JP2005178692A - 車間距離制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自車両が先行車両の排ガスをかぶらないように車間距離制御を行う。
【解決手段】先行車両追従走行制御装置は、前方車両との車間距離が所定の車間距離となるように自車速を制御する装置である。この装置は、排ガスセンサが先行車両からの排ガスを所定値以上検出した場合(ステップS22)、所定の車間距離を大きい値に変更し(ステップS24)、かつ走行速度制御の制御ゲインを小さい値に変更する(ステップS25)。
【選択図】図4

Description

本発明は、走行中の先行車両等との車間距離を制御する車間距離制御装置に関する。
走行中の先行車両等との車間距離を制御する車間距離制御装置としては、特許文献1等に開示されている装置がある。例えば、特許文献1に開示されている車間距離制御装置は、先行車両との車間距離、相対速度や自車速に基づいて所定の車間距離になるように制御している。
特開平09−286257号公報
ところで、車間距離制御により所定の車間距離にした場合に、前方車両の黒煙等の排ガスを自車両が大量にかぶってしまう場合がある。自車両が排ガスを大量にかぶってしまうと、視界が悪化したり、エアダクトや車内空調の外気導入口からその排ガスが吸い込まれてしまう場合がある。これでは、運転者の運転環境は悪くなってしまう。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、自車両が排ガスをかぶりにくくする車間距離制御装置の提供を目的とする。
請求項1記載の車間距離制御装置は、先行車両からの排ガスが自車両にかかってしまうことを抑制するように、前記先行車両との車間距離を制御する。ここで、排ガスとしては、有色であったり、臭いがしたりする黒煙が挙げられる。
また、請求項2記載の車間距離制御装置は、先行車両との車間距離が所定の車間距離となるように自車速を制御する走行速度制御手段を備えており、前記先行車両の排ガスを排ガス検出手段により検出し、前記排ガス検出手段が前記先行車両からの排ガスを所定値以上検出した場合、前記所定の車間距離を大きい値に変更すること、及び前記走行速度制御手段の制御ゲインを小さい値に変更することの少なくとも一方を変更手段により行う。ここで、排ガスとしては有色であったり、臭いがしたりする黒煙が挙げられる。
本発明によれば、先行車両との車間距離を制御して、先行車両からの黒煙等の排ガスが自車両にかかってしまうことを抑制できるので、視界が悪化したり、エアダクトや車内空調の外気導入口からその排ガスが吸い込まれてしまうことを防止できる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の車間距離制御装置を適用した先行車両追従走行制御装置付き車両の一実施形態を示すシステム構成図である。この車両は、後輪1RL、1RRが駆動輪、前輪1FL、1FRが従動輪となる後輪駆動車両であり、エンジン2の駆動トルクが自動変速機3を介して前記後輪1RL、1RRに伝達される。
前記エンジン2の回転状態、トルク、出力等はエンジン制御装置11によって制御可能である。具体的には、スロットルバルブ開度、アイドルバルブ開度、点火時期、燃料噴射量、燃料噴射タイミング等を調整することによってエンジンの回転状態、トルク、出力等を制御することができる。
また、前記自動変速機3は変速機制御装置12によって制御可能である。具体的には、自動変速機3内のクラッチやブレーキに供給する作動流体圧を調整することにより、選択されるギヤ比を変更し、所望する減速比を得るようにすることができる。
また、前記各車輪1FL〜1RRは、所謂ディスクブレーキを構成するホイールシリンダ4FL〜4RRを備えている。このホイールシリンダ4FL〜4RRは供給される制動流体圧によって各車輪1FL〜1RRに制動力を付与するものである。そして、各車輪1FL〜1RRに付与する制動力は制動流体圧制御装置13によって制御可能である。具体的には、例えば駆動力制御装置(TCS)のように制動流体圧を増圧したり、アンチスキッド制御装置(ABS)のように制動流体圧を減圧したりすることにより、各ホイールシリンダ4FL〜4RRへの制動流体圧を調整し、各車輪1FL〜1RRへの制動力を制御することができる。なお、この制動流体圧制御装置13内で調圧される制動流体圧は、ブレーキペダル21の踏込みによって昇圧されるマスタシリンダ22から供給される。
