JP2005165138A - 光導波路 - Google Patents

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憲一 田河
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龍介 内藤
Shu Mochizuki
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Abstract

【課題】 ポリイミドからなる光導波路であって、下部クラッド層でのクラックの発生が防止され、信頼性の高い光導波路を提供すること。
【解決手段】 アンダークラッド層3と、そのアンダークラッド層3の上に設けられるコア層4と、アンダークラッド層3の上にコア層4を被覆するように設けられるオーバークラッド層5とを備える光導波路6であって、アンダークラッド層3、コア層4およびオーバークラッド層5を、ポリイミドから形成し、かつ、アンダークラッド層3を、重量平均分子量1.5×10以上のポリアミド酸をイミド化することにより、形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光導波路に関し、詳しくは、複数の光デバイスの間を光接続するための光導波路に関する。
近年、光ファイバの開発による光通信システムの実用化に伴ない、光導波路を用いた多種多様の光通信デバイスの開発が求められている。
例えば、WDM通信をはじめとする光ファイバ網の構築には、種々の光通信デバイスが必要であるため、それら光通信デバイスを低コストで製造すべく、光導波路を形成するための材料として、量産性や大面積の加工性に優れるポリマー材料が求められている。そして、そのようなポリマー材料として、例えば、ポリイミドが知られている(特許文献1参照。)。
より具体的には、特許文献1には、フッ素置換率30%以上のフッ素化ポリイミドを主成分とする下部クラッド層、導波層および上部クラッド層を、フッ素置換率10%以下のポリイミドを主成分とする下塗り層を介して基板上に形成することが提案されている。
特開2002−90559号公報
しかし、ポリイミドからなる光導波路では、製造時において、上部クラッド層を形成する時に、ポリアミド酸の乾燥や硬化(イミド化)に起因する収縮応力によって、下部クラッド層にクラックが入りやすく、特に、コア層(導波層)の近傍部分では、応力集中によりクラックの発生が激しくなるという不具合がある。
本発明の目的は、ポリイミドからなる光導波路であって、下部クラッド層でのクラックの発生が防止され、信頼性の高い光導波路を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の光導波路は、下部クラッド層と、前記下部クラッド層の上に設けられるコア層と、前記下部クラッド層の上に前記コア層を被覆するように設けられる上部クラッド層とを備える光導波路であって、前記下部クラッド層、前記コア層および前記上部クラッド層は、ポリイミドから形成されており、前記下部クラッド層は、重量平均分子量1.5×10以上のポリアミド酸をイミド化することにより、形成されていることを特徴としている。
本発明の光導波路によれば、下部クラッド層が、重量平均分子量1.5×10以上のポリアミド酸をイミド化することにより形成されているので、その上に、ポリイミドからなる上部クラッド層を形成する時に、上部クラッド層を形成するポリアミド酸の乾燥や硬化(イミド化)に起因して収縮応力が生じても、下部クラッド層にクラックが入ることを防止することができる。そのため、ポリイミドから低コストで製造でき、かつ、高い信頼性の光導波路を提供することができる。
図1は、本発明の光導波路の一実施形態を製造する方法を示す製造工程図である。
図1において、この方法では、まず、図1(a)に示すように、基板1を用意する。基板1は、平板状をなし、ポリイミドの硬化時の耐熱性があれば、特に制限されず、例えば、シリコンウエハ、石英ガラス、多成分ガラス、金属、ポリイミド樹脂などの耐熱性樹脂などから形成することができる。また、基板1の厚みは、例えば、10〜5000μm、好ましくは、10〜1500μmである。
次いで、この方法では、図1(b)に示すように、基板1の上に密着層2を形成する。密着層2は、基板1と、後述するアンダークラッド層3との間を密着させるために形成され、特に制限されず、例えば、後述するポリアミド酸ワニスであって、シリコーン系シランカップリング剤を処方することによって、密着力を向上させたものを用いて、形成することができる。より具体的には、例えば、密着層2を形成するために処方されたポリアミド酸ワニスを、例えば、キャスティング、スピンコートなど公知の塗布方法により、基板1の上に塗布し、これを予備乾燥した後に、例えば、真空下、300〜400℃で硬化(イミド化)させる。これによって、ポリイミドからなる密着層2が形成される。
