JP2005173219A - 遮光層付き光学シート及びカラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】良好なコントラスト及び高い解像度を発揮でき、色抜けや混色のない表示品位のより高い遮光層付き光学シート及びカラーフィルタを提供する。
【解決手段】遮光層付き光学シート20は、光学基板21と、この光学基材21上に所定間隔で転写された遮光層13Cとを備えている。遮光層13Cは、ライン状に形成されストライプ部13caと、このストライプ部13caの片側に所定間隔で形成された突状部13cbとからなる。突状部13cbは略矩形であって、その角部は、曲率半径の異なる曲面部分からなる曲面13cb1,13cb2を有する。
【選択図】図3
【解決手段】遮光層付き光学シート20は、光学基板21と、この光学基材21上に所定間隔で転写された遮光層13Cとを備えている。遮光層13Cは、ライン状に形成されストライプ部13caと、このストライプ部13caの片側に所定間隔で形成された突状部13cbとからなる。突状部13cbは略矩形であって、その角部は、曲率半径の異なる曲面部分からなる曲面13cb1,13cb2を有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、レーザー光熱転写法などにより転写される遮光層付き光学シート及びそれを用いたカラーフィルタに関するものである。
特許文献1は、フッ素系撥水・撥油剤を含有する遮光層(ブラックマトリックス)の間隙に、カラーパターンを印刷する方法として、特定の表面張力を有するインクを用いてインクジェット記録方式で印刷を行うことを開示している。
特許文献2は、レーザー光熱転写法を使用したカラーフィルタ要素の作製方法であって、レーザー光による熱転写を利用して、フッ素系界面活性剤を含有した黒色ドナーシートから着色剤をカラーフィルタ要素の基板上に転写して、所望のパターンでブラックマトリックス(遮光層)を形成することを開示している。
一方、特許文献3は、所望の光学基板(ここでは、TFTが設けられたTFT基板に対向する対向基板)上に、ストライプ状の遮光層を形成することを開示している。
本件出願人は、遮光層をレーザー光熱転写法で形成し、その遮光層の間にインクジェット記録方式で複数色の画素部を形成するカラーフィルタを開発しようとしている。
ところが、上述した従来の技術では、レーザー光熱転写法によって形成されたブラックマトリックス(遮光層)間に、複数色の画素部を形成する場合に、これらの複数色を示すインクが、遮光層の間を上手く流れず、例えば、いわゆる白抜け等の欠損が生じてしまうことが想定された。
さらに、遮光層上にインクが吐出された場合には、インクが遮光層間に落下し難く、隣り合った画素部にインクが流れ込み、混色が発生してしまうことが想定された。
その結果、このカラーフィルタを用いた液晶表示装置を、観察した場合に、各画素部の示す複数色(例えば、RGB)の鮮明度が低下して、映像のコントラストが低下する、という問題があった。
ところが、上述した従来の技術では、レーザー光熱転写法によって形成されたブラックマトリックス(遮光層)間に、複数色の画素部を形成する場合に、これらの複数色を示すインクが、遮光層の間を上手く流れず、例えば、いわゆる白抜け等の欠損が生じてしまうことが想定された。
さらに、遮光層上にインクが吐出された場合には、インクが遮光層間に落下し難く、隣り合った画素部にインクが流れ込み、混色が発生してしまうことが想定された。
その結果、このカラーフィルタを用いた液晶表示装置を、観察した場合に、各画素部の示す複数色(例えば、RGB)の鮮明度が低下して、映像のコントラストが低下する、という問題があった。
本発明の課題は、良好なコントラスト及び高い解像度を発揮でき、色抜けや混色のない表示品位のより高い遮光層付き光学シート及びカラーフィルタを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、透明又は半透明の光学基材(21)と、前記光学基材上に形成された遮光層(13C)とを備え、前記遮光層は、ライン状に形成されたストライプ部(13ca)と、前記ストライプ部の片側に所定間隔で形成された突状部(13cb)とからなり、前記突状部を前記光学基材上に投影した平面形状は、曲面(13cb1,13cb2)を有すること、を特徴とする遮光層付き光学シートである。
