JP3885420B2 - 車両用走行制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車速を目標車速に一致するように車速制御する車両用走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用走行制御装置としては、例えば特開平9−11776号公報(以下、第1従来例と称す)、特開平9−242862号公報(以下、第2従来例と称す)及び特開平9−07735号公報(以下、第3従来例と称す)に記載されているものが知られている。
【0003】
第1従来例には、目標車速に基づいて算出される目標制駆動力(トルク)と実車速の微分値との差に基づいて走行抵抗推定値を演算し、この走行抵抗推定値を目標制駆動力にフィードバックして制駆動力制御を行うことで、勾配のある路面においても目標車速通りに車速を制御するようにした車両用定速走行制御装置が開示されている。
【0004】
また、第2従来例及び第3従来例には、車速から算出した車両加速度、エンジンの駆動力、ブレーキ液圧から算出した制動力、転がり抵抗、空気抵抗、ギヤ比から走行(勾配)抵抗を演算する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1〜第3従来例にあっては、車両の前進/後退によらず車速が正方向に検出されるため、上り坂での停止や発進時に車両が後退した場合には、車速から演算した車両加速度が実際の車両の加速度と正負が逆転してしまう。その結果、車速から算出される車両加速度を用いて走行抵抗を演算すると、正確な走行抵抗推定値を得ることができないという未解決の課題がある。
【0006】
また、アンチロックブレーキ制御装置を搭載した車両では、車輪がロックしないように、車輪スリップ率に応じて制動圧が制御されるので、目標制駆動力(トルク)に対応した減速度を発生することができないため正確な走行抵抗値を推定することができないと共に、車体の動きと車輪の動きが異なるため、車速から演算した車両加速度は、実際の車両の加速度と異なる値となり、その結果算出された走行抵抗値も誤差の多いものとなるという未解決の課題がある。
【0007】
さらに、トラクション制御装置を搭載した車両では、急加速時の車輪スリップを防止するように制動力が制御されるので、目標制駆動力(トルク)に対応した加速度を発生することができないため、前記アンチロックブレーキ制御装置を搭載した車両と同様の未解決の課題がある。
さらにまた、自動変速機の制御レンジを変更した場合には、Dレンジ、Rレンジ、Nレンジなどではエンジンの駆動力とその方向が変化してしまい同一の演算方法で走行抵抗の推定演算を行うと実際の走行抵抗とは異なる値となってしまうという未解決の課題がある。
【0008】
これらの理由により、走行抵抗値をフィードバックする車速制御系では、自車速を目標車速に一致させる車速制御を行う場合に、目標車速通りに自車速を制御することができなくなるという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、走行抵抗推定値の誤差を抑制して目標車速通りの車速制御を行うことができる車両用走行制御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る車両用走行制御装置は、自車両の車速を検出する車速検出手段と、該車速検出手段で検出した車速を目標車速に一致させるように駆動力及び制動力の何れかを制御する制駆動力制御手段とを備えた車両用走行制御装置において、前記制駆動力制御手段は、制駆動力の制御量と車速検出手段で検出した車速とに基づいて走行抵抗推定値を演算する走行抵抗推定値演算手段を備え、該走行抵抗推定値演算手段は、自車両が停止したときに走行抵抗推定値の演算を中断し、所定走行状態となったときに走行抵抗推定値の演算を再開するように構成されていることを特徴としている。
【0010】
この請求項1に係る発明においては、目標車速に自車速を一致させるように制駆動力制御手段で走行抵抗推定値を加味した制駆動力を発生させて加減速制御する。このときに、自車両が走行中は、走行抵抗推定値を演算するが、停車すると、走行抵抗推定値の演算を中断し、この中断状態を走行を再開してから所定走行状態となるまで継続することにより、上り坂での発進時に後退した場合等で走行抵抗推定値に誤差が発生することを抑制する。
【0011】
また、請求項2に係る車両用走行制御装置は、請求項1に係る発明において、前記所定走行状態は、自車速が所定値以上であるとき及び走行時間が所定値以上となったときの何れかであることを特徴としている。
この請求項2に係る発明においては、自車両が走行を開始して、自車速が所定車速以上となるか又は走行を開始してからの走行時間が所定時間以上となることにより、上り坂での発進時に後退した場合等で走行抵抗推定値に誤差が発生することを抑制する。
【0012】
さらに、請求項3に係る車両用走行制御装置は、自車速の車速を検出する車速検出手段と、該車速検出手段で検出した車速を目標車速に一致させるように駆動力及び制動力の何れかを制御する制駆動力制御手段とを備えた車両用走行制御装置において、車両の走行状況に応じて制駆動力を抑制制御する走行状況制御手段の作動状態を検出する走行状況制御状態検出手段を備え、前記制駆動力制御手段は、制駆動力の制御量と車速検出手段で検出した自車速とに基づいて走行抵抗推定値を演算する走行抵抗推定値演算手段を備え、該走行抵抗推定値演算手段は、前記走行状況制御状態検出手段で走行状況制御手段作動状態となったことを検出したときに走行抵抗推定値の演算を中断し、当該走行状況制御手段が非作動状態となったときに走行抵抗推定値の演算を再開するように構成されていることを特徴としている。
【0013】
