JP2014154668A - 複合基板およびそれを用いた半導体ウエハの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高品質の半導体ウエハを高収率で効率よく製造するために好適な複合基板およびそれを用いた半導体ウエハの製造方法を提供する。
【解決手段】複合基板1は、結晶相として35質量%以上65質量%以下のムライト相および35質量%以上65質量%以下のアルミナ相を含む支持基板11と、支持基板11の主面11m側に配置されている半導体膜13と、を含む。半導体ウエハ3の製造方法は、上記の複合基板1を準備する工程と、複合基板1の半導体膜13上に少なくとも1層の半導体層20を成長させて半導体層付複合基板2を形成する工程と、半導体層付複合基板2から支持基板11を除去して半導体ウエハ3を形成する工程と、を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、高品質の半導体ウエハを高収率で効率よく製造するために好適な複合基板およびそれを用いた半導体ウエハの製造方法に関する。
GaNウエハなどのIII族窒化物の半導体ウエハは、発光デバイス、電子デバイスなどの半導体デバイスの基板および半導体層として好適に用いられる。かかる半導体ウエハを製造するための下地基板としては、その下地基板と半導体ウエハとの間で、格子定数および熱膨張係数を一致させるまたは一致に近づける観点から、半導体ウエハと化学組成が同じまたは近似しているものが優れている。ところが、半導体ウエハがGaNウエハなどの場合は、下地基板として最も優れるGaN基板は非常に高価であり、また、主面の直径が2インチを超える大口径のGaN基板の入手は困難である。
このため、GaNウエハを形成するための下地基板として、一般に、サファイア基板が用いられている。しかしながら、サファイア結晶とGaN結晶とでは、それらの格子定数および熱膨張係数が大きく異なる。
このため、サファイア結晶とGaN結晶との間の格子定数の不整合を緩和して結晶性が良好なGaNウエハを形成するために、たとえば、特開平04−297023号公報(特許文献1)は、サファイア基板にGaN結晶を成長させる際に、サファイア基板上にGaNバッファ層を形成し、そのGaNバッファ層上にGaN結晶層を成長させることを開示する。
また、GaN結晶の熱膨張係数に近い熱膨張係数の支持基板とGaN単結晶膜との複合基板を用いて結晶性が高く反りの小さいGaN系膜を得るために、たとえば、特開2012−121788号公報(特許文献2)は、主面内の熱膨張係数がGaN結晶の熱膨張係数に比べて0.8倍より大きく1.2倍より小さい酸化物焼結体支持基板と、支持基板の主面側に配置されているGaN単結晶膜とを含む複合基板のGaN単結晶膜上に、GaN系膜を成長させることを開示する。
特開平04−297023号公報 特開2012−121788号公報
上記の特開平04−297023号公報(特許文献1)においては、サファイア結晶の熱膨張係数がGaN結晶の熱膨張係数に比べて非常に大きいため、主面の直径が大きくなるほど、反りの小さいGaN膜を得ることは困難である。
一方、上記の特開2012−121788号公報(特許文献2)においては、用いられる複合基板には、酸化物焼結体支持基板の研磨後の平坦化度が低く、酸化物焼結体支持基板とGaN単結晶膜との間の接合が不十分な領域があり、かかる領域上においてGaN系膜の均一な成長が阻害され、GaN系膜の収率向上を阻害するという問題点があった。
本発明は、上記の問題点を解決して、高品質の半導体ウエハを高収率で効率よく製造するために好適な複合基板およびそれを用いた半導体ウエハの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、結晶相として35質量%以上65質量%以下のムライト相および35質量%以上65質量%以下のアルミナ相を含む支持基板と、支持基板の主面側に配置されている半導体膜と、を含む複合基板である。
本発明にかかる複合基板において、支持基板は、非結晶相として10質量%以下のシリカ相をさらに含むことができる。
また、本発明は、結晶相として35質量%以上65質量%以下のムライト相および35質量%以上65質量%以下のアルミナ相を含む支持基板と、支持基板の主面側に配置されている半導体膜と、を含む複合基板を準備する工程と、複合基板の半導体膜上に少なくとも1層の半導体層を成長させて半導体層付複合基板を形成する工程と、半導体層付複合基板から支持基板を除去して半導体ウエハを形成する工程と、を含む半導体ウエハの製造方法である。
本発明にかかる半導体ウエハの製造方法において、支持基板は、非結晶相として10質量%以下のシリカ相をさらに含むことができる。
本発明によれば、高品質の半導体ウエハを高収率で効率よく製造するために好適な複合基板およびそれを用いた半導体ウエハの製造方法を提供できる。
本発明にかかる複合基板の一例を示す概略断面図である。 本発明にかかる複合基板を準備する工程の一例を示す概略断面図である。 本発明にかかる複合基板を準備する工程の別の例を示す概略断面図である。 本発明にかかる半導体ウエハの製造方法を示す概略断面図である。
[実施形態1:複合基板]
図1を参照して、本発明の一実施形態である複合基板1は、結晶相として35質量%以上65質量%以下のムライト相および35質量%以上65質量%以下のアルミナ相を含む支持基板11と、支持基板11の主面11m側に配置されている半導体膜13と、を含む。本実施形態の複合基板1は、その支持基板11が結晶相としてムライト相およびアルミナ相を含み、ムライト相の含有量が35質量%以上65質量%以下でかつアルミナ相の含有量が35質量%以上65質量%以下であることから、支持基板11の研磨後の主面の平坦化度が高くなるとともに半導体膜13の熱膨張係数αFに対する支持基板11の熱膨張係数αSの比αF/αSが1に近くなる。これにより、複合基板1は、支持基板11と半導体膜13との接合性が高くなるとともに反りおよび割れの発生が抑制されるため、半導体膜13上に高品質の半導体ウエハを高収率で効率よく形成することができる。
(支持基板)
図1を参照して、本実施形態の複合基板1に含まれる支持基板11は、支持基板11の研磨後の主面の平坦化度を高くする観点から、結晶相として35質量%以上65質量%以下のムライト相および35質量%以上65質量%以下のアルミナ相を含むことが必要である。さらに、支持基板11は、研磨後の主面の平坦化度がより高くする観点から、ムライト相の含有量は、40質量%以上63質量%以下が好ましく、45質量%以上61質量%以下がより好ましい。また、支持基板11のアルミナ相の含有量は、37質量%以上55質量%以下が好ましく、39質量%以上49質量%以下がより好ましい。
支持基板11において、ムライト相の化学組成はAl6Si213(3Al23・2SiO2)またはその近傍の組成であり、アルミナ相の化学組成はAl23である。結晶相であるムライト相およびアルミナ相の含有量は、X線回折により測定することができる。また、支持基板11の研磨後の主面の平坦化度は、研磨後の主面のJIS B0601に規定する算術平均粗さRaを測定することにより評価することができる。算術平均粗さRaが小さいほど平坦化度が高く、算術平均粗さRaが大きいほど平坦化度が低い。
支持基板11は、研磨後の主面の平坦化度を高く維持したまま、フッ化水素酸などのエッチャントに対する被エッチング性を高めることにより複合基板1からの除去性を高める観点から、非結晶相として10質量%以下のシリカ相をさらに含むことが好ましい。支持基板11中のシリカ相の含有量が10質量%を超えると、支持基板11の研磨後の主面の平坦化度が低下する傾向がある。また、複合基板1からの支持基板11の除去性を高める観点から、支持基板11中のシリカ相の含有量は0.02質量%以上が好ましい。また、支持基板11において、シリカ相の化学組成はSiO2である。非結晶相であるシリカ相の含有量は、支持基板11を十分にエッチングした後のエッチャント中のSi濃度をICP−OES(誘導結合プラズマ−発光)分析により測定することにより算出できる。
