JP2005174817A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 コネクタハウジングの低背化を担保した上で、剛性が保持されるコネクタハウジングを提供することを目的とする。
【解決手段】 雌ハウジング40はコネクタ嵌合用のロックアーム65を備えたカバー50と、上段・下段ハウジング70、90とからなる。上段ハウジング70には前後方向に細長い上段キャビティ71が左右対称な2群に分かれて複数個並設されている。上段ハウジング70の上面は、各上段キャビティ71を外部に露出させるように開口するとともに、上段ハウジング70の中央部であって、ロックアーム収容部61と対面する位置には、ロックアーム収容部61に対する干渉を回避するための撓み許容部80が配されている。この撓み許容部80においては剛性の低下が懸念されるが、そこには左右のキャビティ71の側壁71d間同士を架設する補強片81が設けられているから、当該部分における剛性の低下を回避することが出来る。
【選択図】 図6
Description
本発明は、コネクタに関する。
従来より、コネクタハウジングを多極化してコネクタの低背化を図ったり(特許文献1)、或いはコネクタハウジングを平板状をなす複数のハウジングより分割構成したものものが知られている。(特許文献2)
特許文献1においてコネクタハウジングは内部に上下二段、幅方向には十数段のキャビティが形成されており、ハウジングは横長なブロック状に形成されている。特許文献2においてコネクタハウジングは第1のハウジング、第2のハウジング及びカバーとから分割構成されている。第1のハウジング及び第2のハウジングはいずれも複数個のキャビティが併設されるとともに、その上面には開口部が形成されている。この開口部は、端子金具を前記キャビティに組み付けた後にその端子金具に電線を圧接させる圧接用の開口であり、第1のハウジングの開口部を第2のハウジングで覆い、第2のハウジングの開口部をカバー部によって閉止するようになっている。
特開平11−204186号公報
特開平10−79273号公報
上記構造によれば、コネクタハウジング(複数個に分割されている場合には各構成部品)はその厚みに比べて横幅が長くなっており剛性の低下が懸念され、改良の余地があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、コネクタハウジングの低背化を担保した上で、剛性が保持されるコネクタハウジングを提供することを目的とする。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、コネクタハウジングの低背化を担保した上で、剛性が保持されるコネクタハウジングを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、内部に幅方向に併設された複数のキャビティを有するとともに各キャビティを外部に露出させるように一面が開放し、各キャビティに開放側の面より端子金具を収容可能なハウジング本体と、前記開放側の面を閉止するように前記ハウジング本体に組み付け可能とされたカバー部とを備えたコネクタであって、前記カバー部には、当該コネクタの嵌合相手となる相手側ハウジングに係止可能とされたロックアームが形成されるとともに、前記ハウジング本体のうち前記ロックアームに対向する位置には、前記キャビティが形成される高さ範囲内に、前記ロックアームに対する撓み空間を有する撓み許容部が配されており、更に、この撓み許容部における後端部であって前記ロックアームとの干渉を避けた位置には、補強片が設けられた構成であるところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記補強片は前記撓み許容部の両側に位置するキャビティの壁面同士間を繋ぐ構成であるところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記補強片は前記ハウジング本体に対して係止することで前記ハウジング本体に対する前記カバー部の接離方向への遊動を規制可能な構成であるところに特徴を有する。
請求項4の発明は、ハウジング内部には端子金具を収容可能なキャビティが形成されるとともに、相手側ハウジングに設けられたフード部に対し、前記ハウジングの一部を後方に張り出させた状態で取り付けられるコネクタであって、前記ハウジングの側面のうち前記フード部から後方へ突出した部分の外面には、同面に沿って当該突出部の後端側から前記フード部に向かって斜めに伸びる複数の補強壁が設けられるととに、これら各補強壁はその伸び方向が隣合う補強壁の端部同士を一致させるか、或いは途中で交差させる方向であることに特徴を有する。
