JP2005165637A - 電子機器及びバッテリー - Google Patents
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Abstract
【課題】 ヒンジに起因する薄型化の阻害要因を解消する電子機器及びこの電子機器のヒンジに設けられるバッテリーを提供すること。
【解決手段】 本体3に対して蓋体5である表示部がヒンジhを介して開閉自在とされた電子機器1であって、ヒンジhは、本体3及び蓋体5から独立した略円柱状の柱状体からなる。蓋体5は、ヒンジhの両端部17a、17bと一体とされ、その両端部17a、17bの内側に隣接する円筒部15a、15bに対して回動自在となっている。円筒部15a、15bの間にはバッテリー9が本体3に対して着脱自在に設けられる。
【選択図】 図1
【解決手段】 本体3に対して蓋体5である表示部がヒンジhを介して開閉自在とされた電子機器1であって、ヒンジhは、本体3及び蓋体5から独立した略円柱状の柱状体からなる。蓋体5は、ヒンジhの両端部17a、17bと一体とされ、その両端部17a、17bの内側に隣接する円筒部15a、15bに対して回動自在となっている。円筒部15a、15bの間にはバッテリー9が本体3に対して着脱自在に設けられる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、本体に対して蓋体がヒンジを介して開閉自在に連結された電子機器及びこのような電子機器のヒンジに着脱自在に設けられるバッテリーに関し、更に詳しくは、ヒンジを本体及び蓋体から独立した構造体とすることで本体及び蓋体の薄型化を図った電子機器及びバッテリーに関する。
一般に、例えばノートブック型コンピュータ等の電子機器は、本体と表示部とを備えており、表示部は本体に対してヒンジを介して開閉できるようになっている蓋体としても機能する。
この種の電子機器において、特に携帯して使用されることを想定したものにあっては着脱自在なバッテリーを備えている。従来、そのバッテリーは本体に内蔵される構造が多く採用され、このことが本体の薄型化の阻害要因になっていた。
そこで、例えば特許文献1では、ヒンジの軸方向に関しての中間部のスペースに着目し、そのヒンジの中間部にバッテリーを設けた構成が開示されている。
特開平11−167435号公報
しかし、上記特許文献1では、そのバッテリーも含めたヒンジの一部が本体の後端部側に収められる構造となっており、そのヒンジの分、本体の厚さが嵩んでしまう。
特に、ヒンジは蓋体を本体に対して安定して開閉できるように支持するものであるからその機能上必要とされる強度を考えるとそれほど太さを小さくできず、本体の薄型化が図りにくいのが現状である。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、その目的とするところは、ヒンジに起因する薄型化の阻害要因を解消する電子機器及びこの電子機器のヒンジに設けられるバッテリーを提供することにある。
本発明の電子機器は、本体に対して蓋体を開閉自在にするヒンジが、本体及び蓋体から独立した柱状体からなることを特徴としている。
本発明で本体とは、使用時に机上などの設置面上に載置されるものをいう。本体は使用時には安定した載置状態をとるので、キーボードや操作ボタンなどの入力手段を具備させればその入力手段の入力操作を安定して行うことができる。また、本体は、使用時に蓋体を支える支持体としても機能する。
蓋体は使用時には本体に対して開かれて、本体に入力手段が具備されている場合には使用者に対して入力手段を露見させてその操作を可能にする。本体に対して閉じられると本体に覆い被さり、入力手段、その他本体に具備された発光部などを衝撃、塵埃、水分などから保護する。蓋体を開くことで本体に被さっていた部分が露見され、その部分に表示部を具備させれば使用時にはその表示部を見ながら本体の各種操作を行える。蓋体を閉じればその表示部も外部から保護できる。
本発明の電子機器は少なくとも本体と蓋体とがヒンジを介して連結された構成であればよく、具体的には、ノートブック型コンピュータ、電子辞書、ディスク状記録媒体や半導体メモリに記録された映像を再生する映像再生装置などを一例として挙げることができる。