支持基板11は、上記の特徴を有するものであればその製造方法および形態に特に制限はないが、各化学組成分の含有量の調整による物性の調節が容易な観点から、原料として、アルミナ粉末およびシリカ粉末の混合粉末、あるいはムライト粉末、アルミナ粉末およびシリカ粉末の混合粉末を用いて、これらの原料を焼結することにより得られた焼結体で形成することが好ましい。
(半導体膜)
図1を参照して、本実施形態の複合基板1に含まれる半導体膜13の厚さは、その半導体膜13上に結晶性の高い少なくとも1層の半導体層を成長させる観点から、その厚さが、10μm以上が必要であり、20μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましい。また、半導体膜13の厚さは、安価な複合基板を得る観点から、その厚さが、250μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましい。
本実施形態の複合基板1に含まれる半導体膜13は、特に制限はないが、その半導体膜13上に結晶性の高い少なくとも1層の半導体層を成長させる観点から、成長させようとする半導体層と化学組成が同一または近似していることが好ましい。たとえば、成長させようとする半導体層がGaN系(Gaを含むIII族窒化物)層の場合は、半導体膜13はGaN膜が好ましい。
(接合膜)
図1を参照して、本実施形態の複合基板1は、支持基板11と半導体膜13との接合強度を高める観点から、支持基板11と半導体膜13との間に接合膜12が形成されていることが好ましい。接合膜12は、特に制限はないが、支持基板11と半導体膜13との接合強度を高める効果が高い観点から、SiO2層、TiO2層などが好ましい。さらに、フッ化水素酸によりエッチング除去できる観点から、SiO2層がより好ましい。
[実施形態2:半導体ウエハの製造方法]
図2、図3および図4を参照して、本発明の別の実施形態である半導体ウエハの製造方法は、結晶相として35質量%以上65質量%以下のムライト相および35質量%以上65質量%以下のアルミナ相とを含む支持基板11と、支持基板11の主面11m側に配置されている半導体膜13と、を含む複合基板1を準備する工程(図2(A)〜(D)、図3(A)〜(D)および図4(A))と、複合基板1の半導体膜13上に少なくとも1層の半導体層20を成長させて半導体層付複合基板2を形成する工程(図4(B))と、半導体層付複合基板2から支持基板11を除去して半導体ウエハを形成する工程(図4(C))と、を含む。本実施形態の半導体ウエハ3の製造方法は、結晶相として35質量%以上65質量%以下のムライト相および35質量%以上65質量%以下のアルミナ相を含む支持基板11とその主面11m側に配置されている半導体膜13とを含む複合基板1の半導体膜13上に、少なくとも1層の半導体層20を成長させた後、支持基板を除去することにより、高品質の半導体ウエハ3を高収率で効率よく製造することができる。
(複合基板の準備工程)
図4(A)を参照して、複合基板1を準備する工程において、複合基板1の支持基板11の主面11m側に半導体膜13を配置する方法には、特に制限はなく、支持基板11の主面11m上に半導体膜13を成長させる方法(第1の方法)、支持基板11の主面11mに、下地基板の主面上に成膜させた半導体膜13を貼り合わせた後下地基板を除去する方法(第2の方法)、支持基板11の主面11mに半導体膜ドナー基板(図示せず)を貼り合わせた後その半導体膜ドナー基板を貼り合わせ面から所定の深さの面で切断することにより支持基板11の主面11m上に半導体膜13を形成する方法(第3の方法)などが挙げられる。支持基板11が酸化物の焼結体で形成されている場合には、上記の第1の方法が困難であるため、上記の第2および第3のいずれかの方法が好ましく用いられる。上記の第2の方法において、支持基板11に半導体膜13を貼り合わせる方法には、特に制限はなく、支持基板11の主面11mに直接半導体膜13を貼り合わせる方法、支持基板11の主面11mに接合膜12を介在させて半導体膜13を貼り合わせる方法などが挙げられる。上記の第3の方法において、支持基板11に半導体膜ドナー基板を貼り合わせる方法には、特に制限はなく、支持基板11の主面11mに直接半導体膜ドナー基板を貼り合わせる方法、支持基板11の主面11mに接合膜12を介在させて半導体膜ドナー基板を貼り合わせる方法などが挙げられる。
上記の複合基板1を準備する工程は、特に制限はないが、効率的に品質の高い複合基板1を準備する観点から、たとえば、図2を参照して、上記の第2の方法においては、支持基板11を準備するサブ工程(図2(A))と、下地基板30の主面30n上に半導体膜13を成膜するサブ工程(図2(B))と、支持基板11と半導体膜13とを貼り合わせるサブ工程(図2(C))と、下地基板30を除去するサブ工程(図2(D))と、含むことができる。
図2(C)では、支持基板11と半導体膜13とを貼り合わせるサブ工程において、支持基板11の主面11m上に接合膜12aに形成し(図2(C1))、下地基板30の主面30n上に成長させられた半導体膜13の主面13n上に接合膜12bを形成した(図2(C2))後、支持基板11上に形成された接合膜12aの主面12amと下地基板30上に成膜された半導体膜13上に形成された接合膜12bの主面12bnとを貼り合わせることにより、接合膜12aと接合膜12bとが接合して形成された接合膜12を介在させて支持基板11と半導体膜13とが貼り合わされる(図2(C3))。しかし、支持基板11と半導体膜13とが互いに接合可能なものであれば、支持基板11と半導体膜13とを、接合膜12を介在させることなく直接貼り合わせることができる。
支持基板11と半導体膜13とを貼り合わせる具体的な手法としては、特に制限はないが、貼り合わせ後高温でも接合強度を保持できる観点から、貼り合わせ面を洗浄しそのまま貼り合わせた後600℃〜1200℃程度に昇温して接合する直接接合法、貼り合わせ面を洗浄しプラズマやイオンなどで活性化させた後に室温(たとえば25℃)〜400℃程度の低温で接合する表面活性化法などが好ましく用いられる。
また、上記の複合基板1を準備する工程は、たとえば、図3を参照して、上記の第3の方法においては、支持基板11を準備するサブ工程(図3(A))と、半導体膜ドナー基板13Dを準備するサブ工程(図3(B))と、支持基板11と半導体膜ドナー基板13Dとを貼り合わせるサブ工程(図3(C))と、半導体膜ドナー基板13Dの貼り合わせ主面13nから内部に所定の距離に位置する面で半導体膜ドナー基板13Dを切断するサブ工程(図3(D))と、含むことができる。
図3(B)に示す半導体膜ドナー基板13Dとは、III族窒化物複合基板1を形成するために支持基板11に半導体膜13を提供する基板をいう。図3(B)を参照して、半導体膜ドナー基板13Dを準備する工程において、半導体膜ドナー基板13Dを製造する方法は、特に制限なく、半導体膜ドナー基板13DがIII−V族化合物半導体膜ドナー基板のときはHVPE(ハイドライド気相成長)法、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法、MBE(分子線成長)法、昇華法、フラックス法、高窒素圧溶液法などにより好適に行なうことができ、半導体膜ドナー基板13DがIV族元素半導体膜ドナー基板またはIV族化合物半導体膜ドナー基板のときはLPE(液相成長)法、MOCVD法、MBE法、昇華法などにより好適に行なうことができる。
