しかしながら、上述の装置には次の難点があった。
すなわち、上述の装置では、被験者の体重とベッドの重量との合計荷重の変動に基づいて被験者の生体情報が計測されるため、被験者の様々な生体活動のうち僅かな荷重変化しか伴わない生体情報である呼吸情報や心拍情報については、精度良く計測することが困難であった。
また、上述の装置では、測定精度の安定化を図るために、ベッド全体の剛性を高めなければならず、その結果、ベッドの重量が重くなったりベッドの製造コストが高くなるという難点があった。
また、上述の装置では、測定精度の向上のために、ロードセルの荷重受け部とベッドの脚部の下端との間にボールやころを介在させる必要がある。そのため、ベッドの設置時に厳格なアライメント作業(芯出し作業)を行わなければならず、ベッドの設置作業が困難であるという難点があった。
また、上述の装置では、ロードセルは、ベッドの脚部の下端に取り付けられてベッドを設置した床面上に載置されていることから、ベッドの周囲を人が歩行することにより生じる床面の振動がノイズ振動としてロードセルに直接的に伝達されてしまい、その結果、計測精度が低下するという難点があった。
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、被験者の様々な生体情報のうち特に呼吸情報や心拍情報等を精度良く計測することができ、更に、ベッドの設置作業を容易に行うことができる生体情報計測装置、該装置に用いられるベッド、前記装置を用いた生体情報計測方法、及び生体活動監視システムを提供することにある。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] 被験者が横臥するためのベッドを備え、前記ベッドの、被験者を受ける寝床面を構成する寝床面構成部材の一部に、歪みゲージが取り付けられ、被験者の生体活動により生じる前記寝床面構成部材の振動が、前記歪みゲージにより検出されるものとなされるとともに、前記歪みゲージからの出力信号に基づいて被験者の生体情報が計測されるものとなされていることを特徴とする生体情報計測装置。
[2] 前記歪みゲージが、前記寝床面構成部材の、被験者の胸部を含む胸周辺部に対応する部位に取り付けられている前項1記載の生体情報計測装置。
[3] 前記歪みゲージが、前記寝床面構成部材の上下両面の互いに対向する位置に、二対以上取り付けられており、前記二対以上の歪みゲージが電気的に接続されて形成されたブリッジ回路からの出力信号に基づいて被験者の生体情報が計測されるものとなされている前項1又は2記載の生体情報計測装置。
[4] 前記寝床面構成部材は、その長さ方向に複数個に分割されており、前記歪みゲージが、前記寝床面構成部材の、被験者の上半身を受ける上半身受け体に取り付けられている前項1〜3のいずれか1項記載の生体情報計測装置。
[5] 前記ベッドは、前記上半身受け体を支持する支持部材を有し、前記上半身受け体の少なくとも一部が前記支持部材に片持ち梁状に支持され、前記歪みゲージが前記上半身受け体の片持ち梁部に取り付けられている前項4記載の生体情報計測装置。
[6] 更に、前記歪みゲージからの出力信号に基づいて被験者の生体情報を演算する演算手段と、前記演算手段により演算された生体情報を表示する表示手段とを備えている前項1〜5のいずれか1項記載の生体情報計測装置。
[7] 更に、前記演算手段により演算された生体情報を送信する通信手段を備えている前項6記載の生体情報計測装置。
[8] 更に、前記演算手段により演算された生体情報に基づいて警報を発する警報手段を備えている前項6又は7記載の生体情報計測装置。
[9] 被験者の生体情報を計測する装置に用いられる、被験者が横臥するためのベッドであって、前記ベッドの、被験者を受ける寝床面を構成する寝床面構成部材の一部に、歪みゲージが取り付けられ、被験者の生体活動により生じる前記寝床面構成部材の振動が、前記歪みゲージにより検出されるものとなされるとともに、前記歪みゲージからの出力信号は、被験者の生体情報の計測に用いられるものであることを特徴とする生体情報計測装置用ベッド。
[10] 前記歪みゲージが、前記寝床面構成部材の、被験者の胸部を含む胸周辺部に対応する部位に取り付けられている前項9記載の生体情報計測装置用ベッド。
[11] 前記歪みゲージが、前記寝床面構成部材の上下両面の互いに対向する位置に、二対以上取り付けられており、前記二対以上の歪みゲージが電気的に接続されることによりブリッジ回路が形成され、前記ブリッジ回路からの出力信号が、被験者の生体情報の計測に用いられるものである前項9又は10記載の生体情報計測装置用ベッド。
[12] 前記寝床面構成部材は、その長さ方向に複数個に分割されており、前記歪みゲージが、前記寝床面構成部材の、被験者の上半身を受ける上半身受け体に取り付けられている前項9〜11のいずれか1項記載の生体情報計測装置用ベッド。
[13] 前記ベッドは、前記上半身受け体を支持する支持部材を有し、前記上半身受け体の少なくとも一部が前記支持部材に片持ち梁状に支持され、前記歪みゲージが前記上半身受け体の片持ち梁部に取り付けられている前項12記載の生体情報計測装置用ベッド。
[14] 前記ベッドは、前記上半身受け体を支持する支持部材として、前記上半身受け体の左右方向中間部に配置され且つ前記上半身受け体の長さ方向に延びた中央支持フレームを有し、前記上半身受け体は、その左右方向中間部で前記中央支持フレームに支持されるとともに、該上半身受け体の左右両端がそれぞれ自由端とされ、前記歪みゲージが、前記上半身受け体の前記中央支持フレームによる支持位置に対して左側に位置する左半部と右側に位置する右半部とに、それぞれ取り付けられている前項12記載の生体情報計測装置用ベッド。
[15] 前記ベッドは、前記上半身受け体を支持する支持部材として、前記上半身受け体の左右方向両側部に配置され且つ前記上半身受け体の長さ方向に延びた左右一対の左サイド支持フレーム及び右サイド支持フレームを有し、前記上半身受け体は、その左右方向中間部で左半片と右半片とに分割されており、前記左半片の少なくとも一部は、その左端部で前記左サイド支持フレームに片持ち梁状に支持され、前記右半片の少なくとも一部は、その右端部で前記右サイド支持フレームに片持ち梁状に支持され、前記歪みゲージが前記左右両半片の片持ち梁部にそれぞれ取り付けられている前項12記載の生体情報計測装置用ベッド。
[16] 前記ベッドは、前記上半身受け体を支持する支持部材として、前記上半身受け体の左右方向中間部に配置され且つ前記上半身受け体の長さ方向に延びた中央支持フレームを有し、前記上半身受け体は、その長さ方向に複数個に分割されており、前記上半身受け体の、被験者の胸部を含む胸周辺部に対応する位置に配置され前記胸周辺部を受ける胸部受け片が、その左右方向中間部で左半片と右半片とに分割されており、前記左半片は、その右端部で前記中央支持フレームに片持ち梁状に支持され、前記右半片は、その左端部で前記中央支持フレームに片持ち梁状に支持され、前記歪みゲージが前記左右両半片にそれぞれ取り付けられている前項12記載の生体情報計測装置用ベッド。
[17] 前記ベッドは、前記上半身受け体を支持する支持部材として、前記上半身受け体の左右方向両側部に配置され且つ前記上半身受け体の長さ方向に延びた左右一対の左サイド支持フレーム及び右サイド支持フレームを有し、前記上半身受け体は、その長さ方向に並んで配置され且つその左右方向に延びた複数個の横桟から形成されており、前記複数個の横桟のうち二個の第1横桟及び第2横桟において、前記第1横桟は、その左端部で前記左サイド支持フレームに片持ち梁状に支持され、前記第2横桟は、その右端部で前記右サイド支持フレームに片持ち梁状に支持され、前記歪みゲージが前記第1横桟及び前記第2横桟にそれぞれ取り付けられている前項12記載の生体情報計測装置用ベッド。
[18] 前記ベッドは、前記上半身受け体を支持する支持部材として、前記上半身受け体の左右方向両側部に配置され且つ前記上半身受け体の長さ方向に延びた左右一対の左サイド支持フレーム及び右サイド支持フレームを有し、前記上半身受け体は、その長さ方向に並んで配置され且つその左右方向に延びた複数個の横桟から形成されており、前記複数個の横桟のうち少なくとも一個の横桟は、該横桟の左右方向中間部に配置される中間片と、該横桟の左右両端部に配置され且つ前記中間片を前記左右両サイド支持フレームに連結する左右一対の左連結片及び右連結片とから形成されており、前記左連結片は、その左端部で前記左サイド支持フレームに支持されるとともに、該左連結片の右端部が前記中間片の左端部に連結され、前記右連結片は、その右端部で前記右サイド支持フレームに支持されるとともに、該右連結片の左端部が前記中間片の右端部に連結され、前記歪みゲージが前記左右両連結片の左右方向中間部にぞれぞれ取り付けられている前項12記載の生体情報計測装置用ベッド。
[19] 前記中間片は中空材からなる前項18記載の生体情報計測装置用ベッド。
[20] 前記ベッドは、前記上半身受け体を支持する支持部材として、前記上半身受け体の左右方向両側部に配置され且つ前記上半身受け体の長さ方向に延びた左右一対の左サイド支持フレーム及び右サイド支持フレームを有し、前記上半身受け体は、その長さ方向に複数個に分割されており、前記上半身受け体の、被験者の胸部を含む胸周辺部に対応する位置に配置され前記胸周辺部を受ける胸部受け片は、該胸部受け片の下側に配置され且つ該胸部受け片の左右方向に延びた二個の第1横桟及び第2横桟を有し、前記第1横桟は、その左端部で前記左サイド支持フレームに片持ち梁状に支持され、前記第2横桟は、その右端部で前記右サイド支持フレームに片持ち梁状に支持され、前記胸部受け片は、その右端部で前記第1横桟の右端部に支持され且つその左端部で前記第2横桟の左端部に支持され、前記歪みゲージが前記第1横桟及び前記第2横桟にそれぞれ取り付けられている前項12記載の生体情報計測装置用ベッド。
[21] 被験者が横臥するためのベッドを用い、前記ベッドの寝床面を構成する寝床面構成部材上に横臥する被験者の生体活動により生じる前記寝床面構成部材の振動を、該寝床面構成部材の一部に取り付けられた歪みゲージにより検出し、前記歪みゲージからの出力信号に基づいて被験者の生体情報を計測することを特徴とする生体情報計測方法。
[22] 前記歪みゲージが、前記寝床面構成部材の、被験者の胸部を含む胸周辺部に対応する部位に取り付けられている前項21記載の生体情報計測方法。
[23] 前記歪みゲージが、前記寝床面構成部材の上下両面の互いに対向する位置に、二対以上取り付けられており、前記二対以上の歪みゲージが電気的に接続されて形成されたブリッジ回路からの出力信号に基づいて被験者の生体情報を計測する前項21又は22記載の生体情報計測方法。
[24] 前記寝床面構成部材は、その長さ方向に複数個に分割されており、前記歪みゲージが、前記寝床面構成部材の、被験者の上半身を受ける上半身受け体に取り付けられている前項21〜23のいずれか1項記載の生体情報計測方法。
[25] 前記ベッドは、前記上半身受け体を支持する支持部材を有し、前記上半身受け体の少なくとも一部が前記支持部材に片持ち梁状に支持され、前記歪みゲージが前記上半身受け体の片持ち梁部に取り付けられている前項24記載の生体情報計測方法。
[26] 前記歪みゲージからの出力信号に基づいて被験者の生体情報を演算手段により演算し、前記演算手段により演算された生体情報を表示手段により表示する前項21〜25のいずれか1項記載の生体情報計測方法。