また、密着層2の厚みは、例えば、0.1〜30μm、好ましくは、5〜15μmである。
その後、この方法では、図1(c)に示すように、密着層2の上に、下部クラッド層としてのアンダークラッド層3を形成する。
アンダークラッド層3の形成は、例えば、ポリアミド酸ワニスを、密着層2の上に塗布し、これを予備乾燥した後に、例えば、300〜400℃で硬化(イミド化)させる。
ポリアミド酸ワニスは、ポリアミド酸が溶媒(後述する反応溶媒)で溶解されている樹脂溶液であり、ポリアミド酸は、ポリイミド前駆体であって、有機テトラカルボン酸二無水物と、ジアミンとを反応させることによって得ることができる。
有機テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物などが挙げられる。
また、例えば、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸二無水物などのフッ素置換テトラカルボン酸二無水物なども挙げられる。
これら有機テトラカルボン酸二無水物は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−2,2'−ジメチルビフェニルなどが挙げられる。
また、例えば、2,2'−ビス(トリフルオロメトキシ)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMOB)、3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAAF)、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン(HFBAPP)、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB)、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BIS−AP−AF)、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BIS−AT−AF)、2,2’−ジフルオロベンジジン(FBZ)、4,4’−ビス(アミノオクタフルオロ)ビフェニル、3,5−ジアミノベンゾトリフルオライド、1,3−ジアミノ−2,4,5,6−テトラフルオロベンゼン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(BTFB)などのフッ素置換ジアミンなども挙げられる。
これらジアミンは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
そして、ポリアミド酸は、有機テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、常法に従って反応させることにより、得ることができる。すなわち、例えば、有機テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、ほぼ等モルとなる割合で、不活性ガス雰囲気下、反応溶媒中において、250℃以下の温度、好ましくは、室温(25℃)〜80℃の範囲で、5〜20時間程度攪拌することによって、ポリアミド酸を粘性のある溶液、すなわち、ポリアミド酸ワニスとして得ることができる。
反応溶媒としては、有機テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを溶解させるとともに、得られるポリアミド酸を溶解し得るものであれば、特に制限されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒が挙げられる。これら極性溶媒は、単独で、または、2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
このようにして得られるポリアミド酸は、例えば、その重量平均分子量が、1.5×10以上、好ましくは、2.0×10〜3.5×10である。ポリアミド酸の重量平均分子量が、1.5×10未満であると、オーバークラッド層5の形成時に、アンダークラッド層3にクラックが生じる。なお、ポリアミド酸の重量平均分子量は、有機テトラカルボン酸二無水物およびジアミンの反応時の反応温度や、反応後のエージングの実施などにより、調整することができる。なお、ポリアミド酸の重量平均分子量は、例えば、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)測定から、標準ポリエチレンオキサイドの換算値として求めることができる。
