JP2005173321A - 樹脂フランジ、樹脂フランジの製造方法、および樹脂フランジ付き電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡易な構造であっても、樹脂フランジ自体や圧入するドラム素管における初期および長時間印刷後の振れ精度が向上し、ひいては、電子写真感光体に使用し、長時間印刷した場合であっても位置ずれが少ない樹脂フランジ、このような樹脂フランジの製造方法、および樹脂フランジ付き電子写真感光体を提供する。
【解決手段】 ドラム素管に圧入される圧入部と、ドラム素管を回転させるための駆動力を外部から伝達するためのギア部と、圧入部の中心に位置する貫通孔と、を備えた樹脂フランジの貫通孔の直径を3〜15mmの範囲内の値とするとともに、48〜85℃の温度処理を施し、特に貫通孔が予め熱収縮するように構成してある。
【選択図】 図1
【解決手段】 ドラム素管に圧入される圧入部と、ドラム素管を回転させるための駆動力を外部から伝達するためのギア部と、圧入部の中心に位置する貫通孔と、を備えた樹脂フランジの貫通孔の直径を3〜15mmの範囲内の値とするとともに、48〜85℃の温度処理を施し、特に貫通孔が予め熱収縮するように構成してある。
【選択図】 図1
Description
本発明は、樹脂フランジ、樹脂フランジの製造方法、および樹脂フランジ付き電子写真感光体に関し、特に、電子写真感光体に使用した場合に、印刷時の位置ずれの発生が少ない樹脂フランジ、そのような樹脂フランジの製造方法、および樹脂フランジ付き電子写真感光体に関する。
樹脂フランジ付き電子写真感光体を備えた画像形成装置、例えば、複写機やカラープリンタにおいては、複数色を印刷しなければならず、その際の色ずれが問題になっている。そこで、このような色ずれの最小化を図るべく、ドラム素管の振れ精度、およびドラム素管の末端に設ける樹脂フランジ等の振れ精度、ひいては、複数の感光体ドラムの回転精度を高めることが望まれている。そのために、ドラム素管に対して、切削によりインロー加工を施したり、ドラム素管と、樹脂フランジとの間を一体成形したりするなどの工夫がなされている。
しかしながら、ドラム素管にインロー加工を施したり、ドラム素管と樹脂フランジを一体成形したりすると、それぞれ製造コストが高くなるという問題が見られた。
しかしながら、ドラム素管にインロー加工を施したり、ドラム素管と樹脂フランジを一体成形したりすると、それぞれ製造コストが高くなるという問題が見られた。
そこで、歪みが少なく、真円度の高い樹脂フランジを装着することによって、カラー印刷の際の色ずれを少なくする円筒型電子写真感光体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。より具体的には、図8に示すように、感光ドラム105に嵌合する筒状部107と、ハブ用スリーブ109と、環状リブ111と、を備え、これらが中間壁113によって連結されるとともに、環状リブ111の端部に複数のピンゲート115が配設されて成形された樹脂フランジ117を装着することを特徴としている。また、かかる樹脂フランジ117をギア付き樹脂フランジとする場合には、筒状部107が延長されて、その外周にギアが設けられている。
また、熱的収縮挙動が実質的に同じであって、樹脂フランジと係合するリング要素を設けて、樹脂フランジと、金属製ドラムとの結合強度を改善した方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
より具体的には、図9に示すように、金属製円筒状ドラム230の端部の内側に圧入される樹脂フランジ210であって、(a)金属製円筒状ドラム230の端部の内側に嵌め込まれるようになっている、ドラムの内径にほぼ等しい外径を有する円筒状胴部分216およびそれに隣接するフランジ状部分を有して成る樹脂製フランジ本体要素212と、(b)円筒状胴部分216の内側に圧入により嵌め込まれるようになっている、円筒状胴部分の内径に少なくとも等しい外径を有する円筒状部分を有して成るリング要素214と、を備えている。
そして、リング要素214の熱的収縮挙動は、金属製円筒状ドラム230の熱的挙動と実質的に同じであり、リング要素214の円筒状部分が、内側に圧入された樹脂製フランジ本体要素212の円筒状胴部分216は、金属製円筒状ドラム230の端部の内側に圧入することができ、それにより、樹脂製フランジ本体要素212を金属製円筒状ドラム230に強固に接合できるように構成されている。
特開2000−352897号 (特許請求の範囲)
特開平7−132564号 (特許請求の範囲)
より具体的には、図9に示すように、金属製円筒状ドラム230の端部の内側に圧入される樹脂フランジ210であって、(a)金属製円筒状ドラム230の端部の内側に嵌め込まれるようになっている、ドラムの内径にほぼ等しい外径を有する円筒状胴部分216およびそれに隣接するフランジ状部分を有して成る樹脂製フランジ本体要素212と、(b)円筒状胴部分216の内側に圧入により嵌め込まれるようになっている、円筒状胴部分の内径に少なくとも等しい外径を有する円筒状部分を有して成るリング要素214と、を備えている。
そして、リング要素214の熱的収縮挙動は、金属製円筒状ドラム230の熱的挙動と実質的に同じであり、リング要素214の円筒状部分が、内側に圧入された樹脂製フランジ本体要素212の円筒状胴部分216は、金属製円筒状ドラム230の端部の内側に圧入することができ、それにより、樹脂製フランジ本体要素212を金属製円筒状ドラム230に強固に接合できるように構成されている。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示された樹脂フランジは、いずれも所定条件での温度処理に何ら言及しておらず、そのまま電子写真感光体に使用した場合には、初期のみならず、長時間印刷する際の位置ずれや色ずれがいまだ生じ易いという問題が見られた。
また、特許文献1に開示された円筒型電子写真感光体は、製造方法が複雑であって、製造コストが高くなったり、ギアの大きさが樹脂フランジの大きさによって制約される一方、その構成上、駆動系部材を小型化したりすることが困難であるという問題も見られた。
さらに、特許文献2に開示された樹脂フランジは、当該樹脂フランジと熱的収縮挙動が実質的に同じであるリング要素を別途設ける必要があり、構成が複雑となるばかりか、樹脂フランジのサイズが、全体として大きくなりやすいという問題が見られた。
また、特許文献1に開示された円筒型電子写真感光体は、製造方法が複雑であって、製造コストが高くなったり、ギアの大きさが樹脂フランジの大きさによって制約される一方、その構成上、駆動系部材を小型化したりすることが困難であるという問題も見られた。
さらに、特許文献2に開示された樹脂フランジは、当該樹脂フランジと熱的収縮挙動が実質的に同じであるリング要素を別途設ける必要があり、構成が複雑となるばかりか、樹脂フランジのサイズが、全体として大きくなりやすいという問題が見られた。
そこで、従来の課題を鋭意検討した結果、樹脂フランジに設けてある貫通孔の直径を所定値に制限するとともに、所定温度で熱処理して、予め熱収縮させることにより、樹脂フランジ自体や圧入するドラム素管における初期および長時間印刷後の振れ精度をそれぞれ向上できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の目的は、簡易な構造であっても、樹脂フランジ自体や圧入するドラム素管における初期および長時間経過後の振れ精度が向上し、ひいては、電子写真感光体に使用し、長時間印刷した場合であっても位置ずれや色ずれが少ない樹脂フランジ、このような樹脂フランジの製造方法、および樹脂フランジ付き電子写真感光体を提供することにある。
すなわち、本発明の目的は、簡易な構造であっても、樹脂フランジ自体や圧入するドラム素管における初期および長時間経過後の振れ精度が向上し、ひいては、電子写真感光体に使用し、長時間印刷した場合であっても位置ずれや色ずれが少ない樹脂フランジ、このような樹脂フランジの製造方法、および樹脂フランジ付き電子写真感光体を提供することにある。
本発明によれば、ドラム素管に圧入される圧入部と、ドラム素管を回転させるための駆動力を外部から伝達するためのギア部と、圧入部の中心に位置する貫通孔と、を備えた樹脂フランジであって、当該樹脂フランジの貫通孔の直径を3〜15mmの範囲内の値とするとともに、48〜85℃の温度処理を施し、予め熱収縮してある樹脂フランジが提供され、上述した問題点を解決することができる。