[27] 前記演算手段により演算された生体情報を通信手段により送信する前項26記載の生体情報計測方法。
[28] 前記演算手段により演算された生体情報に基づいて警報を警報手段により発する前項26又は27記載の生体情報計測方法。
[29] 被験者が横臥するためのベッドを備え、前記ベッドの、被験者を受ける寝床面を構成する寝床面構成部材の一部には、被験者の生体活動により生じる前記寝床面構成部材の振動を検出する歪みゲージが取り付けられており、更に、前記歪みゲージからの出力信号に基づいて被験者の生体情報を演算する演算手段と、前記演算手段により演算された生体情報を送信する通信手段と、前記演算手段により演算された生体情報を表示する表示手段と、前記演算手段により演算された生体情報に基づいて警報を発する警報手段とを備えていることを特徴とする生体活動監視システム。
次に、上記各項の発明を以下に説明する。
[1]の発明に係る生体情報計測装置では、ベッドの寝床面構成部材の一部に歪みゲージが取り付けられているので、被験者の様々な生体活動のうち特に呼吸や心拍に起因する振動を確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を精度良く計測することができる。
さらに、ベッドの設置時に厳格なアライメント作業を行う必要がなくなり、そのためベッドの設置作業を容易に行うことができる。
さらに、仮にベッドの周囲を人が歩行した場合であっても、ベッドを設置した床面の振動による検出精度の低下を防止することができる。
さらに、振動伝達の時間差が殆どないので、生体情報の計測値の信頼性が向上する。
さらに、寝床面構成部材の、被験者の上半身を受ける上半身受け体を水平面に対して所定の角度に起こした状態でも、被験者の生体情報を計測することができる。
もとより、ベッドの剛性を高める必要がないので、ベッドの軽量化を図ることができる。
なお、本発明において、被験者の生体活動には、呼吸、心拍(拍動)、体動(例:寝返り)等が挙げられる。
また、ベッドとしては、被験者が睡眠するために用いられるベッドをはじめ、その他に、診察台、検査台、ストレッチャー等が挙げられる。
また、歪みゲージの寝床面構成部材への取付け手段としては、例えば、接着剤による貼付けや、カシメ、ネジ、リベット、溶接等の機械的接合手段が挙げられる。
また、本発明では、被験者の生体情報は、歪みゲージからの出力信号だけに基づいて計測されるものとなされていても良いことはもとより、歪みゲージからの出力信号と当該歪みゲージ以外のセンサからの信号とに基づいて計測されるものとなされていても良い。
[2]の発明では、歪みゲージが、寝床面構成部材の、被験者の胸部を含む胸周辺部に対応する部位に取り付けられているので、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
[3]の発明では、被験者の生体情報は、二対以上の歪みゲージが電気的に接続されて形成されたブリッジ回路からの出力信号に基づいて計測されるものとなされているので、寝床面構成部材の微細な振動を確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
[4]の発明では、歪みゲージが寝床面構成部材の上半身受け体に取り付けられているので、上記[2]の発明と同様に、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
[5]の発明では、上半身受け体の少なくとも一部が片持ち梁状に支持されることにより、上半身受け体の片持ち梁部が敏感に振動するようになる。そして、この片持ち梁部に歪みゲージが取り付けられることにより、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
[6]の発明では、生体情報計測装置は所定の演算手段と所定の表示手段を備えているので、被験者の生体情報を確実に演算することができるし、被験者の生体情報を確実に表示することができる。
[7]の発明では、生体情報計測装置は所定の通信手段を備えているので、被験者の生体情報を遠隔地で計測することができる。なお通信手段として、電話、インターネット、無線若しくは有線LAN等が挙げられる。
[8]の発明では、生体情報計測装置は所定の警報手段を備えているので、被験者の状態が想定している範囲外となった場合に看護師、介護者、監視者等に警報で知らせることができる。
[9]の発明に係るベッドでは、該ベッドを上記[1]の発明に係る生体情報計測装置用のベッドとして用いることにより、上記[1]の発明と同様の効果を奏する。
[10]の発明では、上記[2]の発明と同様の効果を奏する。
[11]の発明では、上記[3]の発明と同様の効果を奏する。
[12]の発明では、上記[4]の発明と同様の効果を奏する。
[13]の発明では、上記[5]の発明を同様の効果を奏する。
[14]の発明では、上半身受け体がその左右方向中間部で中央支持フレームに支持されるとともに、該上半身受け体の左右両端が自由端とされていることにより、上半身受け体の左半部と右半部とが中央支持フレームにそれぞれ片持ち梁状に支持されることとなる。その結果、上半身受け体の左半部と右半部がそれぞれ敏感に振動するようになる。そして、この左半部と右半部にそれぞれ歪みゲージが取り付けられることにより、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に計測することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
さらに、歪みゲージが上半身受け体の左半部と右半部にそれぞれ取り付けられているから、ベッド上における被験者の就寝位置等の横臥位置を検出することができる。
[15]の発明では、上半身受け体が左半片と右半片とに分割されている。そして、左半片の少なくとも一部がその左端部で左サイド支持フレームに片持ち梁状に支持されることにより、この左半片の片持ち梁部が敏感に振動するようになる。また、右半片の少なくとも一部がその右端部で右サイド支持フレームに片持ち梁状に支持されることにより、この右半片の片持ち梁部が敏感に振動するようになる。そして、左右両半片の片持ち梁部にそれぞれ歪みゲージが取り付けられることにより、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
さらに、歪みゲージが左右両半片の片持ち梁部にそれぞれ取り付けられているから、ベッド上における被験者の横臥位置を検出することができる。
[16]の発明では、上半身受け体の胸部受け片が左半片と右半片とに分割されている。そして、左半片がその右端部で中央支持フレームに片持ち梁状に支持されることにより、この左半片が敏感に振動するようになる。また、右半片がその左端部で中央支持フレームに片持ち梁状に支持されることにより、この右半片が敏感に振動するようになる。そして、左右両半片にそれぞれ歪みゲージが取り付けられることにより、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
さらに、歪みゲージが左右両半片にそれぞれ取り付けられているから、ベッド上における被験者の横臥位置を検出することができる。
[17]の発明では、上半身受け体の第1横桟がその左端部で左サイド支持フレームに片持ち梁状に支持されることにより、この第1横桟が敏感に振動するようになる。また、第2横桟がその右端部で右サイド支持フレームに片持ち梁状に支持されることにより、この第2横桟が敏感に振動するようになる。そして、第1横桟及び第2横桟に歪みゲージがそれぞれ取り付けられることにより、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
さらに、歪みゲージが第1横桟及び第2横桟にそれぞれ取り付けられているから、ベッド上における被験者の横臥位置を検出することができる。
[18]の発明では、上半身受け体の横桟は、所定の中間片と左連結片と右連結片とに分割されている。そして、左連結片がその左端部で左サイド支持フレームに支持されるとともに、該左連結片の右端部が中間片の左端部に連結され、更に、右連結片がその右端部で右サイド支持フレームに支持されるとともに、該右連結片の左端部が中間片の右端部に連結されている。そして、左右両連結片の左右方向中間部にそれぞれ歪みゲージが取り付けられることにより、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
さらに、歪みゲージが左右両連結片の左右方向中間部にそれぞれ取り付けられているから、ベッド上における被験者の横臥位置を検出することができる。
[19]の発明では、横桟の中間片が中空材からなることにより、中間片が敏感に振動するようになる。そのため、被験者の呼吸や心拍に起因する振動をより一層確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報をより一層精度良く計測することができる。また、ベッドの更なる軽量化を図ることができる。
[20]の発明では、上半身受け体の胸部受け片は、所定の二個の第1横桟及び第2横桟を有している。そして、第1横桟がその左端部で左サイド支持フレームに片持ち梁状に支持されることにより、この第1横桟が敏感に振動するようになる。また、第2横桟がその右端部で右サイド支持フレームに片持ち梁状に支持されることにより、この第2横桟が敏感に振動するようになる。さらに、胸部受け片がその右端部で第1横桟の右端部(即ち先端部)に支持され且つその左端部で第2横桟の左端部(即ち先端部)に支持されることにより、胸部受け片、第1横桟及び第2横桟がいずれも敏感に振動するようになる。そして、第1横桟及び第2横桟にそれぞれ歪みゲージが取り付けられることにより、被験者の呼吸や心拍に起因する振動をより一層確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報をより一層精度良く計測することができる。
さらに、歪みゲージが第1横桟及び第2横桟にそれぞれ取り付けられているから、ベッド上における被験者の横臥位置を検出することができる。
[21]の発明に係る生体情報計測方法では、上記[1]の発明と同様に、被験者の様々な生体活動のうち特に呼吸や心拍に起因する振動を確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を精度良く計測することができる。
さらに、ベッドの設置時に厳格なアライメント作業を行う必要がなくなり、そのためベッドの設置作業を容易に行うことができる。
さらに、仮にベッドの周囲を人が歩行した場合であっても、ベッドを設置した床面の振動による検出精度の低下を防止することができる。
さらに、振動伝達の時間差が殆どないので、生体情報の計測値の信頼性が向上する。
さらに、寝床面構成部材の、被験者の上半身を受ける上半身受け体を水平面に対して所定の角度に起こした状態でも、被験者の生体情報を計測することができる。
もとより、ベッドの剛性を高める必要がないので、ベッドの軽量化を図ることができる。
[22]の発明では、上記[2]の発明と同様に、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
[23]の発明では、上記[3]の発明と同様に、寝床面構成部材の微細な振動を確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