請求項1の発明は、透明又は半透明の光学基材(21)と、前記光学基材上に形成された遮光層(13C)とを備え、前記遮光層は、ライン状に形成されたストライプ部(13ca)と、前記ストライプ部の片側に所定間隔で形成された突状部(13cb)とからなり、前記突状部を前記光学基材上に投影した平面形状は、曲面(13cb1,13cb2)を有すること、を特徴とする遮光層付き光学シートである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の遮光層付き光学シートにおいて、前記突状部を前記光学基材上に投影した平面形状は、略矩形であって、その角部が曲面であること、を特徴とする遮光層付き光学シートである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遮光層付き光学シートにおいて、前記曲面は、曲率半径の異なる曲面部分からなること、を特徴とする遮光層付き光学シートである。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の遮光層付き光学シート(20)と、前記遮光層付き光学シート上に形成された濡れ性変化層(32)と、前記濡れ性変化層上に形成された複数色の画素部(33R,33G,33B)と、を備えたカラーフィルタである。
本発明の遮光層付き光学シートは、(1)透明又は半透明の光学基材上に形成された遮光層は、ライン状に形成されたストライプ部と、ストライプ部の片側に所定間隔で形成された突状部とからなり、この突状部を光学基材上に投影した平面形状は、曲面を有するので、この遮光層間に、複数色の画素部を形成する場合に、遮光層間に吐出された複数色を示すインクは、ストライプ部と突状部との境界で一時的に溜まり、その後、突状部に形成された曲面に沿って滑らかに流れ、ストライプ部に回り込むことができ、このため、遮光層間にインクを確実に行き渡らせて、白抜き等の欠損を防止することができる。
また、突状部にインクが吐出された場合であっても、突状部が曲面であるので、インクは、容易に遮光層間に落下することができ、隣り合った画素部に混色が生じないようにできる。
その結果、この光学シートをカラーフィルタなどに使用した場合に、良好なコントラスト及び高い解像度を発揮でき、色抜けや混色のない表示品位のより高い表示装置が実現される。
また、突状部にインクが吐出された場合であっても、突状部が曲面であるので、インクは、容易に遮光層間に落下することができ、隣り合った画素部に混色が生じないようにできる。
その結果、この光学シートをカラーフィルタなどに使用した場合に、良好なコントラスト及び高い解像度を発揮でき、色抜けや混色のない表示品位のより高い表示装置が実現される。
(2)突状部を光学基材上に投影した平面形状は略矩形であって、その角部が曲面であるので、インクが角部に流れ込んだ場合に、その曲面に沿ってインクが滑らかに突状部を流れ回り込み、遮光層間にインクを確実に行き渡らせることができる。
(3)曲面は、曲率半径の異なる曲面部分からなるので、インクの種類(例えば、粘性)に応じて、曲率半径の曲面部分を形成することにより、複数色の画素部を形成する場合に、インクを遮光層間により短時間で確実に行き渡らせることができる。
(4)本発明のカラーフィルタは、上述した遮光層付き光学シートと、この光学シート上に形成された濡れ性変化層と、濡れ性変化層上に形成された複数色の画素部と、を備えたので、複数色の画素部を形成するときに、複数色を示すインクが遮光層の間に吐出された場合に、突状部の曲面により、インクが遮光層の間に滑らかに流れ込むと共に、確実に行き渡るので、複数の画素部に白抜き等の欠損が生じてないようにできる。
なお、この濡れ性変化層は、例えば、複数色の画素部を形成するためのインクに対して疎水性を示し、インクジェット記録前に、予め光照射によって、複数色の画素部が親水性となるように濡れ性を変化させておく。
また、突状部にインクが吐出された場合であっても、突状部が曲面であるので、インクは、容易に遮光層間に落下することができ、隣り合った画素部に混色が生じないようにできる。
したがって、このカラーフィルタによれば、良好なコントラスト及び高い解像度を発揮でき、色抜けや混色のない表示品位のより高い表示装置が実現される。
なお、この濡れ性変化層は、例えば、複数色の画素部を形成するためのインクに対して疎水性を示し、インクジェット記録前に、予め光照射によって、複数色の画素部が親水性となるように濡れ性を変化させておく。