本体及び蓋体から独立した柱状体とは、その柱状体が本体にも蓋体にも収められず、かつ本体及び蓋体に重なっていない位置に位置する柱状体を意味する。
これにより、ヒンジのために割り当てるスペースを考慮しないで本体及び蓋体を形成できるので、その分、本体及び蓋体の薄型化が図れる。
結果として、蓋体が閉じられて本体と蓋体とが重ね合わされた状態における電子機器全体の薄型化を図れ、持ち運ぶ際に扱いやすくなる。
また、本体は、その筐体の中線の延長線上にヒンジの中心が位置するように配置される構成とすれば、ヒンジの中心を本体の厚さの範囲内に収められ、ヒンジが本体から大きく突出してしまうことを抑えることができる。
すなわち、本体の厚さ範囲内にその厚さ方向におけるヒンジの寸法を収めることができれば、本体からヒンジが突出してしまうことで形成される無駄なスペース(ヒンジの、本体の厚さ方向に関するずれで段が形成されることによるデッドスペース)と、電子機器全体としての無駄な厚さの増大を抑制できる。
ヒンジは角柱状でもよいが、特に、ヒンジを略円柱状に形成すれば、その略円柱状は、ヒンジの回動軌跡に沿った外形形状なので無駄がなく、ヒンジの太さ(直径)を少しでも低減することに貢献できる。
また、本体に対して蓋体が閉じられた状態で、本体の筐体と蓋体の筐体とを組み合わせた厚さが、ヒンジの太さより小さくなるように構成すれば、蓋体が閉じられて本体と蓋体とが重ね合わされた状態における電子機器全体のよりいっそうの薄型化が図れる。
特に、本体の筐体と蓋体の筐体は、何れもヒンジに対向する端部から、その反対側の端部に向けて漸次薄くなるように傾斜させれば、本体に対して蓋体が閉じられて両者が重ねあわされた状態で、ヒンジ側からそのヒンジの反対側の端部にかけて略V字状になるような厚さの変化をつけることができる。これにより、閉じられた状態から開くためにどこに手をかければよいのか使用者に認識させることができる。また、開かれた状態で本体が傾斜していることは、本体に具備されたキーボード操作を行いやすくする。
また、本体の筐体底部に、ヒンジとの接続箇所に向けて漸次肉厚となるように弧状に湾曲された湾曲部を形成した構成とすれば、本体の薄型化によってヒンジとの接続箇所の強度低下が心配されるところ、その湾曲部によって、本体の筐体に作用するねじれや撓みに対する耐性を向上させることができる。
ヒンジは本体の横幅方向に沿って延在し、その長さは本体の横幅と同じである必要はないが、略同幅とすれば、ヒンジの軸端縁部に、電源スイッチ、コネクタジャック、その他の操作ボタンを配置した場合には、蓋体が開かれた状態でその蓋体に隠れない位置に上記電源スイッチ等が配置されるので使い勝手をよくすることができる。
また、ヒンジは、その軸方向に関して両端部の間の中間部に着脱自在とされるバッテリーを有する構成とすれば、ヒンジ配置スペースを有効に使え、しかもバッテリーが本体や蓋体に組み込まれることによる本体や蓋体の厚さ増大を回避できる。
また、本体の薄型化が推し進められると、蓋体があまり大きな角度で開かれてしまうと、蓋体をヒンジまわりに回転させようとする(後方に倒そうとする)回転モーメントが、本体を設置面上に載置させるべく作用するヒンジまわりの回転モーメントより大となって、本体が設置面上から浮かされるようにして電子機器が後方に倒れてしまいやすくなる。
そこで、蓋体の開き角度を規制するストッパーを設ければよいが、本体や蓋体は薄型化によってそのようなストッパー配置のスペース確保が難しいので、ヒンジに設けることが考えられる。特に、ヒンジの外周部に設ければ、ヒンジの内部に設ける場合に比べ簡単な構成とすることができる。特に、ヒンジが円柱状の場合、その外周形状に沿って蓋体は回動するので、そのようなヒンジの外周部にストッパーを設ければ、必要以上に設置スペースを増大させず、蓋体の回動軌跡上にストッパーを位置させて蓋体との確実な当接を行わせて確実に蓋体の開き角度を規制できる。
また、上記ストッパーを、ヒンジの底部に延設させれば、その延設された部分を脚部として機能させることができる。すなわち、ヒンジと設置面との間に上記脚部が介在されることによってヒンジにおける回動部分を設置面上から浮いた状態とすることができ、その回動部分が回動する際に設置面に対して擦れることを防げる。