<請求項1の発明>
請求項1の発明によれば、ハウジング本体の撓み許容部には補強片が形成されているから、当該部分における強度の低下が抑制される。また、補強片はロックアームの撓み空間を避けた位置に設けられているから、コネクタのロック動作に支障を来すこともなく、従って、コネクタの低背化の妨げとならない。
<請求項2の発明>
請求項2の発明によれば、キャビティ同士が補強片によって繋がれるから、ハウジング本体を効果的に剛性アップできる。
請求項1の発明によれば、ハウジング本体の撓み許容部には補強片が形成されているから、当該部分における強度の低下が抑制される。また、補強片はロックアームの撓み空間を避けた位置に設けられているから、コネクタのロック動作に支障を来すこともなく、従って、コネクタの低背化の妨げとならない。
<請求項2の発明>
請求項2の発明によれば、キャビティ同士が補強片によって繋がれるから、ハウジング本体を効果的に剛性アップできる。
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、ハウジング本体に対するカバー部の浮き上がるような変形が防止される。従って、ハウジング本体に対するカバー部の密着度が増し、ハウジング全体としての剛性が高まる。
<請求項4の発明>
請求項4の発明によれば、補強壁は隣合うもの同士が交差する構成であるからねじれに対する補強として有効である。また、補強壁はフード部から張り出した部分に設けられているから両ハウジングの嵌合動作に支障を来すことがない。
請求項3の発明によれば、ハウジング本体に対するカバー部の浮き上がるような変形が防止される。従って、ハウジング本体に対するカバー部の密着度が増し、ハウジング全体としての剛性が高まる。
<請求項4の発明>
請求項4の発明によれば、補強壁は隣合うもの同士が交差する構成であるからねじれに対する補強として有効である。また、補強壁はフード部から張り出した部分に設けられているから両ハウジングの嵌合動作に支障を来すことがない。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図10によって説明する。
本実施形態のコネクタは互いに嵌合可能な雄ハウジング(本発明の相手側ハウジングに相当)20と雌ハウジング40とからなり両ハウジング20、40を嵌合させると雌ハウジング40に形成されたロックアーム65が雄ハウジング20に形成されたロック受け部27に係止して両ハウジング20、40が嵌合状態に保持されるようになっている。尚、以下の説明において両ハウジング20、40の嵌合される面側を前側とする。
本発明の実施形態1を図1ないし図10によって説明する。
本実施形態のコネクタは互いに嵌合可能な雄ハウジング(本発明の相手側ハウジングに相当)20と雌ハウジング40とからなり両ハウジング20、40を嵌合させると雌ハウジング40に形成されたロックアーム65が雄ハウジング20に形成されたロック受け部27に係止して両ハウジング20、40が嵌合状態に保持されるようになっている。尚、以下の説明において両ハウジング20、40の嵌合される面側を前側とする。
雄ハウジング20は合成樹脂製であって、内部には横長角筒状をなすとともに、前方から雌ハウジング40を嵌合可能とされたフード部21が形成されている。フード部21の奥端面22には、複数の端子取付孔(図示せず)が前後に貫通して形成されている。各端子取付孔は横方向に所定ピッチで並んで上下2段設けられるとともに、そこには、タブ35をフード部21に突出させた状態で雄端子金具30が取り付けられている。このタブ35はフード部21に嵌合される雌ハウジング40の備える雌端子金具100に電気的に接続されるようになっている。また、フード部21の天井面24の中央部分には、雌ハウジング40のロックアーム65に対して係止可能なロック受け部27が下向きに突設されている。尚、図示していないが、雄ハウジング20は回路基板(図示せず)の上面に取り付けられるようになっている。
雌ハウジング40は合成樹脂製のカバー(本発明のカバー部に相当する)50と、同じく合成樹脂製の上段ハウジング(本発明のハウジング本体に相当する)70と、合成樹脂製の下段ハウジング(本発明のハウジング本体に相当する)90とを上から順に重ねた状態で組み付けられて構成されている。
下段ハウジング90は、全体として左右方向(幅方向)に長く水平な方形平板状をなす。下段ハウジング90には前後に細長い下段キャビティ91がハウジングの幅方向(左右方向)に一定のピッチで複数個並設されている。下段ハウジング90の上面は、各下段キャビティ91を外部に露出させるように開口している。この開口側の面からは各下段キャビティ91内に収容された端子金具100に対して電線105を圧接治具Sによって圧接することが出来るようになっている。尚、圧接治具Sは図10に示すように、下段ハウジング90の下面側を受ける受け治具S1と、電線105を端子金具100の備える圧接歯103に押しつけて電線105を端子金具100に圧接させる押圧治具S2とからなる。
