JP2005148174A - V溝基板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 信頼性のある光結合を達成することのできるV溝基板を、製造効率よく、低コストで製造することのできるV溝基板の製造方法、および、そのV溝基板の製造方法により製造されたV溝基板を提供すること。
【解決手段】 基板1の上に、ポリイミド樹脂前駆体と1,4−ジヒドロピリジン誘導体からなる感光剤と溶解調整剤とを含む感光性ポリイミド樹脂前駆体からなる前駆体層3を形成し、これを露光および現像することによりV溝5を形成した後、硬化させて樹脂層6を形成し、V溝基板7を得る。この方法によれば、V溝5を感光性ポリイミド樹脂前駆体の露光および現像により形成するので、V溝5を高精度で加工でき、また、金型などの高価な設備も不要であり、簡易な工程により低コストでV溝5を形成できる。その結果、信頼性のある光結合を得ることができるV溝基板7を低コストで製造することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、V溝基板およびその製造方法、詳しくは、光ファイバを接続するために用いられるV溝基板およびその製造方法に関する。
近年、FTTHを始めとする、光加入者システムや光LANなどの構築に見られるように、光ファイバの敷設が飛躍的に進んでいる。
このような状況において、光ファイバを、光導波路を始めとする他の光学素子や、光ファイバ同士と、低コストで接続することが切望されている。例えば、光ファイバと石英系光導波路とを接続する場合には、従来では、熱融着や接着剤により固定するようにしているが、実装の簡略化を図るべく、V溝基板が用いられている。
このようなV溝基板は、通常、石英系の基板に、ブレード切削加工を施すことにより、製造されている。しかし、ブレード切削加工では、V溝の深さや長さの加工精度が十分でなく、簡易かつ高精度の光結合が得られないという不具合がある。
そのため、例えば、基板上に凹字断面形状の溝パターンを形成した後、その凹字断面形状の溝パターンの底面に、さらにV字断面形状の溝パターンを形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、段差形状を有するガラス基板を成形する一次加工工程と、該一次加工工程により得られた段差付きガラス基板に対し、V溝成形面を備えた上金型と下金型を用いてプレス成形を施す二次加工工程により、V溝部と平面部と段差部とを備え、該段差部がその表面方向に凸状に湾曲したV溝基板を成形することが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平9−325235号公報 特開2000−275478号公報
しかし、特許文献1に記載される方法では、V溝の加工精度は確保できるが、2種類の異なる溝パターンを形成する必要があり、しかも、実際には、ドライエッチングなどの複雑な工程が必要となって、工数および手間がかかり、コストの低減化を図ることが困難である。
また、特許文献2に記載される方法では、上金型と下金型とを用いてプレス成形するため、金型の製造コストが高く、やはり、コストの低減化を図ることが困難である。
本発明の目的は、信頼性のある光結合を達成することのできるV溝基板を、製造効率よく、低コストで製造することのできるV溝基板の製造方法、および、そのV溝基板の製造方法により製造されたV溝基板を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明は、光ファイバーを接続するためのV溝を有するV溝基板の製造方法であって、前記V溝を、感光性ポリイミド樹脂前駆体を露光および現像することにより、形成することを特徴としている。
また、本発明のV溝基板の製造方法では、前記感光性ポリイミド樹脂前駆体が、(a)有機テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応により得られるポリイミド樹脂前駆体と、(b)下記一般式(1)で示される1,4−ジヒドロピリジン誘導体からなる感光剤と、(c)ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルおよびポリエチレングリコールジメチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶解調整剤とを含んでいることが好適である。
Figure 2005148174
(式中、Arは1,4−ジヒドロピリジン環への結合位置に対してオルソ位にニトロ基を有する芳香族基を示し、Rは水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または炭素原子数1または2のアルキル基を示す。)
また、本発明は、上記のV溝基板の製造方法により製造されるV溝基板を含んでいる。
本発明のV溝基板の製造方法では、V溝を、感光性ポリイミド樹脂前駆体の露光および現像により形成するので、V溝を高精度で形成することができる。また、金型などの高価な設備も不要であり、簡易な工程により低コストでV溝を形成することができる。そのため、簡易かつ高精度の光結合を得ることのできるV溝基板を、製造効率よく、低コストで製造することができる。
