JP2005168722A - 労務管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 疲労度或いは飲酒状態を正確かつ的確に把握し、労務者の疲労或いは飲酒による交通事故等の重大な事故を未然に回避するとともに、労務の効率的かつ正確な遂行性、更には労務の安全性を確保する。
【解決手段】 任意の労務者Hであることを確認する労務者確認手段Aと、少なくとも労務者Hの疲労度を定量的に測定する疲労度測定手段Bと、疲労度測定手段Bにより測定した疲労度が正常範囲にあるか否かを判定する疲労度判定手段Cを備える。また、他の形態として、任意の労務者Hであることを確認する労務者確認手段Aと、少なくとも労務者Hの吐息からアルコール量を検出するアルコール検出手段Dと、アルコール検出手段Dにより検出したアルコール量から飲酒の有無を判定する飲酒判定手段Eを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 任意の労務者Hであることを確認する労務者確認手段Aと、少なくとも労務者Hの疲労度を定量的に測定する疲労度測定手段Bと、疲労度測定手段Bにより測定した疲労度が正常範囲にあるか否かを判定する疲労度判定手段Cを備える。また、他の形態として、任意の労務者Hであることを確認する労務者確認手段Aと、少なくとも労務者Hの吐息からアルコール量を検出するアルコール検出手段Dと、アルコール検出手段Dにより検出したアルコール量から飲酒の有無を判定する飲酒判定手段Eを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、バスやトラックのドライバー(労務者)等の身体状態を管理する際に用いて好適な労務管理システムに関する。
従来、疲労度を定量的に測定する方法としては、視覚を利用した視覚的方法と聴覚を利用した聴覚的方法が知られている。更に、視覚的方法としては、フリッカー・テスターによるチラッキ融合値を利用する方法が知られているとともに、聴覚的方法としては、音の最小可聴値に関するもの,聴覚マスキング,方向定位及び可聴領域での2音融合弁別判別値を利用した方法などが知られている。
また、このような視覚的方法及び聴覚的方法に代わる新たな測定方法を、既に、本出願人が特開2003−290180号公報により提案した。同公報に開示される疲労度測定方法(疲労度測定装置)は、被測定者に装着することにより被測定者に超音波を知覚させる骨導振動子と、この骨導振動子に対して、低域周波数によりゲート制御した超音波信号を付与し、かつ低域周波数を、予め設定した高い周波数から低い周波数(又は低い周波数から高い周波数)に可変可能な測定装置本体とを備えて構成したものであり、雑音等の外乱要因を受けることなく、疲労度を定量的かつ客観的に測定することができる。
特開2003−290180号
ところで、一般に、労務者の疲労度を含む身体状態を管理することは、労務に係わる安全性を確保する上で極めて重要である。特に、バスやトラック等の運転を業務で行うドライバーに対する正常でない身体状態が見過ごされた場合には、重大な交通事故に直結する虞れがあり、従来より労務者の疲労度を含む身体状態を正確かつ的確に把握できる労務管理システムの実用化が要請されていた。
本発明は、このような従来の要請に応えた労務管理システムの提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、労務者Hの身体状態を管理する労務管理システム1を構成するに際して、任意の労務者Hであることを確認する労務者確認手段Aと、少なくとも任意の労務者Hの疲労度を定量的に測定する疲労度測定手段Bと、疲労度測定手段Bにより測定した疲労度が正常範囲にあるか否かを判定する疲労度判定手段Cを備えることを特徴とする。
また、本発明は、上述した課題を解決するため、労務者Hの身体状態を管理する労務管理システム1を構成するに際して、任意の労務者Hであることを確認する労務者確認手段Aと、少なくとも任意の労務者Hの吐息からアルコール量を検出するアルコール検出手段Dと、アルコール検出手段Dにより検出したアルコール量から飲酒の有無を判定する飲酒判定手段Eを備えることを特徴とする。
このような構成を有する本発明に係る労務管理システム1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 任意の労務者Hの疲労度を定量的かつ客観的に測定することにより、疲労度を正確かつ的確に把握できるため、労務者Hの疲労による交通事故等の重大な事故を未然に回避できるとともに、労務の効率的かつ正確な遂行性、更には労務の安全性を確保することができる。
