従来、例えば、電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置(電子写真画像形成装置)では、像担持体としての電子写真感光体(感光体)を帯電した後画像情報信号に応じて露光して静電像を形成し、この静電像を現像剤(トナー)を用いて現像剤像(トナー像)として現像する。そして、このトナー像を記録材などに転写した後、加熱加圧するなどして定着して記録画像を得る。
又、4色フルカラー画像を形成可能なカラー画像形成装置(多色画像形成装置)などにおいて、中間転写体を用いた中間転写方式の画像形成装置がある。斯かる方式の画像形成装置としては、例えば、それぞれ色分解された画像情報信号に応じて第1の像担持体としての感光体にトナー像を形成する複数の画像形成部を有し、各感光体から、トナー像を第2の像担持体としての中間転写体(中間転写ベルトなど)に順次重ね合わせて一次転写した後、更にこのトナー像を記録材に一括して二次転写し、最終的に記録材上に画像を形成する中間転写方式の画像形成装置がある。
電子写真画像形成装置においては、電子写真感光体(感光体)と、この感光体に作用するプロセス手段とを一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを画像形成装置本体(装置本体)に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式がある。このプロセスカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをサービスマンによらずユーザー自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができる。そのため、このプロセスカートリッジ方式は、画像形成装置において広く用いられている。
カラー画像形成装置においても、異なる色の現像剤像を形成するためのプロセスカートリッジを複数個用いて、これらを装置本体に着脱可能に具備することによってユーザーの操作性を向上させている。
尚、現像剤を像担持体に供給して静電像を現像する現像手段(現像装置)を装置本体に着脱可能なユニット(現像カートリッジ)としたものもある。
図13は、プロセスカートリッジ方式、中間転写方式を採用した画像形成装置の一例の概略断面構成を示す(例えば、特許文献1参照)。図示の例では、画像形成装置Bは、それぞれ異なる色のトナー像を形成する複数のプロセスカートリッジ202Y、202M、202C、202Kが装着され、各プロセスカートリッジ202が備える第1の像担持体としての感光体221Y、221M、221C、221Kに形成したトナー像を、一次転写部T1にて第2の像担持体としてベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)235に順次重ね合わせて一次転写した後、このトナー像を二次転写部T2にて記録材Pに一括して二次転写する。その後、記録材P上の未定着のトナー像は、定着されて、記録画像として機外に排出される。
このような画像形成装置Bでは、例えば、プロセスカートリッジ202に内包されるトナーが無くなった際には、図14に示すように、操作者が、装置本体210に対して開閉可能に取り付けられている開閉部材(扉)211を開けて、プロセスカートリッジ202を交換する。
カラー画像形成装置においては、複数個のプロセスカートリッジ202を上下方向に積み上げる形態で配列する構成を採用することにより、省スペース化という点から設置面積を少なくし、カラー画像形成装置のパーソナル化を図ることができる。
又、中間転写体235などを一体化した転写ユニット203が開閉部材211に保持されたものがあり、開閉部材211を開けることで、プロセスカートリッジ202にアクセス可能となり、プロセスカートリッジ202の着脱が行えるようになっている。
ところで、中間転写方式の画像形成装置では、二次転写部T2で記録材Pに転写されるべきトナー像は、画像領域全てで同じレベルの静電吸着力を持っているとは限らず、トナーが転写されずに中間転写体235に付着したまま(転写残トナー)になる場合がある。従って、次のカラー画像を一次転写部T1にて中間転写体235へ転写する前に、転写残トナーを取り除いておく必要がある。よって、清掃部材274により中間転写体235から転写残トナーを掻き取り、中間転写体235上の清掃を行う。
掻き取られた転写残トナーは、例えば、ベルトやスクリューなどを用いた現像剤搬送手段275によって、回収容器271の入口272まで搬送され、自然落下により回収容器271内に堆積して行く。
又、清掃部材274、現像剤搬送手段275、回収容器271などを備えて構成される現像剤回収機構207が、中間転写体235などを備えて構成される転写ユニット203と一緒に開閉部材211に保持されたものがある。
しかしながら、上記従来の画像形成装置においては、以下のような課題があった。
先ず、プロセスカートリッジ202が上下方向にほぼ垂直に複数個に積み重なっていると、プロセスカートリッジ202の着脱操作がやりづらくなることがあった。特に、図14に示すように、開閉部材211の下方に回動中心(ヒンジ部)212が設けられている下開き構成の場合、下方側のプロセスカートリッジ202(例えば、図14中最下位のプロセスカートリッジ202Y)の脱着操作が、手前側に存在する中間転写体235により困難となり、その結果、操作がやりづらい、プロセスカートリッジ202がきちんとセットできたかどうか分かりにくいことがある。
次に、特に、中間転写体235を用いた画像形成装置においては、転写残トナーの回収容器271がトナーで満杯となった場合、回収容器271自体の交換作業か、回収容器271からのトナーの排出作業が必要となるため、作業頻度低減の目的から回収容器2711の大容量化が求められている。