その結果、本発明のV溝基板は、信頼性のある光結合を達成することのできるV溝基板として、光ファイバの接続のために、有効に用いることができる。
図1は、本発明のV溝基板の製造方法の一実施形態を示す製造工程図である。以下、図1を参照して、本発明のV溝基板の製造方法の一実施形態を説明する。
この方法では、まず、図1(a)に示すように、基板1を用意する。
基板1としては、耐熱性があれば特に制限されないが、例えば、青板ガラス、合成石英ガラス、シリコンウエハ、SiO付シリコンウエハ、ポリイミド樹脂などが用いられる。基板1は、例えば、平板状をなし、その厚みは、例えば、10μm〜1cm、好ましくは、300〜1000μmである。
次いで、この方法では、図1(b)に示すように、基板1の上に、感光性ポリイミド樹脂前駆体を含む前駆体溶液2を塗工する。
感光性ポリイミド樹脂前駆体を含む前駆体溶液2は、ポリイミド樹脂前駆体、感光剤および溶解調整剤を含む感光性ポリイミド樹脂前駆体と、溶媒(後述する反応溶媒)とを含んでいる。
ポリイミド樹脂前駆体は、ポリアミド酸であって、有機テトラカルボン酸二無水物と、ジアミンとを反応させることによって得ることができる。
有機テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物などが挙げられる。
また、例えば、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸二無水物などのフッ素置換テトラカルボン酸二無水物なども挙げられる。
これら有機テトラカルボン酸二無水物は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらのうち、感光剤の感度を向上させることのできる、フッ素置換テトラカルボン酸二無水物が好ましく用いられる。
また、ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−2,2'−ジメチルビフェニルなどが挙げられる。
また、例えば、2,2'−ビス(トリフルオロメトキシ)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMOB)、3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAAF)、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン(HFBAPP)、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB)、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BIS−AP−AF)、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BIS−AT−AF)、2,2’−ジフルオロベンジジン(FBZ)、4,4’−ビス(アミノオクタフルオロ)ビフェニル、3,5−ジアミノベンゾトリフルオライド、1,3−ジアミノ−2,4,5,6−テトラフルオロベンゼン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(BTFB)などのフッ素置換ジアミンなども挙げられる。
これらジアミンは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらのうち、感光剤の感度を向上させることのできる、フッ素置換ジアミンが好ましく用いられる。
そして、ポリイミド樹脂前駆体は、有機テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、常法に従って反応させることにより、得ることができる。すなわち、例えば、有機テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、ほぼ等モルとなる割合で、不活性ガス雰囲気下、反応溶媒中において、250℃以下の温度、好ましくは、室温(25℃)〜80℃の範囲で、5〜20時間程度攪拌することによって、ポリアミド酸の粘性のある溶液、すなわち、ポリイミド樹脂前駆体の溶液として得ることができる。
反応溶媒としては、有機テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを溶解させるとともに、得られるポリイミド樹脂前駆体を溶解し得るものであれば、特に制限されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒が挙げられる。これら極性溶媒は、単独で、または、2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
このようにして得られるポリイミド樹脂前駆体は、例えば、その重量平均分子量が、5000〜500000程度、好ましくは、10000〜150000程度であって、反応溶媒中に、例えば、1〜50重量%、好ましくは、5〜30重量%の割合(固形分濃度)の溶液として調製される。
そして、このポリイミド樹脂前駆体の溶液に、感光剤、溶解調整剤を配合することによって、前駆体溶液2を得る。
感光剤としては、下記一般式(1)で示される1,4−ジヒドロピリジン誘導体が用いられる。
Figure 2005148174
