JPH10160925A

JPH10160925A - カラーフィルター

Info

Publication number: JPH10160925A
Application number: JP33138196A
Authority: JP
Inventors: Fumitaka Yoshimura; 文孝吉村
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1996-11-28
Filing date: 1996-11-28
Publication date: 1998-06-19

Abstract

(57)【要約】【課題】簡易な製造工程によって、且つ特別の材料を
使用することなく経済的に画素間を隔離するための障壁
を形成することが出来、更に、障壁の剥れや劣化等の問
題を生じることのない優れたカラーフィルターの提供。【解決手段】透明基板の少なくとも一表面に一体的に
形成された微細な窪みパターンを有し、且つ、該窪み部
に少なくとも着色剤が充填されて画素部が形成されてい
ることを特徴とするカラーフィルター。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カラーディスプレ
イやカラービデオカメラ、カラー入力装置等に用いられ
る液晶ディスプレイ用や撮像素子等に用いられるカラー
フィルターに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、カラーフィルターの色パターン
は、フォトレジスト中に顔料を分散させた着色レジスト
を使用した顔料分散法によって形成することが主流とな
っている。しかしながらこの方法は、露光及び現像工程
を伴うフォトリソグラフィプロセスを用いてＲ（赤）Ｇ
（緑）Ｂ（青）の３色のパターンを形成するため、露光
及び現像の工程を３回も繰り返すことが必要で、コスト
高となっていた。このため、透明基材上に各画素を互い
に隔離させるための障壁を形成し、ついでこの障壁で囲
まれた各画素の表面に被染色層を形成し、然る後、各画
素の表面に夫々に対応する色の染色液を選択的に付着さ
せた構造のカラーフィルターが提案されている（特開平
４−８６８０１３号）。又、基板上に障壁を設ける方法
として、遮光性の印刷インクを使用する印刷方式、遮光
性の染料を含む感光性樹脂を用いてパターン形成する方
法、或いは感光性樹脂でパターン形成した後、これを遮
光性の染料で染色する方法等により設けることが開示さ
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、印刷方
式で障壁を設ける方法の場合は、版から障壁パターンを
転写する精度が不十分で、線幅が５０μｍ以下のパター
ンを作成することは困難であり、このように障壁の幅が
広いと、画素部の面積が少なくなり、光透過量が減って
カラーフィルターとして十分な明るさを得ることができ
ない。一方、感光性樹脂を用いたパターン形成により障
壁を設ける方法では、マスクパターン露光及びエッチン
グという高価で面倒な工程が必要となる。上記の印刷方
式による方法や感光性樹脂を使用する方法に用いること
のできる材料は、被染色層の材料と反応したり、被染色
層材料に溶出したりするものは使用できず、材料の選定
上の制約がある。更に、いったん形成された障壁が、後
工程での洗浄や加熱により剥れる等の問題もあった。更
に、その他、クロム等の金属を蒸着することにより障壁
を形成することが考えられるが、この場合は高価な真空
装置が必要となると共に、膜を厚く形成するためには長
い蒸着時間が必要となり、コスト高になるといった問題
がある。

【０００４】従って本願発明の目的は、簡易な製造工程
によって、且つ特別の材料を使用することなく経済的に
障壁を形成することが出来、更に、障壁の剥れや劣化等
の問題を生じることのない優れたカラーフィルターを提
供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、透明基板の
少なくとも一表面に一体的に形成された微細な窪みパタ
ーンを有し、且つ、該窪み部に少なくとも着色剤が充填
されて画素部が形成されていることを特徴とするカラー
フィルターである。上記の構成を有する本発明のカラー
フィルターは、従来例のように基板の上に別材料にて障
壁が形成された構造ではなく、基板の表面を変形させて
基板の一部が障壁とした一体的な構造を有する為、簡易
な方法によって経済的に製造することが出来、且つ、形
成された障壁は、剥れや劣化といった問題を生じない。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明のカラーフィルター
の好ましい実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明す
る。本発明のカラーフィルターは、先ず、透明基板の少
なくとも一表面に一体的に微細な窪みパターンが設けら
れ、該窪み部に着色剤が充填されて画素部が形成されて
いることを特徴とする。本発明で使用する透明基板とし
ては、ガラス、又は、ポリカーボネート樹脂やアクリル
樹脂等からなる透明のプラスチック板が用いられる。本
発明のカラーフィルターにおいては、図１に示す様に、
上記したような材料からなる透明基板の表面に、窪み部
２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄ・・・・・が直接パターン形成
されて、透明基板の少なくとも一表面に、画素部と画素
部との間の障壁が一体的に設けられる構成となってい
る。即ち、本発明のカラーフィルターでは、これらの窪
み部に所望の色の着色剤が含有されているインクが付与
されてこの部分を着色部４、５、６とし、カラーフィル
ターの画素部を形成しているので、例えば、窪み部２ａ
と２ｂとの間には障壁３が形成され、隣接している着色
部４及び５の間の着色剤の混色が防止される。

