されている。
表8において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板において基板の表面状態が上記焼き放し(as−fire)、ラップ研磨、鏡面研磨という3種類の中で鏡面研磨したものを用いることで基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜はより結晶性のすぐれたものが得られ易いことが示された。また焼き放し状態の表面状態を有する基板とラップ研磨した表面状態を有する基板とを比較すると焼き放し状態の表面状態を有する基板の方がそこに直接形成される上記単結晶は結晶性のすぐれたものが得られ易いことが示された。
窒化アルミニウム以外の各種セラミック材料を主成分とする焼結体を用いた基板においては焼き放しの状態であってもその表面には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が多結晶化することなく単結晶で形成できる。また焼き放し状態の窒化アルミニウム以外の各種セラミックを主成分とする焼結体を用いた基板の表面平滑性は平均表面粗さRaで90〜1000nmの範囲にある。窒化アルミニウム以外の各種セラミックを主成分とする焼結体を用いた基板においては表面をラップ研磨した状態のものであってもその表面には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が多結晶化することなく単結晶で形成できる。また表面をラップ研磨した状態の窒化アルミニウム以外の各種セラミックを主成分とする焼結体を用いた基板の表面平滑性は平均表面粗さRaで80〜1000nmの範囲にある。窒化アルミニウム以外の各種セラミックを主成分とする焼結体を用いた基板においては表面を鏡面研磨した状態のものはその表面には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が多結晶化することなく単結晶で形成できる。また表面を鏡面研磨した状態の窒化アルミニウム以外の各種セラミックを主成分とする焼結体を用いた基板の表面平滑性は平均表面粗さRaで1〜100nmの範囲にある。表8において窒化アルミニウム以外の各種セラミックを主成分とする焼結体を用いた基板の平均表面粗さRaが1000nm以下のものには直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下の単結晶薄膜が得られることが示されている。窒化アルミニウム以外の各種セラミックを主成分とする焼結体を用いた基板の中で平均表面粗さRaが100nm以下のものには直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が1000秒以下の単結晶薄膜が得られることが示されている。窒化アルミニウム以外の各種セラミックを主成分とする焼結体を用いた基板の中で平均表面粗さRaが10nm以下のものには直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の単結晶薄膜が得られることが示されている。窒化アルミニウム以外の各種セラミックを主成分とする焼結体を用いた基板の中で平均表面粗さRaが5nm以下のものには直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶化した薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下の単結晶薄膜が得られることが示されている。
Figure 2005179167
実施例1〜6において作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び実施例1で作製した炭化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムの各種セラミック材料を主成分とする焼結体を用意した。これらの基板に対して実施例1及び実施例2と同様の方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成し該単結晶薄膜形成後の厚みと形成された該単結晶薄膜の結晶性との関係を調べた。使用した窒化アルミニウム及び各種セラミック材料を主成分とする焼結体製基板の表面はあらかじめ実施例8と同様の方法により鏡面研磨してあり、その表面粗さは表9に示す通りである。本実施例で用いた酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板は粒径0.2μmの酸化セリウムを主成分とする研磨剤を用いて研磨を行ったものである。なお、本実施例においては実施例1で示したMOCVD法による成膜条件を変え窒化ガリウム(GaN)薄膜では基板温度1050℃、窒化インジウム(InN)薄膜では650℃、窒化アルミニウム(AlN)薄膜では1200℃、50モル%GaN+50モル%AlNの混晶薄膜は1100℃で形成した。薄膜の形成速度はそれぞれ0.5〜1.5μm/時間、0.5〜1.5μm/時間、2〜6μm/時間、1〜3μm/時間、程度である。またあらたに、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化アルミニウムを原料に用いたクロライドVPE(塩化物気相エピタキシャル成長)法による窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の作製も行った。気体化した原料のキャリアガスとして窒素、反応ガスにはアンモニアを用いた。成膜速度は1時間あたり5μm〜200μmと急速成膜が可能であった。このクロライドVPE法による単結晶薄膜は実験No.193、195、197、200、202、203、209、210、211、213、215、217、222で用いた基板上に形成した。クロライドVPE法による単結晶薄膜形成時の基板温度は窒化ガリウム薄膜では1150℃、窒化インジウム薄膜では800℃、窒化アルミニウム薄膜では1280℃で行った。反応チャンバーとして石英管を用い外部から高周波によりカーボンセッターを加熱してその上に置いた窒化アルミニウム及び各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を間接的に加熱する方法により行った。その結果を表9に示す。表9の結果は明らかに本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性は該単結晶薄膜の厚みが0.3μm以上で該窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下であることを示している。また窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性は該単結晶薄膜の厚みが3.5μm以上で該窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下であることを示している。また窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性は該単結晶薄膜の厚みが10μm以上で該窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下であることを示している。さらに窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性は該単結晶薄膜の厚みが50μm以上で該窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下であることを示している。
また上記単結晶薄膜形成法においてクロライドVPE法を用いて500μm〜1000μm程度までの厚い薄膜が形成し得ることが確認された。これはおそらく基板として用いた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が比較的高い光透過性を有しているためであろうと思われる。表9には示されていないが別に実施例2の実験No.65、68、及び70で作製した光透過性に乏しい窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて上記と同じ条件のクロライドVPE法で窒化アルミニウムを主成分とする厚み500μm〜1000μmの薄膜の形成を試みたが、結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下と比較的優れている一方該薄膜中にはクラックが見られ、また基板との間に剥離も見られた。
また、上記クロライドVPE法を用いて窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板温度として800℃及び900℃で窒化アルミニウムを主成分とする薄膜の形成を試みたが単結晶化した窒化アルミニウムを主成分とする薄膜は形成できず、すべて無定形、多結晶、あるいは配向性多結晶などの結晶状態の薄膜であった。クロライドVPE法により窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜を形成する場合基板温度を適正に設定することが必要であることが確認された。
一方窒化アルミニウム以外の炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム及び酸化アルミニウムを主成分とするセラミック材料からなる焼結体を用いた基板の場合そこに直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みが0.3μm以上でも該単結晶薄膜の結晶性は良好であることが示された。すなわち、上記窒化アルミニウム以外の炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム及び酸化アルミニウムを主成分とするセラミック材料からなる焼結体を用いた基板に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする厚み0.3μm以上の単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は300秒以下であることが示されている。また、厚み3.5μm以上の単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は240秒以下であることが示されている。さらに、厚み10μm以上の単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅も240秒以下であることが示されている。
表9に示された薄膜の観察を光学顕微鏡、電子顕微鏡を用いて行ったがMOCVD法及びクロライドVPE法いずれの方法で作製された薄膜内部にはクラックが見られず薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他の各種セラミック材料を主成分とする焼結体との接合界面での剥離も見られない。得られた各薄膜に粘着テープを接着し引き剥がしテストを行ったが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他の各種セラミック材料を主成分とする焼結体と薄膜とは界面で剥離するものはなく、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他の各種セラミック材料を主成分とする焼結体と薄膜とは強固に接合している。また、形成された上記各薄膜にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及びその他の各種セラミック材料を主成分とする焼結体と上記各薄膜とは強固に接合している。
また、実験No.191、192、193、206、208、220で作製した薄膜を粒径0.2μmの酸化クロムを主成分とする研磨剤を用いて研磨後、さらに粒径0.02μmのコロイド状酸化珪素を主成分とする研磨剤で鏡面研磨したところ表面粗さ(Ra)がそれぞれ1.2nm(実験No.191)、1.04nm(実験No.192)、0.94nm(実験No.193)、1.1nm(実験No.206)、1.06nm(実験No.208)、0.99nm(実験No.220)とすべて2nm以下であり、研磨することで平滑性の優れた単結晶薄膜が形成された薄膜基板が得られることが確認された。
Figure 2005179167
実施例1〜6において作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び実施例1で作製した炭化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムの各種セラミック材料を主成分とする焼結体を用意した。これらの基板表面は実施例8及び実施例9と同様の方法で鏡面研磨が施されている。これらの基板に対して基板温度を変えた以外は実施例1、実施例2又は実施例9で示したものと同様の条件でMOCVD法及びクロライドVPE法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を2層以上上記焼結体基板に形成し、得られた各単結晶薄膜層の結晶性について調べた。クロライドVPE法は厚み15μmを超える薄膜を形成するときにだけ用いた。なお、ドーピング用原料としてMOCVD法による薄膜形成ではジメチルベリリウム、ビス−シクロペンタジエニルマグネシウム、ジエチル亜鉛、SiHを原料として用い、クロライドVPE法による薄膜形成ではMgBrをドーピング用原料として用いて薄膜を形成した。MOCVD法を用いて薄膜を形成する場合、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接形成する1層目の薄膜は実施例1と同様の原料、ガス、基板温度及びその他の形成条件により行った。また1層目の上に形成する2層目及び3層目の薄膜はGaNを主成分とするものが基板温度950℃、InNを主成分とするものが基板温度750℃、AlNを主成分とするものが基板温度1050℃とし、その他はドーピング成分含有の有無にかかわらず用いた原料、ガス及び薄膜形成条件は実施例1と同様に行った。また、GaN+AlNの混晶を主成分とするものはドーピング成分含有の有無にかかわらず基板温度1000℃、GaN+InNの混晶は基板温度800℃としその他原料、ガス及び形成条件などは実施例1及び実施例2と同様に行った。なお、クロライドVPE法による薄膜形成においてGaN+AlNを主成分とする混晶にMgをドーピング成分として含有する薄膜の形成は基板温度1200℃としその他の原料、ガス及び形成条件などは実施例9と同様に行った。上記のように2層以上で形成した単結晶薄膜層の構成は以下の3通りである。すなわち、1)同一組成の単結晶薄膜を2回以上に分けて別々に形成したもの、2)主成分である窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムの組成が異なるもの、3)主成分は同じであるがドーピング剤などの微量成分の含有量が異なるもの、である。上記のMOCVD法及びクロライドVPE法による薄膜形成後窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする成分の他にBe、Mg、Zn、Siのドーピング成分を有する薄膜が形成された基板を純N雰囲気中700℃で熱処理を行った。このようにして得た各単結晶薄膜層の結晶性を調べた。なお2層以上の構成の単結晶薄膜のなかで表面層より下部に形成された単結晶薄膜の結晶性は上部の単結晶薄膜層を形成する前にX線回折により調べるかあるいは上部の単結晶薄膜層を研削除去した後調べた。その結果を表10に示す。なお、表10の薄膜組成の欄において1層目のものは焼結体基板に直接形成されている単結晶薄膜であり、2層目のものは1層目の単結晶薄膜上に直接形成された単結晶薄膜であり、3層目のものは2層目の単結晶薄膜上に直接形成された単結晶薄膜である。表10から明らかなように本発明による窒化アルミニウム及び各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いることでこれら基板に2層以上で形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性はすべてミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下のものが得られることが示されている。表10に示されるように、上記窒化アルミニウム及び各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に2層以上の構成で形成された2層目及び3層目の各単結晶薄膜層の結晶性は1層目の単結晶薄膜の結晶性に比べてより優れた傾向を有することも確認された。また、上記基板のうち窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いこの基板に2層以上の構成で形成された2層目及び3層目の各単結晶薄膜層の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下であり、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶系を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体に比べてさらに優れたものが得られることが示された。また、2層構成としても200μm程度の比較的厚みの厚い単結晶薄膜が形成し得ることが確認された。またSiをドーピングした実験No.237及び238の2層目の各単結晶薄膜の室温における抵抗率を測定したところそれぞれ0.6Ω・cm(49.94モル%GaN+49.94モル%AlN+0.12モル%Si)及び86Ω・cm(99.94モル%AlN+0.06モル%Si)と半導体化していることが確認された。また、Mg、Be、Znをドーピングした実験No.240の3層目、実験No.241の2層目、実験No.242の2層目の各薄膜の室温における抵抗率を測定したところそれぞれ0.097Ω・cm(99.9モル%GaN+0.1モル%Mg)、0.44Ω・cm(99.9モル%GaN+0.1モル%Be)、0.26Ω・cm(99.9モル%GaN+0.1モル%Zn)でありそれぞれ半導体化していることが確認された。さらに、実験No.239の2層目、実験No.241の3層目、実験No.246の4層目の各薄膜の室温における抵抗率を測定したところそれぞれ0.054Ω・cm(100%GaN)、0.036Ω・cm(70モル%GaN+30モル%InN)、0.011Ω・cm(100%InN)でありドーピング元素を含まないGaN、InN及びGaN+InNは自発的に半導体化していた。
上記のように、本実施例において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは炭化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなど各種セラミック材料を主成分とする焼結体に少なくとも1層及び2層の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成した薄膜基板はさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成可能であることが示された。また、上記各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板上にあらかじめ形成された1層及び2層の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の上に形成される単結晶薄膜の結晶性は、その下にある単結晶薄膜よりも向上し易いことが確認された。
このように、上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは炭化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなど各種セラミック材料を主成分とする焼結体に少なくとも1層及び2層の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成した薄膜基板は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するための薄膜形成用基板としても用いることができることが確認された。
Figure 2005179167
窒化アルミニウムを主成分とする焼結体作製用原料粉末として酸化物(酸化アルミニウム)の還元法により製造された高純度窒化アルミニウム粉末〔徳山曹達株式会社(現:株式会社トクヤマ)製「H」グレード〕及び金属アルミニウムの直接窒化法により作製された東洋アルミニウム株式会社製「TOYALNITE」を用意し、焼結助剤として各種希土類元素化合物、アルカリ土類金属化合物粉末を用意した。分析の結果「H」グレードには酸素が1.2重量%「TOYALNITE」には不純物として酸素が1.4重量%含まれる。粉末の平均粒子径はそれぞれ0.9μmと1.1μmである。又その他に添加物として酸化アルミニウム、カーボン、珪素などを用意した。これらの原料を用いて実施例2と同様の方法により各種組成の粉末成形体を作製した。またこのようにして得た粉末成形体の一部を用いてできるだけ焼結助剤などが揮散しないよう実施例2と同じ方法により1800℃で1時間焼成しあらかじめ焼成済の焼結体も作製した。該あらかじめ焼成済の焼結体は本実施例の内容を示す表11及び表12の実験No.283〜286のサンプルがそれである。前記のようにして得た粉末成形体及びあらかじめ焼成済の焼結体をカーボン製のセッターに置いた後カーボン製のさやに入れカーボン炉を用い一酸化炭素1000ppm含む窒素雰囲気中で各種温度及び時間条件により高温長時間焼成し窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を得た。得られた焼結体の組成分析、X線回折によるAlN結晶相の定量、窒化アルミニウム粒子の大きさ測定を行った。X線回折によるAlN結晶相の定量はAlN以外の結晶相の回折ピークを測定しそれとAlNの最強回折ピークとの比を百分率で求め、全体の結晶相の量から該AlN以外の結晶相の量を差し引くことにより求めた値である。次に得られた焼結体の表面を30nmに鏡面研磨して実施例2と同様の方法で波長605nmの光に対する光透過率を測定した。なお、測定された光透過率は全透過率である。さらに鏡面研磨した基板を用い実施例1及び実施例2と同様の方法で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成し該単結晶薄膜の結晶性を調べた。これらの結果を表11及び表12に示す。表11には窒化アルミニウムを主成分とする焼結体作製用粉末成形体の組成と焼成条件及び得られた焼結体の組成、特性について記したものである。表12には得られた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いたときこれらの基板に形成した単結晶薄膜の組成及びその結晶性が示されている。
すなわち上記の方法によりAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が得られた。焼結助剤として用いた希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物を別々に含む粉末成形体あるいはあらかじめ焼成済みの焼結体においてより低い温度でかつ短い時間で焼結助剤などの成分が揮散・除去され該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のAlNの純度が高まりやすい傾向がある。
この焼結体を基板として用いて窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成し該単結晶薄膜の結晶性を調べた。その結果、希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の化合物の含有量が元素換算で合計0.5重量%以下かつ酸素含有量が0.9重量%以下の組成からなる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を得ることができる。この組成の基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が少なくとも240秒以下と良好な結晶性を有するものが得られる。また、希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の化合物の含有量が元素換算で合計0.2重量%以下かつ酸素含有量が0.5重量%以下の組成からなる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を得ることができる。この組成の基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が少なくとも200秒以下と良好な結晶性を有するものが得られる。また、希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の化合物の含有量が元素換算で合計0.05重量%以下かつ酸素含有量が0.2重量%以下の組成からなる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を得ることができる。この組成の基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下と良好な結晶性を有するものが得られる。また、希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の化合物の含有量が元素換算で合計0.02重量%以下かつ酸素含有量が0.1重量%以下の組成からなる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を得ることができる。この組成の基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下と良好な結晶性を有するものが得られる。さらに、希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の化合物の含有量が元素換算で合計0.005重量%以下かつ酸素含有量が0.05重量%以下の組成からなる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を得ることができる。この組成の基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下と良好な結晶性を有するものが得られる。
本実施例において得られたAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において焼成温度を高めるか焼成時間を長くすることでその窒化アルミニウム粒子の大きさは増大した。
すなわち上記AlN純度を高め窒化アルミニウム粒子の大きさが増大した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成し該単結晶薄膜の結晶性を調べた。その結果、AlN純度が高く焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが平均5μm以上のものが得られる。焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが平均5μm以上の基板において該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下と良好なものが得られた。また、AlN純度が高く焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが平均8μm以上のものが得られる。焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが平均8μm以上の基板において該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下と良好なものが得られた。また、AlN純度が高く焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが平均15μm以上のものが得られる。焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが平均15μm以上の基板において該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下と良好なものが得られた。さらに、AlN純度が高く焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが平均25μm以上のものが得られる。焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが平均25μm以上の基板において該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下とさらに良好なものが得られた。
本実施例において得られたAlN純度を高めた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において焼成温度を高めるか焼成時間を長くすることでその窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の波長200nm〜800nmの範囲の光における透過率は増大した。
すなわち上記AlN純度を高め光透過率が増大した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成し該単結晶薄膜の結晶性を調べた。その結果、AlN純度が高く波長200nm〜800nmの範囲の光における透過率40%以上の可視光透過率を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が得られ基板として用いることで該基板に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下と良好なものが得られた。また60%以上の高い可視光透過率を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が得られ基板として用いることで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下と良好なものが得らた。また80%以上の高い可視光透過率を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が得られ基板として用いることで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下と良好なものが得られた。
実験No.252〜255及び272、273、275、276以外で得られた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は室温における熱伝導率が200W/mK以上の高い特性を有していた。また結晶相としてAlNを99%以上含むもの及びAlN単一相の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は室温における熱伝導率が220W/mK以上で最大237W/mKとさらに高い特性を有するものが得られた。
表11及び表12から明らかなように原料粉末の由来にあまり影響されず、また粉末成形体及びあらかじめ焼成済の焼結体いずれを用いても高温長時間焼成することで焼結助剤、酸素などの揮散・除去、現象化が生じ窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の高純度化が進む。さらに焼結体中の窒化アルミニウム粒子も成長し、焼結体自他の透過率が向上し波長200nm〜800nmの範囲の光における透過率80%以上、最大88%のものが得られる。また、得られた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性も向上する。該単結晶薄膜の結晶性について得られた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の組成すなわちAlN純度が高くなれば結晶性が増大する。上記AlN純度だけでなくそれ以外にも該単結晶薄膜の結晶性について窒化アルミニウム粒子の大きさあるいは光透過率の与える影響がより大きく影響する傾向があった。すなわち窒化アルミニウム粒子の大きさが大きくなれば該単結晶薄膜の結晶性はさらに増大する。また窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の光透過率が高くなれば上記窒化アルミニウム粒子の大きさの増大化と同様該単結晶薄膜の結晶性はさらに増大する。すなわち、本実施例で得られた該単結晶薄膜の結晶性は基板として用いた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の組成すなわちAlN純度が高くなること、窒化アルミニウム粒子の大きさが増大化すること、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が高くなること、これらの要素がお互い相乗効果で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性を高めていると思われる。すなわち高温、かつ長時間焼成により焼結体内部が改質された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を薄膜形成用基板として用いることが結晶性の高い該単結晶薄膜を得るためには有効となり得ることが示された。
(比較例)
比較のために実験No.265と同じ粉末成形体をタングステン製のセッターに置きタングステン製のさやに別に用意した窒化アルミニウム粉末とともに入れ、タングステン炉材と発熱体からなるタングステン炉により純窒素雰囲気中で2200℃の温度において8時間焼成したが焼結助剤である酸化イットリウムはほとんど揮散・除去されず粉末成形体のまま残り高純度化されていない。又熱伝導率も200W/mK以下と低く光透過性も62%であり表11の実験No.265で作製したものより小さかった。
Figure 2005179167
Figure 2005179167
実施例1〜実施例11で作製し使用した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムの各種セラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用い窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形薄膜、多結晶薄膜及び配向性多結晶薄膜の形成をMOCVD法により試みた。本実施例におけるMOCVD法は実施例1、実施例2及び実施例10と同様な原料と装置を用いたものである。なお、上記基板の表面は実施例8及び実施例9と同様の方法により鏡面研磨されており、その表面平滑性は表13に示されている。さらに該無定形薄膜及び多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜などが形成された基板上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の形成を試みた。
まず、窒化ガリウム(GaN)を主成分とする薄膜では基板温度として300℃〜700℃、窒化インジウム(InN)を主成分とする薄膜では基板温度として300℃〜600℃、窒化アルミニウム(AlN)を主成分とする薄膜では基板温度として350℃〜1000℃の条件で薄膜形成を試みた。表13の実験No.287及び293に示されている100モル%GaN薄膜は基板温度340℃で作製したものである。実験No.288、289、290、292、294、297、298、299、300、301に示されている100モル%AlN薄膜は基板温度370℃で作製したものである。実験No.296に示されている100モル%AlN薄膜は基板温度400℃で作製したものである。実験No.295に示されている100モル%AlN薄膜は基板温度1050℃で作製したものである。このようにして得られた上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板上に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜(基板側の薄膜)の結晶状態をX線回折により調べた。なお窒化アルミニウムを主成分とする薄膜については結晶状態の判定には電子線回折も併用した。その結果、明らかに得られた薄膜の結晶状態は無定形あるいは多結晶あるいは配向性多結晶を示すものであった。その結果を表13に示す。本実施例において、実験No.291で用いた基板に直接形成された多結晶状態のAlN薄膜は基板面に対してC軸が垂直な方向に形成されている配向性多結晶であった。該配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は4620秒と測定された。なお、上記実験No.291の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板へ直接形成されたAlN配向性多結晶薄膜の形成は基板温度550℃で行ったものである。なお、表13の実験No.295だけは基板に直接形成する薄膜としてAlN単結晶薄膜の形成を試みたものである。実験No.295においては基板温度1100℃と前記の条件より高く設定しその他の原料、ガス及び形成条件は実施例1と同様のMOCVD法により薄膜形成を行った。このようにして得られた表13に示す実験No.295の100モル%AlN薄膜は基板面に対してC軸が垂直な方向に形成されている単結晶であり該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は127秒と測定された。
このように本実施例において単結晶だけでなく窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜が上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び各種セラミック材料を主成分とする焼結体上に直接形成された薄膜基板が得られることが明らかにされた。
次に、実験No.293、299、301において、窒化ガリウム及び窒化アルミニウムを主成分とする無定形薄膜があらかじめ直接形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、酸化アルミニウム及び酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる薄膜基板上に基板温度それぞれ450℃(実験No.293)、550℃(実験No.299、及び301)の条件により微量のドーピング成分を含む窒化ガリウム及び窒化アルミニウムを主成分とする薄膜をさらに1層形成した基板を作製した。その他の形成条件は実施例1、実施例10で示したMOCVD法と同様である。得られた薄膜はX線回折の結果明らかに基板面に対してC軸が垂直に形成された配向性多結晶であった。これら配向性多結晶のミラー数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は実験No.293のもので4540秒、実験No.299のもので10820秒、実験No.301のもので9890秒であった。このように、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて形成した配向性多結晶のほうが酸化アルミニウム及び酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いたものより結晶性の優れたものが得られる傾向を示した。
以上説明したように、本実施例において窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜が上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び各種セラミック材料を主成分とする焼結体上に少なくとも1層あるいは2層形成された薄膜基板が得られることが明らかにされた。
次にこのような無定形薄膜及び多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜など各種結晶状態の薄膜が1層及び2層形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の形成をMOCVD法により試みた。この単結晶薄膜形成の試みには実験No.295で作製した100モル%AlN単結晶薄膜を形成した基板も用いた。単結晶薄膜の形成に際してGaN、InN、AlNを主成分とするものはドーピング成分含有の有無にかかわらず用いた原料、ガス及び形成条件などは実施例1及び実施例10と同様に行った。一方GaN+AlNの混晶を主成分とするものはドーピング成分含有の有無にかかわらず基板温度1050℃、GaN+InNの混晶は基板温度830℃としその他原料、ガス及び形成条件などは実施例1、実施例2及び実施例10と同様に行った。このようにして上記無定形薄膜及び多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜など各種結晶状態の薄膜が形成された基板上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が1層形成された基板を得た。このように形成された薄膜をX線回折により分析したところすべて単結晶であることが確認された。これら単結晶薄膜は基板面に対してC軸が垂直な方向に形成されている。得られた単結晶薄膜の結晶性について調べその結果を表13に示した。なお窒化アルミニウムを主成分とする薄膜については結晶状態の判定に電子線回折も併用した。その結果少なくとも表面が単結晶薄膜からなる2層構成の薄膜が形成された基板が得られることが明らかとなった。さらに、実験No.293、299及び301においては表面が単結晶薄膜からなる3層構成の薄膜が形成された基板が得られることが明らかとなった。
上記のように2層構成の薄膜を有し表面側の層に単結晶薄膜を形成した基板の中で実験No.291及び292の基板を選び、引き続いて上記と同様の条件のMOCVD法を用いて単結晶薄膜の形成を試みた。その結果新たに表面側に形成された薄膜はX線回折により明らかに基板面に対してC軸が垂直な方向に形成されている単結晶であった。この結果実験No.291及び292において、単結晶薄膜を2層有する薄膜3層の構成からなる基板が作製できることが確認された。実験No.291及び292において最後表面側に形成された単結晶薄膜の結晶性は最初に形成されている(中間層として形成されている)単結晶薄膜の結晶性より向上している。すなわち実験No.291において最初に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は96秒であるのに対して、その上に形成された単結晶薄膜は91秒であった。また、実験No.292において最初に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は97秒であるのに対して、その上に形成された単結晶薄膜は89秒であった。
表13から明らかなように、あらかじめ無定形薄膜、多結晶薄膜及び配向性多結晶薄膜が少なくとも1層あるいは2層形成されている窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できる。その結晶性はテストした基板すべて窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下であった。通常本実施例で用いた実験No.46、49、110、267及び283で作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成した場合、これら単結晶薄膜はそのミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下となるような高い結晶性のものが得られにくいが、上記のようにあらかじめ無定形薄膜、多結晶薄膜及び配向性多結晶薄膜が少なくとも1層あるいは2層形成されている窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いることで、形成される単結晶薄膜の結晶性は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板上に直接単結晶薄膜を形成する場合よりもさらに向上する傾向があることが確かめられた。
また、あらかじめ無定形薄膜、多結晶薄膜及び配向性多結晶薄膜が少なくとも1層あるいは2層形成されている炭化珪素、窒化珪素、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板上にも窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できる。その結晶性はテストした基板すべてにおいて窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下であった。通常実施例1で作製し、本実施例で用いた炭化珪素、窒化珪素、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成した場合、これら単結晶薄膜はそのミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下となるような高い結晶性のものが得られにくいが、上記のようにあらかじめ無定形薄膜、多結晶薄膜及び配向性多結晶薄膜が少なくとも1層あるいは2層形成されている炭化珪素、窒化珪素、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いることで、形成される単結晶薄膜の結晶性は炭化珪素、窒化珪素、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板上に直接単結晶薄膜を形成する場合よりもさらに向上する傾向があることが確かめられた。
このように、あらかじめ無定形薄膜、多結晶薄膜及び配向性多結晶薄膜を少なくとも1層あるいは2層形成することで炭化珪素、窒化珪素、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板には容易に比較的結晶性の優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成することが確認された。
以上説明してきたことから明らかなように、本実施例において単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を2層及び3層形成した薄膜基板が容易に得られる。この2層及び3層に形成された薄膜のうち少なくとも最も表面側の層には優れた結晶性を有する単結晶薄膜が形成できることが確認された。この単結晶薄膜は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び炭化珪素、窒化珪素、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなど六方晶系又は三方晶系の結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成したものよりより高い結晶性のものが得られることが実験的に確かめられた。
本実施例において、実験No.294で使用した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板は、実施例11で示したようにもともと該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が92秒と良好な結晶性を有するが、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ無定形の薄膜を形成した基板を用いることでその上に形成された単結晶薄膜の結晶性がさらに82秒と高まる。実験No.295の基板を用いたものは基板に最初直接形成した薄膜を含めすべての層が単結晶である。最初直接形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は127秒であったがその上に形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が87秒と結晶性はさらに改善された。
上記のように、本実施例において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは炭化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなど各種セラミック材料を主成分とする焼結体に少なくとも1〜2層の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した薄膜基板はさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成可能であることが示された。すなわち、上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体あるいは炭化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなど各種セラミック材料を主成分とする焼結体に少なくとも1〜2層の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を形成した薄膜基板は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板(すなわち薄膜形成用基板)としても用いることができることが確認された。
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実施例11で作製した粉末成形体を用い焼成雰囲気を一酸化炭素150ppmを含む窒素、水素60ppmを含む窒素、炭化水素240ppm含む窒素、一酸化炭素1800ppmを含むアルゴン、の4種類のものに代えた以外は実施例11で使用した実験No.269の粉末成形体を用い、実施例11と同様のカーボンセッター、カーボンさや、カーボン炉を使用して2200℃の温度で4時間焼成し窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を得た。その結果上記すべての雰囲気で焼成したものが実施例1と同様イットリウム及びカルシウムの含有量はそれぞれ0.5ppm以下となった。窒化アルミニウム粒子も35μm〜40μmに成長し光透過率もすべて80%を超えた。さらに各雰囲気中で得られた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いて基板を作製し実施例1と同様にMOCVD法により窒化ガリウム単結晶薄膜を0.5μmの厚みで形成したところ該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅がすべての基板で100秒と良好な結晶性を示した。
窒化アルミニウムを主成分とする焼結体作製用原料粉末として高純度窒化アルミニウム粉末〔徳山曹達株式会社(現:株式会社トクヤマ)製「H」グレード〕を用意した。この原料粉末は酸化物還元法にて製造されたものである。この原料粉末にY粉末を5重量%だけ加えたものと、Y粉末5重量%及びCaCO粉末をCaO換算で0.5重量%加えたものをトルエンおよびイソプロピルアルコールとともにボールミルで24時間混合後アクリルバインダーを粉末原料100重量部に対して12重量部加えさらに12時間混合することでペースト化しドクターブレード法で厚み0.8mmの2種類の組成を有するグリーンシートを作製した。このグリーンシートから一辺35mmの正方形状のシートを作製しこのシートにYAGレーザーで表裏面を貫通する直径25μm及び50μmの円形スルーホールを形成した。次に溶媒としてαテルピネオール、バインダーとしてアクリル樹脂を使用し導電性成分としてタングステン粉末を用いさらに該タングステン粉末に対して上記窒化アルミニウム粉末を0〜20重量%の範囲で加えて混合し導通ビア用ペーストを作製した。各混合比の粉末ペーストを上記スルーホールに充填し乾燥後、適宜窒素又は窒素/水素混合ガスを主成分とする雰囲気中で脱バインダー後、次の2つの焼成条件で導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を作製した。焼成条件は、1)N雰囲気中1800℃において2時間常圧焼成する、2)一酸化炭素を200ppm含む窒素雰囲気中2200℃において4時間焼成する、の2条件である。このようにして導通ビアが内部に形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を得た。いずれの焼結体においてもスルーホール内の導電性成分は十分緻密化し導電性が発現しており窒化アルミニウムを主成分とする焼結体とも一体化しており導通ビアとして機能している。上記1800℃において2時間常圧焼成した導通ビアが形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は焼結助剤がほとんど揮散されておらず光透過率は51%〜65%の範囲であったが、2200℃で4時間焼成したものは焼結助剤が揮散しイットリウム及びカルシウムの含有量が合計で50ppm以下になっている。また窒化アルミニウム粒子も35μm〜45μmに成長しており、光透過率も80%以上であった。このようにして得られた焼結体を直径25.4mm×厚み0.5mmの寸法に研削、及び研磨加工して導通ビアを露出させ表面平滑度Ra=30nmの導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を作製した。その後導通ビアの室温における抵抗を4端子法で測定し導通ビアの形状から室温における抵抗率を算出した。導通ビアの大きさは焼成後収縮しそれぞれ直径40〜44μm及び20〜23μmになっていた。また上記導通ビアが形成された基板上に直接実施例1及び2で用いたものと同じMOCVD装置を用いた方法で窒化ガリウムの単結晶薄膜を0.25μmの厚みで基板の片面に形成し該単結晶薄膜のミラー指数(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅を測定した。それらの結果を表14に示した。単結晶薄膜形成後導通ビアが形成されている周囲の単結晶薄膜について観察を行ったがクラックや導通ビアとの界面における剥離などの不具合は特に見当たらず良好な外観状態であり本発明による材料を用いた導通ビアは窒化ガリウム薄膜と良好な接合性を有していることが確認された。導通ビアの室温における抵抗率は窒化アルミニウムの含有量や焼成条件及びスルーホールの径などにより変化したが6.8×10−6Ω・cm〜132×10−6Ω・cmの範囲であり、該単結晶薄膜のミラー指数(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はすべて300秒以下である。1800℃で2時間焼成することで得た基板において導通ビア中の窒化アルミニウムの含有量が増えるにしたがって基板に形成された該単結晶薄膜の結晶性が向上する傾向が見られ、窒化アルミニウム粉末を10重量%以上含む導通ビアにおいては該単結晶薄膜のミラー指数(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は150秒以下に高まった。また、2200℃で4時間焼成することで得られた導通ビアを有する基板に形成された該単結晶薄膜のミラー指数(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は100秒以下の高い結晶性のものが得られた。本実施例において作製した窒化ガリウムを主成分とする各薄膜の室温における抵抗率は0.059Ω・cm〜0.101Ω・cmの範囲であり導電性を有する。また、導通ビアが形成されている各焼結体を用いて作製した該窒化ガリウムを主成分とする薄膜と該薄膜が形成されていない基板面側に露出している導通ビアとの間には導通がある。このように本実施例で作製した導電性を有する窒化ガリウムを主成分とする単結晶薄膜と導通ビアとは機械的な接合性だけでなく電気的にも接続されていることが確認された。
Figure 2005179167
実施例11で用いた酸化物還元法による窒化アルミニウム原料粉末に焼結助剤として酸化イットリウムを5重量%含む混合粉末を用いて外形サイズを直径32mmの円盤状とした各種厚みの粉末成形体を作製した。この粉末成形体を実施例11と同様カーボン製のセッター、カーボン製のさやを用いカーボン炉にて1000ppmの一酸化炭素を含有する窒素雰囲気中2200℃で8時間焼成した。その結果、粉末成形体の厚みが8mm以下のもので透光性を有する焼結体が得られた。それ以上の厚みのものは黒色化し透光性がなく、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成しにくく場合によっては単結晶でない多結晶状態の薄膜になった。
実施例1〜15で作製し使用してきた窒化ルミニウムを主成分とする焼結体を基板に用いその上にMOCVD法によりAlGa1−xN(0≦x≦1.0)の化学組成式であらわされる窒化ガリウムと窒化アルミニウムの二成分を主成分とし、MgとSiをドーピング元素として上記組成に対してそれぞれ10モル%まで、及びMgとSiの同時ドープの場合は合計で10モル%までドープした導電性単結晶薄膜の作製を試みた。基板として実施例2で作製した実験No.49の焼結体、実施例3で作製した実験No.73の焼結体、実験No.75の焼結体、実験No.80の焼結体、実験No.82の焼結体、実施例6で作製した実験No.110の焼結体、実施例11で作製した実験No.284の焼結体、実施例14で作製した実験No.305の焼結体、実験No.311の焼結体及び実験No.317の焼結体を基板として用いた。実験No.73の焼結体、実験No.75の焼結体、実験No.80の焼結体、実験No.82の焼結体、実験No.305の焼結体、実験No.311の焼結体、実験No.317の焼結体にはそれぞれ導通ビアが形成され該導通ビアは基板の上下表面に露出している。単結晶薄膜の作製条件は実施例1、実施例2及び実施例10と同様である。基板形状は実施例1、3及び14と同様である。なお薄膜の厚みは3μmとし、各焼結体を用いて作製した基板の片面に形成した。CVDで薄膜形成後薄膜が形成された基板を純N雰囲気中700℃で熱処理を行った。その結果、実験No.73、実験No.75の焼結体、実験No.80の焼結体、実験No.82の焼結体、実験No.305の各焼結体を用いた基板には上記Mg及びSiを10モル%までドープしたAlGa1−xN(0≦x≦1.0)のすべての組成で単結晶薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は200秒以下と良好なものであった。又、実験No.49及び実験No.110の各焼結体を用いた基板には上記Mg及びSiを10モル%までドープしたAlGa1−xN(0≦x≦1.0)のすべての組成で単結晶薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は150秒以下と良好なものであった。又実験No.284、実験No.311及び実験No.317の各焼結体を用いた基板には上記Mg及びSiを10モル%までドープしたAlGa1−xN(0≦x≦1.0)のすべての組成で単結晶薄膜が形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は100秒以下とさらに良好なものであった。導通ビアが形成されている実験No.73の焼結体、実験No.75の焼結体、実験No.80の焼結体、実験No.82の焼結体、実験No.305の焼結体、実験No.311の焼結体、実験No.317の焼結体を用いて作製した単結晶薄膜について導通ビア周囲の観察を行ったがクラックや導通ビアとの界面における剥離などの不具合は特に見当たらず良好な外観状態であり、本発明による材料を用いた導通ビアはAlGa1−xN(0≦x≦1.0)の組成を有する単結晶薄膜及びAlGa1−xN(0≦x≦1.0)にSi及びMgをドープした組成を有する単結晶薄膜と良好な接合性を有していることが確認された。これらの各種組成の単結晶薄膜について室温における抵抗率を測定したところ、AlGa1−xN(0≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物に対しMgを元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含むものは室温における抵抗率1×10Ω・cm以下であった。又その中でAlGa1−xN(0≦x≦0.6)の化学式であらわされる組成物に対してMgを元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含む単結晶薄膜は室温における抵抗率が1×10−1Ω・cm〜1×10Ω・cmのものが得られた。また、AlGa1−xN(0.6≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物に対しSiを元素換算で0.00001〜0.5モル%の範囲で含む単結晶薄膜は室温における抵抗率1×10Ω・cm〜1×10Ω・cmの範囲の抵抗率を示した。この組成の単結晶薄膜にはx=1.0すなわち主成分が窒化アルミニウムだけからなりSiを元素換算で0.00001モル%〜0.5モル%の範囲で含有する薄膜が含まれ、室温における抵抗率は40Ω・cm〜200Ω・cmの範囲であった。また、AlGa1−xN(0.6≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物に対してMgとSiを同時に元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含む単結晶薄膜は室温における抵抗率が1×10−1Ω・cm〜1×10Ω・cmのものが得られた。また、AlGa1−xN(0≦x≦0.6)の化学式であらわされる組成物に対してSiを元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含む単結晶薄膜は室温における抵抗率が1×10−3Ω・cm〜1×10Ω・cmの範囲の比較的低い抵抗値を示した。また、AlGa1−xN(0≦x≦0.6)の化学式であらわされる組成物に対してSiとMgを同時に元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含む単結晶薄膜は室温における抵抗率が1×10−3Ω・cm〜1×10Ω・cmの範囲の比較的低い抵抗値を示した。また、導通ビアが形成されている実験No.73の焼結体、実験No.75の焼結体、実験No.80の焼結体、実験No.82の焼結体、実験No.305の焼結体、実験No.311の焼結体、実験No.317の焼結体を用いて作製した単結晶薄膜は該薄膜が形成されていない基板面に露出している導通ビアと導通があり本実施例で作製した導電性を有するAlGa1−xN(0≦x≦1.0)の組成を有する単結晶薄膜と導通ビアとは機械的な接合性だけでなく電気的にも接続されていることが確認された。これらの結果を表15に記した。表15において薄膜のドーピング剤添加量は主成分AlGa1−xNに対するモル%で示してある。すなわち、例えばMgの添加量が0.5モル%であるという意味は形成される薄膜が主成分であるAlGa1−xNを99.5モル%、ドーピング剤であるMgを0.5モル%の組成を有するものであることを意味する。
Figure 2005179167
実施例16で使用した実験No.73、75、80、82、305、311、317の導通ビアを有する各窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び実験No.49の導通ビアを有しない窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い実施例1、実施例2、実施例10及び実施例12と同様に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする導電性の単結晶薄膜、無定形薄膜、多結晶薄膜及び基板面に対してC軸が垂直な配向性多結晶薄膜の形成をMOCVD法により試みた。薄膜は各基板の片面に単層あるいは2層(基板側の層と表面層)で形成した。なお、実験No.350、351の窒化インジウム薄膜の形成に際して基板温度それぞれ320℃、360℃で行った。また、実験No.347、356の窒化ガリウム薄膜の形成に際して基板温度それぞれ340℃、380℃で行った。各薄膜層の厚みはそれぞれ3μmとした。その結果窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は単結晶以外の無定形、多結晶及び配向性多結晶であっても導電性を有するものが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成できることが明らかとなった。また導電性を有する薄膜を2層以上の構成で形成できることも明らかとなった。導通ビアが形成されている実験No.73の焼結体、実験No.75の焼結体、実験No.80の焼結体、実験No.82の焼結体、実験No.305の焼結体、実験No.311の焼結体、実験No.317の焼結体を用いて作製した単結晶、無定形及び多結晶の薄膜について導通ビア周囲の観察を行ったがクラックや導通ビアとの界面における剥離などの不具合は特に見当たらず良好な外観状態であり、本発明による材料を用いた導通ビアは窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種組成の薄膜と良好な接合性を有していることが確認された。また、導通ビアが形成されている実験No.73の焼結体、実験No.75の焼結体、実験No.80の焼結体、実験No.82の焼結体、実験No.305の焼結体、実験No.311の焼結体、実験No.317の焼結体を用いて作製した各薄膜は該薄膜が形成されていない基板面に露出している導通ビアと導通があり本実施例で作製した導電性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種組成の単結晶薄膜、無定形薄膜、多結晶薄膜及び基板面に対してC軸が垂直な配向性多結晶薄膜と導通ビアとは機械的な接合性だけでなく電気的にも接続されていることが確認された。これらの結果を表16に記した。
Figure 2005179167
実施例16及び実施例17で使用した導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び導通ビアのない窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にチタン、クロム、ニッケル、モリブデン、タングステン、白金、アルミニウム、タンタル、窒化タンタル、窒化チタン、金、銅、タングステン/銅合金(W:70重量%+Cu30重量%)などの各種材料を周波数13.56MHz、出力500W〜1500Wの高周波スパッタリング法で基板の両面に形成し各種薄膜導電性材料が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を得た。なお、基板温度は250℃、減圧チャンバー内にAr+Nガスを流しながらスパッタリングを行った。作製した薄膜導電性材料の波長605nmの光に対する反射率を測定し表17に示した。この各種薄膜導電性材料が形成された基板に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とし適宜ドーピング剤を加えた薄膜を上記基板の片面に厚み3μmで形成した。その結果各種薄膜導電性材料があらかじめ形成された基板であっても無定形、配向性多結晶及び単結晶薄膜が形成し得ることが確認された。また配向性多結晶薄膜及び単結晶薄膜はそれぞれ基板面に対してC軸が垂直な方向に形成されていることが確認された。表17にはこのような薄膜の結晶性について調べた結果を示した。単結晶薄膜の結晶性は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下であった。なお、表17に示した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜のうち単結晶として測定されたものは実施例10と同様の条件で形成したものであり、単結晶以外の無定形薄膜及び配向性多結晶薄膜は実施例12に記載したものと同じ条件で形成されたものである。また、表17には記載されていないがあらかじめ薄膜導電性材料を形成しその上に無定形薄膜及び配向性多結晶薄膜が形成された実験No.360、実験No.362〜364、実験No.366〜367、実験No.369、実験No.372の基板を用い、その上に実施例1と同様の方法で100モル%GaN及び100モル%AlN単結晶薄膜を形成したところ、いずれも該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下であった。表17に示すように形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜について外観の観察を行ったがクラックや薄膜導電性材料との界面における剥離などの不具合は特に見当たらず良好な外観状態であり、本発明による材料を用いた薄膜導電性材料は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種組成の薄膜と良好な接合性を有していることが確認された。また薄膜導電性材料と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種組成の薄膜との接合性を確認するためにさらに次のテストを行った。そのテスト法は、作製した基板にエポキシ樹脂で直径3mmの円形アルミニウムピンを接着し垂直引っ張り強度を測定したがすべて垂直引っ張り強度が2Kg/mm以上であり、剥離モードはエポキシ樹脂と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種組成の薄膜との接着界面あるいはエポキシ樹脂とピントの接着界面あるいはエポキシ樹脂内部であり、薄膜導電性材料と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種組成の薄膜との間での剥離や破壊は見られず良好な接合性が形成されていることが確認された。さらに作製した基板に粘着テープを接着しそのテープを引き剥がす方法で接合性のテストを行ったがすべて薄膜導電性材料と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種組成の薄膜との間での剥離や破壊は見られなかった。
また、導通ビアが形成されている実験No.73の焼結体、実験No.75の焼結体、実験No.80の焼結体、実験No.82の焼結体、実験No.305の焼結体、実験No.311の焼結体、実験No.317の焼結体を用いて作製した導電性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は該薄膜が形成されていない基板面と導通があり本実施例で作製した薄膜導電性材料と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜とは機械的な接合性だけでなく電気的にも接続されていることが確認された。これらの結果を表17に記した。本実施例で作製した薄膜導電性材料のうちチタン、クロム、ニッケル、モリブデン、タングステン、白金、アルミニウム、タンタル、窒化チタン、金、銅は室温における抵抗率はすべて1×10−3Ω・cm以下でありドーピング剤を加えるなどして得られる導電性の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種組成の薄膜よりも高い導電性を有しているので、本発明による薄膜導電性材料を用いることで導電性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜と該薄膜が形成されていない基板面とはさらに高い導通性が得られる。また本発明による薄膜導電性材料を電気回路パターンとして形成した薄膜形成用基板いて例えば該薄膜形成用基板上に発光素子などの機能素子を形成すれば、発光素子を搭載するための回路基板あるいはパッケージ一体型の基板としても機能する。したがって通常であれば発光素子などの機能素子を搭載するための回路基板あるいはパッケージが必要であるが本発明による機能一体型の基板を用いることで回路基板あるいはパッケージを別に用意する必要がなくなるという効果が得られる。
上記各結果を表17にまとめて示した。
Figure 2005179167
焼結体作製用原料粉末として高純度窒化アルミニウム粉末(徳山曹達株式会社(現:株式会社トクヤマ)製「H」グレード)を用意した。この原料粉末は酸化物還元法にて製造されたものである。この原料粉末は不純物として酸素を0.8重量%含む。この原料粉末に適宜希土類元素化合物、アルカリ土類金属化合物、アルミナ、遷移金属化合物、アルカリ金属化合物、珪素化合物、などを加えエタノールとともにボールミルで24時間混合後乾燥しエタノールを揮散した後パラフィンワックスを粉末混合体に対して5重量%加え成形用粉末を作製し、直径36mm×厚み2.0mmの円形成形体を一軸プレス成形により得た。その後減圧下300℃でパラフィンワックスを脱脂し、被焼成物である各種組成の粉末成形体を窒化アルミニウム製のセッター及びさやに入れ、あるいは上記被焼成物をタングステン製、BN製、窒化ほう素粉末を表面にコーティングしたカーボン製のセッター及びさやに入れ該セッター及びさやには別に用意した窒化アルミニウムだけからなる粉末成形体を同時に置いて窒素雰囲気中で常圧焼成し各種組成の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を得た。焼成は希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物を焼結助剤として加えた粉末成形体は1800℃×2時間で行った。また、希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物を加えない粉末成形体は1950℃×2時間で焼成した。得られた焼結体はすべて相対密度95%以上に緻密化している。
次に得られた焼結体を直径25.4mm×厚み0.5mmの寸法に研削、さらに表面を実施例8と同様の粒径0.2μmの酸化クロムを主成分とする研磨剤による方法で鏡面研磨加工し各種窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の全酸素量、ALON量、実施例2と同様の方法で波長605nmの光に対する光透過率の測定を行った。また、一部のサンプルでは熱伝導率の測定も行った。この測定結果を表18〜表23に示す。得られた各種窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において、本実施例において粉末成形体に含まれる不純物あるいは加えられる各種添加物の量は、実際含まれる不純物あるいは加えられる化合物を酸化物換算あるいは元素換算したものである。本実施例で作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体には原料粉末中の不純物酸素や添加したAlに起因する酸素成分、あるいは添加した希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物などの焼結助剤中の金属成分や酸素成分など、あるいは添加したアルカリ金属化合物及び珪素含有化合物中の金属成分や酸素成分など、あるいは添加したMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属を含む化合物及びカーボンを含む化合物中の金属成分やカーボン成分など、あるいは添加したFe、Ni、Cr、Mn、Zr、Hf、Co、Cu、Znなどの不可避金属を含む化合物中の金属成分などは焼成により殆ど揮散・除去されないで粉末成形体中と殆ど同じ量存在していることが確認された。すなわち、不純物量及び添加物量として上記換算値を用いたとき、本実施例において作製された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の不純物あるいは添加物の量は粉末成形体中に含まれる不純物あるいは添加物の量との差は小さく殆ど同量と見なし得る。したがって得られた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の組成としては全酸素量以外特に各表には記載してない。上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を作製するとき添加したAl量は酸化物換算により算定したものであり(すなわち特に換算せずそのままの量)、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の酸素量は元素換算で測定したものである。表18には添加物としてAlを単独に用いた例と、及びAlと希土類元素化合物あるいはアルカリ土類金属化合物とを同時に加えた例も示してある。表19には添加物として希土類元素化合物、アルカリ土類金属化合物をそれぞれ単独であるいは同時に用いた例が示してある。表19の実験例では室温における熱伝導率の測定結果も示されている。表20には添加物として珪素含有化合物と、アルカリ金属化合物を用いた例が示してある。また、表20には珪素含有化合物と希土類元素化合物あるいはアルカリ土類金属化合物とを同時に加えた例も示してある。また、表20にはアルカリ金属化合物と希土類元素化合物あるいはアルカリ土類金属化合物とを同時に加えた例も示してある。表21には添加物としてMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属成分、及びカーボンを用いた例が示してある。表22にはMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属成分及びカーボンと希土類元素化合物あるいはアルカリ土類金属化合物とを同時に加えた例が示してある。表23には添加物として鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛の各成分を用いた例が示してある。また、表23には鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛の各成分と希土類元素化合物あるいはアルカリ土類金属化合物とを同時に用いた例も示してある。なお、鏡面研磨後の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の表面平滑性は平均表面粗さ(Ra)=31nm〜36nmの範囲にあった。
表18〜表23で示すように本実施例において実験No.396を除いて光透過率50%以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が得られた。また比較的多量の酸素(Alとして用いた)、あるいは希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物、あるいは珪素含有化合物及びアルカリ金属化合物、あるいはMo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボン、あるいは鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛、を含むものは光透過率が10%以下に低下しやすく、光透過率が0%のものも容易に得られた。表19に示した実験例で作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は本発明の範囲に属するものすべて室温における熱伝導率は50W/mK以上であり、最大177W/mKであった。
次に得られた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い実施例1及び実施例2と同様の高周波加熱によるMOCVD(有機金属化学気相分解)装置を用いた方法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜を基板表面に形成した。得られた薄膜はCuKα特性X線を用いたX線回折により結晶性の評価を行った。
その結果表18に示すAlを添加剤として用いた実験例において、表18に示すようにALON量が7%以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体においてはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。また、ALON量が12%以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体においてはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。また、ALON量が20%以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体においてはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。また、酸素量が3%重量以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体においてはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。また、酸素量が5重量%以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体においてはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。また、酸素量が10重量%以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体においてはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。
窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の全酸素量が多くなるにしたがってALONの含有量も増加し全酸素量が10重量%より多くなるとALONの含有量も20%より多くなるが窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。さらに窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の全酸素量が25重量%より多くなるとALONの含有量も50%より多くなり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜は多結晶化し単結晶薄膜の形成が困難になり易い。また、Alを単独で添加したものより希土類元素化合物あるいはアルカリ土類金属化合物とを同時に加えた作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた方が形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の結晶性は向上することが確かめられた。
また、表19に示す希土類元素化合物、アルカリ土類金属化合物を添加剤として用いた実験例において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の希土類元素成分の含有量が酸化物換算で7体積%まではミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。また希土類元素成分の含有量が酸化物換算で12体積%まではミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。また、希土類元素成分の含有量が酸化物換算で25体積%まではミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中のアルカリ土類金属成分の含有量が酸化物換算で3体積%まではミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中のアルカリ土類金属成分の含有量が酸化物換算で5体積%まではミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の希土類元素成分、アルカリ土類金属成分の含有量が酸化物換算でそれぞれ25体積%まではミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。焼結体中の希土類元素成分、アルカリ土類金属成分の含有量が多くなるにしたがって窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の結晶性が低下する傾向がある。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の希土類元素成分、アルカリ土類金属成分の含有量が酸化物換算でそれぞれ50体積%より多くなると窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜は多結晶化し単結晶薄膜の形成が困難になり易い。また、同じ添加量であれば希土類元素化合物、アルカリ土類金属化合物をそれぞれ単独で添加したものより希土類元素化合物あるいはアルカリ土類金属化合物とを同時に加えた作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた方が形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の結晶性は向上することが確かめられた。
表20に示すアルカリ金属化合物及び珪素化合物を添加剤として用いた実験例において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中のアルカリ金属及び珪素成分の含有量が酸化物換算でそれぞれ5体積%まではミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中のアルカリ金属及び珪素成分の含有量が酸化物換算でそれぞれ10体積%まではミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。焼結体中のアルカリ金属成分及び珪素成分の含有量が多くなるにしたがって窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の結晶性が低下する傾向がある。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中のアルカリ金属成分及び珪素成分の含有量が酸化物換算でそれぞれ20積%より多くなると窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜は多結晶化し単結晶薄膜の形成が困難になり易い。また、アルカリ金属成分及び珪素成分をそれぞれ単独で添加したものより希土類元素化合物あるいはアルカリ土類金属化合物とを同時に加えた作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた方が形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の結晶性は向上することが確かめられた。
表21に示すMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属成分、及びカーボンを添加剤として用いた実験例において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中のMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属成分、及びカーボンの含有量が元素換算でそれぞれ5体積%まではミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中のMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属成分、及びカーボンの含有量が元素換算でそれぞれ10体積%まではミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中のMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属成分、及びカーボンの含有量が元素換算でそれぞれ25体積%まではミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中のMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属成分、及びカーボンの含有量が多くなるにしたがって窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の結晶性が低下する傾向がある。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中のMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属成分、及びカーボンの含有量が元素換算でそれぞれ50体積%より多くなると窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜は多結晶化し単結晶薄膜の形成が困難になり易い。
表22に示すMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属成分、及びカーボンと希土類元素化合物あるいはアルカリ土類金属化合物とを同時に添加剤として加えた実験例において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属成分、及びカーボン各成分を元素換算でそれぞれ25体積%までの比較的多量に含むものであってもミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成でき明確に結晶性の向上が確認された。
表23に示す鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛の各成分を添加剤として用いた実験例において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛の各遷移金属成分の含有量がそれぞれ元素換算で10重量%まではミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛の各遷移金属成分の含有量が元素換算でそれぞれ20重量%まではミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛の各遷移金属成分の含有量が元素換算でそれぞれ30重量%まではミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できた。焼結体中の鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛の各遷移金属成分の含有量が多くなるにしたがって窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の結晶性が低下する傾向がある。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛の各遷移金属成分の含有量が元素換算でそれぞれ50重量%より多くなると窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜は多結晶化し単結晶薄膜の形成が困難になり易い。また、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛の各遷移金属成分をそれぞれ単独で添加したものより希土類元素化合物あるいはアルカリ土類金属化合物とを同時に加えて作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた方が形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の結晶性は明らかに向上することが確かめられた。
本実施例において得られた薄膜のうち単結晶薄膜の観察を光学顕微鏡、電子顕微鏡を用いて行ったが単結晶薄膜内部にはクラックが見られず単結晶薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との接合界面での剥離も見られない。得られた上記単結晶薄膜に粘着テープを接着し引き剥がしテストを行ったが該単結晶薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との接合界面での剥離や破壊は見られなかった。
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実施例18で使用した導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び導通ビアのない窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び実施例11で作製した実験No.265、実験No.269、実験No.271の窒化アルミニウムの純度を高めた各焼結体を鏡面研磨した直径25.4mm×厚み0.5mmの寸法の基板状に加工したものを用いて実施例1、実施例2、実施例10及び実施例12と同様の方法で各種組成及び各種結晶状態を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を上記各焼結体の片面に厚み3μmで形成し各種薄膜基板を作製した。この薄膜の組成及び結晶状態については表24に示す通りである。さらに別に実施例18で作製したチタン、クロム、ニッケル、モリブデン、タングステン、白金、アルミニウム、タンタル、窒化タンタル、窒化チタン、金、銅、タングステン/銅合金(W:90重量%+Cu10重量%)など各種導電性材料があらかじめ形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に、さらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板も用意した。実施例18で作製した薄膜基板についてその薄膜組成及び結晶状態は実施例18と同じであるが、あらためて表25に再掲載した。
次に上記のようにして作製あるいは準備した薄膜基板を用い該薄膜基板に形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の上に実施例18と同様の方法でチタン、クロム、ニッケル、モリブデン、タングステン、白金、アルミニウム、タンタル、窒化タンタル、窒化チタン、金、銅などからなる各種薄膜導電性材料を形成した。この各種薄膜導電性材料の構成及び厚みについては表24及び表25に記載された通りである。各種薄膜導電性材料を形成後、用いた薄膜基板に形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜について外観の観察を行ったがクラックや薄膜導電性材料との界面における剥離などの不具合は特に見当たらず良好な外観状態であり、本発明による材料を用いた薄膜導電性材料は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種組成の薄膜と良好な接合性を有していることが確認された。また薄膜導電性材料と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種組成の薄膜との接合性を確認するためにさらに次のテストを行った。そのテスト法は、作製した基板表面に形成されている薄膜導電性材料にエポキシ樹脂で直径3mmの円形アルミニウムピンを接着し垂直引っ張り強度を測定したがすべて垂直引っ張り強度が2Kg/mm以上であり、剥離モードはエポキシ樹脂と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種組成の薄膜との接着界面あるいはエポキシ樹脂とピントの接着界面あるいはエポキシ樹脂内部であり、薄膜導電性材料と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種組成の薄膜との間での剥離や破壊は見られず良好な接合性が形成されていることが確認された。なお形成した薄膜導電性材料のうち表面に金及び銅を有する構成のもの(実験No.494〜497、500、502〜504、512〜515の各サンプル)については先端に直径1.5mmのパッドを有するコバール製リードを用いはんだによって該リードと薄膜導電性材料とを接続して垂直引張り強度を測定した。その結果垂直引張り強度はすべて4Kg/mm以上であり、強度試験後のリード及び薄膜基板のリードが接合された部分を観察したところすべてはんだ内あるいははんだとリード間の部分で破壊しており窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜と薄膜導電性材料との間の剥離や破壊は観察されなかった。このことは薄膜導電性材料と上記薄膜との接合強度は本来少なくともを4Kg/mm以上で接合性の高いものであることが確認された。さらに作製した基板表面に形成されている薄膜導電性材料に粘着テープを接着しそのテープを引き剥がす方法で接合性のテストを行ったがすべて薄膜導電性材料と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種組成の薄膜との間での剥離や破壊は見られなかった。
上記試験結果は薄膜導電性材料と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との接合性が高いということだけでなく、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と薄膜導電性材料との接合性及び窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との接合性も高いものであることを証明している。これらの結果を表24及び表25に記した。
また、本実施例においても導通ビアが形成されている実験No.73の焼結体、実験No.75の焼結体、実験No.80の焼結体、実験No.82の焼結体、実験No.305の焼結体、実験No.311の焼結体、実験No.317の焼結体を用いて作製した導電性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は該薄膜が形成されていない基板面と導通があり本実施例で作製した薄膜導電性材料と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜とは機械的な接合性だけでなく電気的にも接続されていることが確認された。本実施例で作製した薄膜導電性材料のうちチタン、クロム、ニッケル、モリブデン、タングステン、白金、アルミニウム、タンタル、窒化チタン、金、銅は室温における抵抗率はすべて1×10−3Ω・cm以下でありドーピング剤を加えるなどして得られる導電性の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種組成の薄膜よりも高い導電性を有しているので、本発明による薄膜導電性材料を用いることで導電性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜と該薄膜が形成されていない基板面とはさらに高い導通性が得られる。また本発明による薄膜導電性材料を電気回路パターンとして形成した薄膜形成用基板いて例えば該薄膜形成用基板上に発光素子などの機能素子を形成すれば、発光素子を搭載するための回路基板あるいはパッケージ一体型の基板としても機能する。したがって通常であれば発光素子などの機能素子を搭載するための回路基板あるいはパッケージが必要であるが本発明による機能一体型の基板を用いることで回路基板あるいはパッケージを別に用意する必要がなくなるという効果が得られる。
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実施例2において作製した実験No.49と実験No.58、及び実施例11において作製した実験No.269の各窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を直径25.4mm×厚み0.5mmの寸法の基板状に加工しさらに鏡面研磨して、その上に実施例1、実施例2、実施例10及び実施例12で用いたのと同じMOCVD法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種組成の薄膜を6μmの厚みで形成し薄膜基板を作製した。また、ニオブ及びタンタルを含む窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種組成の薄膜も形成した。ニオブ及びタンタルを含む薄膜は実施例9と同様のクロライドVPE法により厚み6μmで形成した。ニオブ及びタンタル成分の原料として塩化ニオブ及び塩化タンタルを用いた。これら薄膜は単結晶、無定形、配向性多結晶の各結晶状態となるよう形成した。なお、単結晶薄膜を形成するに際してはすべての窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にはあらかじめ該基板面対してC軸が垂直な方位を有する実質的に100モル%AlN組成からなる配向性多結晶薄膜を上記MOCVD法で厚み1.0μm形成した基板を用いた。このような配向性多結晶薄膜の上に形成する単結晶薄膜は結晶C軸の方位を基板面に対し垂直に形成したものと水平に形成したものの2種類を作製した。単結晶以外の無定形、配向性多結晶の各結晶状態の薄膜はそのまま直接窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成した。配向性多結晶薄膜は基板面に対してC軸が垂直になるよう形成したものである(実験No.546、548)。形成した各薄膜の外観を観察したが薄膜内のクラックや窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との間の剥離などの不具合は見られなかった。また粘着テープを用いて剥離テストを行ったが形成した薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との間の剥離はなかった。なお、上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に最初に形成された配向性多結晶AlN薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が4270〜4740秒の範囲であった。一方上記配向性多結晶薄膜の上に形成された単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅がすべて300秒以下であった。
次に形成した薄膜の波長650nmの光に対する屈折率を米国「SCI(Scientific Computing International)社」製の分光光度計(Spectrophotometer)「製品名:FilmTek4000」を用いて調べた。単結晶薄膜の結晶C軸を基板面に対して垂直に形成した薄膜の屈折率はC軸に平行な方向(すなわち異常光)の屈折率を、結晶C軸を基板面に対して水平に形成した薄膜の屈折率はC軸に垂直な方向(すなわち常光)の屈折率を測定した。その結果、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜において単結晶及び無定形いずれの結晶状態の薄膜においても、あるいは単結晶薄膜における結晶C軸の形成方位によらず、窒化ガリウムあるいは窒化インジウムの含有量が増加すれば屈折率は大きくなり、窒化アルミニウムの含有量が増加すれば屈折率は低下し易いことが確かめられた。また、ニオブあるいはタンタルの含有量が増加すれば屈折率が大きくなることが見出された。形成された薄膜において、窒化アルミニウムを主成分とするものにおいて含まれる窒化ガリウム及び窒化インジウムのうちから選ばれる少なくとも1種以上の成分の増加量が主成分に対して0.01モル%以上で少なくとも1×10−5以上の屈折率の増加が認められ、少なくとも20モル%以下で屈折率の増加は2×10−1以下であった。また、形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれる少なくとも1種以上を主成分とする薄膜においてニオブ及びタンタルのうちから選ばれる少なくとも1種以上の成分の含有量が主成分に対して0.01モル%以上で少なくとも1×10−5以上の屈折率の増加が認められ、20モル%以下であれば屈折率の増加は2×10−1以下であった。
また基板面に対してC軸が水平方向に形成された単結晶薄膜の屈折率は垂直方向に形成されたものより屈折率は0.03〜0.05程度小さい。
また、無定形より多結晶の薄膜の屈折率の方が大きい傾向があるが、どちらの結晶状態のものも2.0以下であり単結晶より小さかった。
また、実験No.549〜577で作製した薄膜基板にはクロライドVPE法による薄膜が形成されているが、同じ組成の薄膜であってもMOCVD法で形成した薄膜と屈折率は異なり、クロライドVPE法で作製した薄膜の方が屈折率は大きくなる傾向を示した。
これらの結果を表26に示す。なお、表26においてニオブ及びタンタル成分は窒化ニオブ及び窒化タンタルとみなして記載した。
(比較例)
別に上記本実施例の実験No.49で作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用意し、一部の基板はそのままに一部の基板は本実施例と同じ条件で100モル%AlN配向性多結晶薄膜を形成した。その後これら基板に周波数13.56MHzの高周波(RF)マグネトロンスパッタリング法により厚み6.0μmのLiNbO、SiO、Al薄膜を形成した。スパッタリングの条件は基板温度を250℃とし、Arガスを圧力0.6Pa、電力1000Wで行った。その結果、100モル%AlN配向性多結晶薄膜の形成の有無にかかわらずLiNbO、SiO、Alいずれの薄膜にもクラックが入り光導波路として使用することは困難であった。
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実施例2において作製した実験No.49と実験No.58の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び実施例11において作製した実験No.269の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を直径25.4mm×厚み0.5mmの寸法の基板状に加工しさらに鏡面研磨して、その上に実施例1、実施例2、実施例4、実施例9、実施例12及び実施例21で用いたのと同じMOCVD法及びクロライドVPE法で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする各種組成及び各種結晶状態の薄膜を形成した薄膜基板を作製した。MOCVD法で作製した薄膜の厚みは25μmでありクロライドVPE法で作製した薄膜の厚みは100μmである。なお、AlN+GaN+InNの3成分混晶薄膜の形成に際しては基板温度950℃で行った。また、単結晶薄膜を形成するに際してはすべての窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に対してあらかじめ該基板面に対してC軸が垂直な方位を有し実質的に100モル%のAlNからなる配向性多結晶薄膜を周波数13.56MHzの高周波(RF)マグネトロンスパッタリング法により厚み1.0μm形成した基板を用いた。スパッタリングの条件はターゲットとして高純度AlN焼結体を用いAr+Nの混合ガスをN/Ar=0.4の混合比で導入しチャンバー内圧力0.8Pa、電力1000Wであった。基板温度単結晶以外の無定形、配向性多結晶の各結晶状態の薄膜はそのまま直接窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成した。配向性多結晶薄膜は基板面に対してC軸が垂直になるよう形成したものである。また、単結晶薄膜はすべて基板面に対してC軸が垂直になるように形成した。なお、上記窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に最初に形成された配向性多結晶AlN薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が6440秒〜7190秒の範囲であった。形成した各薄膜の外観を観察したが薄膜内のクラックや窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との間の剥離などの不具合は見られなかった。また粘着テープを用いて剥離テストを行ったが形成した薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との間の剥離はなかった。また、形成した単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅がすべて100秒以下であった。
別に市販されている10mm×10mm×厚み0.5mmのバルク状窒化ガリウム単結晶を基板として用意した。このバルク窒化ガリウム単結晶の結晶C軸は基板面に対して垂直の方位であり、表面は鏡面に研磨してある。さらに別途昇華法で作製した3mm×3mm×厚み0.5mmのバルク状窒化アルミニウム単結晶を基板として用意した。このバルク窒化アルミニウム単結晶の結晶C軸は基板面に対して垂直の方位であり、表面は鏡面に研磨してある。これら窒化ガリウムを主成分とするバルク単結晶及び窒化アルミニウムを主成分とするバルク単結晶は不純物の含有量は少なく実質的にそれぞれGaN及びAlNからなるものであった。
このように準備した上記薄膜基板に形成された薄膜及びバルク単結晶基板の波長650nmにおける屈折率を米国「SCI(Scientific Computing International)社」製の分光光度計(Spectrophotometer)「製品名:FilmTek4000」を用いて測定した。
次にこれらの薄膜基板及びバルク単結晶基板に対して金属ガリウム、窒化ガリウム、酸化ガリウム、金属インジウム、窒化インジウム、酸化インジウム、金属ニオブ、窒化ニオブ、酸化ニオブ、金属タンタル、窒化タンタル、酸化タンタルの各材料からなるターゲットを用い周波数13.5MHz、電力800WのRFマグネトロンスパッタリング法で基板温度250℃にて各種薄膜を厚み50nmで基板全面に形成した。スパッタ用ガスとして純Ar及び混合比N/Ar=0.02〜0.80の範囲のN+Arの混合ガスを導入しチャンバー内圧力0.9Paの条件で使用した。酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、金属ニオブ、金属タンタルの各薄膜形成では純Arを用いた。窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化ニオブ、窒化タンタルの各薄膜形成ではN+Arの混合ガス適宜組成比を変えながら用いた。なお、金属ガリウム及び金属インジウムからなるターゲットはそれぞれ反応性スパッタによる窒化ガリウム、窒化インジウム薄膜の形成に用いた。このようにして得られたスパッタリング薄膜は光リソグラフィーによるリフトオフ法を用いて幅10μm×厚み50nmの大きさの線状として残るようにパターニングした。また、同じスパッタリング薄膜を用い該スパッタリング薄膜の別の部分が幅1.5mm×厚み50nmの線状として残るようパターニングした。なお、このパターニングしたスパッタ薄膜の長さは窒化アルミニウムを主成分とする基板を用いたものでは25.4mm、バルク状窒化ガリウム単結晶を用いたものでは10mm、バルク状窒化アルミニウム単結晶を用いたものでは3mmである。次に窒素雰囲気中1500℃で6時間加熱した。加熱後外観を調べたが各薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との間の剥離などの不具合は見られなかった。また各薄膜のガリウム、インジウム、ニオブ、タンタル各成分が形成された部分の外観を観察したがクラックや剥離は見られなかった。またまた粘着テープを用いて剥離テストを行ったが形成した薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との間の剥離、及びガリウム、インジウム、ニオブ、タンタル各成分が形成された薄膜部分の剥離や破壊はなかった。加熱後の各バルク単結晶に付いてもガリウム、インジウム、ニオブ、タンタル各成分が形成された部分におけるクラックなど外観上の不具合は見られなかった。
次に加熱後の薄膜基板及びバルク単結晶基板各サンプルを用いてガリウム、インジウム、ニオブ、タンタル各成分からなるスパッタリング薄膜が形成された部分のうち幅1.5mmのパターニングを施した部分の波長650nmの光に対する屈折率を測定した。屈折率測定は米国「SCI(Scientific Computing International)社」製の分光光度計(Spectrophotometer)「製品名:FilmTek4000」を用いて行った。その結果、はじめに作製した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜及びバルク単結晶の屈折率よりガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタル成分を有するスパッタ薄膜を形成後熱処理した薄膜及びバルク単結晶の屈折率が大きくなることが確認された。またこの結果は、はじめに作製した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜及びバルク単結晶中へガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタル成分が拡散し固溶していることを予測させる。また、すべてのサンプルにおいて屈折率の増加量は0.002〜0.012の範囲にあり2×10−1以下であった。従ってはじめに作製した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜及びバルク単結晶中のガリウム、インジウム成分の増加量、及びニオブ及びタンタル成分の導入量はそれぞれ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化ニオブ、窒化タンタル換算で主成分に対して少なくとも20モル%以下、0.1モル%〜5.0モル%の範囲であると思われる。また上記分光光度計「FilmTek4000」による測定で加熱後の薄膜及びバルク単結晶へガリウム成分、インジウム成分、ニオブ成分及びタンタル成分が導入された領域は幅12μm〜18μmに広がり、深さ方向へは0.5μm〜10μmに達しているものと思われる。
このようにして窒化アルミニウムを主成分とする焼結からなる基板に形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜にガリウム、インジウム、ニオブ、タンタル各成分を帯状に導入した薄膜基板を得た。また窒化ガリウムを主成分とするバルク単結晶及び窒化アルミニウムを主成分とするバルク単結晶それぞれにガリウム、インジウム、ニオブ、タンタル各成分を帯状に導入したバルク単結晶基板を得た。
次に上記スパッタリング薄膜により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜へガリウム、インジウム、ニオブ、タンタル成分が導入された部分及びバルク単結晶中へガリウム、インジウム、ニオブ、タンタル成分が導入された部分のうち、熱処理前のスパッタリング薄膜に幅10μmのパターニングを施した部分に市販の発光波長650nmのGaAsP系の赤色半導体レーザーを用いて出力50mWで該赤色光を入力し透過した出力光の減衰量を測定して伝送損失を算出した。その結果基板の材質及び組成によらずすべてのサンプルで650nmの赤色光に対して透過性があり伝送損失もすべてのサンプルで10dB/cm以下であった。また薄膜が単結晶の場合その伝送損失はすべて5dB/cm以下であった。また窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板として実験No.269を用いて形成した単結晶薄膜の伝送損失はすべて3dB/cm以下であった。また窒化アルミニウムを80モル%以上含む単結晶薄膜の伝送損失はすべて1dB/cm以下であった。また窒化アルミニウムを主成分とするバルク単結晶でもすべてのサンプルで伝送損失は1dB/cm以下であった。この結果、本実施例で作製した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜及びバルク単結晶中へガリウム、インジウム、ニオブ、タンタル成分が混入した部分は埋め込み型の三次元光導波路として機能することが確認された。これらの結果を表27に示した。表27には波長650nmの光を用いて測定した伝送損失の値が示されている。
次に、上記赤色光による光伝送を確認後さらに市販の波長可変レーザー光発生装置を用い本実施例で作製した上記各三次元光導波路の紫外光領域における伝送損失を測定した。測定波長は380nm、300nm、270nm、250nmの4種類である。その結果窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成された薄膜の中でも窒化アルミニウム含有量の多い薄膜、及び窒化アルミニウムを主成分とするバルク単結晶には紫外光に対する高い伝送性があることが確認された。窒化ガリウム含有量の多い薄膜、及び窒化ガリウムを主成分とするバルク単結晶が380nmより波長の短い光に対する伝送性を示さないのに比べて大半の窒化アルミニウム含有量の多い薄膜、及び窒化アルミニウムを主成分とするバルク単結晶は高い紫外光に対する伝送性を示した。すなわち、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成された薄膜の中で窒化アルミニウムを50モル%以上含む薄膜は少なくとも波長300nmまでの紫外光が伝送できその伝送損失は10dB/cm以下であった。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成された薄膜の中で窒化アルミニウムを90モル%以上含む薄膜は少なくとも波長270nmまでの紫外光が伝送できその伝送損失は10dB/cm以下であった。
また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成された薄膜の中で窒化アルミニウムを主成分としさらに窒化ガリウムを含む2成分組成の薄膜において窒化アルミニウムを50モル%以上含むものは少なくとも波長300nmまでの紫外光が伝送できその伝送損失は10dB/cm以下であった。また上記薄膜が単結晶の場合伝送損失は少なくとも5dB/cm以下であり、本実施例において実験No.590で作製した窒化アルミニウムを50モル%含む単結晶薄膜が形成された薄膜基板に形成された光導波路では2.4dB/cmと3dB/cm以下であった。また、窒化アルミニウムを80モル%以上含むものは少なくとも波長270nmまでの紫外光が伝送できその伝送損失は10dB/cm以下であった。また上記薄膜が単結晶の場合伝送損失は少なくとも5dB/cm以下であり本実施例において実験No.589で作製した窒化アルミニウムを80モル%含む単結晶薄膜が形成された薄膜基板では波長270nmの光の伝送損失は0.9dB/cmと3dB/cm以下であった。また、窒化アルミニウムを90モル%以上含むものは少なくとも波長250nmまでの紫外光が伝送できその伝送損失は10dB/cm以下であった。また上記薄膜が単結晶の場合伝送損失は少なくとも5dB/cm以下であり本実施例においては実験No.588及び実験No.601で作製した窒化アルミニウムを90モル%含む単結晶薄膜が形成された薄膜基板でも波長250nmの光の伝送損失はそれぞれ2.5dB/cm、2.6dB/cmと3dB/cm以下であった。
このように本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を光導波路とする薄膜基板は高い紫外光に対する伝送性があることが確認された。
また、窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜やバルク単結晶などにニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものは光導波路として用いうることが確認された。
また同時に窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするバルク単結晶は光導波路として用いうることが確認された。その中でも窒化アルミニウムを主成分とするバルク単結晶は紫外光を伝送し得ることが確認された。
これらの結果を表28に示した。表28には波長380nm、300nm、270nm、250nmの光を用いて測定した伝送損失の値が示されている。
(比較例)
ミラー指数(002)の格子面を有する市販のサファイア基板を用意した。このサファイア基板は平均表面粗さRa1.2nmに鏡面研磨してある。一部のサファイア基板は入手したそのままの表面状態で、一部のサファイア基板には本実施例と同じ条件で100モル%AlN配向性多結晶薄膜を形成した。その後これら基板に本実施例と同様にMOCVD法で100モル%AlN単結晶薄膜を形成しその後高周波スパッタリング法で酸化ガリウム薄膜をその上に形成し該スパッタリング薄膜を光リソグラフィーによるリフトオフ法を用いて幅10μm×厚み50nmの大きさの線状にパターニングし、窒素雰囲気中1500℃で熱処理して光導波路を作製した。次に本実施例と同様の方法でこの光導波路の伝送損失を測定したが波長650nm、380nm、300nm、270nm、250nmいずれの場合も10dB/cmより大きかった。
このように、本発明において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を光導波路として用いたとき、上記各バルク単結晶を用いて作製した光導波路と比べて少なくとも同等あるいはそれ以下の低い伝送損失のものが作製し得ることが確認された。
Figure 2005179167
Figure 2005179167
実施例22と同様に実施例11において作製した実験No.49の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を直径25.4mm×厚み0.5mmの寸法の基板状に加工しさらに鏡面研磨したものを用意した。次に実施例22で用いたのと同じMOCVD法により実質的に窒化アルミニウム100モル%からなる単結晶薄膜を厚み25μmで形成した薄膜基板を作製した。この薄膜基板に形成された単結晶薄膜の波長650nmの光に対する屈折率は2.19017であった。
次に実施例22と同様上記薄膜基板に対して窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化ニオブ、窒化タンタルの各薄膜を室温においてマグネトロンスパッタリングで厚みを1.0nm〜1000nmの範囲で変えて基板の全面に形成した。このようにして得られたスパッタリング薄膜は光リソグラフィーによるリフトオフ法を用いて幅10μm×長さ25.4mmの大きさの線状として残るようにパターニングした。また、同じスパッタリング薄膜を用い該スパッタリング薄膜の別の部分が幅1.5mm×長さ25.4mmの線状として残るようパターニングした。その後窒素雰囲気中1500℃で6時間加熱した。加熱後外観を調べたが各薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との間の剥離などの不具合は見られなかった。また各薄膜のガリウム、インジウム、ニオブ、タンタル各成分が形成された部分の外観を観察したがクラックや剥離は見られなかった。またまた粘着テープを用いて剥離テストを行ったが形成した薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との間の剥離、及びガリウム、インジウム、ニオブ、タンタル各成分が形成された薄膜部分の剥離や破壊はなかった。
次に加熱後の薄膜基板各サンプルを用いてガリウム、インジウム、ニオブ、タンタル各成分からなるスパッタリング薄膜が形成された部分のうち、該スパッタリング薄膜に熱処理前幅1.5mm×長さ25.4mmのパターニングを施した部分の波長650nmの光に対する屈折率を実施例21及び実施例22で用いたものと同じ分光光度計で測定した。その結果、はじめに作製した実質的に100モル%の組成からなる窒化アルミニウム単結晶薄膜の屈折率よりガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタル成分を有するスパッタ薄膜を形成後熱処理した薄膜の屈折率が大きくなることが確認された。またガリウム、インジウム、ニオブ、タンタルの各スパッタ材料の形成厚みが厚くなるにつれて屈折率が大きくなることも確認された。この結果は、実施例21で調べた薄膜組成とそれに伴う屈折率の変化を参考に考察すればはじめに作製した実質的に100モル%の組成からなる窒化アルミニウム単結晶薄膜中へガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタル成分が拡散し導入され組成が変動していることを示唆しているものと思われる。ガリウム成分を拡散導入したサンプルにおいて屈折率の変化量は4×10−5〜8.4×10−2の範囲でありガリウム成分の含有量は窒化ガリウム換算で0.01モル%〜40モル%の範囲にあるものと思われる。また、インジウム成分を拡散導入したサンプルにおいて屈折率の変化量は6×10−5〜9.4×10−2の範囲でありインジウム成分の含有量は窒化ニオブ換算で0.01モル%〜20モル%の範囲にあるものと思われる。また、ニオブ成分を拡散導入したサンプルにおいて屈折率の変化量は9×10−5〜1.1×10−1の範囲でありニオブ成分の含有量は窒化ニオブム換算で0.01モル%〜20モル%の範囲にあるものと思われる。また、タンタル成分を拡散導入したサンプルにおいて屈折率の変化量は7×10−5〜1.1×10−1の範囲でありタンタル成分の含有量は窒化タンタル換算で0.01モル%〜20モル%の範囲にあるものと思われる。このようにすべてのサンプルにおいて屈折率の増加量は1×10−5〜2×10−1の範囲にあり、はじめに作製した実質的に100モル%の組成からなる窒化アルミニウム単結晶薄膜中へのガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上からなる成分が上記の量で導入されているものと思われる。
次に市販の波長可変レーザー光発生装置を用い上記窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜のスパッタリング薄膜によってガリウム、インジウム、ニオブ、タンタル成分が混入された部分のうち該スパッタリング薄膜に熱処理前幅10μm×長さ25.4mmのパターニングを施した部分へ波長650nm、380nm、300nm、250nmの光を入力し、透過した出力光の減衰量を測定して伝送損失を算出した。その結果すべてのサンプルで入射光に対して透過性があり伝送損失もすべてのサンプルで3dB/cm以下であった。この結果、本実施例で作製した実質的に100モル%の組成からなる窒化アルミニウム単結晶薄膜中へガリウム、インジウム、ニオブ、タンタル成分が混入した部分は紫外光及び可視光が伝送可能な埋め込み型の三次元光導波路として機能することが確認された。これらの結果を表29に示した。
Figure 2005179167
実施例21及び実施例22で用いた実験No.49と実験No.58及び実験No.269の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用意した。これらの基板すべてに基板温度280℃、ターゲットとして窒化アルミニウム焼結体を用い周波数13.56MHz、電力1000Wの条件のRFスパッタリング法で実質的に100モル%組成の窒化アルミニウムからなる配向性多結晶薄膜を厚み6μm形成した。この配向性多結晶薄膜はC軸が基板面に対して垂直に配向しておりミラー指数(002)面の格子面X線回折ロッキングカーブの半値幅は6360秒〜7150秒の範囲であった。またその屈折率は1.937〜1.973であった。次にこの配向性多結晶薄膜の上に実施例21と同様MOCVD法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とし適宜ニオブ及びタンタル成分を含有する各種組成の単結晶薄膜を厚み2μmで形成した薄膜基板を作製した。単結晶薄膜は基板面に対してその結晶C軸が垂直になるよう形成した。なお、実験No.669〜673で用いた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板には上記多結晶薄膜は形成されておらず該焼結体に直接MOCVDによる単結晶薄膜を形成した。該単結晶薄膜形成後外観を調べたが各配向性多結晶薄膜及び単結晶薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との間の剥離などの不具合は見られなかった。また、各多結晶薄膜と単結晶薄膜との間の剥離などの不具合は見られなかった。また、粘着テープを用いて剥離テストを行ったが各多結晶薄膜及び単結晶薄膜と窒化アルミニウムを主成分とする焼結体との間の剥離、及び各多結晶薄膜と単結晶薄膜との間の剥離や破壊はなかった。
このようにして得られた上記単結晶薄膜の屈折率はすべて2.16以上であり、実施例21と同じ組成のものでは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の違いによらず実施例21〜23で測定した値と殆ど同じであった。作製した薄膜基板は形成した単結晶薄膜が図21及び図23で示すような二次元光導波路として機能し得る形態である。
次に作製した薄膜基板の一部を用いて単結晶薄膜部分のみをイオンミリングで乾式エッチングし幅10μmの直線状に加工した。この薄膜基板は加工により得られた単結晶薄膜が図24及び図25で示すような三次元導波路として機能し得る形態である。
次に市販の波長可変レーザー光発生装置を用い上記のようにして作製した薄膜基板の二次元導波路及び三次元導波路部分に波長650nm、300nm、250nmの光を入力し透過した出力光の減衰量を測定して伝送損失を算出した。その結果すべてのサンプルで入射光に対して透過性があり伝送損失もすべてのサンプルで10dB/cm以下であった。この結果、本実施例で作製した実質的に100モル%の組成からなる窒化アルミニウム単結晶薄膜中へガリウム、インジウム、ニオブ、タンタル成分が混入した部分は紫外光及び可視光が伝送可能な二次元光導波路及び三次元光導波路として機能することが確認された。また、光導波路としての特性は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の違いによらない。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接形成した単結晶薄膜であっても十分紫外光を伝送し得る光導波路として機能することが確認された。これらの結果を表30に示した。
Figure 2005179167
本実施例は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板としその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜、無定形薄膜、多結晶薄膜及び配向性多結晶薄膜をMOCVD法だけでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法による方法であらかじめ形成し、さらにこれらの薄膜上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成された多層薄膜の例を示す。本実施例はそのなかでも窒化アルミニウムを主成分とする基板にあらかじめ形成する薄膜がさらにその上に形成する単結晶薄膜の結晶性に及ぼす効果についても示す。なお、基板として用いた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は導通ビアを有するものも含まれる。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体としては焼結助剤成分を含有しかつAlN成分の含有量が比較的多いものを用いた。
まず、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のうち導通ビアを有しないものとして実施例2の実験No.49、58及び実施例11の実験No.259、261、266、269で作製し表面を実施例8と同様の方法で鏡面研磨した後フッ硝酸(50%HF+50%HNO)に室温で浸漬後アセトン及びIPAで超音波洗浄したものを基板として用意した。これら導通ビアのない基板の表面粗さは実験No.49のものでRa26nm、実験No.58のものでRa28nm、実験No.259、261、266、269のものでRa30nmであった。次に導通ビアを有するものとして実施例3の実験No.80、83及び実施例14の実験No.304で作製し表面を実施例8と同様の方法で鏡面研磨し塩化メチレンで洗浄したものを基板として用意した。表面粗さは実験No.80及び実験No.83のものでRa26nm、実験No.304のものでRa30nmであった。さらに導通ビアを有するものとして実施例3で作製したグリーンシートのうちEr粉末を4.02体積%含むものを用いこのグリーンシートに50μmのスルーホールを穿孔して実施例14で作製したタングステンを主成分とする導通ビア用ペーストのうちAlNを5.0重量%含むものを充填し実施例3と同様1820℃で2時間常圧焼成し実施例3と同様の寸法に研削、鏡面研磨し導通ビアを露出させ塩化メチレンで洗浄したものを基板として用意した。この導通ビアを有する基板の表面粗さはRa32nmであった。
まず、上記のように用意した各基板にMOCVD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜、無定形薄膜、多結晶薄膜及び配向性多結晶など各種結晶状態の薄膜を形成した。MOCVD法により薄膜形成を行う場合は実施例1、実施例10、実施例12、実施例17と同様の原料及び成膜条件を用いた。スパッタリング法により薄膜形成を行う場合は周波数13.56MHzの高周波(RF)マグネトロンスパッタリング法によりターゲットとして金属Al、AlN焼結体、0.02モル%のSi成分を含むAlN焼結体を用い微量のAr+Nの混合ガスをN/Ar=0.02〜1.0の混合比で導入しチャンバー内圧力0.1〜1.5Pa、電力400〜1500Wの条件で薄膜形成の検討を行った。基板温度は室温〜600℃の範囲で行った。また、イオンプレーティング法により薄膜形成を行う場合は薄膜形成用原料に金属Alを用いAl金属を溶融し、微量Nガスを減圧チャンバー内に導入してイオン化電圧20V〜150Vでイオン化し、基板印加電圧500V〜2000Vで金属蒸気を反応窒化することで薄膜形成の検討を行った。基板温度は室温〜600℃の範囲で行った。
上記のように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した薄膜についてX線回折により結晶状態を調べ、さらに作製した薄膜の室温抵抗率及びミラー指数(002)の格子面のロッキングカーブの半値幅を測定した。その結果を表31、表32、表33及び表34に示す。
次に、上記各種結晶状態の薄膜が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に対して、実施例1、実施例2、実施例10に示したものと同様の原料及び成膜条件を用いたMOCVD法、及び実施例9に示したものと同様の原料及び成膜条件を用いたクロライドVPE法により窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の形成を試みた。形成した各単結晶薄膜についてX線回折により結晶状態を調べ、さらに作製した薄膜の室温抵抗率及びミラー指数(002)の格子面のロッキングカーブの半値幅を測定した。これその結果も表31、表32、表33及び表34に示した。
なお、表31及び表32はドーピング成分を含まない薄膜についての実験結果であり、表33及び表34はドーピング成分を含む薄膜についての実験結果である。
表31の実験No.706〜709には窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接厚み3μmで形成されたAlN薄膜の特性が示されている。実験No.706の薄膜は基板温度を室温とし、Ar+Nの混合ガスをN/Ar=0.6の混合比で導入しチャンバー内圧力0.5Pa、電力500Wの条件のスパッタ法で作製したものである。実験No.707の薄膜は基板温度を250℃とし、Ar+Nの混合ガスをN/Ar=0.3の混合比で導入しチャンバー内圧力0.6Pa、電力800Wの条件のスパッタ法で作製したものである。実験No.708の薄膜は基板温度を280℃とし、Ar+Nの混合ガスをN/Ar=0.4の混合比で導入しチャンバー内圧力0.8Pa、電力1000Wの条件のスパッタ法で作製したものである。実験No.706〜708のスパッタリングではターゲットに高純度AlN焼結体を用いた。実験No.709の薄膜はトリメチルアルミニウムを原料とし実施例1と同様の条件のMOCVD法により作製したものである。X線回折によりこれら薄膜の結晶性の判定を行ったが表31に記載の通りそれぞれ実験No.706のものが無定形、実験No.707のものが多結晶、実験No.708のものが配向性多結晶、実験No.709のものが単結晶の結晶状態を示した。実験No.707の多結晶はミラー指数(002)、(101)、(102)の格子面からの回折線だけが出現していた。実験No.708及び709で作製した薄膜はいずれもC軸が基板面に対して垂直方向に形成されていた。実験No.708及び709の薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ7910秒、187秒であり配向性多結晶薄膜と単結晶薄膜とは結晶の成長方向は同じであっても明らかに結晶性に差が見られた。
実験No.706〜709で作製した上記薄膜の外観を調べたがいずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間で剥離は見られなかった。また、実験No.706〜709で作製した薄膜表面にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と上記各薄膜との間は強固に接合している。
表31の実験No.710〜713には実験No.706、707、及び708と同じ条件のスパッタ法で作製したそれぞれ厚み3μmのAlN無定形薄膜、AlN多結晶薄膜、AlN配向性多結晶薄膜が形成された基板、及び実験No.709で作製した厚み3μmの単結晶薄膜があらかじめ形成された基板を用い、その上にさらに上記本実施例の実験No.709と同様の条件のMOCVD法によりそれぞれ厚み3μmで形成したAlN薄膜の特性が示されている。X線回折の結果これらの薄膜は明らかに基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶である。実験No.710、711、712及び713で作製したこれらAlNを主成分とする単結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ89秒、93秒、79秒及び105秒であり、同様の条件のMOCVD法で作製した実験No.709のAlN単結晶薄膜の187秒より明らかに優れていた。このようにあらかじめ無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜及び単結晶薄膜のAlN薄膜を形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用い、その上には窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成できその結晶性は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した単結晶薄膜よりも高められることが確認できた。また、実験No.710〜712において、基板にあらかじめ形成する薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶である基板を用いた場合、その上に形成されるAlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は100秒以下であることが示されており、実験No.713に示されているように基板にあらかじめ形成する薄膜が単結晶である基板よりその上に形成されるAlN単結晶薄膜の結晶性は優れていた。
実験No.710〜713で作製した上記薄膜の外観を調べたがいずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間あるいは薄膜同士の間で剥離は見られなかった。また、実験No.710〜713で作製した薄膜表面にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と上記各薄膜との間あるいは各薄膜間は強固に接合している。
