JP2005164879A - フォトマスクとその製造方法、および、それを用いた露光方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明のフォトマスクは、ローカルフレアの原因となるフォトマスク上のパターンのクリアフィールド領域1Aにおける開口部を、フォトレジストが完全に解像することができる透過率を有する半透明膜12で覆い、ダークフィールド領域1Bにおける開口部14においては、半透明膜を形成しない構造とすることを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
このように、マスクパターンレイアウト内に広いクリアフィールド領域とダークフィールド領域が共存すると線幅異常が発生してしまうという問題点があった。
Proceeding of SPIE vol.4000(2000)
前記半透明膜が、前記フォトマスクのダークフィールド領域に相当する領域以外の領域において存在し、当該ダークフィールド領域の前記遮光膜の開口部領域において存在しないことを特徴とするフォトマスクである。
図4のローカルフレアによる影響を評価するためのマスクパターンにおいては、100μm領域内にライン&スペースパターンを用いたダークフィールド領域42を作成し、その中に、意図的にウィンドウ幅44を各種値に制御したクリアフィールド領域41を作成した。そのクリアフィールド領域41内に、ターゲットとなる線幅を用いたライン&スペースパターン43を配置した。各ウィンドウ幅44に対して、クリアフィールド領域内のライン&スペースパターンのライン部の線幅を測定することにより、ローカルフレアによる影響がどのくらい存在するのかを調べた。
このように、マスクパターンレイアウト内に広いクリアフィールド領域と、ダークフィールド領域が共存すると、線幅異常が発生してしまうことが明らかとなり、これを解決するためには、クリアフィールド領域の透過光の強度を制御すればよいことに着目し完成したのが本発明である。
(フォトマスク)
以下に、本発明のフォトマスクについて説明する。図1が本発明のフォトマスクの断面図である。図1において、11が石英ガラスなどで形成される透明基板である。この透明基板11上に、半透明膜12、及び遮光膜13が形成され、透明基板11のダークフィールド領域1Bに相当する領域に存在している開口部14に対応する位置の半透明膜が除去されており、一方、透明基板11のクリアフィールド領域1Aには、半透明膜12が形成されている。
図6は、本発明のフォトマスクの断面構造(図6(a))とその光振幅(図6(b))と光強度(図6(c))を示す図である。そして、図7は、従来フォトマスクの断面構造(図7(a))とその光振幅(図7(b))と光強度(図7(c))を示す図である。各光強度分布には、それぞれに、レジスト線幅を決定する光強度6A及び7Aを示している。すなわち、6A及び7Aを超える光強度を有する領域が、半導体基板などの被処理基板上のレジストを露光させる強度を有していることを示している。
本発明においては、ライン間隔が10μm以上である上記クリアフィールド領域の遮光膜開口部に前記半透明膜を形成することが必要である。
ここで、λは光源の波長(nm)、nは半透明膜の屈折率である。また、iは整数(1,2,3・・・i)である。
例えば、半透明膜タンタルシリサイドの場合は、λが157nmのときに屈折率が、2.3であるので、tは次式のようになる。
以下、実施例に基づいて、本発明について詳細に説明する。
図2は、本発明のハーフトーンマスクの製造工程を示す図である。本実施の形態においては、パターニングに用いるレジストとして電子線レジストを用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。
このマスクブランクは、例えば透明基板21上にスパッタ、真空蒸着等により、半透明膜22を形成し、更に、その上に、電子線レジスト23を塗布して形成される。
透明基板21の材料としては、適用する露光光の波長において、透過率80%以上の高いものでなければならないことから、例えば、露光光の波長157nm以上において、85%以上の透過率を有する石英ガラスが、有効である。半透明膜22の材料としては、適用する露光光の波長において、半導体基板のような被処理基板上に形成されているフォトレジスト転写時に、被処理基板上のフォトレジストが完全に除去できる透過率を有するもので、できるだけ透過率の小さいものでなければならない。半透明膜22の材料としては、タンタルシリサイド(TaSi)、ジルコンシリサイド(ZrSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)、クロムフロライド(CrF)、シリコンオキサイド(SiO2)が有効である。