この請求項3に係る発明においては、車両の走行状況に応じて車輪速度を制御する走行状況制御手段が作動状態となって、制駆動力制御手段で制御する制駆動力と実際に発生される制駆動力とが相違する状態となったときに、走行抵抗推定値の演算を中断して、走行抵抗推定値に誤差を生じることを防止し、走行状況制御手段が非作動状態となったときに走行抵抗推定値の演算を再開する。
【0014】
さらにまた、請求項4に係る車両用走行制御装置は、請求項3に係る発明において、前記走行抵抗推定値演算手段は、走行状況制御手段の作動時間が所定値以下である場合には当該走行状況制御手段が作動開始する直前の走行抵抗推定値を保持し、前記所定値を越える場合には走行抵抗推定値をクリアするように構成されていることを特徴としている。
【0015】
この請求項4に係る発明においては、走行状況制御手段の作動時間が所定値以下である場合には路面勾配が差程変化しないものとして、走行状況制御手段が作動開始する直前の走行抵抗推定値を保持するが、所定値を超える場合には走行抵抗が変化しているものとして、走行抵抗推定値をクリアする。
なおさらに、請求項5に係る車両用走行制御装置は、請求項3又は4に係る発明において、前記走行状況制御手段は、アンチロックブレーキ制御手段及びトラクション制御手段の何れかであることを特徴としている。
【0016】
この請求項5に係る発明においては、低摩擦係数路面を減速走行する状態や高摩擦係数路面で急制動状態となってアンチロックブレーキ制御装置が作動状態となって、車輪スリップ率が目標スリップ率を維持するように車輪速度が制御されるか、又は高摩擦係数路面で急加速状態となるか、低摩擦係数路面を加速走行する状態となって、トラクション制御装置が作動状態となって、車輪スリップを抑制する車輪速度が制御されたときに、走行抵抗推定値の演算を中断し、これらアンチロックブレーキ制御装置又はトラクション制御装置が非作動状態に復帰したときに走行抵抗推定値の演算を再開する。
【0017】
また、請求項6に係る車両用走行制御装置は、請求項1〜5の何れかの発明において、前記走行抵抗推定値演算手段は、自動変速機の変速レンジに応じて走行抵抗の演算方法を変更するように構成されていることを特徴としている。
この請求項6に係る発明において、自動変速機の変速レンジに応じた走行抵抗の演算を行うことができ、自動変速機のレンジ変更による誤差を抑制することができる。
【0018】
【発明の効果】
請求項1に係る車両用走行制御装置によれば、自車両が走行中は、走行抵抗推定値を演算するが、停車すると、走行抵抗推定値の演算を中断し、この中断状態を走行を再開してから所定走行状態となるまで継続することにより、上り坂での発進時に後退した場合等で走行抵抗推定値に誤差が発生することを確実に抑制して、正確な追従制御を行うことができるという効果が得られる。
【0019】
また、請求項2に係る車両用走行制御装置によれば、自車両が走行を開始して、自車速が所定車速以上となるか又は走行を開始してからの走行時間が所定時間以上となることにより、上り坂での発進時に後退した場合等で走行抵抗推定値に誤差が発生することを確実に防止することができ、正確な追従制御を行うことができるという効果が得られる。
【0020】
さらに、請求項3に係る車両用走行制御装置によれば、車両の走行状況に応じて車輪速度を制御する走行状況制御手段が作動状態となっている間、走行抵抗推定値の演算を中断するので、制駆動力制御手段で制御する制駆動力と実際に発生される制駆動力とが相違することによって生じる走行抵抗推定値の誤差を確実に防止することができ、正確な追従制御を行うことができるという効果が得られる。
【0021】
さらにまた、請求項4に係る車両用走行制御装置によれば、走行状況制御手段の作動時間が所定値以下である場合には走行状況制御手段が作動開始する直前の走行抵抗推定値を保持するが、所定値を超える場合には走行抵抗推定値をクリアするので、比較的長い間走行状況制御手段が作動していることにより、走行抵抗推定値の信頼性が低下したときにこの推定値を使用しないで追従制御を行うことができ、走行抵抗推定値の誤差が拡大することを抑制することができるという効果が得られる。
【0022】
なおさらに、請求項5に係る車両用走行制御装置によれば、アンチロックブレーキ制御装置及びトラクション制御装置の何れかが作動状態となって、追従制御による目標制駆動力と実際の制駆動力とに差が生じたときに、走行抵抗推定値の演算を中断するので、走行抵抗推定値の誤差を抑制して、正確な追従制御を行うことができるという効果が得られる。
【0023】
また、請求項6に係る車両用走行制御装置によれば、自動変速機の変速レンジに応じた走行抵抗の演算を行うことができ、自動変速機のレンジ変更による誤差を抑制することができるという効果が得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明を先行車に追従して走行する先行車追従制御装置を備えた後輪駆動車に適用した場合の第1の実施形態を示す概略構成図であり、図中、1FL,1FRは従動輪としての前輪、1RL,1RRは駆動輪としての後輪であって、後輪1RL,1RRは、エンジン2の駆動力が自動変速機3、プロペラシャフト4、最終減速装置5及び車軸6を介して伝達されて回転駆動される。
【0025】
前輪1FL,1FR及び後輪1RL,1RRには、夫々制動力を発生する例えばディスクブレーキで構成されるブレーキアクチュエータ7が設けられていると共に、これらブレーキアクチュエータ7の制動油圧が制動制御装置8によって制御される。
ここで、制動制御装置8は、図示しないブレーキペダルの踏込みに応じて制動油圧を発生すると共に、後述する追従制御用コントローラ20からの制動圧指令値PBCに応じて制動油圧を発生するように構成され、さらに、制動時に車輪1FL〜1RRがロック状態とならないようにブレーキアクチュエータ7に対する制動圧を制御するアンチロックブレーキ制御装置9を備えている。