表31の実験No.714〜715には窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接厚み3μmで形成されたGaN薄膜及びInN薄膜の特性が示されている。これらの薄膜はトリメチルガリウム及びトリメチルインジウムを原料とし実施例1と同様の条件のMOCVD法で作製されたものである。得られたこれらの薄膜はX線回折により明らかにいずれもC軸が基板面に対して垂直方向に形成され単結晶であることが確認された。これら単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はGaN及びInNそれぞれGaNで179秒、InNで190秒であった。実験No.716及び717には実験No.708と同じスパッタ条件で作製したAlN配向性多結晶薄膜が厚み3μm形成された基板を用い、その上にさらに上記本実施例と同様の条件のMOCVD法により厚み3μmで形成したGaN及びInN各薄膜の特性が示されている。X線回折の結果これらGaN、InN各薄膜は明らかに基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶である。これらのあらかじめ配向性多結晶薄膜を形成した基板の上に形成されているGaN及びInNを主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ89秒及び87秒と100秒以下であり、同様の条件のMOCVD法で作製した実験No.714のGaN単結晶薄膜の179秒及び実験No.715のInN単結晶薄膜の190秒より明らかに優れていた。また、実験No.718、719、720にはそれぞれ実験No.706、707、709と同じ条件で作製したAlN無定形薄膜、多結晶薄膜、単結晶薄膜があらかじめ厚み3μm形成された基板を用い、その上にさらに上記本実施例と同様の条件のMOCVD法により厚み3μmで形成したGaN薄膜の特性が示されている。これらのGaN薄膜は明らかに基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶である。これらのあらかじめ配向性多結晶薄膜を形成した基板の上に形成されているGaNを主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ90秒、92秒及び107秒であり、同様の条件のMOCVD法で作製した実験No.714のGaN単結晶薄膜の179秒より明らかに優れていた。また、実験No.716、718、719に示されているように基板にあらかじめ形成する薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶である基板を用いた場合、その上に形成されるGaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は100秒以下であり、実験No.720に示されているように基板にあらかじめ形成する薄膜が単結晶である基板より、その上に形成されるGaN単結晶薄膜の結晶性はより優れていた。このようにAlNを主成分とする単結晶薄膜だけでなくGaN及びInNを主成分とする単結晶薄膜においても、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成するよりあらかじめ配向性多結晶薄膜を形成した基板を用い、その上に形成する方がより結晶性の優れた単結晶薄膜が作製できることが確認できた。
実験No.714〜715で作製した上記薄膜の外観を調べたがクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間で剥離は見られなかった。実験No.716〜720で作製した上記薄膜の外観を調べたがいずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間あるいは薄膜同士の間で剥離は見られなかった。また、実験No.714〜720で作製した薄膜表面にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と上記各薄膜との間あるいは各薄膜間は強固に接合している。
表31の実験No.721、722には窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に厚み3μmで直接形成された100モル%AlN薄膜の特性が示されている。この薄膜はMOCVD法及びイオンプレーティング法で形成されたものである。実験No.721に示されるAlN薄膜はMOCVD法により基板温度を480℃とした以外は実施例1及び実施例12と同様の原料及び成膜条件により作製されたものである。実験No.722に示されるAlN薄膜はイオンプレーティング法により基板温度250℃、原料に金属アルミニウムを用いNガスを流量40cc/分で流しながらイオン化電圧40ボルト、基板印加電圧1000ボルトの条件で作製されたものである。得られたAlN薄膜のうち実験No.721のものはC軸が基板面に対して垂直な方向に形成された配向性多結晶であり、ミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は4670秒とスパッタ法による薄膜より結晶性は優れていた。実験No.722のものはミラー指数(100)、(002)の回折ピークが出現した多結晶であった。実験No.723及び724においては上記MOCVD法及びイオンプレーティング法と同様の条件によりあらかじめAlN配向性多結晶薄膜及びAlN多結晶薄膜が形成された基板を用い、その上にさらに実施例1と同様の条件のMOCVD法によりそれぞれ厚み3μmで形成されたAlN薄膜の特性が示されている。X線回折の結果これら後から形成した薄膜は明らかに基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶である。実験No.723及び724のAlN単結晶薄膜の結晶性は明らかに実験No.709のAlN単結晶薄膜より優れており、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成するよりあらかじめ多結晶薄膜及び配向性多結晶薄膜を形成した基板に形成する方がより結晶性の優れた単結晶薄膜が得られ易いことが確認できた。あらかじめ形成する多結晶薄膜及び配向性多結晶薄膜はスパッタリング法だけでなくイオンプレーティング法及びMOCVD法などによるものであっても、その上には結晶性の優れた単結晶薄膜を作製できることが確認できた。
実験No.721、722で作製した上記薄膜の外観を調べたがクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間で剥離は見られなかった。実験No.723、724で作製した上記薄膜の外観を調べたがいずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間あるいは薄膜同士の間で剥離は見られなかった。また、実験No.721〜724で作製した薄膜表面にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と上記各薄膜との間あるいは各薄膜間は強固に接合している。
表31の実験No.725には窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に厚み3μmで直接形成されたAlN薄膜の特性が示されている。このAlN薄膜は塩化アルミニウムを原料とし実施例9と同様の条件のクロライドVPE法により作製されたものである。この薄膜はX線回折によりC軸が基板面に対して垂直方向に形成され単結晶であることが確認された。この単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は177秒であった。実験No.726及び727には実験No.706及び実験No.708と同じスパッタ条件で作製したあらかじめAlN無定形薄膜及びAlN配向性多結晶薄膜が厚みそれぞれ3μm形成された基板を用い、その上にさらに上記実験No.725と同様の条件のクロライドVPE法により厚み3μmで形成したAlN薄膜の特性が示されている。この薄膜はX線回折の結果明らかに基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶である。これらのAlN無定形薄膜及びAlN配向性多結晶薄膜をあらかじめ形成した基板の上に形成されているAlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ91秒及び86秒であり、同様の条件のクロライドVPE法で作製した実験No.725のAlN単結晶薄膜の177秒より明らかにいずれも優れていた。このようにMOCVD法だけでなくクロライドVPE法により作製される単結晶薄膜においても、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成するよりあらかじめ無定形薄膜及び配向性多結晶薄膜を形成した基板を用い、その上に形成する方がより結晶性の優れた単結晶薄膜が作製できることが確認できた。
実験No.725で作製した上記薄膜の外観を調べたがクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間で剥離は見られなかった。実験No.726、727で作製した上記薄膜の外観を調べたがいずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間あるいは薄膜同士の間で剥離は見られなかった。また、クロライドVPE法を用いて作製した上記実験No.725〜727で作製した薄膜表面にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と上記各薄膜との間あるいは各薄膜間は強固に接合している。
表31の実験No.728〜731には窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に厚み3μmで直接形成された100モル%GaN薄膜及び100モル%InN薄膜の特性が示されている。この薄膜はMOCVD法で形成されたものである。実験No.728、729、730に示されるGaN薄膜は基板温度をそれぞれ330℃、380℃、440℃とした以外は実施例1、実施例12及び実施例17と同様の原料及び成膜条件により作製されたものである。また、実験No.731に示されるInN薄膜は基板温度を420℃とした以外は実施例1及び実施例12と同様の原料及び成膜条件により作製されたものである。その結果X線回折によりGaN薄膜のうち実験No.728のものは無定形であり、実験No.729のものはミラー指数(002)、(101)の回折ピークを有する多結晶体であった。また、得られたGaN薄膜及びInN薄膜のうち実験No.730及び731はいずれもC軸が基板面に対して垂直な方向に形成された配向性多結晶であり、ミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はGaN薄膜で4710秒、InN薄膜では4820秒であった。表31の実験No.732〜739には上記MOCVD法と同様の条件によりあらかじめGaN薄膜及びInN配向性多結晶薄膜が形成された基板を用い、その上にさらに本実施例の実験No.709、714及び715で薄膜を作製したときと同様の条件のMOCVD法によりそれぞれ厚み3μmで作製したAlN薄膜、GaN薄膜、InN薄膜の特性が示されている。これら後から形成した各薄膜はX線回折の結果明らかにいずれもC軸が基板面に対して垂直な方向に形成された単結晶であった。これら単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は表31に示すとおりいずれも100秒以下であり高い結晶性を有するものであった。
このように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に無定形、多結晶、配向性多結晶の各結晶状態を有するGaN薄膜及びInN薄膜あらかじめ直接形成しておくことにより、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム及び窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できその結晶性は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した単結晶薄膜よりも高められることが確認できた。
実験No.728〜731で作製した上記薄膜の外観を調べたがクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間で剥離は見られなかった。また、実験No.732〜739で作製した各薄膜の外観を調べたがいずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間あるいは薄膜同士の間で剥離は見られなかった。また、上記実験No.728〜739で作製した薄膜表面にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と上記各薄膜との間あるいは各薄膜間は強固に接合している。
図62は実験No.706で作製したAlN無定形薄膜の2θ/θスキャンによって回折角2θ:10°(度)〜70°(度)の範囲で測定したX線回折図形を示すが、明確なピークが出現せずブロードなパターンとなっており明らかに無定形状態であると思われる。図63は実験No.707で作製したAlN多結晶薄膜の2θ/θスキャンによって回折角2θ:10°(度)〜70°(度)の範囲で測定したX線回折図形を示すが、ミラー指数(002)、(101)、(102)各格子面からのピークが出現しており明らかに多結晶である。図64は実験No.708で作製したAlN配向性多結晶薄膜の2θ/θスキャンによって回折角2θ:10°(度)〜70°(度)の範囲で測定したX線回折図形を示すが、ミラー指数(002)の格子面からのピークだけが出現しており明らかに基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された配向性多結晶である。図65は実験No.712で作製したAlN単結晶薄膜の2θ/θスキャンによって回折角2θ:10°(度)〜70°(度)の範囲で測定したX線回折図形を示すが、ミラー指数(002)の格子面からのピークだけが出現し、そのピークは実験No.708のAlN配向性多結晶薄膜より飛躍的にシャープであり明らかに基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶である。図66は上記実験No.712で作製した単結晶薄膜のωスキャンによって回折角17.88°(度)〜18.16°(度)の範囲で測定したミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブである。図66にはこの薄膜のロッキングカーブの半値幅が79秒(79arcsecant)であることも併記されている。図67は実験No.716で作製したGaN単結晶薄膜の2θ/θスキャンによって回折角2θ:10°(度)〜70°(度)の範囲で測定したX線回折図形を示すが、ミラー指数(002)の格子面からのピークだけが出現し、又そのピークもシャープであり明らかに基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶である。図68は実験No.717で作製したInN単結晶薄膜の2θ/θスキャンによって回折角2θ:10°(度)〜70°(度)の範囲で測定したX線回折図形を示すが、ミラー指数(002)の格子面からのピークだけが出現し、又そのピークもシャープであり明らかに基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶である。なお、図62〜図68に示すX線回折図形はCuKα線を用いて測定されたものである。図62〜図65、及び図67〜図68に示すX線回折図形においてそれぞれの図の横軸は回折角度:2θを示しており、縦軸は回折X線の強度(X−ray Intensity)を示している。図66に示すX線回折図形において横軸は回折角度:ωを示しており、縦軸は回折X線の強度(X−ray Intensity)を示している。
本実施例において薄膜が形成された状態のままの基板表面の表面粗さを測定したが、表31に示すように作製したすべての基板が表面粗さRa10nm以下であった。このようにもともとの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の表面粗さよりも大幅に小さくなり平滑の向上した薄膜基板が得られ易いことが確認された。また、上記のように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶の薄膜があらかじめ形成された基板に対してその上にさらに単結晶薄膜を形成した基板では表面粗さが小さくなり表面平滑性が改善されることが確認された(実験例706〜709、714〜715、721〜722及び728〜731で作製した薄膜に対して、実験例710〜713、716〜719、723〜724、726〜727及び732〜739で作製した基板表面の単結晶薄膜の表面粗さは小さくなっている)。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成される無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜の中では配向性多結晶薄膜を形成した基板を用いることが好ましい。本実施例において、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめAlN無定形薄膜及びAlN多結晶薄膜を形成した基板を用い、その上に形成した単結晶薄膜(実験No.710、711、718、719、724、726)の表面粗さがRa:2.0nm〜2.5nmの範囲であるのに対して、あらかじめ配向性多結晶を形成した基板を用いその上に形成した単結晶薄膜(実験No.712、716、717、720、727)の表面粗さはRa:0.87nm〜1.09nmの範囲であり表面平滑性がさらに優れていることが確認された。
次に、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の材質(組成、結晶相、光透過率、焼結体結晶粒子の大きさ、など)が異なる基板を用いて形成される薄膜の評価を行った。薄膜の形成は前記本実施例に記載されたものと同様の条件により行った。その結果が表32の実験No.740〜757に示されている。実験No.740〜757において、明らかに、1)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の材質が異なっていてもあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶を形成した基板を用いその上に形成した単結晶薄膜はAlNだけでなくGaN及びInNであってもミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下と高い結晶性のものが得られ、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した単結晶薄膜(実験No.740、744、749、753で作製した単結晶薄膜)の結晶性と比較して少なくとも同等かそれよりもさらに優れることが確認された。さらに、2)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体だけからなる基板の表面平滑性より薄膜を形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の表面平滑性のほうが優れることが確認された。3)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した薄膜の表面平滑性よりあらかじめ無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜を形成した基板の上に形成した薄膜の表面平滑性の方が優れることが確認された。4)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成した薄膜のうち無定形薄膜及び多結晶薄膜を形成した基板より配向性多結晶薄膜を形成した基板の上に形成した単結晶薄膜の表面平滑性の方が優れることが確認された。
実験No.740〜757で作製した上記薄膜の外観を調べたがいずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間あるいは薄膜同士の間で剥離は見られなかった。また、形成された上記各単結晶薄膜にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と上記各薄膜の間あるいは各薄膜同士の間は強固に接合している。
本実施例において、上記のような現象はタングステン及び銅を主成分とする導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする各種焼結体を基板として用いたものにおいても確認された。
すなわち、その結果は表32の実験No.758〜765に示されている。実験No.758〜765に示されている導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ直接形成する薄膜はスパッタリング法及びMOCVD法を用い、前記本実施例に記載されたものと同様の条件により作製した。これらあらかじめ各薄膜が形成された基板に前記本実施例で示したものと同様の条件によるMOCVD法及びクロライドVPE法によりAlN、GaN、InN薄膜をさらに形成した。形成したAlN、GaN、InN各薄膜はC軸が基板面に対して垂直な方向に形成された単結晶であり、ミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はすべて100秒以下の優れた結晶性を有する単結晶であった。このように導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板においても無定形、多結晶、配向性多結晶の各結晶状態を有するAlN薄膜及び配向性多結晶GaN薄膜及び配向性多結晶InN薄膜あらかじめ形成しておくことにより、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム及び窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できその結晶性は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した単結晶薄膜よりも高められることが確認できた。
また、実験No.758〜765において作製した上記単結晶薄膜の表面平滑性は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の表面平滑性より優れていた。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成した薄膜のうち無定形薄膜及び多結晶薄膜を形成した基板(実験例760及び764)より配向性多結晶薄膜を形成した基板の上に形成した単結晶薄膜の表面平滑性の方が優れる、ことが確認された。
実験No.758〜765で作製した上記薄膜の外観を調べたがいずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間あるいは薄膜同士の間で剥離は見られなかった。また、形成された上記各単結晶薄膜にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と上記各薄膜の間あるいは各薄膜同士の間は強固に接合している。
表33には、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にドーピング成分を含有する薄膜を形成した例が示されている。表33に記載された各実験における薄膜の厚みは3μmになるよう作製した。
実験No.766〜775は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にドーピング成分を含有する薄膜を直接形成した例である。実験No.766には0.02モル%のSi成分を含有するGaN単結晶をターゲットに用いたスパッタリング法で作製した薄膜の例が示されている。実験No.767には0.02モル%のSi成分を含有する高純度InN焼結体をターゲットに用いたスパッタリング法で作製した薄膜の例が示されている。実験No.768には0.02モル%のSi成分を含有する高純度AlN焼結体をターゲットに用いたスパッタリング法で作製した薄膜の例が示されている。実験No.766の薄膜は基板温度を室温とし、Ar+Nの混合ガスをN/Ar=0.6の混合比で導入しチャンバー内圧力0.5Pa、電力400Wの条件のスパッタ法で作製したものである。実験No.767の薄膜は基板温度を250℃とし、Ar+Nの混合ガスをN/Ar=0.3の混合比で導入しチャンバー内圧力0.6Pa、電力600Wの条件のスパッタ法で作製したものである。実験No.768の薄膜は基板温度を280℃とし、Ar+Nの混合ガスをN/Ar=0.4の混合比で導入しチャンバー内圧力0.8Pa、電力1000Wの条件のスパッタ法で作製したものである。上記スパッタリング法で使用した電力は周波数13.56MHzの高周波である。実験No.769及び770は基板温度を480℃としドーピング用原料としてSiHを新たに用いた以外は前記本実施例と同じ条件のMOCVD法で作製した薄膜の例を示す。X線回折の結果、実験No.766で作製した薄膜は無定形、実験No.767で作製した薄膜はミラー指数(002)、(101)、(102)の格子面の回折線が出現している多結晶であった。これに対して実験No.768、769、770で作製した薄膜はミラー指数(002)の格子面の回折線だけが出現しており基板面に対してC軸が垂直に形成された配向性多結晶であった。これら配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ7930秒、4560秒、4390秒であり、MOCVD法で作製した配向性多結晶薄膜の方が結晶性に優れていた。実験No.766〜770で作製した薄膜はいずれも表33に示すように導電性を有していた。実験No.766〜770で作製した上記薄膜の外観を調べたがいずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間で剥離は見られなかった。また、形成された上記各配向性多結晶薄膜にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と上記各薄膜とは強固に接合している。
実験No.771〜775も窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にドーピング成分を含有する薄膜を直接形成した例である。実験No.771の薄膜は基板温度1100℃、実験No.772及び773の薄膜は基板温度1000℃、実験No.774及び775の薄膜は基板温度840℃とし、ドーピング用原料としてSiH、ビス−シクロペンタジエニルマグネシウム、ジエチル亜鉛を新たに用いその他は実施例1と同じ条件のMOCVD法で作製した薄膜の例である。X線回折の結果これらの薄膜はいずれも基板面に対してC軸が垂直に形成された単結晶でありミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ171秒、157秒、182秒、192秒、197秒であった。また、いずれも表33に示すように導電性を有していた。実験No.771〜775で作製した上記薄膜の外観を調べたがいずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間で剥離は見られなかった。また、形成された上記各単結晶薄膜にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と上記各単結晶薄膜とは強固に接合している。
次に、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に上記実験No.768及び770と同じドーピング成分を有する同一組成の配向性多結晶薄膜を同じ成膜条件のスパッタリング法及びMOCVD法によりあらかじめ形成し、さらにその上に上記実験No.771〜775と同様の成膜条件のMOCVD法によりドーピング成分を有する単結晶薄膜の形成を試みた。その結果を表34に示した。
表34の実験No.776〜785に示す上記スパッタリング法及びMOCVD法により配向性多結晶薄膜があらかじめ形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成される薄膜はいずれも基板面に対してC軸が垂直に形成された単結晶であった。これら単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は80秒〜95秒の範囲に有り、実験No.771〜775で作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した単結晶薄膜が157秒〜197秒であるのに対して明らかに結晶性が向上していることが確認できた。また、配向性多結晶薄膜の上に形成された単結晶薄膜はいずれも表34に示すように導電性を有していた。
また、実験No.771〜775で作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した単結晶薄膜の表面粗さが4.6nm〜7.1nmの範囲にあるのに対して実験No.776〜785で作製した配向性多結晶薄膜の上に形成された単結晶薄膜の表面粗さはRa0.87nm〜1.01nmの範囲であり表面粗さも明らかに改善されることが確認できた。
実験No.776〜785で作製した薄膜の外観を調べたが基板側にある配向性多結晶薄膜及び表面にある単結晶薄膜いずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間及び薄膜同志の間で剥離は見られなかった。また、実験No.776〜785で作製した単結晶薄膜にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と配向性薄膜及び配向性薄膜と単結晶薄膜とは強固に接合している。
なお、表34には記載していないが、別途実験No.766、767、769と同じ組成で同じ成膜条件のスパッタリング法及びMOCVD法により窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板(実験No.49で作製したもの)に無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜をあらかじめ形成し、さらにその上に上記実験No.771〜775で作製したときと同じ組成で同じ成膜条件のMOCVD法によりドーピング成分を有する単結晶薄膜の形成を試みた。その結果、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板には前記実験No.766、767、769と同様の無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜が形成されており、それらの薄膜上に形成された薄膜はいずれも基板面に対してC軸が垂直に形成された単結晶であった。これら単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はすべて100秒以下でありいずれも実験No.743〜747で作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した単結晶薄膜よりも明らかに結晶性が向上していることが確認できた。また、上記単結晶薄膜の表面粗さは無定形薄膜の上に形成されたものでRa2.1nm〜2.7nmの範囲に有り、多結晶薄膜の上に形成されたものでRa1.8nm〜2.5nmの範囲に有り、配向性多結晶薄膜の上に形成されたものでRa0.89nm〜1.08nmの範囲であり表面粗さも明らかに改善されることが確認できた。なお、上記のようにあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成する薄膜としては表31に示したものと同様配向性多結晶である方がその上に形成される単結晶薄膜により良好な表面平滑性を与える傾向があることが確認された。
このように本実施例において、ドーピング成分を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成する場合でも、基板に直接形成するよりあらかじめ配向性多結晶が形成された基板を用いることが有効であることが確認できた。
Figure 2005179167
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本実施例においては、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する薄膜の効果についてさらに検討した。窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板として実施例19で作製した各種組成のものをそのまま用いて検討した。また新たに実施例19と同様の方法により粉末成形体をN中1800℃で2時間常圧焼成し各種組成の窒化ルミニウムを主成分とする焼結体を作製し得られた焼結体を実施例19と同様に鏡面研磨して薄膜形成用基板として用いた。なお、新たに作製した各種窒化アルミニウムを主成分とする焼結体において実施例19と同様、粉末成形体に含まれる不純物あるいは加えられる各種添加物の量は、実際含まれる不純物あるいは加えられる化合物を酸化物換算あるいは元素換算したものである。本実施例で作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体には原料粉末中の不純物酸素や添加したAlに起因する酸素、あるいは添加した希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物などの焼結助剤中の金属成分や酸素成分など、あるいは添加したアルカリ金属化合物及び珪素含有化合物中の金属成分や酸素成分など、あるいは添加したMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属を含む化合物及びカーボンを含む化合物中の金属成分やカーボン成分など、あるいは添加したFe、Ni、Cr、Mn、Zr、Hf、Co、Cu、Znなどの不可避金属を含む化合物中の金属成分などは焼成により殆ど揮散・除去されないで粉末成形体中と殆ど同じ量存在していることが確認された。すなわち、本実施例において実施例19と同様、不純物量及び添加物量として上記換算値を用いたとき、作製された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の不純物あるいは添加物の量は粉末成形体中に含まれる不純物あるいは添加物の量との差は小さく殆ど同量と見なし得る。したがって得られた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の組成としては全酸素量以外特に各表には記載してない。本実施例において使用しまた本実施例において新たに作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の詳細は表35〜表40に示した。
これら基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜、無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜を形成し、さらにその上に形成される単結晶薄膜の特性に及ぼす効果について検討した。まず、基板にあらかじめ形成する薄膜としては組成100モル%AlNとし実施例25の実験No.706、707及び708で行ったスパッタリング法及び実験No.709で行ったMOCVD法と同様の方法により厚み3μmのものを作製した。その上に形成する薄膜は実施例19に記載されたものと同じ100モル%AlN、100モル%GaN、100モル%InN、50モル%AlN+50モル%GaN、50モル%GaN+50モル%InNとし、実施例19における窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板と該焼結体基板上に直接形成した単結晶薄膜と同じ組成の対応になるように作製した。形成した薄膜の厚みはすべて3μmであった。形成法としては実施例19に記載のように実施例1及び実施例2と同様の条件によるMOCVD法により行った。このようにして作製した薄膜の特性を表35、表36、表37、表38、表39、表40に示した。
次に、各窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成したAlN薄膜についてX線回折により分析を行ったところ、上記実施例25の実験No.706、707及び708と同じ条件のスパッタリング法で作製したAlN薄膜は実験No.706、707及び708と対応してそれぞれ無定形、多結晶、配向性多結晶であることが確認された。また、上記実施例25の実験No.709と同じ条件のMOCVD法で作製したAlN薄膜は実験No.709と対応して単結晶であることが確認された。これらの結果を表35〜表40に記載した。これらのあらかじめ形成したAlN薄膜のうち配向性多結晶及び単結晶薄膜のものは基板面に対してC軸が垂直に形成されていることが確かめられた。その結晶性は表35〜表40に示されているように配向性多結晶薄膜のものでミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅の測定値は6640秒〜7550秒の範囲にあり、単結晶薄膜では138秒〜235秒の範囲にあった。
次に、上記各種結晶状態の薄膜をあらかじめ形成した基板を用いさらにその上に形成した薄膜についてX線回折により調べたが、明らかにすべて基板面に対してC軸が垂直に形成された単結晶であることが確認された。
表35は添加物としてAlを加えた窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板を用いた例が示してある。表35において実験No.802及び803で用いたAlを酸化物換算で56体積%添加して作製した窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板以外は、すべて実施例19で作製した表18に記載されている窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板をそのまま使用している。表35の各実験に示されているように、あらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態からなる薄膜を形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板すべてにおいて、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できた。該単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性を有するものであった。また、該単結晶薄膜の結晶性は同じ窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成したものより向上することが確認できた。本実施例の表35に記載した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上にあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態からなる薄膜を形成したものを用いたとき、その上に形成される単結晶薄膜はALONを50%以上含む基板において該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のロッキングカーブの半値幅は100秒以上であったが、それ以外のALONを50%以下含む基板は多くのもので100秒以下であった。また、添加物としてAlを加えた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板がその上に直接単結晶薄膜が形成できないようなものであっても、本実施例において表35で示したようにあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態からなる薄膜を形成したものを基板として用いれば、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できることが確認できた。実施例19の表18の実験No.382に示すようにAl50体積%を添加した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体にはAlN相以外にALON相が59%生成し直接単結晶薄膜の形成は困難であったが、本実施例においては実験No.799〜801に示すように同じ基板を用いてもあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶のAlN薄膜を形成しておけばその上には容易に結晶性の優れた単結晶薄膜を形成することができることが確認された。なお、本実施例における表35の実験No.802に示すようにAlを56体積%添加した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体にはAlN相以外にALON相が77%生成していた。この焼結体を用いた基板に形成された薄膜はミラー指数(002)、(101)、(102)の格子面からだけの回折ピークを示す多結晶体であり、該基板には直接単結晶薄膜の形成は困難であった。それに対して実験No.803に示すように同じ焼結体からなる基板を用いてもあらかじめ配向性多結晶のAlN薄膜を形成しておけばその上には容易に結晶性の優れた単結晶薄膜を形成することができることが確認された。
表36は添加物として希土類元素及びアルカリ土類金属を加えた窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板を用いた例が示してある。表36において実験No.828及び829で用いたYを酸化物換算で72体積%添加して作製した窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板以外は、すべて実施例19で作製した表19に記載されている窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板をそのまま使用している。表36の各実験に示されているように、あらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態からなる薄膜を形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板すべてにおいて、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できた。該単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性を有するものであった。また、該単結晶薄膜の結晶性は同じ窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成したものより向上することが確認できた。本実施例の表36に記載した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上にあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態からなる薄膜を形成したものを用いたとき、その上に形成される単結晶薄膜は希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で50体積%以上含む基板において該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のロッキングカーブの半値幅は多くのもので100秒以上であったが、希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で50体積%以下含む基板は多くのもので100秒以下であった。また、添加物として希土類元素及びアルカリ土類金属を含有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板がその上に直接単結晶薄膜が形成できないようなものであっても、本実施例において表36で示したようにあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態からなる薄膜を直接形成したものを基板として用いれば、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できることが確認できた。実施例19における表19中の実験No.391及び実験No.399に示すようにCaCOを酸化物換算で54体積%、Yを酸化物換算で55体積%添加した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体には直接単結晶薄膜の形成は困難であったが、本実施例においては実験No.812〜814及び実験No.825〜827に示すように同じ基板を用いてもあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶のAlN薄膜を形成しておけばその上には容易に結晶性の優れた単結晶薄膜を形成することができることが確認された。これら6つの実験において形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のロッキングカーブの半値幅はすべて130秒以下であった。なお、本実施例における表36の実験No.828に示すようにYを72体積%添加した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板に形成された薄膜はミラー指数(002)、(101)、(102)の格子面からだけの回折ピークを示す多結晶体であり、該基板には直接単結晶薄膜の形成は困難であった。一方それに対して、実験No.829に示すように同じ焼結体からなる基板を用いてもあらかじめ配向性多結晶のAlN薄膜を形成しておけばその上には容易に結晶性の優れた単結晶薄膜を形成することができることが確認された。
表37は添加物としてアルカリ金属及び珪素化合物を加えた窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板を用いた例が示してある。表37において実験No.861〜864で用いたSiOを酸化物換算で50体積%添加して作製した窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板以外は、すべて実施例19で作製した表20に記載されている窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板をそのまま使用している。表37の各実験に示されているように、あらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態からなる薄膜を形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板すべてにおいて、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できた。該単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性を有するものであった。また、該単結晶薄膜の結晶性は同じ窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成したものより向上することが確認できた。本実施例の表37に示した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上にあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態からなる薄膜を形成したものを用いたとき、その上に形成される単結晶薄膜はアルカリ金属及び珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で20体積%以上含む基板において該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のロッキングカーブの半値幅は100秒以上であったが、それ以外のアルカリ金属及び珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で20体積%以下含む基板は多くのもので100秒以下であった。また、添加物としてアルカリ金属及び珪素化合物を含有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板がその上に直接単結晶薄膜が形成できないようなものであっても、本実施例において表37で示したようにあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態からなる薄膜を直接形成したものを基板として用いれば、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できることが確認できた。実施例19の表20の実験No.412及び419に示すようにLiCOをLiO換算で25体積%、SiをSiO換算で25体積%添加した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板に形成された薄膜はミラー指数(002)、(101)、(102)の格子面からだけの回折ピークを示す多結晶体であり、該基板には直接単結晶薄膜の形成は困難であった。それに対して、本実施例においては表37の実験No.842〜844及び実験No.851〜853に示すように同じ焼結体からなる基板を用いてもあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶のAlN薄膜を形成しておけばその上には容易に結晶性の優れた単結晶薄膜を形成することができることが確認された。なお、本実施例における表37の実験No.861に示すようにSiOを50体積%添加した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体には直接単結晶薄膜の形成は困難であったが、実験No.862〜864に示すように同じ基板を用いてもあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶のAlN薄膜を形成しておけばその上には容易に結晶性の優れた単結晶薄膜を形成することができることが確認された。
表38は添加物としてMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属成分、及びカーボンを加えた窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板を用いた例が示してある。表38において実験No.884〜887で用いたWを元素換算で75体積%添加して作製した窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板以外は、すべて実施例19で作製した表21に記載されている窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板をそのまま使用している。表38の各実験に示されているように、あらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態からなる薄膜を形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板すべてにおいて、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できた。該単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性を有するものであった。また、該単結晶薄膜の結晶性は同じ窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成したものより向上することが確認できた。本実施例の表38に示した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上にあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態からなる薄膜を形成したものを用いたとき、その上に形成される単結晶薄膜はMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属成分、及びカーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で50体積%以上含む基板において該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のロッキングカーブの半値幅は多くのもので100秒以上であったが、それ以外のMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属成分、及びカーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で50体積%以下含む基板は多くのもので100秒以下であった。また、添加物としてMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属成分を含む化合物及びカーボンを含有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板がその上に直接単結晶薄膜が形成できないようなものであっても、本実施例において表38で示したようにあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態からなる薄膜を直接形成したものを基板として用いれば、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できることが確認できた。実施例19の表21の実験No.431及び435に示すようにMoを元素換算で55体積%、Wを元素換算で55体積%添加した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板に形成された薄膜はミラー指数(002)、(101)、(102)の格子面からだけの回折ピークを示す多結晶体であり、該基板には直接単結晶薄膜の形成は困難であった。それに対して、本実施例においては表38の実験No.875〜877及び実験No.881〜883に示すように同じ焼結体からなる基板を用いてもあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶のAlN薄膜を形成しておけばその上には容易に結晶性の優れた単結晶薄膜を形成することができることが確認された。さらに、本実施例における表38の実験No.884に示すようにWを75体積%添加した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板に形成された薄膜はミラー指数(002)、(101)、(102)の格子面からだけの回折ピークを示す多結晶体であり、該基板には直接単結晶薄膜の形成は困難であった。それに対して、実験No.885〜887に示すように同じ基板焼結体からなるを用いてもあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶のAlN薄膜を形成しておけばその上には容易に結晶性の優れた単結晶薄膜を形成することができることが確認された。
表39は添加物としてMo、W、Vの各遷移金属成分、及びカーボンを加えさらに希土類元素及びアルカリ土類金属成分のうち少なくとも1種以上を加えた窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板を用いた例が示してある。表39において実験No.913〜916で用いたWを元素換算で60体積%及びErを酸化物換算で3.6体積%複合添加して作製した窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板以外は、すべて実施例19で作製した表22に記載されている窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板をそのまま使用している。表39の各実験に示されているように、あらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態からなる薄膜を形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板すべてにおいて、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できた。該単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性を有するものであった。また、該単結晶薄膜の結晶性は同じ窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成したものより向上することが確認できた。本実施例の表39に示した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上にあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態からなる薄膜を形成したものを用いたとき、その上に形成される単結晶薄膜はMo、W、Vの各遷移金属成分及びカーボンの含有量を元素換算で算定し、希土類元素及びアルカリ土類金属成分の含有量を酸化物換算で算定したとき、これらを合計50体積%以上含む基板において該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のロッキングカーブの半値幅は100秒以上であったが、上記成分を合計50体積%以下含む基板では多くのもので100秒以下であった。また、添加物としてMo、W、V、Nb、Ta、Tiの各遷移金属成分を含む化合物及びカーボンを加えさらに希土類元素及びアルカリ土類金属成分のうち少なくとも1種以上を含む化合物を複合して含有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板がその上に直接単結晶薄膜が形成できないようなものであっても、本実施例において表39で示したようにあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態からなる薄膜を直接形成したものを基板として用いれば、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できることが確認できた。なお、本実施例における表39の実験No.913に示すようにWを元素換算で60体積%及びErを酸化物換算で3.6体積%複合添加した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板に形成された薄膜はミラー指数(002)、(101)、(102)の格子面からだけの回折ピークを示す多結晶体であり、該基板には直接単結晶薄膜の形成は困難であった。それに対して、実験No.914〜916に示すように同じ焼結体からなる基板を用いてもあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶のAlN薄膜を形成しておけばその上には容易に結晶性の優れた単結晶薄膜を形成することができることが確認された。
表40は添加物としてFe、Ni、Cr、Mn、Zr、Hf、Co、Cu、Znなどの不可避金属を含む化合物、あるいはこれら不可避金属を含む化合物と希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物のうちの少なくとも1種以上を複合して含有する窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板を用いた例が示してある。表40において実験No.930〜931で用いたFeを元素換算で72重量%添加して作製した窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板以外は、すべて実施例19で作製した表23に記載されている窒化アルミニウムを主成分と焼結体からなる基板をそのまま使用している。表40の各実験に示されているように、あらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態からなる薄膜を形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板すべてにおいて、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できた。該単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性を有するものであった。また、該単結晶薄膜の結晶性は同じ窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成したものより向上することが確認できた。本実施例の表40に示した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上にあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態からなる薄膜を形成したものを用いたとき、その上に形成される単結晶薄膜はFe、Ni、Cr、Mn、Zr、Hf、Co、Cu、Znのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で50重量%以上含む基板において該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のロッキングカーブの半値幅は多くのもので100秒以上であったが、それ以外のFe、Ni、Cr、Mn、Zr、Hf、Co、Cu、Znのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で50重量%以下含む基板は100秒以下であった。また、添加物としてFe、Ni、Cr、Mn、Zr、Hf、Co、Cu、Znなどの不可避金属化合物を含む窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板がその上に直接単結晶薄膜が形成できないようなものであっても、本実施例において表40で示したようにあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶など各種結晶状態からなる薄膜を直接形成したものを基板として用いれば、その上には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成できることが確認できた。実施例19の表23の実験No.462に示すようにFeを元素換算で55重量%添加した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板に形成された薄膜はミラー指数(002)、(101)、(102)の格子面からだけの回折ピークを示す多結晶体であり、該基板には直接単結晶薄膜の形成は困難であった。それに対して、本実施例において表40の実験No.927〜929に示すように同じ焼結体からなる基板を用いてもあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶のAlN薄膜を形成しておけばその上には容易に結晶性の優れた単結晶薄膜を形成することができることが確認された。さらに、本実施例における表40の実験No.930に示すようにFeを72重量%添加した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた基板に形成された薄膜はミラー指数(002)、(101)、(102)の格子面からだけの回折ピークを示す多結晶体であり、該基板には直接単結晶薄膜の形成は困難であった。それに対して、実験No.931に示すように同じ焼結体からなる基板を用いてもあらかじめのAlN配向性多結晶薄膜を形成しておけばその上には容易に結晶性の優れた単結晶薄膜を形成することができることが確認された。
本実施例において表35、表36、表37、表38、表39、表40に記載した実験で作製したすべての薄膜の外観を調べたがあらかじめ基板に形成した薄膜及びその上にさらに形成した薄膜いずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間及び薄膜同志の間で剥離は見られなかった。また、基板表面の薄膜にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体とあらかじめ基板に形成した薄膜、及び該薄膜とその上にさらに形成した薄膜とは強固に接合している。
Figure 2005179167
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本実施例は炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い、これらの基板上にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜、無定形薄膜、多結晶薄膜及び配向性多結晶薄膜をMOCVD法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法で形成し、さらにこれらの薄膜が形成された基板上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の形成を試みた例を示す。
まず、実施例1で作製した炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用意した。これらの基板表面は実施例8及び実施例9と同様の方法による鏡面研磨が施され塩化メチレンで超音波洗浄してある。
次にこのようにして用意した基板の一部を選びその上に実施例25の実験No.706、707及び708で行ったスパッタリング法及び実験No.709で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%AlNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成した。さらに実験No.714、728、729、730で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%GaNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成し、実験No.715、731で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%InNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成した。次に上記のようにしてあらかじめAlN薄膜、GaN薄膜、InN薄膜が形成された基板とAlN薄膜を形成せずに残しておいた基板とを用いその上にさらに実施例19に記載されたものと同じ100モル%AlN、100モル%GaN、100モル%InN、50モル%AlN+50モル%GaN、50モル%GaN+50モル%InN各組成の薄膜をMOCVD法により厚み3μm形成した。MOCVDの条件としては実施例19に記載のように実施例1及び実施例2と同様の条件であった。
このようにして作製した薄膜の特性を表41及び表42に示した。なお、表41にはあらかじめ形成する薄膜としてAlNを用いた例が記載されている。表42にはあらかじめ形成する薄膜としてGaN及びInNを用いた例が記載されている。
表41に示すように炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にMOCVD法によりあらかじめ直接形成されたGaN薄膜は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と同様実施例25の実験No.706、707、708及び709で形成されたAlN薄膜の結晶状態に対応したものが形成された。すなわち、実験No.706と同様の条件のスパッタリング法により形成した実験No.948、959、966、977のAlN薄膜は無定形であり、実験No.707と同様の条件のスパッタリング法により形成した実験No.949、967、978のAlN薄膜はミラー指数(002)、(101)、(102)の格子面からの回折線だけが出現している多結晶であった。また、実験No.708と同様の条件のスパッタリング法により形成したAlN薄膜はミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが出現しており、基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された配向性多結晶であった。また、実験No.709と同様の条件のMOCVD法により形成した実験No.951、969、980、989のAlN薄膜はミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが出現しており、基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶であることが確認された。
表41にはこれら基板にあらかじめ形成された薄膜のうち配向性多結晶及び単結晶状態で形成された薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が記載されている。
次にあらかじめ各種結晶状態のAlN薄膜を形成した基板、及びAlN薄膜が形成されていない炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上に上記MOCVD法により形成した100モル%AlN、100モル%GaN、100モル%InN、50モル%AlN+50モル%GaN、50モル%GaN+50モル%InN各組成からなる薄膜の結晶性をX線回折により調べた。その結果、作製したすべての薄膜が基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶であることが確認された。その結晶性を見ると、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめAlN薄膜を形成せず直接基板上に形成したAlN、GaN、InN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はすべて240秒以上であるのに対して、上記各種セラミックを主成分とする基板にあらかじめAlN薄膜を形成しさらにその上に形成したAlN、GaN、InN単結晶薄膜ではすべて200秒以下であり明らかに結晶性の優れた単結晶薄膜が得られることが確認された。また、それぞれの焼結体においてあらかじめ形成されたAlN薄膜の結晶状態が配向性多結晶である方が単結晶、無定形及び多結晶であるよりもさらにその上に形成される単結晶はより結晶性に優れたものが形成され易い傾向を有していることが示された。以下表41に示された実験結果に基づき詳細に述べる。
炭化珪素を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は255秒〜283秒の範囲であるのに対して、あらかじめAlN薄膜を形成した基板に形成された単結晶薄膜では139秒〜192秒の範囲であり、明らかに結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。また、あらかじめ形成したAlN薄膜が無定形、多結晶、単結晶の結晶状態の場合その上に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は169秒〜192秒の範囲であるのに対して、配向性多結晶の結晶状態のものの場合は139秒〜147秒の範囲でありより結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。
窒化珪素を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は493秒〜647秒の範囲であるのに対して、あらかじめAlN薄膜を形成した基板に形成された単結晶薄膜では163秒〜188秒の範囲であり、明らかに結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。また、あらかじめ形成したAlN薄膜が無定形の結晶状態の場合その上に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は188秒のであるのに対して、配向性多結晶の結晶状態のものの場合は163秒〜167秒の範囲でありより結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。
酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は377秒〜426秒の範囲であるのに対して、あらかじめAlN薄膜を形成した基板に形成された単結晶薄膜では155秒〜195秒の範囲であり、明らかに結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。また、あらかじめ形成したAlN薄膜が無定形、多結晶、単結晶の結晶状態の場合その上に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は169秒〜195秒の範囲であるのに対して、配向性多結晶の結晶状態のものの場合は155秒〜163秒の範囲でありより結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。
酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は258秒〜291秒の範囲であるのに対して、あらかじめAlN薄膜を形成した基板に形成された単結晶薄膜では136秒〜196秒の範囲であり、明らかに結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。また、あらかじめ形成したAlN薄膜が無定形、多結晶、単結晶の結晶状態の場合その上に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は182秒〜196秒の範囲であるのに対して、配向性多結晶の結晶状態のものの場合は136秒〜144秒の範囲でありより結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。
酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は268秒〜290秒の範囲であるのに対して、あらかじめAlN薄膜を形成した基板に形成された単結晶薄膜では137秒〜192秒の範囲であり、明らかに結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。また、あらかじめ形成したAlN薄膜が単結晶の結晶状態の場合その上に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は202秒であるのに対して、配向性多結晶の結晶状態のものの場合は137秒〜146秒の範囲でありより結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。
表42に示すように炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にMOCVD法によりあらかじめ直接形成されたGaN薄膜は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体と同様実施例25の実験No.714、728、729及び730で形成されたGaN薄膜の結晶状態に対応したものが形成された。また、MOCVD法によりあらかじめ直接形成されたInN薄膜も表42に示すように実施例25の実験No.715及び731で形成されたInN薄膜の結晶状態に対応したものが形成された。
すなわち、実験No.728と同様の条件のMOCVD法により形成した実験No.994、1003、1010、1019、1028のGaN薄膜は無定形であり、実験No.729と同様の条件のMOCVD法により形成した実験No.995、1004、1011、1020、1029のGaN薄膜はミラー指数(002)、(101)の格子面からの回折線だけが出現している多結晶であった。また、実験No.730と同様の条件のMOCVD法により形成したGaN薄膜はミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが出現しており、基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された配向性多結晶であった。また、実験No.714と同様の条件のMOCVD法により形成した実験No.997、1006、1013、1022、1031のGaN薄膜はミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが出現しており、基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶であることが確認された。
また、実験No.731と同様の条件のMOCVD法により形成した実験No.1001、1008、1017、1026、1035のInN薄膜はミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが出現しており、基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された配向性多結晶であった。また、実験No.715と同様の条件のMOCVD法により形成した実験No.1002、1009、1018、1027、1036のInN薄膜はミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが出現しており、基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶であることが確認された。
上記のように表42にはこれら炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ直接形成された薄膜のX線回折により同定された結晶状態が示されている。これらの薄膜のうち配向性多結晶及び単結晶として同定された薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が記載されている。
次にあらかじめ各種結晶状態のGaN薄膜及びInN薄膜を形成した基板、及びGaN薄膜、InN薄膜が形成されていない炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上に上記MOCVD法により形成された100モル%AlN、100モル%GaN、100モル%InN、50モル%AlN+50モル%GaN、50モル%GaN+50モル%InN各組成からなる薄膜の結晶性をX線回折により調べた。その結果、作製したすべての薄膜が基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶であることが確認された。その結晶性を見ると、表42に示すように炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめGaN薄膜及びInN薄膜を形成せず直接基板上に形成したAlN、GaN、InN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はすべて240秒以上であるのに対して、あらかじめ各種セラミックを主成分とする基板にGaN薄膜及びInN薄膜を形成しその上にさらに形成したAlN、GaN、InN単結晶薄膜ではすべて200秒以下であり明らかに結晶性の優れた単結晶薄膜が得られることが確認された。また、それぞれの焼結体においてあらかじめ形成されたGaN薄膜及びInN薄膜の結晶状態として配向性多結晶である方が単結晶、無定形及び多結晶であるよりもさらにその上に形成される単結晶はより結晶性に優れたものが形成され易い傾向を有していることが示された。表42に示された結果に基づき以下詳細に述べる。
炭化珪素を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は255秒〜283秒の範囲であるのに対して、あらかじめGaN薄膜あるいはInN薄膜を形成した基板に形成された単結晶薄膜では137秒〜189秒の範囲であり、明らかに結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。また、あらかじめ形成したGaN薄膜あるいはInN薄膜が無定形、多結晶、単結晶の結晶状態の場合その上に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は165秒〜189秒の範囲であるのに対して、配向性多結晶の結晶状態のものの場合は137秒〜146秒の範囲でありより結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。
窒化珪素を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は493秒〜647秒の範囲であるのに対して、あらかじめGaN薄膜あるいはInN薄膜を形成した基板に形成された単結晶薄膜では141秒〜189秒の範囲であり、明らかに結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。また、あらかじめ形成したGaN薄膜あるいはInN薄膜が無定形、多結晶、単結晶の結晶状態の場合その上に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は169秒〜189秒の範囲であるのに対して、配向性多結晶の結晶状態のものの場合は161秒〜167秒の範囲でありより結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。
酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は377秒〜426秒の範囲であるのに対して、あらかじめGaN薄膜あるいはInN薄膜を形成した基板に形成された単結晶薄膜では154秒〜190秒の範囲であり、明らかに結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。また、あらかじめ形成したGaN薄膜あるいはInN薄膜が無定形、多結晶、単結晶の結晶状態の場合その上に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は170秒〜190秒の範囲であるのに対して、配向性多結晶の結晶状態のものの場合は154秒〜165秒の範囲でありより結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。
酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は258秒〜291秒の範囲であるのに対して、あらかじめGaN薄膜あるいはInN薄膜を形成した基板に形成された単結晶薄膜では136秒〜192秒の範囲であり、明らかに結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。また、あらかじめ形成したGaN薄膜あるいはInN薄膜が無定形、多結晶、単結晶の結晶状態の場合その上に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は157秒〜192秒の範囲であるのに対して、配向性多結晶の結晶状態のものの場合は137秒〜146秒の範囲でありより結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。
酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は268秒〜290秒の範囲であるのに対して、あらかじめGaN薄膜あるいはInN薄膜を形成した基板に形成された単結晶薄膜では138秒〜190秒の範囲であり、明らかに結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。また、あらかじめ形成したGaN薄膜あるいはInN薄膜が無定形、多結晶、単結晶の結晶状態の場合その上に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は160秒〜190秒の範囲であるのに対して、配向性多結晶の結晶状態のものの場合は138秒〜147秒の範囲でありより結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。
本実施例において表41、表42に記載した実験で作製したすべての薄膜の外観を調べたがあらかじめ基板に形成した薄膜及びその上にさらに形成した薄膜いずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間及び薄膜同志の間で剥離は見られなかった。また、基板表面の薄膜にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体とあらかじめ基板に形成した薄膜、及び該薄膜とその上にさらに形成した薄膜とは強固に接合している。
Figure 2005179167
Figure 2005179167
本実施例は炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い、これらの基板の表面平滑性及びその上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜の層構成がこれら薄膜の結晶性に及ぼす影響を調べた例を示す。
まず、実施例1で作製した炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用意した。これらの基板表面は実施例8及び実施例9と同様の方法による鏡面研磨が施され塩化メチレンで超音波洗浄してある。その他、市販の布製パッドをポリシャーとして用い研磨剤として以下のものをそれぞれ用いて鏡面研磨した基板も新たに用意した。すなわち、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を粒径0.05μmのコロイド状アルミナを主成分とする研磨剤を用いて鏡面研磨したもの、酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を粒径0.05μmの酸化セリウムを主成分とする研磨剤を用いて鏡面研磨したもの、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を粒径0.02μmのコロイド状の酸化珪素を主成分とする研磨剤を用いて鏡面研磨したもの、も新たに用意した。
次に用意した上記の表面平滑性の異なる各基板に対して実施例27に示したものと同様の方法で薄膜を形成した。すなわち、用意した基板の上に実施例25の実験No.706、707及び708で行ったスパッタリング法及び実験No.709、721で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%AlNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成した。さらに実験No.730で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%GaNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成し、実験No.731で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%InNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成した。次に上記のようにしてあらかじめAlN薄膜、GaN薄膜、InN薄膜が形成された基板を用いその上にさらに実施例19に記載されたものと同じ100モル%AlN、100モル%GaN、100モル%InN、50モル%AlN+50モル%GaN、50モル%GaN+50モル%InN各組成の薄膜をMOCVD法により厚み3μm形成した。MOCVDの条件としては実施例19に記載のように実施例1及び実施例2と同様の条件であった。
以上の実験結果をまとめて表43に示した。
すなわち、表43には本実施例で新たに作製した鏡面研磨面を有する酸化アルミニウムを主成分とする焼結体、酸化亜鉛を主成分とする焼結体、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体、それぞれからなる基板の平均表面粗さRaがそれぞれ7.3nm、2.6nm、3.7nmであることが示されている。
本実施例において、基板にあらかじめ直接形成した100モル%AlN薄膜は実施例25の実験No.706、707、708、709及び721で作製したAlN薄膜の結晶状態に対応したものが形成された。すなわち、実験No.706と同様の条件のスパッタリング法により形成したAlN薄膜は無定形であり、実験No.707と同様の条件のスパッタリング法により形成したAlN薄膜はミラー指数(002)、(101)、(102)の格子面からの回折線だけが出現している多結晶であった。また、実験No.708と同様の条件のスパッタリング法により形成したAlN薄膜はミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが出現しており、基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された配向性多結晶であった。また、実験No.709と同様の条件のMOCVD法により形成したAlN薄膜はミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが出現しており、基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶であることが確認された。また、実験No.721と同様の条件のMOCVD法により形成したAlN薄膜はミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが出現しており、基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された配向性多結晶であり、結晶性は同じ配向性多結晶の結晶状態を示した実験No.708のものより向上していた。
基板にあらかじめ直接形成した100モル%GaN薄膜は実施例25の実験No.730で作製したGaN薄膜の結晶状態に対応したものが形成された。すなわち、実験No.730と同様の条件のMOCVD法により形成したGaN薄膜はミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが出現しており、基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された配向性多結晶であった。
また、基板にあらかじめ直接形成した100モル%InN薄膜は実施例25の実験No.731で作製したInN薄膜の結晶状態に対応したものが形成された。すなわち、実験No.731と同様の条件のMOCVD法により形成したInN薄膜はミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが出現しており、基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された配向性多結晶であった。
表43にはこれら基板にあらかじめ形成された薄膜のX線回折により同定された結晶状態が示されているが、その中で配向性多結晶及び単結晶として同定された薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が記載されている。
次にあらかじめ各種結晶状態のAlN薄膜、GaN薄膜及びInN薄膜を形成した炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上に上記MOCVD法により形成された100モル%AlN、100モル%GaN、100モル%InN、50モル%AlN+50モル%GaN、50モル%GaN+50モル%InN各組成からなる薄膜の結晶性をX線回折により調べた。その結果、作製したすべての薄膜が基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶であることが確認された。その結晶性を見ると、表43に示すように炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板のすべてにおいてその平均表面粗さRaが小さくなるにつれて向上する傾向があることが確認された。すなわちRaが10nmより大きい基板を用いたときあらかじめ配向性多結晶薄膜を形成した場合であっても形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は150秒より大きいのに対して、Raが10nm以下のものではあらかじめ配向性多結晶薄膜を形成した場合150秒以下と結晶性が向上し、Raが5nm以下のものではあらかじめ形成する薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶の結晶状態を有するすべての場合130秒以下とさらに向上することが確認された。
表43に示された結果に基づき以下詳細に述べる。
炭化珪素を主成分とする焼結体からなる基板の場合、平均表面粗さRaが6.8nmのものにあらかじめ形成される薄膜の結晶状態が無定形の場合その上にさらに形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は165秒であり結晶状態が配向性多結晶である薄膜の上からさらに形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は139秒〜145秒の範囲であるのに対して、平均表面粗さRaが2.9nmの基板を用いた場合ではあらかじめ形成した無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜、単結晶薄膜の上からさらに形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は130秒以下と結晶性が向上していた。特にあらかじめ形成した配向性多結晶薄膜の上からさらに形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は120秒以下とさらに向上していた。
窒化珪素を主成分とする焼結体からなる基板の場合、平均表面粗さRaが15nmのものにあらかじめ形成されている無定形薄膜及び配向性多結晶薄膜の上からさらに形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は169秒〜189秒の範囲であるのに対して、平均表面粗さRaが4.4nmの基板を用いた場合ではあらかじめ形成した無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜、単結晶薄膜の上からさらに形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は130秒以下と結晶性が向上していた。特にあらかじめ形成した配向性多結晶薄膜の上からさらに形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は120秒以下とさらに向上していた。
酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の場合、平均表面粗さRaが11nmのものにあらかじめ形成されている無定形薄膜及び配向性多結晶薄膜の上からさらに形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は154秒〜177秒の範囲であるのに対して、平均表面粗さRaが7.3nmの基板を用いた場合ではあらかじめ形成した薄膜が配向性多結晶に結晶状態のものでその上にさらに形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は135秒〜140秒の範囲であり結晶性が向上していた。また、平均表面粗さRaが1.9nmの基板を用いた場合あらかじめ形成した無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜、単結晶薄膜の上からさらに形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は130秒以下と結晶性が向上していた。特にあらかじめ形成した配向性多結晶薄膜の上からさらに形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は120秒以下とさらに向上していた。
酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板の場合、平均表面粗さRaが8.8nmのものにあらかじめ形成される薄膜の結晶状態が無定形の場合その上にさらに形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は170秒であり結晶状態が配向性多結晶である薄膜の上からさらに形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は137秒〜144秒の範囲であるのに対して、平均表面粗さRaが2.6nmの基板を用いた場合ではあらかじめ形成した無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜、単結晶薄膜の上からさらに形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は130秒以下と結晶性が向上していた。特にあらかじめ形成した配向性多結晶薄膜の上からさらに形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は120秒以下とさらに向上していた。
酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板の場合、平均表面粗さRaが9.4nmのものにあらかじめ形成される薄膜の結晶状態が無定形の場合その上にさらに形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は166秒であり結晶状態が配向性多結晶である薄膜の上からさらに形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は138秒〜141秒の範囲であるのに対して、平均表面粗さRaが3.7nmの基板を用いた場合ではあらかじめ形成した無定形薄膜、多結晶薄膜、配向性多結晶薄膜、単結晶薄膜の上からさらに形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は130秒以下と結晶性が向上していた。特にあらかじめ形成した配向性多結晶薄膜の上からさらに形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は120秒以下とさらに向上していた。に直接形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は268秒〜290秒の範囲であるのに対して、あらかじめAlN薄膜を形成した基板に形成された単結晶薄膜では138秒〜190秒の範囲であり、明らかに結晶性の向上した単結晶薄膜が得られる。
上記のように本実施例において、あらかじめAlN薄膜、GaN薄膜、InN薄膜が形成された炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の上からさらに形成される単結晶薄膜の結晶性は該焼結体からなる基板の表面平滑性の向上により改善される。一方、基板の表面平滑性の向上に伴いあらかじめ該焼結体からなる基板に形成される配向性多結晶の結晶状態を有するAlN薄膜、GaN薄膜、InN薄膜の結晶性も向上する。すなわち表43に記載されているように炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の平均表面粗さRaが10nmより大きい場合、該基板にあらかじめ形成される上記配向性多結晶の結晶状態を有するAlN薄膜、GaN薄膜、InN薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が10000秒より大きくなり易く、このような結晶性の配向性多結晶薄膜の上に形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は150秒より多きくなり易い傾向を有することが確認された。また、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の平均表面粗さRaが10nm以下の場合、該基板にあらかじめ形成される上記配向性多結晶の結晶状態を有するAlN薄膜、GaN薄膜、InN薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が10000秒以下となり易く、このような結晶性の配向性多結晶薄膜の上に形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は150秒以下のものが形成され易い傾向を有することが確認された。さらに、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の平均表面粗さRaが5nm以下の場合、該基板にあらかじめ形成される上記配向性多結晶の結晶状態を有するAlN薄膜、GaN薄膜、InN薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が8000秒以下のものが形成でき、このような結晶性の配向性多結晶薄膜の上に形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は130秒以下のものが形成され易い傾向を有することが確認された。
本実施例において表43に記載した実験で作製したすべての薄膜の外観を調べたがあらかじめ基板に形成した薄膜及びその上にさらに形成した薄膜いずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間及び薄膜同志の間で剥離は見られなかった。また、基板表面の薄膜にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化アルミニウムを主成分とする焼結体とあらかじめ基板に形成した薄膜、及び該薄膜とその上にさらに形成した薄膜とは強固に接合している。
Figure 2005179167
本実施例は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の中で表面平滑性が比較的粗いものを用いて、その上に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜の層構成によって形成される薄膜の結晶性に及ぼす影響を調べた例を示す。
まず、実施例2の実験No.49で作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用意した。別に実施例1で作製した炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を用意した。これらの基板の一部は実施例8で用いた焼き放し(as−fire)状態及びラップ研磨状態の表面状態を有するものである。また用意した焼結体のうち一部のものは薄膜形成面を焼き放し状態のまま、あるいはラップ研磨、あるいはブラスト研磨し、その後さらに直径25.4mm厚み0.5mmに加工して薄膜形成用基板を作製した。本実施例において新たに作製した基板のうち焼き放し状態の基板表面を有するもの及びラップ研磨は実施例8と同様の方法により加工を行った。すなわち焼き放し状態の表面を有する基板はすべて市販の粒度3μmのアルミナ粉末を用いてブラシ掛けにより表面の付着物を取り除いたものである。ラップ研磨された基板のうち窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の場合SiCの粒度#240のものを用いて行い、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の場合SiCの粒度#400のものを用いて行い、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の場合SiCの粒度#240のものを用いて行った。また、ブラスト研磨はサンドブラスト機により窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の場合アルミナの粒度#400のものを用いて行い、炭化珪素を主成分とする焼結体の場合アルミナの粒度#600のものを用いて行い、窒化珪素、酸化アルミニウム及び酸化亜鉛を主成分とする焼結体の場合アルミナの粒度#800のものを用い、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の場合アルミナの粒度#1200のものを用いて行った。
次に用意した上記の表面平滑性の異なる各基板に対して実施例25、26、27、28に示したものと同様の方法で薄膜を形成した。すなわち、用意した基板の上に実施例25の実験No.706、707及び708で行ったスパッタリング法及び実験No.709で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%AlNの薄膜をあらかじめ形成した。さらに実験No.730で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%GaNの薄膜をあらかじめ形成した。なお、上記基板にあらかじめ形成した薄膜の厚みはそれぞれ6μmとした。
次に上記のようにしてあらかじめAlN薄膜、GaN薄膜、InN薄膜が形成された基板を用いその上にさらに実施例19に記載されたものと同じ100モル%AlN、100モル%GaN各組成の薄膜をMOCVD法により厚み3μm形成した。MOCVDの条件としては実施例19に記載のように実施例1及び実施例2と同様の条件であった。
以上の実験結果をまとめて表44に示した。
その結果、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及び炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にはその表面状態によらず、実験例706と同様のスパッタリング法により形成されたAlN薄膜は無定形、実験例707と同様のスパッタリング法により形成されたAlN薄膜は多結晶、実験例708と同様のスパッタリング法により形成されたAlN薄膜は配向性多結晶と、実施例25で作製した薄膜と同様の結晶状態の薄膜が上記各焼結体からなる基板にあらかじめ直接形成された。
一方、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いた場合、実験例709と同様のMOCVD法により100モル%AlN単結晶薄膜の形成を試みたが、平均表面粗さRaが2000nmより大きい基板に形成された薄膜はミラー指数(002)、(101)、(102)の格子面からだけの回折ピークを示す多結晶体であり、該基板には直接単結晶薄膜の形成は困難であった。それに対して平均表面粗さRaが2000nm以下の基板には単結晶薄膜を直接形成することが可能であった。また、平均表面粗さRaが2000nmより大きい窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて、あらかじめ100モル%AlNの無定形、多結晶、配向性多結晶の各結晶状態を有する薄膜を形成し、さらにその上に形成した100モル%AlN薄膜及び100モル%GaN薄膜は単結晶化されており、該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はすべて300秒以下であった。また、平均表面粗さRaが2000nm以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いてあらかじめ100モル%AlNの無定形、多結晶、配向性多結晶の各結晶状態を有する薄膜を形成し、さらにその上に形成した100モル%AlN薄膜及び100モル%GaN薄膜も単結晶化されており該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は100秒以下であった。
さらに、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いた場合、実験例709と同様のMOCVD法により100モル%AlN単結晶薄膜の形成を試みたが、平均表面粗さRaが1000nmより大きい基板に形成された薄膜はミラー指数(002)、(101)、(102)の格子面からだけの回折ピークを示す多結晶体であり、該基板には直接単結晶薄膜の形成は困難であった。それに対して平均表面粗さRaが1000nm以下の基板には単結晶薄膜を直接形成することが可能であった。また、平均表面粗さRaが1000nmより大きい炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて、あらかじめ100モル%AlNの無定形、多結晶、配向性多結晶の各結晶状態を有する薄膜を形成し、さらにその上に形成した100モル%AlN薄膜及び100モル%GaN薄膜は単結晶化されており、該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はすべて300秒以下であった。また、平均表面粗さRaが1000nm以下の炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いてあらかじめ100モル%AlNの無定形、多結晶、配向性多結晶の各結晶状態を有する薄膜を形成し、さらにその上に形成した100モル%AlN薄膜及び100モル%GaN薄膜も単結晶化されており該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は200秒以下であった。また、平均表面粗さRaが1000nm以下の炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いてあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶状態を有する薄膜を形成し、さらにその上に形成した100モル%AlN薄膜及び100モル%GaN薄膜も単結晶化されており該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は150秒以下であった。
Figure 2005179167
本実施例は酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用いたとき該基板の組成と該基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜の結晶性に及ぼす影響を調べた例を示す。
まず、酸化亜鉛(ZnO)粉末として関東化学株式会社製の特級試薬粉末を用意し、アルミナ(Al)粉末としてアルコア社製の商品名「A−16SG」を原料として用意し、実施例1と同様の方法によりこれらの粉末を所定の組成になるようボールミルで混合後パラフィンワックスを加えて成形用粉末を作製し、実施例1と同様の大きさの成形体に一軸プレス成形後脱脂し、その後1460℃で1時間大気中で常圧焼成してアルミニウム成分を各種割合で含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体を作製した。これらの焼結体はいずれも相対密度98%以上に緻密化していた。このようにして作製した酸化亜鉛を主成分とする焼結体はアルミニウム成分を含まないものでは淡黄白色であったが、アルミニウム成分を含むものでは青色への呈色が見られるようになりアルミニウム成分の含有量が増加するにつれてより濃い青色へと呈色が進み、3.0モル%のAlを含むもので最も濃い青色を呈し、その後アルミニウム成分の含有量が増加するにつれて青色化の程度は弱くなり青白色の色調へと次第に変化した。
その他別に株式会社高純度化学研究所製の純度99.99%以上のFe粉末及び純度99.9%以上のCr粉末を用意した。また、希土類元素化合物として信越化学工業株式会社製の純度99.99%以上のY粉末、純度99.99%以上のEr粉末、純度99.99%以上のYb粉末、純度99.99%以上のDy粉末、純度99.99%以上のHo粉末を用意した。次に本実施例で示した方法と同様の方法により、上記各粉末を酸化亜鉛粉末及びアルミナ粉末と共に所定量ボールミルで混合後一軸プレス成形し1460℃で1時間大気中常圧焼成して鉄成分だけを含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体、クロム成分だけを含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体、イットリウム成分だけを含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体、エルビウム成分だけを含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体、イッテルビウム成分だけを含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体、アルミニウム成分と鉄成分とを同時に含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体、アルミニウム成分とクロム成分とを同時に含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体、及びアルミニウム成分と各種希土類元素成分とを同時に含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を作製した。
上記のようにして得られた各焼結体の室温における抵抗率を4端子法で測定した。その後得られた各焼結体を粒径0.02μmのコロイド状酸化珪素を主成分とする研磨剤で鏡面研磨し、さらに塩化メチレン及びIPAで超音波洗浄し基板を作製した。鏡面研磨後の基板の平均表面粗さRaは6.9nm〜7.7nmの範囲であった。研磨後の基板を用いて波長605nmの光に対する光透過率を実施例2と同様の方法により測定した。
このようにして得られた酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板の特性を表45及び表46に示す。作製した上記酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板のうちアルミニウム成分だけを含むもの、及びアルミニウム成分を含まずクロム成分、鉄成分、イットリウム成分、エルビウム成分、イッテルビウム成分だけを含むものの特性は表45に記載した。一方、アルミニウム成分とクロム成分、鉄成分、各種希土類元素成分とを同時に含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板の特性は表46に記載した。
表45において、実験No.1150〜1193がアルミニウム成分だけを添加して焼成した酸化亜鉛を主成分とする焼結体に関する実験結果であり「組成」の欄に該焼結体のアルミニウム成分の含有量がAl換算で示されている。表45において、実験No.1194〜1195が鉄成分だけを添加して焼成した酸化亜鉛を主成分とする焼結体に関する実験結果であり「組成」の欄に該焼結体の鉄成分の含有量がFe換算で示されている。表45において、実験No.1196〜1197がクロム成分だけを添加して焼成した酸化亜鉛を主成分とする焼結体に関する実験結果であり「組成」の欄に該焼結体のクロム成分の含有量がCr換算で示されている。表45において、実験No.1198〜1199がイットリウム成分だけを添加して焼成した酸化亜鉛を主成分とする焼結体に関する実験結果であり「組成」の欄に該焼結体のイットリウム成分の含有量がY換算で示されている。表45において、実験No.1200〜1201がエルビウム成分だけを添加して焼成した酸化亜鉛を主成分とする焼結体に関する実験結果であり「組成」の欄に該焼結体のエルビウム成分の含有量がEr換算で示されている。表45において、実験No.1202〜1203がイッテルビウム成分だけを添加して焼成した酸化亜鉛を主成分とする焼結体に関する実験結果であり「組成」の欄に該焼結体のイッテルビウム成分の含有量がYb換算で示されている。
表45に示すように、本実施例で作製した酸化亜鉛を主成分とする焼結体はアルミニウム成分を含まないものは電気絶縁体であり、アルミニウム成分の含有量が増加するにつれて抵抗率が低下し、Al換算で3.0モル%のアルミニウム成分を含むもので室温における抵抗率が1.6×10−3Ω・cmと最も小さくなった。その後アルミニウム成分の含有量が増加するにつれて抵抗率が増大化し始め、Al換算で50.0モル%のアルミニウム成分を含むもので電気絶縁体となった。
また、表45の実験No.1194〜1197で示すようにアルミニウム成分を含まず鉄成分及びクロム成分をそれぞれFe換算で1.0モル%、Cr換算で1.0モル%含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体は導電性を示し室温において8.7×10−1Ω・cm、3.4×10−1Ω・cmと比較的低い抵抗率であった。
表46に示すようにアルミニウム成分と同時に鉄成分、クロム成分、各種希土類元素成分とを複合で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体はすべて導電性を示し室温における抵抗率7.4×10Ω・cm〜1.7×10−3Ω・cmの範囲であった。またその抵抗率はアルミニウム成分だけを含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体の抵抗率に対して余り変化しておらず殆ど同じレベルであった。
表45に示すようにアルミニウム成分を添加せずに焼成され実質的に原料中あるいは焼結体製造時に混入する不純物以外は含まない酸化亜鉛を主成分とする焼結体の波長605nmの光に対する光透過率は16%であったがアルミニウム成分の含有量が増加するにつれ光透過率は上昇する傾向を示し、Al換算で3.0モル%のアルミニウム成分を含むものは56%に達した。その後アルミニウム成分の含有量が増加するにつれ光透過率は次第に低下する傾向を示し、Al換算で50.0モル%のアルミニウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体では光透過率が17%となり、アルミニウム成分を含まない実質的に酸化亜鉛だけからなる焼結体の光透過率と殆ど同じになった。
また、表45の実験No.1194〜1197で示すようにアルミニウム成分を含まず鉄成分及びクロム成分をそれぞれFe換算で1.0モル%、Cr換算で1.0モル%含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体の波長605nmの光に対する光透過率はそれぞれ6.9%、9.2%であった。
また、表45の実験No.1198〜1203で示すようにアルミニウム成分を含まずイットリウム成分だけをY換算で0.04モル%、エルビウム成分だけをEr換算で0.04モル%及びイッテルビウム成分だけをYb換算で0.04モル%をそれぞれ含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体の波長605nmの光に対する光透過率は57%、53%、54%となり、アルミニウム成分を含まない実質的に酸化亜鉛だけからなる焼結体の光透過率より上昇した。
さらに、表46に示すようにアルミニウム成分をAl換算で3.0モル%含み同時に鉄成分あるいはクロム成分それぞれFe換算で0.2モル%、Cr換算で0.2モル%含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体は波長605nmの光に対する光透過率は53%、55%であり、アルミニウム成分だけをAl換算で3.0モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体の光透過率と殆ど同じであった。
また、表46に示されているようにアルミニウム成分をAl換算で0.03モル%含み同時にイットリウム成分をY換算で0.0001モル%〜12.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体は、イットリウム成分をY換算で0.0001モル%含有するものの波長605nmの光に対する光透過率は28%とアルミニウム成分だけをAl換算で0.03モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体の光透過率と殆ど同じであった。さらにイットリウム成分の含有量が増加するにつれ光透過率も上昇しY換算で0.0004モル%のイットリウム成分を含むもので37%、Y換算で0.0008モル%のイットリウム成分を含むもので45%、Y換算で0.0015モル%のイットリウム成分を含むもので56%、Y換算で0.005モル%のイットリウム成分を含むもので64%、Y換算で0.04モル%のイットリウム成分を含むもので68%に達した。その後イットリウム成分の含有量が増加するにつれ光透過率は次第に低下しY換算で12.0モル%のイットリウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体では波長605nmの光に対する光透過率は24%となり、アルミニウム成分だけをAl換算で0.03モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体の光透過率と殆ど同じとなった。
また、表46に示されているようにイットリウム成分をY換算で0.04モル%含み同時にアルミニウム成分をAl換算で0.002モル%〜50.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体は、アルミニウム成分をAl換算で0.002モル含有するものの波長605nmの光に対する光透過率は62%であり、さらにアルミニウム成分の含有量が増加するにつれ光透過率も上昇しAl換算で1.0モル%及び3.0モル%のアルミニウム成分を含むもので84%に達した。その後アルミニウム成分の含有量が増加するにつれ光透過率は次第に低下しAl換算で30.0モル%のアルミニウム成分を含むもので光透過率は66%であったが、Al換算で50.0モル%のアルミニウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体では波長605nmの光に対する光透過率は27%となった。
また、表46に示されているようにアルミニウム成分をAl換算で0.10モル%含み同時にエルビウム成分をEr換算で0.04モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体は波長605nmの光に対する光透過率は68%であった。
また、表46に示されているようにアルミニウム成分をAl換算で3.0モル%含み同時に希土類元素成分としてジスプロシウム成分をDy換算で0.04モル%、ホルミウム成分をHo換算で0.04モル%、エルビウム成分をEr換算で0.04モル%、イッテルビウム成分をYb換算で0.04モル%、含有するものの波長605nmの光に対する光透過率はそれぞれ77%、80%、78%、81%高いものであった。
また、表46に示されているようにアルミニウム成分をAl換算で1.0モル%含みさらにイットリウム成分をY換算で0.02モル%含みさらにエルビウム成分をEr換算で0.02モル%含む3成分を同時に含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体の波長605nmの光に対する光透過率は83%と高いものであった。
次に用意した上記の基板に対して実施例27に示したものと同様の方法で薄膜を形成した。すなわち、用意した基板の一部を選びその上に実施例25の実験No.706、707及び708で行ったスパッタリング法及び実験No.709で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%AlNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成した。さらに実験No.728、730で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%GaNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成し、実験No.731で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%InNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成した。なお、アルミニウム成分と鉄成分とを同時に含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体、アルミニウム成分とクロム成分とを同時に含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体、及びアルミニウム成分と各種希土類元素成分とを同時に含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ形成する薄膜は実施例25の実験No.708で行ったスパッタリング法による100モル%AlNだけを用いた。
次に上記のようにしてあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする薄膜、窒化ガリウムを主成分とする薄膜、窒化インジウムを主成分とする薄膜を形成した酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板と、薄膜を形成せずに残しておいた酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板とを用いその上にさらに実施例19に記載されたものと同じ100モル%AlN、100モル%GaN、100モル%InN、50モル%AlN+50モル%GaN、50モル%GaN+50モル%InN各組成の薄膜をMOCVD法により厚み3μmで形成した。MOCVDの条件としては実施例19に記載のように実施例1及び実施例2と同様の条件であった。このようにして作製した薄膜の特性を表45及び表46に示した。
本実施例において、上記各基板にあらかじめ形成した各薄膜はそれぞれの形成条件に対応した結晶状態のものが形成された。
すなわち、実験No.706と同様の条件のスパッタリング法により形成したAlN薄膜は無定形であり、実験No.707と同様の条件のスパッタリング法により形成したAlN薄膜はミラー指数(002)、(101)、(102)の格子面からの回折線だけが出現している多結晶であった。また、実験No.708と同様の条件のスパッタリング法により形成したAlN薄膜はミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが出現しており、基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された配向性多結晶であった。また、実験No.709と同様の条件のMOCVD法により形成したAlN薄膜はミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが出現しており、基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶であることが確認された。
実験No.728と同様の条件のMOCVD法により形成したGaN薄膜は無定形であり、実験No.730と同様の条件のMOCVD法により形成したGaN薄膜はミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが出現しており、基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された配向性多結晶であった。
また、実験No.731と同様の条件のMOCVD法により形成したInN薄膜はミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが出現しており、基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された配向性多結晶であった。
実験No.708と同様のスパッタリング法により形成した100モル%AlN配向性多結晶薄膜の結晶性を見ると、表45に示すように実質的にアルミニウム成分を含まない酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は9430秒であった。アルミニウム成分が増加するにつれて該配向性多結晶薄膜の結晶性は向上する傾向を示した。すなわち、アルミニウム成分をAl換算で0.002モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に形成されるAlN配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は8190秒であり、アルミニウム成分をAl換算で0.008モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合は7620秒と8000秒以下に低下した。その後アルミニウム成分の含有量が増加するにつれて該AlN配向性多結晶薄膜の結晶性はやや向上する傾向を示しAl換算で3.0モル%を含む酸化亜鉛を主成分とする基板を用いた場合では7320秒〜7460秒のものが形成され最も結晶性は向上した。その後アルミニウム成分の含有量が増加するにつれてやや結晶性は低下する傾向を示した。アルミニウム成分の含有量がAl換算で40.0モル%含む酸化亜鉛を主成分とする基板を用いた場合で該AlN配向性多結晶薄膜の結晶性は7530秒〜7570秒であった。しかしながら、アルミニウム成分をAl換算で50.0モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に形成した100モル%AlN配向性多結晶薄膜の場合は9260秒と結晶性は低下した。
また、表46に示すようにアルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含み、さらに鉄成分、クロム成分、及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合でも、該基板に形成したAlN配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は7380秒〜7920秒の範囲でありすべて8000秒以下であった。
次に、上記の薄膜をあらかじめ形成せずに残しておいた酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いて前記MOCVD法により形成した100モル%AlN、100モル%GaN、100モル%InN各組成からなる薄膜の結晶性をX線回折により調べた。その結果、作製したすべての薄膜が基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶であることが確認された。その結晶性を見ると、表45に示すようにアルミニウム成分を添加せずに焼成され実質的に原料中あるいは焼結体製造時に混入する不純物以外は含まない酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用いた場合該基板に直接形成される100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は255秒であった。一方アルミニウム成分をAl換算で0.002モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は187秒と小さくなり結晶性が向上した。アルミニウム成分をAl換算で0.008モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は159秒であり結晶性がより向上した。アルミニウム成分をAl換算で0.03モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は138秒であり結晶性がさらに向上した。また、アルミニウム成分をAl換算で0.1モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は126秒と130秒以下になり結晶性が一層向上した。さらにアルミニウム成分の含有量が増加するにしたがって酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が小さくなった。アルミニウム成分をAl換算で3.0モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合で112秒と本実施例において最も小さくなり結晶性が最も優れていた。その後アルミニウム成分の含有量が増加するにしたがって酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が大きくなり、アルミニウム成分をAl換算で40.0モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は136秒となった。また、アルミニウム成分をAl換算で50.0モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は229秒となり200秒より大きくなった。
一方本実施例において表45及び表46に示すようにアルミニウム成分含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板は該焼結体中に例えば鉄、クロム、あるいは希土類元素などアルミニウム以外の成分が含まれていたとしても該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性が大きく低減化するなどの変化は少ないことが確認された。言い換えれば、上記アルミニウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板は、該焼結体中に例えば鉄、クロム、あるいは希土類元素などアルミニウム以外の成分が含まれていたとしてもこれらの成分によって該基板に直接形成される単結晶薄膜の結晶性に影響を受けにくいものであることが確認された。
具体的には、アルミニウム成分をAl換算で0.03モル%含み同時にイットリウム成分をY換算で0.0001モル%〜12.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は134秒〜145秒の範囲であり、その結晶性はアルミニウム成分だけをAl換算で0.03モル%含みイットリウム成分を含まない酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の138秒から大きく変化する傾向を示さなかった。
さらに、表45及び表46においてアルミニウム成分をAl換算で3.0モル%含み同時に鉄成分をFe換算で0.2モル%、クロム成分をCr換算で0.2モル%、イットリウム成分をY換算で0.04モル%、ホルミウム成分をHo換算で0.04モル%、エルビウム成分をEr換算で0.04モル%、それぞれ含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は111秒〜117秒の範囲であり、その結晶性はアルミニウム成分だけをAl換算で3.0モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の112秒から大きく変化する傾向を示さなかった。また、Al換算で3.0モル%含み同時にジスプロシウム成分をDy換算で0.04モル%、イッテルビウム成分をYb換算で0.04モル%、それぞれ含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は116秒及び〜113秒であり、その結晶性はアルミニウム成分だけをAl換算で3.0モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%GaN単結晶薄膜の118秒から大きく変化する傾向を示さなかった。
また、表45及び表46においてイットリウム成分をY換算で0.04モル%含み同時にアルミニウム成分をAl換算で0.002モル%〜50.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の結晶性と、アルミニウム成分だけを含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の結晶性とを比較してみると、それぞれ同じ量のアルミニウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板では該結晶性に関してあまり変化しておらずほとんど同じレベルであった。例えば、イットリウム成分をY換算で0.04モル%含み同時にアルミニウム成分をAl換算で0.002モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は175秒であり、その結晶性はアルミニウム成分だけをAl換算で0.002モル%含み実質的にイットリウム成分を含まない酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の187秒から大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。また、イットリウム成分をY換算で0.04モル%含み同時にアルミニウム成分をAl換算で0.10モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は125秒であり、その結晶性はアルミニウム成分だけをAl換算で0.10モル%含み実質的にイットリウム成分を含まない酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の126秒から大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。また、イットリウム成分をY換算で0.04モル%含み同時にアルミニウム成分をAl換算で30.0モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は126秒であり、その結晶性はアルミニウム成分だけをAl換算で30.0モル%含み実質的にイットリウム成分を含まない酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の127秒から大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。すなわち、アルミニウム成分をAl換算で0.002モル%〜50.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体に直接形成される100モル%AlN単結晶薄膜の結晶性は、該酸化亜鉛を主成分とする焼結体にアルミニウム成分以外にイットリウム成分が同時に含まれていたとしても殆ど変化せずイットリウム成分の有無による影響を受けにくい傾向を有することが確認された。
さらに、イットリウム成分をY換算で0.04モル%含み同時にアルミニウム成分をAl換算で1.0モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は119秒であり、その結晶性はアルミニウム成分だけをAl換算で1.0モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の121秒から大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。
また、表45及び表46においてアルミニウム成分をAl換算で1.0モル%含みさらにイットリウム成分をY換算で0.04モル%及びエルビウム成分をEr換算で0.04モル%という3成分を同時に含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成される100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は116秒であり、その結晶性はアルミニウム成分だけをAl換算で3.0モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%GaN単結晶薄膜の118秒から大きく変化する傾向を示さなかった。
その他に、表45に示すようにアルミニウム成分を含まずFe換算で1.0モル%の鉄成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板に用いた場合は該基板に直接形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は227秒であった。アルミニウム成分を含まずCr換算で1.0モル%のクロム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板に用いた場合は該基板に直接形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は220秒であった。アルミニウム成分を含まずY換算で0.04モル%のイットリウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板に用いた場合は該基板に直接形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は192秒と200秒以下であった。アルミニウム成分を含まずEr換算で0.04モル%のエルビウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板に用いた場合は該基板に直接形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は206秒であった。アルミニウム成分を含まずYb換算で0.04モル%のイッテルビウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板に用いた場合は該基板に直接形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は203秒であった。
このように本実施例において実質的にアルミニウム成分を含まず、鉄、クロム、イットリウム、エルビウム、イッテルビウムなどの成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体であっても、該焼結体を基板として用いたとき該基板には比較的良好な結晶性の窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成されることが確認された。その結晶性はアルミニウム成分及びその他の成分を添加せずに焼成され原料中の不純物以外は含まない実質的に酸化亜鉛だけからなる焼結体を基板として用い該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の255秒と比較しても劣っていなかった。
