JP2005162863A - 洗剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)泥に対する吸着率が20%以上である酵素、および(b)疎水性繊維布に対する吸着率が10%以上である高分子化合物を含有する洗剤組成物。
【選択図】 なし
Description
例えば、近年では「吸汗速乾」訴求の混紡繊維や、加工を施した化学繊維を用いた衣料が広く普及している。これらの多くはポリエステル繊維が加工された疎水性繊維である。これらは繊維の性質上、一度付着した皮脂などの疎水汚れが落ちにくい。すなわち、汚れが原因となって衣類が「なんとなく古ぼけた」ように見えやすい衣料であると考えられる。
また疎水性繊維衣料は、綿衣料と比較して柔軟基剤が吸着されにくく、柔軟剤を活用しても柔軟性能が発揮されにくい。このように、特に、加工されたポリエステル繊維等の疎水性繊維を用いた衣料は、「汚れ」「風合い」の両面から衣類廃棄につながりやすいといった問題を持ち合わせている。
さらに、ノニオン界面活性剤を含有することが好ましい。
これらの効果は、疎水性繊維素材の衣料に対して有効である。特にポリエステル繊維を少なくとも55質量%含有する疎水性繊維に効果があり、ポリエステル繊維100%の衣料において最も有効である。
また、界面活性剤としてノニオン界面活性剤を用いることにより、皮脂洗浄力および酵素安定性がより向上するので、「汚れの蓄積」と「風合いの劣化」をより効果的に抑えることができる。
本明細書における酵素の「泥に対する吸着率」(以下「泥吸着率」と略記することもある。)とは、ある1種の酵素を泥分散液に添加して、その全酵素量の中で泥に吸着しない酵素量を差し引いた残りを「泥に吸着した酵素量」とするとき、当該「泥に吸着した酵素量」の全酵素量に対する割合をいうものとする。
具体的には、ある1種の酵素の一定量を泥分散液に添加して一定時間攪拌した後に濾過し、濾液中の酵素の濃度を測定する(この濃度をAとする。)。次に、同量の酵素を先の泥分散液と同量の泥を含まない水溶液に分散させて、水溶液中の酵素の濃度を測定する(この濃度をBとする。)。そして、酵素の泥に対する吸着率を100−A/B×100(%)として表す。尚、泥に対する吸着率の具体的な測定方法は実施例のところで述べる。
酵素には各々特有の至適pHがあるが、至適pHが7〜12、特に9〜11の範囲内にある酵素が好ましい。
また、脂質分解酵素とタンパク質分解酵素、脂質分解酵素とデンプン分解酵素といったように分解対象物の異なる種類の酵素を配合すると、原因が異なる複数種の汚れが複合されている複合汚れに対する洗浄力を向上させることができる。
洗剤に用いられるリパーゼには、LIPEX(登録商標)、LIPOLASE ULTRA(登録商標)、LIPOLASE(登録商標)等がある。
特に酵素(a)として、リパーゼの中で泥に対する吸着率が20%以上のものを配合することが好ましい。具体例としては、市販のLIPEX(登録商標)が挙げられる。泥に対する吸着率が20%以上のリパーゼを用いる場合、その配合量は、本発明の洗剤組成物中の酵素タンパク濃度として0.0001〜0.05質量%の範囲が好ましい。より好ましい配合量は0.001〜0.03質量%である。
酵素(a)以外の酵素の配合量としては、各々、本発明の洗剤組成中の酵素タンパク濃度として0.0001〜0.05質量%配合されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.03質量%である。
また、上記酵素の効果を十分に発揮させるためには、洗剤組成物のpHが9〜11であることが好ましい。
繊維は、親水性繊維と疎水性繊維に大別される。親水性繊維は、その分子構造中に水との親和性(なじみ)が高い水酸基(−OH)を有するもので、具体例としては綿、レーヨンなどが挙げられる。これらの繊維からなる衣料は通常、電気的に負に帯電しており、柔軟基剤として広く知られているカチオン界面活性剤が吸着しやすい。一方、合成繊維のポリエステルやポリプロピレン等は、親水性基をもたず疎水性繊維と呼ばれる。疎水性繊維からなる衣料は綿衣料と比較して柔軟基剤が吸着しにくい。また、近年普及が著しい「吸汗速乾」素材の衣料は、特にポリエステル繊維及び改質したポリエステル繊維を含むものがほとんどである。
これらの高分子化合物の配合量は、洗剤組成物中、0.01〜5質量%程度が好ましく、より好ましい配合量は0.1〜3質量%である。