また、本発明を構成するにあたり、圧入部と、ギア部とが、それぞれ別体に構成してあるとともに、圧入部の反対端部に設けてあるリブを介して、ギア部と係合させることが好ましい。
また、本発明を構成するにあたり、温度処理における貫通孔の熱収縮率を0.1〜0.25%の範囲内の値とすることが好ましい。
また、本発明を構成するにあたり、温度処理における熱処理時間が10時間以上であることが好ましい。
また、本発明を構成するにあたり、圧入部の直径を10〜50mmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、本発明の別の態様は、ドラム素管に圧入される圧入部と、ドラム素管を回転させるための駆動力を外部から伝達するためのギア部と、圧入部の中心に位置する貫通孔と、を備えた樹脂フランジの製造方法であって、樹脂フランジの貫通孔の直径を3〜15mmの範囲内の値とする成形工程と、樹脂フランジを48〜85℃で温度処理した後、室温に戻す熱収縮工程と、を含む樹脂フランジの製造方法である。
また、本発明の樹脂フランジの製造方法を実施するにあたり、温度処理における熱処理時間を10時間以上の値とすることが好ましい。
また、本発明の別の態様は、ドラム素管と、ドラム素管に取り付けられた樹脂フランジと、ドラム素管の周囲に形成された感光層と、から構成される樹脂フランジ付き電子写真感光体であって、樹脂フランジが、ドラム素管に圧入される圧入部と、ドラム素管を回転させるための駆動力を外部から伝達するためのギア部と、圧入部の中心に位置する貫通孔と、を備え、樹脂フランジの貫通孔の直径を3〜15mmの範囲内の値とするとともに、48〜85℃の温度処理を施し、予め熱収縮してある樹脂フランジ付き電子写真感光体である。
本発明の樹脂フランジによれば、樹脂フランジが所定構造を有するとともに、所定の温度処理が施してあることにより、樹脂フランジ自体やドラム素管における初期および長時間印刷後の振れ精度を向上させることができ、例えば、電子写真感光体に用いて、多色印刷を長時間実施した場合であっても、色ずれを少なくすることができる。
また、本発明の樹脂フランジによれば、温度処理における熱処理温度が比較的低い温度であることより、製造工程上の管理が容易になるばかりか、樹脂フランジに熱損傷を与えることなく、樹脂フランジに発生する残留歪を小さくすることができる。
また、本発明の樹脂フランジによれば、温度処理における熱処理温度が比較的低い温度であることより、製造工程上の管理が容易になるばかりか、樹脂フランジに熱損傷を与えることなく、樹脂フランジに発生する残留歪を小さくすることができる。
また、本発明の樹脂フランジによれば、特定のリブを設けて、駆動源からの回転力を伝達するギアと係合させることにより、間接的に、かつ、効率的に駆動源からの回転力を伝達することができる。したがって、樹脂フランジが簡易かつ小型構造であっても、樹脂フランジ自体やドラム素管の振れ精度を向上させることができる。
また、本発明の樹脂フランジによれば、温度処理における貫通孔の熱収縮率を所定範囲の値としてあることにより、樹脂フランジ自体やドラム素管の振れ精度を向上させることができる。
また、本発明の樹脂フランジによれば、温度処理における熱処理時間が所定時間以上であることより、樹脂フランジに熱損傷を与えることなく、樹脂フランジに発生する残留歪を小さくすることができる。
また、本発明の樹脂フランジによれば、圧入部の直径が所定範囲の値としてあることにより、簡易かつ小型構造であっても、樹脂フランジ自体やドラム素管の振れ精度を向上させることができる。
また、本発明の樹脂フランジの製造方法によれば、所定構造を有するとともに、所定の温度処理が施してあって、樹脂フランジ自体やドラム素管の振れ精度が向上した樹脂フランジを効率的に得ることができる。したがって、例えば、電子写真感光体に用いて、多色印刷を実施した場合であっても、色ずれを少なくすることができる。
また、本発明の樹脂フランジの製造方法によれば、温度処理における熱処理温度が比較的低い温度であることより、樹脂フランジに熱損傷を与えることなく、樹脂フランジに発生する残留歪を小さくすることができる。
また、本発明の樹脂フランジの製造方法によれば、温度処理における熱処理温度が比較的低い温度であることより、樹脂フランジに熱損傷を与えることなく、樹脂フランジに発生する残留歪を小さくすることができる。
また、本発明の樹脂フランジの製造方法によれば、温度処理における熱処理時間が所定時間以上であることより、樹脂フランジに発生する残留歪を効率的に小さくすることができる。さらに、温度処理のため、熱処理時間が所定時間以上であっても、樹脂フランジに与える熱損傷を少なくすることができる。
また、本発明の樹脂フランジ付き電子写真感光体によれば、樹脂フランジが所定構造を有するとともに、所定の温度処理が施してあることにより、樹脂フランジ自体やドラム素管の振れ精度を向上させることができ、多色印刷を実施した場合であっても、色ずれを少なくすることができる。
以下、本発明の樹脂フランジ、樹脂フランジの製造方法、および樹脂フランジ付き電子写真感光体に関する実施の形態を具体的に説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、ドラム素管に圧入される圧入部と、ドラム素管を回転させるための駆動力を外部から伝達するためのギア部と、圧入部の中心に位置する貫通孔と、を備えた樹脂フランジであって、当該樹脂フランジの貫通孔の直径を3〜15mmの範囲内の値とするとともに、48〜85℃の温度処理を施し、予め熱収縮してある樹脂フランジである。
例えば、図1(a)および(b)に示すように、樹脂フランジ3は、実質的に円筒状であって、その一端部には、図3に示すドラム素管1に圧入させるための圧入部6が形成され、他端部には、ドラム素管1を回転させるために、図2に示すような駆動源からの回転力を伝達するためのギア部21と結合するリブ7を備えており、それらの構成において、所定の熱処理が施されている。そして、圧入部6の中心位置に、所定の大きさの貫通孔15が設けられている樹脂フランジ3である。
第1の実施形態は、ドラム素管に圧入される圧入部と、ドラム素管を回転させるための駆動力を外部から伝達するためのギア部と、圧入部の中心に位置する貫通孔と、を備えた樹脂フランジであって、当該樹脂フランジの貫通孔の直径を3〜15mmの範囲内の値とするとともに、48〜85℃の温度処理を施し、予め熱収縮してある樹脂フランジである。
例えば、図1(a)および(b)に示すように、樹脂フランジ3は、実質的に円筒状であって、その一端部には、図3に示すドラム素管1に圧入させるための圧入部6が形成され、他端部には、ドラム素管1を回転させるために、図2に示すような駆動源からの回転力を伝達するためのギア部21と結合するリブ7を備えており、それらの構成において、所定の熱処理が施されている。そして、圧入部6の中心位置に、所定の大きさの貫通孔15が設けられている樹脂フランジ3である。
1.圧入部
図3に示すドラム素管1に圧入される圧入部6は、図1(a)および(b)に示すように、ドラム素管1の内径とほぼ等しいか、あるいはそれより若干大きい外径を有する円筒状部材から構成されており、かつ、圧入部6の外縁に沿って、小片状の延長部5が設けてあるとともに、当該延長部5の複数箇所に、切り込み11が設けてあることが好ましい。
この理由は、ドラム素管に圧入する際には、円筒状部材の先端部に設けてある延長部が容易にすぼんで圧入しやすくなる一方、圧入した後には、延長部を含む圧入部が弾性変形して戻り、ドラム素管1の内壁を適度に押圧して、強固な結合力を得ることができるためである。
また、圧入部を構成する円筒状部材、およびその先端部に設けてある延長部は、ドラム素管に圧入される先端部から後方に向かって、テーパ部を備えることが好ましい。この理由も、ドラム素管に圧入する際には、円筒状部材の先端部が多少すぼんで、圧入しやすくするためである。
また、圧入部の直径を10〜50mmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、圧入部の直径が10mm未満になると、樹脂フランジがドラム素管から抜けやすくなる場合があるためである。一方、圧入部の直径が50mmを超えると、感光体ドラムの大きさが過度に大きくなったり、樹脂フランジの貫通孔における熱収縮の調整が困難となったりする場合があるためである。したがって、圧入部の直径を15〜30mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