図3(C)では、支持基板11と半導体膜13とを貼り合わせるサブ工程において、支持基板11の主面11m上に接合膜12aに形成し(図3(C1))、III族窒化物膜ドナー基板13Dの主面13n上に接合膜12bを形成した(図3(C2))後、支持基板11上に形成された接合膜12aの主面12amとIII族窒化物膜ドナー基板13D上に形成された接合膜12bの主面12bnとを貼り合わせることにより、接合膜12aと接合膜12bとが接合して形成された接合膜12を介在させて支持基板11と半導体膜13とが貼り合わされる(図3(C3))。しかし、支持基板11と半導体膜13とが互いに接合可能なものであれば、支持基板11と半導体膜13とを、接合膜12を介在させることなく直接貼り合わせることができる。ここで、支持基板11と半導体膜13とを貼り合わせる具体的な手法としては、上記の図2(C)で説明したように、直接接合法、表面活性化法などが好ましく用いられる。こうして支持基板11と半導体膜ドナー基板13Dとが貼り合わされた接合基板1Lが得られる。
図3(D)を参照して、半導体膜ドナー基板13Dを切断するサブ工程においては、接合基板1Lの半導体膜ドナー基板13Dの貼り合わせ主面13nから内部に所定の距離に位置する面で半導体膜ドナー基板13Dを切断することにより、複合基板1が形成される。
半導体膜ドナー基板13Dを切断する方法は、特に制限はなく、ワイヤーソー、ブレードソー、レーザ加工、放電加工、ウォータージェットなどの方法が挙げられる。III族窒化物膜ドナー基板13Dをワイヤーソーで切断する場合、大口径のIII族窒化物膜ドナー基板13Dを平坦に切断するためには固定砥粒ワイヤーを用いることが好ましく、切断代(せつだんしろ)を低減するためには細線ワイヤーを用いることが好ましい。切断代を低減するためには遊離砥粒方式が好ましい。また、III族窒化物膜ドナー基板13Dをワイヤーソーで切断する際には、切断抵抗によるワイヤーの曲がりを低減して厚さの精度および平坦性を高めるために、ワイヤーの張力を増加し、線速を増加させることが好ましい。そのためには、高剛性のワイヤーソー装置が好ましい。
また、切断抵抗を低減して厚さの精度および平坦性を高めるために、ワイヤーを揺動させ、それに同期して半導体膜ドナー基板13Dを振動させることが好ましい。具体的には、半導体膜ドナー基板13Dの切断の進行方向に対して垂直またはそれに近い角度にワイヤーソーが位置しているときは半導体膜ドナー基板13Dが切断の進行方向に動き、半導体膜ドナー基板13Dの切断の進行方向に対して垂直から遠い角度にワイヤーソーが位置しているときは半導体膜ドナー基板13Dが切断の進行方向と反対方向に動くことにより、切断抵抗を低減することができる。
なお、半導体膜ドナー基板13Dが、GaN膜ドナー基板などのIII族窒化物膜ドナー基板の場合は、サファイア基板およびSiC基板などに比べて脆くて割れ易いため、サファイア基板およびSiC基板と同様の切断方法では良好に切断することができない。III族窒化物膜ドナー基板の切断においてはその切断抵抗をさらに低減することが必要である。切断抵抗を低減して厚さの精度および平坦性を高めるためには、スライス用加工液の粘度η(単位:Pa・s)、加工液の流量Q(単位:m3/s)、ワイヤー線速度V(単位:m/s)、最大切断長さL(単位:m)、切断速度P(単位:m/s)、および同時切断数nを用いて、R=(η×Q×V)/(L×P×n)で表される抵抗係数R(単位:N)が、適切な範囲にあること、具体的には4000以上5000以下であることが好ましい。
切断により得られた複合基板1は、その半導体膜13および支持基板11の主面を研磨することにより、所望の厚さおよびその均一性を得ることができる。具体的には、研磨時の研磨装置への複合基板1の貼付には、吸着固定、バックパッドによる固定を行うことができる。また、保持プレートへ複合基板1を貼り付けた後に研磨装置に貼り付けることもできる。真空チャック、エアバッグ加圧、重りなどの機械的加圧により、傾きを抑制し、反りを矯正して貼り付けることができる。複合基板1を吸着固定することもできる。複合基板1を研磨装置に均一に貼り付けることで、研磨後の厚さ分布を低減することができる。
上記のように、複合基板を準備する工程においては、複合基板1の半導体膜13の厚さ分布を低減するとともに半導体膜13の切断によるダメージ層を除去して結晶品質を高く維持し、主面を平滑化する観点から、切断により得られた複合基板1の半導体膜13の主面を研磨することが好ましい。
このため、複合基板を準備する工程においては、接合基板1Lの半導体膜ドナー基板13Dを切断する面である半導体膜ドナー基板13Dの貼り合わせ主面から内部に所定の距離に位置する面における所定の距離とは、製造の目的とする複合基板1の半導体膜13の厚さに研磨代(けんましろ)の厚さを加えた距離とすることが好ましい。ここで、研磨代は、特に制限はないが、厚さ分布およびオフ角分布を低減しかつダメージ層を除去する観点から、10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましく、30μm以上がさらに好ましい。また、研磨代は、半導体膜ドナー基板13Dの材料ロスを低減する観点から、100μm以下が好ましく、80μm以下がより好ましく、60μm以下がさらに好ましい。
また、図3(D)および(B)を参照して、残りの半導体膜ドナー基板13Drは、その主面を研磨することにより、繰り返し用いることができる。
こうして得られる複合基板1において、支持基板11、半導体膜13および接合膜12の材料などについては、上述の通りであるため、ここでは繰り返さない。
(半導体層付複合基板の形成工程)
図4(B)を参照して、半導体層付複合基板2を得る工程は、複合基板1の半導体膜13上に、少なくとも1層の半導体層20を成長させることにより行なわれる。少なくとも1層の半導体層20を成長させる方法は、特に制限はなく、半導体層20がIII−V族化合物半導体層のときはHVPE(ハイドライド気相成長)法、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法、MBE(分子線成長)法、昇華法、フラックス法、高窒素圧溶液法、PLE(位相制御成長)法などにより好適に行なうことができ、半導体層20がIV族元素半導体層のときはCVD(化学気相堆積)法、MBE法、溶液成長法などにより好適に行なうことができ、半導体層20がIV族化合物半導体層のときはCVD法、MBE法、昇華法、LPE(液相成長)法などにより好適に行なうことができる。
複合基板1の半導体膜13上に成長させる少なくとも1層の半導体層20は、品質のよい半導体層20を成長させる観点から、半導体層20は、半導体膜13に比べて、化学組成が近似することが好ましく、同一であることがより好ましい。ここで、化学組成が近似するとは、同一ではないが、いずれもIII−V族化合物、IV族元素、またはIV族化合物であることをいう。化学組成が同一とは、構成元素が同一であることをいう。
また、成長させる半導体層20の結晶性を向上させる観点から、複合基板1の半導体膜13の主面13m上に少なくとも半導体層20を成長させる工程は、半導体膜13の主面13m上に半導体バッファ層21を成長させるサブ工程と、半導体バッファ層21の主面21m上に半導体結晶層23を成長させるサブ工程と、を含むことが好ましい。ここで、半導体バッファ層21とは、半導体結晶層23に比べて低い温度で成長される結晶性が低いまたは非結晶(アモルファス)の層をいう。
このようにして、複合基板1の半導体膜13上に少なくとも1層の半導体層20が配置された半導体層付複合基板2が得られる。
(半導体ウエハを得る工程)
図4(C)を参照して、半導体層20を含む半導体ウエハ3を得る工程は、半導体層付複合基板2から支持基板11を除去することにより行なわれる。支持基板11を除去する方法は、特に制限はないが、支持基板11を効率的に除去する観点から、支持基板11をエッチングにより溶解させて除去する方法、支持基板11を研削または研磨により除去する方法が好ましい。支持基板11に含まれる非結晶相のシリカ相が0.05質量%以上の場合は、支持基板11をフッ化水素酸によってエッチング除去する方法が好ましい。支持基板11に含まれる非結晶相のシリカ相が0.05質量未満または非結晶相のシリカ相が含まれない場合は、支持基板11を研削または研磨により除去する方法が好ましい。
