JP2005177097A - 生体挿入用カテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、カテーテルを施術後シャフト部を介して手元側に引張り体外に抜去する際、引張荷重がシャフト部と先端チューブ部との接着箇所に集中することを防止することにある。
【解決手段】シャフト部2と先端チューブ部4は合成樹脂の押出成形による管状部材であり、該管状部材は押出成形時に延伸配向、結晶化により硬化される。シャフト部2と先端チューブ部4の接着箇所近傍において、両者又はそのいずれか一方を局所的に熱処理することにより硬化を除去又は低減するか、両者のいずれかより伸び特性の良好な管状部材を接着箇所5に挿入することにより伸長部7を設定した。
カテーテルに設定された伸長部7はシャフト部2よりの引張荷重が、その降伏点荷重値以上に印加されると伸長し、引張荷重の接着箇所への直接印加を緩和する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、診断又は治療のため医療器具又は薬液等を患部又は治療部の目的部位に導入するため、患者の血管、管腔等に挿入される生体挿入用カテーテルの構成、構造に関するものである。
〔発明の背景〕
生体挿入用カテーテルは診断又は治療目的のため生体の血管又は管腔に挿入される管状部材よりなる医療器具である(以下生体挿入用カテーテルを単にカテーテルと称する)。
カテーテルは生体の血管、管腔等の脈管構造内に挿入され、診断、治療、薬剤投与、排液、潅注等の多岐に目的に利用される。カテーテルがこれ等の目的に利用される場合、カテーテルは患者の皮膚の切開部より血管内に挿入され、或いは消化管、リンパ管、気道、尿道等の管腔に挿入され、診断或いは治療ための目的部位にカテーテルの先端チューブ部を案内到達せしめる。
カテーテルのシャフト部には生体内挿入時に手元側となる端部にカテーテルハブが取付けられ、このカテーテルハブはカテーテルの生体内への挿入、生体内目的部位への案内に用いられるガイドワイヤー、その他の治療目的機具、薬剤注入管等のカテーテルへの挿入口となる。
またシャフト部の生体内への挿入先端側には先端チューブ部が、更にその先端にチップ部が接着されている。
カテーテルのシャフト部はその構成の主体部となり、生体内への挿入にあたり、血管又は管腔の複雑な屈曲に対応する追従性(トラッカビリティ)が要求されると共に、カテーテルの体内への挿入時の押し込み易さ(プッシャビリティ)と、更に生体組織を傷つけない柔軟性と滑り性とが要求される。
先端チューブ部と、チップ部はカテーテルの先端部となり、患部、目的部位に的確に到達されるよう、シャフト部に較べ更に柔軟で可撓性が要求される。
〔従来の技術〕
従来より、これ等カテーテルは目的用途に合わせて、それぞれの要求特性に応じて各種のものが作製され、これに対応する構成、構造、使用される部材の選定、或いは性能向上のための検討が進められており、カテーテルに関しては多数の特許が開示されている(例えば特許文献1〜6参照)。
米国特許第4976690号公報 米国特許第4775371号公報 特許第3343266号公報 特許第3115799号公報 特開2003−019025号公報 特開2000−185103号公報
上記特許はカテーテルの生体内への挿入の際の性能向上を主要目的とした各種の改善に関するものである。
一方、カテーテルを利用しての治療施術において、施術後におけるカテーテルの体内よりの引抜き、抜去の際の操作性に対する配慮も重要事項である。
施術後に確実に生体内よりカテーテルが抜去可能なカテーテルの構成と構造に関する改善が要求されるところである。