さらに、圧入部および延長部の長さはそれぞれ異なっていても良いが、5〜25mmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、圧入部および延長部の長さが5mm未満になると、樹脂フランジがドラム素管から抜けやすくなる場合があるためである。一方、圧入部および延長部の長さが25mmを超えると、樹脂フランジの貫通孔における熱収縮の調整が困難となる場合があるためである。したがって、圧入部および延長部の長さを、それぞれ5〜20mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
図3に示すドラム素管1に圧入される圧入部6は、図1(a)および(b)に示すように、ドラム素管1の内径とほぼ等しいか、あるいはそれより若干大きい外径を有する円筒状部材から構成されており、かつ、圧入部6の外縁に沿って、小片状の延長部5が設けてあるとともに、当該延長部5の複数箇所に、切り込み11が設けてあることが好ましい。
この理由は、ドラム素管に圧入する際には、円筒状部材の先端部に設けてある延長部が容易にすぼんで圧入しやすくなる一方、圧入した後には、延長部を含む圧入部が弾性変形して戻り、ドラム素管1の内壁を適度に押圧して、強固な結合力を得ることができるためである。
また、圧入部を構成する円筒状部材、およびその先端部に設けてある延長部は、ドラム素管に圧入される先端部から後方に向かって、テーパ部を備えることが好ましい。この理由も、ドラム素管に圧入する際には、円筒状部材の先端部が多少すぼんで、圧入しやすくするためである。
また、圧入部の直径を10〜50mmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、圧入部の直径が10mm未満になると、樹脂フランジがドラム素管から抜けやすくなる場合があるためである。一方、圧入部の直径が50mmを超えると、感光体ドラムの大きさが過度に大きくなったり、樹脂フランジの貫通孔における熱収縮の調整が困難となったりする場合があるためである。したがって、圧入部の直径を15〜30mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
さらに、圧入部および延長部の長さはそれぞれ異なっていても良いが、5〜25mmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、圧入部および延長部の長さが5mm未満になると、樹脂フランジがドラム素管から抜けやすくなる場合があるためである。一方、圧入部および延長部の長さが25mmを超えると、樹脂フランジの貫通孔における熱収縮の調整が困難となる場合があるためである。したがって、圧入部および延長部の長さを、それぞれ5〜20mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
2.ギア部
また、図2に示すような駆動源からの回転力を伝達するためのギア部21は、樹脂フランジ3の本体とは別体に構成してあり、樹脂フランジ3の端部に設けたリブ7と係合して、樹脂フランジ3に駆動力を伝達するように構成してあることが好ましい。
すなわち、ギア部21は、外周部に斜めの歯23が形成され、中央部に貫通孔24が設けられるとともにこの貫通孔24を中心にして軸方向に突出する円筒部25が設けられていることが好ましい。そして、円筒部25の先端側にスリット27が形成され、このスリット27が、樹脂フランジ3に設けたリブ7に係合するように構成してあることが好ましい。また、スリット27の基端部に底部29を形成することが好ましい。
したがって、ギア部21において、外周部に斜めの歯23が形成してあるので、駆動側からの駆動力を円滑かつ確実に受けることができ、その受けた駆動力をスリット27に係合する樹脂フランジ3のリブ7を介して、樹脂フランジ3に対して確実に伝達することができる。また、駆動力伝達用のスリット27の基端側に、底部29を設けるとともに、裏面側に複数のリブ(図示せず)を設けたので、駆動力伝達トルクが大きい場合であっても、強度を十分に確保することができる。
また、図2に示すような駆動源からの回転力を伝達するためのギア部21は、樹脂フランジ3の本体とは別体に構成してあり、樹脂フランジ3の端部に設けたリブ7と係合して、樹脂フランジ3に駆動力を伝達するように構成してあることが好ましい。
すなわち、ギア部21は、外周部に斜めの歯23が形成され、中央部に貫通孔24が設けられるとともにこの貫通孔24を中心にして軸方向に突出する円筒部25が設けられていることが好ましい。そして、円筒部25の先端側にスリット27が形成され、このスリット27が、樹脂フランジ3に設けたリブ7に係合するように構成してあることが好ましい。また、スリット27の基端部に底部29を形成することが好ましい。
したがって、ギア部21において、外周部に斜めの歯23が形成してあるので、駆動側からの駆動力を円滑かつ確実に受けることができ、その受けた駆動力をスリット27に係合する樹脂フランジ3のリブ7を介して、樹脂フランジ3に対して確実に伝達することができる。また、駆動力伝達用のスリット27の基端側に、底部29を設けるとともに、裏面側に複数のリブ(図示せず)を設けたので、駆動力伝達トルクが大きい場合であっても、強度を十分に確保することができる。
一方、図1(a)に示すように、樹脂フランジ3におけるドラム素管1との接合部近傍に、駆動源の回転力を伝えるギア部21とは別のギア13が設けてあることも好ましい。
この理由は、このように構成することにより、通常、樹脂フランジ付き電子写真感光体に近接して配置してある回収トナー搬送用スクリュー(図示なし)を、複数のギアを介して、樹脂フランジ付き電子写真感光体と同期させて回転させたり、振動を与えたりすることができるためである。
この理由は、このように構成することにより、通常、樹脂フランジ付き電子写真感光体に近接して配置してある回収トナー搬送用スクリュー(図示なし)を、複数のギアを介して、樹脂フランジ付き電子写真感光体と同期させて回転させたり、振動を与えたりすることができるためである。
3.貫通孔
また、図1(a)および(b)に示すように、圧入部6の中心位置に設けた貫通孔15の直径を3〜15mmの範囲内の値にすることを特徴とする。すなわち、従来、樹脂フランジの外形に着目し、その寸法制度を制御しようとしていたが、貫通孔と、その中に収容されて回転するシャフトとの関係がより重要であることを見出したことによるものである。
したがって、かかる貫通孔の直径が3mm未満の値になると、貫通させるシャフトが細くなって、高速回転させた場合に、ドラム素管の振れが大きくなったり、貫通孔部分における樹脂フランジの熱収縮の調整が困難になったりする場合があるためである。一方、かかる貫通孔の直径が15mmを超えると、貫通させるシャフトが過度に太くなって、高速回転させた場合に、駆動むらが発生したり、貫通孔部分における樹脂フランジの熱収縮の調整が困難になったりする場合があるためである。
よって、貫通孔の直径を4〜10mmの範囲内の値にすることがより好ましく、5〜8mmの範囲内の値にすることがさらに好ましい。
また、図1(a)および(b)に示すように、圧入部6の中心位置に設けた貫通孔15の直径を3〜15mmの範囲内の値にすることを特徴とする。すなわち、従来、樹脂フランジの外形に着目し、その寸法制度を制御しようとしていたが、貫通孔と、その中に収容されて回転するシャフトとの関係がより重要であることを見出したことによるものである。
したがって、かかる貫通孔の直径が3mm未満の値になると、貫通させるシャフトが細くなって、高速回転させた場合に、ドラム素管の振れが大きくなったり、貫通孔部分における樹脂フランジの熱収縮の調整が困難になったりする場合があるためである。一方、かかる貫通孔の直径が15mmを超えると、貫通させるシャフトが過度に太くなって、高速回転させた場合に、駆動むらが発生したり、貫通孔部分における樹脂フランジの熱収縮の調整が困難になったりする場合があるためである。
よって、貫通孔の直径を4〜10mmの範囲内の値にすることがより好ましく、5〜8mmの範囲内の値にすることがさらに好ましい。
4.リブ
また、図1(a)に示すように、リブ7が、樹脂フランジ3に形成されている貫通孔15を中心にして、例えば、約120°間隔で、3つ均等配置してあることが好ましい。
