JP2005175405A - 積層構造体並びに半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

積層構造体並びに半導体装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 少なくともシリコンを含有する絶縁膜の積層構造を有する半導体装置において、実効誘電率を著しく上昇させることなく、かつ、リーク電流を抑制しつつ、隣接する絶縁膜同士の密着性に優れた絶縁膜の積層構造を提供する。
【解決手段】 互いに組成、或いは組成比の異なる、少なくともシリコンを含有する絶縁膜の積層構造に対し、酸素を含有する雰囲気において紫外線照射を行うことにより、第1の絶縁膜と第2の絶縁膜の接触界面を挟んで、第1の絶縁膜に第1の遷移層、第2の絶縁膜に第2の遷移層が形成されている膜積層構造を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に多層配線を構成する積層構造体並びに半導体装置及びその製造方法に関する。
近年の半導体素子の高集積化、微細化に伴い、シリコン酸化膜に比べて低い誘電率を持つ絶縁膜を配線層間絶縁膜(以下、層間絶縁膜と称する)として用いた半導体装置が開発されている。例えば、シリコン酸化膜中に含まれる酸素原子の一部を、フッ素や、少なくとも炭素を含む化学種に置換した層間絶縁膜や、それらに微細な空孔を設け、低誘電率化を実現した層間絶縁膜が開発されている。
しかしながら、低誘電率層間絶縁膜の多くは、低密度であることに加え、表面に炭素を含む化学種が存在することにより、層間絶縁膜と、その上下層との密着性が弱いという課題がある。
上記密着性不足による問題としては、第1に、近年の半導体装置作成プロセスでは必須工程である化学機械研磨工程(Chemical Mechanical Polishing ,CMP :埋め込み配線を形成する際に行う平坦化プロセス)を実行する際に発生する応力により膜剥離が起こり、配線形成が困難となるという問題がある。第2に、トランジスタの微細化に伴いチップ内のトランジスタの実装数が増大し、必然的に配線数は増大するが、チップサイズの縮小の要求に対応するためには、配線の多層化が必要となるという問題がある。配線部分を多層構造にすると、界面での応力集中が増大するため、層間絶縁膜とこれに隣接する膜との接触界面において密着性が充分でない場合には、該接触界面で膜剥離が起こり、結果として半導体装置の電気的信頼性が低下してしまう。
更には、半導体装置は、その組み立て工程において、ダイシングやパッケージング、ワイヤボンディングなどの工程を経るため、特に層間絶縁膜とその下に位置する下地基板との接触界面の密着性不足や、組み立て工程において半導体装置に加えられる力学的な負荷により、層間絶縁膜と下地基板との接触界面で膜剥離が起こり、半導体装置の電気的信頼性が低下するという課題があった。
このような問題を解決するため、例えば、特許文献1には、下地基板に対してプラズマ照射を行い、下地基板表面を親水性化することで、その上に塗布法により形成する層間絶縁膜材料との密着性を向上させるという製造方法が記載されている。
また、特許文献2に記載の従来の半導体装置の製造方法では、下地基板に対して逆スパッタリングという物理的衝撃を与えることで、下地基板表面にダングリングボンドを形成し、その上に形成される層間絶縁膜との密着性を向上させるという製造方法が記載されている。また、同じく特許文献2には、密着性改善方法として、図15に示すように、層間絶縁膜(有機誘電体膜29)と下地基板(被処理基体31)との間に、シリコンリッチな無機誘電体層(密着層)30を挿入する方法が記載されている。
次に、層間絶縁膜の形成方法として、特許文献3には、ポリシラン化合物等で構成される膜形成用組成物を基板に塗布した後、膜の緻密化、及び開環重合を促進させる目的で、非酸化性雰囲気において光及びまたは熱処理を行うことにより層間絶縁膜を形成する方法が記載されている。
特開2003−115485号公報 (第3頁) 特開2000−183052号公報 (第3−5頁) 特開2003−133306号公報 (第3−6頁)
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術には、炭素原子を含有する絶縁体を下地基板として用いた場合、幾つかの問題点がある。
第1の問題点は、下地基板にプラズマ照射を行うことにより、下地基板から炭素が乖離し、下地基板の比誘電率が上昇することである。結果として、半導体装置の実効誘電率が上昇してしまう。
また、第2の問題点として、該形成方法における半導体装置の層間絶縁膜に用いる材料は、塗布法により形成する膜に限られるという問題がある。特許文献1に記載の製造方法の効果としては、下地基板の表面を親水性化させた結果、層間絶縁膜の形成用塗布材料を塗布する際の濡れ性を向上させることにより、密着性が向上する。これに対して、層間絶縁膜として化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition,以下CVD法と呼称)により堆積した膜を用いた場合、特許文献1に記載の方法では、層間絶縁膜と下地基板との密着性を向上させる効果が得られない場合や、逆に低下する場合がある。
第3の問題点としては、プラズマ照射後の下地表面近傍が低密度化することである。下地基板へのプラズマ照射は、塗布液の濡れ性を向上させる点では有効であるが、層間絶縁膜と下地基板との間に、組成が急激に遷移した低密度界面が存在することになる。このような低密度界面層が膜剥離の始点となってしまうため、信頼性確保に足る充分な密着性が得られず、更にはダイシングやワイヤボンディングなどの組み立て工程の際に半導体装置が受ける力学的負荷に耐え得る程度の密着性を実現するまでには至らないという問題がある。
第4の問題点としては、プラズマ照射により下地基板表面の炭素を乖離させ、親水性を持たせることにより、下地基板の吸湿性が向上してしまうという問題がある。水の比誘電率は約80であり、半導体装置に使用される層間絶縁膜の比誘電率(一般的には、5.0以下)と比較して非常に高いため、下地基板が水を吸収したり、その表面に水が吸着したりすると、下地基板の比誘電率が上昇し、ひいては半導体装置の実効誘電率が著しく上昇してしまう。また、半導体装置を形成した後、その使用状況によっては、疎水基の少ない層間絶縁膜と下地基板との接触界面から吸水が起こり、実効誘電率が上昇することに加え、リーク電流の増加や時間依存絶縁破壊(Time Dependent Dielectric Breakdown,TDDB)寿命の低下などを引き起こし、結果的に半導体装置の電気的信頼性が劣化する。
次に、特許文献2に記載の従来の半導体装置の製造方法においては、シリコン及び炭素を含有する絶縁体を下地基板として用いた場合、以下の問題点がある。第1の問題点は、物理的衝撃を与えて炭素などの元素を脱離させ、ダングリングボンドを生成させた層は、組成としてはシリコンリッチな層になることである。このシリコンリッチ層の存在により、実効比誘電率が上昇してしまい、後に金属配線を形成した場合に、該シリコンリッチ層が配線間リーク電流の導通経路になるという問題がある。同じく特許文献2に記載されている、図15に示す構造では、層間絶縁膜(有機誘電体膜)29と下地基板(被処理基体)31との間にシリコンリッチな無機誘電体層30(密着層)を挿入することにより密着性を向上させているが、該密着層は、層間絶縁膜29よりも誘電率が高いため、結果的に半導体装置の実効誘電率が上昇してしまうという問題がある。
次に、特許文献3に記載の製造方法では、下地基板上に層間絶縁膜形成用の塗膜を形成した後、非酸化性雰囲気にて光照射を行うため、該塗膜と下地基板との接触界面の構成元素は変化しない。従って、該層間絶縁膜と下地基板との間に、構成元素が異なる界面又は構成元素の組成比が急激に変化する界面が存在するため、通常用いられる膜形成方法(熱焼成など)により該層間絶縁膜を形成した場合と比較して、該層間絶縁膜と下地基板との密着性を大幅に改善することはできないという問題がある。
また、特許文献3に記載の層間絶縁膜の形成方法においては、下地基板としてシリコン基板を用いている。該形成方法により、シリコン基板上に塗膜を形成した後、光照射を行っても、シリコン基板表面の構成元素の組成比は変化しない。従って、該形成方法によって密着性を改善できる原因としては、光照射による層間絶縁膜の架橋密度の向上が主なものであり、この場合は、熱焼成で層間絶縁膜を形成した場合と比較して、密着性を大幅に改善することは困難である。
実際に多層配線構造を形成する際には、層間絶縁膜の下には、Si、O、C、N、H等の元素からなる絶縁膜が堆積されているのが通例である。さらに詳しくは、該絶縁膜は、下層に形成される配線材料である銅、又は銅を主成分とする合金の拡散を防ぐためのキャップ膜である場合が多い。該キャップ膜の構成元素としては、Si、C、N等があげられ、多くの場合酸素を含有しないか、又は微量の酸素のみを含有する。該キャップ膜に対して、特許文献3に記載の方法により層間絶縁膜を形成し、Si−Si結合の解裂及び再結合反応、または、開環重合により、層間絶縁膜と下地基板との間に化学結合が生成されるとしても、生成される化学結合の多くはシリコンと炭素、又はシリコンと窒素といった結合になる。
