JP2005172542A - 音叉型振動子、音叉型振動子の製造方法、および角速度センサ - Google Patents

音叉型振動子、音叉型振動子の製造方法、および角速度センサ Download PDF

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Abstract

【課題】 全体が小型でありながら振動漏れの影響を可及的に低減することができて高い検出精度が得られる音叉型振動子を提供する。
【解決手段】 本発明に係る音叉型振動子1は、付根部9から一対の大脚部10a,10bが並列して突出形成されて親音叉8が構成されるとともに、この親音叉8の各大脚部10a,10bには、この両大脚部10a,10bを含む面に直交する方向において所定間隔を存して互いに対向しかつ大脚部10a,10bよりも短尺の一対の小脚部13c,13d、14c,14dが形成されてそれぞれ子音叉12a,12bが構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、音叉型振動子、その音叉型振動子の製造方法、および角速度センサに関する。
従来、カメラの手振れ補正や車両姿勢検出等に使用される角速度センサのセンサ素子として、例えば図6に示すような音叉型振動子が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
この音叉型振動子50は、分極処理したPZTセラミック材等からなる前後一対の圧電体51,52を一体接合したバイモルフ構造のもので、付根部55から左右一対の脚部56a,56bが並列して突出形成されている。そして、一方の圧電体51の表面にはその中央に左右一対の駆動電極57a,57bが、これらの駆動電極57a,57bを挟むかたちで左右に検出電極57c,57dがそれぞれ形成され、各電極57a〜57dが切込溝58によって電気的に分離されている。
この音叉型振動子50において、付根部55の底面付近を固定した状態で、駆動電極57a,57bに対して外部から駆動信号を印加すると、両脚部56a,56bを含む面(図中X−Z面)内において両脚部56a,56bが図中X軸方向に開閉するように振動する(以下、このような振動を面内振動という)。このように両脚部56a,56bが面内振動をしている状態で、これらの脚部56a,56bの長手方向(図中、Z軸方向)を回転軸とする角速度が加わると、これに伴って生じたコリオリ力によって、両脚部56a,56bを含む面に直交する方向(図中、Y軸方向)において両脚部56a,56bが交互に前後するように振動する(以下、このような振動を面外振動という)。そして、この面外振動の大きさに応じて検出電極57c,57dに生じる出力を取り出すことにより角速度を検出することができる。
ここで、上記の音叉型振動子50において、各脚部56a,56bの面内振動の共振周波数をf01、面外振動の共振周波数をf02、外部から加える駆動信号の周波数をfdとしたとき、予めf01≒fd,f02≒fdになるように設定しておけば、各脚部56a,56bの面内振動が大きくなるばかりか、コリオリ力によって面外振動が発生し易くなるので、十分大きな検出出力を得ることが可能になる。
特開1998−111132号公報
このように、従来の音叉型振動子50においては、各脚部56a,56bの面外振動の共振周波数f02を駆動信号の周波数fdに略一致するように(すなわち、f02≒fdになるように)予め設定しているので、コリオリ力により面外振動が発生し易くなるので大きな検出出力を得ることができる。しかしながら、両脚部56a,56bの面外振動が大きいと、その両脚部56a,56bを支えている付根部55に大きな捩り力が発生し、付根部55の底面付近が完全なノードになり難い。つまり、固定部分から振動漏れが生じることになって検出精度が劣化する。
その対策としては、図7に示すように、脚部56a,56bの長手方向(図中、Z軸方向)に沿った付根部55の寸法Lbを、図6に示した付根部55の寸法Laよりも長くする(Lb>La)ことが考えられる。すなわち、付根部55を長くすると、付根部55の底部付近まで捩り力が達しにくいので振動漏れの影響を低減することができる。
