JP2005178811A - 電子部品搬送用ボトムカバーテープ及び電子部品搬送体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 キャリアテープに良好に接着でき、収納する電子部品の付着や融着を防止でき、しかも、機械的強度に優れている電子部品搬送用ボトムカバーテープを提供する。
【解決手段】 電子部品搬送用ボトムカバーテープは、電子部品搬送体におけるキャリアテープに形成されている電子部品収納用孔の底面を覆うボトムカバーテープであって、支持基材層の片面に前記キャリアテープと熱により接着される熱接着層が形成された構成を有しており、且つ前記支持基材層が、紙製基材および親水性ポリマー製基材から選択された少なくとも1種の基材と、熱可塑性樹脂製基材との積層体により構成されていることを特徴とする。支持基材層と熱接着層との間に、静電気中和接着剤層が形成されていることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、チップ型電子部品等の電子部品の搬送用に使用される電子部品搬送体と、該電子部品搬送体に用いられる電子部品搬送用ボトムカバーテープに関する。
チップ固定抵抗器、積層セラミックコンデンサ等のチップ型電子部品(チップ部品)などの電子部品の搬送形態としては、テープ状厚紙の長さ方向に一定の間隔でチップ型電子部品収納用打抜き角穴(電子部品収納用孔)を形成した紙キャリア(キャリアテープ)の下面(底面)をボトムカバーテープで熱シール(テーピング)して収納用ポケット(電子部品収納部)を作製した後、チップ型電子部品を前記収納用ポケットに挿入し、前記紙キャリアの上面をトップカバーテープで熱シールしてチップ型電子部品を封入した後、リール状に巻取られ搬送されるという一連のテーピングリール方式が広く利用されている(特許文献1〜特許文献4参照)。
そして、搬送後、搬送先の回路基板等の作製工程において、トップカバーテープを剥離させた後、収納されたチップ型電子部品を、必要に応じてボトムカバーテープの下面よりピンで突き上げて、エアーノズルで吸着して基板上に供給する自動組入れシステムが主流となっている。
このようなテーピング方式では、ボトムカバーテープの支持基材層として、和紙に代表される紙製基材が広く用いられているため、局部的な繊維の塊、すなわち結束繊維が混在する場合があり、このような場合、ボトムカバーテープを支持基材層の面側から熱アイロンを用いて熱接着させる際に熱伝導不良が生じ、ボトムカバーテープの熱接着層が軟化せず、キャリアテープに対してボトムカバーテープが接着不良を起こしてしまうという問題があった。
そこで、熱接着層として、低い軟化温度(軟化点)を有するものを用いたり、高い接着性を発揮するものを用いたりすることにより、キャリアテープに対するボトムカバーテープの接着不良の問題を解決することができるが、その弊害として、輸送や保管時に、電子部品が熱接着層に、静電気や温度によって、付着や融着してしまい、回路基板等の作製工程において、エアーノズルで電子部品を吸着してピックアップすることができない問題が生じてくる。
さらに、紙製基材の紙本来の品質を安定化することにより、キャリアテープに対するボトムカバーテープの接着不良の問題を解決することも考えられるが、製法上、結束繊維の混在を皆無にすることは困難である。そのため、適正な厚みに設定することにより、結束繊維の混在による接着不良の低減が可能であることが判っている。なお、結束繊維の混在による接着不良を低減させる観点からは、紙製基材を薄化することが好ましいが、薄化すると、ボトムカバーテープの機械的強度が低下する。
また、ボトムカバーテープの支持基材層として、紙製基材が用いられている場合、チップ型電子部品が収納用ポケット中に封入されているかどうか確認するためのセンサーによる認識が困難であるという透過性も懸念されている。このような懸念があるなかで、支持基材層として、紙製基材が用いられているのは、ピン突き上げ時の支持基材層の破れ易さによるためである。従って、支持基材層が紙単体である必要性がなくなってきている。
一方、電子部品としては、軽薄短小化が益々進んでおり、確実に、チップ型電子部品等の電子部品を収納用ポケット中に収納し、且つ、搬送先の回路基板等の作製工程にて、エアーノズルで電子部品(特に、チップ型電子部品)をピックアップする際の信頼性が優れていることが求められている。
特開2002−114267号公報 特開平10−17015号公報 特開2001−3014号公報 特開平10−278966号公報