各下段キャビティ91の前面壁91aには、雄ハウジング20のタブ35を挿入させるためのタブ挿入口91bが前後に貫通して形成されている。また、各下段キャビティ91の後端部には圧接済みの電線105が上方へ離脱するのを規制する手段として、下段キャビティ91間を仕切る各隔壁98から内側へ突出させた係止突起91cが形成されている。
また、下段ハウジング90の下面には、その後端縁に沿って左右方向に延びる補強用のフランジ片99が、下段ハウジング90の左右両端部を除く広い領域に亘って連続して形成されている。
また、下段ハウジング90の下面には、その後端縁に沿って左右方向に延びる補強用のフランジ片99が、下段ハウジング90の左右両端部を除く広い領域に亘って連続して形成されている。
下段ハウジング90の左右両外壁92の前部側には、上面側を切欠した形態の下段凹部94が形成されている。この下段凹部94は、前後方向に長く且つ外壁92の外側面に開放された形態をなす。
上段ハウジング70は、全体として左右方向(幅方向)に長く水平な方形平板状をなす。上段ハウジング70には前後方向に細長い上段キャビティ71が左右対称な2群に分かれて一定のピッチで複数個並設されている。上段ハウジング70の上面は、各上段キャビティ71を外部に露出させるように開口している。この開口側の面からは各上段キャビティ71内に収容された端子金具100に対して電線105を圧接治具Sによって圧接することが出来るようになっている。
各上段キャビティ71の前面壁71aには、雄ハウジング20のタブ35を挿入させるためのタブ挿入口71bが貫通して形成されている。また、各上段キャビティ71の後端部には、圧接済みの電線105が上方へ離脱するのを規制する手段として、上段キャビティ71間を各仕切る隔壁78から内側へ突出させた係止突起71cが形成されている。
また、上段ハウジング70上面の中央部であって、後述するカバー50のロックアーム収容部61と対面する位置には、上段キャビティ71が形成される高さ範囲内にロックアーム収容部61に対する干渉を回避(ロックアーム65の撓み空間を確保)するための撓み許容部80が配されている。この撓み許容部80は前側は開放して形成されるが、後端縁には後述する補強片81が幅方向(左右に)に設けられている。
上段ハウジング70の下面には、前後方向に細長い複数の下段用押さえ突起76が、幅方向に一定ピッチで並列する形態で形成されている。この下段用押さえ突起76と下段ハウジング90の下段キャビティ91とは幅方向において対応しており、上段ハウジング70の下面側に下段ハウジング90を組み付けた状態では、上段ハウジング70の下段用押さえ突起76が下段キャビティ91の内部に入り込み、端子金具100の前端部の浮き上がりを規制するようになっている。
左右両外壁72における前方上部には、上面側を切欠した形態の上段凹部74が形成されている。この上段凹部74は、前後方向に長く且つ外壁72の外側面に開放された形態をなす。
また、外壁72における前方下部には、その下面から下方へ前後方向に細長いリブ状に突出する第2位置決め突起75が形成されている。この第2位置決め突起75は下段ハウジング90の下段凹部94と対応した位置に設けられており、上段ハウジング70の下面側に下段ハウジング90を組み付けた状態においては、上段ハウジング70の第2位置決め突起75が下段凹部94に嵌合されることで、上段ハウジング70と下段ハウジング90の前後方向における位置ずれが規制されるようになっている。
また、外壁72における前方下部には、その下面から下方へ前後方向に細長いリブ状に突出する第2位置決め突起75が形成されている。この第2位置決め突起75は下段ハウジング90の下段凹部94と対応した位置に設けられており、上段ハウジング70の下面側に下段ハウジング90を組み付けた状態においては、上段ハウジング70の第2位置決め突起75が下段凹部94に嵌合されることで、上段ハウジング70と下段ハウジング90の前後方向における位置ずれが規制されるようになっている。
図5に示すように、カバー50は全体として左右方向(幅方向)に長く水平な方形平板状をなし、上段ハウジング70の開放側の面(上面)を閉止可能とされている。カバー50の左右両側縁には、その後端部から下方へ略直角に板状に延出する保持片53が形成され、これらの保持片53の内面には上下2つの保持溝54、55が形成されている。一方、上段ハウジング70の左右両外壁72並びに下段ハウジング90の左右両外壁92には、その後端部領域から外側方へ突出する上段保持突起73並びに下段保持突起93が形成されており、両ハウジング70、90を上下に重ねた状態でカバー50を組み付けると、両保持突起73、93がカバー50の各保持溝54、55に嵌合することで、両ハウジング70、90に対するカバー50の上下方向への離脱が規制されるようになっている。
