JP2005168476A - パーム油を含有する油中水型微細乳化油脂組成物及びその物性安定化法 - Google Patents

パーム油を含有する油中水型微細乳化油脂組成物及びその物性安定化法 Download PDF

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Hirobumi Kato
博文 加登
Shigeru Shoji
茂 東海林
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Abstract

【課題】パーム油を高度に含有する油中水型乳化油脂組成物において、油脂のエステル交換や添加物を加えず、また、大がかりな設備投資を必要とせずに品質的な物性の安定性を長期間にわたり向上させる方法を提供する。
【解決手段】物性劣化を生じやすいパーム油を含有する油中水型乳化油脂組成物を乳化時に高圧処理乳化機により微細乳化した後、冷却混和することで、冷却中の油脂の結晶化が促進され、保存中の固さ変化や結晶粗大化が抑制される。
【選択図】なし

Description

本発明は、物性劣化を生じやすいパーム油を含有する油脂配合において、乳化時に機械的に微細乳化することにより保存中の物性を長期安定化した油中水型微細乳化油脂組成物及び冷却晶析を促進させることを特徴とするその物性安定化法に関する。
パーム油及びその軟質油はパルミチン酸を主体とした様々な分子種を含み、他の油脂にない特有の結晶性を有する。そのため、これらパーム油を含む油脂またはその油中水型乳化組成物の冷却晶析後に結晶が徐々に変化し、物性が経時的に劣化する欠点がある。物性劣化としては、保存中に油脂の固さが変化し、伸展性やクリーミング性が極端に低下したりする。また、結晶が粗大化して粒状化、いわゆるグレーニングを生じ、ざらつきや口溶けを悪くして製品の商品価値が悪くなる現象がある。
パーム油の改質手段としては、分別、硬化、エステル交換などの公知の方法が挙げられる。また、結晶調整作用のある中鎖脂肪酸や乳化剤などの添加物を加える方法(例えば、特許文献1参照)があるが、比較的高温では長期間物性を安定化しにくい欠点がある。さらに組合せの手段として、ジグリセライド含有油脂組成物の製造方法、およびこれを用いてなる油脂組成物では、モノグリセライドとのエステル交換によりパーム油脂組成物中のジグリセライド含量を増やして、結晶性を改善する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
その他に、油脂加工食品の長期安定化法及び油脂加工食品(特許文献3参照)では、パーム系などの油脂又はそのエマルジョンを冷却中に加圧晶析して、物性を安定化する方法があるが、冷却管を高圧仕様にするなど特別な装置を必要とするものである。
特開2000−262213号公報 特開2000−345189号公報 特開2001−252016号公報
パーム油は天然油脂の中では安価で供給が安定しているため、利用価値の高い油脂である。しかしながら、その結晶性の悪さからパーム油を高度に含有する油脂において、単純な配合及び製法では製品化しにくい欠点があった。油脂加工製品の主流である油中水型乳化油脂組成物は、マーガリン、ファットスプレッドの分類からなり、製菓製パンの生地練り込み用途以外にバタークリーム用途、表面に直接塗布するスプレッド用途として広く利用される。これらの油中水型乳化油脂組成物に必要な特性は、適度な伸展性と口溶けを有しながら、結晶性が変化しないことが要求される。
本発明では、パーム油を含有する油中水型乳化油脂組成物において油脂のエステル交換や添加物を加えず、また、大がかりな設備投資を必要とせずに物性の安定性を向上させる課題がある。
本発明者らは、パーム油を含有した油中水型乳化油脂組成物の物性改質について鋭意検討した結果、高温乳化時の圧力処理が冷却中のパーム油の結晶化に大きな影響を及ぼすことを見出し、パーム油を含有する油中水型乳化油脂組成物の微細乳化により冷却晶析が促進され、物性が長期安定化できる知見を得て、本発明の完成に至った。
物性劣化を生じやすいパーム油を含有する油中水型乳化油脂組成物において、乳化時に高圧処理乳化機を使用した微細乳化により冷却晶析を促進させ、保存中の物性を長期安定化する効果がある。また、本発明ではパーム油のエステル交換や結晶調整剤などの添加物を加えず、特別な設備投資を必要としない利点がある。
本発明で用いられる油脂は、パーム油を高度に含有する油脂に対して効果的であるが、パーム油に限定せず、その他の植物油脂、動物油脂、乳脂などの天然油脂及びこれらの油脂の硬化油、分別油、エステル交換油などを混合使用できる。