従って、本発明の目的は、電子部品搬送体におけるキャリアテープに良好に接着させることができ、また、電子部品搬送体に収納する電子部品の付着や融着を抑制又は防止することができ、しかも、機械的強度に優れている電子部品搬送用ボトムカバーテープ、及び該ボトムカバーテープを備えた電子部品搬送体を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ボトムカバーテープの支持基材層として、和紙または親水性ポリマー製基材と、熱可塑性樹脂製基材との積層体を用いると、該ボトムカバーテープは、キャリアテープに良好に接着させることができ、また、電子部品の静電気による付着や温度による融着を生じさせず、しかも、機械的強度に優れていることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、電子部品搬送体におけるキャリアテープに形成されている電子部品収納用孔の底面を覆うボトムカバーテープであって、支持基材層の片面に前記キャリアテープと熱により接着される熱接着層が形成された構成を有しており、且つ前記支持基材層が、紙製基材および親水性ポリマー製基材から選択された少なくとも1種の基材と、熱可塑性樹脂製基材との積層体により構成されていることを特徴とする電子部品搬送用ボトムカバーテープを提供する。
本発明の電子部品搬送用ボトムカバーテープでは、支持基材層の熱可塑性樹脂製基材層側の面に、熱接着層が形成されていることが好ましい。前記熱可塑性樹脂製基材の熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。また、支持基材層と熱接着層との間に、静電気中和接着剤層が形成されていてもよい。
熱接着層表面の摩擦帯電圧としては、3000V以下であることが好ましく、熱接着層の表面粗さRaとしては、0.1〜10μmであることが好ましい。
本発明は、また、電子部品収納用孔を有するキャリアテープと、該キャリアテープの電子部品収納用孔の底面を覆うボトムカバーテープとを備えた電子部品搬送体であって、前記ボトムカバーテープとして、前述の電子部品搬送用ボトムカバーテープが用いられている電子部品搬送体を提供する。
本発明の電子部品搬送体としては、さらに、キャリアテープの電子部品収納用孔の上面を覆うトップカバーテープを備えていてもよい。また、電子部品が、キャリアテープの電子部品収納用孔と、該電子部品収納用孔の底面を覆っているボトムカバーテープとにより形成された電子部品収納部に収納されていてもよい。
本発明の電子部品搬送用ボトムカバーテープによれば、電子部品搬送体におけるキャリアテープに良好に接着させることができ、また、電子部品搬送体に収納する電子部品の付着や融着を抑制又は防止することができ、しかも、機械的強度に優れている。
[電子部品搬送用ボトムカバーテープ]
本発明の電子部品搬送用ボトムカバーテープ(単に「ボトムカバーテープ」と称する場合がある)は、電子部品搬送体におけるキャリアテープに形成されている電子部品収納用孔の底面を覆うボトムカバーテープであり、支持基材層の片面に前記キャリアテープと熱により接着される熱接着層が形成された構成を有しており、且つ前記支持基材層としては、紙製基材および親水性ポリマー製基材から選択された少なくとも1種の基材(「水分吸着性基材」と称する場合がある)と、熱可塑性樹脂製基材との積層体により構成されている。前記水分吸着性基材は、空気中の水分を吸着することができるので、支持基材層および熱接着層の静電気の発生を効果的に抑制又は防止することができる。従って、輸送時や保管時において、静電気による電子部品の熱接着層への付着を抑制又は防止することができる。
また、支持基材層としては、水分吸着性基材と熱可塑性樹脂製基材とを複合化しているので、水分吸着性基材の厚みを薄くすることができ、この観点から、結束繊維の混在による接着不良を低減することが可能となっており、ボトムカバーテープをキャリアテープに良好な接着性で接着させることができる。しかも、熱接着層として、低い軟化温度(軟化点)を有するものを用いなくてもよいので、輸送時や保管時において、温度による電子部品の熱接着層への融着を抑制又は防止することも可能となっている。
さらにまた、水分吸着性基材として紙製基材が用いられていても、その厚みは前述のように薄くすることができるので、センサーにより、収納用ポケット中に、チップ型電子部品等の電子部品が封入されているかどうかを容易に確認することが可能である。
しかも、支持基材層は、水分吸着性基材と熱可塑性樹脂製基材との積層体により構成されているので、機械的強度が優れている。
このように、本発明のボトムカバーテープは、電子部品搬送体におけるキャリアテープに良好に接着させることができ、また、電子部品搬送体に収納する電子部品の付着や融着を抑制又は防止することができ、しかも、機械的強度に優れている。従って、本発明のボトムカバーテープを用いると、キャリアテープの電子部品収納用孔に収納されている電子部品(特に、チップ型電子部品)を、優れた信頼性で、エアーノズルによりピックアップすることができる。
(水分吸着性基材)
水分吸着性基材としての紙製基材における紙としては、例えば、和紙、ボール紙、クラフト紙、クレープ紙、クレーコート紙、上質紙、グラシン紙、クルパック紙、薄葉紙、合成紙、混抄紙、複合紙などの各種紙が挙げられる。このような紙としては、和紙を好適に用いることができる。なお、和紙の坪量としては、5〜50g/cm2(好ましくは10〜30g/cm2、さらに好ましくは13〜22g/cm2)の範囲から選択することができる。