体内治療部位へカテーテルを挿入し施術の際、カテーテル先端の柔軟な先端チューブ部は複雑に屈曲した血管又は管腔等に挿入される。施術後にカテーテルをシャフト部を介して引張り、体外へ引き抜く抜去の際に、シャフト部よりの引張荷重が、先端チューブ部と、シャフト部と先端チューブ部との接着箇所に印加されることになる。
シャフト部と先端チューブ部との接着箇所における接着引張強度は一般にシャフト部、先端チューブ部自体の引張強度より弱いため、カテーテル抜去のための引張荷重が直接接着箇所へ集中することのないような構造のカテーテルが望まれる。
施術者がカテーテルの体外への抜去の際、先端チューブ部が体内へ係留、係止を感知した場合、施術者はカテーテルを手元側へ一方向に無理に引張ることなく、シャフト部をカテーテルの挿入方向に押し戻し、次に手元側に引き戻す。これを繰り返すことにより、先端チューブ部の体内への係留を解除し、カテーテルを体外へ抜去することを実施している。本発明においては、カテーテルの体外への抜去の操作をより良好に実施出来るようにすることを目的とする。
カテーテルのシャフト部と先端チューブ部とはその端部を接着箇所において接着剤、或いは相互の溶着によって接着されている。この接着箇所の引張強度は一般に管状部材本体の引張強度より弱い。
本発明においては、カテーテルの施術後の体外への抜去の際、先端チューブ部が係留、係止された場合、シャフト部の手元側への引張荷重がシャフト部と先端チューブ部との接着箇所に集中することのないよう、両者の接着箇所近傍に伸長部を設定することにした。これによりカテーテルの抜去で、シャフト部よりの引張荷重が伸長部の降伏点荷重値以上になると、伸長部は伸長し、引張荷重が先端チューブ部との接着箇所に集中することがなく吸収緩和されるようにした。
上記伸長部はカテーテルのシャフト部と先端チューブ部との接着箇所の近傍、又はこれに隣接して設定されることが、引張荷重の集中を吸収緩和するのに適切である。伸長部の設定はシャフト部、先端チューブ部の両者又はいずれか一方の適切な箇所に対して管状部材の作製時に起こる配向硬化および結晶化を除去又は結晶化度を低減することによって行なう。また他の方法としてはシャフト部と先端チューブ部との間に伸び特性の良好な材料よりなる管状部材を挿入接着して伸長部とする。
シャフト部、先端チューブ部のいずれの管状部材も各種の合成樹脂材料を押出成形により作製される。この押出成形の際、合成樹脂材料を構成する高分子は押出し方向に延伸され配向される。この配向度は合成樹脂の種類、押出機口金温度、押出し速度、押出し後の冷却条件等により変わる。その高分子の配向度が高くなるほど、引張強度は大きくなり、逆に配向度を低減、除去すると軟化する。
シャフト部、先端チューブ部の管状部材の押出成形時に生起した延伸配向硬化は管状部材の冷却後には部材中に固定される。部材中に固定された配向は、部材を加熱することにより緩和されて配向度が低下し、硬度は低減する。したがってカテーテルのシャフト部と先端チューブ部のいずれか或いは両者に伸長部を設定するには、伸長部の設定必要箇所を局部的に加熱処理することにより、この部分の延伸硬化を除去又は低減することによって達成することが出来る。
カテーテルでX線の視認を必要とされるものでは、部材の材料となる合成樹脂にBaSO4 、Bi2 3 等の造影剤を混入する。伸長部としてシャフト部と先端チューブ部の間に伸び特性の良好な管状部材を挿入接着する構成をとる場合は、上記伸長部材に添加する造影剤の混入量をシャフト部、又は先端チューブ部の混入量よりも低減するか、或いは混入しないものとして、伸長部の伸び特性を改善することも出来る。
シャフト部と先端チューブ部の両者又はいずれか一方が結晶性合成樹脂材料からなる場合、管状部材の押出成形時に結晶化されると硬度は高くなる。この結晶化により硬化した管状部材の結晶化度を局所的に低減して伸長部を設定することも可能である。