これらの制御装置は、何れも車両の走行状態を制御するものであり、結果的に自車両の加減速度、前後方向速度等を調整して、走行状態を制御することができる。
これらの制御装置は、勿論、単独でも作動可能であるが、全体機能としては車間距離制御や先行車両追従走行制御を含む自動走行制御装置10によって司られている。この自動走行制御装置10は、種々の演算処理を行って車両の走行状態を制御し、もって車間距離制御や先行車両追従走行制御等を行う。
また、車両には、例えばCCDカメラ等を備えて自車両の前方の状態、例えば走行車線の状態や先行車両の有無、或いは先行車両までの距離を検出する前方状態検出装置16や、各車輪1FL〜1RRの回転速度を検出する車輪速度センサ17、車両に発生する前後及び横加速度を検出する加速度センサ18、制動流体圧を検出する制動流体圧センサ19、アクセルペダルの踏込み量を検出するアクセル開度センサ20を備えている。また、この車両には、運転者の手動入力によって自車両の走行状態を調整するための手動スイッチ9が備えられている。
また、この車両には、所謂GPS(Global Positioning System )によって自車両の位置情報を検出するナビゲーションシステム7が備えられている。さらに、この車両には、前記自動走行制御装置10による制御内容を乗員、特に運転者に提示するためのディスプレイ及びスピーカ23が備えられている。
また、この車両には、先行車両から排出される黒煙等の排ガスを検出する排ガスセンサ24を備えている。排ガスセンサ24としては、例えば特開平11−42925号公報で開示されているガスセンサが挙げられる。なお、排ガスセンサ24は、この特開平11−42925号公報で開示されているガスセンサに限定されないことはいうまでもない。この排ガスセンサ24は、排ガス濃度が高くなるほど、値が大きくなる排ガス汚れ信号VDGSを自動走行制御装置10に出力する。
また、この車両、具体的にはステアリングホイールには、運転者の手動入力によって自車両の走行状態を調整するための手動スイッチ9が備えられている。手動スイッチ9の詳細を図2に示す。図中、符号9aは先行車両追従走行制御を含む走行制御の起動スイッチ、9bは走行制御の解除スイッチ、9cは設定車間距離を入力する設定車間距離スイッチ、9dは設定走行速度を入力したり、設定走行速度を減速方向に変更するセット/コーストスイッチ、9eは走行制御解除後に、以前の設定走行速度を再入力したり、設定走行速度を加速方向に変更するレジューム/アクセラレートスイッチである。
このうち、設定車間距離スイッチ9cは、具体的な設定車間距離を数値入力するようなものではなく、例えば現在の車間距離を大きくしたいとか、小さくしたいときに用いるもので、例えば自車両の走行速度に対して最も標準的な目標車間距離を“中”としたとき、それより設定車間距離を大きくする“長”とか、それより設定車間距離を小さくする“短”といった入力方法を採用している。
以下にレジューム/アクセラレートスイッチ9e、及びセット/コーストスイッチ9dの機能について説明する。
起動スイッチ9aがONで且つ自車両の車速が30〜100km/hにあるときにレジューム/アクセラレートスイッチ9eを押すと、一定車速走行制御(以下、ASCD制御とも記す)の設定走行速度をそのときの自車速にセットすると共に、設定走行速度を上限車速として先行車に追従する高速先行車両追従走行制御(以下、ACC制御とも記す)を開始する。本実施形態におけるACC制御は、前方状態検出装置16が先行車を検出しているときに先行車に追従する制御を行い、前方状態検出装置16が先行車を検出できないときはASCD制御を行うものである。