この理由は、このようにリブ7を配置することにより、駆動源からの回転力を、リブ7を介して効率的に伝達することができるためである。すなわち、仮に、樹脂フランジ3に駆動源からの回転力を伝達するためのギア部を設け、このギア部に対して、駆動源から伝達力を伝えるギア部を噛み合せるとなると、ギア部同士の接点が変化するため、大きな駆動むらが発生するためである。これに対して、本実施の形態のように、リブ7を介して樹脂フランジ3に回転力を伝達する構成では、リブ7に回転力を伝達するギア部21に設けたスリット27をリブ7に係合させると、その後はリブ7とスリット27の係合部の接点は変化することがなく、ギア同士の場合に比較してぶれがなく安定するからである。
また、リブ7を介して樹脂フランジ3に回転力を伝達する構成を採用することにより、樹脂フランジ3に側方から圧力が作用することがなく、駆動系が簡易かつ小型構造であっても、ドラム素管1や樹脂フランジ3の振れ精度を向上させることができる。
さらにまた、樹脂フランジ3とは別体のギア部21に駆動側からの駆動力を伝達し、その駆動力を樹脂フランジ3に形成したリブ7を介して伝達するようにしていることから、樹脂フランジ3に直接ギアを形成する場合に比較して、ギア部21の自由度が増し、樹脂フランジ3の振れ防止に最も適切なギアを用いることができる。
すなわち、樹脂フランジ3に駆動力伝達用のギア部を直接的に形成したとすると、樹脂フランジ3の大きさやコスト等から、樹脂フランジ3に形成するギア部は大きな制約を受ける場合がある。これに対して、樹脂フランジ3と別体のギア部21によって駆動側の駆動力を受ける構成にすれば、樹脂フランジ3にギア部を形成する場合に比較して受ける制約が少なく、ギア部の大きさ、歯数、歯形を自由に決めることができる。このため、最も振れの少ないギア部を採用することができ、樹脂フランジの振れによる印刷の位置ずれ、例えば、多色印刷や高速印刷を実施した場合の色ずれを可及的に少なくすることができる。
また、図1(a)に示すように、リブ7が、樹脂フランジ3に形成されている貫通孔15を中心にして、例えば、約120°間隔で、3つ均等配置してあることが好ましい。
この理由は、このようにリブ7を配置することにより、駆動源からの回転力を、リブ7を介して効率的に伝達することができるためである。すなわち、仮に、樹脂フランジ3に駆動源からの回転力を伝達するためのギア部を設け、このギア部に対して、駆動源から伝達力を伝えるギア部を噛み合せるとなると、ギア部同士の接点が変化するため、大きな駆動むらが発生するためである。これに対して、本実施の形態のように、リブ7を介して樹脂フランジ3に回転力を伝達する構成では、リブ7に回転力を伝達するギア部21に設けたスリット27をリブ7に係合させると、その後はリブ7とスリット27の係合部の接点は変化することがなく、ギア同士の場合に比較してぶれがなく安定するからである。
また、リブ7を介して樹脂フランジ3に回転力を伝達する構成を採用することにより、樹脂フランジ3に側方から圧力が作用することがなく、駆動系が簡易かつ小型構造であっても、ドラム素管1や樹脂フランジ3の振れ精度を向上させることができる。
さらにまた、樹脂フランジ3とは別体のギア部21に駆動側からの駆動力を伝達し、その駆動力を樹脂フランジ3に形成したリブ7を介して伝達するようにしていることから、樹脂フランジ3に直接ギアを形成する場合に比較して、ギア部21の自由度が増し、樹脂フランジ3の振れ防止に最も適切なギアを用いることができる。
すなわち、樹脂フランジ3に駆動力伝達用のギア部を直接的に形成したとすると、樹脂フランジ3の大きさやコスト等から、樹脂フランジ3に形成するギア部は大きな制約を受ける場合がある。これに対して、樹脂フランジ3と別体のギア部21によって駆動側の駆動力を受ける構成にすれば、樹脂フランジ3にギア部を形成する場合に比較して受ける制約が少なく、ギア部の大きさ、歯数、歯形を自由に決めることができる。このため、最も振れの少ないギア部を採用することができ、樹脂フランジの振れによる印刷の位置ずれ、例えば、多色印刷や高速印刷を実施した場合の色ずれを可及的に少なくすることができる。
なお、図1(a)に示すように、リブ7が放射状に均等配置してあるとともに、当該リブ7の周囲に、リブ7の補強部17が円状に設けてあることが好ましい。
この理由は、リブ7を、このように放射状に均等配置することにより、各リブ7に対して力が分散して作用するので、樹脂フランジ3の耐久性を向上させることができるとともに駆動源からの回転力をさらに効率的に伝達することができるためである。したがって、駆動系が簡易かつ小型構造であっても、ドラム素管1や樹脂フランジ3の振れ精度をさらに向上させることができ、また、樹脂フランジ3の耐久性を向上させることもできる。
この理由は、リブ7を、このように放射状に均等配置することにより、各リブ7に対して力が分散して作用するので、樹脂フランジ3の耐久性を向上させることができるとともに駆動源からの回転力をさらに効率的に伝達することができるためである。したがって、駆動系が簡易かつ小型構造であっても、ドラム素管1や樹脂フランジ3の振れ精度をさらに向上させることができ、また、樹脂フランジ3の耐久性を向上させることもできる。
5.樹脂
樹脂フランジを構成する樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂、アリル樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂等の一種単独または二種以上の組合せが挙げられる。
特に、ポリオキシメチレン樹脂やポリアセタール樹脂は、耐磨耗性や機械的特性に優れているばかりか、射出成形性に優れていることから、樹脂フランジを構成する樹脂として好適である。
なお、樹脂フランジを構成する樹脂中に、酸化チタン、シリカ、ガラスファイバー等の添加物を、全体量に対して、例えば、0.1〜20重量%の範囲で添加することも好ましい。ただし、後述するように所定の熱処理をすることにより、樹脂の耐久性や機械的特性を著しく向上させることができるため、これらの添加物の添加量を可及的に少なくして、樹脂フランジの透明性や着色性、あるいは射出成形性についても向上させることができる。
樹脂フランジを構成する樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂、アリル樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂等の一種単独または二種以上の組合せが挙げられる。
特に、ポリオキシメチレン樹脂やポリアセタール樹脂は、耐磨耗性や機械的特性に優れているばかりか、射出成形性に優れていることから、樹脂フランジを構成する樹脂として好適である。
なお、樹脂フランジを構成する樹脂中に、酸化チタン、シリカ、ガラスファイバー等の添加物を、全体量に対して、例えば、0.1〜20重量%の範囲で添加することも好ましい。ただし、後述するように所定の熱処理をすることにより、樹脂の耐久性や機械的特性を著しく向上させることができるため、これらの添加物の添加量を可及的に少なくして、樹脂フランジの透明性や着色性、あるいは射出成形性についても向上させることができる。
また、本発明に樹脂フランジにおいて、48〜85℃の熱処理温度による温度処理を施し、それを室温に戻して、樹脂フランジを構成する樹脂を予め熱収縮してあることを特徴とする。
この理由は、かかる熱処理温度が48℃未満になると、熱膨張および熱収縮が不十分となって、樹脂フランジ中に歪みが残留し、逆に、樹脂フランジ自体やドラム素管の振れ精度が著しく低下するためである。
一方、かかる熱処理温度が85℃を超えると、熱膨張および熱収縮が過度になって、樹脂フランジ中にやはり歪みが残留しやすくなるとともに、樹脂フランジ自体が熱変形する場合があり、樹脂フランジ自体やドラム素管の振れ精度が同様に低下するためである。
したがって、樹脂フランジに対して、50〜80℃の熱処理温度による温度処理を施すことがより好ましく、55〜75℃の熱処理温度による温度処理を施すことがさらに好ましい。
この理由は、かかる熱処理温度が48℃未満になると、熱膨張および熱収縮が不十分となって、樹脂フランジ中に歪みが残留し、逆に、樹脂フランジ自体やドラム素管の振れ精度が著しく低下するためである。
一方、かかる熱処理温度が85℃を超えると、熱膨張および熱収縮が過度になって、樹脂フランジ中にやはり歪みが残留しやすくなるとともに、樹脂フランジ自体が熱変形する場合があり、樹脂フランジ自体やドラム素管の振れ精度が同様に低下するためである。
したがって、樹脂フランジに対して、50〜80℃の熱処理温度による温度処理を施すことがより好ましく、55〜75℃の熱処理温度による温度処理を施すことがさらに好ましい。