このような管状部材の結晶化度の低減は、熱処理後の冷却条件により達成される。
また伸長部に別部材よりなる管状部材をシャフト部と先端チューブ部間に挿入接着して伸長部とする構成の場合には、この伸長部に非結晶合成樹脂、或いは結晶化度を低減した伸び特性の良好なものを使用する。
この結晶化度低減のための熱処理において、前記管状部材の延伸による配向硬化も同時に除去又は低減することも出来る。
伸長部はシャフト部から及ぼされる引張荷重が印加初期においては伸長することなく、引張荷重が伸長部の降伏点荷重値以上になると伸長が開始され、伸長は引張荷重が増加すると共に少なくとも10mm以上におよび、接着箇所への引張荷重の集中を緩和するように作用する。
本発明では、カテーテルにおいて、そのシャフト部と先端チューブ部との接着箇所近傍に両者又はそのいずれか一方の配向硬化、又は結晶化を除去又は低減した伸長部を設定するか、或いはシャフト部と先端チューブ部間に両者或いはそのいずれか一方より伸び特性の良好な合成樹脂管状部材を伸長部として介在、接着したカテーテルを作製した。
カテーテルに上記伸長部を設定することにより、シャフト部と先端チューブ部間に引張荷重が印加された場合、この引張荷重が伸長部の降伏点荷重値以上に印加されると伸長部が伸長し、機械的強度の弱い接着箇所へ引張荷重が集中することなく緩和作用をもたせたものとすることが出来た。
本発明をカテーテルに適用することにより、カテーテルを用いて施術後の体外へのカテーテルの抜去における操作性を向上することが出来た。
カテーテルの一事例としての構成を図1に示す。1は手元側となり、ガイドワイヤー等の挿入口となるカテーテルハブ、これに連結されてシャフト部2、先端チューブ部4、最先端のチップ部6で構成される。シャフト部2及び先端チューブ部4はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリスチレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリイミド等の各種合成樹脂、或いはポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、弗素系エラストマー等の各種エラストマーを構成材料としている。
シャフト部2は上記各種合成樹脂材料を使用して管状に押出成形され、目的用途により屈曲性の他にプッシャビリティが要求されるため、その管壁層中にはステンレス鋼、Ni−Ti合金等の金属細線の編組が挿入されており、合成樹脂層も一般に多層とされている。
先端チューブ部4は上記各種合成樹脂材料を使用して同じく管状に押出成形され、生体内の血管又は管腔等の複雑に屈曲部に挿入出来るよう、柔軟なものとされ、各種エラストマー材料も利用される。又カテーテルの挿入位置をX線により視認が必要とされる場合にはこれら管状部材にはBaSO4 、Bi2 3 等の造影剤が混入される。
カテーテルはシャフト部2、先端チューブ部4共に、それぞれの機能に合わせた管状部材が作製され使用されている。この管状部材の機械的な性質には、寸法、形状、材質と共に、管状部材作製時の延伸配向、及び結晶化による硬化が影響する。このような管状部材に対する伸長部の設定に当たっては、伸長部は設定部位、設定長等についてシャフト部2、先端チューブ部4のカテーテルとして要求される機能を阻害しないよう配慮して設定されなければならない。
シャフト部2、先端チューブ部4に対する伸長部の設定は、管状部材への設定位置、設定長さに見合うよう必要部以外を遮熱管等を用いて遮蔽して、伸長部設定部分のみを局所的に加熱することにより実施する。
上記伸長部設定のために行なう管状部材の局所的に加熱においては非加熱部の遮蔽に熱絶縁性のセラミック、ガラス、耐熱合成樹脂管を挿入し、伸長部設定部位には隙間を設けて、上記遮蔽から露出させ、該露出部を加熱することにより伸長部を設定する。