しかしながら、このように付根部55の長さLbを長くすると、これに伴って音叉型振動子の全体形状も大きくなり、角速度センサ等として使用する場合において小型化を図る上での障害となる。
なお、上記の振動漏れの不具合は、コリオリ力によって両脚部56a,56bに大きな面外振動が発生した場合であって、脚部56a,56bに生じる面内振動は、左右対称形の振動になるので、付根部55が比較的短くてもその底部付近には力が伝わりにくく、したがって振動漏れは起こり難いと言える。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、全体が小型でありながら、振動漏れの影響を可及的に低減することができて高い検出精度が得られる音叉型振動子、その音叉型振動子の製造方法、および音叉型振動子を用いた角速度センサを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明に係る音叉型振動子は、共通の付根部から一対の大脚部が並列して突出形成されて親音叉が構成されるとともに、この親音叉の前記各大脚部には、この両大脚部を含む面に直交する方向において所定間隔を存して互いに対向しかつ前記大脚部よりも短尺の一対の小脚部が形成されて子音叉が構成されていることを特徴としている。
請求項2記載の発明に係る音叉型振動子は、請求項1記載の発明の構成において、前記親音叉の大脚部における面内振動と面外振動の共振周波数が異なり、かつ、前記親音叉の大脚部と子音叉の小脚部の各面内振動の共振周波数が略一致するように設定されていることを特徴としている。
請求項3記載の発明に係る音叉型振動子は、請求項1または請求項2記載の発明に係る構成において、一対の大脚部構成要部を有する前方部材と、前記前方部材と同じ外形寸法に形成された一対の大脚部構成要部を有する後方部材とを備え、前記両部材の前後の大脚構成要部同士が互いに重複し、かつ、前後の大脚構成要部の間に前記子音叉の小脚部間の間隙形成用の隙間を存して両部材が一体的に結合されていることを特徴としている。
請求項4記載の発明に係る音叉型振動子の製造方法は、一方表面の略全面にわたって電極が形成された圧電基板と、この圧電基板と略同じ外形寸法を有しかつ一方表面側に子音叉の小脚部間の隙間となるべき段差部が形成されたセラミック基板とを準備し、前記圧電基板の電極非形成面と前記セラミック基板の段差部形成面とが対向するように前記両基板を貼り合わせて接合体を形成し、この接合体を所定ピッチで切断して切出ブロックを得、この切出ブロックに所定ピッチで親音叉の大脚部間の隙間となるべき切欠部を形成した後、この接合体の前記電極形成面に電極分離用の切込溝を形成するとともに当該切出ブロックを切断して音叉型振動子を得ることを特徴としている。
請求項5記載の発明に係る角速度センサは、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の音叉型振動子からなるセンサ素子を備え、このセンサ素子を駆動する駆動信号の周波数は、前記親音叉の大脚部の面内振動の共振周波数と略一致するように設定されており、前記駆動信号で親音叉の大脚部を面内振動させつつ、コリオリ力によって生じる子音叉の小脚部における面内振動の大きさにより角速度を検出するように構成されていることを特徴としている。
請求項1記載の発明の音叉型振動子は、親音叉の大脚部の面内振動と面外振動の共振周波数が異なるため大脚部には殆ど面外振動が起こらない。よって付根部には捩り力が発生しにくい。また、コリオリ力によって生じる振動は子音叉の小脚部の面内振動になるため、付根部に振動が達しにくい。しかも、子音叉の小脚部は親音叉の大脚部よりも短尺になっているため、子音叉の付根部の長さは、実質的に親音叉の付根部の長さよりも長くなるので、親音叉の付根部に振動が達することが一層少なくなる。したがって、振動漏れは殆ど発生しなくなって高い角速度検出精度が得られる。
請求項2記載の発明の音叉型振動子は、親音叉の大脚部における面内振動の共振周波数と子音叉の小脚部における面内振動の共振周波数とが共に駆動信号の駆動周波数に略一致するように設定されているので、請求項1記載の発明の効果に加えて、コリオリ力による子音叉の小脚部における面内振動が大きくなるので、十分大きな検出出力を得ることができる。