[24]の発明では、上記[4]の発明と同様に、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
[25]の発明では、上記[5]の発明と同様に、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
[26]の発明では、上記[6]の発明と同様に、被験者の生体情報を確実に演算することができるし、被験者の生体情報を確実に表示することができる。
[27]の発明では、上記[7]の発明と同様に、被験者の生体情報を遠隔地で計測することができる。
[28]の発明では、上記[8]の発明と同様に、被験者の状態が想定している範囲外となった場合に看護師、介護者、監視者等に警報で知らせることができる。
[29]の発明では、生体活動監視システムは、所定のベッドと所定の演算手段と所定の通信手段と所定の表示手段と所定の警報手段とを備えているので、被験者の様々な生体活動のうち特に呼吸や心拍の状況についてより確実に監視することができる。
本発明は以下の効果を奏する。
[1]の発明に係る生体情報計測装置では、被験者の様々な生体活動のうち特に呼吸や心拍に起因する振動を確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を精度良く計測することができる。
さらに、ベッドの設置時に厳格なアライメント作業を行う必要がなくなり、そのためベッドの設置作業を容易に行うことができる。
さらに、仮にベッドの周囲を人が歩行した場合であっても、ベッドを設置した床面の振動による検出精度の低下を防止することができる。
さらに、振動伝達の時間差が殆どないので、生体情報の計測値の信頼性が向上する。
さらに、寝床面構成部材の、被験者の上半身を受ける上半身受け体を水平面に対して所定の角度に起こした状態でも、被験者の生体情報を計測することができる。
もとより、ベッドの剛性を高める必要がないので、ベッドの軽量化を図ることができる。
[2]の発明では、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
[3]の発明では、寝床面構成部材の微細な振動を確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
[4]の発明では、上記[2]の発明と同様に、被験者の呼吸及び心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
[5]の発明では、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
[6]の発明では、被験者の生体情報を確実に演算することができるし、被験者の生体情報を確実に表示することができる。
[7]の発明では、被験者の生体情報を遠隔地で計測することができる。
[8]の発明では、被験者の状態が想定している範囲外となった場合に看護師、介護者、監視者等に警報で知らせることができる。
[9]の発明に係るベッドでは、このベッドを生体情報計測装置における被験者が就寝するためのベッドに用いることにより、上記[1]の発明と同様の効果を奏する。
[10]の発明では、上記[2]の発明と同様の効果を奏する。
[11]の発明では、上記[3]の発明と同様の効果を奏する。
[12]の発明では、上記[4]の発明と同様の効果を奏する。
[13]の発明では、上記[5]の発明と同様の効果を奏する。
[14]の発明では、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に計測することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。さらに、ベッド上における被験者の横臥位置を検出することができる。
[15]の発明では、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。さらに、ベッド上における被験者の横臥位置を検出することができる。
[16]の発明では、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。さらに、ベッド上における被験者の横臥位置を検出することができる。
[17]の発明では、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。さらに、ベッド上における被験者の横臥位置を検出することができる。
[18]の発明では、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。さらに、ベッド上における被験者の横臥位置を検出することができる。
[19]の発明では、被験者の呼吸や心拍に起因する振動をより一層確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報をより一層精度良く計測することができる。また、ベッドの更なる軽量化を図ることができる。
[20]の発明では、被験者の呼吸や心拍に起因する振動をより一層確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報をより一層精度良く計測することができる。さらに、ベッド上における被験者の横臥位置を検出することができる。
[21]の発明に係る生体情報計測方法では、上記[1]の発明と同様の効果を奏する。
[22]の発明では、上記[2]の発明と同様の効果を奏する。
[23]の発明では、上記[3]の発明と同様の効果を奏する。
[24]の発明では、上記[4]の発明と同様の効果を奏する。
[25]の発明では、上記[5]の発明と同様の効果を奏する。
[26]の発明では、上記[6]の発明と同様の効果を奏する。
[27]の発明では、上記[7]の発明と同様の効果を奏する。
[28]の発明では、上記[8]の発明と同様の効果を奏する。
[29]の発明に係る生体活動監視システムでは、被験者の様々な生体活動のうち特に呼吸や心拍の状況についてより確実に監視することができる。
次に、本発明の幾つかの実施形態を説明する。
図1〜図6は、本発明の第1実施形態に係る生体情報計測装置(A1)を説明するための図である。
本第1実施形態の生体情報計測装置(A1)は、ベッド(1)上に横臥した被験者の生体情報を計測するためのものであり、具体的には、被験者の主に就寝中の生体情報(呼吸情報、心拍情報、体動情報等)を計測するためのもので、医療施設、介護施設、一般家庭等で用いられるものである。被験者として、健康人、病人、乳幼児、高齢者等を挙げることができる。この装置(A1)は、図1に示すように、被験者(図示せず)が就寝(即ち横臥)するためのベッド(1)を備えている。
ベッド(1)は、被験者を受ける寝床面を構成する寝床面構成部材(2)を有している。被験者は、この寝床面構成部材(2)上にマット(図示せず)を敷いて就寝(即ち横臥)する。
この寝床面構成部材(2)は、キャスター(13a)付きのベースフレーム(13)に昇降装置(14)を介して取り付けられている。そして、昇降装置(14)を昇降作動させることにより、寝床面構成部材(2)の高さ位置を調節できるものとなされている。
この寝床面構成部材(2)は、その長さ方向に複数個に分割されている。詳述すると、この寝床面構成部材(2)は、被験者の上半身を受ける上半身受け体(3)と、被験者の臀部を受ける臀部受け体(4)と、被験者の脚部を受ける脚部受け体(5)とに分割されている。上半身受け体(3)、臀部受け体(4)及び脚部受け体(5)は、それぞれ被験者の上半身、臀部及び脚部に対応する位置に配置される。
なお、このベッド(1)はギャッチベッドであり、したがって寝床面構成部材(2)の上半身受け体(3)を図1に示すように水平面に対して所定の角度に起こすことができるようになっている。
寝床面構成部材(2)の上半身受け体(3)、臀部受け体(4)及び脚部受け体(5)は、いずれも、板材(詳述すると平板材)からなり、またアルミニウム(その合金を含む。以下同じ。)製である。また、上半身受け体(3)は平面視略四角形状に形成されている。
なお本発明では、上半身受け体(3)、臀部受け体(4)及び脚部受け体(5)の材質は、アルミニウムに限定されるものではなく、例えば、アルミニウム以外の金属であっても良いし、プラスチックであっても良い。また、上半身受け体(3)、臀部受け体(4)及び脚部受け体(5)は、押出材や圧延材からなるものであっても良い。
さらに、このベッド(1)は、図2(A)に示すように上半身受け体(3)を支持する支持部材(19)を有している。この支持部材(19)は上半身受け体(3)の下側に配置されている。
本第1実施形態では、このベッド(1)は、支持部材(19)として、上半身受け体(3)の左右方向(即ち幅方向)中間部の下側に配置され且つ上半身受け体(3)の長さ方向に延びた中央支持フレーム(6)と、上半身受け体(3)の左右方向両側部の下側に配置され且つ上半身受け体(3)の長さ方向に延びた左右一対の左サイド支持フレーム(7L)及び右サイド支持フレーム(7R)と、上半身受け体(3)の長さ方向両端部の下側に配置され且つ上半身受け体(3)の左右方向に延びた一対のエンド支持フレーム(8)(8)とを有している。そして、左サイド支持フレーム(7L)、右サイド支持フレーム(7R)及び両エンド支持フレーム(8)(8)が平面視略ロ字状に組み付けられている。各フレームはアルミニウム等の金属製である。
中央支持フレーム(6)は、両エンド支持フレーム(8)(8)の左右方向中間部の上面に溶接等により固定されて取り付けられている。(9)は補強フレームである。この補強フレーム(9)は、左サイド支持フレーム(7L)及び右サイド支持フレーム(7R)の下面に溶接等により固定されて設けられている。
両エンド支持フレーム(8)(8)のうち被験者の腰部側に配置されたフレーム(8)と補強フレーム(9)とは、軸フレーム(15)から突出した左右一対の可動アーム(16)(16)に溶接等により固定されて取り付けられている。そして、軸フレーム(15)が回転駆動することにより可動アーム(16)が軸フレーム(15)を中心に回転し、これにより、上半身受け体(3)が水平面に対して所定の角度に起こされるものとなされている。なお、(17)は、軸フレーム(15)を回転自在に支持した軸受けアームである。
上半身受け体(3)は、その左右方向中間部で中央支持フレーム(6)に溶接等により固定されて支持されている。さらに、該上半身受け体(3)の左右両端は、図2(B)に示すように左サイド支持フレーム(7L)及び右サイド支持フレーム(7R)から上側に離間して配置されており、すなわち自由端とされている。さらに、該上半身受け体(3)の長さ方向両端は、両エンド支持フレーム(8)(8)から上側に離間して配置されている。したがって、上半身受け体(3)は中央支持フレーム(6)だけで支持されている。換言すると、上半身受け体(3)の中央支持フレーム(6)による支持位置に対して左側に位置する左半部(21)と右側に位置する右半部(22)は、中央支持フレーム(6)にそれぞれ片持ち梁状に支持されている。したがって、上半身受け体(3)の左半部(21)と右半部(22)がそれぞれ上半身受け体(3)の片持ち梁部(29)とされている。
なお本発明では、上半身受け体(3)は中央支持フレーム(6)に溶接の他に締結部材(例:ボルト−ナット、リベット)等により固定されていても良い。