また、水分吸着性基材としての親水性ポリマー製基材における親水性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(例えば、ポリビニルブチラールなど)、親水性セルロース系化合物[例えば、ニトロセルロース(いわゆる「セルロイド」など)、再生セルロース(いわゆる「セロハン」など)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース(アセチルセルロース)、カチオン化セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど]、ポリエチレンオキサイド(又はポリエチレングリコール)、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。このような親水性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルブチラールなど)、親水性セルロース系化合物(セロハン等の再生セルロースなど)を好適に用いることができる。
なお、紙製基材や親水性ポリマー製基材等の水分吸着性基材において、紙や親水性ポリマーは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。従って、水分吸着性基材としては、紙製基材中に親水性ポリマーが含浸された構成を有していてもよい。このように、水分吸着性基材が、紙製基材中に親水性ポリマーが含浸された構成を有していると、より一層、空気中の水分の吸着性が高まり、静電気の発生をより一層抑制又は防止することができる。
また、紙製基材や親水性ポリマー製基材等の水分吸着性基材は、単層又は積層体のいずれの形態を有していてもよい。従って、水分吸着性基材としては、紙製基材と親水性ポリマー製基材との積層構造を有していてもよい。
水分吸着性基材の厚みとしては、特に制限されないが、例えば、0.01〜50μm(好ましくは0.1〜30μm、さらに好ましくは0.3〜20μm)の範囲から選択することができる。なお、親水性ポリマー製基材は、フィルム又はシート状の形態で用いることができる。親水性ポリマーのフィルム又はシートは、延伸(一軸延伸、二軸延伸)、未延伸のいずれであってもよい。
(熱可塑性樹脂製基材)
熱可塑性樹脂製基材を形成する熱可塑性樹脂としては、特に制限されず、公知の熱可塑性樹脂から適宜選択することができる。具体的には、前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリカーボネート、スルホン系樹脂(例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォンなど)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリイミド、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレンなど)、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、特にポリエチレンが好適である。なお、ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン触媒法ポリエチレンなどの種々のポリエチレンを用いることができ、なかでも低密度ポリエチレンを好適に用いることができる。
なお、熱可塑性樹脂製基材において、熱可塑性樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。また、熱可塑性樹脂製基材は、単層又は積層体のいずれの形態を有していてもよい。
熱可塑性樹脂製基材の厚みとしては、特に制限されないが、例えば、1〜50μm(好ましくは5〜30μm、さらに好ましくは10〜20μm)の範囲から選択することができる。なお、熱可塑性樹脂製基材は、フィルム又はシート状の形態で用いることができる。熱可塑性樹脂のフィルム又はシートは、延伸(一軸延伸、二軸延伸)、未延伸のいずれであってもよい。
熱可塑性樹脂製基材としては、高い透明性を有しているフィルム又はシートを好適に用いることができる。
(支持基材層)
支持基材層は、前述のように、水分吸着性基材および熱可塑性樹脂製基材の積層体により構成されており、水分吸着性基材と、熱可塑性樹脂製基材との厚みの比としては、例えば、水分吸着性基材の厚み:熱可塑性樹脂製基材の厚み=1:99〜50:50(好ましくは2:98〜30:70、さらに好ましくは5:95〜20:80)の範囲から選択することができる。
なお、支持基材層の厚み(水分吸着性基材および熱可塑性樹脂製基材の積層体の厚み)としては、機械的強度、ハンドリング性などが損なわれない範囲で用途に応じて広い範囲で選択することができるが、例えば、5〜60μm(好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは20〜35μm)の範囲から選択することができる。
支持基材層は、水分吸着性基材と熱可塑性樹脂製基材とを積層する公知の方法により作製することができる。支持基材層の作製方法としては、例えば、水分吸着性基材上に、熱可塑性樹脂製基材を押し出しラミネートする方法、熱可塑性樹脂を含む溶液を水分吸着性基材上に塗布してキャストする方法、溶融状態の熱可塑性樹脂を水分吸着性基材上に塗布して乾燥する方法などが挙げられる。