シャフト部2と先端チューブ部4の接着は温風、ヒーター、輻射熱照射、芯金材の高周波誘導等の各種方法で接着箇所を加熱、圧着して実施される。このシャフト部2、先端チューブ部4のいずれか一方或いは両者に伸長部を設定するに当たって、これ等の接着加熱時に伸長部部分を同時に加熱して伸長部とするすることも可能である。また接着後に再度伸長部設定部位を加熱して伸長部としてもよい。
延伸配向硬化部分は構成合成樹脂材料をその融点温度付近に加熱することにより、配向を緩和し、配向硬化を除去又は低減することが可能である。
また、結晶化樹脂の場合はその構成合成樹脂材料を結晶化温度以上に加熱し、急冷することにより結晶化度を低減することが出来る。
カテーテルのシャフト部2と先端チューブ部4の間に伸長部として別部材よりなる管状部材を接着挿入する場合には、この伸長部の管状部材は作製時に延伸硬化しているものについては加熱処理により配向硬化を低減又は除去し、結晶化については非晶質材質によるもの、或いは前記方法で結晶化度を低減したものを使用する。また材質の異なるものとして前記各種合成樹脂材料に同種材のエラストマーを混合して使用することも出来る。
次に伸長部の長さ決定として、カテーテルの接着部を想定した引張試験を実施した。試験片としては外径φ1.43mm、内径φ1.05mmのポリアミド−ポリアミドエラストマーで、一方はBaSO4 40wt%混入、ステンレス鋼編組入り3層管を、他方は同材でBi2 3 40wt%混入の単層管とし、両者の端部を0.5mm重ね合わせて溶融溶着した。試験片は片側25mm、全長50mmとし、先端チューブ部相当の単層管の溶着箇所隣接部分に伸長部を0mm〜20mmにわたり、長さを変えてそれぞれ設定した。引張試験機のチャック間距離30mmに固定し、速度200mm/min.で引張試験を実施した。
図2(a)は、伸長部の設定のない先端チューブ部4を試験片として引張試験結果を示した。引張荷重を縦軸に、引張りによる破断に至るまでの変位を横軸にとってある。この場合3.4mm伸長変位した後、溶着箇所において引張荷重14.3Nで破断した。
図2(b)は、5mmの長さの伸長部を設けた先端チューブ部4を試験片として引張試験における破断に至るまでの引張荷重と変位をとった結果を示した。印加する引張荷重が伸長部の降伏点荷重の14N程度に達すると伸長部の伸長が始まり、この伸長部における伸長が33.4mmに達し、引張荷重15.4Nで溶着箇所で破断した。引張荷重と引張伸長変位の関係は、この図に示されるように伸長開始点の14Nまでは伸長部における伸長は殆どなく、この点に達すると伸長部の伸長が開始され、引張荷重の漸増と共に伸長変位は大きくなり、引張荷重が溶着強度に達すると溶着箇所で破断した。
伸長部の機械的強度は先端チューブ部本体と較べ延伸配向硬化除去相当分だけ低い。この試験片に引張荷重が印加されると、伸長部はこの機械的強度の降伏点までは他部と同様に耐える。引張荷重がこの降伏点荷重に達すると伸長部は伸長を開始する。伸長部には合成樹脂材料の伸長に伴って合成樹脂材料中の高分子の配向が起り、引張荷重印加と上記配向硬化が平衡しながら伸長が継続される。その後、引張荷重が溶着箇所の溶着強度に至るとこの溶着箇所で破断する。
図3(a)は、上記試験片の先端チューブ部4に0mm〜20mmにわたって伸長部の長さを変えて設定したものについて、伸長部の長さと引張りによる破断荷重との関係の測定結果を示した。破断はいずれも溶着箇所で起り、破断荷重は伸長部の長さにかゝわらず15N前後の値となっいる。
図3(b)にはこの実験における引張荷重印加による破断に至るまでの伸長部の伸長変位と、伸長部の設定長さとの関係を示した。