また、起動スイッチ9aがONで且つ自車両の車速が30〜100km/hにあるときにセット/コーストスイッチ9dを押すと、ASCD制御の設定走行速度を以前設定していた車速にセットし直すと共に、設定走行速度を上限車速としてACC制御を開始する。ACC制御の制御対象となる速度領域、及びASCDの設定走行速度は30〜100km/hであり、自車速が30km/h以下になるとACC制御は解除される。
また、起動スイッチ9aがONで且つ自車両の車速が0〜30km/hにあるときにレジューム/アクセラレートスイッチ9e(又はセット/コーストスイッチ9d)を押すと、先行車両に追従する低速先行車両追従走行制御(以下、インチング制御とも記す)を開始する。なお、インチング制御の制御対象の速度領域は0〜45km/hであり、30〜45km/hの間で先のACC制御の車速領域と重複する。
インチング制御は、前方状態検出装置16が先行車を検出しているときにのみ先行車に追従する制御を行い、先行車を検出できないとき、及び自車速が45km/hを超えたときに制御が解除される。
ACC制御からインチング制御に移行するためには、この重複領域(30〜45km/h)でセット/コーストスイッチ9dを押す必要がある。また、インチング制御からACC制御に移行するためには、この重複領域でレジューム/アクセラレートスイッチ9eを押す必要がある。
次に、前記自動走行制御装置10内で行われる車間距離制御の演算処理について図3のフローチャートに従って説明する。この演算処理は、例えば10msec. 程度に設定された所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込によって実行される。なお、このフローチャートでは、特に通信のためのステップを設けていないが、演算処理によって得られた結果は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報やプログラムは随時記憶装置から読込まれる。また、前述したエンジン制御装置11、変速機制御装置12、制動流体圧制御装置13とは随時通信を行い、必要な情報や命令は随時双方向に授受される。
この演算処理では、まずステップS1で、前記加速度センサ18で検出された前後加速度Xg、横加速度Yg、前記車輪速度センサ17で検出された車輪速度Vw(j=FL〜RR)、前記アクセル開度センサ20で検出されたアクセル開度Acc、前記制動流体圧センサ19で検出された制動流体圧Pm、前記手動スイッチ9で設定されている設定走行速度Vc、前記前方状態検出装置16で検出された先行車両との車間距離d、前記エンジン制御装置11で制御されているエンジン駆動トルクTwを読込む。
続いてステップS2において、前記ステップS1で読込んだ車輪速度Vwj のうち、従動輪である前左右輪速度VwFL、VwFRの平均値から自車両の走行速度Vを算出する。
続いてステップS3において、前記ステップS1で読込んだ先行車両との車間距離の今回値d(n)と前回値d(n−1)との差分値を前記所定サンプリング時間ΔTで除して、自車両と先行車両との相対速度Vrを算出する。
続いてステップS4において、前記ステップS2で算出した自車両の走行速度Vに応じた目標車間距離drを算出する。具体的には、下記(1)式を用いて、自車両の走行速度Vに所定の制御ゲインAを乗じ、それに所定の制御定数Bを和して求める。
dr=A×V+B ・・・(1)
なお、この制御ゲインA及び制御定数Bは、前記手動スイッチ9の設定車間距離スイッチ9cで入力された運転者の要求する設定車間距離に応じて設定される。
続いてステップS20において、排ガス検知に基づいて値を設定する。図4は、その処理手順を示す。
先ずステップS21において、前記ステップS4で得た目標車間距離dr及び排ガスセンサ24で検出された排ガス汚れ信号VDGSを読み込む。
続いてステップS22において、先行車両の排ガスが検知されているか否かを判定する。具体的には、排ガス汚れ信号VDGSと所定のしきい値Lsmlとを比較する。ここで、排ガス汚れ信号VDGSが所定のしきい値Lsml以上の場合(VDGS≧Lsml)、排ガスを検知したとして、ステップS23に進み、排ガス汚れ信号VDGSがしきい値Lsml未満の場合(VDGS<Lsml)、排ガスを検知できなかったとして、ステップS26に進む。