(2) 任意の労務者Hにおける飲酒の有無を客観的に検出することにより、飲酒状態を的確かつ確実に把握できるため、労務者Hの飲酒による交通事故等の重大な事故を未然に回避できるとともに、労務の効率的かつ正確な遂行性、更には労務の安全性を確保することができる。
本発明に係る労務管理システム1によれば、最良の形態により、労務者確認手段Aには、タイムレコーダ2及び/又は撮像カメラ3を用いる。これにより、任意の労務者H本人であることを容易かつ確実に確認することができる。一方、親機Mpと子機Mcを備え、子機Mcには、少なくとも労務者確認手段Aと疲労度測定手段Bを設け、疲労度測定手段Bにより測定した疲労度に係わる測定データを親機Mpに送信可能に構成することができる。また、他の形態として、子機Mcには、少なくとも労務者確認手段Aとアルコール検出手段Dを設け、アルコール検出手段Dにより検出したアルコール量に係わる検出データを親機Mpに送信可能に構成することができる。これにより、子機Mcは、労務を行う任意の場所、例えば、バスやトラックの運転席等に設置できるため、場所や時間に限定されることなく、任意の労務者Hにおける身体状態を必要に応じて把握することができる。
次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施例に係る労務管理システム1の構成について、図1〜図5を参照して説明する。
図1において、11はデータ処理部であり、CPU及び各種メモリ等を備えるコンピュータユニットを用いる。このデータ処理部11には、タイムレコーダ2を接続する。タイムレコーダ2は、カード挿入口31(図2)に差込まれたタイムカード12に印字する一般的なタイムレコーダ機能を有するとともに、任意の労務者Hであることを確認する労務者確認手段Aとして機能する。このため、タイムカード12には、労務者HのID(識別コード)が、バーコード,磁気記録,ICタグ等により記録されており、タイムレコーダ2は、カード挿入口31(図2)に差込まれたタイムカード12のIDを読取るとともに、読取ったIDデータをデータ処理部11に付与する機能を有する。
一方、データ処理部11は、インタフェース13を介して労務管理室等に設置した管理コンピュータ14に接続する。この場合の接続は社内LAN等を利用することができる。また、データ処理部11は、通信部15を介して外部に設置した子機Mcに接続する。したがって、データ処理部11を備えるシステム側は、親機Mpとして機能する。さらに、データ処理部11には、スイッチ等を含む操作入力部16,撮像カメラ3が接続された映像信号処理部17,骨導振動子19が接続された疲労度測定部18,アルコールセンサ21が接続されたアルコール検出処理部20,マイクロホン23が接続された音声信号処理部22をそれぞれ接続するとともに、スピーカ25及びイヤホン26が接続された音声出力部24を接続する。
この場合、疲労度測定部18及び骨導振動子19は、任意の労務者Hの疲労度を定量的に測定する疲労度測定手段Bを構成するとともに、アルコール検出処理部20及びアルコールセンサ21は、任意の労務者Hの吐息からアルコール量を検出するアルコール検出手段Dを構成する。また、データ処理部11は、疲労度測定手段Bにより測定した疲労度が正常範囲にあるか否かを判定する疲労度判定手段C及びアルコール検出手段Dにより検出したアルコール量から飲酒の有無を判定する飲酒判定手段Eを構成する。さらに、撮像カメラ3は、任意の労務者Hであることを確認する労務者確認手段Aとしても機能する。なお、27は、アルコール検出処理部20の検出結果に対応して電子ロックをかける電子ロック機能部である。また、データ処理部11には、必要により各種オプション、例えば、体温,血圧,脈波等の測定を行うオプション測定部28を接続することができる。
他方、図2には、このような構成を有する労務管理システム1(親機Mp)の外観図を示すとともに、図3には、図2に示す親機Mpと通信可能な子機Mcを示す。図2に示す労務管理システム1において、2は上述したタイムレコーダであり、タイムカード12を差込むカード挿入口31,時間等の表示を行う表示部32,切換スイッチ等を含む操作部33を備える。また、Mpは親機であり、正面パネル34には、案内等の各種表示を行う表示部35,操作入力部16を構成するスイッチ(ボタンスイッチ)36,撮像カメラ3,発光部37,スピーカ25をそれぞれ配設するとともに、ケーブル38を介してヘッドセット39を接続する。