回収容器271に自然落下で堆積するトナーは、必ず入口272の直下を頂点に斜めの面(図13中破線S)を形成する。そのため、開閉部材211の開閉態様によっては、回収容器271内でトナーが堆積しない領域が発生し、回収容器271の長寿命化を図るために大容量の回収容器271を設けても、無駄なスペースが発生してしまい長寿命化への妨げになることがある。
その点、図13、14に示すように、開閉部材211の下方に回動中心212が設けられている下開き構成であれば、開閉部材211の開閉により、回収容器271を揺することが可能であるため、この問題は解消される。しかしながら、開閉部材211の厚み方向寸法がさらに大型化してしまうために、上述のようなプロセスカートリッジ202の着脱性の改善と両立させることが難しかった。
更に、プロセスカートリッジ202を交換する際に、開閉部材211を半開きの状態で、操作者がこれを交換しようとすることがあり、このような状態での無理な交換作業は、操作者に正しい交換手法を直感的に理解させ難く、最悪、プロセスカートリッジ202の駆動伝達手段などの破損が懸念される。
特開平8−160839号公報
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。本発明は、例えば、カートリッジ着脱式の電子写真画像形成装置に好適に適用し得るものである。ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真方式を用いて記録媒体に画像を形成するものであり、例えば複写機、プリンタ(例えばレーザビームプリンタ、LEDプリンタなど)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。又、画像形成装置に着脱可能なカートリッジとは、装置本体に対して着脱可能な、プロセスカートリッジ、着脱式の現像装置(現像カートリッジ)などである。又、プロセスカートリッジとは、電子写真感光体と、電子写真感光体に作用するプロセス手段としての電子写真感光体を帯電させる帯電手段、電子写真感光体を清掃するクリーニング手段、電子写真感光体上に形成した静電像を現像するための現像手段のうち少なくとも一つと、を一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。
実施例1
[画像形成装置の全体構成]
先ず、本実施例の画像形成装置の全体構成について説明する。図1は、本実施例の画像形成装置Aの概略断面を示す。本実施例の画像形成装置Aは、装置本体10に対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータなどの外部機器からの画像情報信号に応じて、電子写真方式にて4色フルカラーの画像を記録材P、例えば、記録用紙、OHPシート、布などに形成することのできる、プロセスカートリッジ方式、中間転写方式のカラーレーザビームプリンタである。
尚、以下の説明において、プロセスカートリッジに関し長手方向(軸線方向)とは、装置本体内での記録材の搬送方向と略直交する方向であり、現像領域の長手方向に沿う方向である。又、画像形成装置に関し、前(正面)とは、操作者が通常その前でプロセスカートリッジの着動作等の操作を行う図1中右側をいう。そして、画像形成装置に関し右側、左側とは、上記前方から画像形成装置を見たときの右側、左側をいう。
画像形成装置Aは、像形成手段として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成する複数の画像形成部PY、PM、PC、PKを有する。各画像形成部PY、PM、PC、PKは、第1の像担持体たる電子写真感光体(感光体)21Y、21M、21C、21Kを有する。又、画像形成装置Aは、各画像形成部PY、PM、PC、PK上に形成されたトナー像が転写され、このトナー像を記録材給送部から給送された記録材Pに更に転写するための、第2の像担持体たるベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)35を具備する転写ユニット3を有する。中間転写体35は、駆動ローラ31、二次転写対向ローラ32、テンションローラ33に掛け回されて図示矢印方向に周回移動する。又、各画像形成部PY、PM、PC、PKにおいて、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の現像剤を用いる現像手段を具備する4色用のプロセスカートリッジ2Y、2M、2C、2Kが、装置本体10に対して個別に着脱可能に構成されている。
以下、画像形成装置Aの各部の構成、画像形成動作について更に説明するが、本実施例では、各画像形成部PY、PM、PC、PKの基本構成及び動作は共通であるので、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用の画像形成部に属する要素であることを示すために図中符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して総括的に説明する。
画像形成時には、先ず、記録材積載手段としてのカセット8の中板8a上に積載された記録材Pは、記録材供給手段としての供給ローラ41と分離パッド42によって一枚ずつ分離され、記録材搬送手段として搬送ガイド43などを介してレジストローラ対44へと搬送される。