支持基材層、または該支持基材層を構成する水分吸着性基材や熱可塑性樹脂製基材には、その片面或いは両面に、易接着処理、易滑処理、帯電防止処理、導電処理、ラミネート処理、保水性処理、放電処理(オゾン処理、コロナ処理等)などの各種表面処理が施されていてもよい。なお、下記に示されるように、支持基材層上に下塗り層を形成する場合、支持基材層の下塗り層側の面には、コロナ処理等の表面処理が施されていることが好ましい。
また、支持基材層には、必要に応じて、帯電防止性又は導電性を付与されていてもよい。帯電防止性又は導電性の付与は、慣用の方法、例えば、支持基材層中に帯電防止剤や導電材を練り込むことにより行うことができ、また、支持基材層の表面に帯電防止剤や導電材を塗布する表面処理によっても行うことができる。前記帯電防止剤としては、例えば、アルキルサルフェート、アルキルアリールサルフェートなどのアニオン系界面活性剤;第四級アンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤;グリセリンモノステアレートなどの非イオン系界面活性剤;ベタインなどの両性界面活性剤などの界面活性剤等が挙げられる。また、前記導電材としては、例えば、金属酸化物、金属粉、カーボンブラックなどが挙げられる。これらの帯電防止剤や導電材は一種又は2種以上を混合して用いてもよい。
さらにまた、支持基材層、または該支持基材層を構成する水分吸着性基材や熱可塑性樹脂製基材には、必要に応じて、慣用の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、軟化剤、防錆剤、無機粒子、帯電防止剤(例えば、第4級アンモニウム塩系等)、導電性金属粉末、有機導電性高分子剤、カップリング剤(チタン系カップリング剤やシラン系カップリング剤など)等が添加されていてもよい。
なお、支持基材層(特に、熱可塑性樹脂製基材)は、融点が90℃以上であるのが好ましい。融点が90℃未満の場合には、例えば、金属製アイロンなどを用いて熱圧着によりテーピングを行う際に、支持基材層が溶融してアイロンなどに付着し、本来のカバーという目的を達成できなくなる恐れがある。
(熱接着層)
熱接着層は、キャリアテープと熱により接着させることができ、熱可塑性接着剤で構成されている。このような熱可塑性接着剤としては、公知の熱可塑性接着剤を用いることができる。熱可塑性接着剤におけるベースポリマーとしては、特に制限されないが、例えば、オレフィン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらのベースポリマーは単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
前記オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン触媒法ポリエチレンなど)、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合樹脂などのポリオレフィン;エチレン共重合体[例えば、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)などのエチレン−不飽和カルボン酸共重合体;アイオノマー;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);エチレン−ビニルアルコール共重合体など];ポリプロピレン変性樹脂などが挙げられる。
酢酸ビニル系樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−ビニルエステル共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体などが挙げられる。
また、熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)などのスチレン系熱可塑性エラストマー[スチレン系ブロックコポリマー(例えば、スチレン含有量5重量%以上のスチレン系ブロックコポリマーなど)];ポリウレタン系熱可塑性エラストマー;ポリエステル系熱可塑性エラストマー;ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー;ポリプロピレンとEPT(三元系エチレン−プロピレンゴム)とのポリマーブレンドなどのブレンド系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
熱接着層を構成する熱可塑性接着剤中には、粘着付与樹脂、界面活性剤、充填剤、酸化防止剤、軟化剤、紫外線吸収剤、防錆剤、カップリング剤、帯電防止剤、架橋剤などの各種添加剤が添加されていてもよい。なお、前記粘着付与樹脂としては、例えば、脂環族飽和炭化水素系樹脂(例えば、芳香族石油樹脂(例えば、C9系石油樹脂)を完全水添した樹脂など)などを用いることができる。また、界面活性剤としては、例えば、両性系界面活性剤、非イオン系界面活性剤を好適に用いることができる。