上記脚部は、ヒンジ外周部に沿って曲面状に形成してもよいが、それだとがたつく心配があるので、少なくとも設置面に対する接地部位を扁平に形成すれば、がたつきを抑えて安定して設置面上に電子機器が載置される。
また、ストッパーにおいて、蓋体と接触する部位を、蓋体側におけるストッパーとの接触部位形状に合わせた形状(例えばテーパー状や鉤状)に形成すれば、安定した面接触でもって蓋体を受けることができる。これにより、ストッパー及び蓋体双方の接触部位に過剰な力が作用することによる損傷を防げる。
また、上記ストッパーは金属やゴムから構成してもよいが、特に合成樹脂から構成すれば、金属のように硬すぎず、またゴムのように柔らかすぎることがなく、蓋体を傷つけたり、蓋体がストッパーにくい込んだりすることを防げる。特に、ABS樹脂は、上記条件を満たし、且つ比較的手に入りやすく安価である。
ヒンジに、上記バッテリーを含む構成の場合において、ストッパーは、そのバッテリーの外周部に設けてもよいし、あるいは、そのバッテリーが取り外されて残されるヒンジの両端部の外周部に設けてもよい。もちろん、上記両端部及びバッテリー両方の外周部にストッパーを設けてもよい。
ストッパーをバッテリー外周部に設けた場合には、修理やメンテナンス、あるいは機器の増設などの非使用時の際に蓋体の開き角度を規制したくない場合に、バッテリーを取り外すことでそれが実現できる。また、バッテリーを交換することで、所望の規制角度に応じたサイズあるいは配置のストッパーへの交換が可能になる。
ストッパーを、バッテリーが取り外されて残されるヒンジの両端部に設けた場合には、バッテリーが取り外されて使用される場合、すなわち商用電源からの電力供給を受けての駆動においても、そのストッパーによって蓋体の開き角度規制を行える。
また、本体において、ヒンジと接続される部位の形状をヒンジの外周形状に合わせた弧状に形成すれば、本体に必要以上の厚さ増大をきたすことなく本体とヒンジとを安定した面接触でもって確実に接続することができる。
蓋体についても同様に、ヒンジと接続される部位の形状をヒンジの外周形状に合わせた弧状に形成すれば、蓋体に必要以上の厚さ増大をきたすことなく蓋体とヒンジとを安定した面接触でもって確実に接続することができる。
また、本発明のバッテリーは、本体に対して蓋体を開閉自在にするヒンジの中間部に着脱自在に設けられ、外周部には、蓋体の開き角度を規制するストッパーが設けられることを特徴としている。
ヒンジ位置に着脱自在とされるバッテリーに上記ストッパーを設ければ、本体や蓋体の厚さ増大をきたすことなく、また簡単な構成にて蓋体とストッパーとの確実な当接を行わせて確実に蓋体の開き角度を規制できる。
この結果、本体の薄型化が推し進められて、蓋体があまり大きな角度で開かれてしまうことによって、本体が設置面上から浮かされるようにして蓋体が後方へと倒れてしまうことを、蓋体の開き角度をストッパーで規制することで未然に防げる。
また、ストッパーがバッテリー外周部に設けられることで、修理やメンテナンス、あるいは機器の増設などの電子機器非使用時の際に蓋体の開き角度を規制したくない場合に、バッテリーを取り外すことでそれが実現できる。また、バッテリーを交換することで、所望の規制角度に応じたサイズあるいは配置のストッパーへの交換が可能になる。
本発明の電子機器によれば、本体に対して蓋体を開閉自在にするヒンジが、本体及び蓋体から独立した柱状体からなるので、ヒンジ設置のためのスペースを本体及び蓋体に確保する必要がなく、その分、本体及び蓋体の薄型化が図れる。このことは、蓋体が閉じられて本体と蓋体とが重ね合わされた状態における電子機器全体の薄型化にもつながり、その閉じた状態で持ち運ぶ際に扱いやすくなる。
また、本発明のバッテリーによれば、本体に対して蓋体を開閉自在にするヒンジの中間部に着脱自在に設けられ、外周部には、蓋体の開き角度を規制するストッパーが設けられるので、蓋体の必要以上の開きを規制してヒンジを中心に蓋体及び本体が後方(蓋体側)へと倒れてしまうことを防げる。また、ストッパーがバッテリー外周部に設けられることで、修理やメンテナンス、あるいは機器の増設などの電子機器非使用時の際に蓋体の開き角度を規制したくない場合には、バッテリーを取り外せば蓋体の開き角度の制限を受けずに上記修理などが行いやすくなる。
以下、本発明の実施形態に係る電子機器について説明する。本実施形態では電子機器としてノートブック型コンピュータを一例に挙げて説明する。