(実施例1)
1.複合基板の半導体膜を形成するGaN結晶の熱膨張係数の測定
複合基板の半導体膜を形成するGaN結晶の熱膨張係数を測定するために、基板HVPE法により成長させた、転位密度が1×106cm-2、シリコン(Si)濃度が1×1018cm-2、酸素(O)濃度が1×1017cm-2、炭素(C)濃度が1×1016cm-2のGaN単結晶から、サイズが2×2×20mm(長手方向がa軸、長手方向に平行な面がc面およびm面のいずれかで構成され、面方位の精度は±0.1°以内)の評価用サンプルを切り出した。
上記の評価用サンプルについて、室温(25℃)から800℃ まで昇温したときの平均熱膨張係数をTMA(熱機械分析)により測定した。具体的には、(株)リガク製TMA8310を用いて示差膨張方式により窒素ガス流通雰囲気下で評価サンプルの熱膨張係数を測定した。かかる測定により得られた複合基板の半導体膜を形成するGaN結晶のa軸方向の25℃から800℃までにおける平均熱膨張係数αF(GaN)は、5.84×10-6/℃であった。
2.複合基板の準備工程
(1)支持基板を準備するサブ工程
図2(A)を参照して、支持基板11の材料として、アルミナ(Al23)粉末とシリカ(SiO2)粉末とを、以下の質量比で混合した13種類の原料1A〜1Mを、大気雰囲気下、1700℃で20時間焼結させることにより、13種類の焼結体1A〜1Mを準備した。ここで、Al23粉末とSiO2粉末との質量比Al23:SiO2は、原料1Aが65:35、原料1Bが70:30、原料1Cが73:27、原料1Dが77:23、原料1Eが79:21、原料1Fが81:19、原料1Gが83:17、原料1Hが85:15、原料1Iが87:13、原料1Jが89:11、原料1Kが92:8、原料1Lが95:5、原料1Mが98:2であった。
準備した13種類の焼結体1A〜1Mには、X線回折により確認したところ、いずれについても結晶相としてムライト(Al6Si213)相およびアルミナ(Al23)相が存在していた。非結晶相であるシリカ(SiO2)相は、X線回折では検出されないが、焼結体を20mm×10mm×厚さ0.15mmの大きさに加工し、45質量%のフッ化水素酸水溶液200mlに20時間溶解させて得られた溶液を、ICP−OES(誘導結合プラズマ−発光)分析により評価し、検出されたSi量から焼結体中のシリカ含有量を算出した。この結果と、X線回折の結果を併せて支持基板11の組成比とした。
また、上記13種類の焼結体1A〜1Mのそれぞれからサイズが2×2×20mm(長手方向は焼結体から切り出される支持基板の主面に実質的に平行な方向)の測定用サンプルを切り出した。ここで、焼結体1A〜1Mは方向特異性がないため、切り出し方向は任意とした。それらの測定用サンプルについて、上記と同様にして、室温(25℃)から800℃まで昇温した時の平均熱膨張係数αSを測定した。
焼結体1Aは、結晶相であるムライト相およびアルミナ相と非結晶相シリカ相との質量比Al6Si213:Al23:SiO2が89:1:10であり、25℃から800℃までにおける平均熱膨張係数αS(以下、単に平均熱膨張係数αSという)が4.0×10-6/℃であり、GaN結晶のa軸方向の平均熱膨張係数αF(GaN)に対する焼結体の熱膨張係数αSの比(以下、αS/αF(GaN)比という)が0.683であった。焼結体1Bは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が96:1:3であり、平均熱膨張係数αSが4.5×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.768であった。焼結体1Cは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が95:4:1であり、平均熱膨張係数αSが4.8×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.819であった。焼結体1Dは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が79:19:1であり、平均熱膨張係数αSが5.1×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.870であった。焼結体1Eは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が73.9:26:0.1であり、平均熱膨張係数αSが5.4×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.922であった。焼結体1Fは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が67.02:32:0.08であり、平均熱膨張係数αSが5.6×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.956であった。焼結体1Gは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が60.94:39:0.06であり、平均熱膨張係数αSが5.8×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.990であった。焼結体1Hは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が52.94:47:0.06であり、平均熱膨張係数αSが6.0×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が1.024であった。焼結体1Iは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が45:54.95:0.05であり、平均熱膨張係数αSが6.2×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が1.058であった。焼結体1Jは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が38:61.95:0.05であり、平均熱膨張係数αSが6.5×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が1.109であった。焼結体1Kは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が28:71.96:0.04であり、平均熱膨張係数αSが6.9×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が1.177であった。焼結体1Lは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が17:82.97:0.03であり、平均熱膨張係数αSが7.3×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が1.246であった。焼結体1Mは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が7:92.99:0.01であり、平均熱膨張係数αSが7.9×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が1.348であった。