熱接着層の軟化点は60〜170℃(好ましくは70〜150℃)程度であることが好ましい。該軟化点が60℃未満では、チップ型電子部品等の電子部品が封入された電子部品搬送体において、高温、高湿度環境下に長期間晒された場合に、電子部品が熱接着層に付着又は接着される場合がある。また、熱接着層の軟化点が170℃を越えると、成膜加工時の温度が高温になり、熱シール(テーピング)作業性が低下し、また、熱接着層に含まれる成分(界面活性剤など)が気化し、帯電防止効果が低減する場合がある。
なお、熱接着層の軟化点は、熱接着層を構成するベースポリマー(熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーなど)の種類などを適宜選択することにより調整することができる。
熱接着層の厚みは、接着性やハンドリング性などが損なわれない範囲で適宜選択できるが、一般には5〜60μm(好ましくは10〜40μm、さらに好ましくは10〜20μm)である。熱接着層の厚みが5μm未満では接着力が弱く、60μmを超えると、ボトムカバーテープの総厚みの増大やテーピング時の糊はみ出しによるテーピング不良が発生しやすくなる。
熱接着層の形成方法としては、特に制限されない。熱接着層は、例えば、押出しラミネート法、Tダイタンデム押出しラミネーター等を用いた共押出し法、ドライラミネート法などの慣用のラミネート法を利用して形成することができる。
熱接着層は、必要に応じて、帯電防止性又は導電性が付与されていてもよい。帯電防止性又は導電性は、慣用の方法、例えば、熱接着層中に帯電防止剤や導電材を練り込むことにより、または、熱接着層の表面に帯電防止剤や導電材を塗布することにより付与することができる。帯電防止剤及び導電材は上記例示のものを使用できる。なお、前記帯電防止剤及び導電材を熱接着層中に練り込む場合の配合量(合計)は、熱接着層を形成する熱可塑性接着剤におけるベースポリマー100重量部に対して、例えば、0.05〜50重量部(好ましくは0.1〜10重量部)である。帯電防止剤及び導電材の配合量が、前記ベースポリマー100重量部に対して50重量部を超えると、接着性が低下する。
熱接着層表面の摩擦帯電圧としては、3000V以下(特に1000V以下)であることが好ましい。該摩擦帯電圧は、熱接着層の熱可塑性接着剤の種類や、該層の厚みなどを適宜選択することにより調整することができる。
なお、熱接着層表面の摩擦帯電圧は、JIS L 1094に準じて測定することができる。具体的には、熱接着層表面の摩擦帯電圧は、熱接着層の表面を布で1分間擦り、この際に、熱接着層表面に生じた帯電量(V)を測定することにより、求めることができる。
また、熱接着層の表面粗さ(平均粗さRa)は、0.1〜10μm(好ましくは1〜8μm)であることが好ましい。該表面粗さRaが0.1μm未満であると、チップ型電子部品等の電子部品との接触面積が増大し、電子部品の付着性が高まり、電子部品が熱接着層に付着しやすくなる。一方、熱接着層の表面粗さRaが10μmを越えると、テーピング後におけるキャリアテープ(被着体)に対する接着強度が低下し、電子部品がこぼれ落ちやすくなり、また、成膜加工時の膜われなどの問題が生じる場合がある。
なお、熱接着層の表面粗さ(平均粗さRa)は、JIS−B−0601に準じて測定することができる。具体的には、熱接着層の表面粗さ(平均粗さRa)は、東京精密社製の「SURF COM M575A−3DF(三次元表面粗さ)」を用いて測定することができる。
(他の層)
本発明のボトムカバーテープは、前記構成の支持基材層の片面に、熱接着層が形成された構成を有していれば特に制限されないが、支持基材層と熱接着層との間に、下塗り層や中間層などの層が形成されていてもよい。下塗り層は、例えば、支持基材層上に形成することができる。従って、ボトムカバーテープは、支持基材層/下塗り層/熱接着層の層構成や、支持基材層/下塗り層/中間層/熱接着層の層構成を有していてもよい。このような下塗り層としては、支持基材層と熱接着層との層間強度や、支持基材層と中間層との層間強度を確保するために、公知の接着剤(特に、ウレタン系接着剤)により形成することができ、また、帯電防止性を向上させる目的で、静電気を中和により抑制することが可能な静電気中和接着剤を用いることもできる。このような静電気中和接着剤を用いて下塗り層を形成すると、積層構成材料の層間での介在により積層材料間の密着強度を向上させることができるとともに、摩擦や接触により積層材料の両表面に発生する静電気を抑制することができる。そのため、静電気中和接着剤により下塗り層を形成すると、ボトムカバーテープの帯電防止性をより一層向上させることができる。
なお、本発明では、下塗り層を、静電気中和接着剤を用いて形成した場合、下塗り層のことを「静電気中和接着剤層」と称する場合がある。
静電気中和接着剤としては、カチオン系接着剤を好適に用いることができる。カチオン系接着剤は、カチオン性基を有する接着剤であり、例えば、第4級アンモニウム基を有する樹脂が好適である。より具体的には、静電気中和接着剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩型アクリル共重合樹脂などが挙げられる。静電気中和接着剤は1種で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
