JP2006293089A - 位相シフト量設定方法、並びに、位相シフト型のフォトマスク及びその作製方法 - Google Patents

位相シフト量設定方法、並びに、位相シフト型のフォトマスク及びその作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コヒーレンスファクターσや開口数NAが大きな露光条件を採用した場合であっても、位相誤差を従来よりも低減することを可能とする位相シフト量設定方法を提供する。
【解決手段】位相シフト量設定方法は、フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最大値σmaxに対応するフォトマスクへの照明光の最大入射角θin-maxにおいて、照明光の波長λの半波長分の位相差を与える位相シフト量最大値ΔSmaxを求め、フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最小値σminに対応するフォトマスクへの照明光の最小入射角θin-minにおいて、照明光の半波長分の位相差を与える位相シフト量最小値ΔSminを求め、ΔSmin<ΔS<ΔSmaxを満足するように、位相シフト領域における位相シフト量ΔSを決定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、位相シフト量設定方法、並びに、位相シフト型のフォトマスク及びその作製方法に関する。
近年の半導体回路線幅の微細化を実現するために、様々なリソグラフィ手法が提案されている。ここでポイントとなるのが、光リソグラフィ技術の延命である。これは、光リソグラフィ技術の有する生産性の高さや、周辺技術が十分に成熟していることが理由である。2003年度の国際半導体技術ロードマップ(ITRS)においては、45nmノードまでは光リソグラフィ技術の延命が可能との指針が示されている。但し、そのためには、レベンソン型に代表される位相シフト型のフォトマスクといった強い超解像技術の利用が前提となっている。
レベンソン型の位相シフト型のフォトマスク(以下、レベンソン型位相シフトマスクあるいはフォトマスクと呼ぶ)は、例えば、ガラス基板から成る基板に、遮光領域(例えば、ライン部)と、その両側に照明光透過領域(例えば、スペース部)とが設けられた構成を有する。そして、レベンソン型位相シフトマスクを通過する照明光(レベンソン型位相シフトマスクを通過した後の照明光は、例えば、パターニングのために半導体基板に形成されたレジスト材料層を感光させるための露光光となる)の位相を交互に半波長分ずらすことによって、0次回折光を打ち消し、±1次回折光による2光束干渉露光を実現する。レベンソン型位相シフトマスクには、位相差を得る手段を基準として、2種類の方式がある。その内の一方の方式は、遮光領域の両側に位置する照明光透過領域の内、片側の照明光透過領域に対応する基板を掘り込むことで、基板掘込み部以外の部分を通過する照明光に対して、基板掘込み部を通過する照明光の位相をシフトさせる方法である(図7の(A)参照)。また、他方の方式は、基板を掘り込む代わりに、非位相シフト領域(非シフター部)を構成する媒質の屈折率と異なる屈折率を有する位相シフト物質を位相シフト領域(シフター部)に堆積させ、この位相シフト物質を照明光が通過することで、位相シフト効果を得るものである(図7の(B)参照)。以下、便宜上、前者を基板掘込み型位相シフトマスク、後者を上載せシフター型位相シフトマスクと呼ぶ。
レベンソン型位相シフトマスクにおいて、これらの両方式共に、照明光の位相シフト量(位相差)が重要な要素である。その理由は、レベンソン型位相シフトマスクを通過する照明光の位相が最適位相差から僅かにずれていても、結像性能に大きな影響を与えてしまうためである。ここで、半波長分の位相差を得るための基板掘込み量dあるいは位相シフト物質の厚さdは、一般に次の式(1)で規定される。ここで、λは、照明光の波長、n’は、波長λにおける基板あるいは位相シフト物質の屈折率である。
図7の(A)及び式(1)によると、位相シフト領域(シフター部)によって半波長分(λ/2)の位相差を得るためには、位相シフト領域を通過する照明光の光学距離dと非位相シフト領域(非シフター部)を通過する光の光学距離n’・dとの差が照明光の波長(λ)の半波長分(λ/2)と一致するように、基板掘込み量dを設定すればよいことが分かる。あるいは又、図7の(B)及び式(1)によると、位相シフト領域によって半波長分(λ/2)の位相差を得るためには、位相シフト領域を通過する照明光の光学距離n’・dと非位相シフト領域を通過する光の光学距離dとの差が照明光の波長(λ)の半波長分(λ/2)と一致するように、位相シフト物質の厚さdを設定すればよいことが分かる。このことから、従来の手法にあっては、式(1)を用いて、基板掘込み量dあるいは位相シフト物質の厚さdを決定している。