上記のように各種組成の酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜、100モル%GaN単結晶薄膜、100モル%InN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はすべて300秒以下で結晶性に優れていた。
このような特性を有する上記各種組成の酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いたとき、該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜の結晶性はより優れたものが得られることが確認された。すなわち、各種組成を有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用い、該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は200秒以下になるとは必ずしも限らない。それに対して、このような各種組成を有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用いても、該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は200秒以下のものが形成し得ることが確認された。
また、同じ組成の酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いて窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成する場合、該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜の結晶性はより優れたものが得られることが確認された。
すなわち、アルミニウム成分をAl換算で0.001モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しその上にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は130秒以下となり易く、アルミニウム成分をAl換算で0.005モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体を基板として用いたとき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は100秒以下のものが形成され得ることが確認された。
また、上記量のアルミニウム成分を含み、その他に鉄成分、クロム成分、イットリウム成分、ジスプロシウム成分、ホルミウム成分、エルビウム成分、イッテルビウム成分などの成分を同時に含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板であっても該基板に形成される単結晶薄膜の結晶性は、前記アルミニウム成分を含みその他に鉄成分、クロム成分、イットリウム成分、ジスプロシウム成分、ホルミウム成分、エルビウム成分、イッテルビウム成分などの成分を実質的には含まない酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に形成される単結晶薄膜の結晶性と比較して大きく低減化するなどの変化を受けにくいことが確認された。すなわち、上記量のアルミニウム成分を含有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板であれば、たとえ鉄成分、クロム成分、イットリウム成分、ジスプロシウム成分、ホルミウム成分、エルビウム成分、イッテルビウム成分などアルミニウム成分以外の成分が含まれていたとしてもこれらの成分によって形成される単結晶薄膜の結晶性は影響を受けにくいものであることが確認された。
より具体的には、表45に示すようにアルミニウム成分を添加せずに焼成され実質的に原料中あるいは焼結体製造時に混入する不純物以外は含まない酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は255秒であるのに対して、同じ酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は136秒と結晶性が向上した。
一方、アルミニウム成分をAl換算で0.002モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は187秒であるのに対して、同じアルミニウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は107秒と結晶性が向上した。また、アルミニウム成分をAl換算で0.008モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は159秒であるのに対して、同じアルミニウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は97秒と100秒以下となった。以下アルミニウム成分をAl換算で0.005モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、該基板にあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成し、さらにその上に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のほうが結晶性はより優れたものが得られ、該単結晶薄膜の結晶性は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が86秒〜97秒の範囲でありすべて100秒以下であることが確認された。
また、含有するアルミニウム成分がAl換算で50.0モル%含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が229秒であるのに対して、同じ基板にあらかじめ100モル%AlN配向性多結晶薄膜を形成しその上に形成した100モル%AlN単結晶薄膜では134秒と結晶性が向上した。
また、例えば表46に示すようにアルミニウム成分をAl換算で0.002モル%含みさらにその他にイットリウム成分をY換算で0.04モル%含む組成の酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は175秒であるのに対して、同じアルミニウム成分とイットリウムを含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は107秒であり結晶性が向上した。また、アルミニウム成分をAl換算で0.008モル%含みさらにその他にイットリウム成分をY換算で0.04モル%含む組成の酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は157秒であるのに対して、同じアルミニウム成分とイットリウムを含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は96秒と100秒以下に結晶性が向上した。以下表46に示すように、アルミニウム成分をAl換算で0.03モル%、0.10モル%、0.30モル%、1.0モル%、3.0モル%、10.0モル%、30.0モル%含みさらにその他に鉄成分、クロム成分、イットリウム成分、ジスプロシウム成分、ホルミウム成分、エルビウム成分、イッテルビウム成分のうちのいずれかを含む各種組成の酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、これら各基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜あるいは100モル%GaN単結晶薄膜の結晶性に比べて、同じアルミニウム成分とその他鉄成分、クロム成分、イットリウム成分、ジスプロシウム成分、ホルミウム成分、エルビウム成分、イッテルビウム成分のうちのいずれかを含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%AlN単結晶薄膜あるいは100モル%GaN単結晶薄膜の結晶性はより向上し該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はすべて100秒以下であることが確認された。また、アルミニウム成分をAl換算で3.0モル%含みさらにその他にイットリウム成分をY換算で0.04モル%及びエルビウム成分をEr換算で0.04モル%含む組成の酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は116秒であるのに対して、同じアルミニウム成分とイットリウム成分及びエルビウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlN無定形薄膜、100モル%AlN多結晶薄膜、100モル%AlN配向性多結晶薄膜を形成し、さらにその上に形成された100モル%AlN単結晶あるいは100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ93秒、96秒、87秒とすべて100秒以下に向上であった。
その他、表45及び表46に示したすべての組成の酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合でも、該基板に直接形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、該基板にあらかじめ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶の各種結晶状態からなる窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成し、さらにその上に形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のほうが結晶性はより優れたものが得られる。
例えば、表45に示すようにアルミニウム成分を含まずFe換算で1.0モル%の鉄成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は227秒であるのに対して、同じ鉄成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は124秒であり結晶性が向上した。アルミニウム成分を含まずCr換算で1.0モル%のクロム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は220秒であるのに対して、同じクロム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は119秒であり結晶性が向上した。アルミニウム成分を含まずY換算で0.04モル%のイットリウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は192秒であるのに対して、同じイットリウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は104秒であり結晶性が向上した。アルミニウム成分を含まずEr換算で0.04モル%のエルビウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は206秒であるのに対して、同じエルビウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は107秒であり結晶性が向上した。アルミニウム成分を含まずYb換算で0.04モル%のイッテルビウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は203秒であるのに対して、同じイッテルビウム成分を含む酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は109秒であり結晶性が向上した。
なお別に、本実施例で作製した表45及び表46に示す各種組成の酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に表45及び表46には記載されているものとは異なる構成の薄膜を形成した。
すなわち、表45及び表46に示す各種組成の酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に上記のように実施例25の実験No.706、707及び708で行ったスパッタリング法及び実験No.709で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%AlNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成し、それぞれ実施例25と同様の無定形、多結晶、配向性多結晶及び単結晶状態の窒化アルミニウムを主成分とする薄膜を形成した。また、実験No.728、730で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%GaNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成し、それぞれ実施例25と同様の無定形、及び配向性多結晶状態の窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成した。また、実験No.731で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%InNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成し、実施例25と同様の配向性多結晶状態の窒化インジウムを主成分とする薄膜を形成した。
また、上記のようにあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする薄膜、窒化ガリウムを主成分とする薄膜、窒化インジウムを主成分とする薄膜を形成した酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板と、薄膜を形成せずに残しておいた酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板とを用い、実施例19に記載されたものと同様のMOCVD法によりその上にさらに100モル%AlN、100モル%GaN、100モル%InN、50モル%AlN+50モル%GaN、50モル%GaN+50モル%InN各組成の単結晶薄膜を厚み3μmで形成した。
上記の薄膜を表45及び表46に示したものと異なる構成で本実施例で作製した各種組成の酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に形成した場合も、同じ酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性より、あらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しその上に形成した単結晶薄膜のほうが結晶性に優れていることが確認された。
このように本実施例において酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しさらにその上に形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のほうが結晶性はより優れたものが得られることがすべての実験で確認された。
本実施例において表45及び表46に記載した構成の薄膜及びその他作製したすべての薄膜の外観を調べたがあらかじめ基板に形成した薄膜及びその上にさらに形成した薄膜いずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板との間及び薄膜同志の間で剥離は見られなかった。また、基板表面の薄膜にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板と該基板にあらかじめ形成した薄膜、及び該薄膜とさらにその上に形成した単結晶薄膜とは強固に接合している。
Figure 2005179167
Figure 2005179167
本実施例は酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用いたとき該基板の組成と該基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜の結晶性に及ぼす影響を調べた例を示す。
まず、酸化ベリリウム(BeO)粉末として実施例1で用いた株式会社高純度化学研究所製の純度99%のものを用意し、マグネシア(MgO)粉末として株式会社高純度化学研究所製の純度99.99%のものを用意し、炭酸カルシウム(CaCO)粉末として株式会社高純度化学研究所製の純度99.99%のものを用意し、シリカ(SiO)粉末として株式会社アドマテック製の純度99.9%の「SO−E2」グレードを用意した。これらの粉末を所定の組成になるよう実施例1と同様の方法によりボールミルで粉砕混合後パラフィンワックスを加えて成形用粉末を作製し、実施例1と同様の大きさの成形体に一軸プレス成形後脱脂し、その後1500℃で3時間大気中で常圧焼成してマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分を各種割合で含有する酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を作製した。これらの焼結体はいずれも相対密度98%以上に緻密化していた。得られた焼結体を実施例8と同様粒径0.05μmのコロイド状のアルミナを主成分とする研磨剤を用いて鏡面研磨し塩化メチレン及びIPAで超音波洗浄し基板を作製した。鏡面研磨した基板の平均表面粗さRaは8.6nm〜9.5nmの範囲にあった。研磨後の基板を用いて波長605nmの光に対する光透過率を実施例2と同様の方法により測定した。
このようにして得られた酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板の特性を表47に示す。
表47に示すようにマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分及びその他の成分を添加せずに焼成され原料中の不純物以外は含まない実質的に酸化ベリリウムだけからなる焼結体の波長605nmの光に対する光透過率は14%であったがマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分の含有量が増加するにつれ光透過率も上昇する傾向を示しカルシウム成分をCaO換算で0.45モル%含むものは57%に達した。その後マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分の含有量が増加するにつれ光透過率は次第に低下しマグネシウム成分をMgO換算で30.0モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体では波長605nmの光に対する光透過率は24%となり、マグネシウム成分をMgO換算で40.0モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体では光透過率が7.6%となった。
また、本実施例においてマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうち少なくとも1種以上を酸化物換算で合計35.0モル%以下の範囲で含み、さらに希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.00005モル%〜5.0モル%の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体は波長605nmの光に対する光透過率30%以上のものが得られ易いことが確認された。さらに、80%以上の光透過率を有する酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が製造し得ることも確認された。
すなわち表47に示されるように、カルシウム成分をCaO換算で0.0004モル%含みさらにイットリウム成分をY換算で0.0002モル%同時に含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体は波長605nmの光に対する光透過率が35%であった。その後イットリウム成分が増加するにつれ光透過率は増大する傾向を示し、カルシウム成分をCaO換算で0.45モル%含みさらにイットリウム成分をY換算で0.040モル%同時に含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体は波長605nmの光に対する光透過率が81%であった。さらにその後はイットリウム成分が増加するにつれ光透過率は低下するする傾向を示し、カルシウム成分をCaO換算で0.0004モル%含みさらにイットリウム成分をY換算で4.0モル%同時に含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体は波長605nmの光に対する光透過率は37%であり、カルシウム成分をCaO換算で0.0004モル%含みさらにイットリウム成分をY換算で6.0モル%同時に含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体は波長605nmの光に対する光透過率は28%であった。
また、上記のようにカルシウム成分をCaO換算で0.45モル%含みさらにイットリウム成分をY換算で0.040モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の波長605nmの光に対する光透過率は81%であったが、カルシウム成分をCaO換算で0.45モル%含みさらにイットリウム以外の希土類元素成分を酸化物換算で0.040モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の波長605nmの光に対する光透過率も75%〜80%と高いものであった。すなわち、カルシウム成分をCaO換算で0.45モル%含みさらに希土類元素成分としてジスプロシウム成分をDy換算で0.040モル%同時に含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の波長605nmの光に対する光透過率は76%であり、ホルミウム成分をHo換算で0.040モル%同時に含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の光透過率は75%であり、エルビウム成分をEr換算で0.040モル%同時に含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の光透過率は80%であり、イッテルビウム成分をYb換算で0.040モル%同時に含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の光透過率は78%であった。さらに、カルシウム成分をCaO換算で0.45モル%含みかつ珪素成分をSiO換算で0.20モル%含みさらにイットリウム成分をY換算で0.040モル%の3成分を同時に含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体は波長605nmの光に対する光透過率は80%であった。
次に用意した上記の基板に対して実施例27に示したものと同様の方法で薄膜を形成した。すなわち、用意した基板の一部を選びその上に実施例25の実験No.708で行ったスパッタリング法と同様の条件により100モル%AlNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成した。
次に上記のようにしてあらかじめAlN薄膜を形成した酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板と、AlN薄膜を形成せずに残しておいた酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板とを用いその上にさらに実施例19に記載されたものと同じ100モル%AlN、100モル%GaN各組成の薄膜をMOCVD法により厚み3μmで形成した。MOCVDの条件としては実施例19に記載のように実施例1及び実施例2と同様の条件であった。このようにして作製した薄膜の特性を表47に示した。
本実施例において、上記各基板にあらかじめ形成した100モル%AlN薄膜はミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが出現しており、明らかに基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された配向性多結晶であった。
上記各基板にあらかじめ形成したAlN配向性多結晶薄膜の結晶性を見ると、表47に示すように実質的にマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分を含まない酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は9670秒であった。マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分が増加するにつれて該配向性多結晶薄膜の結晶性は向上する傾向を示した。すなわち、マグネシウム成分をMgO換算で0.0001モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合9120秒であったが、カルシウム成分をCaO換算で0.0004モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合は8540秒であり、珪素成分をSiO換算で0.002モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合は7710秒と8000秒以下に低下した。その後マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分の含有量が増加するにつれて該AlN配向性多結晶薄膜の結晶性は少し向上する傾向を示した。カルシウム成分をCaO換算で0.45モル%かつ珪素成分をSiO換算で0.2モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合は7190秒と最も向上した。その後マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分の含有量が増加するにつれて該AlN配向性多結晶薄膜の結晶性はやや低下する傾向を示した。マグネシウム成分をMgO算で30.0モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成したAlN配向性多結晶薄膜の場合は7650秒であった。しかしながら、マグネシウム成分をMgO算で40.0モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成したAlN配向性多結晶薄膜の場合は9480秒と結晶性は低下した。
また、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうち少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計35.0モル%以下含み、さらに希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成したAlN配向性多結晶薄膜の場合、該配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は7220秒〜7960秒の範囲でありすべて8000秒以下であった。
次に、上記の薄膜をあらかじめ形成せずに残しておいた酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて前記MOCVD法により形成した100モル%AlN、100モル%GaN各組成からなる薄膜の結晶性をX線回折により調べた。その結果、作製したすべての薄膜が基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶であることが確認された。その結晶性を見ると、表47に示すようにマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分及びその他の成分を添加せずに焼成され実質的に原料中あるいは焼結体製造時に混入する不純物以外は含まない酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成され100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は270秒であった。一方、マグネシウム成分をMgO換算で0.0001モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は221秒と小さくなり結晶性が向上した。さらに、カルシウム成分をCaO換算で0.0004モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は191秒であり、珪素成分をSiO換算で0.0020モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は168秒とそれぞれ200秒以下になり結晶性が向上した。マグネシウム成分をMgO換算で0.0080モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は142秒と150秒以下となり結晶性がより向上した。カルシウム成分をCaO換算で0.020モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は122秒であり、珪素成分をSiO換算で0.40モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は127秒と、それぞれ130秒以下になり結晶性がさらに向上した。その後マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分の含有量が増加するにしたがって酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が小さくなった。すなわち、カルシウム成分をCaO換算で0.45モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合で109秒、カルシウム成分をCaO換算で0.45モル%及び珪素成分をSiO換算で0.20モル%同時に含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合で108秒と本実施例において直接基板に形成した単結晶薄膜のなかでは最も小さくなり結晶性が最も優れていた。その後マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分の含有量が増加するにしたがって酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が大きくなり、マグネシウム成分をMgO換算で30.0モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は132秒となった。また、マグネシウム成分をMgO換算で40.0モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は217秒となり200秒より大きくなった。
一方本実施例において表47に示すように、マグネシウム、カルシウム、珪素成分のうち少なくとも1種以上を含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板は該焼結体中に例えば希土類元素などマグネシウム、カルシウム、珪素成分以外の成分が含まれていたとしても該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性が大きく低減化するなどの変化は少ないことが確認された。言い換えれば、上記マグネシウム、カルシウム、珪素成分のうち少なくとも1種以上を含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板は、該焼結体中に希土類元素などマグネシウム、カルシウム、珪素成分以外の成分が含まれていたとしてもこれらの成分によって該基板に直接形成される単結晶薄膜の結晶性に影響を受けにくいものであることが確認された。
具体的には、カルシウム成分をCaO換算で0.0004モル%含み同時にイットリウム成分をY換算で0.0002モル%、及びカルシウム成分をCaO換算で0.0004モル%含み同時にイットリウム成分をY換算で6.0モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ182秒、189秒であり、その結晶性はカルシウム成分だけをCaO換算で0.0004モル%含み実質的にイットリウム成分を含まない酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の191秒から大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。また、カルシウム成分をCaO換算で0.0004モル%含み同時にイットリウム成分をY換算で4.0モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は176秒であり、その結晶性は上記のカルシウム成分だけをCaO換算で0.0004モル%含み実質的にイットリウム成分を含まない酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の191秒と比べて大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。また、カルシウム成分をCaO換算で0.020モル%含み同時にイットリウム成分をY換算でそれぞれ0.0010モル%、0.0040モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ121秒、120秒であり、その結晶性はカルシウム成分だけをCaO換算で0.020モル%含み実質的にイットリウム成分を含まない酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の122秒から大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。また、カルシウム成分をCaO換算で0.020モル%含み同時にイットリウム成分をY換算で0.010モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は118秒であり、その結晶性はカルシウム成分だけをCaO換算で0.020モル%含み実質的にイットリウム成分を含まない酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の122秒から大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。また、カルシウム成分をCaO換算で0.45モル%含み同時にイットリウム成分をY換算で0.040モル%、ホルミウム成分をHo換算で0.040モル%、エルビウム成分をEr換算で0.040モル%、それぞれ含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ104秒、107秒、108秒であり、その結晶性はカルシウム成分だけをCaO換算で0.45モル%含み実質的に上記各種希土類元素成分を含まない酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の109秒から大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。また、カルシウム成分をCaO換算で0.45モル%含み同時にジスプロシウム成分をDy換算で0.040モル%、イッテルビウム成分をYb換算で0.040モル%、それぞれ含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ110秒、106秒であり、その結晶性はカルシウム成分だけをCaO換算で0.45モル%含み実質的に上記各種希土類元素成分を含まない酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の109秒から大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。また、カルシウム成分をCaO換算で0.45モル%及び珪素成分をSiO換算で0.20モル%含みさらに同時にイットリウム成分をY換算で0.040モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は109秒であり、その結晶性はカルシウム成分をCaO換算で0.45モル%及び珪素成分をSiO換算で0.20モル%だけ含み実質的にイットリウム成分を含まない酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の108秒から大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。
このようにマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板は、該基板がたとえマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分以外にイットリウムなどの希土類元素成分が同時に含まれている酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなるものであったとしても、該基板に直接形成される窒化ガリウム、及び窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の結晶性はあまり変化せず、イットリウムなどの希土類元素成分含有の有無による影響を受けにくい傾向を有することが確認された。
上記のように各種組成の酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜、100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はすべて300秒以下で結晶性に優れていた。
本実施例において、このような特性を有する上記各種組成の酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いたとき、該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、該基板にあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする配向性多結晶薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜の結晶性はより優れたものが得られることが確認された。すなわち、各種組成を有する酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用い、該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は200秒以下になるとは必ずしも限らない。それに対して、このような各種組成を有する酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用いても、該基板にあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする配向性多結晶薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は200秒以下のものが形成し得ることが確認された。
また、同じ組成の酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成する場合、該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、該基板にあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする配向性多結晶薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜の結晶性はより優れたものが得られることが確認された。
すなわち、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうち少なくとも1種以上を酸化物換算で合計0.0002モル%〜35.0モル%の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用い、その上にあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする配向性多結晶薄膜を形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は130秒以下の結晶性に優れたものとなり易く、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうち少なくとも1種以上を酸化物換算で合計0.001モル%〜35.0モル%の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を基板として用い、その上にあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする配向性多結晶薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は100秒以下の結晶性に優れたものが比較的容易に形成し得ることが確認された。
また、上記量のマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分を含みその他にイットリウム成分、ジスプロシウム成分、ホルミウム成分、エルビウム成分、イッテルビウム成分などの成分を同時に含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板であっても該基板に形成される単結晶薄膜の結晶性は、前記マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分を含みその他にイットリウム成分、ジスプロシウム成分、ホルミウム成分、エルビウム成分、イッテルビウム成分などの成分は実質的に含まない酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成される単結晶薄膜の結晶性と比較して大きく低減化するなどの変化を受けにくいことが確認された。すなわち、上記量のマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれる少なくとも1種以上の成分を有する酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板であれば、たとえイットリウム成分、ジスプロシウム成分、ホルミウム成分、エルビウム成分、イッテルビウム成分などマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分以外の成分が含まれていたとしてもこれらの成分によって形成される窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性は影響を受けにくいものであることが確認された。
より具体的には、表47に示すようにマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分及びその他の成分を添加せずに焼成され実質的に原料中あるいは焼結体製造時に混入する不純物以外は含まない酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は270秒であるのに対して、同じ酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、その上にさらに形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は139秒と結晶性が向上した。また、マグネシウム成分をMgO換算で0.0001モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は221秒であるのに対して、同じマグネシウム成分を含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は132秒と結晶性が向上した。
さらに、カルシウム成分をCaO換算で0.0004モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は191秒であるのに対して、同じカルシウム成分を含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は124秒と結晶性が向上した。また、珪素成分をSiO換算で0.002モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は168秒であるのに対して、同じ珪素成分を含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は96秒と100秒以下となった。以下マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれる少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.001モル%〜35.0モル%の範囲で含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、該基板にあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする配向性多結晶薄膜を形成し、さらにその上に形成された窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のほうが結晶性はより優れたものが得られ、該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が89秒〜97秒の範囲でありすべて100秒以下であることが確認された。
また、マグネシウム成分をMgO換算で40.0モル%含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が217秒であるのに対して、同じ基板にあらかじめ100モル%AlN配向性多結晶薄膜を形成しその上に形成した100モル%AlN単結晶薄膜では142秒と結晶性が向上した。
また、例えば表47に示すようにマグネシウム、カルシウム、珪素のうちから選ばれる少なくとも1種以上の成分を含みさらに希土類元素成分を含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜あるいは100モル%GaN単結晶薄膜の結晶性に対して、同じマグネシウム、カルシウム、珪素のうちから選ばれる少なくとも1種以上の成分及び希土類元素成分を含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%AlN単結晶薄膜あるいは100モル%GaN単結晶薄膜の結晶性は向上することが確認された。例えば、カルシウム成分をCaO換算で0.0004モル%含みさらにその他にイットリウム成分をY換算で0.0002モル%、4.0モル%、6.0モル%含む組成の酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜あるいは100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれの基板で182秒、176秒、189秒であるのに対して、同じカルシウム成分及びイットリウム成分を含む酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%AlN単結晶薄膜あるいは100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれの基板で119秒、121秒、126秒と結晶性が向上した。さらにカルシウム成分をCaO換算で0.020モル%含みさらにその他にイットリウム成分をY換算で0.0010モル%、0.0040モル%、0.010モル%含む組成の酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlN配向性多結晶薄膜を形成したものを用いた場合はその上に形成した100モル%AlN単結晶薄膜あるいは100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ93秒、94秒、92秒と100秒以下であり、同じ基板に直接形成したものより結晶性は向上した。また、カルシウム成分をCaO換算で0.45モル%含みさらにその他にイットリウム成分をY換算で0.040モル%、ジスプロシウム成分をDy換算で0.040モル%、ホルミウム成分をHo換算で0.040モル%、エルビウム成分をEr換算で0.040モル%、イッテルビウム成分をYb換算で0.040モル%、それぞれ含む組成の酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlN配向性多結晶薄膜を形成したものを用いた場合はその上に形成した100モル%AlN単結晶薄膜あるいは100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ88秒、91秒、90秒、89秒、90秒とすべて100秒以下であり、同じ基板に直接形成したものより結晶性は向上した。
なお、表47には記載していないが、本実施例で作製した表47に示す各種組成の酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に100モル%AlN配向性多結晶薄膜だけでなく、実施例25の実験No.706及び707で行ったスパッタリング法及び実験No.709で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%AlNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成し、それぞれ実施例25と同様の無定形、多結晶、及び単結晶状態の窒化アルミニウムを主成分とする薄膜を形成した。また、実験No.728、730で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%GaNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成し、それぞれ実施例25と同様の無定形、及び配向性多結晶状態の窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成した。また、実験No.731で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%InNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成し、実施例25と同様の配向性多結晶状態の窒化インジウムを主成分とする薄膜を形成した。
また、上記のようにあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする薄膜、窒化ガリウムを主成分とする薄膜、窒化インジウムを主成分とする薄膜を形成した酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板と、薄膜を形成せずに残しておいた酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板とを用い、実施例19に記載されたものと同様のMOCVD法によりさらにその上に100モル%AlN及び100モル%GaNだけでなく100モル%InN、50モル%AlN+50モル%GaN、50モル%GaN+50モル%InN各組成の単結晶薄膜を厚み3μmで形成した。
上記構成の薄膜を表47に示した同じ酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成したときも、あらかじめ形成される薄膜が100モル%AlN配向性多結晶でさらにその上に形成される薄膜が100モル%AlNあるいは100モル%GaN単結晶薄膜の構成からなるものと同様の効果を有することが確認された。例えば同じ酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性より、あらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しその上に形成した単結晶薄膜のほうが結晶性に優れていることが確認された。
このように本実施例において酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しさらにその上に形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のほうが結晶性はより優れたものが得られることがすべての実験で確認された。
本実施例において表47に記載した構成の薄膜及びその他に作製したすべての薄膜の外観を調べたがあらかじめ基板に形成した薄膜及びその上にさらに形成した薄膜いずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板との間及び薄膜同志の間で剥離は見られなかった。また、基板表面の薄膜にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板と該基板にあらかじめ形成した薄膜、及び該薄膜とさらにその上に形成した単結晶薄膜とは強固に接合している。
Figure 2005179167
本実施例は酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いたとき該基板の組成と該基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜の結晶性に及ぼす影響を調べた例を示す。
まず、酸化アルミニウム(Al)粉末として日本軽金属株式会社製の「A−31」グレードを用意し、マグネシア(MgO)粉末として株式会社高純度化学研究所製の純度99.99%のものを用意し、炭酸カルシウム(CaCO)粉末として株式会社高純度化学研究所製の純度99.99%のものを用意し、シリカ(SiO)粉末として株式会社アドマテック製の純度99.9%の「SO−E2」グレードを用意した。これらの粉末を所定の組成になるよう実施例1と同様の方法によりボールミルで粉砕混合後パラフィンワックスを加えて成形用粉末を作製し、実施例1と同様の大きさの成形体に一軸プレス成形後脱脂し、その後1550℃で3時間大気中で常圧焼成してマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分を各種割合で含有する酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を作製した。これらの焼結体はいずれも相対密度98%以上に緻密化していた。得られた焼結体を実施例28と同様粒径0.05μmのコロイド状のアルミナを主成分とする研磨剤を用いて鏡面研磨し塩化メチレン及びIPAで超音波洗浄し基板を作製した。鏡面研磨した基板の平均表面粗さRaは6.7nm〜7.6nmの範囲にあった。研磨後の基板を用いて波長605nmの光に対する光透過率を実施例2と同様の方法により測定した。
このようにして得られた酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の特性を表48に示す。
表48に示すようにマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分及びその他の成分を添加せずに焼成され実質的に原料中あるいは焼結体製造時に混入する不純物以外は含まない酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の波長605nmの光に対する光透過率は18%であったがマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分の含有量が増加するにつれ光透過率も上昇する傾向を示しマグネシウム成分をMgO換算で1.20モル%含むものは57%に達した。その後マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分の含有量が増加するにつれ光透過率は次第に低下しカルシウム成分をCaO換算で20.0モル%及び珪素成分をSiO換算で20.0モル%同時に含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体では波長605nmの光に対する光透過率は22%となり、マグネシウム成分をMgO換算で20.0モル%及び珪素成分をSiO換算で30.0モル%同時に含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体では光透過率が6.4%となった。
また、本実施例においてマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうち少なくとも1種以上を酸化物換算で合計45.0モル%以下の範囲で含みさらに希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.0002モル%〜10.0モル%の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率は、上記と同じ量のマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうち少なくとも1種以上を含むが実質的に希土類元素成分を含まない酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率と比較して減少するなどの変化がほとんど見られないことが確認された。すなわち、カルシウム成分をCaO換算で0.050モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の波長605nmの光に対する光透過率は36%であるが、カルシウム成分をCaO換算で0.050モル%及びイットリウム成分をY換算で0.04モル%同時に含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率は37%とほとんど変化せず、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体にマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分以外に希土類元素成分が含まれることによる影響はあまり見られないことが確認された。さらに、マグネシウム成分をMgO換算で1.20モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の波長605nmの光に対する光透過率は57%と比較的高い光透過率を有していたが、マグネシウム成分をMgO換算で1.20モル%及びイットリウム成分をY換算で0.04モル%同時に含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率も59%、マグネシウム成分をMgO換算で1.20モル%及びホルミウム成分をHo換算で0.04モル%同時に含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率も56%、マグネシウム成分をMgO換算で1.20モル%及びイッテルビウム成分をYb換算で0.04モル%同時に含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率も58%、と比較的高く、イットリウムをはじめとする希土類元素成分が含まれることによって光透過率が大きく低下し悪い影響を与えるという現象は見られなかった。
表48において、カルシウム成分をCaO換算で0.050モル%含みさらにイットリウム成分をY換算で8.0モル%同時に含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体は波長605nmの光に対する光透過率は36%であり、カルシウム成分をCaO換算で0.05モル%含みさらにイットリウム成分をY換算で12.0モル%同時に含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体は波長605nmの光に対する光透過率は27%であった。このように、本実施例においてマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうち少なくとも1種以上を酸化物換算で合計45.0モル%以下の範囲で含み、さらに希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.0002モル%〜10.0モル%の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体は波長605nmの光に対する光透過率30%以上のものが作製し得ることが確認された。
さらに、本実施例においてマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうち少なくともいずれか2種以上を含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体はより高い光透過率を有するものが作製し得ることが確認された。また、最高80%以上の光透過率を有する酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が製造し得ることも確認された。すなわち、表48に示されるように、マグネシウム成分をMgO換算で0.60モル%、カルシウム成分をCaO換算で0.80モル%及び珪素成分をSiO換算で0.80モル%同時に含み、さらにイットリウム成分をY換算で0.0080モル%、ジスプロシウム成分をDy換算で0.040モル%それぞれ含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体は波長605nmの光に対する光透過率がそれぞれ57%、78%に増大した。また、マグネシウム成分をMgO換算で0.60モル%及び珪素成分をSiO換算で0.20モル%同時に含みさらにイットリウム成分をY換算で0.04モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体は波長605nmの光に対する光透過率が69%であった。さらに、マグネシウム成分をMgO換算で1.0モル%及びカルシウム成分をCaO換算で0.20モル%同時に含み、さらにイットリウムなどの希土類元素成分を酸化物換算で0.040モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の波長605nmの光に対する光透過率は81%〜82%の高いものであった。すなわち、上記量のマグネシウム成分及びカルシウム成分と同時に希土類元素成分としてイットリウム成分をY換算で0.040モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体は波長605nmの光に対する光透過率が82%であり、エルビウム成分をEr換算で0.04モル%同時に含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体では光透過率が81%であった。
次に用意した上記の基板に対して実施例27に示したものと同様の方法で薄膜を形成した。すなわち、用意した基板の一部を選びその上に実施例25の実験No.708で行ったスパッタリング法と同様の条件により100モル%AlNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成した。
次に上記のようにしてあらかじめAlN薄膜を形成した酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板と、AlN薄膜を形成せずに残しておいた酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板とを用いその上にさらに実施例19に記載されたものと同じ100モル%AlN、100モル%GaN各組成の薄膜をMOCVD法により厚み3μmで形成した。MOCVDの条件としては実施例19に記載のように実施例1及び実施例2と同様の条件であった。このようにして作製した薄膜の特性を表48に示した。
本実施例において、上記各基板にあらかじめ形成した100モル%AlN薄膜はミラー指数(002)の格子面からの回折線だけが出現しており、明らかに基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された配向性多結晶であった。
上記各基板にあらかじめ形成したAlN配向性多結晶薄膜の結晶性を見ると、表48に示すように実質的にマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分を含まない酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は9720秒であった。マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分が増加するにつれて該配向性多結晶薄膜の結晶性は向上する傾向を示した。すなわち、カルシウム成分をCaO換算で0.0005モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合9240秒であったが、珪素成分をSiO換算で0.0020モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合は8660秒であり、マグネシウム成分をMgO換算で0.010モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合は7810秒と8000秒以下に低下した。その後マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分の含有量が増加するにつれて該AlN配向性多結晶薄膜の結晶性は少し向上する傾向を示した。マグネシウム成分をMgO換算で1.0モル%及びカルシウム成分をCaO換算で0.20モル%同時に含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合は7240秒と最も向上した。その後マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分の含有量が増加するにつれて該AlN配向性多結晶薄膜の結晶性はやや低下する傾向を示した。カルシウム成分をCaO算で20.0モル%及び珪素成分をSiO換算で20.0モル%同時に含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成したAlN配向性多結晶薄膜の場合は7830秒であった。しかしながら、マグネシウム成分をMgO算で20.0モル%及び珪素成分をSiO換算で30.0モル%同時に含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成したAlN配向性多結晶薄膜の場合は9370秒と結晶性は低下した。
また、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうち少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計45.0モル%以下含み、さらに希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成したAlN配向性多結晶薄膜の結晶性と、上記と同じ量のマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうち少なくとも1種以上の成分を含むが実質的に希土類元素成分を含まない酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成したAlN配向性多結晶薄膜の結晶性とを比較した場合、その結晶性はあまり変化せず、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体にマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分以外に希土類元素成分が含まれることによる影響はあまり見られないことが確認された。
本実施例において、これらマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうち少なくとも1種以上の成分を含みさらに希土類元素成分を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成した該配向性多結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は7070秒〜7830秒の範囲でありすべて8000秒以下であった。
次に、上記の薄膜をあらかじめ形成せずに残しておいた酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて前記MOCVD法により形成した100モル%AlN、100モル%GaN各組成からなる薄膜の結晶性をX線回折により調べた。その結果、作製したすべての薄膜が基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶であることが確認された。その結晶性を見ると、表48に示すようにマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分及びその他の成分を添加せずに焼成され実質的に原料中あるいは焼結体製造時に混入する不純物以外は含まない酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成され100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は274秒であった。一方、カルシウム成分をCaO換算で0.0005モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は215秒と小さくなり結晶性が向上した。さらに、珪素成分をSiO換算で0.0020モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は187秒であり、マグネシウム成分をMgO換算で0.010モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は156秒とそれぞれ200秒以下になり結晶性が向上した。カルシウム成分をCaO換算で0.050モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は140秒と150秒以下となり結晶性がより向上した。マグネシウム成分をMgO換算で0.12モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は119秒であり、マグネシウム成分をMgO換算で0.60モル%及び珪素成分をSiO換算で0.20モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は116秒と、それぞれ130秒以下になり結晶性がさらに向上した。その後マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分の含有量が増加するにしたがって酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が小さくなった。すなわち、マグネシウム成分をMgO換算で1.20モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合で114秒、マグネシウム成分をMgO換算で1.00モル%及びカルシウム成分をCaO換算で0.20モル%及同時に含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合で113秒と本実施例において直接基板に形成した単結晶薄膜のなかでは最も小さくなり結晶性が最も優れていた。その後マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分の含有量が増加するにしたがって酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成される単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が大きくなり、カルシウム成分をCaO換算で20.0モル%及び珪素成分をSiO換算で20.0モル%同時に含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は141秒となった。また、マグネシウム成分をMgO換算で20.0モル%及び珪素成分をSiO換算で30.0モル%同時に含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は226秒となり200秒より大きくなった。
一方本実施例において表48に示すように、マグネシウム、カルシウム、珪素成分のうち少なくとも1種以上を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板は該焼結体中に例えば希土類元素などマグネシウム、カルシウム、珪素成分以外の成分が含まれていたとしても該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性が大きく低減化するなどの変化は少ないことが確認された。言い換えれば、上記マグネシウム、カルシウム、珪素成分のうち少なくとも1種以上を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板は、該焼結体中に希土類元素などマグネシウム、カルシウム、珪素成分以外の成分が含まれていたとしてもこれらの成分によって該基板に直接形成される単結晶薄膜の結晶性に影響を受けにくいものであることが確認された。
具体的に言えば、カルシウム成分をCaO換算で0.050モル%含み同時にイットリウム成分をY換算でそれぞれ0.040モル%、8.00モル%及び12.0モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ137秒、127秒、134秒であり、その結晶性はカルシウム成分をCaO換算で0.05モル%含み実質的にイットリウム成分を含まない酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の140秒から大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。また、マグネシウム成分をMgO換算で1.20モル%含み同時にイットリウム成分をY換算で0.040モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板、及びマグネシウム成分をMgO換算で1.20モル%含み同時にイッテルビウム成分をYb換算で0.040モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ112秒、及び115秒であり、その結晶性はマグネシウム成分だけをMgO換算で1.20モル%含み実質的にイットリウム成分を含まない酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の114秒と比べて大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。また、マグネシウム成分をMgO換算で1.20モル%含み同時にホルミウム成分をHo換算で0.040モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は115秒であり、その結晶性はマグネシウム成分だけをMgO換算で1.20モル%含み実質的にイットリウムなどの希土類元素成分を含まない酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の114秒と比べて大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。また、珪素成分をSiO換算で0.0020モル%同時に含みさらにイットリウム成分をY換算で0.0005モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は161秒であり、その結晶性は珪素成分をSiO換算で0.0020モル%含み実質的にイットリウム成分を含まない酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の187秒から大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。
また、マグネシウム成分をMgO換算で0.60モル%かつカルシウム成分をCaO換算で0.80モル%かつ珪素成分をSiO換算で0.80モル%同時に含み、さらにイットリウム成分をY換算で0.0080モル%、ジスプロシウム成分をDy換算で0.040モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ111秒、113秒であり、その結晶性はマグネシウム成分をMgO換算で0.60モル%かつカルシウム成分をCaO換算で0.80モル%かつ珪素成分をSiO換算で0.80モル%同時に含み実質的にイットリウム成分を含まない酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の120秒から大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。また、マグネシウム成分をMgO換算で0.60モル%かつ珪素成分をSiO換算で0.20モル%同時に含み、さらにイットリウム成分をY換算で0.040モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は112秒であり、その結晶性はマグネシウム成分をMgO換算で0.60モル%かつ珪素成分をSiO換算で0.20モル%同時に含み実質的にイットリウム成分を含まない酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の116秒から大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。また、マグネシウム成分をMgO換算で1.00モル%かつカルシウム成分をCaO換算で0.20モル%同時に含み、さらにイットリウム成分をY換算で0.040モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は107秒であり、その結晶性はマグネシウム成分をMgO換算で1.00モル%かつカルシウム成分をCaO換算で0.20モル%同時に含み実質的にイットリウムなどの希土類元素成分を含まない酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の113秒から大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。また、マグネシウム成分をMgO換算で1.00モル%かつカルシウム成分をCaO換算で0.20モル%同時に含み、さらにエルビウム成分をErO換算で0.040モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は109秒であり、その結晶性はマグネシウム成分をMgO換算で1.00モル%かつカルシウム成分をCaO換算で0.20モル%同時に含み実質的にイットリウムなどの希土類元素成分を含まない酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜の113秒から大きく低減化するなどの変化傾向を示さなかった。
このようにマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板は、該基板がたとえマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分以外にイットリウムなどの希土類元素成分が同時に含まれている酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなるものであったとしても、該基板に直接形成される窒化ガリウム、及び窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の結晶性はあまり変化せず、イットリウムなどの希土類元素成分含有の有無による影響を受けにくい傾向を有することが確認された。
上記のように各種組成の酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜、100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はすべて300秒以下で結晶性に優れていた。
本実施例において、このような特性を有する上記各種組成の酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いたとき、該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、該基板にあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする配向性多結晶薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜の結晶性はより優れたものが得られることが確認された。すなわち、各種組成を有する酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い、該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は200秒以下になるとは必ずしも限らない。それに対して、このような各種組成を有する酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いても、該基板にあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする配向性多結晶薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は200秒以下のものが形成し得ることが確認された。
また、同じ組成の酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成する場合、該基板に直接形成される窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、該基板にあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする配向性多結晶薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜の結晶性はより優れたものが得られることが確認された。
すなわち、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうち少なくとも1種以上を酸化物換算で合計0.001モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い、その上にあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする配向性多結晶薄膜を形成し、さらにその上に窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は130秒以下の結晶性に優れたものとなり易く、マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうち少なくとも1種以上を酸化物換算で合計0.005モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用い、その上にあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする配向性多結晶薄膜を形成しさらにその上に窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は100秒以下の結晶性に優れたものが比較的容易に形成し得ることが確認された。
また、上記量のマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分を含みその他にイットリウム成分、ジスプロシウム成分、ホルミウム成分、エルビウム成分、イッテルビウム成分などの成分を同時に含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板であっても該基板に形成される単結晶薄膜の結晶性は、前記マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分を含みその他にイットリウム成分、ジスプロシウム成分、ホルミウム成分、エルビウム成分、イッテルビウム成分などの成分は実質的に含まない酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成される単結晶薄膜の結晶性と比較して大きく低減化するなどの変化を受けにくいことが確認された。すなわち、上記量のマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれる少なくとも1種以上の成分を有する酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板であれば、たとえイットリウム成分、ジスプロシウム成分、ホルミウム成分、エルビウム成分、イッテルビウム成分などマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分以外の成分が含まれていたとしてもこれらの成分によって形成される窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性は影響を受けにくいものであることが確認された。
より具体的には、表48に示すようにマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分及びその他の成分を添加せずに焼成され実質的に原料中あるいは焼結体製造時に混入する不純物以外は含まない酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は274秒であるのに対して、同じ酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、その上にさらに形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は142秒と結晶性が向上した。また、カルシウム成分をCaO換算で0.0005モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は215秒であるのに対して、同じカルシウム成分を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は133秒と結晶性が向上した。
さらに、珪素成分をSiO換算で0.0020モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は187秒であるのに対して、同じカルシウム成分を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、その上にさらに形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は122秒と結晶性が向上した。また、マグネシウム成分をMgO換算で0.010モル%含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は156秒であるのに対して、同じマグネシウム成分を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、さらにその上に形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は96秒と100秒以下となった。以下マグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれる少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.001モル%〜45.0モル%の範囲で含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、該基板にあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする配向性多結晶薄膜を形成し、さらにその上に形成された窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のほうが結晶性はより優れたものが得られ、該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が90秒〜97秒の範囲でありすべて100秒以下であることが確認された。
また、マグネシウム成分をMgO換算で20.0モル%及び珪素成分をSiO換算で30.0モル%同時に含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した100モル%AlN単結晶薄膜の場合は該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が226秒であるのに対して、同じ基板にあらかじめ100モル%AlN配向性多結晶薄膜を形成しその上に形成した100モル%AlN単結晶薄膜では147秒と結晶性が向上した。
また、表48に示すようにマグネシウム、カルシウム、珪素のうちから選ばれる少なくとも1種以上の成分を含みさらに希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合でも、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜あるいは100モル%GaN単結晶薄膜の結晶性よりも、同じマグネシウム、カルシウム、珪素のうちから選ばれる少なくとも1種以上の成分を含みさらに希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlN配向性多結晶薄膜あるいは100モル%GaN配向性多結晶薄膜を形成し、さらにその上に100モル%AlN単結晶薄膜あるいは100モル%GaN単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜の結晶性は向上することが確認された。例えば表48に示すように珪素成分をSiO換算で0.0020モル%含みさらにその他にイットリウム成分をY換算で0.0005モル%含む組成の酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlN配向性多結晶薄膜を形成したものを用いた場合はその上に形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は104秒と向上した。さらにカルシウム成分をCaO換算で0.050モル%含みさらにその他にイットリウム成分をY換算で0.040モル%含む組成の酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlN配向性多結晶薄膜を形成したものを用いた場合はその上に形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は95秒と100秒以下に向上した。また、マグネシウム成分をMgO換算で1.20モル%含みさらにその他にイットリウム成分をY換算で0.040モル%、イッテルビウム成分をYb換算で0.040モル%それぞれ含む組成の酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%GaN配向性多結晶薄膜を形成したものを用いた場合はその上に形成した単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ89秒、90秒とすべて100秒以下であった。
また、表48に示すようにマグネシウム、カルシウム、珪素のうちから選ばれる少なくとも2種以上の成分を含みさらに希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合でも、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜あるいは100モル%GaN単結晶薄膜の結晶性よりも、同じマグネシウム、カルシウム、珪素のうちから選ばれる少なくとも2種以上の成分を含みさらに希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlN配向性多結晶薄膜あるいは100モル%GaN配向性多結晶薄膜を形成し、さらにその上に100モル%AlN単結晶薄膜あるいは100モル%GaN単結晶薄膜を形成すれば該単結晶薄膜の結晶性は向上することが確認された。例えば、マグネシウム成分をMgO換算で0.60モル%かつカルシウム成分をCaO換算で0.80モル%かつ珪素成分をSiO換算で0.80モル%含みさらにその他にイットリウム成分をY換算で0.0080モル%、ジスプロシウム成分をDy換算で0.040モル%含む組成の酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ111秒、113秒であるのに対して、同じ成分を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、その上にさらに形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はそれぞれ92秒、90秒と結晶性が向上した。また、マグネシウム成分をMgO換算で0.60モル%かつ珪素成分をSiO換算で0.20モル%含みさらにその他にイットリウム成分をY換算で0.040モル%含む組成の酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は112秒であるのに対して、同じ成分を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、その上にさらに形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は91秒と結晶性が向上した。また、マグネシウム成分をMgO換算で1.0モル%かつカルシウム成分をCaO換算で0.20モル%含みさらにその他にイットリウム成分をY換算で0.040モル%含む組成の酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は107秒であるのに対して、同じ成分を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%AlNの配向性多結晶を形成し、その上にさらに形成された100モル%AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は88秒と結晶性が向上した。また、マグネシウム成分をMgO換算で1.0モル%かつカルシウム成分をCaO換算で0.20モル%含みさらにその他にエルビウム成分をEr換算で0.040モル%含む組成の酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成された100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は107秒であるのに対して、同じ成分を含む酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ100モル%GaNの配向性多結晶を形成し、その上にさらに形成された100モル%GaN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は89秒と結晶性が向上した。
なお、表48には記載していないが、本実施例で作製した表48に示す各種組成の酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に100モル%AlN配向性多結晶薄膜だけでなく、実施例25の実験No.706及び707で行ったスパッタリング法及び実験No.709で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%AlNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成し、それぞれ実施例25と同様の無定形、多結晶、及び単結晶状態の窒化アルミニウムを主成分とする薄膜を形成した。また、実験No.728、730で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%GaNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成し、それぞれ実施例25と同様の無定形、及び配向性多結晶状態の窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成した。また、実験No.731で行ったMOCVD法と同様の条件により100モル%InNの薄膜を厚み3μmであらかじめ形成し、実施例25と同様の配向性多結晶状態の窒化インジウムを主成分とする薄膜を形成した。
また、上記のようにあらかじめ窒化アルミニウムを主成分とする薄膜、窒化ガリウムを主成分とする薄膜、窒化インジウムを主成分とする薄膜を形成した酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板と、薄膜を形成せずに残しておいた酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板とを用い、実施例19に記載されたものと同様のMOCVD法によりその上にさらに100モル%AlN及び100モル%GaNだけでなく100モル%InN、50モル%AlN+50モル%GaN、50モル%GaN+50モル%InN各組成の単結晶薄膜を厚み3μmで形成した。
上記構成の薄膜を表48に示した同じ酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に形成したときも、あらかじめ形成される薄膜が100モル%AlN配向性多結晶でその上にさらに形成される薄膜が100モル%AlNあるいは100モル%GaN単結晶薄膜の構成からなるものと同様の効果を有することが確認された。例えば同じ酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性より、あらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しその上に形成した単結晶薄膜のほうが結晶性に優れていることが確認された。
このように本実施例において酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いた場合、該基板に直接形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性よりも、該基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶など各種結晶状態の薄膜を形成しその上にさらに形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のほうが結晶性はより優れたものが得られることがすべての実験で確認された。
本実施例において表48に記載した構成の薄膜及びその他に作製したすべての薄膜の外観を調べたがあらかじめ基板に形成した薄膜及びその上にさらに形成した薄膜いずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板との間及び薄膜同志の間で剥離は見られなかった。また、基板表面の薄膜にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板と該基板にあらかじめ形成した薄膜、及び該薄膜とその上にさらに形成した単結晶薄膜とは強固に接合している。
Figure 2005179167
本実施例は酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムを主成分とする焼結体からなる基板についてその光透過性を調べ、これらの基板を用いて窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をあらかじめ形成し、その上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の形成を試みた例を示すものである。
酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体からなる基板は実施例1で作製した焼結体と本実施例であらたに作製した焼結体を用いて作製したもののそれぞれ2種類を用意した。酸化イットリウムを主成分とする焼結体からなる基板は本実施例で新たに作製した。
本実施例においては以下に示す方法により酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムを主成分とする焼結体をあらたに作製した。すなわち、実施例1で用いたものと同じ安定化剤としてYを3モル%含む酸化ジルコニウム原料を用意し、実施例1と同様原料粉末に焼結助剤は加えずパラフィンワックスを加えて成形用粉末を作製し、該粉末を一軸プレス成形後脱脂し、1400℃で2時間、圧力150Kg/cm、大気中でホットプレスして酸化ジルコニウムを主成分とする焼結体を作製した。次に実施例1で用いたものと同じ酸化マグネシウム原料を用意し、焼結助剤としてCaOとYをそれぞれ1重量%ずつ加えて実施例1と同様にボールミルで粉砕混合し、その後パラフィンワックスを加えた粉末を一軸プレス成形後脱脂し、1600℃で6時間大気中で常圧焼成して酸化マグネシウムを主成分とする焼結体を作製した。次に実施例1で用いたものと同じアルミン酸マグネシウム原料を用意し、酸化マグネシウムの場合と同様に焼結助剤としてCaOとYをそれぞれ0.1重量%ずつ加えてボールミルで粉砕混合し、その後パラフィンワックスを加えて成形用粉末を作製し、一軸プレス成形後脱脂し、1650℃で8時間水素気流中で常圧焼成してアルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体を作製した。次に実施例30で用いたものと同じY粉末、Dy粉末、Ho粉末を用意し、主成分ととして上記Y粉末だけを用いてボールミルで粉砕後パラフィンワックスを加えて成形用粉末を作製し、一軸プレス成形後脱脂し、1600℃で3時間大気中で常圧焼成して酸化イットリウムを主成分とする焼結体を作製した。また別に上記Y粉末99.5重量%に焼結助剤としてDy及びHo粉末それぞれ0.25重量%ずつ加えてボールミルで粉砕混合し、その後パラフィンワックスを加えて成形用粉末を作製し、一軸プレス成形後脱脂し、2100℃で3時間水素気流中で常圧焼成して酸化イットリウムを主成分とする焼結体を作製した。
次に実施例1及び本実施例で作製した各焼結体を研削加工後粒径0.05μmのコロイド状酸化アルミニウムからなる研磨剤を用いて鏡面研磨しアセトン及びイソプロピルアルコールで洗浄して直径25.4mm厚み0.5mmの円盤状基板を作製した。
このようにして作製した基板について波長605nmの光に対する光透過性を測定したがすべての基板は光透過性を有することが確認された。その後これらの基板に実施例27と同様の方法で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をあらかじめ厚み3μm形成し、さらにその上に厚み3μmで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の形成を試みた。その結果明らかに本実施例で作製した酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体からなる基板には単結晶薄膜が形成できることが確認された。
これらの結果を表49に示した。
酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムを主成分とする焼結体からなる基板も平均表面粗さRaが10nm以下のものが作製し得ることが確認された。また、本実施例で作製した酸化ジルコニウム、酸化マグネシウムを主成分とする焼結体からなる基板は平均表面粗さRaが5nm以下のものが作製し得ることが確認された。また光透過率も20%以上、酸化ジルコニウムを主成分とする焼結体からなる基板で最高59%、酸化マグネシウム主成分とする焼結体からなる基板で最高83%、アルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体からなる基板では最高79%、酸化イットリウムを主成分とする焼結体からなる基板で最高82%のものが作製し得ることが確認された。
また、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、及び酸化イットリウムを主成分とする焼結体からなる基板に対して窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜は無定形、多結晶、配向性多結晶の各結晶状態であれば直接形成し得ることが確認された。上記窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜あらかじめ形成しその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成すれば該薄膜は単結晶状態のものが形成でき該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はすべて200秒以下の結晶性のものが形成できることが確認された。また平均表面粗さ5nm以下の基板では該単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅はすべて150秒以下の結晶性のものが形成できることが確認された。
本実施例において表49に記載した構成の薄膜すべての外観を調べたがあらかじめ基板に形成した薄膜及びその上にさらに形成した薄膜いずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も各酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、及び酸化イットリウムを主成分とする焼結体からなる基板との間及び薄膜同志の間で剥離は見られなかった。また、基板表面の薄膜にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、及び酸化イットリウムを主成分とする焼結体からなる基板と該基板にあらかじめ形成した薄膜、及び該薄膜とさらにその上に形成した単結晶薄膜とは強固に接合していることが確認された。
Figure 2005179167
本実施例は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を基板として用いて発光素子を作製しその発光効率を調べた例を示す。
まず、基板として本発明で作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いそれぞれ組成(窒化アルミニウム成分含有量)、光透過率の異なるものを用意した。また導通ビアを有するものも用意した。用意した基板の形状は直径25.4mm厚み0.5mmの円盤状であり実施例8と同様酸化クロムを主成分とする研磨剤を用いる方法により鏡面研磨及びその後の洗浄が施してある。その平均表面粗さはRa19nm〜33nmの範囲にある。用意した基板に1層目の薄膜として適宜実施例25の実験No.706、707、708、709及び730に示したものと同様のスパッタリング法あるいはMOCVD法により窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムのうちから選ばれたいずれかを主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を厚み3μm形成した。その後適宜これら薄膜を形成した基板の上からさらに2層目として実施例1で示したものと同じ方法で窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムのうちから選ばれたいずれかを主成分とする単結晶薄膜を厚み3μm形成した。なお、上記薄膜を形成せず窒化アルミニウムを主成分とする焼結体をそのまま基板として用いたもの、あるいは2層目の単結晶薄膜を形成していない薄膜1層だけのものもある。また、用意した別の基板に対して実施例18及び実施例20に示したものと同様のスパッタリング法により適宜Cr、Mo、W、W/Cu合金、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Ti、Ni各薄膜導電性材料を厚み0.5μm形成し、さらに該薄膜導電性材料の上に適宜窒化ガリウム、あるいは窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜を1層目の薄膜として実施例25の実験No.708及び730に示したものと同様のスパッタリング法あるいはMOCVD法で厚み3μm形成した。その上にさらに2層目として実施例1で示したものと同じMOCVD法で適宜窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を厚み3μm形成した。これらの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の上に適宜窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムのうちから選ばれたいずれかを主成分とする薄膜及び/又はCr、Mo、W、W/Cu合金、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Ti、Ni各薄膜導電性材料が形成された基板を用いて発光素子の作製を試みた。比較のために市販されている基板表面がC面の(すなわちC軸が基板面に対して垂直な)直径25.4mm、厚み0.5mm、平均表面粗さRa1.2nmの京セラ株式会社製サファイア基板も用意しその上に発光素子の作製を試みた。該サファイア基板はそのままの表面状態のものと、窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を本実施例による方法で表面に1層及び2層形成したものとを用意し発光素子の作製を行った。
発光素子作製に用いる上記各基板の特性を表50に示した。表50には本実施例で用いた基板の由来(作製した実験No.)も示されている。表50における各基板の光透過率は波長605nmの光に対するものである。
次に用意した上記各基板を実施例1で用いたものと同じMOCVD装置の反応容器内に入れHを流しながら950℃〜1050℃で予備加熱を行った。その後上記各基板にバッファ層としてトリメチルガリウムをガリウム原料とし、Hをキャリアガスとし、反応ガスにNHを用いて上記実施例1で用いたものと同じ装置のMOCVD法により基板温度520℃でGaN膜を厚み500Å形成した。形成したバッファ層の上にトリメチルガリウムを主原料としさらにSiHガスをドーピング成分用原料として用い基板温度を1000℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法によりコンタクト層及び単一量子井戸の障壁層となるSiドーピングのエピタキシャル成長GaN薄膜を厚み5μm形成した。その上にトリメチルガリウム及びトリメチルインジウムを主原料としドーピング成分を用いず基板温度を800℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法により発光層である単一量子井戸の井戸層となるアンドープのエピタキシャル成長InGaNの2成分混合組成薄膜を厚み30Å形成した。なお発光層となるInGaN薄膜の組成はIn0.06Ga0.94N、In0.20Ga0.80N、In0.45Ga0.55Nの3種類のものを作製した。その上にトリメチルガリウム及びトリメチルアルミニウムを主原料としさらにビス−シクロペンタジエニルマグネシウム(MgCp)をドーピング成分用原料に用い基板温度を1050℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法により単一量子井戸の障壁層となるMgドーピングのエピタキシャル成長Al0.20Ga0.80N組成の薄膜を厚み0.15μm形成した。その上にトリメチルガリウムを主原料としさらにビス−シクロペンタジエニルマグネシウム(MgCp)をドーピング成分用原料に用い基板温度を1000℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法によりコンタクト層となるMgドーピングのエピタキシャル成長GaN薄膜を厚み0.5μm形成した。その後薄膜が形成された基板を反応容器から取り出しN中700℃で加熱を行った。次に、このようにして作製したMgドープP型GaN薄膜層の上に所定の形状のマスクを形成し、上記SiドーピングのGaN薄膜層が露出するまでエッチングを行って該SiドーピングのGaN薄膜層にTi/Alの金属薄膜2層で電極を作製した。また最上層に形成されているMgドーピングGaN薄膜層にはNi/Auの金属薄膜2層で電極を作製した。その後薄膜が形成された基板を外形1mm×1mmの大きさのチップに切断して単一量子井戸構造の発光ダイオード(LED)を作製した。作製した発光ダイオードのうち薄膜層を形成していない基板を用いたものは図42に例示するような構成のものである。また、薄膜層を1層だけ形成した基板を用いたものは図43に例示するような構成のものである。また、薄膜層を2層形成した基板を用いたものは図44に例示するような構成のものである。また、薄膜導電性材料を形成しさらに薄膜層を2層形成した基板を用いたものは図53に例示するような構成のものである。また、電極は図45に例示するような配置で形成してある。なお、導通ビアを有する基板を用いたものは上記のようなエッチングによる電極形成を行わず、SiドーピングのGaN薄膜層ではなく図47〜図49、及び図54〜図56に示すように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体にTi/Pt/Auの金属薄膜3層で電極を形成し発光素子の上下に電極を配置した形態の単一量子井戸構造の発光素子を作製した。上下に電極を配置した形態の発光素子チップの大きさも外形1mm×1mmである。サファイア基板を用いて作製した発光ダイオードは図40に示すような構成であり、電極は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製した発光ダイオードと同様図45に例示するような配置で形成してある。
次に作製した発光ダイオードのうち発光層となるInGaN薄膜の組成がIn0.20Ga0.80Nのものを用いて直流電位を印加し発光を試みた。その結果作製したいずれの発光ダイオードも電圧3.5ボルト〜3.8ボルトを印加することで中心波長450nmの発光が得られた。次に上記発光層を有するすべての単一量子井戸構造の発光ダイオードについて該ダイオードを駆動させるために入力される動作電流とそのとき発光素子から放出される発光出力とを測定し発光効率を算定した。その結果を表50の実験No.1421〜実験No.1459に示した。表50の実験No.1457〜1459はサファイア基板を用いて作製した発光ダイオードの結果である。なお、表50の動作電流は動作電圧3.6ボルトで発光ダイオードを駆動させたときのものである。その結果、サファイア基板を用いて作製した単一量子井戸構造の発光ダイオードの場合発光効率は該サファイア基板の表面に窒化ガリウム、窒化アルミニウム薄膜を形成していないもので6.7%、窒化ガリウム、窒化アルミニウム薄膜を1層及び2層形成したものであっても6.9%〜7.4%の範囲で薄膜の有無によらず小さかったが、本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製した発光ダイオードはすべて発光効率10%以上であった。表50に示すようにサファイア基板の光透過率は90%以上であり非常に高い。それに対して窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板は光透過率を有しないかあるいは光透過率が10%以下のものであっても該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される発光素子の発光効率は10%以上でありサファイア基板を用いて作製される発光素子よりも大きい。
また、本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化アルミニウム薄膜を形成せずそのまま用いて作製した発光ダイオードでも発光効率10%以上であった。さらに窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを少なくとも1層以上形成した基板を用いることで作製した発光ダイオードの発光効率は向上した。また薄膜1層だけ形成した基板より窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とし無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜を形成し、その上にさらに窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜を形成した薄膜2層構成の基板を用いることで、該基板に形成される発光素子の発光効率はさらに向上することが確認された。
さらに、窒化アルミニウム成分を20体積%以上含有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とし無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜を形成し、その上にさらに窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜を形成した薄膜2層構成の基板を用いることで、その上に作製される発光素子の発光効率は12%以上のものが得られることが確認された。また、窒化アルミニウム成分を50体積%以上含有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とし無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜を形成した基板を用いることで、その上に作製される発光素子の発光効率は12%以上のものが得られることが確認された。また、窒化アルミニウム成分を50体積%以上含有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とし配向性多結晶状態の薄膜を形成した基板を用いることで、その上に作製される発光素子の発光効率は15%以上のものが得られることが確認された。
また、窒化アルミニウム成分を50体積%以上含有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とし無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜を形成し、その上にさらに窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜を形成した薄膜2層構成の基板を用いることで、その上に作製される発光素子の発光効率は15%以上のものが得られることが確認された。
本実施例において、本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の光透過率が1%より小さいか実質的に光透過性を有しないもの、あるいは光透過率が1%以上の基板を用いても発光効率10%以上の発光素子を作製できた。また、上記基板の光透過率が大きいものほど該基板の上に作製される発光素子の発光効率は向上することが確認された。すなわち、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が10%以上のものを基板として用いたときその上に作製される発光素子の発光効率は12%以上のものが得られることが確認された。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率20%以上のものを基板として用いたときその上に作製される発光素子の発光効率は15%以上のものが得られることが確認された。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率30%以上のものを基板として用いたときその上に作製される発光素子の発光効率は20%以上のものが得られることが確認された。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率40%以上のものを基板として用いたときその上に作製される発光素子の発光効率は25%以上のものが得られることが確認された。また、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率50%以上のものを基板として用いたときその上に作製される発光素子の発光効率は30%以上のものが得られることが確認された。光透過率60%以上の光透過性を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体ものを基板として用いたときその上に作製される発光素子の発光効率は40%以上のものが得られることが確認された。また、本実施例において光透過率88%の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いたときその上には本実施例における最大の発光効率62%を有する発光素子が作製された。
薄膜導電性材料を形成した本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製した発光ダイオードもすべて発光効率10%以上であった。薄膜導電性材料を形成した基板を用いて作製した発光ダイオードは基板側からの発光はほとんど見られずその反対側のP型GaN薄膜層及び発光層側面のほうからの発光が観察された。また、薄膜導電性材料を形成した基板を用いて作製した発光ダイオードの発光効率は同じ基板で該薄膜導電性材料を形成していない基板を用いて作製した発光ダイオードの発光効率よりも低下することはなかった。
また、導通ビアを有する基板を用いて作製した上下に電極を配した形態の発光ダイオードであっても発光効率が特に低下するような傾向は見られず、発光ダイオードとして十分使用できることが確認された。
なお、表50には記載していないが発光層となるInGaN薄膜の組成をIn0.06Ga0.94N、及びIn0.45Ga0.55Nとして作製した単一量子井戸構造の発光ダイオードの場合、中心発光波長がそれぞれ390nm、及び520nmと変化したが、発光層の組成がIn0.20Ga0.80Nのものと同様本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製した発光ダイオードの場合すべてのものが発光効率10%以上であったのに対して、サファイア基板(窒化ガリウム、窒化アルミニウム薄膜を形成していない)を用いて作製された発光ダイオードがそれぞれ6.6%、6.1%であったのに比べて発光効率が高かった。
次に用意した上記のセラミック材料を主成分とする基板及び比較のために用意したサファイア基板を用い、別途ダブルへテロ構造の発光素子の作製を行った。すなわち、用意した上記基板を実施例1で用いたものと同じMOCVD装置の反応容器内に入れHを流しながら950℃〜1050℃で予備加熱を行った。その後上記各基板にバッファ層としてトリメチルガリウムをガリウム原料とし、Hをキャリアガスとし、反応ガスにNHを用いて上記実施例1で用いたものと同じ装置のMOCVD法により基板温度500℃でGaN膜を厚み500Å形成した。形成したバッファ層の上にトリメチルガリウムを主原料としさらにSiHガスをドーピング成分用原料として用い基板温度を1050℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法によりコンタクト層となるSiドーピングのエピタキシャル成長GaN薄膜を厚み4μm形成した。その上にトリメチルガリウム及びトリメチルアルミニウムを主原料としさらにSiHガスをドーピング成分用原料として用い基板温度を1050℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法によりクラッド層となるSiドーピングのエピタキシャル成長Al0.15Ga0.85N組成の薄膜を厚み0.15μm形成した。その上にトリメチルガリウム及びトリメチルインジウムを主原料としさらにSiHガス及びジエチル亜鉛をドーピング成分用原料として用い基板温度を800℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法により発光層となるエピタキシャル成長In0.06Ga0.94N組成の薄膜を厚み500Å形成した。その上にトリメチルガリウム及びトリメチルアルミニウムを主原料としさらにビス−シクロペンタジエニルマグネシウム(MgCp)をドーピング成分用原料として用い基板温度を1050℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法によりクラッド層となるMgドーピングのエピタキシャル成長Al0.15Ga0.85N組成の薄膜を厚み0.15μm形成した。その上にトリメチルガリウムを主原料としさらにビス−シクロペンタジエニルマグネシウム(MgCp)をドーピング成分用原料として用い基板温度を1050℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法によりコンタクト層となるMgドーピングのエピタキシャル成長GaN薄膜を厚み0.5μm形成した。その後薄膜が形成された基板を反応容器から取り出しN中700℃で加熱を行った。次に、このようにして作製したMgドープP型GaN薄膜層の上に所定の形状のマスクを形成し、上記SiドーピングのGaN薄膜層が露出するまでエッチングを行って該SiドーピングのGaN薄膜層にTi/Alの金属薄膜2層で電極を作製した。また最上層に形成されているMgドーピングGaN薄膜層にはNi/Auの金属薄膜2層で電極を作製した。その後薄膜が形成された基板を1mm×1mmの大きさのチップに切断してダブルへテロ構造の発光ダイオード(LED)を作製した。作製した発光ダイオードのうち薄膜層を2層形成した基板を用いたものは図57に例示するような構成のものである。また、薄膜層を形成していない基板を用いたものは図57の薄膜素5及び薄膜層8が形成されていないような構成のものである。また、薄膜導電性材料を形成しさらに薄膜層を2層形成した基板を用いたものは図57の基板4と薄膜層5との間に薄膜導電性材料を形成したような構成のものである。また、電極は図45に例示するような配置で形成してある。なお、導通ビアを有する基板を用いたものは上記のようなエッチングによる電極形成を行わず、SiドーピングのGaN薄膜層ではなく図47〜図49、及び図54〜図56に示すように窒化アルミニウムを主成分とする焼結体にTi/Pt/Auの金属薄膜3層で電極を形成し発光素子の上下に電極を配置した形態のダブルへテロ構造の発光素子を作製した。サファイア基板を用いて作製した発光ダイオードは図41に示すような構成であり、電極は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製した発光ダイオードと同様図45に例示するような配置で形成してある。
次に作製した発光ダイオードに直流電位を印加して発光を試みた。作製したいずれの発光ダイオードも電圧3.5ボルト〜3.8ボルトを印加することで中心波長450nmの発光が得られた。次に作製したすべての上記ダブルへテロ構造の発光ダイオードについて該ダイオードを駆動させるために入力される動作電流とそのとき発光素子から放出される発光出力とを測定し発光効率を算定した。その結果を表50の実験No.1460〜実験No.1470に示した。表50の実験No.1469及び1470はサファイア基板を用いて作製した発光ダイオードの結果である。なお、表50の動作電流は動作電圧3.6ボルトで発光ダイオードを駆動させたときのものである。その結果、窒化ガリウム、窒化アルミニウム薄膜を形成していないサファイア基板を用いて作製したダブルへテロ構造の発光ダイオードの場合発光効率は5.4%であり、窒化ガリウム薄膜を形成したサファイア基板を用いて作製したダブルへテロ構造の発光ダイオードの場合発光効率は5.9%であったが、本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製したダブルへテロ構造の発光ダイオードはすべて発光効率10%以上であった。その他、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の組成(窒化アルミニウム成分の含有量)、基板の上に形成される薄膜構成、基板の光透過率などは発光素子の発光効率に対して上記単一量子井戸構造のった。表50に示すようにサファイア基板の光透過率は90%以上であり非常に高い。それに対して窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板は光透過率を有しないかあるいは光透過率が10%以下のものであっても該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される発光素子の発光効率は10%以上でありサファイア基板を用いて作製される発光素子よりも大きい。
また、本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化アルミニウム薄膜を形成せずそのまま用いて作製した発光ダイオードでも発光効率10%以上であった。さらに窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを少なくとも1層以上形成した基板を用いることで作製した発光ダイオードの発光効率は向上した。また薄膜1層だけ形成した基板より窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とし無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜を形成し、その上にさらに窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜を形成した薄膜2層構成の基板を用いることで、該基板に形成される発光素子の発光効率はさらに向上することが確認された。
次に、基板として実施例2の実験No.49で作製した窒化アルミニウムを主成分とする基板を用い、実施例25と同様のスパッタリング法を用いて厚み3μmの100モル%AlN配向性多結晶薄膜をまず形成した。その後スパッタリングチャンバーから基板を取り出し実施例1と同様のMOCVD法により厚み25μmの基板面に対してC軸が垂直な方向の100モル%AlN単結晶薄膜を形成した。該AlN単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅は84秒であった。形成したAlN単結晶薄膜を粒径0.1μmの酸化クロムを主成分とする研磨剤及び粒径0.02μmのコロイド状SiOを主成分とする研磨剤で鏡面研磨しアセトン及びイソプロピルアルコールで超音波洗浄して平均表面粗さRa1.2nmの薄膜基板を作製した。なお、研磨後表面のAlN単結晶薄膜は9μmの厚みで残っていた。この薄膜基板を発光素子作製用基板として用い、さらに比較のために上記のサファイア基板を用い、レーザーダイオードの作製を行った。なお、用いたサファイア基板にはバッファ層の上にELO法を行うためのSiO膜などは施さずサファイアそのままの状態で使用した。このようにして用意した上記2種類の基板を実施例1で用いたものと同じMOCVD装置の反応容器内に入れHを流しながら1000℃で予備加熱を行った。その後上記各基板にバッファ層としてトリメチルガリウムをガリウム原料とし、Hをキャリアガスとし、反応ガスにNHを用いて上記実施例1で用いたものと同じ装置のMOCVD法により基板温度500℃でGaN膜を厚み500Å形成した。形成したバッファ層の上にトリメチルガリウムを主原料としさらにSiHガスをドーピング成分用原料として用い基板温度を1050℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法によりコンタクト層となるSiドーピングのエピタキシャル成長GaN薄膜を厚み6μm形成した。その上にトリメチルガリウム及びトリメチルアルミニウムを主原料としさらにSiHガスをドーピング成分用原料として用い基板温度を1050℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法により第2のクラッド層となるSiドーピングのエピタキシャル成長Al0.15Ga0.85N組成の薄膜を厚み0.1μm形成した。その上にトリメチルガリウム及びトリメチルアルミニウムを主原料としさらにSiHガスをドーピング成分用原料として用い基板温度を1050℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法によりそれぞれSiドーピングのエピタキシャル成長したAl0.15Ga0.85N薄膜及びGaN薄膜をそれぞれ厚み20Åで交互に150層積層してスーパーラティス層を形成した。その上にトリメチルガリウムを主原料としさらにSiHガスをドーピング成分用原料として用い基板温度を1000℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法により第1のクラッド層となるSiドーピングのエピタキシャル成長したGaN薄膜を厚み0.1μm形成した。その上にトリメチルガリウム及びトリメチルインジウムを主原料としさらにSiHガスをドーピング成分用原料として用い基板温度を800℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法により発光層となるエピタキシャル成長したIn0.15Ga0.85N(Siドープ)/In0.02Ga0.98N(Siドープ)の多重量子井戸を形成した。この多重量子井戸の構成は井戸層となるIn0.15Ga0.85N薄膜を厚み30Åで6層、障壁層となるIn0.02Ga0.98N薄膜を厚み85Åで5層それぞれを交互に積み重ねて形成されたものである。その上にトリメチルガリウムを主原料としさらにビス−シクロペンタジエニルマグネシウム(MgCp)をドーピング成分用原料として用い基板温度を1000℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法により第1のクラッド層となるMgドーピングのエピタキシャル成長GaN薄膜を厚み0.1μm形成した。その上にトリメチルガリウム及びトリメチルアルミニウムを主原料としさらにビス−シクロペンタジエニルマグネシウム(MgCp)をドーピング成分用原料として用い基板温度を1050℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法によりそれぞれMgドーピングのエピタキシャル成長したAl0.15Ga0.85N薄膜及びGaN薄膜をそれぞれ厚み20Åで交互に150層積層してスーパーラティス層を形成した。その上にトリメチルガリウム及びトリメチルアルミニウムを主原料としさらにビス−シクロペンタジエニルマグネシウム(MgCp)をドーピング成分用原料として用い基板温度を1050℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法により第2のクラッド層となるMgドーピングのエピタキシャル成長Al0.15Ga0.85N組成の薄膜を厚み0.05μm形成した。その上にトリメチルガリウムを主原料としさらにビス−シクロペンタジエニルマグネシウム(MgCp)をドーピング成分用原料として用い基板温度を1000℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法によりコンタクト層となるMgドーピングのエピタキシャル成長GaN薄膜を厚み0.2μm形成した。その後薄膜が形成された基板を反応容器から取り出しN中700℃で加熱を行った。次に、熱処理装置から取り出した後、最上層のMgドープP型GaN薄膜層に図46で示したような帯状の電極が形成できるような形状のマスクを形成し、上記SiドーピングのGaN薄膜層が露出するまでエッチングを行い、その後該SiドーピングのGaN薄膜層にTi/Alの金属薄膜2層で図46に示すような帯状の電極を作製した。また最上層に形成されているMgドーピングGaN薄膜層にはNi/Auの金属薄膜2層で図46に示すような幅10μmの帯状の電極を作製した。電極形成後、基板を0.45mm×0.45mmの大きさのチップに切断し、帯状電極の長手方向に垂直な切断両端面を鏡面研磨してミラーを形成しレーザーダイオードを作製した。次に作製したレーザーダイオードに直流電位を印加して発光を試みた。その結果従来からのサファイアを基板として用いて作製したものは動作電圧4.7ボルト、動作電流70mAで波長402nm出力8mWのレーザー光の発振が確認された。このように従来からのサファイアを基板として用いて作製したレーザーダイオードの発光効率は2.4%であった。それに対して本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板の表面にAlN単結晶薄膜が形成された薄膜基板を用いて作製したレーザーダイオードの場合、動作電圧4.3ボルト、動作電流70mAで波長402nm出力49mWのレーザー光の発振が確認された。このように本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる薄膜基板を用いて作製したレーザーダイオードの発光効率は16.3%であった。
またサファイア基板に上記と同じようにバッファ層としてGaN膜を厚み500Å形成し、その上に幅10μmの帯状SiO薄膜を10μmの間隔で形成したものを基板として用意しELO法によるレーザーダイオードの作製を試みた。該SiO薄膜の厚み0.1μmである。このようにあらかじめ帯状SiO薄膜を等間隔に形成したサファイア基板を用いて上記と同じ方法でまずコンタクト層となるSiドープのGaN薄膜を6μm形成しその後も上記と同じ方法でレーザーダイオードを作製し発光を試みた。なお、作製したレーザーダイオードのP型GaN薄膜層に形成した電極は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムエピタキシャル薄膜中に転位やひずみの少ないと思われる帯状SiO薄膜の隙間部分に相当する位置に形成した。その結果該レーザーダイオードでは動作電圧4.4ボルト、動作電流70mAで波長402nmのレーザー光出力22mWが観測された。発光効率は7.1%である。このように従来からのサファイア基板を用いた場合、ELO法を用いて作製されたレーザーダイオードであっても発光効率は比較的小さかった。
Figure 2005179167
本実施例は炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムそれぞれを主成分とする焼結体を基板として用いて発光素子の作製を試みその発光効率を調べた例を示す。
まず、基板として本発明で作製した炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムを主成分とする各焼結体を用いそれぞれ組成(各セラミック主成分の含有量)、光透過率の異なるものを用意した。用意した基板の形状は直径25.4mm厚み0.5mmの円盤状であり鏡面研磨及びその後の洗浄が施してある。各基板の平均表面粗さRaはそれぞれの由来、すなわち実施例1、実施例8、実施例30、実施例31、実施例32、実施例33で示されたものと同様である(実施例1で作製した酸化ジルコニウムを主成分とする焼結体からなる基板のRaが36nm、酸化マグネシウムを主成分とする焼結体からなる基板がRa60nm、アルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体からなる基板がRa63nmであり、残りのすべての基板はそれ以下の平均表面粗さである)。用意した基板に1層目の薄膜として適宜実施例25の実験No.706、707、708、709及び730に示したものと同様のスパッタリング法あるいはMOCVD法により窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムのうちから選ばれたいずれかを主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を厚み3μm形成した。その後適宜これら薄膜を形成した基板の上からさらに2層目として実施例1で示したものと同じ方法で窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムのうちから選ばれたいずれかを主成分とする単結晶薄膜を厚み3μm形成した。なお、上記薄膜を形成せず焼結体をそのまま基板として用いたもの、あるいは2層目の単結晶薄膜を形成していない薄膜1層だけのものもある。