洗剤組成物中における、ノニオン界面活性剤の配合量は、好ましくは1〜40質量%の範囲であり、より好ましくは3〜25質量%の範囲である。
R1−O(R2O)nH (I)
〔式中、R1は炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、R2は炭素数2〜4のアルキレン基、nはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、一般的に3〜20の数値である。〕
上記一般式(I)において、nはより好ましくは6〜20、さらに好ましくは10〜18である。
R4−CO(OR3)n−OR5 (II)
〔式中、R3は炭素数2〜4のアルキレン基、R4は炭素数7〜19の直鎖又は分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、R5は炭素数1〜3のアルキル基をそれぞれ示す。nはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、一般的に3〜20の数値である。〕
上記一般式(II)において、nは、より好ましくは8〜20、さらに好ましくは10〜20である。
(3)一般式(III)で表されるノニオン界面活性剤
R6−(OR7)m−Gp (III)
〔式中、R6は炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、R7は炭素数2〜4のアルキレン基、Gは炭素数5又は6の還元糖に由来する残基をそれぞれ示す。mはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、一般的に0〜5の数値である。pは残基Gの平均付加モル数を示し、一般的に1〜10である。〕
(4)一般式(IV)で表されるノニオン界面活性剤
(5)一般式(V)で表されるノニオン界面活性剤
・界面活性剤
例えば、炭素数8〜16のアルキル基を有する直鎖または分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜20のアルキル硫酸(AS)塩またはアルケニル硫酸塩、炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸(AOS)塩、炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩、炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドまたはエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=0.1/9.9〜9.9/0.1の比で付加したアルキルエーテル硫酸(AES)塩、またはアルケニルエーテル硫酸塩、炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドまたはエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=0.1/9.9〜9.9/0.1の比で付加したアルキルエーテルカルボン酸塩またはアルケニルエーテルカルボン酸塩、炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩、炭素数10〜20の高級脂肪酸塩、炭素数8〜20の飽和または不飽和α−スルホ脂肪酸(α−SF)塩またはそのメチル、エチル若しくはプロピルエステルなどのアニオン界面活性剤、若しくはそれらの混合物;
アルキルアミン塩酸塩や第4級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤;
イミダゾリン系や、アミドベタイン系などの両性界面活性剤、特に好ましい両性界面活性剤は、例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインや、ラウリン酸アミドプロピルベタインなど;
アルキルアミンオキサイド型界面活性剤等の半極性界面活性剤など。
例えば、通常過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムの一方あるいは両方など。溶解性の点から過炭酸ナトリウムが好ましい。
・漂白活性化剤
例えば、有機過酸前駆体、金属イオン、金属錯体触媒など。漂白活性化剤はアルカリ成分に対して不安定であるため、例えばポリエチレングリコール等のバインダ成分を用いて造粒された漂白活性化剤粒子の状態で配合される。
