JP2005171412A - 介護用プロテクター - Google Patents

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Abstract

【課題】車椅子の装着部材にひっかかり難く、ほどけ難く、水をこぼしたり雨に濡れたりしてもさらには長期間使用しても外部の汚れが付き難い介護用プロテクターを提供すること。
【解決手段】介護を受ける人が車椅子に乗車又は降車する際に使用する介護用プロテクター1であって、合成樹脂等の非透水性素材からなる表布11と、柔軟性且つ緩衝性を有する素材からなる裏布12とを有し、表布11と裏布12とは平面略逆台形状に表裏一体連結され、肘当て、レッグパイプ、フットプレート等の車椅子の装着部材に当接する介護を受ける人の腕や足の何れかの部位に、平面略逆台形状の上辺長幅側114を上方肘又は膝側とし下辺短幅側115を下方手首又は足首側として巻き付けるとともに、表布11と裏布12の表面に対向配設された雌雄面ファスナー13の係着および解除によって着脱せしめる。
【選択図】図1

Description

本発明は、老人や腕又は足の怪我人などの介護を受ける人が、車椅子の乗車又は降車時に腕や足に巻き付けて着用する介護用プロテクターに関するものである。
特許文献1によれば、図14及び図15に示すごとく、「防錆効果が大幅に向上する車椅子9」が提案されている。
車椅子9は、一般に、図14のに示すごとく「折りたたみ式」の車椅子9と図示はしないが「固定式」の車椅子9とがあり、そして、図15に示すごとく、上記「折りたたみ式」の車椅子9には、図15の(イ)に示すごとく、「背折れ折りたたみノブ付き」の「介助車タイプ」と、図15の(ロ)に示すごとく、「安全ベルト付き」の「介助車タイプ」の車椅子9と、図15の(ハ)に示すごとく、「リクライニング・タイプ」の車椅子9とがある。また、図16に示すごとく、前方ロックレバータイプ(イ)、後方ロックレバータイプ(ロ)及びハンドブレーキタイプ(ロ)を併用するものがある。
上記車椅子9は、図14乃至図16に示すごとく、フットプレート91と、前輪キャスター車輪92と、タイヤ付き大輪93と、車体フレーム94と、座席シート部96と、その両脇きの肘当て95と、背もたれ(ベッドレスト)97と、枕98、ブレーキ又は固定具99とを有する。なお、レッグパイプ911の近傍には、レッグレスト912が装着され、上記ハンドブレーキ99の近傍には、後方ロックレバー991が装着されている。
そして、図15の(ハ)に示すごとく、「リクライニング・タイプ」には、座席シート部96とフットプレート91との間に、折りたたみ式の「ふくらはぎパット」90を有するものがある。また、図14及び図15に示すごとく、前記「フットプレート」91は、「レッグパイプ」911により支承されている。
また、前記「前輪キャスター車輪」92は、キャスターフォーク921により支承されている。しかも、前記「フットプレート」91は、折りたたみ式のものが多く、常時、乗車時には、折りたたまれた状態、即ち収納された状態になっているものが多い。
一方、非特許文献1には、171頁乃至194に、主として綿製品である「寝具類」として、例えば「ふとんカバー」、「敷きぶとんカバー」、「タオルケット」、「シーツ(敷き布)」、「寝巻き」、「枕カバー」、「ふとん代用品」などが記載されている。
そして、上記「綿製品」の特性として、「吸湿性」、「吸水性」、「透湿性」、「保温性」、「汗吸収性」などが記載されている。
そのため、綿製品は、現在、多くの用途に使用されている。
そして、老人や腕又は足を怪我した人などの介護を受ける人は、従来、例えば包帯(図示略)を肘から手首又は膝から足首間等に巻き付けることにより、外傷部や腕又は足の何れかの部位を保護している。
また、介護を受ける人は、腕又は足の何れかの部位に「サポータ」を巻き付けるのが、一般的であった。
特開平11−244335号公報 「繊維・繊維製品」著作者;代表者: 足立 達雄発行所;実業出版株式会社
