図1は、本発明の実施の形態に係る画像読取装置であるコピー・ファクシミリ複合機100の上部の断面を示す図である。図に示すように、該コピー・ファクシミリ複合機100は、FBSとしての機能を有する読取載置台(装置本体)101と、自動原稿搬送機構としてADF1を装備し、図2に示すように、読取載置台101の上面に対してヒンジ部材90を介して開閉可能に設けられた原稿押圧板102とからなるものである。前記読取載置台101は、図1に示すように、略直方体の筐体10の上面に、FBSにて原稿を読取る際の原稿読取面であるプラテンガラス11と、ADF1にて原稿の表面を読取る際の原稿読取面であるプラテンガラス12とが設けられ、筐体10内には原稿の画像を読取るCCD読取ユニット13(画像読取手段)が内蔵されている。
前記コピー・ファクシミリ複合機100を用いてFBSにて原稿を読取るには、原稿押圧板102を開き、読取載置台101のプラテンガラス11上に文書等の原稿を載置して原稿押圧板102を閉じ、該原稿に対してCCD読取ユニット13を走査して画像読取りを行う。一方、ADF1にて原稿の表面を読取るには、ADF1により1枚ずつ搬送された原稿が、読取位置P1において読取載置台101のプラテンガラス12上を通過する際に、該プラテンガラス12の下方に移動したCCD読取ユニット13で画像読取りを行う。
図2に示すように、前記読取載置台101は、原稿の読取り開始等を入力するための操作パネル103や、原稿押圧板102が読取載置台101の上面に接触しているか否かに基づき原稿押圧板102の開閉状態を感知する接触センサである開閉センサ104を具備している。なお、この開閉センサ104は原稿押圧板102に具備してあってもよく、また、原稿押圧板102に設けるマグネットの磁気を検出する磁気センサであってもよい。また、コピー・ファクシミリ複合機100には、図示しないが、更に、記録用紙に画像を記録する画像記録部、画像を電送するための送信部、及び読取った画像を記録するための記録用紙を供給する給紙カセット等の周知の構成をも具備しており、また、これら周知の構成は一例且つ任意のものである。
CCD読取ユニット13は、読取位置へ光を照射する光源と、原稿からの反射光を所定の方向へ導くための複数の反射ミラーと、反射光を収束する集光レンズ14と、該収束光を電気信号に変換して出力する電荷結合素子(Charge Coupled Device、以下「CCD」という。)15とを備える所謂縮小光学系の読取ユニットであり、光源と一部の反射ミラーは、駆動機構によりプラテンガラス11に対して水平に往復移動する走査部16に配設されている。このように構成されたCCD読取ユニット13は、FBSにて原稿を読取るときには、走査部16がプラテンガラス11に対して水平に移動しながらプラテンガラス11上の原稿を走査し、該原稿からの反射光をCCD15へ導いて結像する。また、ADF1にて原稿を読取るときには、走査部16がプラテンガラス12の下方へ移動して、ADF1により読取位置P1を通過する原稿の画像を走査し、該原稿からの反射光をCCD15へ導いて結像する。なお、図には示していないが、CCD読取ユニット13により読取られて電気信号に変換された画像信号は、アナログ/デジタル変換、シェーディング処理等が施された後、プリンタ等の画像記録部により記録用紙に記録され、又はCODEC等の送信部により電送される。
前記原稿押圧板102は、図2に示すように、ヒンジ部材90等により読取載置台101の上面に対して開閉可能に設けられており、図3に示すように、本体フレーム102aと該本体フレーム102aに対して開閉可能なADFカバー102bとにより形成された空間内に前記ADF1が装備されている。
前記ADF1は、複数枚の原稿を積重状態で担持し原稿の供給部である原稿トレイ2と、横向き略U字状の搬送路3と、搬送後の原稿を積重状態で担持し原稿の排出部である排紙トレイ4と、原稿トレイ2上の原稿を搬送路3へ送り込む給紙ローラ5と、搬送路3において原稿をニップして搬送する搬送ローラ6a〜6d及び従動ローラ7a〜7dと、搬送路3の出口付近に設けられた排紙ローラ8と、読取位置P2において原稿の裏面の画像読取りを行うCIS読取りユニット9とを具備してなるものである。該ADF1により、原稿トレイ2から搬送路3へ繰り込まれた原稿が、横向き略U字状の搬送路3に沿って上方から下方へUターンするように反転して読取位置P1に搬送されて、該読取位置P1を通過する際に前記CCD読取ユニット13により原稿の表面の画像が読取られ、更に搬送路3を搬送されて読取位置P2を通過する際にCIS読取ユニット9により原稿の裏面の画像が読取られ、その後、原稿トレイ2の下方の排紙トレイ4へ排出されるようになっている。なお、本コピー・ファクシミリ複合機100による原稿の両面読取りは任意であり、片面読取りのみ行うことも勿論可能である。
原稿トレイ2は、原稿押圧板102の上部に、原稿を供給する方向へ若干傾斜させて設けられており、その上面において複数枚の原稿を積重状態で担持するようになっている。使用者が原稿トレイ2上に原稿を載置する場合には、原稿トレイ2の傾斜下端側に原稿の先端を搬送路3の入口に挿入するようにして載置する。なお、図には示していないが、原稿トレイ2には、原稿の幅方向の位置を規制して原稿の斜め送りを防止する可変式のガイドが設けられている。一方、排紙トレイ4は原稿トレイ2と上下2段となるように設けられており、原稿押圧板102の本体フレーム102aに一体として形成されている。