ステップS23では、排ガス検知フラグHGを1に設定する。この排ガス検知フラグHGは初期値として0に設定されている。
続いてステップS24において、前記ステップS4で得た目標車間距離drを変更する。具体的には、下記(2)式により、前記ステップS4で得た目標車間距離drに車間距離補正係数(所定値)K1を加算して、新たな目標車間距離drを得る。
dr(=L1)=dr+K1 ・・・(2)
続いてステップS25において、制御ゲインを変更する。後述するように基準目標走行速度Vsoを制御ゲインP1や制御ゲインP2を用いて算出しており、この制御ゲインP1,P2の両方又はいずれか一方を、通常の値よりも小さい値に変更する。そして、ステップS5に進む。
また、前記ステップS22において排ガス汚れ信号VDGSがしきい値Lsml未満の場合(VDGS<Lsml)に進むステップS26では、排ガス検知フラグHGが1か否を判定する。ここで、排ガス検知フラグHGが1の場合(HG=1)、ステップS27に進み、排ガス検知フラグHGが1でない場合(HG=0)、ステップS30に進む。
ステップS27では、先行車両が入れ替わったか否かを判定する。具体的には、先行車両との車間距離の変化量が所定のしきい値よりも大きくなった場合、先行車両が入れ替わったと判定する。これは、先行車両が入れ替わった場合には、少なくとも車一台分、車間距離が変化するからである。
ステップS27で、先行車両が入れ替わったと判定した場合、ステップS32に進み、先行車両が入れ替わっていないと判定した場合、ステップS28に進む。
ステップS32では、排ガス検知フラグHGを0に設定する。そして、ステップS30に進む。
ステップS28では、先行車両(入れ替わっていない先行車両)が加速したか否かを判定する。具体的には、先行車両の加速度が所定の加速度以上になった場合、先行車両が加速したと判定する。ここで、先行車両(入れ替わっていない先行車両)が加速した場合、前記ステップS24に進み、先行車両(入れ替わっていない先行車両)が加速していない場合、ステップS29に進む。
ステップS29では、現在の走行路が登坂路か否かを判定する。一般的な登坂路検出手段により登坂路を検出しており、例えば図示しない車載の加速度センサと実際の自車両の加速度とを比較し、その比較結果に基づいて現在の走行路が登坂路か否かを判定する。ここで、現在の走行路が登坂路の場合、前記ステップS24に進み、現在の走行路が登坂路でない場合、前記ステップS30に進む。
ステップS30では、通常の目標車間距離drにする。すなわち、前記ステップS4で得た目標車間距離drの値に維持する。
続いてステップS31において、通常の制御ゲインにする。すなわち、制御ゲインP1,P2を通常の値のものにする。そして、ステップS5に進む。
以上がステップS20における処理になる。
ステップS5では、制御ゲインP1,P2を用いて目標走行速度Vsを算出する。具体的には次のように目標走行速度Vsを算出する。
先ず、下記(3)式を用いて、前記ステップS20で算出した目標車間距離drと前記ステップS1で読込んだ実際の車間距離dとの差分値に比例制御ゲインP1を乗じた値と、前記ステップS3で算出した相対速度Vrに微分制御ゲインP2を乗じた値との加算値から基準目標走行速度Vsoを算出する。
Vso=P1×(d−dr)+P2×Vr ・・・(3)
そして、算出したこの基準目標走行速度Vsoと前記ステップS1で読込んだ設定走行速度Vcのうち、何れか小さい方を目標走行速度Vsに設定する。
ここで、前記ステップS25で制御ゲインP1や制御ゲインP2が通常用いる値よりも小さい値に変更されていれば、この基準目標走行速度Vsoは、より小さい値になる。
続いてステップS6において、前記ステップS5で算出した目標走行速度Vsと前記ステップS2で算出した自車両の走行速度Vとの差分値から、例えばPID(比例−微分−積分)制御による目標加速度Xgsを算出する。