発光素子作製に用いる上記各基板の特性を表51に示した。表51には本実施例で用いた基板の由来(作製した実験No.)も示されている。各基板の平均表面粗さRaはそれぞれの由来すなわち実施例1、実施例8、実施例30、実施例31、実施例32、実施例33で示されたものと同様である(実施例1で作製した酸化ジルコニウムを主成分とする焼結体からなる基板のRaが36nm、酸化マグネシウムを主成分とする焼結体からなる基板がRa60nm、アルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体からなる基板がRa63nmであり、残りのすべての基板はそれ以下の平均表面粗さである)。表51における各基板の光透過率は波長605nmの光に対するものである。
以下、本実施例で用意した各基板を用いて実施例34と同様にして単一量子井戸構造の発光素子の作製を試みた。
すなわち、まず用意した上記各基板を実施例1で用いたものと同じMOCVD装置の反応容器内に入れHを流しながら950℃〜1050℃で予備加熱を行った。その後上記各基板にバッファ層としてトリメチルガリウムをガリウム原料とし、Hをキャリアガスとし、反応ガスにNHを用いて上記実施例1で用いたものと同じ装置のMOCVD法により基板温度520℃でGaN膜を厚み500Å形成した。形成したバッファ層の上にトリメチルガリウムを主原料としさらにSiHガスをドーピング成分用原料として用い基板温度を1000℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法によりコンタクト層及び単一量子井戸の障壁層となるSiドーピングのエピタキシャル成長GaN薄膜を厚み5μm形成した。その上にトリメチルガリウム及びトリメチルインジウムを主原料としドーピング成分を用いず基板温度を800℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法により発光層である単一量子井戸の井戸層となるアンドープのエピタキシャル成長InGaNの2成分混合組成薄膜を厚み30Å形成した。なお発光層となるInGaN薄膜の組成はIn0.06Ga0.94N、In0.20Ga0.80N、In0.45Ga0.55Nの3種類のものを作製した。その上にトリメチルガリウム及びトリメチルアルミニウムを主原料としさらにビス−シクロペンタジエニルマグネシウム(MgCp)をドーピング成分用原料に用い基板温度を1050℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法により単一量子井戸の障壁層となるMgドーピングのエピタキシャル成長Al0.20Ga0.80N組成の薄膜を厚み0.15μm形成した。その上にトリメチルガリウムを主原料としさらにビス−シクロペンタジエニルマグネシウム(MgCp)をドーピング成分用原料に用い基板温度を1000℃とした以外は上記と同じ条件のMOCVD法によりコンタクト層となるMgドーピングのエピタキシャル成長GaN薄膜を厚み0.5μm形成した。その後薄膜が形成された基板を反応容器から取り出しN中700℃で加熱を行った。次に、このようにして作製したMgドープP型GaN薄膜層の上に所定の形状のマスクを形成し、上記SiドーピングのGaN薄膜層が露出するまでエッチングを行って該SiドーピングのGaN薄膜層にTi/Alの金属2層で電極を作製した。また最上層に形成されているMgドーピングGaN薄膜層にはNi/Auの金属2層で電極を作製した。その後薄膜が形成された基板を外形1mm×1mmの大きさのチップに切断して単一量子井戸構造の発光ダイオードを作製した。作製した発光ダイオードのうち薄膜層を形成していない基板を用いたものは図42に例示するような構成のものである。また、薄膜層を1層だけ形成した基板を用いたものは図43に例示するような構成のものである。また、薄膜層を2層形成した基板を用いたものは図44に例示するような構成のものである。また電極は図45に例示するような配置で形成してあり、実施例34において窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製した発光ダイオードと同様のものである。なお、実験No.1493及び実験No.1495で作製した発光素子は基板として導電性を有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体を用い、基板にあらかじめ形成される薄膜もSiドーピングの導電性を有するGaN薄膜を用いた。実験No.1493及び実験No.1495において作製した発光ダイオードの構成は図50に示すようなものであり、上記のようなエッチングによる電極形成を行わず電極は各酸化亜鉛を主成分とする焼結体にTi/Pt/Auの金属薄膜3層で直接形成することで発光素子の上下に電極を配置した形態の単一量子井戸構造の発光ダイオードである。この上下に電極を配置した形態の発光ダイオードチップの大きさも外形1mm×1mmである。
次に作製した発光ダイオードのうち発光層となるInGaN薄膜の組成がIn0.20Ga0.80Nのものを用いて直流電位を印加し発光を試みた。その結果作製したいずれの発光ダイオードも電圧3.5ボルト〜3.8ボルトを印加することで中心波長450nmの発光が得られた。次に上記発光層を有するすべての単一量子井戸構造の発光ダイオードについて該ダイオードを駆動させるために入力される動作電流とそのとき発光素子から放出される発光出力とを測定し発光効率を算定した。その結果を表51に示した。なお、表51の動作電流は動作電圧3.6ボルトで発光ダイオードを駆動させたときのものである。その結果、サファイア基板を用いて作製した単一量子井戸構造の発光ダイオードの場合発光効率は実施例34で示すように6.7%〜7.4%の範囲であったが、本発明による炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムそれぞれを主成分とする各焼結体からなる基板を用いて作製した発光ダイオードはすべて発光効率8%以上でありサファイア基板を用いて作製されたものより高かった。実施例34の表50に示すようにサファイア基板の光透過率は90%以上であり非常に高い。それに対して炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムそれぞれを主成分とする各焼結体からなる基板は光透過率を有しないかあるいは光透過率が10%以下のものであっても該炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウムそれぞれを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製される発光ダイオードの発光効率は8%以上でありサファイア基板を用いて作製されるものよりよりも大きかった。
また、本発明による酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウム、窒化アルミニウム薄膜を形成せずそのまま用いて作製した発光ダイオードでも発光効率8%以上であった。さらに窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを少なくとも1層以上形成した基板を用いることで作製した発光ダイオードの発光効率は向上した。また、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムそれぞれを主成分とする焼結体からなる基板に薄膜1層だけ形成した基板より、上記同じ炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウムそれぞれを主成分とする焼結体からなる基板にあらかじめ窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とし無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜を形成し、その上にさらに窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜を形成した薄膜2層構成の基板を用いることで、該基板に形成される発光素子の発光効率はより向上することが確認された。
本実施例において、発光ダイオード作製に用いた酸化亜鉛を主成分とする焼結体中の酸化亜鉛成分の含有量は55.0モル%以上であり、該焼結体からなる基板を用いて作製された発光ダイオードの発光効率は8%以上であることが確認された。また、発光ダイオード作製に用いた酸化ベリリウムを主成分とする焼結体中の酸化ベリリウム成分の含有量は65.0モル%以上であり、該焼結体からなる基板を用いて作製された発光ダイオードの発光効率は8%以上であることが確認された。また、発光ダイオード作製に用いた酸化アルミニウムを主成分とする焼結体中の酸化アルミニウム成分の含有量は55.0モル%以上であり、該焼結体からなる基板を用いて作製された発光ダイオードの発光効率は8%以上であることが確認された。
本実施例において、本発明による炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムそれぞれを主成分とする焼結体からなる基板の光透過率が1%より小さいか実質的に光透過性を有しないもの、あるいは光透過率が1%以上のものを基板として用いても発光効率8%以上の発光素子を作製できた。また、上記基板の光透過率が大きいものほど該基板の上に作製される発光素子の発光効率は向上することが確認された。すなわち、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムを主成分とする各焼結体において光透過率が10%以上のものを基板として用いたときその上に作製される発光素子の発光効率は10%以上のものが得られることが確認された。また、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムを主成分とする各焼結体において光透過率20%以上のものを基板として用いたときその上に作製される発光素子の発光効率は12%以上のものが得られることが確認された。また、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムを主成分とする各焼結体において光透過率30%以上のものを基板として用いたときその上に作製される発光素子の発光効率は15%以上のものが得られることが確認された。また、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムを主成分とする各焼結体において光透過率40%以上のものを基板として用いたときその上に作製される発光素子の発光効率は20%以上のものが得られることが確認された。また、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムを主成分とする各焼結体において光透過率50%以上のものを基板として用いたときその上に作製される発光素子の発光効率は25%以上のものが得られることが確認された。光透過率が60%以上の光透過性を有する炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムを主成分とする各焼結体を基板として用いたときその上に作製される発光素子の発光効率は30%以上のものが得られることが確認された。また、本実施例において光透過率84%の酸化亜鉛を主成分とする焼結体からなる基板を用いたときその上には本実施例における最大の発光効率55%を有する発光素子が作製された。また、本実施例において光透過率81%の酸化ベリリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いたときその上には発光効率52%を有する発光素子が作製された。また、本実施例において光透過率82%の酸化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いたときその上には発光効率51%を有する発光素子が作製された。また、本実施例において光透過率59%の酸化ジルコニウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いたときその上には発光効率27%を有する発光素子が作製された。また、本実施例において光透過率83%の酸化マグネシウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いたときその上には発光効率51%を有する発光素子が作製された。また、本実施例において光透過率81%のアルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いたときその上には発光効率50%を有する発光素子が作製された。また、本実施例において光透過率83%の酸化イットリウムを主成分とする焼結体からなる基板を用いたときその上には発光効率51%を有する発光素子が作製された。
また、導電性を有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体を用いて作製した上下に電極を配した形態の発光ダイオードであっても発光効率が特に低下するような傾向は見られず、発光ダイオードとして十分使用できることが確認された。
なお、別に本発明による炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウムを主成分とする各焼結体からなる基板を用いて発光層となるInGaN膜の組成だけをIn0.20Ga0.80NからIn0.06Ga0.94N、及びIn0.45Ga0.55Nに代えて単一量子井戸構造の発光ダイオードを作製したが、中心発光波長がそれぞれ390nm、及び520nmと変化した以外本実施例の最初に作製した発光層の組成がIn0.20Ga0.80Nの発光ダイオードと同様すべてのものが発光効率8%以上であった。
また用意した上記の炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムを主成分とする各焼結体を基板として用い、別途実施例34と同様のダブルへテロ構造の発光ダイオードの作製を行った。該発光ダイオードの作製に際しては表51に示すすべての基板を用いた。発光ダイオード作製に用いた基板としては、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムを主成分とする各焼結体に、表51に示すような薄膜を形成した薄膜基板としたものである。その結果、作製したすべてのダブルへテロ構造の発光ダイオードにおいて発光効率は8%以上であり、実施例34においてサファイアを基板として作製したダブルへテロ構造の発光ダイオードの発光効率が5.4%であったのでそれよりも明らかに優れていた。
Figure 2005179167
本実施例は窒化ガリウムを主成分とする焼結体についてその特性を調べた例を示す。
最初に窒化ガリウムの原料粉末を次の方法により用意した。
1)まず高純度化学研究所製の純度4Nの金属ガリウムを用意した。加熱部と反応部を有する石英管製の反応容器の加熱部に該金属ガリウムをアルミナ容器に入れて置き、水素5体積%を含むアルゴンガス気流中1200℃で加熱して金属ガリウムを気化させてアルゴンガス気流で反応部に導き、反応部に窒素ガスを導入して気化した金属ガリウム1100℃で反応させた。その結果温度の低い反応容器の出口付近に灰白色粉末の析出が認められ、X線回折の結果窒化ガリウムであることが確認された。粉末の平均粒径は14μmであった。なお、反応容器は1本の石英管であり加熱部と反応部とは直接つながっており、容器の入り口にはアルゴンガスなどのキャリアガス導入口を設け、容器の反応部には窒素ガス、アンモニアガスなどの反応ガスの導入口が設けてある。容器の加熱部と反応部は外部ヒーターで加熱される。容器のガス出入り口部分には特に加熱用のヒーターは設けず自然冷却されされている。得られた粉末をボールミルで粉砕し平均粒径1.7μmの窒化ガリウム粉末を作製した。また、この窒化ガリウム粉末には酸素が1.1重量%含まれていた。かくして金属の直接窒化法による窒化ガリウム粉末を作製した。
2)つぎに高純度化学研究所製の純度4Nの酸化ガリウム(Ga)粉末と市販のカーボンブラック粉末を用意し、酸化ガリウム粉末300グラムとカーボンブラック粉末90グラムとをボールミルで乾式混合した。この混合粉末をカーボン容器に入れカーボン製の加熱炉にて窒素ガス中1350℃で5時間加熱し反応させた。加熱後混合粉末を取り出しその後大気中500℃で2時間加熱して残留していたカーボンブラックを酸化除去した。残った粉末をX線回折で分析したところ明らかに窒化ガリウムのピークだけであることが確認された。またこの粉末の平均粒径は0.9μmであった。またこの粉末の酸素含有量は0.8重量%であった。かくして酸化物還元法による窒化ガリウム粉末を作製した。
3)次に高純度化学研究所製の純度5Nの三塩化ガリウム(GaCl)を用意した。該三塩化ガリウムを石英容器中に入れて90℃で加熱して溶融し水素20体積%を含む窒素ガスでバブリングして三塩化ガリウム気体を石英管製の反応容器に導き、反応容器にアンモニアガスを導入して気化した三塩化ガリウムと1050℃で反応させた。その結果温度の低い反応容器の出口付近に灰白色粉末の析出が認められ、X線回折の結果窒化ガリウムであることが確認された。粉末の平均粒径は0.4μmであった。またこの粉末の酸素含有量は1.3重量%であった。かくして化学輸送法による窒化ガリウム粉末を作製した。
次に希土類元素成分として信越化学工業株式会社製の純度99.99%以上のY粉末、Er粉末、Yb粉末、Dy粉末、Ho粉末を用意し、アルカリ土類金属成分としてCaCO粉末、珪素成分としてSi粉末、アルミニウム成分としてAlN粉末、遷移金属成分としてMoO粉末を用意し、これらの粉末を本実施例で作製した窒化ガリウム原料粉末に適宜表52に示した量を加えてエタノールを溶媒にしてボールミルで24時間湿式混合後、乾燥してエタノールを揮散させた。これら乾燥後の混合粉末にパラフィンワックスを5重量%加え成形用粉末を作製し、該粉末を圧力500Kg/cmで一軸プレス成形し直径32mm×厚み1.5mmの円盤状成形体を得た。なお、成形用粉末及び成形体として上記各添加成分を加えず本実施例で作製した3種類の窒化ガリウム原料粉末だけをそのまま使用したものについても作製した。これら成形体を300℃で減圧脱脂後窒素雰囲気中1450℃で2時間常圧焼成し窒化ガリウムを主成分とする焼結体を得た。焼成後の焼結体はいずれの原料を用いたものも99%以上の相対密度に緻密化していた。得られたこれらの焼結体表面をコロイド状シリカからなる研磨剤を用いて鏡面研磨した後アセトンで超音波洗浄し基板を作製した。鏡面研磨後の焼結体の平均表面粗さRaは17nm〜24nmの範囲であった。得られた焼結体の室温における抵抗率、波長605nmの光に対する光透過性を測定した。
室温における抵抗率は表52に示すように作製したすべての窒化ガリウムを主成分とする焼結体で1×10Ω・cm以下であった。さらに珪素を含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体が1×10Ω・cm以下の導電性を有することが確認された。また、珪素を元素換算で0.00001モル%〜10.0モル%の範囲含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体では室温における抵抗率が少なくとも1×10Ω・cm以下のものが得られ易い。また、珪素を元素換算で0.00001モル%〜7.0モル%の範囲含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体では室温における抵抗率が少なくとも1×10Ω・cm以下のものが得られた。また、珪素を元素換算で0.00001モル%〜5.0モル%の範囲含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体では室温における抵抗率が少なくとも1×10Ω・cm以下のものが得られた。また、珪素を元素換算で0.00001モル%〜3.0モル%の範囲で含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体では室温における抵抗率が少なくとも1×10−1Ω・cm以下のものが得られた。さらに作製した窒化ガリウムを主成分とする焼結体において最高で室温における抵抗率が1.4×10−3Ω・cmの高い導電性を有するものが得られた。
また、作製した殆どの窒化ガリウムを主成分とする焼結体で光透過性を有するものが得られた。その中で添加物を含まず金属元素として実質的にガリウム成分だけからなる窒化ガリウムを主成分とする焼結体であっても光透過性を有するものが得られた。添加物としてアルカリ土類金属及び希土類元素成分は窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過性に有効に働き、アルカリ土類金属及び希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で30.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体では光透過率10%以上のものが作製し得る。また、上記アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で20.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体はさらに光透過性が向上し易くなり光透過率20%以上のものが得られた。また、アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で15.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体では光透過率30%以上のものが得られた。また、アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体では光透過率40%以上のものが得られた。また、アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で8.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体では光透過率50%以上のものが得られた。また、アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で6.0モル%以下含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体では光透過率60%以上のものが得られることが確認された。本実施例において酸化イットリウムをY換算で0.01モル%含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体は光透過率86%と最大のものが得られた。アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分が同時に含まれる窒化ガリウムを主成分とする焼結体であってもそれぞれ単独で含まれるものと同様良好な光透過性を有することが確認された。
また、モリブデン成分を有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体では光透過率10%以上のものが得られた。また、窒化珪素を含有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体でも光透過率10%以上のものが得られた。また、窒化アルミニウムを含有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体でも光透過率10%以上のものが得られた。
本実施例において作製した窒化珪素を珪素換算で0.01モル%及び酸化イットリウムをY換算で0.01モル%同時に含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体は光透過率82%室温における抵抗率1.7×10−2Ω・cmと高い光透過率と同時に高い導電性を有するものものであった。また、窒化珪素を珪素換算で0.01モル%及び酸化カルシウムをCaO換算で0.2モル及び%酸化イットリウムをY換算で0.2モル%計3種類の成分を同時に含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体も光透過率76%室温における抵抗率2.4×10−2Ω・cmと高い光透過率と同時に高い導電性を有するものものであった。
その後作製した基板にスパッタリング法及びMOCVD法を用いて実施例25と同様の条件で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を厚み3μm形成した。その結果明らかに本実施例で作製した窒化ガリウムを主成分とする焼結体には単結晶薄膜が直接形成できることが確認された。またその他無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜も形成し得ることが確認された。窒化ガリウムを主成分とする配向性多結晶薄膜の結晶性は窒化アルミニウムを主成分とするものよりも優れた傾向を有し易い現象が見られた。次に、このような各種結晶状態の薄膜を形成した基板の中から適宜選択してさらにその上に厚み3μmで窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の形成を試みた。その結果明らかにあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を形成した窒化ガリウムを主成分とする焼結体にはより結晶性の優れた単結晶薄膜が形成できることが確認された。これらの結果を表52に示した。なお、表52に示した無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜はスパッタリング法により形成したものであり、単結晶薄膜はMOCVD法で形成したものである。スパッタリング法によるGaN薄膜を形成するに際して用いたスパッタリングターゲットは本実施例で作製した酸化物還元法による原料粉末を用いて添加物を用いずに作製した窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いて作製したものである。スパッタリング法によるGaN薄膜の作製条件としてはスパッタリングターゲットとして上記窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いた以外は実施例25と同様に行った。表52において示した本実施例で作製した窒化ガリウムを主成分とする焼結体にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性に優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成できることが確認された。また、アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で30.0モル%以下含むものを用いたときその上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下の結晶性に優れた窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が直接形成できる。さらに、アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で20.0モル%以下含窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いたときその上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が直接形成できる。また、アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いたときその上にはミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が直接形成できることが確認された。また、アルカリ土類金属成分及び希土類元素成分が同時に含まれる窒化ガリウムを主成分とする焼結体であってもそれぞれ単独で含まれるものと同様その上に形成される単結晶薄膜の結晶性は良好なものであることが確認された。
また、モリブデン成分を有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体ではその上にミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が直接形成できた。また、窒化珪素を含有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体でもその上にミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が直接形成できた。また、窒化アルミニウムを含有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体でもその上にミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下の結晶性に優れた単結晶薄膜が直接形成できた。
さらに同じ窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶薄膜を形成したものの上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したとき、該単結晶薄膜の結晶性は直接窒化ガリウムを主成分とする焼結体に形成したものより優れたものが得られた。
また本実施例において、窒化ガリウムを主成分とする焼結体に形成した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の結晶性は該窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過性が向上すればそれに伴って向上し易いことが確認された。
その他、表52には示してないが実施例25と同様無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する窒化ガリウムを主成分とする薄膜がMOCVD法を用いても好適に窒化ガリウムを主成分とする焼結体に形成し得ることも確認された。MOCVD法を用いて形成した配向性多結晶薄膜の結晶性はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が4000秒〜6000秒でありスパッタリング法を用いて形成したものより優れていた。
本実施例において表52に記載した構成の薄膜、その他本実施例で作製した薄膜すべての外観を調べたがあらかじめ基板に形成した薄膜及びその上にさらに形成した薄膜いずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も窒化ガリウムを主成分とする焼結体からなる基板との間及び薄膜同志の間で剥離は見られなかった。また、基板表面の薄膜にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり窒化ガリウムを主成分とする焼結体からなる基板と該基板にあらかじめ形成した薄膜、及び該薄膜とさらにその上に形成した単結晶薄膜とは強固に接合していることが確認された。
Figure 2005179167
本実施例は窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子の発光効率に及ぼす該窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過性の効果及び該窒化ガリウムを主成分とする焼結体に形成する薄膜の効果に付いて調べた例を示す。
実施例36で作製した窒化ガリウムを主成分とする焼結体のうちから適宜選択しこれらの焼結体にスパッタリング法及びMOCVD法を用いて実施例36と同様の方法で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶の結晶状態を有する薄膜を厚み3μmで形成し、さらにその上に適宜MOCVD法により窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶を厚み3μm形成して発光素子用作製に供する窒化ガリウムを主成分とする焼結体からなる基板を作製した。すなわち、上記窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムのうちから選ばれたいずれかを主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜の形成はすべてスパッタリング法により行ない、GaN薄膜を形成するときのスパッタリングターゲットとして実施例36で作製した窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いた。なお上記窒化ガリウムを主成分とする焼結体に薄膜を形成せずそのまま基板として用いたものもある。また2層目の単結晶薄膜を形成していないものもある。
このようにして作製した基板を用いて実施例34及び実施例35と同様の方法で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体を形成し発光層として単一量子井戸構造を有する発光素子を作製した。次に得られた各発光素子に実施例34及び実施例35と同様に3.5ボルト〜3.8ボルトの電位を印加し発光効率を調べた。これらの結果を表53に示した。なお、表53に示されている動作電流は動作電圧3.6ボルトで発光素子を駆動させたときのものである。
その結果明らかに窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子の発光効率はサファイア基板を用いて作製したものより優れていた。また、本窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子の発光効率は該窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過性が向上するにつれて増大することが確認された。また、窒化ガリウムを主成分とする焼結体にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウム薄膜を形成せずそのまま用いて作製した発光素子でも発光効率10%以上であった。さらに窒化ガリウム、窒化インジウムあるいは窒化アルミニウムを少なくとも1層以上形成した窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いることで作製した発光素子の発光効率は向上した。また薄膜1層だけ形成したものより窒化ガリウムを主成分とする焼結体にあらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とし無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の薄膜を形成し、その上にさらに窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜を形成した薄膜2層構成の基板を用いることで、該基板に形成される発光素子の発光効率はさらに向上することが確認された。また、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子において、窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成した窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子の発光効率の方が窒化アルミニウムを主成分とする薄膜を形成した窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子の発光効率よりも優れている傾向があることが確認された。
Figure 2005179167
本実施例はセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成したものを基板として用いて作製した発光素子の発光効率に及ぼす効果に付いて調べた例を示す。
実施例34及び実施例35で用いた窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムそれぞれを主成分とする焼結体を発光素子作製用の基板として適宜用意した。これらの焼結体の表面状態としては実施例34及び実施例35で用いたものと同じ鏡面研磨されたものをそのまま用いた。このようにして用意した各焼結体に実施例34、実施例35及び実施例37と同様の方法でスパッタリング法あるいはMOCVD法により窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムのうちから選ばれたいずれかを主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜を厚み3μm形成した。その後適宜これら薄膜を形成した焼結体の上からさらに2層目として実施例34、35及び37で示したものと同じMOCVD法により窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムのうちから選ばれたいずれかを主成分とする単結晶薄膜を厚み3μm形成し発光素子作製用の基板として用意した。なお、上記窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムのうちから選ばれたいずれかを主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜の形成はすべてスパッタリング法により行ない、GaN薄膜を形成するときのスパッタリングターゲットとして実施例36で作製した窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いた。また、上記焼結体に2層目の単結晶薄膜を形成していないものもある。
このようにして作製した基板を用いて実施例34、実施例35及び実施例37と同様の方法で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体を形成し発光層として単一量子井戸構造を有する発光素子を作製した。次に得られた各発光素子に実施例34、実施例35及び実施例37と同様に3.5ボルト〜3.8ボルトの電位を印加し発光効率を調べた。これらの結果を表54及び表55に示した。表54は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子についてのものである。表55はその他炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムそれぞれを主成分とする焼結体についてのものである。なお、表54及び表55に示されている動作電流は動作電圧3.6ボルトで発光素子を駆動させたときのものである。
その結果、明らかに実施例34、実施例35及び本実施例で作製した発光素子のうち窒化ガリウムあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を形成した窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムそれぞれを主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製された発光素子の発光効率は窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した上記各セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板を用いて作製された発光素子の発光効率と少なくとも同等かよりも優れていることが確認された。すなわち、例えば窒化ガリウムを主成分とする配向性多結晶薄膜1層と単結晶薄膜1層の合計2層を形成した光透過率54%の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子の発光効率は同じ光透過率54%の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化アルミニウムを主成分とする配向性多結晶薄膜1層と単結晶薄膜1層の合計2層を形成したものを用いて作製した発光素子の発光効率に比べて6%向上していた。また、窒化ガリウムを主成分とする配向性多結晶薄膜1層と単結晶薄膜1層の合計2層を形成した光透過率84%の酸化亜鉛を主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子の発光効率は同じ光透過率84%の酸化亜鉛を主成分とする焼結体に窒化アルミニウムを主成分とする配向性多結晶薄膜1層と単結晶薄膜1層の合計2層を形成したものを用いて作製した発光素子の発光効率に比べて10%向上していた。
Figure 2005179167
Figure 2005179167
本実施例は発光素子を作製するために用いられる比較的表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子の発光効率に及ぼす効果に付いて調べた例を示す。
セラミック材料を主成分とする焼結体としては実施例34、実施例35、実施例37及び実施例38で用いたものと同じ窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムそれぞれを主成分とする焼結体を適宜用意した。これらの焼結体の表面に適宜加工を施し表面状態が焼き放し(as−fire)のもの、鏡面研磨したもの、サンドブラスト研磨したもの、ラップ研磨したもの、苛性ソーダでエッチングしたもの、規則的な凹凸を形成したものを用意した。焼き放し状態の表面を有する焼結体はすべて市販の粒度3μmのアルミナ粉末を用いてブラシ掛けにより表面の付着物を取り除いたものである。鏡面研磨した焼結体は実施例34、35、37及び38で用いたものと同じものを用いた。サンドブラスト研磨は窒化アルミニウム、酸化亜鉛及び窒化ガリウムを主成分とする焼結体ではアルミナ研磨剤の粒度#600、#1200及び#5000の3種類のものを用い、炭化珪素、窒化珪素、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムそれぞれを主成分とする焼結体ではアルミナ研磨剤の粒度#1200のものを用い、その他の条件は実施例29と同様の方法で作製した。ラップ研磨した焼結体は粒度#400の炭化珪素研磨剤を用いその他は実施例29と同様の方法で作製した。苛性ソーダでエッチングした焼結体は粒度#800のアルミナ研磨剤を用いてラップ研磨したものを5N濃度の90℃苛性ソーダ水溶液に1分間浸漬しその後蒸留水で洗浄して作製した。規則的な凹凸を形成した焼結体は用意した各焼結体に市販のレジストを塗布後光リソグラフィーにより2μm間隔で1μm幅の窓が直角に規則的に交差した網目状のものを形成し、SF+Oプラズマでエッチングして幅1μmで深さ0.5μmの規則的な網目状の窪みを形成(1μm×1μmの正方形で高さ0.5μmの突起を2μm間隔で規則的に形成)したものである。その形態は図73に示すようなものである。次にこれらの焼結体の平均表面粗さRaを測定した。その測定結果を表56に示す。表56において用いたセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さRaは79nm〜3240nmの範囲にあった。
このようにして用意した各セラミック材料を主成分とする焼結体に実施例34、35、37及び38と同様に窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をスパッタリング法で形成し鏡面研磨して3μmの厚みとしその上に窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜をMOCVD法で厚み3μm形成し発光素子作製用基板を用意した。なお、スパッタリング法でGaN薄膜を形成するときのスパッタリングターゲットとして実施例36で作製した窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いた。また、表56に示すようになお上記各焼結体に薄膜を形成せずそのまま基板として用いたものもある。また2層目の単結晶薄膜を形成せずスパッタリング法による薄膜1層だけのものもある。
その後このようにして形成した単結晶薄膜の上に実施例34、実施例35、実施例37及び実施例38と同様の方法で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体を形成し発光層として単一量子井戸構造を有する発光素子を作製した。次に作製した各発光素子に実施例34、実施例35、実施例37及び実施例38と同様に3.5ボルト〜3.8ボルトの電位を印加し発光効率を調べた。これらの結果を表56に示した。なお、表56に示されている動作電流は動作電圧3.6ボルトで発光素子を駆動させたときのものである。
その結果表56に示すように、本実施例において表面粗さが比較的大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子の発光効率は、実施例34、実施例35、実施例37あるいは実施例38で作製した同じセラミック材料を主成分とする焼結体であってもその表面粗さが小さいものを用いて作製した発光素子に比べて明らかに少なくとも同等かより優いることが確認された。例えば実施例35で作製した表面粗さが小さい光透過率68%の酸化亜鉛を主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子に比べて本実施例で作製した同じ光透過率を有し表面粗さを大きくした酸化亜鉛を主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子の発光効率は22%向上した。また、表面粗さが比較的大きいセラミック材料を主成分とする焼結体のうち光透過率88%の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体及び光透過率86%の窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子で発光効率として最大73%のものが得られた。また、光透過率84%の酸化亜鉛を主成分とする焼結体、光透過率83%の酸化マグネシウムを主成分とする焼結体、光透過率81%のアルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体及び光透過率83%の酸化イットリウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子で最大70%〜71%の発光効率を有するものが得られた。その他、光透過率81%の酸化ベリリウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子で最大69%の発光効率を有するものが得られた。また、光透過率78%の酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子で最大66%の発光効率を有するものが得られた。また、光透過率59%の酸化ジルコニウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子で最大44%の発光効率を有するものが得られた。また、光透過率0%の炭化珪素を主成分とする焼結体及び窒化珪素を主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子でも表面粗さを大きくすることで実施例38で作製した表面粗さの小さい焼結体を用いて作製した発光素子に比べてそれぞれ最大20.0%及び16.4%発光効率が向上することが確認された。
次に、本実施例で作製した表56に示すすべての各種表面粗さを有するセラミック材料を主成分とする焼結体に対してMOCVD法により窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を直接形成することを試みた。すなわち、水素あるいは窒素+水素のキャリアガス、及び反応ガスであるアンモニア、及び主原料であるトリメチルガリウムあるいはトリメチルアルミニウムの供給方法以外は実施例34、実施例35、実施例37及び実施例38と同様のMOCVD法を用いた。なお、実施例34、実施例35、実施例37及び実施例38で用いたMOCVD法において上記主原料や反応ガスの供給はセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に対して特定の方向から供給するという方法でなく、反応容器である石英ガラス管の入り口から出口方向へと行ない主原料や反応ガスを容器全体に広げるという方法であり、セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板は容器の内部に置かれている。一方本実施例において、窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を本実施例で作製した表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に対して直接形成することを試みるに際して、上記主原料や反応ガスをセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に対して特定の方向から供給するという方法を用いた。すなわち、石英ガラス製の反応容器内に置かれた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、炭化珪素を主成分とする焼結体、窒化珪素を主成分とする焼結体、窒化ガリウムを主成分とする焼結体、酸化亜鉛を主成分とする焼結体、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体、及び酸化アルミニウムを主成分とする焼結体に対してはこれら焼結体からなる基板面に対して垂直及び45度の2方向になるように石英ガラス製の供給管を別に配置し、主原料のトリメチルガリウムあるいはトリメチルアルミニウムを水素あるいは窒素+水素のキャリアガスとともに、さらに反応ガスであるアンモニアを上記各セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に供給し単結晶薄膜の形成を試みた。また、酸化ジルコニウムを主成分とする焼結体、酸化マグネシウムを主成分とする焼結体、アルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体、及び酸化イットリウムを主成分とする焼結体に対してはこれら焼結体からなる基板面に対して垂直及び水平及び45度の3方向になるように石英ガラス製の供給管を別に配置し、主原料のトリメチルガリウムあるいはトリメチルアルミニウムを水素あるいは窒素+水素のキャリアガスとともに、さらに反応ガスであるアンモニアを上記各セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に供給し単結晶薄膜の形成を試みた。その結果、薄膜形成を試みたすべてのセラミック材料を主成分とする焼結体には窒化ガリウム及び窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得ることが確かめられた。すなわち、少なくとも表56に示した表面粗さを有するセラミック材料を主成分とする焼結体であってもその表面には窒化ガリウム及び窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得ることが確かめられた。形成された単結晶薄膜はミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として少なくとも300秒以下と比較的結晶性に優れたものであった。また、直接形成した薄膜の厚みとしては少なくとも0.1nm以上のものが単結晶として形成し得ることが確かめられた。
上記のように無定形、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜をあらかじめ形成しなくても表56に示す各種表面粗さを有する窒化ガリウム及び窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得ることが確かめられた。すなわち本実施例により、セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板面に対して垂直及び水平及び斜めのうちから選ばれた少なくとも2以上の方向になるように薄膜の原料となるガリウム成分及びアルミニウム成分を供給することで、比較的表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体であってもその表面には窒化ガリウム及び窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が直接形成し得ることが確かめられた。
また、本実施例で作製したセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されたすべての薄膜の外観を調べたがいずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も該セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板との間あるいは2層で形成された薄膜間で剥離は見られなかった。また、作製した薄膜表面にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり本実施例で作製したセラミック材料を主成分とする焼結体と各薄膜との間あるいは各薄膜間は強固に接合している。
次に表56に示した各種セラミック材料を主成分とする焼結体のうち窒化アルミニウムを主成分とする焼結体(光透過率88%、74%、54%及び34%の4種)、窒化ガリウムを主成分とする焼結体(光透過率86%及び76%の2種)、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体(光透過率78%)、酸化マグネシウムを主成分とする焼結体(光透過率83%)、及び酸化イットリウムを主成分とする焼結体(光透過率83%)、を選びそれぞれの焼結体について表56に示した表面状態を有するものすべてに対して窒化ガリウム及び窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜を上記MOCVD法により直接形成しその後鏡面研磨して厚み3μmとした。その後形成した単結晶薄膜の上に実施例34、実施例35、実施例37及び実施例38と同様の方法で窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体を形成し発光層として単一量子井戸構造を有する発光素子を作製した。次に作製した各発光素子に実施例34、実施例35、実施例37及び実施例38と同様に3.5ボルト〜3.8ボルトの電位を印加し発光効率を調べた。その結果、光透過率88%を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子では発光効率66%〜72%であった。光透過率74%を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子では発光効率60%〜62%であった。光透過率54%を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子では発光効率45%〜51%であった。光透過率34%を有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子では発光効率38%〜41%であった。光透過率86%を有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子では発光効率67%〜71%であった。光透過率76%を有する窒化ガリウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子では発光効率64%〜67%であった。光透過率78%を有する酸化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子ではブラスト研磨したもので発光効率64%プラズマ加工したもので67%であった。光透過率83%を有する酸化マグネシウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子では焼き放し(as−fire)のもので発光効率68%ブラスト研磨したもので70%であった。また光透過率83%を有する酸化イットリウムを主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子ではラップ研磨したもので発光効率71%ブラスト研磨したもので69%であった。このように表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体にも窒化ガリウム及び窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が直接形成可能であり高い発光効率を有する発光素子が作製し得ることが確かめられた。
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本実施例は発光素子を作製するために用いられる比較的表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子の発光効率に及ぼす効果について調べた例を示す。より詳しく言えば、表面粗さの大きい粉末成形体を用いて作製した表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体、及びホットプレス法で作製した表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体について単結晶薄膜の形成状態について調べ、さらにこれら表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子の発光効率に及ぼす効果について調べた例を示す。
まず、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム及び酸化イットリウムを主成分とする成形用粉末を用意した。窒化アルミニウムを主成分とする成形用粉末は実施例2の実験No.49で作製したYを3.3体積%含有するもの、実施例6の実験No.108〜109で作製したYを0.2体積%含有するもの、及び実施例11の実験No.260〜262で作製した酸化物還元法による原料を用いたYを1.0重量%含有するものの3種類である。窒化ガリウムを主成分とする成形用粉末は実施例36の実験No.1538〜1539で作製したYを0.01モル%含有するもの、及び実施例36の実験No.1566〜1567で作製したCaOを0.2モル%、Yを0.2モル%及びSiを0.01モル%同時に含有するものの2種類である。酸化亜鉛を主成分とする成形用粉末は実施例30の実験No.1218〜1219で作製したAlを0.03モル%及びYを0.04モル%同時に含有するもの、及び実施例30の実験No.1240〜1241で作製したAlを3.0モル%及びYを0.04モル%同時に含有するものの2種類である。酸化ベリリウムを主成分とする成形用粉末は実施例31の実験No.1306〜1307で作製したCaOを0.45モル%及びYを0.04モル%同時に含有するものである。酸化アルミニウムを主成分とする成形用粉末は実施例32の実験No.1332〜1333で作製したMgOを0.12モル%含有するもの、及び実施例32の実験No.1376〜1377で作製したMgOを1.0モル%、CaOを0.2モル%及びYを0.04モル%同時に含有するものの2種類である。酸化マグネシウムを主成分とする成形用粉末は実施例33の実験No.1394〜1400で作製したCaOを1.0重量%及びYを1.0重量%同時に含有するものである。アルミン酸マグネシウムを主成分とする成形用粉末は実施例33の実験No.1404〜1410で作製したCaOを0.1重量%及びYを0.1重量%同時に含有するものである。酸化イットリウムを主成分とする成形用粉末は実施例33の実験No.1414〜1420で作製したDyを0.25重量%及びHoを0.25重量%同時に含有するものである。
次に上下のパンチに一辺2μmの正方形で高さ2μmの凹凸が規則的に形成された内径32mmの炭化タングステン製の成形用金型を用意し上記の成形用粉末を用いて圧力500Kg/cmで一軸プレス成形を行った。その結果、金型に施された形状と同様一辺2μmの正方形で高さ2μmの凹凸が表面に形成された窒化アルミニウム、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム及び酸化イットリウムを主成分とする粉末成形体を得た。得られた成形体の直径は32mm厚みは0.6mmである。
次に作製した各粉末成形体を脱脂後以下に示す条件で焼成した。窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体の場合、Yを3.3体積%含有するもの、及びYを0.2体積%含有するものは1気圧のN中1800℃で2時間常圧焼成を行った。またYを1.0重量%含有するものは1気圧のN中2200℃で8時間常圧焼成した。窒化ガリウムを主成分とする粉末成形体の場合、2種類の組成を有するいずれのものも1気圧のN中1450℃で2時間常圧焼成した。酸化亜鉛を主成分とする粉末成形体の場合、2種類の組成を有するいずれのものも大気中1460℃で1時間常圧焼成した。酸化ベリリウムを主成分とする粉末成形体の場合、大気中1500℃で3時間常圧焼成した。酸化アルミニウムを主成分とする粉末成形体の場合、MgOを0.12モル%含有するものは1気圧の水素中1820℃で5時間常圧焼成した。またMgOを1.0モル%、CaOを0.2モル%及びYを0.04モル%同時に含有するものは大気中1550℃で3時間常圧焼成した。酸化マグネシウムを主成分とする粉末成形体の場合、大気中1600℃で6時間常圧焼成した。アルミン酸マグネシウムを主成分とする粉末成形体の場合、水素気流中1650℃で8時間常圧焼成した。酸化イットリウムを主成分とする粉末成形体の場合、水素気流中2100℃で3時間常圧焼成した。得られた各焼結体は十分に緻密化していた。次に、焼成後得られた各焼結体をブラシで水洗洗浄して付着物を取り除いた。
このようにして窒化アルミニウム、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム及び酸化イットリウムを主成分とする焼き放し(as−fire)状態の焼結体を得た。これら各焼結体の表面には一辺1.6μmの正方形で高さ1.6μmの凹凸のが規則的に形成されていることが確認された。形成された凹凸は図73に例示したものと同様の形状を有していた。その後得られた各焼結体の一部を鏡面研磨し光透過率を測定したが凹凸形状が形成された表面粗さの大きなものであっても光透過率はほとんど減じることなく十分大きいことが確認された。その結果を表57に示した。
また別に実施例3においてドクターブレード法で作製した窒化アルミニウムを主成分としErを4.02体積%含有するグリーンシートを用意した。また実施例14においてドクターブレード法で作製した窒化アルミニウムを主成分としYを5.0重量%含有するグリーンシートと窒化アルミニウムを主成分としYを5.0重量%及びCaOを0.5重量%同時に含有するグリーンシートとを用意した。次に上記のようにドクターブレード法で作製したグリーンシートをパンチに一辺2μmの正方形で高さ2μmの凹凸が規則的に形成された上記の金型に入れ60℃に加熱しながら圧力10Kg/cmで加圧し、その結果金型に施された形状と同様一辺2μmの正方形で高さ2μmの凹凸が表面に形成された窒化アルミニウムを主成分とする3種類のグリーンシートを得た。次にこれらのシート成形体を窒素中で脱バインダー後Erを4.02体積%含有するシートについては1気圧のN中1820℃で2時間、Yを5.0重量%含有するシートについては1気圧のN中1800℃で8時間、Yを5.0重量%及びCaOを0.5重量%同時に含有するシートについては1気圧のN中2200℃で4時間常圧焼成した。得られた各焼結体は十分に緻密化していた。次に、焼成後得られた各焼結体をブラシで水洗洗浄して付着物を取り除いた。
このようにして窒化アルミニウムを主成分とする焼き放し(as−fire)状態の焼結体を得た。これら各焼結体の表面には一辺1.6μmの正方形で高さ1.6μmの凹凸のが規則的に形成されていることが確認された。形成された凹凸は図73に例示したものと同様の形状を有していた。その後得られた窒化アルミニウムを主成分とする各焼結体の一部を鏡面研磨し光透過率を測定したが凹凸形状が形成された表面粗さの大きなものであっても光透過率はほとんど減じることなく十分大きいことが確認された。その結果を表57に示した。
次に内径25.4mmのホットプレス用高密度黒鉛型を用意した。このカーボン型の上下パンチは粒度#400のアルミナ研磨剤を用いたサンドブラスト研磨により表面が平均表面粗さRa=2940nmの状態にしてある。また別に実施例6の実験No.105〜106で作製した窒化アルミニウムを主成分としCaOを0.2体積%含有する成形用粉末を用意した。この成形用粉末と前記実施例6の実験No.108〜109で作製した窒化アルミニウムを主成分としYを0.2体積%含有する成形用粉末とを直径25.4mm×厚み1.0mmの大きさに圧力500Kg/cmで予備成形し脱脂後カーボン型に入れ1気圧のN中1820℃で4時間、圧力300Kg/cmでホットプレスを行った。得られた焼結体は十分に緻密化していた。次に、ホットプレス後得られた各焼結体をブラシで水洗洗浄して付着物を取り除いた。
このようにしてホットプレス法により2種類の組成の窒化アルミニウムを主成分とする焼き放し(as−fire)状態の焼結体を得た。これらの焼結体の平均表面粗さはCaOを0.2体積%含有する成形用粉末から作製したものでRa=3120nmであり、Yを0.2体積%含有する成形用粉末から作製したものでRa=2790nmであった。いずれの焼結体もカーボン型のパンチの表面粗さとほとんど同じであることが確認された。その後得られた各窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の一部を鏡面研磨し光透過率を測定したが上記のように表面粗さの大きなものであっても光透過率は減じることなく十分大きいことが確認された。その結果を表57に示した。
上記のようにして得られた表面粗さの大きい粉末成形体を用いて作製した焼き放し(as−fire)状態で表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体を基板として用いMOCVD法により窒化ガリウム及び窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の形成を試みた。また、表面粗さの大きいカーボン型を用いたホットプレス法で作製した表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に対してもMOCVD法で窒化ガリウム及び窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の形成を試みた。単結晶薄膜の形成は以下に述べる2つの方法で行った。すなわち、1つの方法は上記各セラミック材料を主成分とする焼結体にMOCVD法であらかじめ窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とする無定形薄膜あるいは配向性多結晶薄膜を形成したものを用い、該無定形薄膜あるいは配向性多結晶薄膜の上に窒化ガリウム及び窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の形成をMOCVD法により試みるという方法である。もう1つの方法は上記各セラミック材料を主成分とする焼結体に直接窒化ガリウム及び窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜をMOCVD法により試みるという方法である。上記方法のうち、あらかじめ窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とする無定形薄膜あるいは配向性多結晶薄膜をセラミック材料を主成分とする焼結体に形成する方法としてはMOCVD法を用いたが、該MOCVD法は基板温度を変えた以外は実施例25で示したものと同じ方法である。すなわち、窒化アルミニウムを主成分とする配向性多結晶薄膜を形成する場合基板温度を620℃とした。また、窒化アルミニウムを主成分とする無定形薄膜を形成する場合基板温度を490℃とした。また、窒化ガリウムを主成分とする配向性多結晶薄膜を形成する場合基板温度を560℃とした。さらに、窒化ガリウムを主成分とする無定形薄膜を形成する場合基板温度を430℃とした。
上記あらかじめ窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とする無定形薄膜あるいは配向性多結晶薄膜を形成したものの上に窒化ガリウム及び窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜を形成を試みる場合、主原料、キャリアガス、及び反応ガスの供給は実施例34、実施例35、実施例37及び実施例38と同様の方法により行った。一方、各セラミック材料を主成分とする焼結体に直接窒化ガリウム及び窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜の形成を試みる場合は、主原料のトリメチルガリウムあるいはトリメチルアルミニウム、水素あるいは窒素+水素のキャリアガス、及び反応ガスであるアンモニアの供給は実施例39と同様の方法で行った。すなわち、石英ガラス製の反応容器内に置かれた窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、窒化ガリウムを主成分とする焼結体、酸化亜鉛を主成分とする焼結体、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体、及び酸化アルミニウムを主成分とする焼結体に対しては主原料、キャリアガス、及び反応ガスの供給がこれら焼結体からなる基板面に対して垂直及び45度の2方向からになるように石英ガラス製の供給管を別に配置し、単結晶薄膜の形成を試みた。また、石英ガラス製の反応容器内に置かれた酸化マグネシウムを主成分とする焼結体、アルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体、及び酸化イットリウムを主成分とする焼結体に対しては主原料のトリメチルガリウムあるいはトリメチルアルミニウム、水素あるいは窒素+水素のキャリアガス、及び反応ガスであるアンモニアの供給がこれら焼結体からなる基板面に対して垂直及び水平及び45度の3方向からになるように石英ガラス製の供給管を別に配置し、単結晶薄膜の形成を試みた。その結果、本実施例で作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、窒化ガリウムを主成分とする焼結体、酸化亜鉛を主成分とする焼結体、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体、酸化マグネシウムを主成分とする焼結体、アルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体、及び酸化イットリウムを主成分とする焼結体すべての焼結体にはあらかじめ窒化ガリウムあるいは窒化アルミニウムを主成分とする無定形薄膜あるいは配向性多結晶薄膜を形成したものだけでなく、直接窒化ガリウム及び窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜が形成し得ることが確かめられた。上記各セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された単結晶薄膜であってもミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅として少なくとも300秒以下と比較的結晶性に優れたものであった。各セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された単結晶薄膜は多くのもので半値幅が100秒以下であった。また、本実施例で作製した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、窒化ガリウムを主成分とする焼結体、酸化亜鉛を主成分とする焼結体、酸化ベリリウムを主成分とする焼結体、酸化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接形成された単結晶薄膜は主原料あるいは反応ガスの供給方向を特に限定せず反応容器に自発的に広がるような方法で供給することにより形成したものに比べてミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が減少し結晶性が向上していることが確認された。これは表面状態にかかわらず薄膜形成法をより最適化することで結晶性に優れた単結晶薄膜がセラミック材料を主成分とする焼結体に形成し得ることを示していると言える。この状況が表57に示されている。なお、表57においてセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された第1層目の薄膜は鏡面研磨して厚み3μmとした。その上に形成された第2層目の薄膜の厚みは3μmである。
また、本実施例で作製したセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されたすべての薄膜の外観を調べたがいずれもクラックやひび割れなどの欠陥は見られない。また、粘着テープによる剥離テストを行ったがいずれの薄膜も該セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板との間あるいは2層で形成された薄膜間で剥離は見られなかった。また、作製した薄膜表面にTi/Pt/Auの薄膜導電性材料を形成して金属リードをはんだ付けし垂直引張り強度を調べたがすべて2Kg/mm以上であり本実施例で作製したセラミック材料を主成分とする焼結体と各薄膜との間あるいは各薄膜間は強固に接合している。
次に、本実施例で作製した表面粗さの大きい粉末成形体を用いて作製した焼き放し(as−fire)で表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム及び窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜を厚み3μm形成したもの、及びホットプレス法で作製した表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム及び窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜を厚み3μm形成したものを用い、その上に実施例39と同様の方法で単一量子井戸構造の発光素子を形成してその発光効率を調べた。その結果、本実施例で作製したセラミック材料を主成分とする焼結体を用いて作製した発光素子であっても、実施例39で作製した一旦焼成した後のセラミック材料を主成分とする焼結体を加工して表面粗さを大きくしたものと比較して発光効率はほとんど減少せず、実施例39で作製した発光素子と同様高い発光効率を有する発光素子が作製できることが確認された。
以上、表57に本実施例の結果をまとめて示した。
Figure 2005179167
以上本発明を実施例により説明した。
さらに本発明を補足すれば、本発明による例えば窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などのセラミック材料を主成分とする焼結体は光透過性を有するものが得られるが、このような光透過性を有するセラミック材料は薄膜形成用基板あるいは薄膜基板あるいは発光素子作製用基板として用い得ることは以前から説明してきた。本発明において「光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体」とは通常光透過率1%以上のセラミック材料を主成分とする焼結体を意味するが、上記例えば窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体は光透過率が1%より小さいかあるいは実質的に光透過性が無いものすなわち光透過率0%のものであっても薄膜形成用基板あるいは薄膜基板あるいは発光素子作製用基板として用い得る。また、上記例示した光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうち例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体には直接窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成することは通常困難な場合が多いが、あらかじめ窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形、多結晶、配向性多結晶状態のうちから選ばれた少なくともいずれかの薄膜を形成しておけば上記例えば酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化イットリウムなどの希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラス、などの各種セラミック材料を主成分とする焼結体には該焼結体の光透過率がたとえ1%より小さいかあるいは光透過率0%のものであっても窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の形成を比較的容易に行うことが可能となる。本発明において単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶状態のうちから選ばれた少なくともいずれかの薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体には該焼結体の光透過率がたとえ1%より小さいかあるいは光透過率0%のものであってもエピタキシャル成長した窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の積層が可能となり、その結果発光効率が従来からのサファイア基板などを用いて作製される発光素子と比べて少なくとも同等以上のものが作製し得る。
(本発明の態様)
本発明は上記のように、1)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜を形成するための基板、2)上記薄膜形成用基板の材料、3)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜が形成された薄膜基板、4)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜により構成される光導波路、5)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜により構成される発光素子、に関するものである。より詳細にいえば、1)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜を形成するための基板、2)窒化アルミニウムを主成分とする焼結体を用いた薄膜形成用基板の製造方法、3)光透過性の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、4)光透過性の酸化亜鉛を主成分とする焼結体、5)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜が形成された薄膜基板、6)薄膜基板の製造方法、7)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜により構成される光導波路、8)窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜により構成される発光素子、に関するものである。今まで説明してきたように本発明の態様は下記の内容を含む。以下本発明の態様について詳細を説明する。
項1.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するための基板であって、該基板がセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板。
項2.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するための基板であって、該基板が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項1に記載された薄膜形成用基板。
項3.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項2に記載された薄膜形成用基板。
項4.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶であることを特徴とする項2又は3に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項5.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が1層からなることを特徴とする項2、3又は4に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項6.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなることを特徴とする項2、3又は4に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項7.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、各層がそれぞれ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項6に記載された薄膜形成用基板。
項8.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項6又は7に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項9.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項6、7又は8に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項10.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が配向性多結晶であることを特徴とする項6、7、8又は9に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項11.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、少なくとも1層が単結晶であることを特徴とする項6、7、8、9又は10に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項12.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、最上層の薄膜が単結晶であることを特徴とする項6、7、8、9、10又は11に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項13.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが300μm未満であることを特徴とする項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項14.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.1nm以上の厚みを有することを特徴とする項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項15.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を有することを特徴とする項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項16.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下であることを特徴とする項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項17.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下であることを特徴とする項16に記載された薄膜形成用基板。
項18.平均表面粗さがRa2000nm以下のセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、1415、16又は17に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項19.平均表面粗さがRa1000nm以下のセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項18に記載された薄膜形成用基板。
項20.平均表面粗さがRa100nm以下のセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項18又は19に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項21.平均表面粗さがRa20nm以下のセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項18、19又は20に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項22.平均表面粗さがRa5nm以下のセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項18、19、20又は21に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項23.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項24.平均表面粗さがRa70nm以上のセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、20又は23に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項25.平均表面粗さがRa1000nmより大きいセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項24に記載された薄膜形成用基板。
項26.平均表面粗さがRa2000nmより大きいセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項24又は25に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項27.表面が焼き放し(as−fire)、ラップ研磨、ブラスト研磨、鏡面研磨、化学腐食及びプラズマガスによる腐食のうちから選ばれた少なくともいずれかの状態のセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25又は26に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項28.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板が光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板。
項29.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項28に記載された薄膜形成用基板。
項30.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶であることを特徴とする項28又は29に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項31.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項28、29又は30に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項32.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項31に記載された薄膜形成用基板。
項33.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶であることを特徴とする項31又は32に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項34.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が1層からなることを特徴とする項31、32又は33に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項35.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなることを特徴とする項31、32又は33に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項36.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、各層がそれぞれ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項35に記載された薄膜形成用基板。
項37.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項35又は36記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項38.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項35、36又は37に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項39.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が配向性多結晶であることを特徴とする項35、36、37又は38に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項40.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、少なくとも1層が単結晶であることを特徴とする項35、36、37、38又は39に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項41.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、最上層の薄膜が単結晶であることを特徴とする項35、36、37、38、39又は40に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項42.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが300μm未満であることを特徴とする項31、32、33、34、35、36、37、38、39、40又は41に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項43.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.1nm以上の厚みを有することを特徴とする項31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41又は42に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項44.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を有することを特徴とする項31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42又は43に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項45.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下であることを特徴とする項31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43又は44に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項46.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下であることを特徴とする項45に記載された薄膜形成用基板。
項47.平均表面粗さがRa2000nm以下の光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45又は46に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項48.平均表面粗さがRa1000nm以下の光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項47に記載された薄膜形成用基板。
項49.平均表面粗さがRa100nm以下の光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項47又は48に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項50.平均表面粗さがRa20nm以下の光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項47、48又は49に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項51.平均表面粗さがRa5nm以下の光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項47、48、49又は50に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項52.表面粗さの大きい光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48又は49に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項53.平均表面粗さがRa70nm以上の光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は52に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項54.平均表面粗さがRa1000nmより大きい光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項53に記載された薄膜形成用基板。
項55.平均表面粗さがRa2000nmより大きい光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項53又は54に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項56.表面が焼き放し(as−fire)、ラップ研磨、ブラスト研磨、鏡面研磨、化学腐食及びプラズマガスによる腐食のうちから選ばれた少なくともいずれかの状態の光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55又は56に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項57.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率1%以上のものであることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55又は56に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項58.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率10%以上のものであることを特徴とする項57に記載された薄膜形成用基板。
項59.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率20%以上のものであることを特徴とする項57又は58に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項60.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率30%以上のものであることを特徴とする項57、58又は59記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項61.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率40%以上のものであることを特徴とする項57、58、59又は60に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項62.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率50%以上のものであることを特徴とする項57、58、59、60又は61に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項63.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率60%以上のものであることを特徴とする項57、58、59、60、61又は62に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項64.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率80%以上のものであることを特徴とする項57、58、59、60、61、62又は63に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項65.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率1%未満のものであることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55又は56に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項66.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率0%であることを特徴とする項65に記載された薄膜形成用基板。
項67.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65又は66に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項68.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体がそれぞれ窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体、及び酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体、のうちから選ばれた少なくともいずれかであることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66又は67に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項69.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項68に記載された薄膜形成用基板。
項70.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体がそれぞれ窒化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項68又は69に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項71.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体がそれぞれ窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であるることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68又は70に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項72.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過性を有するものであることを特徴とする項71に記載された薄膜形成用基板。
項73.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率1%以上のものであることを特徴とする項71又は72に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項74.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率5%以上のものであることを特徴とする項71、72又は73に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項75.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率10%以上のものであることを特徴とする項71、72、73又は74に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項76.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率20%以上のものであることを特徴とする項71、72、73、74又は75に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項77.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率30%以上のものであることを特徴とする項71、72、73、74、75又は76に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項78.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率40%以上のものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76又は77に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項79.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率50%以上のものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77又は78に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項80.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率60%以上のものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78又は79に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項81.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率80%以上のものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79又は80に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項82.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率85%以上のものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80又は81に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項83.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率1%未満のものであることを特徴とする項71又は72に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項84.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率0%のものであることを特徴とする項83に記載された薄膜形成用基板。
項85.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83又は84に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項86.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84又は85に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項87.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有するものであることを特徴とする項86に記載された薄膜形成用基板。
項88.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを20体積%以上含むものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86又は87に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項89.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを50体積%以上含むものであることを特徴とする項88に記載された薄膜形成用基板。
項90.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で80体積%以下含むものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88又は89に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項91.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で50体積%以下含むものであることを特徴とする項90に記載された薄膜形成用基板。
項92.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で25体積%以下含むものであることを特徴とする項90又は91に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項93.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分とアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分とを同時に含むものであることを特徴とする項90、91又は92に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項94.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がアルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で50体積%以下含むものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92又は93に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項95.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がアルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で30体積%以下含むものであることを特徴とする項94に記載された薄膜形成用基板。
項96.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がアルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で20体積%以下含むものであることを特徴とする項94又は95に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項97.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がアルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10体積%以下含むからなることを特徴とする項94、95又は96に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項98.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がアルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含み同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項90、91、92、93、94、95、96又は97に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項99.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がMo、W、V(バナジウム)、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で80体積%以下含むものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97又は98に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項100.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がMo、W、V(バナジウム)、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で50体積%以下含むものであることを特徴とする項99に記載された薄膜形成用基板。
項101.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がMo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で25体積%以下含むものであることを特徴とする項99又は100に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項102.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がMo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含み同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項90、91、92、93、99、100又は101に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項103.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びMo、W、V(バナジウム)、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属成分を元素換算で80重量%以下含むものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101又は102に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項104.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びMo、W、V(バナジウム)、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属成分を元素換算で50重量%以下含むものであることを特徴とする項103に記載された薄膜形成用基板。
項105.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属成分を元素換算で30重量%以下含むものであることを特徴とする項103又は104に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項106.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属成分を含み同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項90、91、92、93、103、104又は105に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項107.希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属成分が鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛のうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項103、104、105又は106に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項108.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が酸素含有量30重量%以下のものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106又は107に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項109.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が酸素含有量25重量%以下のものであることを特徴とする項108に記載された薄膜形成用基板。
項110.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が酸素含有量10重量%以下のものであることを特徴とする項108又は109に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項111.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が酸素を含み同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を同時に含むものであることを特徴とする項90、91、92、93、108、109又は110に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項112.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がALON含有量80%以下のものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110又は111に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項113.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がALON含有量50%以下のものであることを特徴とする項112に記載された薄膜形成用基板。
項114.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がALON含有量20%以下のものであることを特徴とする項112又は113に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項115.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がALONを含み同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項90、91、92、93、112、113又は114に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項116.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が室温における熱伝導率50W/mK以上のものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114又は115に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項117.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が室温における熱伝導率100W/mK以上のものであることを特徴とする項116に記載された薄膜形成用基板。
項118.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が室温における熱伝導率150W/mK以上のものであることを特徴とする項116又は117に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項119.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が室温における熱伝導率170W/mK以上のものであることを特徴とする項116、117又は118に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項120.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを95体積%以上含むものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118又は119に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項121.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で合計0.5重量%以下かつ酸素を0.9重量%以下含むものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119又は120に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項122.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で合計0.2重量%以下かつ酸素を0.5重量%以下含むものであることを特徴とする項121に記載された薄膜形成用基板。
項123.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で合計0.05重量%以下かつ酸素を0.2重量%以下含むものであることを特徴とする項121又は122に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項124.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で合計0.02重量%以下かつ酸素を0.1重量%以下含むものであることを特徴とする項121、122又は123に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項125.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で合計0.005重量%以下かつ酸素を0.05重量%以下含むものであることを特徴とする項121、122、123又は124に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項126.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がアルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で合計0.2重量%以下かつ酸素を0.9重量%以下含むものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124又は125に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項127.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がMo、W、V(バナジウム)、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で合計0.2重量%以下かつ酸素を0.9重量%以下含むものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125又は126に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項128.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がFe、Ni、Co、Mn、Cr、Zr、Hf、Cu、Znのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で合計0.2重量%以下かつ酸素を0.9重量%以下含むものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126又は127に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項129.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が結晶相としてAlNを95%以上含むものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127又は128に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項130.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が結晶相としてAlNを98%以上含むものであることを特徴とする項119に記載された薄膜形成用基板。
項131.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が実質的にAlNの単一相からなることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129又は130に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項132.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が室温における熱伝導率200W/mK以上のものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130又は131に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項133.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が室温における熱伝導率220W/mK以上のものであることを特徴とする項132に記載された薄膜形成用基板。
項134.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が相対密度95%以上のものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132又は133に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項135.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が相対密度98%以上のものであることを特徴とする項134に記載された薄膜形成用基板。
項136.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が空孔の平均大きさ1μm以下のものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134又は135に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項137.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が窒化アルミニウム粒子の大きさ平均1μm以上のものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134又は135に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項138.窒化アルミニウム粒子の大きさが平均5μm以上であることを特徴とする項137に記載された薄膜形成用基板。
項139.窒化アルミニウム粒子の大きさが平均8μm以上であることを特徴とする項137又は138に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項140.窒化アルミニウム粒子の大きさが平均15μm以上であることを特徴とする項137、138又は139に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項141.窒化アルミニウム粒子の大きさが平均25μm以上であることを特徴とする項137、138、139又は140に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項142.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が窒化アルミニウム粒子の大きさ平均100μm以下のものであることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140又は141に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項143.平均表面粗さRa2000nm以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141又は142に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項144.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nm以下であることを特徴とする項143に記載された薄膜形成用基板。
項145.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa100nm以下であることを特徴とする項143又は144に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項146.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa20nm以下であることを特徴とする項143、144又は145に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項147.表面粗さの大きい窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144又は145に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項148.平均表面粗さRa70nm以上の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145又は147に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項149.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nmより大きいことを特徴とする項148に記載された薄膜形成用基板。
項150.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nmより大きいことを特徴とする項148又は149に記載された薄膜形成用基板。
項151.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の表面が焼き放し(as−fire)、ラップ研磨、ブラスト研磨、鏡面研磨、化学腐食及びプラズマガスによる腐食のうちから選ばれた少なくともいずれかの状態であることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149又は150に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項152.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の表面が鏡面研磨された状態であることを特徴とする項151に記載された薄膜形成用基板。
項153.厚みが8.0mm以下の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151又は152に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項154.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の厚みが2.5mm以下であることを特徴とする項153に記載された薄膜形成用基板。
項155.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の厚みが1.0mm以下であることを特徴とする項153又は154に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項156.厚みが0.01mm以上の窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154又は155に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項157.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の厚みが0.05mm以上であることを特徴とする項156に記載された薄膜形成用基板。
項158.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が厚み8.0mm以下でありかつ光透過率が1%以上であることを特徴とする項153、154、155、156又は157に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項159.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が厚み0.01mm以上でありかつ光透過率が40%以上であることを特徴とする項153、154、155、156、157又は158に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項160.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板は導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158又は159に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項161.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板は窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなり、該基板中には基板の上下表面を電気的に接続する導通ビアを有することを特徴とする項160に記載された薄膜形成用基板。
項162.導通ビアが金、銀、銅、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、モリブデン、タングステン、クロム、チタン、窒化チタン、窒化ジルコニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする材料からなることを特徴とする項160又は161に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項163.導通ビアが金、銀、銅、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、モリブデン、タングステン、窒化チタン、窒化ジルコニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とし、さらに窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、希土類元素化合物、アルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の材料を含有することを特徴とする項160、161又は162に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項164.導通ビアがモリブデン、タングステン、銅、窒化チタン、窒化ジルコニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする材料からなることを特徴とする項160、161、162又は163に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項165.導通ビアがモリブデン、タングステン、銅、窒化チタン、窒化ジルコニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とし、さらに窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、希土類元素化合物、アルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の材料を含有することを特徴とする項160、161、162、163又は164に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項166.導通ビアが室温における抵抗率1×10−3Ω・cm以下の導電性材料からなることを特徴とする項160、161、162、163、164又は165に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項167.導通ビアが室温における抵抗率1×10−4Ω・cm以下の導電性材料からなることを特徴とする項166に記載された薄膜形成用基板。
項168.導通ビアが室温における抵抗率1×10−5Ω・cm以下の導電性材料からなることを特徴とする項166又は167に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項169.導通ビアの大きさが500μm以下であることを特徴とする項160、161、162、163、164、165、166、167又は168に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項170.導通ビアの大きさが250μm以下であることを特徴とする項169に記載された薄膜形成用基板。
項171.導通ビアの大きさが100μm以下であることを特徴とする項169又は170に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項172.導通ビアの大きさが50μm以下であることを特徴とする項169、170又は171に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項173.導通ビアの大きさが25μm以下であることを特徴とする項169、170、171又は172に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項174.導通ビアの大きさが1μm以上であることを特徴とする項160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172又は173に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項175.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が導通ビアの表面にも形成可能であることを特徴とする項160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173又は174に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項176.薄膜導電性材料が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174又は175に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項177.薄膜導電性材料が金属、合金、金属窒化物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の材料からなることを特徴とする項176に記載された薄膜形成用基板。
項178.薄膜導電性材料が金、銀、銅、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、タンタル、モリブデン、タングステン、クロム、チタン、ニッケル−クロム合金、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、のうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする材料からなることを特徴とする項176又は177に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項179.薄膜導電性材料が少なくとも2層以上で構成されていることを特徴とする項176、177又は178に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項180.薄膜導電性材料の厚みが20μm以下であることを特徴とする項176、177、178又は179に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項181.薄膜導電性材料と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との接合強度が垂直引張り法で2Kg/mm以上であることを特徴とする項176、177、178、179又は180に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項182.窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体を非酸化性雰囲気中1500℃以上の温度で10分間以上焼成することにより得られる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180又は181に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項183.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体を非酸化性雰囲気中1750℃以上の焼成温度で3時間以上加熱することにより得られることを特徴とする項182に記載された薄膜形成用基板。
項184.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の化合物を含む窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体を非酸化性雰囲気中1750℃以上の温度で3時間以上焼成し含まれる成分のうち少なくとも希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物及び酸素を揮散・除去し減少せしめることにより得られることを特徴とする項71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182又は183に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項185.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体がそれぞれ六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69又は70に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項186.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項185に記載された薄膜形成用基板。