一方、感光体21と、転写ユニット3が備えるベルト状の中間転写体35とが、各々所定の外周速度(プロセス速度)で図示矢印方向に回転する。感光体21の表面は、帯電手段としての帯電ローラ23によって均一に帯電される。次いで、感光体21は、各色の画像情報信号に応じて、光学手段(画像書き込み手段)としてのレーザスキャナー1により発されるレーザ光の走査露光を受ける。こうして、感光体21上に静電像が形成される。
感光体21に形成された静電像は、次いで、現像手段たる現像器24が現像剤(トナー)を用いて現像する。つまり、対応する色の画像情報信号に応じたレーザ光の照射により感光体21上に静電像を形成すると、現像剤担持体たる現像ローラ22が、現像容器(現像器本体)内の現像剤を担持搬送して、感光体21との対向部(現像領域)に搬送し、感光体21上の静電像に応じて感光体21にトナーを供給することによって、感光体21上の静電像をトナー像として現像する。
感光体21に形成されたトナー像は、感光体21と、一次転写手段としての一次転写対向ローラ34とで挟まれた一次転写位置T1において、中間転写体35の外周に一次転写される。この時、一次転写対向ローラ34には、トナーと逆特性の電圧が印加される。
例えば、4色フルカラー画像の形成時には、上述のような静電像の形成、現像及び一次転写の動作を、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に各画像形成部PY、PM、PC、PKで行い、中間転写体35の表面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種のトナーが順次重畳転写されたフルカラーのトナー像が形成される。
そして、4色目のブラックトナーの一次転写を終えてフルカラーのトナー像がその上に形成された中間転写体35の画像先端が、二次転写手段としての二次転写ローラ5と、二次転写対向ローラ32とが形成する二次転写部T2へ到達する前に、先述のレジストローラ対44で待機させておいた記録材Pを、タイミングを合わせて二次転写部T2へと搬送する。こうして、中間転写体35上に多重転写されたフルカラーのトナー像は、二次転写部T2において二次転写ローラ5と中間転写体35との間で記録材Pを挟持搬送することで、記録材Pに一括して二次転写される。このとき、二次転写ローラ5には、トナーと逆極性の電圧が印加され、中間転写体35と二次転写ローラ5との間に電位差を設け、静電吸着力に大小の差を設けることで、記録材Pにトナー像を転写させる。
未定着のトナー像を担持した記録材Pは、記録材搬送手段たる搬送ベルト44によって定着手段たる定着器6に導入され、ここで加熱、加圧されることでトナー像が記録材Pに定着される。その後、記録材Pは、記録材排出手段としての複数の排出ローラ対91、92、93により排出搬送路9を経て、記録材排出部たる排出トレイ94に排出される。
尚、一次転写工程後に感光体21上に残留する転写残トナーは、感光体21のクリーニング手段が備える、本実施例では感光体21に当接してトナーを掻き取るクリーニングブレードとされる清掃部材(図示せず)によって除去される。又、二次転写工程後に中間転写体に残留する転写残トナーは、後述する現像剤回収機構7が備える、本実施例では中間転写体35に当接してトナーを掻き取るクリーニングブレードとされる清掃部材74によって除去される。こうして、感光体21、中間転写体35は繰り返し画像形成に供される。
又、例えば、モノクロ画像などの単色画像の形成時には、所望の色用の画像形成部によってのみ中間転写体35上にトナー像を形成し、これを記録材Pに二次転写して、定着すればよい。
本実施例では、各画像形成部PY、PM、PC、PKにおいて、感光体21、帯電ローラ23、現像器24及びクリーニング手段(図示せず)などは、一体的にカートリッジ化されて、装置本体10に対して着脱可能なプロセスカートリッジ2を構成する。プロセスカートリッジ2は、プロセスカートリッジ2の装着手段たる保持部材100(詳しくは後述。)を介して、取り外し可能に装置本体10に装着される。
[プロセスカートリッジの駆動解除機構]
本実施例では、感光体21の長手方向一端部(右側端部)に設けられたカートリッジ側の駆動伝達手段としてのカップリング部材26(図3参照)に、装置本体に設けられた駆動手段たる駆動モータ(図示せず)からの駆動力が、装置本体側の駆動伝達手段(図示せず)を介して伝達される。これにより感光体21は、図1中反時計方向に回転する。又、本実施例では、こうして感光体21に伝達された駆動力が、ギア列を介して、プロセスカートリッジ2に設けられる帯電ローラ23、現像ローラ22などの他の回転体に伝達され、これらの部材は駆動される。
そして、画像形成装置Aには、プロセスカートリッジ2側のカップリング部26と、装置本体側駆動伝達手段との駆動伝達を接続/解除するための駆動解除機構が設けられている。駆動解除機構は、後述する開閉部材11の動きと連動して、駆動伝達の接続/解除を行う。
[現像剤回収機構]
画像形成装置Aは、上述のように、二次転写工程後に中間転写体35上に残留する転写残トナーを除去し、回収するための現像剤回収機構7を有する。本実施例では、現像剤回収機構7は、中間転写体35の表面移動方向において二次転写ローラ5の下流側に位置し中間転写体35上のトナーを除去するための清掃部材74、清掃部材74によって中間転写体35から除去されたトナーが堆積される回収容器71、清掃部材74から回収容器71へトナーを搬送するための現像剤搬送手段75(75a、75b)、その内部で現像剤搬送手段75によってトナーが搬送されるケース76などを備えている。
