JP2005174755A - 電極触媒、該触媒を用いた触媒担持電極およびmea - Google Patents

電極触媒、該触媒を用いた触媒担持電極およびmea Download PDF

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Abstract

【課題】 質量活性の高いMEA、該MEAに好適な電極触媒などを提供する。
【解決手段】 導電性担体に担持された触媒金属微粒子と電解質ポリマーとを含む電極触媒層に使用する電極触媒であって、前記導電性担体は中空構造を有しており、前記触媒金属微粒子が前記導電性担体の内表面および外表面に担持されていることを特徴とする電極触媒である。触媒金属微粒子を担持させる担体の種類やその表面状態に関係なく、一定粒子径を有する触媒粒子が高分散担持され、質量活性に優れる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、中空構造を有する導伝性担体の内表面および外表面に触媒金属微粒子を担持した電極触媒、および該触媒を使用した触媒担持電極、MEAおよび燃料電池ならびに前記電極触媒の製造方法に関する。
近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、常温でも作動し高出力密度が得られる固体高分子型燃料電池が電気自動車用電源、定置型電源として注目されている。固体高分子型燃料電池は、フィルム状の固体高分子膜からなる電解質層と電極との接合体(以下、「MEA」とも称する。)をセパレータで積層した構造を内蔵し、電極は電解質ポリマーと電極触媒とから構成されることが一般的である。
従来は、カソードおよびアノードとも白金または白金合金等の触媒金属微粒子をカーボンブラック等の比表面積の大きい導電性担体に高分散担持させた電極触媒が用いられている。触媒金属の微粒子を高分散担持することで電極反応面積を大きくし、触媒活性を高めたものである。このような炭素微粒子を触媒担体としてこれに触媒金属微粒子を担持させた従来の電極触媒を図1に示す。
しかしながら、図2(a)に示すように従来の触媒の表面が電解質で覆われた場合に担体の細孔内にまで金属微粒子が担持されていると、図2(b)に示すように炭素微粉末の細孔中に入り込んだ触媒金属微粒子は固体電解質膜と接触できない。このため、直径8nm以下の細孔の占める容積が500cm/g以下の炭素微粉末を担体としてこれに触媒金属微粒子を担持させた電極触媒が開示されている(特許文献1)。炭素微粉末の細孔への担持を回避して高価な貴金属微粒子触媒を有効に利用することを目的としてなされたものであり、上記した特定の炭素微粉末に貴金属微粒子を高分散させている。また該公報では、塩素および硫黄の含有量が2ppm以下の炭素微粉末、特にアセチレンを原料とする炭素微粉末を触媒担体として用いることで、不純物による特性劣化を防ぎ、燃料電池の寿命特性を向上させることができる、としている。
特開平9−167622号公報
しかしながら、電極触媒の性能は単に触媒金属微粒子を担持させる担体の特性に限定されるものではなく、担持する金属の平均粒子径や分布などにも依存する。特に、触媒成分は担体へ担持した後に焼成などによって活性化あるいは安定化した後に使用されるのが一般的であるが、焼成によってシンタリングが発生し、電極特性を低下させる場合がある。更に、担体上の触媒金属微粒子の間隔が狭い場合にもシンタリングが発生して、触媒金属粒子径が成長しやすくなり、貴金属微粒子触媒の単位重量あたりにおける電池の分極特性が低下する。
また、触媒粒子担持カーボンの表面と電解質および反応ガスとによる3相界面の形成において、担持された触媒粒子が十分に利用されない場合にも触媒活性に劣る場合がある。
そこで、本発明の目的は、質量活性に優れたMEAを構成しうる電極触媒、該電極触媒を使用した触媒担持電極、MEA並びに燃料電池を提供することにある。
また、触媒金属微粒子を担持させる担体の種類やその表面状態に関係なく、一定粒子径を有する触媒粒子を高分散高担持させうる、触媒の調製方法を提供するものである。
本発明者らは、中空構造を有する導電性担体の内表面および外表面上に触媒金属微粒子を担持すると、担体の有効表面積を拡大することができ、触媒金属微粒子の反応有効面積も増大することができMEAに調製した場合に質量活性が向上すること、このような担体は触媒金属微粒子が最も効率的に作用しうるサイズで担持されるため単位面積あたりの発電量が増え、セルを小型化できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち上記課題は以下の(1)〜(4)によって解決される。
(1) 導電性担体に触媒金属微粒子を担持した電極触媒であって、前記導電性担体は中空構造を有しており、前記触媒金属微粒子が前記導電性担体の内表面および外表面に担持されていることを特徴とする電極触媒。
(2) 貴金属の可溶性化合物を溶解した水溶液と内径が20〜300nmの中空構造を有する導電性担体との混合水溶液に前記貴金属の還元性溶媒を投入し、前記水溶液中の貴金属イオンまたは錯体を還元させて前記貴金属の微粒子を前記導電性担体に担持させることを特徴とする電極触媒の製造方法。