シリコンと炭素との結合エネルギーやシリコンと窒素との結合エネルギーは、例えばシリコンと酸素との結合エネルギーよりも低い値であるため、化学結合の観点からは、該形成方法により、層間絶縁膜と下地絶縁膜との間に高い密着性を実現することは困難である。
このように、従来は、半導体装置の層間絶縁膜として適用した場合に、半導体装置の実効誘電率を上昇させることなく、また層間絶縁膜に隣接する膜の性能を劣化させることなく、層同士が高い密着性を示す積層構造体並びこれを用いた半導体装置及びその製造方法は提供されていなかった。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、半導体装置の層間絶縁膜として適用した場合に、半導体装置の実効誘電率を上昇させることなく、また層間絶縁膜に隣接する膜の性能を劣化させることなく、層同士が高い密着性を示す積層構造体並びにこれを用いた半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、それぞれが少なくともシリコンを含有し、重ねて形成された第1及び第2の絶縁膜と、第1の絶縁膜の一部を変質させることにより第2の絶縁膜との界面に形成された第1の遷移層と、第2の絶縁膜の一部を変質させることにより第1の絶縁膜との界面に形成された第2の遷移層とを有し、第1及び第2の遷移層に共通して含まれる少なくとも一種類の元素の含有率は、第1の遷移層では第1の絶縁膜と、第2の遷移層では第2の絶縁膜とそれぞれ異なることを特徴とする積層構造体を提供するものである。以上の構成においては、第1の遷移層の厚さは、該第1の遷移層形成前の第1の絶縁膜の膜厚の70%以下であり、第2の遷移層の厚さは、該第2の遷移層形成前の第2の絶縁膜の膜厚の70%以下であることが好ましい。
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、少なくともシリコンを含有する第1の絶縁膜と、少なくともシリコンを含有し、第1の絶縁膜上に塗布された塗膜を焼成することによって形成された第2の絶縁膜と、第1の絶縁膜の一部を変質させることにより第2の絶縁膜との界面に形成された第1の遷移層と、焼成前の塗膜の一部を変質させることにより第1の絶縁膜との界面に形成された第2の遷移層とを有し、第1及び第2の遷移層に共通して含まれる少なくとも一種類の元素の含有率は、第1の遷移層では第1の絶縁膜と、第2の遷移層では第2の絶縁膜とそれぞれ異なることを特徴とする積層構造体を提供するものである。以上の構成においては、第1の遷移層の厚さは、該第1の遷移層形成前の第1の絶縁膜の膜厚の70%以下であり、第2の遷移層の厚さは、該第2の遷移層形成前の塗膜の膜厚の70%以下であることが好ましい。
上記本発明の第1又は第2の態様においては、第1及び第2の遷移層は、それぞれ酸素原子を含有し、第1の遷移層は第1の絶縁膜よりも酸素原子の含有率が高く、第2の遷移層は第2の絶縁膜よりも酸素原子の含有率が高いことが好ましく、第1及び第2の遷移層中のシリコン原子の含有量をA1及びA2、第1及び第2の遷移層中の酸素原子の含有量をB1及びB2でそれぞれ表し、第1及び第2の絶縁膜中のシリコン原子の含有量をa1及びa2、第1及び第2の絶縁膜中の酸素原子の含有量をb1及びb2でそれぞれ表した場合に下記条件Aを満たすことがさらに好ましい。
条件A:(B1/(A1+B1))>(b1/(a1+b1))かつ(B2/(A2+B2))>(b2/(a2+b2))
また、上記目的を達成するため、本発明は、第3の態様として、上記本発明の第1の態様又は第2の態様のいずれかの構成の積層構造体であって、少なくともシリコンを含有し、第2の絶縁膜上に重ねて形成された第3の絶縁膜と、第2の絶縁膜の一部を変質させることにより第3の絶縁膜との界面に形成された第3の遷移層と、第3の絶縁膜の一部を変質させることにより第2の絶縁膜との界面に形成された第4の遷移層とをさらに有し、第2及び第3の遷移層に共通して含まれる少なくとも一種類の元素の含有率は、第3の遷移層では第2の絶縁膜と、第4の遷移層では第3の絶縁膜とそれぞれ異なることを特徴とする積層構造体を提供するものである。この構成においては、第3及び第4の遷移層は、それぞれ酸素原子を含有し、第3の遷移層は第2の絶縁膜よりも酸素原子の含有率が高く、第4の遷移層は第3の絶縁膜よりも酸素原子の含有率が高いことが好ましく、第3及び第4の遷移層中のシリコン原子の含有量をA3及びA4、第3及び第4の遷移層中の酸素原子の含有量をB3及びB4でそれぞれ表し、第2及び第3の絶縁膜中のシリコン原子の含有量をa2及びa3、第2及び第3の絶縁膜中の酸素原子の含有量をb2及びb3でそれぞれ表した場合に下記条件Bを満たすことがより好ましい。
条件B:(B3/(A3+B3))>(b2/(a2+b2))かつ(B4/(A4+B4)>(b3/(a3+b3))
上記本発明の第3の態様のいずれの構成においても、第3の遷移層の厚さは、該第3の遷移層形成前の第2の絶縁膜の膜厚の70%以下であり、第4の遷移層の厚さは、該第4の遷移層形成前の第3の絶縁膜の膜厚の70%以下であることが好ましい。
また、上記目的を達成するため、本発明は、第4の態様として、上記本発明の第3の態様のいずれかの構成の積層構造体であって、第3の絶縁膜上に形成され、第2の絶縁膜まで達する凹部と、少なくともシリコンを含有し、凹部の内面に形成された第4の絶縁膜と、第2の絶縁膜の第4の絶縁膜との界面に形成された第5の遷移層と、第4の絶縁膜の第2の絶縁膜との界面に形成された第6の遷移層とをさらに有し、第5及び第6の遷移層に共通して含まれる少なくとも一種類の元素の含有率は、第5の遷移層では第2の絶縁膜と、第6の遷移層では第4の絶縁膜とそれぞれ異なることを特徴とする積層構造体を提供するものである。この構成においては、第5及び第6の遷移層は、それぞれ酸素原子を含有し、第5の遷移層は第3の絶縁膜よりも酸素原子の含有率が高く、第6の遷移層は第4の絶縁膜よりも酸素原子の含有率が高いことが好ましく、第5及び第6の遷移層中のシリコン原子の含有量をA5及びA6、第5及び第6の遷移層中の酸素原子の含有量をB5及びB6でそれぞれ表し、第2及び第4の絶縁膜中のシリコン原子の含有量をa2及びa4、第2及び第4の絶縁膜中の酸素原子の含有量をb2及びb4でそれぞれ表した場合に下記条件Cを満たすことがより好ましい。
条件C:(B5/(A5+B5))>(b2/(a2+b2))かつ(B6/(A6+B6))>(b4/(a4+b4))
上記本発明の第4の態様のいずれの構成においても、第5の遷移層の厚さは、該第5の遷移層形成前の第2の絶縁膜の膜厚の70%以下であり、第6の遷移層の厚さは、該第6の遷移層形成前の第4の絶縁膜の膜厚の70%以下であることが好ましい。
上記本発明の第1〜第4の態様のいずれの構成においても、第2の絶縁膜の比誘電率がシリコン酸化膜の比誘電率より低いことが好ましい。また、第2の絶縁膜の内部に、微細孔を有することが好ましい。
また、上記目的を達成するため、本発明は、第5の態様として、上記本発明の第1〜第4の態様のいずれかの構成の積層構造体に多層構造の配線が形成され、該配線にトランジスタが実装されたことを特徴とする半導体装置を提供するものである。
また、上記目的を達成するため、本発明は、第6の態様として、多層構造の配線に実装されたトランジスタを有する半導体装置を製造する方法であって、少なくともシリコンを含有する第1の絶縁膜の上に、少なくともシリコンを含有する第2の絶縁膜を堆積した後、多層配線の配線構造を形成し終えるまでに、酸素を含有する雰囲気中で第1及び第2の絶縁膜に対して少なくとも1回紫外線を照射することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供するものである。
また、上記目的を達成するため、本発明は、第7の態様として、多層構造の配線に実装されたトランジスタを有する半導体装置を製造する方法であって、少なくともシリコンを含有する第1の絶縁膜の上に、少なくともシリコンを含有する塗膜を形成し、酸素を含有する雰囲気下で第1の絶縁膜及び塗膜に対して紫外線を照射し、次いで塗膜を焼成することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供するものである。
また、上記目的を達成するため、本発明は、第8の態様として、多層構造の配線に実装されたトランジスタを有する半導体装置を製造する方法であって、少なくともシリコンを含有する第1の絶縁膜上に、少なくともシリコンを含有する第2の絶縁膜を積層し、酸素を含有する雰囲気下で第1及び第2の絶縁膜に対して紫外線を照射することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供するものである。