しかしながら、包帯による腕や足などの外傷部の保護は、包帯が車椅子9のフットプレート91などの装着部材に「ひっかかり易く」、「ほどけ易く」、また「汚れ易い」欠点がある。また、「サポーター」(図示略)は、ゴムひもを布の内部に多数内蔵したものが多く、身体に長時間着用していると締め付けがきつくなる。またその着用部における腕や足の肌の汗の吸収が困難であという問題がある。しかもこれら包帯やサポーターは腕や足に巻き付けたりはかせる作業、或いは解く作業や脱がせる作業が大変でありその着脱に時間がかかる場合が多い。さらには着脱作業の際患部に痛みを伴い易い。
そして特に介護を受ける人が車椅子を使用する場合には、車椅子9の乗車又は降車時において、例えば足首の上部やスネ部等がうっかりと前記車椅子9における「レッグパイプ」911、「フットプレート」91などの装着部材にぶつかって当接部位が痛んだり、或いは足のふくらはぎ部が「ふくらはぎパット」90、「レッグレスト」94に長時間当接し該レッグレスト94等からの反射的な押圧力を受けて痛くなる、或いは当該部位が患部であればなおさら痛い、だんだん痛くなるくなどの問題があった。
一方、腕の場合においても、車椅子9の「肘当て」95やタイヤ付き大輪93等に患部や痩せた老人の腕などが当接すると、「肘当て」にクッション材が備えられている場合であっても痛みを生じるという問題があった。
本発明は、上述の諸問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、車椅子の装着部材にひっかかり難く、ほどけ難く、水をこぼしたり雨に濡れたりしてもさらには長期間使用しても外部の汚れが付き難い介護用プロテクターを提供すること、また腕や足その他の身体の動きが不自由な老人や患者に対しても腕や足への着用および取り外し作業が極めて容易であって瞬時に行うことができ、且つ着脱時、着用時の全体を通して痛みや不必要な着用圧力がなく、しかも腕や足が車椅子の装着部材と当接する場合において、当該車椅子の装着部材から受ける押圧力に起因する腕や足の痛みを減少させることが可能な、簡単且つ安価に形成できる介護用プロテクターを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため、請求項1乃至請求項6に記載された発明を創出するに至ったものである。なお、本発明の内容を具体的に説明するために、実施例1〜3の説明等で使用する図面の符号を用いて、以下詳細に説明する。
まず、請求項1に記載された発明が採った手段は、介護を受ける人7が車椅子9に乗車又は降車する際に使用する介護用プロテクター1であって、合成樹脂等の非透水性素材からなる表布11と、柔軟性且つ緩衝性を有する素材からなる裏布12とを有し、表布11と裏布12とは平面略逆台形状に表裏一体連結され、肘当て95、タイヤ付き大輪93、ふくらはぎパッド90、レッグパイプ911、フットプレート91、レッグレスト94等の車椅子9の装着部材に当接する介護を受ける人7の腕や足71の何れかの部位に、前記平面略逆台形状の上辺長幅側114を上方肘又は膝側とし下辺短幅側115を下方手首又は足首側として巻き付けるとともに、表布11と裏布12の表面に対向配設された雌雄面ファスナー13の係着および解除によって着脱することを特徴とする介護用プロテクター1である。
次に、請求項2に記載された発明が採った手段は、裏布12は、足の肌の汗を吸収することの可能な吸汗性素材であることを特徴とする、請求項1に記載の介護用プロテクター1である。
請求項3が採った手段は、裏布12は、腕の肌の汗を吸収することの可能な吸汗性素材であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の介護用プロテクター1である。
そして、請求項4に記載された発明が採った手段は、裏布12は、ガーゼ素材、包帯素材、タオル素材の何れかであることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の介護用プロテクター1である。
さらに、請求項5に記載された発明が採った手段は、介護を受ける人の肘から手首間又は膝から足首間の部位に巻き付けることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の介護用プロテクター1である。