特開平6−180497 特開昭62−189468 特開2003−195480 Douglas Van Den Broekel, et al., "Complex 2D Pattern Lithography at λ/4 Resolution Using Chromeless Phase Lithography (CPL)", Optical Microlithography XV, Anthony Yen, Editor, Proceedings of SPIE Vol. 4691 (2002), pp196-214 B. J. Lin, "Immersion lithography and its impact on semiconductor manufacturing", Proc. SPIE Vol 5377, pp 46 (2004) T. V. Pistor,"Accuracy Issues in the Finite Difference Time Domain Simulation of Photomask Scattering", Proc. SPIE Vol. 4346, pp 1484 (2001)
しかしながら、一般に、フォトマスクへ入射する照明光は、必ずしも垂直成分だけではなく、実際には、斜め入射成分が存在する。これは、照明光源が有限の大きさを有するためであり、換言すると、照明光のコヒーレンスファクターσが0から1の間の有限の値を有するためである。
いま、図8に示すように、フォトマスクの鉛直方向(法線方向)に対して、入射角θを有する斜め照明光が基板掘込み型位相シフトマスクに入射した場合を考える。このとき、位相シフト領域(シフター部)及び非位相シフト領域(非シフター部)における光学距離は、図8に示すように、以下の式で与えられる。ここで、角度θ'は基板掘込み型位相シフトマスク中に入射した照明光の屈折角である。また、照明光が基板掘込み型位相シフトマスクに入射・射出する際の入射・射出媒体は空気(屈折率=n)であるとしている。
位相シフト領域(シフター部)を透過する光の光学距離 : n・d/cos(θ)
非位相シフト領域(非シフター部)を透過する光の光学距離:n’・d/cos(θ’)
上記の関係から、入射角θを有する斜め入射光について、半波長分の位相差を与える基板掘込み量dangleは、以下の式(2)によって与えられる。
ここで、式(2)と式(1)とを比較すると、入射角θが0度ではない場合、即ち、斜め入射光が存在する場合には、最適基板掘込み量が垂直入射の場合と異なることが分かる。よって、式(1)に基づき、垂直入射光を前提として算出した基板掘込み量dを基板掘込み型位相シフトマスクに反映させた場合、斜め入射光については所望の位相差が得られないという問題が生じる。
斜め入射光及び垂直入射光の間で、最適な基板掘込み量dangle,dが異なるという問題は、照明光に大きなσを用いた場合、あるいは、開口数NAを増大させた場合、大きな問題となる。その理由は、以下の通りである。
フォトマスクへの照明光の入射角θは次の式(3)にて定義される。ここで、Rは露光装置の縮小率である。
式(3)によると、入射角θは、コヒーレンスファクターσ及び開口数NAに比例していることが分かる。そのため、コヒーレンスファクターσ及び開口数NAの増加は入射角θの増加につながり、このことは位相誤差の増加をもたらす。位相誤差の一例を、図9に示す。ここで、位相誤差とは、コヒーレンスファクターσ=0における位相差を180度としたとき、コヒーレンスファクターσが増加するに従い、位相差が180度からどの程度、ずれるかを示す値であり、垂直入射光の位相差(位相シフト量)と斜め入射光の位相差(位相シフト量)の差であると定義される。尚、図9に示した位相誤差を計算した際のパラメータは、以下のとおりである。
開口数NA :1.2
照明光の波長λ :193.4nm
露光装置の縮小率R:4
図9から、コヒーレンスファクターσが増加するに従い、位相誤差が大きくなっていることが分かる。以上のような位相誤差が発生する場合の露光状態を、図10の概念図に示す。図9及び図10に示すように、コヒーレンスファクターσが0.9程度である場合、位相誤差が4度以上になることが分かる。近年の位相シフトマスクにおける位相誤差の許容値が±2度程度であることを考慮すると、このような位相誤差は、無視できないほど大きな誤差であるといえる。また、以上に説明した問題は、上載せシフター型位相シフトマスクにおいても全く同様に生じる問題である。
然るに、このような問題が存在するにも拘わらず、開口数NAの増加傾向は顕著である。これは、レイリーの式からも自明なように、解像力の向上のためには、開口数NAの増加が有効であることが理由である。特に、近年、液浸露光法により、1を超える開口数NAが現実のものとなりつつある。更に、位相誤差の問題は、クロムレス方式(Chromeless Phase Lithography,CPL)と呼ばれる露光方法を採用する場合、重大な悪影響を及ぼす虞がある。何故ならば、クロムレス方式では、斜め入射照明と基板掘込み型の位相シフトマスクの組合せが前提となっているからである。そして、最外周のσは、例えば0.85程度と比較的大きな値となることがある(例えば、Douglas Van Den Broekel, et al., "Complex 2D Pattern Lithography at λ/4 Resolution Using Chromeless Phase Lithography (CPL)", Optical Microlithography XV, Anthony Yen, Editor, Proceedings of SPIE Vol. 4691 (2002), pp196-214 参照)。それ故、このような場合、従来の技術による位相シフト量設定方法では、図9に示すように大きな位相誤差が生じてしまい、超解像技術を用いたにも拘わらず、結果として十分なプロセスマージンが得られないという問題が生じる。