また、上記目的を達成するため、本発明は、第9の態様として、多層構造の配線に実装されたトランジスタを有する半導体装置を製造する方法であって、少なくともシリコンを含有する第1の絶縁膜の上に少なくともシリコンを含有する第2の絶縁膜を形成し、第2の絶縁膜の上にシリコン及び酸素を含有する第3の絶縁膜を形成し、酸素を含有する雰囲気下で第1、第2及び第3の絶縁膜に対して紫外線を照射することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供するものである。
また、上記目的を達成するため、本発明は、第10の態様として、少なくともシリコンを含有する第1の絶縁膜をシリコン基板上に形成し、少なくともシリコンを含有する第2の絶縁膜を第1の絶縁膜上に形成し、少なくともシリコンを含有する第3の絶縁膜を第2の絶縁膜上に形成し、第3の絶縁膜を貫通して第2の絶縁膜にまで至る開口部を形成し、該開口部の内面に、少なくともシリコンを含有する第4の絶縁膜を形成し、酸素を含有する雰囲気下で、基板並びに第1、第2、第3及び第4の絶縁膜に対して紫外線を照射することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供するものである。
[発明の特徴]
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、少なくともSiを含有する第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜とは組成又は組成比の異なるとともに少なくともSiを含有する第2の絶縁膜との接触界面を挟んで、第1及び第2の絶縁膜それぞれに遷移層を形成することが、上記課題の解決に有効であることを見出した。
該遷移層は、第1の絶縁膜に第1の遷移層が、第2の絶縁膜に第2の遷移層がそれぞれ形成されていることを特徴とする。また、第1の遷移層、第2の遷移層、接触界面の少なくとも1種類の共通する元素の組成比が、第1及び第2の絶縁膜のそれぞれと異なることを特徴とする。
更に詳しくは、該接触界面並びに第1及び第2の遷移層内では、第1及び第2の絶縁膜内部よりも酸素元素の組成比が大きいことを特徴とする。
また、本発明による絶縁膜構造の製造方法は、第1の絶縁膜と第2の絶縁膜とからなる膜積層構造に対して、酸素を含有する雰囲気下で紫外線照射を行うことにより、第1の絶縁膜とこれに隣接する第2の絶縁膜との界面を化学的に組成変調し、第1及び第2の絶縁膜それぞれに遷移層を形成することを特徴とする。
また、本発明による半導体装置の製造方法は、第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜形成用の組成物を堆積してから、埋め込み配線構造を形成し終えるまでに、酸素を含有する雰囲気下で、少なくとも1回、基板上に紫外線を照射する工程を含むことを特徴とする。
[作用]
本発明によれば、互いに組成の類似した、第1及び第2の遷移層の存在により、第1の絶縁膜と第2の絶縁膜との密着性を強固にできる。また、第1及び第2の遷移層には酸素原子が存在しており、該酸素原子により第1の絶縁膜と第2の絶縁膜との密着性を強固にできる。すなわち、シリコンと酸素との結合エネルギーは、シリコンと炭素との結合エネルギーやシリコンと窒素との結合エネルギーと比較して高いため、該遷移層の存在によって、第1の絶縁膜と第2の絶縁膜とが強固に密着する。
また、層間絶縁膜に隣接する膜として、酸素を含有しないか、或いは酸素の含有量が僅かな膜を用いた場合においても、層間絶縁膜との密着性の向上を図ることができる。本発明によれば、半導体装置に使用される絶縁膜に要求される性質、比誘電率や、絶縁耐性や、耐吸湿性等を劣化させることがないため、半導体装置の実効誘電率を低く保つとともにリーク電流の発生を防止し、かつ、層間絶縁膜とこれに隣接する膜との密着性を高めることができる。従って、半導体装置の性能を劣化させることなく、力学的負荷に対する耐性を向上させることができるため、半導体装置の高性能化、高信頼性化を実現することができる。
本発明にかかる積層構造体を半導体装置に適用すれば、
(1)該膜積層構造の力学的な負荷に対する耐性を高めることができ、結果として、半導体装置の信頼性が向上する。
(2)公知の密着性強化技術を適用する場合よりも下地基板の比誘電率の上昇を低く抑えることができ、膜積層構造電体としても比誘電率の増加量を低減できる。
(3)層間絶縁膜、及び層間絶縁膜の電気特性や対吸湿性等の性能を劣化させることがないため、リーク電流の増加を抑え、低リーク電流を実現した半導体装置とすることができる。
という効果が得られる。
本発明によれば、半導体装置の層間絶縁膜として適用した場合に、半導体装置の実効誘電率を上昇させることなく、また層間絶縁膜に隣接する膜の性能を劣化させることなく、層同士が高い密着性を示す積層構造体並びにこれを用いた半導体装置及びその製造方法を提供できる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。以下の構造図は全て本発明の実施の形態を模式的に示すものであり、構成要素の図面上の比率により本発明による構造の寸法を規定するものではない。
〔第1の実施の形態〕
[構造]
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態として半導体装置の断面図が示されている。
Si及びCを含有する第1の絶縁膜1の上に、Si、C及びOを含有する第2の絶縁膜2が形成されており、第1の絶縁膜と第2の絶縁膜との接触界面の上下に、第1の絶縁膜1とも第2の絶縁膜2とも組成比の異なる、遷移層が設けられている。
該遷移層は、図1に示されるように、第1の絶縁膜1及び第2の絶縁膜2の接触界面を挟んで、第1の絶縁膜1に第1の遷移層3、第2の絶縁膜2に第2の遷移層4として、それぞれ形成されている。
該遷移層の構造を、化学結合の観点から、X線光電子分光法の測定結果を用いて以下に説明する。
図2に、第1の絶縁膜1、第1の遷移層3、第2の遷移層4及び第2の絶縁膜2からなる膜積層構造の、X線光電子分光法により測定した、Si2pスペクトルの深さ方向プロファイルを示す。第1の遷移層3及び第2の遷移層4の定義については、後に説明する。図2において、深さ200nm(200×10-9m)が、第1の絶縁膜1と第2の絶縁膜2との接触界面に対応する。図2を参照すると、第1の絶縁膜1と第2の絶縁膜2との接触界面近傍の深さにおいて、結合エネルギーが高エネルギー側へケミカルシフトしていることが確認できる。
図3は、第1の絶縁膜1及び第2の絶縁膜2からなる積層構造のSi2pスペクトルの結合エネルギーの最頻値を光電子分光法によって測定し、深さ方向へプロットした図である。なお、第1の絶縁膜1の厚さは50nmであり、第2の絶縁膜2の厚さは、200nmである。
図3において、深さ0nm〜200nmまでが第2の絶縁膜2、深さ200nm〜250nmまでは第1の絶縁膜1に対応する。深さ175nmから200nmの領域において、Si2pの結合エネルギーが、第2の絶縁膜2(100.6eV )に比べて高エネルギー側にシフトしている。また、200nmから230nmの領域においては、Si2pの結合エネルギーの最頻値が、第1の絶縁膜1(101.9eV )と比較して、高エネルギー側にシフトしている。この2つの領域をそれぞれ、第2の遷移層4、第1の遷移層3と定義する。Si2pのスペクトルピークの高結合エネルギー側へのケミカルシフトは、SiO2 (103.4eV )に近い化学結合状態に起因している。
また、図4に示すO1sスペクトルのピーク強度の深さ方向プロファイルにおいては、第1の遷移槽3及び第2の遷移層4の領域において、O1sのピーク強度が強くなっている。これは、第1及び第2の遷移層3,4においては、第1及び第2の絶縁膜1,2内部と比較して、酸素原子がより多く存在することを意味している。
この酸素原子の存在が、第1の絶縁膜1と第2の絶縁膜2との間の密着性を強固なものにする。すなわち、隣接する第1の絶縁膜1と第2の絶縁膜2の接触界面を挟んで、それぞれ組成の類似した第1及び第2の遷移層3,4が形成されているため、隣接する第1及び第2の絶縁膜1,2同士の密着性が向上する。
また、シリコンと酸素との結合エネルギーは、シリコンと窒素との結合エネルギー、又はシリコンと炭素との結合エネルギーよりも高いため、化学結合力の強さにより第1の絶縁膜と第2の絶縁膜との密着性が強固になるという効果がもたらされる。更には、上記構造による半導体装置は、従来の方法により形成した半導体装置に対して、実効誘電率の上昇を抑制でき、かつ、膜の絶縁耐性を低下させたり吸湿性を上昇させることがないため、低リーク特性が得られる。従って、半導体装置の電気的性能を劣化させることなく強固な密着性を得ることができ、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