請求項6が採った手段は、表布11と裏布12との間に、中間布を配設したことを特徴とする、請求項1乃至5の何れか1項に記載の介護用プロテクター1である。
上記のごとく、本発明は、請求項1〜請求項6に記載された本各発明は、下記に示すような諸々の効果を奏するものである。
まず、請求項1に記載された発明によれば、前記表布11と裏布12とは、平面略台形状に表裏一体連結されている。そのため、介護用プロテクター1は、腕や足の何れかの部位に巻き付ける時に、上方肘又は膝側は太く一方下方手首又は足首側は細いというこれら腕や足の形態に沿うように均等に巻き付けることができる。よって、手首や足首側のみを余計に巻き付けなければならない、またその為に当該足首側等の巻き付け部分のみが分厚く不均等に突出し邪魔になる、或いは分厚く突出した部分のみが車椅子9の部材と当接し部分的な押圧による部分的な痛みが生じる等の不都合がない。
そして、介護用プロテクター1を例えば足の何れかの部位に巻き付ければ、車椅子9の乗車又は降車時において、車椅子9の下方の「フットプレート」91、「レッグパイプ」911、「前輪キャスター車輪」92、「キャスターフォーク」921、「クロス金具」912、「ふくらはぎパット」90などの部分に足が直接に当接することがないのは勿論のこと、足は本介護用プロテクター1の裏布12と当接するために、足或いは患部などに感じる痛みは軽減され、或いは無くなる。
一方介護用プロテクター1の表布111は、人合皮革や塩ビレザー等の各種の布で構成されているため、表面が柔らかい従来のゴムを織り込んだサポーターや包帯とは異なり表面素材の一定張力によって1点押圧などの部分的部位における押圧力を広範囲に拡散分散し弱めることとなる。そして上記裏布12の柔軟性能及び緩衝性能と協働して、介護用プロテクター1が装着された腕や足の部位を保護(プロテクト)し外圧からの痛みを遮断し或いは軽減させる。
さらに、介護用プロテクター1の表布11の表面に対向配設された雌雄面ファスナー13(図1〜図3及び図8、図9参照)の係着および解除によって着脱が迅速容易になる。
以上つまりは、本介護用プロテクターによれば、車椅子の装着部材にひっかかり難く、ほどけ難く、また水をこぼしたり雨に濡れたりしてもさらには長期間連続使用しても外部の水や汚れが付き難い。また腕や足その他の身体の動きが不自由な老人や患者に対しても腕や足への着脱作業が極めて容易かつ早く行うことができ、また着用時の痛みや不必要な装着圧力がなく、特には車椅子の装着部材との当接部から受ける押圧力に起因する腕や足の痛みを減少させることが可能となる。また特殊な部材や素材を使用する必要が無いために、安価に製造し提唱することができる。
次に、請求項2に記載された発明によれば、裏布12は足の肌の汗を吸収することが可能な吸汗性素材であるため、例えば夏期シーズンで半ズボンやスカート等をはいた男性や女性の足に直接に巻き付けた場合には、足の肌の汗を吸収を迅速容易に吸収することができる。
更に、請求項3に記載された発明によれば、上記請求項の場合と同様に、裏布12は腕の肌の汗を吸収することが可能な吸汗性素材であるため、例えば半袖シャツの老人や手術後の看護用ノースリーブ衣服を着た患者の腕に直接に巻き付けた場合には、腕の汗が迅速容易に吸収される。さらに下着や寝間着等の薄手の生地を身につけて腕が露出していない場合であっても、生地を通して表出した汗は上記同様に吸収され、汗が車椅子の装着部材等に付着して当該部分での湿った不愉快な感覚が無くなり、車椅子の装着部材等の衛生が保たれる。
更にまた、請求項4に記載された発明によれば、上記裏布12は、ガーゼ素材、包帯素材、タオル素材などの綿(木綿)製品などの何れかの素材であるため、保温性で肌ざわりが良好で汗を十分に吸収する。
そして、請求項5に記載された発明によれば、介護を受ける人7の腕の肘から手首間、又は足の膝から足首間に巻き付ける介護用プロテクター1であるため、介護者が一般的に必要とするこれら腕や足の広汎な範囲における保護が一括して一度になされ、且つ広汎な範囲において、プロテクター1の着脱を一括して一度に、迅速容易に行うことができる。