ヘッドセット39は、図3に示す子機Mcのヘッドセット39と同じであり、イヤホン26(図1)を内蔵するヘッドホン部41を備えるとともに、このヘッドホン部41から前方に延出したアーム42を有し、このアーム42の先端に、アルコールセンサ21及びマイクロホン23を一緒に取付ける。また、ヘッドホン部41には、骨導振動子19を取付ける。この場合、骨導振動子19は、図5に示すように、コイルスプリングを用いた弾性支持部43を介してヘッドホン部41に取付ける。これにより、労務者Hがヘッドセット39を頭部Hhに装着すれば、アルコールセンサ21及びマイクロホン23は、労務者Hの口部の前方に位置するとともに、骨導振動子19は、労務者Hの測定部位Hp(図5)に圧接する。このため、ヘッドホン部41における骨導振動子19の取付位置は、骨導振動子19が労務者Hにおける適切な測定部位Hpに圧接するように予め設定する。
図3に示す子機Mcは、基本的に、親機Mpにおける測定系(検出系)と同じ測定系(検出系)を備えている。この場合、必要最小限の測定系(検出系)で足り、親機Mpに一致させる必要はない。実施例に示す子機Mcは、正面パネル59に、労務者確認手段Aとして機能する撮像カメラ3,発光部37,スピーカ25を配設するとともに、ケーブル38を介して接続したヘッドセット39を備えている。したがって、子機Mcには、前述した疲労度測定手段Bを構成する疲労度測定部18及び骨導振動子19を備えるとともに、アルコール検出手段Dを構成するアルコール検出処理部20及びアルコールセンサ21を備えており、疲労度測定手段Bにより測定した疲労度に係わる測定データ及びアルコール検出手段Dにより検出したアルコール量に係わる検出データを、親機Mpに送信することができる。なお、子機Mcは、カメラ付携帯電話機の機能に付属機器を付加することにより構成することができ、親機Mpに対して音声及びデータ(画像データを含む)の双方向通信が可能である。また、子機Mcは、できるだけコンパクトに構成し、例えば、バスやトラックのダッシュボードX等に設置できるように考慮する。このような子機Mcは、複数台用意することができる。よって、子機Mcは、労務を行う任意の場所、例えば、バスやトラックの運転席等に設置できるため、場所や時間に限定されることなく、必要に応じて任意の労務者Hにおける身体状態を把握することができる。
一方、図4には、骨導振動子19の一例を示す。例示の骨導振動子19は、労務者Hに超音波を知覚させる振動ピックアップであり、重り51をチタン酸バリウムの圧電素子52を介してケース53に取り付けた構造を有する。これにより、圧電素子52によるバネと重り51による単一共振が構成され、この共振周波数は超音波周波数領域に設定される。なお、54は固定用スクリュである。
また、疲労度測定部18は、図5に示すように、骨導振動子19に対して、低域周波数によりゲート制御した超音波信号を付与し、かつ低域周波数を、予め設定した高い周波数から低い周波数(又は低い周波数から高い周波数)に自動可変する機能を有するものであり、高周波用発振部55,低域用発振部56,周波数計57及びカウンタ部58を備えて構成する。これにより、発振部55から発振される42.5〔kHz〕の超音波信号は、発振部56から発振される概ね10〜100〔Hz〕の低域周波数foを有する方形波のゲートを通過する。この結果、発振部55からは、断続的な測定信号、即ち、低域周波数foによりゲート制御された超音波信号が得られる。なお、周波数計57は、発振部55から発振される超音波信号の周波数設定に利用する。
次に、本実施例に係る労務管理システム1の使用方法及び動作について、図1〜図5を参照しつつ図6及び図7に示すフローチャートに従って説明する。
今、任意の労務者Hが所定の労務場所に出勤した場合を想定する。まず、労務者Hは、タイムカード12をタイムレコーダ2のカード挿入口31に差込む(ステップS1)。これにより、タイムレコーダ2は、タイムカード12に出勤時刻を印字するなど、一般的なタイムレコーダ機能を実行するとともに、同時に、タイムカード12に記録されたIDを読取り、任意の労務者Hであることを示すIDデータをデータ処理部11に付与する。また、撮像カメラ3により労務者Hを撮像し、画像データとして記憶する。このようなタイムレコーダ2と撮像カメラ3により、任意の労務者H本人であることを容易かつ確実に確認することができる。なお、タイムカード12は、必要な測定(検出)処理が終了するまで、タイムレコーダ2に収容された状態となり、労務者Hがタイムレコーダ2から離れるのを回避する。