そして、温度処理を行った樹脂、特に貫通孔を構成する樹脂の熱収縮率を0.1〜0.25%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる熱収縮率が0.1%未満になると、熱膨張および熱収縮が不十分となって、樹脂フランジ中に歪みが残留し、逆に、樹脂フランジ自体やドラム素管の振れ精度が低下する場合があるためである。
一方、かかる熱収縮率が0.25%を超えると、熱膨張および熱収縮が過度になって、樹脂フランジ中にやはり歪みが残留しやすくなるとともに、樹脂フランジ自体が熱変形する場合があり、樹脂フランジ自体やドラム素管の振れ精度が同様に低下する場合があるためである。
したがって、温度処理における樹脂、特に貫通孔を構成する樹脂の熱収縮率を0.12〜0.23%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.15〜0.22%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかる熱収縮率は、熱処理前の貫通孔の直径S1(mm)と、所定条件において熱処理後、室温に戻した後の貫通孔の直径S2(mm)と、をそれぞれノギスや光学顕微鏡等を用いて測り、得られた測定値から下記式に基づいて算出することができる。
熱収縮率(%)=(S2/S1)×100
この理由は、かかる熱収縮率が0.1%未満になると、熱膨張および熱収縮が不十分となって、樹脂フランジ中に歪みが残留し、逆に、樹脂フランジ自体やドラム素管の振れ精度が低下する場合があるためである。
一方、かかる熱収縮率が0.25%を超えると、熱膨張および熱収縮が過度になって、樹脂フランジ中にやはり歪みが残留しやすくなるとともに、樹脂フランジ自体が熱変形する場合があり、樹脂フランジ自体やドラム素管の振れ精度が同様に低下する場合があるためである。
したがって、温度処理における樹脂、特に貫通孔を構成する樹脂の熱収縮率を0.12〜0.23%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.15〜0.22%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかる熱収縮率は、熱処理前の貫通孔の直径S1(mm)と、所定条件において熱処理後、室温に戻した後の貫通孔の直径S2(mm)と、をそれぞれノギスや光学顕微鏡等を用いて測り、得られた測定値から下記式に基づいて算出することができる。
熱収縮率(%)=(S2/S1)×100
6.性能
また、樹脂フランジ3の振れ幅(感光体ドラムの振れ幅に相当)を45μm以下の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる樹脂フランジ3の振れ幅が、45μmを超えた値になると、素管の振れも加算されて、許容範囲を超えて印刷時の位置ずれが発生する場合があるためである。ただし、樹脂フランジ3の振れ幅を過度に小さくしようとすると、その制御が困難な場合がある。
したがって、樹脂フランジ3の振れ幅を0.2〜44μmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜42μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、樹脂フランジの振れ幅は、一例として、樹脂フランジに装着されて回転中心軸をなすシャフトと、当該シャフトを載置するための凹状ブロックと、電子写真感光体に回転駆動を与えるためのフリクションローラーと、電子写真感光体が回転する際の形状を測定する変位計と、を具備した測定装置によって測定することができる。
また、樹脂フランジ3の振れ幅(感光体ドラムの振れ幅に相当)を45μm以下の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる樹脂フランジ3の振れ幅が、45μmを超えた値になると、素管の振れも加算されて、許容範囲を超えて印刷時の位置ずれが発生する場合があるためである。ただし、樹脂フランジ3の振れ幅を過度に小さくしようとすると、その制御が困難な場合がある。
したがって、樹脂フランジ3の振れ幅を0.2〜44μmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜42μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、樹脂フランジの振れ幅は、一例として、樹脂フランジに装着されて回転中心軸をなすシャフトと、当該シャフトを載置するための凹状ブロックと、電子写真感光体に回転駆動を与えるためのフリクションローラーと、電子写真感光体が回転する際の形状を測定する変位計と、を具備した測定装置によって測定することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、ドラム素管に圧入される圧入部と、ドラム素管を回転させるための駆動力を外部から伝達するためのギア部と、圧入部の中心に位置する貫通孔と、を備えた樹脂フランジの製造方法であって、樹脂フランジの貫通孔の直径を3〜15mmの範囲内の値とする成形工程と、樹脂フランジを48〜85℃で温度処理した後、室温に戻す熱収縮工程と、を含む樹脂フランジの製造方法である。
第2の実施形態は、ドラム素管に圧入される圧入部と、ドラム素管を回転させるための駆動力を外部から伝達するためのギア部と、圧入部の中心に位置する貫通孔と、を備えた樹脂フランジの製造方法であって、樹脂フランジの貫通孔の直径を3〜15mmの範囲内の値とする成形工程と、樹脂フランジを48〜85℃で温度処理した後、室温に戻す熱収縮工程と、を含む樹脂フランジの製造方法である。
1.成形工程
樹脂フランジの成形方法は特に制限されるものではないが、例えば、射出成形方法、SMC(シ−トモールディングコンパウンド)圧縮成形方法、BMC(バルクモールディングコンパウンド)圧縮成形方法、またはプレス方法を用いることが好ましい。
特に、精密部品の大量生産に適していることより、樹脂フランジの成形に際しては、射出成形方法を採用することが好ましい。
樹脂フランジの成形方法は特に制限されるものではないが、例えば、射出成形方法、SMC(シ−トモールディングコンパウンド)圧縮成形方法、BMC(バルクモールディングコンパウンド)圧縮成形方法、またはプレス方法を用いることが好ましい。
特に、精密部品の大量生産に適していることより、樹脂フランジの成形に際しては、射出成形方法を採用することが好ましい。
2.熱収縮工程
48〜85℃の熱処理温度で温度処理を施した後、室温に戻して、樹脂フランジを構成する樹脂を予め熱収縮する工程である。
すなわち、樹脂フランジの熱処理温度が48℃未満になると、熱膨張および熱収縮が不十分となり、図4のラインA(樹脂フランジの外形基準)に示す場合と比較して、図4のラインB(貫通孔基準)に示すように、貫通孔における熱収縮率が過度に小さくなる。したがって、樹脂フランジ中に歪みが残留して感光体ドラム振れにも影響し、図5のラインAおよびBに示すように、左縦軸に示す初期感光体ドラム振れ(μm)ばかりか、右縦軸に示す経時後の感光体ドラム振れとの差(μm)が著しく大きくなるためである。
一方、かかる熱処理温度が85℃を超えると、図4のラインA(樹脂フランジの外形基準)が示すのと同様に、熱膨張および熱収縮が過度になって、図4のラインB(貫通孔基準)に示す通り、貫通孔における熱収縮率が過度に大きくなる。したがって、樹脂フランジ中にやはり歪みが残留しやすくなるとともに、樹脂フランジ自体が熱変形する場合があり、図5のラインAに示すように、左縦軸に示す初期感光体ドラム振れ(μm)の増加は著しく大きくなるばかりか、図5のラインBに示すように、右縦軸に示す経時後の感光体ドラム振れとの差(μm)についても、大きくなるためである。
したがって、樹脂フランジに対して、50〜80℃の熱処理温度による温度処理を施すことがより好ましく、55〜75℃の熱処理温度による温度処理を施すことがさらに好ましい。
なお、図4中のラインAは、樹脂フランジの外形(直径28mm)における熱収縮率を測定したものであって、同一樹脂からなる同一成形体であるにもかかわらず、外形基準の熱収縮率の値は、貫通孔(直径7mm)におけるその値と比較して、若干大きい傾向が見られた。
48〜85℃の熱処理温度で温度処理を施した後、室温に戻して、樹脂フランジを構成する樹脂を予め熱収縮する工程である。
すなわち、樹脂フランジの熱処理温度が48℃未満になると、熱膨張および熱収縮が不十分となり、図4のラインA(樹脂フランジの外形基準)に示す場合と比較して、図4のラインB(貫通孔基準)に示すように、貫通孔における熱収縮率が過度に小さくなる。したがって、樹脂フランジ中に歪みが残留して感光体ドラム振れにも影響し、図5のラインAおよびBに示すように、左縦軸に示す初期感光体ドラム振れ(μm)ばかりか、右縦軸に示す経時後の感光体ドラム振れとの差(μm)が著しく大きくなるためである。