搬送路3は、図3に示すように、原稿トレイ2から排紙トレイ4へ横向き略U字状に形成されており、その折返し部分の直下流で前記プラテンガラス12と相対する読取位置P1を通過し、さらに読取位置P1の下流側の読取位置P2であるCIS読取ユニット9の下方を通過して排紙トレイ4へ連通している。該搬送路3は内側ガイド面と外側ガイド面とが所定の厚みの原稿が通過可能な一定間隔で対向することにより形成されており、本体フレーム102aに配設されたガイド部材であるペーパガイド(ガイド部材)30及び中間フレーム102cが内側ガイド面を構成し、本体フレーム102a及びADFカバー102bが外側ガイド面を構成している。なお、搬送路3の外側ガイド面を構成する部材は、本実施の形態で示した本体フレーム102a等に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で他の形態をとり得るが、原稿押圧板102の本体フレーム102a及びADFカバー102bが外側ガイド面を構成する部材も兼ねるようにプラスチック材を用いて一体成形することにより、部品点数が削減され組付けも容易となるので好ましい。
給紙ローラ5は、搬送路3の入口付近においてADFカバー102bに配設されて、原稿トレイ2から繰り込まれた原稿と圧接しながら回転することにより該原稿を搬送路3へ送り込むものであり、例えば、金属製のローラ軸にシリコン製やEPDM(Ethylene−Propylene−Diene Methilene linkage:エチレンプロピレンジエン三元共重合体)製のローラが固定されてなる。さらに、該給紙ローラ5の上流側には、原稿トレイ2に載置された原稿の最上紙を繰り出すためのピックアップローラ50がADFカバー102bに配設されている。ピックアップローラ50も、給紙ローラ5と同様に、原稿と圧接しながら回転することにより該原稿を搬送路3へ繰り込むものであり、不図示の給紙クラッチにより上下方向に揺動する揺動アーム51に支持されている。該揺動アーム51の揺動により、ピックアップローラ50は、原稿トレイ2に原稿を載置する際等の通常の状態では搬送路3を開放するように上昇しており、原稿繰込み時に原稿の最上紙と接触するように降下し、ピックアップローラ50及び給紙ローラ5が回転することにより、原稿の最上紙が搬送路3ヘ繰り込まれる。なお、ピックアップローラ50は搬送路3の内側ガイド面に接触するまで降下可能であるので、原稿枚数により原稿の束の厚さが変化しても常に最上紙と接触可能である。また、図には示していないが、前記原稿トレイ2の原稿の有無は原稿セットセンサにより検知され、該検知信号に基づいて制御手段が給紙ローラ5、ピックアップローラ50及び揺動アーム51の動作を制御するものとなっている。
一方、前記給紙ローラ5の下方において中間フレーム102cに分離パッド52が設けられている。該分離パッド52は、原稿に対する摩擦係数が給紙ローラ5の原稿に対する摩擦係数より低く、且つ原稿同士の摩擦係数より高いものであり、例えばウレタン系樹脂で成形することが可能である。このような分離パッド52が分離パッドホルダ53の上面に貼設されている。該分離パッドホルダ53は、搬送路3の内側ガイド面に揺動可能に嵌め込まれてコイルバネ54により上方向に付勢されており、これにより、分離パッド52が前記給紙ローラ5の搬送面に圧接され、該圧接部分を通過する原稿の厚みに応じて下方へ回動可能となっている。
また、前記中間フレーム102cには、CIS読取ユニット9が装備されている。CIS読取ユニット9は、所謂密着形イメージセンサ(Contact Image Sensor、以下「CIS」という。)を用いたものであり、図に詳細は示していないが、光源により照射された原稿からの反射光を収束性ファイバで光導電素子上に収束して読取る固定式の読取手段である。該CIS読取ユニット9は、図3に示すように、前記CCD読取ユニット13が位置する搬送路3の対向側且つ下流側において中間フレーム102cに配設されており、これにより、搬送ローラ6dと従動ローラ7dとの間に圧接されニップされ搬送されてきた原稿の裏面の画像を読取る。プラテンローラ18はADF本体102aに配設され、搬送された原稿をCIS読取ユニット9に圧接するとともに、CIS読取ユニット9の白色基準となるものである。一般に、CIS読取ユニット9に採用されているCISは被写体深度が浅いので、前記プラテンローラ18により原稿をニップした状態で画像読取りを行うものとしている。なお、CIS読取ユニット9により読取られて電気信号に変換された画像信号も、前記CCD読取ユニット13と同様に、アナログ/デジタル変換、シェーディング処理等が施された後、プリンタ等の画像記録部により記録用紙に記録され、又はCODEC等の送信部により電送される。