本実施例ではクリーニングブレードとされる清掃部材74によって中間転写体35から掻き取ったトナーは、先ず、ケース76内を現像剤搬送手段としてのスクリュー75aによって、長手方向端部(中間転写体35の走行方向と略直交する方向の端部)の集積部に集められ、更にこの集積部を通って周回移動する現像剤搬送手段としてのベルト75bに担持されて、回収容器71の入口72まで搬送される。そして、自然落下により、回収容器71内に堆積していく。
又、回収容器71の上端側の入口72の直下にはトナー検知手段73が配置されており、装置本体10が備える制御部(図示せず)は、トナー検知手段73の高さまでトナーが堆積したことを検知した時に、操作者に対し回収容器71の交換又はトナーの抜き取りを促すための表示などを、装置本体10が備える表示部或いは装置本体10に対し通信可能に接続された外部機器の表示部などで行わせるようになっている。これにより、回収容器71内が満杯になり、トナーが入口72から溢れることによる、トナー漏れなどの不具合を回避することができる。
[プロセスカートリッジの着脱]
次に、本実施例の画像形成装置Aにおけるプロセスカートリッジ2の着脱方法について説明する。
画像形成装置Aは、装置本体10の内部を露出させてプロセスカートリッジ2の着脱操作を可能とするための開閉部材11を備えている。開閉部材11は、閉じた状態の下端部よりも上端部の移動量が大きくなる位置の回動中心を中心として回動して開閉する。本実施例では、開閉部材11は、装置本体10の前面下端部近傍に設けられた回動中心12、つまり、装置本体10内の下方にある記録材Pの搬送方向と垂直な軸を中心として回動して、前方下に向けて開く。
図2は、開閉部材11を開放した際の画像形成装置Aの概略断面を示す。開閉部材11のドア本体13には、中間転写ベルト35、一次転写対向ローラ34及び二次転写対向ローラ32などを一体化した転写ユニット3が保持されており、開閉部材11はこの転写ユニット3を保持して開閉可能とされている。このため、開閉部材11を開くことで、操作開口部10aが開放され、操作者は、各色のプロセスカートリッジ2Y、2M、2C、2Kへのアクセスが可能となる。
開閉部材11が閉じた状態では、中間転写体35は、複数のプロセスカートリッジ2Y、2M、2C、2Kの感光体21に対向し、感光体21上に形成されたトナー像が一次転写されて、このトナー像を記録材Pへと一括して二次転写し得る位置に配置される。一方、開閉部材11が開いた状態では、中間転写体35は、各プロセスカートリッジ2Y、2M、2C、2Kの感光体21から分離される。
又、開閉部材11には、清掃部材74、現像剤搬送手段75、回収容器71などを備える現像剤回収機構7が保持されている。
後述するように、本実施例では、転写ユニット3と現像剤回収機構7とは、開閉部材11のドア本体13に着脱可能に保持されている。
そして、画像形成装置Aは、プロセスカートリッジ2Y、2M、2C、2Kを一体で保持し、プロセスカートリッジ2Y、2M、2C、2Kの着脱時の第1の位置(カートリッジ着脱位置)と、プロセスカートリッジ2Y、2M、2C、2Kが装置本体10内で画像形成時の正規の位置に配置される第2の位置(画像形成位置)とに移動可能な保持部材100を有する。プロセスカートリッジ2は、カートリッジ着脱位置にある保持部材100へと、感光体21を手前にして、該感光体21の長手方向、即ち、プロセスカートリッジ2の長手方向と交差する方向(ここでは、略直交する方向)に挿入して装着する。
図3及び図4をも参照して更に説明すると、図3は保持部材100にイエローのプロセスカートリッジ2Yを装着する様子を示しており(他のプロセスカートリッジは省略している。)、図4は保持部材100にイエロー、マゼンタの各プロセスカートリッジ2Y、2Mが保持された状態を示している(他のプロセスカートリッジは省略している。)。
図示の通り、本実施例においては、保持部材100は、プロセスカートリッジ2の長手方向の両端部をそれぞれ保持する第1の保持側板(右側板)101aと、第2の保持側板(左側板)101bとを有する。右側板101aは各プロセスカートリッジ2Y、2M、2C、2Kの右側を保持する。左側板101bは各プロセスカートリッジ2Y、2M、2C、2Kの左側を保持する。右側板101a及び左側板101bは、それぞれ上端部に設けられたピボット点(回動中心)102a、102bを中心に揺動して、カートリッジ着脱位置と画像形成位置とに移動する。右側板101a及び左側板101bは、後述するリンク部材群によって連結し、両側板101a、101b間の位相を実質的に同じとすることで、一体構成と同様に機能する。このように、本実施例では、低コストを実現するために保持部材100を構成する右側板101aと、左側板101bとを別体としたが、保持部材100は一体構成のもの、或いは別部材のものを適宜任意の連結手段にて連結したものであっても構わない。
右側板101a及び左側板101bには、上述のように、保持部材100に保持された各プロセスカートリッジ2を一体にまとめて移動させる際の回転中心となるピボット点102a、102bがそれぞれ設けられている。又、右側板101a及び左側板101bにはそれぞれ、プロセスカートリッジ2の挿入をスムーズに行うためのガイドリブ103a、103bが、各色用のプロセスカートリッジ2Y、2M、2C、2Kに対して設けられている。各ガイドリブ103a、103bの上面は、それぞれ、その上に挿入されるプロセスカートリッジ2の下ガイド面29a、29bを案内し、支持する。又、ガイドリブ103a、103bの下面は、それぞれ、その下に挿入されるプロセスカートリッジ2の上ガイド面28a、28bを案内する。
又、右側板101a及び左側板101bにはそれぞれ、プロセスカートリッジ2の長手方向両端部における感光体21の軸受、即ち、駆動側(本実施例では右側板101a側)のカップリング部(感光体駆動伝達部)26及び非駆動側(本実施例では左側板101b側)の位置決め軸受部27を逃げるための開口部104a、104bが、各色のプロセスカートリッジ2Y、2M、2C、2Kに対して設けられている。