上記13種類の焼結体1A〜1Mから、直径4インチ(101.6mm)で厚さ0.40mmの支持基板をそれぞれ切り出して、それぞれの支持基板の両主面を鏡面に研磨して、13種類の支持基板1A〜1Mを作製した。研磨後の支持基板1A〜1Mの主面の平坦化度は、AFM(電子間力顕微鏡)を用いて20μm×20μmの範囲で測定したJIS B0601に規定する算術平均粗さRaの値により評価した。主面の平坦化度の評価は、算術平均粗さRaが10nm以下のものを高、算術平均粗さRaが10nmより大きく20nm以下のものを中、算術平均粗さRaが20nmより大きいものを低、とした。主面の平坦化度は、支持基板1Aが低、支持基板1B〜1Dが中、支持基板1E〜1Mが高であった。
(2)下地基板上に半導体膜を成膜するサブ工程
図2(B)を参照して、下地基板30として、鏡面に研磨された(111)面の主面30nを有する直径5インチ(127mm)で厚さ0.5mmのSi基板を準備した。
上記の下地基板30の主面30n上に、半導体膜13 として厚さ0.4μm のGaN膜をMOCVD法により成膜した。成膜条件は、原料ガスとしてTMGガスおよびNH3ガスを使用し、キャリアガスとしてH2ガスを使用し、成膜温度1000℃、成膜圧力は1気圧とした。なお、こうして得られた半導体膜13の主面13mは、(0001)面からのオフ角が±1°以内の面方位を有していた。
(3)支持基板と半導体膜とを貼り合わせるサブ工程
図2(C)中の(C1)を参照して、図2(A)の支持基板11である支持基板1A〜1Mのそれぞれの主面11m上に厚さ2μmのSiO2膜をCVD(化学気相堆積)法により成膜した。次いで、かかる支持基板1A〜1Mのそれぞれの主面11m上の厚さ2μmのSiO2膜を、CeO2スラリーを用いて研磨することにより、厚さ0.2μm のSiO2膜だけ残存させて、接合膜12aとした。これにより、支持基板1A〜1Mのそれぞれの主面11mの空隙が埋められ、接合膜12aである平坦な主面12amを有する厚さ0.2μmのSiO2膜が得られた。
また、図2(C)中の(C2)を参照して、図2(B)の下地基板30であるSi基板上に成膜された半導体膜13であるGaN膜の主面13n上に厚さ2μmのSiO2膜をCVD法により成膜した。次いで、この厚さ2μmのSiO2膜を、CeO2スラリーを用いて研磨することにより、厚さ0.2μmのSiO2膜だけ残存させて、接合膜12bとした。
次いで、図2(C)中の(C3)を参照して、支持基板11である支持基板1A〜1Mのそれぞれに形成された接合膜12aの主面12amおよび下地基板30であるSi基板上に成膜された半導体膜13上に形成された接合膜12bの主面12bnをアルゴンプラズマにより清浄化および活性化させた後、接合膜12aの主面12amと接合膜12bの主面12bnとを貼り合わせて、窒素雰囲気下300℃で2時間熱処理した。
(4)下地基板を除去するサブ工程
図2(D)を参照して、支持基板11である支持基板1A〜1Mのそれぞれの裏側(半導体膜13が貼り合わされていない側)の主面および側面をワックス40で覆って保護した後、10質量%のフッ化水素酸および5質量%の硝酸を含む混酸水溶液を用いて、エッチングにより下地基板30であるSi基板を除去した。こうして、図4(A)に示すような支持基板11である支持基板1A〜1Mのそれぞれの主面11m側に半導体膜13であるGaN膜が配置された複合基板1である複合基板1A〜1Mが得られた。
3.半導体層の形成工程
図4(B)を参照して、複合基板1である複合基板1A〜1Mの半導体膜13であるGaN膜の主面13m(かかる主面は(0001)面である。)上および直径4インチ(101.6mm)で厚さ1mmのサファイア基板の主面(かかる主面は(0001)面である。)上に、それぞれMOCVD法により半導体層20としてGaN層を成長させた。かかる半導体層20の成長においては、原料ガスとしてTMG(トリメチルガリウム)ガスおよびNH3ガスを使用し、キャリアガスとしてH2ガスを使用して、まず、500℃で、半導体バッファ層21として厚さ0.1μmのGaNバッファ層を成長させ、次いで、1050℃で、半導体結晶層23として厚さ5μmのGaN結晶層を成長させた。ここで、GaN結晶層の成長速度は1μm/hrであった。その後、複合基板1A〜1Mのそれぞれに半導体層30であるGaN層が形成された半導体層付複合基板1A〜1Mを10℃/minの速度で室温(25℃)まで冷却した。
室温まで冷却後に成膜装置から取り出された半導体層付複合基板1A〜1Mにの反り形状および反り量を、半導体層20であるGaN層側の主面をCorning Tropel社のFM200EWaferを用いて観察される光干渉縞により測定した。
半導体層付複合基板1Aは、半導体層側が凹状に反り、反り量が700μmであった。半導体層付複合基板1Bは、半導体層側が凹状に反り、反り量が650μmであった。半導体層付複合基板1Cは、半導体層側が凹状に反り、反り量が630μmであった。半導体層付複合基板1Dは、半導体層側が凹状に反り、反り量が450μmであった。半導体層付複合基板1Eは、半導体層側が凹状に反り、反り量が350μmであった。半導体層付複合基板1Fは、半導体層側が凹状に反り、反り量が230μmであった。半導体層付複合基板1Gは、半導体層側が凹状に反り、反り量が150μmであった。半導体層付複合基板1Hは、半導体層側が凹状に反り、反り量が10μmであった。半導体層付複合基板1Iは、半導体層側が凸状に反り、反り量が13μmであった。半導体層付複合基板1Jは、半導体層側が凸状に反り、反り量が100μmであった。半導体層付複合基板1Kは、半導体層側が凸状に反り、反り量が220μmであった。半導体層付複合基板1Lは、半導体層側が凸状に反り、反り量が750μmであった。半導体層付複合基板1Mは、半導体層側が凸状に反り、支持基板が割れたため、反り量の測定が困難であった。これらの結果を表1にまとめた。表1において、「−」は、その物性値が未測定であることを示す。
4.支持基板の除去工程
図4(C)を参照して、上記で得られた半導体層付複合基板1A〜1Mを、45質量%のフッ化水素酸水溶液に浸漬することにより、支持基板11である支持基板1A〜1Mおよび接合膜12であるSiO2膜を溶解させることにより除去して、半導体膜13であるGaN膜の主面13m上に成長された半導体層20である半導体ウエハ1A〜1Mが得られた。下地基板の除去時間は、表1に示すように、半導体層付複合基板1A〜1Lについて500時間未満であり、半導体層付複合基板1Mについては500時間以上であった。
なお、半導体ウエハ1A〜1Mにおいても反りがCorning Tropel社のFM200EWaferを用いて観察される光干渉縞による測定により認められ、半導体ウエハ1A〜1Mの反りの大小関係には、半導体層付複合基板1A〜1Mにおける反りの大小関係が維持されていた。
Figure 2014154668
(実施例2)
1.複合基板の半導体膜を形成するGaN結晶の熱膨張係数の測定
複合基板の半導体膜を形成するGaN結晶の熱膨張係数を実施例1と同様にして測定したところ、複合基板の半導体膜を形成するGaN結晶のa軸方向の25℃から800℃までにおける平均熱膨張係数αF(GaN)は、5.84×10-6/℃であった。
2.複合基板の準備工程
(1)支持基板を準備するサブ工程
図2(A)を参照して、支持基板11の材料として、ムライト(Al6Si213)粉末とアルミナ(Al23)粉末とシリカ(SiO2)粉末とを、以下の質量比で混合した10種類の原料2A〜2Jを、アルゴンガス雰囲気下一軸方向に50MPaの圧力をかけて1700℃で2時間焼結させることにより、10種類の焼結体2A〜2Jを準備した。ここで、Al6Si213粉末とAl23粉末とSiO2粉末との質量比Al6Si213:Al23:SiO2は、原料2Aが50:22:28、原料2Bが50:30:20、原料2Cが50:32:18、原料2Dが50:35:15、原料2Eが50:39:11、原料2Fが50:42:8、原料2Gが50:44:6、原料2Hが50:46:4、原料2Iが50:48:2、原料2Jが50:50:0であった。