なお、本実施形態による遷移層の厚さは、遷移層を内包する絶縁膜の遷移層形成前の厚さの70%以下であることが好ましい。二酸化ケイ素膜よりも酸素原子の含有率を低くした銅配線のキャップ膜(SiCN膜など)を第1の絶縁膜とした場合、酸素原子を含む第1の遷移層の厚さが70%を超えると、銅配線を形成した後に、膜内部の酸素原子の存在により、キャップ膜の銅に対する拡散耐性が低下し、半導体装置の電気的信頼性を劣化させてしまうため、好ましくない。なお、この点については他の実施形態の絶縁膜についても同様である。
[製法]
次に、図5を参照して第1の実施の形態の製造方法を説明する。
まず図5(a)に示すように、第1の絶縁膜1を形成する。第1の絶縁膜1は、Si及びCを含有する膜である。多層配線構造を形成する際には、多くの場合、第1の絶縁膜1は、下層の金属配線材料(例えば銅、又は銅を主成分とした合金)のキャップ膜となるため、銅の拡散に対して耐性を有する必要があり、SiC、SiCN、ベンゾシクロブテンなどが適している。多層配線の構造によっては、第1の絶縁膜1として、Si、C、及びOを含有する絶縁膜を用いる場合もある。また、第1の絶縁膜1の形成方法としては、化学気相成長法やプラズマ重合法等が挙げられる。
次に、図5(b)に示すように、上記のようにして形成した第1の絶縁膜1上に、後に層間絶縁膜とするべく、第2の絶縁膜形成用の塗膜5を形成する。第2の絶縁膜2の形成用の塗布液としては、Si、C及び有機溶媒を含有する絶縁膜形成用の塗布液を用いることができる。また、この塗布液は、後に形成される第2の絶縁膜2の比誘電率を低減するために、第2の絶縁膜2の内部に30nm以下の空孔を形成できる材料であってもよい。第2の絶縁膜2に空孔を形成する方法は、大きく二つに分けられる。一つは、膜形成用組成物(すなわち、塗膜5用の塗布液)にあらかじめ熱分解高分子を分散させておき、塗膜5の形成後に熱分解高分子が熱分解を起こす程度の温度で焼成することにより、空孔を形成する方法である。もう一つは、空孔を形成できるような分子構造の膜形成用組成物を適用するものである。本発明において、膜形成用組成物には、上記のいずれの種類でも用いることができる。
該微細孔の存在により、第2の絶縁膜2の比誘電率を低減できる。第2の絶縁膜2の形成用の塗膜5の形成方法としては、スピン塗布法、スキャン塗布法、スプレー法、浸漬法、等の方法が用いられる。この際の塗膜5の膜厚は、0.01μm〜2.0μm程度である。また、適用する半導体装置の必要とする膜厚に応じて、塗布を複数回繰り返すことにより、膜厚が2〜10μm程度の塗膜5を形成してもよい。
その後、塗布液中の溶媒の少なくとも一部を除去するために、室温にて乾燥させるか、又は、溶媒を蒸発させる程度の温度及び時間で、熱板を用いて基板を加熱することが好ましい。該加熱温度及び時間は、膜形成用塗布液に含まれる溶剤を除去する程度の温度と時間に設定すれば良いが、スループットの観点からは短時間で行った方が好ましい。該加熱工程は、膜形成用塗布液の溶媒を完全に除去することを目的としているわけではなく、溶剤が残存していても良い。
次に、このようにして作成した基板に対し、図5(c)に示すように、塗膜5の上から、紫外線6を照射する。出力及び照射時間としては、塗膜5中の有機基の脱離が起こるよりも低い出力かつ短い時間にて行うことが好ましい。紫外線照射により塗膜5から炭素を含む化学種の脱離が起こると、後に形成される第2の絶縁膜2の比誘電率が上昇してしまうため、好ましくない。また、出力が低すぎたり、照射時間が短すぎたりすると、第1及び第2の遷移槽3,4を作成するための化学反応が促進されず、好ましくない。紫外線6の波長は、一般に用いられる紫外線源の波長領域である、200nm〜600nmのものが好ましい。
紫外線6の光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、重水素ランプ、エキシマランプ等を用いることができる。また、紫外線照射時の基板温度は、第1及び第2の遷移層3,4を形成する化学反応をより促進させるために、熱板7により室温以上の温度に制御することがより好ましい。基板温度は、塗膜5中の炭素を含む化学種が熱脱離を起こし、膜の緻密化が起こる温度未満とする。なお、基板温度が室温よりも高くなるように加熱することにより、第1及び第2の遷移層3,4を形成する反応が促進されるため、スループットが向上する。
紫外線照射の雰囲気としては、酸素を含有する気体中が望ましく、大気中で行ってもよい。また、酸素濃度を制御した窒素雰囲気中、酸素濃度を制御したアルゴン雰囲気中などで行うこともできる。紫外線照射は、本発明の効果が得られる程度の時間行えば良く、必要とする時間よりも長く紫外線照射を行うと、スループットが悪化することに加え、基板温度が高い場合には、第2の絶縁膜2が緻密化することによって比誘電率が上昇してしまうため、好ましくない。
紫外線照射により、図5(d)に示すように、第1の遷移層3及び第2の遷移層4が、それぞれ形成される。紫外線照射工程は、この後に続く塗膜5の最終焼成後に行っても良いが、最終焼成前に行った方がより高い効果が得られる。これは、架橋反応が未完了の場合、又は塗膜5中に溶剤が残存している場合の方が、酸素原子が塗膜5と第1の絶縁膜1との界面により多く打ち込まれ、第1の遷移層3及び第2の遷移層4が形成されやすくなるからである。
最後に、塗膜5中の膜形成用組成物を第2の絶縁膜2とするための架橋反応を促進するため、及び、塗膜5中の膜形成用組成物が、その内部に微細孔形成を目的としたスペーサーである有機高分子を含有する場合はこれを除去するために、図5(e)に示すように、架橋反応促進に最適な温度か、又は微細空孔形成のためのスペーサーを熱分解させる程度の温度で焼成する。該焼成工程により、第1の遷移層3及び第2の遷移層4を形成したまま、塗膜5中の膜形成用組成物を、第2の絶縁膜2に転化する。
この際の焼成方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することができ、焼成雰囲気としては、窒素中、真空中、アルゴン中などで行うことができる。焼成温度及び焼成時間は、塗膜5中の膜形成用組成物の材料組成に依存し、架橋密度を向上させるのに十分な温度及び時間、又は、空孔形成のためのスペーサーを除去できる温度及び時間に設定すればよい。上記焼成時間は、スループットの観点からは、短い方がより好ましい。
また、第2の絶縁膜2として、CVD法やプラズマ重合法により作成した絶縁膜を用いた場合にも、本発明の効果が得られる。第2の絶縁膜2として、上記CVD法やプラズマ重合法により形成した絶縁膜を用いる場合は、第2の絶縁膜2を堆積した後に、紫外線照射を行う。また、最終焼成を必要としない成膜方法(CVD法やプラズマ重合法等)により第2の絶縁膜2を形成した場合には、上記スピンコート法の場合とは異なり焼成は特に必要としない。
[効果]
上記の方法により形成した膜積層構造を、X線光電子分光法、及び透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したところ、第1の絶縁膜1と、第2の絶縁膜2の接触界面を挟んで、1nm〜30nm程度、上下に第1、及び第2の遷移層3,4が形成されていることが確認された。
次に、第1の絶縁膜1と第2の絶縁膜2との界面の密着強度を評価する方法について説明する。図6に、測定系を斜視図にして示す。本説明では、シリコン基板8上に形成された、第1の絶縁膜1と第2の絶縁膜2との膜積層構造において、第1の絶縁膜と第2の絶縁膜との密着強度を測定する例を示す。まず、図6(a)に示すように、第2の絶縁膜2の上に、エポキシ樹脂で、シリコン基板9を貼り付け、支点13、14側のシリコンウェハにあらかじめ切り込み10を入れておく。次に、図6(b)に示すように、11、12、13及び14を支点として、系が受ける力をモニターしながら、ノッチを入れた側の支点13及び14を、一定のレートで下げていくと、系にかかる力は増加していく。その後、上側のシリコン基板9の破断が起こるが、この時には、系がうける力緩和され、低下する。その後、第1の絶縁膜1と第2の絶縁膜2との界面において膜の剥離が起こるが、剥離が起こっている間は、系に加えられた力学的エネルギーは膜の剥離に消費されるため、系が受ける力は一定値となる。この時の系が受ける力を測定し、式(1)に測定系のパラメータ、シリコンの物性値、荷重を代入することにより、膜同士の密着強度が、界面破断エネルギーGcとして求められる。
Figure 2005175405
式(1)において、Eはシリコン基板8,9の弾性率、νはシリコン基板8,9のポアソン比を示す。なお、この方法については、例えば、2002年 6月 インターナショナル インターコネクト テクノロジー カンファレンス 会議録 第242頁(Proceedings of 2002 International Interconnect Technology Conference p.242)に詳しく説明がなされている。
第1の絶縁膜1と第2の絶縁膜2との界面の密着強度が、通常の製造方法(密着性向上のための処理を何ら施さない場合、換言すると、絶縁膜同士を単に積層する製造方法)で形成した積層構造よりも向上していることは、上記の4点曲げ法によって確認できる。
次に、実効比誘電率の上昇率の観点から、従来方法と本実施形態とで半導体装置の膜積層構造及び製法並びに効果について比較し、本実施形態にかかる膜積層構造の優位性を明らかにする。