加えて、カバー50の左右両側縁における前方下部には、その下面から下方へ前後方向に細長いリブ状に突出する第1位置決め突起56が形成されている。この第1位置決め突起56は上段ハウジング70の上段凹部74と対応した位置に設けられており、カバー50の下面側に上段ハウジング70を組み付けた状態においては、カバー50の第1位置決め突起56が上段凹部74に嵌合されることで、上段ハウジング70と下段ハウジング90の前後方向における位置ずれが規制されるようになっている。
また、カバー50の下面には前後方向に細長い複数の上段用押さえ突起51が、左右対称な2群に分かれるとともに各群毎に一定のピッチで並列する形態で形成されている(図7参照)。これらの上段用押さえ突起51は、前後方向において上段ハウジング70の上段キャビティ71と対応しており、カバー50の下面側に上段ハウジング70を組み付けた状態では、カバー50の上段用押さえ突起51が上段ハウジング70の上段キャビティ71の内部に入り込み、端子金具100の浮き上がりを規制するようになっている
次に、カバー50の上面には、雄ハウジング20に対する雌ハウジング40の嵌合動作を案内するとともにカバー50の補強を行うためのガイドリブ58と、ロックアーム65がそれぞれ形成されている。まず、ガイドリブ58は雌ハウジング40の前端部を除いた全長に亘って形成されるとともに、雌ハウジング40の上面の左右両側に一対と、それよりやや内側に各一対設けられている。一方、雄ハウジング20のフード部21の天井面24であって、ガイドリブ58と対面する位置には、両ハウジング20、40の嵌合方向に沿ってガイドリブ58を挿通可能な案内溝26が形成されており、リブと溝の嵌め合いによって両ハウジング20、40の嵌合動作が案内されるようになっている。
カバー50の上面であって幅方向の中央部分には、両ハウジング20、40の嵌合方向に沿ってロックアーム65を収容するためのロックアーム収容部61が形成されている。このロックアーム収容部61は上段ハウジング70側に突出して形成されるとともに、図8に示すように、組み付け状態では、その下方側へ突出した底面部分が上段ハウジング70に設けられる撓み許容部80に対して丁度収容されるようになっている。
ロックアーム65はロックアーム収容部61の底面における前端縁から立ち上がると共に、後方へ片持ち状に延出した形態をなす。ロックアーム65はロックアーム収容部61の底面61aとの間に撓み空間68を保有しており、前端の支持部63を支点として上下方向へ弾性撓みすることが可能となっている。
ロックアーム65の上面であって、前後方向に関する中央部分にはロック突部66が形成されている。ロック突部66の後面は、ロックアーム65の上面に対して直角な係止面66aとなっており、両ハウジング20、40が嵌合した時には、図4に示すように、ロック受け部27を通過することに伴って撓み空間内へ撓み変位し通過後に復帰する。これにより、ロック突部66の係止面66aの後方に雄ハウジング20のロック受け部27が対面して位置することでフード部21に対し雌ハウジング40の抜止が図られる。
また、ロック突部66の前面は勾配66bを持って形成されているが、これは雌ハウジング40に対する挿入動作を円滑にするための案内である。
ロックアーム65の上面であって、前後方向に関する中央部分にはロック突部66が形成されている。ロック突部66の後面は、ロックアーム65の上面に対して直角な係止面66aとなっており、両ハウジング20、40が嵌合した時には、図4に示すように、ロック受け部27を通過することに伴って撓み空間内へ撓み変位し通過後に復帰する。これにより、ロック突部66の係止面66aの後方に雄ハウジング20のロック受け部27が対面して位置することでフード部21に対し雌ハウジング40の抜止が図られる。
また、ロック突部66の前面は勾配66bを持って形成されているが、これは雌ハウジング40に対する挿入動作を円滑にするための案内である。
ところで、図3及び図6に示すように、撓み許容部80の後端縁には補強片81が起立形成される一方、ロックアーム収容部61の後端縁であって補強片81と対応する位置には補強片81に対するにがし溝61bが形成されている。
この補強片81は左右のキャビティ71の側壁71d同士を架設するとともに、ロックアーム65の撓み空間68を避けた配置、すなわちロックアーム65の後端65Rの回動動作(軌跡)が補強片81よりも奥側で行われる設定としてある。