ここで、例えば、前記ステップS5で目標走行速度Vsが基準目標走行速度Vsoとして設定されており、さらにその基準目標走行速度Vsoの制御ゲインP1やP2が前記ステップS25で変更されていたとすれば、この目標加速度Xgsは、より小さい値になる。
続いてステップS7において、例えば前記ステップS6で算出した目標加速度Xgsが負である場合、つまり減速を必要とする場合に、当該目標加速度Xgsにブレーキ諸元係数を乗じた値と、前記ステップS1で読込んだ制動流体圧Pmにブレーキ諸元係数を乗じた値とのうち、何れか大きい方を目標制動流体圧Pwsとして算出する。なお、ブレーキ諸元係数とは、例えば各車輪のディスクローターパッド間摩擦係数、ホイールシリンダ断面積、ディスクロータ有効径、タイヤ転がり動半径等によって決まる係数である。
続いてステップS8において、前記ステップS5で算出した目標加速度Xgsが正である場合、つまり加速を必要とする場合に、当該目標加速度Xgsに駆動系諸元変数を乗じた値と、前記ステップS1で読込んだアクセル開度Accに駆動系諸元変数を乗じた値とのうち、何れか大きい方を目標駆動トルクTesとして算出する。なお、駆動系諸元変数とは、例えば歯車慣性、減速比、伝達効率、エンジン特性等によって決まる変数である。
続いてステップS9において、前記ステップS7で算出した目標制動流体圧PwsやステップS8で算出した目標駆動トルクTesを前記制動流体圧制御装置13やエンジン制御装置11、変速機制御装置12に向けて出力する。さらに、目標車間距離制御の情報提示信号を前記ディスプレイ及びスピーカ23に向けて出力してからメインプログラムに復帰する。このディスプレイ及びスピーカ23による情報提示は、例えば目標車間距離を変更制御するときには、その前に、例えば「車間距離を広げます」といった内容を音声や表示によって提示したりすることが挙げられる。
この演算処理によれば、手動スイッチ9で設定されている設定走行速度Vc又は目標車間距離drに基づいて得た基準目標走行速度Vsoにより目標走行速度Vsを設定し(前記ステップS4、ステップS20、ステップS5)、この設定した目標走行速度Vsと自車両の走行速度Vとの差から目標加速度Xgsを算出し(前記ステップS6)、この目標加速度Xgsとなるように目標制動流体圧Pws及び目標駆動トルクTesを前記制動流体圧制御装置13やエンジン制御装置11、変速機制御装置12に向けて出力すると共に、目標車間距離制御の情報提示信号を前記ディスプレイ及びスピーカ23に向けて出力する(前記ステップS7、ステップS8、ステップS9)。ここで、目標加速度Xgsの値が小さければ、自車両は、小さい加速度で先行車両に追従するようになる。
そして、ステップS20(図4)の処理を考慮すれば、自車両の挙動は次のようになる。 先行車両の排ガスを検知していない場合には、通常の目標車間距離(前記ステップS4で算出した目標車間距離dr)及び通常の制御ゲインP1,P2を用いて算出した目標走行速度Vs(前記ステップS5で目標走行速度Vsが基準目標走行速度Vsoに設定されている場合)により得た加速度により自車両が加速して、所定の車間距離になる(前記ステップS22、ステップS30、ステップS31)。
一方、先行車両の排ガスを検知した場合、目標車間距離drが大きい値に変更され、さらに制御ゲインP1,P2の両方又はいずれか一方が変更されることで(前記ステップS22、ステップS24、ステップS25)、先行車両との車間距離が本来の制御で採用する車間距離よりも遠くなり、さらにその車間距離にするための制御の応答性が鈍くなる、すなわち自車両の加速度が本体の制御で採用する加速度よりも小さくなる。
そして、その後先行車両の排ガスを検知できなくなった場合でも、過去に排ガスを検知した際の先行車両が他の車両と入れ替わることなく、未だ自車両の前を走行している場合で、かつその先行車両が加速した場合には(前記ステップS22、ステップS27、ステップS28)、当該先行車両について排ガス検知をした場合と同様に、先行車両との車間距離が本来の制御で採用する車間距離よりも遠くなり、さらにその車間距離にするための自車両の加速度が本体の制御で採用する加速度よりも小さくなる。