【0026】
このアンチロックブレーキ制御装置9は、各車輪1FL〜1RRの車輪速を検出する車輪センサ10FL〜10RRで検出した各車輪速VWFL 〜VWRR に基づいて所定の演算を行って常時推定車体速度を算出する車速検出手段としての推定車体速度演算部9aと、この推定車体速度演算部9aの推定車体速度と各車輪速VWFL 〜VWRR とに基づいて車輪スリップ率を算出し、この車輪スリップ率と車輪速を微分した車輪加減速度に基づいて車輪スリップ率を目標スリップ率に一致させるようにマスターシリンダ圧を増圧、減圧及び保持制御して各車輪のブレーキアクチュエータ7に対する制動圧を形成することにより、車輪ロックを防止する制動圧制御部9bとを有する。そして、推定車体速度演算部9aから推定車体速度が自車速VS として出力されると共に、制動圧制御部9bからアンチロックブレーキ制御中であるときに論理値“1”、非制御中であるときに論理値“0”となる制御状態信号ABを出力する。
【0027】
また、エンジン2には、その出力を制御するエンジン出力制御装置11が設けられている。このエンジン出力制御装置11では、図示しないアクセルペダルの踏込量及び後述する追従制御用コントローラ20からのスロットル開度指令値θR に応じてエンジン2に設けられたスロットル開度を調整するスロットルアクチュエータ12を制御するように構成され、さらに、急加速時や低摩擦係数路面走行時の車輪スリップを抑制するように少なくともスロットル開度を制御するトラクション制御装置13が設けられている。
【0028】
このトラクション制御装置13は、前述したアンチロックブレーキ制御装置9の推定車体速度演算部9aから出力される自車速VS 及び各車輪速センサ10FL〜10RRの車輪速VWFL 〜VWRR に基づいて車輪スリップ率を算出し、これが目標スリップ率に一致させるようにスロットル開度を制御して加速時の車輪スリップを防止するように構成され、トラクション制御中であるときに論理値“1”、非制御中であるときに論理値“0”となる制御状態信号TRを出力する。
【0029】
一方、車両の前方側の車体下部には、先行車両との間の車間距離を検出する車間距離検出手段としてのレーザ光を掃射して先行車両からの反射光を受光するレーダ方式の構成を有する車間距離センサ14が設けられている。
そして、車間距離センサ14から出力される検出信号と、アンチロックブレーキ制御装置9から出力される自車速Vs及び制御状態信号ABと、トラクション制御装置13から出力される制御状態信号TRとが追従制御用コントローラ20に入力され、この追従制御用コントローラ20によって、先行車両を捕捉しているときに車間距離を目標車間距離に制御し、先行車両を捕捉していないときに自車速VS を運転者が設定した設定車速VSET に制御する制動圧指令値PBC及びスロットル開度指令値θR を制動制御装置8及びエンジン出力制御装置11に出力する。
【0030】
この追従制御用コントローラ20は、マイクロコンピュータとその周辺機器を備え、マイクロコンピュータのソフトウェア形態により、図2に示す制御ブロックを構成している。
この制御ブロックは、車間距離センサ14でレーザー光を掃射してから先行車の反射光を受光するまでの時間を計測し、先行車との車間距離Lを演算する測距信号処理部21と、測距信号処理部21で演算された車間距離L及びアンチロックブレーキ制御装置9の推定車体速度演算部9から読込んだ自車速VS に基づいて車間距離Lを目標車間距離L* に維持する目標車速V* を演算する車間距離制御手段としての車間距離制御部40と、この車間距離制御部40で演算した目標車速V* に基づいて目標駆動軸トルクT* を演算する車速制御部50と、この車速制御部50で演算した目標駆動軸トルクT* に基づいてスロットルアクチュエータ12及びブレーキアクチュエータ7に対するスロットル開度指令値θR 及び制動圧指令値PBCを演算し、これらをスロットルアクチュエータ12及びブレーキアクチュエータ7に出力する駆動輪軸トルク制御部60とを備えている。
【0031】
車間距離制御部40は、推定車速速度演算部9aから入力される自車速VS に基づいて先行車と自車との間の目標車間距離L* を算出する目標車間距離設定部42と、この目標車間距離設定部42で算出された目標車間距離L* と、測距信号処理部21から入力される車間距離Lと、自車速VS とに基づいて車間距離Lを目標車間距離L* に一致させるための目標車速V* を演算する車間距離制御演算部43とを備えている。
【0032】
ここで、目標車間距離設定部42は、自車速VS と自車が現在の先行車の後方L0 [m]の位置に到達するまでの時間T0 (車間時間)とから下記(1)式に従って先行車と自車との間の目標車間距離L* を算出する。
* =VS ×T0 +LS …………(1)
この車間時間という概念を取り入れることにより、車速が速くなるほど、車間距離が大きくなるように設定される。なお、LS は停止時車間距離である。
【0033】
また、車間距離制御演算部43は、車間距離L、目標車間距離L* 及び自車速VS に基づいて、車間距離Lをその目標値L* に保ちながら追従走行するための目標車速V* を演算する。
すなわち、今、車速制御系は、目標車速V* に対する自車速VS の応答が時定数τV (1/ω)の1次遅れ系で近似できるものとすると、車間距離制御系は、例えば図3に示す構成となり、このときの目標車間距離L* から実車間距離Lまでの伝達特性は下記(2)式で表すことができる。
【0034】
【数1】
Figure 0003885420
【0035】
但し、sはラプラス演算子、VT は先行車車速、KV は相対速度ゲイン、KL は車間距離ゲインである。
この(2)式から相対速度ゲインKV 及び車間距離ゲインKL を適切な値に設定することで、極を変えることができ、追従応答性を所望の特性とすることができる。
