JP2005170162A - 車両防盗装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】登録ユーザの認証を行って自動車の運転を許可するシステムにおいて、係員による駐車場への移動など一時的に第三者に運転させる必要があるときに、運転免許証等の個人認証媒体を預けずに済むようにする。
【解決手段】車室内に、ICカード読取装置11とエマージェンシー機能設定入力装置12が設けられている。ICカード読取装置11に挿入されるICカード型の運転免許証13には個人識別情報が記録されており、これをコントロールユニット1が登録ユーザのものと照合することで、運転を許可する。登録ユーザがエマージェンシー機能設定入力装置12によりエマージェンシーモードの設定を行うと、不特定の第三者による始動・運転が、所定時間だけ可能となり、係員に駐車場への移動を依頼する場合などに、キーのみを預けて運転させることが可能となる。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両の始動・運転を行える者を特定の登録ユーザに制限するようにした車両防盗装置に関する。
特許文献1には、個人識別情報が記録されたICカード型の運転免許証を車室内の読取装置に挿入した上で、キーボードから暗証番号の入力を求め、これらの情報が、予め登録されている車両所有者の個人識別情報と一致した場合にのみ、エンジンの始動やハンドル操作が可能となるようにした自動車運行許可装置が開示されている。
そして、この特許文献1の装置では、車両所有者が家族や友人に運転を許可する場合を想定して、車両所有者が自分の運転免許証の個人識別情報を入力した上で新規登録モードに切り換えることができるようになっており、この新規登録モードにおいて、運転を許可する家族や友人の必要データを読み込ませて運転者登録をすることにより、以後、登録された家族や友人の運転が、車両所有者と同様に許可されることになる。
特開平8−169304号公報
しかしながら、上記従来の装置では、結局のところ、運転を許可する運転者の全員の個人識別情報を登録する必要があり、例えばホテル等で係員に車両のキーを渡して駐車場まで運転させるような場合には、対応することができない。
そのため、このように一時的に第三者に運転させる必要があるときには、運転許可に必要な個人識別情報が記録された運転免許証等の個人認証媒体を車両のキーとともに一時的に係員に預ける必要が生じ、セキュリティの点で好ましくない。
そこで、この発明は、登録ユーザが必要に応じて不特定の第三者による一時的な運転を許可できるようにしたものである。すなわち、この発明に係る車両防盗装置は、個人識別情報が予め記録された運転免許証等の個人認証媒体から情報を読み取る読取装置と、エマージェンシーモードに移行させる指令を入力するために例えば車室内の運転席周辺に設けられたスイッチないしはキーボード等のエマージェンシー機能設定入力装置と、上記読取装置が読み込んだ個人識別情報を、予め登録された登録ユーザの個人識別情報と照合して、一致した場合にのみエンジンの始動を許可する制御装置と、を備えており、上記制御装置は、登録ユーザにより上記エマージェンシー機能設定入力装置から指令が入力されたときに、エマージェンシーモードとして不特定人による一時的な車両の運転を許可することを特徴としている。
従って、例えばホテル等で係員に車両のキーを渡して駐車場まで運転させるような場合に、正規の登録ユーザが直前にエマージェンシーモードを設定することにより、係員が個人認証媒体を持たずに車両を一時的に運転することが可能となる。
好ましくは、エマージェンシーモードに移行してから車両の運転が検出された後は、イグニッションスイッチのOFFによりエマージェンシーモードが終了するように構成されている。つまり、この場合は、駐車場等の目的地までの1回限りの運転が許可され、イグニッションスイッチOFF後は、第三者による運転が不可能となる。
また好ましくは、上記エマージェンシーモードは所定時間で終了するように構成されている。これにより、車両を貸し渡した登録ユーザの依頼を越えた不当な長時間の運転が防止される。
ここで、所定時間経過時点で車両が走行中の場合は、車両が停止するように燃料カットを実行してからエマージェンシーモードを終了するように構成することが望ましい。すなわち、エマージェンシーモード終了に伴い、例えばエンジンが停止するようにした場合に、高速走行中に急にエンジンが停止することは好ましくない。そこで、車両走行中は、まず燃料カットを実行して車両停止に追い込み、車両停止状態において、エンジンが停止するようにする。
また、好ましくは、エマージェンシーモード中に、登録ユーザの個人識別情報が入力されたときに、エマージェンシーモードを解除するように構成されている。つまり、エマージェンシーモードを設定しても、再び登録ユーザが運転に戻った場合にはエマージェンシーモードが解除されるので、その後の意図せぬ第三者による運転が確実に防止される。