更に、右側板101a及び左側板101bの前方側壁には、後述のリンク機構110との連結部であるボス105a、105bが、左右外側に突出してそれぞれ2箇所ずつ設けられている。
このように、保持部材100がピボット点102a、102bを中心に回転移動することで、画像形成位置において各プロセスカートリッジ2Y、2M、2C、2Kを略鉛直方向に整列して保持する右側板101a及び左側板101bは、カートリッジ着脱位置において鉛直方向に対して所定の角度をもつように保持される。
つまり、図2に示すように、保持部材1は、ピボット点102a、102bを中心としてカートリッジ着脱位置と画像形成位置との間を所定の角度θ、本実施例では約45度揺動する。特に、本実施例では、保持部材100は、後述のリンク機構110により開閉部材11と連結されており、開閉部材11が開くことで、画像形成位置からカートリッジ着脱位置へと移動する。これにより、開閉部材11を開くことにより、装置本体10の操作開口部10aが開放されると共に、保持部材100がプロセスカートリッジ2の装着開口部を上に向けてカートリッジ着脱位置に配置される。この状態では、例えば図2中矢印にて示すように、プロセスカートリッジ2を着脱する場合に遮るものが無く、即ち、プロセスカートリッジ2の取り外し方向の延長線上にプロセスカートリッジ2の取り外しを妨げる開閉部材11(これに保持された転写ユニット3などを含む。)などは無く、操作が容易となる。
尚、プロセスカートリッジ2は、画像形成時に対して約45度傾斜する態様に限定されるものではない。カートリッジ構成、或いは装置本体10内において保持部材100に許容される移動量等によって種々変更可能であり、プロセスカートリッジ2の着脱操作性に鑑み適宜選定すればよい。
[リンク機構]
上述のように、本実施例の画像形成装置Aでは、開閉部材11を開放することにより、保持部材100が画像形成位置からカートリッジ着脱位置へと移動する。逆に、例えばカートリッジ着脱位置にて保持部材100にプロセスカートリッジ2を保持させた後、開閉部材11を閉じることにより、保持部材100がカートリッジ着脱位置から画像形成位置へと移動し、それによって保持部材100に保持されたプロセスカートリッジ2が画像形成時の正規の位置に配置される。このため、次に説明するように、画像形成装置Aは、開閉部材11の動作に連動して保持部材100を移動させるリンク機構110を有する。
図5〜図8をも参照して、保持部材100と開閉部材11とのリンク機構110による連結、及び実際の動きについて説明する。図5〜図8は、右側板101a及び左側板101bと連結するリンク機構110の詳細を表した画像形成装置Aの内部の概略斜視図である。図5は開閉部材11を閉じた状態、即ち、画像形成時の位置でのリンク機構110の状態を示し、図6は、図5に示すリンク機構110の状態の一部を拡大して示し、図7は、開閉部材11が開き始めた位置におけるリンク機構110の状態を示し、図8は開閉部材11が開ききった状態でのリンク機構110の状態を示す。
保持部材100は、リンク部材群、即ち、ドア連結板115、中間ロッド114、回転ロッド113、保持側板連結ロッド(連結ロッド)112を有するリンク機構110により、開閉部材11と連結される。
連結ロッド112は、右側板101a及び左側板101bの縦方向に沿って延在する縦部材112Aと、装置本体10の後部側に延在する横部材112Bとが一体的に形成された略L字形状を有し、縦部材112Aが、右側板101a及び左側板101bにそれぞれ2個ずつ設けられたボス105a、105bに固定される。連結ロッド112のボス105a、105bとの連結部と反対側の端部、即ち、横部材112Bの端部には、開閉部材11の開き始めから保持部材100の動き始めるまでにある程度のタイムラグが生ずるように、回転ロッド113が繋がれている。
中間ロッド114は、一端部が回転ロッド113と連結され、更に回転ロッド113との連結部とは反対側の端部に、開閉部材11と一体となったドア連結板115が連結されている。回転ロッド113は、連結ロッド112と中間ロッド114とに回転可能に連結されている。
又、装置本体10に固定された中央側板121は、プロセスカートリッジ2の位置決めを行うために、各色のプロセスカートリッジ2に対応した位置決め穴116を有する。装置本体10に設けられた前側板122には、連結ロッド112をガイドするロッドガイド部材118が固定されている。又、前側板122には、保持部材100との連結部であるボス105a、105bが干渉しないようにボス移動用穴123が、左右それぞれ2箇所ずつ設けられている。更に、前側板122には、開閉部材11を閉じたときに、保持部材100を連結ロッド112を介して保持するために、リンク保持保持部材としての弾性部材である保持バネ119が設けられている。
リンク部材群は、開閉部材11の左右側面に実質的に対称に設けられ、実質的に同位相にて同じ作用を成す。
上記構成のリンク機構110により、装置本体10の前方下部の回動中心12を中心とした開閉部材11の駆動力が、開閉部材11の開閉動作に伴って円弧状に移動するドア連結板115を介して、中間ロッド114及び回転ロッド113とにより連結ロッド112に伝達され、更に保持部材100に伝達される。以下、リンク部材群の作用について更に説明する。