伸長部の設定のないものでは引張試験における伸長変位は3.4mmと殆ど伸長がないが、伸長部が5mm以上になると伸長変位は33mmに達し、後は伸長部の長さと関係なく、35mm前後の伸長変位となっている。
上記実験結果に基づき、カテーテルへ伸長部を設定するにあたり、その設定部位、設定長さ等カテーテルを構成するシャフト部、先端チューブ部の形状、寸法、材質等に応じて、それぞれの性能を阻害しないように配慮して伸長部は設定される。
伸長部の設定にあたり、この実験範囲での伸長部の長さに対し、伸長変位はほぼ同じ値を示すことにより、伸長部の設定自由度は大きく、伸長部の設定は容易と考えられる。
上記は一事例による伸長部の設定に関する結果であり、記載の通りカテーテルは種類により、寸法、形状、構成材料が各種あるため、それぞれに応じた適切な伸長部設定が好ましく、上記事例にこだわることなく任意に選択されるものとする。
以下、本発明を実施例によって説明する。但し本発明は以下に示される実施例のみに限定されるものではない。
カテーテルとして図1の構成のものへの本発明の実施例である。図1におけるシャフト部2は長さ950mmの管状部材であり、ポリアミドとポリアミドエラストマーの混合材にBaSO4 を40wt%混入したものを素材とした。即ち前記合成樹脂素材の下層を管状に押出成形し、この上にステンレス鋼細線を編組し、この編組3上に上層として前記合成樹脂素材を2層に押出成形してコーティングした。その肉厚は上記編組材入り3層成形で0.2mm、外径はφ1.4mm、内径はφ1.0mmとした。
先端チューブ部4は全長30mmの同じく管状部材で、ポリアミドとポリアミドエラストマーの混合材にBi2 3 を40wt%混入したものを素材とし、単層に押出成形した。カテーテルの最先端側にはチップ部6を溶着した。このチップ部6の長さは1.0mmで材質は先端チューブ部4と同質であるが、更に柔軟なものとしている。
シャフト部2の先端側には先端チューブ部4を溶着し、溶着箇所5とした。該溶着箇所5において、シャフト部2と先端チューブ部4の溶着端は0.5mm相互に重ね合わせて溶着した。この溶着においてはそれぞれの合成樹脂を融点以上に加熱溶融させ、同時に重ね合わせ部に外周より他部と同径になるよう外圧を印加して溶着した。
本実施例では、溶着箇所5に隣接して、先端チューブ部4に5mmの長さの伸長部を溶着と同時に加熱することにより設定した。この加熱処理は加熱範囲を限定して実施するため、熱絶縁性セラミック管を外挿し、加熱範囲外の部分を遮蔽し、溶着箇所5と伸長部を露出し、輻射熱照射により局所加熱して実施した。
この溶着箇所5へ隣接して先端チューブ部4の局所加熱により、先端チューブ部4に延伸配向硬化は除去され伸長部を設定することが出来た。この先端チューブ部4は次工程において、先端形状成形用の芯金を挿入し加熱することにより、カテーテルの仕様に合わせた形状付与を行なった。次にシャフト部2の手元側端にカテーテルハブ1を接着してカテーテルの組立てを完了した。
本実施例における伸長部の設定部位を図4に示した。図4に示す7が伸長部となる。
本実施例で作製したカテーテルのシャフト部2と先端チューブ部4との溶着箇所5と伸長部7を介して引張試験を実施した。引張試験の結果は前記実験結果の図2(b)の結果とほぼ一致した。溶着箇所5への引張荷重の印加は先端チューブ部4に設定した伸長部7が約35mm伸長した後となり、引張荷重の直接印加は緩和されたものとなった。
本実施例では、シャフト部2と先端チューブ部4との両者端を直接溶着することなく、この間に両者又はそのいずれか一方により伸び特性の良好な管状部材を伸長部として介在させた構造のものとした。