(3) ミセル内部に貴金属水溶液を含有する逆ミセル溶液(A)および/またはミセル内部に卑金属水溶液を含有する逆ミセル溶液(B)に、前記貴金属イオンの還元剤および/または前記卑金属イオンの沈殿剤を添加し、次いで該混合溶液に内径が20〜300nmの中空構造を有する導電性担体を分散して前記貴金属および/または卑金属の微粒子を前記導電性担体に担持させる工程を含む、電極触媒の製造方法。
(4) 電解質膜とカソードおよびアノードとを含み、上記触媒担持電極をカソードとして含む燃料電池用MEA。
本発明の電極触媒は、中空構造を有する導電性担体の内表面および外表面に触媒金属微粒子を担持したものであり、中空構造を有する担体を用いることにより、その内外表面に触媒金属微粒子を担持することができるため、触媒金属微粒子の反応有効表面積を増加することができる。また、触媒貴金属粒子の平均粒子径があらかじめ制御できるような調製法を用いて電極触媒を調製することができるので、触媒活性の最適な範囲の触媒粒子を導電性担体に担持されており、その触媒活性が良いと同時に、これを用いたMEAは、従来の炭素微粉末を用いたものと比較してこれを用いてMEAとした場合に質量活性を向上させることができる。更に、接触面が増大した導電性担体を使用することで触媒金属微粒子を効率的に作用でき、セルを小型化できる。
本発明の第一は、導電性担体に触媒金属微粒子を担持した電極触媒であって、前記導電性担体は中空構造を有しており、前記触媒金属微粒子が前記導電性担体の内表面および外表面に担持されていることを特徴とする電極触媒である。
中空構造を有する導電性担体としては、触媒を高分散担持させるために十分な比表面積をもった基体としてだけではなく、集電体として十分な電子導電性を有しているものであれば、特に制限されるべきものではないが、主成分がカーボンであるのが好ましい。十分に高い電子導電率を得ることができ、電気抵抗を低くすることができるからである。導電性担体の電気抵抗が高いとこれを用いた触媒担持電極は内部抵抗が高くなり、結果として電池性能の低下を招く。具体的には、内径が20〜300nm、より好ましくは50〜100nmの中空構造を有する導電性担体であることが好ましい。中空構造を有することで繊維長さ方向への強度を高めることができ、カーボン腐食に対する耐久性を向上させることができる。また、上記内径であれば中空構造の内表面側にも電解質が侵入できるため、内表面に担持された触媒金属微粒子も電解質で被覆でき、触媒金属微粒子の利用率が向上する。更に、外径rの球状担体と、外径および長さ(繊維長)がrの中空構造担体の表面積とを比較すると、中空構造の壁面厚さにもよるが中空構造担体の方が、反応有効表面積は1.5〜1.9倍となる。このような導電性担体としては、上記内径を有するナノチューブ、ナノホーン、カップ積層型ナノ構造体および繊維材料が挙げられる。
これら導電性担体の外径には特に制限はないが、一般には25〜500nmである。また、長さも特に制限はないが、好ましくは200nm以下である。200μmを上回ると中空構造体の内表面の全体に触媒金属溶液や電解質が侵入できず、担体の内表面積を有効に利用できないため、不利である。このような中空構造を有する導電性担体としては市販品を使用してもよく、自製してもよい。
導電性担体の内表面および外表面に担持される触媒金属微粒子としては、貴金属微粒子および/または貴金属微粒子と卑金属との合金もしくは金属間化合物からなる触媒金属微粒子であって、該触媒金属微粒子の平均粒子径は1〜10nm、より好ましくは2〜5nmであることが好ましい。前記触媒金属の平均粒子径は小さいほど電気化学反応が進行する有効電極面積が増加するため酸素還元活性も高くなる。しかし、実際には触媒粒子径が小さくなりすぎるとむしろ活性が低下する現象が見られる。平均粒子径が1〜10nmであれば、触媒活性に必要な表面積が確保でき、触媒金属微粒子の単位質量あたりの触媒活性を増大することができる。
前記貴金属は、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、およびイリジウムからなる群より選択される1種以上の金属である。これらの中でも、白金が好ましい。導電性担体に担持する貴金属微粒子量は、触媒あたり5〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%である。また、60質量%を超えると均一に分散し難く、貴金属微粒子の高分散担持が困難となる。
また、卑金属としては、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛からなる群より選ばれた1種以上であることが好ましい。その平均粒子径は、1〜10nm、より好ましくは2〜5nmである。この範囲で特に触媒活性に優れるからである。従来から、電極触媒の触媒金属にはプロトンと酸素の反応触媒として、貴金属の中でも白金やルテニウムが用いられているが、貴金属単体を電極触媒に用いただけではその活性が不十分な場合が多い。貴金属と卑金属の合金あるいは金属間化合物を使用すると、貴金属単体からなる電極触媒より活性が向上する。
卑金属の担持量は、貴金属量に対して、0.1〜1モル%、より好ましくは0.3〜1モル%である。1モル%を超えると均一に分散し難く、卑金属微粒子の高分散担持が困難となる。
なお、本発明において貴金属微粒子や卑金属微粒子の平均粒子径とは、X線回析における金属微粒子の回析ピークの半値幅より求められる結晶子径や透過型電子顕微鏡より調べられる金属微粒子の平均粒子径の平均値で算出することができる。