準備した10種類の焼結体2A〜2Jには、X線回折により確認したところ、いずれについても結晶相としてムライト(Al6Si213)相およびアルミナ(Al23)相が存在していた。非結晶相であるシリカ(SiO2)相は、X線回折では検出されないが、焼結体を20mm×10mm×厚さ0.15mmの大きさに加工し、45質量%のフッ化水素酸水溶液200mlに20時間溶解させて得られた溶液を、ICP−OES(誘導結合プラズマ−発光)分析により評価し、検出されたSi量から焼結体中のシリカ含有量を算出した。この結果と、X線回折の結果を併せて支持基板11の組成比とした。
また、上記10種類の焼結体2A〜2Jのそれぞれからサイズが2×2×20mm(長手方向は焼結体から切り出される支持基板の主面に実質的に平行な方向)の測定用サンプルを切り出した。ここで、焼結体2A〜2Jは方向特異性がないため、切り出し方向は任意とした。それらの測定用サンプルについて、上記と同様にして、室温(25℃)から800℃まで昇温した時の平均熱膨張係数αSを測定した。
焼結体2Aは、結晶相であるムライト相およびアルミナ相と非結晶相シリカ相との質量比Al6Si213:Al23:SiO2が79:1:19であり、25℃から800℃までにおける平均熱膨張係数αS(以下、単に平均熱膨張係数αSという)が3.5×10-6/℃であり、GaN結晶のa軸方向の平均熱膨張係数αF(GaN)に対する焼結体の熱膨張係数αSの比(以下、αS/αF(GaN)比という)が0.597であった。焼結体2Bは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が90:1:9であり、平均熱膨張係数αSが3.9×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.666であった。焼結体2Cは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が93:1:6であり、平均熱膨張係数αSが4.3×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.734であった。焼結体2Dは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が97:1:2であり、平均熱膨張係数αSが4.8×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.819であった。焼結体2Eは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が88.5:11:0.5であり、平均熱膨張係数αSが5.0×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.853であった。焼結体2Fは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が78.9:21:0.1であり、平均熱膨張係数αSが5.2×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.887であった。焼結体2Gは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が71.92:28:0.08であり、平均熱膨張係数αSが5.6×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.956であった。焼結体2Hは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が64.94:35:0.06であり、平均熱膨張係数αSが5.8×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.990であった。焼結体2Iは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が55.96:44:0.04であり、平均熱膨張係数αSが6.1×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が1.041であった。焼結体2Jは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が50:50:0であり、平均熱膨張係数αSが6.2×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が1.058であった。
上記10種類の焼結体2A〜2Jから、直径4インチ(101.6mm)で厚さ0.40mmの支持基板をそれぞれ切り出して、それぞれの支持基板の両主面を鏡面に研磨して、10種類の支持基板2A〜2Jを作製した。研磨後の支持基板2A〜2Jの主面の平坦化度は、実施例1と同様にして評価した。主面の平坦化度は、支持基板2Aが低、支持基板2B〜2Dが中、支持基板2E〜2Jが高であった。
(2)下地基板上に半導体膜を成膜するサブ工程
図2(B)を参照して、下地基板30として、実施例1と同様にして、鏡面に研磨された(111)面の主面30nを有する直径5インチ(127mm)で厚さ0.5mmのSi基板を準備した。
上記の下地基板30の主面30n上に、実施例1と同様にして、半導体膜13として厚さ0.4μmのGaN膜をMOCVD法により成膜した。得られた半導体膜13の主面13mは、(0001)面からのオフ角が±1°以内の面方位を有していた。
(3)支持基板と半導体膜とを貼り合わせるサブ工程
図2(C)を参照して、実施例1と同様にして、支持基板11と半導体膜13とを接合膜12を介在させて貼り合わせた。
(4)下地基板を除去するサブ工程
図2(D)を参照して、実施例1と同様にして、下地基板30であるSi基板を除去した。こうして、図4(A)に示すような支持基板11である支持基板2A〜2Jのそれぞれの主面11m側に半導体膜13であるGaN膜が配置された複合基板1である複合基板2A〜2Jが得られた。
3.半導体層の形成工程
図4(B)を参照して、実施例1と同様にして、複合基板1である複合基板2A〜2Jの半導体膜13であるGaN膜の主面13m(かかる主面は(0001)面である。)上に、それぞれMOCVD法により半導体層20としてGaN層を成長させた。こうして、複合基板2A〜2Jのそれぞれに半導体層30であるGaN層が形成された半導体層付複合基板2A〜2Jを得た。
室温まで冷却後に成膜装置から取り出された半導体層付複合基板2A〜2Jにの反り形状および反り量を、実施例1と同様にして測定した。
半導体層付複合基板2Aは、半導体層側が凹状に反り、支持基板が割れたため、反り量の測定が困難であった。半導体層付複合基板2Bは、半導体層側が凹状に反り、反り量が690μmであった。半導体層付複合基板2Cは、半導体層側が凹状に反り、反り量が670μmであった。半導体層付複合基板2Dは、半導体層側が凹状に反り、反り量が620μmであった。半導体層付複合基板2Eは、半導体層側が凹状に反り、反り量が500μmであった。半導体層付複合基板2Fは、半導体層側が凹状に反り、反り量が400μmであった。半導体層付複合基板2Gは、半導体層側が凹状に反り、反り量が230μmであった。半導体層付複合基板1Hは、半導体層側が凹状に反り、反り量が150μmであった。半導体層付複合基板2Iは、半導体層側が凸状に反り、反り量が12μmであった。半導体層付複合基板2Jは、半導体層側が凸状に反り、反り量が13μmであった。これらの結果を表2にまとめた。
4.支持基板の除去工程
図4(C)を参照して、上記で得られた半導体層付複合基板2A〜2Jを、45質量%のフッ化水素酸水溶液に浸漬することにより、支持基板11である支持基板2A〜2Jおよび接合膜12であるSiO2膜を研削および研磨することにより除去して、半導体膜13であるGaN膜の主面13m上に成長された半導体層20である半導体ウエハ2A〜2Jが得られた。