従って、本発明の目的は、上述した問題に鑑み、位相シフト型のフォトマスクの使用に際し、コヒーレンスファクターσや開口数NAが大きな露光条件を採用した場合であっても、位相誤差を従来技術よりも低減することを可能とする位相シフト量設定方法、並びに、係る位相シフト量設定方法に基づく位相シフト型のフォトマスク及びその作製方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための、位相シフト型のフォトマスクにおける本発明の位相シフト量設定方法は、
フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最大値σmaxに対応するフォトマスクへの照明光の最大入射角θin-maxにおいて、照明光の波長λの半波長分の位相差を与える位相シフト量最大値ΔSmaxを求め、
フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最小値σminに対応するフォトマスクへの照明光の最小入射角θin-minにおいて、照明光の半波長分の位相差を与える位相シフト量最小値ΔSminを求め、
ΔSmin<ΔS<ΔSmaxを満足するように、位相シフト領域における位相シフト量ΔSを決定することを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の位相シフト型のフォトマスクの作製方法は、
フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最大値σmaxに対応するフォトマスクへの照明光の最大入射角θin-maxにおいて、照明光の波長λの半波長分の位相差を与える位相シフト量最大値ΔSmaxを求め、
フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最小値σminに対応するフォトマスクへの照明光の最小入射角θin-minにおいて、照明光の半波長分の位相差を与える位相シフト量最小値ΔSminを求め、
ΔSmin<ΔS<ΔSmaxを満足するように、位相シフト領域における位相シフト量ΔSを決定し、
該位相シフト量ΔSが得られるように、位相シフト領域を加工することを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の位相シフト型のフォトマスクは、
フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最大値σmaxに対応するフォトマスクへの照明光の最大入射角θin-maxにおいて、照明光の波長λの半波長分の位相差を与える位相シフト量最大値をΔSmax、フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最小値σminに対応するフォトマスクへの照明光の最小入射角θin-minにおいて、照明光の半波長分の位相差を与える位相シフト量最小値をΔSminとしたとき、
位相シフト領域における位相シフト量ΔSは、ΔSmin<ΔS<ΔSmaxを満足することを特徴とする。
本発明の位相シフト量設定方法、本発明の位相シフト型のフォトマスク、及び、本発明の位相シフト型のフォトマスクの作製方法(以下、これらを総称して、単に、本発明と呼ぶ場合がある)にあっては、
最大入射角θin-maxに対応するフォトマスク中の最大屈折角をθ’in-max、最小入射角θin-minに対応するフォトマスク中の最小屈折角をθ’in-min、フォトマスクの屈折率をn’、照明光がフォトマスクに入射(あるいは射出)する際の入射媒体(あるいは射出媒体)の屈折率をnとしたとき、
ΔSmax=(λ/2)×
[{n’/cos(θ’in-max)}−{n/cos(θin-max)}]-1
ΔSmin=(λ/2)×
[{n’/cos(θ’in-min)}−{n/cos(θin-min)}]-1
を満足する構成とすることが好ましい。
そして、上記の好ましい構成を含む本発明にあっては、
ΔS=(ΔSmin+ΔSmax)/2
を満足する構成とすることが好ましい。尚、このような構成を、便宜上、本発明の第1の構成と呼ぶ。
あるいは又、上記の好ましい構成を含む本発明にあっては、
フォトマスクを照明する照明光において、最大光強度を有する光束のフォトマスクへの入射角をθin-peak、入射角θin-peakに対応するフォトマスク中の屈折角をθ’in-peak、フォトマスクの屈折率をn’、照明光がフォトマスクに入射(あるいは射出)する際の入射媒体(あるいは射出媒体)の屈折率をnとしたとき、
ΔS=(λ/2)×
[{n’/cos(θ’in-peak)}−{n/cos(θin-peak)}]-1
を満足する構成とすることが好ましい。尚、このような構成を、便宜上、本発明の第2の構成と呼ぶ。
あるいは又、上記の好ましい構成を含む本発明にあっては、
フォトマスクを照明する照明光における光強度の重心に対応する光束のフォトマスクへの入射角をθin-bc、入射角θin-bcに対応するフォトマスク中の屈折角をθ’in-bc、フォトマスクの屈折率をn’、照明光がフォトマスクに入射(あるいは射出)する際の入射媒体(あるいは射出媒体)の屈折率をnとしたとき、
ΔS=(λ/2)[{n’/cos(θ’in-bc)}−{n/cos(θin-bc)}]-1