【０００７】以下、透明基板の表面に微細な窪みパター
ンを形成する方法について説明する。ガラス基板を用い
る場合には、シート状のガラス基板を製造する際に、表
面に所望の凸形状が形成された型を使用することによっ
て容易に得られる。又、透明プラスチック板を基板とし
て用いる場合には、図２に示した様な装置を用いるロー
ル成形法によってプラスチック板を形成することによ
り、容易に得られる。図２中、１１は第１ロール、１３
は第３ロール、１２はロール型であり、ロール型１２の
周囲表面には、図２（ｂ）に示すような凸状パターンが
形成される突起２１を有する板１５が巻き回されてい
る。１４はＴダイであって、この先端から樹脂が押し出
される。押し出された樹脂は、ロール型１２で型押しさ
れて表面に窪み部が形成された後、第３ロールに送られ
る。

【０００８】上記の様な方法で形成される透明基板表面
上の微細な窪みパターンの各窪み部の形状は、ロール型
１２の表面に形成されている突起２１の形状によって、
適宜なものとすることが出来る。例えば、上記の図１に
示した例では、透明基板上に形成される窪み部の断面形
状が長方形であるが、本発明はこれに限定されず、図３
及び４に示した様に、窪み部の断面形状が台形状等の矩
形形状としてもよい。この様にすると、図１の場合より
も成形が容易となる。

【０００９】更に、本発明のカラーフィルターにおいて
は、上記の着色剤を充填させて画素部を形成する為の窪
み部とは別に、例えば、図１に示した隣接する窪み部の
間の障壁３の部分に更に溝５３を透明基板上に一体的に
形成し、該溝５３に黒色の着色剤等の遮光剤を充填する
ことによって、所謂ブラックマトリックスを形成するこ
とが好ましい（図３（ａ）参照）。この結果、各画素間
の遮光が行われ、コントラストの向上を図ることが出来
る。この場合には上記の例に限定されず、図４に示した
様に、画素部が形成されるのと反対側にブラックマトリ
ックス用の溝７３を形成してもよい。この場合に効率の
よい遮光を実現する為に、図３及び図４に示した様に溝
部の断面形状が三角形とすることが好ましい。更に、こ
の際に、成形を容易にするため、溝部の頂点が尖角にな
らずに多少のＲがついた形状とすることが望ましい。

【００１０】本発明のカラーフィルターでは、上記の様
な方法によって形成される透明基板上の微細な窪み部、
或いは溝部に所望の着色剤を充填することが必要となる
が、その場合に、インクジェット記録方法を利用して所
望の着色剤を充填することが好ましい。即ち、インクジ
ェット記録方法によれば、微細な窪み部パターンの所望
の位置に、赤（Ｒ）、緑（Ｇ）及び青（Ｂ）のインクを
夫々正確に付与することが可能である。この際に使用し
得るインクジェット方式としては、例えば、エネルギー
発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェットタ
イプ、或いは、圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ
等の装置が使用が可能である。この際に、複数の微細な
インク吐出口を有するインク吐出ヘッドを使用し、複数
のインク吐出口から夫々ＲＧＢの各インクを吐出させ
て、窪み部を所定のパターンに合わせて同時に着色する
ことも可能である。

【００１１】又、この場合に用いられるインクとして
は、例えば、モノアゾ系、ジスアゾ系、フタロシアニン
系等の染料或いは顔料を色材として用いたＲＧＢのイン
クを、インクジェット用に調製したもの等が挙げられ
る。特に、本発明のカラーフィルターは、ガラス等の透
明基板に直接インクを付与することが必要であり、又、
例えば、液晶ディスプレイに使用した場合には、バック
ライトの光が当てられるので接着性や耐光性等のよいイ
ンクを使用することが好ましい。例えば、有機顔料を分
散剤によって所望のバインダー中に分散させた有機顔料
系のインクを用いることが好ましいが、これに限定され
るものではない。

【００１２】このようなインクの構成例としては、例え
ば、アントラキノン染料、アゾ染料、トリフェニルメタ
ン染料、ポリメチン染料等の染料を、アクリル−シリコ
ーングラフトポリマーを主成分とする自己架橋熱硬化型
樹脂等に分散させ、イソプロピルアルコール、エチレン
グリコール、Ｎ−メチル−２−ピロリドン等の溶剤で溶
解させ、アセチレノール（商品名）等の表面張力調整剤
を添加したもの等が挙げられる。更に、ゼラチン等の水
溶性材料に染料を混合した親水性のインク等も好ましく
利用できる。又、溝部に黒色のインクを充填させてブラ
ックマトリックスを形成する場合には、インク中に黒色
顔料或いはカーボンブラック等の遮光剤を含有させる。

【００１３】

【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明する。実施例１図１は、実施例１のカラーフィルターを示しているが、
図１（ａ）は断面図であり、図１（ｂ）は模式的な斜視
図である。図１において、１はカラーフィルター用基板
であり、その表面には、断面形状が長方形の窪み部２
ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄ・・・・・がパターン状に形成さ
れている。これらの窪みの中には着色剤が充填されて画
素が形成されている。この結果、画素部となる着色剤が
充填された着色部４、５及び６は、窪み部２ａ、２ｂ、
２ｃ、２ｄ・・・・の間に作られる障壁３によって、隣
り合う画素部の混色が防止されている。