図1、2は本実施形態に係る電子機器1の外観図を示す。電子機器1は、主要な構成要素として、本体3と、蓋体5と、これら本体3と蓋体5とを連結するヒンジhとを備えている。蓋体5はヒンジhを介して本体3に対して開閉自在に支持される。図1は蓋体5が本体3に対して開いている状態を示し、図2は蓋体5が本体3に重ね合わされて閉じられた状態を示す。
本体3は、本体側筐体26と、この本体側筐体26に配設されるキーボードユニット11、その他マザーボード、ハードディスク装置、PCカードスロット34(図7参照)、コネクタなどの内蔵部品を備えている。
本体側筐体26は、更に下筐体27と上筐体28とが組み合わされて構成される。下筐体27は、略四角形状の底面部と、この底面部の縁部に部分的に形成された壁部とを有する扁平箱状を呈する。
上記下筐体27に組み合わされる上筐体28は、図13に示すように、下筐体27とほぼ同じ平面寸法を有する全体として略四角形状を呈しているが、前端部側には、上述したキーボードユニット11のキーやポインティングデバイスを露出させるためのくりぬき部80が形成されている。
上筐体28において、後端縁部側には略矩形状のカバー部81が形成されている。また、後端縁部の左右の両端部近傍部分には、表示部5との連結部74a、74bが外方に突出して設けられている。
蓋体5は、本体3に対して開かれ画面を露見させた状態では表示部として機能する。本体3に重ね合わされて閉じられた状態では、キーボードユニット11に塵埃や水分が入らないようにする蓋として機能する。
蓋体5は、図9に示すように、表示側筐体22と、この表示側筐体22に収容される液晶パネルユニット7と、図示しないインバータ回路基板などを備えている。表示側筐体22には、液晶パネルユニット7の表示画面70を外部に露見させるようにして枠部材24が取り付けられる。
ヒンジhは、本体3及び蓋体5から独立した略円柱状の柱状体からなる。ヒンジhは、本体3の後端部と蓋体5の下端部との間に配設され、本体3及び蓋体5に収められておらず、またそれら両者に重なり合っていない。したがって、ヒンジhの中心軸も本体3及び蓋体5に重ならない位置である本体3の後端部と蓋体5の下端部との間に位置している。ヒンジhは、本体3から独立した状態で設置面上に載置される。
ヒンジhは、本体3の後端部及び蓋体5の下端部に相当する部分に位置しており、本体3及び蓋体5の横幅と略同幅となっている。
ヒンジhは、その軸方向に関しての左右の両端部に位置する円筒部17a、17bと、それぞれの円筒部17a、17bが対向し合っている内側端部に隣接される円筒部15a、15bと、これら円筒部15a、15bの間に配設されるバッテリー9とを備える。
なお、ヒンジhは、上記円筒部17a、17b、円筒部15a、15b、バッテリー9の分割体からなる構成に限らず、円柱状の一体構成であってもよい。要するに、分割体を組み合わせた構成、あるいは一体構成に限らず、本体3及び蓋体5から独立し、全体として見て柱状体からなる構成であればよい。
円筒部17a、17bは、図9に示されるように、蓋体5の下端部における左右の端部に蓋体5から突出して結合される。一方、円筒部15a、15bは、本体3の後端部における左右の端部近傍に本体3から突出して結合される。
上記円筒部17a、17bは、円筒部15a、15bに対して回動自在に連結される。これにより、円筒部17a、17bと共に蓋体5が、本体3に対して回動自在に連結される。
また、円筒部17bと円筒部15bとの間には、図9に示される回動機構97が内蔵される。回動機構97の一端部は円筒部17bと連結され、回動機構97の他端部側に設けられたアーム部97aは円筒部15bに固定される。回動機構97は、例えば複数枚のプレートで板ばねを挟み込んだ構造であり、これらの間に作用する摩擦力によって所望の回動角度が保持できるようになっている。
また、一方の円筒部17bには、電源スイッチ20が設けられている(図2参照)。これと反対側の他方の円筒部17aには、AC電源アダプタ接続用のコネクタ19が設けられている(図1参照)。このコネクタ19の抜差口は、電子機器1の開閉状態にかかわらず常に外部に露見されている。