電子ビーム描画工程においては、電子線レジスト23がポジレジストの場合は、半透明膜22が露出する領域は、電子線によって描画された領域であり、電子ビーム描画に際しては、電子線レジスト解像に必要な電荷量を設定し、電子ビームを照射する。
前記電子ビーム描画工程とこの現像工程により、電子線レジストは、レジスト領域と無レジスト領域に区別されて、パターニングが行われる。
電子線レジスト現像工程においては、電子線レジスト23としてポジレジストを適用した場合、電子ビームが照射された領域は、電子線レジスト23が現像液に溶解し、半透明膜が露出する。電子ビームが照射されない領域は、電子線レジスト23が現像液に溶解しないので、電子線レジストのパターンが残存する。
半透明膜22のドライエッチングを行う場合、平行平板型反応性イオンエッチング(RIE)法を適用する。例えば、半透明膜が、モリブデンシリサイドの場合、エッチングガスはCF4(テトラフルオロメタン)とO2(酸素)を流量比率20:1に制御して適用する。エッチングの際、透明基板21である合成石英ガラスとのエッチング選択比は十分でなければならない。また、電子線レジスト23は、エッチングに対する保護膜として働き、電子線レジストに覆われていない領域の半透明膜のみが除去され、透明基板21が部分的に露出する。モリブデンシリサイド(MoSi)膜のドライエッチングに、CF4(テトラフルオロメタン)とO2(酸素)を流量比率20:1に制御して適用した場合、電子線レジスト23のドライエッチング耐性は十分である。
レジストの剥離液としては、硫酸と過酸化水素水を3:1の比率で混ぜ合わせた混合液が適用される。この際、露出している透明基板21と半透明膜22との剥離耐性は十分でなければならない。
遮光膜25の成膜工程においては、スパッタ、真空蒸着等により、遮光膜25を形成する。遮光膜25の材料としては、適用する露光光の波長において、透過率の小さいものでなければならない。例えば、157nm以上の波長の光においては、透過率が0.5%以下であるクロム(Cr)が有効である。
第2の電子線レジスト26の塗布工程においては、電子線レジスト26は、遮光膜25をエッチングする際に、エッチング耐性の優れたものでなければならない。
第2の電子線描画工程においては、遮光膜のパターンが存在する領域は、未描画である。また、透明基板が露出する領域は、レジストを完全に除去できる電荷量を設定し、電子ビームを照射する。
第2の現像工程においては、電子線レジスト26としてポジレジストを適用した場合、電子ビームが照射された領域は、電子線レジスト26が現像液に溶解し、遮光膜25が露出する。電子ビームが照射されない領域は、電子線レジスト23が現像液に溶解しないので、電子線レジストのパターンが残存する。
遮光膜25のドライエッチングを行う場合、平行平板型反応性イオンエッチング(RIE)法を適用する。例えば、遮光膜が、クロム(Cr)の場合、エッチングガスは、CCl4(テトラクロロメタン)とO2(酸素)、あるいは、CH2Cl2(ジクロロメタン)を流量比率1:3に制御して適用する。エッチングの際、透明基板21と遮光膜であるハーフトーン位相シフト膜25とのエッチング選択比は十分でなければならない。また、電子線レジスト26は、エッチングに対する保護膜として働き、電子線レジストに覆われていない領域の遮光膜のみが除去され、透明基板21とハーフトーン位相シフト膜25が部分的に露出する。クロム(Cr)膜のドライエッチングに、CCl4(テトラクロロメタン)とO2(酸素)、あるいは、CH2Cl2(ジクロロメタン)を流量比率1:3に制御して適用する場合、電子線レジスト23のドライエッチング耐性は十分である。
レジストの剥離液としては、硫酸と過酸化水素水を3:1の比率で混ぜ合わせた混合液が適用される。この際、露出している透明基板21と半透明膜22との剥離耐性は十分でなければならない。
図10に示すように、露光光源102から発する露光光が、本発明のフォトマスク103を透過し、露光投影系レンズ104に入射し、この露光投影系レンズ104の内部で収束され、被処理基板であるウェハ101上のフォトレジストに露光される。
従来のフォトマスクを適用し、露光装置を用いてフォトレジストヘ転写する場合は、図7の光強度分布を、レジスト線幅を決定する光強度7Aにより、レジスト線幅を決定すると、図9のようなレジストパターンとなる。従来のフォトマスクの場合は、クリアフィールド領域の広い透過領域からの透過光の散乱光が周辺の近接するパターンの光強度分布へ影響を及ぼす。そして、クリアフィールド領域の広い透過領域から近いパターンほど、光強度分布がなだらかとなり、遮光領域を小さくしてしまうというローカルフレアの影響が発生するからである。従って、クリアフィールド領域(開口部92)の広い透過領域から近いパターン91dほど、ライン&スペースパターンのライン部の線幅が小さくなってしまう現象が発生する。