請求項3記載の発明の音叉型振動子は、請求項1または請求項2記載の構成において、前方部材と後方部材とを、前後の大脚構成要部同士が互いに重複し、かつ前後の大脚構成要部の間に子音叉の小脚部間の間隙形成用の隙間を存して一体的に結合しているので、簡単な構成でもって親音叉と子音叉が一体化された所要の特性を有する音叉型振動子を得ることができる。
請求項4記載の発明に係る音叉型振動子の製造方法によれば、切断加工と切削加工のみで一度に多数の音叉型振動子を製作できるので、音叉型振動子の製作が容易で、かつ安価に製作することが可能になる。
請求項5記載の発明に係る角速度センサによれば、センサ素子となるべき音叉型振動子において、親音叉の大脚部には面内振動が起こるが面外振動は殆ど起こらず、また、コリオリ力による子音叉の小脚部における面内振動が大きくなるので、振動漏れが殆ど発生しなくなるだけでなく、十分大きな角速度検出出力を得ることができる。このため、高い角速度検出精度を有する角速度センサを得ることが可能になる。
図1は本発明の実施の形態の音叉型振動子の全体構成を示す斜視図である。
この実施の形態の音叉型振動子1は、共に音叉形状に形成された前方部材2と後方部材3とを備え、両部材2,3を重ね合わせて接着剤等で一体的に接合することにより構成されている。上記の前方部材2は、分極処理したPZTセラミック材等からなる前後一対の圧電体2a,2bを一体接合したバイモルフ構造のもので、その一方側の表面にはその中央部分に左右一対の駆動電極4a,4bが、また、これらの両駆動電極4a,4bを挟むかたちで左右に検出電極4c,4dがそれぞれ形成され、各電極4a〜4dが切込溝5によって電気的に分離されている。また、後方部材3は、セラミック材からなり、その左右の各上端部の前方部材2側に面する部分が段差状に切り欠かれており、これによって前方部材2との間に隙間3a,3bが形成されている。
この音叉型振動子1は、全体として見た場合、共通の付根部9から左右一対の大脚部10a,10bが所定の間隔を存して互いに並列して突出形成されて親音叉8が構成されるとともに、この親音叉8の各大脚部10a,10bには、この両大脚部10a,10bを含む面に直交する方向(図中、Y軸方向)において互いに所定の隙間3a,3bを存して互いに対向する一対の小脚部13c,13d、14c,14dが形成されている。この場合、各々の小脚部13c,13d、14c,14dの長手方向(図中、Z軸方向)の長さL22は、各大脚部10a,10bの長手方向の長さL12よりも短尺になるように(L22<L12)設定されている。これによって各大脚部10a,10bには個別に子音叉12a,12bが構成されている。
そして、親音叉8の大脚部10a,10bはX−Z面に沿って面内振動し、子音叉12a,12bの小脚部13c,13dおよび14c,14dはY−Z面に沿って面内振動する。この場合、親音叉8の大脚部10a,10bの面内振動の共振周波数と、子音叉12a,12bの小脚部13c,13dおよび14c,14dの面内振動の共振周波数とは、共に外部から印加される駆動信号の駆動周波数に略一致するように設定されている。
すなわち、親音叉8の大脚部10a,10bにおける面内振動の共振周波数をf01、子音叉12a,12bの小脚部13c,13dおよび14c,14dにおける面内振動の共振周波数をf03、駆動信号の周波数をfdとすると、f01≒fd、f03≒fdになるように設定されている。ただし、親音叉8の大脚部10a,10bにおける面外振動(Y−Z面に沿う振動)の共振周波数f02は、駆動信号の周波数fdと大きく異なるように(つまり、f02<<fd、またはf02>>fdとなるように)設定されている。なお、このような親音叉8や子音叉12a,12bの各面内振動の共振周波数f01,f03は、親音叉8の付根部9の長さL11や各脚部10a,10b、13c,13d,14c,14dの長さや幅、厚さ、さらには材質を適宜選定することにより設定される。
図1に示した構成の音叉型振動子1により角速度を検出するには、例えば図2に示すような検出回路が使用される。