(式中、Arは1,4−ジヒドロピリジン環への結合位置に対してオルソ位にニトロ基を有する芳香族基を示し、Rは水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または炭素原子数1または2のアルキル基を示す。)
上記式(1)中、Arで示されるオルソ位にニトロ基を有する芳香族基として、好ましくは、o−ニトロフェニル基が挙げられ、また、R、R、R、RおよびRで示される炭素数1、2または3のアルキル基として、好ましくは、メチル基(C1)、エチル基(C2)、n−プロピル基(C3)、i−プロピル基(C3)が挙げられる。
このような1,4−ジヒドロピリジン誘導体は、より具体例には、例えば、1−エチル−3,5−ジメトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、1−メチル−3,5−ジメトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、1−プロピル−3,5−ジメトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、1−プロピル−3,5−ジエトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジンが挙げられる。
1,4−ジヒドロピリジン誘導体の配合割合は、特に制限されないが、例えば、ポリイミド樹脂前駆体100重量部に対して、1重量部以上、好ましくは、2重量部以上、30重量部未満、好ましくは、10重量部未満の範囲である。1重量部未満であると、パターン形成において、十分なコントラストを得ることができない場合がある。一方、30重量部以上であると、得られるポリイミド樹脂の機械的強度が低下する場合がある。
また、溶解調整剤としては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコールジフェニルエーテルなどが挙げられる。これら溶解調整剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。好ましくは、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルおよびポリエチレングリコールジメチルエーテルが用いられる。なお、このような溶解調整剤の重量平均分子量は、例えば、150〜1000、さらには、200〜800であることが好ましい。
溶解調整剤の配合割合は、特に制限されないが、例えば、ポリイミド樹脂前駆体100重量部に対して、5〜20重量部、好ましくは、10〜20重量部の範囲である。5重量部未満であると、後述する前駆体層3を露光後現像するときに、前駆体層3の膜減りを抑制する効果が不十分となる場合がある。また、20重量部を超えると、露光および現像によるパターン形成において、パターン形状が、基板1の表面に対して前駆体層3の厚み方向に沿って垂直面として形成され、断面V字状の斜面を形成することができない場合がある。
そして、このようにして調製された前駆体溶液2を、基板1の上に塗工するには、特に制限されず、例えば、キャスティング、スピンコートなど公知の塗工方法が用いられる。
塗工厚みは、溶媒の揮発、硬化収縮、現像時の膜減りなどを考慮して、例えば、予備乾燥後の厚み(すなわち、後述する前駆体層3の厚み)として、30〜200μm、好ましくは、60〜150μmに設定する。
次いで、この方法では、図1(c)に示すように、前駆体溶液2を予備乾燥して、感光性ポリイミド樹脂前駆体からなる前駆体層3を形成する。
予備乾燥は、前駆体溶液2の溶媒を乾燥できれば、特に制限されないが、例えば、80〜100℃で、5〜30分間乾燥する。
次いで、この方法では、図1(d)に示すように、前駆体層3にV溝(断面略V字状の溝)5を形成し得る、所定幅の遮光部4aを、所定幅の光透過部4bを挟んで所定間隔で所定数備えるフォトマスク4を介して露光する。
フォトマスク4の遮光部4aの幅、間隔および数は、前駆体層3の厚み、V溝5の本数、幅(V溝5が断面略逆三角形の場合には、前駆体層3の上面の開口幅であり、V溝5が断面略逆三角台形の場合には、前駆体層3の上面の開口幅および底面の開口幅である。)およびそれらの間隔などにより適宜選択される。例えば、ネガ型の画像を形成する場合においては、図1(e)が参照されるように、前駆体層3の厚みTが、50μmである場合に、前駆体層3の上面の開口幅W1が150μmで底面の開口幅W2が20μmである断面略逆三角台形のV溝5を、V溝5間の間隔Sを100μmとして複数形成する場合には、図1(d)が参照されるように、フォトマスク4の遮光部4aの幅W3を、100μm、光透過部4bの幅W4を、150μmとして設定する。
また、フォトマスク4の遮光部4aおよび光透過部4bは、基板1の長手方向に沿って帯状に形成される。
露光方法は、特に制限されず、例えば、前駆体層3とフォトマスク4とを直接接触させるコンタクト露光方法、前駆体層3とフォトマスク4との間に若干の隙間を設けるプロキシミティ露光方法、さらには、投影露光方法などの公知の露光方法を用いることができる。また、露光量は、特に制限されないが、感光性ポリイミド樹脂前駆体の種類、感光剤の配合量、V溝5の深さなどを考慮して、例えば、10〜3000mJ/cmの範囲において、適宜決定される。