搬送ローラ6a〜6dは、給紙ローラ5により送り込まれた原稿を、夫々と対向する従動ローラ7a〜7dとの間に圧接しニップして搬送路3に沿って搬送し、読取位置P1及び読取位置P2を一定速度にて通過させ、さらに下流側の排紙ローラ8へ搬送するものである。搬送ローラ6a,6bは、横向き略U字状の搬送路3の折返し部分より上流側に位置し、給紙ローラ5により搬送路3に送り込まれてきた原稿を、搬送路3の折返し部分より下流側へ搬送するものである。一方、搬送ローラ(第1搬送ローラ)6cは、横向き略U字状の搬送路3の下流側であって読取位置P1の直上流に位置し、搬送ローラ(第2搬送ローラ)6dは、横向き略U字状の搬送路3の下流側であって読取位置P1の直下流に位置し、前記搬送ローラ6a,6bにより搬送されてきた原稿を、読取位置P1及び読取位置P2へ順次搬送するものである。したがって、原稿の表面を読取る読取位置P1に対して、搬送ローラ6c,6dが原稿をニップして読取位置P1を所定速度で搬送し、原稿の裏面を読取る読取位置P2に対して、搬送ローラ6d及び排紙ローラ8が原稿をニップして読取位置P2を所定速度で搬送するようになっている。
前記搬送ローラ6a〜6dは、図4に示すように、本体フレーム102aに固定されたペーパガイド30に回動自在に軸支された各ローラ軸60a〜60dに複数のローラ本体61a〜61dが軸方向に所定間隔でそれぞれ固定されてなるものであり、例えば、金属製のローラ軸にシリコン製やEPDM製のローラが固定されてなり、本実施の形態では1本のローラ軸60a〜60dに4個のローラ本体61a〜61dが夫々設けられているが、ローラ本体61a〜61dの数や位置は、搬送すべき原稿のサイズ等を考慮して適宜設定される。
前記ペーパガイド30は、図4に示すように、横向き略U字状の搬送路3の折返し部分より上流側の内側ガイド面を構成する上側ペーパガイド31と、該上側ペーパガイド31の両側に設けられたサイドフレーム32とがプラスチック材により一体成形されており、更に、上側ペーパガイド31の下側に、搬送路3の折返し部分より下流側の内側ガイド面をともに構成する下側ペーパガイド33と、アクセス部カバーとなるガイドカバー34及びプラテンガイド35とが配設されてなるものである。以下、このペーパガイド30の構成をさらに詳細に説明する。
上側ペーパガイド31及びサイドフレーム32のプラスチック材は、金型を用いて一体成形可能な合成樹脂であり、例えばABSやハイインパクトポリスチレン、これらにガラス繊維等の補強材を添加したものを用いることができる。上側ペーパガイド31は、その上面の上流側が前記原稿トレイ2と同様に傾斜し、且つ下流側が下方へ向かって湾曲した形状の上部ガイド面310を有しており、該上部ガイド面310が、横向き略U字状の搬送路3の折返し部より上流側の内側ガイド面を構成する。該上部ガイド面310には紙送り用リブ311が幅方向に列設されており、上部ガイド面310を摺動しながら湾曲する原稿との接触面を少なくして該原稿に与える摩擦力を軽減している。
また、前記上部ガイド面310には、原稿の搬送方向と直交する方向に凹陥溝314が形成されている。該凹陥溝314は、上部ガイド面310に配設する搬送ローラ6bを収納するために、上部ガイド面310とともにペーパガイド30に一体的に形成されており、搬送ローラ6bのローラ本体61bの外形より若干大きな断面U字状の溝である。搬送ローラ6bのローラ本体61bに対応する凹陥溝314の各位置では、前記紙送りリブ311が、凹陥溝314の上流壁及び下流壁から溝幅を狭める方向に突出されている。
サイドフレーム32は、前記上側ペーパガイド31の両側に一体成形されたものであり、搬送ローラ6a〜6dを支持するとともに、上側ペーパガイド31を補強している。各サイドフレーム32の周縁には、図5に示すように、補強リブ320が水平方向外側に突設されて、各サイドフレーム32の剛性を高めている。該補強リブ320には適宜貫通孔321が穿設されており、これら貫通孔321にネジ等の固定具を挿通して、前記原稿押圧板102の本体フレーム102aにペーパガイド30をネジ止めにて固定する。また、両サイドフレーム32には、各搬送ローラ6a〜6dのローラ軸60a〜60dが挿通される貫通孔322が夫々穿設されている。該貫通孔322に各ローラ軸60a〜60dが夫々挿通されて回転自在に支持されることにより、各搬送ローラ6a〜6dが上側ペーパガイド31に対して所定位置に配設される。
図5は搬送ローラ6a〜6dの駆動伝達機構を示すものである。図には示していないが、該駆動伝達機構は前記サイドフレームの側方に配設されるものであり、図5に示すように、不図示の駆動モータ400の駆動軸401に連結された駆動ギア402に、搬送ローラ6bのローラ軸60bに連結された搬送ギア403と搬送ローラ6dのローラ軸60dに連結された搬送ギア404とが噛合して駆動源から各ローラ軸60b,60dに駆動伝達が行われており、搬送ローラ6aのローラ軸60aに連結された搬送ギア408には中間ギア409を介して駆動伝達が行われている。さらに前記ローラ軸60bに連結された搬送プーリ405から搬送ローラ6cのローラ軸60cに連結された搬送プーリ406にベルト407が巻架され、前記駆動ギア402から搬送プーリ405,406を介してローラ軸60cに駆動伝達が行われている。なお、これら駆動伝達機構は一例であり、他の駆動機構を採用することも勿論可能である。このような駆動伝達機構により上側ペーパガイド31に軸支された各搬送ローラ6a〜6dが回転される。