この検出回路20では、自励発振回路21から出力される周波数fdの駆動信号を音叉型振動子1の駆動電極4a,4bに対して印加して、両大脚部10a,10bを面内振動させる。そして、両大脚部10a,10bが面内振動をしている状態で、大脚部10a,10bの長手方向(図1中、Z軸方向)を回転軸とする角速度が加わると、これに伴って生じたコリオリ力が両大脚部10a,10bに、両者を含む面に直交する方向(図中、Y軸方向)に加わる。その際、上述したように、親音叉8の大脚部10a,10bにおける面外振動(Y−Z面に沿う振動)の共振周波数f02は、駆動信号の周波数fdと大きく異なるように設定されているので、親音叉8の大脚部10a,10bは面外振動しない。ところが、このコリオリ力は子音叉12a,12bの小脚部13c,13dおよび14c,14dにも加わり、しかも、その面内振動の共振周波数f03は親音叉8の大脚部10a,10bにおける面内振動の共振周波数f01に略一致させているので、子音叉12a,12bの各小脚部13c,13d、14c,14dが面内振動する。
なお、子音叉12a,12bの2つの小脚部13c,13d、14c,14dに加わるコリオリ力の方向は同じ方向である。また子音叉12bの2つの小脚部14c,14dに加わるコリオリ力の方向も同じである。それにもかかわらず、子音叉12a,12bが開閉の音叉振動をするのは、2つの小脚部13cと13dあるいは14cと14dの付け根部分の構造が対称形になってはいるものの、コリオリ力の加わる方向との関係で見ると非対称になっているからである。
ここで、子音叉12a,12bが面内振動する場合、図3に示すように、2つの振動モードが考えられる。第1は、同図(a)に矢印で示すように、一方の子音叉12aを構成する一対の小脚部13c,13dが開いたときに、他方の子音叉12bを構成する一対の小脚部14c,14dが閉じる、あるいはその逆になるような振動モード(以下、これを逆相振動モードという)である。第2は、同図(b)に矢印で示すように、一方の子音叉12aを構成する一対の小脚部13c,13dが開いたときに、同時に他方の子音叉12bを構成する一対の小脚部14c,14dも開く、あるいはその逆になるような振動モード(以下、これを同相振動モードという)である。そして、子音叉12a,12bの各小脚部13c,13d、14c,14dが同相振動モードで振動するときには、音叉型振動子1の脚部の長手方向(図中、Z軸方向)を回転軸とした場合の回転方向の検出ができず、逆相振動モードのときにのみ回転方向とその角速度の大きさを検出することができる。
実際には、2つの子音叉12a,12bでは各小脚部13c,13d、14c,14dに加わるコリオリ力の方向が逆になる。例えば、子音叉12aに対して小脚部13cから13dに向かう方向にコリオリ力が加わるときには、子音叉12bに対しては小脚部14dから小脚部14cに向かう方向にコリオリ力が加わる。そして、子音叉12aにおけるコリオリ力が加わる側の小脚部13cはバイモルフ構造の圧電体からなり、子音叉12bにおけるコリオリ力が加わる側の小脚部14dは別のセラミック材からなる。そのため、2つの小脚部13c,14dは物理的な特性が微妙に異なり、コリオリ力によって振動のし易さに差が生じる可能性がある。その結果、2つの子音叉12a,12bでは、一方の小脚部が開くように振動しているときには、他方の小脚部が閉じるように振動する。すなわち、逆相振動モードで振動することになる。
したがって、子音叉12a,12bの各小脚部13c,13d、14c,14dが逆相振動モードで面内振動するときの大きさに応じて検出電極4c,4dに生じる出力を個別にI/V変換回路22c,22dで電圧信号に変換し、これらの両出力を差動増幅器23で加算し、その差動増幅した出力を同期検波回路24で同期検波した後、増幅器25で増幅して取り出す。また、各I/V変換回路22c,22dの出力はワイヤードオア回路26で加算された後、自励発振回路21に入力されることにより、音叉型振動子1の駆動電極4a,4bに加わる駆動信号を得るための自励発振ループが構成される。
ここで、音叉型振動子1の親音叉8と子音叉12a,12bの相互の振動動作に着目すると、まず、親音叉8については、大脚部10a,10bの面内振動の共振周波数f01は駆動信号の周波数fdに略一致している(f01≒fd)ので大脚部10a,10bは面内振動をするが、大脚部10a,10bの面外振動の共振周波数f02は、f02<<fd、またはf02>>fdに設定されているので、大脚部10a,10bにはコリオリ力による面外振動が発生しない。このため、付根部9には捩り力が作用しにくい。一方、子音叉12a,12bについては、小脚部13c,13d、14c,14dの面内振動の共振周波数f03は、f03≒fdなので、コリオリ力によって生じる小脚部13c,13d、14c,14dの面内振動が大きくなり、このため十分大きな検出出力を得ることができる。