本実施形態による半導体装置の膜積層構造を図7(a)に示す。第1の絶縁膜1として、比誘電率4.9、膜厚50nmのSiCN膜を用意し、本実施形態に示した方法により、Si、O、C及びHからなり、比誘電率2.8、膜厚100nmの第2の絶縁膜2、第1の遷移層3、第2の遷移層4を形成した。X線光電子分光法による測定結果より、第1及び第2の遷移層3,4はSiO2 (比誘電率4.2)に近い組成であることがわかった。上記膜積層構造を、以下の説明では第1の膜積層構造と呼称する。第1の膜積層構造について、図7(b)に示すように、銅配線15、16を形成し、横方向(配線間方向)の配線間容量を測定し、配線間容量測定結果に基づいて配線間の実効比誘電率を計算したところ、3.68であった。
次に、図8(a)に、特許文献1による膜積層構造を示す。第1の絶縁膜1’として、比誘電率4.9、膜厚50nmのSiCN膜を用意し、特許文献1に記載の方法により、第1の絶縁膜1’上にプラズマ照射を行うことで基板表面を改質し、第1の遷移層3’を形成した。第1の遷移層3’の表面は、X線光電子分光法による測定より、炭素の解離が認められ、SiN膜(比誘電率7.5)に近い組成であることがわかった。次に表面の改質された第1の絶縁膜1’上に、Si、O、C及びHからなる、比誘電率2.8の第2の絶縁膜2’を100nm堆積した。上記膜積層構造を、以下の説明では第2の膜積層構造と呼称する。第2の膜積層構造について、図8(b)に示すように、銅配線15、16を形成し、横方向(配線間方向)の配線間容量を測定し、配線間容量測定結果に基づいて配線間の実効比誘電率を計算したところ、3.74であった。
一方、図9(a)に、下地基板上に表面処理を全く行わずに作成した膜積層構造を示す。第1の絶縁膜1’’として、比誘電率4.9、膜厚50nmのSiCN膜を用意し、基板表面上に表面処理を何ら行わず、比誘電率2.8の第2の絶縁膜2’’を100nm堆積して膜積層構造を作成した。この膜積層構造を、第3の膜積層構造と定義する。第3の膜積層構造について、図9(b)に示すように、銅配線15、16を形成し、横方向(配線間方向)の配線間容量を測定し、配線間容量測定結果に基づいて配線間の実効比誘電率を計算したところ、3.65であった。
上記3種類の膜積層構造の横方向(配線間方向)の実効比誘電率を比較すると、第1の膜積層構造が3.68、第2の膜積層構造が3.74、第3の膜積層構造が3.65であった。密着性強化処理を行わない第3の膜積層構造は、第2の絶縁膜2’’よりも高い比誘電率を持つ改質層が形成されないため、第1の絶縁膜1’’と第2の絶縁膜2’’との密着性は最も低いが、実効比誘電率が最も低い。第3の膜積層構造に対して、密着性強化処理を行った第1及び第2の膜積層構造の実効比誘電率の増加率を計算すると、第1の膜積層構造が約0.8%、第2の膜積層構造が約2.5%となり、本実施形態にかかる半導体装置の膜積層構造である第1の膜積層構造の方が、従来方法による第2の膜積層構造に対して、実効比誘電率の上昇を抑制できていることがわかる。
[実施例]
次に、本実施形態にかかる半導体装置の具体的な実施例を用いて、半導体装置が備える膜積層構造について説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
下地基板として、シリコンウェハ上にApplied Materials 社製CVD 装置Producerを用いてCVD 法により堆積したSiCN膜を用意した。この膜の組成は、Si(24atomic% )、C (22atomic% )、N(15atomic% )、H(39atomic% )であった。この下地基板の上に、(株)東京エレクトロン製ACT8-SODを用いて、下記構造式(I)に示す、クラリアント・ジャパン製ポリメチルシラザン(-(SiCH3)2(NH)3n- )と、溶媒(ジ‐ブチルエーテル)からなる塗布液を用い、スピンコート法により塗膜を形成した。
Figure 2005175405
次に、溶剤であるジ‐ブチルエーテルを除去するために、ACT8-SODに搭載のホットプレートにより、基板温度150℃、大気中で、2分間焼成を行った。このようにして得られた半導体基板に対し、(株)ウシオ電機製ユニハードを用いて、基板温度50℃、大気雰囲気中で、30秒間、紫外線照射を行った。次に、層間絶縁膜中のNH基をOH基に置換するため、(株)東京エレクトロン製枚葉式加湿器により、基板温度50℃、湿度80%の条件で、30分間加湿処理を行った。最後に、シラノール基の脱水縮合反応を促進させるため、(株)東京エレクトロン製のファーネスa-8SE を用いて、350℃の温度で30分間、窒素雰囲気中にて焼成を行った。このようにして得られた膜の層間絶縁膜と下地基板界面との密着エネルギーを図6に示した4点曲げ法にて測定したところ、3.19J/m2 であった。
更に、上記方法により得られた層間絶縁膜と下地基板界面との化学結合状態を光電子分光法により測定し、Si2pの結合エネルギーの最頻値を深さ方向に対してプロットしたところ、図10に実線で示す特性が得られた。
[比較例]
下地基板として、Applied Materials 社製CVD 装置Producerを用いてCVD 法により堆積したSiCN膜を用意した。この膜の組成は、Si(24atomic% )、C(22atomic% )、N(15atomic% )、H(39atomic% )であった。この下地基板の上に、(株)東京エレクトロン製ACT8-SODを用いて、上記式分子式(I)で示されるポリメチルシラザンと溶媒(ジ- ブチルエーテル)からなる塗布液を用い、スピンコート法により塗膜を形成した。次に、溶剤を除去するために、ホットプレートにより、基板温度150℃、大気中で、2分間焼成を行った。次に、層間絶縁膜中のNH基をOH基に置換するため、(株)東京エレクトロン製枚葉式加湿器を用いて、基板温度50℃、湿度80%の条件で、30分間、加湿処理を行った。最後に、シラノール基の脱水縮合反応を促進させるため、(株)東京エレクトロン製a-8SE を用いて、350℃の温度で30分間、窒素雰囲気中にて焼成を行った。このようにして得られた膜の層間絶縁膜と下地基板界面との密着エネルギーを図6に示した4点曲げ法にて測定したところ、2.76J/m2 であった。
更に、上記方法により得られた層間絶縁膜と下地基板界面との化学結合状態を光電子分光法により測定し、Si2pの結合エネルギーの最頻値を深さ方向に対してプロットしたところ、図10に点線で示す特性が得られた。
図10に示したSi2pのXPS(X線光電子分光法:X-ray Photoelectron Spectroscopy)スペクトルのデプスプロファイルを参照すると、上記実施例と比較例との間で明瞭な相違を確認できる。
紫外線を照射しない比較例の膜積層構造では、層間絶縁膜と下地基板との接触界面において結合エネルギーの最頻値の変化は観測されていない。一方、紫外線を照射した実施例の膜積層構造においては、層間絶縁膜とSiCNとの接触界面にあたる深さ200nmにおいて、結合エネルギーの最頻値が高エネルギー側にシフトしている。これは、層間絶縁膜と下地基板との接触界面において、接触界面を挟んで対向する形で層間絶縁膜及び下地基板のそれぞれに酸素の含有量の多い遷移層が形成されていることを示している。
また、4点曲げ法により測定した、第1の絶縁膜1と第2の絶縁膜2との界面の密着強度は、通常の製造方法(密着性向上のための処理を何ら施さない場合、換言すると、第1の絶縁膜1と第2の絶縁膜2とを単に積層する方法)と比較しておよそ15%向上し、多層配線形成に充分耐え得る値を示した。
このように、本実施形態にかかる半導体装置の膜積層構造である第1の膜積層構造は、従来方法による膜積層構造である第2の膜積層構造に対して、比誘電率を上昇させること無く下地基板に対して密着強度を向上させることができる。
なお、上記の説明は第1及び第2の絶縁膜がシリコン及び酸素を含む材質で形成されている場合を例に行ったが、第1及び第2の絶縁膜のそれぞれが少なくともシリコンを含む材質であれば上記同様の効果が得られる。これは、他の実施形態についても同様である。
〔第2の実施の形態〕
本発明を好適に実施した第2の実施形態について説明する。図11を参照すると、本発明の第2の実施の形態として半導体装置の断面図が示されている。
第1の絶縁膜1の上に第2の絶縁膜2が形成されており、第2の絶縁膜の上に第3の絶縁膜17が形成されている。第1の絶縁膜と第2の絶縁膜との接触界面を挟んで、第1の絶縁膜1に第1の遷移層3、第2の絶縁膜2に第2の遷移層4がそれぞれ形成されている。また、第2の絶縁膜2と第3の絶縁膜17との界面においても、接触界面を挟んで、第2の絶縁膜2に第3の遷移層18が、第3の絶縁膜17に第4の遷移層19が、それぞれ形成されている。