先ず、図5及び図6を参照して、開閉部材11が閉じた状態について説明する。開閉部材11が閉じられた状態では、開閉部材11と連結したリンク機構110を構成するドア連結板115、中間ロッド114、回転ロッド113及び連結ロッド112により、保持部材100、即ち、右側板101a及び左側板101bは、装置本体10内に押し込まれ、画像形成位置に配置されている。この状態で、前側板122に固定された保持バネ119により、連結ロッド112の縦部材112Aが固定され、保持部材100は装置本体10内に保持された状態となっている。
このとき、それぞれのプロセスカートリッジ2は、中央側板121に設けられた位置決め穴116の装置本体10の後方側と下方側の2つの端面に、プロセスカートリッジ2の両端部に設けられている感光体21の軸受(カップリング部、位置決め軸受部)26、27を押し当てるように、付勢手段としての弾性部材である位置決め用バネ(図示せず)により付勢されている。
このように、プロセスカートリッジ2の位置決めを、保持部材100とは別に装置本体10側で行うようにすることで、保持部材100は、プロセスカートリッジ2の装着の際はあくまでもラフなガイドとして機能し、操作者はラフにプロセスカートリッジ2を保持部材100に装着しても構わない。そのため、操作者はプロセスカートリッジ2の装着がきちんと行われたかどうかを確認しながら装着する必要がなくなり、操作性は飛躍的に向上する。勿論、本発明は、保持部材1がプロセスカートリッジ1のラフガイドとして機能する態様に限定されるものではなく、保持部材1が、プロセスカートリッジ2の位置決めをもする構成であってもよい。
次に、図7を参照して、開閉部材11が開き始めたときの状態、即ち、図5及び図6に示す開閉部材11が閉じた状態から、図8に示すような開閉部材11が完全に開いた状態へと開いていく過程について説明する。開き始めにおいて、リンク機構110を構成するドア連結板115及び中間ロッド114は、開閉部材11と連動して動く。つまり、開閉部材11の下方の回動中心12を中心とした移動に伴って、図示矢印方向にドア連結板115が円弧状に移動して、中間ロッド114を装置本体10の前面方向に引き出す。しかし、回転ロッド113は、連結ロッド112との連結部を中心として、図示矢印方向に回転運動を行う。そのため、連結ロッド112は、回転ロッド113が略水平位置になるまで動かないようになっている。
そして、この連結ロッド112が動かない状態のうちに、連結ロッド112とは別に開閉部材11の動きと連動したプロセスカートリッジ2への駆動伝達を解除する駆動解除機構(図示せず)によりプロセスカートリッジ2への駆動伝達が解除される。
連結ロッド112は、プロセスカートリッジ2の駆動が解除された後に、開閉部材11の動きに連動して動き始めるので、操作者が特別な操作をしなくても、プロセスカートリッジ2の着脱位置への移動がスムーズに行われる。
上述のように、リンク機構110は、開閉部材11が閉じた状態から開く際に、開閉部材11が所定量移動してから、連結ロッド112、即ち、保持部材100を移動させ始めるように構成し、又プロセスカートリッジ2の駆動解除機構は、開閉部材11が上記所定量移動する間に、プロセスカートリッジ2への駆動伝達経路を分断するように構成することで、開閉部材11を開く際に、保持部材100が動くまでの間に、プロセスカートリッジ2への駆動伝達を解除するための時間的余裕ができる。そのため、通常の画像形成時は確実な駆動の伝達が可能となり、又、開閉部材11の動きに連動して確実にプロセスカートリッジ2への駆動伝達を解除して、プロセスカートリッジ2の移動を可能とすることができる。
次に、図8を参照して開閉部材11が完全に開いた状態について説明する。上述のようにして回転ロッド113が回転して略水平位置となった後、回動中心12を中心とした開閉部材11の移動に伴って、連結ロッド112が、右側板101a及び左側板101bの上端部に設けられたピボット点102a、102bを中心とし、又円弧状のロッドガイド118に沿って前方上に向かって図示矢印方向に移動する。これにより、リンク機構110によって一体とされた右側板101a及び左側板101b、即ち、保持部材100が、カートリッジ着脱位置へと移動する。
そして、開閉部材11が完全に開いた状態では、開閉部材11に連結されているリンク機構110を構成するドア連結板115、中間ロッド114、回転ロッド113及び連結ロッド112により、保持部材100は、ピボット点102a、102bを中心として、画像形成位置から約45度(角度θ)移動して装置本体10の前方に引き出され、この位置(カートリッジ着脱位置)に保持される。このような位置までプロセスカートリッジ2が移動することで、プロセスカートリッジ2へのアクセスが良くなり、装着、脱着が容易となる。
開閉部材11を閉じる際には、開閉部材11を移動させることでリンク機構110を介して保持部材100が駆動され、上記と逆の動作で画像形成位置に配置される。画像形成位置に配置されるとき、上述の保持バネ119に連結ロッド112の縦部材112Aが弾発的に係合して、保持部材100は装置本体10内に保持される。
本実施例では、開閉部材11は、閉じた状態の下端部よりも上端部の移動量が大きくなる位置の回動中心を中心として回動して開閉し、保持部材1は、画像形成位置における上端部よりも下端部の移動量が大きくなる位置のピボット軸を中心として揺動する。即ち、上述のように、本実施例では、開閉部材11は下端部の回動中心12を中心として、前方下に向けて開き、一方、保持部材1は上端部のピボット点12a、12bを中心として前方上に向けて引き出される。これにより、広い操作開口部31aを開放すると共に、プロセスカートリッジ2を手前に引き出すことができる。特に、複数のプロセスカートリッジ2を装着して使用する画像形成装置では、本実施例の開閉部材11の開閉態様及び保持部材1の移動態様によれば、広い操作開口部31を開放して、プロセスカートリッジ2の取り外し方向の延長線上にプロセスカートリッジ2の取り外しを妨げる開閉部材11(これに保持された転写ユニット3などを含む。)などが無い位置に、複数のプロセスカートリッジ2を一体として保持する保持部材1を効率的に移動させ、プロセスカートリッジ2の着脱操作性の飛躍的な向上を図ることができる。