しかも、この場合、子音叉12a,12bの各小脚部13c,13d、14c,14dは、上記のようにコリオリ力によって面内振動になるため、その付根部9が振動しにくい。また、子音叉12a,12bの各小脚部13c,13d、14c,14dは親音叉8の大脚部10a,10bよりも短尺になっているため(L22<L12)、子音叉12a,12bの付根部分の長さL21は、実質的に親音叉8の付根部分の長さL11よりも長くなっている(L21>L11)。以上のことから、子音叉12a,12bの小脚部13c,13d、14c,14dが面内振動をしても、付根部9にはその振動が殆ど伝わらない。したがって、付根部9は理想に近いノードになって従来のような固定部からの振動漏れが発生しないので、高い角速度検出精度が得られる。
次に、図1に示した構成を有する音叉型振動子1を製造する方法について、図4(a)ないし図4(d)を参照して説明する。
図4(a)に示すように、分極処理したPZT等からなる上下一対の圧電体41a,41bを一体接合してなるバイモルフ構造の平面視長方形の圧電基板41と、この圧電基板41と略同じ外形寸法を有するシリコン材等からなるセラミック基板42とを準備する。この場合、予め、圧電基板41には、その一方表面の略全面にわたって電極43を形成し、また、セラミック基板42には一方表面側の長手方向に直交する方向に沿って子音叉12a,12bの小脚部13c,13dおよび14c,14d間の隙間3a,3bとなるべき凹状の段差部42aを形成しておく。
そして、図4(b)に示すように、圧電基板41の電極非形成面とセラミック基板42の段差部42a形成面とが対向するように両基板41,42を接着剤等により貼り合わせて接合体44を形成する。
次に、この接合体44の長手方向に向かう所定箇所(図4(b)中、二点鎖線で示す位置)を長手方向と直交する方向に沿って順次切断する。すると、図4(c)に示すような切出ブロック45が得られる。
そこで、各々の切出ブロック45の複数枚(例えば2枚)を厚み方向に積み重ね、音叉型振動子1の付根部9になるべき部分を下にして立てる。この状態で、ダイシングソー等を用いて図4(d)に示すように親音叉8の大脚部10a,10b間の隙間となるべき切欠部46を切出ブロック45の長手方向に沿って所定ピッチで形成する。
その後、重ね合わせた各切出ブロック45をばらして一つ一つを横向きにし倒し、電極分離用の切込溝5を切出ブロック45の短手方向に沿って所定ピッチで形成するとともに、この切出ブロック45の長手方向に向かう所定箇所(図4(e)中、二点鎖線で示す位置)を短手方向に沿って順次切断する。これにより、一つの切出ブロック45からは複数(この例では3個)の音叉型振動子1が得られる。
このように、本発明の音叉型振動子の製造方法によれば、切削加工と切断加工のみで多数の音叉型振動子1を一度に製作できるので、音叉型振動子1の製作が容易であり、かつ安価に製作することが可能になる。
なお、上記の製造方法の説明では、セラミック基板42に子音叉12a,12bの小脚部13c,13dおよび14c,14d間の隙間3a,3bとなるべき凹状の段差部42aを形成しているが、その代わりに、平坦なセラミック基板の表面に凸部となる別体のセラミック材を別途張り付けることにより結果的に子音叉12a,12bの小脚部13c,13dおよび14c,14d間の隙間3a,3bとなるべき段差部42aを形成することも可能である。
本発明の音叉型振動子は、図1に示した構成のものに限らず、例えば図5(a),(b)に示すような構成のものであってもよい。