カテーテルとしては実施例1と同じカテーテルへの適用を行なった。シャフト部2と先端チューブ部4との間に、両者と同種の合成樹脂よりなり先端チューブ部4に混合したBi2 3 の混入量を40wt%より20wt%に低減した材料を伸長部の材料に使用した。
伸長部へのBi2 3 の混入量を40wt%より20wt%に低減することにより、伸び特性は良好なものとなり、且つ合成樹脂素材をシャフト部2、先端チューブ部4と同一なものとすることにより、この伸長部とシャフト部2、先端チューブ部4のそれぞれとの溶着も容易に行なわれた。伸長部となる管状部材はシャフト部2と先端チューブ部4と同径、同肉厚とし、その長さはこの場合も5mmとして両者間に挿入した。
この場合のそれぞれへの溶着条件は若干異なるが、同一温度で加熱と加圧により溶着が可能となり、この際の溶着加熱により上記伸長部の管状部材は延伸配向硬化も低減除去された。
図5に本実施例における伸長部の構造を示した。図5の8が伸長部となる管状部材であり、シャフト部2、先端チューブ部4間の引張試験において溶着箇所での破断に至るまでの伸長部8の伸長に関しては前記例と同様の挙動を示した。
本発明のカテーテルは生体内から抜去する際の引張荷重がシャフト部と先端チューブ部との接着箇所に集中することを防止され、抜去操作が良好に実施出来る。
生体挿入用カテーテルの構成図 シャフト部材と先端チューブ部材を溶着し、先端チューブ部に伸長部を設定しないもの(a)と5mmの長さの伸長部を設定したもの(b)の引張試験結果を示したグラフ シャフト部材と先端チューブ部材を溶着し、先端チューブ部に伸長部を0mm〜20mmにわたって長さを変えて設定した試験片の引張試験結果を示したグラフ (a)伸長部の設定長さと引張破断荷重 (b)伸長部の設定長さと引張破断に至るまでの伸長変位 シャフト部材と先端チューブ部材を溶着し、その溶着箇所に隣接して先端チューブ部に配向硬化を除去して設定した伸長部の部分拡大図 シャフト部と先端チューブ部間に別部材で設けた伸長部の部分拡大図
符号の説明
1 カテーテルハブ
2 シャフト部
3 シャフト部管壁層中のステンレス鋼細線編組
4 先端チューブ部
5 接着箇所
6 チップ部
7 配向硬化除去した伸長部
8 X線造影剤混入量を低減した伸長部

Claims (6)

  1. 合成樹脂の管状部材により構成されるカテーテルにおいて、そのシヤフト部及び/又は先端チューブ部に伸び特性の良い伸長部を設けたことを特徴とする生体挿入用カテーテル。
  2. 該伸長部はシャフト部と先端チューブ部の接着箇所に隣接して、両者又はいずれか一方に、伸長部を設けられる請求項1に記載の生体挿入用カテーテル。
  3. 該伸長部はシャフト部及び/又は先端チューブ部部材である管状部材作製時の延伸による配向硬化を除去又は低減させることによって設定される請求項1又は請求項2に記載の生体挿入用カテーテル。
  4. シャフト部と先端チューブ部の接着箇所に両者又はいずれか一方より伸び特性の良好な材料よりなる管状部材を伸長部として挿入接着した請求項1又は請求項2に記載の生体挿入用カテーテル。
  5. シャフト部と先端チューブ部の両者又はそのいずれか一方がX線視認用造影剤を混入した合成樹脂からなる場合、伸長部となる管状部材には造影剤の混入のないもの或いは混入量を他より低減した合成樹脂を材料として使用する請求項4に記載の生体挿入用カテーテル。
  6. シヤフト及び/又は先端チューブ部の構成材料が結晶性合成樹脂よりなる場合、伸長部として結晶化度を両者又はそのいずれか一方よりも低減したものとするか、伸長部に管状別部材を挿入接着して構成する場合には、その管状部材を非晶質のもの、或いは結晶化度を他より低減したものとした請求項1〜請求項5に記載の生体挿入用カテーテル。
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