静電気中和接着剤としては、例えば、アルテック社製「ボンディップPA−100」などが使用できる。
下塗り層の厚みは、例えば、0.05〜30μmであることが望ましい。下塗り層をウレタン系接着剤等で構成する場合には、好ましくは0.05〜10μmである。一方、下塗り層を静電気中和接着剤で構成する場合には、下塗り層の厚み(すなわち、静電気中和接着剤層の厚み)としては、特に制限されないが、0.1〜5μmであることが好ましい。静電気中和接着剤層の厚みが0.1μm未満であると、ボトムカバーテープの表面の摩擦帯電圧が高くなり、3000Vを超える場合がある。一方、静電気中和接着剤層の厚みが5μmを超えると、静電気の発生を抑制する静電気中和効果はそれほど変わらず、コスト的にもメリットが少ない。
下塗り層は、慣用のコーティング法等により形成できる。
なお、支持基材層と熱接着層とを高い接着強度で積層できる場合などでは、必ずしも下塗り層を設けなくてもよい。
また、中間層は、支持基材層と、熱接着層との密着性を高めるために設けることができる。このような中間層としては、特に制限されず、従来中間層として用いられているもののなかから適宜選択して用いることができ、その形成方法としても公知の形成方法を適宜利用することができる。
特に本発明では、支持基材層と、熱接着層との間の層(中間層など)として、支持基材層や熱接着層の表面に発生する静電気を抑制又は防止するための静電気中和層が設けられていることが好ましい。このような静電気中和層としては、例えば、前記静電気中和接着剤により形成された層(静電気中和接着剤層)であってもよく、静電気中和接着剤層以外の静電気中和層としては、(1)バインダー中に金属酸化物等の金属化合物を含有している金属化合物含有組成物による層、(2)金属箔や金属蒸着層を有し且つ熱ラミネートが可能な層、(3)ポリピロール、ポリアニリン等の有機導電性ポリマーを含有する層などが挙げられる。静電気中和層の厚みとしては、0.1〜5μmであることが好ましい。静電気中和層は、その層構成などに応じて公知乃至慣用の方法を利用して形成することができる。
本発明のボトムカバーテープは、前記構成を有しているので、支持基材層表面の表面抵抗率は1013Ω/□以下とすることができる。具体的には、支持基材層表面の表面抵抗率は、例えば、108〜1013Ω/□(好ましくは108〜1012Ω/□)とすることができる。
なお、熱接着層の表面抵抗率は1013Ω/□を超えていてもよいが、熱接着層を構成する樹脂、添加剤(例えば、帯電防止剤や導電材等)の種類やその配合割合などを適宜選択することにより、1013Ω/□以下に調整することができる。
ボトムカバーテープの支持基材層や熱接着層の表面抵抗率(Ω/□)は、JIS C 2107に準じて、微少電流電位計により測定することができる。具体的には、ボトムカバーテープの支持基材層や熱接着層の表面抵抗率(Ω/□)は、23℃且つ60%RHの環境下、印加電圧500V×1分間の条件で電圧を印加し、支持基材層または熱接着層における表面の抵抗率を、高抵抗率計ハイレスタUP(三菱化学(株)製)を用いて測定することにより求めることができる。
また、本発明のボトムカバーテープは、紙製基材が用いられていても、紙製基材の厚みを薄くすることができるので、高い透明性を発揮することができる。具体的には、ボトムカバーテープの全光線透過率は80%以上(好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上)であることが望ましい。ボトムカバーテープの全光線透過率が80%未満であると、電子部品搬送体(電子部品用キャリア材)において、電子部品が収納用孔に封入されているかどうか確認するためのセンサーの光の透過性が低くなり、光センサーによる電子部品の封入状態の認識が困難になる場合がある。
なお、ボトムカバーテープの全光線透過率(%)は、JIS K 7105(ヘイズ)に準じて、ヘイズメーターを用いて、支持基材層側から熱接着層側に向かって、所定の波長領域(400〜800nm)の光を照射して、照射光と透過光との光の強度を測定し、これらの値により全光線透過率(%)を求めた。
本発明のボトムカバーテープは、チップ型電子部品等の電子部品を搬送する際の電子部品搬送体におけるキャリアテープに形成されている電子部品収納用孔の底面を覆うボトムカバーテープとして好適に利用することができる。
(電子部品搬送体)
本発明の電子部品搬送体は、電子部品収納用孔を有するキャリアテープと、該キャリアテープの電子部品収納用孔の底面を覆うボトムカバーテープとを備えた電子部品搬送体であり、ボトムカバーテープとして、前述の本発明の電子部品搬送用ボトムカバーテープが用いられている。キャリアテープの電子部品収納用孔の上面は、トップカバーテープにより覆うことができる。また、該キャリアテープの電子部品収納用孔の底面をボトムカバーテープにより覆うことにより形成された電子部品収納部には、チップ型電子部品等の電子部品を収納することができる。