ここで、第2の絶縁膜2、第3の絶縁膜17、第3の遷移層18、第4の遷移層19は、それぞれ、上記本発明の第1の実施形態において説明した第2の絶縁膜2、第1の絶縁膜1、第2の遷移層4及び第1の遷移層3にそれぞれ対応する。すなわち、本実施形態にかかる半導体装置における膜積層構造は、第2の絶縁膜2と、第2の絶縁膜2に隣接する絶縁膜(第1の絶縁膜1及び第3の絶縁膜17)との間に、それぞれ遷移層(3,4及び18,19)が形成されていると理解される。該遷移層が互いに組成の類似した構造遷移層の役割を果たすことにより、隣接する膜同士の密着性が向上する。また、該遷移層は、第1、第2及び第3の絶縁膜1、2及び17と比較して、酸素の組成比が多いことを特徴とする。
ただし、第3の絶縁膜17としてSiO2 膜を用いた場合はこの限りではなく、第2の絶縁膜2と第3の絶縁膜17との接触界面においては、第2の絶縁膜2に、第2の絶縁膜2と比較して酸素の含有量の多い、第3の遷移層18のみが形成される。該酸素原子により、第2の絶縁膜2とこれに隣接する絶縁膜(第1及び第3の絶縁膜1,17)との密着性を強固なものにすることができる。
すなわち、シリコンと酸素との結合エネルギーは、シリコンと窒素との結合エネルギー、或いはシリコンと炭素との結合エネルギーよりも高いため、酸素の組成比が高い遷移層3、4、18及び19の存在により、第1の絶縁膜と第2の絶縁膜との密着性、及び第2の絶縁膜と第3の絶縁膜との密着性が強固になるという効果がもたらされる。従って、半導体装置に加えられる力学的負荷に対する耐性が向上し、半導体装置の高信頼性化を実現する。
[製法]
次に、図12を用いて、第2の実施の形態にかかる半導体装置の製法を説明する。
第2の実施の形態に用いる第1の絶縁膜1は、第1の実施の形態と同様に、Si及びCを含有する膜である。多層配線構造を形成する際には、多くの場合、第1の絶縁膜1は、下層の金属配線材料(例えば銅、又は銅を主成分とした合金)のキャップ膜となるため、銅の拡散に対して耐性を有する必要がある。例えば、SiC、SiCN、ベンゾシクロブテンが適している。多層配線の構造によっては、第1の絶縁膜1として、Si、C、及びOを含有する絶縁膜を用いる場合もある。また、該第1の絶縁膜の形成方法としては、化学気相成長法(CVD法)やプラズマ重合法等が挙げられる。
次に、第1の絶縁膜1の上に、層間絶縁膜とするべく第2の絶縁膜2を堆積する。該絶縁膜の形成方法としては、第1の実施の形態に記載した塗布法、CVD法、或いはプラズマ重合法により堆積しても良い。
次に、上記のようにして用意した基板に対して、第2の絶縁膜2の上に、ハードマスク層とするべく第3の絶縁膜17を堆積する。ハードマスク層は、微細パターンの形成のために形成する反射防止膜、或いはフォトレジストの塗布性を向上させる目的、フォトレジストのアッシング工程の際に、第2の絶縁膜2に対するダメージを抑制する目的、配線溝形成及び金属膜埋め込み後の化学機械研磨工程における第2の絶縁膜2へのダメージの低減のために形成するものである。ハードマスク層には、金属配線材料埋め込み後の化学機械研磨工程に耐え得る機械強度が必要であるため、比較的高い膜強度を持つ膜を得ることのできるCVD法、或いはプラズマ重合法により形成される、Siを含有し、更にO、C、N及びHから選ばれる少なくとも一つの元素を含有する膜を用いることが好ましい。また、化学機械研磨工程に耐え得る機械強度、及び、第2の絶縁膜2との密着強度を持つ膜であれば、塗布法により形成しても良い。
次に、上記のようにして用意した基板に対して、第3の絶縁膜17の上から、紫外線6を照射する。この時の基板温度、雰囲気、照射時間、紫外線源などの条件は、上記本発明の第1の実施形態と同様の条件にて行えば良い。
上記の手順によって形成した本実施形態にかかる半導体装置の膜積層構造(第3の絶縁膜17、第2の絶縁膜2及び第1の絶縁膜1からなる膜積層構造)は、紫外線照射を行ったことにより、第3の絶縁膜17と第2の絶縁膜2と、及び、第2の絶縁膜2と第1の絶縁膜1とのそれぞれの接触界面において、遷移層が形成される。これらの遷移層は、第1の絶縁膜1と第2の絶縁膜2との接触界面においては、第1の絶縁膜1に形成される第1の遷移層3と、第2の絶縁膜2に形成される第2の遷移層4とにより構成され、第2の絶縁膜2と第3の絶縁膜17との接触界面においては、第2の絶縁膜に形成される第3の遷移層18と、第3の絶縁膜に形成される第4の遷移層19とにより構成されている。
これらの遷移層は、第1の絶縁膜1、第2の絶縁膜2及び第3の絶縁膜17と比較して、組成比が異なることを特徴とし、酸素の含有量が多いことを特徴とする。該遷移層の存在により、第1の絶縁膜1と第2の絶縁膜2との間、及び、第2の絶縁膜と第3の絶縁膜との間に高い密着性を実現することができる。
なお、本実施の形態にかかる半導体装置と同様の膜積層構造を形成する際には、紫外線照射は、複数回に分けて行っても良い。例えば、第2の絶縁膜2の形成後(図9(b))と、第3の絶縁膜17の形成後(図9(d))とのそれぞれに紫外線照射を行うことにより、膜同士の密着性をより高められる。
〔第3の実施の形態〕
本発明を好適に実施した第3の実施形態について説明する。図13を参照すると、本発明の第3の実施の形態として半導体装置の断面図が示されている。
第1の絶縁膜1の上に第2の絶縁膜2が形成されており、第2の絶縁膜2の上に第3の絶縁膜17が形成されている。また、第1の絶縁膜1、第2の絶縁膜2及び第3の絶縁膜17には、金属配線を形成するための配線溝20が形成されており、配線溝(開口部)20の側面には、開口された配線溝20の側面を覆うように、第4の絶縁膜21が形成されている。配線溝20には、後の工程で、第1の絶縁膜1及び第2の絶縁膜2への金属原子、イオンの拡散を防止するためのバリアメタルが形成され、更に、金属配線の主導電層として、銅、或いは銅を主成分とする合金が埋め込まれる。
本発明の第3の実施の形態によれば、第2の絶縁膜2とこれに隣接する膜(第1、第3及び第4の絶縁膜1、17,21)の界面に、それぞれ遷移層が形成されている。すなわち、第1の絶縁膜1と第2の絶縁膜2との接触界面においては、第1の絶縁膜1に第1の遷移層3が、第2の絶縁膜2に第2の遷移層4が、それぞれ形成されており、第2の絶縁膜2と第3の絶縁膜17との接触界面においては、第2の絶縁膜2に第3の遷移層18が、第3の絶縁膜に第4の遷移層19が、それぞれ形成されており、第2の絶縁膜2と第4の絶縁膜21との接触界面においては、第2の絶縁膜2に第5の遷移層22が、第4の絶縁膜に第6の遷移層23が、それぞれ形成されている。
ここで、第2の絶縁膜2、第3の絶縁膜17及び第4の絶縁膜21は、それぞれ、上記本発明の第1の態様における第2の絶縁膜2、第1の絶縁膜1及び第1の絶縁膜1にそれぞれ対応し、第3の遷移層18、第4の遷移層19、第5の遷移層22及び第6の遷移層23は、それぞれ、上記本発明の第1の実施形態における第2の遷移層4、第1の遷移層3、第2の遷移層4及び第1の遷移層3にそれぞれ対応する。
すなわち、本実施形態における層積層構造は、第2の絶縁膜2とこれに隣接する絶縁膜(第1、第3及び第4の絶縁膜1、17及び21)との界面に、それぞれ遷移層が形成されていると理解される。該遷移層が互いに組成の類似した構造遷移層の役割を果たすことにより、隣接する膜同士の密着性が向上する。また、該遷移層においては、第2の絶縁膜2とこれに隣接する膜と比べて酸素の含有量が多くなっている。ただし、第3の絶縁膜17としてSiO2 膜を用いた場合はこの限りではなく、第2の絶縁膜2と第3の絶縁膜17との接触界面においては、第2の絶縁膜2に、第2の絶縁膜2と比較して酸素の組成比の多い第3の遷移層18のみが形成される。
該酸素原子の存在により、第2の絶縁膜2とこれに隣接する膜(第1、第3及び第4の絶縁膜1、17、21)との密着性を強固なものにすることができる。すなわち、シリコンと酸素との結合エネルギーは、シリコンと窒素との結合エネルギー、或いはシリコンと炭素との結合エネルギーよりも高いため、この遷移層の酸素原子の存在により、層間絶縁膜である第2の絶縁膜2と、第2の絶縁膜2に隣接する第1、第3、第4の絶縁膜との密着性が強固になるという効果がもたらされる。
本実施形態にかかる半導体装置は、膜積層構造中の遷移層の存在により、層間絶縁膜と、層間絶縁膜に隣接する膜との密着性が強固なものとなる。従って、半導体装置に加えられる力学的負荷に対する耐性が向上し、半導体装置の高信頼性化を実現する。
[製法]
次に、図14を用いて第3の実施の形態にかかる半導体装置の製法を説明する。第3の実施の形態に用いる第1の絶縁膜1は、第1及び第2の実施の形態と同様に、Si及びCを含有する膜である。多層配線構造を形成する際には、多くの場合、第1の絶縁膜1は、下層の金属配線材料(例えば銅、または銅を主成分とした合金)のキャップ膜となるため、銅の拡散に対して耐性を有する必要がある。例えば、SiC、SiCN、ベンゾシクロブテンが適している。多層配線の構造によっては、第1の絶縁膜1として、Si、C、及びOを含有する絶縁膜を用いる場合もある。また、第1の絶縁膜1の形成方法としては、化学気相成長法(CVD法)やプラズマ重合法等が挙げられる。図13に示す配線構造の半導体装置の場合には、第1の絶縁膜1は、下層配線のキャップ膜に対応し、図13、及び図14(a)に符号24で示すコンタクト層間膜、または下層配線若しくはビアのハードマスク、或いは下層配線若しくはビアの層間絶縁膜の上に形成される。