この補強片81は左右のキャビティ71の側壁71d同士を架設するとともに、ロックアーム65の撓み空間68を避けた配置、すなわちロックアーム65の後端65Rの回動動作(軌跡)が補強片81よりも奥側で行われる設定としてある。
撓み許容部80はその大半が平坦な形状であるためキャビティ71が形成された部分に比べて剛性の低下が懸念されるところであるが、前記したように縦壁(補強片81)を設けておけば当該部分の剛性が高めることが出来、キャビティ71側との剛性のバランス(キャビティ71には縦壁として前面壁71aが設けられている)がとれる。また、補強片81は左右のキャビティ71の側壁71d同士を架設する構成であるから効果的に剛性がアップできる。
また、カバー50の上面の後端における左右両側にはフランジ片57が起立形成されるとともに、これら両フランジ片57同士がロックアーム65の後端部分をアーチ状をなして取り囲む保護壁64によって繋がれている。このようにロックアーム65の後端部分を保護壁64によって覆う構成とすることで、ロックアーム65を保護するとともに両ハウジング20、40がロック状態にあるときにロックアーム65が偶発的に押されてロックが解除しないようにしてある。
また、本実施形態においてはコネクタの小型化の要請もあって、保護壁64は極力小さく設定されており、内部に指先が入らないようになっている。そのため、図3に示すようにロックアーム65の上面と保護壁64の内面との間に、解除用の隙間69を設けており、この隙間69に棒状の解除治具を水平にこじらせることなく挿入させることによって、ロックアーム65をロック解除方向に撓み変形させ、これにより、ロックが解除されるようになっている。
ただし、先にも述べたように、ロックアーム65の後端65Rの回動規制が補強片81よりも奥側で行われる設定としてあるから、この際に行われるロック解除動作中に、ロックアーム65と補強片81とが干渉等を起こして、当該ロック解除動作に支障を来すことがないような設定となっており、コネクタの低背化等の要請に応えるものとなっている。
このように本実施形態によれば、雌ハウジング40がカバー50と上下両段ハウジング70、90とから分割構成されているから、これら各パーツが一体に構成されている場合に比べて部品の剛性が低下する。特に、上段ハウジング70にはカバー50に設けられたロックアーム収容部61との干渉を回避するための撓み許容部80を設けており、その部分での剛性の低下が特に懸念されるが、そこには補強片81が設けられているから、当該部分における剛性の低下を回避することが出来る。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図11ないし図12によって説明する。
実施形態2は、撓み許容部80に設けた補強片85をロックアーム収容部61に対して係止させる構成としたものであり、その他の構成については実施形態1と同様であるため同一の部品には同一の符号を付し、重複する説明を省略するものとする。
次に、本発明の実施形態2を図11ないし図12によって説明する。
実施形態2は、撓み許容部80に設けた補強片85をロックアーム収容部61に対して係止させる構成としたものであり、その他の構成については実施形態1と同様であるため同一の部品には同一の符号を付し、重複する説明を省略するものとする。
図11に示すように、撓み許容部80の後端縁であって、幅方向の中央部分には補強片85が設けられる一方、ロックアーム収容部61の後端縁であって、前記補強片85と対応した位置には、前記補強片85に対する逃がし凹部110が形成されている。図12に示すように、補強片85の上部並びに、逃がし凹部110の周縁部うち補強片85と対面する部分には、それぞれ向かい合うようにしてロック突部86、111が突設されている。同図に示すように組み付け状態においては、補強片85側のロック突部86が逃がし凹部110側のロック突部111の上面に係止するようになっている。これにより、上段ハウジング70に対するカバー50の浮き上がるような変形が防止される。従って、各ハウジング70、90に対するカバー50の密着度が増し、ハウジング全体としての剛性が高まる。
また、実施形態2においても、ロックアーム65の後端65Rの回動動作(軌跡)が両ロック突部86、111よりも奥側で行われるような設定とされている。従って、ロックアーム65の回動動作中に、ロックアーム65が両ロック突部86、111に干渉して当該両ロック突部86、111の係止を解くことがない設定となっている。
<実施形態3>
次に、本発明に実施形態3を図13ないし図17によって説明する。