また、その後先行車両の排ガスを検知できなくなった場合でも、過去に排ガスを検知した際の先行車両が他の車両と入れ替わることなく、未だ自車両の前を走行している場合で、かつ現在の走行路が登坂路の場合には(前記ステップS22、ステップS27、ステップS29)、当該先行車両について排ガス検知をした場合と同様に、先行車両との車間距離が本来の制御で採用する車間距離よりも遠くなり、さらにその車間距離にするための自車両の加速度が本体の制御で採用する加速度よりも小さくなる。
また言い換えれば、このように排ガスを検知した際の先行車両が未だ自車両の前を走行している場合でも、当該先行車両が加速しなかったり、現在の走行路が登坂路でない場合には、通常の目標車間距離(前記ステップS4で算出した目標車間距離dr)及び通常の制御ゲインP1,P2を用いて算出した目標走行速度Vs(前記ステップS5で目標走行速度Vsが基準目標走行速度Vsoに設定されている場合)により得た加速度により自車両が加速する(前記ステップS27〜ステップS31)。そして、その後、先行車両が加速したり、走行路が登坂路になった場合には、再び、先行車両との車間距離が本来の制御で採用する車間距離よりも遠くなり、さらにその車間距離にするための自車両の加速度が本体の制御で採用する加速度よりも小さくなる。
ここで、具体例について図5及び図6を用いて説明する。
図5は、先行車両の加速度と排ガス汚れ信号VDGSとに基づいて目標車間距離dr及び制御ゲインP1,P2を変更する場合の例を示す。ここで、排ガスを検知した後であり、その排ガスを検知した際の先行車両が未だ自車両の前を走行している場合を前提とする。
このような前提で、図5中(A)、(C)及び(D)に示すように、走行車両の加速度Aが所定のしきい値TH1よりも大きくなった場合、目標車間距離drを大きい値に変更し、さらに制御ゲインP1,P2を小さい値に変更する。これにより、前述したように、先行車両との車間距離が本来の制御で採用する車間距離よりも遠くなり、さらにその車間距離にするための自車両の加速度が本体の制御で採用する加速度よりも小さくなる。
そして、その後、図5中(A)に示すように先行車両の加速度が小さくなっても、図5中(B)に示すように排ガス汚れ信号VDGSが所定のしきい値Lsmlになっている場合には、図5中(C)及び(D)に示すように、そのまま自車両の走行状態は維持される。すなわち、先行車両との車間距離は本来の制御で採用する車間距離よりも遠く、さらにその車間距離にするための自車両の加速度は本体の制御で採用する加速度よりも小さいままとなる。
図6は、先行車両101からの排ガスや先行車両101の加速度に基づいて車間距離及び自車両100の加速度を変更する場合の例を示す。
図6中(A)から同図中(B)への変化として示すように、先行車両101からの排ガスを検知すると、車間距離は長くなり、さらに自車両の加速度は鈍くなる。そして、その後、先行車両101からの排ガスを検知できなくなると、図6中(B)から同図中(C)への変化として示すように、自車両100は、本来の制御値の車間距離及び加速度により車間距離が制御される。
しかし、その後先行車両101の加速を検出すると当該先行車両101の排ガスを検知していない場合でも、図6中(C)から同図中(D)への変化として示すように、車間距離は長くなり、さらに自車両の加速度は鈍くなる。
次に本実施形態における効果を説明する。
前述したように、自車両において排ガスを検知した場合、車間距離を長くしている。これにより、自車両が先行車両の黒煙等の排ガスをかぶってしまうことを抑制できる。これにより、視界が悪化してしまうことを防止でき、エアダクトや車室内の空調の外気導入口から排ガスが車室内に入り込んでしまうことを防止できる。