また、ポリアミド酸ワニスの固形分濃度は、例えば、1〜50重量%、好ましくは、5〜30重量%である。
なお、アンダークラッド層3を形成するポリアミド酸は、アンダークラッド層3の形成後に、コア層4よりも、屈折率が低くなるように処方される。より具体的には、下記(1)式において、シングルモードの場合、Δが0.2〜0.8となるように、マルチモードの場合、Δが0.5〜3.0となるように、コア層4とアンダークラッド層3との屈折率を調整する。
Δ=(n−n)/n×100 (1)
(n=コア層の屈折率、n=アンダークラッド層の屈折率)
屈折率の調整は、有機テトラカルボン酸二無水物またはジアミンとして、複数の種類を用いて、それらの組成比を適宜変更することにより行う。
ポリアミド酸ワニスを密着層2の上に塗布するには、例えば、キャスティング、スピンコートなど公知の塗布方法が用いられる。次いで、ポリアミド酸ワニスを、例えば、50〜100℃で予備乾燥し、その後、例えば、真空下、300〜400℃で硬化(イミド化)させることにより、ポリイミドからなるアンダークラッド層3を形成する。
アンダークラッド層3の厚みは、例えば、5〜20μmである。アンダークラッド層3の厚みが、この範囲よりも厚いと、クラックが入りやすくなる。
次いで、この方法では、図1(d)に示すように、アンダークラッド層3の上にコア層4を形成する。コア層4の形成は、例えば、感光性ポリアミド酸ワニスを、アンダークラッド層3の上に塗布し、これを予備乾燥した後に、フォトマスクを介して露光し、必要により露光後加熱後に現像し、その後、硬化(イミド化)させることにより、所定のパターンとして形成する。
感光性ポリアミド酸ワニスは、上記したポリアミド酸ワニスに、感光剤を配合することによって、得ることができる。
コア層4を形成するポリアミド酸は、コア層4の形成後に、アンダークラッド層3よりも、屈折率が高くなるように処方される。より具体的には、屈折率を、上記したように、有機テトラカルボン酸二無水物またはジアミンとして、複数の種類を用いて、それらの組成比を変更して調整する。
感光剤としては、特に制限されないが、下記一般式(1)で示される1,4−ジヒドロピリジン誘導体が、好ましく用いられる。
Figure 2005165138
(式中、Arは1,4−ジヒドロピリジン環への結合位置に対してオルソ位にニトロ基を有する芳香族基を示し、Rは水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または炭素原子数1または2のアルキル基を示す。)
上記式(1)中、Arで示されるオルソ位にニトロ基を有する芳香族基として、好ましくは、o−ニトロフェニル基が挙げられ、また、R、R、R、RおよびRで示される炭素数1、2または3のアルキル基として、好ましくは、メチル基(C1)、エチル基(C2)、n−プロピル基(C3)、i−プロピル基(C3)が挙げられる。
このような1,4−ジヒドロピリジン誘導体は、より具体例には、例えば、1−エチル−3,5−ジメトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、1−メチル−3,5−ジメトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、1−プロピル−3,5−ジメトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、1−プロピル−3,5−ジエトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジンが挙げられる。
感光剤の配合割合は、例えば、ポリアミド酸100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは、0.1〜4重量部である。0.1重量部より少ないとパターンの形成が困難となる場合があり、また、10重量部より多いと光学損失が増大する場合がある。
また、感光性ポリアミド酸ワニスには、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールジフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテルなどの溶解調整剤を配合してもよい。溶解調整剤の配合割合は、例えば、ポリアミド酸100重量部に対して、10〜45重量部、好ましくは、15〜30重量部である。
そして、感光性ポリアミド酸ワニスを、アンダークラッド層3の上に塗布するには、例えば、キャスティング、スピンコートなど公知の塗布方法が用いられる。次いで、ポリアミド酸ワニスを、例えば、50〜100℃で予備乾燥する。