ここで、本明細書では、説明の便宜上、被験者の腰部から肩部までの部位を「被験者の胸部を含む胸周辺部」という。
上半身受け体(3)の左半部(21)の、被験者の胸部を含む胸周辺部に対応する部位において、該部位の中央支持フレーム(6)による支持位置の近傍部の上下両面の互いに対向する位置に、歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が二対、直接貼り付けられて取り付けられている。この二対(即ち四個)の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)を、説明の便宜上「左歪みゲージ群(40L)」という。なお、歪みゲージ(40a)(40b)は例えば接着剤によって所定の部位に貼り付けられている。
左歪みゲージ群(40L)において、二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)のうち、左半部(21)の上面に貼り付けられた二個の歪みゲージ(40a)(40a)には、上半身受け体(3)が被験者の上半身を受けて歪む(撓む)ことによって、引張力が作用する。一方、左半部(21)の下面に貼り付けられた二個の歪みゲージ(40b)(40b)には、圧縮力が作用する。二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)は、図3に示すように電気的に接続されることによって、ブリッジ回路(41)(ホイートストンブリッジ回路)が形成されている。
同様に、上半身受け体(3)の右半部(22)の、被験者の胸部を含む胸周辺部に対応する部位において、該部位の中央支持フレーム(6)による支持位置の近傍部の上下両面の互いに対向する位置に、歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が二対、直接貼り付けられて取り付けられている。この二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)を、説明の便宜上「右歪みゲージ群(40R)」という。
右歪みゲージ群(40R)において、二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)は、左歪みゲージ群(40L)と同様に図2に示すように電気的に接続されることによって、ブリッジ回路(41)が形成されている。
歪みゲージ(40a)(40b)は、被験者の呼吸、心拍(拍動)、体動(例:寝返り)等の生体活動により生じる上半身受け体(3)の振動を検出するためのものである。さらに、本第1実施形態では、歪みゲージ(40a)(40b)は、上半身受け体(3)が被験者を受けることにより生じる上半身受け体(3)の歪み量(撓み量)も検出するものとなされている。一方、歪みゲージ(40a)(40b)が貼り付けられた上半身受け体(3)の左半片(21)及び右半片(22)は、起歪体として機能する。
歪みゲージ(40a)(40b)からの出力信号としての出力電圧は、被験者の生体情報の計測に用いられる。本第1実施形態では、二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が電気的に接続されてブリッジ回路(41)が形成されていることから、このブリッジ回路(41)からの出力信号としての出力電圧が被験者の生体情報の計測に用いられることとなる。
なお本発明では、歪みゲージ(40a)(40b)の種類は限定されるものではなく、歪みゲージ(40a)(40b)として、例えば、抵抗線歪みゲージ、箔歪みゲージ及び半導体歪みゲージが用いられる。
さらに、この生体情報計測装置(A1)は、図1に示すように、演算手段(50)と表示手段(55)と通信手段(56)と警報手段(57)とを備えている。
演算手段(50)は、歪みゲージ(40a)(40b)からの出力信号(出力電圧)に基づいて被験者の生体情報を演算するためのものである。本第1実施形態では、二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が電気的に接続されてブリッジ回路(41)が形成されていることから、演算手段(50)は、図4に示すように、ブリッジ回路(41)からの出力信号(出力電圧)に基づいて被験者の生体情報を演算することになる。なお、図1において(59)は、ブリッジ回路(41)からの出力信号(出力電圧)を演算手段(50)に伝達する信号線である。
表示手段(55)は、演算手段(50)により演算された被験者の生体情報等を表示するためのものである。
通信手段(56)は、演算手段(50)により演算された被験者の生体情報等を遠隔地に送信するためのものである。
警報手段(57)は、演算手段(50)により演算された被験者の生体情報等に基づいて警報を発するためのものである。
なお、表示手段(55)は、通信手段(56)により遠隔地に送信された被験者の生体情報等を表示するものとなされていてもよいし、また、警報手段(57)は、通信手段(56)により遠隔地に送信された被験者の生体情報等に基づいて警報を発するものとなされていてもよいことはもちろんである。
而して、演算手段(50)では、図4に示すように、ブリッジ回路(41)からの出力信号(出力電圧)が増幅部(51)において増幅されたのち、A/D変換部(アナログ/デジタル変換部)(52)においてデジタル信号に変換される。そして、このデジタル信号がコンピュータ等からなる中央演算処理部(53)に送信される。中央演算処理部(53)では、このデジタル信号に基づいて所定のプログラムに従って被験者の呼吸情報、心拍情報、体動情報等の生体情報についての演算が行われる。この演算は、公知の方法、例えばFFT法による周波数解析により行われる。
さらに、この中央演算処理部(53)では、ベッド(1)の寝床面構成部材(2)上における被験者の横臥位置として就寝位置についての演算が行われる。この演算方法について簡単に説明すると、例えば、この中央演算処理部(53)では、左歪みゲージ群(40L)の歪みゲージで組まれたブリッジ回路(41)からの出力信号(出力電圧)と、右歪みゲージ群(40R)の歪みゲージで組まれたブリッジ回路(41)からの出力信号(出力電圧)とを所定の計算式を用いて比較し、その比較結果に基づいてベッド(1)の寝床面構成部材(2)上における被験者の就寝位置についての演算が行われる。
さらに、この中央演算処理部(53)では、被験者の着床・離床情報についての演算が行われる。
表示手段(55)では、演算手段(50)により演算された被験者の生体情報(呼吸情報、心拍情報、体動情報等)、就寝位置情報、着床・離床情報などが、所定のモニタテレビ等のディスプレイ上にリアルタイムで表示される。
通信手段(56)では、演算手段(50)により演算された被験者の生体情報、就寝位置情報、着床・離床情報などが、電話回線網、インターネット、有線LAN、無線LAN等の所定の有線通信網又は無線通信網を介して看護センター等の監視室に送信される。
警報手段(57)では、演算手段(50)により演算された被験者の生体情報、就寝位置情報、着床・離床情報などが所定の範囲から外れた場合に警報が看護師、被験者、監視者等に対して発せられる。
図6は、本第1実施形態の生体情報計測装置(A1)により被験者の生体情報を実際に計測した場合の、ブリッジ回路(41)からの出力信号の一実測例を示す図(グラフ)である。
同図では、ブリッジ回路(41)からの出力信号は波形として表されている。この出力波形には、被験者の呼吸に起因する呼吸波成分と、被験者の心拍(拍動)に起因する心拍波成分とが重畳されている。波長が長くて連続するうねり状の波が呼吸波成分であり、パルス状の波が心拍波成分である。この出力波形では、呼吸周期が約3〜4秒であり、心拍周期が約1秒である。
同図に示すように、本第1実施形態の生体情報計測装置(A1)によれば、呼吸波成分と心拍波成分を明確に観測することができ、したがって呼吸情報(呼吸数等)と心拍情報(心拍数等)を精度良く計測することができる。
次に、演算手段(50)の中央演算処理部(53)で実行される処理について、図4及び図5を参照して以下に説明する。
なお、演算手段(50)には、ベッド(1)の寝床面構成部材(2)上における被験者の好適な就寝位置が予め設定されており、また、被験者の呼吸数、心拍数及び体動数の好適な範囲が予め設定されている。
二つのブリッジ回路(41)(41)からの出力信号は、上述したように、増幅部(51)において増幅されたのち、A/D変換部(52)においてデジタル信号に変換される。そして、このデジタル信号が中央演算処理部(53)に送信される。
中央演算処理部(53)において、ステップ(S1)では、送信された二つの信号を読み取る。読み取った信号はデータとしてデータベース(DB)に蓄積される(図4参照)。なお、読み取った信号を通信手段(56)により遠隔地に送信してデータとしてデータベース(DB)に集中蓄積しても良い。そして、データベース(DB)から被験者のデータ群をパターン化する。例えば、データベース(DB)に蓄積されたデータについて、被験者が正常なときのデータ群、被験者が過去に問題を起こしたときのデータ群などに予めパターン化しておく。なお、被験者が過去に問題を起こしたときのデータ群のパターンを学習してデータベース(DB)に登録蓄積しても良い。そして、判定手段(70)において、被験者の測定されたデータ群と予めパターン化したデータ群(正常時、問題時)とを比較することにより、被験者の状況を判定する。また、このデータベース(DB)に他の複数の被験者のデータを蓄積しても良い。こうすることにより、他人のパターンと比較することができて、判定手段(70)において、被験者が経験していない問題についても他人の過去のパターンから判定することができる。さらに、同図に示すように、他の複数の被験者がそれぞれ就寝(横臥)している他の複数の生体情報計測装置用ベッド(1)からの信号が、通信手段(56)によりLANやインターネット等を介して送信されてデータベース(DB)にデータとして蓄積されるものとなされていても良い。こうすることにより、データベース(DB)に蓄積されたパターン化したデータを共有化することができる。次いで、ステップ(S2)に進む。
ステップ(S2)では、読み取った二つの信号を比較し、その比較結果に基づいてベッド(1)の寝床面構成部材(2)上における被験者の就寝位置についての解析を行う。次いで、ステップ(S3)に進む。
ステップ(S3)では、被験者の就寝位置が寝床面構成部材(2)上の所定位置であるか否かについての判定を行う。就寝位置が所定位置ではない(例えば、就寝位置が寝床面構成部材(2)上の端部である)と判定された場合には、「No」として、ステップ(S11)に進み、警報を発する。この警報をもとに被験者のベッド(1)からの落下防止のための処置を行うことができる。一方、就寝位置が所定位置である(例えば、就寝位置が寝床面構成部材(2)上の中央部である)と判定された場合には、「Yes」として、次のステップ(S4)に進む。
ステップ(S4)では、FFT法などの公知の方法により周波数の解析を行う。次いで、ステップ(S5)に進む。
ステップ(S5)では、解析された周波数から呼吸数の検出を行う。次いで、ステップ(S6)に進む。