[開閉部材の開閉と現像剤回収機構]
次に、図9〜図12をも参照して、開閉部材11の開閉動作、及び、開閉部材11の開閉動作に伴う回収容器71内のトナーの様子について説明する。
上述のように、開閉部材11には、回収容器71、清掃部材74及び現像剤搬送手段75などを備える現像剤回収機構7が保持されており、更に、一次転写対向ローラ34、中間転写体35及び二次転写対向ローラ32などを備える転写ユニット3が保持されている。更に、例えば中間転写体35の表面に形成されたトナー像を記録材Pに転写する二次転写ローラ5などの他の部材を開閉部材11に保持させてもよい。
この現像剤回収機構7と転写ユニット3とは、本実施例では、開閉部材11に対して着脱可能となっており、例えば回収容器71内に堆積するトナーが満杯となった時には、転写ユニット3を取り外すことで、回収容器71を空のものに交換したり、又はトナーを回収容器71内から抜き取ったりすることができるようになっている。又、上述のように、回収容器71の上端側には、入口72が、又その直下にはトナー検知手段73が配置されており、上述のようにしてトナー検知手段73の高さまでトナーが堆積したことが検知されたときに、回収容器71の交換などを行えるようになっている。
開閉部材11は、図10及び図11に示す通り、α1+α2°の開閉角度(図中開閉角度は、後述の重心Gと回動中心12を結ぶ線の移動方向に成す角で示している。)を持っている。そして、本実施例では、開閉部材11の下端側の回動中心(ヒンジ部)12に緩衝手段としてダンパー15が接続されている。本実施例においては、このダンパー15は、次のような減衰特性を持っている。
即ち、転写ユニット3及び現像剤回収機構7などを含めた開閉部材11全体の重心位置をGとすると、図9に示すように完全に閉じた状態から、図10に示すように開閉部材11がα1°だけ開いた位置、即ち、重心位置Gが回動中心12の鉛直上方を過ぎる位置まで開閉部材11が開かなければ、ダンパー15はトルクを発生しないようになっている。又、上述のように保持部材100を作動させるリンク機構110の働きにより、開閉部材11の開き始めにおいては、保持部材100は動作しないようになっている。本実施例では、重心位置Gが回動中心12の鉛直上方より開き方向に移動しない限り、即ち、操作者が開閉部材11をα1°より大きく開かなければ保持部材100は動き出さず、プロセスカートリッジ2は装置本体10内に留まっている。
これによって、視覚的にも、開閉部材11が半開きの状態で操作者がプロセスカートリッジ2を無理に取り出そうとすることを抑制することができる。これは、重心位置Gが開閉部材11の回動中心12の鉛直上方にあるための力学的なつりあい、及び、リンク機構110などのフリクションにより、開き途中でそっと手を離すなどして、開閉部材11がα1°開かれた図10に示す位置で留まっていたとしても同様である。
そして、この位置から全開までの開閉部材11の開閉角度α2°においては、ダンパー15の発生トルクは、転写ユニット3及び現像剤回収機構7を含めた開閉部材11の自重によって変動する。即ち、この発生トルクは、開閉部材11の開き角度や回収容器71内のトナーの堆積量などで変動する。
本実施例では、このときのダンパー15の発生トルクが、転写ユニット3及び現像剤回収機構7を含めた開閉部材11の全体の重量(保持部材100及びこれに保持されたプロセスカートリッジ2を移動させるための抵抗を含む。)による開きトルクを、如何なる場合にも上回らないような設定とする。当然、開閉部材11が自重で開いたとしても所定の耐久期間のうちに開閉部材11及び装置本体10に損傷を生じさせないような、緩衝手段としての基本性能を発揮するのに必要な値以上のトルクを発生するように設定する。
即ち、操作者がこの開閉部材11を開きかけの状態から手を放しても、必ずゆっくりとした所定の角速度で開閉角度α1+α2°を確実に開き切るか(α1°以上開いた位置で手を離した場合。)、全閉する(α1°開く前に手を離した場合。)ようになっている。
本実施例では、ダンパー15として軸回転式のものを使用し、開閉部材11の回動軸に連結した。そして、このダンパー15を調整することによって発生トルクを上記のように設定した。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明に従う緩衝手段は、例えば、流体、摩擦体或いは弾性体などの抵抗を利用した適宜任意のものであってよく、例えば、オイルや板バネなどを使用した軸回転式のものに限らず、引っ張りバネなどを使用したものであっても実現可能である。
図9〜図12中、破線Sは回収容器71内の上面を模式的に示したものであり、図9においては開閉部材11の開閉前の回収容器71内のトナーの上面、図10においては開閉部材11を開いて行く過程での回収容器71内のトナーの上面、図11においては開閉部材11を全開した時の回収容器71内のトナーの上面、図12においては開閉部材11を再度閉じた時の回収容器71内のトナー上面の様子を示している。
図9に示すように、開閉部材11が閉じた状態で画像形成を行うと、回収容器71に自然落下で堆積するトナーは、入口72の直下を頂点とした斜めの上面Sを形成する。この状態から、操作者がプロセスカートリッジ1の交換などのために開閉部材11を開く時、回収容器71内に斜めに堆積したトナーの上面Sは、図10及び図11に示す過程を経て揺すられ、図12に示すように再び開閉部材11が閉じられた際には、回収容器71内のトナーの上面Sは略水平に均される。
