JP2005174400A - 両フランジ付きテープリール - Google Patents
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Abstract
【課題】テープカートリッジに内蔵されるテープリールにおいて、フランジ内面の表面平滑性を図る。
【解決手段】テープ巻芯部6の上下にフランジ7・8を備えた両フランジ付きテープリールが、ガラス繊維を含む合成樹脂材料で成形されている。上下のフランジ7・8の内面には、スパッタリングで滑性皮膜21が形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】テープ巻芯部6の上下にフランジ7・8を備えた両フランジ付きテープリールが、ガラス繊維を含む合成樹脂材料で成形されている。上下のフランジ7・8の内面には、スパッタリングで滑性皮膜21が形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、各種のテープカートリッジに組み込まれるテープ巻回用の両フランジ付きテープリールに関する。
テープ巻芯部の上下にフランジを備えた両フランジ付きテープリールにおいて、フランジの内面にテープエッジが摺接することは避けられず、テープとの接触による微振動がテープリールに加わり、テープの走行精度に悪影響を与える。テープにもエッジ損傷のダメージを与える。このような悪影響は、例えば高容量化されたデータバックアップ用の単リール型テープカートリッジにおいて、解決すべき重要な課題である。
この点に関し、特許文献1のテープリールでは、上下フランジの少なくとも一方の内面に、弾性を有するライナーシートを備えており、このライナーシートに、テープエッジが接触するようになっている。
しかし、特許文献1では、フランジ内面にライナーシートを付設する形態であるため、付設作業が面倒であって、量産性に劣り高価に付く。出来上がったテープリールにライナーシートを後付けすることが、実質的に不可能である。
そこで本発明の目的は、テープリールのフランジ内面に滑り性を確実に付与するにある。本発明の目的は、安価に量産できるテープリールを得るにある。本発明の目的は、テープリールこれ本来の機能を確保しながら、フランジ内面に確かな滑り性を付与するにある。
本発明は、図1および図4に示すごとく、テープ巻芯部6の上下にフランジ7・8を備えた両フランジ付きテープリールにおいて、上下のフランジ7・8の少なくとも一方の内面に、真空成膜法で滑性皮膜21が形成されていることを特徴とする。ここでの真空成膜法は、公知の真空蒸着法およびスパッタリングを含む概念である。
因みに、スパッタリングは、真空中に不活性ガス(主にArガス)を導入しながら、被処理材とターゲット(成膜させる物質)との間に真空高電圧を印加し、加速させたイオンをターゲットに照射し、ターゲットから叩き出されたターゲット物質(原子)で被処理材に薄膜を形成する加工方法である。本発明では被処理材がテープリールになる。反応性スパッタリングも含む。ターゲットは金属に限られず、絶縁物でもよい(高周波スパッタリング)。
更に具体的に説明すると、本発明のテープリール1は、前記テープ巻芯部6および上下フランジ7・8が、ガラス繊維20を含む樹脂材料で成形されており、前記皮膜21がスパッタリングで形成されている。
本発明では、樹脂成形品であるテープリールのフランジ内面に真空成膜法で滑性皮膜を形成するので、この滑性皮膜でフランジ内面をこれの微細な凹凸を埋めて鏡面化できる。したがって、フランジ面の表面平滑性が良好に確保でき、テープエッジとの摺接によるテープリールの微振動を抑え、テープの走行安定性、テープエッジの損傷防止を図れる。何よりも、量産性に優れ安価に提供できる。
テープ巻芯部および両フランジが、ガラス繊維入り合成樹脂材料で成形されていると、テープリールの機械的強度をアップできる。その結果、テープ巻芯部にテープ巻き締め力が作用すると、テープ巻芯部の変形に伴い両フランジが上下方向に離れるよう変形しがちであるが、かかる変形を防止できることになる。
そのうえで、スパッタリングで滑性皮膜が形成されていると、表面に出たガラス繊維が滑性皮膜で被覆される。それでも滑性皮膜は、スパッタリング膜であるから、薄くても均一で表面を鏡面化できる。すなわち、ガラス繊維が露出してテープエッジと接触し、先の微振動を生じるといったことがないものとなる。
図2および図3は本発明に係るテープリール1を内蔵したテープカートリッジを示しており、コンピュータデータのバックアップ用に供される単リール型である。
テープカートリッジは、プラスチック製の上下ケース2a・2bを蓋合わせ状に結合してなる角箱状の本体ケース2の内部に、1個のテープリール1が回転自在に内蔵されており、このテープリール1に情報信号を記録するテープ3が巻かれている。
テープリール1は、底壁5を有して上面が開口する有底円筒状のテープ巻芯部6と、これの上端外周に後付け溶着される上フランジ7と、テープ巻芯部6の下端外周に一体に張り出し形成された下フランジ8とで構成されたプラスチック成形品である。テープ3は、テープ巻芯部6の外周面にロール巻きされている。
図2において本体ケース2の前側には、これに付設のドア10で開閉されるテープ引出し口11を有する。ドア10は、ばね12で閉じ勝手に移動付勢されている。符号13は、テープ繰り出し端に接続されて、テープドライブ側の連結具で捕捉されるリーダーピンである。テープドライブにテープカートリッジを装填したとき、テープ3はリーダーピン13を介して本体ケース2の前面外方に引き出される。
図3において、テープドライブ側では、本体ケース2の底壁15の中央に設けた駆動軸挿入孔16を介してテープドライブ側の駆動軸がテープリール1のテープ巻芯部6の底壁5の下面に係合し、該テープリール1を回転駆動する。
本体ケース2内において、テープリール1は上下動できる。そのテープリール1は、これの底壁5に作用する圧縮コイルばね18で下方に押圧付勢されており、これにて不使用時にテープリール1が遊転するのを防止している。