ステップ(S6)では、呼吸数が所定範囲内にあるか否かについての判定を行う。呼吸数が所定範囲から外れていると判定された場合には、「No」として、ステップ(S11)に進み、警報を発する。一方、呼吸数が所定範囲内にあると判定された場合には、「Yes」として、次のステップ(S7)に進む。なお、本ステップ(S6)では、例えば、被験者の生死、睡眠状態、睡眠時無呼吸症候群等の状態の情報を得ることができる。
ステップ(S7)では、解析された周波数から心拍数の検出を行う。次いで、ステップ(S8)に進む。
ステップ(S8)では、心拍数が所定範囲内にあるか否かについての判定を行う。心拍数が所定範囲から外れていると判定された場合には、「No」として、ステップ(S11)に進み、警報を発する。一方、心拍数が所定範囲内にあると判定された場合には、「Yes」として、次のステップ(S9)に進む。なお、本ステップ(S8)では、例えば、被験者の生死、睡眠状態等の状態の情報を得ることができる。
ステップ(S9)では、解析された周波数から被験者の寝返り等の体動の検出を行う。次いで、ステップ(S10)に進む。
ステップ(S10)では、寝返り数等の体動数が所定範囲内にあるか否かについての判定を行う。体動数が所定範囲から外れている(例えば、体動が所定一定時間殆どない)と判定された場合には、「No」として、ステップ(S11)に進み、警報を発する。この警報をもとに褥瘡(じょくそう)の発生防止のための処置を行うことができる。一方、体動数が所定範囲内にある(例えば、体動が適度にある)と判定された場合には、「Yes」として、ステップ(S1)に戻る。
また、本実施形態では、次のような処理を行っても良い。すなわち、判定手段(70)では、データベース(DB)に新たに送られてくるデータと、データベース(DB)に既に蓄積されたデータとを比較する。そして、その結果によりステップ(S11)へ進み、警報を発する。またその結果はデータベース(DB)へ転送して蓄積される。
而して、本第1実施形態の生体情報計測装置(A1)では、ベッド(1)の寝床面構成部材(2)の一部に歪みゲージ(40a)(40b)が貼り付けられているので、次の利点がある。
被験者の様々な生体活動のうち特に呼吸や心拍に起因する寝床面構成部材(2)の振動を歪みゲージ(40a)(40b)によって確実に検出することができる。したがって、被験者の着床・離床情報や体動情報(例:寝返り情報)はもとより、従来の生体情報計測装置では計測が極めて困難であった、僅かな荷重変化しか伴わない生体情報、特に呼吸情報や心拍情報についても、精度良く計測することができる。
さらに、ベッド(1)の設置時に厳格なアライメント作業を行う必要がなくなり、そのためベッド(1)の設置作業を容易に行うことができる。
さらに、仮にベッド(1)の周囲を人が歩行した場合であっても、ベッド(1)を設置した床面の振動による検出精度の低下を防止することができる。
さらに、振動伝達の時間差が殆どないので、生体情報の計測値の信頼性が向上する。
さらに、寝床面構成部材(2)の上半身受け体(3)を水平面に対して所定の角度に起こした状態でも、被験者の生体情報を計測することができる。
もとより、ベッド(1)の剛性を高める必要がないので、ベッド(1)の軽量化を図ることができる。
また、上記第1実施形態の生体情報計測装置(A1)では、被験者の生体情報は、四個の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が電気的に接続されて形成されたブリッジ回路(41)からの出力信号に基づいて計測されるものとなされているので、寝床面構成部材(2)の微細な振動を確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
また、歪みゲージ(40a)(40b)は、寝床面構成部材(2)の上半身受け体(3)、臀部受け体(4)及び脚部受け体(5)のうち上半身受け体(3)に貼り付けられているので、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
また、生体情報計測装置(A1)は所定の演算装置(50)と所定の表示装置(55)を備えているので、被験者の生体情報を確実に演算することができるし、被験者の生体情報を確実に表示することができる。
また、生体情報計測装置(A1)は所定の通信手段(56)を備えているので、被験者の生体情報を遠隔地で計測することができ、そのため被験者の就寝状態を遠隔地で監視することができる。
また、生体情報計測装置(A1)は所定の警報手段(57)を備えているので、被験者の状態が想定している範囲外となった場合に看護師、介護者、監視者等に警報で知らせることができる。
また、生体情報計測装置(A1)に用いられるベッド(1)においては、上半身受け体(3)の左半部(21)と右半部(22)がそれぞれ中央支持フレーム(6)に片持ち梁状に支持されているから、左半部(21)と右半部(22)がそれぞれ敏感に振動するようになる。そして、この左半部(21)と右半部(22)にそれぞれ歪みゲージ(40a)(40b)が貼り付けられているから、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
さらに、歪みゲージ(40a)(40b)が上半身受け体(3)の左半部(21)と右半部(22)にそれぞれ貼り付けられているから、ベッド(1)上における被験者の就寝位置を検出することができる。
なお、この生体情報計測装置(A1)によれば、ベッド(1)上に横臥した被験者の就寝中の生体情報を計測できるだけではなく、更に、覚醒状態(即ち目が覚めている状態)の被験者がベッド(1)上に横臥することにより、覚醒状態の被験者の生体情報を計測することができる。
また、本第1実施形態の生体活動監視システムは、上記生体情報計測装置(A1)における上記ベッド(1)、演算手段(50)、表示手段(55)、通信手段(56)及び警報手段(57)を備えている。したがって、この監視システムによれば、被験者の体動、呼吸及び心拍の状況をより確実に監視することができるし、更に、離床・着床状況や、就寝位置状況についてもより確実に監視することができる。
図7(A)及び図7(B)は、本発明の第2実施形態に係る生体情報計測装置(A2)を説明するための図である。
本第2実施形態の生体情報計測装置(A2)では、ベッド(1)は、上記第1実施形態と同じく、上半身受け体(3)を支持する支持部材(19)として、左右一対の左サイド支持フレーム(7L)及び右サイド支持フレーム(7R)と、一対のエンド支持フレーム(8)(8)とを有している。そして、これらのフレームが平面視略ロ字状に組み付けられている。さらに、ベッド(1)は、支持部材(19)として、上半身受け体(3)の長さ方向中間部の下側に配置され且つ上半身受け体(3)の左右方向に延びた中央横フレーム(10)を有している。この中央横フレーム(10)は両エンドフレーム(8)(8)に溶接等により固定されて設けられている。なお、ベッド(1)は中央支持フレーム((6)、図2参照。)を有していない。
上半身受け体(3)は、その左右方向中間部で左半片(23)と右半片(24)とに分割されている。左右両半片(23)(24)はともに平面視略四角形状で互いに略同一の大きさに形成されている。また、左右両半片(23)(24)間には隙間(G)が形成されている。
左半片(23)は、その左端部で左サイド支持フレーム(7L)に溶接等により固定されて支持されている。さらに、該左半片(23)は、その長さ方向中間部で中央横フレーム(10)に支持されている。さらに、該左半片(23)は、その長さ方向両端部のうち被験者の頭部側に位置する端部で、対応するエンド支持フレーム(8)に溶接等により固定されて支持されている。一方、左半片(23)の長さ方向両端のうち被験者の腰部側に位置する端部は、対応するエンド支持フレーム(8)から上側に離間して配置されている。したがって、左半片(23)の中央横フレーム(10)による支持位置に対して被験者の腰部側に位置する部位(29)は、左サイド支持フレーム(7L)と中央横フレーム(10)とに片持ち梁状に支持されている。この部位(29)が左半片(23)の片持ち梁部である。なお、左半片(23)の片持ち梁部(29)は、被験者の胸部を含む胸周辺部に対応する部位である。
右半片(24)は、その右端部で右サイド支持フレーム(7R)に溶接等により固定されて支持されている。さらに、該右半片(24)は、その長さ方向中間部で中央横フレーム(10)に支持されている。さらに、該右半片(24)は、その長さ方向両端部のうち被験者の頭部側に位置する端部で、対応するエンド支持フレーム(8)に溶接等により固定されて支持されている。一方、右半片(24)の長さ方向両端のうち被験者の腰部側に位置する端部は、対応するエンド支持フレーム(8)から上側に離間して配置されている。したがって、右半片(24)の中央横フレーム(10)による支持位置に対して被験者の腰部側に位置する部位(29)は、右サイド支持フレーム(7R)と中央横フレーム(10)とに片持ち梁状に支持されている。この部位(29)が右半片(24)の片持ち梁部である。なお、右半片(24)の片持ち梁部(29)は、被験者の胸部を含む胸周辺部に対応する部位である。
また、左半片(23)の片持ち梁部(29)の左サイド支持フレーム(7L)による支持位置の近傍部の上下両面の互いに対向する位置に、歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が二対、直接貼り付けられている。この二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)を「左歪みゲージ群(40L)」という。二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)は、図2に示すように電気的に接続されることによって、ブリッジ回路(41)が形成されている。これらの歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が貼り付けられた左半片(23)の片持ち梁部(29)が起歪体として機能する。
また、右半片(24)の片持ち梁部(29)の右サイド支持フレーム(7R)による支持位置の近傍部の上下両面の互いに対向する位置に、歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が二対、直接貼り付けられている。この二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)を「右歪みゲージ群(40R)」という。二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)は、図2に示すように電気的に接続されることによって、ブリッジ回路(41)が形成されている。これらの歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が貼り付けられた右半片(24)の片持ち梁部(29)が起歪体として機能する。
本第2実施形態の生体情報計測装置(A2)及び該装置(A2)に用いられるベッド(1)の他の構成、並びに生体情報計測方法は、上記第1実施形態と同じであり、重複する説明を省略する。
本第2実施形態の生体情報計測装置(A2)によれば、ブリッジ回路(41)からの出力信号は、図6に示したグラフと類似したグラフを示す。そのため、呼吸波成分と心拍波成分を明確に観測することができ、したがって呼吸情報(呼吸数等)と心拍情報(心拍数等)を精度良く計測することができる。