また、前記上側ペーパガイド31の下側に配設される下側ペーパガイド33及びガイドカバー34も、プラスチック材により夫々成形されたものであり、図6に示すように、上側ペーパガイド31に下側ペーパガイド33が配設され、該下側ペーパガイド33にガイドカバー34とプラテンガイド35とが配設されて、横向き略U字状の搬送路3の折返し部分より下流側の内側ガイド面を構成する。該プラテンガイド35は、読取位置P1において内側ガイド面として原稿の通過位置を規制するとともに、CCD読取ユニット13の白色基準として用いられるものである。下側ペーパガイド33は、スナップフィットにより上側ペーパガイド31に嵌着できるようになっている。また、ガイドカバー34は、スナップフィットにより下側ペーパガイド33に、前記本体フレーム102aの画像読取用開口20から嵌着できるようになっている。プラテンガイド35は、下側ペーパガイド33に形成された支軸339に支持されるとともに、本体フレーム102aの画像読取用開口20から下側ペーパガイド33に嵌着できるようになっている。以下、これら下側ペーパガイド33、ガイドカバー34及びプラテンガイド35について詳細に説明する。
下側ペーパガイド33は、図4、図6及び図7に示すように、上側ペーパガイド31の下側に配設されて、その下面330a,330bが搬送路3の折返し部分より下流側の内側ガイド面を構成するものである。下側ペーパガイド33の下面330aは、搬送路3の折返し部分より下流側の内側ガイド面の内、読取位置P1より上流側の内側ガイド面を構成する。一方、下側ペーパガイド33の下面330bは、搬送路3の折返し部分より下流側の内側ガイド面の内、読取位置P1より下流側の内側ガイド面を構成する。下側ペーパガイド33の上流端には、原稿幅方向に所定間隔で爪331が突設されており、両側壁には係止孔332aが形成された突片332が水平方向外側に突設されている。一方、前記上側ペーパガイド31には、搬送路3の折り返し部分に相当するガイド面310の下流端であって前記各爪331に対応する位置に係止孔316が夫々穿設されており、また、図6に示すように、上側ペーパガイド31の両側付近であって前記突片332に対応する位置に鉤状の係止爪317が形成されている。図7に示すように、下側ペーパガイド33の爪331が上側ペーパガイド31の係止孔316に嵌挿されるとともに、図8に示すように、下側ペーパガイド33の突片332の係止孔332aに上側ペーパガイド31の係止爪317が挿通されて、鉤部317aにより突片332を係止することにより、上側ペーパガイド31に下側ペーパガイド33が組み付けられる。係止爪317は、上側ペーパガイド31と一体成形された合成樹脂製のものであり、前記係止孔332に挿通させる際には上流側へ傾くように変形させることが容易なので、工具等を用いることなく下側ペーパガイド33を上側ペーパガイド31に組み付けることができる。
また、下側ペーパガイド33には、図7及び図9に示すように、下面330aと下面330bとの間、即ち読取位置P1にアクセス部333が凹設されている。該アクセス部333は、読取位置P1の直上流及び直下流の各搬送ローラ6c,6d間において下面330a,330bの幅方向に渡って凹設されており、上流側より下流側の凹みが大きい2段の凹みとなっている。該アクセス部333の上流側及び下流側の各上隅部には、前記各搬送ローラ6c,6dのローラ本体61c,61dに対応する位置に抜き穴334が形成されており、各抜き穴334から各ローラ本体61c,61dの搬送面の一部が露出するようになっている。また、読取位置P1の上流側及び下流側の下面330a,330bにも抜き穴335が形成されており、該抜き穴335から各ローラ本体61c,61dの搬送面の一部を露出させるようになっている。
ガイドカバー34は、図4、図6、図7及び図9に示すように、下側ペーパガイド33のアクセス部333の下流側を覆うように下側ペーパガイド33に着脱可能に組み付けられるものである。ガイドカバー34のの下面340は、下側ペーパガイド33の下面330bから上流側に向かって連続するように設けられ、該下側ペーパガイドの下面330bとともに、搬送路3の読取位置P1の下流側の内側ガイド面を構成する。ガイドカバー34の上流端には、原稿幅方向に所定間隔で切欠き341aが形成された突片341が水平方向に突設されており、下流端には原稿幅方向に所定間隔で爪342が突設されている。一方、図6に示すように、下側ペーパガイド33の2段構造のアクセス部333の上流部には鉤状の係止爪336が設けられており、アクセス部333の下流側の下隅部近傍には凹陥部337が形成されている。ガイドカバー34の爪342が下側ペーパガイド33の凹陥部337に嵌入されるとともに、下側ペーパガイド33の係止爪336によりガイドカバー34の突片341が係止されることにより、下側ペーパガイド33にガイドカバー34が組み付けられる。係止爪336は、下側ペーパガイド33と一体成形された合成樹脂製のものであり、前記突片341に係止させる際には上流側へ傾くように変形させることが容易なので、工具等を用いることなく人手のみによりガイドカバー34を下側ペーパガイド33に着脱可能である。