【0036】
具体的は、図3のブロック線図に示すように、目標車間距離L* と実車間距離Lとの偏差(L* −L)に距離制御ゲインKL を乗じた値を、相対速度を表す車間距離Lの微分値L′に相対速度ゲインKV を乗じた値から減算し、この減算値と微分値L′と自車速VS との加算値とを加算して、下記(3)式に示すように目標車速VL * を算出する。
【0037】
L * =KL (L* −L)+KV ・L′+L′+VS …………(3)
車速制御部50は、追従制御状態であるときには、車間距離センサ14で先行車両を捕捉しているときには車間距離制御部40から入力される目標車速VL * と運転者が設定した設定車速VSET との何れか小さい値を目標車速V* として設定し、先行車両を捕捉していないときには設定車速VSET を目標車速V* として設定する目標車速設定部51と、この目標車速設定部51で設定された目標車速V* に自車速VS を一致させるための駆動軸トルクTW を演算する追従制御用駆動軸トルク演算部52と、運転者の操作によるスロットル操作量θM 及びブレーキ操作量PM から駆動軸トルクTDRを推定する通常制御用駆動軸トルク演算部53と、追従制御中であるときには駆動軸トルク演算部52で演算された駆動軸トルクTW を選択し、追従制御が解除された通常制御中であるときには通常制御用駆動軸トルク演算部53で演算された駆動軸トルクTDRを選択する駆動軸トルク選択部54と、走行抵抗の駆動トルク換算値TDHを算出する走行抵抗推定部55と、駆動トルク選択部54で選択された駆動トルクから走行抵抗推定部55で算出された走行抵抗の駆動トルク換算値TDHを減算して目標駆動軸トルクTW * を演算する減算器56とを備えている。
【0038】
ここで、追従制御用駆動軸トルク演算部52は、図4のブロック線図に示すように、目標車速V* と自車速VS の偏差(V* −VS )に速度制御ゲインKSPを乗算して駆動軸トルクTW を演算するように構成されている。
また、通常制御用駆動軸トルク演算部53は、スロットル開度操作量θM とエンジン回転数NE とから図6に示すエンジンマップを参照してエンジントルクTE を算出し、次いで下記(4)式の演算を行って運転者のスロットル操作による駆動軸トルクTTHを算出する。
【0039】
TH=RT ATDEF {TE −JE (dNE /dt)} …………(4)
但し、RT はトルクコンバータのトルク増幅率、RATは自動変速機ギヤ比、RDEF はディファレンシャルギヤ比、JE はエンジンイナーシャである。ここで、自動変速機ギヤ比RATは変速レンジがDレンジであるときに正の値、Rレンジであるときに負の値、Nレンジであるときに“0”に設定される。
【0040】
また、運転者のブレーキ操作による駆動軸トルクTBRは、下記(5)式の演算を行うことにより求めることができる。
BR=8AB B μB M …………(5)
但し、AB はブレーキシリンダ面積、RB はロータ有効半径、μB とパッド摩擦係数、PM はマスタシリンダ圧である。
【0041】
したがって、運転者の操作による駆動軸トルク推定値TDRは下記(6)で算出することができる。
DR=TTH−TBR …………(6)
さらに、走行抵抗推定部55は、図7に示す走行抵抗推定処理を実行することにより、走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHを算出する。
【0042】
この走行抵抗推定処理は、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS1で、自車速VS が比較的低速側の所定値VK を越えているか否かを判定し、VS >VK であるときにはステップS2に移行して、車両停止状態であるか否かを表す制御フラグFSを車両走行状態を表す“0”にセットしてからステップS3に移行する。
【0043】
このステップS3では、アンチロックブレーキ制御装置9から入力される制御状態信号ABが論理値“1”であるか否かを判定し、これが論理値“0”であるときにはアンチロックブレーキ制御装置9が非作動状態であると判断してステップS4に移行して、アンチロックブレーキ制御装置9の作動経過時間をカウントするカウント値tABを“0”にクリアしてからステップS5に移行する。
【0044】
このステップS5では、トラクション制御装置13から入力される制御状態信号TRが論理値“1”であるか否かを判定し、これが論理値“0”であるときにはトラクション制御装置13が非作動状態であると判断してステップS6に移行して、トラクション制御装置13の作動経過時間をカウントするカウント値tTRを“0”にクリアしてからステップS7に移行する。
【0045】
このステップS7では、減算器56で算出された目標駆動軸トルクTW * と自車速VS とに基づいて下記(7)式の演算を行うことにより、走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHを算出し、これを所定記憶領域に更新記憶し、次いでステップS8に移行して記憶領域に記憶されている駆動軸トルク換算値TDHを減算器56に出力してからタイマ割込処理を終了する。
【0046】
DH=H(s) (RW V sVS −TW * ) …………(7)
但し、H(s) はフィルタ、RW はタイヤ半径、MV は車重、sはラプラス演算子である。
一方、前記ステップS1の判定結果が、VS ≦VK であるときには、低速走行状態であると判断してステップS9に移行し、自車速VS が“0”であるか否かを判定し、VS =0であるときには停止状態であると判断してステップS10に移行し、制御フラグFSを停止状態を表す“1”にセットしてから前記ステップS8に移行し、VS >0であるときには低速走行中であると判断してステップS11に移行し、制御フラグFSが“1”にセットされているか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときには前記ステップS3に移行し、“1”にセットされているときには前記ステップS8に移行する。