12、22…半透明膜
13、32…遮光膜
14…開口部
23…電子線レジスト
24…電子線
25…遮光膜
26…第2の電子線レジスト
40…フォトマスク
41…クリアフィールド領域
42…ダークフィールド領域
43…ライン
44…クリアフィールド領域ウィンドウ幅
61、71…フォトマスク
81、91…ライン
82、92…開口部(スペース)
101…ウェハ
102…露光光源
103…フォトマスク
104…露光投影系レンズ
Claims (12)
- 透明基板上に形成された半透明膜と、前記半透明膜上に形成され、パターニングされた遮光膜とを有するフォトマスクであって、
前記半透明膜が、前記フォトマスクのダークフィールド領域に相当する領域以外の領域において存在し、当該ダークフィールド領域の前記遮光膜の開口部領域において存在しないようパターニングされていることを特徴とするフォトマスク。 - 前記半透明膜が、タンタルシリサイド(TaSi)、ジルコンシリサイド(ZrSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)、クロムフロライド(CrF)、シリコンオキサイド(SiO2)から成る群から選ばれた少なくとも1種を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスク。
- 前記遮光膜が、クロム(Cr)、クロムフロライド(CrF)から成る群から選ばれた少なくとも1種を含有するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフォトマスク。
- 前記遮光膜材料が、ハーフトーン膜材料であることを特徴とする請求項3に記載のフォトマスク。
- 前記ダークフィールド領域におけるパターンのスペース間隔が10μm未満であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のフォトマスク。
- 透明基板上に、半透明膜を成膜したブランクマスクに第1のレジストを塗布する工程と、前記第1のレジストをパターニングする工程と、前記半透明膜をエッチングし、前記第1のレジストを剥離・洗浄する工程と、遮光膜を成膜する工程と、前記遮光膜の上に第2のレジストを塗布する工程と、前記第2のレジストをパターニングしてフォトマスクのダークフィールド領域に相当する部分に開口を形成する工程と、前記遮光膜をエッチングし、前記第2のレジストを剥離する工程を少なくとも有することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
- 前記第1及び第2のレジストが電子線レジストであることを特徴とする請求項6に記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記半透明膜が、タンタルシリサイド(TaSi)、ジルコンシリサイド(ZrSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)、クロムフロライド(CrF)、シリコンオキサイド(SiO2)から成る群から選ばれた少なくとも1種を含有するものであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記遮光膜が、クロム(Cr)、クロムフロライド(CrF)から成る群から選ばれた少なくとも1種を含有するものであることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記遮光膜が、ハーフトーン膜であることを特徴とする請求項9に記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記ダークフィールド領域のパターンの間隔が10μm未満であることを特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれかに記載のフォトマスクの製造方法。
- 透明基板上に形成された半透明膜と、前記半透明膜上に形成され、パターニングされた遮光膜とを有するフォトマスクであって、当該フォトマスクのダークフィールド領域に相当する前記遮光膜の開口部における前記半透明膜が除去されているフォトマスクを用い、F2線により露光することを特徴とする露光方法。
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