プラテンガイド35は、図4、図6、図7、図9及び図10に示すように、下側ペーパガイド33のアクセス部333の上流側を覆うように下側ペーパガイドに着脱可能に組み付けられるものである。プラテンガイド35の下面350は、下側ペーパガイド33の下面330aとガイドカバー34の下面340との間、即ち読取位置P1に対向する搬送路3の内側ガイド面を構成する。また、この下面350には、前記CCD読取ユニット13の白色基準となるべく白色のテープ350aが貼り付けられている。図10に示すように、プラテンガイド35の両側には、原稿搬送方向の下流端に、起立部351が形成され、各起立部351に軸孔352が穿設されている。また、プラテンガイド35の上流端には原稿幅方向に所定間隔で係止片である爪353が突設されている。一方、下側ペーパガイド33の両側壁には、下端から垂直上方へ所定間隔で切欠きを設けることにより支持片338が夫々形成されており、支持片338の内側には支軸339が水平方向に突設されている。また、図7に示すように、アクセス部333の上流側の下隅部近傍には前記爪353に対応する位置に係止孔354が形成されている。プラテンガイド35の爪353が下側ペーパガイド33の係止孔354に係入されるとともに、プラテンガイド35の軸孔352に下側ペーパガイド33の支軸339が挿入されることにより、下側ペーパガイド33にプラテンガイド35が支軸339を軸として係止孔354の範囲内を揺動限界として揺動可能に組み付けられ、アクセス部333の上流部分に配設された弾性部材であるコイルスプリング356により該プラテンガイド35は読取位置P1側方向である下方向に付勢されている。前記支持片338は、その両側の切欠きにより、支軸339を軸孔352に挿入させる際には外側へ傾くように変形させることが容易なので、工具等を用いることなくプラテンガイド35を下側ペーパガイド33に着脱可能である。また、プラテンガイド35の下面350の両側部には、プラテンガラス12との間隔を一定に保つための凸部355が形成されている。該凸部355が読取位置P1のプラテンガラス12に当接することにより、プラテンガイド35とプラテンガラス12との間隔を常に一定に保ち、読取位置P1において原稿が一定位置を通過するように案内する。前述したように、該プラテンガイド35は揺動可能であり下方向に付勢されているので、原稿押圧板102が完全に閉じられずに読取載置台101との間に若干の隙間が生じたような場合にも、プラテンガイド35が揺動することにより、プラテンガイド35とプラテンガラス12との間隔が一定に保たれる。なお、本実施の形態では、前記プラテンガイド35の下面350にテープ350aを貼り付けてCCD読取ユニット13の白色基準としているが、テープ350aに代えてプラテンガイド35の下面350を白色に塗装して白色基準とすることもできる。
このようにして、上側ペーパガイド31に、下側ペーパガイド33、ガイドカバー34、及びプラテンガイド35を順次組み付けることができる。また、各搬送ローラ6のローラ本体61を清掃する際には、プラテンガイド35及びガイドカバー34を前記本体フレーム102aの画像読取用開口20を介して取り外せば、下側ペーパガイド33のアクセス部333の抜き穴335を通じてローラ本体61c,61dの搬送面にアクセスすることができるので、ペーパガイド30を分解する必要がなく、また、プラテンガイド35及びガイドカバー34の着脱は工具等を用いることなく容易に行うことができる。また、下側ペーパガイド33、ガイドカバー34、及びプラテンガイド35を、ネジ等の固定用の補材を用いることなく、スナップフィットにより上側ペーパガイド31又は下側ペーパガイド33に夫々固定するようにしたので、工具等を必要とせず人手のみにより組付作業及び分解作業を容易に行うことができる。
以下、前記本体フレーム102aの構成を詳細に説明する。該本体フレーム102aは、図11に示すように、ペーパガイド30の下側ペーパガイド33のアクセス部333を覆うガイドカバー34とプラテンガイド35に対応する位置に画像読取用開口20が形成されており、ペーパガイド30が本体フレーム102aに固定されると、プラテンガイド35は画像読取用開口20からプラテンガラス12へ向かって突出する。該画像読取用開口20は、図3に示すように、原稿押圧板102を読取載置台101に対して閉じた際にプラテンガラス12に相対するものとなる。ペーパガイド30に沿って搬送された原稿は、読取位置P1において該画像読取用開口20から突出するプラテンガイド35により、プラテンガラス12から一定位置を通過するように案内され、CCD読取ユニット13(図1参照)により画像が読取りされる。該画像読取用開口20の上流側及び下流側は、各々画像読取用開口20から上方へ向かって傾斜した外側ガイド面21,22となっており、これら外側ガイド面21,22が、横向き略U字状の搬送路3の折返し部分より下流側であって読取位置P1の上流及び下流の外側のガイド面を構成し、ペーパガイド30の下側ペーパガイド33等の対向する内側のガイド面とともに搬送路3を構成する。