このように、ヒンジhの両端部に電源スイッチ20やコネクタ19を配置することで、その分、本体3や蓋体5に設ける部品スペースを削減でき、本体3や蓋体5の薄型化を促進できる。
バッテリー9は、ヒンジhの軸方向に関しての中間部にあたる、円筒部15a、15b間に設けられる。図3、図4に示すように、バッテリー9は本体3に対して着脱自在である。
円筒部15a、15bの相対向する内側端部にはガイド突起102(一方の円筒部15aに形成されたもののみ図3に示す)が形成されている。ガイド突起102はヒンジhの軸方向に直交する方向に沿って延在している。
バッテリー9は、その左右の両端部に形成されたガイド溝をガイド突起102に係合させることによるガイド作用を受けながら本体3に対して装着される。そして、本体3の後端部に設けられたコネクタ133に図示しないバッテリー9のコネクタを係合させることで、バッテリー9からの電力が本体3及び蓋体5に供給される。
また、円筒部15a、15bにおいて相対向する内側端部にはガイド突起102の他にロック爪107(図3参照)も形成されている。この作用について図12を参照して説明すると、ロック爪107は例えば5角形状に形成され、バッテリー9にはそのロック爪107と略同形状のロック爪134が内蔵されている。
そのロック爪134はばね135によってロック爪107側に向けて付勢されており、バッテリー9がガイド突起102に沿って本体3に装着され始めると、図12Aに示すように、ロック爪134はその奥側のテーパー面をロック爪107の手前側のテーパー面に当接させながら、且つばね135を圧縮させながら奥(バッテリー9の装着方向)へ入っていく。
そして、ロック爪134はその奥側のテーパー面がロック爪107の手前側のテーパー面からのガイドから外れると、ばね135の付勢力により、ロック爪134はその手前側のテーパー面をロック爪107の奥側のテーパー面に当接させる(図12B)。これら両ロック爪107、134どうしの係合により、バッテリー9は装着解除方向への抜け止めがなされる。
バッテリー9を外すには、バッテリー9の外周部に設けられたスライドレバー104(図3、4参照)を操作して、上記ロック爪134をばね135の付勢方向の反対方向に移動させてロック爪107との係合を解除する。
以上のような、ロック爪134及びスライドレバー104を本体3にではなく、バッテリー9に設けることで、その分、本体3側の部品を削減でき、本体3の薄型化を促進する。
図3〜図8に示されるように、円筒部15a、15bの外周部にはストッパー130が設けられている。ストッパー130は、円筒部15a、15bの外周部に突起状に設けられている。
ストッパー130は、円筒部15a、15bにおける背面側の外周部に沿って弧状に膨出して形成され、更にその弧状の部分から前方へと屈曲され、円筒部15a、15bの底部にまで扁平状の脚部131として延びている。ストッパー130は、図7、8に示すように横から見た状態で全体として略L字状を呈している。
ストッパー130は、例えばABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂からなる。ストッパー130の材料としてABS樹脂を用いたのは、蓋体5に対して損傷を与えることなく、且つ蓋体5との当接に耐え得る適度な硬さと強度を有し、さらに、安価で手に入りやすいという理由による。もちろん、他の合成樹脂、例えばポリカーボネート樹脂、あるいはABS樹脂とポリカーボネート樹脂との混合樹脂から構成してもよい。
ストッパー130の脚部131は電子機器が設置面上に置かれた状態でその設置面に接触する部位であり扁平状に形成されている。
なお、バッテリー9の底部も扁平状に形成され、電子機器1を設置面上に支持する脚部として機能する。
また、ストッパー130の脚部131底面、及び本体3の下筐体27の底面には、緩衝用及び滑り止め用のゴム部材132、50a〜50fが設けられている。これらゴム部材132、50a〜50fは、例えば衝撃吸収性に優れたウレタンゴムからなる。
また、図5に示されるように、ストッパー130において、蓋体5と接触する部位130aは蓋体5の後端部5aに向けて円筒部15aからの突出高さが漸次低くなるテーパー状となっている。さらに、その部位130aは、蓋体5の後端部5aに向けて凸となるような曲面になっている。