その後、予備乾燥により形成されたポリアミド酸からなる皮膜を、フォトマスクを介して露光する。フォトマスクは、例えば、ネガ画像で所定のパターンを形成する場合には、次の現像において露光部分が残存するような、光透過部分がコア層として形成される所定のパターンと、同一のパターンで形成されたフォトマスクが用いられる。
また、露光方法は、特に制限されず、例えば、皮膜とフォトマスクとを直接接触させるハードコンタクト露光方法、皮膜とフォトマスクとの間に若干の隙間を設けるプロキシミティ露光方法、さらには、投影露光方法など、公知の露光方法が用いられる。
その後、必要により露光後加熱して、ネガ型の画像を形成する。露光後加熱は、例えば、140℃以上で加熱する。これによって、アルカリ水溶液からなる現像液に対する露光部分の溶解性を低減し、次の現像において、未露光部分を溶解するネガ画像を、良好に形成することができる。
次いで、皮膜を現像するには、浸漬法やスプレー法などの公知の方法が用いられる。現像温度は、通常、25〜50℃である。また、現像剤として、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウムなどのような有機アルカリ水溶液や、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリ水溶液が用いられる。アルカリ濃度は、通常、2〜5重量%であり、必要に応じて、アルカリ水溶液には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの低級脂肪族アルコールを添加することができる。
そして、皮膜を硬化させるには、例えば、真空下、300〜400℃で加熱して、イミド化させる。これによって、ポリイミドからなるコア層4が所定のパターンとして形成される。
なお、コア層4のパターンは、特に制限されないが、例えば、図1(d)に示すように、断面矩形状(断面円形状でもよい。)のラインが、互いに所定間隔を隔てて並行配置されるパターンとして形成される。また、コア層4の厚みは、例えば、シングルモードの場合、4〜10μm、好ましくは、6〜8μm、マルチモードの場合、10〜100μm、好ましくは、30〜50μmである。
また、コア層4のパターンは、上記のような露光および現像による形成に限らず、例えば、まず、皮膜を硬化させ、次いで、所定のパターンにエッチングすることによって、形成することもできる。
そして、この方法では、図1(e)に示すように、アンダークラッド層3の上に、コア層4を被覆するように上部クラッド層としてのオーバークラッド層5を形成して、光導波路6を得る。
オーバークラッド層5の形成は、例えば、ポリアミド酸ワニスを、コア層4を含むアンダークラッド層3の上に塗布し、これを予備乾燥した後に、例えば、300〜400℃で硬化(イミド化)させる。
オーバークラッド層5を形成するポリアミド酸ワニスは、上記と同様のポリアミド酸ワニスであって、オーバークラッド層5の形成後に、コア層3よりも屈折率が低くなるように処方される。好ましくは、アンダークラッド層3を形成するポリアミド酸ワニスと、同じ処方のものが用いられる。
ポリアミド酸ワニスを、コア層4を含むアンダークラッド層3の上に塗布するには、例えば、キャスティング、スピンコートなど公知の塗布方法が用いられる。次いで、ポリアミド酸ワニスを、例えば、50〜100℃で予備乾燥し、その後、例えば、真空下、300〜400℃で硬化(イミド化)させることにより、ポリイミドからなるオーバークラッド層5を形成する。
オーバークラッド層5の厚みは、例えば、5〜50μm、好ましくは、15〜30μmである。
そして、このような方法により得られた光導波路6は、アンダークラッド層3が、重量平均分子量1.5×10以上のポリアミド酸をイミド化することにより形成されているので、その上に、ポリイミドからなるオーバークラッド層5を形成する時に、オーバークラッド層5を形成するポリアミド酸の乾燥や硬化(イミド化)に起因して収縮応力が生じても、アンダークラッド層3にクラックが入ることを防止することができる。そのため、この光導波路6は、ポリイミドから低コストで製造できながら、高い信頼性を得ることができる。
そして、このような光導波路6は、特に制限されることなく、種々の光デバイスを光接続するために用いられ、具体的には、直線光導波路、曲がり光導波路、交差光導波路、Y分岐導波路、スラブ光導波路、マッハツェンダー型光導波路、AWG型光導波路、グレーティング、光導波路レンズなどとして用いられる。