洗剤ビルダーとして、通常洗剤に使用されるアルカリビルダーやキレートビルダーを使用することができる。
アルカリビルダーとしては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウムなどのアルカリ金属炭酸塩や、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、層状ケイ酸ナトリウムなどのアルカリ金属ケイ酸塩などが挙げられる。
キレートビルダーとしては、アルミノ珪酸塩、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体、イミノカルボン酸/塩、EDTAなどが挙げられる。
吸油性担体は、主にノニオン界面活性剤などの液体成分を吸収、担持させるために用いられる。
例えば、無定形含水非晶質珪酸、球状多孔質含水非晶質珪酸、無定形無水非晶質珪酸、花弁状含水非晶質珪酸カルシウム、針状含水非晶質珪酸カルシウム、非晶質アルミノ珪酸塩、珪酸マグネシウムなどの珪酸塩化合物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、超微粒子スピネルなどの炭酸塩化合物等が挙げられる。
粘土鉱物としては、特に、スメクタイト群に属し、その結晶構造がジオクタヘドラル型3層構造またはトリオクタヘドラル型3層構造をとるものが好ましい。
具体例には、例えば、ジオクタヘドラル型3層構造をとる粘土鉱物として、モンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、パイロフィライトなどが挙げられる。
また、トリオクタヘドラル型3層構造をとる粘土鉱物として、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、タルクなどが挙げられる。
蛍光増白剤としては、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンジスルホン酸誘導体、ビス(スルホスチリル)ビフェニル塩〔チノパールCBS−X、チバスペシャルティケミカルズ社製〕などを挙げることができる。
・帯電防止剤
帯電防止剤としては、ジアルキル型4級アンモニウム塩などのカチオン界面活性剤などを挙げることができる。
・表面改質剤
表面改質剤としては、微粉炭酸カルシウム、微粉ゼオライト、ポリエチレングリコールなどを挙げることができる。
・還元剤
還元剤としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウムなどを挙げることができる。
・消泡剤
・各種香料類
・各種色素類
・各種柔軟性付与剤
本発明の洗剤組成物の製造方法は、その形態に応じて既知の方法を適宜適用することができる。例えば粒子状の洗剤組成物を製造する場合、例えば、捏和破砕造粒法;撹拌造粒法、転動造粒法;流動層造粒法;噴霧乾燥法などの造粒方法を用いることができる。中でも好ましい方法は捏和破砕造粒法、および撹拌造粒法である。
<泥吸着率測定法>
イオン交換水に、三方が原から産出される泥を0.1質量%、および塩化カルシウム58.9ppmを分散させて泥分散液を調製する。200mLビーカー(直径67mm、高さ89mm)に、長さ30mm、直径8mmのスターラーチップと、前記の泥分散液100mLを入れ、さらに測定対象の酵素を0.2質量%添加して、25℃で10分間、マグネチックスターラーを用い、回転速度40r.p.m.で十分に攪拌する。10分後、速やかに0.45μmのフィルターで濾過を行い、得られた濾液のタンパク質濃度をBIO−RAD社製PROTEIN ASSAY(LOWRY法)キットを用いて定量する(マイクロアッセイ法)。このタンパク質濃度の値をAとする。
これとは別に、同量の酵素を塩化カルシウム58.9ppmの水溶液に分散させ、同様にしてタンパク質濃度を定量した値をBとする。以下の式で泥吸着率を算出する。
泥吸着率(%)=100−(A/B)×100
<疎水性繊維布に対する吸着率>
予め、試験布を用意する。すなわち、染色試材株式会社谷頭商店社製のポリエステルジャージ1kgを2槽式洗濯機(三菱電機((株)製、商品名:CW−C30A1−H)を用い、市販洗剤「トップ」(ライオン(株)製)15g、水道水50℃、30Lで15分間洗浄して5分間脱水するという洗浄脱水工程を2回繰り返す。その後、流水すすぎ(流量15L/分)を15分した後5分間脱水するという工程を5回繰り返し、しかる後に風乾したものを試験布とする。
(A法)