また、突状部にインクが吐出された場合であっても、突状部が曲面であるので、インクは、容易に遮光層間に落下することができ、隣り合った画素部に混色が生じないようにできる。
したがって、このカラーフィルタによれば、良好なコントラスト及び高い解像度を発揮でき、色抜けや混色のない表示品位のより高い表示装置が実現される。
本発明は、良好なコントラスト及び高い解像度を発揮するという目的を、ライン状に形成されたストライプ部と、このストライプ部の片側に所定間隔で形成された突状部とからなる遮光層を形成し、この突状部を曲面にすることによって実現する。
以下、図面等を参照して、本発明の実施例をあげて、さらに詳しく説明する。
図1は、本発明の実施例による遮光層付き光学シートを作製するための転写シート10を示す図である。
図1は、本発明の実施例による遮光層付き光学シートを作製するための転写シート10を示す図である。
転写シート10は、レーザー光熱転写法により、所定のパターンを、光学基材21に転写するためのシート(ドナーシート)であって、転写基材11と、離型層12と、光熱変換転写層13などとを備えている。
転写基材11は、光熱変換転写層13の担体となるものであって、遮光層の転写のために、レーザー光を照射して加熱が行われるので、レーザー光の透過性、耐熱性などが必要であると共に、後述する光学基材21(図2)に貼り合わせて使用されかつ使用後には剥離されるので、適度の柔軟性、軽さ、取り扱い性、機械的強度などが必要である。
この転写基材11は、ポリエステル樹脂などの各種のプラスチック材料を挙げることができ、その厚さは、通常、約25〜100μmの範囲が好適であり、この実施例では、100μmのPETフィルムを用いた。
この転写基材11は、ポリエステル樹脂などの各種のプラスチック材料を挙げることができ、その厚さは、通常、約25〜100μmの範囲が好適であり、この実施例では、100μmのPETフィルムを用いた。
離型層12は、転写基材11から光熱変換転写層13を剥離するための層である。この離型層12は、所定の剥離成分を有するUV硬化性のアクリレート樹脂組成物を、例えば、スピンコート法、グラビア印刷法、ダイコーティング法等の常用の塗布方法に従って、転写基材11の表面に塗布し、UV硬化させることによって形成することができる。この離型層12の厚さは、通常、約0.5〜2μmの範囲が好適であり、この実施例では、1μmとした。
光熱変換転写層13は、レーザー光の照射を受けて、その光エネルギーを熱エネルギーに変換し、遮光層に転写される画像成分を溶融させ、光学基材21の表面に転写及び固着させるための層である。
この光熱変換転写層13は、光熱変換性を付与するために、カーボンブラック等の光吸収性材料、又は、そのような光吸収性材料を分散して含有する必要があり、硬化目的のため、熱硬化性の成分を含有しているのが好ましく、例えば、カーボンブラック、熱硬化性モノマー又はオリゴマー、硬化剤等をバインダ樹脂中に分散させた層とすることができる。
この光熱変換転写層13は、光熱変換性を付与するために、カーボンブラック等の光吸収性材料、又は、そのような光吸収性材料を分散して含有する必要があり、硬化目的のため、熱硬化性の成分を含有しているのが好ましく、例えば、カーボンブラック、熱硬化性モノマー又はオリゴマー、硬化剤等をバインダ樹脂中に分散させた層とすることができる。
また、光熱変換転写層13は、転写性を付与するために、光熱変換作用により加熱されて溶融し、光学基材21にパターン状に転写される画像成分を含む必要があり、その画像成分をレーザー光熱転写法に従って、光学基材21の表面に高コントラストで転写し、転写された画像パターンとして固着させることができ、使用後の転写シート10を光学基材21から剥離する際に剥離残渣を生じることがない限り、任意の組成で形成することができる。
光熱変換転写層13の画像成分は、例えば、液晶表示装置のブラックマトリックス上でセパレーションリブとして、又は、ブラックマトリックス兼セパレーションリブとして使用されるので、遮光性と転写性とを考慮に入れた組成にする。ここで、遮光性の向上のためには、一般的に、黒色顔料(カーボンブラック等)やその他の有色顔料を高められた量で添加することや、金属粉などを添加することが挙げられる。
この実施例では、以下の組成のものを使用した。
カーボンブラック 12部
変成アクリル樹脂 10部
エポキシ樹脂 4部
硬化剤 5部
メチルエチルケトン/トルエン 70部
カーボンブラック 12部
変成アクリル樹脂 10部