貴金属微粒子と卑金属微粒子とはそれぞれ別個に導電性担体の内表面および外表面に担持されていてもよいが、貴金属微粒子と卑金属とが複合微粒子または合金微粒子や金属間化合物となって該導電性担体の内外表面に担持されていてもよい。
本発明の電極触媒は、電解質ポリマーとを用いて触媒担持電極とすることができる。すなわち本発明の第二は、上記電極触媒と電解質ポリマーとからなる電極触媒層を含む触媒担持電極である。
一般に、燃料電池に使用される触媒担持電極は、カソードやアノードの作用を発揮し得る触媒金属を導電性担体に担持させた触媒金属と電解質ポリマーを配合して多孔質構造体として形成されている。
本発明の電極触媒において用いられる電解質ポリマーとしては、少なくとも高いプロトン導電性を有する部材であり、デュポン社製の各種のナフィオン(デュポン社登録商標:Nafion)やダウケミカル社製のイオン交換樹脂、その他イオン性共重合体(アイオノマー)が利用可能である。なお、前記電解質ポリマーは、バインダーポリマーとして前記導電性担体に担持された触媒金属微粒子を被覆していてもよい。これにより、電極触媒層の構造を安定に維持できるとともに、電極反応が進行する反応サイト(三相界面)を十分に確保して、高い触媒活性を得ることができる。前記電解質ポリマーに対する電極触媒の配合量は特に限定されない。
このような触媒担持電極を用いて、MEAとすることができる。すなわち、電解質膜とカソードおよびアノードとを含み、上記触媒担持電極をカソードとして含む、燃料電池用MEAである。
電解質膜としては、燃料電池の種類によって異なるが、固体高分子型燃料電池の電解質膜としては、デュポン社製の各種のナフィオン(デュポン社登録商標:Nafion)やダウケミカル社製のイオン交換樹脂を好ましく使用できる。なお、アノードとしては従来公知のものを使用することができる。なお、電解質膜上に、第二の発明で記載した触媒担持電極を積層させてMEAを製造することができる。
さらに上記電極触媒、触媒担持電極、MEAを用いて燃料電池とすることもできる。本発明のMEAは高い質量活性を有するため、これを燃料電池用電極として用いれば、長期に亘って電池特性の低下の少ない燃料電池を提供できる。燃料電池の種類としては、所望する電池特性がえられるのであれば特に限定されないが、実用性・安全性などの観点から固体高分子型燃料電池(以下、「PEFC」とも記載する。)として用いるのが好ましい。なお、本発明の燃料電池は、本発明の電極触媒、触媒担持電極またはMEAを使用するものであれば、その他の要件は、燃料電池で使用し得るいずれのものを適用してもよい。
本発明の電極触媒、触媒担持電極またはMEAを用いた燃料電池は、従来のものと比較して小型で優れた発電量を供給することができる。従って、車両などの移動体用電源、定置用電源などとして小スペースで効率的な燃料電池を提供することができる。なお、上述した固体高分子型燃料電池に関しては、本発明の一実施形態を示したに過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。
上記した電極触媒の調製方法に制限はなく、いずれの方法で調製してもよい。しかしながら、貴金属の可溶性化合物を溶解した水溶液を使用すると、貴金属が溶液中に均一に分散しているため導電性材料の内表面にも貴金属を容易に担持させることができる。卑金属の可溶性化合物を溶解した水溶液を使用する場合も同様である。すなわち、本発明の第三は、貴金属の可溶性化合物を溶解した水溶液と内径が20〜300nmの中空構造を有する導電性担体との混合水溶液に前記貴金属の還元性溶媒を投入し、前記水溶液中の貴金属イオンまたは錯体を還元させて前記貴金属の微粒子を前記導電性担体に担持させることを特徴とする電極触媒の製造方法である。
貴金属としては、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、およびイリジウムがあり、これらの貴金属の供給源としては特に制限されず広くこれらの貴金属を含有する化合物を使用することができる。このような化合物としては、上記貴金属の硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩、アミン、炭酸塩、重炭酸塩、ハロゲン塩、亜硝酸塩、蓚酸などの無機塩類、ギ酸塩などのカルボン酸塩および水酸化物、アルコキサイド、酸化物などが例示でき、これらを溶解する溶媒の種類やpHなどによって適宜選択することができる。これらの中でも、工業的に使用するにあっては硝酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物、白金の場合には塩化白金やジニトロジアミン白金などが好ましい。これらの貴金属濃度は、金属換算で0.1〜1.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.3〜60質量%である。
また、貴金属イオンの還元剤としては、水素、ヒドラジン、ホウ素化水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、水素化ホウ素ナトリウム、ホルムアルデヒド、メタノール、エタノール、エチレン、一酸化炭素等が挙げられる。なお、水素、一酸化炭素などの常温でガス状の物質は、バブリングで供給することもできる。