前記外側ガイド面21,22には、図11に示すように、4つの切欠部23,24が夫々幅方向に所定間隔で形成されており、該切欠部23,24に前記搬送ローラ6c,6dと対向する従動ローラ7c,7dが夫々配設されて、そのローラ本体の一部が切欠き部23,24から夫々ガイド面21,22に露出している。これら従動ローラ7c,7dが、前記ペーパガイド30の折返し部分の下流側に配設される各搬送ローラ6c,6dと夫々対向して、読取位置P1の直上流及び直下流において原稿をニップしながら搬送する。
さらに、前記ガイド面22の下流側には、CIS読取ユニット9と対向する前記プラテンローラ18が配設される凹陥部25が形成されている。また、ガイド面22の最下流端には、前記切欠部23,24と同様に4つの凹陥部26が形成されており、該凹陥部26に排紙ローラ8が配設されている。
また、図11に示すように、本体フレーム102aの背面側には、前記ペーパガイド30が配設される左側に切欠部27Lが形成され、右側に本体フレーム102aの底面を窪ませてなる凹部27Rが形成されている。該切欠部27L及び凹部27Rは、原稿押圧板102を読取載置台101に対して枢支するヒンジ部材90を取り付けるためのものであり、通常、左右一対に設けられる。該切欠部27Lが形成された背面側、及び外側ガイド面21,22の正面側に適宜補強リブ28が形成されており、切欠部27Lの周囲にはヒンジ部材を本体フレーム102aに固定するためのネジ孔29が設けられ、外側ガイド面21,22の両側にも同様にペーパガイド30を本体フレーム102aに固定するためのネジ孔29が設けられている。一方、凹部27Rは、ヒンジ部材90を取り付けるための周知の構成である。
このように構成された本体フレーム102aの外側ガイド面21,22に、前記ペーパガイド30の下側ペーパガイド33等により構成される内側ガイド面を対向させて、ペーパガイド30が本体フレーム102aに固定される。また、図3に示すように、本体フレーム102aの下面には、読取載置台101がFBSとして機能するときにプラテンガラス11上に載置された原稿を押圧する押圧パッド19が接着にて固定される。
また、本体フレーム102aには、図12に示すように、ADFカバー102bが、支点C1にて軸支されることにより、本体フレーム102aに対して開閉可能に配設されており、該ADFカバー102bを本体フレーム102aに対して開けることにより、該ADFカバー102bに配設された前記給紙ローラ5、ピックアップローラ50や従動ローラ7a,7bがともに回動して、搬送ローラ6a,6bと従動ローラ7a,7bとのニップをそれぞれ解除することができる。
また、本体フレーム102aには、図12に示すように、中間フレーム102cが、搬送ローラ6aのローラ軸60aの軸心と同じ支点C2にて軸支されることにより、本体フレーム102aに対して開閉可能に配設されており、該中間フレーム102cを本体フレーム102aに対して開けることにより、該中間フレーム102cに配設されたCIS読取ユニット9や一方の排紙ローラ8がともに回動して、CIS読取ユニット9とプラテンローラ18とのニップ、及び排紙ローラ8のニップをそれぞれ解除することができる。
以下、前記コピー・ファクシミリ複合機100において、ADF1の搬送ローラ6a〜6dを清掃する手順を説明する。搬送ローラ6a,6bは、図12に示したように、読取載置台101に対して原稿押圧板102を閉じた状態でADFカバー102bを開けることにより、搬送ローラ6a,6bと従動ローラ7a,7bとのニップをそれぞれ解除されるとともに、これらの搬送面が露出されるので、洗浄液を染み込ませた布などによって各搬送面を清掃することができる。
しかし、原稿読取用開口20の直上流及び直下流に配設された搬送ローラ6c,6dとこれらに対向する従動ローラ7c,7dとのニップは、搬送ローラ6c,6dを軸支するペーパガイド30と従動ローラ7c,7dを配設する本体フレーム102aとがネジなどの固定具により固定されているので、この固定具を取り外さなければ解除することができない。したがって、コピー・ファクシミリ複合機100においては、ADF1の搬送ローラ6c,6dは以下の手順で清掃を行う。
まず、ADF1が装備された原稿押圧板102を、図2に示すように、読取載置台101に対して開き、図13に示すように、本体フレーム102aの下側から前記原稿読取用開口20が露呈した状態とする。この状態では、搬送ローラ6c,6dはまったく露出されていない。
次に、図14に示すように、プラテンガイド35をペーパガイド30から前記原稿読取用開口20を通じて、本体フレーム102aの下側から取り外す。詳細には、図10に示したペーパガイド30の下側ペーパガイド33の片方の支持片338の先端部を外側に向けて押圧して傾かせ、プラテンガイド35の軸孔352から下側ペーパガイド33の支軸339を外す。この時、プラテンガイド35は図7に示したようにコイルスプリング356によって原稿押圧板102の下方向に付勢されているので、爪353にて下側ペーパガイド33の係止孔354と係止したまま、その係止部を中心に少し回転するため、支持片338の押圧を解除しても、再び軸孔352に支軸339が嵌らない。更に、他方の支軸339からも、同様にプラテンガイド35の反対側の軸孔352を外す。次に、ガイドカバー34側にプラテンガイド35を移動させ、下側ペーパガイド33の係止孔354との係止からプラテンガイド35の爪353を解除し、プラテンガイド35を本体フレーム102aの画像読取用開口20から取り外す。前述したように、支持片338は、その両側の切欠きにより、支軸339を軸孔352に挿入させる際には外側へ傾くように変形させることが容易なので、工具等を用いることなく人手によりプラテンガイド35を下側ペーパガイド33から取り外すことができる。これにより、図に示すように、下側ペーパガイド33のアクセス部333の抜き穴335から搬送ローラ6cのローラ本体61cの搬送面の一部が、本体フレーム102aの画像読取用開口20に対して露出する。