また、これらの光導波路により接続される光デバイスとして、例えば、波長フィルタ、光スイッチ、光分岐器、光合成器、光合分波器、光アンプ、波長変換器、波長分割器、光スプリッタ、方向性結合器、さらには、レーザダイオードやフォトダイオードをハイブリッド集積した光伝送モジュールなどが挙げられる。
なお、上記の説明においては、基板1とアンダークラッド層3との間に、密着層2を設けたが、基板1に対するアンダークラッド層3の密着力が十分な場合には、密着層2を設けなくてもよい。また、密着層2を設ける代わりに、基板1の表面に、密着力を高めるための公知の表面処理を施してもよい。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されることはない。
実施例1
(クラッド層ポリアミド酸ワニスの合成)
窒素雰囲気下、攪拌羽根を備えた500mLのセパラブルフラスコ内で、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB)(0.1モル(32.02g))を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)178.38gに溶解させ、攪拌羽根の回転数を200min−1に設定して攪拌しながら、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)(0.1モル(44.42g))を加えた。反応の進行に伴なって、粘度が上昇し、攪拌が困難となったので、1時間後には、攪拌羽根の回転数を10min−1に設定した。反応温度を35℃に調整して、仕込みから6時間後に反応を終了した。
反応終了後、DMAc 286.6gを加え、粘度を10Pa・sまで低下させ、ポリアミド酸ワニス(以下、クラッド層ポリアミド酸ワニスとする。)を得た。
クラッド層ポリアミド酸ワニス中のポリアミド酸の重量平均分子量を、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)にて測定したところ、標準ポリエチレンオキサイド換算値でMw=2.06×10であった。なお、GPCでは、HLC−8120GPC(東ソー社製、溶離液:10mM−LiBr+10mM−リン酸/DMF)にて測定した。
(密着層ポリアミド酸ワニスの合成)
窒素雰囲気下、攪拌羽根を備えた500mLセパラブルフラスコ内で、1,3−ビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(APDS)(0.004モル(0.87mg))を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)177.79gに溶解させ、攪拌羽根の回転数を200min−1に設定して攪拌しながら、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB)(0.097モル(30.90g))、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)(0.100モル(44.42g))を順に加えた。反応の進行に伴なって、粘度が上昇し、攪拌が困難となったので、1時間後には、攪拌羽根の回転数を10min−1に設定した。反応温度を35℃に調整して、仕込みから6時間後に反応を終了した。
反応終了後、DMAc 126.99gを加え、均一になるまで攪拌した後、オイルバスを用いて系を60℃に保ち、エージングを行った。メカニカルスターラーを用いて、系を50rpmで攪拌し、粘度を14Pa・sまで低下させ、ポリアミド酸ワニス(以下、密着層ポリアミド酸ワニスとする。)を得た。
密着層ポリアミド酸ワニス中のポリアミド酸の重量平均分子量をGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)にて測定したところ、標準ポリエチレンオキサイド換算値でMw=1.21×10であった。なお、GPCでは、HLC−8120GPC(東ソー社製、溶離液10mM−LiBr+10mM−リン酸/DMF)にて測定した。
(コア層ポリアミド酸ワニスの合成)
窒素雰囲気下、攪拌羽根を備えた500mLのセパラブルフラスコ内で、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB)(0.1モル(32.02g))を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)178.38gに溶解させ、攪拌羽根の回転数を200min−1に設定して攪拌しながら、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)(0.1モル(44.42g))を加えた。反応の進行に伴なって、粘度が上昇し、攪拌が困難となったので、1時間後には、攪拌羽根の回転数を10min−1に設定した。反応温度を35℃に調整して、仕込みから6時間後に反応を終了した。