そして、請求項6に記載された発明によれば、表布11と裏布12との間に、中間布190が配設されているため、クッション性やプロテクター効果が一層向上する。つまり腕又は足の何れかの部位が、車椅子9の乗車又は降車時に各種の車椅子9の装着部材に当接しても、一層痛みを感じることがなく、外傷を受けたり、衝撃に対して十分に保護される。
本発明に係る介護用プロテクター1の最良の形態につき、実施例及び図面を用い、かつ、請求項1〜請求項6に記載された発明と対応させながら、符号を付して具体的に説明する。
まず、図1は、本発明の実施例1に係る介護用プロテクター1を、表布11と裏布12とがともに一面側に顕出するよう略半分に折りたたんだ平面図である。
上記表布11としては、例えばレーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテート、トリアセテート、ナイロン(登録商標)、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニール(レザー)、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどの各種の布類の他に、パイロキシンレザ、ゴム引布、擬皮革、皮革、人工皮革、スパンテックス(高弾性繊維)などの非透水性材料、或いは木綿、絹、麻等の天然素材の表面に例えばポリウレタン樹脂コーティング等を施して防水性や多少の硬質性を付加したものにより構成することができる。
また、表布11は、機械的性能、例えば布の引張り強さ、非透水性材料、伸び、引き裂き強さ、衝撃性、硬軽性、弾性、すべり摩擦性などに優れるものが好適である。さらに「洗たく耐久性」に優れた実用的な布が良い。
上記裏布12としては、例えばガーゼ素材、タオル素材、包帯素材のほかに、寝具シーツ、枕カバー等に用いられるメリヤスなどの綿類により構成することができる。なお、柔軟性且つ緩衝性を付与することが可能なものであれば、主原料を綿(木綿)とした上記例示の布類の糸等との混紡布であっても良い。汗などの水分を吸収し、透湿性、保温性に優れ、かつ肌ざわりの良い布であればどのような布であっても良い。タオルやシーツは、その構成する繊維と密着な関係があり、一般に含気率の大きい布は吸水性が良い。特にニット綿は、伸縮性に富み、よこメリヤスはたてメリヤスよりも更に伸縮性が大きい特徴がある。
また、裏布12は、保健的機能、例えば清潔感、洗たく性、防かび性、防しわ性、撥水性、耐久性などに優れるものであれば一層好ましい。
雌雄面ファスナー13としては、例えばマジックテープ(登録商標)があり、これは図8及び図9に示すごとく、互いに引き掛けられるように「鉤止部材」例えば「開口鉤」1321又は「キノコ型小片」1421に「ループ」1311が係止される。本介護用プロテクター1の一端には雌面ファスナーが他端には雄面ファスナーが設けられており、これらが相互に瞬時に係着し、解除されて本介護用プロテクター1が容易に着脱される。
次に、表裏一体連結部14としては、例えば介護用プロテクター1の周縁部を後述する「各種の縫合手段」(図10の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)参照)により一体連結される。また、図1、図2,図3に示すごとく、例えば斜め縫いによる略菱形状の「キルティング縫い」によっても、表布11と裏布12とは表裏一体連結される。
そして、縫合方法としては、例えば、図10の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)に示すごとく、「本縫い」(イ)「あじろ縫い」(ロ)、「千鳥縫い」、(ハ)、「二重環縫い」(ニ)などがあり、その他に「チェーンステッチ」、「ロックステッチ」、「シームカップリング」などの各種の縫合方法(例えばミシン、ニードリングパンチング使用)を適用することができる。
一方、中間布190としては、例えば図6(イ)、(ロ)、図7(イ)、(ロ)に示すごとく2〜5枚の天然素材の布や、前記例示の人工皮革、塩化ビニル発泡体、ウレタン発泡体、強靱な擬皮革などを用いることができ、柔軟性、屈曲性(ベンディング特性)、緩衝性を増強させるものであることが好ましい。なお必要に応じて耐水性(非透水性)を備えた中間布190とすれば、一層防水性、耐久性が向上する。