一方、データ処理部11により任意の労務者Hであることを確認したなら、以後、必要な測定(検出)処理を実行する。最初に、親機Mpのスピーカ25から労務者Hに対してヘッドセット39の装着を促す旨のメッセージが流れる。これにより、労務者Hは、図3に示すように、頭部Hhにヘッドセット39を装着する(ステップS2)。ヘッドセット39の装着により、労務者Hは、ヘッドセット39におけるヘッドホン部41から必要なメッセージや音を聞くことができる。ヘッドホン部41からは、装着が終了したか否かの確認のためのメッセージが流れるため、労務者Hは、装着を終了し、準備が整ったならスイッチ(ボタンスイッチ)36を押す。
これにより、ヘッドホン部41からは、簡単な問診のためのメッセージ、例えば、「ご自身の所属部署とお名前をお答え下さい」、「体調は如何ですか。良い又は悪いでお答え下さい」等のメッセージが流れる(ステップS3)。一方、労務者Hは、問診のメッセージの内容に応答する(ステップS4)。この結果、労務者Hの応答音声は、マイクロホン23により集音され、増幅処理及びA/D変換処理等を行う音声信号処理部22を介してデータ処理部11に付与される。データ処理部11に付与された音声データ(応答音声)は、必要により記録されるとともに、労務管理室等に設置された管理コンピュータ14にも送信される。したがって、管理者は、労務者Hの応答音声を聞くことができるため、必要により、追加の問診、例えば、体調が悪いとの応答に対して、どのような状態なのか、通常の勤務を行うことができるか否か等の問診を行い、風邪等により眠気が出る可能性がある場合には、他の労務者と勤務を変更などの措置を行うことができる。
また、問診と同時に、労務者Hが応答した際の吐息からアルコールセンサ21によるアルコールの検出を行う(ステップS5)。この場合、アルコールセンサ21の出力は、アルコール検出処理部20に付与され、アルコールの有無が検出される。この際、アルコールが検出されれば、安全性を確保するため、労務者Hによる労務が進行しないように関連する機能に対して電子ロックがかかる(ステップS6,S7)。例えば、後述する子機Mcをバスに設置しているような場合には、バスのエンジンがかからないように電子ロックがかかる。さらに、アルコールが検出されたことにより、管理コンピュータ14側におけるアラームが点灯するため、管理者は、音声によるメッセージを送信し、労務者Hに対して管理室まで来るように促す。これにより、労務者Hに対する詳細な再検査を行うなどの異常処理を実行する(ステップS13)。なお、タイムカード12には、その旨が印字され、カード挿入口31から排出される。
一方、アルコールが検出されない場合は、疲労度の測定処理を行う(ステップS8)。ヘッドセット39の装着により、骨導振動子19が労務者Hにおける測定部位Hpに圧接するため、この骨導振動子19と疲労度測定部18により疲労度の測定を行うことができる。実施例は、特開2003−290180号公報に開示される疲労度測定方法により測定する場合を例示する。
図5において、疲労度測定部18における発振部56の低域周波数foは、100〔Hz〕に設定されており、測定開始により、低域周波数foは、100〔Hz〕から徐々に低下する。即ち、低域周波数foは、予め設定した高い周波数から低い周波数に徐々に自動で変化する。この際、労務者Hは、初期段階で連続音として知覚できるが、ある時点で連続音から断続音に知覚できるため、この時点でスイッチ36を押す。これにより、この時点の低域周波数foがカウンタ部58により読取られる。この低域周波数foが第一判別値Dodとなる。次いで、低域周波数foが、10〔Hz〕に設定され、低域周波数foは、10〔Hz〕から徐々に上昇する。即ち、低域周波数foは、予め設定した低い周波数から高い周波数に徐々に自動で変化する。この際、労務者Hは、初期段階で断続音として知覚できるが、ある時点で断続音から連続音に知覚できるため、この時点でスイッチ36を押す。これにより、この時点の低域周波数foがカウンタ部58により読取られる。この低域周波数foが第二判別値Douとなる。