項187.セラミック材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛を主成分とする焼結体であることを特徴とする項185又は186に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項188.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過性を有することを特徴とする項186又は187に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項189.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率1%以上のものであることを特徴とする項186、187又は188に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項190.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率10%以上のものであることを特徴とする項189に記載された薄膜形成用基板。
項191.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率20%以上のものであることを特徴とする項189又は190に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項192.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率30%以上のものであることを特徴とする項189、190又は191に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項193.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率40%以上のものであることを特徴とする項189、190、191又は192に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項194.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率50%以上のものであることを特徴とする項189、190、191、192又は193に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項195.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率60%以上のものであることを特徴とする項189、190、191、192、193又は194に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項196.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率80%以上のものであることを特徴とする項189、190、191、192、193、194又は195に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項197.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率1%未満のものであることを特徴とする項186、187又は188に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項198.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率0%のものであることを特徴とする項197に記載された薄膜形成用基板。
項199.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が導電性を有するものであることを特徴とする項186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197又は198に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項200.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が室温における抵抗率1×10Ω・cm以下のものであることを特徴とする項186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198又は199に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項201.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が室温における抵抗率1×10Ω・cm以下のものであることを特徴とする項200に記載された薄膜形成用基板。
項202.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が室温における抵抗率1×10−1Ω・cm以下のものであることを特徴とする項200又は201に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項203.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が室温における抵抗率1×10−2Ω・cm以下のものであることを特徴とする項200、201又は202に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項204.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過性を有しかつ導電性を有するものであることを特徴とする項186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202又は203に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項205.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分を含むものであることを特徴とする項186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203又は204に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項206.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が酸化亜鉛成分をZnO換算で55.0モル%以上含有するものであることを特徴とする項186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204又は205に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項207.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含むものであることを特徴とする項186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205又は206に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項208.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で0.001モル%〜45.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項207に記載された薄膜形成用基板。
項209.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で0.005モル%〜45.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項207又は208に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項210.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で0.02モル%〜45.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項207、208又は209に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項211.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で0.08モル%〜35.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項207、208、209又は210に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項212.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルカリ土類金属成分、希土類元素成分、遷移金属成分及び珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210又は211に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項213.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が希土類元素成分及び遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項212に記載された薄膜形成用基板。
項214.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項212又は213に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項215.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む光透過性を有するものであることを特徴とする項214に記載された薄膜形成用基板。
項216.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む光透過率30%以上のものであることを特徴とする項214又は215に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項217.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、204、215又は216に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項218.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項212又は213に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項219.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が希土類元素成分及び遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むものであることを特徴とする項212、213、214、215、216又は218に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項220.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分を含み、同時に希土類元素成分及び遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218又は219に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項221.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分を含み同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項220に記載された薄膜形成用基板。
項222.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分を含み同時に遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項220に記載された薄膜形成用基板。
項223.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が希土類元素成分及び遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むものであることを特徴とする項220、221又は222に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項224.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むものであることを特徴とする項223に記載された薄膜形成用基板。
項225.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むものであることを特徴とする項223又は224に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項226.遷移金属成分が鉄及びクロムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分であることを特徴とする項212、213、218、219、220、222、223又は225に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項227.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むものであることを特徴とする項220、221、222、223、224、225又は226に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項228.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.0002モル%〜10.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項227に記載された薄膜形成用基板。
項229.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.0006モル%〜6.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項227又は228に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項230.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.001モル%〜6.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項227、228又は229に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項231.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.002モル%〜3.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項227、228、229又は230に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項232.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で0.001モル%〜45.0モル%の範囲含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230又は231に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項233.セラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ベリリウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項185又は186に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項234.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過性を有することを特徴とする項186又は233に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項235.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率1%以上のものであることを特徴とする項186、233又は234に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項236.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率10%以上のものであることを特徴とする項235に記載された薄膜形成用基板。
項237.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率20%以上のものであることを特徴とする項235又は236に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項238.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率30%以上のものであることを特徴とする項235、236又は237に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項239.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率40%以上のものであることを特徴とする項235、236、237又は238に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項240.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率50%以上のものであることを特徴とする項235、236、237、238又は239に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項241.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率60%以上のものであることを特徴とする項235、236、237、238、239又は240に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項242.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率80%以上のものであることを特徴とする項235、236、237、238、239、240又は241に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項243.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率1%未満のものであることを特徴とする項185、186、233又は234に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項244.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率0%のものであることを特徴とする項243に記載された薄膜形成用基板。
項245.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項234、235、236、237、238、239、240、241、242、243又は244に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項246.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分及び珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項186、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244又は245に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項247.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が酸化ベリリウム成分をBeO換算で65.0モル%以上含むものであることを特徴とする項186、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245又は246に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項248.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計35.0モル%以下含むものであることを特徴とする項186、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246又は247に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項249.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.0002モル%〜35.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項248に記載された薄膜形成用基板。
項250.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.001モル%〜35.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項248又は249に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項251.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.004モル%〜35.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項248、249又は250に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項252.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.015モル%〜25.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項246、247、248、249、250又は251に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項253.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項186、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251又は252に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項254.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で5.0モル%以下含むものであることを特徴とする項253に記載された薄膜形成用基板。
項255.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で35.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で5.0モル%以下含むものであることを特徴とする項253又は254に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項256.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で35.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.00005モル%〜5.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項253、254又は255に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項257.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で35.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.0005モル%〜3.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項253、254、255又は256に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項258.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で35.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.002モル%〜3.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項253、254、255、256又は257に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項259.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で35.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.005モル%〜3.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項253、254、255、256、257又は258に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項260.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.0002モル%〜35.0モル%の範囲含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項253、254、255、256、257、258又は259に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項261.セラミック材料を主成分とする焼結体が酸化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項185又は186に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項262.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過性を有することを特徴とする項186又は261に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項263.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率1%以上のものであることを特徴とする項186、261又は262に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項264.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率10%以上のものであることを特徴とする項263に記載された薄膜形成用基板。
項265.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率20%以上のものであることを特徴とする項263又は264に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項266.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率30%以上のものであることを特徴とする項263、264又は265に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項267.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率40%以上のものであることを特徴とする項263、264、265又は266に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項268.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率50%以上のものであることを特徴とする項263、264、265、266又は267に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項269.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率60%以上のものであることを特徴とする項263、264、265、266、267又は268に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項270.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率80%以上のものであることを特徴とする項263、264、265、266、267、268又は269に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項271.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率1%未満のものであることを特徴とする項185、186、261又は262に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項272.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率0%のものであることを特徴とする項271に記載された薄膜形成用基板。
項273.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項262、263、264、265、266、267、268、269、270、271又は272に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項274.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分及び珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272又は273に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項275.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が酸化アルミニウム成分をAl換算で55.0モル%以上含むものであることを特徴とする項186、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273又は274に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項276.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計45.0モル%以下含むものであることを特徴とする項186、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274又は275に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項277.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.001モル%〜45.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項276に記載された薄膜形成用基板。
項278.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.005モル%〜45.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項276又は277に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項279.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.02モル%〜45.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項276、277又は278に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項280.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.08モル%〜35.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項276、277、278又は279に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項281.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が酸化アルミニウムを主成分としその他にマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項186、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279又は280に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項282.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むものであることを特徴とする項281に記載された薄膜形成用基板。
項283.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むものであることを特徴とする項281又は282に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項284.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.0002モル%〜10.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項281、282又は283に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項285.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.001モル%〜6.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項281、282、283又は284に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項286.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.005モル%〜6.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項281、282、283、284又は285に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項287.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.01モル%〜6.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項281、282、283、284、285又は286に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項288.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.001モル%〜45.0モル%の範囲含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項281、282、283、284、285、286又は287に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項289.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくともいずれか2種以上の成分を含むものであることを特徴とする項186、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287又は288に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項290.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化ガリウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項185又は186に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項291.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が光透過性を有することを特徴とする項290に記載された薄膜形成用基板。
項292.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が光透過率1%以上を有するものであることを特徴とする項290又は291に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項293.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が導電性を有することを特徴とする項290、291又は292に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項294.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が室温における抵抗率1×10Ω・cm以下を有するものであることを特徴とする項290、291、292又は293に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項295.窒化ガリウムを主成分とする焼結体がアルカリ土類金属及び希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする項290、291、292、293又は294に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項296.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が亜鉛、カドミウム、炭素、珪素、ゲルマニウム、セレン、及びテルルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする項290、291、292、293、294又は295に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項297.窒化ガリウムを主成分とする焼結体がアルミニウム、インジウム、及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする項290、291、292、293、294、295又は296に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項298.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が遷移金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする項290、291、292、293、294、295、296又は297に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項299.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が金属ガリウムの直接窒化による窒化ガリウムを主成分とする粉末を原料として作製されたものであることを特徴とする項290、291、292、293、294、295、296、297又は298に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項300.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が酸化ガリウムの還元窒化による窒化ガリウムを主成分とする粉末を原料として作製されたものであることを特徴とする項290、291、292、293、294、295、296、297又は298に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項301.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が気体状のガリウム化合物の窒化による窒化ガリウムを主成分とする粉末を原料として作製されたものであることを特徴とする項290、291、292、293、294、295、296、297又は298に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項302.平均表面粗さRa2000nm以下の六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300又は301に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項303.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nm以下であることを特徴とする項302に記載された薄膜形成用基板。
項304.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa100nm以下であることを特徴とする項302又は303に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項305.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa10nm以下であることを特徴とする項302、303又は304に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項306.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa5nm以下であることを特徴とする項302、303、304又は305に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項307.表面粗さの大きい六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303又は304に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項308.平均表面粗さRa70nm以上の六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304又は307に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項309.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nmより大きいことを特徴とする項308に記載された薄膜形成用基板。
項310.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nmより大きいことを特徴とする項308又は309に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項311.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の表面が焼き放し(as−fire)、ラップ研磨、ブラスト研磨、鏡面研磨、化学腐食及びプラズマガスによる腐食のうちから選ばれた少なくともいずれかの状態であることを特徴とする項302、303、304、305、306、307、308、309又は310に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項312.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の表面が鏡面研磨された状態であることを特徴とする項311に記載された薄膜形成用基板。
項313.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項302、303、304、305、306、307、308、309、310、311又は312に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項314.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体がそれぞれ酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69又は70に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項315.セラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項314に記載された薄膜形成用基板。
項316.平均表面粗さRa2000nm以下の酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項314又は315に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項317.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nm以下であることを特徴とする項316に記載された薄膜形成用基板。
項318.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa100nm以下であることを特徴とする項316又は317に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項319.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa10nm以下であることを特徴とする項316、317又は318に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項320.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa5nm以下であることを特徴とする項316、317、318又は319に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項321.表面粗さの大きい酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項314、315、316、317又は318に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項322.平均表面粗さRa70nm以上の酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項314、315、316、317、318又は321に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項323.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nmより大きいことを特徴とする項322に記載された薄膜形成用基板。
項324.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nmより大きいことを特徴とする項322又は323に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項325.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の表面が焼き放し(as−fire)、ラップ研磨、ブラスト研磨、鏡面研磨、化学腐食及びプラズマガスによる腐食のうちから選ばれた少なくともいずれかの状態であることを特徴とする項314、315、316、317、318、319、320、321、322、323又は324に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項326.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の表面が鏡面研磨された状態であることを特徴とする項325に記載された薄膜形成用基板。
項327.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれたいずれかの結晶状態であることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325又は326に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項328.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶であることを特徴とする項327に記載された薄膜形成用基板。
項329.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶でありさらに無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれたいずれか少なくとも1種以上の結晶状態からなることを特徴とする項327又は328に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項330.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の全てが単結晶であることを特徴とする項328に記載された薄膜形成用基板。
項331.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が無定形であることを特徴とする項327、328又は329に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項332.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が無定形でありさらに単結晶、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれたいずれか少なくとも1種以上の結晶状態からなることを特徴とする項331に記載された薄膜形成用基板。
項333.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の全てが無定形であることを特徴とする項332に記載された薄膜形成用基板。
項334.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が多結晶であることを特徴とする項327、328、329、331又は332に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項335.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が多結晶でありさらに単結晶、無定形、配向性多結晶のうちから選ばれたいずれか少なくとも1種以上の結晶状態からなることを特徴とする項334に記載された薄膜形成用基板。
項336.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の全てが多結晶であることを特徴とする項334に記載された薄膜形成用基板。
項337.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が配向性多結晶であることを特徴とする項327、328、329、331、332、334又は335に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項338.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が配向性多結晶でありさらに単結晶、無定形、多結晶のうちから選ばれたいずれか少なくとも1種以上の結晶状態からなることを特徴とする項337に記載された薄膜形成用基板。
項339.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の全てが配向性多結晶であることを特徴とする項337に記載された薄膜形成用基板。
項340.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶であり該薄膜の単結晶部分が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成されることを特徴とする項327、328、329、330、331、332、334、335、337又は338に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項341.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶であり該薄膜の単結晶部分が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成されることを特徴とする項327、328、329、330、331、332、334、335、337又は338に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項342.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも1部が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態であり該薄膜の無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の部分が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板に直接形成されることを特徴とする項327、328、329、331、332、333、334、335、336、337、338又は339に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項343.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも1部が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態であり該薄膜の無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の部分が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成されることを特徴とする項327、328、329、331、332、333、334、335、336、337、338又は339に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項344.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも1部が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態であり該薄膜の無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態の部分が光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板に直接形成されることを特徴とする項327、328、329、331、332、333、334、335、336、337、338又は339に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項345.基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層から構成されることを特徴とする項327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343又は344に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項346.2以上の層から構成される薄膜の各層が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶の中から選ばれた少なくともいずれかの結晶状態であることを特徴とする項345に記載された薄膜形成用基板。
項347.2以上の層から構成される薄膜において基板に直接形成される薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶の中から選ばれた少なくともいずれかの結晶状態であることを特徴とする項345又は346に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項348.2以上の層から構成される薄膜において基板に直接形成される薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶の中から選ばれた少なくともいずれかの結晶状態であることを特徴とする項345、346又は347に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項349.2以上の層から構成される薄膜において基板に直接形成される薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶の中から選ばれた少なくともいずれかの結晶状態でありその上に形成される薄膜が単結晶であることを特徴とする項345、346、347又は348に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項350.2以上の層から構成される薄膜において基板に直接形成される薄膜が無定形でありその上に形成される薄膜が単結晶であることを特徴とする項349に記載された薄膜形成用基板。
項351.2以上の層から構成される薄膜において基板に直接形成される薄膜が多結晶でありその上に形成される薄膜が単結晶であることを特徴とする項349に記載された薄膜形成用基板。
項352.2以上の層から構成される薄膜において基板に直接形成される薄膜が配向性多結晶でありその上に形成される薄膜が単結晶であることを特徴とする項349に記載された薄膜形成用基板。
項353.2以上の層から構成される薄膜において基板に直接形成される薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶の中から選ばれた少なくともいずれかの結晶状態でありその上に形成される薄膜が単結晶である構成の薄膜において該単結晶からなる薄膜が2以上の層からなることを特徴とする項345、346、347、348、349、350、351又は352に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項354.2以上の層から構成される薄膜において少なくとも2以上の層が単結晶からなるものであることを特徴とする項345、346、347、348、349、350、351、352又は353に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項355.2以上の層から構成される薄膜において基板に直接形成される薄膜が単結晶からなるものであることを特徴とする項345、346、347又は354に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項356.2以上の層から構成される薄膜においてすべての層が単結晶からなるものであることを特徴とする項345、346、347、354又は355に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項357.2以上の層から構成される薄膜のうち少なくとも2層が異なる組成からなるものであることを特徴とする項345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355又は356に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項358.基板に形成される薄膜の少なくとも一部が単結晶からなり該単結晶薄膜の結晶C軸が基板面に対して垂直な方向に形成されることを特徴とする項327、328、329、330、331、332、334、335、337、338、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356又は357に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項359.基板に形成される薄膜の全てが単結晶からなり該単結晶薄膜の結晶C軸が基板面に対して垂直な方向に形成されることを特徴とする項358に記載された薄膜形成用基板。
項360.基板に形成される薄膜の少なくとも一部が単結晶からなり該単結晶薄膜の結晶C軸が基板面に対して水平な方向に形成されることを特徴とする項327、328、329、330、331、332、334、335、337、338、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356又は357に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項361.基板に形成される薄膜の全てが単結晶からなり該単結晶薄膜の結晶C軸が基板面に対して水平な方向に形成されることを特徴とする項360に記載された薄膜形成用基板。
項362.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板に形成される薄膜が導電性を有することを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360又は361に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項363.薄膜が半導体化されることで導電性を有していることを特徴とする項347に記載された薄膜形成用基板。
項364.薄膜がマグネシウム、ベリリウム、カルシウム、亜鉛、カドミウム、炭素、珪素、ゲルマニウム、セレン、テルル、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上のドーピング成分により半導体化され導電性を有していることを特徴とする項362又は363に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項365.薄膜がマグネシウム、ベリリウム、カルシウム、亜鉛、カドミウム、炭素のうちから選ばれた少なくとも1種以上のドーピング成分によりP型に半導体化され導電性を有していることを特徴とする項362、363又は364に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項366.薄膜が珪素、ゲルマニウム、セレン、テルル、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上のドーピング成分によりN型に半導体化され導電性を有していることを特徴とする項362、363又は364に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項367.薄膜が主成分に対してドーピング成分を元素換算で0.00001〜10モル%の範囲含むものであることを特徴とする項362、363、364、365又は366に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項368.薄膜が少なくとも2以上の層で構成され該薄膜のうち少なくとも1層が導電性を有することを特徴とする項327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365又は366に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項369.導電性を有する薄膜の室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項362、363、364、365、366、367又は368に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項370.導電性を有する薄膜の室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項369に記載された薄膜形成用基板。
項371.導電性を有する薄膜の室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項369又は370に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項372.導電性を有する薄膜の室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項369、370又は371に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項373.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板に形成される薄膜がAlGa1−xN(0≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分とするものであることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371又は372に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項374.薄膜がAlGa1−xN(0≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分としさらにMg(マグネシウム)、Be(ベリリウム)、Zn(亜鉛)のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を該組成物に対して元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含むものであることを特徴とする項373に記載された薄膜形成用基板。
項375.薄膜がAlGa1−xN(0≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分としさらにSi(珪素)を該組成物に対して元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含むものであることを特徴とする項373又は374に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項376.薄膜がAlGa1−xN(0≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分としさらに該組成物に対してMg、Be、Znのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分及びSiとを同時に合計で元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含むものであることを特徴とする項373、374又は375に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項377.薄膜がAlGa1−xN(0≦x≦0.6)での化学式あらわされる組成物を主成分とするものであることを特徴とする項373、374、375又は376に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項378.薄膜がAlGa1−xN(0≦x≦0.6)での化学式あらわされる組成物を主成分としさらにMg、Be、Znのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を該組成物に対して元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含むものであることを特徴とする項377に記載された薄膜形成用基板。
項379.薄膜がAlGa1−xN(0≦x≦0.6)の化学式であらわされる組成物を主成分としさらにSiを該組成物に対して元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含むものであることを特徴とする項377又は378に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項380.薄膜がAlGa1−xN(0≦x≦0.6)の化学式であらわされる組成物を主成分としさらに該組成物に対してMg、Be、Znのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分及びSiとを同時に合計で元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含むものであることを特徴とする項377、378又は379に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項381.薄膜がAlGa1−xN(0.6≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分とするものであることを特徴とする項373、374、375又は376に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項382.薄膜がAlGa1−xN(0.6≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分としさらにMg、Be、Znのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を該組成物に対して元素換算で0.00001〜0.5モル%の範囲で含むものであることを特徴とする項381に記載された薄膜形成用基板。
項383.薄膜がAlGa1−xN(0.6≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分としさらにSiを該組成物に対して元素換算で0.00001〜0.5モル%の範囲で含むものであることを特徴とする項381又は382に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項384.薄膜がAlGa1−xN(0.6≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分としさらに該組成物に対してMg、Be、Znのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分及びSiとを同時に合計で元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含むものであることを特徴とする項381、382又は383に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項385.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板に形成される薄膜の厚みが0.5nm以上であることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383又は384に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項386.形成される薄膜の厚みが0.3μm以上であることを特徴とする項385に記載された薄膜形成用基板。
項387.形成される薄膜の厚みが3.5μm以上であることを特徴とする項385又は386に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項388.形成される薄膜の厚みが10μm以上であることを特徴とする項385、386又は387に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項389.形成される薄膜の厚みが50μm以上であることを特徴とする項385、386、387又は388に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項390.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、基板に形成される薄膜の厚みが1000μm以下であることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388又は389に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項391.薄膜がそれぞれの厚み1000μm以下の薄膜層からなることを特徴とする項390に記載された薄膜形成用基板。
項392.薄膜層すべての厚みが1000μm以下であることを特徴とする項390又は391に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項393.薄膜の厚みが500μm以下であることを特徴とする項390、391又は392に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項394.薄膜がそれぞれの厚み500μm以下の薄膜層からなることを特徴とする項393に記載された薄膜形成用基板。
項395.薄膜層すべての厚みが500μm以下であることを特徴とする項393又は394に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項396.薄膜の厚みが300μm未満であることを特徴とする項390、391、392、393、394又は395に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項397.薄膜がそれぞれの厚み300μm未満の薄膜層からなることを特徴とする項396に記載された薄膜形成用基板。
項398.薄膜層すべての厚みが300μm未満であることを特徴とする項396又は397に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項399.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板に形成される薄膜がミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅3600秒以下の単結晶薄膜を少なくとも有することを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397又は398に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項400.単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下であることを特徴とする項399に記載された薄膜形成用基板。
項401.単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下であることを特徴とする項399又は400に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項402.単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下であることを特徴とする項399、400又は401に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項403.単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下であることを特徴とする項399、400、401又は402に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項404.単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下であることを特徴とする項399、400、401、402又は403に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項405.単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下であることを特徴とする項399、400、401、402、403又は404に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項406.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板に形成される薄膜がガリウム、インジウム、アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む有機化合物を主原料としアンモニア、窒素、水素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を反応ガスとして形成されるものであることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、402、403、404又は405に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項407.ガリウム、インジウム、アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む有機化合物がトリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項406に記載された薄膜形成用基板。
項408.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板に形成される薄膜がガリウム、インジウム、アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分のハロゲン化物を主原料としアンモニア、窒素、水素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を反応ガスとして形成されるものであることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、402、403、404又は405に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項409.ガリウム、インジウム、アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むハロゲン化物が塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項408に記載された薄膜形成用基板。
項410.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板の製造方法であって、該基板が原料として酸化アルミニウムの還元法によるもの及び金属アルミニウムの直接窒化法によるもののなかから選ばれたいずれかをそれぞれ単独で用いるかあるいは酸化アルミニウムの還元法によるもの及び金属アルミニウムの直接窒化法によるものを混合して用いるか少なくともいずれかの原料を用いて製造される窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板の製造方法。
項411.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板の製造方法であって、該基板が窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体を非酸化性雰囲気中焼成温度1500℃以上で10分間以上焼成することで得られる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板の製造方法。
項412.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板の製造方法であって、該基板が原料として酸化アルミニウムの還元法によるもの及び金属アルミニウムの直接窒化法によるものから選ばれたものをそれぞれ単独で用いるかあるいは酸化アルミニウムの還元法によるもの及び金属アルミニウムの直接窒化法によるものを混合して用いるか少なくともいずれかの原料を用いて製造される窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体を非酸化性雰囲気中焼成温度1500℃以上で10分間以上焼成することで得られる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする項410は411に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項413.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過性を有することを特徴とする項410、411又は412に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項414.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率1%以上を有することを特徴とする項410、411、412又は413に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項415.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率5%以上を有することを特徴とする項414に記載された薄膜形成用基板の製造方法。
項416.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率10%以上を有することを特徴とする項414又は415に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項417.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率20%以上を有することを特徴とする項414、415又は416に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項418.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率30%以上を有することを特徴とする項414、415、416又は417に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項419.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率40%以上を有することを特徴とする項414、415、416、417又は418に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項420.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率50%以上を有することを特徴とする項414、415、416、417、418又は419に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項421.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率60%以上を有することを特徴とする項414、415、416、417、418、419又は420に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項422.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率80%以上を有することを特徴とする項414、415、416、417、418、419、420又は421に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項423.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率85%以上を有することを特徴とする項414、415、416、417、418、419、420、421又は422に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項424.窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体を窒化アルミニウム成分を含む非酸化性雰囲気中焼成温度1500℃以上で10分間以上焼成することで得られる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする項410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422又は423に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項425.窒化アルミニウム成分が被焼成物である窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体から焼成雰囲気である非酸化性雰囲気中に供給され、該非酸化性雰囲気中焼成温度1500℃以上で10分間以上被焼成物を焼成することで得られる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする項424に記載された薄膜形成用基板の製造方法。
項426.窒化アルミニウム成分が被焼成物である窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体以外から焼成雰囲気である非酸化性雰囲気中に供給され、該非酸化性雰囲気中焼成温度1500℃以上で10分間以上被焼成物を焼成することで得られる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする項424に記載された薄膜形成用基板の製造方法。
項427.窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体を窒化アルミニウムを主成分とする材料からなる焼成容器あるいは焼成治具を用いて焼成することを特徴とする項424又は426に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項428.被焼成物である窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体と該被焼成物以外の窒化アルミニウムを主成分とする粉末、あるいは窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体、あるいは窒化アルミニウムを主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれか1以上のものとを焼成容器あるいは焼成治具内に同時に存在させて焼成することを特徴とする項426又は427に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項429.窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体を窒化アルミニウム、タングステン、モリブデン、窒化ほう素、窒化ほう素を塗布したカーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする材料からなる焼成容器あるいは焼成治具を用いて焼成することを特徴とする項424、425、426、427又は428に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項430.窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体をいったん焼成して窒化アルミニウムを主成分とする焼結体となし、該焼結体をホットプレス法あるいは熱間静水圧加圧(HIP)法により加圧焼成することを特徴とする項410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428又は429に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項431.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板の製造方法であって、該基板が窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体を非酸化性雰囲気中焼成温度1750℃以上で3時間以上加熱することを特徴とする項410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429又は430に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項432.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板の製造方法であって、該基板が希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の化合物を含む窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体を非酸化性雰囲気中焼成温度1750℃以上で3時間以上焼成し含まれる成分のうち少なくとも希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を飛散・除去し減少させることで得られる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする項410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430又は431に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項433.焼成温度が1900℃以上であることを特徴とする項431又は432に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項434.焼成温度が2050℃以上であることを特徴とする項431、432又は433に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項435.焼成温度が2100℃以上であることを特徴とする項431、432、433又は434に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項436.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板の製造方法であって、該基板が希土類元素化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の化合物及びアルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の化合物を同時に含む窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体を非酸化性雰囲気中焼成温度1750℃以上で3時間以上焼成し含まれる成分のうち少なくとも希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を飛散・除去し減少させることで得られる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする項410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434又は435に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項437.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板の製造方法において、該薄膜を形成するための基板が窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体を焼成して得られる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなるものであって、該粉末成形体は窒化アルミニウム原料粉末を主成分とするグリーンシートからなるものであることを特徴とする項410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434、435又は436に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項438.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板の製造方法において、該薄膜を形成するための基板が窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体を焼成して得られる焼結体をさらに焼成して得られる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなるものであって、該粉末成形体は窒化アルミニウム原料粉末を主成分とするグリーンシートからなるものであることを特徴とする項410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434、435、436又は437に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項439.焼成温度1750℃以上で10時間以上焼成を行うことを特徴とする項410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434、435、436、437又は438に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項440.焼成温度1900℃以上で6時間以上焼成を行うことを特徴とする項410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434、435、436、437、438又は439に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項441.焼成温度2050℃以上で4時間以上焼成を行うことを特徴とする項410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434、435、436、437、438、439又は440に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項442.焼成温度2100℃以上で3時間以上焼成を行うことを特徴とする項410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434、435、436、437、438、439、440又は441に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項443.焼成雰囲気が窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンのうちから選ばれた少なくとも1種以上を含むものであることを特徴とする項410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434、435、436、437、438、439、440、441又は442に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項444.焼成雰囲気が還元性雰囲気であることを特徴とする項410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434、435、436、437、438、439、440、441、442又は443に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項445.焼成雰囲気が水素、炭素、一酸化炭素、炭化水素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含むものであることを特徴とする項410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434、435、436、437、438、439、440、441、442、443又は444に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項446.焼成雰囲気が水素、炭素、一酸化炭素、炭化水素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を0.1ppm以上含むものであることを特徴とする項443、444又は445に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項447.焼成される窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体の最小寸法が8mm以下であることを特徴とする項410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434、435、436、437、438、439、440、441、442、443、444、445又は446に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項448.焼成される窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体が板状でありその厚みが8mm以下であることを特徴とする項410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434、435、436、437、438、439、440、441、442、443、444、445、446又は447に記載されたいずれかの薄膜形成用基板の製造方法。
項449.希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が元素換算で合計0.5重量%以下、酸素含有量が元素換算で0.9重量%以下、結晶相としてAlNを95%以上、窒化アルミニウム粒子の大きさが5μm以上、かつ光透過性を有することを特徴とする窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項450.希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が元素換算で合計0.2重量%以下、酸素量含有量が0.5量%以下であることを特徴とする項449に記載された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項451.希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が元素換算で合計0.05重量%以下、酸素量含有量が0.2量%以下であることを特徴とする項449又は450に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項452.希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が元素換算で合計0.02重量%以下、酸素量含有量が0.1量%以下であることを特徴とする項449、450又は451に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項453.希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が元素換算で合計0.005重量%以下、酸素量含有量が0.05量%以下であることを特徴とする項449、450、451又は452に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項454.光透過率が1%以上であることを特徴とする項449、450、451、452又は453に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項455.光透過率が5%以上であることを特徴とする項454に記載された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項456.光透過率が10%以上であることを特徴とする項454又は455に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項457.光透過率が20%以上であることを特徴とする項454、455又は456に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項458.光透過率が30%以上であることを特徴とする項454、455、456又は457に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項459.光透過率が40%以上であることを特徴とする項454、455、456、457又は458に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項460.光透過率が50%以上であることを特徴とする項454、455、456、457、458又は459に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項461.光透過率が60%以上であることを特徴とする項454、455、456、457、458、459又は460に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項462.光透過率が80%以上であることを特徴とする項454、455、456、457、458、459、460又は461に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項463.光透過率が85%以上であることを特徴とする項454、455、456、457、458、459、460、461又は462に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項464.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項449、454、455、456、457、458、459、460、461、462又は463に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項465.結晶相としてAlNを98%以上含む事を特徴とする項454、455、456、457、458、459、460、461、462、463又は464に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項466.結晶相が実質的にAlN単一相であることを特徴とする項465に記載された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項467.窒化アルミニウム粒子の大きさが8μm以上であることを特徴とする項449、450、451、452、453、454、455、456、457、458、459、460、461、462、463、464、465又は466に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項468.窒化アルミニウム粒子の大きさが15μm以上であることを特徴とする項467に記載された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項469.窒化アルミニウム粒子の大きさが25μm以上であることを特徴とする項467又は468に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項470.窒化アルミニウム粒子の大きさが100μm以下であることを特徴とする項449、450、451、452、453、454、455、456、457、458、459、460、461、462、463、464、465、466、467、468又は469に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項471.室温における熱伝導率が200W/mK以上であることを特徴とする項449、450、451、452、453、454、455、456、457、458、459、460、461、462、463、464、465、466、467、468、469又は470に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項472.室温における熱伝導率が220W/mK以上であることを特徴とする項471に記載された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項473.平均表面粗さRa2000nm以下であることを特徴とする項449、450、451、452、453、454、455、456、457、458、459、460、461、462、463、464、465、466、467、468、469、470、471又は472に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項474.平均表面粗さRa1000nm以下であることを特徴とする項473に記載された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項475.平均表面粗さRa100nm以下であることを特徴とする項473又は474に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項476.平均表面粗さ20nm以下であることを特徴とする項473、474又は475に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項477.表面粗さが大きいことを特徴とする項449、450、451、452、453、454、455、456、457、458、459、460、461、462、463、464、465、466、467、468、469、470、471、472、473、474又は475に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項478.平均表面粗さRaが70nm以上であることを特徴とする項449、450、451、452、453、454、455、456、457、458、459、460、461、462、463、464、465、466、467、468、469、470、471、472、473、474、475又は477に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項479.平均表面粗さRaが1000nmより大きいことを特徴とする項478に記載された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項480.平均表面粗さRaが2000nmより大きいことを特徴とする項478又は479に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項481.表面が焼き放し(as−fire)、ラップ研磨、ブラスト研磨、鏡面研磨、化学腐食及びプラズマガスによる腐食のうちから選ばれた少なくともいずれかの状態であることを特徴とする項449、450、451、452、453、454、455、456、457、458、459、460、461、462、463、464、465、466、467、468、469、470、471、472、473、474、475、476、477、478、479又は480に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項482.表面の少なくとも一部が鏡面研磨された状態であることを特徴とする項481に記載された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項483.表面の少なくとも一部が平均表面粗さRa2000nmより大きい平滑度であることを特徴とする項449、450、451、452、453、454、455、456、457、458、459、460、461、462、463、464、465、466、467、468、469、470、471、472、473、474、475、476、477、478、479、480、481又は482に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項484.希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の化合物を含む窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体を非酸化性雰囲気中焼成温度1750℃以上で3時間以上焼成し含まれる成分のうち少なくとも希土類元素化合物及びアルカリ土類金属化合物及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を飛散・除去し減少させることにより得られることを特徴とする項449、450、451、452、453、454、455、456、457、458、459、460、461、462、463、464、465、466、467、468、469、470、471、472、473、474、475、476、477、478、479、480、481、482又は483に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項485.希土類元素化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の化合物及びアルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の化合物を同時に含む窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体を非酸化性雰囲気中焼成温度1750℃以上で3時間以上焼成することを特徴とする項484に記載された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項486.焼成温度1750℃以上で3時間以上焼成される粉末成形体又は焼結体の原料が酸化アルミニウムの還元法によるもの及び金属アルミニウムの直接窒化法によるもののうちから選ばれた1種だけか、あるいは酸化アルミニウムの還元法によるもの及び金属アルミニウムの直接窒化法によるものの両方を混合したもの、いずれかであることを特徴とする項484又は485に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項487.焼成温度1750℃以上で10時間以上焼成を行うことを特徴とする項484、485又は486に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項488.焼成温度1900℃以上で6時間以上焼成を行うことを特徴とする項484、485、486又は487に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項489.焼成温度2050℃以上で4時間以上焼成を行うことを特徴とする項484、485、486、487又は488に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項490.焼成温度2100℃以上で3時間以上焼成を行うことを特徴とする項484、485、486、487、488又は489に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項491.焼成雰囲気が窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンのうちから選ばれた少なくとも1種以上を含むものであることを特徴とする項484、485、486、487、488、489又は490に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項492.焼成雰囲気が還元性雰囲気であることを特徴とする項484、485、486、487、488、489、490又は491に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項493.焼成雰囲気が水素、炭素、一酸化炭素、炭化水素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を含むものであることを特徴とする項484、485、486、487、488、489、490、491又は492に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項494.焼成雰囲気が水素、炭素、一酸化炭素、炭化水素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を0.1ppm以上含むものであることを特徴とする項491、492又は493に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項495.焼成温度1750℃以上で3時間以上焼成される窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体の最小寸法が8mm以下であることを特徴とする項484、485、486、487、488、489、490、491、492、493又は494に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項496.焼成温度1750℃以上で3時間以上焼成される窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体が板状でありその厚みが8mm以下であることを特徴とする項484、485、486、487、488、489、490、491、492、493、494又は495に記載されたいずれかの窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
項497.少なくともアルミニウム成分を含みかつ光透過性を有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項498.酸化亜鉛をZnO換算で55.0モル%以上含むことを特徴とする項497に記載された酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項499.アルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含むことを特徴とする項497又は498に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項500.アルミニウム成分をAl換算で0.001モル%〜45.0モル%の範囲含むことを特徴とする項499に記載された酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項501.アルミニウム成分をAl換算で0.005モル%〜45.0モル%の範囲含むことを特徴とする項499又は500に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項502.アルミニウム成分をAl換算で0.02モル%〜45.0モル%の範囲含むことを特徴とする項499、500又は501に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項503.アルミニウム成分をAl換算で0.08モル%〜35.0モル%の範囲含むことを特徴とする項499、500、501又は502に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項504.アルミニウム成分を含み同時に希土類元素成分及び遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むことを特徴とする項497、498、499、500、501又は502に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項505.アルミニウム成分を含み同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むことを特徴とする項504に記載された酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項506.希土類元素成分がイットリウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、イッテルビウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分であることを特徴とする項504又は505に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項507.アルミニウム成分を含み同時に遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むことを特徴とする項504に記載された酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項508.希土類元素成分及び遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むことを特徴とする項504、505、506又は507に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項509.希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むことを特徴とする項508に記載された酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項510.遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むことを特徴とする項508又は509に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項511.遷移金属成分が鉄及びクロムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分であることを特徴とする項504、507、508又は510に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項512.アルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むことを特徴とする項504、505、506、507、508、509、510又は511に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項513.希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.0002モル%〜10.0モル%の範囲含むことを特徴とする項512に記載された酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項514.希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.0006モル%〜6.0モル%の範囲含むことを特徴とする項512又は513に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項515.希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.001モル%〜6.0モル%の範囲含むことを特徴とする項512、513又は514に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項516.希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.002モル%〜3.0モル%の範囲含むことを特徴とする項512、513、514又は515に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項517.アルミニウム成分をAl換算で0.001モル%〜45.0モル%の範囲含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むことを特徴とする項504、505、506、507、508、509、510、511、512、513、514、515又は516に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項518.光透過率が1%以上であることを特徴とする項497、498、499、500、501、502、503、504、505、506、507、508、509、510、511、512、513、514、515、516又は517に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項519.光透過率が10%以上であることを特徴とする項518に記載された酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項520.光透過率が20%以上であることを特徴とする項518又は519に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項521.光透過率が30%以上であることを特徴とする項518、519又は520に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項522.光透過率が40%以上であることを特徴とする項518、519、520又は521に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項523.光透過率が50%以上であることを特徴とする項518、519、520、521又は522に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項524.光透過率が60%以上であることを特徴とする項518、519、520、521、522又は523に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項525.光透過率が80%以上であることを特徴とする項518、519、520、521、522、523又は524に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項526.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項497、518、519、520、521、522、523、524又は525に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項527.導電性を有することを特徴とする項497、498、499、500、501、502、503、504、505、506、507、508、509、510、511、512、513、514、515、516、517、518、519、520、521、522、523、524、525又は526に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項528.室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項497、498、499、500、501、502、503、504、505、506、507、508、509、510、511、512、513、514、515、516、517、518、519、520、521、522、523、524、525、526又は527に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項529.室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項528に記載された酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項530.室温における抵抗率が1×10−2Ω・cm以下であることを特徴とする項528又は529に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項531.光透過性を有しかつ導電性を有することを特徴とする項497、498、499、500、501、502、503、504、505、506、507、508、509、510、511、512、513、514、515、516、517、518、519、520、521、522、523、524、525、526、527、528、529又は530に記載されたいずれかの酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
項532.光透過性を有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項533.光透過率が1%以上であることを特徴とする項532に記載された窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項534.光透過率が5%以上であることを特徴とする項533に記載された窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項535.光透過率が10%以上であることを特徴とする項533又は534に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項536.光透過率が20%以上であることを特徴とする項533、534又は535に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項537.光透過率が30%以上であることを特徴とする項533、534、535又は536に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項538.光透過率が40%以上であることを特徴とする項533、534、535、536又は537に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項539.光透過率が50%以上であることを特徴とする項533、534、535、536、537又は538に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項540.光透過率が60%以上であることを特徴とする項533、534、535、536、537、538又は539に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項541.光透過率が80%以上であることを特徴とする項533、534、535、536、537、538、539又は540に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項542.光透過率が85%以上であることを特徴とする項533、534、535、536、537、538、539、540又は541に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項543.光透過率が1%未満の窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項544.光透過率が0%の項543に記載された窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項545.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項532、533、534、535、536、537、538、539、540、541、542、543又は544に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項546.導電性を有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項547.室温における抵抗率1×10Ω・cm以下を有することを特徴とする項532、533、534、535、536、537、538、539、540、541、542、543、544、545又は546に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項548.室温における抵抗率1×10Ω・cm以下を有することを特徴とする項546又は547に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項549.室温における抵抗率1×10Ω・cm以下を有することを特徴とする項546、547又は548に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項550.室温における抵抗率1×10−2Ω・cm以下を有することを特徴とする項546、547、548又は549に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項551.光透過性を有しかつ導電性を有することを特徴とする項532、533、534、535、536、537、538、539、540、541、542、543、544、545、546、547、548、549又は550に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項552.ガリウム成分をGaN換算で55.0モル%以上含む窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項553.アルカリ土類金属及び希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項554.アルカリ土類金属及び希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で30モル%以下含有することを特徴とする項532、533、534、535、536、537、538、539、540、541、542、543、544、545、546、547、548、549、550、551、552又は553に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項555.アルカリ土類金属及び希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で20モル%以下含有することを特徴とする項553又は554に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項556.アルカリ土類金属及び希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10モル%以下含有することを特徴とする項553、554又は555に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項557.亜鉛、カドミウム、炭素、珪素、ゲルマニウム、セレン、及びテルルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項558.亜鉛、カドミウム、炭素、珪素、ゲルマニウム、セレン、及びテルルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で10モル%以下含有することを特徴とする項532、533、534、535、536、537、538、539、540、541、542、543、544、545、546、547、548、549、550、551、552、553、554、555、556又は557に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項559.亜鉛、カドミウム、炭素、珪素、ゲルマニウム、セレン、及びテルルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で0.00001モル%〜7モル%の範囲含有することを特徴とする項557又は558に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項560.亜鉛、カドミウム、炭素、珪素、ゲルマニウム、セレン、及びテルルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で0.00001モル%〜5モル%の範囲含有することを特徴とする項557、558又は559に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項561.亜鉛、カドミウム、炭素、珪素、ゲルマニウム、セレン、及びテルルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で0.00001モル%〜3モル%の範囲含有することを特徴とする項557、558、559又は560に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項562.アルミニウム、インジウム、及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項563.アルミニウム、インジウム、及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で40モル%以下含有することを特徴とする項532、533、534、535、536、537、538、539、540、541、542、543、544、545、546、547、548、549、550、551、552、553、554、555、556、557、558、559、560、561又は562に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項564.遷移金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項565.遷移金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で10モル%以下含有することを特徴とする項532、533、534、535、536、537、538、539、540、541、542、543、544、545、546、547、548、549、550、551、552、553、554、555、556、557、558、559、560、561、562、563又は564に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項566.遷移金属がマンガン、コバルト、ニッケル、鉄、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、バナジウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項564又は565に記載されたいずれかの窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項567.金属ガリウムの直接窒化による窒化ガリウムを主成分とする粉末を原料として作製されたものであることを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項568.酸化ガリウムの還元窒化による窒化ガリウムを主成分とする粉末を原料として作製されたものであることを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項569.気体状のガリウム化合物の窒化による窒化ガリウムを主成分とする粉末を原料として作製されたものであることを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項570.酸素含有量10重量%以下の窒化ガリウムを主成分とする粉末を原料として作製されたものであることを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項571.平均粒径10μm以下の窒化ガリウムを主成分とする粉末を原料として作製されたものであることを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
項572.酸素含有量10重量%以下の窒化ガリウムを主成分とする粉末。
項573.平均粒径10μm以下の窒化ガリウムを主成分とする粉末。
項574.金属ガリウムと窒素含有物質とを窒化反応せしめることを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする粉末の製造方法。
項575.酸化ガリウムを還元剤及び窒素含有物質とを用いて窒化反応せしめることを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする粉末の製造方法。
項576.気体状のガリウム化合物を窒素含有物質と窒化反応せしめることを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする粉末の製造方法。
項577.セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板。
項578.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されていることを特徴とする項577に記載された薄膜基板。
項579.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項578又は579に記載されたいずれかの薄膜基板。
項580.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜を有することを特徴とする項578又は579に記載されたいずれかの薄膜基板。
項581.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が1層からなることを特徴とする項578、579又は580に記載されたいずれかの薄膜基板。
項582.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも無定形であることを特徴とする項581に記載された薄膜基板。
項583.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が多結晶であることを特徴とする項581に記載された薄膜基板。
項584.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が配向性多結晶であることを特徴とする項581に記載された薄膜基板。
項585.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶であることを特徴とする項581に記載された薄膜基板。
項586.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなることを特徴とする項578、579又は580に記載されたいずれかの薄膜基板。