而して、本第2実施形態の生体情報計測装置(A2)では、ベッド(1)の寝床面構成部材(2)の上半身受け体(3)が、その左右方向中間部で左半片(23)と右半片(24)とに分割されている。そして、左半片(23)の一部(即ち片持ち梁部(29))が左サイド支持フレーム(7L)に片持ち梁状に支持されているから、この左半片(23)の片持ち梁部(29)が敏感に振動するようになる。また、右半片(24)の一部(即ち片持ち梁部(29))が右サイド支持フレーム(7R)に片持ち梁状に支持されているから、右半片(24)の片持ち梁部(29)が敏感に振動するようになる。そして、左右両半片(23)(24)の片持ち梁部(29)(29)にそれぞれ歪みゲージ(40a)(40b)が貼り付けられているので、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
さらに、歪みゲージ(40a)(40b)が左右両半片(23)(24)の片持ち梁部(29)(29)にそれぞれ貼り付けられているから、ベッド(1)上における被験者の就寝位置を検出することができる。
図8(A)〜図9は、本発明の第3実施形態に係る生体情報計測装置(A3)を説明するための図である。
本第3実施形態の生体情報計測装置(A3)では、ベッド(1)は、上記第1実施形態と同じく、上半身受け体(3)を支持する支持部材(19)として、左右一対の左サイド支持フレーム(7L)及び右サイド支持フレーム(7R)と、一対のエンド支持フレーム(8)(8)とを有している。そして、これらのフレームが平面視略ロ字状に組み付けられている。さらに、ベッド(1)は、支持部材(19)として、上半身受け体(3)の左右方向中間部の下側に配置され且つ上半身受け体(3)の長さ方向に延びた中央支持フレーム(6)を有している。そして、この中央支持フレーム(6)が、両エンド支持フレーム(8)(8)の左右方向中間部の上面に溶接等により固定されて取り付けられている。
上半身受け体(3)は、その長さ方向に複数個に分割されている。本第3実施形態では、上半身受け部材(3)はその長さ方向に二個に分割されている。そして、上半身受け部材(3)の二個の分割片のうち、被験者の胸部を含む胸周辺部に対応する位置に配置された分割片が胸部受け片(25)である。この胸部受け片(25)は、被験者の胸部を含む胸周辺部を受けるためのものである。さらに、この胸部受け片(25)が、その左右方向中間部で左半片(26)と右半片(27)とに分割されている。左右両半片(26)(27)はともに平面視略四角形状で互いに略同一の大きさに形成されている。
左半片(26)は、その右端部で中央支持フレーム(6)に溶接等により固定されて支持されている。さらに、該左半片(26)の左端は、図8(B)に示すように、左サイド支持フレーム(7L)から上側に離間して配置されており、すなわち自由端とされている。したがって、左半片(26)はその右端部で中央支持フレーム(6)に片持ち梁状に支持されている。左半片(26)の中央支持フレーム(6)による支持位置から左側の部位が片持ち梁部(29)である。
右半片(27)は、その左端部で中央支持フレーム(6)に溶接等により固定されて支持されている。さらに、該右半片(27)の右端は、図8(B)に示すように、右サイド支持フレーム(7R)から上側に離間して配置されており、すなわち自由端とされている。したがって、右半片(27)はその左端部で中央支持フレーム(6)に片持ち梁状に支持されている。右半片(27)の中央支持フレーム(6)による支持位置から右側の部位が片持ち梁部(29)である。
また、左半片(26)の片持ち梁部(29)の中央支持フレーム(6)による支持位置の近傍部の上下両面の互いに対向する位置に、歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が二対、直接貼り付けられている。この二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)を「左歪みゲージ群(40L)」という。二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)は、図2に示すように電気的に接続されることによって、ブリッジ回路(41)が形成されている。これらの歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が貼り付けられた左半片(26)の片持ち梁部(29)が起歪体として機能する。
また、右半片(27)の片持ち梁部(29)の中央支持フレーム(6)による支持位置の近傍部の上下両面の互いに対向する位置に、歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が二対、直接貼り付けられている。この二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)を「右歪みゲージ群(40R)」という。二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)は、図2に示すように電気的に接続されることによって、ブリッジ回路(41)が形成されている。これらの歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が貼り付けられた右半片(27)の片持ち梁部(29)が起歪体として機能する。
本第3実施形態の生体情報計測装置(A3)及びこれに用いられるベッド(1)の他の構成、並びに生体情報計測方法は、上記第1実施形態と同じであり、重複する説明を省略する。
而して、本第3実施形態の生体情報計測装置(A3)では、ベッド(1)の寝床面構成部材(2)の上半身受け体(3)は、その長さ方向に二個に分割されている。さらに、上半身受け体(3)の胸部受け片(25)は、その左右方向中間部で左半片(26)と右半片(27)に分割されている。そして、左半片(26)がその右端部で中央支持フレーム(6)に片持ち梁状に支持されているから、この左半片(26)が敏感に振動するようになる。また、右半片(27)がその左端部で中央支持フレーム(6)に片持ち梁状に支持されているから、この右半片(27)が敏感に振動するようになる。そして、左右両半片(26)(27)にそれぞれ歪みゲージ(40a)(40b)が貼り付けられているので、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
さらに、歪みゲージ(40a)(40b)が左右両半片(26)(27)にそれぞれ貼り付けられているから、ベッド(1)上における被験者の就寝位置を検出することができる。
図9は、本第3実施形態の生体情報計測装置(A3)により被験者の生体情報を計測した場合の、ブリッジ回路(41)からの出力信号の一実測例を示す図(グラフ)である。
同図に示すように、本第3実施形態の生体情報計測装置(A3)によれば、呼吸波成分と心拍波成分を更に明確に観測することができ、したがって呼吸情報(呼吸数等)と心拍情報(心拍数等)を第1実施形態の生体情報計測装置(A1)よりも高精度に計測することができる。
図10(A)〜図11は、本発明の第4実施形態に係る生体情報計測装置(A4)を説明するための図である。
本第4実施形態の生体情報計測装置(A4)では、ベッド(1)は、上半身受け体(3)を支持する支持部材(19)として、上半身受け体(3)の左右方向両側部の下側に配置され且つ上半身受け体(3)の長さ方向に延びた左右一対の第1左サイド支持フレーム(7L)及び第1右サイド支持フレーム(7R)と、上半身受け体(3)の左右方向両側部の下側における第1左サイド支持フレーム(7L)と第1右サイド支持フレーム(7R)との間の位置に配置され且つ上半身受け体(3)の長さ方向に延びた左右一対の第2左サイド支持フレーム(11L)及び第2右サイド支持フレーム(11R)とを有している。さらに、ベッド(1)は、支持部材(19)として、上半身受け体(3)の長さ方向両端部の下側に配置され且つ上半身受け体(3)の左右方向に延びた一対のエンド支持フレーム(8)(8)を有している。そして、第1左サイド支持フレーム(7L)、第1右サイド支持フレーム(7R)及び両エンド支持フレーム(8)(8)が平面視略ロ字状に組み付けられている。さらに、第2左サイド支持フレーム(11L)及び第2右サイド支持フレーム(11R)が両エンド支持フレーム(8)(8)間に架設されている。
上半身受け体(3)は、その長さ方向に並んで配置され且つその左右方向に延びた複数個の横桟(30)から形成されている。本第4実施形態では、横桟(30)の個数は5個である。各横桟(30)は、アルミニウム製の中空材からなる。これらの横桟(30)のうち、被験者の胸部を含む胸周辺部に対応する位置に配置された互いに隣り合う二個の横桟(31)(32)を、説明の便宜上、それぞれ「第1横桟(31)」及び「第2横桟(32)」という。第1横桟(31)及び第2横桟(32)は、被験者の胸部を含む胸周辺部を受けるためのものである。第1横桟(31)及び第2横桟(32)は互いに離間して配置されている。
第1横桟(31)は、その左端部で第2左サイド支持フレーム(11L)に溶接等により固定されて支持されるとともに、該第1横桟(31)の右端は、図10(B)に示すように第1右サイド支持フレーム(7R)及び第2右サイド支持フレーム(11R)から上側に離間して配置されており、すなわち自由端とされている。したがって、該第1横桟(31)はその左端部で第2左サイド支持フレーム(11L)に片持ち梁状に支持されている。第1横桟(31)の第2左サイド支持フレーム(11L)による支持位置よりも右側の部位が片持ち梁部(29)である。
第2横桟(32)は、その右端部で第2右サイド支持フレーム(11R)に溶接等により固定されて支持されるとともに、該第2横桟(32)の左端は、図10(B)に示すように第1左サイド支持フレーム(7L)及び第2左サイド支持フレーム(11L)から上側に離間して配置されており、すなわち自由端とされている。したがって、該第2横桟(32)はその右端部で第2右サイド支持フレーム(11R)に片持ち梁状に支持されている。第2横桟(32)の第2右サイド支持フレーム(11R)による支持位置よりも左側の部位が片持ち梁部(29)である。
また、第1横桟(31)の片持ち梁部(29)の第2左サイド支持フレーム(11L)による支持位置の近傍部の上下両面の互いに対向する位置に、歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が二対、直接貼り付けられている。この二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)を「左歪みゲージ群(40L)」という。二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)は、図2に示すように電気的に接続されることによって、ブリッジ回路(41)が形成されている。これらの歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が貼り付けられた第1横桟(31)の片持ち梁部(29)が起歪体として機能する。