なお、半導体ウエハ2A〜2Jにおいても反りがCorning Tropel社のFM200EWaferを用いて観察される光干渉縞による測定により認められ、半導体ウエハ1A〜1Mの反りの大小関係には、半導体層付複合基板1A〜1Mにおける反りの大小関係が維持されていた。
Figure 2014154668
(実施例3)
1.複合基板の半導体膜を形成するGaN結晶の熱膨張係数の測定
複合基板の半導体膜を形成するGaN結晶の熱膨張係数を実施例1と同様にして測定したところ、複合基板の半導体膜を形成するGaN結晶のa軸方向の25℃から800℃までにおける平均熱膨張係数αF(GaN)は、5.84×10-6/℃であった。
2.複合基板の準備工程
(1)支持基板を準備するサブ工程
図3(A)を参照して、支持基板11の材料として、アルミナ(Al23)粉末とシリカ(SiO2)粉末とを、以下の質量比で混合した13種類の原料3A〜3Mを、大気雰囲気下、1700℃で20時間焼結させることにより、13種類の焼結体3A〜3Mを準備した。ここで、Al23粉末とSiO2粉末との質量比Al23:SiO2は、原料3Aが65:35、原料3Bが70:30、原料3Cが73:27、原料3Dが77:23、原料3Eが79:21、原料3Fが81:19、原料3Gが83:17、原料3Hが85:15、原料3Iが87:13、原料3Jが89:11、原料3Kが92:8、原料3Lが95:5、原料3Mが98:2であった。
準備した13種類の焼結体3A〜3Mには、X線回折により確認したところ、いずれについても結晶相としてムライト(Al6Si213)相およびアルミナ(Al23)相が存在していた。非結晶相であるシリカ(SiO2)相は、X線回折では検出されないが、焼結体を20mm×10mm×厚さ0.15mmの大きさに加工し、45質量%のフッ化水素酸水溶液200mlに20時間溶解させて得られた溶液を、ICP−OES(誘導結合プラズマ−発光)分析により評価し、検出されたSi量から焼結体中のシリカ含有量を算出した。この結果と、X線回折の結果を併せて支持基板11の組成比とした。
また、上記13種類の焼結体3A〜3Mのそれぞれからサイズが2×2×20mm(長手方向は焼結体から切り出される支持基板の主面に実質的に平行な方向)の測定用サンプルを切り出した。ここで、焼結体3A〜3Mは方向特異性がないため、切り出し方向は任意とした。それらの測定用サンプルについて、上記と同様にして、室温(25℃)から800℃まで昇温した時の平均熱膨張係数αSを測定した。
焼結体3Aは、結晶相であるムライト相およびアルミナ相と非結晶相シリカ相との質量比Al6Si213:Al23:SiO2が89:1:10であり、25℃から800℃までにおける平均熱膨張係数αS(以下、単に平均熱膨張係数αSという)が4.0×10-6/℃であり、GaN結晶のa軸方向の平均熱膨張係数αF(GaN)に対する焼結体の熱膨張係数αSの比(以下、αS/αF(GaN)比という)が0.683であった。焼結体3Bは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が96:1:3であり、平均熱膨張係数αSが4.5×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.768であった。焼結体3Cは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が95:4:1であり、平均熱膨張係数αSが4.8×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.819であった。焼結体3Dは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が79:19:1であり、平均熱膨張係数αSが5.1×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.870であった。焼結体3Eは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が73.9:26:0.1であり、平均熱膨張係数αSが5.4×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.922であった。焼結体3Fは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が67.02:32:0.08であり、平均熱膨張係数αSが5.6×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.956であった。焼結体3Gは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が60.94:39:0.06であり、平均熱膨張係数αSが5.8×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が0.990であった。焼結体3Hは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が52.94:47:0.06であり、平均熱膨張係数αSが6.0×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が1.024であった。焼結体3Iは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が45:54.95:0.05であり、平均熱膨張係数αSが6.2×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が1.058であった。焼結体3Jは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が38:61.95:0.05であり、平均熱膨張係数αSが6.5×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が1.109であった。焼結体3Kは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が28:71.96:0.04であり、平均熱膨張係数αSが6.9×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が1.177であった。焼結体3Lは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が17:82.97:0.03であり、平均熱膨張係数αSが7.3×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が1.246であった。焼結体3Mは、質量比Al6Si213:Al23:SiO2が7:92.99:0.01であり、平均熱膨張係数αSが7.9×10-6/℃であり、αS/αF(GaN)比が1.348であった。
上記13種類の焼結体3A〜3Mから、直径4インチ(101.6mm)で厚さ0.40mmの支持基板をそれぞれ切り出して、それぞれの支持基板の両主面を鏡面に研磨して、13種類の支持基板3A〜3Mを作製した。研磨後の支持基板3A〜3Mの主面の平坦化度は、AFM(電子間力顕微鏡)を用いて20μm×20μmの範囲で測定したJIS B0601に規定する算術平均粗さRaの値により評価した。主面の平坦化度の評価は、算術平均粗さRaが10nm以下のものを高、算術平均粗さRaが10nmより大きく20nm以下のものを中、算術平均粗さRaが20nmより大きいものを低、とした。主面の平坦化度は、支持基板3Aが低、支持基板3B〜3Dが中、支持基板3E〜3Mが高であった。
(2)半導体膜ドナー基板を準備する工程