本発明では、貴金属の微粒子を担持した後に卑金属の微粒子を担持させることもできる。卑金属としては、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛が挙げられる。これらは、上記卑金属の硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩、アミン、炭酸塩、重炭酸塩、ハロゲン塩、亜硝酸塩、蓚酸などの無機塩類、ギ酸塩などのカルボン酸塩および水酸化物、アルコキサイドなどが例示でき、これらを溶解する溶媒の種類やpHなどによって適宜選択することができる。
卑金属イオンの沈殿剤としては、アンモニア、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。なお、アンモニアはバブリングで供給することもできる。
該溶液に投入する導電性担体は、前記第一の発明で記載したものを使用することができる。この際、予めアルカリ溶液で処理して担体表面の付着物を除去した導電性担体を用いることがより好ましい。導電性担体表面には、それら担体の製造過程で付着したオイルなどの各種の付着物が付着している場合があり、これらの付着物によって貴金属などが担体表面に吸着・担持するのが阻害される場合がある。担体表面の清浄化により触媒金属微粒子の吸着サイトが増加し、触媒金属微粒子を高担持させることができる。また、導電性担体の表面が均一化されるため、触媒金属微粒子の高分散性にも効果を有する。特に、オイル分などはアルカリ性溶液で表面を洗浄することにより容易に除去することができる。なお、アルカリ溶液としては、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。
導電性担体に貴金属および/または卑金属の微粒子を担持した後は、溶液から単離した後に、乾燥し、次いで該担体を400〜800℃で焼成する。特に導電性担体に貴金属の微粒子のみを担持させた場合には、500〜800℃で焼成する。電極触媒の性能劣化の一因として、触媒金属微粒子のシンタリングがあり、シンタリングによって触媒金属微粒子の粒子径が大きくなる。500℃は白金の結晶化温度であり、これよりも高い温度で焼成すると触媒金属微粒子をより強固かつ安定は構造体とすることができ、触媒金属微粒子の溶出や溶解、凝集やシンタリングを減少させることができ、これにより耐久性が向上する。なお、800℃を超えると、担持粒子のシンタリングが多くなり、粒径が成長することで表面積が小さくなり、不適である。
なお、貴金属と卑金属との合金の場合には、400〜800℃で焼成するとよい。この温度範囲で焼成することにより、シンタリングを抑制し、耐久性を向上させることができる。
本発明の電極触媒は、上記方法に代えて逆ミセル溶液を使用して調製することもできる。すなわち本発明の第四は、ミセル内部に貴金属水溶液を含有する逆ミセル溶液(A)および/またはミセル内部に卑金属水溶液を含有する逆ミセル溶液(B)に、前記貴金属イオンの還元剤および/または前記卑金属イオンの沈殿剤を添加し、次いで該混合溶液に内径が20〜300nmの中空構造を有する導電性担体を分散して前記貴金属および/または卑金属の微粒子を前記導電性担体に担持させる工程を含む、電極触媒の製造方法である。
ここに「逆ミセル溶液」とは、有機溶媒に界面活性剤分子等の両親媒性物質を混合して形成される該両親媒性物質が集合して形成されるミセルを含有し、かつ該ミセル内に貴金属水溶液および/または卑金属水溶液を含有する溶液である。本実施例では、有機溶媒相内で疎水性基を外側すなわち有機溶媒相側に向け、親水性基を内側に向けて配向したミセルを形成しており、疎水性基と親水性基の配向が水性溶媒相の場合と逆であるため、逆ミセル溶液とする。逆ミセル中で貴金属イオンから貴金属微粒子を調製し、これを導電性担体に担持させると本発明の電極触媒となる。
逆ミセル溶液(A)、逆ミセル溶液(B)の混合順序や、該貴金属イオンの還元剤や該卑金属イオンの沈殿剤の添加順序も任意に選択することができ、例えば、(i)逆ミセル溶液(A)に逆ミセル溶液(B)を混合し、該混合液に該貴金属イオンの還元剤を添加し、次いで、該卑金属イオンの沈殿剤を添加し、該溶液に導電性担体を分散して貴金属および/または卑金属の微粒子を導電性担体に担持させる方法、(ii)逆ミセル溶液(A)に逆ミセル溶液(B)を混合し、該混合液に該卑金属イオンの沈殿剤を混合し、次いで該貴金属イオンの還元剤を混合したのちに、該溶液に導電性担体を分散して貴金属および/または卑金属の微粒子を導電性担体に担持させる方法、(iii)逆ミセル溶液(B)に該卑金属イオンの沈殿剤を添加し、次いで逆ミセル溶液(A)を混合し、該混合溶液に該貴金属イオンの還元剤を混合し、該溶液に導電性担体を分散して貴金属および/または卑金属の微粒子を導電性担体に担持させる方法など、いずれでもよい。逆ミセル溶液(A)に該貴金属イオンの還元剤を添加し、これに導電性担体を分散させると導電性担体の外表面に貴金属微粒子のみが担持された触媒を製造することができる。なお、本発明における「貴金属および/または卑金属の微粒子」とは、貴金属微粒子と卑金属微粒子との複合粒子、貴金属微粒子と卑金属との合金粒子も含むものとする。