また、第2横桟(32)の片持ち梁部(29)の第2右サイド支持フレーム(11R)による支持位置の近傍部の上下両面の互いに対向する位置に、歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が二対、直接貼り付けられている。この二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)を「右歪みゲージ群(40R)」という。二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)は、図2に示すように電気的に接続されることによって、ブリッジ回路(41)が形成されている。これらの歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が貼り付けられた第2横桟(32)の片持ち梁部(29)が起歪体として機能する。
本第4実施形態の生体情報計測装置(A4)及びこれに用いられるベッド(1)の他の構成、並びに生体情報計測方法は、上記第1実施形態と同じであり、重複する説明を省略する。
而して、本第4実施形態の生体情報計測装置(A4)では、ベッド(1)の寝床面構成部材(2)の上半身受け体(3)は、複数個の横桟(30)から形成されている。そして、第1横桟(31)がその左端部で第2左サイド支持フレーム(11L)に片持ち梁状に支持されているから、この第1横桟(31)が敏感に振動するようになる。また、第2横桟(32)がその右端部で第2右サイド支持フレーム(11R)に片持ち梁状に支持されているから、この第2横桟(32)が敏感に振動するようになる。そして、第1横桟(31)及び第2横桟(32)にそれぞれ歪みゲージ(40a)(40b)が貼り付けられているので、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
さらに、歪みゲージ(40a)(40b)が第1横桟(31)及び第2横桟(32)にそれぞれ貼り付けられているから、ベッド(1)上における被験者の就寝位置を検出することができる。
図11は、本第4実施形態の生体情報計測装置(A4)により被験者の生体情報を計測した場合の、ブリッジ回路(41)からの出力信号の一実測例を示す図(グラフ)である。
同図に示すように、本第4実施形態の生体情報計測装置(A4)によれば、呼吸波成分と心拍波成分を非常に明確に観測することができ、したがって呼吸情報(呼吸数等)と心拍情報(心拍数等)を、第1実施形態の生体情報計測装置(A1)及び第3実施形態の生体情報計測装置(A3)よりも、より一段と高精度に計測することができる。
図12(A)〜図12(C)は、本発明の第5実施形態に係る生体情報計測装置(A5)を説明するための図である。
本第5実施形態の生体情報計測装置(A5)の構成は、上記第4実施形態の装置(A4)の構成に類似している。
本第5実施形態の生体情報計測装置(A5)では、ベッド(1)は、上半身受け体(3)を支持する支持部材(19)として、上記第1実施形態と同じく、左右一対の左サイド支持フレーム(7L)及び右サイド支持フレーム(7R)と、一対のエンド支持フレーム(8)(8)とを有している。そして、これらのフレームが平面視略ロ字状に組み付けられている。なお、ベッド(1)は中央支持フレーム((6)、図2参照。)を有していない。
上半身受け体(3)は、その長さ方向に並んで配置され且つその左右方向に延びた複数個の横桟(30)から形成されている。本第5実施形態では、横桟(30)の個数は四個である。各横桟(30)は、アルミニウム製である。これらの横桟(30)のうち、被験者の胸部を含む胸周辺部に対応する位置に配置された互いに隣り合う二個の横桟(31)(32)を、説明の便宜上、それぞれ「第1横桟(31)」及び「第2横桟(32)」という。第1横桟(31)及び第2横桟(32)は、被験者の胸部を含む胸周辺部を受けるためのものである。第1横桟(31)及び第2横桟(32)は互いに離間して配置されている。第1横桟(31)及び第2横桟(32)は、ともに平面視略台形状の板材(詳述すると平板材)からなり、またアルミニウム製である。
第1横桟(31)は、その左端部で左サイド支持フレーム(7L)に突設された支点部(28)に溶接等により固定されて支持されるとともに、該第1横桟(31)の右端は、図12(B)に示すように右サイド支持フレーム(7R)から上側に離間して配置されており、すなわち自由端とされている。したがって、該第1横桟(31)はその左端部で左サイド支持フレーム(7L)に片持ち梁状に支持されている。第1横桟(31)の左サイド支持フレーム(7L)による支持位置よりも右側の部位が片持ち梁部(29)である。
第2横桟(32)は、その右端部で右サイド支持フレーム(7R)に突設された支点部(28)に溶接等により固定されて支持されるとともに、該第2横桟(32)の左端は、図12(C)に示すように左サイド支持フレーム(7L)から上側に離間して配置されており、すなわち自由端とされている。したがって、該第2横桟(32)はその右端部で右サイド支持フレーム(7R)に片持ち梁状に支持されている。第2横桟(32)の右サイド支持フレーム(7R)による支持位置よりも左側の部位が片持ち梁部(29)である。
また、第1横桟(31)の片持ち梁部(29)の左サイド支持フレーム(7L)による支持位置の近傍部の上下両面の互いに対向する位置に、歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が二対、直接貼り付けられている。この二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)を「左歪みゲージ群(40L)」という。二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)は、図2に示すように電気的に接続されることによって、ブリッジ回路(41)が形成されている。これらの歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が貼り付けられた第1横桟(31)の片持ち梁部(29)が起歪体として機能する。
また、第2横桟(32)の片持ち梁部(29)の右サイド支持フレーム(7R)による支持位置の近傍部の上下両面の互いに対向する位置に、歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が二対、直接貼り付けられている。この二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)を「右歪みゲージ群(40R)」という。二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)は、図2に示すように電気的に接続されることによって、ブリッジ回路(41)が形成されている。これらの歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が貼り付けられた第2横桟(32)の片持ち梁部(29)が起歪体として機能する。
本第5実施形態の生体情報計測装置(A5)及びこれに用いられるベッド(1)の他の構成、並びに生体情報計測方法は、上記第1実施形態と同じであり、重複する説明を省略する。
本第5実施形態の生体情報計測装置(A5)によれば、ブリッジ回路(41)からの出力信号は、図11に示したグラフと類似したグラフを示す。そのため、呼吸波成分と心拍波成分を非常に明確に観測することができ、したがって呼吸情報(呼吸数等)と心拍情報(心拍数等)を、第1実施形態の生体情報計測装置(A1)及び第3実施形態の生体情報計測装置(A3)よりも、より一段と高精度に計測することができる。
而して、本第5実施形態の生体情報計測装置(A5)では、上記第4実施形態の装置(A4)と同じ効果を奏する。
図13(A)及び図13(B)は、本発明の第6実施形態に係る生体情報計測装置(A6)を説明するための図である。
本第6実施形態の生体情報計測装置(A6)では、ベッド(1)は、上記第1実施形態と同じく、上半身受け体(3)を支持する支持部材(19)として、左右一対の左サイド支持フレーム(7L)及び右サイド支持フレーム(7R)と、一対のエンド支持フレーム(8)(8)とを有している。そして、これらのフレームが平面視略ロ字状に組み付けられている。なお、ベッド(1)は中央支持フレーム((6)、図2参照。)を有していない。
上半身受け体(3)は、その長さ方向に並んで配置され且つその左右方向に延びた複数個の横桟(33)から形成されている。本第6実施形態では、横桟(33)の個数は6個である。これらの横桟(33)のうち、被験者の胸部を含む胸周辺部に対応する位置に配置された一個の横桟(33A)は、該横桟(33A)の左右方向中間部に配置される中間片(34)と、該横桟(33A)の左右方向両端部に配置される左右一対の左連結片(35)及び右連結片(36)とから形成されている。この横桟(33A)は、被験者の胸部を含む胸周辺部を受けるためのものである。
左連結片(35)は中間片(34)を左サイド支持フレーム(7L)に連結するためのものであり、右連結片(36)は中間片を右サイド支持フレーム(7R)に連結するためのものである。
中間片(34)はアルミニウム製の中空材からなる。左連結片(35)及び右連結片(36)はいずれもアルミニウム製の中実材からなる。
なお本発明では、中間片(34)、左連結片(35)及び右連結片(36)の材質は、アルミニウムに限定されるものではなく、例えば、アルミニウム以外の他の金属であっても良いし、プラスチックであっても良い。
左連結片(35)は、その左端部で左サイド支持フレーム(7L)に溶接等により固定されて支持されている。さらに、該左連結片(35)の右端部が中間片(34)の左端部にその中空部内に嵌合された状態で溶接等により固定されて連結されている。
右連結片(36)は、その右端部で右サイド支持フレーム(7R)に溶接等により固定されて支持されている。さらに、該右連結片(36)の左端部が中間片(34)の右端部にその中空部内に嵌合された状態で溶接等により固定されて連結されている。
また、左連結片(35)の左右方向中間部の上下両面の互いに対向する位置に、歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が二対、直接貼り付けられている。この二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)を「左歪みゲージ群(40L)」という。二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)は、図2に示すように電気的に接続されることによって、ブリッジ回路(41)が形成されている。これらの歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が貼り付けられた左連結片(35)が起歪体として機能する。
また、右連結片(36)の左右方向中間部の上下両面の互いに対向する位置に、歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が二対、直接貼り付けられている。この二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)を「右歪みゲージ群(40R)」という。二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)は、図2に示すように電気的に接続されることによって、ブリッジ回路(41)が形成されている。これらの歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が貼り付けられた右連結片(36)が起歪体として機能する。