を満足する構成とすることが好ましい。尚、このような構成を、便宜上、本発明の第3の構成と呼ぶ。
更には、以上に説明した各種の好ましい構成を含む本発明にあっては、σmax及びσminのそれぞれは、限定するものではないが、0.75≦σmax≦1.0、0.3≦σmin≦0.75(但し、σmin<σmax)を満足することが望ましい。
本発明において、位相シフト領域における位相シフト量ΔSを得るために、あるいは又、位相シフト量ΔSが得られるように位相シフト領域を加工する方法として、フォトマスクを構成する基板を掘り込むことで、基板掘込み部を通過する照明光の位相をシフトさせる方法を採用してもよいし、基板を掘り込む代わりに、非位相シフト領域(非シフター部)を構成する媒質の屈折率と異なる屈折率を有する位相シフト物質(例えば、SOG,Spin-On-Glassから成る)を位相シフト領域(シフター部)に堆積させ、この位相シフト物質を照明光が通過させる方法を採用してもよい。以下、便宜上、前者の方法によって得られる位相シフト型のフォトマスクを基板掘込み型位相シフトマスクと呼び、後者の方法によって得られる位相シフト型のフォトマスクを上載せシフター型位相シフトマスクと呼ぶ。また、本発明において、位相シフト量とは、基板掘込み型位相シフトマスクを採用する場合には、基板掘込み量に相当し、上載せシフター型位相シフトマスクを採用する場合には、位相シフト物質の堆積厚さに相当する。更には、フォトマスクの屈折率n’とは、フォトマスクを構成する基板の屈折率を意味する。
位相シフト型のフォトマスクの形態として、レベンソン型(方式)、補助パターン型(方式)、エッジ強調型(方式)、シフター遮光型(方式)、クロムレス方式を挙げることができる。また、本発明の位相シフト型のフォトマスクは、通常の露光方式だけでなく、所謂液浸露光方式に適用することもできる。フォトマスクを照明する照明光を射出する照明光源として、通常の照明法(ケーラー照明)を採用した照明光源だけでなく、輪帯照明法や四重極照明法、二重極照明法、斜め入射照明等の変形照明法(臨界照明)を採用した照明光源を挙げることができる。フォトマスクは、例えば、照明光に対して透明な低膨張ガラス、合成石英ガラスから成る、品質の管理された基板に、金属あるいは金属酸化物から成る遮光用薄層(これらの薄層は単層であってもよいし多層であってもよい)が形成されて成る。尚、クロムレス方式の場合には遮光用薄層は存在しない。遮光用薄層を構成する材料として、クロム、窒化クロム、酸化クロム、タンタル、窒化タンタル、酸化タンタル、モリブデンシリサイド、ジルコニウムシリサイドを例示することができる。
本発明にあっては、基本的に、ΔSmin<ΔS<ΔSmaxを満足するように位相シフト領域における位相シフト量ΔSを決定するので、フォトマスクに入射する照明光の斜め入射成分によって生じる位相誤差を最小にすることができる。このことは、実質的に完全に近い2光束干渉露光を実現するものであり、従来の技術と比較して、露光プロセスマージンの拡大が可能となる。従って、微細な回路パターンを形成するためのレジスト材料層の露光にあっても露光裕度の高い光リソグラフィプロセスが実現でき、結果として、安価で高性能な半導体素子の作製が可能となる。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は、本発明の位相シフト量設定方法、並びに、位相シフト型のフォトマスク及びその作製方法に関し、具体的には、本発明の第1の構成に関する。実施例1あるいは後述する実施例2、実施例3にあっては、位相シフト型のフォトマスクを、図7の(A)及び図8に示した所謂基板掘込み型位相シフトマスクとし、位相シフト型のフォトマスクの形態をクロムレス方式とする。また、実施例1における各種のパラメータを、以下の表1のとおりとする。尚、高NAの露光手段として、液浸露光法を用い(例えば、B. J. Lin, "Immersion lithography and its impact on semiconductor manufacturing", Proc. SPIE Vol 5377, pp 46 (2004) 参照)、浸漬液には水を用いる。照明光の波長における水の屈折率は1.44である。
[表1]
コヒーレンスファクターσの最大値σmax(最外周):0.85
コヒーレンスファクターσの最小値σmin(最内周):0.55
開口数NA :1.2
照明光の波長λ :193.4nm
露光装置の縮小率R :4
照明形状 :クエィサー(開き角度30度)
フォトマスクの屈折率n’ :1.56
入射媒体あるいは射出媒体(空気)の屈折率n :1.00
実施例1の位相シフト型のフォトマスクにおける位相シフト量設定方法は、原理図を図1に示すように、
フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最大値σmaxに対応するフォトマスクへの照明光の最大入射角θin-maxにおいて、照明光の波長λの半波長分の位相差を与える位相シフト量最大値ΔSmaxを求め、
フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最小値σminに対応するフォトマスクへの照明光の最小入射角θin-minにおいて、照明光の半波長分の位相差を与える位相シフト量最小値ΔSminを求め、
ΔSmin<ΔS<ΔSmaxを満足するように、位相シフト領域における位相シフト量ΔSを決定する。