項587.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、各層がそれぞれ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項586に記載された薄膜基板。
項588.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項586又は587に記載されたいずれかの薄膜基板。
項589.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項586、587又は588に記載されたいずれかの薄膜基板。
項590.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が配向性多結晶であることを特徴とする項586、587、588又は589に記載されたいずれかの薄膜基板。
項591.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、少なくとも1層が単結晶であることを特徴とする項586、587、588、589又は590に記載されたいずれかの薄膜基板。
項592.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、最上層の薄膜が単結晶であることを特徴とする項586、587、588、589、590又は591に記載されたいずれかの薄膜基板。
項593.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが300μm未満であることを特徴とする項578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591又は592に記載されたいずれかの薄膜基板。
項594.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが200μm以下であることを特徴とする項593に記載された薄膜基板。
項595.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.1nm以上の厚みを有することを特徴とする項578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593又は594に記載されたいずれかの薄膜基板。
項596.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.5nm以上の厚みを有することを特徴とする項595に記載された薄膜基板。
項597.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.3μm以上の厚みを有することを特徴とする項595又は596に記載されたいずれかの薄膜基板。
項598.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも3.5μm以上の厚みを有することを特徴とする項595、596又は597に記載されたいずれかの薄膜基板。
項599.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも10μm以上の厚みを有することを特徴とする項595、596、597又は598に記載されたいずれかの薄膜基板。
項600.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも50μm以上の厚みを有することを特徴とする項595、596、597、598又は599記載されたいずれかの薄膜基板。
項601.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含有するものであることを特徴とする項578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599又は600記載されたいずれかの薄膜基板。
項602.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を有することを特徴とする項578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600又は601記載されたいずれかの薄膜基板。
項603.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が窒化ガリウムを主成分とするものであることを特徴とする項601又は602に記載されたいずれかの薄膜基板。
項604.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下であることを特徴とする項578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602又は603に記載されたいずれかの薄膜基板。
項605.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下であることを特徴とする項604に記載された薄膜基板。
項606.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下であることを特徴とする項604又は605に記載されたいずれかの薄膜基板。
項607.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下であることを特徴とする項604、605又は606に記載されたいずれかの薄膜基板。
項608.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下であることを特徴とする項604、605、606又は607に記載されたいずれかの薄膜基板。
項609.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下であることを特徴とする項604、605、606、607又は608に記載されたいずれかの薄膜基板。
項610.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下であることを特徴とする項604、605、606、607、608又は609に記載されたいずれかの薄膜基板。
項611.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nm以下であることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609又は610に記載されたいずれかの薄膜基板。
項612.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nm以下であることを特徴とする項611に記載された薄膜基板。
項613.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa100nm以下であることを特徴とする項611又は612に記載されたいずれかの薄膜基板。
項614.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa20nm以下であることを特徴とする項611、612又は613に記載されたいずれかの薄膜基板。
項615.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa10nm以下であることを特徴とする項611、612、613又は614に記載されたいずれかの薄膜基板。
項616.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa5nm以下であることを特徴とする項611、612、613、614又は615に載されたいずれかの薄膜基板。
項617.セラミック材料を主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612又は613に記載されたいずれかの薄膜基板。
項618.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa70nm以上であることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613又は617に記載されたいずれかの薄膜基板。
項619.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nmより大きいことを特徴とする項618に記載された薄膜基板。
項620.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nmより大きいことを特徴とする項618又は619に記載されたいずれかの薄膜基板。
項621.セラミック材料を主成分とする焼結体の表面が焼き放し(as−fire)、ラップ研磨、ブラスト研磨、鏡面研磨、化学腐食及びプラズマガスによる腐食のうちから選ばれた少なくともいずれかの状態であることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619又は620に記載されたいずれかの薄膜基板。
項622.セラミック材料を主成分とする焼結体の表面が鏡面研磨された状態であることを特徴とする項621に記載された薄膜基板。
項623.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板。
項624.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項623に記載された薄膜基板。
項625.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶であることを特徴とする項623又は624に記載されたいずれかの薄膜基板。
項626.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されていることを特徴とする項623、624又は625に記載されたいずれかの薄膜基板。
項627.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項626に記載された薄膜基板。
項628.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶であることを特徴とする項626又は627に記載されたいずれかの薄膜基板。
項629.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が1層からなることを特徴とする項626、627又は628に記載されたいずれかの薄膜基板。
項630.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも無定形であることを特徴とする項629に記載された薄膜基板。
項631.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が多結晶であることを特徴とする項629に記載された薄膜基板。
項632.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が配向性多結晶であることを特徴とする項629に記載された薄膜基板。
項633.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶であることを特徴とする項629に記載された薄膜基板。
項634.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなることを特徴とする項626、627又は628に記載されたいずれかの薄膜基板。
項635.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、各層がそれぞれ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項634に記載された薄膜基板。
項636.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項634又は635記載されたいずれかの薄膜基板。
項637.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項634、635又は636に記載されたいずれかの薄膜基板。
項638.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が配向性多結晶であることを特徴とする項634、635、636又は637に記載されたいずれかの薄膜基板。
項639.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、少なくとも1層が単結晶であることを特徴とする項634、635、636、637又は638に記載されたいずれかの薄膜基板。
項640.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、最上層の薄膜が単結晶であることを特徴とする項634、635、636、637、638又は639に記載されたいずれかの薄膜基板。
項641.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが300μm未満であることを特徴とする項626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639又は640に記載されたいずれかの薄膜基板。
項642.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが200μm以下であることを特徴とする項641に記載された薄膜基板。
項643.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.1nm以上の厚みを有することを特徴とする項626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641又は642に記載されたいずれかの薄膜基板。
項644.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.5nm以上の厚みを有することを特徴とする項643に記載された薄膜基板。
項645.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.3μm以上の厚みを有することを特徴とする項643又は644に記載されたいずれかの薄膜基板。
項646.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも3.5μm以上の厚みを有することを特徴とする項643、644又は645に記載されたいずれかの薄膜基板。
項647.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも10μm以上の厚みを有することを特徴とする項643、644、645又は646に記載されたいずれかの薄膜基板。
項648.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも50μm以上の厚みを有することを特徴とする項643、644、645、646又は647に記載されたいずれかの薄膜基板。
項649.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含有するものであることを特徴とする項626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647又は648に記載されたいずれかの薄膜基板。
項650.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を有することを特徴とする項626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648又は649に記載されたいずれかの薄膜基板。
項651.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が窒化ガリウムを主成分とするものであることを特徴とする項649又は650に記載されたいずれかの薄膜基板。
項652.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下であることを特徴とする項626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650又は651に記載されたいずれかの薄膜基板。
項653.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下であることを特徴とする項652に記載された薄膜基板。
項654.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下であることを特徴とする項652又は653に記載されたいずれかの薄膜基板。
項655.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下であることを特徴とする項652、653又は654に記載されたいずれかの薄膜基板。
項656.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下であることを特徴とする項652、653、654又は655に記載されたいずれかの薄膜基板。
項657.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下であることを特徴とする項652、653、654、655又は656に記載されたいずれかの薄膜基板。
項658.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下であることを特徴とする項652、653、654、655、656又は657に記載されたいずれかの薄膜基板。
項659.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nm以下であることを特徴とする項623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657又は658に記載されたいずれかの薄膜基板。
項660.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nm以下であることを特徴とする項659に記載された薄膜基板。
項661.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa100nm以下であることを特徴とする項659又は660に記載されたいずれかの薄膜基板。
項662.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa20nm以下であることを特徴とする項659、660又は661に記載されたいずれかの薄膜基板。
項663.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa10nm以下であることを特徴とする項659、660、661又は662に記載されたいずれかの薄膜基板。
項664.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa5nm以下であることを特徴とする項659、660、661、662又は663に記載されたいずれかの薄膜基板。
項665.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660又は661に記載されたいずれかの薄膜基板。
項666.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa70nm以上であることを特徴とする項623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661又は665に記載されたいずれかの薄膜基板。
項667.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nmより大きいことを特徴とする項666に記載された薄膜基板。
項668.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nmより大きいことを特徴とする項666又は667に記載されたいずれかの薄膜基板。
項669.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の表面が焼き放し(as−fire)、ラップ研磨、ブラスト研磨、鏡面研磨、化学腐食及びプラズマガスによる腐食のうちから選ばれた少なくともいずれかの状態であることを特徴とする項623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、667又は668に記載されたいずれかの薄膜基板。
項670.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の表面が鏡面研磨された状態であることを特徴とする項669に記載された薄膜基板。
項671.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率1%以上のものであることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、667、668、669又は670に記載されたいずれかの薄膜基板。
項672.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率10%以上のものであることを特徴とする項671に記載された薄膜基板。
項673.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率20%以上のものであることを特徴とする項671又は672に記載されたいずれかの薄膜基板。
項674.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率30%以上のものであることを特徴とする項671、672又は673記載されたいずれかの薄膜基板。
項675.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率40%以上のものであることを特徴とする項671、672、673又は674に記載されたいずれかの薄膜基板。
項676.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率50%以上のものであることを特徴とする項671、672、673、674又は675に記載されたいずれかの薄膜基板。
項677.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率60%以上のものであることを特徴とする項671、672、673、674、675又は676に記載されたいずれかの薄膜基板。
項678.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率80%以上のものであることを特徴とする項671、672、673、674、675、676又は677に記載されたいずれかの薄膜基板。
項679.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率1%未満のものであることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、667、668、669又は670に記載されたいずれかの薄膜基板。
項680.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率0%であることを特徴とする項679に記載された薄膜基板。
項681.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679又は680に記載されたいずれかの薄膜基板。
項682.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体がそれぞれ窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体、及び酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体、のうちから選ばれた少なくともいずれかであることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680又は681に記載されたいずれかの薄膜基板。
項683.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項682に記載された薄膜基板。
項684.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体がそれぞれ窒化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項682又は683に記載されたいずれかの薄膜基板。
項685.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されていることを特徴とする項682又は684に記載されたいずれかのい薄膜基板。
項686.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が基板状であることを特徴とする項685に記載された薄膜基板。
項687.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項685又は686に記載されたいずれかの薄膜基板。
項688.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶であることを特徴とする項687に記載された薄膜基板。
項689.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過性を有することを特徴とする項682、684、685、686、687又は688に記載されたいずれかの薄膜基板。
項690.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が1%以上であることを特徴とする項685、686、687、688又は689に記載されたいずれかの薄膜基板。
項691.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が5%以上であることを特徴とする項690に記載された薄膜基板。
項692.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が10%以上であることを特徴とする項690又は691に記載されたいずれかの薄膜基板。
項693.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が20%以上であることを特徴とする項690、691又は692に記載されたいずれかの薄膜基板。
項694.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が30%以上であることを特徴とする項690、691、692又は693に記載されたいずれかの薄膜基板。
項695.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が40%以上であることを特徴とする項690、691、692、693又は694に記載されたいずれかの薄膜基板。
項696.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が50%以上であることを特徴とする項690、691、692、693、694又は695に記載されたいずれかの薄膜基板。
項697.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が60%以上であることを特徴とする項690、691、692、693、694、695又は696に記載されたいずれかの薄膜基板。
項698.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が80%以上であることを特徴とする項690、691、692、693、694、695、696又は697に記載されたいずれかの薄膜基板。
項699.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が85%以上であることを特徴とする項690、691、692、693、694、695、696、697又は698に記載されたいずれかの薄膜基板。
項700.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が1%未満であることを特徴とする項685、686、687、688又は689に記載されたいずれかの薄膜基板。
項701.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が0%であることを特徴とする項700に記載された薄膜基板。
項702.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700又は701に記載されたいずれかの薄膜基板。
項703.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを20体積%以上含有するものであることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701又は702に記載されたいずれかの薄膜基板。
項704.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを50体積%以上含有するものであることを特徴とする項703に記載された薄膜基板。
項705.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で80体積%以下含有するものであることを特徴とする項703又は704に記載されたいずれかの薄膜基板。
項706.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で50体積%以下含有するものであることを特徴とする項705に記載された薄膜基板。
項707.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で25体積%以下含有するものであることを特徴とする項705又は706に記載されたいずれかの薄膜基板。
項708.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分とアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分とを同時に含有するものであることを特徴とする項705、706又は707に記載されたいずれかの薄膜基板。
項709.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がアルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で50体積%以下含有するものであることを特徴とする項703、704、705、706、707又は708に記載されたいずれかの薄膜基板。
項710.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がアルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で30体積%以下含有するものであることを特徴とする項709に記載された薄膜基板。
項711.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がアルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で20体積%以下含有するものであることを特徴とする項709又は710に記載されたいずれかの薄膜基板。
項712.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がアルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10体積%以下含有するものであることを特徴とする項709、710又は711に記載されたいずれかの薄膜基板。
項713.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がアルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含み同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有するものであることを特徴とする項705、706、707、708、709、710、711又は712に記載されたいずれかの薄膜基板。
項714.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がMo、W、V(バナジウム)、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で80体積%以下含有するものであることを特徴とする項703、704、705、706、707、708、709、710、711、712又は713に記載されたいずれかの薄膜基板。
項715.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がMo、W、V(バナジウム)、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で50体積%以下含有するものであることを特徴とする項714に記載された薄膜基板。
項716.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がMo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上を含む成分を元素換算で25体積%以下含有するものであることを特徴とする項714又は715に記載されたいずれかの薄膜基板。
項717.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がMo、W、V、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含み同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有するものであることを特徴とする項705、706、707、708、714、715又は716に記載されたいずれかの薄膜基板。
項718.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びMo、W、V(バナジウム)、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属成分を元素換算で80重量%以下含有するものであることを特徴とする項703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716又は717に記載されたいずれかの薄膜基板。
項719.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びMo、W、V(バナジウム)、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属成分を元素換算で50重量%以下含有するものであることを特徴とする項718に記載された薄膜基板。
項720.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属成分を30重量%以下含有するものであることを特徴とする項718又は719に記載されたいずれかの薄膜基板。
項721.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属成分を含み同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有するものであることを特徴とする項705、706、707、708、718、719又は720に記載されたいずれかの薄膜基板。
項722.希土類元素及びMo、W、V、Nb、Ta、Ti以外の遷移金属成分が鉄、ニッケル、クロム、マンガン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、銅、亜鉛のうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項718、719、720又は721に記載されたいずれかの薄膜基板。
項723.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が酸素を30重量%以下含有するものであることを特徴とする項703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721又は722に記載されたいずれかの薄膜基板。
項724.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が酸素を25重量%以下含有するものであることを特徴とする項723に記載された薄膜基板。
項725.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が酸素を10重量%以下含有するものであることを特徴とする項723又は724に記載されたいずれかの薄膜基板。
項726.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が酸素を含み同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を同時に含有するものであることを特徴とする項705、706、707、708、723、724又は725に記載されたいずれかの薄膜基板。
項727.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がALONを80%以下含有するものであることを特徴とする項703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725又は726に記載されたいずれかの薄膜基板。
項728.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がALONを50%以下含有するものであることを特徴とする項727に記載された薄膜基板。
項729.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がALONを20%以下含有するものであることを特徴とする項727又は728に記載されたいずれかの薄膜基板。
項730.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がALONを含み同時に希土類元素あるいはアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有するものであることを特徴とする項705、706、707、708、727、728又は729に記載されたいずれかの薄膜基板。
項731.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の室温における熱伝導率が50W/mK以上であることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729又は730に記載されたいずれかの薄膜基板。
項732.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の室温における熱伝導率が100W/mK以上であることを特徴とする項731に記載された薄膜基板。
項733.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の室温における熱伝導率が150W/mK以上であることを特徴とする項731又は732に記載されたいずれかの薄膜基板。
項734.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の室温における熱伝導率が170W/mK以上であることを特徴とする項731、732又は733に記載されたいずれかの薄膜基板。
項735.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で合計0.5重量%以下かつ酸素を0.9重量%以下含有するものであることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733又は734に記載されたいずれかの薄膜基板。
項736.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で合計0.2重量%以下かつ酸素を0.5重量%以下含有するものであることを特徴とする項735に記載された薄膜基板。
項737.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で合計0.05重量%以下かつ酸素を0.2重量%以下含有するものであることを特徴とする項735又は736に記載されたいずれかの薄膜基板。
項738.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で合計0.02重量%以下かつ酸素を0.1重量%以下含有するものであることを特徴とする項735、736又は737に記載されたいずれかの薄膜基板。
項739.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で合計0.005重量%以下かつ酸素を0.05重量%以下含有するものであることを特徴とする項735、736、737又は738に記載されたいずれかの薄膜基板。
項740.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がアルカリ金属あるいは珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で合計0.2重量%以下かつ酸素を0.9重量%以下含有するものであることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738又は739に記載されたいずれかの薄膜基板。
項741.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がMo、W、V(バナジウム)、Nb、Ta、Ti、カーボンのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で合計0.2重量%以下かつ酸素を0.9重量%以下含有するものであることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739又は740に記載されたいずれかの薄膜基板。
項742.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体がFe、Ni、Co、Mnのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で合計0.2重量%以下かつ酸素を0.9重量%以下含有するものであることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740又は741に記載されたいずれかの薄膜基板。
項743.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が結晶相としてAlNを95%以上含有するものであることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741又は742に記載されたいずれかの薄膜基板。
項744.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が結晶相としてAlNを98%以上含有するものであることを特徴とする項743に記載された薄膜基板。
項745.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の結晶相が実質的にAlN単一相からなるものであることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743又は744に記載されたいずれかの薄膜基板。
項746.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の室温における熱伝導率が200W/mK以上であることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744又は745に記載されたいずれかの薄膜基板。
項747.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の室温における熱伝導率が220W/mK以上であることを特徴とする項746に記載された薄膜基板。
項748.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が相対密度95%以上のものであることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746又は747に記載されたいずれかの薄膜基板。
項749.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が相対密度98%以上のものであることを特徴とする項748に記載された薄膜基板。
項750.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の空孔が1μm以下であることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748又は749に記載されたいずれかの薄膜基板。
項751.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが平均1μm以上であることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749又は750に記載されたいずれかの薄膜基板。
項752.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが平均5μm以上であることを特徴とする項751に記載された薄膜基板。
項753.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが平均8μm以上であることを特徴とする項751又は752に記載されたいずれかの薄膜基板。
項754.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが平均15μm以上であることを特徴とする項751、752又は753に記載されたいずれかの薄膜基板。
項755.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが平均25μm以上であることを特徴とする項751、752、753又は754に記載されたいずれかの薄膜基板。
項756.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体中の窒化アルミニウム粒子の大きさが平均100μm以下であることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754又は755に記載されたいずれかの薄膜基板。
項757.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nm以下であることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755又は756に記載されたいずれかの薄膜基板。
項758.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nm以下であることを特徴とする項757に記載された薄膜基板。
項759.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa100nm以下であることを特徴とする項757又は758に記載されたいずれかの薄膜基板。
項760.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa50nm以下であることを特徴とする項757、758又は759に記載されたいずれかの薄膜基板。
項761.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa20nm以下であることを特徴とする項757、758、759又は760に記載されたいずれかの薄膜基板。
項762.表面粗さの大きい窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758又は759に記載されたいずれかの薄膜基板。
項763.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa70nm以上であることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759又は762に記載されたいずれかの薄膜基板。
項764.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nmより大きいことを特徴とする項763に記載された薄膜基板。
項765.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nmより大きいことを特徴とする項763又は764に記載された薄膜基板。
項766.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の表面が焼き放し(as−fire)、ラップ研磨、ブラスト研磨、鏡面研磨、化学腐食及びプラズマガスによる腐食のうちから選ばれた少なくともいずれかの状態であることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764又は765に記載されたいずれかの薄膜基板。
項767.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の表面が鏡面研磨された状態であることを特徴とする項766に記載された薄膜基板。
項768.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の厚みが8.0mm以下であることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764又は765に記載されたいずれかの薄膜基板。
項769.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の厚みが5.0mm以下であることを特徴とする項768に記載された薄膜基板。
項770.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の厚みが2.5mm以下であることを特徴とする項768又は769に記載されたいずれかの薄膜基板。
項771.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の厚みが1.0mm以下であることを特徴とする項768、769又は770に記載されたいずれかの薄膜基板。
項772.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の厚みが0.01mm以上であることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770又は771に記載されたいずれかの薄膜基板。
項773.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の厚みが0.02mm以上であることを特徴とする項772に記載された薄膜基板。
項774.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の厚みが0.05mm以上であることを特徴とする項772又は773に記載されたいずれかの薄膜基板。
項775.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の厚みが8.0mm以下でありかつ光透過率が1%以上であることを特徴とする項768、769、770、771、772、773又は774に記載されたいずれかの薄膜基板。
項776.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の厚みが0.01mm以上でありかつ光透過率が40%以上であることを特徴とする項768、769、770、771、772、773、774又は775に記載されたいずれかの薄膜基板。
項777.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は導通ビアを有するものであることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775又は776に記載されたいずれかの薄膜基板。
項778.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体は基板状でありかつ導通ビアを有することを特徴とする項777に記載された薄膜基板。
項779.導通ビアは基板の上下表面を電気的に接続するよう窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする項777又は778に記載されたいずれかの薄膜基板。
項780.導通ビアが金、銀、銅、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、モリブデン、タングステン、クロム、チタン、窒化チタン、窒化ジルコニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする材料からなることを特徴とする項777、778又は779に記載された薄膜基板。
項781.導通ビアが金、銀、銅、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、モリブデン、タングステン、クロム、チタン、窒化チタン、窒化ジルコニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とし、さらに窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、希土類元素化合物、アルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の材料を含有することを特徴とする項780に記載された薄膜基板。
項782.導通ビアがモリブデン、タングステン、銅、窒化チタン、窒化ジルコニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする材料からなることを特徴とする項525又は781に記載されたいずれかの薄膜基板。
項783.導通ビアがモリブデン、タングステン、銅、窒化チタン、窒化ジルコニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とし、さらに窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、希土類元素化合物、アルカリ土類金属化合物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有するものであることを特徴とする項780、781又は782に記載されたいずれかの薄膜基板。
項784.導通ビアが室温における抵抗率1×10−3Ω・cm以下の導電性材料からなることを特徴とする項777、778、779、780、781、782又は783に記載された薄膜基板。
項785.導通ビアが室温における抵抗率1×10−4Ω・cm以下の導電性材料からなることを特徴とする項784に記載された薄膜基板。
項786.導通ビアが室温における抵抗率1×10−5Ω・cm以下の導電性材料からなることを特徴とする項784又は785に記載されたいずれかの薄膜基板。
項787.導通ビアの大きさが500μm以下であることを特徴とする項777、778、779、780、781、782、783、784、785又は786に記載された薄膜基板。
項788.導通ビアの大きさが250μm以下であることを特徴とする項787に記載された薄膜基板。
項789.導通ビアの大きさが100μm以下であることを特徴とする項787又は788に記載されたいずれかの薄膜基板。
項790.導通ビアの大きさが50μm以下であることを特徴とする項787、788又は789に記載されたいずれかの薄膜基板。
項791.導通ビアの大きさが25μm以下であることを特徴とする項787、788、789又は790に記載されたいずれかの薄膜基板。
項792.導通ビアの大きさが1μm以上であることを特徴とする項777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790又は791に記載されたいずれかの薄膜基板。
項793.薄膜が導通ビアの表面に形成されていることを特徴とする項777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791又は792に記載されたいずれかの薄膜基板。
項794.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に薄膜導電性材料が形成されていることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792又は793に記載されたいずれかの薄膜基板。
項795.薄膜導電性材料が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体の少なくとも表面に形成されていることを特徴とする項794に記載された薄膜基板。
項796.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該薄膜の表面及び/又は内部に薄膜導電性材料が形成されていることを特徴とする項685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794又は795に記載されたいずれかの薄膜基板。
項797.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板であって、窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に薄膜導電性材料が形成され、さらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の表面及び/又は内部に薄膜導電性材料が形成されていることを特徴とする項794、795又は796に記載されたいずれかの薄膜基板。
項798.薄膜導電性材料が金属、合金、金属窒化物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の材料からなることを特徴とする項794、795、796又は797に記載されたいずれかの薄膜基板。
項799.薄膜導電性材料が金、銀、銅、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、タンタル、モリブデン、タングステン、クロム、チタン、ニッケル−クロム合金、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、のうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする材料からなることを特徴とする項794、795、796、797又は798に記載されたいずれかの薄膜基板。
項800.薄膜導電性材料が少なくとも2以上の層で構成されていることを特徴とする項794、795、796、797、798又は799に記載されたいずれかの薄膜基板。
項801.薄膜導電性材料の厚みが20μm以下であることを特徴とする項794、795、796、797、798、799又は800に記載されたいずれかの薄膜基板。
項802.薄膜導電性材料と窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜との接合強度が2Kg/mm以上であることを特徴とする項794、795、796、797、798、799、800又は801に記載されたいずれかの薄膜基板。
項803.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されていることを特徴とする項682、683又は684に記載されたいずれかの薄膜基板。
項804.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が基板状であることを特徴とする項803に記載された薄膜基板。
項805.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項803又は804に記載されたいずれかの薄膜基板。
項806.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶であることを特徴とする項805に記載された薄膜基板。
項807.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有することを特徴とする項682、683、684、803、804、805又は806に記載されたいずれかの薄膜基板。
項808.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の光透過率が1%以上であることを特徴とする項803、804、805、806又は807に記載されたいずれかの薄膜基板。
項809.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の光透過率が5%以上であることを特徴とする項808に記載された薄膜基板。
項810.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の光透過率が10%以上であることを特徴とする項808又は809に記載されたいずれかの薄膜基板。
項811.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の光透過率が20%以上であることを特徴とする項808、809又は810に記載されたいずれかの薄膜基板。
項812.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の光透過率が30%以上であることを特徴とする項808、809、810又は811に記載されたいずれかの薄膜基板。
項813.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の光透過率が40%以上であることを特徴とする項808、809、810、811又は812に記載されたいずれかの薄膜基板。
項814.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の光透過率が50%以上であることを特徴とする項808、809、810、811、812又は813に記載されたいずれかの薄膜基板。
項815.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の光透過率が60%以上であることを特徴とする項808、809、810、811、812、813又は814に記載されたいずれかの薄膜基板。
項816.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の光透過率が80%以上であることを特徴とする項808、809、810、811、812、813、814又は815に記載されたいずれかの薄膜基板。
項817.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の光透過率が85%以上であることを特徴とする項808、809、810、811、812、813、814、815又は816に記載されたいずれかの薄膜基板。
項818.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の光透過率が1%未満であることを特徴とする項803、804、805、806又は807に記載されたいずれかの薄膜基板。
項819.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の光透過率が0%であることを特徴とする項818に記載された薄膜基板。
項820.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818又は819に記載されたいずれかの薄膜基板。
項821.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nm以下であることを特徴とする項803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819又は820に記載されたいずれかの薄膜基板。
項822.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa100nm以下であることを特徴とする項821に記載された薄膜基板。
項823.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa30nm以下であることを特徴とする項821又は822に記載されたいずれかの薄膜基板。
項824.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa10nm以下であることを特徴とする項821、822又は823に記載されたいずれかの薄膜基板。
項825.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa5nm以下であることを特徴とする項821、822、823又は824に記載されたいずれかの薄膜基板。
項826.表面粗さの大きい六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824又は825に記載されたいずれかの薄膜基板。
項827.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa70nm以上であることを特徴とする項803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825又は826に記載されたいずれかの薄膜基板。
項828.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nmより大きいことを特徴とする項827に記載された薄膜基板。
項829.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nmより大きいことを特徴とする項827又は828に記載された薄膜基板。
項830.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の表面が焼き放し(as−fire)、ラップ研磨、ブラスト研磨、鏡面研磨、化学腐食及びプラズマガスによる腐食のうちから選ばれた少なくともいずれかの状態であることを特徴とする項803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828又は829に記載されたいずれかの薄膜基板。
項831.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の表面が鏡面研磨された状態であることを特徴とする項830に記載された薄膜基板。
項832.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830又は831に記載されたいずれかの薄膜基板。
項833.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛を主成分とする焼結体であることを特徴とする項803、804又は832に記載されたいずれかの薄膜基板。
項834.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過性を有するものであることを特徴とする項803、804、832又は833に記載されたいずれかの薄膜基板。
項835.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率1%以上を有するものであることを特徴とする項832、833又は834に記載されたいずれかの薄膜基板。
項836.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率10%以上を有するものであることを特徴とする項835に記載された薄膜基板。
項837.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率20%以上を有するものであることを特徴とする項835又は836に記載されたいずれかの薄膜基板。
項838.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率30%以上を有するものであることを特徴とする項835、836又は837に記載されたいずれかの薄膜基板。
項839.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率40%以上を有するものであることを特徴とする項835、836、837又は838に記載されたいずれかの薄膜基板。
項840.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率50%以上を有するものであることを特徴とする項835、836、837、838又は839に記載されたいずれかの薄膜基板。
項841.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率60%以上を有するものであることを特徴とする項835、836、837、838、839又は840に記載されたいずれかの薄膜基板。
項842.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率80%以上を有するものであることを特徴とする項835、836、837、838、839、840又は841に記載されたいずれかの薄膜基板。
項843.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過率1%未満であることを特徴とする項832、833又は834に記載されたいずれかの薄膜基板。
項844.酸化亜鉛を主成分とする焼結体の光透過率が0%であることを特徴とする項562に記載された薄膜基板。
項845.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が導電性を有するものであることを特徴とする項832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843又は844に記載されたいずれかの薄膜基板。
項846.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が室温における抵抗率1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844又は845に記載されたいずれかの薄膜基板。
項847.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過性を有しかつ導電性を有するものであることを特徴とする項832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845又は846に記載されたいずれかの薄膜基板。
項848.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が少なくともアルミニウム成分を含むものであることを特徴とする項832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846又は847に記載されたいずれかの薄膜基板。
項849.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が酸化亜鉛成分をZnO換算で55.0モル%以上含むものであることを特徴とする項832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847又は848に記載されたいずれかの薄膜基板。
項850.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含むものであることを特徴とする項848又は849に記載されたいずれかの薄膜基板。
項851.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で0.001モル%〜45.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項850に記載された薄膜基板。
項852.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で0.005モル%〜45.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項850又は851に記載されたいずれかの薄膜基板。
項853.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で0.02モル%〜45.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項850、851又は852に記載されたいずれかの薄膜基板。
項854.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で0.08モル%〜35.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項850、851、852又は853に記載されたいずれかの薄膜基板。
項855.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルカリ土類金属成分、希土類元素成分、遷移金属成分及び珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853又は854に記載されたいずれかの薄膜基板。
項856.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が希土類元素成分及び遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項855に記載された薄膜基板。
項857.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項855又は856に記載されたいずれかの薄膜基板。
項858.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む光透過性を有するものであることを特徴とする項857に記載された薄膜基板。
項859.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む光透過率30%以上を有するものであることを特徴とする項857又は858に記載されたいずれかの薄膜基板。
項860.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、858又は859に記載されたいずれかの薄膜基板。
項861.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項855又は856に記載されたいずれかの薄膜基板。
項862.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が希土類元素成分及び遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むものであることを特徴とする項855、856、857、858、859、860又は861に記載されたいずれかの薄膜基板。
項863.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分を含み、同時に希土類元素成分及び遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861又は862に記載されたいずれかの薄膜基板。
項864.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分を含み同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項863に記載された薄膜基板。
項865.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分を含み同時に遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項863に記載された薄膜基板。
項866.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が希土類元素成分及び遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むものであることを特徴とする項863、864又は865に記載されたいずれかの薄膜基板。
項867.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むものであることを特徴とする項866に記載された薄膜基板。
項868.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が遷移金属成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むものであることを特徴とする項866又は867に記載されたいずれかの薄膜基板。
項869.遷移金属成分が鉄及びクロムのうちから選ばれる少なくとも1種以上の成分であることを特徴とする項855、856、861、862、863、865、866又は868に記載されたいずれかの薄膜基板。
項870.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むものであることを特徴とする項863、864、865又は866記載されたいずれかの薄膜基板。
項871.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.0002モル%〜10.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項870に記載された薄膜基板。
項872.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.0006モル%〜6.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項870又は871に記載されたいずれかの薄膜基板。
項873.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくともか1種以上の成分を酸化物換算で0.001モル%〜6.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項870、871又は872に記載されたいずれかの薄膜基板。
項874.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.002モル%〜3.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項870、871、872又は873に記載されたいずれかの薄膜基板。
項875.酸化亜鉛を主成分とする焼結体がアルミニウム成分をAl換算で0.001モル%〜45.0モル%の範囲含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873又は874に記載されたいずれかの薄膜基板。
項876.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ベリリウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項803、804又は832に記載されたいずれかの薄膜基板。
項877.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過性を有するものであることを特徴とする項803、804、832又は876に記載されたいずれかの薄膜基板。
項878.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率1%以上を有するものであることを特徴とする項832、876又は877に記載されたいずれかの薄膜基板。
項879.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率10%以上を有するものであることを特徴とする項878に記載された薄膜基板。
項880.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率20%以上を有するものであることを特徴とする項878又は879に記載されたいずれかの薄膜基板。
項881.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率30%以上を有するものであることを特徴とする項878、879又は880に記載されたいずれかの薄膜基板。
項882.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率40%以上を有するものであることを特徴とする項878、879、880又は881に記載されたいずれかの薄膜基板。
項883.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率50%以上を有するものであることを特徴とする項878、879、880、881又は882に記載されたいずれかの薄膜基板。
項884.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率60%以上を有するものであることを特徴とする項878、879、880、881、882又は883に記載されたいずれかの薄膜基板。
項885.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過率80%以上を有するものであることを特徴とする項878、879、880、881、882、883又は884に記載されたいずれかの薄膜基板。
項886.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の光透過率が1%未満であることを特徴とする項832、876又は877に記載されたいずれかの薄膜基板。
項887.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体の光透過率が0%であることを特徴とする項886に記載された薄膜基板。
項888.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項877、878、879、880、881、882、883、884、885、886又は887に記載されたいずれかの薄膜基板。
項889.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分及び珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項832、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887又は888に記載されたいずれかの薄膜基板。
項890.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が酸化ベリリウム成分をBeO換算で65.0モル%以上含むものであることを特徴とする項832、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888又は889に記載されたいずれかの薄膜基板。
項891.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計35.0モル%以下含むものであることを特徴とする項832、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889又は890に記載されたいずれかの薄膜基板。
項892.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.0002モル%〜35.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項891に記載された薄膜基板。
項893.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.001モル%〜35.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項891又は892に記載されたいずれかの薄膜基板。
項894.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.004モル%〜35.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項891、892又は893に記載されたいずれかの薄膜基板。
項895.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.015モル%〜25.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項891、892、893又は894に記載されたいずれかの薄膜基板。
項896.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項832、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894又は895に記載されたいずれかの薄膜基板。
項897.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で5.0モル%以下含むものであることを特徴とする項896に記載された薄膜基板。
項898.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で35.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で5.0モル%以下含むものであることを特徴とする項896又は8976に記載されたいずれかの薄膜基板。
項899.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で35.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.00005モル%〜5.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項896、897又は898に記載されたいずれかの薄膜基板。
項900.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で35.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.0005モル%〜3.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項896、897、898又は899に記載されたいずれかの薄膜基板。
項901.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で35.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.002モル%〜3.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項896、897、898、899又は900に記載されたいずれかの薄膜基板。
項902.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で35.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.005モル%〜3.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項896、897、898、899、900又は901に記載されたいずれかの薄膜基板。
項903.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.0002モル%〜35.0モル%の範囲含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項896、897、898、899、900、901又は902に記載されたいずれかの薄膜基板。
項904.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項803、804又は832に記載されたいずれかの薄膜基板。
項905.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過性を有するものであることを特徴とする項803、804、832又は904に記載されたいずれかの薄膜基板。
項906.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率1%以上を有するものであることを特徴とする項832、904又は905に記載されたいずれかの薄膜基板。
項907.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率10%以上を有するものであることを特徴とする項906に記載された薄膜基板。
項908.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率20%以上を有するものであることを特徴とする項906又は907に記載されたいずれかの薄膜基板。
項909.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率30%以上を有するものであることを特徴とする項906、907又は908に記載されたいずれかの薄膜基板。
項910.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率40%以上を有するものであることを特徴とする項906、907、908又は909に記載されたいずれかの薄膜基板。
項911.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率50%以上を有するものであることを特徴とする項906、907、908、909又は910に記載されたいずれかの薄膜基板。
項912.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率60%以上を有するものであることを特徴とする項906、907、908、909、910又は911に記載されたいずれかの薄膜基板。
項913.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過率80%以上を有するものであることを特徴とする項906、907、908、909、910、911又は912に記載されたいずれかの薄膜基板。
項914.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が1%未満であることを特徴とする項832、904又は905に記載されたいずれかの薄膜基板。
項915.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体の光透過率が0%であることを特徴とする項914に記載された薄膜基板。
項916.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項905、906、907、908、909、910、911、912、913、914又は915に記載されたいずれかの薄膜基板。
項917.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分及び珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項832、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915又は916に記載されたいずれかの薄膜基板。
項918.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が酸化アルミニウム成分をAl換算で55.0モル%以上含むものであることを特徴とする項832、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916又は917に記載されたいずれかの薄膜基板。
項919.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計45.0モル%以下含むものであることを特徴とする項832、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917又は918に記載されたいずれかの薄膜基板。
項920.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.001モル%〜45.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項919に記載された薄膜基板。
項921.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.005モル%〜45.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項919又は920に記載されたいずれかの薄膜基板。
項922.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.02モル%〜45.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項919、920又は921に記載されたいずれかの薄膜基板。
項923.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で合計0.08モル%〜35.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項919、920、921又は922に記載されたいずれかの薄膜基板。
項924.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項832、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922又は923に記載されたいずれかの薄膜基板。
項925.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むものであることを特徴とする項924に記載された薄膜基板。
項926.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10.0モル%以下含むものであることを特徴とする項924又は925に記載されたいずれかの薄膜基板。
項927.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.0002モル%〜10.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項924、925又は926に記載されたいずれかの薄膜基板。
項928.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.001モル%〜6.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項924、925、926又は927に記載されたいずれかの薄膜基板。
項929.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.005モル%〜6.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項924、925、926、927又は928に記載されたいずれかの薄膜基板。
項930.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で45.0モル%以下含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.01モル%〜6.0モル%の範囲含むものであることを特徴とする項924、925、926、927、928又は929に記載されたいずれかの薄膜基板。
項931.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で0.001モル%〜45.0モル%の範囲含み、同時に希土類元素成分のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むものであることを特徴とする項924、925、926、927、928、929又は930に記載されたいずれかの薄膜基板。
項932.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体がマグネシウム成分、カルシウム成分、珪素成分のうちから選ばれた少なくともいずれか2種以上の成分を含むものであることを特徴とする項832、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930又は931に記載されたいずれかの薄膜基板。
項933.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が窒化ガリウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項803、804又は832に記載されたいずれかの薄膜基板。
項934.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が光透過性を有することを特徴とする項803、804、832又は933に記載されたいずれかの薄膜基板。
項935.光透過率が1%以上であることを特徴とする項832、933又は934に記載されたいずれかの薄膜基板。
項936.窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率が5%以上であることを特徴とする項935に記載された薄膜基板。
項937.窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率が10%以上であることを特徴とする項935又は936に記載されたいずれかの薄膜基板。
項938.窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率が20%以上であることを特徴とする項935、936又は937に記載されたいずれかの薄膜基板。
項939.窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率が30%以上であることを特徴とする項935、936、937又は938に記載されたいずれかの薄膜基板。
項940.窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率が40%以上であることを特徴とする項935、936、937、938又は939に記載されたいずれかの薄膜基板。
項941.窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率が50%以上であることを特徴とする項935、936、937、938、939又は940に記載されたいずれかの薄膜基板。
項942.窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率が60%以上であることを特徴とする項935、936、937、938、939、940又は941に記載されたいずれかの薄膜基板。
項943.窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率が80%以上であることを特徴とする項935、936、937、938、939、940、941又は942に記載されたいずれかの薄膜基板。
項944.窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率が85%以上であることを特徴とする項935、936、937、938、939、940、941、942又は943に記載されたいずれかの薄膜基板。
項945.窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率が1%未満の項832、933又は934に記載されたいずれかの薄膜基板。
項946.窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過率が0%の項945に記載された薄膜基板。
項947.窒化ガリウムを主成分とする焼結体の光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945又は946に記載されたいずれかの薄膜基板。
項948.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が導電性を有することを特徴とする項832、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946又は947に記載されたいずれかの薄膜基板。
項949.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が室温における抵抗率1×10Ω・cm以下を有することを特徴とする項832、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947又は948に記載されたいずれかの薄膜基板。
項950.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が室温における抵抗率1×10Ω・cm以下を有することを特徴とする項948又は949に記載されたいずれかの薄膜基板。
項951.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が室温における抵抗率1×10Ω・cm以下を有することを特徴とする項948、949又は950に記載されたいずれかの薄膜基板。
項952.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が室温における抵抗率1×10−2Ω・cm以下を有することを特徴とする項948、949、950又は951に記載されたいずれかの薄膜基板。
項953.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が光透過性を有しかつ導電性を有することを特徴とする項832、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951又は952に記載されたいずれかの薄膜基板。
項954.窒化ガリウムを主成分とする焼結体がガリウム成分をGaN換算で55.0モル%以上含むことを特徴とする項832、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952又は953に記載されたいずれかの薄膜基板。
項955.窒化ガリウムを主成分とする焼結体がアルカリ土類金属及び希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする項832、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953又は954に記載されたいずれかの薄膜基板。
項956.窒化ガリウムを主成分とする焼結体がアルカリ土類金属及び希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で30モル%以下含有することを特徴とする項955に記載された薄膜基板。
項957.窒化ガリウムを主成分とする焼結体がアルカリ土類金属及び希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で20モル%以下含有することを特徴とする項955又は956に記載されたいずれかの薄膜基板。
項958.窒化ガリウムを主成分とする焼結体がアルカリ土類金属及び希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を酸化物換算で10モル%以下含有することを特徴とする項955、956又は957に記載されたいずれかの薄膜基板。
項959.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が亜鉛、カドミウム、炭素、珪素、ゲルマニウム、セレン、及びテルルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする項832、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957又は958に記載されたいずれかの薄膜基板。
項960.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が亜鉛、カドミウム、炭素、珪素、ゲルマニウム、セレン、及びテルルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で10モル%以下含有することを特徴とする項959に記載された薄膜基板。
項961.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が亜鉛、カドミウム、炭素、珪素、ゲルマニウム、セレン、及びテルルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で0.00001モル%〜7モル%の範囲含有することを特徴とする項959又は960に記載されたいずれかの薄膜基板。
項962.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が亜鉛、カドミウム、炭素、珪素、ゲルマニウム、セレン、及びテルルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で0.00001モル%〜5モル%の範囲含有することを特徴とする項959、960又は961に記載されたいずれかの薄膜基板。
項963.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が亜鉛、カドミウム、炭素、珪素、ゲルマニウム、セレン、及びテルルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で0.00001モル%〜3モル%の範囲含有することを特徴とする項959、960又は961に記載されたいずれかの薄膜基板。
項964.窒化ガリウムを主成分とする焼結体がアルミニウム、インジウム、及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする項832、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962又は963に記載されたいずれかの薄膜基板。
項965.窒化ガリウムを主成分とする焼結体がアルミニウム、インジウム、及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で40モル%以下含有することを特徴とする項964に記載された薄膜基板。
項966.窒化ガリウムを主成分とする焼結体がアルミニウム、インジウム、及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で30モル%以下含有することを特徴とする項964又は965に記載されたいずれかの薄膜基板。
項967.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が遷移金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする項832、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965又は966に記載されたいずれかの薄膜基板。
項968.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が遷移金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を元素換算で10モル%以下含有することを特徴とする項967に記載された薄膜基板。
項969.窒化ガリウムを主成分とする焼結体に含まれる遷移金属がマンガン、コバルト、ニッケル、鉄、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、バナジウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項967又は968に記載されたいずれかの薄膜基板。
項970.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が金属ガリウムの直接窒化による窒化ガリウムを主成分とする粉末を原料として作製されたものであることを特徴とする項803、804、832、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968又は969に記載されたいずれかの薄膜基板。
に記載されたいずれかの薄膜基板。
項971.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が酸化ガリウムの還元窒化による窒化ガリウムを主成分とする粉末を原料として作製されたものであることを特徴とする項803、804、832、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968又は969に記載されたいずれかの薄膜基板。
に記載されたいずれかの薄膜基板。
項972.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が気体状のガリウム化合物の窒化による窒化ガリウムを主成分とする粉末を原料として作製されたものであることを特徴とする項803、804、832、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968又は969に記載されたいずれかの薄膜基板。
項973.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が酸素含有量10重量%以下の窒化ガリウムを主成分とする粉末を原料として作製されたものであることを特徴とする項970、971又は972に記載されたいずれかの薄膜基板。
項974.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が酸素含有量10重量%以下の窒化ガリウムを主成分とする粉末を原料として作製されたものであることを特徴とする項973に記載された薄膜基板。
項975.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が平均粒径10μm以下の窒化ガリウムを主成分とする粉末を原料として作製されたものであることを特徴とする項970、971、972、973又は974に記載されたいずれかの薄膜基板。
項976.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が平均粒径5.0μm以下の窒化ガリウムを主成分とする粉末を原料として作製されたものであることを特徴とする項975に記載された薄膜基板。
項977.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が平均粒径2.0μm以下の窒化ガリウムを主成分とする粉末を原料として作製されたものであることを特徴とする項975又は976に記載されたいずれかの薄膜基板。
項978.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が平均粒径1.0μm以下の窒化ガリウムを主成分とする粉末を原料として作製されたものであることを特徴とする項975、976又は977に記載されたいずれかの薄膜基板。
項979.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されていることを特徴とする項682又は684に記載されたいずれかの薄膜基板。
項980.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするが基板状であることを特徴とする項979に記載された薄膜基板。
項981.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項979又は980に記載されたいずれかの薄膜基板。
項982.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶であることを特徴とする項981に記載された薄膜基板。
項983.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体が光透過性を有することを特徴とする項979、980、981又は982に記載されたいずれかの薄膜基板。
項984.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の光透過率が1%以上であることを特徴とする項979、980、981、982又は983に記載されたいずれかの薄膜基板。
項985.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の光透過率が5%以上であることを特徴とする項984に記載された薄膜基板。
項986.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の光透過率が10%以上であることを特徴とする項984又は985に記載されたいずれかの薄膜基板。
項987.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の光透過率が20%以上であることを特徴とする項984、985又は986に記載されたいずれかの薄膜基板。
項988.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の光透過率が30%以上であることを特徴とする項984、985、986又は987に記載されたいずれかの薄膜基板。
項989.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の光透過率が40%以上であることを特徴とする項984、985、986、987又は988に記載されたいずれかの薄膜基板。
項990.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の光透過率が50%以上であることを特徴とする項984、985、986、987、988又は989に記載されたいずれかの薄膜基板。
項991.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の光透過率が60%以上であることを特徴とする項984、985、986、987、988、989又は990に記載されたいずれかの薄膜基板。
項992.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の光透過率が80%以上であることを特徴とする項984、985、986、987、988、989、990又は991に記載されたいずれかの薄膜基板。
項993.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の光透過率が85%以上であることを特徴とする項984、985、986、987、988、989、990、991又は992に記載されたいずれかの薄膜基板。
項994.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の光透過率が1%未満であることを特徴とする項979、980、981、982又は983に記載されたいずれかの薄膜基板。
項995.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の光透過率が0%であることを特徴とする項994に記載された薄膜基板。
項996.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994又は995に記載されたいずれかの薄膜基板。
項997.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nm以下であることを特徴とする項979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995又は996に記載されたいずれかの薄膜基板。
項998.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa100nm以下であることを特徴とする項997に記載された薄膜基板。
項999.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa30nm以下であることを特徴とする項997又は998に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1000.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa10nm以下であることを特徴とする項997、998又は999に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1001.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa5nm以下であることを特徴とする項997、998、999又は1000に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1002.表面粗さの大きい酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体からなることを特徴とする項979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997又は998に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1003.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa70nm以上であることを特徴とする項979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997又は998に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1004.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nmより大きいことを特徴とする項1003に記載された薄膜基板。
項1005.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nmより大きいことを特徴とする項1003又は1004に記載された薄膜基板。
項1006.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の表面が焼き放し(as−fire)、ラップ研磨、ブラスト研磨、鏡面研磨、化学腐食及びプラズマガスによる腐食のうちから選ばれた少なくともいずれかの状態であることを特徴とする項979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004又は1005に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1007.酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体の表面が鏡面研磨された状態であることを特徴とする項1006に記載された薄膜基板。
項1008.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006又は1007に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1009.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶であることを特徴とする項1008に記載された薄膜基板。
項1010.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶でありさらに無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれたいずれか少なくとも1種以上の結晶状態を有することを特徴とする項1008又は1009に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1011.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜がすべて単結晶であることを特徴とする項1008、1009又は1010に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1012.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が無定形であることを特徴とする項1008、1009又は1010に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1013.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が無定形でありさらに単結晶、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれたいずれか少なくとも1種以上の結晶状態を有することを特徴とする項1012に記載された薄膜基板。
項1014.薄膜の全てが無定形であることを特徴とする項681に記載された薄膜基板。
項1015.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が多結晶であることを特徴とする項1008、1009、1010、1012又は1013に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1016.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が多結晶でありさらに単結晶、無定形、配向性多結晶のうちから選ばれたいずれか少なくとも1種以上の結晶状態を有することを特徴とする項1015に記載された薄膜基板。
項1017.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の全てが多結晶であることを特徴とする項684に記載された薄膜基板。
項1018.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が配向性多結晶であることを特徴とする項1008、1009、1010、1012、1013、1015又は1016に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1019.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が配向性多結晶でありさらに単結晶、無定形、多結晶のうちから選ばれたいずれか少なくとも1種以上の結晶状態を有することを特徴とする項1018に記載された薄膜基板。
項1020.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の全てが配向性多結晶であることを特徴とする項1018に記載された薄膜基板。
項1021.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶であり該薄膜の単結晶部分が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接形成されていることを特徴とする項1008、1009、1010、1011、1012、1013、1015、1016、1018又は1019に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1022.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶であり該薄膜の単結晶部分が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成されていることを特徴とする項1008、1009、1010、1011、1012、1013、1015、1016、1018又は1019に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1023.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも1部が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態であり該薄膜の無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態のものが窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に直接形成されることを特徴とする項1008、1009、1010、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020又は1021に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1024.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも1部が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態であり該薄膜の無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態のものが六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成されることを特徴とする項1008、1009、1010、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020又は1022に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1025.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも1部が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態であり該薄膜の無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態のものが光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成されることを特徴とする項1008、1009、1010、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019又は1020に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1026.形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単一層であることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024又は1025に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1027.形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層から構成されていることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024又は1025に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1028.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜のうち少なくとも2層がそれぞれ組成が異なるかあるいはそれぞれ結晶状態が異なるか少なくともいずれかであることを特徴とする項1027に記載された薄膜基板。
項1029.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜のうち少なくとも2層がそれぞれ異なる組成であることを特徴とする項1027又は1028に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1030.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜のうち少なくとも2層がそれぞれ異なる組成でかつ結晶状態は同じであることを特徴とする項1027、1028又は1029に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1031.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜のうち少なくとも2層がそれぞれ異なる組成でかつ結晶状態も異なることを特徴とする項1027、1028、1029又は1030に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1032.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜のうち少なくとも2層が同じ組成であることを特徴とする項1027又は1028に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1033.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜のうち少なくとも2層が同じ組成で結晶状態はそれぞれ異なることを特徴とする項1027、1028又は1032に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1034.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜のうち少なくとも2層がそれぞれ同じ組成でかつ同じ結晶状態であることを特徴とする項1027に記載された薄膜基板。
項1035.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜の各層がそれぞれ単結晶、配向性多結晶、多結晶、無定形の中から選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033又は1034に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1036.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成されている薄膜層が単結晶、配向性多結晶、多結晶、無定形の中から選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものであることを特徴とする項1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034又は1035に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1037.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成されている薄膜層が配向性多結晶、多結晶、無定形の中から選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものであることを特徴とする項1036に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1038.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成されている薄膜層が配向性多結晶であることを特徴とする項1036又は1037に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1039.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、配向性多結晶、多結晶、無定形のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037又は1038に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1040.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶、多結晶、無定形のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1039に記載された薄膜基板。
項1041.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1039又は1040に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1042.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体、及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする多結晶薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1039又は1040に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1043.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1039又は1040に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1044.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜のなかでセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成される該薄膜が少なくとも1層以上の単結晶薄膜層を有する薄膜において、該単結晶薄膜層は少なくとも2以上の層からなることを特徴とする項1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042又は1043に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1045.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、配向性多結晶、多結晶、無定形のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、配向性多結晶、多結晶、無定形のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043又は1044に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1046.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、配向性多結晶、多結晶、無定形のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、配向性多結晶、多結晶、無定形のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044又は1045に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1047.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてすべての層が単結晶だけから構成されていることを特徴とする項1027、1028、1029、1030、1032、1034、1035、1036、1039又は1044に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1048.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が基板の表面に形成されていることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046又は1047に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1049.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のC軸が基板面に対して垂直な方向に形成されていることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047又は1048に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1050.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のC軸が基板面に対して水平な方向に形成されていることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047又は1048に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1051.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜のC軸が基板面に対して垂直な方向に形成されていることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047又は1048に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1052.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜のC軸が基板面に対して水平な方向に形成されていることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047又は1048に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1053.形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が導電性を有することを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047、1048、1049、1050、1051又は1052に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1054.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が半導体化されることで導電性を有していることを特徴とする項1053に記載された薄膜基板。
項1055.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜がマグネシウム、ベリリウム、カルシウム、亜鉛、カドミウム、炭素、珪素、ゲルマニウム、セレン、テルル、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上のドーピング剤により導電性を有していることを特徴とする項1053又は1054に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1056.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜がP型あるいはN型に半導体化され導電性を有していることを特徴とする項1053、1054又は1055に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1057.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層で構成されているもののうち少なくとも1層が導電性を有することを特徴とする項1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047、1048、1049、1050、1051、1052、1053、1054、1055又は1056に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1058.導電性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項1053、1054、1055、1056又は1057に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1059.導電性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項1058に記載された薄膜基板。