本発明の製造方法によれば、逆ミセル溶液に含まれる貴金属や卑金属の濃度を調整したり、逆ミセルを構成する界面活性剤の濃度や種類を適宜選択したりすることで逆ミセル中で発生する貴金属微粒子や卑金属微粒子の平均粒子径を所望のサイズに調整することができる。従って、逆ミセル溶液を使用すれば、所望の平均粒子径の触媒微粒子を均一間隔で導電性担体に担持させることができる。
さらに、逆ミセルの混合手順等を種々変えることにより、逆ミセル中で形成された微粒子の状態を調整することができる。例えば、逆ミセル溶液(A)と逆ミセル溶液(B)とを混合し、これに貴金属イオンの還元剤を添加すると、貴金属が微粒子となり逆ミセル中に浮遊する。次いでこれに卑金属イオンの沈殿剤を添加すると、貴金属微粒子の中心に卑金属微粒子が取り囲む形状となる。逆に、該混合溶液に先に卑金属イオンの沈殿剤を添加すると、卑金属微粒子の周りに貴金属微粒子が取り囲む形状となる。このように、逆ミセル溶液を使用することで、導電性担体の外表面に種々の形態で金属微粒子を担持させることができる。
更に、導電性担体は、上記(i)〜(iii)の工程を経て得られた溶液、すなわち逆ミセル溶液に還元剤や沈殿剤を添加した後に添加しても良いが、例えば、逆ミセル溶液(A)および/または逆ミセル溶液(B)に導電性担体を添加して混合し、均一の溶液とし、これに前記還元剤および/または沈殿剤を添加してもよい。逆ミセル溶液(A)および/または逆ミセル溶液(B)に該導電性担体を添加すると、逆ミセルが該導電性担体の内外表面に均一に付着し、この状態で還元剤および/または沈殿剤が添加されるため分散性が維持されたまま貴金属微粒子や卑金属微粒子を導電性担体の内外表面に担持させることができる。導電性担体の内外表面上に均一付着できるミセルの数に限界があるので、アルコールでミセルを壊しながら貴金属および/または卑金属の微粒子を担持させると、高担持量を高分散状態で得ることができる。本発明による電極触媒を図3(a)、(b)に示す。これらに示すように、導電性担体の内外表面に触媒微粒子が均一分散されて担持される。
また、この電極触媒と電解質ポリマーとを用いて調製した触媒担持電極すると、図4(a)に示すように、電極触媒全体が電解質ポリマーで被覆され、かつ図4(b)に示すように、導電性担体の内表面に高分散して担持された触媒金属微粒子にも電解質ポリマーが被覆されるため、3相界面での触媒活性に優れる。
逆ミセルの形成に利用可能な有機溶媒としては様々な物質が使用可能であるが、一例を挙げると、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、ヘプタノール、オクタノール、ドデシルアルコール、セチルアルコール、イソオクタン、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等がある。また、逆ミセル溶液中の水滴の大きさを調節する目的で、アルコール等を添加してもよい。該有機溶媒は、1種を単独で使用するほか、2種以上を併用することもできる。更に、逆ミセル溶液(A)にも逆ミセル溶液(B)の調製にも使用することができ、更に貴金属イオンの還元剤や卑金属の沈殿剤を逆ミセル溶液として供給する場合には、これらの溶液の調製にも使用することができる。この際、いずれかの逆ミセル溶液に使用する有機溶媒と他の逆ミセル溶液に使用する有機溶媒とは、同種のものであっても異種のものであってもよい。
逆ミセル溶液を形成する界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ラウリン酸マグネシウム、カプリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ナトリウムフェニルステアレ−ト、アルミニウムジカプリレ−ト、テトライソアミルアンモニウムチオシアネ−ト、n−オクタデシルトリn−ブチルアンモニウム蟻酸塩、n−アミルトリn−ブチルアンモニウムヨウ化物、ナトリウムビス(2−エチルヘキシル)琥珀酸塩、ナトリウムジノニルナフタレンスルホネ−ト、カルシウムセチルサルフェート、ドデシルアミンオレイン酸塩、ドデシルアミンプロピオン酸塩、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンムニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムクロライド、(2−オクチルオキシ−1−オクチルオキシメチル)ポリオキシエチレンエチルエーテル等を挙げることができる。該界面活性剤も、いずれの逆ミセル溶液の調製にも使用することができ、2種以上を併用することもできる。なお、有機溶媒に対する界面活性剤の添加量は、有機溶媒100質量部に対して、10〜300質量である。10質量部を下回ると逆ミセルの形成が困難となり、一方300質量部を超えるとロッド状ミセルが形成され、貴金属微粒子を特定の大きさに制御し凝集させないという点で不利である。
貴金属およびこれらの貴金属の供給源としては上記第三の発明で記載した化合物を使用することができる。これらの中でも、工業的に使用するにあたっては硝酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物などが好ましい。これらの貴金属濃度は、金属換算で0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%である。