図3(B)を参照して、III族窒化物膜ドナー基板13Dとして直径4インチ(101.6mm)で厚さ8mmのGaN結晶体を準備し、III族窒化物膜ドナー基板13Dの貼り合わせ面を機械研磨および好ましくはCMPにより算術平均粗さRaが10nm以下に鏡面化した。ここで、III族窒化物膜ドナー基板13Dは、下地基板としてGaAs基板を用いて、HVPE法により成長させたものであった。
(3)支持基板と半導体膜ドナー基板とを貼り合わせるサブ工程
図3(C)中の(C1)を参照して、図3(A)の支持基板11である支持基板3A〜3Mのそれぞれの主面11m上に厚さ2μmのSiO2膜をCVD(化学気相堆積)法により成膜した。次いで、かかる支持基板3A〜3Mのそれぞれの主面11m上の厚さ2μmのSiO2膜を、CeO2スラリーを用いて研磨することにより、厚さ0.2μmのSiO2膜だけ残存させて、接合膜12aとした。これにより、支持基板3A〜3Mのそれぞれの主面11mの空隙が埋められ、接合膜12aである平坦な主面12amを有する厚さ0.2μmのSiO2膜が得られた。
また、図3(C)中の(C2)を参照して、図3(B)の半導体膜ドナー基板13DであるGaN結晶体の主面13n上に厚さ2μmのSiO2膜をCVD法により成膜した。次いで、この厚さ2μmのSiO2膜を、CeO2スラリーを用いて研磨することにより、厚さ0.2μmのSiO2膜だけ残存させて、接合膜12bとした。
次いで、図3(C)中の(C3)を参照して、支持基板11である支持基板3A〜3Mのそれぞれに形成された接合膜12aの主面12amおよび半導体膜ドナー基板13D上に形成された接合膜12bの主面12bnをアルゴンプラズマにより清浄化および活性化させた後、接合膜12aの主面12amと接合膜12bの主面12bnとを貼り合わせて、窒素雰囲気下300℃で2時間熱処理した。
こうして、支持基板11に接合膜12を介在させて半導体膜ドナー基板13Dが貼り合わされた接合基板1Lが得られた。
3.半導体膜ドナー基板を切断するサブ工程
図3(D)を参照して、接合基板1LのIII族窒化物膜ドナー基板13Dを接合膜12との貼り合わせ面から内部に400μmの距離の深さに位置する面でワイヤーソーにより切断することにより、図4(A)に示すような支持基板11と半導体膜13であるGaN膜とが接合膜12を介在させて貼り合わされた複合基板1を得た。ワイヤーは、ダイヤモンド砥粒を電着した固定砥粒ワイヤーを用いた。切断抵抗を低減して厚さの精度および平坦性を高めるために、切断方式としてはワイヤーを揺動させ、それに同期して半導体膜ドナー基板13Dを振動させる方式とした。ワイヤーソー切断の抵抗係数は、4200Nとした。切断後に、III族窒化物複合基板1の半導体膜13を機械研磨およびCMPを行なった。半導体膜13の厚さの均一化のため、CMPでの複合基板の装置への取り付けには、予備的に真空チャック吸着で基板形状を矯正した後に、装置に吸着固定する方式とした。
4.半導体層の形成工程
図4(B)を参照して、実施例1と同様にして、複合基板1である複合基板3A〜3Mの半導体膜13であるGaN膜の主面13m(かかる主面は(0001)面である。)上に、それぞれMOCVD法により半導体層20としてGaN層を成長させた。こうして、複合基板3A〜3Mのそれぞれに半導体層20であるGaN層が形成された半導体層付複合基板3A〜3Mを得た。
室温まで冷却後に成膜装置から取り出された半導体層付複合基板2A〜2Jにの反り形状および反り量を、実施例1と同様にして測定した。
半導体層付複合基板3Aは、半導体層側が凹状に反り、反り量が700μmであった。半導体層付複合基板3Bは、半導体層側が凹状に反り、反り量が650μmであった。半導体層付複合基板3Cは、半導体層側が凹状に反り、反り量が630μmであった。半導体層付複合基板3Dは、半導体層側が凹状に反り、反り量が450μmであった。半導体層付複合基板3Eは、半導体層側が凹状に反り、反り量が350μmであった。半導体層付複合基板3Fは、半導体層側が凹状に反り、反り量が230μmであった。半導体層付複合基板3Gは、半導体層側が凹状に反り、反り量が150μmであった。半導体層付複合基板3Hは、半導体層側が凹状に反り、反り量が10μmであった。半導体層付複合基板3Iは、半導体層側が凸状に反り、反り量が13μmであった。半導体層付複合基板3Jは、半導体層側が凸状に反り、反り量が100μmであった。半導体層付複合基板3Kは、半導体層側が凸状に反り、反り量が220μmであった。半導体層付複合基板3Lは、半導体層側が凸状に反り、反り量が750μmであった。半導体層付複合基板3Mは、半導体層側が凸状に反り、支持基板が割れたため、反り量の測定が困難であった。これらの結果を表3にまとめた。表3において、「−」は、その物性値が未測定であることを示す。
5.支持基板の除去工程
図4(C)を参照して、上記で得られた半導体層付複合基板3A〜3Mを、45質量%のフッ化水素酸水溶液に浸漬することにより、支持基板11である支持基板3A〜3Mおよび接合膜12であるSiO2膜を溶解させることにより除去して、半導体膜13であるGaN膜の主面13m上に成長された半導体層20である半導体ウエハ3A〜3Mが得られた。下地基板の除去時間は、表3に示すように、半導体層付複合基板3A〜3Lについて500時間未満であり、半導体層付複合基板3Mについては500時間以上であった。
なお、半導体ウエハ3A〜3Mにおいても反りがCorning Tropel社のFM200EWaferを用いて観察される光干渉縞による測定により認められ、半導体ウエハ3A〜3Mの反りの大小関係には、半導体層付複合基板3A〜3Mにおける反りの大小関係が維持されていた。
Figure 2014154668
表1〜表3を参照して、結晶相として35質量%以上65質量%以下のムライト相および35質量%以上65質量%以下のアルミナ相を含む支持基板と、支持基板の主面側に配置されている厚さ10μm以上の半導体膜と、を含む複合基板は、支持基板の研磨後の平坦度が高くかつ半導体膜の熱膨張係数αFに対する支持基板の熱膨張係数αSの比αS/αFが0.99以上1.11以下と1に近く、かかる複合基板を用いることにより、反りの小さい半導体層付複合基板および反りの小さい半導体ウエハが得られた。また、複合基板において研磨後の支持基板の主面の平坦化度を高く維持しつつ支持基板のエッチングによる除去性を高める観点から、支持基板は非結晶相として10質量%以下のシリカ相をさらに含むことが好ましかった。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
1 複合基板、1L 接合基板、2 半導体膜付複合基板、3 半導体ウエハ、11 支持基板、1m,11m,12am,12bn,13m,13n,20m,21m,23m,30n 主面、12,12a,12b 接合膜、13 半導体膜、13D 半導体膜ドナー基板、20 半導体層、21 半導体バッファ層、23 半導体結晶層、30 下地基板。

Claims (4)

  1. 結晶相として35質量%以上65質量%以下のムライト相および35質量%以上65質量%以下のアルミナ相を含む支持基板と、前記支持基板の主面側に配置されている厚さ10μm以上の半導体膜と、を含む複合基板。
  2. 前記支持基板は、非結晶相として10質量%以下のシリカ相をさらに含む請求項1に記載の複合基板。
  3. 結晶相として35質量%以上65質量%以下のムライト相および35質量%以上65質量%以下のアルミナ相とを含む支持基板と、前記支持基板の主面側に配置されている厚さ10μm以上の半導体膜と、を含む複合基板を準備する工程と、
    前記複合基板の前記半導体膜上に少なくとも1層の半導体層を成長させて半導体層付複合基板を形成する工程と、
    前記半導体層付複合基板から前記支持基板を除去して半導体ウエハを形成する工程と、を含む半導体ウエハの製造方法。
  4. 前記支持基板は、非結晶相として10質量%以下のシリカ相をさらに含む請求項3に記載の半導体ウエハの製造方法。
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