調製直後(初期)の高分子分散液、および試験布を添加して10分撹拌した後の分散液からそれぞれ2mL採取し、光学的測定方法を用いて高分子化合物の濃度を測定する。初期の高分子分散液の濃度をAとし、10分撹拌後の分散液の濃度をBとし、以下の式で疎水性繊維布への吸着率を算出する。
疎水性繊維布吸着率(%)=(A−B)/A×100
なお、光学的測定方法を用いて高分子化合物の濃度を測定する方法としては、例えば、分光光度計を用い、測定対象の高分子化合物が有するスペクトル波長のうちで最も吸収の大きい波長にてそれぞれ吸光度を測定し、得られた吸光度の値より高分子化合物の濃度を求めることができる。
A法での測定が困難な高分子については、以下の方法を用いる。すなわち、上記と同様に採取した、調製直後(初期)の高分子分散液2mL、および試験布を添加して10分撹拌した後の分散液2mLそれぞれについて、0.45μmのフィルターでろ過した後、カラム TSKgel・α−M(東ソー(株)製)、プレカラム TSKguardcolumnα(東ソー(株)製)、移動相0.1mol/L過塩素酸ナトリウム水溶液、カラム温度40℃、流速0.6mL/min、UV検出器210nm、注入量50μLの条件で高分子化合物の濃度測定を行う。疎水性繊維布吸着率は同様の計算式により求められる。
<使用原料>
(酵素)
・脂質分解酵素A:ノボザイムズ(株)製、LIPEX50T、泥吸着率38%
・脂質分解酵素B:ノボザイムズ(株)製、LIPOLASE ULTRA 50T、泥吸着率14%
・タンパク質分解酵素A:ノボザイムズ(株)製、KANNASE24T
・タンパク質分解酵素B:ノボザイムズ(株)製、SAVINASE12T
・タンパク質分解酵素C:ノボザイムズ(株)製、EVERLASE8T
・高分子A:クラリアントシ゛ャハ゜ン(株)製、TEXCARE-SRN325(商品名)、疎水性繊維布に対する吸着率40%
・高分子B:ローテ゛ィア社製、Repel-O-tex(商品名)、疎水性繊維布に対する吸着率20%
・MA/AA:アクリル酸/マレイン酸共重合体のナトリウム塩、商品名ソカランCP7、BASF社製、疎水性繊維布に対する吸着率10%未満
・ポリアクリル酸ナトリウム:商品名ソカランPA30、BASF社製、疎水性繊維布に対する吸着率10%未満
(ノニオン界面活性剤)
・ノニオン界面活性剤1(AE EO15モル)一般式(I)で表されるノニオン界面活性剤。具体的には、商品名ECOROL26(ECOGREEN社製、炭素数12〜16のアルキル基を有するアルコール)の酸化エチレン15モル付加体。
・ノニオン界面活性剤2(AE EO7モル)一般式(I)で表されるノニオン界面活性剤。具体的には、商品名ECOROL26(ECOGREEN社製、炭素数12〜16のアルキル基を有するアルコール)の酸化エチレン7モル付加体。
・ノニオン界面活性剤3(MEE EO15モル)一般式(II)で表されるノニオン界面活性剤。具体的には、パステルM−181(ライオンオレオケミカル(株)社製、オレイン酸メチル)の酸化エチレン15モル付加体。
・α−SF−Na:炭素数14:炭素数16=18:82のα−スルホ脂肪酸メチルエステルのナトリウム塩(ライオン(株)製、AI=70%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルスルフェート、過酸化水素、水等)
・LAS−K:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸カリウム(ライオン(株)製ライポンLH−200(純分96%)を48%水酸化カリウム水溶液で中和したもの。
・AOS−K:炭素数14〜18のアルキル基をもつα−オレフィンスルホン酸カリウム(ライオン(株)製 純分70%の水性スラリー)
・AS−Na:炭素数10〜18のアルキル基を持つアルキル硫酸ナトリウム塩(三洋化成工業(株)製 サンデットLNM)
・石鹸:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(ライオン(株)製、純分:67%、タイター:40〜45℃、脂肪酸組成:C12:11.7%、C14:0.4%、C16:29.2%、C180(ステアリン):0.7%、C181(オレイン):56.8%、C182(リノール):1.2%、分子量:289)
・炭酸ナトリウム:重質炭酸ナトリウム、旭硝子(株)製、ソーダ灰
・炭酸カリウム:旭硝子(株)製、炭酸カリウム(粉末)
・珪酸ナトリウム:JIS 1号珪酸ナトリウム(大阪珪酸曹達社製)