次に、第1の絶縁膜1上に、層間絶縁膜とするべく第2の絶縁膜2を堆積する。第2の絶縁膜2の形成方法としては、第1の実施の形態に記載した塗布法、CVD法、或いはプラズマ重合法により堆積しても良い。
次に、このようにして用意した基板に対して、第2の絶縁膜2の上に、ハードマスクとするべく、第3の絶縁膜17を堆積する。ハードマスク層形成の膜組成及び物性については、本発明の第2の実施の形態に記載したものと同様である。
次に、上記のようにして用意した基板に対して、図14(b)に示すように、所望の微細パターンに沿って配線溝20を形成する。微細パターンに沿った配線溝20の形成方法としては、一般に用いられるフォトリソグラフィーによるマスクパターン形成と、それに続くプラズマエッチング法とが通常用いられる。図14(b)は、フォトレジスト26、及びフォトレジストをマスクとしてパターニングされた第3の絶縁膜17をマスクとしたプラズマエッチングの模式図を示している。
本発明の第3の実施の形態によれば、後に絶縁膜バリアとなる第4の絶縁膜21を堆積するために、エッチングと同時、或いはエッチング後にレジストアッシングを行い、フォトレジスト26を除去することが好ましい。本実施形態にかかる半導体装置においては、このような微細パターンの形成方法については、上記のみに限定されるわけではなく、他の微細パターン形成方法、例えば、ウェットエッチング法や、感光性層間絶縁膜を第2の絶縁膜2として用いたダイレクトパターンニング法等を用いることもできる。
配線開口部を形成した後、図14(c)に示すように、金属配線を形成する開口部20に、絶縁膜バリアとするべく、第4の絶縁膜21を堆積する。第4の絶縁膜21は、特に第2の絶縁膜2が、その内部に微細孔を有する場合に、時間依存絶縁破壊寿命(Time Dependence On Dielectric Breakdown ,TDDB)の向上を目的として形成される。第4の絶縁膜21の材料としては、Si及びC、或いはNを含有する膜が用いられるが、銅拡散耐性を持つことがより好ましい。これらの例としては、CVD法によるSiCN膜やSiC膜、プラズマ重合法によるベンゾシクロブテンがあげられる。上記に記載した例は、絶縁膜バリアの一例であり、本実施形態にかかる半導体装置に用いられる絶縁膜バリア材料としては、上記に限定されるものではない。絶縁膜バリア(第4の絶縁膜21)の形成方法としては、スパッタ法、CVD法、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition 法、以下ALD法と呼称)、プラズマ重合法などが好ましいが、本発明に用いるバリア材の形成方法としては、上記に限定されるものではない。
上記のようにして配線溝20(開口部)、及び絶縁膜バリア(第4の絶縁膜21)を形成した後に、図14(d)に示すように、基板上に、紫外線6を照射する。この時の基板温度、雰囲気、照射時間、紫外線源などの条件は、上記本発明の実施の形態1と同様の条件にて行えば良い。
次に、下層配線またはビア、或いはコンタクトと配線溝を接続するために、第1の絶縁膜1をプラズマエッチング法によりエッチングし、最終的に図14(e)に示す構造を形成する。該エッチング工程は、上記の紫外線照射工程の前に行っても良い。
上記の手順によって形成した本実施形態にかかる半導体装置の配線構造(第2の実施形態と同様の構成に加え、配線溝20(開口部)及び絶縁膜バリア(第4の絶縁膜21)をさらに有する膜積層構造)は、紫外線照射を行ったことにより、第2の絶縁膜2と、第2の絶縁膜2に隣接する膜(第1、第3及び第4の絶縁膜1、17,21)との界面に、第1〜第6の遷移層3、4、17、18、22及び23が形成される。これらの遷移層は、第1の絶縁膜1と第2の絶縁膜2との界面においては、第1の絶縁膜1に形成される第1の遷移層3と、第2の絶縁膜2に形成される第2の遷移層4により構成され、第2の絶縁膜2と第3の絶縁膜17との界面においては、第2の絶縁膜2に形成される第3の遷移層18と、第3の絶縁膜17に形成される第4の遷移層19とにより構成され、第2の絶縁膜2と第4の絶縁膜21との界面においては、第2の絶縁膜2に形成される第5の遷移層22と、第4の絶縁膜17に形成される第6の遷移層23とにより構成され、第3の絶縁膜17と第4の絶縁膜21との界面においては、第4の遷移層19と第6の遷移層23とによって構成されている。
これらの遷移層が互いに組成の類似した構造遷移層の役割を果たすことにより、隣接する膜同士の密着性が向上する。また、これらの遷移層は、遷移層形成前の第1、第2、第3、及び第4の絶縁膜1、2、17及び21と比較して、酸素の含有量が多いことを特徴とする。上記遷移層の存在により、第1の絶縁膜1と第2の絶縁膜2との間、第2の絶縁膜と第3の絶縁膜との間、第2の絶縁膜と第4の絶縁膜との間、及び第3の絶縁膜と第4の絶縁膜との間に高い密着性を実現することができる。
なお、本実施の形態における紫外線照射は、複数回に分けて行っても良い。例えば、第2の絶縁膜2の形成後、第3の絶縁膜17の形成後、第4の絶縁膜21の形成後のそれぞれに、紫外線照射を行うことにより、膜同士の密着性をより高められる。
なお、上記各実施形態は、本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれらに限定されることはない。
例えば、絶縁膜の積層数は、上記各実施形態に示した2層又は3層に限定されることはなく、4層以上の絶縁膜を積層した場合でも、上記同様に紫外線を照射することで遷移層を形成可能である。
また、4層以上の絶縁膜を積層した構成(絶縁膜同士の界面を3以上有する構成)においては、全ての絶縁膜を積層し終えてから各界面に遷移層を形成しても良いし、少なくとも一部の界面については、最上層の絶縁膜を形成し終える前に、遷移層を形成しても良い。
このように、本発明は様々な変形が可能である。
なお、本発明の活用例として、トランジスタと多層配線を有する半導体装置の多層配線への活用があげられる。多層配線を構成する層間絶縁膜と、層間絶縁膜に隣接する膜の界面に遷移層を形成し、密着性を向上させる。また、本発明による製造方法及び構造は、実効誘電率を上昇させること無く、かつ、膜の絶縁耐性や対吸湿性を低下させることが無いため、低誘電率・低リーク特性を維持したまま、半導体装置に加えられる力学的負荷に対する耐性を向上させ、半導体装置の高信頼性化を実現する。
本発明の半導体装置の第1の実施の形態を示す断面図。 本発明の半導体装置の第1の実施の形態における、X線光電子分光法によるSi2pスペクトルの測定結果。 本発明の半導体装置の第1の実施の形態における、X線光電子分光法によるSi2pスペクトルの測定結果。 本発明の半導体装置の第1の実施の形態における、O1sスペクトルピーク強度のX線光電子分光法による測定結果。 本発明の第1の実施の形態の半導体装置の製法を示す工程図。 4点曲げ法による密着性評価の説明図。 本発明による構造の断面図と、実効比誘電率を示した図。 従来の製造方法による構造の断面図と、実効比誘電率を示した図。 密着性強化処理を行わない製造方法にて作成した構造の断面図と、実効比誘電率を示した図。 本発明の実施例と比較例との比較を示すX線光電子分光法によるスペクトル結果。 本発明の第2の実施の形態を示す断面図。 本発明の第2の実施の形態の半導体装置の製法を示す工程図。 本発明の第3の実施の形態を示す断面図。 本発明の第3の実施の形態の半導体装置の製法を示す工程図。 従来例(特許文献2)の構造図。
符号の説明
1 第1の絶縁膜
2 第2の絶縁膜
3 第1の遷移層
4 第2の遷移層
5 絶縁膜形成用塗膜
6 紫外線
7 熱板
8 シリコン基板
9 シリコン基板
10 切り込み
11 支点
12 支点
13 支点
14 支点
15 銅配線
16 銅配線
17 第3の絶縁膜
18 第3の遷移層
19 第4の遷移層
20 配線溝
21 第4の絶縁膜
22 第5の遷移層
23 第6の遷移層
24 下層配線或いは下層ビアのハードマスク、若しくは層間絶縁膜
25 エッチングプラズマ
26 フォトレジスト
27 エッチングプラズマ
28 無機誘電体膜
29 有機誘電体膜
30 無機誘電体膜(密着層)
31 被処理基体

Claims (22)

  1. それぞれが少なくともシリコンを含有し、重ねて形成された第1及び第2の絶縁膜と、
    前記第1の絶縁膜の一部を変質させることにより前記第2の絶縁膜との界面に形成された第1の遷移層と、
    前記第2の絶縁膜の一部を変質させることにより前記第1の絶縁膜との界面に形成された第2の遷移層とを有し、
    前記第1及び第2の遷移層に共通して含まれる少なくとも一種類の元素の含有率は、前記第1の遷移層では前記第1の絶縁膜と、前記第2の遷移層では前記第2の絶縁膜とそれぞれ異なることを特徴とする積層構造体。
  2. 前記第1の遷移層の厚さは、該第1の遷移層形成前の前記第1の絶縁膜の膜厚の70%以下であり、