次に、図15に示すように、ガイドカバー34をペーパガイド30の下側ペーパガイド33から本体フレーム102aの画像読取用開口20を通じて取り外す。詳細には、先ず、下側ペーパガイド33の係止爪336の先端付近を上流側に向けて押圧し、係止爪336を変形させて傾かせ、ガイドカバー34の突片341を係止爪336との係止を解除する。これとともに、ガイドカバー34を下流側に移動させ、ガイドカバー34の爪342を下側ペーパガイド33の凹陥部337との嵌入から解除し、ガイドカバー34を下側ペーパガイド33から本体フレーム102aの画像読取用開口20を介して取り外す。前述したように、係止爪336は、下側ペーパガイド33と一体成形された合成樹脂製のものであり、前記突片341に係止させる際には上流側へ傾くように変形させることが容易なので、工具等を用いることなく人手のみによりガイドカバー34を下側ペーパガイド33から取り外すことができる。これにより、図に示すように、下側ペーパガイド33のアクセス部333の抜き穴334から搬送ローラ6dのローラ本体61dの搬送面の一部が、本体フレーム102aの画像読取用開口20に対して露出する。
次に図15に示す状態において、清掃モードにより搬送ローラ6c,6dを回転させるが、以下、該清掃モードについて説明する。
図16は、本コピー・ファクシミリ複合機100の制御手段500を示す図である。該制御手段500は、操作パネル103(図2参照)の指示入力や、開閉センサ104から出力される開閉信号に基づいて、駆動モータ400と電源501とを制御することにより、搬送ローラ6a〜6dの回転を制御する機能を有するものであり、MPU(Micro Processing Unit)とROM(Read Only Memory)を有して構成されている。ここで、MPUはバスを介してコピー・ファクシミリ複合機100を構成する各部と接続されており、これらの各部の動作制御を行なう演算処理回路である。又、開閉センサ104は、原稿押圧板102の読取載置台101に対する開閉状態を感知し、原稿押圧板102が読取載置台101に対して開いている状態を感知すると開状態を示す開信号を、原稿押圧板102が読取載置台101に対して完全に閉じていている状態を感知すると閉状態を示す閉信号を、それぞれ制御手段500に出力する。
制御手段500は、コピー・ファクシミリ複合機100のコピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能等を使用するための通常モードの設定が操作パネル103から入力されており、かつ、開閉センサ104から開信号が入力されている場合に、電源501をOFFすることにより、搬送ローラ6a〜6dを回転させない。一方、制御手段500は、搬送ローラ6a〜6dの搬送面を清掃するための清掃モードの設定が操作パネル103から入力された時、開閉センサ104から開信号が入力されている場合に、電源501をONに維持するとともに、駆動モータ400を駆動させることにより、搬送ローラ6a〜6dを所定速度にて回転させる。
前記制御手段500の制御動作について説明する。
まず、使用者などの指示入力者によって操作パネル103から通常モードが入力され設定されている場合について説明する。原稿押圧板102が読取載置台101に対して完全に閉じている状態を開閉センサ104が感知している時、開閉センサ104は閉信号を制御手段500に出力する。制御手段500は、この閉状態を示す感知情報に基づき、操作パネル103からの指示入力者による指示入力のみに基づき、電源501をOFFさせずに駆動モータ400を制御し、搬送ローラ6a〜6dを駆動する。
一方、通常モードが設定されている場合に、原稿押圧板102が開いている状態を開閉センサ104が感知している時、開閉センサ104は開信号を制御手段500に出力する。制御手段500は、この開信号に基づき、電源501をOFFすることにより駆動モータ400の駆動を停止するように制御することにより、搬送ローラ6a〜6dの回転を停止させる。これは、回転する搬送ローラ6a〜6d等に布などが巻き込まれることを防止するためである。
次に、指示入力者によって操作部パネル103から清掃モードが入力され設定された場合について説明する。原稿押圧板102が閉信号または開信号の何れが開閉センサ104から入力されているかに関わらず、制御手段500は、電源501をOFFさせず駆動モータ400を制御し、搬送ローラ6a〜6dを所定速度にて回転させる。この所定速度は、搬送ローラ6a〜6dの清掃に適した速度であればよく、原稿を搬送する搬送速度の内の遅い速度と同じ速度であってもよい。