その後、この方法では、露光後加熱して、ネガ型の画像を形成する。露光後加熱は、例えば、160〜200℃で5〜15分間加熱する。これによって、アルカリ水溶液からなる現像液に対する露光部分の溶解性を低減し、次の現像において、未露光部分を溶解するネガ型の画像を良好に形成することができる。
次いで、この方法では、図1(e)に示すように、前駆体層3を現像してV溝5を形成する。現像は、浸漬法やスプレー法などの公知の方法を用いることができ、現像温度としては、通常、30〜40℃が適当である。また、用いられる現像剤としては、例えば、テトラメチル水酸化アンモニウムなどのような有機アルカリ水溶液や、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリ水溶液が挙げられる。アルカリ濃度は、通常、2〜5重量%が適当であり、また、必要に応じて、アルカリ水溶液には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの低級脂肪族アルコールを添加することができる。
なお、露光および現像によるパターン形成において、通常のパターン形成では、フォトマスク4の遮光部4aと光透過部4bとの境界において、パターン形状が、基板1の表面に対して前駆体層3の厚み方向に沿って垂直面(ストレートウオール)として形成されるが、この方法では、感光性ポリイミド樹脂前駆体に、上記した1,4−ジヒドロピリジン誘導体からなる感光剤および溶解調整剤を配合することで、そのパターン形状を、断面V字状の斜面として形成することができる。
次いで、この方法では、図1(f)に示すように、前駆体層3を硬化させることにより、ポリイミド樹脂からなる樹脂層6を形成して、V溝基板7を得る。
前駆体層3の硬化は、例えば、真空下または不活性ガス雰囲気下において、300〜400℃で、数時間加熱する。これによって、感光性ポリイミド樹脂前駆体からなる前駆体層3がイミド化され、ポリイミド樹脂からなる樹脂層6が形成される。なお、このようにして形成される樹脂層6の厚みは、例えば、20〜150μm、好ましくは、30〜100μmであり、このような樹脂層6の最終的な厚みは、前駆体溶液2の固形分濃度、粘度、塗工条件などにより、制御することができる。
このようにして形成されるV溝基板7は、例えば、図2に示すように、基板1の上に樹脂層6が形成されており、その樹脂層6において、基板1の長手方向に沿って、V溝5が、直線状、あるいは、その目的および用途により、光ファイバが折れ曲がらない程度の曲線状に形成されている。V溝5は、その長さLが、例えば、5〜50mmに設定される。また、V溝5の深さDは、例えば、50〜150μmに設定される。
また、V溝5の断面形状および大きさは、光ファイバ(例えば、図2において仮想線Fで示されている。)の直径などに応じて、適宜選択すればよく、例えば、光ファイバの直径が、通常、125μmであれば、その大きさを保持できるように、V溝5の断面形状および大きさを選択するようにする。V溝5の断面形状は、例えば、図3(a)に示すように、V溝5の最深部が基板1まで到達しない断面略逆三角形状に形成してもよく、また、図3(b)に示すように、V溝5の最深部が基板1の表面に丁度到達する断面略逆三角形状に形成してもよく、さらには、図3(c)に示すように、V溝5の最深部が基板1の表面となる断面略逆三角台形状に形成してもよい。また、図3(a)および(b)において、V溝5の最深部の開口角度θも、光ファイバの直径などに応じて、適宜選択すればよく、この開口角度θは、感光剤や溶解調整剤の配合量、露光条件や現像条件などにより、制御することができる。
さらに、V溝5の本数も、光ファイバの本数に対応させればよく、1本または2本以上で適宜決定される。
そして、このような方法により、V溝基板7を製造すれば、V溝5を感光性ポリイミド樹脂前駆体のフォトプロセス(露光および現像)により形成するので、V溝5を高精度で形成することができる。また、金型などの高価な設備も不要であり、簡易な工程により低コストでV溝5を形成することができる。そのため、簡易かつ高精度の光結合を得ることのできるV溝基板7を、製造効率よく、低コストで製造することができる。
その結果、この方法により製造されるV溝基板7は、信頼性のある光結合を達成することのできるV溝基板として、光ファイバの接続のために、有効に用いることができる。
より具体的には、このV溝基板7のV溝5に、光ファイバを載置するのみで、例えば、光ファイバ同士(この場合には、2つの光ファイバがV溝5に対向状に載置される。)、光ファイバと光導波路(この場合には、光ファイバがV溝5に載置され、光導波路がそれに対向状に配置される。)、あるいは、光ファイバと発光素子または受光素子(この場合には、光ファイバがV溝5に載置され、発光素子または受光素子がそれに対向状に配置される。)を、精度よく光結合することができる。
なお、上記の説明では、V溝5を、ネガ型の画像で形成したが、ポジ型の画像で形成することもできる。V溝5を、ポジ型の画像で形成する場合には、例えば、フォトマスク4の遮光部4aと光透過部4bとを逆にして露光し、例えば、130℃以上160℃未満で露光後加熱すればよい。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例に限定されることはない。
実施例