また、実施例1の位相シフト型のフォトマスクの作製方法は、
フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最大値σmaxに対応するフォトマスクへの照明光の最大入射角θin-maxにおいて、照明光の波長λの半波長分の位相差を与える位相シフト量最大値ΔSmaxを求め、
フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最小値σminに対応するフォトマスクへの照明光の最小入射角θin-minにおいて、照明光の半波長分の位相差を与える位相シフト量最小値ΔSminを求め、
ΔSmin<ΔS<ΔSmaxを満足するように、位相シフト領域における位相シフト量ΔSを決定し、
該位相シフト量ΔSが得られるように、位相シフト領域を加工する。
更には、実施例1の位相シフト型のフォトマスクは、
フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最大値σmaxに対応するフォトマスクへの照明光の最大入射角θin-maxにおいて、照明光の波長λの半波長分の位相差を与える位相シフト量最大値をΔSmax、フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最小値σminに対応するフォトマスクへの照明光の最小入射角θin-minにおいて、照明光の半波長分の位相差を与える位相シフト量最小値をΔSminとしたとき、
位相シフト領域における位相シフト量ΔSは、ΔSmin<ΔS<ΔSmaxを満足する。
そして、最大入射角θin-maxに対応するフォトマスク中の最大屈折角をθ’in-max、最小入射角θin-minに対応するフォトマスク中の最小屈折角をθ’in-min、フォトマスクの屈折率をn’、照明光がフォトマスクに入射(あるいは射出)する際の入射媒体(あるいは射出媒体)の屈折率をnとしたとき、
ΔSmax=(λ/2)×
[{n’/cos(θ’in-max)}−{n/cos(θin-max)}]-1
(4−1)
ΔSmin=(λ/2)×
[{n’/cos(θ’in-min)}−{n/cos(θin-min)}]-1
(4−2)
を満足する。
具体的には、最大値σmaxの値(=0.85)及び最小値σminの値(=0.55)に基づき、式(3)から最大入射角θin-max及び最小入射角θin-minを求めることができ、更には、最大入射角θin-max及び最小入射角θin-minから最大屈折角θ’in-max及び最小屈折角θ’in-minを求めることができ、これらから、上記の式(4−1)、式(4−2)に基づき、ΔSmax及びΔSminを得ることができる。ここで、位相シフト量最大値ΔSmaxとは、最大値σmax(最外周)における照明光(斜め入射光)の波長の半波長分(λ/2分)の位相シフトを与える位相シフト量(例えば、基板掘込み量)である。また、位相シフト量最小値ΔSminとは、最小値σmin(最内周)における照明光(斜め入射光)の波長の半波長分(λ/2分)の位相シフトを与える位相シフト量(例えば、基板掘込み量)である。
そして、実施例1にあっては、位相シフト量ΔS(基板掘込み量)を、以下の式(5)から求める。
ΔS=(ΔSmin+ΔSmax)/2 (5)
こうして求められたΔSmax、ΔSmin、ΔSの値は、以下の表2のとおりである。
[表2]
ΔSmax:175.8nm
ΔSmin:173.3nm
ΔS :174.6nm
尚、式(1)から求められた基板掘込み量dの値は、
d=171.7nm
であった。
実施例1におけるΔSと、従来の技術におけるdとの間には、2.9nmの差異が存在する。この差異が露光プロセスマージンに与える影響を検証するため、実施例1における基板掘込み型位相シフトマスクと、従来技術に基づく基板掘込み型位相シフトマスクの比較を、露光シミュレーションにて行なった。尚、シミュレーションについては、FDTD(Finite Difference Time Domain)法によりフォトマスク透過後の照明光(露光光)における電場強度分布を考慮してある(T. V. Pistor,"Accuracy Issues in the Finite Difference Time Domain Simulation of Photomask Scattering", Proc. SPIE Vol. 4346, pp 1484 (2001) 参照)。露光シミュレーションの結果を図2に示すが、この結果は、所定の露光条件における光強度に基づき求められた露光プロセスウィンドウに相当する。ここで、実施例1あるいは後述する実施例2において、露光目標線幅及び線幅許容ばらつきを、それぞれ、70nm及び±7nmとしている。また、図2あるいは後述する図5の縦軸は露光裕度、横軸は焦点深度を表している。図2あるいは後述する図5中、黒四角印は、斜め入射光を考慮した位相シフト量設定を行なった実施例1あるいは後述する実施例2の基板掘込み型位相シフトマスクの結果であり、黒菱形印は、垂直入射光を前提として位相シフト量設定を行なった従来の基板掘込み型位相シフトマスク(従来技術)の結果である。尚、実施例1あるいは後述する実施例2において、照明光透過領域の幅(L1、図7の(A)参照)を210nm、遮光領域の幅(L2、図7の(A)参照)を70nmとした。