また、貴金属イオンの還元剤としても上記第三の発明で記載した化合物を使用することができる。ヒドラジン等の水溶液として調製し得るものは、濃度0.1〜40質量%の水溶液として直接逆ミセル溶液に添加してもよいが、該溶液を用いて逆ミセル溶液を調製し、逆ミセル溶液(A)に添加してもよい。濃度0.1〜40質量%の水溶液であれば、ミセル内で貴金属イオンが貴金属微粒子となった場合でもコロイド状にミセル内に分散できる。なお、水素、一酸化炭素などの常温でガス状の物質は、バブリングで供給することもできる。
卑金属およびこれら卑金属の供給源としても上記第三の発明で記載した化合物を使用することができる。これらの中でも、硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩、アミン、炭酸塩、重炭酸塩、ハロゲン塩、亜硝酸塩、蓚酸などの無機塩類、ギ酸塩などのカルボン酸塩および水酸化物、アルコキサイドなどが好ましい。これらを溶解する溶媒の種類やpHなどによって適宜選択することができる。
卑金属イオンの沈殿剤としても上記第三の発明で記載した化合物を使用することができる。アンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等は、濃度0.1〜30質量%の水溶液として直接逆ミセル溶液に添加してもよいが、該溶液を用いて逆ミセル溶液を調製して添加してもよい。なお、アンモニアはバブリングで供給することもできる。
なお、該導電性担体としても上記第三の発明で記載したものを好ましく使用することができる。
逆ミセル溶液を使用する製造方法としては、例えばシクロヘキサン等の有機溶媒中に界面活性剤を加え、さらに貴金属水溶液を加えて攪拌し、逆ミセル溶液(A)を調製する。同様に、界面活性剤を混合したシクロヘキサン等の有機溶媒中に卑金属の水溶液を加えて撹拌し、逆ミセル溶液(B)を調製する。次いで、逆ミセル溶液(A)と逆ミセル溶液(B)、更に貴金属イオンや卑金属の沈殿剤とを加えて攪拌すると、逆ミセル中に貴金属微粒子のコロイド溶液が形成される。該溶液を熟成した後に、遠心分離、濾過、洗浄等の方法によって沈殿物を分離し洗浄し、乾燥工程において乾燥の後に微粉化して触媒の前駆体を得て、さらに該前駆体を焼成すると触媒が製造できる。
従来のように含浸法によって導電性担体の表面に貴金属微粒子などを担持させると、貴金属や卑金属の導電性担体の表面上での分散性に劣り、焼成に対する微粒子成長率(焼成後の平均粒子径/フレッシュ状態における平均粒子径)や平均粒子径分布が大きくなる場合があった。しかしながら、本発明では逆ミセル溶液を使用するため略等間隔に金属微粒子が担持され、これによって焼成による金属微粒子の凝集を防止できるため、必要とする触媒性能を得ることできる。更に、該方法によれば複雑な表面構造の担体であっても一定粒子径の金属粒子を担持させることができる。
なお、焼成前の乾燥は、例えば自然乾燥、蒸発乾固法、ロータリーエバポレーター、噴霧乾燥機、ドラムドライヤーによる乾燥などを用いることができる。乾燥時間は、使用する方法に応じて適宜選択すればよい。場合によっては、乾燥工程を行わずに、焼成工程において乾燥させることとしてもよい。
逆ミセルを用いて調製した貴金属微粒子或いは卑金属微粒子は、平均粒子径分布が狭いため、所望の活性を示すのに適した粒径を有する微粒子を導電性担体の内表面および外表面に高分散することができる。また、貴金属微粒子または卑金属微粒子が多すぎると微粒子の表面エネルギーが高くなるため、近くに存在する他の微粒子との凝集やシンタリングを生じ易くなる。更に、このようにして出来た凝集体やシンタリング物は、他の微粒子を取り込み、微粒子成長を促進してしまう。しかし、逆ミセル法により調製された微粒子は、平均粒子径の制御が可能であり、使用する温度において影響を受けづらい微粒子を担持でき、高い触媒活性を持続することが可能である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されることはない。また、当該実施例において、「%」は特記しない限り質量百分率を表わすものとする。
(実施例1:白金担持カーボンチューブ調製法)
白金担持カーボンチューブ1を以下の手順によって調製した。
内径50nmの単層カーボンチューブ(以下、カーボンチューブと呼ぶ)1gをエタノール50ml中で混合してカーボンチューブを分散させた後に、ジニトロジアミン白金硝酸水溶液(白金濃度0.5質量%)200gを加え、さらに攪拌したのちに、還流反応装置を用いて反応液を攪拌させながら85〜90℃の温度範囲内で6時間加熱還流してカーボンチューブ表面へ白金を還元担持させた。反応終了後、室温にて試料溶液を放冷した後、白金が担持されたカーボンチューブ粉末を吸引濾過装置で濾別し、よく水洗した後にこれを80℃で6時間減圧乾燥させて白金担持カーボンチューブの粉末を得た。該チューブを、白金担持カーボンチューブ1とする。
(実施例2)
カーボンチューブにジニトロジアミン白金硝酸水溶液を投入・攪拌し、カーボンチューブを分散させた後に、エタノールを投入および攪拌した以外は、実施例1と同様に操作して白金担持カーボンチューブを得た。該チューブを、白金担持カーボンチューブ2とする。
(実施例3)
あらかじめエタノールとジニトロジアミン白金硝酸水溶液を混合しておき、その混合溶液にカーボンチューブ中に投入および攪拌し、カーボンチューブを分散させた以外は実施例1と同様に操作して白金担持カーボンチューブを得た。該チューブを、白金担持カーボンチューブ3とする。