実施形態1及び実施形態2においては、撓み許容部80に補強片81、85を設けて上段ハウジング70の剛性アップを図ったが、実施形態3においてはカバー50の上面及び下段ハウジング90の下面に断面長方形状の補強壁130及び140を設けて、カバー50並びに下段ハウジング90の剛性アップを図ったものである。その他の構成については実施形態1と同様であるため同一の部品には同一の符号を付し、重複する説明を省略するものとする。
次に、本発明に実施形態3を図13ないし図17によって説明する。
実施形態1及び実施形態2においては、撓み許容部80に補強片81、85を設けて上段ハウジング70の剛性アップを図ったが、実施形態3においてはカバー50の上面及び下段ハウジング90の下面に断面長方形状の補強壁130及び140を設けて、カバー50並びに下段ハウジング90の剛性アップを図ったものである。その他の構成については実施形態1と同様であるため同一の部品には同一の符号を付し、重複する説明を省略するものとする。
図14に示すように両ハウジング20、40が嵌合状態にあるとき、雌ハウジング40の後部が雄ハウジング20のフード部21から後方に張り出した状態にあるが、その突出部120の外面、すなわちカバー50の上面には同面に沿って当該突出部120の後端側(同図の上側)から前記フード部21に向かって斜めに伸びる複数の補強壁130が設けられている。補強壁130はカバー50の上面からの張り出し高さがガイドリブ58の張り出し高さと等しい設定とされるとともに、全体としてはジグザグ状をなしており、各補強壁130の伸び方向は両ハウジング20、40の嵌合方向に対してほぼ45度の角度とされている。
このようなジグザグ状である構成が、本発明の各補強壁はその伸び方向が隣合う補強壁130の端部同士を一致させる方向であるという構成に相当するものである。
このようなジグザグ状である構成が、本発明の各補強壁はその伸び方向が隣合う補強壁130の端部同士を一致させる方向であるという構成に相当するものである。
また、補強壁130はロックアーム65の左右両側において左右対称な構成とされており、各側の補強壁130はカバー50の左右両縁に形成されるガイドリブ58の後端を始点とし、保護壁64の側壁に至る構成となっている。また、補強壁130は各領域(ロックアーム65の左側及び右側)のうち後端縁側には、頂点が3箇所設けられ、このうち中央の頂点と内側に位置するガイドリブ58の端部同士が丁度重なるような配置とされている。
また、各領域のうちフード部21側には、頂点が2箇所設けられるようになっており、これら各頂点は、図14に示すように両ハウジング20、40が嵌合した状態に有るときには、カバー50の前端面と僅かな隙間を持って対面するとともに、高さ方向においては雄ハウジング20の外面より内側にあって、補強壁130の外形が雄ハウジング20の外形から飛び出さないようになっている。
また、各領域のうちフード部21側には、頂点が2箇所設けられるようになっており、これら各頂点は、図14に示すように両ハウジング20、40が嵌合した状態に有るときには、カバー50の前端面と僅かな隙間を持って対面するとともに、高さ方向においては雄ハウジング20の外面より内側にあって、補強壁130の外形が雄ハウジング20の外形から飛び出さないようになっている。
上記のようにカバー50側の突出部120には、ジグザグ状に補強壁130が設けられているから、突出部120の全体が均等に補強されることとなるし、実施形態1或いは2のようにハウジング40の後端縁にフランジ片(補強壁)57を直線的に設ける場合(図2参照)に比べてねじれにも強くなる。
また、図17は下段キャビティ91の下面図であるが、下段キャビティ91の下面の突出部120にもカバー50に設けられた補強壁130と同様の補強壁140が設けられている。
また、図17は下段キャビティ91の下面図であるが、下段キャビティ91の下面の突出部120にもカバー50に設けられた補強壁130と同様の補強壁140が設けられている。
<参考例>
実施形態3においてはカバー50及び下段ハウジング90の補強を行うのに、複数の補強壁130、140をジグザグ状(隣合う各補強壁130或いは140の端部同士が交差するように)に連ねたが、図22或いは図23に示すように、補強壁を直線的な構成とした場合であっても、そこに複数の孔150を間欠的に設ける構成としてやれば、孔が設けられていない場合と比較して剛性のアップを図ることが出来る。