前記キャリアテープとしては、例えば、長尺帯状の形態を有しており、電子部品収納用孔(電子部品収納用打ち抜き角穴など)が幅方向の中央部において長さ方向に所定の間隔で形成されたものなどが挙げられる。このような形状のキャリアテープの下面(底面)を、ボトムカバーテープで熱シールにより接着してカバーすることにより、電子部品収納部(収納用ポケット)が形成される。すなわち、電子部品収納部は、キャリアテープの前記電子部品収納用孔と、該電子部品収納用孔の底面を覆っているボトムカバーテープとにより形成されている。
この電子部品収納部に、電子部品(特に、チップ型電子部品)を挿入し、キャリアテープの上面をトップカバーテープで熱シールしてカバーすることにより、電子部品搬送体を作製することができる。なお、電子部品搬送体は、通常、リール状に巻き取った状態で搬送している。
前記ボトムカバーテープは、キャリアテープとが強固に接着されているので、搬送中にボトムカバーテープが剥がれて電子部品が落下することがない。また、ボトムカバーテープの熱接着層は、良好な熱接着性を有しているので、電子部品収納部に収納されている電子部品を良好に接着させることができる。さらに、電子部品が収納又は封入されている電子部品搬送体を輸送や保管する際には、静電気による電子部品の熱接着層への付着や、温度による電子部品の熱接着層への融着が抑制又は防止されている。
このため、自動組入れシステムにおけるエアーノズルの電子部品の吸着率が著しく向上し、電子部品を確実に取り出して、基板等への円滑な電子部品の供給が可能となる。従って、電子部品の搬送から回路基板への組み込み工程に至る信頼性を顕著に向上させることができる。
しかも、ボトムカバーテープは、高い透明性を保持可能であり、電子部品が電子部品収納部に封入されているかどうか確認するためのセンサーの光が、ボトムカバーテープを透過しやすい。そのため、ボトムカバーテープにおける光センサーの透過性が高く、光センサーによる電子部品の封入状態の認識が容易である。
前記キャリアテープとしては、電子部品搬送体に用いられている公知乃至慣用のキャリアテープを利用することができる。具体的には、キャリアテープの材質としては、自己支持性を有するものであればよく、例えば、和紙、クレープ紙、合成紙、混抄紙、複合紙などの紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、セロハンなどのプラスチックフィルム又はシート;金属箔などを使用できる。
また、トップカバーテープとしては、電子部品搬送体に用いられている公知乃至慣用のトップカバーテープを利用することができる。
本発明の電子部品搬送用ボトムカバーテープ及び電子部品搬送体は、各種電子部品(例えば、チップ固定抵抗器などの抵抗器、積層セラミックコンデンサなどのコンデンサ等の広範なチップ型電子部品など)の搬送に好適に使用することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
和紙(商品名「PL−10−C」大福製紙社製;坪量10g/m2、厚み15μm)上に、低密度ポリエチレン(商品名「L−1885」旭化成工業株式会社製)からなる基材層(厚み15μm)を押し出しラミネーターにより積層して、支持基材層(厚み30μm)を作製し、該支持基材層上に、静電気中和接着剤(商品名「ボンディップPA−100」アルテック社製)をコーティングして静電気中和接着剤層(厚み0.5μm)を形成し、さらに、静電気中和接着剤層上に、低密度ポリエチレン(商品名「L−1885」旭化成工業株式会社製)からなる熱接着層(厚み12μm)を押し出しラミネーターにより積層して、ボトムカバーテープを作製した。なお、得られたボトムカバーテープの厚みは42μmであった。
(実施例2)
ポリビニルアルコール(「PVA」と称する場合がある)を水に溶解させて、PVAの水溶液(PVAの濃度10重量%)を調製し、該PVAの水溶液中に、和紙(商品名「PL−10−C」大福製紙社製;坪量10g/m2、厚み15μm)を浸漬させてから取り出し、乾燥させて、和紙中にPVAを含浸させて、PVAが含浸された和紙を作製した。このPVAが含浸された和紙上に、低密度ポリエチレン(商品名「L−1885」旭化成工業株式会社製)からなる基材層(厚み15μm)を押し出しラミネーターにより積層して、支持基材層(厚み30μm)を作製し、該支持基材層上に、静電気中和接着剤(商品名「ボンディップPA−100」アルテック社製)をコーティングして静電気中和接着剤層(厚み0.5μm)を形成し、さらに、静電気中和接着剤層上に、低密度ポリエチレン(商品名「L−1885」旭化成工業株式会社製)からなる熱接着層(厚み12μm)を、押し出しラミネーターにより積層して、ボトムカバーテープを作製した。なお、得られたボトムカバーテープの厚みは42μmであった。
(比較例1)
和紙(商品名「CT−18」日本板紙社製;坪量18g/m2、厚み30μm)上に、低密度ポリエチレン(商品名「L−1885」旭化成工業株式会社製)からなる熱接着層(厚み25μm)を、押し出しラミネーターにより積層して、ボトムカバーテープを作製した。なお、得られたボトムカバーテープの厚みは55μmであった。
(比較例2)