これにより、車椅子9の肘宛て95、大輪93、ふくらはぎパット90、フットプレート91、レッグパイプ911、レッグレスト94などが、介護を受ける人の腕や足に当接しても十分な緩衝性を付与することができると共に、老人や怪我人の患部に対する「痛み」を感じさせることを一層緩和したり、完全に防止することも可能となり、さらには介護用プロテクター1の全体における洗たく耐久性を向上せしめる。
介護用プロテクター1の大きさや長さは、請求項5に係る介護用プロテクター1を除き、腕や足に巻き付けて着用できる幅、長さ、大きさがあれば良く特には限定されない。例えば腕や足の付け根から手首又は足首までを広範囲に覆う大きく長いものであっても良く、一方、腕の肘や足の膝部分のみ、或いは足のふくらはぎ部分であって車椅子のレッグレスト912に当接する部分にのみ着用するための狭範囲の短いものであっても良い。
次に図1乃至図13に基づいて、実施例1から実施例3を詳細に説明する。なお本発明に係る介護用プロテクター1はこれら実施例1から実施例3に記載の態様に限られるものではない。発明の本質である「特許請求の範囲」に記載された構成を有する限り、図や実施例を変形し、また改良することができる。
本例の介護用プロテクター1は、足の膝から足首間に巻き付けるための介護用プロテクター1であり、図1〜図3に示すごとく、足において膝部が太く足首側が一般的に細くなっていることに対応して表布11と裏布12とが平面略逆台形状113に縫合されており、上方膝側114と下方足首側115とを有している。そしてこの介護用プロテクター1の周縁部には、表裏一体連結のための装飾的な縁取り部(ポッピング)14を有する縁取り布(シェームビンディング)が設けられている。この介護用プロテクター1は、表布11も裏布12のいずれも、斜め縫いにより菱形を形成した「キルティング」110、120を有する。
そして、本例の介護用プロテクター1は、図6の(イ)に示すごとく、2枚のポリエステル布111、121からなる中間布190を有する。
また、本例の介護用プロテクター1は、図8及び図9の(イ)に示すごとく、上方に「ループ」1311を有し、下方に「開口鉤」1321を有する、いわゆる「マジックテープ」(登録商標)131、132が所定の箇所に装着されている。
また、本例の介護用プロテクター1は、図10の(イ)に示すごとく、断面形状が連結六角形状の「本縫い」と称される、ロックスティックによるミシン縫合形状3を有する。なお、この他に、図10の(ニ)に示すごとく、「二重環縫い」を採用することができる。表布11又は裏布12の縫合部分を更に強固にするためである。
次に、介護を受ける人7が足の膝から下の部位に、本例に係る介護用プロテクター1を着用して車椅子9に乗車する状態の作動を、図11乃至図12の(1)乃至(6)を用いて説明する。
まず、図11の(1)に示すごとく、介護を受ける人7をベッド75の端部に座らせて、或いは寝かせたまま(図示せず)、その足71に本例の介護用プロテクター1を膝から足首間に巻き付けることにより、両手72、72又は両足71、71を保護(プロテクト)する。次に、図11の(2)に示すごとく、ゴム車輪付き大輪93を動かすことにより、上記ベッド75の端部近傍に車椅子9を移動させる。
そして、図11の(3)に示すごとく、介護を受ける人7の背中に介護人8が両手を回し、両手を握り合う。その後、介護人8の片足81を介護を受ける人7の両足71、72の股の間に軽く入れる。更に、図12の(4)に示すごとく、介護人8が介護を受ける人7を軽く抱えて約半回転して、介護を受ける人7を車椅子9の座席シート96の上に乗せる。この時、ロックレバー912などを必ずロック(閉じる)しておくことが肝要である。
この場合において、介護を受ける人7の足71が、うっかりと車椅子9の下方装着部材である例えば「フットプレート」91、「レッグパイプ」911にぶつかるという状態が、またその後は足のふくらはぎ等を「レッグレスト」94、「ふくらはぎパット」90などに当接支持させて足を固定したり、足の疲労を防ぐという状態が発生する。