本第6実施形態の生体情報計測装置(A6)及びこれに用いられるベッド(1)の他の構成、並びに生体情報計測方法は、上記第1実施形態と同じであり、重複する説明を省略する。
而して、本第6実施形態の生体情報計測装置(A6)では、上半身受け体(3)の複数個の横桟(33)のうち、被験者の胸部を含む胸周辺部に対応する位置に配置された横桟(33A)は、中間片(34)と左連結片(35)と右連結片(36)とに分割されている。そして、左連結片(35)がその左端部で左サイド支持フレーム(7L)に支持されるとともに、該左連結片(35)の右端部が中間片(34)の左端部に連結されている。さらに、右連結片(36)がその右端部で右サイド支持フレーム(7R)に支持されるとともに、該右連結片(36)の左端部が中間片(34)の右端部に連結されている。そして、左右両連結片(35)(36)の左右方向中間部にそれぞれ歪みゲージ(40a)(40b)が貼り付けられているから、被験者の呼吸や心拍に起因する振動を更に確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報を更に精度良く計測することができる。
さらに、歪みゲージ(40a)(40b)が左右両連結片(35)(36)にそれぞれ貼り付けられているから、ベッド(1)上における被験者の就寝位置を検出することができる。
さらに、横桟(33A)の中間片(34)が中空材からなるので、中間片(34)が敏感に振動するようになる。そのため、被験者の生体情報を更に精度良く計測することができる。さらに、ベッド(1)の更なる軽量化を図ることができる。
なお、本第6実施形態の装置(A6)では、上半身受け体(3)の複数個の横桟(33)のうち一個の横桟(33A)だけが、中間片(34)、左連結片(35)及び右連結片(36)から形成されたものであるが、本発明では、二個以上の横桟がこのように形成されていても良い。
図14(A)〜図14(C)は、本発明の第7実施形態に係る生体情報計測装置(A7)を説明するための図である。
本第7実施形態の生体情報計測装置(A7)では、ベッド(1)は、上記第1実施形態と同じく、上半身受け体(3)を支持する支持部材(19)として、左右一対の左サイド支持フレーム(7L)及び右サイド支持フレーム(7R)と、一対のエンド支持フレーム(8)(8)とを有している。そして、これらのフレームが平面視略ロ字状に組み付けられている。なお、ベッド(1)は中央支持フレーム((6)、図2参照。)を有していない。
上半身受け体(3)は、その長さ方向に複数個に分割されている。本第7実施形態では、上半身受け部材(3)はその長さ方向に四個に分割されている。そして、上半身受け体(3)の四個の分割片(37)のうち、被験者の胸部を含む胸周辺部に対応する位置に配置された分割片が胸部受け片(37A)である。この胸部受け片(37A)は、被験者の胸部を含む胸周辺部を受けるためのものである。
この胸部受け片(37A)は平面視略四角形状の板材(詳述すると平板材)からなり、アルミニウム製である。一方、残りの分割片(37)は、棒状の中空材からなる。
胸部受け片(37A)は、該胸部受け片(37A)の下側に配置され且つ上半身受け体(3)の左右方向に延びた二個の横桟(38)(39)を有している。これらの横桟(38)(39)を、説明の便宜上、それぞれ「第1横桟(38)」及び「第2横桟(39)」という。第1横桟(38)及び第2横桟(39)は、ともに中空材からなり、またアルミニウム製である。第1横桟(38)及び第2横桟(39)は、互いに略平行に且つ離間して配置されている。
第1横桟(38)は、その左端部で左サイド支持フレーム(7L)に溶接等により固定されて支持されるとともに、該第1横桟(38)の右端は、図14(B)に示すように右サイド支持フレーム(7R)から離間して配置されており、すなわち自由端とされている。したがって、該第1横桟(38)はその左端部で左サイド支持フレーム(7L)に片持ち梁状に支持されている。第1横桟(38)の左サイド支持フレーム(7L)による支持位置よりも右側の部位が片持ち梁部(29)である。なお、(G1)は、第1横桟(38)の右端部(先端部)と右サイド支持フレーム(7R)との間の隙間である。
第2横桟(39)は、その右端部で右サイド支持フレーム(7R)に溶接等により固定されて支持されるとともに、該第2横桟(39)の左端は、図14(C)に示すように左サイド支持フレーム(7L)から離間して配置されており、すなわち自由端とされている。したがって、該第2横桟(39)はその右端部で右サイド支持フレーム(7R)に片持ち梁状に支持されている。第2横桟(39)の右サイド支持フレーム(7R)による支持位置よりも左側の部位が片持ち梁部(29)である。なお、(G2)は、第2横桟(39)の左端部(先端部)と左サイド支持フレーム(7L)との間の隙間である。
胸部受け片(37A)は、その右端部で第1横桟(38)の右端部(先端部)に突設された支点部(28)に溶接等により固定されて支持されている。さらに、この胸部受け片(37A)は、その左端部で第2横桟(39)の左端部(先端部)に突設された支点部(28)に溶接等により固定されて支持されている。
なお本発明では、胸部受け片(37A)は支点部(28)にボルト−ナット等の締結部材により固定されて支持されていても良い。
また、第1横桟(38)の片持ち梁部(29)の左サイド支持フレーム(7L)による支持位置の近傍部の上下両面の互いに対向する位置に、歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が二対、直接貼り付けられている。この二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)を「左歪みゲージ群(40L)」という。二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)は、図2に示すように電気的に接続されることによって、ブリッジ回路(41)が形成されている。これらの歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が貼り付けられた第1横桟(38)の片持ち梁部(29)が起歪体として機能する。
また、第2横桟(38)の片持ち梁部(29)の右サイド支持フレーム(7R)による支持位置の近傍部の上下両面の互いに対向する位置に、歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が二対、直接貼り付けられている。この二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)を「右歪みゲージ群(40R)」という。二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)は、図2に示すように電気的に接続されることによって、ブリッジ回路(41)が形成されている。これらの歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)が貼り付けられた第2横桟(39)の片持ち梁部(29)が起歪体として機能する。
本第7実施形態の生体情報計測装置(A7)及びこれに用いられるベッド(1)の他の構成、並びに生体情報計測方法は、上記第1実施形態と同じであり、重複する説明を省略する。
而して、本第7実施形態の生体情報計測装置(A7)では、ベッド(1)の上半身受け体(3)の胸部受け片(37A)は、第1横桟(38)及び第2横桟(39)を有している。そして、第1横桟(38)がその左端部で左サイド支持フレーム(7L)に片持ち梁状に支持されているから、この第1横桟(38)が敏感に振動するようになる。また、第2横桟(39)がその右端部で右サイド支持フレーム(7R)に片持ち梁状に支持されているから、この第2横桟(39)が敏感に振動するようになる。さらに、胸部受け片(37A)がその右端部で第1横桟(38)の右端部(先端部)に支持され且つその左端部で第2横桟(39)の左端部(先端部)に支持されているから、胸部受け片(37A)、第1横桟(38)及び第2横桟(39)はいずれも敏感に振動するようになる。そして、第1横桟(38)及び第2横桟(39)にそれぞれ歪みゲージ(40a)(40b)が貼り付けられているから、被験者の呼吸や心拍に起因する振動をより一層確実に検出することができる。したがって、被験者の呼吸情報や心拍情報をより一層精度良く計測することができる。
さらに、歪みゲージ(40a)(40b)が第1横桟(38)及び第2横桟(39)にそれぞれ貼り付けられているから、ベッド(1)上における被験者の就寝位置を検出することができる。
図15は、本第7実施形態の生体情報計測装置(A7)により被験者の生体情報を計測した場合の、ブリッジ回路(41)からの出力信号の一実測例を示す図(グラフ)である。
同図に示すように、本第7実施形態の生体情報計測装置(A7)によれば、呼吸波成分と心拍波成分を非常に明確に観測することができ、したがって呼吸情報(呼吸数等)と心拍情報(心拍数等)を、第1実施形態の生体情報計測装置(A1)及び第3実施形態の生体情報計測装置(A3)よりも、より一段と高精度に計測することができる。
以上で、本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に示したものに限定されるものではなく、様々に設定変更可能である。
例えば、上記実施形態では、いずれも、ベッド(1)の寝床面構成部材(2)に貼り付けられる歪みゲージ(40a)(40b)の個数は、合計八個であるが、本発明では、歪みゲージの個数は八個に限定されるものではなく、例えば、一個であっても良いし、二個であっても良いし、三個以上であっても良い。
また、上記実施形態では、いずれも、各ブリッジ回路(41)に用いられる歪みゲージの対数は、二対であるが、本発明では、歪みゲージの対数は二対に限定されるものではなく、例えば、三対であっても良いし、四対以上であっても良い。
また、上記実施形態では、いずれも、二対の歪みゲージ(40a)(40a)(40b)(40b)からなる歪みゲージ群(40L)(40R)の組数は、二組であるが、本発明では、歪みゲージ群の組数は二組に限定されるものではなく、例えば、一組であっても良いし、三組であっても良いし、四組以上であっても良い。
また、上記実施形態では、いずれも、歪みゲージは寝床面構成部材(2)の一部に、接着剤等によって貼り付けられることで取り付けられているが、本発明では、歪みゲージはカシメ、ネジ止め、リベット止め、溶接(例:スポット溶接)等の機械的接合手段によって沿接状態に取り付けられていても良い。
また、上記第2実施形態では、ベッド(1)の上半身受け体(3)は、その左右方向中間部で左半片(23)と右半片(24)とに完全に分割されているが、本発明では、左半片(23)と右半片(24)とが一部で繋がっていても良い。
さらに、本発明では、ベッド(1)の上半身受け体(3)の分割態様や分割数は、上記実施形態に示したものに限定されるものではない。
また、本発明では、生体情報計測装置(A1〜A7)やベッド(1)には、必要に応じて、安全上の装置が付設されていても良いし、安全上の処理が施されていても良い。
また、本発明では、ベッド(1)は、被験者が睡眠するために用いられるものであっても良いし、病院や介護施設などで用いられる診察台、検査台、ストレッチャー等であっても良い。