テープリール1において、テープ巻芯部6の下端側は、底壁5でつながっているために十分な強度を有するが、テープ巻芯部6の上端側は開口しているため強度的に弱い。そのため、温度条件の変化などでテープ巻芯部6がこれの外周に巻かれたテープ3の巻き締め力を受けたときに、上端側が内向きに変形しやすく、これに伴い上フランジ7の外周側が上方に持ち上がるよう変形する。テープ巻芯部6にこのような変形が生じると、テープ3がいわゆる片伸び変形し、記録・再生エラー等の動作不良を起こすおそれがある。テープ3の走行高さにバラツキが生じて、その点でも記録・再生エラー等の動作不良を起こしやすい。
そこで、図1に示すごとく、テープリール1を構成するテープ巻芯部6と上下フランジ7・8とは、ガラス繊維20を含む合成樹脂材料で成形した。合成樹脂材料としてはポリアセタール樹脂を用いることができる。これによれば、テープ巻芯部6に、テープ3の巻き締め力に対抗できるだけの強度を付与できる。
但し、テープリール1の成形樹脂材料にガラス繊維20が含まれていると、上下フランジ7・8の内面にガラス繊維20が浮き出て、テープリール1の表面平滑性が悪化し、テープ3のエッジにダメージを与えやすい。上下フランジ7・8の内面にテープエッジが接触することにより、テープリール1が微振動を起こしやすい。このようにテープリール1が微振動すると、テープ走行精度に悪影響を与える。
そこで本発明では、テープ巻芯部6の外周面と、上下フランジ7・8の内面とに、それぞれスパッタリングで滑性皮膜21を形成した。スパッタリングのターゲットとしてはCrまたはTiを用いた。なお、上下フランジ7・8の滑性皮膜21は、上フランジ7をテープ巻芯部6の上端に結合する前に形成した。
かかるテープリール1によれば、テープ巻芯部6の外周面および上下フランジ7・8の内面に均質で極薄の滑性皮膜21が、凹凸を埋めながらガラス繊維20を被覆し、表面平滑性に優れる滑性被膜21が得られた。
本発明は、本体ケース2の内部左右に一対のテープリール1を備えるテープカートリッジにも適用できる。テープリール1は、テープ巻芯部6と上フランジ7と下フランジ8とを各々別個に成形したのち、一体結合する形態でもあってもよく、テープ巻芯部6と上フランジ7とを一体に成形したのち、下フランジ8を後付けする形態であってもよい。本発明のテープリール1は、上下フランジ7・8の一方の内面にのみ滑性皮膜21を設ける形態であってもよい。
1 テープリール
6 テープ巻芯部
7 上フランジ
8 下フランジ
20 ガラス繊維
21 滑性皮膜
6 テープ巻芯部
7 上フランジ
8 下フランジ
20 ガラス繊維
21 滑性皮膜
Claims (2)
- テープ巻芯部の上下にフランジを備えた両フランジ付きテープリールにおいて、
上下の前記フランジの少なくとも一方の内面に、真空成膜法で滑性皮膜が形成されていることを特徴とする両フランジ付きテープリール。 - 前記テープ巻芯部および上下の前記フランジが、ガラス繊維を含む樹脂材料で成形されており、
前記皮膜が、スパッタリングで形成されている請求項1記載の両フランジ付きテープリール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003409685A JP2005174400A (ja) | 2003-12-08 | 2003-12-08 | 両フランジ付きテープリール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003409685A JP2005174400A (ja) | 2003-12-08 | 2003-12-08 | 両フランジ付きテープリール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005174400A true JP2005174400A (ja) | 2005-06-30 |
Family
ID=34730959
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003409685A Withdrawn JP2005174400A (ja) | 2003-12-08 | 2003-12-08 | 両フランジ付きテープリール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005174400A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012108994A (ja) * | 2010-11-19 | 2012-06-07 | Hitachi Maxell Ltd | テープリールおよびテープカートリッジ |
EP2706693A2 (en) | 2005-06-14 | 2014-03-12 | NTT DoCoMo, Inc. | Transmission apparatus, transmission method, reception apparatus, and reception method |
-
2003
- 2003-12-08 JP JP2003409685A patent/JP2005174400A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2706693A2 (en) | 2005-06-14 | 2014-03-12 | NTT DoCoMo, Inc. | Transmission apparatus, transmission method, reception apparatus, and reception method |
JP2012108994A (ja) * | 2010-11-19 | 2012-06-07 | Hitachi Maxell Ltd | テープリールおよびテープカートリッジ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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