【００１４】本実施例のカラーフィルターの基板１の形
成材料は、透明のポリカーボネート樹脂板である。この
基板の表面には、図１（ａ）に示す様な断面形状を有す
る窪み部２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄ・・・が形成されてい
るが、これらの窪み部は、図２に示すようなロール成形
法を用いて形成した。この際、ロール型１２として、ロ
ールの表面上に、図２（ｂ）に示すような７０μｍ×１
６０μｍで高さ１μｍの直方台形状の突起２１が形成さ
れたものを使用した。又、この場合の窪み部の成形条件
としては、Ｔダイ１４の温度を３２５℃、ロール型１２
の表面温度を１４０℃として、樹脂シートの搬送速度４
ｍ／分、樹脂の押し出し量２２ｋｇ／Ｈとなるように調
整しながら成形を行なった。

【００１５】こうして表面に、断面形状が直方形の、深
さ１μｍ、７０μｍ×１６０μｍの大きさの窪み部２を
有する幅１６０ｍｍの連続シートを得た。次いでこれを
必要な長さ寸法に切断して本実施例で使用するカラーフ
ィルター用の透明基板１とした。上記のようにして得ら
れた表面の窪み２に、エネルギー発生素子として電気熱
変換体を用いたバブルジェットタイプのインクジェット
記録方法で、赤、青、緑色のインクを付着させ、その
後、１５０℃に加熱したホットプレート上でインクを乾
燥させて、図１に示した画素４、５、６を有するカラー
フィルターを形成した。上記で使用したインクは、有機
顔料を分散剤によってバインダー中に分散させた有機顔
料系のインクを使用した。得られたカラーフィルターに
ついて顕微鏡で観察したところ、障壁に剥れや劣化がな
く、且つ隣接している各画素間における混色も生じてい
なかった。

【００１６】実施例２図３は、実施例２のカラーフィルターを示す図である
が、図３（ａ）はその断面図、図３（ｂ）は模式的な斜
視図である。本実施例でも、実施例１で使用したと同様
のポリカーボネート板を透明基板として用いたが、窪み
部の断面形状が台形状となる様に形成され、更に、窪み
部の間に、断面形状が三角形の格子状の溝を形成したも
のを用いた。そして、図３に示す様に、カラーフィルタ
ー用の透明基板５１の表面に形成されている矩形状の窪
み部５２ａ、５２ｂ、５２ｃ、５２ｄに、実施例１と同
様にして着色剤を充填して画素部を形成する。更に、本
実施例においては、窪み部の間に形成されている格子状
の溝５３に、インクジェット記録方法によって黒色の着
色剤が含有されているインクを付与して、遮光剤を充填
する。この結果、カラーフィルターの各画像素間の障壁
に剥れや劣化がなく、且つ隣接している画素間の混色が
生じないことに加え、カラーフィルターの各画像素間が
有効に遮光されてコントラストが向上していた。

【００１７】実施例３図４に、実施例３のカラーフィルターを示す。本実施例
においては、実施例２の場合と異なり、カラーフィルタ
ーの各画像素間を遮光するための格子状の溝７３が、画
素部を形成するための矩形状の窪みパターン７２ａ、７
２ｂ、７２ｃが形成されている面とは反対側の面に形成
されているポリカーボネート製の透明基板を用いた。こ
の結果、実施例２と同様に、カラーフィルターの各画像
素間が遮光されてコントラストが向上していた。

【００１８】

【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、従
来のように基板の上に別材料で各画素間を隔てる障壁を
形成するのではなく、基板の表面を変形させて基板と一
体的に障壁が形成されているため、障壁の剥れや劣化等
の問題が解決された優れたカラーフィルターが経済的に
提供される。即ち、本発明によれば、特別の材料を使用
することなく、単に、透明基板の表面に簡易な方法で窪
み部や格子状の溝を形成するだけで優れたカラーフィル
ターが提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のカラーフィルターの一例の構成を示す
図である。

【図２】本発明のカラーフィルターの窪み部又は溝部を
製造する方法の一例の説明図である。

【図３】本発明のカラーフィルターの別の一例の構成を
示す図である。

【図４】本発明のカラーフィルターの別の一例の構成を
示す図である。

【符号の説明】

１、１６、５１、７１：透明基板２、５２、７２：窪み部３：障壁４、５、６：着色部１１：第１ロール１２：ロール型１３：第３ロール１４：Ｔダイ５３、７３：溝部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】透明基板の少なくとも一表面に一体的に
形成された微細な窪みパターンを有し、且つ、該窪み部
に少なくとも着色剤が充填されて画素部が形成されてい
ることを特徴とするカラーフィルター。
【請求項２】微細な窪みパターンの間に、更に、透明
基板の少なくとも一表面に一体的に形成されている格子
状の溝を有し、該溝に少なくとも遮光剤が充填されてブ
ラックマトリクスが形成されている請求項１に記載のカ
ラーフィルター。