図2から、露光裕度の許容値を5%と仮定した場合、従来の技術により設定した基板掘込み型位相シフトマスクでは、許容される焦点深度が0.33μmであるのに対して、実施例1の基板掘込み型位相シフトマスクでは0.42μmの焦点深度が許容されることが分かる。即ち、実施例1の基板掘込み型位相シフトマスクにあっては、焦点深度許容値が27%向上したことになる。このように、本発明にあっては、フォトマスクの位相シフト量設定量を変更するという簡易な方法でありながら、露光プロセスマージンを増加させることができる。
以下、実施例1のフォトマスクの作製方法を、図3の流れ図を参照して説明するが、後述する実施例2あるいは実施例3のフォトマスクも同様の方法で作製することができる。
[工程−100]
先ず、合成石英ガラスから成る基板を準備する。基板のサイズについては特に制約は無いが、SEMI(Semiconductor Equipment and Materials Institute)にて規格化されているサイズのものを使用するのが一般的である。但し、傷、反り、異物付着等の欠陥や複屈折の要因となる応力歪が最小限に抑えられた基板を用いることが望ましい。
[工程−110]
そして、基板上に照明光を適宜遮光するための遮光領域を設ける。この遮光領域を構成する遮光用薄層は、クロム、窒化クロム、酸化クロム、タンタル、窒化タンタル、酸化タンタル、モリブデンシリサイド、ジルコニウムシリサイドから成る単層膜、若しくは、これらの物質で構成された多層膜から構成される。遮光用薄層は、例えば、スパッタリング法によって成膜することができる。遮光用薄層の膜厚は、少なくとも照明光の波長に対して光学濃度3以上となるように設定することが望ましい。一例を挙げると、クロムと酸化クロムの積層構造から遮光領域を構成する場合、クロムの膜厚を58nm、酸化クロムの膜厚を18nmとすることが望ましい。
次に、遮光用薄層上に感光剤を塗布し、感光剤に対してプリベークを行う。ここで、感光剤に関しては、感光剤露光装置の特性に合わせて、好適なものを使用する。例えば、加速電圧50keVの高加速電子ビームで感光剤を露光する場合、電子線露光用の化学増幅型感光剤を使用する。このような電子線露光装置及び電子線露光用感光剤として、例えば、日本電子株式会社製JBX9000MV、富士フィルムアーチ株式会社製FEP171を挙げることができる。次いで、遮光領域を形成すべき感光剤に対して電子線露光を施し、その後、感光剤に対してポストベークを行なった後、現像工程を経て、感光剤パターンを得ることができる。
[工程−120]
その後、感光剤パターンをエッチング用マスクとして、遮光用薄層をエッチングする。エッチングは、ウェット方式、ドライ方式のどちらを採用してもよい。次いで、感光剤を剥離する。
[工程−130]
次に、基板の掘込みを行う。具体的には、全面にレジスト層を形成した後、レジスト層の露光、現像を行うことで、基板を掘り込むべき領域のレジスト層の部分に開口部を形成する。尚、レジスト層の露光は、電子線を用いた露光としてもよいし、レーザ光を用いた露光としてもよい。その後、レジスト層をエッチング用マスクとして基板の掘込みを行う。基板掘込み量である位相シフト量ΔSに関しては、上述したとおりである。基板の掘込み量は、エッチング時間から所望のエッチング量を算出することで制御してもよいし、エッチング終点検出機構による制御を行なってもよい。後者にあっては、例えば、基板裏面側から、基板エッチング(掘込み)部の反射光をモニターし、光干渉を用いた基板エッチング段差計測を行う。エッチング(掘込み)の終了後、非エッチング部を被覆していたレジスト層を剥離する。こうして、クロムレス方式以外の形態の位相シフト型のフォトマスク、例えば、レベンソン型(方式)、補助パターン型(方式)、エッジ強調型(方式)、シフター遮光型(方式)の位相シフト型のフォトマスクを得ることができる。また、次いで、遮光領域の遮光用薄層をエッチングによって除去すれば、クロムレス方式の形態の位相シフト型のフォトマスクを得ることができる。
実施例2は、実施例1の変形であり、本発明の第2の構成に関する。実施例2の照明光源強度における空間分布を、図4に模式的に図示する。実施例2における各種のパラメータを、以下の表3のとおりとする。
[表3]
コヒーレンスファクターσin-peak :0.72
コヒーレンスファクターσの最大値σmax(最外周):0.89
コヒーレンスファクターσの最小値σmin(最内周):0.60
開口数NA :1.2
照明光の波長λ :193.4nm
露光装置の縮小率R :4
照明形状 :輪帯照明
フォトマスクの屈折率n’ :1.56
いま、図4に示すような照明光源強度における空間分布が存在し、フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσin-peakに対応する部分に、照明光源の光強度のピークが位置するとする。このとき、実施例2にあっては、フォトマスクを照明する照明光において、最大光強度を有する光束のフォトマスクへの入射角をθin-peak、入射角θin-peakに対応するフォトマスク中の屈折角をθ’in-peak、フォトマスクの屈折率をn’、照明光がフォトマスクに入射(あるいは射出)する際の入射媒体(あるいは射出媒体)の屈折率をnとしたとき、位相シフト量ΔSは、
ΔS=(λ/2)×
[{n’/cos(θ’in-peak)}−{n/cos(θin-peak)}]-1 (6)