また、前述したように、自車両において排ガスを検知した場合、車間距離制御において自車両の加速度を小さくしている、すなわち車間距離制御の応答性を遅くしている。これにより、自車両が先行車両に直ぐに追いつかないようにして、自車両が先行車両の排ガスをかぶってしまうことを抑制している。これにより、視界が悪化してしまうことを防止でき、エアダクトや車室内の空調の外気誘導入口から排ガスが車室内に入り込んでしまうことを防止できる。
また、前述したように、先行車両の排ガスを検知できなくなった場合でも、当該先行車両が未だ自車両の前を走行している場合で、かつ当該先行車両が加速したり、走行路が登坂路になった場合には、車間距離を長くしたり、自車両の加速度を小さくしている。ここで、車両が加速する場合、その負荷により車両から排ガスが多く排出される。また、加速する場合と同様に、登坂路を走行する場合にも車両から排ガスが多く排出される。
これにより、先行車両の排ガスを検知していなくても、先行車両が加速したり、登坂路を走行している場合には、当該先行車両が多量の排ガスが排出するものとして、車間距離を長くしたり、自車両の加速度を小さくしている。すなわち、走路状態や先行車両の走行状態から排ガスを予測検知し、フィードフォワード制御として、車間距離を長くしたり、自車両の加速度を小さくしている。これにより、自車両が先行車両の排ガスをかぶってしまうことを防止できる。
例えば、単に、先行車両が加速したこと、走行路が登坂路であることを条件に、車間距離を長くしたり、自車両の加速度を小さくすることも考えられる。しかし、全ての車両が有害な排ガスを排出したり、多量の排ガスを排出するとも限らない。すなわち、所定の成分(例えばNOx)を含むディーゼル車からの排ガスだけを検知対象としているのであれば、ディーゼル車以外の車については、制御対象とする必要はない。このようなことから、前述したように過去に特定の排ガスを検知している先行車両を制御対象とすることで、フィードフォワード制御を実現する走路状態や先行車両の走行状態に基づく排ガスの予測検知を精度よく行うことができる。
また、先行車両の排ガスを一旦検知した場合には車間距離を長くする制御を行うので、先行車両との距離が長くなったことで、排ガスセンサ24の検知性能で当該先行車両からの排ガスを検知できなくなる場合がある。このような場合に、排ガスを予測検知して、フィードフォワード制御として車間距離を長くしたり、自車両の加速度を小さくすることは、自車両が先行車両の排ガスをかぶってしまうことを防止することに有効に作用する。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態として実現されることに限定されるものではない。
すなわち、前述の実施形態では、排ガスをかぶらないようにするために、車間距離を長くすること、及び自車両の加速度を小さくすること(制御ゲインを小さくすること)の両方を行っている。しかし、排ガスをかぶらないようにするために、車間距離を長くすること、又は自車両の加速度を小さくすることのいずれか一方だけを行ってもよい。
また、排ガスをかぶらないようにするために、他の制御値を変更することで、車間距離を長くしたり、自車両の加速度を小さくしてもよい。例えば、前記(1)式で目標車間距離drの算出に用いている制御ゲインAや制御定数Bを変更して、車間距離を長くしてもよい。
また、検知した排ガス量に応じて、車間距離や自車両の加速度を決定してもよい。図7及び図8はそれを実現する例を示す特性図である。
図7に示すように、排ガス量がある量になったとき、排ガス量に比例して前記車間距離補正係数K1を大きくし、そして、排ガス量がある量に達したところで、前記車間距離補正係数K1を一定値に維持する。これにより、検知した排ガス量が多くなるほど、車間距離制御の目標値とされる所定の車間距離が長くなる。
また、図8に示すように、排ガス量がある量になったとき、排ガス量に比例して制御ゲインP1,P2を小さくし、そして、排ガス量がある量に達したところで、制御ゲインP1,P2を一定値に維持する。これにより、検知した排ガス量が多くなるほど、制御の応答性が小さくなり、自車両の加速度が小さくなる。