本発明の油中水型微細乳化油脂組成物の配合比率は、水系部の乳化が可能であれば特に限定されないが、およそ油脂を含む油系部が25重量%以上、水系部が75重量%未満の範囲である。一般に、水系部が高配合になれば乳化が微細化され、圧力処理による物性改質の効果が出にくい傾向にある。
本発明の油中水型微細乳化油脂組成物では、乳化安定の目的で油系部に乳化剤を使用するが、必要以上に添加すると、それ自身が結晶核となり油脂の結晶化に影響を及ぼす。一般に、乳化剤を構成する脂肪酸が飽和系では油脂結晶化の促進、また不飽和系では油脂結晶化の抑制に働く。
本発明の微細乳化とは、油中水型乳化油脂組成物の高温乳化時に高圧処理乳化機を使用して、油中水型乳化油脂組成物中の水系部を微細化することである。高圧処理乳化機の圧力条件は乳化温度60℃で10MPa以上、好ましくは30MPa以上必要である。なお、水系部のサイズは通常の油中水型乳化油脂組成物では顕微鏡下で数μmから10μm程度であるが、微細乳化した油中水型微細乳化油脂組成物では平均粒径で数μmと均一に細かくなる。水系部が微細化されると、乳化界面の表面積が増加し、冷却中のパーム油の結晶化、特に核形成の促進に影響すると考えられる。
本発明で用いられる高圧処理乳化機は、圧力処理により油中水型油脂組成物中の水系部の乳化を微細化するもので特に限定されないが、例えば高圧ホモゲナイザー、ナノマイザー、ハーモナイザー又はマイクロフルイダイザーなどの乳化装置を単独またはアジテーター、ホモミキサーと併用して使用することができる。
本発明の油中水型微細乳化油脂組成物は、油系部と水系部を各々加温溶解した後、アジテーターまたはホモミキサーにて予備乳化後、直ちに高圧処理乳化機にて微細乳化し、所定温度まで急冷混和して得られる。なお、油中水型微細乳化油脂組成物を殺菌する場合は、水系部のみを殺菌して油系部と微細乳化するか、予備乳化した油中水型油脂組成物を殺菌後に微細乳化する必要がある。
実施例1〜4、比較例1
以下、実施例及び比較例を挙げながら、本発明を具体的に説明する。なお、以下の記載中、「%」、「部」は全て「重量%」、「重量部」を示す。
パーム油20%、パーム軟質油65%、ナタネ油15%配合の油脂83.9部、レシチン0.1部からなる油系部に水15部、食塩1部からなる水系部を60℃でホモミキサー予備乳化後、ナノマイザー(吉田機械社製)を使用した各種圧力処理により微細乳化した後、15℃まで冷却混和して油中水型微細乳化油脂組成物(実施例1〜4)を各々調製した。また、比較例1に用いる油中水型乳化油脂組成物は、乳化時の圧力処理なし以外は実施例と同様に油中水型乳化油脂組成物(比較例1)を調製した。
実施例1〜4及び比較例1で得られた油中水型乳化油脂組成物を25℃で一晩熟成した後、18℃で1ヶ月間保存し、保存期間中の固さの変化と1ケ月後のグレーニングの有無を確認した。なお、固さ(単位:g)は、15℃条件下でテキスチャーアナライザー(Stable Micro Systems)を使用した円柱による圧縮試験により最大応力を測定した。また、グレーニングの有無は粒状化を目視観察した。その結果を表1に示した。
Figure 2005168476
実施例1〜4で得られた油中水型微細乳化油脂組成物では、いずれも圧力処理により保存開始時(0ヶ月)の固さが比較例1の無処理よりも増加し、保存期間中グレーニングを生じなかった。これに対して、比較例1で得られた油中水型乳化油脂組成物では、保存1ヶ月で粗大なグレーニングを生じ、固さが低下した。
さらに、実施例3及び比較例1について保存開始時の各油中水型乳化油脂組成物のX線回折分析(リガク社製)を0℃保持条件下で行い、その結果をそれぞれ図1,2に示した。その回折パターンから、比較例1ではα型とβプライム型であったが、実施例3ではβプライム型とβプライム3型が確認された。
実施例3で得た油中水型乳化組成物のX線回析図 比較例1で得た油中水型乳化組成物のX線回析図

Claims (2)

  1. 微細乳化により物性を安定化したパーム油含有の油中水型微細乳化油脂組成物。
  2. 微細乳化により冷却晶析を促進させることを特徴とする油中水型微細乳化油脂組成物の物性安定化法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012522737A (ja) * 2009-04-03 2012-09-27 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 満腹誘発組成物

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