を満足する。
尚、コヒーレンスファクターσin-peakに基づき、式(3)から入射角θin-peakを求めることができ、更には、入射角θin-peakから屈折角θ’in-peakを求めることができ、これらから、上記の式(6)に基づき、ΔSを得ることができる。こうして求められたΔSの値は、
ΔS=174.5nm
である。
これによって、照明光分布の最大値、即ち、回路パターンを形成するためのレジスト材料層の露光へ最も寄与する照明光に対して最適な位相差を設定することができ、従来の技術に比べて、露光プロセスマージンの向上を図ることができる。尚、図4から分かるように、σin-peakは、
σmin<σin-peak<σmax
なる関係を満たしていることから、σin-peakに対応する基板掘込み量ΔSは、ΔSminとΔSmaxとの間の値となることは、自明である。
実施例2の基板掘込み型位相シフトマスクにおける露光シミュレーションの結果を図5に示すが、この結果は、所定の露光条件における光強度に基づき求められた露光プロセスウィンドウに相当する。図5から、露光裕度の許容値を5%と仮定した場合、従来技術により設定した基板掘込み型位相シフトマスクでは、許容される焦点深度が0.39μmであるのに対して、実施例2の基板掘込み型位相シフトマスクでは0.46μmの焦点深度が許容されることが分かる。即ち、実施例2の基板掘込み型位相シフトマスクにあっては、焦点深度許容値が18%向上したことになる。このように、本発明にあっては、フォトマスクの位相シフト量設定量を変更するという簡易な方法でありながら、露光プロセスマージンを増加させることができる。
実施例3も、実施例1の変形であり、本発明の第3の構成に関する。実施例3の照明光源強度における空間分布を、図6に模式的に図示する。図6に示した例では、照明光源の光強度のピークの位置σpeakの両側の光強度プロファイルが、照明光源の直径方向の直線に沿って、照明光源の光強度のピークの位置σpeakを中心として対称の形状ではない。このため、図6に示した例では、σpeakよりも照明光源の中心寄りの領域において半波長分の位相シフトを与えるように、基板掘込み量を設定している。即ち、照明光源の光強度の重心位置σin-bcに対応する斜め入射光に対して半波長分(λ/2)の位相シフト量ΔSを与えるように、基板掘込み量を設定する。尚、σin-bcとは、σin-bcを境に、照明光源の中心側の領域における照明光源の光強度プロファイルの面積と、照明光源の外周側の領域における照明光源の光強度プロファイルの面積とが同一となる位置と定義する。
即ち、図6に示すような照明光源強度における空間分布が存在し、フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσin-bcに対応する部分に、照明光源の光強度の重心が位置するとする。このとき、実施例3にあっては、フォトマスクを照明する照明光における光強度の重心に対応する光束のフォトマスクへの入射角をθin-bc、入射角θin-bcに対応するフォトマスク中の屈折角をθ’in-bc、フォトマスクの屈折率をn’、照明光がフォトマスクに入射(あるいは射出)する際の入射媒体(あるいは射出媒体)の屈折率をnとしたとき、位相シフト量ΔSは、
ΔS=(λ/2)[{n’/cos(θ’in-bc)}−{n/cos(θin-bc)}]-1
を満足する。これによって、回路パターンを形成するためのレジスト材料層への露光への寄与がより大きい斜め入射成分に対して、最適な位相シフトを実現することができる。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例にあっては、専ら、基板掘込み型位相シフトマスクを例にとり説明したが、図7の(B)に示した所謂上載せシフター型位相シフトマスクとすることもできる。また、実施例にあっては、クロムレス方式の形態の位相シフト型のフォトマスクを例にとり説明したが、レベンソン型等の種々の位相シフト型のフォトマスクとすることもできる。更には、基板掘込み型レベンソン位相シフトマスクには、位相シフト領域(シフター部)と非位相シフト領域(非シフター部)における透過光強度差を補償するため、位相シフト領域にサイドエッチング加工を施してもよいし(例えば、特開平6−180497参照)、位相シフト領域の開口寸法を非位相シフト領域に比べ大きくしてもよいし(例えば、特開昭62−189468参照)、あるいは又、通常は非位相シフト領域(非シフター部)となる箇所を基板エッチング加工し、同時に、位相シフト領域(シフター部)を通常より深く掘り込むことにより、実効的な位相差を180度とする手法(例えば、特開2003−195480参照)を適用してもよい。更に、実施例では、液浸露光法の例を示したが、通常の、即ち、液浸ではない露光法を用いる場合にも有効である。