窒素雰囲気下、500mLのセパラブルフラスコ内で、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAAF)16.7g(0.05モル)を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)155.6gに溶解させ、攪拌しながら、この溶液に2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)22.2g(0.05モル)を加えた。これを、室温で24時間攪拌することにより、ポリイミド樹脂前駆体の溶液を調製した。
次に、このポリイミド樹脂前駆体の溶液に、ポリイミド樹脂前駆体100重量部に対して、5重量部の1−エチル−3,5−ジメトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジンと、15重量部の重量平均分子量500のポリエチレングリコールジメチルエーテルとを配合することにより、感光性ポリイミド樹脂前駆体を含む前駆体溶液を得た。
その後、厚み1.0mmの合成石英ガラスからなる基板の上に(図1(a)参照)、上記の前駆体溶液をスピンコートで塗工し(図1(b)参照)、90℃で15分乾燥させて、厚み100μmの感光性ポリイミド樹脂前駆体からなる前駆体層を形成した(図1(c)参照)。この前駆体層の上に、ネガ型のパターンを有する合成石英からなるフォトマスク(遮光部幅100μm、光透過部幅150μm、長さ20mm)を介して、上方から100mJ/cmの紫外線を、コンタクト露光により照射した後、180℃で10分間、露光後加熱した(図1(d)参照)。
次いで、テトラメチル水酸化アンモニウム/エタノール(1vol:1vol)混合溶液を現像液として、35℃で現像し、水洗することにより、V溝を形成した(図1(e)参照)。形成されたV溝は、断面略逆三角台形をなし、その上面の開口幅が130μmで底面の開口幅が10μmであった。
その後、真空雰囲気下、350℃で2時間加熱することにより、樹脂中の残存溶媒の除去およびイミド化を完結させ、厚み60μmの樹脂層を有するV溝基板を得た(図1(f)参照)。
評価
上記で得られたV溝基板のV溝に、マルチモード用ガラスファイバ(コア径50.0μm)を100μmの間隔を隔てて対向するように載置し、その間隔を埋めるように紫外線硬化型エポキシ樹脂をV溝内に滴下し、その後、紫外線照射により硬化させた。
そして、この接続に対して、半導体レーザを用いて接続損失を求めた。接続損失は、半導体レーザから波長1.55μm(5mW)のレーザ光を、集光レンズを介して、一方のマルチモード用ガラスファイバに入射させ、他方のマルチモード用ガラスファイバから出射した伝搬光を、赤外用ディテクタで検知することにより求めた。その結果、接続損失は、0.3dBであった。
本発明のV溝基板の製造方法の一実施形態を示す製造工程図であって、(a)は、基板を用意する工程、(b)は、基板の上に前駆体溶液を塗工する工程、(c)は、前駆体溶液を予備乾燥して前駆体層を形成する工程、(d)は、前駆体層をフォトマスクを介して露光する工程、(e)は、前駆体層を現像してV溝を形成する工程、(f)は、前駆体層を硬化させることにより樹脂層を形成する工程を示す。 図1に示す方法により製造されたV溝基板を示す要部斜視図である。 図1に示す方法により製造されたV溝基板のV溝の要部断面図であって、(a)は、V溝の最深部が基板まで到達しない態様、(b)は、V溝の最深部が基板の表面に丁度到達している態様、(c)は、V溝の最深部が基板の表面となる態様を示す。
符号の説明
5 V溝
7 V溝基板

Claims (3)

  1. 光ファイバーを接続するためのV溝を有するV溝基板の製造方法であって、
    前記V溝を、感光性ポリイミド樹脂前駆体を露光および現像することにより、形成することを特徴とする、V溝基板の製造方法。
  2. 前記感光性ポリイミド樹脂前駆体が、
    (a)有機テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応により得られるポリイミド樹脂前駆体と、
    (b)下記一般式(1)で示される1,4−ジヒドロピリジン誘導体からなる感光剤と、
    Figure 2005148174
    (式中、Arは1,4−ジヒドロピリジン環への結合位置に対してオルソ位にニトロ基を有する芳香族基を示し、Rは水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または炭素原子数1または2のアルキル基を示す。)
    (c)ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルおよびポリエチレングリコールジメチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶解調整剤と
    を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載のV溝基板の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のV溝基板の製造方法により製造されることを特徴とする、V溝基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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