しかしながら、図12の(5)に示すごとく、介護を受ける人7は両足71、72又は片足に介護用プロテクター1を装着しているため、足71に感じる「痛み」を減少せしめて座席シート部96の上に座らせることができる。また介護用プロテクター1の表面が車椅子9の装着部材に引っかかり解けてしまうという不具合も生じ難い。
そして、図12の(6)及び図13に示すごとく、介護人8は、介護を受ける人7の背中側に両手82、82にまわし、両手82、82の指を軽く絡み合わせた状態で、軽く介護を受ける人7を抱き上げて、座席シート96上を滑らせるようにする。そして、車椅子9の枕97に介護を受ける人8の頭が付くように引き寄せて安静状態を維持させるのである。なお、介護用プロテクター1が腕に装着するためのプロテクター1である場合でも、同様な使用方法、使用状態となる。
したがって、本例によれば、図4及び図5に示すごとく、介護を受ける人7の足71や腕・手72などの部位に車椅子9の装着部材が当接しても「引っかかり」や「痛み」「外傷」の発生を減少させることができ、安全に且つやさしく車椅子9への乗車又は降車をさせることができる。またそのままの状態で介護用プロテクター1を着用し続けても、従来のサポーターと異なり巻き付け具合、締め付け具合は一定であるから、不必要な締め付けは発生せず、快適に使用することができる。
介護を受ける人7の足71の外傷部に介護用プロテクター1を装着した後、車椅子9の「レッグパイプ」991又は「レッグレスト」94に介護用プロテクター1が当接した状態を示す図4及び図5に示す本例の介護用プロテクター1は、実施例1に係る介護用プロテクター1の断面図を図6(イ)の断面図のものに代えて図6の(ロ)の断面図のものにするものである。
この介護用プロテクター1は、図6の(イ)に示すごとく、中央部に不織140とその上下両側にポリウレタン発泡体113、121を有し、裏布11はタオル素材により構成し、表布12は塩化ビニール樹脂レザー(略して「塩ビレザー」という)により構成したものである。
そして、実施例1における雌雄面ファスナー13(図8及び図9(イ)参照)に代えて、図9の(ロ)に示すごとく、上方布131に「ループ」1311を有し、これに対応して下方布142に「キノコ型小片」1421を有する雌雄面ファスナー13(通称「マジックテープ」)により構成したものである。
また、本例は、実施例1における「本縫い」に代えて、図10の(ロ)に示すごとく、「あじろ縫い」4により構成したものである。そして、その他の構成は、実施例1と同様の構成にした。
したがって、本例によれば、腕又は足の何れかの部位1に介護用プロテクター1を巻き付ける態様において、同様の効果を奏するものである。
本例は、表布11を「引き布」とし、他方裏布12は木綿とし、中間布190は、アクリル繊維布とした他は、実施例1又は実施例2と同様の構成とした。
なお、上記実施例1〜実施例3を、比較例である「従来のサポータ」を使用した場合(比較例1)と、「包帯のみ」を使用した場合(比較例2)と諸項目について、対比表を次に示す。
Figure 2005171412
同表には、周縁縫合部(ポッピング)は比較例2を除き「あり」とし、介護を受ける人7即ち使用者は、同表に示すごとく、「老人」、「足外傷者」、「腕外傷者」である。また、介護者(介護人の負担)及び車椅子9の装着部材の当接の有無及びその当接部を比較例を記した。
そして、従来との比較評価の欄には、「着脱時間」、車椅子の乗車又は降車時の「痛み」の有無、足又は腕部の「汗の吸収状態」、「洗濯リサイクル利用性」について、その優劣を主観的評価により比較した。
以上のごとく、本発明によれば、従来の「サポータ」や「包帯」のみに比較して、いずれも優れていることが判明した。