反応終了後、DMAc 126.99gを加え、均一になるまで攪拌した後、オイルバスを用いて系を60℃に保ち、エージングを行いポリアミド酸ワニスを得た。
このうち100gを別途ビーカに取り出し、4−o−ニトロフェニル−3,5−ジメトキシカルボニル−1−エチル−1,4−ジヒドロピリジンを、ポリアミド酸ワニスの固形分に対して2%(0.4g)添加し、均一に攪拌することで、感光性ポリアミド酸ワニス(以下、コア層ポリアミド酸ワニスとする。)を得た。
このコア層ポリアミド酸ワニスは、波長1.55μmにおいて、コア層形成後の屈折率が、クラッド層ポリアミド酸ワニスにより形成されるクラッド層の屈折率よりも、約0.008高くなるように処方した。
(光導波路の作製)
厚み525μmのシリコンウエハを、基板として用意し(図1(a)参照)、その基板の上に、密着層ポリアミド酸ワニスを、スピンコート法により塗布し、90℃で15分間、予備乾燥して溶媒を除去した。その後、真空下、385℃で2時間加熱することでイミド化し、厚み5μmの密着層を形成した(図1(b)参照)。
その後、密着層の上に、クラッド層ポリアミド酸ワニスを、スピンコート法により塗布し、90℃で15分間、予備乾燥して溶媒を除去した。その後、真空下、385℃で2時間加熱することでイミド化し、厚み15μmのアンダークラッド層を形成した(図1(c)参照)。
次に、アンダークラッド層の上に、コア層ポリアミド酸ワニスを、スピンコート法により塗布し、90℃で15分間、予備乾燥して溶媒を除去し皮膜を形成した。次いで、この皮膜を、フォトマスクを介して露光量30mJ/cmで露光し、170℃で露光後加熱した後、エキネン/10%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(1:1)溶液中に浸漬して現像し、所定のパターンに形成した。その後、皮膜を、真空下、330℃で2時間加熱することでイミド化し、厚み8μmのコア層を形成した(図1(d)参照)。
そして、コア層を含むアンダークラッド層の上に、クラッド層ポリアミド酸ワニスを塗布し、90℃で15分間、予備乾燥して溶媒を除去した。その後、真空下、330℃で2時間加熱することでイミド化し、厚み15μmのオーバークラッド層を形成し、これによって光導波路を得た(図1(e)参照)。
なお、この光導波路のアンダークラッド層を観察したところ、クラックは確認されなかった。
実施例2
クラッド層ポリアミド酸ワニスの合成において、反応温度を35℃から25℃に変更して、ポリアミド酸の重量平均分子量Mw=2.92×10(GPC測定による標準ポリエチレンオキサイド換算値)のクラッド層ポリアミド酸ワニスを合成し、それを用いた以外は、実施例1と同様の操作により、光導波路を得た。なお、この光導波路のアンダークラッド層を観察したところ、クラックは確認されなかった。
比較例1
クラッド層ポリアミド酸ワニスの合成において、反応終了後、さらに、オイルバスを用いて反応系を60℃に保持してエージングし、メカニカルスターラーを用いて50min−1で攪拌し、粘度を10Pa・sまで低下させることにより、ポリアミド酸の重量平均分子量Mw=1.31×10(GPC測定による標準ポリエチレンオキサイド換算値)のクラッド層ポリアミド酸ワニスを合成し、それを用いた以外は、実施例1と同様の操作により、光導波路を得た。
なお、この光導波路の製造では、コア層形成のためのコア層ポリアミド酸ワニスを予備乾燥した時点で、アンダークラッド層にクラックの発生が確認された。
本発明の光導波路の一実施形態を製造する方法を示す製造工程図であって、(a)は、基板を用意する工程、(b)は、基板の上に密着層を形成する工程、(c)は、密着層の上にアンダークラッド層を形成する工程、(d)は、アンダークラッド層の上にコア層を形成する工程、(e)は、アンダークラッド層の上に、コア層を被覆するようにオーバークラッド層を形成する工程を示す。
符号の説明
3 アンダークラッド層
4 コア層
5 オーバークラッド層
6 光導波路

Claims (1)

  1. 下部クラッド層と、前記下部クラッド層の上に設けられるコア層と、前記下部クラッド層の上に前記コア層を被覆するように設けられる上部クラッド層とを備える光導波路であって、
    前記下部クラッド層、前記コア層および前記上部クラッド層は、ポリイミドから形成されており、
    前記下部クラッド層は、重量平均分子量1.5×10以上のポリアミド酸をイミド化することにより、形成されていることを特徴とする、光導波路。
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