実施形態3においてはカバー50及び下段ハウジング90の補強を行うのに、複数の補強壁130、140をジグザグ状(隣合う各補強壁130或いは140の端部同士が交差するように)に連ねたが、図22或いは図23に示すように、補強壁を直線的な構成とした場合であっても、そこに複数の孔150を間欠的に設ける構成としてやれば、孔が設けられていない場合と比較して剛性のアップを図ることが出来る。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)実施形態3においては、補強壁の断面形状を略長方形としたが、隣合う補強壁の端部が交差するものであれば、断面形状について特に制約はなく、例えば、断面がT字状をなすもの(図18、図19参照、補強壁145)、或いは断面がL字状をなすもの(図20、図21参照、補強壁146)であってもよい。
(2)実施形態1及び2においては、補強片81を雌ハウジング側に設けたが、例えば雄ハウジング20側が分割タイプのものであれば、雄ハウジング側に適用してもよい。
40…雌ハウジング
50…カバー(カバー部)
65…ロックアーム
70…上段ハウジング(ハウジング本体)
80…撓み許容部
81…補強片
90…下段ハウジング(ハウジング本体)
50…カバー(カバー部)
65…ロックアーム
70…上段ハウジング(ハウジング本体)
80…撓み許容部
81…補強片
90…下段ハウジング(ハウジング本体)
Claims (4)
- 内部に幅方向に併設された複数のキャビティを有するとともに各キャビティを外部に露出させるように一面が開放し、各キャビティに開放側の面より端子金具を収容可能なハウジング本体と、
前記開放側の面を閉止するように前記ハウジング本体に組み付け可能とされたカバー部とを備えたコネクタであって、
前記カバー部には、当該コネクタの嵌合相手となる相手側ハウジングに係止可能とされたロックアームが形成されるとともに、
前記ハウジング本体のうち前記ロックアームに対向する位置には、前記キャビティが形成される高さ範囲内に、前記ロックアームに対する撓み空間を有する撓み許容部が配されており、
更に、この撓み許容部における後端部であって前記ロックアームとの干渉を避けた位置には、補強片が設けられた構成であることを特徴とするコネクタ。 - 前記補強片は前記撓み許容部の両側に位置するキャビティの壁面同士間を繋ぐ構成であることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- 前記補強片は前記ハウジング本体に対して係止することで前記ハウジング本体に対する前記カバー部の接離方向への遊動を規制可能な構成であることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- ハウジング内部には端子金具を収容可能なキャビティが形成されるとともに、相手側ハウジングに設けられたフード部に対し、前記ハウジングの一部を後方に張り出させた状態で取り付けられるコネクタであって、
前記ハウジングの側面のうち前記フード部から後方へ突出した部分の外面には、同面に沿って当該突出部の後端側から前記フード部に向かって斜めに伸びる複数の補強壁が設けられるととに、これら各補強壁はその伸び方向が隣合う補強壁の端部同士を一致させるか、或いは途中で交差させる方向であることを特徴とするコネクタ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003415089A JP2005174817A (ja) | 2003-12-12 | 2003-12-12 | コネクタ |
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Publications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005174817A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101621160A (zh) * | 2008-06-30 | 2010-01-06 | 日本压着端子制造株式会社 | 电连接器 |
CN102208724A (zh) * | 2010-03-31 | 2011-10-05 | 第一电子工业株式会社 | 电气连接器 |
WO2022190782A1 (ja) * | 2021-03-08 | 2022-09-15 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | コネクタ |
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-
2003
- 2003-12-12 JP JP2003415089A patent/JP2005174817A/ja active Pending
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