(実施例4)
実施例1で作製した白金担持カーボンチューブ1を100メッシュのふるいで粉砕、整粒したのち、1gを秤量して、再度、純水15ml中に超音波分散させた。この懸濁液をスターラー攪拌し、粘度が低下してきたところで硝酸コバルト水溶液(硝酸コバルト6水和物0.2gに水30mlを入れ攪拌・溶解)を投入して10分間攪拌した。この水溶液を超音波分散とスターラー攪拌を併用しながら15分間混合した後、85℃にて8時間、攪拌しながら乾燥させ、白金担持カーボンチューブ1に担持されている白金に、硝酸コバルト中のコバルトを含浸させた。この乾燥粉末を100メッシュのふるいにかけた後で石英ボードに充填し、アルゴンガス流通下で930℃に保持し、1時間焼成した後、さらに539℃で1時間保持することにより合金化した。
該チューブを、白金担持カーボンチューブ4とする。
(実施例5)
白金担持カーボンチューブ5は以下のようにカーボンチューブに以下のような前処理、後処理工程を実施した。
内径50nmの単層カーボンチューブ1gを純水15ml中によく分散したのち、炭酸水素ナトリウム1.7gを加え、10分間攪拌した。その後に超音波洗浄およびスターラー攪拌を併用し、90〜95℃の温度範囲内で1時間、カーボンチューブ表面を洗浄した。該カーボンチューブをエタノール50ml中で混合してカーボンチューブを分散させた後に、0.5質量%Pt含有のジニトロジアミン白金硝酸水溶液200gを加え、さらに攪拌したのちに、還流反応装置を用いて反応液を攪拌させながら85〜90℃の温度範囲内で6時間加熱還流してカーボンチューブ表面へ白金を還元担持させた。反応終了後、室温に試料溶液を放冷した後、白金が担持されたカーボンチューブ粉末を吸引濾過装置で濾別し、よく炭酸水素アンモニウム水溶液(6.43g/純水1.0L)を用いて洗浄してカーボンチューブ表面のナトリウム成分の除去行ったのちに純水にて洗浄し、吸引濾過装置で濾別し、よく水洗した後に、これを80℃で6時間減圧乾燥させて白金担持カーボンチューブの粉末を得た。
該チューブを、白金担持カーボンチューブ5とする。
(実施例6)
界面活性剤として、ポリオキシエチレン5−ノニルフェニルエーテル44gを用い、シクロヘキサンを加えて1.0L(0.1mol/L溶液)とし、これを混合・攪拌した。これにジニトロジアミン白金硝酸水溶液(白金濃度8.4質量%)13.2gを加えて透明になるまで1時間攪拌して逆ミセル溶液Aを作製した。
逆ミセル溶液Aにカーボンチューブを4.2gを混合して、溶液中にカーボンチューブを分散させ、さらに24時間攪拌・熟成させた。その後、真空吸引によりろ過を行い、ろ紙上のカーボンチューブ粉末を回収し、これをエタノールおよび水で洗浄した。吸引濾過装置で濾別し、ろ紙上の固形物よく水洗した後、これを80℃で6時間減圧乾燥させることにより白金担持カーボンチューブ6の粉末を得た。
(比較例1)
内径50nmの単層カーボンチューブに代えてCabot製Vulcan XC−72を使用した以外は、実施例1と同様の方法で白金担持カーボンを作製した。これを白金担持カーボンブラック1とする。
(比較例2)
内径50nmの単層カーボンチューブに代えてケッチェンブラック・インターナショナル製Ketjenblack EC600を使用した以外は、実施例1と同様の方法で白金担持カーボンを作製した。これを白金担持カーボンブラック2とする。
(実施例7)
上記実施例に基づいて調製した白金担持カーボンチューブ1〜6および比較例に基づいて調製した白金担持カーボンブラック1、2(以下、電極触媒と称する。)を用いて、MEAを作製し、燃料電池単セルのセル特性評価により評価した。以下にMEAの作製手順について示す。
まず、燃料電池セルのカソードとして各実施例および比較例で調製した電極触媒に純水およびイソプロピルアルコールを加え、さらにNafion(登録商標)を含んだ溶液を、Nafion固形分量:カーボン重量=1:1となるよう秤量してホモジナイザーで混合し、減圧脱法処理により触媒スラリーを作製する。このスラリーをカーボンペーパー(東レ製・TGP−H、ガス拡散層として使用)の片面にスクリーン印刷法にて規定量塗布し、60℃にて24時間乾燥させた。その後、触媒塗布面を電解質と合わせて120℃、0.2Mpaで3分間ホットプレスを行うことでMEAを作製した。一方、アノード側は、50質量%白金担持カーボンを用いて、上記と同様の手順でMEAを作製した。
これらのMEAはアノード、カソードともに白金使用量を見かけの電極面積1cmあたり0.5mgとし、電極面積は300cmとした。また、電解質膜としては、Nafion112を用いた。
得られた燃料電池単セルの性能は以下のように測定した。アノード側には燃料として水素を80℃にて供給し、カソード側には空気を60℃で飽和加湿状態にて供給した。燃料電池本体温度は80℃に設定し、水素利用率は70%、空気利用率は40%として、電流密度−セル電圧特性を調べた。結果を表1に示す。
Figure 2005174755
本発明の電極触媒は特定構造の導電性担体を使用するため単位重量あたりの表面積が大きく、かつ内外表面に貴金属微粒子や卑金属微粒子を均一に分散しているため、特に電極触媒として有用である。