項1060.導電性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項1058又は1059に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1061.導電性を有する窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項1058、1059又は1060に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1062.形成されている薄膜がAlGa1−xN(0≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分とするものであることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047、1048、1049、1050、1051、1052、1053、1054、1055、1056、1057、1058、1059、1060又は1061に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1063.形成されている薄膜がAlGa1−xN(0≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分としさらにドーピング成分を該組成物に対して元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含むものであることを特徴とする項1062に記載された薄膜基板。
項1064.形成されている薄膜がAlGa1−xN(0≦x≦0.6)での化学式あらわされる組成物を主成分とするものであることを特徴とする項1062又は1063に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1065.形成されている薄膜がAlGa1−xN(0≦x≦0.6)での化学式あらわされる組成物を主成分としさらにドーピング成分を該組成物に対して元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含むものであることを特徴とする項1064に記載された薄膜基板。
項1066.形成されている薄膜がAlGa1−xN(0.6≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分とするものであることを特徴とする項1062又は1063に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1067.形成されている薄膜がAlGa1−xN(0.6≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分としさらにドーピング成分を該組成物に対して元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含むものであることを特徴とする項1066に記載された薄膜基板。
項1068.ドーピング成分を少なくとも2種以上同時に含有することを特徴とする項1062、1063、1064、1065、1066又は1067に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1069.ドーピング成分がMg、Be、Ca、Zn、Cd、C、Si、Ge、Se、Te、Oのうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項1063、1065、1067又は1068に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1070.ドーピング成分がMg、Be、Zn、Siのうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項1069に記載された薄膜基板。
項1071.形成されている薄膜がAlGa1−xN(0≦x≦0.6)の化学式であらわされる組成物を主成分としさらにMg、Zn、Siのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を該組成物に対して0.0001〜10モル%の範囲で含むものであることを特徴とする項1062、1063、1064、1065、1068、1069又は1070に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1072.形成されている薄膜がAlGa1−xN(0≦x≦0.6)の化学式であらわされる組成物を主成分としさらに該組成物に対してMg、Zn、Siのうちから選ばれた少なくともいずれか2種以上の成分を同時に合計で0.0001〜10モル%の範囲で含むものであることを特徴とする項1071に記載された薄膜基板。
項1073.形成されている薄膜がAlGa1−xN(0.6≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分としさらに該組成物に対してMg、Zn、Siのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を合計で元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含むものであることを特徴とする項1062、1066、1067、1068、1069又は1070に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1074.形成されている薄膜がAlGa1−xN(0.6≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分としさらに該組成物に対してMg、Zn、Siのうちから選ばれた少なくともいずれか2種以上の成分を同時に合計で元素換算で0.00001〜10モル%の範囲で含むものであることを特徴とする項1073に記載された薄膜基板。
項1075.形成されている薄膜がAlGa1−xN(0.6≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分としさらにSiを該組成物に対して元素換算で0.00001〜0.5モル%の範囲で含むものであることを特徴とする項1073又は1074に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1076.表面の薄膜が平均表面粗さRa20nm以下であることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047、1048、1049、1050、1051、1052、1053、1054、1055、1056、1057、1058、1059、1060、1061、1062、1063、1064、1065、1066、1067、1068、1069、1070、1071、1072、1073、1074又は1075に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1077.表面の薄膜が平均表面粗さRa10nm以下であることを特徴とする項1076に記載された薄膜基板。
項1078.表面の薄膜が平均表面粗さRa5nm以下であることを特徴とする項1076又は1077に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1079.表面の薄膜が平均表面粗さRa3nm以下であることを特徴とする項1076、1077又は1078に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1080.表面の薄膜が平均表面粗さRa2nm以下であることを特徴とする項1076、1077、1078又は1079に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1081.表面の薄膜が平均表面粗さRa1nm以下であることを特徴とする項1076、1077、1078、1079又は1080に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1082.形成されている薄膜の厚みが0.5nm以上であることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047、1048、1049、1050、1051、1052、1053、1054、1055、1056、1057、1058、1059、1060、1061、1062、1063、1064、1065、1066、1067、1068、1069、1070、1071、1072、1073、1074、1075、1076、1077、1078、1079、1080又は1081に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1083.形成されている薄膜の厚みが0.3μm以上であることを特徴とする項1082に記載された薄膜基板。
項1084.形成されている薄膜の厚みが3.5μm以上であることを特徴とする項1082又は1083に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1085.形成されている薄膜の厚みが10μm以上であることを特徴とする項1082、1083又は1084に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1086.形成されている薄膜の厚みが50μm以上であることを特徴とする項1082、1083、1084又は1085に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1087.形成されている薄膜の厚みが1000μm以下であることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047、1048、1049、1050、1051、1052、1053、1054、1055、1056、1057、1058、1059、1060、1061、1062、1063、1064、1065、1066、1067、1068、1069、1070、1071、1072、1073、1074、1075、1076、1077、1078、1079、1080又は1081に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1088.薄膜がそれぞれの厚み1000μm以下の薄膜層からなることを特徴とする項1087に記載された薄膜基板。
項1089.薄膜層すべての厚みが1000μm以下であることを特徴とする項1087又は1088に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1090.薄膜の厚みが500μm以下であることを特徴とする項1087、1088又は1089に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1091.薄膜がそれぞれの厚み500μm以下の薄膜層からなることを特徴とする項1090に記載された薄膜基板。
項1092.薄膜層すべての厚みが500μm以下であることを特徴とする項1090又は1091に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1093.薄膜の厚みが300μm未満であることを特徴とする項1087、1088、1089、1090、1091又は1092に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1094.薄膜がそれぞれの厚み300μm未満の薄膜層からなることを特徴とする項1093に記載された薄膜基板。
項1095.薄膜層すべての厚みが300μm未満であることを特徴とする項1093又は1094に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1096.薄膜の厚みが200μm以下であることを特徴とする項1087、1088、1089、1090、1091、1092、1093、1094又は1095に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1097.薄膜がそれぞれの厚み200μm以下の薄膜層からなることを特徴とする項1096に記載された薄膜基板。
項1098.薄膜層すべての厚みが200μm以下であることを特徴とする項1096又は1097に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1099.形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下であることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047、1048、1049、1050、1051、1052、1053、1054、1055、1056、1057、1058、1059、1060、1061、1062、1063、1064、1065、1066、1067、1068、1069、1070、1071、1072、1073、1074、1075、1076、1077、1078、1079、1080、1081、1082、1083、1084、1085、1086、1087、1088、1089、1090、1091、1092、1093、1094、1095、1096、1097又は1098に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1100.形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下であることを特徴とする項1099に記載された薄膜基板。
項1101.形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下であることを特徴とする項1099又は1100に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1102.形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下であることを特徴とする項1099、1100又は1101に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1103.形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下であることを特徴とする項1099、1100、1101又は1102に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1104.形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下であることを特徴とする項1099、1100、1101、1102又は1103に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1105.形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下であることを特徴とする項1099、1100、1101、1102、1103又は1104に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1106.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該薄膜基板は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するために用いられるものであることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047、1048、1049、1050、1051、1052、1053、1054、1055、1056、1057、1058、1059、1060、1061、1062、1063、1064、1065、1066、1067、1068、1069、1070、1071、1072、1073、1074、1075、1076、1077、1078、1079、1080、1081、1082、1083、1084、1085、1086、1087、1088、1089、1090、1091、1092、1093、1094、1095、1096、1097、1098、1099、1100、1101、1102、1103、1104又は1105に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1107.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該薄膜が少なくとも単結晶、配向性多結晶、多結晶、無定形のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態であることを特徴とする項1106に記載された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するために用いられる薄膜基板。
項1108.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該薄膜基板の表面に形成されている薄膜は単結晶であることを特徴とする項1106又は1107に記載されたいずれかの窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するために用いられる薄膜基板。
項1109.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該薄膜基板の表面に形成されている薄膜は配向性多結晶であることを特徴とする項1106又は1107に記載されたいずれかの窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するために用いられる薄膜基板。
項1110.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該薄膜基板の表面に形成されている薄膜は多結晶であることを特徴とする項1106又は1107に記載されたいずれかの窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するために用いられる薄膜基板。
項1111.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該薄膜基板の表面に形成されている薄膜は無定形であることを特徴とする項1106又は1107に記載されたいずれかの窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するために用いられる薄膜基板。
項1112.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、形成されている薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とするものであることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047、1048、1049、1050、1051、1052、1053、1054、1055、1056、1057、1058、1059、1060、1061、1062、1063、1064、1065、1066、1067、1068、1069、1070、1071、1072、1073、1074、1075、1076、1077、1078、1079、1080、1081、1082、1083、1084、1085、1086、1087、1088、1089、1090、1091、1092、1093、1094、1095、1096、1097、1098、1099、1100、1101、1102、1103、1104、1105、1106、1107、1108、1109、1110又は1111に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1113.薄膜がAlGaIn1−x−yN(0<y≦1)で表わされる組成を有することを特徴とする項1112に記載された薄膜基板。
項1114.薄膜が窒化ガリウムを50モル%以上含むを特徴とする項1112又は1113に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1115.少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態であることを特徴とする項1112、1113又は1114に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1116.少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜が単結晶であることを特徴とする項1115に記載された薄膜基板。
項1117.最上層の薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とするものであることを特徴とする項1112、1113、1114、1115又は1116に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1118.最上層の薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする単結晶であることを特徴とする項1117に記載された薄膜基板。
項1119.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれか2以上の結晶状態が同時に混在しているものからなることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047、1048、1049、1050、1051、1052、1053、1054、1055、1056、1057、1058、1059、1060、1061、1062、1063、1064、1065、1066、1067、1068、1069、1070、1071、1072、1073、1074、1075、1076、1077、1078、1079、1080、1081、1082、1083、1084、1085、1086、1087、1088、1089、1090、1091、1092、1093、1094、1095、1096、1097、1098、1099、1100、1101、1102、1103、1104、1105、1106、1107、1108、1109、1110、1111、1112、1113、1114、1115、1116、1117又は1118に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1120.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単一層あるいは少なくとも2以上の層で形成されている薄膜基板であって、該薄膜の少なくとも1以上の層が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれか2以上の結晶状態が同時に混在しているものからなることを特徴とする項1119に記載された薄膜基板。
項1121.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該焼結体が基板状であることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047、1048、1049、1050、1051、1052、1053、1054、1055、1056、1057、1058、1059、1060、1061、1062、1063、1064、1065、1066、1067、1068、1069、1070、1071、1072、1073、1074、1075、1076、1077、1078、1079、1080、1081、1082、1083、1084、1085、1086、1087、1088、1089、1090、1091、1092、1093、1094、1095、1096、1097、1098、1099、1100、1101、1102、1103、1104、1105、1106、1107、1108、1109、1110、1111、1112、1113、1114、1115、1116、1117、1118、1119又は1120記載されたいずれかの薄膜基板。
項1122.セラミック材料が金属元素及び半金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素と非金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素との組成物、あるいは金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素と半金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素との組成物、あるいは半金属元素のうちから選ばれた少なくともいずれか2種以上の元素との組成物であることを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047、1048、1049、1050、1051、1052、1053、1054、1055、1056、1057、1058、1059、1060、1061、1062、1063、1064、1065、1066、1067、1068、1069、1070、1071、1072、1073、1074、1075、1076、1077、1078、1079、1080、1081、1082、1083、1084、1085、1086、1087、1088、1089、1090、1091、1092、1093、1094、1095、1096、1097、1098、1099、1100、1101、1102、1103、1104、1105、1106、1107、1108、1109、1110、1111、1112、1113、1114、1115、1116、1117、1118、1119、1120又は1121に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1123.半金属元素が硼素、炭素、珪素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレン、テルル、ポロニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項1122に記載された薄膜基板。
項1124.半金属元素が炭素、珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項1123に記載された薄膜基板。
項1125.非金属元素が窒素、りん、酸素、硫黄、フッ素、塩素、臭素、沃素、アスタチンのうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項1121、1122又は1124に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1126.非金属元素が窒素、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項1125に記載された薄膜基板。
項1127.セラミック材料が窒化物、炭化物、酸化物、硼化物、珪化物のうちから選ばれた少なくともいずれかであることを特徴とする項1122、1123、1124、1125又は1126に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1128.セラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板であって、該焼結体が導電性を有することを特徴とする項577、578、579、580、581、582、583、584、585、586、587、588、589、590、591、592、593、594、595、596、597、598、599、600、601、602、603、604、605、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、617、618、619、620、621、622、623、624、625、626、627、628、629、630、631、632、633、634、635、636、637、638、639、640、641、642、643、644、645、646、647、648、649、650、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、661、662、663、664、665、666、667、668、669、670、671、672、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、685、686、687、688、689、690、691、692、693、694、695、696、697、698、699、700、701、702、703、704、705、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、728、729、730、731、732、733、734、735、736、737、738、739、740、741、742、743、744、745、746、747、748、749、750、751、752、753、754、755、756、757、758、759、760、761、762、763、764、765、766、767、768、769、770、771、772、773、774、775、776、777、778、779、780、781、782、783、784、785、786、787、788、789、790、791、792、793、794、795、796、797、798、799、800、801、802、803、804、805、806、807、808、809、810、811、812、813、814、815、816、817、818、819、820、821、822、823、824、825、826、827、828、829、830、831、832、833、834、835、836、837、838、839、840、841、842、843、844、845、846、847、848、849、850、851、852、853、854、855、856、857、858、859、860、861、862、863、864、865、866、867、868、869、870、871、872、873、874、875、876、877、878、879、880、881、882、883、884、885、886、887、888、889、890、891、892、893、894、895、896、897、898、899、900、901、902、903、904、905、906、907、908、909、910、911、912、913、914、915、916、917、918、919、920、921、922、923、924、925、926、927、928、929、930、931、932、933、934、935、936、937、938、939、940、941、942、943、944、945、946、947、948、949、950、951、952、953、954、955、956、957、958、959、960、961、962、963、964、965、966、967、968、969、970、971、972、973、974、975、976、977、978、979、980、981、982、983、984、985、986、987、988、989、990、991、992、993、994、995、996、997、998、999、1000、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1009、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018、1019、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1030、1031、1032、1033、1034、1035、1036、1037、1038、1039、1040、1041、1042、1043、1044、1045、1046、1047、1048、1049、1050、1051、1052、1053、1054、1055、1056、1057、1058、1059、1060、1061、1062、1063、1064、1065、1066、1067、1068、1069、1070、1071、1072、1073、1074、1075、1076、1077、1078、1079、1080、1081、1082、1083、1084、1085、1086、1087、1088、1089、1090、1091、1092、1093、1094、1095、1096、1097、1098、1099、1100、1101、1102、1103、1104、1105、1106、1107、1108、1109、1110、1111、1112、1113、1114、1115、1116、1117、1118、1119、1121、1122、1123、1124、1125、1126又は1127に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1129.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が室温において1×10Ω・cm以下の抵抗率を有することを特徴とする項1128に記載された薄膜基板。
項1130.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が室温において1×10Ω・cm以下の抵抗率を有することを特徴とする項1128又は1129に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1131.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が室温において1×10Ω・cm以下の抵抗率を有することを特徴とする項1128、1129又は1130に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1132.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が室温において1×10Ω・cm以下の抵抗率を有することを特徴とする項1128、1129、1130又は1131に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1133.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が室温において1×10−2Ω・cm以下の抵抗率を有することを特徴とする項1128、1129、1130、1131又は1132に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1134.セラミック材料を主成分とする焼結体あるいは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が導電性を有しかつ光透過性を有することを特徴とする項1128、1129、1130、1131、1132又は1133に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1135.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜により光導波路が形成されていることを特徴とする薄膜基板。
項1136.光導波路が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜からなることを特徴とする項1135に記載された薄膜基板。
項1137.光導波路が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜からなることを特徴とする項1135又は1136に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1138.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜により光導波路が形成されている薄膜基板であって、該光導波路は基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶薄膜からなることを特徴とする項1137に記載された薄膜基板。
項1139.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜により光導波路が形成されている薄膜基板であって、該光導波路は基板面に対してC軸が水平な方向に形成された単結晶薄膜からなることを特徴とする項1137に記載された薄膜基板。
項1140.光導波路が窒化ガリウム及び窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするものであることを特徴とする項1135、1136、1137、1138又は1139に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1141.光導波路がAlGa1−xN(0.0≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分とするものであることを特徴とする項1135、1136、1137、1138、1139又は1140に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1142.光導波路がAlGa1−xN(0.5≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分とするものであることを特徴とする項1141に記載された薄膜基板。
項1143.光導波路がAlGa1−xN(0.8≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分とするものであることを特徴とする項1141又は1142に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1144.光導波路がAlGa1−xN(0.9≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分とするものであることを特徴とする項1141、1142又は1143に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1145.光導波路が窒化アルミニウムを主成分とするものであることを特徴とする項1135、1136、1137、1138、1139、1140、1141、1142、1143又は1144に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1146.光導波路が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分としさらにガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有する薄膜からなることを特徴とする項1135、1136、1137、1138、1139、1140、1141、1142、1143、1144又は1145に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1147.光導波路が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分としさらにガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を熱拡散あるいはイオン注入により含有せしめた薄膜からなることを特徴とする項1146に記載された薄膜基板。
項1148.光導波路が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分としさらにガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を主成分に対して窒化物換算で20モル%以下含む薄膜からなることを特徴とする項1146又は1147に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1149.光導波路が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分としさらにニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む薄膜からなることを特徴とする項1135、1136、1137、1138、1139、1140、1141、1142、1143、1144、1145、1146、1147又は1148に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1150.ニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が主成分に対して窒化物換算で20モル%以下であることを特徴とする項1149に記載された薄膜基板。
項1151.光導波路が窒化ガリウム及び窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分としさらにガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有する薄膜からなることを特徴とする項1146、1147、1148、1149又は1150に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1152.光導波路が窒化ガリウム及び窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分としさらにガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を窒化物換算で20モル%以下含有する薄膜からなることを特徴とする項1151に記載された薄膜基板。
項1153.光導波路が窒化アルミニウムを主成分としさらにガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有する薄膜からなることを特徴とする項1146、1147、1148、1149、1150、1151又は1152に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1154.光導波路が窒化アルミニウムを主成分としさらにガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を窒化物換算で20モル%以下含有する薄膜からなることを特徴とする項1153に記載された薄膜基板。
項1155.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜により光導波路が形成された薄膜基板であって、該薄膜基板は光導波路と該光導波路より屈折率の小さいクラッド層とからなることを特徴とする項1135、1136、1137、1138、1139、1140、1141、1142、1143、1144、1145、1146、1147、1148、1149、1150、1151、1152、1153又は1154に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1156.クラッド層が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなることを特徴とする項1155に記載された薄膜基板。
項1157.光導波路が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなり、該光導波路はクラッド層よりガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を多く含むものであることを特徴とする項1156に記載された薄膜基板。
項1158.光導波路が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなり、該光導波路はクラッド層よりガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を窒化物換算で20モル%以下の範囲で多く含むものであることを特徴とする項1156又は1157に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1159.クラッド層が窒化アルミニウムを主成分とする薄膜からなることを特徴とする項1155、1156、1157又は1158に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1160.クラッド層が窒化アルミニウムを主成分とする薄膜からなり、光導波路は該クラッド層よりも屈折率の大きい窒化アルミニウムを主成分とする薄膜からなることを特徴とする項1155、1156、1157、1158又は1159に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1161.クラッド層が窒化アルミニウムを主成分とする薄膜からなり、光導波路は該クラッド層よりもガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を多く含む窒化アルミニウムを主成分とする薄膜からなることを特徴とする項1155、1156、1157、1158、1159又は1160に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1162.クラッド層が窒化アルミニウムを主成分とする薄膜からなり、光導波路は窒化アルミニウムを主成分とする単結晶薄膜からなることを特徴とする項1155、1156、1157、1158、1159、1160又は1161に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1163.光導波路に電極が形成されていることを特徴とする項1155、1156、1157、1158、1159、1160又は1161に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1164.クラッド層に電極が形成されていることを特徴とする項1155、1156、1157、1158、1159、1160、1161又は1162に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1165.光導波路及びクラッド層に電極が形成されていることを特徴とする項1163又は1164に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1166.電極がバッファ層を介して形成されていることを特徴とする項1163、1164又は1165に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1167.バッファ層がSiO及びAl、のうちから選ばれた少なくとも1種以上からなることを特徴とする項1166に記載された薄膜基板。
項1168.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜に該薄膜より屈折率の小さい誘電体が形成されている薄膜基板であって、該誘電体が形成されている部分の薄膜を光導波路として用いることを特徴とする項1135、1136、1137、1138、1139、1140、1141、1142、1143、1144、1145、1146、1147、1148、1149、1150、1151、1152、1153、1154、1155、1156、1157、1158、1159、1160、1161、1162、1163、1164、1165、1166又は1167に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1169.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の2箇所以上に金属が形成され該金属が形成されていない部分の薄膜を光導波路として用いることを特徴とする項1135、1136、1137、1138、1139、1140、1141、1142、1143、1144、1145、1146、1147、1148、1149、1150、1151、1152、1153、1154、1155、1156、1157、1158、1159、1160、1161、1162、1163、1164、1165、1166又は1167に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1170.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の2箇所以上に電極が形成され該電極の形成されている部分の該薄膜を光導波路として用いることを特徴とする項1135、1136、1137、1138、1139、1140、1141、1142、1143、1144、1145、1146、1147、1148、1149、1150、1151、1152、1153、1154、1155、1156、1157、1158、1159、1160、1161、1162、1163、1164、1165、1166又は1167に記載されたいずれかの薄膜基板。
項1171.セラミック材料を主成分とする焼結体及びは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板の製造方法であって、該薄膜がガリウム、インジウム、アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の有機化合物を主原料としアンモニア、窒素、水素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を反応ガスとして作製されるものであることを特徴とする薄膜基板の製造方法。
項1172.主原料の有機化合物がガリウム、インジウム、アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分のアルキル化物であることを特徴とする項1171に記載された薄膜基板の製造方法。
項1173.主原料の有機化合物がトリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするものであることを特徴とする項1171又は1172に記載されたいずれかの薄膜基板の製造方法。
項1174.セラミック材料を主成分とする焼結体及びは光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体のうちから選ばれた少なくともいずれかの焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板の製造方法であって、該薄膜がガリウム、インジウム、アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分のハロゲン化物を主原料としアンモニア、窒素、水素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を反応ガスとして作製されるものであることを特徴とする薄膜基板の製造方法。
項1175.主原料のハロゲン化物がフッ化物、塩化物、臭化物及び沃化物のうちから選ばれた少なくとも1種以上からなることを特徴とする項1174に記載された薄膜基板の製造方法。
項1176.主原料のハロゲン化物が塩化ガリウム、臭化ガリウム、塩化インジウム、臭化インジウム、塩化アルミニウム、臭化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするものであることを特徴とする項1174又は1175に記載されたいずれかの薄膜基板の製造方法。
項1177.主原料がハロゲン元素を含む有機化合物からなることを特徴とする項1171、1172、1173、1174、1175又は1176に記載されたいずれかの薄膜基板の製造方法。
項1178.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜により光導波路が形成された薄膜基板の製造方法であって、該光導波路が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムを主成分とする薄膜にガリウム、インジウム、ニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を熱拡散あるいはイオン注入のうちから選ばれた少なくともいずれかの方法により含有せしめた薄膜からなることを特徴とする薄膜基板の製造方法。
項1179.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分としさらにニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むことを特徴とする光導波路。
項1180.窒化ガリウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分としさらにニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むことを特徴とする項1179に記載された光導波路。
項1181.窒化アルミニウムを主成分としさらにニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むことを特徴とする項1179又は1180に記載されたいずれかの光導波路。
項1182.ニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が主成分に対して20モル%以下であることを特徴とする項1179、1180又は1181に記載されたいずれかの光導波路。
項1183.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分としさらにニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む光導波路であって、該光導波路は単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1179、1180、1181又は1182に記載されたいずれかの光導波路。
項1184.結晶状態が単結晶であることを特徴とする項1183に記載された光導波路。
項1185.窒化アルミニウムを主成分としさらにガリウム及びインジウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む単結晶からなることを特徴とする項1183又は1184に記載されたいずれかの光導波路。
項1186.窒化アルミニウムを主成分としさらにガリウム及びインジウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を主成分に対して20モル%以下含む単結晶からなることを特徴とする項1183、1184又は1185に記載されたいずれかの光導波路。
項1187.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分としさらにニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むことを特徴とするとする光導波路であって、該光導波路は薄膜からなることを特徴とする項1179、1180、1181、1182、1183、1184、1185又は1186に記載されたいずれかの光導波路。
項1188.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体がセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子。
項1189.セラミック材料を主成分とする焼結体が基板状であることを特徴とする項1188に記載された発光素子。
項1190.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有することを特徴とする項1188又は1189に記載されたいずれかの発光素子。
項1191.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率1%以上のものであることを特徴とする1188、1189項1190に記載されたいずれかの発光素子。
項1192.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率10%以上のものであることを特徴とする項1191に記載された発光素子。
項1193.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率20%以上のものであることを特徴とする項1191又は1192に記載されたいずれかの発光素子。
項1194.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率30%以上のものであることを特徴とする項1191、1192又は1193記載されたいずれかの発光素子。
項1195.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率40%以上のものであることを特徴とする項1191、1192、1193又は1194記載されたいずれかの発光素子。
項1196.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率50%以上のものであることを特徴とする項1191、1192、1193、1194又は1195記載されたいずれかの発光素子。
項1197.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率60%以上のものであることを特徴とする項1191、1192、1193、1194、1195又は1196記載されたいずれかの発光素子。
項1198.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率80%以上のものであることを特徴とする項1191、1192、1193、1194、1195、1196又は1197記載されたいずれかの発光素子。
項1199.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率85%以上のものであることを特徴とする項1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197又は1198記載されたいずれかの発光素子。
項1200.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率1%未満のものであることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198又は1199に載されたいずれかの発光素子。
項1201.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率0%であることを特徴とする項1200に記載された発光素子。
項1202.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200又は1201に載されたいずれかの発光素子。
項1203.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nm以下であることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201又は1202に載されたいずれかの発光素子。
項1204.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nm以下であることを特徴とする項1203に載された発光素子。
項1205.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa100nm以下であることを特徴とする項1203又は1204に記載されたいずれかの発光素子。
項1206.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa20nm以下であることを特徴とする項1203、1204又は1205に記載されたいずれかの発光素子。
項1207.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa10nm以下であることを特徴とする項1203、1204、1205又は1206に記載されたいずれかの発光素子。
項1208.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa5nm以下であることを特徴とする項1203、1204、1205、1206又は1207に載されたいずれかの発光素子。
項1209.セラミック材料を主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204又は1205に載されたいずれかの発光素子。
項1210.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa70nm以上であることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205又は1209に載されたいずれかの発光素子。
項1211.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nmより大きいことを特徴とする項1210に記載された発光素子。
項1212.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nmより大きいことを特徴とする項1210又は1211に記載されたいずれかの発光素子。
項1213.セラミック材料を主成分とする焼結体の表面が焼き放し(as−fire)、ラップ研磨、ブラスト研磨、鏡面研磨、化学腐食及びプラズマガスによる腐食のうちから選ばれた少なくともいずれかの状態であることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211又は1212に載されたいずれかの発光素子。
項1214.セラミック材料を主成分とする焼結体の表面が鏡面研磨された状態であることを特徴とする項1200に記載された発光素子。
項1215.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有しかつ表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213又は1214に記載されたいずれかの発光素子。
項1216.セラミック材料を主成分とする焼結体が導電性を有することを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214又は1215記載されたいずれかの発光素子。
項1217.セラミック材料を主成分とする焼結体が室温において1×10Ω・cm以下の抵抗率を有することを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214、1215又は1216記載されたいずれかの発光素子。
項1218.セラミック材料を主成分とする焼結体が室温において1×10Ω・cm以下の抵抗率を有することを特徴とする項1217に記載された発光素子。
項1219.セラミック材料を主成分とする焼結体が室温において1×10Ω・cm以下の抵抗率を有することを特徴とする項1216、1217又は1218に記載されたいずれかの発光素子。
項1220.セラミック材料を主成分とする焼結体が室温において1×10−1Ω・cm以下の抵抗率を有することを特徴とする項1216、1217、1218又は1219に記載されたいずれかの発光素子。
項1221.セラミック材料を主成分とする焼結体が室温において1×10−2Ω・cm以下の抵抗率を有することを特徴とする項1216、1217、1218、1219又は1220に記載されたいずれかの発光素子。
項1222.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有しかつ導電性を有することを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214、1215、1216、1217、1218、1219、1220又は1221に記載されたいずれかの発光素子。
項1223.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものであることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214、1215、1216、1217、1218、1219、1220、1221又は1222に記載されたいずれかの発光素子。
項1224.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1223に記載された発光素子。
項1225.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶からなることを特徴とする項1223又は1224に記載されたいずれかの発光素子。
項1226.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶だけからなることを特徴とする項1225に記載された発光素子。
項1227.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単一層であることを特徴とする項1223、1224、1225又は1226に記載されたいずれかの発光素子。
項1228.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層から構成されていることを特徴とする項1223、1224、1225又は1226に記載されたいずれかの発光素子。
項1229.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜の各層がそれぞれ単結晶、配向性多結晶、多結晶、無定形の中から選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1228に記載された発光素子。
項1230.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1228又は1229に記載されたいずれかの発光素子。
項1231.セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が無定形であることを特徴とする項1224、1225、1226、1227、1228、1229又は1230に記載されたいずれかの発光素子。
項1232.セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が多結晶であることを特徴とする項1224、1225、1226、1227、1228、1229又は1230に記載されたいずれかの発光素子。
項1233.セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が配向性多結晶であることを特徴とする項1224、1225、1226、1227、1228、1229又は1230に記載されたいずれかの発光素子。
項1234.セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶であることを特徴とする項1224、1225、1226、1227、1228、1229又は1230に記載されたいずれかの発光素子。
項1235.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、配向性多結晶、多結晶、無定形のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、配向性多結晶、多結晶、無定形のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1228、1229、1230、1231、1232、1233又は1234に記載されたいずれかの発光素子。
項1236.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、配向性多結晶、多結晶、無定形のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1235に記載されたいずれかの発光素子。
項1237.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶、多結晶、無定形のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1236に記載された発光素子。
項1238.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1236又は1237に記載されたいずれかの発光素子。
項1239.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする多結晶薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1236又は1237に記載されたいずれかの発光素子。
項1240.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1236又は1237に記載されたいずれかの発光素子。
項1241.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてすべての層が単結晶だけから構成されていることを特徴とする項1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239又は1240に記載されたいずれかの発光素子。
項1242.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の最上層は単結晶薄膜であることを特徴とする項1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240又は1241に記載されたいずれかの発光素子。
項1243.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のC軸がセラミック材料を主成分とする焼結体面に対して垂直な方向に形成されていることを特徴とする項1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241又は1242に記載されたいずれかの発光素子。
項1244.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のC軸がセラミック材料を主成分とする焼結体面に対して水平な方向に形成されていることを特徴とする項1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241又は1242に記載されたいずれかの発光素子。
項1245.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜のC軸がセラミック材料を主成分とする焼結体面に対して垂直な方向に形成されていることを特徴とする項1224、1225、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240又は1242に記載されたいずれかの発光素子。
項1246.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜のC軸がセラミック材料を主成分とする焼結体面に対して水平な方向に形成されていることを特徴とする項1224、1225、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240又は1242に記載されたいずれかの発光素子。
項1247.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が導電性を有することを特徴とする項1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245又は1246に記載されたいずれかの発光素子。
項1248.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246又は1247に記載されたいずれかの発光素子。
項1249.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項1247又は1248に記載されたいずれかの発光素子。
項1250.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項1247、1248又は1249に記載されたいずれかの発光素子。
項1251.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項1247、1248、1249又は1250に記載されたいずれかの発光素子。
項1252.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含有するものであることを特徴とする項1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249又は1250に記載されたいずれかの発光素子。
項1253.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を有することを特徴とする項1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250又は1251に記載されたいずれかの発光素子。
項1254.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が窒化ガリウムを主成分とするものであることを特徴とする項1252又は1253に記載されたいずれかの発光素子。
項1255.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜がAlGaIn1−x−yN(0<y≦1)で表わされる組成を有することを特徴とする項1252、1253又は1254に記載されたいずれかの発光素子。
項1256.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が窒化ガリウムを50モル%以上含むを特徴とする項1252、1253、1254又は1255に記載されたいずれかの発光素子。
項1257.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態であることを特徴とする項1252、1253、1254、1255又は1256に記載されたいずれかの発光素子。
項1258.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜が単結晶であることを特徴とする項1257に記載された発光素子。
項1259.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜の最上層が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とするものであることを特徴とする項1252、1253、1254、1255、1256、1257又は1258に記載されたいずれかの発光素子。
項1260.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜の最上層が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする単結晶であることを特徴とする項1259に記載された発光素子。
項1261.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜がAlGa1−xN(0≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分とするものであることを特徴とする項1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259又は1260に記載されたいずれかの発光素子。
項1262.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが300μm未満であることを特徴とする項1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260又は1261に記載されたいずれかの発光素子。
項1263.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが200μm以下であることを特徴とする項1262に記載された発光素子。
項1264.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.1nm以上の厚みを有することを特徴とする項1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262又は1263に記載されたいずれかの発光素子。
項1265.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.5nm以上の厚みを有することを特徴とする項1264に記載された発光素子。
項1266.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.3μm以上の厚みを有することを特徴とする項1264又は1265に記載されたいずれかの発光素子。
項1267.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも3.5μm以上の厚みを有することを特徴とする項1264、1265又は1266に記載されたいずれかの発光素子。
項1268.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも10μm以上の厚みを有することを特徴とする項1264、1265、1266又は1267に記載されたいずれかの発光素子。
項1269.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも50μm以上の厚みを有することを特徴とする項1264、1265、1266、1267又は1268に記載されたいずれかの発光素子。
項1270.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の厚みが1000μm以下であることを特徴とする項1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268又は1269に記載されたいずれかの発光素子。
項1271.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜の厚みが500μm以下であることを特徴とする項1270に記載された発光素子。
項1272.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれか2以上の結晶状態が同時に混在しているものからなることを特徴とする項1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268、1269、1270又は1271に記載されたいずれかの発光素子。
項1273.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が単一層あるいは少なくとも2以上の層からなり、該薄膜の少なくとも1以上の層が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれか2以上の結晶状態が同時に混在しているものからなることを特徴とする項1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268、1269、1270、1271又は1272に記載されたいずれかの発光素子。
項1274.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下であることを特徴とする項1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268、1269、1270、1271、1272又は1273に記載されたいずれかの発光素子。
項1275.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下であることを特徴とする項1274に記載された発光素子。
項1276.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下であることを特徴とする項1274又は1275に記載されたいずれかの発光素子。
項1277.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下であることを特徴とする項1274、1275又は1276に記載されたいずれかの発光素子。
項1278.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下であることを特徴とする項1274、1275、1276又は1277に記載されたいずれかの発光素子。
項1279.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下であることを特徴とする項1274、1275、1276、1277又は1278に記載されたいずれかの発光素子。
項1280.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下であることを特徴とする項1274、1275、1276、1277、1278又は1279に記載されたいずれかの発光素子。
項1281.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したものであることを特徴とする項1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268、1269、1270、1271、1272、1273、1274、1275、1276、1277、1278、1279又は1280に記載されたいずれかの発光素子。
項1282.焼結体の主成分であるセラミック材料が金属元素及び半金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素と非金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素との組成物、あるいは金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素と半金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素との組成物、あるいは半金属元素のうちから選ばれた少なくともいずれか2種以上の元素との組成物であることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214、1215、1216、1217、1218、1219、1220、1221、1222、1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268、1269、1270、1271、1272、1273、1274、1275、1276、1277、1278、1279、1280又は1281に記載されたいずれかの発光素子。
項1283.半金属元素が硼素、炭素、珪素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレン、テルル、ポロニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項1282に記載された発光素子。
項1284.半金属元素が炭素、珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項1283に記載された発光素子。
項1285.非金属元素が窒素、りん、酸素、硫黄、フッ素、塩素、臭素、沃素、アスタチンのうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項1219、1220、1283又は1284に記載されたいずれかの発光素子。
項1286.非金属元素が窒素、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項1285に記載された発光素子。
項1287.セラミック材料が窒化物、炭化物、酸化物、硼化物、珪化物のうちから選ばれた少なくともいずれかであることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214、1215、1216、1217、1218、1219、1220、1221、1222、1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268、1269、1270、1271、1272、1273、1274、1275、1276、1277、1278、1279、1280、1281、1282、1283、1284、1285又は1286に記載されたいずれかの発光素子。
項1288.セラミック材料が窒化物、炭化物、酸化物のうちから選ばれた少なくともいずれかであることを特徴とする項1287に記載された発光素子。
項1289.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214、1215、1216、1217、1218、1219、1220、1221、1222、1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268、1269、1270、1271、1272、1273、1274、1275、1276、1277、1278、1279、1280、1281、1282、1283、1284、1285、1286、1287又は1288に記載されたいずれかの発光素子。
項1290.セラミック材料を主成分とする焼結体が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214、1215、1216、1217、1218、1219、1220、1221、1222、1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268、1269、1270、1271、1272、1273、1274、1275、1276、1277、1278、1279、1280、1281、1282、1283、1284、1285、1286、1287又は1288に記載されたいずれかの発光素子。
項1291.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1290に記載された発光素子。
項1292.セラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214、1215、1216、1217、1218、1219、1220、1221、1222、1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268、1269、1270、1271、1272、1273、1274、1275、1276、1277、1278、1279、1280、1281、1282、1283、1284、1285、1286、1287又は1288に記載されたいずれかの発光素子。
項1293.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1289、1290、1291又は1292に記載されたいずれかの発光素子。
項1294.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有するものであることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214、1215、1216、1217、1218、1219、1220、1221、1222、1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268、1269、1270、1271、1272、1273、1274、1275、1276、1277、1278、1279、1280、1281、1282、1283、1284、1285、1286、1287、1288、1289、1290、1291、1292又は1293に記載されたいずれかの発光素子。
項1295.セラミック材料を主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214、1215、1216、1217、1218、1219、1220、1221、1222、1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268、1269、1270、1271、1272、1273、1274、1275、1276、1277、1278、1279、1280、1281、1282、1283、1284、1285、1286、1287、1288、1289、1290、1291、1292、1293又は1294に記載されたいずれかの発光素子。
項1296.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものであることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214、1215、1216、1217、1218、1219、1220、1221、1222、1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268、1269、1270、1271、1272、1273、1274、1275、1276、1277、1278、1279、1280、1281、1282、1283、1284、1285、1286、1287、1288、1289、1290、1291、1292、1293、1294又は1295に記載されたいずれかの発光素子。
項1297.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したものであることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214、1215、1216、1217、1218、1219、1220、1221、1222、1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268、1269、1270、1271、1272、1273、1274、1275、1276、1277、1278、1279、1280、1281、1282、1283、1284、1285、1286、1287、1288、1289、1290、1291、1292、1293、1294、1295又は1296に記載されたいずれかの発光素子。
項1298.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項1289、1293、1294、1295、1296又は1297に記載されたいずれかの発光素子。
項1299.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過性を有するものであることを特徴とする項1298に記載された発光素子。
項1300.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1298又は1299に記載されたいずれかの発光素子。
項1301.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものであることを特徴とする項1298、1299又は1300に記載されたいずれかの発光素子。
項1302.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したものであることを特徴とする項1298、1299、1300又は1301に記載されたいずれかの発光素子。
項1303.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを20体積%以上含有するものであることを特徴とする項1298、1299、1300又は1301に記載されたいずれかの発光素子。
項1304.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを50体積%以上含有するものであることを特徴とする項1303に記載された発光素子。
項1305.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が導通ビアを有するものであることを特徴とする項1298、1299、1300、1301、1302、1303又は1304に記載されたいずれかの発光素子。
項1306.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体が薄膜導電性材料を有するものであることを特徴とする項1298、1299、1300、1301、1302、1303、1304又は1305に記載されたいずれかの発光素子。
項1307.薄膜導電性材料が金属、合金、金属窒化物のうちから選ばれた少なくとも1種以上の材料からなることを特徴とする項1306に記載された発光素子。
項1308.薄膜導電性材料が金、銀、銅、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、タンタル、モリブデン、タングステン、クロム、チタン、ニッケル−クロム合金、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、のうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする材料からなることを特徴とする項1306又は1307に記載されたいずれかの発光素子。
項1309.セラミック材料を主成分とする焼結体が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1290、1291、1293、1294、1295、1296又は1297に記載されたいずれかの発光素子。
項1310.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体が光透過性を有するものであることを特徴とする項1309に記載された発光素子。
項1311.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1309又は1310に記載されたいずれかの発光素子。
項1312.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものであることを特徴とする項1309、1310又は1311に記載されたいずれかの発光素子。
項1313.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したものであることを特徴とする項1309、1310、1311又は1312に記載されたいずれかの発光素子。
項1314.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくともいずれかを主成分とする焼結体であることを特徴とする項1309、1310、1311、1312又は1313に記載されたいずれかの発光素子。
項1315.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛を主成分とする焼結体であることを特徴とする1314に記載された発光素子。
項1316.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過性を有するものであることを特徴とする項1315に記載された発光素子。
項1317.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1315又は1316に記載されたいずれかの発光素子。
項1318.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものであることを特徴とする項1315、1316又は1317に記載されたいずれかの発光素子。
項1319.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したものであることを特徴とする項1315、1316、1317又は1319に記載されたいずれかの発光素子。
項1320.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が導電性を有するものであることを特徴とする項1315、1316、1317、1318又は1319に記載されたいずれかの発光素子。
項1321.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が室温において1×10Ω・cm以下の抵抗率であることを特徴とする項1315、1316、1317、1318、1319又は1320に記載されたいずれかの発光素子。
項1322.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が光透過性を有しかつ導電性を有するものであることを特徴とする項1315、1316、1317、1318、1319、1320又は1321に記載されたいずれかの発光素子。
項1323.酸化亜鉛を主成分とする焼結体が酸化亜鉛成分をZnO換算で55.0モル%以上含有するものであることを特徴とする項1315、1316、1317、1318、1319、1320、1321又は1322に記載されたいずれかの発光素子。
項1324.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体が酸化ベリリウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項1314に記載された発光素子。
項1325.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が光透過性を有するものであることを特徴とする項1324に記載された発光素子。
項1326.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1324又は1325に記載されたいずれかの発光素子。
項1327.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものであることを特徴とする項1324、1325又は1326に記載されたいずれかの発光素子。
項1328.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したものであることを特徴とする項1324、1325、1326又は1327に記載されたいずれかの発光素子。
項1329.酸化ベリリウムを主成分とする焼結体が酸化ベリリウム成分をBeO換算で65.0モル%以上含有するものであることを特徴とする項1324、1325、1326、1327、1328又は1329に記載されたいずれかの発光素子。
項1330.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体が酸化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項1314に記載された発光素子。
項1331.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が光透過性を有するものであることを特徴とする項1318に記載された発光素子。
項1332.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1330又は1331に記載されたいずれかの発光素子。
項1333.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものであることを特徴とする項1330、1331又は1332に記載されたいずれかの発光素子。
項1334.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したものであることを特徴とする項1330、1331、1332又は1333に記載されたいずれかの発光素子。
項1335.酸化アルミニウムを主成分とする焼結体が酸化アルミニウム成分をAl換算で55.0モル%以上含有するものであることを特徴とする項1330、1331、1332、1333又は1334に記載されたいずれかの発光素子。
項1336.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体が炭化珪素を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1314に記載された発光素子。
項1337.炭化珪素を主成分とする焼結体が光透過性を有するものであることを特徴とする項1336に記載された発光素子。
項1338.炭化珪素を主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1336又は1337に記載されたいずれかの発光素子。
項1339.炭化珪素を主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものであることを特徴とする項1336、1337又は1338に記載されたいずれかの発光素子。
項1340.炭化珪素を主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したものであることを特徴とする項1336、1337、1338又は1339に記載されたいずれかの発光素子。
項1341.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体が窒化珪素を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1314に記載された発光素子。
項1342.窒化珪素を主成分とする焼結体が光透過性を有するものであることを特徴とする項1341に記載された発光素子。
項1343.窒化珪素を主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1341又は1342に記載されたいずれかの発光素子。
項1344.窒化珪素を主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものであることを特徴とする項1341、1342又は1343に記載されたいずれかの発光素子。
項1345.窒化珪素を主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したものであることを特徴とする項1341、1342、1343又は1344に記載されたいずれかの発光素子。
項1346.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体が窒化ガリウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする1314に記載された発光素子。
項1347.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が光透過性を有するものであることを特徴とする項1346に記載された発光素子。
項1348.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1346又は1347に記載されたいずれかの発光素子。
項1349.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものであることを特徴とする項1346、1347又は1348に記載されたいずれかの発光素子。
項1350.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したものであることを特徴とする項1346、1347、1348又は1349に記載されたいずれかの発光素子。
項1351.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が導電性を有するものであることを特徴とする項1346、1347、1348、1349又は1350に記載されたいずれかの発光素子。
項1352.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が室温において1×10Ω・cm以下の抵抗率であることを特徴とする項1346、1347、1348、1349、1350又は1351に記載されたいずれかの発光素子。
項1353.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が光透過性を有しかつ導電性を有するものであることを特徴とする項1346、1347、1348、1349、1350、1351又は1352に記載されたいずれかの発光素子。
項1354.窒化ガリウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム成分をGaN換算で55.0モル%以上含有するものであることを特徴とする項1346、1347、1348、1349、1350、1351、1352又は1353に記載されたいずれかの発光素子。
項1355.セラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ジルコニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項1292、1293、1294、1295、1296又は1297に記載されたいずれかの発光素子。
項1356.酸化ジルコニウムを主成分とする焼結体が光透過性を有するものであることを特徴とする項1355に記載された発光素子。
項1357.酸化ジルコニウムを主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1355又は1356に記載されたいずれかの発光素子。
項1358.酸化ジルコニウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものであることを特徴とする項1355、1356又は1357に記載されたいずれかの発光素子。
項1359.酸化ジルコニウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したものであることを特徴とする項1355、1356、1357又は1358に記載されたいずれかの発光素子。
項1360.セラミック材料を主成分とする焼結体が酸化マグネシウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項1292、1293、1294、1295、1296又は1297に記載されたいずれかの発光素子。
項1361.酸化マグネシウムを主成分とする焼結体が光透過性を有するものであることを特徴とする項1360に記載された発光素子。
項1362.酸化マグネシウムを主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1360又は1361に記載されたいずれかの発光素子。
項1363.酸化マグネシウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものであることを特徴とする項1360、1361又は1362に記載されたいずれかの発光素子。
項1364.酸化マグネシウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したものであることを特徴とする項1360、1361、1362又は1363に記載されたいずれかの発光素子。
項1365.セラミック材料を主成分とする焼結体がアルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項1292、1293、1294、1295、1296又は1297に記載されたいずれかの発光素子。
項1366.アルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体が光透過性を有するものであることを特徴とする項1365に記載された発光素子。
項1367.アルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1365又は1366に記載されたいずれかの発光素子。
項1368.アルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものであることを特徴とする項1365、1366又は1367に記載されたいずれかの発光素子。
項1369.アルミン酸マグネシウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したものであることを特徴とする項1365、1366、1367又は1368に記載されたいずれかの発光素子。
項1370.セラミック材料を主成分とする焼結体が酸化イットリウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項1292、1293、1294、1295、1296又は1297に記載されたいずれかの発光素子。
項1371.酸化イットリウムを主成分とする焼結体が光透過性を有するものであることを特徴とする項1370に記載された発光素子。
項1372.酸化イットリウムを主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1370又は1371に記載されたいずれかの発光素子。
項1373.酸化イットリウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものであることを特徴とする項1370、1371又は1372に記載されたいずれかの発光素子。
項1374.酸化イットリウムを主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したものであることを特徴とする項1370、1371、1372又は1373に記載されたいずれかの発光素子。
項1375.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子。
項1376.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が基板状であることを特徴とする項1375に記載された発光素子。
項1377.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率1%以上のものであることを特徴とする項1375又は1376に記載されたいずれかの発光素子。
項1378.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率10%以上のものであることを特徴とする項1377に記載された発光素子。
項1379.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率20%以上のものであることを特徴とする項1377又は1378に記載されたいずれかの発光素子。
項1380.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率30%以上のものであることを特徴とする項1377、1378又は1379記載されたいずれかの発光素子。
項1381.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率40%以上のものであることを特徴とする項1377、1378、1379又は1380に記載されたいずれかの発光素子。
項1382.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率50%以上のものであることを特徴とする項1377、1378、1379、1380又は1381に記載されたいずれかの発光素子。
項1383.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率60%以上のものであることを特徴とする項1377、1378、1379、1380、1381又は1382に記載されたいずれかの発光素子。
項1384.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率80%以上のものであることを特徴とする項1377、1378、1379、1380、1381、1382又は1383に記載されたいずれかの発光素子。
項1385.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率1%未満のものであることを特徴とする項1375、1376、項1377、1378、1379、1380、1381、1382、1383又は1384に記載されたいずれかの発光素子。
項1386.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項1375、1376、項1377、1378、1379、1380、1381、1382、1383、1384又は1385に記載されたいずれかの発光素子。
項1387.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が表面粗さの大きい光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする項1375、1376、項1377、1378、1379、1380、1381、1382、1383、1384、1385又は1386に記載されたいずれかの発光素子。
項1388.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nm以下であることを特徴とする項1375、1376、項1377、1378、1379、1380、1381、1382、1383、1384、1385、1386又は1387に記載されたいずれかの発光素子。
項1389.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nm以下であることを特徴とする項1388に記載された発光素子。
項1390.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa100nm以下であることを特徴とする項1388又は1389に記載されたいずれかの発光素子。
項1391.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa20nm以下であることを特徴とする項1388、1389又は1390に記載されたいずれかの発光素子。
項1392.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa10nm以下であることを特徴とする項1388、1389、1390又は1391に記載されたいずれかの発光素子。
項1393.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa5nm以下であることを特徴とする項1388、1389、1390、1391又は1392に記載されたいずれかの発光素子。
項1394.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1375、1376、1377、1378、1379、1380、1381、1382、1383、1384、1385、1386、1387、1388、1389又は1390に記載されたいずれかの発光素子。
項1395.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa70nm以上であることを特徴とする項1375、1376、1377、1378、1379、1380、1381、1382、1383、1384、1385、1386、1387、1388、1389、1390又は1394に記載されたいずれかの発光素子。
項1396.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nmより大きいことを特徴とする項1395に記載された発光素子。
項1397.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nmより大きいことを特徴とする項1395又は1396に記載されたいずれかの発光素子。
項1398.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の表面が焼き放し(as−fire)、ラップ研磨、ブラスト研磨、鏡面研磨、化学腐食及びプラズマガスによる腐食のうちから選ばれた少なくともいずれかの状態であることを特徴とする項1375、1376、1377、1378、1379、1380、1381、1382、1383、1384、1385、1386、1387、1388、1389、1390、1391、1392、1393、1394、1395、1396又は1397に記載されたいずれかの発光素子。
項1399.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の表面が鏡面研磨された状態であることを特徴とする項1398に記載された発光素子。
項1400.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする項1375、1376、1377、1378、1379、1380、1381、1382、1383、1384、1385、1386、1387、1388、1389、1390、1391、1392、1393、1394、1395、1396、1397、1398又は1399に記載されたいずれかの発光素子。
項1401.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1400に記載された発光素子。
項1402.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶であることを特徴とする項1400又は1401に記載されたいずれかの発光素子。
項1403.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が1層からなることを特徴とする項1400、1401又は1402に記載されたいずれかの発光素子。
項1404.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が無定形であることを特徴とする項1403に記載された発光素子。
項1405.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が多結晶であることを特徴とする項1403に記載された発光素子。
項1406.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が配向性多結晶であることを特徴とする項1403に記載された発光素子。
項1407.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶であることを特徴とする項1403に記載された発光素子。
項1408.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなることを特徴とする項1400、1401又は1402に記載されたいずれかの発光素子。
項1409.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、各層がそれぞれ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1408に記載された発光素子。
項1410.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1408又は1409記載されたいずれかの発光素子。
項1411.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1408、1409又は1410に記載されたいずれかの発光素子。
項1412.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が配向性多結晶であることを特徴とする項1408、1409、1410又は1411に記載されたいずれかの発光素子。
項1413.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、少なくとも1層が単結晶であることを特徴とする項1408、1409、1410、1411又は1412に記載されたいずれかの発光素子。
項1414.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、最上層の薄膜が単結晶であることを特徴とする項1408、1409、1410、1411、1412又は1413に記載されたいずれかの発光素子。
項1415.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが300μm未満であることを特徴とする項1400、1401、1402、1403、1404、1405、1406、1407、1408、1409、1410、1411、1412、1413又は1414に記載されたいずれかの発光素子。
項1416.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが200μm以下であることを特徴とする項1415に記載された発光素子。
項1417.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.1nm以上の厚みを有することを特徴とする項1400、1401、1402、1403、1404、1405、1406、1407、1408、1409、1410、1411、1412、1413、1414、1415又は1416に記載されたいずれかの発光素子。
項1418.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.5nm以上の厚みを有することを特徴とする項1417に記載された発光素子。
項1419.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.3μm以上の厚みを有することを特徴とする項1417又は1418に記載されたいずれかの発光素子。
項1420.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも3.5μm以上の厚みを有することを特徴とする項1417、1418又は1419に記載されたいずれかの発光素子。
項1421.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも10μm以上の厚みを有することを特徴とする項1417、1418、1419又は1420に記載されたいずれかの発光素子。
項1422.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも50μm以上の厚みを有することを特徴とする項1417、1418、1419、1420又は1421に記載されたいずれかの発光素子。
項1423.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含有するものであることを特徴とする項1400、1401、1402、1403、1404、1405、1406、1407、1408、1409、1410、1411、1412、1413、1414、1415、1416、1417、1418、1419、1420、1421又は1422に記載されたいずれかの発光素子。
項1424.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を有することを特徴とする項1400、1401、1402、1403、1404、1405、1406、1407、1408、1409、1410、1411、1412、1413、1414、1415、1416、1417、1418、1419、1420、1421、1422又は1423に記載されたいずれかの発光素子。
項1425.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が窒化ガリウムを主成分とするものであることを特徴とする項1423又は1424に記載されたいずれかの発光素子。
項1426.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜がAlGaIn1−x−yN(0<y≦1)で表わされる組成を有することを特徴とする項1423、1424又は1425に記載されたいずれかの発光素子。
項1427.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が窒化ガリウムを50モル%以上含むを特徴とする項1423、1424、1425又は1426に記載されたいずれかの発光素子。
項1428.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態であることを特徴とする項1423、1424、1425、1426又は1427に記載されたいずれかの発光素子。
項1429.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜が単結晶であることを特徴とする項1428に記載された発光素子。
項1430.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された最上層の薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とするものであることを特徴とする項1423、1424、1425、1426、1427、1428又は1429に記載されたいずれかの発光素子。
項1431.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された最上層の薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする単結晶であることを特徴とする項1430に記載された発光素子。
項1432.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれか2以上の結晶状態が同時に混在しているものからなることを有することを特徴とする項1400、1401、1402、1403、1404、1405、1406、1407、1408、1409、1410、1411、1412、1413、1414、1415、1416、1417、1418、1419、1420、1421、1422、1423、1424、1425、1426、1427、1428、1429、1430又は1431に記載されたいずれかの発光素子。
項1433.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が単一層あるいは少なくとも2以上の層からなり、該薄膜の少なくとも1以上の層が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれか2以上の結晶状態が同時に混在しているものからなることを特徴とする項1400、1401、1402、1403、1404、1405、1406、1407、1408、1409、1410、1411、1412、1413、1414、1415、1416、1417、1418、1419、1420、1421、1422、1423、1424、1425、1426、1427、1428、1429、1430、1431又は1432に記載されたいずれかの発光素子。
項1434.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下であることを特徴とする項1400、1401、1402、1403、1404、1405、1406、1407、1408、1409、1410、1411、1412、1413、1414、1415、1416、1417、1418、1419、1420、1421、1422、1423、1424、1425、1426、1427、1428、1429、1430、1431、1432又は1433に記載されたいずれかの発光素子。
項1435.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下であることを特徴とする項1434に記載された発光素子。
項1436.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下であることを特徴とする項1434又は1435に記載されたいずれかの発光素子。
項1437.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下であることを特徴とする項1434、1435又は1436に記載されたいずれかの発光素子。
項1438.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下であることを特徴とする項1434、1435、14367又は1437に記載されたいずれかの発光素子。
項1439.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下であることを特徴とする項1434、1435、1436、1437又は1438に記載されたいずれかの発光素子。
項1440.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下であることを特徴とする項1434、1435、1436、1437、1438又は1439に記載されたいずれかの発光素子。
項1441.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項1375、1376、1377、1378、1379、1380、1381、1382、1383、1384、1385、1386、1387、1388、1389、1390、1391、1392、1393、1394、1395、1396、1397、1398、1399、1400、1401、1402、1403、1404、1405、1406、1407、1408、1409、1410、1411、1412、1413、1414、1415、1416、1417、1418、1419、1420、1421、1422、1423、1424、1425、1426、1427、1428、1429、1430、1431、1432、1433、1434、1435、1436、1437、1438、1439又は1440に記載されたいずれかの発光素子。
項1442.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1375、1376、1377、1378、1379、1380、1381、1382、1383、1384、1385、1386、1387、1388、1389、1390、1391、1392、1393、1394、1395、1396、1397、1398、1399、1400、1401、1402、1403、1404、1405、1406、1407、1408、1409、1410、1411、1412、1413、1414、1415、1416、1417、1418、1419、1420、1421、1422、1423、1424、1425、1426、1427、1428、1429、1430、1431、1432、1433、1434、1435、1436、1437、1438、1439又は1440に記載されたいずれかの発光素子。
項1443.光透過性を有する六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1442に記載された発光素子。
項1444.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1375、1376、1377、1378、1379、1380、1381、1382、1383、1384、1385、1386、1387、1388、1389、1390、1391、1392、1393、1394、1395、1396、1397、1398、1399、1400、1401、1402、1403、1404、1405、1406、1407、1408、1409、1410、1411、1412、1413、1414、1415、1416、1417、1418、1419、1420、1421、1422、1423、1424、1425、1426、1427、1428、1429、1430、1431、1432、1433、1434、1435、1436、1437、1438、1439又は1440に記載されたいずれかの発光素子。
項1445.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1441、1442、1443又は1444に記載されたいずれかの発光素子。
項1446.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子。
項1447.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体が基板状であることを特徴とする項1446に記載された発光素子。
項1448.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nm以下であることを特徴とする項1446又は1447に記載されたいずれかの発光素子。
項1449.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nm以下であることを特徴とする項1448に記載された発光素子。
項1450.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa100nm以下であることを特徴とする項1448又は1449に記載されたいずれかの発光素子。
項1451.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa70nm以上であることを特徴とする項1446、1447、1448、1449又は1450に記載されたいずれかの発光素子。
項1452.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nmより大きいことを特徴とする項1451に記載された発光素子。
項1453.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nmより大きいことを特徴とする項1451又は1452に記載されたいずれかの発光素子。
項1454.セラミック材料を主成分とする焼結体の表面が焼き放し(as−fire)、ラップ研磨、ブラスト研磨、鏡面研磨、化学腐食及びプラズマガスによる腐食のうちから選ばれた少なくともいずれかの状態であることを特徴とする項1446、1447、1448、1449、1450、1451、1452又は1453に記載されたいずれかの発光素子。
項1455.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率0%であることを特徴とする項1446、1447、1448、1449、1450、1451、1452、1453又は1454に記載されたいずれかの発光素子。
項1456.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする項1446、1447、1448、1449、1450、1451、1452、1453、1454又は1455に記載されたいずれかの発光素子。
項1457.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1456に記載された発光素子。
項1458.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶であることを特徴とする項1456又は1457に記載されたいずれかの発光素子。
項1459.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が1層からなることを特徴とする項1456、1457又は1458に記載されたいずれかの発光素子。
項1460.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が無定形であることを特徴とする項1459に記載された発光素子。
項1461.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が多結晶であることを特徴とする項1459に記載された発光素子。
項1462.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が配向性多結晶であることを特徴とする項1459に記載された発光素子。
項1463.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶であることを特徴とする項1459に記載された発光素子。
項1464.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなることを特徴とする項1456、1457又は1458記載されたいずれかの発光素子。
項1465.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、各層がそれぞれ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1464に記載された発光素子。
項1466.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1464又は1465記載されたいずれかの発光素子。
項1467.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1464、1465又は1466に記載されたいずれかの発光素子。
項1468.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が配向性多結晶であることを特徴とする項1464、1465、1466又は1467に記載されたいずれかの発光素子。
項1469.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、少なくとも1層が単結晶であることを特徴とする項1464、1465、1466、1467又は1468に記載されたいずれかの発光素子。
項1470.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、最上層の薄膜が単結晶であることを特徴とする項1464、1465、1466、1467、1468又は1469に記載されたいずれかの発光素子。
項1471.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが300μm未満であることを特徴とする項1456、1457、1458、1459、1460、1461、1462、1463、1464、1465、1466、1467、1468、1469又は1470に記載されたいずれかの発光素子。
項1472.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが200μm以下であることを特徴とする項1471に記載された発光素子。
項1473.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.1nm以上の厚みを有することを特徴とする項1456、1457、1458、1459、1460、1461、1462、1463、1464、1465、1466、1467、1468、1469、1470、1471又は1472に記載されたいずれかの発光素子。
項1474.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.5nm以上の厚みを有することを特徴とする項1473に記載された発光素子。
項1475.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.3μm以上の厚みを有することを特徴とする項1473又は1474に記載されたいずれかの発光素子。
項1476.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも3.5μm以上の厚みを有することを特徴とする項1473、1474又は1475に記載されたいずれかの発光素子。
項1477.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも10μm以上の厚みを有することを特徴とする項1473、1474、1475又は1476に記載されたいずれかの発光素子。
項1478.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも50μm以上の厚みを有することを特徴とする項1473、1474、1475、1476又は1477に記載されたいずれかの発光素子。
項1479.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含有するものであることを特徴とする項1456、1457、1458、1459、1460、1461、1462、1463、1464、1465、1466、1467、1468、1469、1470、1471、1472、1473、1474、1475、1476、1477又は1478に記載されたいずれかの発光素子。
項1480.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を有することを特徴とする項1456、1457、1458、1459、1460、1461、1462、1463、1464、1465、1466、1467、1468、1469、1470、1471、1472、1473、1474、1475、1476、1477、1478又は1479に記載されたいずれかの発光素子。
項1481.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が窒化ガリウムを主成分とするものであることを特徴とする項1479又は1480に記載されたいずれかの発光素子。
項1482.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜がAlGaIn1−x−yN(0<y≦1)で表わされる組成を有することを特徴とする項1479、1480又は1481に記載されたいずれかの発光素子。