図1は、実施例1の位相シフト型のフォトマスクにおける位相シフト量設定方法を説明するための原理図である。 図2は、実施例1の位相シフト型のフォトマスク、及び、従来の技術による位相シフト型のフォトマスクにおける露光シミュレーションの結果を示すグラフであり、露光条件における光強度に基づき求められた露光プロセスウィンドウに相当する。 図3は、実施例1のフォトマスクの作製方法を説明するための流れ図である。 図4は、実施例2における照明光源強度における空間分布を模式的に示す図である。 図5は、実施例2の位相シフト型のフォトマスク、及び、従来の技術による位相シフト型のフォトマスクにおける露光シミュレーションの結果を示すグラフであり、露光条件における光強度に基づき求められた露光プロセスウィンドウに相当する。 図6は、実施例3における照明光源強度における空間分布を模式的に示す図である。 図7の(A)及び(B)は、基板掘込み型位相シフトマスク及び上載せシフター型位相シフトマスクの模式的な一部端面図である。 図8は、基板掘込み型位相シフトマスクに照明光が斜めに入射した状態を示す、基板掘込み型位相シフトマスクの模式的な一部端面図である。 図9は、コヒーレンスファクターσは増加するに従い、位相差が180度からどの程度、ずれるかを示すグラフである。 図10は、位相誤差が発生する場合の露光状態を示す概念図である。

Claims (7)

  1. 位相シフト型のフォトマスクにおける位相シフト量設定方法であって、
    フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最大値σmaxに対応するフォトマスクへの照明光の最大入射角θin-maxにおいて、照明光の波長λの半波長分の位相差を与える位相シフト量最大値ΔSmaxを求め、
    フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最小値σminに対応するフォトマスクへの照明光の最小入射角θin-minにおいて、照明光の半波長分の位相差を与える位相シフト量最小値ΔSminを求め、
    ΔSmin<ΔS<ΔSmaxを満足するように、位相シフト領域における位相シフト量ΔSを決定することを特徴とする位相シフト量設定方法。
  2. 最大入射角θin-maxに対応するフォトマスク中の最大屈折角をθ’in-max、最小入射角θin-minに対応するフォトマスク中の最小屈折角をθ’in-min、フォトマスクの屈折率をn’、照明光がフォトマスクに入射する際の入射媒体の屈折率をnとしたとき、
    ΔSmax=(λ/2)×
    [{n’/cos(θ’in-max)}−{n/cos(θin-max)}]-1
    ΔSmin=(λ/2)×
    [{n’/cos(θ’in-min)}−{n/cos(θin-min)}]-1
    を満足することを特徴とする請求項1に記載の位相シフト量設定方法。
  3. ΔS=(ΔSmin+ΔSmax)/2
    を満足することを特徴とする請求項1に記載の位相シフト量設定方法。
  4. フォトマスクを照明する照明光において、最大光強度を有する光束のフォトマスクへの入射角をθin-peak、入射角θin-peakに対応するフォトマスク中の屈折角をθ’in-peak、フォトマスクの屈折率をn’、照明光がフォトマスクに入射する際の入射媒体の屈折率をnとしたとき、
    ΔS=(λ/2)×
    [{n’/cos(θ’in-peak)}−{n/cos(θin-peak)}]-1
    を満足することを特徴とする請求項1に記載の位相シフト量設定方法。
  5. フォトマスクを照明する照明光における光強度の重心に対応する光束のフォトマスクへの入射角をθin-bc、入射角θin-bcに対応するフォトマスク中の屈折角をθ’in-bc、フォトマスクの屈折率をn’、照明光がフォトマスクに入射する際の入射媒体の屈折率をnとしたとき、
    ΔS=(λ/2)[{n’/cos(θ’in-bc)}−{n/cos(θin-bc)}]-1
    を満足することを特徴とする請求項1に記載の位相シフト量設定方法。
  6. 位相シフト型のフォトマスクの作製方法であって、
    フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最大値σmaxに対応するフォトマスクへの照明光の最大入射角θin-maxにおいて、照明光の波長λの半波長分の位相差を与える位相シフト量最大値ΔSmaxを求め、
    フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最小値σminに対応するフォトマスクへの照明光の最小入射角θin-minにおいて、照明光の半波長分の位相差を与える位相シフト量最小値ΔSminを求め、
    ΔSmin<ΔS<ΔSmaxを満足するように、位相シフト領域における位相シフト量ΔSを決定し、
    該位相シフト量ΔSが得られるように、位相シフト領域を加工することを特徴とする位相シフト型のフォトマスクの作製方法。
  7. 位相シフト型のフォトマスクであって、
    フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最大値σmaxに対応するフォトマスクへの照明光の最大入射角θin-maxにおいて、照明光の波長λの半波長分の位相差を与える位相シフト量最大値をΔSmax、フォトマスクを照明する照明光のコヒーレンスファクターσの最小値σminに対応するフォトマスクへの照明光の最小入射角θin-minにおいて、照明光の半波長分の位相差を与える位相シフト量最小値をΔSminとしたとき、
    位相シフト領域における位相シフト量ΔSは、ΔSmin<ΔS<ΔSmaxを満足することを特徴とする位相シフト型のフォトマスク。
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