そして、疲労度測定部18では、(Dod+Dou)/2から疲労度を定量的に表す測定データDoを求める。この場合、測定データDoは、基本的に、低域周波数foを、高い周波数から低い周波数に、或いは低い周波数から高い周波数にいずれか一方に変化させる測定により求められるため、いずれか一方の測定であってもよいし、或いは複数回行った平均を求めてもよい。この測定データDoは、小さい値になるに従って疲労度の度合は大きくなる。
なお、疲労度の測定は、前述した他の公知の測定方法、即ち、視覚的方法となるフリッカー・テスターによるチラッキ融合値を利用する方法、或いは聴覚的方法となる音の最小可聴値に関するもの,聴覚マスキング,方向定位及び可聴領域での2音融合弁別判別値を利用した方法などを用いることもできる。この場合、視覚的方法による測定は、主に光を利用するため、親機Mp及び子機Mcに設けた発光部37を利用することができるとともに、聴覚的方法による測定は、ヘッドセット39におけるヘッドホン部41を利用することができる。また、これらの各種測定方法の二つ以上を併用してもよく、これにより、測定の信頼性をより高めることができる。
一方、測定データDoが得られたなら、データ処理部11は、登録されている基準データDsと測定データDoを照合処理する(ステップS9,S10)。即ち、データ処理部11には、予め、各個人毎のモニタレベルとなる基準データDsが登録されているため、測定データDo(疲労度)が正常範囲にあるか否か、具体的には、測定データDoが基準データDs以上デあるか否かを判定する。この場合、測定データDoが基準データDs以上であれば、正常状態と判定し、測定データDoが基準データDs未満であれば、異常状態と判定する。
この基準データDsの登録方法について、図7を参照して説明する。まず、労務者Hが出勤する毎に、上述した疲労度に係わる測定データDoの採取を行う(ステップS21)。そして、採取した測定データDoは、サンプルデータDxとして一時記憶する(ステップS22)。この後、サンプルデータDxのサンプル数が設定数に達したなら、サンプルデータDxの平均値Nを求めるとともに、この平均値Nに余裕度nを付加することにより、基準データDs=N+nを求める(ステップS23,S24)。そして、得られた基準データDs(=N+n)を登録する(ステップS25)。これにより、登録した基準データDsが、上述した疲労度の測定処理に用いられる(ステップS26)。なお、更新条件の発生、例えば、勤務形態が昼間便から夜行便に変更になったり、登録してから一定期間が過ぎたなどの更新条件が発生した際には、同様の処理を実行することにより基準データDsの再登録(更新)を行う(ステップS27)。
他方、測定データDoと基準データDsの照合処理結果において、正常状態と判定した場合には正常処理を行う(ステップS11,S12)。正常処理としては、表示部35に正常の表示を行なうとともに、タイムカード12に正常である旨を印字し、カード挿入口31からタイムカード12を排出するなどの処理を行う。これに対して、異常状態(過労状態)と判定した場合には異常処理を行う(ステップS11,S13)。異常処理としては、前述したように、管理コンピュータ14側におけるアラームが点灯するため、管理者は、音声によるメッセージを送信し、労務者Hに対して管理室まで来るように促す。これにより、詳細な問診や再測定を行うなどの処理を行う。なお、タイムカード12には、その旨が印字され、カード挿入口31から排出される。
ところで、労務者Hが、バスやトラックのドライバーの場合には、親機Mpが設置された勤務場所に出勤しない場合も少なくないため、この場合には、子機Mcを使用する。子機Mcは、ドライバーが運転席に座った状態で測定(検出)処理を行うことができる。また、予め業務場所(移動経路)が分かっているため、業務開始前或いは業務途中におけるサービスエリア等での休憩時間に測定(検出)処理を行うことができる。子機Mcの場合も基本的には、親機Mpの場合と同じであり、撮像カメラ3により労務者Hであることの確認を行うことができるとともに、ヘッドセット39を用いて各種測定(検出)を行うことができる。
このような本実施例に係る労務管理システム1によれば、任意の労務者Hの疲労度を定量的かつ客観的に測定することにより、疲労度を正確かつ的確に把握できるため、労務者Hの疲労による交通事故等の重大な事故を未然に回避できるとともに、労務の効率的かつ正確な遂行性、更には労務の安全性を確保することができる。また、任意の労務者Hにおける飲酒の有無を客観的に検出することにより、飲酒状態を的確かつ確実に把握できるため、労務者Hの飲酒による交通事故等の重大な事故を未然に回避できるとともに、労務の効率的かつ正確な遂行性、更には労務の安全性を確保することができる。