本実施形態では、図10に示されるように、ヒンジhは、本体3及び蓋体5に組み込まれずに、また蓋体5と本体3とが合わされる面に重ならず、本体3及び蓋体5から独立した柱状体からなるので、ヒンジhの存在に影響されずに本体3及び蓋体5の薄型化を図ることができる。
また、図7に示すように、本体3は、その筐体26の中線(上筐体28と下筐体27との合わせ面にほぼ一致)の延長線上にヒンジhの中心が位置するように配置されている。すなわち、ヒンジhの中心が本体3の厚さの範囲内に収められ、ヒンジhが本体3から大きく突出していないので、本体3からヒンジhが大きく突出してしまうことで形成される無駄なスペースと、電子機器1全体としての無駄な厚さの増大を抑制できる。
更に、上記ヒンジhの本体3からの突出量を抑えられることは、図10に示すように、本体3に対して蓋体5が閉じられた状態で、両者を合わせた厚さを、ヒンジhの太さより小さくしやすく、両者が重ね合わされた状態における電子機器1全体のよりいっそうの薄型化が図れる。
また、本体3の筐体26と蓋体5の筐体22は、何れもヒンジhに対向する端部3a、5bから、その反対側の端部に向けて漸次薄くなるように傾斜しており、本体3に対して蓋体5が閉じられて両者が重ねあわされた状態で、ヒンジh側からそのヒンジhの反対側の端部にかけて略V字状になるような厚さの変化がついている。これにより、閉じられた状態から開くためにどこに手をかければよいのか使用者に認識させることができる。また、開かれた状態で本体3が傾斜していることは、本体3に具備されたキーボードの操作を行いやすくする。
また、図7に示すように、本体3の下筐体27の底部においてヒンジh側の部位に、ヒンジhとの接続箇所に向けて漸次肉厚となるように弧状に湾曲された湾曲部140が形成されている。この湾曲部140によって、筐体27に作用するねじれや撓みに対する耐性を向上させることができ、薄型化による強度低下を補完できる。
また、本体3において、ヒンジhと接続される部位3aの形状をヒンジhの外周形状に合わせた弧状に形成しているので、本体3に必要以上の厚さ増大をきたすことなく本体3とヒンジhとを安定した面接触でもって確実に接続することができ、両者の接続強度を高めることができる。
蓋体5についても同様に、ヒンジhと接続される部位5bの形状をヒンジhの外周形状に合わせた弧状に形成しているので、蓋体5に必要以上の厚さ増大をきたすことなく蓋体5とヒンジhとを安定した面接触でもって確実に接続することができ、両者の接続強度を高めることができる。
蓋体5は、円筒部17a、17bと共にヒンジhの軸まわりに回動自在である。そして、図10の閉状態から開かれ、図8の状態を経て、更に開かれる方向に回動されると、図7、図6に示すように、ストッパー130によってそれ以上の回動が規制される。
具体的には、円筒部17a、17bと共に円筒部15a、15bに対して回動される蓋体5の下端部5aが、円筒部15a、15bの外周部に設けられたストッパー130の接触部位130aに当接することで、蓋体5の回動が規制される。
本実施形態では、本体3の薄型化により軽量化も促進され、蓋体5の開き角度があまり大きくなると蓋体5に作用するヒンジhまわりの回転モーメントが、本体3を設置面上に保持すべく本体3に作用するヒンジhまわりの回転モーメントより大となり、電子機器1が後方へ倒れてしまう。
例えば、蓋体5の本体3に対する開き角度が140゜になると、本体3が設置面上から浮き上がりヒンジhを支点に蓋体5が後方へ倒れることが実験により確認できたので、蓋体5の本体3に対する開き角度を135゜で規制するようにしている。
すなわち、蓋体5の下端部5aがストッパー130の接触部位130aに当接した状態で、蓋体5の本体3に対する開き角度が135゜となるように設定している。これは、ストッパー接触部位130aの円筒部15a、15b外周部上における位置や、その接触部位130aのテーパー角度の調整などによって、所望の開き角度で規制されるよう調整される。
このように、ストッパー130によって蓋体5の開き角度を規制しているので、使用中に電子機器1が後方へと倒れること防げる。また、図6に示すように、ストッパー130は、ヒンジhの左右の両端部側にそれぞれ設けられているので、ストッパー130に過大な力が作用することなく安定して蓋体5の下端部を受けることができる。