エポキシ樹脂 4部
硬化剤 5部
メチルエチルケトン/トルエン 70部
この光熱変換転写層13は、通常、所定の組成を有する樹脂組成物を、例えばスピンコート法、グラビア印刷法、ダイコーティング法等の常用の塗布方法に従って、離型層12の表面に塗布し、乾燥させることによって形成することができる。光熱変換転写層13の厚さは、通常、0.1〜2μmの範囲が好ましく、この実施例では、1.3μmとした。
なお、転写シート10としては、光熱変換転写層13の光熱変換作用により発生する熱が不足する場合には、転写基材11と光熱変換転写層13との間に、レーザー光を吸収して熱に変換する光熱変換層をさらに設けてもよい。
図2は、図1の転写シート10の遮光層の光学基材への転写工程を示した断面図である。
図2(a)に示すように、図1に示した転写シート10を用意し、これを、その光熱変換転写層13が光学基材21に密着するようにして重ね合わせる。この光学基材11は、この実施例では、無アルカリガラス(厚さ:0.7mm)とした。
次いで、得られた積層体の転写シート10に対して、転写基材11の側から、レーザー光Lを所定のパターンで照射する。ここで、レーザー光Lのパターンは、光学基材21に転写しようとしている遮光層に対応する。
図2(a)に示すように、図1に示した転写シート10を用意し、これを、その光熱変換転写層13が光学基材21に密着するようにして重ね合わせる。この光学基材11は、この実施例では、無アルカリガラス(厚さ:0.7mm)とした。
次いで、得られた積層体の転写シート10に対して、転写基材11の側から、レーザー光Lを所定のパターンで照射する。ここで、レーザー光Lのパターンは、光学基材21に転写しようとしている遮光層に対応する。
レーザー光Lのパターン照射の結果、転写シート10の光熱変換転写層13の光熱変換作用により、光エネルギーが熱エネルギーに変換され、図2(b)に示すように、光熱変換転写層13の内部に含まれる画像成分13Aがパターン状に加熱されて溶融し、光学基材21に転写され、これに固着される。
なお、画像成分13Aが光学基材21に転写された後、転写シート10が光学基材21から剥離される。この剥離条件は、この実施例では、ロール径100mm、圧力0として、このロールを100mm/secで駆動した。
さらに、転写シート10が剥離された光学基材21の画像成分13Aを熱硬化させるために、この実施例では、250℃雰囲気中に30分間さらすベーク工程に通した。
なお、画像成分13Aが光学基材21に転写された後、転写シート10が光学基材21から剥離される。この剥離条件は、この実施例では、ロール径100mm、圧力0として、このロールを100mm/secで駆動した。
さらに、転写シート10が剥離された光学基材21の画像成分13Aを熱硬化させるために、この実施例では、250℃雰囲気中に30分間さらすベーク工程に通した。
図2(c)は、上述したようにして、光学基材21の上に転写された遮光層13Bを示しており、本実施例による遮光層付き光学シート20は、例えば、この遮光層13Bと、光学基材21とを備えている。この遮光層13Bは、上述したベーク工程を経て、光学基材21に対して強い力で密着している。
ここで、レーザー光Lによる転写条件について説明する。
遮光層13Bが、例えば、ライン状に形成されたストライプ部13ca(図3参照:後述)と、このストライプ部13caの片側に所定間隔で形成された突状部13cb(図3参照:後述)とからなる場合には、ストライプ部13caに照射されるレーザー光Lは、YAGレーザー(波長1084nm、スポット径20μm、出力30mW)であって、ストライプ部13ca上を100mm/secで移動させる。
また、突状部13cbに照射されるレーザー光Lは、ストライプ部13caに照射する場合に比べると、レーザー光Lをパルス発振する点が異なる。さらに、遮光層13Bの枠線に照射するレーザー光Lは、ラインビーム(20μm×5mm)とした。
ここで、レーザー光Lによる転写条件について説明する。
遮光層13Bが、例えば、ライン状に形成されたストライプ部13ca(図3参照:後述)と、このストライプ部13caの片側に所定間隔で形成された突状部13cb(図3参照:後述)とからなる場合には、ストライプ部13caに照射されるレーザー光Lは、YAGレーザー(波長1084nm、スポット径20μm、出力30mW)であって、ストライプ部13ca上を100mm/secで移動させる。