しかも、労務者確認手段Aには、タイムレコーダ2又は撮像カメラ3の一方、或いはタイムレコーダ2及び撮像カメラ3の双方を用いるため、任意の労務者H本人であることを容易かつ確実に確認することができる。また、親機Mpと子機Mcを用いるため、子機Mcは、労務を行う任意の場所、例えば、バスやトラックの運転席等に設置でき、場所や時間に限定されることなく、必要に応じて任意の労務者Hにおける身体状態を把握することができる。
以上、実施例について詳細に説明したが、本発明は、このような実施例に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、実施例は、任意の労務者Hの疲労度を定量的に測定する疲労度測定手段Bと疲労度測定手段Bにより測定した疲労度が正常範囲にあるか否かを判定する疲労度判定手段Cを備える第一形態と、任意の労務者Hの吐息からアルコール量を検出するアルコール検出手段Dとアルコール検出手段Dにより検出したアルコール量から飲酒の有無を判定する飲酒判定手段Eを備える第二形態の双方を用いた場合を示したが、いずれか一方の形態のみであってもよい。また、用途としては、バスやトラックのドライバー(労務者)に対する管理に好適であるが、船舶の船員や飛行機のパイロット等の各種乗務員をはじめ、特に、安全性や正確な業務遂行性等が問われる各種業務に用いることができる。さらに、このような労務管理システム1を設置することにより、飲酒を控える等の労務者Hに対する予防効果も期待できる。
1 労務管理システム
2 タイムレコーダ
3 撮像カメラ
A 労務者確認手段
B 疲労度測定手段
C 疲労度判定手段
D アルコール検出手段
E 飲酒判定手段
H 労務者
Mp 親機
Mc 子機
2 タイムレコーダ
3 撮像カメラ
A 労務者確認手段
B 疲労度測定手段
C 疲労度判定手段
D アルコール検出手段
E 飲酒判定手段
H 労務者
Mp 親機
Mc 子機
Claims (6)
- 労務者の身体状態を管理する労務管理システムにおいて、任意の労務者であることを確認する労務者確認手段と、少なくとも前記任意の労務者の疲労度を定量的に測定する疲労度測定手段と、前記疲労度測定手段により測定した疲労度が正常範囲にあるか否かを判定する疲労度判定手段を備えることを特徴とする労務管理システム。
- 前記労務者確認手段は、タイムレコーダ及び/又は撮像カメラを用いることを特徴とする請求項1記載の労務管理システム。
- 親機と子機を備え、前記子機に少なくとも前記労務者確認手段と前記疲労度測定手段を設け、前記疲労度測定手段により測定した疲労度に係わる測定データを、前記親機に送信可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の労務管理システム。
- 労務者の身体状態を管理する労務管理システムにおいて、任意の労務者であることを確認する労務者確認手段と、少なくとも前記任意の労務者の吐息からアルコール量を検出するアルコール検出手段と、前記アルコール検出手段により検出したアルコール量から飲酒の有無を判定する飲酒判定手段を備えることを特徴とする労務管理システム。
- 前記労務者確認手段は、タイムレコーダ及び/又は撮像カメラを用いることを特徴とする請求項4記載の労務管理システム。
- 親機と子機を備え、前記子機に少なくとも前記労務者確認手段と前記アルコール検出手段を設け、前記アルコール検出手段により検出したアルコール量に係わる検出データを、前記親機に送信可能に構成したことを特徴とする請求項4記載の労務管理システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003411641A JP2005168722A (ja) | 2003-12-10 | 2003-12-10 | 労務管理システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-12-10 JP JP2003411641A patent/JP2005168722A/ja active Pending
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