ポリエチレンテレフタレート製フィルム(商品名「E−5100,#16」、東洋紡績株式会社製、片面コロナ放電処理;厚み16μm)のコロナ放電処理面側に、ウレタン系接着剤を塗布して下塗り層(厚み0.5μm)を形成し、さらに、下塗り層上に、低密度ポリエチレン(商品名「L−1885」旭化成工業株式会社製)からなる熱接着層(厚み25μm)を、押し出しラミネーターにより積層して、ボトムカバーテープを作製した。なお、得られたボトムカバーテープの厚みは41μmであった。
(評価)
実施例及び比較例で得られたボトムカバーテープについて、引張り強度、伸度、接着力、表面抵抗値、摩擦帯電圧、全光線透過率及びチップ付着率について、以下の測定方法又は評価方法により、測定又は評価を行った。評価結果は、表1に示した。
(引張り強度及び伸度)
各ボトムカバーテープについて、テンシロンにより、23℃且つ60%RHの雰囲気下、引張り速度300mm/分の条件で、引張強度(N/10mm)および伸度(%)を測定した。具体的には、チャック間100mm、チャート速度300mm/minの条件にてグラフ化した。
(接着力)
紙製キャリアテープ(北越製紙(株)製、商品名「HOCTO−60」)の表面に、各ボトムカバーテープを熱シール機(東京ウェルズ(株)製のテーピングマシーン)を用いて、170℃、アイロン押さえ力1.5kgf(14.7N)、1200PCS/minの条件で熱シールした後、剥離試験機を用いて、23℃且つ60%RHの雰囲気下、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で、ボトムカバーテープを紙製キャリアテープから剥離させて、接着力(N/5.25mm)を測定した。
(表面抵抗値)
各ボトムカバーテープにおける支持基材層側および熱接着層側の両表面の表面抵抗値(Ω/□)を、高抵抗率計ハイレスターUP(三菱化学(株)製)を用い、23℃且つ60%RHの環境下、印加電圧500V×1分間の条件で電圧を印加して測定した。
(摩擦帯電圧)
JIS L 1094に準じて、23℃且つ60%RHの雰囲気下、各ボトムカバーテープの熱接着層側の面を布で1分間擦り、この際に、熱接着層表面に生じた帯電量(V)を測定した。
(全光線透過率)
JIS K 7105(ヘイズ)に準じて、ヘイズメーターを用いて、各ボトムカバーテープの支持基材層側から熱接着層側に向かって、所定の波長領域(400〜800nm)の光を照射して、照射光と透過光との光の強度を測定し、これらの値により全光線透過率(%)を求めた。
(チップ付着率)
各ボトムカバーテープの熱接着層上に、1005サイズのチップ型電子部品を50個載せた後、上下逆さまにし(すなわち、熱接着層側の面の下側にし)、この際、自重で落下した個数をカウントして落下しなかった個数を算出し、さらに、その割合(落下しなかった個数の割合)(%)を算出し、当該割合をチップ付着率(%)とした。
Figure 2005178811
表1より、実施例に係るボトムカバーテープは、引張強度、伸度、接着力が良好であるとともに、摩擦帯電圧が低く、さらに支持基材層の表面抵抗率も低い。従って、帯電防止性が優れており、チップ型電子部品の静電気による付着が防止されている。しかも、全光線透過率も良好である。

Claims (9)

  1. 電子部品搬送体におけるキャリアテープに形成されている電子部品収納用孔の底面を覆うボトムカバーテープであって、支持基材層の片面に前記キャリアテープと熱により接着される熱接着層が形成された構成を有しており、且つ前記支持基材層が、紙製基材および親水性ポリマー製基材から選択された少なくとも1種の基材と、熱可塑性樹脂製基材との積層体により構成されていることを特徴とする電子部品搬送用ボトムカバーテープ。
  2. 支持基材層の熱可塑性樹脂製基材層側の面に、熱接着層が形成されている請求項1記載の電子部品搬送用ボトムカバーテープ。
  3. 熱可塑性樹脂製基材の熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である請求項1又は2記載の電子部品搬送用ボトムカバーテープ。
  4. 支持基材層と熱接着層との間に、静電気中和接着剤層が形成されている請求項1〜3の何れかの項に記載の電子部品搬送用ボトムカバーテープ。
  5. 熱接着層表面の摩擦帯電圧が3000V以下である請求項1〜4の何れかの項に記載の電子部品搬送用ボトムカバーテープ。
  6. 熱接着層の表面粗さRaが0.1〜10μmである請求項1〜5の何れかの項に記載の電子部品搬送用ボトムカバーテープ。
  7. 電子部品収納用孔を有するキャリアテープと、該キャリアテープの電子部品収納用孔の底面を覆うボトムカバーテープとを備えた電子部品搬送体であって、前記ボトムカバーテープとして、請求項1〜6の何れかの項に記載の電子部品搬送用ボトムカバーテープが用いられている電子部品搬送体。
  8. さらに、キャリアテープの電子部品収納用孔の上面を覆うトップカバーテープを備えている請求項7記載の電子部品搬送体。
  9. 電子部品が、キャリアテープの電子部品収納用孔と、該電子部品収納用孔の底面を覆っているボトムカバーテープとにより形成された電子部品収納部に収納されている請求項7又は8記載の電子部品搬送体。
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