なお、前述の実施形態の説明において、自動走行制御装置10による図3のステップS1〜ステップ4、ステップS5〜ステップS9の処理は、先行車両との車間距離が所定の車間距離となるように自車速を制御する走行速度制御手段を実現しており、排ガスセンサ24は、前記先行車両の排ガスを検出する排ガス検出手段を実現しており、自動走行制御装置10による図3のステップS20(図4)の処理は、前記排ガス検出手段が前記先行車両からの排ガスを所定値以上検出した場合(ステップS22)、前記所定の車間距離を大きい値に変更すること(ステップS24)、及び前記走行速度制御手段の制御ゲインを小さい値に変更すること(ステップS25)の少なくとも一方を行う変更手段を実現している。
本発明の実施形態の先行車両追従走行制御装置付き車両の一例を示す車両構成図である。 図1の手動スイッチの構成を示す図である。 図1の自動走行制御装置で行われる車間距離制御のための演算処理を示すフローチャートである。 図3の演算処理で行われるサブルーチンの演算処理を示すフローチャートである。 先行車両の加速度と排ガス汚れ信号VDGSとに基づいて目標車間距離dr及び制御ゲインP1,P2を変更する場合のタイムチャートである。 先行車両からの排ガスや先行車両の加速度に基づいて車間距離及び自車両の加速度を変更する場合の説明に用いた図である。 排ガス検知量に応じて車間距離補正係数K1を決定する場合に用いる特性図である。 排ガス検知量に応じて制御ゲインP1,P2を決定する場合に用いる特性図である。
符号の説明
1 FL〜1RRは車輪
2 エンジン
3 自動変速機
4FL〜4RR ホイールシリンダ
7 ナビゲーションシステム
9 手動スイッチ
10 自動走行制御装置
11 エンジン制御装置
12 変速機制御装置
13 制動流体圧制御装置
16 前方状態検出装置
17 車輪速センサ
18 加速度センサ
19 制動流体圧センサ
20 アクセル開度センサ
21 ブレーキペダル
22 マスタシリンダ
23 ディスプレイ及びスピーカ
24 排ガスセンサ

Claims (6)

  1. 先行車両からの排ガスが自車両にかかってしまうことを抑制するように、前記先行車両との車間距離を制御することを特徴とする車間距離制御装置。
  2. 先行車両との車間距離が所定の車間距離となるように自車速を制御する走行速度制御手段と、
    前記先行車両の排ガスを検出する排ガス検出手段と、
    前記排ガス検出手段が前記先行車両からの排ガスを所定値以上検出した場合、前記所定の車間距離を大きい値に変更すること、及び前記走行速度制御手段の制御ゲインを小さい値に変更することの少なくとも一方を行う変更手段と、
    を備えたことを特徴とする車間距離制御装置。
  3. 前記変更手段は、過去に前記排ガス検出手段が所定値以上の排ガスを検出した先行車両が自車両前方で加速している場合、前記所定の車間距離を大きい値に変更すること、及び前記走行速度制御手段の制御ゲインを小さい値に変更することの少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項2記載の車間距離制御装置。
  4. 前記変更手段は、過去に前記排ガス検出手段が所定値以上の排ガスを検出した先行車両が自車両前方で登坂路を走行している場合、前記所定の車間距離を大きい値に変更すること、及び前記走行速度制御手段の制御ゲインを小さい値に変更することの少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項2記載の車間距離制御装置。
  5. 前記変更手段は、前記排ガス検出手段が検出した排ガス量に応じて、前記所定の車間距離を変更し、及び前記走行速度制御手段の制御ゲインを変更することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の車間距離制御装置。
  6. 前記排ガスは、所定の成分を含む排ガスであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車間距離制御装置。
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