【0047】
また、ステップS3の判定結果が、制御状態信号ABが論理値“1”であるときにはアンチロックブレーキ制御装置9が作動中であると判断してステップS12に移行し、アンチロックブレーキ制御装置9が作動開始してからの経過時間を表す現在のカウント値tABに“1”を加算した値を新たなカウント値tABとしてからステップS13に移行し、カウント値tABが所定経過時間に対応する設定値tS 以上となったか否かを判定し、tAB≧tS であるときにはステップS14に移行して、記憶領域に記憶されている現在の走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHを“0”にクリアしてから前記ステップS8に移行し、tAB<tS であるときにはそのまま前記ステップS8に移行する。
【0048】
さらに、ステップS5の判定結果が、制御状態信号TRが論理値“1”であるときにはトラクション制御装置13が作動中であると判断してステップS15に移行し、トラクション制御装置13が作動開始してからの経過時間を表す現在のカウント値tTRに“1”を加算した値を新たなカウント値tTRとしてからステップS16に移行し、カウント値tTRが所定経過時間に対応する設定値tS 以上となったか否かを判定し、tTR≧tS であるときには前記ステップS14に移行し、tAB<tS であるときにはそのまま前記ステップS8に移行する。
【0049】
この走行抵抗の駆動トルク換算値TDHを駆動軸トルク選択部54で選択されたる駆動軸トルクTS にフィードバックすることにより、路面勾配や空気抵抗及び転がり抵抗等の影響を排除することができる。
この走行抵抗推定によって、追従制御系への外乱が排除されたとすると、目標車速V* から自車速VS までの伝達特性は下記(8)式で表される。
【0050】
S =(KSP/MV )V* /(s+KSP/MV ) …………(8)
この(8)式から、車速制御ゲインKSPを適当な値に設定することで、車速制御系の応答特性を所望の特性に一致させることができる。
また、駆動軸トルク制御部60は、車速制御部50で演算された目標駆動軸トルクTW * を実現するための目標スロットル開度θ* 及び目標制動圧PB * を演算する。具体的には、トルクコンバータのトルク増幅率をRT 、自動変速機ギヤ比をRAT、ディファレンシャルギヤ比をRDEF 、エンジンイナーシャをJE 、エンジン回転数をNE 、ブレーキトルクをTBRとすると、駆動軸トルクTW とエンジントルクTE との関係は、下記(9)式で表すことができる。
【0051】
W =RT ATDEF {TE −JE (dNE /dt)}−TBR ……(9)
したがって、目標駆動トルクT* に対して、下記(8)式で目標エンジントルク指令値TE * を算出し、このエンジントルクTE * を発生させる目標スロットル開度θ* を図6に示すエンジンマップを参照して算出する。
E * =JE (dNE /dt)+T* /RT ATDEF …………(10)
ここで、目標スロットル開度θ* が零以上の正の値であれば、ブレーキアクチュエータ7を使用することなくエンジントルクのみで目標駆動軸トルクT* 通りのトルクを実現できる。一方、目標スロットル開度θ* が零以下の負の値となれば、スロットル開度を零とし、このときエンジンによって出力される駆動軸トルクを考慮し駆動軸トルクを目標値に一致させるためのブレーキ操作量を演算する。
【0052】
以上により、目標エンジントルクTE * と、目標ブレーキトルクTBR * の分配制御則は以下のようになる。
(A)目標スロットル開度θ* >0のとき
B * =0 …………(11)
W =RT ATDEF {TE −JE (dNE /dt)} …………(12)
したがって、目標駆動軸トルクTW * に対して次式のエンジントルクを発生させればよく、前記(9)式からブレーキ操作量は零となる。
【0053】
E =JE (dNE /dt)+TW * /RT ATDEF …………(13)
(B)目標スロットル開度θ* =0のとき
スロットル開度が零のときのエンジントルクをTEOとすると、前記(9)式は、下記(14)式となる。
W =RT ATDEF {TE0−JE (dNE /dt)}−TBR……(14)
したがって、目標駆動軸トルクTW * に対して次式のブレーキトルクを発生させればよい。
【0054】
BR=−TW * +RT ATDEF {TE0−JE (dNE /dt)}(15)
ここで、ブレーキシリンダ面積をAB 、ロータ有効半径をRB 、パッド摩擦係数をμB とすると、目標ブレーキトルクTB * に対して、ブレーキ操作量である目標制動圧PB * は、下記(16)式で表すことができる。
B * =TB * /8AB B μB …………(16)
したがって、図5に示すように、目標駆動軸トルクTW * を目標エンジントルク演算部61に供給して前記(10)式に従って演算を行って目標エンジントルクTE * を演算し、この目標エンジントルクTE * をスロットル開度演算部62に供給して、図8に示すエンジン回転数をパラメータとして目標エンジントルクTE * と目標スロットル開度θ* との関係を表すエンジンマップを参照して目標スロットル開度θ* を算出し、この目標スロットル開度θ* をリミッタ63に供給して、スロットル開度零から最大値までの値に制限し、これをスロットル開度指令値θR としてエンジン出力制御装置11に出力する。
【0055】