この発明に係る車両防盗装置によれば、免許証等の個人認証媒体により正規の登録ユーザであると認証された運転者が、必要に応じて、不特定の第三者の一時的な運転を許可することができ、例えば、ホテル等の係員に駐車場までの車両の移動を依頼するような場合に、自己の重要な個人認証媒体を貸し渡す必要がなくなり、個人識別情報の盗用などを回避することができる。
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、この発明に係る車両防盗装置のシステム構成を示す説明図であって、この実施例では、車両の運転の許可・禁止を、車両のエンジン(図示せず)の制御によって実現するようにしており、従って、エンジンの燃料噴射や点火等の種々の制御を行うコントロールユニット1が、車両防盗装置の制御装置を兼ねている。換言すれば、マイクロコンピュータ1aを含むエンジン用コントロールユニット1の一部の機能として、車両防盗装置の制御装置の機能が実現されている。このコントロールユニット1には、エンジンの制御を行う上で必要な種々の信号が入力されているが、少なくとも、エンジン回転数信号と、車速信号と、エンジンに接続された変速機がニュートラル状態にあることを示すニュートラル信号と、車両のキースイッチ操作によるイグニッションキースイッチ信号と、が入力されている。そして、このコントロールユニット1は、エンジンの点火装置に対して点火信号を出力するとともに、各気筒の燃料噴射弁に燃料噴射信号を出力している。
車両防盗装置を構成するハードウェアとして、車室内の適宜位置、例えば運転席周辺に、ICカード読取装置11が設けられており、かつこのICカード読取装置11に隣接して、エマージェンシー機能設定入力装置12が設けられている。上記ICカード読取装置11は、個人認証媒体としてのICカード型の運転免許証13が挿入されるカード挿入口を有し、該挿入口から挿入された運転免許証13から情報の読み取りを行うものである。なお、運転者が携行しているICカード等の電子媒体から非接触方式で情報を読み取るように構成することも可能である。
上記運転免許証13には、個人識別情報として、個人を特定するIDコード情報、運転免許の有効期限等の情報、等が記録されている。制御装置となるコントロールユニット1には、予め、当該自動車の所有者ならびにその家族等の許可されたユーザの個人識別情報つまりIDコード情報が記憶されており、ICカード読取装置11から入力された個人識別情報と照合することで、予め登録された登録ユーザであるか否かの判定を行い、後述するように、登録ユーザのみに自動車の運転を許可することになる。また、運転免許証13の有効期限が経過しているような場合には、登録ユーザであっても運転を制限することが可能である。なお、運転免許証13の個人識別情報の一部として、さらに、その運転者が所有する自動車の情報を記録するようにし、コントロールユニット1に予め記憶されている自動車の情報と照合することで、正規の所有者であることをより厳格に判定するように構成することもできる。さらに、運転免許証13に個人識別情報の一部として数桁の暗証番号を記録しておき、ICカード読取装置11に付設したテンキー等の暗証番号入力装置から運転者が入力した暗証番号と照合するようにして、登録ユーザ本人であることをより確実に認証するように構成することもできる。
エマージェンシー機能設定入力装置12は、登録されていない第三者に自動車の運転を依頼する際に、エマージェンシーモードに移行させる指令を入力するためのものであり、例えば単純なスイッチであってもよく、あるいはキーボード等とすることもできる。また、暗証番号入力用のテンキー等と兼用することも可能である。
後述するように、運転免許証13の情報により認証された登録ユーザが、このエマージェンシー機能設定入力装置12によりエマージェンシーモードへの移行を指令すると、限定された短時間の間、不特定の第三者によるエンジンの始動ならびに自動車の運転が可能となる。従って、例えばホテル等で係員に自動車のキーを渡して駐車場まで運転させるような場合に、登録ユーザである運転者が自動車を引き渡す直前にエマージェンシーモードを設定することにより、自己の運転免許証13を預けることなく、係員が自動車を一時的に運転することが可能となる。
次に、図2および図3のフローチャートに基づいて、上記実施例の防盗装置の制御について説明する。