また、突状部13cbに照射されるレーザー光Lは、ストライプ部13caに照射する場合に比べると、レーザー光Lをパルス発振する点が異なる。さらに、遮光層13Bの枠線に照射するレーザー光Lは、ラインビーム(20μm×5mm)とした。
図3は、本実施例の遮光層付き光学シート20を模式的に示した正面図である。
遮光層付き光学シート20は、図示のように、光学基板21と、この光学基材21上に所定間隔(ここでは、200μm)で転写された遮光層13C(上述した遮光層13Bに対応している)とを備えている(図中(a)参照)。なお、この遮光層13Cの間には、後述する複数色(例えば、R,G,B)の画素部(図4参照)が形成される。
遮光層13Cは、例えば、図中(b)に示すように、ライン状に形成されたストライプ部13caと、このストライプ部13caの片側に所定間隔で形成された突状部13cbとからなる。なお、ストライプ部13caは、遮光層13層Cの長手方向と略直交する方向に沿った厚さ(以下、幅という)20μmを有する。突状部13cbは、遮光層13層Cの長手方向に沿った厚さ(以下、長さという)40μmと、幅20μmを有する(理由:B−B線では、突状部13cbとストライプ部13caとが連続的に形成されており、その幅が40μmであって、ストライプ部13caの幅は、上述したように20μmであるため)。
遮光層付き光学シート20は、図示のように、光学基板21と、この光学基材21上に所定間隔(ここでは、200μm)で転写された遮光層13C(上述した遮光層13Bに対応している)とを備えている(図中(a)参照)。なお、この遮光層13Cの間には、後述する複数色(例えば、R,G,B)の画素部(図4参照)が形成される。
遮光層13Cは、例えば、図中(b)に示すように、ライン状に形成されたストライプ部13caと、このストライプ部13caの片側に所定間隔で形成された突状部13cbとからなる。なお、ストライプ部13caは、遮光層13層Cの長手方向と略直交する方向に沿った厚さ(以下、幅という)20μmを有する。突状部13cbは、遮光層13層Cの長手方向に沿った厚さ(以下、長さという)40μmと、幅20μmを有する(理由:B−B線では、突状部13cbとストライプ部13caとが連続的に形成されており、その幅が40μmであって、ストライプ部13caの幅は、上述したように20μmであるため)。
ここで、遮光層付き光学シート20を用いたカラーフィルタ30(後述)を適用した表示装置(例えば、TFT液晶ディスプレイ)を想定して、ストライプ部13ca、突状部13cbを説明する。
光学基材21に液晶層を介して対向する基板に設けられた所望のスイッチング素子(ここでは、TFT)に、光学基材21側からの光が入射してしまうと、TFTが誤動作してしまう場合がある。このため、突状部13cbは、TFTの位置に対向するように、ストライプ部13caの片側に所定間隔で形成される。
また、複数色の画素部の境界には、その隣り合った画素部の光(ここでは、バックライト)が漏れやすく、その結果、例えば、R,G,Bの境界が鮮明にならない場合がある。このため、ストライプ部13caは、複数色の画素部を仕切るためにライン状に形成される。
光学基材21に液晶層を介して対向する基板に設けられた所望のスイッチング素子(ここでは、TFT)に、光学基材21側からの光が入射してしまうと、TFTが誤動作してしまう場合がある。このため、突状部13cbは、TFTの位置に対向するように、ストライプ部13caの片側に所定間隔で形成される。
また、複数色の画素部の境界には、その隣り合った画素部の光(ここでは、バックライト)が漏れやすく、その結果、例えば、R,G,Bの境界が鮮明にならない場合がある。このため、ストライプ部13caは、複数色の画素部を仕切るためにライン状に形成される。
ここで、突状部13cbについて、さらに具体的に説明する。
この突状部13cbを光学基材21上に投影した平面形状は、図示のように、略矩形であって、その角部は、曲面13cb1,13cb2を有する。この曲面13cb1,13cb2は、突状部13cbに照射される発振パルスのレーザー光Lのガウシアン分布による転写条件及び/又は転写シート10を光学基材21から剥離するときの剥離条件に対応して形成される。なお、レーザー光Lのガウシアン分布とは、レーザー光Lのエネルギーは、その中心部が大きく、周辺部が小さくなるように分布することをいい、この実施例では、突状部13cbの角部が曲面13cb1,13cb2になるように、適宜その出力等を調整した。