前述した清掃作業においては、コピー・ファクシミリ複合機100の原稿押圧板102を開いているので、開閉センサ104が、原稿押圧板102が開状態であることを感知し開信号を制御手段500に出力し、制御手段500はこの開信号に基づき電源501をOFFにする。この状態で、前述したように、プラテンガイド35、ガイドカバー34が、原稿読取用開口20を通じて、順次下側ペーパガイド33から取り外される。
次に、指示入力者である清掃者が操作部パネル103から入力を行い清掃モードを設定する。清掃モードが設定されると、原稿押圧板102の開信号が開閉センサ104から入力されても、制御手段500は、電源501をONさせ駆動モータ400を制御し、搬送ローラ6a〜6dを所定速度にて回転させる。搬送ローラ6c,6dが回転すれば、原稿読取用開口20を通じて、それぞれ露出するローラ本体61c,61dの搬送面に洗浄液を染み込ませた布などを押し当てることにより、ローラ本体61c,61dの搬送面すべてを清掃することができる。
更に、清掃後は、清掃者が操作部パネル103から入力を行い通常モードに設定した後、前記と逆の手順を辿ることによって、原稿押圧板102の下側ペーパガイド33に、本体フレーム102aの画像読取用開口20を通じて、ガイドカバー34、プラテンガイド35の順に取り付ける。該取付作業も、工具等を用いることなく人手により容易に行うことができる。このように、原稿押圧板102からペーパガイド30等を取り外すことなく、原稿押圧板102を開いた状態で画像読取用開口20を通じてガイドカバー34とプラテンガイド35を着脱して、搬送ローラ6c,6dのローラ本体61c,61dを画像読取用開口20を通じて露出させることができるので、搬送ローラ6c,6dの清掃を容易に行うことができる。
したがって、ADF1により多数の原稿を搬送するに伴い、原稿の未定着トナー、朱肉や筆記具のかすや紙粉などの異物が付着した搬送ローラ6c,6dの搬送面から異物を除去することができ、読取位置P1の直上流の搬送ローラ6cを清掃することによって、その搬送面に付着した異物が後続の原稿によりプラテンガラス12へ運ばれて付着し、読取り画像に黒すじとなって現われるという問題を防止あるいは解消することができる。また、読取位置P2の直上流の搬送ローラ6dを清掃することによっても、同様に、その搬送面に付着した異物がCIS読取ユニット9に付着して、読取り画像に黒すじとなって現われるという問題を防止あるいは解消することができる。また、搬送ローラ6dによって搬送される原稿に滑りが発生し、所定の速度を保った良好な搬送がなされず、読取り画像に歪みが起こるという問題を防止あるいは解消することができる。
なお、原稿押圧板102の搬送ローラ6a,6bや排紙ローラ8等は、前述したように、ADFカバー102b及び中間カバー102cを開けることにより、ニップが解除されるとともに搬送面の一部が露出するので、この状態において、清掃者が操作パネル103から清掃モードを入力し設定することにより、搬送ローラ6a,6b及び排紙ローラを回転させ、露出した搬送面に清掃者が洗浄液を染み込ませた布などを押し当てることにより、搬送面すべてを清掃することができる。
なお、本実施の形態では、コピー・ファクシミリ複合機100がCCD読取ユニット13及びCIS読取ユニット9により両面読取可能なものとして、原稿読取用開口20の直下流の搬送ローラ6dが、CCD読取ユニット13に対しては読取後の搬送ローラとして機能し、且つCIS読取ユニット9に対しては読取前の搬送ローラとして機能するものとしたので、搬送ローラ6dの位置が読取位置P1と読取位置P2との中間付近となるように原稿読取用開口20より下流側に配設されている。その結果、原稿読取用開口20から若干離れている分だけアクセス部333が下流側へ広くなっている。また、搬送ローラ6c,6dと対向する従動ローラ7c,7dの配設位置を考慮すると、読取位置P1から搬送ローラ6c,6dの配設位置まではある程度の距離が必要となる。したがって、原稿読取用開口20部分を覆うプラテンガイド35の他に、アクセス部333の下流側を覆うガイドカバー34を別途に設けることにより、原稿読取用開口20を通じてのガイドカバー34及びプラテンガイド35の着脱作業を容易なものとしたが、例えばコピー・ファクシミリ複合機100にCIS読取ユニット9を設けずに片面読取専用機として用いるのであれば、読取位置P1において原稿を正確な一定速度にて搬送するためには、搬送ローラ6c,6dを読取位置P1に近接する上流側及び下流側の搬送路3に配設することが好ましい。この場合には、前記アクセス部333を、上流側より下流側の凹みが大きい2段の凹みとせず、1段の凹みとしてもよい。また、前記ガイドカバー34を設けずに、アクセス部カバー部材としてプラテンガイド35のみにて、アクセス部333を覆うように構成してもよい。
また、本実施の形態で示したコピー・ファクシミリ複合機100の構成は、本発明に係る画像読取装置の一態様にすぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜設計変更できることは勿論であり、例えば、コピー機やファクシミリ機、スキャナ等の単独機としても実現可能である。