一方、エンジンブレーキトルク補正部64で、エンジン回転数NE をもとに図9に示すエンジンマップを参照してスロットル開度が零のときのエンジントルクTE0を算出し、次いでこのエンジントルクTE0をもとに前記(15)式の右辺第2項の演算を行って、エンジンブレーキトルクTEBを算出し、これを減算器65に供給することにより、エンジンブレーキトルクTEBから目標駆動軸トルクTW * を減算して目標ブレーキトルクTB * を算出し、これを制動力演算部66に供給して、前記(16)式の演算を行うことにより目標制動圧PB * を算出し、これをリミッタ67に供給して、制動圧零からブレーキアクチュエータ7で出力し得る最大制動圧の範囲に制限し、これを制動圧指令値PBCとして制動制御装置8に出力する。
【0056】
なお、上述した車速制御部50及び駆動軸トルク制御部60で制駆動力制御手段を構成している。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、例えば図示しないセットスイッチがオン状態となって、追従制御が開始されているものとすると、車速制御部50の駆動トルク選択部54で追従制御用駆動軸トルク演算部52で演算される駆動軸トルクTW が選択され、車間距離センサ14で先行車両を捕捉しているものとすると、目標車速設定部51で車間距離演算部40で演算された目標車速VL * が選択されて追従制御用駆動軸トルク演算部52に供給される。
【0057】
したがって、車両が市街地の平坦な路面を先行車を捕捉した状態で適正な目標車間距離を維持して追従走行しているものとする。この状態では、先行車が定速走行していると、車間距離センサ14で検出される車間距離Lが目標車間距離L* を維持することにより、車間距離演算部40で算出される目標車速V* が自車速VS と略等しくなり、車速制御部50で目標車速V* と自車速VS との偏差に応じた自車速VS を維持する目標駆動軸トルクTW * が算出され、これが駆動軸トルク制御部60に出力されることにより、目標エンジン演算部61でエンジントルクTERが算出され、これに応じてスロットル開度演算部62で正(θ* >0)の目標スロットル開度θ* が算出され、これがリミッタ63で制限されてスロットル開度指令値θR としてエンジン出力制御装置11に出力されることにより、スロットルアクチュエータ12でスロットル開度が適正値に制御されて、目標車間距離L* を維持した定速走行状態を継続する。
【0058】
このとき、スロットル開度指令値θR が正の値であるので、目標制動圧TBR * が“0”となって、制動圧指令値PBCも“0”となって、これが制動制御装置8に出力され、ブレーキアクチュエータ7が非制動状態に制御される。
この平坦路での定速走行状態では、アンチロックブレーキ制御装置9及びトラクション制御装置13が共に非作動状態であり、自車速VS が所定値VK 以上であるので、走行抵抗推定部55で図8の処理が実行されたときに、ステップS1からステップS2に移行して、制御フラグFSが“0”にリセットされ、次いでステップS4でカウント値tABが“0”にクリアされると共に、ステップS6でカウント値tTRが“0”にクリアされてからステップS7に移行し、車速制御部50における減算器56で算出された目標駆動軸トルクTW * と、自車速VS の微分値に車重MV を乗じた駆動トルクとの偏差が空気抵抗及び転がり抵抗に応じた値となり、前述した(7)式で算出される走行抵抗の駆動軸トルク換算値THDが空気抵抗及び転がり抵抗に応じた値となり、これが減算器56に出力されて、追従制御用駆動軸トルク演算部52で算出された目標車速VL * に自車速VS を一致させるための駆動軸トルクTW にフィードバックされることにより、車両走行時の外乱を排除した車速制御を行うことができる。
【0059】
この状態から、赤信号等によって先行車が例えば制動操作によって減速すると、車間距離センサ14で検出する車間距離Lが短くなることにより、車間距離演算部40で算出される目標車速V* が自車速VS より小さい値となり、車速制御部50で算出される目標駆動軸トルクTW * が負の値となる。
このため、駆動軸トルク演算部60における目標エンジントルク演算部61で演算される目標エンジントルクTE * も負の値となることにより、図8のエンジンマップを参照して算出される目標スロットル開度θ* も負となるが、リミッタ63によって目標スロットル開度θ* が“0”に制限され、スロットルアクチュエータ12によってスロットル開度が“0”に制御される。
【0060】
一方、目標駆動軸トルクTW * が負となることにより、これとエンジンブレーキトルク補正部64で算出されたエンジンブレーキトルクTEBとが加算されて目標ブレーキトルクTB * が正の値となり、これに応じて制動力演算部66で算出される目標制動圧PB * が先行車両の減速度に応じた値となり、これが制動圧指令値PBCとして制動制御装置8に出力されることにより、自車両も減速制御される。
【0061】
この減速制御中に、自車速VS が所定値VK 以下となると、図7の処理においいてステップS1からステップS9に移行するが、走行中であるので、ステップS11に移行し、制御フラグFSが“0”にリセットされているので、ステップS3に移行する。
このとき、低摩擦係数路面を走行する状態となって、アンチロックブレーキ制御装置9が作動状態となり、制御状態信号ABが論理値“1”となると、ステップS3からステップS12に移行して、カウント値tABがインクリメントされるがアンチロックブレーキ制御装置9が作動状態となったばかりであるので、所定値tS 未満であるので、ステップS8に移行することにより、ステップS7における走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHの演算が行われず、ステップS8で前回の処理時に記憶領域に記憶された走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHがそのまま減算器56に出力される。したがって、走行抵抗の駆動軸トルク換算値の演算が中断される。