一方、かかる熱処理温度が85℃を超えると、図4のラインA(樹脂フランジの外形基準)が示すのと同様に、熱膨張および熱収縮が過度になって、図4のラインB(貫通孔基準)に示す通り、貫通孔における熱収縮率が過度に大きくなる。したがって、樹脂フランジ中にやはり歪みが残留しやすくなるとともに、樹脂フランジ自体が熱変形する場合があり、図5のラインAに示すように、左縦軸に示す初期感光体ドラム振れ(μm)の増加は著しく大きくなるばかりか、図5のラインBに示すように、右縦軸に示す経時後の感光体ドラム振れとの差(μm)についても、大きくなるためである。
したがって、樹脂フランジに対して、50〜80℃の熱処理温度による温度処理を施すことがより好ましく、55〜75℃の熱処理温度による温度処理を施すことがさらに好ましい。
なお、図4中のラインAは、樹脂フランジの外形(直径28mm)における熱収縮率を測定したものであって、同一樹脂からなる同一成形体であるにもかかわらず、外形基準の熱収縮率の値は、貫通孔(直径7mm)におけるその値と比較して、若干大きい傾向が見られた。
また、樹脂フランジを加熱処理するにあたり、所定温度での熱処理時間を10時間以上の値とすることが好ましい。
すなわち、48〜85℃の熱処理温度で温度処理を施した場合に、熱処理時間が10時間未満の値になると、熱膨張および熱収縮が不十分となって、樹脂フランジ中に歪みが残留し、逆に、樹脂フランジ自体やドラム素管の振れ精度が著しく低下する場合があるためである。
ただし、過度に長くなると、樹脂フランジの生産効率が過度に低下する場合がある。
したがって、樹脂フランジを加熱処理するにあたり、所定温度での熱処理時間を12〜48時間の範囲内の値とすることがより好ましく、熱処理時間を15〜30時間の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、樹脂フランジを所定温度に熱処理するに際して、加熱炉、赤外線ヒータ、レーザー、熱交換装置、加熱媒体(不活性液体や不活性気体等)の少なくとも一つの加熱処理装置を使用することが好ましい。特に、加熱炉を使用することにより、樹脂フランジを、所定時間内に、一度に大量処理できることから好ましい加熱処理装置である。
すなわち、48〜85℃の熱処理温度で温度処理を施した場合に、熱処理時間が10時間未満の値になると、熱膨張および熱収縮が不十分となって、樹脂フランジ中に歪みが残留し、逆に、樹脂フランジ自体やドラム素管の振れ精度が著しく低下する場合があるためである。
ただし、過度に長くなると、樹脂フランジの生産効率が過度に低下する場合がある。
したがって、樹脂フランジを加熱処理するにあたり、所定温度での熱処理時間を12〜48時間の範囲内の値とすることがより好ましく、熱処理時間を15〜30時間の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、樹脂フランジを所定温度に熱処理するに際して、加熱炉、赤外線ヒータ、レーザー、熱交換装置、加熱媒体(不活性液体や不活性気体等)の少なくとも一つの加熱処理装置を使用することが好ましい。特に、加熱炉を使用することにより、樹脂フランジを、所定時間内に、一度に大量処理できることから好ましい加熱処理装置である。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、ドラム素管と、このドラム素管に圧入して取り付けられた樹脂フランジと、ドラム素管の周囲に形成された感光層と、から構成される樹脂フランジ付き電子写真感光体であって、樹脂フランジが、ドラム素管に圧入される圧入部と、ドラム素管を回転させるための駆動力を外部から伝達するためのギア部と、圧入部の中心に位置する貫通孔と、を備え、樹脂フランジの貫通孔の直径を3〜15mmの範囲内の値とするとともに、48〜85℃の温度処理を施し、予め熱収縮してある樹脂フランジ付き電子写真感光体である。
第3の実施形態は、ドラム素管と、このドラム素管に圧入して取り付けられた樹脂フランジと、ドラム素管の周囲に形成された感光層と、から構成される樹脂フランジ付き電子写真感光体であって、樹脂フランジが、ドラム素管に圧入される圧入部と、ドラム素管を回転させるための駆動力を外部から伝達するためのギア部と、圧入部の中心に位置する貫通孔と、を備え、樹脂フランジの貫通孔の直径を3〜15mmの範囲内の値とするとともに、48〜85℃の温度処理を施し、予め熱収縮してある樹脂フランジ付き電子写真感光体である。
1.ドラム素管
ドラム素管1は、図3にその断面図を示すように、感光体を形成するための基材としての機能を果たしており、高速回転させることから円筒形状であることが好ましい。また、所定の長さ、肉厚、外形寸法を有することから、アルミニウム、セラミック、ポリカーボネート樹脂等を原料として、マンドレル法等により円筒加工した後、引き抜き加工により形成したものが好ましい。
また、アルミニウム等の金属をドラム素管の原料とした場合には、酸化がすすみ、電位が変化するのを防止するため、陽極酸化処理を施すことが好ましい。
ただし、製造コストを低くできることから、本発明に使用するドラム素管は、インロー加工を施していないことが好ましい。逆に言えば、本発明によれば、高価なインロー加工を施さなくとも、ドラム素管の振れ精度や樹脂フランジ等の振れ精度を向上させることができ、印刷時の位置ずれ、例えば、多色印刷した場合の色ずれの発生を少なくすることができる。
ドラム素管1は、図3にその断面図を示すように、感光体を形成するための基材としての機能を果たしており、高速回転させることから円筒形状であることが好ましい。また、所定の長さ、肉厚、外形寸法を有することから、アルミニウム、セラミック、ポリカーボネート樹脂等を原料として、マンドレル法等により円筒加工した後、引き抜き加工により形成したものが好ましい。
また、アルミニウム等の金属をドラム素管の原料とした場合には、酸化がすすみ、電位が変化するのを防止するため、陽極酸化処理を施すことが好ましい。
ただし、製造コストを低くできることから、本発明に使用するドラム素管は、インロー加工を施していないことが好ましい。逆に言えば、本発明によれば、高価なインロー加工を施さなくとも、ドラム素管の振れ精度や樹脂フランジ等の振れ精度を向上させることができ、印刷時の位置ずれ、例えば、多色印刷した場合の色ずれの発生を少なくすることができる。
2.樹脂フランジ
第1の実施形態において説明したのと同様の内容とすることができる。したがって、ここでの説明は省略する。
第1の実施形態において説明したのと同様の内容とすることができる。したがって、ここでの説明は省略する。
3.感光層
感光層は、結着樹脂、電荷発生剤、正孔輸送剤、および電子輸送剤を単一層に含む単層型と、結着樹脂、電荷発生剤、正孔輸送剤、および電子輸送剤を複数層に分けて含む積層型と、があるが、本発明の樹脂フランジ付き電子写真感光体においては、いずれにも適用可能である。
ただし、特に正負いずれの帯電型にも使用できること、構造が簡単で製造が容易であること、層間の界面が少なく、光学的特性を向上できること等の観点から、単層型に適用することが好ましい。
感光層は、結着樹脂、電荷発生剤、正孔輸送剤、および電子輸送剤を単一層に含む単層型と、結着樹脂、電荷発生剤、正孔輸送剤、および電子輸送剤を複数層に分けて含む積層型と、があるが、本発明の樹脂フランジ付き電子写真感光体においては、いずれにも適用可能である。
ただし、特に正負いずれの帯電型にも使用できること、構造が簡単で製造が容易であること、層間の界面が少なく、光学的特性を向上できること等の観点から、単層型に適用することが好ましい。
4.アース板
図6に示すように、樹脂フランジ3と、ドラム素管(図示なし)との間に、アース板41が設けてあるとともに、当該アース板41の周囲に、ドラム素管の内面と接触するための突起部43と、貫通孔15に挿通されるシャフトピンと接触するための接触片45と、が設けてあることが好ましい。
この理由は、樹脂フランジ3にアース板41を取り付けて樹脂フランジ3をドラム素管1に圧入する際に、突起部43がドラム素管の内面を傷付けるのを防止できるとともに、接触片45がシャフトピンに圧接してドラム素管とシャフトピンの導通を確実に図ることができるためである。
したがって、このようなアース板41を設けることにより、樹脂フランジ付き電子写真感光体における静電気等の影響を容易に排除することができる。