項1483.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が窒化ガリウムを50モル%以上含むを特徴とする項1479、1480、1481又は1482に記載されたいずれかの発光素子。
項1484.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態であることを特徴とする項1479、1480、1481、1482又は1483に記載されたいずれかの発光素子。
項1485.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜が単結晶であることを特徴とする項1484に記載された発光素子。
項1486.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された最上層の薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とするものであることを特徴とする項1479、1480、1481、1482、1483、1484又は1485に記載されたいずれかの発光素子。
項1487.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された最上層の薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする単結晶であることを特徴とする項1486に記載された発光素子。
項1488.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれか2以上の結晶状態が同時に混在しているものからなることを有することを特徴とする項1456、1457、1458、1459、1460、1461、1462、1463、1464、1465、1466、1467、1468、1469、1470、1471、1472、1473、1474、1475、1476、1477、1478、1479、1480、1481、1482、1483、1484、1485、1486又は1487に記載されたいずれかの発光素子。
項1489.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が単一層あるいは少なくとも2以上の層からなり、該薄膜の少なくとも1以上の層が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれか2以上の結晶状態が同時に混在しているものからなることを特徴とする項1456、1457、1458、1459、1460、1461、1462、1463、1464、1465、1466、1467、1468、1469、1470、1471、1472、1473、1474、1475、1476、1477、1478、1479、1480、1481、1482、1483、1484、1485、1486、1487又は1488に記載されたいずれかの発光素子。
項1490.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下であることを特徴とする項1456、1457、1458、1459、1460、1461、1462、1463、1464、1465、1466、1467、1468、1469、1470、1471、1472、1473、1474、1475、1476、1477、1478、1479、1480、1481、1482、1483、1484、1485、1486、1487、1488又は1489に記載されたいずれかの発光素子。
項1491.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下であることを特徴とする項1490に記載された発光素子。
項1492.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下であることを特徴とする項1490又は1491に記載されたいずれかの発光素子。
項1493.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下であることを特徴とする項1490、1491又は1492に記載されたいずれかの発光素子。
項1494.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下であることを特徴とする項1490、1491、1492又は1493に記載されたいずれかの発光素子。
項1495.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下であることを特徴とする項1490、1491、1492、1493又は1494に記載されたいずれかの発光素子。
項1496.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下であることを特徴とする項1490、1491、1492、1493、1494又は1495に記載されたいずれかの発光素子。
項1497.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項1446、1447、1448、1449、1450、1451、1452、1453、1454、1455、1456、1457、1458、1459、1460、1461、1462、1463、1464、1465、1466、1467、1468、1469、1470、1471、1472、1473、1474、1475、1476、1477、1478、1479、1480、1481、1482、1483、1484、1485、1486、1487、1488、1489、1490、1491、1492、1493、1494、1495又は1496に記載されたいずれかの発光素子。
項1498.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1446、1447、1448、1449、1450、1451、1452、1453、1454、1455、1456、1457、1458、1459、1460、1461、1462、1463、1464、1465、1466、1467、1468、1469、1470、1471、1472、1473、1474、1475、1476、1477、1478、1479、1480、1481、1482、1483、1484、1485、1486、1487、1488、1489、1490、1491、1492、1493、1494、1495又は1496に記載されたいずれかの発光素子。
項1499.表面粗さの大きい六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1498に記載された発光素子。
項1500.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1446、1447、1448、1449、1450、1451、1452、1453、1454、1455、1456、1457、1458、1459、1460、1461、1462、1463、1464、1465、1466、1467、1468、1469、1470、1471、1472、1473、1474、1475、1476、1477、1478、1479、1480、1481、1482、1483、1484、1485、1486、1487、1488、1489、1490、1491、1492、1493、1494、1495又は1496に記載されたいずれかの発光素子。
項1501.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1497、1498、1499又は1500に記載されたいずれかの発光素子。
項1502.表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有することを特徴とする項1446、1447、1448、1449、1450、1451、1452、1453、1454、1455、1456、1457、1458、1459、1460、1461、1462、1463、1464、1465、1466、1467、1468、1469、1470、1471、1472、1473、1474、1475、1476、1477、1478、1479、1480、1481、1482、1483、1484、1485、1486、1487、1488、1489、1490、1491、1492、1493、1494、1495、1496、1497、1498、1499、1500又は1501に記載されたいずれかの発光素子。
項1503.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子。
項1504.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1503に記載された発光素子。
項1505.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶であることを特徴とする項1503又は1504に記載されたいずれかの発光素子。
項1506.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が1層からなることを特徴とする項1503、1504又は1505に記載されたいずれかの発光素子。
項1507.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも無定形であることを特徴とする項1506に記載された発光素子。
項1508.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が多結晶であることを特徴とする項1506に記載された発光素子。
項1509.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が配向性多結晶であることを特徴とする項1506に記載された発光素子。
項1510.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶であることを特徴とする項1506に記載された発光素子。
項1511.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなることを特徴とする項1503、1504又は1505に記載されたいずれかの発光素子。
項1512.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、各層がそれぞれ無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1511に記載された発光素子。
項1513.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1511又は1512記載されたいずれかの発光素子。
項1514.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1511、1512又は1513に記載されたいずれかの発光素子。
項1515.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が配向性多結晶であることを特徴とする項1511、1512、1513又は1514に記載されたいずれかの発光素子。
項1516.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、少なくとも1層が単結晶であることを特徴とする項1511、1512、1513、1514又は1515に記載されたいずれかの発光素子。
項1517.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層からなり、最上層の薄膜が単結晶であることを特徴とする項1511、1512、1513、1514、1515又は1516に記載されたいずれかの発光素子。
項1518.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが300μm未満であることを特徴とする項1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510、1511、1512、1513、1514、1515、1516又は1517に記載されたいずれかの発光素子。
項1519.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが200μm以下であることを特徴とする項1518に記載された発光素子。
項1520.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.1nm以上の厚みを有することを特徴とする項1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510、1511、1512、1513、1514、1515、1516、1517、1518又は1519に記載されたいずれかの発光素子。
項1521.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.5nm以上の厚みを有することを特徴とする項1520に記載された発光素子。
項1522.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.3μm以上の厚みを有することを特徴とする項1520又は1521に記載されたいずれかの発光素子。
項1523.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも3.5μm以上の厚みを有することを特徴とする項1520、1521又は1522に記載されたいずれかの発光素子。
項1524.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも10μm以上の厚みを有することを特徴とする項1520、1521、1522又は1523に記載されたいずれかの発光素子。
項1525.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも50μm以上の厚みを有することを特徴とする項1520、1521、1522、1523又は1524に記載されたいずれかの発光素子。
項1526.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含有するものであることを特徴とする項1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510、1511、1512、1513、1514、1515、1516、1517、1518、1519、1520、1521、1522、1523、1524又は1525に記載されたいずれかの発光素子。
項1527.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を有することを特徴とする項1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510、1511、1512、1513、1514、1515、1516、1517、1518、1519、1520、1521、1522、1523、1524、1525又は1526に記載されたいずれかの発光素子。
項1528.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が窒化ガリウムを主成分とするものであることを特徴とする項1526又は1527に記載されたいずれかの発光素子。
項1529.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜がAlGaIn1−x−yN(0<y≦1)で表わされる組成を有することを特徴とする項1526、1527又は1528に記載されたいずれかの発光素子。
項1530.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が窒化ガリウムを50モル%以上含むを特徴とする項1526、1527、1528又は1529に記載されたいずれかの発光素子。
項1531.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態であることを特徴とする項1526、1527、1528、1529又は1530に記載されたいずれかの発光素子。
項1532.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜が単結晶であることを特徴とする項1531に記載された発光素子。
項1533.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜の最上層が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とするものであることを特徴とする項1526、1527、1528、1529、1530、1531又は1532に記載されたいずれかの発光素子。
項1534.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜の最上層が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする単結晶であることを特徴とする項1533に記載された発光素子。
項1535.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれか2以上の結晶状態が同時に混在しているものからなることを特徴とする項1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510、1511、1512、1513、1514、1515、1516、1517、1518、1519、1520、1521、1522、1523、1524、1525、1526、1527、1528、1529、1530、1531、1532、1533又は1534に記載されたいずれかの発光素子。
項1536.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が単一層あるいは少なくとも2以上の層からなり、該薄膜の少なくとも1以上の層が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれか2以上の結晶状態が同時に混在しているものからなることを特徴とする項1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510、1511、1512、1513、1514、1515、1516、1517、1518、1519、1520、1521、1522、1523、1524、1525、1526、1527、1528、1529、1530、1531、1532、1533、1534又は1535に記載されたいずれかの発光素子。
項1537.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下であることを特徴とする項1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510、1511、1512、1513、1514、1515、1516、1517、1518、1519、1520、1521、1522、1523、1524、1525、1526、1527、1528、1529、1530、1531、1532、1533、1534、1535又は1536に記載されたいずれかの発光素子。
項1538.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下であることを特徴とする項1537に記載された発光素子。
項1539.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下であることを特徴とする項1537又は1538に記載されたいずれかの発光素子。
項1540.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下であることを特徴とする項1537、1538又は1539に記載されたいずれかの発光素子。
項1541.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下であることを特徴とする項1537、1538、1539又は1540に記載されたいずれかの発光素子。
項1542.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下であることを特徴とする項1537、1538、1539、1540又は1541に記載されたいずれかの発光素子。
項1543.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下であることを特徴とする項1537、1538、1539、1540、1541又は1542に記載されたいずれかの発光素子。
項1544.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510、1511、1512、1513、1514、1515、1516、1517、1518、1519、1520、1521、1522、1523、1524、1525、1526、1527、1528、1529、1530、1531、1532、1533、1534、1535、1536、1537、1538、1539、1540、1541、1542又は1543に記載されたいずれかの発光素子。
項1545.セラミック材料を主成分とする焼結体が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510、1511、1512、1513、1514、1515、1516、1517、1518、1519、1520、1521、1522、1523、1524、1525、1526、1527、1528、1529、1530、1531、1532、1533、1534、1535、1536、1537、1538、1539、1540、1541、1542又は1543に記載されたいずれかの発光素子。
項1546.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1545に記載された発光素子。
項1547.セラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510、1511、1512、1513、1514、1515、1516、1517、1518、1519、1520、1521、1522、1523、1524、1525、1526、1527、1528、1529、1530、1531、1532、1533、1534、1535、1536、1537、1538、1539、1540、1541、1542又は1543に記載されたいずれかの発光素子。
項1548.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1544、1545、1546又は1547に記載されたいずれかの発光素子。
項1549.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有することを特徴とする項1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510、1511、1512、1513、1514、1515、1516、1517、1518、1519、1520、1521、1522、1523、1524、1525、1526、1527、1528、1529、1530、1531、1532、1533、1534、1535、1536、1537、1538、1539、1540、1541、1542、1543、1544、1545、1546、1547又は1548に記載されたいずれかの発光素子。
項1550.セラミック材料を主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510、1511、1512、1513、1514、1515、1516、1517、1518、1519、1520、1521、1522、1523、1524、1525、1526、1527、1528、1529、1530、1531、1532、1533、1534、1535、1536、1537、1538、1539、1540、1541、1542、1543、1544、1545、1546、1547、1548又は1549に記載されたいずれかの発光素子。
項1551.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有しかつ表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510、1511、1512、1513、1514、1515、1516、1517、1518、1519、1520、1521、1522、1523、1524、1525、1526、1527、1528、1529、1530、1531、1532、1533、1534、1535、1536、1537、1538、1539、1540、1541、1542、1543、1544、1545、1546、1547、1548、1549又は1550に記載されたいずれかの発光素子。
項1552.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子。
項1553.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が1層からなることを特徴とする項1552に記載された発光素子。
項1554.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも2以上の層からなることを特徴とする項1553に記載された発光素子。
項1555.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも2以上の層からなり、少なくとも1層は単結晶であることを特徴とする項1554に記載された発光素子。
項1556.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも2以上の層からなり、少なくとも1層は単結晶でありその他に無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する層からなることを特徴とする項1554又は1555に記載されたいずれかの発光素子。
項1557.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1554、1555又は1556記載されたいずれかの発光素子。
項1558.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1554、1555、1556又は1557に記載されたいずれかの発光素子。
項1559.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも2以上の層からなり、該セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成された薄膜層が配向性多結晶であることを特徴とする項1554、1555、1556、1557又は1558に記載されたいずれかの発光素子。
項1560.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも2以上の層からなり、すべての層が単結晶であることを特徴とする項1554、1555、1556又は1557に記載されたいずれかの発光素子。
項1561.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも2以上の層からなり、最上層の薄膜が単結晶であることを特徴とする項1554、1555、1556、1557、1558、1559又は1560に記載されたいずれかの発光素子。
項1562.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みが300μm未満であることを特徴とする項1552、1553、1554、1555、1556、1557、1558、1559、1560又は1561に記載されたいずれかの発光素子。
項1563.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜の厚みが200μm以下であることを特徴とする項1562に記載された発光素子。
項1564.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜が少なくとも0.1nm以上の厚みを有することを特徴とする項1552、1553、1554、1555、1556、1557、1558、1559、1560、1561、1562又は1563に記載されたいずれかの発光素子。
項1565.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜が少なくとも0.5nm以上の厚みを有することを特徴とする項1564に記載された発光素子。
項1566.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜が少なくとも0.3μm以上の厚みを有することを特徴とする項1564又は1565に記載されたいずれかの発光素子。
項1567.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜が少なくとも3.5μm以上の厚みを有することを特徴とする項1564、1565又は1566に記載されたいずれかの発光素子。
項1568.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜が少なくとも10μm以上の厚みを有することを特徴とする項1564、1565、1566又は1567に記載されたいずれかの発光素子。
項1569.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜が少なくとも50μm以上の厚みを有することを特徴とする項1564、1565、1566、1567又は1568に記載されたいずれかの発光素子。
項1570.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含有するものであることを特徴とする項1552、1553、1554、1555、1556、1557、1558、1559、1560、1561、1562、1563、1564、1565、1566、1567、1568又は1569に記載されたいずれかの発光素子。
項1571.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする単結晶薄膜を有することを特徴とする項1552、1553、1554、1555、1556、1557、1558、1559、1560、1561、1562、1563、1564、1565、1566、1567、1568、1569又は1570に記載されたいずれかの発光素子。
項1572.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜が窒化ガリウムを主成分とするものであることを特徴とする項1570又は1571に記載されたいずれかの発光素子。
項1573.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜がAlGaIn1−x−yN(0<y≦1)で表わされる組成を有することを特徴とする項1570、1571又は1572に記載されたいずれかの発光素子。
項1574.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜が窒化ガリウムを50モル%以上含むを特徴とする項1570、1571、1572又は1573に記載されたいずれかの発光素子。
項1575.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された最上層の単結晶薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とするものであることを特徴とする項1552、1553、1554、1555、1556、1557、1558、1559、1560、1561、1562、1563、1564、1565、1566、1567、1568、1569、1570、1571、1572、1573又は1574に記載されたいずれかの発光素子。
項1576.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜が単結晶とその他に無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれか1以上の結晶状態のものとが混在しているものであることを有することを特徴とする項1552、1553、1554、1555、1556、1557、1558、1559、1560、1561、1562、1563、1564、1565、1566、1567、1568、1569、1570、1571、1572、1573、1574又は1575に記載されたいずれかの発光素子。
項1577.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜が単一層あるいは少なくとも2以上の層からなり、該単結晶薄膜の少なくとも1以上の層が単結晶とその他に無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれか1以上の結晶状態のものとが混在しているものからなることを特徴とする項1552、1553、1554、1555、1556、1557、1558、1559、1560、1561、1562、1563、1564、1565、1566、1567、1568、1569、1570、1571、1572、1573、1574、1575又は1576に記載されたいずれかの発光素子。
項1578.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下であることを特徴とする項1552、1553、1554、1555、1556、1557、1558、1559、1560、1561、1562、1563、1564、1565、1566、1567、1568、1569、1570、1571、1572、1573、1574、1575、1576又は1577に記載されたいずれかの発光素子。
項1579.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下であることを特徴とする項1578に記載された発光素子。
項1580.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下であることを特徴とする項1578又は1579に記載されたいずれかの発光素子。
項1581.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下であることを特徴とする項1578、1579又は1580に記載されたいずれかの発光素子。
項1582.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下であることを特徴とする項1578、1579、1580又は1581に記載されたいずれかの発光素子。
項1583.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下であることを特徴とする項1578、1579、1580、1581又は1582に記載されたいずれかの発光素子。
項1584.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下であることを特徴とする項1578、1579、1580、1581、1582又は1583に記載されたいずれかの発光素子。
項1585.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項1552、1553、1554、1555、1556、1557、1558、1559、1560、1561、1562、1563、1564、1565、1566、1567、1568、1569、1570、1571、1572、1573、1574、1575、1576、1577、1578、1579、1580、1581、1582、1583又は1584に記載されたいずれかの発光素子。
項1586.セラミック材料を主成分とする焼結体が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1552、1553、1554、1555、1556、1557、1558、1559、1560、1561、1562、1563、1564、1565、1566、1567、1568、1569、1570、1571、1572、1573、1574、1575、1576、1577、1578、1579、1580、1581、1582、1583又は1584に記載されたいずれかの発光素子。
項1587.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1586に記載された発光素子。
項1588.セラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1552、1553、1554、1555、1556、1557、1558、1559、1560、1561、1562、1563、1564、1565、1566、1567、1568、1569、1570、1571、1572、1573、1574、1575、1576、1577、1578、1579、1580、1581、1582、1583又は1584に記載されたいずれかの発光素子。
項1589.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1585、1586、1587又は1588に記載されたいずれかの発光素子。
項1590.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有することを特徴とする項1552、1553、1554、1555、1556、1557、1558、1559、1560、1561、1562、1563、1564、1565、1566、1567、1568、1569、1570、1571、1572、1573、1574、1575、1576、1577、1578、1579、1580、1581、1582、1583、1584、1585、1586、1587、1588又は1589に記載されたいずれかの発光素子。
項1591.セラミック材料を主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1552、1553、1554、1555、1556、1557、1558、1559、1560、1561、1562、1563、1564、1565、1566、1567、1568、1569、1570、1571、1572、1573、1574、1575、1576、1577、1578、1579、1580、1581、1582、1583、1584、1585、1586、1587、1588、1589又は1590に記載されたいずれかの発光素子。
項1592.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有しかつ表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1552、1553、1554、1555、1556、1557、1558、1559、1560、1561、1562、1563、1564、1565、1566、1567、1568、1569、1570、1571、1572、1573、1574、1575、1576、1577、1578、1579、1580、1581、1582、1583、1584、1585、1586、1587、1588、1589、1590又は1591に記載されたいずれかの発光素子。
項1593.セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層が積層されている発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層のうちから選ばれた少なくともいずれかの層が単一層であることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214、1215、1216、1217、1218、1219、1220、1221、1222、1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268、1269、1270、1271、1272、1273、1274、1275、1276、1277、1278、1279、1280、1281、1282、1283、1284、1285、1286、1287、1288、1289、1290、1291、1292、1293、1294、1295、1296、1297、1298、1299、1300、1301、1302、1303、1304、1305、1306、1307、1308、1309、1310、1311、1312、1313、1314、1315、1316、1317、1318、1319、1320、1321、1322、1323、1324、1325、1326、1327、1328、1329、1330、1331、1332、1333、1334、1335、1336、1337、1338、1339、1340、1341、1342、1343、1344、1345、1346、1347、1348、1349、1350、1351、1352、1353、1354、1355、1356、1357、1358、1359、1360、1361、1362、1363、1364、1365、1366、1367、1368、1369、1370、1371、1372、1373、1374、1375、1376、1377、1378、1379、1380、1381、1382、1383、1384、1385、1386、1387、1388、1389、1390、1391、1392、1393、1394、1395、1396、1397、1398、1399、1400、1401、1402、1403、1404、1405、1406、1407、1408、1409、1410、1411、1412、1413、1414、1415、1416、1417、1418、1419、1420、1421、1422、1423、1424、1425、1426、1427、1428、1429、1430、1431、1432、1433、1434、1435、1436、1437、1438、1439、1440、1441、1442、1443、1444、1445、1446、1447、1448、1449、1450、1451、1452、1453、1454、1455、1456、1457、1458、1459、1460、1461、1462、1463、1464、1465、1466、1467、1468、1469、1470、1471、1472、1473、1474、1475、1476、1477、1478、1479、1480、1481、1482、1483、1484、1485、1486、1487、1488、1489、1490、1491、1492、1493、1494、1495、1496、1497、1498、1499、1500、1501、1502、1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510、1511、1512、1513、1514、1515、1516、1517、1518、1519、1520、1521、1522、1523、1524、1525、1526、1527、1528、1529、1530、1531、1532、1533、1534、1535、1536、1537、1538、1539、1540、1541、1542、1543、1544、1545、1546、1547、1548、1549、1550、1551、1552、1553、1554、1555、1556、1557、1558、1559、1560、1561、1562、1563、1564、1565、1566、1567、1568、1569、1570、1571、1572、1573、1574、1575、1576、1577、1578、1579、1580、1581、1582、1583、1584、1585、1586、1587、1588、1589、1590、1591又は1592に記載されたいずれかの発光素子。
項1594.セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層が積層されている発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層のうちから選ばれた少なくともいずれかの層が少なくとも2以上の層からなることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214、1215、1216、1217、1218、1219、1220、1221、1222、1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268、1269、1270、1271、1272、1273、1274、1275、1276、1277、1278、1279、1280、1281、1282、1283、1284、1285、1286、1287、1288、1289、1290、1291、1292、1293、1294、1295、1296、1297、1298、1299、1300、1301、1302、1303、1304、1305、1306、1307、1308、1309、1310、1311、1312、1313、1314、1315、1316、1317、1318、1319、1320、1321、1322、1323、1324、1325、1326、1327、1328、1329、1330、1331、1332、1333、1334、1335、1336、1337、1338、1339、1340、1341、1342、1343、1344、1345、1346、1347、1348、1349、1350、1351、1352、1353、1354、1355、1356、1357、1358、1359、1360、1361、1362、1363、1364、1365、1366、1367、1368、1369、1370、1371、1372、1373、1374、1375、1376、1377、1378、1379、1380、1381、1382、1383、1384、1385、1386、1387、1388、1389、1390、1391、1392、1393、1394、1395、1396、1397、1398、1399、1400、1401、1402、1403、1404、1405、1406、1407、1408、1409、1410、1411、1412、1413、1414、1415、1416、1417、1418、1419、1420、1421、1422、1423、1424、1425、1426、1427、1428、1429、1430、1431、1432、1433、1434、1435、1436、1437、1438、1439、1440、1441、1442、1443、1444、1445、1446、1447、1448、1449、1450、1451、1452、1453、1454、1455、1456、1457、1458、1459、1460、1461、1462、1463、1464、1465、1466、1467、1468、1469、1470、1471、1472、1473、1474、1475、1476、1477、1478、1479、1480、1481、1482、1483、1484、1485、1486、1487、1488、1489、1490、1491、1492、1493、1494、1495、1496、1497、1498、1499、1500、1501、1502、1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510、1511、1512、1513、1514、1515、1516、1517、1518、1519、1520、1521、1522、1523、1524、1525、1526、1527、1528、1529、1530、1531、1532、1533、1534、1535、1536、1537、1538、1539、1540、1541、1542、1543、1544、1545、1546、1547、1548、1549、1550、1551、1552、1553、1554、1555、1556、1557、1558、1559、1560、1561、1562、1563、1564、1565、1566、1567、1568、1569、1570、1571、1572、1573、1574、1575、1576、1577、1578、1579、1580、1581、1582、1583、1584、1585、1586、1587、1588、1589、1590、1591、1592又は1593に記載されたいずれかの発光素子。
項1595.N型半導体層及び発光層及びP型半導体層のうちから選ばれた少なくともいずれかの層が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするエピタキシャル成長した単結晶薄膜からなることを特徴とする項1593又は1594に記載されたいずれかの発光素子。
項1596.セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層が積層されている発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体とセラミック材料を主成分とする焼結体との間に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜によりバッファ層が形成されていることを特徴とする項1188、1189、1190、1191、1192、1193、1194、1195、1196、1197、1198、1199、1200、1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208、1209、1210、1211、1212、1213、1214、1215、1216、1217、1218、1219、1220、1221、1222、1223、1224、1225、1226、1227、1228、1229、1230、1231、1232、1233、1234、1235、1236、1237、1238、1239、1240、1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1250、1251、1252、1253、1254、1255、1256、1257、1258、1259、1260、1261、1262、1263、1264、1265、1266、1267、1268、1269、1270、1271、1272、1273、1274、1275、1276、1277、1278、1279、1280、1281、1282、1283、1284、1285、1286、1287、1288、1289、1290、1291、1292、1293、1294、1295、1296、1297、1298、1299、1300、1301、1302、1303、1304、1305、1306、1307、1308、1309、1310、1311、1312、1313、1314、1315、1316、1317、1318、1319、1320、1321、1322、1323、1324、1325、1326、1327、1328、1329、1330、1331、1332、1333、1334、1335、1336、1337、1338、1339、1340、1341、1342、1343、1344、1345、1346、1347、1348、1349、1350、1351、1352、1353、1354、1355、1356、1357、1358、1359、1360、1361、1362、1363、1364、1365、1366、1367、1368、1369、1370、1371、1372、1373、1374、1375、1376、1377、1378、1379、1380、1381、1382、1383、1384、1385、1386、1387、1388、1389、1390、1391、1392、1393、1394、1395、1396、1397、1398、1399、1400、1401、1402、1403、1404、1405、1406、1407、1408、1409、1410、1411、1412、1413、1414、1415、1416、1417、1418、1419、1420、1421、1422、1423、1424、1425、1426、1427、1428、1429、1430、1431、1432、1433、1434、1435、1436、1437、1438、1439、1440、1441、1442、1443、1444、1445、1446、1447、1448、1449、1450、1451、1452、1453、1454、1455、1456、1457、1458、1459、1460、1461、1462、1463、1464、1465、1466、1467、1468、1469、1470、1471、1472、1473、1474、1475、1476、1477、1478、1479、1480、1481、1482、1483、1484、1485、1486、1487、1488、1489、1490、1491、1492、1493、1494、1495、1496、1497、1498、1499、1500、1501、1502、1503、1504、1505、1506、1507、1508、1509、1510、1511、1512、1513、1514、1515、1516、1517、1518、1519、1520、1521、1522、1523、1524、1525、1526、1527、1528、1529、1530、1531、1532、1533、1534、1535、1536、1537、1538、1539、1540、1541、1542、1543、1544、1545、1546、1547、1548、1549、1550、1551、1552、1553、1554、1555、1556、1557、1558、1559、1560、1561、1562、1563、1564、1565、1566、1567、1568、1569、1570、1571、1572、1573、1574、1575、1576、1577、1578、1579、1580、1581、1582、1583、1584、1585、1586、1587、1588、1589、1590、1591、1592、1593、1594又は1595に記載されたいずれかの発光素子。
項1597.バッファ層が単結晶、配向性多結晶、多結晶、無定形のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜からなることを特徴とする項1596に記載された発光素子。
項1598.バッファ層が配向性多結晶、多結晶、無定形のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜からなることを特徴とする項1596又は1597に記載されたいずれかの発光素子。
項1599.バッファ層が無定形薄膜からなることを特徴とする項1596、1597又は1598に記載されたいずれかの発光素子。
項1600.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜からなることを特徴とするフィールドエミッション材料。
項1601.窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするN型に半導体化された単結晶薄膜からなることを特徴とする項1600に記載されたフィールドエミッション材料。
項1602.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜がさらに珪素を含むものであることを特徴とする項1600又は1601に記載されたいずれかのフィールドエミッション材料。
元来本発明はセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成し得ることを見出すことによりなされたものである。またこのようなセラミック材料を主成分とする焼結体には窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶以外の例えば無定形、多結晶、配向異性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が形成し得る。本発明においては単結晶以外の各種結晶状態の薄膜を形成するための基板も提供し得る。以下それらについて説明する。
項1603.窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板がセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板。
項1604.セラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1603に記載された薄膜形成用基板。
項1605.セラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶であることを特徴とする項1603又は1604に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1606.セラミック材料を主成分とする焼結体からなる薄膜形成用基板に形成される窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜のすべてが単結晶であることを特徴とする項1603、1604又は1605に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1607.セラミック材料を主成分とする焼結体が基板状であることを特徴とする項1603、1604、1605又は1606に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1608.セラミック材料が金属元素及び半金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素と非金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素との組成物、あるいは金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素と半金属元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の元素との組成物、あるいは半金属元素のうちから選ばれた少なくともいずれか2種以上の元素との組成物であることを特徴とする項1603、1604、1605、1606又は1607に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1609.半金属元素が硼素、炭素、珪素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレン、テルル、ポロニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項1608に記載された薄膜形成用基板。
項1610.半金属元素が炭素、珪素のうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項1606に記載された薄膜形成用基板。
項1611.非金属元素が窒素、りん、酸素、硫黄、フッ素、塩素、臭素、沃素、アスタチンのうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項1608、1609又は1610に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1612.非金属元素が窒素、酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項1611に記載された薄膜形成用基板。
項1613.セラミック材料が窒化物、炭化物、酸化物、硼化物、及び珪化物のうちから選ばれた少なくともいずれかであることを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611又は1612に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1614.セラミック材料が窒化物、炭化物、及び酸化物のうちから選ばれた少なくともいずれかであることを特徴とする項1613に記載された薄膜形成用基板。
項1615.セラミック材料が窒化アルミニウム、六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、及び結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613又は1614に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1616.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、及び窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする項1615に記載された薄膜形成用基板。
項1617.セラミック材料が窒化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、及び酸化イットリウムのうちから選ばれた少なくともいずれかであることを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615又は1616に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1618.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616又は1617に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1619.セラミック材料を主成分とする焼結体が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616又は1617に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1620.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、及び窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1619に記載された薄膜形成用基板。
項1621.セラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、及び結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616又は1617に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1622.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、及び結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616、1617、1618、1619、1620又は1621に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1623.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有することを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616、1617、1618、1619、1620、1621又は1622に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1624.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率1%以上のものであることを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616、1617、1618、1619、1620、1621、1622又は1623に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1625.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率5%以上のものであることを特徴とする項1624に記載された薄膜形成用基板。
項1626.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率10%以上のものであることを特徴とする項1624又は1625に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1627.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率20%以上のものであることを特徴とする項1624、1625又は1626に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1628.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率30%以上のものであることを特徴とする項1624、1625、1626又は1627に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1629.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率40%以上のものであることを特徴とする項1624、1625、1626、1627又は1628に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1630.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率50%以上のものであることを特徴とする項1624、1625、1626、1627、1628又は1629に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1631.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率60%以上のものであることを特徴とする項1624、1625、1626、1627、1628、1629又は1630に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1632.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率80%以上のものであることを特徴とする項1624、1625、1626、1627、1628、1629、1630又は1631に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1633.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率85%以上のものであることを特徴とする項1624、1625、1626、1627、1628、1629、1630、1631又は1632に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1634.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率1%未満のものであることを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616、1617、1618、1619、1620、1621、1622又は1623に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1635.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過率0%のものであることを特徴とする項1634に記載された薄膜形成用基板。
項1636.光透過性あるいは光透過率が少なくとも波長200nm〜800nmの範囲の光に対してのものであることを特徴とする項1623、1624、1625、1626、1627、1628、1629、1630、1631、1632、1633、1634又は1635に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1637.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nm以下であることを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616、1617、1618、1619、1620、1621、1622、1623、1624、1625、1626、1627、1628、1629、1630、1631、1632、1633、1634、1635又は1636に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1638.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nm以下であることを特徴とする項1637に記載された薄膜形成用基板。
項1639.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa100nm以下であることを特徴とする項1637又は1638に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1640.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa20nm以下であることを特徴とする項1637、1638又は1639に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1641.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa10nm以下であることを特徴とする項1637、1638、1639又は1640に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1642.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa5nm以下であることを特徴とする項1637、1638、1639、1640又は1641に載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1643.セラミック材料を主成分とする焼結体が表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616、1617、1618、1619、1620、1621、1622、1623、1624、1625、1626、1627、1628、1629、1630、1631、1632、1633、1634、1635、1636、1637、1638又は1639に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1644.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa70nm以上であることを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616、1617、1618、1619、1620、1621、1622、1623、1624、1625、1626、1627、1628、1629、1630、1631、1632、1633、1634、1635、1636、1637、1638、1639又は1643に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1645.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa1000nmより大きいことを特徴とする項1644に記載された薄膜形成用基板。
項1646.セラミック材料を主成分とする焼結体の平均表面粗さがRa2000nmより大きいことを特徴とする項1644又は1645に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1647.セラミック材料を主成分とする焼結体の表面が焼き放し(as−fire)、ラップ研磨、ブラスト研磨、鏡面研磨、化学腐食及びプラズマガスによる腐食のうちから選ばれた少なくともいずれかの状態であることを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616、1617、1618、1619、1620、1621、1622、1623、1624、1625、1626、1627、1628、1629、1630、1631、1632、1633、1634、1635、1636、1637、1638、1639、1640、1641、1642、1643、1644、1645又は1646に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1648.セラミック材料を主成分とする焼結体の表面が鏡面研磨された状態であることを特徴とする項1647に記載された薄膜形成用基板。
項1649.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有しかつ表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616、1617、1618、1619、1620、1621、1622、1623、1624、1625、1626、1627、1628、1629、1630、1631、1632、1633、1634、1635、1636、1637、1638、1639、1643、1644、1645又は1646に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1650.セラミック材料を主成分とする焼結体が導電性を有することを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616、1617、1618、1619、1620、1621、1622、1623、1624、1625、1626、1627、1628、1629、1630、1631、1632、1633、1634、1635、1636、1637、1638、1639、1640、1641、1642、1643、1644、1645、1646、1647、1648又は1649に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1651.セラミック材料を主成分とする焼結体が室温において1×10Ω・cm以下の抵抗率を有することを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616、1617、1618、1619、1620、1621、1622、1623、1624、1625、1626、1627、1628、1629、1630、1631、1632、1633、1634、1635、1636、1637、1638、1639、1640、1641、1642、1643、1644、1645、1646、1647、1648、1649又は1650に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1652.セラミック材料を主成分とする焼結体が室温において1×10Ω・cm以下の抵抗率を有することを特徴とする項1651に記載された薄膜形成用基板。
項1653.セラミック材料を主成分とする焼結体が室温において1×10Ω・cm以下の抵抗率を有することを特徴とする項1651又は1652に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1654.セラミック材料を主成分とする焼結体が室温において1×10Ω・cm以下の抵抗率を有することを特徴とする項1651、1652又は1653に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1655.セラミック材料を主成分とする焼結体が室温において1×10−1Ω・cm以下の抵抗率を有することを特徴とする項1651、1652、1653又は1654に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1656.セラミック材料を主成分とする焼結体が室温において1×10−2Ω・cm以下の抵抗率を有することを特徴とする項1651、1652、1653、1654又は1655に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1657.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性を有しかつ導電性を有することを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616、1617、1618、1619、1620、1621、1622、1623、1624、1625、1626、1627、1628、1629、1630、1631、1632、1633、1634、1635、1636、1637、1638、1639、1640、1641、1642、1643、1644、1645、1646、1647、1648、1649、1650、1651、1652、1653、1654、1655又は1656に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1658.セラミック材料を主成分とする焼結体が光透過性及び導電性を有しさらに表面粗さの大きいものであることを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616、1617、1618、1619、1620、1621、1622、1623、1624、1625、1626、1627、1628、1629、1630、1631、1632、1633、1634、1635、1636、1637、1638、1639、1643、1644、1645、1646、1647、1648、1649、1650、1651、1652、1653、1654、1655、1656又は1657に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1659.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成したものであることを特徴とする項1603、1604、1605、1606、1607、1608、1609、1610、1611、1612、1613、1614、1615、1616、1617、1618、1619、1620、1621、1622、1623、1624、1625、1626、1627、1628、1629、1630、1631、1632、1633、1634、1635、1636、1637、1638、1639、1640、1641、1642、1643、1644、1645、1646、1647、1648、1649、1650、1651、1652、1653、1654、1655、1656、1657又は1658に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1660.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1659に記載された薄膜形成用基板。
項1661.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の少なくとも一部が単結晶からなることを特徴とする項1659又は1660に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1662.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶だけからなることを特徴とする項1659、1660又は1661に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1663.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単一層であることを特徴とする項1659、1660、1661又は1662に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1664.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも2以上の層から構成されていることを特徴とする項1659、1660、1661又は1662に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1665.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜の各層がそれぞれ単結晶、配向性多結晶、多結晶、無定形の中から選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1664に記載された薄膜形成用基板。
項1666.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有することを特徴とする項1664又は1665に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1667.セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が無定形であることを特徴とする項1660、1661、1662、1663、1664、165又は1666に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1668.セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が多結晶であることを特徴とする項1660、1661、1662、1663、1664、165又は1666に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1669.セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が配向性多結晶であることを特徴とする項1660、1661、1662、1663、1664、165又は1666に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1670.セラミック材料を主成分とする焼結体に直接形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が単結晶であることを特徴とする項1660、1661、1662、1663、1664、165又は1666に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1671.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、配向性多結晶、多結晶、無定形のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、配向性多結晶、多結晶、無定形のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1664、1665、1666、1667、1668、1669又は1670に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1672.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶、配向性多結晶、多結晶、無定形のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1671に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1673.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶、多結晶、無定形のうちから選ばれる少なくともいずれかの結晶状態を有する薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1672に記載された薄膜形成用基板。
項1674.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする無定形薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1672又は1673に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1675.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする多結晶薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1672又は1673に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1676.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜が少なくとも1層以上形成され、さらにその上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が少なくとも1層以上形成されていることを特徴とする項1672又は1673に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1677.少なくとも2以上の層から構成されている薄膜においてすべての層が単結晶だけから構成されていることを特徴とする項1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675又は1676に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1678.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の最上層は単結晶薄膜であることを特徴とする項1660、1661、1662、1663、1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675、1676又は1677に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1679.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のC軸がセラミック材料を主成分とする焼結体面に対して垂直な方向に形成されていることを特徴とする項1660、1661、1662、1663、1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675、1676、1677又は1678に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1680.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のC軸がセラミック材料を主成分とする焼結体面に対して水平な方向に形成されていることを特徴とする項1660、1661、1662、1663、1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675、1676、1677又は1678に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1681.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜のC軸がセラミック材料を主成分とする焼結体面に対して垂直な方向に形成されていることを特徴とする項1660、1661、1662、1663、1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675、1676、1677又は1678に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1682.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする配向性多結晶薄膜のC軸がセラミック材料を主成分とする焼結体面に対して水平な方向に形成されていることを特徴とする項1660、1661、1662、1663、1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675、1676、1677又は1678に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1683.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が導電性を有することを特徴とする項1659、1660、1661、1662、1663、1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675、1676、1677、1678、1679、1680、1681又は1682に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1684.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項1659、1660、1661、1662、1663、1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675、1676、1677、1678、1679、1680、1681、1682又は1683に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1685.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項1683又は1684に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1686.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項1683、1684又は1685に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1687.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の室温における抵抗率が1×10Ω・cm以下であることを特徴とする項1683、1684、1685又は1686に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1688.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含有するものであることを特徴とする項1659、1660、1661、1662、1663、1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675、1676、1677、1678、1679、1680、1681、1682、1683、1684、1685、1686又は1687に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1689.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜を有することを特徴とする項1659、1660、1661、1662、1663、1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675、1676、1677、1678、1679、1680、1681、1682、1683、1684、1685、1686、1687又は1688に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1690.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が窒化ガリウムを主成分とするものであることを特徴とする項1688又は1689に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1691.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜がAlGaIn1−x−yN(0<y≦1)で表わされる組成を有することを特徴とする項1688、1689又は1690に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1692.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が窒化ガリウムを50モル%以上含むを特徴とする項1688、1689、1690又は1691に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1693.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜が無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態であることを特徴とする項1688、1689、1690、1691又は1692に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1694.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする薄膜が単結晶であることを特徴とする項1693に記載された薄膜形成用基板。
項1695.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜の最上層が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とするものであることを特徴とする項1688、1689、1690、1691、1692、1693又は1694に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1696.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜の最上層が少なくとも窒化ガリウムを含むかあるいは窒化ガリウムを主成分とする単結晶であることを特徴とする項1695に記載された薄膜形成用基板。
項1697.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜がAlGa1−xN(0≦x≦1.0)の化学式であらわされる組成物を主成分とするものであることを特徴とする項1659、1660、1661、1662、1663、1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675、1676、1677、1678、1679、1680、1681、1682、1683、1684、1685、1686、1687、1688、1689、1690、1691、1692、1693、1694、1695又は1696に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1698.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが300μm未満であることを特徴とする項1659、1660、1661、1662、1663、1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675、1676、1677、1678、1679、1680、1681、1682、1683、1684、1685、1686、1687、1688、1689、1690、1691、1692、1693、1694、1695、1696又は1697に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1699.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が少なくとも単結晶薄膜層を有し該単結晶薄膜層の厚みが200μm以下であることを特徴とする項1698に記載された薄膜形成用基板。
項1700.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.1nm以上の厚みを有することを特徴とする項1659、1660、1661、1662、1663、1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675、1676、1677、1678、1679、1680、1681、1682、1683、1684、1685、1686、1687、1688、1689、1690、1691、1692、1693、1694、1695、1696、1697、1698又は1699に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1701.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.5nm以上の厚みを有することを特徴とする項1700に記載された薄膜形成用基板。
項1702.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも0.3μm以上の厚みを有することを特徴とする項1700又は1701に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1703.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも3.5μm以上の厚みを有することを特徴とする項1700、1701又は1702に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1704.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも10μm以上の厚みを有することを特徴とする項1700、1701、1702又は1703に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1705.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が少なくとも50μm以上の厚みを有することを特徴とする項1700、1701、1702、1703又は1704に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1706.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の厚みが1000μm以下であることを特徴とする項1659、1660、1661、1662、1663、1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675、1676、1677、1678、1679、1680、1681、1682、1683、1684、1685、1686、1687、1688、1689、1690、1691、1692、1693、1694、1695、1696、1697、1698、1699、項1700、1701、1702、1703、1704又は1705に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1707.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜の厚みが500μm以下であることを特徴とする項1706に記載された薄膜形成用基板。
項1708.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれか2以上の結晶状態が同時に混在しているものからなることを特徴とする項1659、1660、1661、1662、1663、1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675、1676、1677、1678、1679、1680、1681、1682、1683、1684、1685、1686、1687、1688、1689、1690、1691、1692、1693、1694、1695、1696、1697、1698、1699、1700、1701、1702、1703、1704、1705、1706又は1707に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1709.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された薄膜が単一層あるいは少なくとも2以上の層からなり、該薄膜の少なくとも1以上の層が単結晶、無定形、多結晶、配向性多結晶のうちから選ばれた少なくともいずれか2以上の結晶状態が同時に混在しているものからなることを特徴とする項1659、1660、1661、1662、1663、1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675、1676、1677、1678、1679、1680、1681、1682、1683、1684、1685、1686、1687、1688、1689、1690、1691、1692、1693、1694、1695、1696、1697、1698、1699、1700、1701、1702、1703、1704、1705、1706、1707又は1708に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1710.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が3600秒以下であることを特徴とする項1659、1660、1661、1662、1663、1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675、1676、1677、1678、1679、1680、1681、1682、1683、1684、1685、1686、1687、1688、1689、1690、1691、1692、1693、1694、1695、1696、1697、1698、1699、1700、1701、1702、1703、1704、1705、1706、1707、1708又は1709に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1711.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が300秒以下であることを特徴とする項1710に記載された薄膜形成用基板。
項1712.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が240秒以下であることを特徴とする項1710又は1711に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1713.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が200秒以下であることを特徴とする項1710、1711又は1712に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1714.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が150秒以下であることを特徴とする項1710、1711、1712又は1713に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1715.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が130秒以下であることを特徴とする項1710、1711、1712、1713又は1714に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1716.セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜のミラー指数(002)の格子面のX線回折ロッキングカーブの半値幅が100秒以下であることを特徴とする項1710、1711、1712、1713、1714又は1715に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1717.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成したものであることを特徴とする項1659、1660、1661、1662、1663、1664、1665、1666、1667、1668、1669、1670、1671、1672、1673、1674、1675、1676、1677、1678、1679、1680、1681、1682、1683、1684、1685、1686、1687、1688、1689、1690、1691、1692、1693、1694、1695、1696、1697、1698、1699、1700、1701、1702、1703、1704、1705、1706、1707、1708、1709、1710、1711、1712、1713、1714又は1715に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
また、上記項1〜項70で示された本発明による薄膜形成用基板に用いられるセラミック材料を主成分とする焼結体及び光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体ついてより詳細に説明する。
項1718.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68又は70に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1719.セラミック材料を主成分とする焼結体が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69又は70に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1720.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1719に記載された薄膜形成用基板。
項1721.セラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68又は70に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1722.セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1718、1719、1720又は1721に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1723.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする項28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68又は70に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1724.セラミック材料を主成分とする焼結体が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体であることを特徴とする項28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69又は70に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1725.六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1724に記載された薄膜形成用基板。
項1726.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68又は70に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
項1727.光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化イットリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする項1723、1724、1725又は1726に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
また本発明は、上記項1〜項409、及び項1603〜項1717に記載された本発明による薄膜形成用基板として、「窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板」、を提供し得る。また上記セラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜として無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものを提供し得る。
また上記本発明による薄膜形成用基板は、「窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板」、を含む。また上記光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜として無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものを提供し得る。
また上記本発明による薄膜形成用基板は、「窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板は表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板」、を含む。
また上記本発明による薄膜形成用基板は、「窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板」、を含む。また上記表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜として無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものを提供し得る。
また上記本発明による薄膜形成用基板は、「窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板は光透過性を有しかつ表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板」、を含む。
また上記本発明による薄膜形成用基板は、「窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板は窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された光透過性を有しかつ表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板」、を含む。また上記光透過性を有しかつ表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成された窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜として無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものを提供し得る。
また上記本発明による薄膜形成用基板に用いるセラミック材料を主成分とする焼結体、光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体及び表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体として、「窒化アルミニウム、六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体」、を含む。
上記六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体としては少なくとも酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体が用い得る。
希土類酸化物を主成分とする焼結体としては少なくとも酸化イットリウムを主成分とする焼結体が用い得る。
さらに本発明は、「セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されている薄膜基板」、を提供し得る。また上記セラミック材料を主成分とする焼結体に形成されている窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜として無定形、多結晶、配向性多結晶、単結晶のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶状態を有するものを提供し得る。
は、本発明による薄膜形成用基板及びその上に形成された単結晶薄膜の結晶方位を示す図である。 は、本発明による薄膜形成用基板上に形成された単結晶薄膜によるX線回折を示す図である。 は、本発明による導通ビアを有する薄膜形成用基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による薄膜形成用基板及びその上に形成された単結晶薄膜の結晶方位を示す図である。 は、本発明による薄膜形成用基板及び薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による導通ビア有する薄膜形成用基板及び薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による導通ビア有する薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による窒化アルミニウム焼結体の光透過率を示す図である。 は、本発明による薄膜導電性材料が形成された薄膜形成用基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による薄膜導電性材料が形成された薄膜形成用基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による薄膜導電性材料が形成された導通ビアを有する薄膜形成用基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明によるパターン形状の薄膜導電性材料が形成された薄膜形成用基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による薄膜導電性材料の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による薄膜導電性材料及び窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜がそれぞれ異なる面に形成された薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による薄膜導電性材料の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されさらに異なる面に薄膜導電性材料が形成された薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜の上に薄膜導電性材料が形成された薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明によるあらかじめ薄膜導電性材料が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されその上にさらに薄膜導電性材料が形成された薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明によるあらかじめ薄膜導電性材料が形成された導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されさらに薄膜の表面に薄膜導電性材料が形成された薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明によるあらかじめ薄膜導電性材料が形成された窒化アルミニウムを主成分とする焼結体にさらに窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されさらに薄膜の表面に薄膜導電性材料が形成された薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜により二次元光導波路が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による二次元光導波路の上にクラッド層が形成され薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による二次元光導波路が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による三次元光導波路が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による三次元光導波路が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明によるリッジ型の三次元光導波路が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による二次元光導波路に誘電体材料を形成することで二次元光導波路中に三次元光導波路を形成した薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による二次元光導波路に金属材料を直接形成することで二次元光導波路中に三次元光導波路を形成した薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による二次元光導波路にバッファ層を介して電極を形成し該電極間に電位を印加することで三次元光導波路を形成した薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜に埋め込み型の三次元光導波路が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による埋め込み型の三次元光導波路が形成されさらに電極が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による埋め込み型の三次元光導波路が形成されさらに電極が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による埋め込み型の三次元光導波路が形成されさらに電極が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による三次元光導波路が形成されさらに電気回路が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による埋め込み型の三次元光導波路が形成されさらに電気回路が形成されている薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による薄膜形成用基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による薄膜導電性材料の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、本発明による薄膜導電性材料の上に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成された導通ビアを有する薄膜基板の1例を示す斜視図である。 は、発光素子の構成の1例を示す断面図である。 は、従来からの基板を用いた発光素子の1例を示す断面図である。 は、従来からの基板を用いた発光素子の1例を示す断面図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す断面図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す断面図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す断面図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す斜視図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す斜視図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す断面図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す断面図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す断面図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す断面図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す断面図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す断面図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す断面図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す断面図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す断面図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す断面図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す断面図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す断面図である。 は、本発明による発光素子の発光の様子を推測した1例を示す断面図である。 は、本発明による発光素子の発光の様子を推測した1例を示す斜視図である。 は、本発明による発光素子の1例を示す斜視図である。 は、AlN薄膜の結晶状態が無定形である場合のX線回折図形の1例を示す図である。 は、AlN薄膜の結晶状態が多結晶である場合のX線回折図形の1例を示す図である。 は、AlN薄膜の結晶状態が基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された配向性多結晶である場合のX線回折図形の1例を示す図である。 は、AlN薄膜の結晶状態が基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶である場合のX線回折図形の1例を示す図である。 は、基板面に対してC軸が垂直な方向に形成されたAlN単結晶薄膜のωスキャンによって計測されたミラー指数(002)の格子面のX線回折線ロッキングカーブの1例を示す図形である。 は、GaN薄膜の結晶状態が基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶である場合のX線回折図形の1例を示す図である。 は、InN薄膜の結晶状態が基板面に対してC軸が垂直な方向に形成された単結晶である場合のX線回折図形の1例を示す図である。 は、本発明による薄膜導電性材料の1例を示す正面図である。 は、本発明による薄膜導電性材料の1例を示す正面図である。 は、比較的不規則な凹凸表面を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の表面状態の1例を示す模式図である。 は、規則的な凹凸表面を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の表面状態の1例を示す斜視図である。 は、規則的な凹凸表面を有するセラミック材料を主成分とする焼結体の表面状態の1例を示す斜視図である。
符号の説明
1:窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板
2:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜
3:導通ビア
4:窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板
5:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜
6:薄膜基板
7:導通ビアを有する薄膜基板
8:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜
9:導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体、及び炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウムなどの六方晶結晶系及び酸化アルミニウムなどの三方晶結晶系あるいは六方晶系として分類できる結晶構造を有する各種セラミック材料を主成分とする焼結体、及びその他各種セラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板
10:導通ビアを有する窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板
11:薄膜導電性材料
12:回路パターン形状の薄膜導電性材料
13:窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板
14:窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなる基板
15:薄膜導電性材料が形成された薄膜基板
16:薄膜導電性材料が形成された導通ビアを有する薄膜基板
17:薄膜導電性材料が形成された導通ビアを有する薄膜基板
18:薄膜導電性材料が形成された薄膜基板
19:薄膜導電性材料が形成された薄膜基板
20:薄膜導電性材料が形成された導通ビアを有する薄膜基板
21:薄膜導電性材料が形成された薄膜基板
24:薄膜導電性材料に形成された空間
30:発光素子作製用基板
31:バッファ層
32:発光素子
32−1:薄膜
32−2:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜
33:従来からの発光素子作製用基板
34:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするN型半導体特性又はP型半導体特性を有する薄膜層
34−1:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするN型半導体特性又はP型半導体特性を有する薄膜層
34−1−1:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするN型半導体特性又はP型半導体特性を有する薄膜層
34−1−2:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするN型半導体特性又はP型半導体特性を有する薄膜層
34−2:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするN型半導体特性又はP型半導体特性を有する薄膜層
34−2−1:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするN型半導体特性又はP型半導体特性を有する薄膜層
34−2−2:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするN型半導体特性又はP型半導体特性を有する薄膜層
35:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするP型半導体特性又はN型半導体特性を有する薄膜層
35−1:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするN型半導体特性又はP型半導体特性を有する薄膜層
35−1−1:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするN型半導体特性又はP型半導体特性を有する薄膜層
35−1−2:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするN型半導体特性又はP型半導体特性を有する薄膜層
35−2:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするN型半導体特性又はP型半導体特性を有する薄膜層
35−2−1:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするN型半導体特性又はP型半導体特性を有する薄膜層
35−2−2:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とするN型半導体特性又はP型半導体特性を有する薄膜層
36:発光層
37:従来からの基板を用いた発光素子
38:電極
38−1:電力供給用端子
39:本発明による発光素子
40:誘電体材料
50:二次元光導波路
60:三次元光導波路
61:リッジ型三次元光導波路
62:三次元光導波路
63:三次元光導波路
64:三次元光導波路
65:埋め込み型三次元光導波路
65’:光導波路の光導入部
66:光導波路への導入光
66’:光導波路からの放出光
70:クラッド層
71:クラッド層
80:窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜
90:電極
91:電極
100:金属材料
110:バッファ層
120:電極
130:導電性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなる基板
140:発光層から発せられた光
141:基板を透過して発光素子外部へ放出された光
142:薄膜層から発光素子外部へ放出された光
143:発光層から発光素子外部へ放出された光
150:基板と薄膜層との界面
160:基板と外部空間との界面
170:溝部
171:溝部

Claims (42)

  1. 窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成するための基板であって、該基板がセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板。
  2. 窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板であって、該基板が光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板。
  3. セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする特許請求項1又は2に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
  4. セラミック材料を主成分とする焼結体が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体であることを特徴とする特許請求項1又は2に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
  5. 六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする特許請求項4に記載された薄膜形成用基板。
  6. セラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする特許請求項1又は2に記載されたいずれかの薄膜形成用基板。
  7. 窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板の製造方法であって、該基板が原料として酸化アルミニウムの還元法によるもの及び金属アルミニウムの直接窒化法によるもののなかから選ばれたいずれかをそれぞれ単独で用いるかあるいは酸化アルミニウムの還元法によるもの及び金属アルミニウムの直接窒化法によるものを混合して用いるか少なくともいずれかの原料を用いて製造される窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板の製造方法。
  8. 窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成するための基板の製造方法であって、該基板が窒化アルミニウムを主成分とする粉末成形体又は焼結体を非酸化性雰囲気中1500℃以上の温度で10分間以上焼成することで得られる窒化アルミニウムを主成分とする焼結体からなることを特徴とする薄膜形成用基板の製造方法。
  9. 希土類元素及びアルカリ土類金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分の含有量が元素換算で合計0.5重量%以下、酸素含有量が元素換算で0.9重量%以下、結晶相としてAlNを95%以上、窒化アルミニウム粒子の大きさが5μm以上、かつ光透過性を有することを特徴とする窒化アルミニウムを主成分とする焼結体。
  10. 少なくともアルミニウム成分を含みかつ光透過性を有する酸化亜鉛を主成分とする焼結体。
  11. 光透過性を有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
  12. 導電性を有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
  13. アルカリ土類金属及び希土類元素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
  14. 亜鉛、カドミウム、マグネシウム、ベリリウム、炭素、珪素、ゲルマニウム、セレン、及びテルルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
  15. アルミニウム、インジウム、及び酸素のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
  16. 遷移金属のうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする焼結体。
  17. 酸素含有量10重量%以下の窒化ガリウムを主成分とする粉末。
  18. 平均粒径10μm以下の窒化ガリウムを主成分とする粉末。
  19. 金属ガリウムと窒素含有物質とを窒化反応せしめることを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする粉末の製造方法。
  20. 酸化ガリウムを還元剤及び窒素含有物質とを用いて窒化反応せしめることを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする粉末の製造方法。
  21. 気体状のガリウム化合物を窒素含有物質と窒化反応せしめることを特徴とする窒化ガリウムを主成分とする粉末の製造方法。
  22. セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板。
  23. 光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されていることを特徴とする薄膜基板。
  24. セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする特許請求項22又は23に記載されたいずれかの薄膜基板。
  25. セラミック材料を主成分とする焼結体が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有するセラミック材料を主成分とする焼結体であることを特徴とする特許請求項22又は23に記載されたいずれかの薄膜基板。
  26. 六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする特許請求項25に記載された薄膜基板。
  27. セラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする特許請求項22又は23記載されたいずれかの薄膜基板。
  28. 窒化アルミニウムを主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜により光導波路が形成されていることを特徴とする薄膜基板。
  29. セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成した薄膜基板の製造方法であって、該薄膜がガリウム、インジウム、アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む有機化合物を主原料としアンモニア、窒素、水素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を反応ガスとして形成されるものであることを特徴とする薄膜基板の製造方法。
  30. セラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜を形成した薄膜基板の製造方法であって、該薄膜がガリウム、インジウム、アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むハロゲン化物を主原料としアンモニア、窒素、水素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を反応ガスとして形成されるものであることを特徴とする薄膜基板の製造方法。
  31. 光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した薄膜基板の製造方法であって、該薄膜がガリウム、インジウム、アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含む有機化合物を主原料としアンモニア、窒素、水素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を反応ガスとして形成されるものであることを特徴とする薄膜基板の製造方法。
  32. 光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜を形成した薄膜基板の製造方法であって、該薄膜がガリウム、インジウム、アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むハロゲン化物を主原料としアンモニア、窒素、水素のうちから選ばれた少なくとも1種以上を反応ガスとして形成されるものであることを特徴とする薄膜基板の製造方法。
  33. 窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分としさらにニオブ及びタンタルのうちから選ばれた少なくとも1種以上の成分を含むことを特徴とする光導波路。
  34. 窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体がセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子。
  35. 窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が光透過性を有するセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子。
  36. 窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が表面粗さの大きいセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子。
  37. 窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子。
  38. 窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする薄膜からなる少なくともN型半導体層及び発光層及びP型半導体層を含む積層体により構成される発光素子であって、該N型半導体層及び発光層及びP型半導体層の積層体が窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする単結晶薄膜が形成されたセラミック材料を主成分とする焼結体に形成されていることを特徴とする発光素子。
  39. セラミック材料を主成分とする焼結体が窒化アルミニウムを主成分とする焼結体であることを特徴とする特許請求項34、35、36、37又は38に記載されたいずれかの発光素子。
  40. セラミック材料を主成分とする焼結体が六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体であることを特徴とする特許請求項34、35、36、37又は38に記載されたいずれかの発光素子。
  41. 六方晶系又は三方晶系のうちから選ばれた少なくともいずれかの結晶構造を有する材料を主成分とする焼結体が酸化亜鉛、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ガリウムのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする特許請求項40に記載された発光素子。
  42. セラミック材料を主成分とする焼結体が酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素酸化物、酸化トリウム、各種フェライト、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、結晶化ガラスのうちから選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする焼結体であることを特徴とする特許請求項34、35、36、37又は38に記載されたいずれかの発光素子。
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