・塩化ナトリウム:千葉塩業社製、並塩
・硫酸ナトリウム:無水硫酸ナトリウム、太陽工業(株)製、
・アルミノ珪酸塩:ゼオライトA、商品名シルトンB 水澤化学(株)社製
・亜硫酸ナトリウム:三井化学(株)製
・過炭酸ナトリウム(漂白剤):三菱瓦斯化学(株)製、被覆化過炭酸ナトリウム(SPC
−D)
・漂白活性化剤A:4−デカノイルオキシ安息香酸、純分70%、PEG#6000:21%、AOS−Na:5%、ゼオライト:4%含有造粒物
・漂白活性化剤B:4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸Na、純分70%
、PEG#6000:21%、AOS−Na:5%、ゼオライト:4%含有造粒物
・香料A、B、C、D:それぞれ特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物A、B、C、D
・蛍光増白剤(チノパールCBS−X、チバスペシャルティケミカルズ社製)
高分子化合物を70質量部、PEG〔ポリエチレングリコール#6000M(ライオン(株)製)〕20質量部、および炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム粉末品〔リポランPJ−400(ライオン(株)製)〕5質量部を、ホソカワミクロン社製エクストルード・オーミックスEM−6型に供給し、混練押し出し(混練温度60℃)することにより径が0.8mmφのヌードル状の押し出し品を得た。この押し出し品(冷風により20℃に冷却)を、ホソカワミクロン社製フィッツミルDKA−3型に導入し、また助剤としてA型ゼオライト粉末5質量部を同様に供給し、粉砕して平均粒径約700μmの高分子造粒物を得た。
漂白活性化剤70質量部、PEG〔ポリエチレングリコール#6000M(ライオン(株)製)〕21質量部、および炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム粉末品〔リポランPJ−400(ライオン(株)製)〕5質量部をホソカワミクロン社製エクストルード・オーミックスEM−6型に供給し、混練押し出し(混練温度60℃)することにより径が0.8mmφのヌードル状の押し出し品を得た。この押し出し品(冷風により20℃に冷却)を、ホソカワミクロン社製フィッツミルDKA−3型に導入し、また助剤としてA型ゼオライト粉末4質量部を同様に供給し、粉砕して平均粒径約700μmの漂白活性化剤造粒物を得た。
表1,2に示す配合で、下記の方法で洗剤組成物を製造し、得られた洗剤組成物について、(1)着用洗濯を繰り返したときの汚れの蓄積状態、および(2)柔軟剤による柔軟性能について、後記の評価方法により評価を行った。その結果を表1,2に合わせて示す。
ノニオン界面活性剤の配合量が10%以上である実施例7〜11については以下の製造方法Aにより調整した。
[粒子状洗剤組成物の製造方法A]
添加物は各実施例に記載される組成に応じて添加した。
まず、撹拌装置を装備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を50℃に調整した。これに蛍光増白剤を添加し、10分間撹拌した。続いて、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウムを添加した後にアクリル酸/マレイン酸共重合体のナトリウム塩、ポリアクリル酸ナトリウムを添加し、さらに10分間撹拌した後、亜硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム及び粉末A型ゼオライトの一部を添加した。そして、さらに30分間撹拌して噴霧乾燥用スラリーを調製した。
得られた噴霧乾燥用スラリーの温度は50℃であった。このスラリーを、圧力噴霧ノズルを具備した向流式噴霧乾燥装置で噴霧乾燥を行い、水分3%、嵩密度が0.50g/mL、平均粒径が250μmの噴霧乾燥粒子を得た。
これとは別に、ノニオン界面活性剤、PEG#6000、アニオン界面活性剤(LAS−K、AOS−K、α−SF−Na及び石鹸)を、80℃の温度条件で混合して、含水量10質量%の界面活性剤組成物を調製した。LAS−Kは水酸化カリウム水溶液で中和した溶液状で使用した。