【0062】
その後、カウント値tABのインクリメントが継続され、これが所定値tS に達する前に、自車速VS が停止間際となってアンチロックブレーキ制御装置9が非作動状態に復帰すると、制御状態信号ABが論理値“0”となることから図7の処理において、ステップS3からステップS4に移行して、カウント値tABが“0”にクリアされ、トラクション制御装置13が非作動状態を維持していると、ステップS7に移行して、(7)式に従った走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHの演算が再開され、これが減算器56に出力される。
【0063】
その後、車両が停止すると、ステップS9からステップS10に移行するので、制御状態フラグFSが“1”にセットされてから直接ステップS8に移行することにより、走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHの演算が中断される。
この停止状態から、先行車両が青信号によって発進すると、これに追従して自車両も発進するが、このときの自車速VS が所定値VK 未満であるので、ステップS9からステップS11に移行し、制御フラグFSが“1”にセットされたままであるので、そのままステップS8に移行して、走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHの演算が中断された状態を維持する。このため、自車両の発進時に、上り坂で後退した場合でも、これが走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHの演算に影響を与えることはない。
【0064】
その後、車両が前進して自車速VS が所定値VK を越える状態となると、図7の処理において、ステップS1からステップS2に移行して、制御フラグFSが“0”にリセットされてからステップS3に移行し、アンチロックブレーキ制御装置9及びトラクション制御装置13が非作動状態であるときに、ステップS7に移行して、走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHの演算が再開される。
【0065】
その後、先行車両がさらに加速し、これに追従して自車両が加速したときに、例えば低摩擦係数路面を走行しているか駆動力が大きすぎて、駆動輪1RL,1RRがスリップすることにより、トラクション制御装置13が作動状態となると、図7の処理において、ステップS5からステップS15に移行し、カウント値tTRがインクリメントされて走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHの演算が中断され、その後、トラクション制御装置13が非作動状態となると、図7の処理において、ステップS5からステップS6に移行して、カウント値tTRが“0”にクリアされてからステップS7に移行して、走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHの演算が再開される。
【0066】
また、アンチロックブレーキ制御装置9又はトラクション制御装置13が作動状態となってからの経過時間が長くなり、カウント値tAB又はtTRが所定値tS 以上となると、図7の処理において、ステップS13又はステップS16からステップS14に移行して、所定記憶領域に記憶されている作動開始直前の走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHが“0”にクリアされる。
【0067】
このため、走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHの演算が中断されている間に路面勾配等が変化することにより、走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHの推定誤差が大きくなることを抑制することができる。
さらに、自車両が上り坂又は下り坂の勾配路面を走行する状態となると、ステップS7で勾配抵抗分が付加されることになり、上り坂を走行しているときには、平坦路に比較して走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHが小さくなり、逆に下り坂を走行しているときには平坦路に比較して走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHが大きくなる。
【0068】
一方、上記追従制御状態から、運転者がブレーキペダルやアクセルペダルを踏込むか又はキャンセルスイッチを操作するか、さらにはセレクトレバーでDレンジ以外のレンジを選択することにより、追従制御が解除されて通常制御状態に遷移すると、車速制御部50の駆動トルク選択部54で通常制御用駆動トルク演算部53で演算された運転者のスロットル操作やブレーキ操作に基づく通常制御用駆動トルクTDRが選択されることにより、これと自車速VS とに基づいて(7)式の演算が行われることにより、走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHが算出され、これが減算器56に出力されることにより、通常走行状態で、走行抵抗の影響を除去した車速制御を行うことができる。
【0069】
このとき、通常制御用駆動トルク演算部53で、自動変速機ギヤ比RATがセレクトレバーで選択されたDレンジ、Nレンジ、Rレンジ等に応じた値に設定されるので、走行抵抗推定部55で選択された制御レンジに応じた正確な走行抵抗の駆動軸トルク換算値TDHを推定することができる。