すなわち、同図(a)に示す音叉型振動子は、バイモルフ構造の前方部材2の一方表面には切込溝を設けずに単一の駆動電極4aとこれを挟むように配置された一対の検出電極4c,4dとがスクリーン印刷等によってパターン形成されている。同図(b)に示す音叉型振動子は、電極4a,4c,4dを有するバイモルフ構造の前方部材2とこれと同じ外形寸法を有するセラミック材等からなる後方部材3との間にセラミック材等からなるスペーサ6を介在させてこれらを一体接合して構成されている。さらに、前方部材2あるいは後方部材3は、必ずしもバイモルフ構造のものである必要はなく、ユニモルフ構造のものでもよく、さらには圧電体を多層積層した構造のものであってもよい。このような各構造の音叉型振動子においても、図1に示した音叉型振動子1と同様な作用効果を得ることができる。
本発明は、音叉型振動子1を角速度センサとして適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、加速度センサや慣性センサなどコリオリ力に応じた検出出力を得る必要がある分野に対して広く適用することが可能である。
本発明の実施の形態における音叉型振動子の構成を示す斜視図である。 同音叉型振動子の検出回路を示す回路図である。 同音叉型振動子の振動動作の説明に供する斜視図である。 同音叉型振動子の製造工程の説明に供する斜視図である。 同音叉型振動子の製造工程の説明に供する斜視図である。 同音叉型振動子の製造工程の説明に供する斜視図である。 同音叉型振動子の製造工程の説明に供する斜視図である。 同音叉型振動子の製造工程の説明に供する斜視図である。 本発明の音叉型振動子の他の構成を示す斜視図である。 従来の音叉型振動子の構成を示す斜視図である。 従来の他の音叉型振動子の構成を示す斜視図である。
符号の説明
1 音叉型振動子
2 前方部材
3 後方部材
4a,4b 駆動電極
4c,4d 検出電極
8 親音叉
9 付根部
10a,10b 大脚部
12a,12b 子音叉
13c,13d 小脚部
14c,14d 小脚部
41 圧電基板
42 セラミック基板
42a 段差部
43 電極
44 結合体
45 切出ブロック
46 切欠部

Claims (5)

  1. 付根部から一対の大脚部が並列して突出形成されて親音叉が構成されるとともに、この親音叉の前記各大脚部には、この両大脚部を含む面に直交する方向において所定間隔を存して互いに対向しかつ前記大脚部よりも短尺の一対の小脚部が形成されて子音叉が構成されていることを特徴とする音叉型振動子。
  2. 前記親音叉の大脚部における面内振動と面外振動の共振周波数が異なり、かつ、前記親音叉の大脚部と子音叉の小脚部の各面内振動の共振周波数が略一致するように設定されていることを特徴とする請求項1記載の音叉型振動子。
  3. 一対の大脚部構成要部を有する前方部材と、前記前方部材と同じ外形寸法に形成された一対の大脚部構成要部を有する後方部材とを備え、前記両部材の前後の大脚構成要部同士が互いに重複し、かつ、前後の大脚構成要部の間に前記子音叉の小脚部間の間隙形成用の隙間を存して両部材が一体的に結合されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音叉型振動子。
  4. 一方表面の略全面にわたって電極が形成された圧電基板と、この圧電基板と略同じ外形寸法を有しかつ一方表面側に子音叉の小脚部間の隙間となるべき段差部が形成されたセラミック基板とを準備し、前記圧電基板の電極非形成面と前記セラミック基板の段差部形成面とが対向するように前記両基板を貼り合わせて接合体を形成し、この接合体を所定ピッチで切断して切出ブロックを得、この切出ブロックに所定ピッチで親音叉の大脚部間の隙間となるべき切欠部を形成した後、この接合体の前記電極形成面に電極分離用の切込溝を形成するとともに当該切出ブロックを切断して音叉型振動子を得ることを特徴とする音叉型振動子の製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の音叉型振動子からなるセンサ素子を備え、このセンサ素子を駆動する駆動信号の周波数は、前記親音叉の大脚部の面内振動の共振周波数と略一致するように設定されており、前記駆動信号で親音叉の大脚部を面内振動させつつ、コリオリ力によって生じる子音叉の小脚部における面内振動の大きさにより角速度を検出するように構成されていることを特徴とする角速度センサ。
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