この突状部13cbを光学基材21上に投影した平面形状は、図示のように、略矩形であって、その角部は、曲面13cb1,13cb2を有する。この曲面13cb1,13cb2は、突状部13cbに照射される発振パルスのレーザー光Lのガウシアン分布による転写条件及び/又は転写シート10を光学基材21から剥離するときの剥離条件に対応して形成される。なお、レーザー光Lのガウシアン分布とは、レーザー光Lのエネルギーは、その中心部が大きく、周辺部が小さくなるように分布することをいい、この実施例では、突状部13cbの角部が曲面13cb1,13cb2になるように、適宜その出力等を調整した。
この曲面13cb1,13cb2によれば、この遮光層13C間に、インクジェット記録方式等により複数色の画素部を形成する場合に、これらの複数色を示すインクは、ストライプ部13caと突状部13cbとの境界で一時的に溜まり、その後、突状部13cbに形成された曲面13cb1,13cb2に沿って滑らかに流れ、ストライプ部13caに回り込むことができる。このため、遮光層13C間にインクを確実に行き渡らせて、白抜き等の欠損を防止することができる。
また、突状部13cbにインクが吐出された場合であっても、突状部13cbが曲面13cb1,13cb2を有するので、インクは、容易に遮光層13C間に落下することができ、隣り合った画素部に混色が生じることを防止できる。
その結果、この光学シート20をカラーフィルタなどに使用した場合に、良好なコントラスト及び高い解像度を発揮でき、色抜けや混色のない表示品位のより高い表示装置が実現される。
その結果、この光学シート20をカラーフィルタなどに使用した場合に、良好なコントラスト及び高い解像度を発揮でき、色抜けや混色のない表示品位のより高い表示装置が実現される。
また、この遮光層13C間に吐出されるインクの種類(例えば、粘性)に応じて、曲面13cb1,13cb2に、異なる曲率半径の曲面部分を形成してもよい。これにより、複数色の画素部を形成する場合に、インクを遮光層13C間により短時間で確実に行き渡らせることができる。
図4は、本実施例によるカラーフィルタを模式的に示した断面図である。なお、以下では、カラーフィルタの製造方法の説明に従い、各部材等についても説明する。
まず、カラーフィルタ30に用いられる遮光層付き光学シートは、光学基材31と、この光学基材31上に転写された遮光層13Cとを備えている。この遮光層13Cは、上述した転写工程(ここでは、転写フィルムを光学基材31から剥離するまでの工程となる:図2参照)と、上述したベーク工程とにより、光学基材31上に転写される。
まず、カラーフィルタ30に用いられる遮光層付き光学シートは、光学基材31と、この光学基材31上に転写された遮光層13Cとを備えている。この遮光層13Cは、上述した転写工程(ここでは、転写フィルムを光学基材31から剥離するまでの工程となる:図2参照)と、上述したベーク工程とにより、光学基材31上に転写される。
図5は、本実施例による遮光層付き光学シート20上に、濡れ性変化層を塗布する濡れ性変化層塗布工程を示す図である。
図6は、光学基材31側からエネルギーを照射するバック露光工程を示す図である。
次に、この遮光層付き光学シート20上に、濡れ性変化層32を塗布した後(図5参照)、光学基材31側からエネルギー35を照射する(図6参照)。
この濡れ性変化層32は、エネルギー35の照射により、濡れ性が変化する層であって、例えば、光触媒作用を有する二酸化チタン等を含む。
ここで、濡れ性とは、濡れ性変化層32表面における水との接触角をいい、この実施例による濡れ性変化層32では、エネルギー35の照射により水との接触角が小さい親水性領域32Aを形成する。また、エネルギー35の照射前は、濡れ性変化層32は、水との接触角が大きい疎水性領域32Bを形成している。なお、後述するインクR,G,Bは、水性インクであるために、親水性領域32Aは親インク性となり、同じく、疎水性領域32Bは撥インク性となる。
図6は、光学基材31側からエネルギーを照射するバック露光工程を示す図である。
次に、この遮光層付き光学シート20上に、濡れ性変化層32を塗布した後(図5参照)、光学基材31側からエネルギー35を照射する(図6参照)。
この濡れ性変化層32は、エネルギー35の照射により、濡れ性が変化する層であって、例えば、光触媒作用を有する二酸化チタン等を含む。