更に、図9に示される回動機構97自体にもその回動角度を規制する構造が設けられ、上記ストッパー130の作用と合わせて、蓋体5を無理に規制角度以上に開こうとする力が作用しても確実に所望の角度(例えば135゜)で蓋体5の開きを規制することができる。
また、図7に示されるように、蓋体5の下端部5aは円筒部17a、17bの外周部から突出しており、ストッパー130との接触位置にくると下向き傾斜して円筒部17a、17bの外周部から突出している。
したがって、その蓋体5の下端部5aの下向き傾斜形状に合わせて、ストッパー130の接触部位130aも、円筒部15a、15bから下向き傾斜で突出するようにテーパー状にしている。
これにより、図7に示すように、ストッパー130の接触部位130aに対して蓋体5の下端部5aを安定した面接触で接触させることができ、ストッパー130の接触部位130aに局所的に過度な力が蓋体5側から作用することによる接触部位130aの損傷を防げる。上記接触部位130aは、テーパー状に限らず、蓋体5の下端部5aに面接触で当接し合う形状であればよく、例えば鉤状にしてもよい。
また、図7に示されるように、ストッパー130は、その脚部131が設置面と円筒部17a、17bとの間に介在され、円筒部17a、17bを設置面上から浮かせる。ストッパー130は円筒部15a、15bの外周部に設けられているので、円筒部17a、17bとは干渉していない。
円筒部17a、17bは、蓋体5の回動によって、円筒部15a、15bに対して回動される部分であるので、設置面上から浮いていることで、その回動の際に設置面に対して擦れを生じることなく回動できる。これにより、蓋体5の回動を円滑に行えると共に、円筒部17a、17bの摩耗や設置面上の傷付きを防げる。
また、脚部131は設置面に接触される部位が扁平状に形成されるので、がたつきを抑えて電子機器1を安定して設置面上に支持できる。
また、上述したストッパー130を、単なる蓋体5の開き角度規制手段として機能させるだけでなく、電子機器自体を倒れにくくする役割も与えている。
これについて、図14を参照して説明すると、ストッパー130において、ヒンジhの下に位置する脚部131は扁平状に形成され、これにより、円柱状のヒンジhを直接設置面上に接触させた場合に比べ設置面との接触面積を大きくできる。この結果、脚部131と設置面との間の摩擦を大きくしてヒンジhが設置面上を滑るようにして回動してしまうことを抑制できる。
特に、脚部131の裏面には、図3、4に示すように、ゴム部材132が設けられているので、よりいっそう設置面との密着力を大きくして倒れにくくなっている。
なお、図15に示すストッパー141のように、脚部を前方まで延ばして設けなくても、ヒンジh単体だけの場合に比べて、設置面との設置面積を大きくすることができる。
更に、図16に示すストッパー142のように、ストッパー142の後部を、ヒンジhの外周部からヒンジhの後方に位置する設置面上に向けて下向き傾斜させれば、ヒンジhが設置面上を滑るようにして回動することに対する大きな規制となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
ストッパー130は、図11に示すように、バッテリー9の外周部に設けてもよい。この場合には、修理やメンテナンス、その他製造工程における検査などのの際に蓋体5の開き角度を規制したくない場合に、バッテリー9を取り外すことでストッパー130も本体3から外すことができ、蓋体5の開き角度の規制を解除することができる。
上記実施形態のように、ストッパー130を、バッテリー9が取り外されて残される円筒部15a、15bに設けた場合には、バッテリー9が取り外されて使用される場合、すなわちAC電源アダプタを介して商用電源からの電力供給を受けての駆動においても、そのストッパー130によって蓋体5の開き角度規制を行える。
蓋体としては表示部の機能を持たない、単なる本体を保護するための機能だけの構成であってもよい。
1…電子機器、3…本体、5…蓋体、7…液晶パネルユニット、9…バッテリー、11…キーボードユニット、20…電源スイッチ、22…表示側筐体、26…本体側筐体、27…下筐体、28…上筐体、34…PCカードスロット、130…ストッパー、h…ヒンジ。
Claims (25)