上述のように、開閉部材11が下端部側の回転中心12を中心として開閉する場合、例えば同じ大きさの開閉部材、回収容器を横開きの開閉部材、又は開閉部材自体を引き出し方式にした場合と比較して、開閉部材11の回動に加え、開閉による高低差によって、回収容器71内のトナーはるかに大きく揺すられる。
加えて、本実施例では、ダンパー15の発生トルクが上述のように必要以上に高くないため、操作者が開閉部材11の開閉途中で不意に手を放しても、必ず開閉部材11は全開、又は全閉となるため、回収容器71内のトナーの上面Sは、確実に均されることなる。
更には、上記ダンパー15の設定によって、開閉部材11の開閉時の衝撃緩和を実現すると共に、開閉部材11が半開きになることを防止することで、不完全なプロセスカートリッジ2の装着によるプロセスカートリッジ2の駆動伝達手段(図示せず)などの破損を防止し、プロセスカートリッジ2の着脱操作性の向上することができる。
以上、本実施例によれば、開閉部材11を開閉させた時に、回収容器11内で斜めに推積したトナーはほぼ均一に均される。この開閉部材11は下端側の回動中心を中心とした下開きであるため、開閉時の高低差によって大きく揺すられることで確実にトナーを均すことができる。結果、操作者の個人差などによる、開閉部材11の開閉の勢いの差によらず、より効率的に回収容器71の容積を活用することができる。
又、本実施例によれば、例え開閉部材11に回収容器71を保持させたことにより開閉部材11の厚み方向寸法が大型化したとしても、保持部材100の働き、即ち、上述のようにして保持部材100が開閉部材11の開閉動作に連動してカートリッジ着脱位置まで移動することにより、プロセスカートリッジ2の着脱性と両立させることができる。
更に、装置本体10のサイズによっては、開閉部材11は大きく、重くなることがあり、その場合には開閉部材11の自重による開きトルクが大きくなるために、開閉部材11の開閉時の衝撃による破損防止のためにオイルダンパーなどの緩衝手段を要する。このとき、上述のように、この緩衝手段の発生トルクを、開閉部材11の開き角度、回収容器71内のトナー量などによって変動する開閉部材11の開きトルクを上回らないように設定する。これにより、操作者が開閉部材11を開きかけた状態で開閉部材11から手を放しても開閉部材11は所定の角速度で全開まで自ら開き切り、且つ、保持部材100がカートリッジ着脱位置まで確実に導かれる。従って、プロセスカートリッジ2を着脱の妨げとなるものが無い位置まで確実に移動可能となる。同時に、開閉部材11が半開きである状態で、操作者に無理にプロセスカートリッジ2を交換される確立が大幅に下がる。その結果、開閉部材11の開閉の衝撃による開閉部材11及び装置本体10の破損を防止することが可能であると共に、プロセスカートリッジ2の装着性を確実に良好に保ち、不完全なプロセスカートリッジ2の装着によるプロセスカートリッジ2の駆動伝達手段の破損などを防止することができる。又、開閉部材11は常に自らの自重により全開状態まで開くため、回収容器11内のトナーを確実に均すことができる。
加えて、本実施例では、開閉部材11が所定量開くまで、特に、自重で開閉部材11が開き始める開閉角度α1°まで開くまで保持部材100の移動は開始されず、その間に、プロセスカートリッジ2の駆動解除手段が駆動伝達を確実に解除するようになっているため、開閉部材11を確実に操作性よく開いて確実に保持部材100をカートリッジ着脱位置まで移動させることが可能であり、又不意に保持部材100が移動したり、プロセスカートリッジ2が取り外されたりすることによる、駆動伝達手段の破損などを確実に防止することができる。
以上、本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上記実施例のものに限定されるものではないことを理解されたい。
例えば、上記実施例においては、装置本体10内で感光体21に対向する部材は中間転写体35であるとして説明したが、当業者には周知のように、例えば複数の画像形成部にて静電像を現像剤にて現像して形成した現像剤像を、記録材担持体(記録材担持ベルトなど)上に担持された記録材に転写する方式の画像形成装置がある。本発明によれば、上記実施例における中間転写体35が、このような記録材担持体(記録材担持ベルトなど)に替わったとしても、全く同様の効果が得られる。
又、上記実施例においては、複数のプロセスカートリッジ2をまとめて移動させる保持部材100は、装置本体10の上部に設けられたピボット点102a、102bを中心にスイングする構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。保持部材100は、画像形成装置Aの正面手前側の開閉部材11に保持された転写ユニット3などの障害物がない位置で、プロセスカートリッジ2の装着、脱着作業が行いやすい位置へ移動できればよく、例えば、斜め上方へスライドするような構成であったとしても同様の効果を得ることができる。つまり、保持部材100は、プロセスカートリッジ2の取り外し方向の延長線上に開閉部材11(これに保持された転写ユニット3などを含む。)がない位置に移動すればよい。
又、上記実施例では、画像形成装置に着脱可能なカートリッジはプロセスカートリッジであるとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カートリッジが、装置本体10に対して着脱可能な現像装置(現像カートリッジ)である場合にも適用し得るものである。