図6に示すように、樹脂フランジ3と、ドラム素管(図示なし)との間に、アース板41が設けてあるとともに、当該アース板41の周囲に、ドラム素管の内面と接触するための突起部43と、貫通孔15に挿通されるシャフトピンと接触するための接触片45と、が設けてあることが好ましい。
この理由は、樹脂フランジ3にアース板41を取り付けて樹脂フランジ3をドラム素管1に圧入する際に、突起部43がドラム素管の内面を傷付けるのを防止できるとともに、接触片45がシャフトピンに圧接してドラム素管とシャフトピンの導通を確実に図ることができるためである。
したがって、このようなアース板41を設けることにより、樹脂フランジ付き電子写真感光体における静電気等の影響を容易に排除することができる。
5.画像形成装置
図7に示すように、画像形成装置50は、タンデム型フルカラープリンタとして、ドラム素管1(図3参照)と、ドラム素管1に取り付けられた樹脂フランジ3(図1参照)と、ドラム素管1の周囲に形成された感光体と、から構成される電子写真感光体73a〜73d(図7参照)を、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色に対応して、複数備えるとともに、当該複数の電子写真感光体73a〜73dを駆動源からの回転力によって回転させることにより、所定のカラー画像が形成できる構成であることが好ましい。
また、樹脂フランジ3の中央部には、シャフトピンを挿通するための貫通孔15が設けてあるとともに、当該貫通孔15の周囲にリブ7が設けてあり、当該リブ7を介して、駆動源の回転力を樹脂フランジ付き電子写真感光体73a〜73dに伝達し、樹脂フランジ付き電子写真感光体73a〜73dを回転させている。
図7に示すように、画像形成装置50は、タンデム型フルカラープリンタとして、ドラム素管1(図3参照)と、ドラム素管1に取り付けられた樹脂フランジ3(図1参照)と、ドラム素管1の周囲に形成された感光体と、から構成される電子写真感光体73a〜73d(図7参照)を、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色に対応して、複数備えるとともに、当該複数の電子写真感光体73a〜73dを駆動源からの回転力によって回転させることにより、所定のカラー画像が形成できる構成であることが好ましい。
また、樹脂フランジ3の中央部には、シャフトピンを挿通するための貫通孔15が設けてあるとともに、当該貫通孔15の周囲にリブ7が設けてあり、当該リブ7を介して、駆動源の回転力を樹脂フランジ付き電子写真感光体73a〜73dに伝達し、樹脂フランジ付き電子写真感光体73a〜73dを回転させている。
また、ドラムユニット73a〜73dにそれぞれ対向配置される転写ローラ74a〜74d、及び駆動ローラ75、従動ローラ76等には、無端状の転写ベルト77が巻き掛けられており、該転写ベルト77は、上述した駆動ローラ75の駆動によって、反時計回りに回動し、転写紙を4つの画像形成部を順次通過させることができる。
すなわち、図7に示す画像形成装置50においては、本体の右側面下部に給紙カセット81が装着されており、この給紙カセット81内にセットされた転写材Sを、給紙ローラ82によって1枚ずつ取り出し、それを搬送ローラ92によって画像形成部に給送するように構成されている。
すなわち、図7に示す画像形成装置50においては、本体の右側面下部に給紙カセット81が装着されており、この給紙カセット81内にセットされた転写材Sを、給紙ローラ82によって1枚ずつ取り出し、それを搬送ローラ92によって画像形成部に給送するように構成されている。
また、作像部筐体70の下方には、この作像部筐体70とは別個独立に形成された給紙筐体80が設置されており、両者は、着脱自在に装着配置されていることが好ましい。そして、この給紙筐体80内に、転写紙トレー81や、給紙ローラ82等(給紙部の一例)が設けられている。また、作像部筐体70および給紙部筐体80の側面には、それぞれ2つの筐体が接続配置してあるとともに、給紙部筐体80から作像部筐体70に対して、転写紙を搬送するための搬送ユニット90が着脱自在に取り付けられている。
さらに、作像部筐体70の下流側には、排紙ユニット100が着脱自在に取り付けられている。この排紙ユニット100内には、定着部101、排紙路102、排紙トレー103等が設けられており、作像部筐体70内で4色のトナー像が転写された転写紙に定着処理を施した後、その転写紙を排紙トレー103上に給送するように構成されている。
さらに、作像部筐体70の下流側には、排紙ユニット100が着脱自在に取り付けられている。この排紙ユニット100内には、定着部101、排紙路102、排紙トレー103等が設けられており、作像部筐体70内で4色のトナー像が転写された転写紙に定着処理を施した後、その転写紙を排紙トレー103上に給送するように構成されている。
ここで、電子写真感光体73a〜73dに装着された樹脂フランジ3については、第1の実施形態で説明したのと同様の条件で温度処理してあることを特徴とする。
すなわち、これら樹脂フランジ3は、第1の実施形態で説明したように、ドラム素管1の端部に駆動力伝達用のリブ7が形成された樹脂フランジ3を取り付けたものである。そして、所定の熱処理が施してある樹脂フランジ3に対しては、ギア部21からリブ7を介して駆動力が伝達されるように構成されており、所定の温度処理が施されているため、感光体ドラムの初期ドラム振れや、長期間連続印刷した後の感光体ドラムの振れ幅が小さくなるように構成されている。
よって、樹脂フランジ付き電子写真感光体73a〜73dは、初期のみならず、長期間印刷した場合であっても、感光体ドラムの振れが極力抑制され、色ずれが極めて少なくなるように構成されている。
すなわち、これら樹脂フランジ3は、第1の実施形態で説明したように、ドラム素管1の端部に駆動力伝達用のリブ7が形成された樹脂フランジ3を取り付けたものである。そして、所定の熱処理が施してある樹脂フランジ3に対しては、ギア部21からリブ7を介して駆動力が伝達されるように構成されており、所定の温度処理が施されているため、感光体ドラムの初期ドラム振れや、長期間連続印刷した後の感光体ドラムの振れ幅が小さくなるように構成されている。
よって、樹脂フランジ付き電子写真感光体73a〜73dは、初期のみならず、長期間印刷した場合であっても、感光体ドラムの振れが極力抑制され、色ずれが極めて少なくなるように構成されている。
[実施例1〜2]
本発明における所定の温度処理を施した樹脂フランジを準備し、それを用いた感光体ドラム1〜2(実施例1〜2)により、多色印刷時における色ずれ性についての評価実験を行った。
すなわち、実施例1〜2では、50℃および80℃で、それぞれ24時間、温度処理を施した樹脂フランジにおける外形基準(28mm)の熱収縮率(外形熱収縮率)と、貫通孔(7mm)の熱収縮率(貫通孔熱収縮率)をそれぞれ測定した。
次いで、実施例1〜2では、それぞれの樹脂フランジ付き感光体ドラム(京セラミタ製ページプリンタFS−C5016N)を準備し、初期ドラム振れ(初期ドラムの振れ幅)と、通常環境(23±3℃、50±10%Rh)にて、画像評価パターン(ソリッドパターン)を10万枚連続印刷した後の感光体ドラムの振れ幅とを測定し、そのドラム振れ差を算出した。そして、さらに得られた画像における色ずれ性を、以下の基準に準じて目視評価した。
◎:色ずれは全く観察されない。
○:顕著な色ずれは観察されない。
△:少々の色ずれが観察される。
×:顕著な色ずれが観察される。
本発明における所定の温度処理を施した樹脂フランジを準備し、それを用いた感光体ドラム1〜2(実施例1〜2)により、多色印刷時における色ずれ性についての評価実験を行った。
すなわち、実施例1〜2では、50℃および80℃で、それぞれ24時間、温度処理を施した樹脂フランジにおける外形基準(28mm)の熱収縮率(外形熱収縮率)と、貫通孔(7mm)の熱収縮率(貫通孔熱収縮率)をそれぞれ測定した。
次いで、実施例1〜2では、それぞれの樹脂フランジ付き感光体ドラム(京セラミタ製ページプリンタFS−C5016N)を準備し、初期ドラム振れ(初期ドラムの振れ幅)と、通常環境(23±3℃、50±10%Rh)にて、画像評価パターン(ソリッドパターン)を10万枚連続印刷した後の感光体ドラムの振れ幅とを測定し、そのドラム振れ差を算出した。そして、さらに得られた画像における色ずれ性を、以下の基準に準じて目視評価した。
◎:色ずれは全く観察されない。
○:顕著な色ずれは観察されない。
△:少々の色ずれが観察される。