ここで、濡れ性とは、濡れ性変化層32表面における水との接触角をいい、この実施例による濡れ性変化層32では、エネルギー35の照射により水との接触角が小さい親水性領域32Aを形成する。また、エネルギー35の照射前は、濡れ性変化層32は、水との接触角が大きい疎水性領域32Bを形成している。なお、後述するインクR,G,Bは、水性インクであるために、親水性領域32Aは親インク性となり、同じく、疎水性領域32Bは撥インク性となる。
光学基材31側からエネルギー35を照射する場合には、遮光層13Cの凸部上面には、エネルギー35が照射されないので、この凸部上面に塗布された濡れ性変化層32は、疎水性領域32Bとなっている。これに対して、遮光層13Cの凸部上面以外(すなわち、遮光層13Cの間であって、以下、開口部という)には、エネルギー35が照射されるので、この開口部に塗布された濡れ性変化層32は、親水性領域32Aとなっている。
図7は、遮光層13Cの間に、インクR,G,Bを吐出する着色工程を示す図である。
次に、赤色、緑色、青色を示すインクR,G,Bをインクジェット記録方式により、遮光層13Cの間に形成されたストライプ状の開口部に吐出して、開口部を着色した。これにより、複数色(ここでは、R、G、B)の画素部33R,33G,33Bを開口部に形成することにより(図中(a)参照)、カラーフィルタ30を製造する。
次に、赤色、緑色、青色を示すインクR,G,Bをインクジェット記録方式により、遮光層13Cの間に形成されたストライプ状の開口部に吐出して、開口部を着色した。これにより、複数色(ここでは、R、G、B)の画素部33R,33G,33Bを開口部に形成することにより(図中(a)参照)、カラーフィルタ30を製造する。
さらに、遮光層13C上に、所望の層(例えば、保護層であるオーバーコート層34:図4参照)を形成する場合には、画素部33R,33G,33B側からエネルギー35Aを照射することにより(図中(b)参照)、濡れ性変化層32の疎水性領域32Bを親水性領域32Aに変化させる。
これにより、カラーフィルタ30の表面にオーバーコート層34等の所望の層を形成する場合に、このオーバーコート層34との密着性を高めることができる(図4参照)。
これにより、カラーフィルタ30の表面にオーバーコート層34等の所望の層を形成する場合に、このオーバーコート層34との密着性を高めることができる(図4参照)。
このように、本実施例のカラーフィルタ30によれば、複数色の画素部33R,33G,33Bを形成するときに、複数色を示すインクR,G,Bが遮光層13C間に吐出された場合に、突状部13cbの曲面13cb1,13cb2により、インクR,G,Bが画素部33R,33G,33Bに滑らかに流れ込むと共に、確実に行き渡るので、複数の画素部33R,33G,33Bに白抜き等の欠損が生じてないようにできる。
また、突状部13cbにインクR,G,Bが吐出された場合であっても、突状部13cbが曲面13cb1,13cb2であるので、インクR,G,Bは、容易に遮光層13C間に落下することができ、隣り合った画素部33R,33G,33Bに混色が生じないようにできる。
したがって、このカラーフィルタ30によれば、良好なコントラスト及び高い解像度を発揮でき、色抜けや混色のない表示品位のより高い表示装置が実現される。
また、突状部13cbにインクR,G,Bが吐出された場合であっても、突状部13cbが曲面13cb1,13cb2であるので、インクR,G,Bは、容易に遮光層13C間に落下することができ、隣り合った画素部33R,33G,33Bに混色が生じないようにできる。
したがって、このカラーフィルタ30によれば、良好なコントラスト及び高い解像度を発揮でき、色抜けや混色のない表示品位のより高い表示装置が実現される。
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)本実施例の遮光層付き光学シート20の遮光層13B,13Cは、カラーフィルタのセパレーションリブや、液晶表示装置のブラックマトリックス(又はブラックストライプ)を例に説明したが、有機EL素子の隔壁(バンク)に利用してもよい。
(2)突状部13cbの曲面形状は、画素部33R,33G,33BにインクR,G,Bが滑らかに流れ込むようにできるのであれば、適宜の曲率半径の曲面部分を有するように、レーザー光Lの出力等の転写条件を調整したり、転写シート10を光学基材21から剥離するときの剥離条件を適宜調整してもよい。