なお、上記実施形態においては、本発明を追従制御装置に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、目標車速に自車速を一致させる任意の車速制御に本発明を適用し得るものである。
【0070】
また、上記実施形態においては、走行抵抗推定部55でソフトウェア処理で走行抵抗の駆動軸トルク換算値THDを算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、比較器、カウンタ、演算器等の電子回路を組み合わせたハードウェアによって演算処理を行うようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、エンジン2の出力側に自動変速機3を設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、無段変速機を適用することもできる。
【0071】
さらにまた、上記実施形態においては、ディスクブレーキで構成されるブレーキアクチュエータ7の制動圧を制御することにより制動力を発生させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、制動装置のアクチュエータとして電動モータを適用する場合には、これに対する電気的出力を制御し、電気自動車のように電動モータで回生制動力を発生させる場合にも本発明を適用し得る。
【0072】
なおさらに、上記実施形態においては、後輪駆動車に本発明を適用した場合について説明したが、前輪駆動車に本発明を適用することもでき、また回転駆動源としてエンジン2を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動モータを適用することもでき、さらには、エンジンと電動モータとを使用するハイブリッド車にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の追従制御用コントローラの具体的構成を示すブロック図である。
【図3】図2の車間距離制御部の具体例を示すブロック線図である。
【図4】図2の車速制御部の具体例を示すブロック線図である。
【図5】図2の駆動軸トルク制御制御部の具体例を示すブロック線図である。
【図6】エンジントルクからスロットル開度を求めるためのエンジンマップの一例を示す特性線図である。
【図7】走行抵抗推定部の走行抵抗推定処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】スロットル開度からエンジントルクを求めるためのエンジンマップの一例を示す特性線図である。
【図9】スロットル開度が零であるときのエンジン回転数からエンジントルクを求めるための特性線図である。
【符号の説明】
2 エンジン
3 自動変速機
7 ブレーキアクチュエータ
8 制動制御装置
9 アンチロックブレーキ制御装置
10FL〜10RR 車輪速センサ
11 エンジン出力制御装置
12 スロットルアクチュエータ
13 トラクション制御装置
14 車間距離センサ
20 追従制御用コントローラ
40 車間距離制御部
50 車速制御部
55 走行抵抗推定部

Claims (6)

  1. 自車両の車速を検出する車速検出手段と、該車速検出手段で検出した車速を目標車速に一致させるように駆動力及び制動力の何れかを制御する制駆動力制御手段とを備えた車両用走行制御装置において、前記制駆動力制御手段は、制駆動力の制御量と車速検出手段で検出した車速とに基づいて走行抵抗推定値を演算する走行抵抗推定値演算手段を備え、該走行抵抗推定値演算手段は、自車両が停止したときに走行抵抗推定値の演算を中断し、所定走行状態となったときに走行抵抗推定値の演算を再開するように構成されていることを特徴とする車両用走行制御装置。
  2. 前記所定走行状態は、自車速が所定値以上であるとき及び走行時間が所定値以上となったときの何れかであることを特徴とする請求項1記載の車両用走行制御装置。
  3. 自車速の車速を検出する車速検出手段と、該車速検出手段で検出した車速を目標車速に一致させるように駆動力及び制動力の何れかを制御する制駆動力制御手段とを備えた車両用走行制御装置において、車両の走行状況に応じて制駆動力を抑制制御する走行状況制御手段の作動状態を検出する走行状況制御状態検出手段を備え、前記制駆動力制御手段は、制駆動力の制御量と車速検出手段で検出した自車速とに基づいて走行抵抗推定値を演算する走行抵抗推定値演算手段を備え、該走行抵抗推定値演算手段は、前記走行状況制御状態検出手段で走行状況制御手段作動状態となったことを検出したときに走行抵抗推定値の演算を中断し、当該走行状況制御手段が非作動状態となったときに走行抵抗推定値の演算を再開するように構成されていることを特徴とする車両用走行制御装置。
  4. 前記走行抵抗推定値演算手段は、走行状況制御手段の作動時間が所定値以下である場合には当該走行状況制御手段が作動開始する直前の走行抵抗推定値を保持し、前記所定値を越える場合には走行抵抗推定値をクリアするように構成されていることを特徴とする請求項3記載の車両用走行制御装置。
  5. 前記走行状況制御手段は、アンチロックブレーキ制御手段及びトラクション制御手段の何れかであることを特徴とする請求項3又は4に記載の車両用走行制御装置。
  6. 前記走行抵抗推定値演算手段は、自動変速機の変速レンジに応じて走行抵抗の演算方法を変更するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の車両用走行制御装置。
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