    前記第2の遷移層の厚さは、該第2の遷移層形成前の前記第2の絶縁膜の膜厚の70%以下であることを特徴とする請求項1記載の積層構造体。
  3. 少なくともシリコンを含有する第1の絶縁膜と、
    少なくともシリコンを含有し、前記第1の絶縁膜上に塗布された塗膜を焼成することによって形成された第2の絶縁膜と、
    前記第1の絶縁膜の一部を変質させることにより前記第2の絶縁膜との界面に形成された第1の遷移層と、
    焼成前の前記塗膜の一部を変質させることにより前記第1の絶縁膜との界面に形成された第2の遷移層とを有し、
    前記第1及び第2の遷移層に共通して含まれる少なくとも一種類の元素の含有率は、前記第1の遷移層では前記第1の絶縁膜と、前記第2の遷移層では前記第2の絶縁膜とそれぞれ異なることを特徴とする積層構造体。
  4. 前記第1の遷移層の厚さは、該第1の遷移層形成前の前記第1の絶縁膜の膜厚の70%以下であり、
    前記第2の遷移層の厚さは、該第2の遷移層形成前の前記塗膜の膜厚の70%以下であることを特徴とする請求項3記載の積層構造体。
  5. 前記第1及び第2の遷移層は、それぞれ酸素原子を含有し、前記第1の遷移層は前記第1の絶縁膜よりも酸素原子の含有率が高く、前記第2の遷移層は前記第2の絶縁膜よりも酸素原子の含有率が高いことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の積層構造体。
  6. 前記第1及び第2の遷移層中のシリコン原子の含有量をA1及びA2、前記第1及び第2の遷移層中の酸素原子の含有量をB1及びB2でそれぞれ表し、前記第1及び第2の絶縁膜中のシリコン原子の含有量をa1及びa2、前記第1及び第2の絶縁膜中の酸素原子の含有量をb1及びb2でそれぞれ表した場合に下記条件Aを満たすことを特徴とする請求項5記載の積層構造体。
    条件A:(B1/(A1+B1))>(b1/(a1+b1))かつ(B2/(A2+B2))>(b2/(a2+b2))
  7. 少なくともシリコンを含有し、前記第2の絶縁膜上に重ねて形成された第3の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜の一部を変質させることにより前記第3の絶縁膜との界面に形成された第3の遷移層と、
    前記第3の絶縁膜の一部を変質させることにより前記第2の絶縁膜との界面に形成された第4の遷移層とをさらに有し、
    前記第2及び第3の遷移層に共通して含まれる少なくとも一種類の元素の含有率は、前記第3の遷移層では前記第2の絶縁膜と、前記第4の遷移層では前記第3の絶縁膜とそれぞれ異なることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の積層構造体。
  8. 前記第3及び第4の遷移層は、それぞれ酸素原子を含有し、前記第3の遷移層は前記第2の絶縁膜よりも酸素原子の含有率が高く、前記第4の遷移層は前記第3の絶縁膜よりも酸素原子の含有率が高いことを特徴とする請求項7記載の積層構造体。
  9. 前記第3及び第4の遷移層中のシリコン原子の含有量をA3及びA4、前記第3及び第4の遷移層中の酸素原子の含有量をB3及びB4でそれぞれ表し、前記第2及び第3の絶縁膜中のシリコン原子の含有量をa2及びa3、前記第2及び第3の絶縁膜中の酸素原子の含有量をb2及びb3でそれぞれ表した場合に下記条件Bを満たすことを特徴とする請求項8記載の積層構造体。
    条件B:(B3/(A3+B3))>(b2/(a2+b2))かつ(B4/(A4+B4)>(b3/(a3+b3))
  10. 前記第3の遷移層の厚さは、該第3の遷移層形成前の前記第2の絶縁膜の膜厚の70%以下であり、
    前記第4の遷移層の厚さは、該第4の遷移層形成前の前記第3の絶縁膜の膜厚の70%以下であることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項記載の積層構造体。
  11. 前記第3の絶縁膜上に形成され、前記第2の絶縁膜まで達する凹部と、
    少なくともシリコンを含有し、前記凹部の内面に形成された第4の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜の前記第4の絶縁膜との界面に形成された第5の遷移層と、
    前記第4の絶縁膜の前記第2の絶縁膜との界面に形成された第6の遷移層とをさらに有し、
    前記第5及び第6の遷移層に共通して含まれる少なくとも一種類の元素の含有率は、前記第5の遷移層では前記第2の絶縁膜と、前記第6の遷移層では前記第4の絶縁膜とそれぞれ異なることを特徴とする請求項7から10のいずれか1項記載の積層構造体。
  12. 前記第5及び第6の遷移層は、それぞれ酸素原子を含有し、前記第5の遷移層は前記第3の絶縁膜よりも酸素原子の含有率が高く、前記第6の遷移層は前記第4の絶縁膜よりも酸素原子の含有率が高いことを特徴とする請求項11記載の積層構造体。
  13. 前記第5及び第6の遷移層中のシリコン原子の含有量をA5及びA6、前記第5及び第6の遷移層中の酸素原子の含有量をB5及びB6でそれぞれ表し、前記第2及び第4の絶縁膜中のシリコン原子の含有量をa2及びa4、前記第2及び第4の絶縁膜中の酸素原子の含有量をb2及びb4でそれぞれ表した場合に下記条件Cを満たすことを特徴とする請求項12記載の積層構造体。
    条件C:(B5/(A5+B5))>(b2/(a2+b2))かつ(B6/(A6+B6))>(b4/(a4+b4))
  14. 前記第5の遷移層の厚さは、該第5の遷移層形成前の前記第2の絶縁膜の膜厚の70%以下であり、
    前記第6の遷移層の厚さは、該第6の遷移層形成前の前記第4の絶縁膜の膜厚の70%以下であることを特徴とする請求項11から13のいずれか1項記載の積層構造体。
  15. 前記第2の絶縁膜の比誘電率がシリコン酸化膜の比誘電率より低いことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項記載の積層構造体。
  16. 前記第2の絶縁膜の内部に、微細孔を有することを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項に記載の積層構造体。
  17. 請求項1から16のいずれか1項記載の積層構造体に多層構造の配線が形成され、該配線にトランジスタが実装されたことを特徴とする半導体装置。
  18. 多層構造の配線に実装されたトランジスタを有する半導体装置を製造する方法であって、少なくともシリコンを含有する第1の絶縁膜の上に、少なくともシリコンを含有する第2の絶縁膜を堆積した後、前記多層配線の配線構造を形成し終えるまでに、酸素を含有する雰囲気中で前記第1及び第2の絶縁膜に対して少なくとも1回紫外線を照射することを特徴とする、半導体装置の製造方法。
  19. 多層構造の配線に実装されたトランジスタを有する半導体装置を製造する方法であって、
    少なくともシリコンを含有する第1の絶縁膜の上に、少なくともシリコンを含有する塗膜を形成し、酸素を含有する雰囲気下で前記第1の絶縁膜及び前記塗膜に対して紫外線を照射し、次いで前記塗膜を焼成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  20. 多層構造の配線に実装されたトランジスタを有する半導体装置を製造する方法であって、少なくともシリコンを含有する第1の絶縁膜上に、少なくともシリコンを含有する第2の絶縁膜を積層し、酸素を含有する雰囲気下で前記第1及び第2の絶縁膜に対して紫外線を照射することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  21. 多層構造の配線に実装されたトランジスタを有する半導体装置を製造する方法であって、
    少なくともシリコンを含有する第1の絶縁膜の上に少なくともシリコンを含有する第2の絶縁膜を形成し、
    前記第2の絶縁膜の上にシリコン及び酸素を含有する第3の絶縁膜を形成し、
    酸素を含有する雰囲気下で前記第1、第2及び第3の絶縁膜に対して紫外線を照射することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  22. 少なくともシリコンを含有する第1の絶縁膜をシリコン基板上に形成し、
    少なくともシリコンを含有する第2の絶縁膜を前記第1の絶縁膜上に形成し、
    少なくともシリコンを含有する第3の絶縁膜を前記第2の絶縁膜上に形成し、
    前記第3の絶縁膜を貫通して前記第2の絶縁膜にまで至る開口部を形成し、
    該開口部の内面に、少なくともシリコンを含有する第4の絶縁膜を形成し、
    酸素を含有する雰囲気下で、前記基板並びに前記第1、第2、第3及び第4の絶縁膜に対して紫外線を照射することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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