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)本実施例の遮光層付き光学シート20の遮光層13B,13Cは、カラーフィルタのセパレーションリブや、液晶表示装置のブラックマトリックス(又はブラックストライプ)を例に説明したが、有機EL素子の隔壁(バンク)に利用してもよい。
(2)突状部13cbの曲面形状は、画素部33R,33G,33BにインクR,G,Bが滑らかに流れ込むようにできるのであれば、適宜の曲率半径の曲面部分を有するように、レーザー光Lの出力等の転写条件を調整したり、転写シート10を光学基材21から剥離するときの剥離条件を適宜調整してもよい。
10 転写シート
11 転写基材
12 離型層
13 光熱変換転写層
20 遮光層付き光学シート
21 光学基材
13B,13C 遮光層
13ca ストライプ部
13cb 突状部
30 カラーフィルタ
32 濡れ性変化層
33R,33G,33B 画素部
L レーザー光
11 転写基材
12 離型層
13 光熱変換転写層
20 遮光層付き光学シート
21 光学基材
13B,13C 遮光層
13ca ストライプ部
13cb 突状部
30 カラーフィルタ
32 濡れ性変化層
33R,33G,33B 画素部
L レーザー光
Claims (4)
- 透明又は半透明の光学基材と、
前記光学基材上に形成された遮光層とを備え、
前記遮光層は、ライン状に形成されたストライプ部と、前記ストライプ部の片側に所定間隔で形成された突状部とからなり、
前記突状部を前記光学基材上に投影した平面形状は、曲面を有すること、
を特徴とする遮光層付き光学シート。 - 請求項1に記載の遮光層付き光学シートにおいて、
前記突状部を前記光学基材上に投影した平面形状は、略矩形であって、その角部が曲面であること、
を特徴とする遮光層付き光学シート。 - 請求項1又は請求項2に記載の遮光層付き光学シートにおいて、
前記曲面は、曲率半径の異なる曲面部分からなること、
を特徴とする遮光層付き光学シート。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の遮光層付き光学シートと、
前記遮光層付き光学シート上に形成された濡れ性変化層と、
前記濡れ性変化層上に形成された複数色の画素部と、
を備えたカラーフィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003413309A JP2005173219A (ja) | 2003-12-11 | 2003-12-11 | 遮光層付き光学シート及びカラーフィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003413309A JP2005173219A (ja) | 2003-12-11 | 2003-12-11 | 遮光層付き光学シート及びカラーフィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005173219A true JP2005173219A (ja) | 2005-06-30 |
Family
ID=34733480
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003413309A Pending JP2005173219A (ja) | 2003-12-11 | 2003-12-11 | 遮光層付き光学シート及びカラーフィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005173219A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1816039A1 (en) | 2006-02-01 | 2007-08-08 | Alps Electric Co., Ltd. | Keyless entry system |
-
2003
- 2003-12-11 JP JP2003413309A patent/JP2005173219A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1816039A1 (en) | 2006-02-01 | 2007-08-08 | Alps Electric Co., Ltd. | Keyless entry system |
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