図2は、防盗装置の制御の全体的な流れを示したもので、まずステップ1において、自動車のイグニッションスイッチがONであるか繰り返し判定する。運転者のキースイッチ操作によりイグニッションスイッチがONとなったら、ステップ2へ進み、ICカード読取装置11から入力された個人識別情報に基づいて、運転者が登録ユーザであるか否かを判定する。個人識別情報の照合の結果、登録ユーザであると判定した場合には、ステップ12へ進む。後述するようにエマージェンシーモードに設定されていた場合には、ここでエマージェンシーモードを解除した上で、ステップ13において、エンジンの燃料噴射および点火制御を許可する。これにより、通常のエンジンの始動ならびに運転が可能となる。
一方、照合の結果、登録ユーザでないと判定した場合、あるいは運転免許証13がICカード読取装置11に挿入されていないなどにより登録ユーザであることが認証できない場合には、ステップ2からステップ3へ進む。ステップ3では、運転者によりエマージェンシーモードに設定されているか否かを、設定フラグの状態から判定する。エマージェンシーモードの設定については、図3に基づいて後述する。
ステップ3でエマージェンシーモードでない場合には、許可していない第三者による不正使用であるので、ステップ8へ進み、燃料噴射および点火制御を禁止する。これにより、エンジンは始動できないことになる。
エマージェンシーモードに設定されていた場合には、ステップ4へ進み、エマージェンシー機能タイマによる計時を開始する。そして、ステップ5で、設定時間が経過したかを判定する。この設定時間としては、例えば係員による駐車場までの移動などを想定すると、5分程度で十分である。この設定時間は、常に一定値であっても勿論よいが、エマージェンシー機能設定入力装置12などを利用して、エマージェンシーモードの設定の際に、登録ユーザが許可する時間を任意に指定できるように構成することも可能である。
ステップ5で設定時間内つまり許可された時間内であれば、ステップ6へ進み、自動車が実際に走行したか否かの判定を行う。具体的には、エンジン回転数がアイドリング回転数以上であること、変速機のギア位置がニュートラル以外の位置にあること、0ではない車速を検出したこと、の3条件が同時に成立したときに、自動車が走行したものとみなす。なお、これは一例に過ぎず、他の信号もしくは条件により実際の走行の有無を判定することが可能である。このステップ6により一旦走行が検出された場合には、ステップ7へ進み、イグニッションスイッチがOFFとなったかの判定を行う。走行が一旦検出された後にイグニッションスイッチがOFFとなったら、エマージェンシーモードは終了する。つまり、ステップ8へ進み、燃料噴射および点火制御を禁止する。これにより、それ以後、エンジンを再始動することはできない。
一方、ステップ6で実際の走行が検出されない間、あるいは走行開始してからイグニッションスイッチをOFFとするまでの間、は、前述したエマージェンシー機能タイマによる計時が継続し、ステップ5で、設定時間を越えたか、繰り返し判定する。そして、イグニッションスイッチのOFFによりエマージェンシーモードが終了する前に、設定時間を越えた場合には、ステップ5からステップ9へ進み、車速が0つまり自動車が停止しているか判定する。自動車が停止していれば、エマージェンシーモードを直ちに終了する。つまり、ステップ8へ進み、燃料噴射および点火制御を禁止する。これにより、それ以後、エンジンを再始動することはできない。
一方、設定時間経過時点で自動車が走行中である場合には、急激なエンジンの停止を回避するために、ステップ10で、徐々に車速を低下させるべく適宜な燃料カット回転数および燃料リカバー回転数を設定し、かつステップ11で燃料カットを実行する。そして、ステップ10およびステップ11を、車速が0となるまで繰り返し、燃料カット回転数および燃料リカバー回転数を徐々に低く制限していくことで、強制的に車速を徐々に低下させ、最終的に停車させる。そして、停車した時点で、エマージェンシーモードを終了する。つまりステップ9からステップ8へ進み、上記と同様に、燃料噴射および点火制御を禁止する。これにより、それ以後、エンジンを再始動することはできない。
次に、図3は、エマージェンシーモードの設定を行う処理を示すフローチャートであって、このルーチンは、コントロールユニット1の電源がONである間、繰り返し実行される。ステップ21で、エマージェンシー機能設定入力装置12からの設定信号の入力の有無を判定し、入力がなければ、ステップ25で、設定フラグを「0」とする。エマージェンシー機能設定入力装置12から設定信号が入力された場合は、ステップ22で、登録ユーザの認証がなされているか判定し、登録ユーザでなければ、やはり設定フラグを「0」とする。そして、登録ユーザであった場合には、ステップ23でイグニッションスイッチがOFFであるかの判定で行い、イグニッションスイッチがOFFとなったときに、ステップ24へ進んで設定フラグを「1」に設定する。従って、次回にイグニッションスイッチがONとなったときに、ステップ3で、この設定フラグの状態からエマージェンシーモードの設定がなされているか否か判定することになる。なお、図2のステップ12においてエマージェンシーモードを解除するとき、ならびに、ステップ8においてエマージェンシーモードを終了するときに、設定フラグは「0」にリセットされる。