- 本体に対して蓋体がヒンジを介して開閉自在な電子機器であって、
前記ヒンジは、前記本体及び前記蓋体から独立した柱状体からなる
ことを特徴とする電子機器。 - 前記本体は、その筐体の中線の延長線上に前記ヒンジの中心が位置するように配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。 - 前記ヒンジは、略円柱状に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。 - 前記本体に対して前記蓋体が閉じられた状態で、前記本体の筐体と前記蓋体の筐体とを組み合わせた厚さが、前記ヒンジの太さより小さくなるように構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。 - 前記本体の筐体と前記蓋体の筐体は、何れも前記ヒンジに対向する端部から、その反対側の端部に向けて漸次薄くなるように傾斜して形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。 - 前記本体の筐体底部に、前記ヒンジとの接続箇所に向けて漸次肉厚となるように弧状に湾曲された湾曲部が形成されている
ことを特徴とする請求項5に記載の電子機器。 - 前記ヒンジは、前記本体の横幅と略同幅の柱状体からなる
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。 - 前記ヒンジは、両端部の間の中間部に着脱自在とされるバッテリーを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。 - 前記ヒンジは、その外周部に前記蓋体の開き角度を規制するストッパーが設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。 - 前記ストッパーは、前記ヒンジの底部に延設され脚部として機能する
ことを特徴とする請求項9に記載の電子機器。 - 前記脚部は、少なくとも接地部位が扁平に形成される
ことを特徴とする請求項10に記載の電子機器。 - 前記ストッパーは、前記蓋体と接触する部位が、前記蓋体側の接触部位形状に合わせた形状に形成されている
ことを特徴とする請求項9に記載の電子機器。 - 前記ストッパーは、合成樹脂からなる
ことを特徴とする請求項9に記載の電子機器。 - 前記ストッパーは、ABS樹脂からなる
ことを特徴とする請求項13に記載の電子機器。 - 前記ストッパーは、前記ヒンジの両端部の外周部に設けられる
ことを特徴とする請求項9に記載の電子機器。 - 前記バッテリーの外周部に、前記蓋体の開き角度を規制するストッパーが設けられる
ことを特徴とする請求項8に記載の電子機器。 - 前記本体は、前記ヒンジと接続される部位の形状を前記ヒンジの外周形状に合わせた弧状に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。 - 前記蓋体は、前記ヒンジと接続される部位の形状を前記ヒンジの外周形状に合わせた弧状に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。 - 本体に対して蓋体を開閉自在に連結するヒンジの中間部に着脱自在に設けられるバッテリーであって、
外周部に、前記蓋体の開き角度を規制するストッパーが設けられる
ことを特徴とするバッテリー。 - 略円柱状に形成される
ことを特徴とする請求項19に記載のバッテリー。 - 前記ストッパーは、前記バッテリーの底部に延設され脚部として機能する
ことを特徴とする請求項19に記載のバッテリー。 - 前記脚部は、少なくとも接地部位が扁平に形成される
ことを特徴とする請求項21に記載のバッテリー。 - 前記ストッパーは、前記蓋体と接触する部位が、前記蓋体側の接触部位形状に合わせた形状に形成されている
ことを特徴とする請求項19に記載のバッテリー。 - 前記ストッパーは、合成樹脂からなる
ことを特徴とする請求項19に記載のバッテリー。 - 前記ストッパーは、ABS樹脂からなる
ことを特徴とする請求項24に記載のバッテリー。
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