本発明の実施例1に係る介護用プロテクターの略半分を折りたたんだ表布と裏布の両面を示す平面図である。 本発明の実施例1に係る介護用プロテクターの表布面を示す全体平面図である。 本発明の実施例1に係る介護用プロテクターの裏布面を示す全体平面図である。 本発明の実施例2に係る介護用プロテクターの使用状態を示す側面図である。 本発明の実施例2に係る介護用プロテクターの使用状態を示す下方一部斜視図である。 (イ)は、本発明の実施例1に係る介護用プロテクターの一部断面図である。同図の(ロ)は、本発明の実施例2に係る介護用プロテクターの一部断面図である。 (イ)は、本発明の実施例3に係る介護用プロテクターの一部断面図である。同図の(ロ)は、本発明の別態を示す介護用プロテクターの一部断面図である。 本発明において使用される介護用プロテクターの雌雄面ファスナーの斜視図である。 (イ)は、本発明の実施例1において使用される介護用プロテクターの雌雄面ファスナーの側面図である。同図の(ロ)は、本発明の実施例2において使用される介護用プロテクターの雌雄面ファスナーの側面図である。 (イ)は、本発明の実施例1において使用される表布と裏布との縫合状態を示す一部断面図である。同図の(ロ)は、本発明の実施例2において使用される表布と裏布との縫合状態を示す一部断面図である。同図の(ハ)は、本発明の実施例3において使用する表布と裏布との縫合状態を示す一部断面図である。同図の(ニ)は、本発明において使用される「二重環縫い」の側面断面図である。 本発明の実施例1における介護を受ける人に介護用プロテクターを膝から足首間に巻き付けて車椅子に乗せる状態を示す作動図である。 本発明の実施例1における介護を受ける人に介護用プロテクターを膝から足首間に巻き付けて車椅子に乗せる状態を示す作動図である。 本発明の実施例1における介護を受ける人を車椅子の背もたれに引き寄せる状態を示す斜視図である。 (イ)は、従来より使用されている「折りたたみ式の車椅子」の側面斜視図である。同図の(ロ)は、従来より使用されている「固定式の車椅子」の側面斜視図である。 (イ)は、従来より使用されている「背折れ折りたたみ式の介助車の前方斜視図である。同図の(ロ)は、従来より使用されている「ベルト付き背もたれ付きの車椅子」の前方斜視図である。同図の(ニ)は、従来より使用されている「リクライニング・タイプ車椅子」の前方斜視図である。 従来より使用されている「折りたたみ式の車椅子」の使用図である。
符号の説明
1:介護用プロテクター
11:介護用プロテクターの表布
12:介護用プロテクターの裏布
13:介護用プロテクターの雌雄面ファスナー
14:表裏一体連結の縁取り
114:介護用プロテクターの上辺長幅側
115:介護用プロテクターの下辺短幅側
7:介護を受ける人
8:介護する人
9:従来より使用されている車椅子

Claims (6)

  1. 介護を受ける人が車椅子に乗車又は降車する際に使用する介護用プロテクターであって、
    合成樹脂等の非透水性素材からなる表布と、
    柔軟性且つ緩衝性を有する素材からなる裏布とを有し、
    前記表布と裏布とは、平面略逆台形状に表裏一体連結され、
    肘当て、タイヤ付き大輪、ふくらはぎパッド、レッグパイプ、フットプレート、レッグレスト等の車椅子の装着部材に当接する介護を受ける人の腕や足の何れかの部位に、前記平面略逆台形状の上辺長幅側を上方肘又は膝側とし下辺短幅側を下方手首又は足首側として巻き付けるとともに、
    前記表布と裏布の表面に対向配設された雌雄面ファスナーの係着および解除によって着脱することを特徴とする介護用プロテクター。
  2. 裏布は、足の肌の汗を吸収することの可能な吸汗性素材であることを特徴とする請求項1に記載の介護用プロテクター。
  3. 裏布は、腕の肌の汗を吸収することの可能な吸汗性素材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の介護用プロテクター。
  4. 裏布は、ガーゼ素材、包帯素材、タオル素材の何れかであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の介護用プロテクター。
  5. 介護を受ける人の肘から手首間又は膝から足首間の部位に巻き付けることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の介護用プロテクター。
  6. 表布と裏布との間に中間布を配設したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の介護用プロテクター。
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