従来の、導電性担体に触媒金属微粒子が担持された電極触媒を示す図である。 従来の電極触媒において、電極触媒が電解質で包まれた状態を説明する概観図(a)と断面図(b)である。 本発明で使用される電極触媒であり、(a)は概観図を、(b)は断面図を示す。 本発明で使用する電極触媒であって、(a)は電極触媒が電解質で包まれた状態を説明する概観図であり、(b)は該電極触媒の断面に付着する触媒成分と電解質の状態とを説明する図である。

Claims (17)

  1. 導電性担体に触媒金属微粒子を担持した電極触媒であって、前記導電性担体は中空構造を有しており、前記触媒金属微粒子が前記導電性担体の内表面および外表面に担持されていることを特徴とする電極触媒。
  2. 前記導電性担体は、内径が20〜300nmの中空構造を有するナノチューブ、ナノホーン、カップ積層型ナノ構造体および繊維材料のうちの少なくとも1種である、請求項1記載の電極触媒。
  3. 前記触媒金属微粒子は、貴金属微粒子および/または貴金属微粒子と卑金属との合金もしくは金属間化合物からなり、前記触媒金属微粒子の平均粒子径は1〜10nmである、請求項1または2記載の電極触媒。
  4. 前記貴金属は、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウムおよびイリジウムからなる群より選ばれた1種以上であり、前記卑金属は、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛からなる群より選ばれた1種以上である、請求項3記載の電極触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の電極触媒と電解質ポリマーとからなる電極触媒層を含む触媒担持電極。
  6. 電解質膜とカソードおよびアノードとを含み、請求項5記載の触媒担持電極をカソードとして含む、燃料電池用MEA。
  7. 請求項5記載の触媒担持電極、または請求項6記載の燃料電池用MEAを用いた燃料電池。
  8. 貴金属の可溶性化合物を溶解した水溶液と内径が20〜300nmの中空構造を有する導電性担体との混合水溶液に前記貴金属の還元性溶媒を投入し、前記水溶液中の貴金属イオンまたは錯体を還元させて前記貴金属の微粒子を前記導電性担体に担持させることを特徴とする電極触媒の製造方法。
  9. 前記貴金属の微粒子を担持させた導電性担体に、卑金属の可溶性化合物を溶解した水溶液を添加して前記貴金属の微粒子に卑金属の微粒子を担持させることを特徴とする、請求項8記載の電極触媒の製造方法。
  10. 前記電極触媒を400〜800℃で熱処理することを特徴とする、請求項8または9記載の電極触媒の製造方法。
  11. ミセル内部に貴金属水溶液を含有する逆ミセル溶液(A)および/またはミセル内部に卑金属水溶液を含有する逆ミセル溶液(B)に、前記貴金属イオンの還元剤および/または前記卑金属イオンの沈殿剤を添加し、次いで該混合溶液に内径が20〜300nmの中空構造を有する導電性担体を分散して前記貴金属および/または卑金属の微粒子を前記導電性担体に担持させる工程を含む、電極触媒の製造方法。
  12. ミセル内部に貴金属水溶液を含有する逆ミセル溶液(A)および/またはミセル内部に卑金属水溶液を含有する逆ミセル溶液(B)に内径が20〜300nmの中空構造を有する導電性担体を分散し、次いで前記貴金属イオンの還元剤および/または前記卑金属イオンの沈殿剤を添加し、前記貴金属および/または卑金属の微粒子を前記導電性担体に担持させる工程を含む、電極触媒の製造方法。
  13. ミセル内部に貴金属水溶液を含有する逆ミセル溶液(A)に、ミセル内部に卑金属水溶液を含有する逆ミセル溶液(B)を混合し、該混合溶液に前記貴金属イオンの還元剤を添加し、次いで前記卑金属イオンの沈殿剤を添加し、更に前記溶液に内径が50〜300nmの中空構造を有する導電性担体を分散して複合貴金属の微粒子を前記導電性担体に担持させる工程を含む、電極触媒の製造方法。
  14. ミセル内部に貴金属水溶液を含有する逆ミセル溶液(A)に、ミセル内部に卑金属水溶液を含有する逆ミセル溶液(B)を混合し、該混合溶液に前記卑金属イオンの沈殿剤を混合し、次いで前記貴金属イオンの還元剤を混合し、次いで該溶液に内径が20〜300nmの中空構造を有する導電性担体を分散して複合貴金属の微粒子を前記導電性担体に担持させる工程を含む、触媒の製造方法。
  15. ミセル内部に卑金属水溶液を含有する逆ミセル溶液(B)に、前記卑金属イオンの沈殿剤を添加し、次いでミセル内部に貴金属水溶液を含有する逆ミセル溶液(A)を混合し、該混合溶液に該貴金属イオンの還元剤を混合し、次いで該溶液に内径が20〜300nmの中空構造を有する導電性担体を分散して複合貴金属の微粒子を前記導電性担体に担持させる工程を含む、触媒の製造方法。
  16. 前記貴金属が、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、およびイリジウムからなる群より選ばれた1種以上である、請求項8〜15のいずれかに記載の触媒の製造方法。
  17. 該卑金属が、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅および亜鉛からなる群より選ばれた1種以上である、請求項8〜15のいずれかに記載の触媒の製造方法。
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