次に、上記の防盗装置を備えた自動車のいくつかの典型的な使用態様について説明する。
本発明のエマージェンシーモードは、例えば、ホテル等で係員に自動車のキーを渡して駐車場まで運転させるような場合に利用される。この場合、登録ユーザは、運転免許証13を読取装置11に挿入した状態でホテルのエントランスまで自分で運転し、到着後、エマージェンシー機能設定入力装置12によりエマージェンシーモードの設定を行って、イグニッションスイッチをOFFとする。そして、運転免許証13を読取装置11から抜き取り、かつキーを抜き取って自動車を降りた後、キーのみを係員に手渡せばよい。係員は、預かったキーによりイグニッションスイッチをONとし、エンジンを始動させることになるが、このとき、エマージェンシーモードとして不特定人による運転が許可されるので、登録ユーザによる場合と同様に、始動・運転が可能である。
通常は、係員は短時間で駐車場まで自動車を移動させ、イグニッションスイッチをOFFとする。従って、この段階で、エマージェンシーモードが終了し、以後は、第三者による始動・運転は不可能となる。そのため、登録ユーザは係員からキーの返却のみを受ければよく、エマージェンシーモードの解除操作のために自動車の駐車場所まで行く必要はない。また、駐車場にある間、自動車が不正に運転される虞がない。
一方、キーを預かった係員がイグニッションスイッチをONとした後、所定時間(例えば5分)が経過すると、エマージェンシーモードが終了するため、以後は、始動・運転が不可能となる。従って、仮に係員がキーを盗られたような場合でも、逃走の途中で自動車が動かなくなってしまい、自動車の盗難の可能性が非常に低くなる。また、所定時間経過時点が走行の途中であれば、燃料カットにより徐々に車速が制限され、停車せざるを得ない状況となるので、急停車を避けつつ、盗難防止を行うことができる。
また、登録ユーザがエマージェンシーモードに設定してイグニッションスイッチをOFFとした後、第三者に運転させないまま、何らかの都合で登録ユーザが再度イグニッションスイッチをONとした場合には、エマージェンシーモードが自動的に解除される。従って、エマージェンシーモードに設定したことを忘れて自動車が盗難にあってしまう、といったことが確実に防止される。
なお、以上の実施例では、個人認証媒体としてICカード型の運転免許証13を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の形態の電子媒体を利用することが可能である。
この発明に係る防盗装置のシステム構成図。 この防盗装置の全体的な制御の流れを示すフローチャート。 エマージェンシーモードの設定の処理を示すフローチャート。
符号の説明
1…コントロールユニット
11…ICカード読取装置
12…エマージェンシー機能設定入力装置
13…ICカード型運転免許証

Claims (6)

  1. 個人識別情報が予め記録された個人認証媒体から情報を読み取る読取装置と、エマージェンシーモードに移行させる指令を入力するために設けられたエマージェンシー機能設定入力装置と、上記読取装置が読み込んだ個人識別情報を、予め登録された登録ユーザの個人識別情報と照合して、一致した場合にのみエンジンの始動を許可する制御装置と、を備え、
    上記制御装置は、登録ユーザにより上記エマージェンシー機能設定入力装置から指令が入力されたときに、エマージェンシーモードとして不特定人による一時的な車両の運転を許可することを特徴とする車両防盗装置。
  2. エマージェンシーモードに移行してから車両の運転が検出された後は、イグニッションスイッチのOFFによりエマージェンシーモードが終了することを特徴とする請求項1に記載の車両防盗装置。
  3. 上記エマージェンシーモードは所定時間で終了することを特徴とする請求項1または2に記載の車両防盗装置。
  4. 所定時間経過時点で車両が走行中の場合は、車両が停止するように燃料カットを実行してからエマージェンシーモードを終了することを特徴とする請求項3に記載の車両防盗装置。
  5. エマージェンシーモード中に、登録ユーザの個人識別情報が入力されたときに、エマージェンシーモードを解除することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両防盗装置。
  6. 上記エマージェンシー機能設定入力装置は車室内の運転席周辺に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両防盗装置。
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