×:顕著な色ずれが観察される。
[比較例1〜5]
比較例1〜5では、本発明における温度範囲外の熱処理を施した樹脂フランジ付き感光体ドラム3〜7を用いて、それぞれ多色印刷時における色ずれ性についての評価実験を行った。
すなわち、比較例1〜5においては、20℃、35℃、45℃、90℃、および100℃で、それぞれ24時間低温熱処理を施した樹脂フランジにおける外形基準の熱収縮率(外形熱収縮率)と、貫通孔の熱収縮率(貫通孔熱収縮率)をそれぞれ測定した。
次いで、実施例1〜2と同様に、それぞれの樹脂フランジ付き感光体ドラムを準備し、初期の振れ幅と、通常環境にて画像評価パターンを10万枚連続印刷した後の感光体ドラムの振れ幅を測定した。そして、比較例1〜5においても、さらに得られた画像における色ずれ性を、実施例1〜2と同様に、目視評価した。
比較例1〜5では、本発明における温度範囲外の熱処理を施した樹脂フランジ付き感光体ドラム3〜7を用いて、それぞれ多色印刷時における色ずれ性についての評価実験を行った。
すなわち、比較例1〜5においては、20℃、35℃、45℃、90℃、および100℃で、それぞれ24時間低温熱処理を施した樹脂フランジにおける外形基準の熱収縮率(外形熱収縮率)と、貫通孔の熱収縮率(貫通孔熱収縮率)をそれぞれ測定した。
次いで、実施例1〜2と同様に、それぞれの樹脂フランジ付き感光体ドラムを準備し、初期の振れ幅と、通常環境にて画像評価パターンを10万枚連続印刷した後の感光体ドラムの振れ幅を測定した。そして、比較例1〜5においても、さらに得られた画像における色ずれ性を、実施例1〜2と同様に、目視評価した。
本発明の樹脂フランジ、樹脂フランジの製造方法、および樹脂フランジ付き電子写真感光体によれば、樹脂フランジに設けてある貫通孔の直径を所定値に制限するとともに、所定温度で熱処理して、予め熱収縮させることにより、簡易な構造であっても、樹脂フランジ自体や圧入するドラム素管における初期および長時間印刷後の振れ精度が向上し、ひいては、電子写真感光体に使用し、長時間印刷した場合であっても位置ずれを少なくすることができる。
したがって、例えば、カラー印刷や高速印刷が可能なタンデム型の画像形成装置等に最適な樹脂フランジ、樹脂フランジの製造方法、および樹脂フランジ付き電子写真感光体を提供することができる。
したがって、例えば、カラー印刷や高速印刷が可能なタンデム型の画像形成装置等に最適な樹脂フランジ、樹脂フランジの製造方法、および樹脂フランジ付き電子写真感光体を提供することができる。
1: ドラム素管
3: 樹脂フランジ
6: 圧入部
7: 駆動力伝達用のリブ
9: リブ部
11:スリット
13:ギア
21:ギア部
27:スリット
41:アース板
50:カラー画像形成装置
70:作像部筐体
71a〜71d:ドラムユニット
72a〜72d:露光器
73a〜73d:樹脂フランジ付き電子写真感光体
74a〜74d:転写ローラ
75:駆動ローラ
76:従動ローラ
77:転写ベルト
78:転写ユニット
80:給紙筐体
81:給紙カセット
82:給紙ローラ
90:搬送ユニット
92:搬送ローラ
100:排紙ユニット
101:定着部
102:排紙路
103:排紙トレー
3: 樹脂フランジ
6: 圧入部
7: 駆動力伝達用のリブ
9: リブ部
11:スリット
13:ギア
21:ギア部
27:スリット
41:アース板
50:カラー画像形成装置
70:作像部筐体
71a〜71d:ドラムユニット
72a〜72d:露光器
73a〜73d:樹脂フランジ付き電子写真感光体
74a〜74d:転写ローラ
75:駆動ローラ
76:従動ローラ
77:転写ベルト
78:転写ユニット
80:給紙筐体
81:給紙カセット
82:給紙ローラ
90:搬送ユニット
92:搬送ローラ
100:排紙ユニット
101:定着部
102:排紙路
103:排紙トレー
Claims (8)
- ドラム素管に圧入される圧入部と、ドラム素管を回転させるための駆動力を外部から伝達するためのギア部と、圧入部の中心に位置する貫通孔と、を備えた樹脂フランジであって、
当該樹脂フランジの貫通孔の直径を3〜15mmの範囲内の値とするとともに、48〜85℃の温度処理を施し、予め熱収縮してあることを特徴とする樹脂フランジ。 - 前記圧入部と、ギア部とが、それぞれ別体に構成してあるとともに、前記圧入部の反対端部に設けてあるリブを介して、前記ギア部と係合することを特徴とする請求項1に記載の樹脂フランジ。
- 前記温度処理における貫通孔の熱収縮率を0.1〜0.25%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂フランジ。
- 前記温度処理における熱処理時間が10時間以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂フランジ。
- 前記圧入部の直径を10〜50mmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂フランジ。
- ドラム素管に圧入される圧入部と、ドラム素管を回転させるための駆動力を外部から伝達するためのギア部と、圧入部の中心に位置する貫通孔と、を備えた樹脂フランジの製造方法において、
前記樹脂フランジの貫通孔の直径を3〜15mmの範囲内の値とする成形工程と、
前記樹脂フランジを48〜85℃で温度処理した後、室温に戻す熱収縮工程と、を含むことを特徴とする樹脂フランジの製造方法。 - 前記温度処理における熱処理時間を10時間以上の値とすることを特徴とする請求項6に記載の樹脂フランジの製造方法。
- ドラム素管と、ドラム素管に取り付けられた樹脂フランジと、ドラム素管の周囲に形成された感光層と、から構成される樹脂フランジ付き電子写真感光体であって、
前記樹脂フランジが、ドラム素管に圧入される圧入部と、ドラム素管を回転させるための駆動力を外部から伝達するためのギア部と、圧入部の中心に位置する貫通孔と、を備え、
前記樹脂フランジの貫通孔の直径を3〜15mmの範囲内の値とするとともに、48〜85℃の温度処理を施し、予め熱収縮してあることを特徴とする樹脂フランジ付き電子写真感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003414644A JP2005173321A (ja) | 2003-12-12 | 2003-12-12 | 樹脂フランジ、樹脂フランジの製造方法、および樹脂フランジ付き電子写真感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003414644A JP2005173321A (ja) | 2003-12-12 | 2003-12-12 | 樹脂フランジ、樹脂フランジの製造方法、および樹脂フランジ付き電子写真感光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005173321A true JP2005173321A (ja) | 2005-06-30 |
Family
ID=34734376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003414644A Withdrawn JP2005173321A (ja) | 2003-12-12 | 2003-12-12 | 樹脂フランジ、樹脂フランジの製造方法、および樹脂フランジ付き電子写真感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005173321A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103149824A (zh) * | 2008-06-20 | 2013-06-12 | 佳能株式会社 | 用于联接构件的拆卸和安装方法和电子照相感光鼓单元 |
JP7469988B2 (ja) | 2020-08-07 | 2024-04-17 | シャープ株式会社 | 感光体ドラム、プロセスユニットおよび画像形成装置 |
-
2003
- 2003-12-12 JP JP2003414644A patent/JP2005173321A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103149824A (zh) * | 2008-06-20 | 2013-06-12 | 佳能株式会社 | 用于联接构件的拆卸和安装方法和电子照相感光鼓单元 |
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