そして、得られた噴霧乾燥粒子を、鋤刃状ショベルを装備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのレーディゲミキサー((株)マツボー製、M20型)に投入(充填率50容積%)し、ジャケットには80℃の温水を10L/分の流量で流しながら、主軸(150rpm)とチョッパー(4000rpm)の撹拌を開始した。そこに上記で調製した界面活性剤組成物を2分間かけて投入し、その後に5分間撹拌した後、粉末A型ゼオライトの一部(10質量部)を投入して2分間撹拌することによって、界面活性剤含有粒子を得た。
得られた界面活性剤含有粒子と、先に記載した製造方法で製造した高分子造粒物、粉末A型ゼオライトの一部(2質量部)、酵素造粒物及び漂白活性化剤造粒物、過炭酸ナトリウムをVブレンダーで混合し、香料を噴霧した後、目的の粒子状洗剤組成物(平均粒径300μm、嵩密度0.75g/mL)を得た。
〔粒子状洗剤組成物の製造方法B〕
添加物は各実施例に記載される組成に応じて添加する。
該当する実施例・比較例に示される組成のうち、ノニオン界面活性剤、2質量部の捏和時添加用のA型ゼオライト、3.2質量部の粉砕助剤用A型ゼオライト、1.5質量部の表面被覆用のA型ゼオライト、色素及び香料を除く成分を水に溶解若しくは分散させた水分38%のスラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度300℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒径330μm、嵩密度0.30g/mL、水分3%の噴霧乾燥粒子を得た。この乾燥粒子と共に、2.0質量部のA型ゼオライト、0.5質量部の噴霧添加用を除くノニオン界面活性剤及び水を連続ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRC−S4型)に投入し、捏和能力120kg/h、温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤含有混練物を得た。
次いで、得られたペレット状界面活性剤含有成型物に粉砕助剤としての粒子状A型ゼオライト(平均粒径180μm)を3.2質量部添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕し(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4700rpm)、界面活性剤粒子群を得た。最後に水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で得られた界面活性剤粒子群、先に記載した製造方法で製造した高分子造粒物、漂白活性化剤造粒物、過炭酸ナトリウム、1.5質量部の微粉A型ゼオライトを加え、0.5質量部のノニオン界面活性剤と香料を噴霧しつつ、1分間転動し表面改質した後、酵素造粒物を加え、目的の粒子状洗剤組成物(平均粒径540μm、嵩密度0.77g/mL)を得た
ポリエステル繊維100%からなる白地のシャツ2kgに以下の前処理を行った。すなわち、市販洗剤「トップ」(ライオン社製、2001年12月製造)を用い、二槽式洗濯機(三菱電機社製、CW−C30A1−H)にて、水道水、50℃、浴比30倍、洗剤使用量15g、標準水流の条件で10分間洗浄した。洗浄後、脱水1分、ためすすぎ3分を25℃で2回行ない、一晩風乾した。
前処理後の試験シャツを被験者5人に一日着用してもらい、その後、実施例および比較例の各洗剤組成物を用い、以下の条件で洗濯して、風乾した。
2槽式洗濯機(三菱電機社製、CW−C30A1−H)に、水温25℃、ドイツ硬度3°DH(イオン交換水に塩化カルシウムを添加して調製)の水30Lを供給した。次に評価対象の洗剤組成物を洗濯濃度として667mg/L添加し、標準水流で1分攪拌した後、前記の試験シャツを5枚入れ、10分間洗浄した。尚、洗浄液のpHはいずれも9.5〜10.5の範囲であった。洗浄後、脱水1分、ためすすぎ(水道水30L)3分を2回行ない、20℃、40%RHの条件で24時間自然乾燥(風乾)した。上記の操作(着用−洗濯−風乾)をさらに29回繰り返した。
対照として、同じ素材のシャツ5枚を、着用せずに、洗濯−風乾のみを同回数(30回)繰り返した。
シャツの背中部分の見た目を、スガ試験機株式会社 型式F65D−Aを用い、標準光源D65の光照射下で官能一対比較を行った。10名の専門パネラーにより以下の基準で評価した。各パネラー毎に5枚のシャツの平均値を評価値とし、さらに10名のパネラーの評価値の平均を評価結果とした。
なお、この評価方法の結果において、1〜3点を着用可能、4〜5点を着用不可能と判断する汚れ蓄積のレベルとした。
<評価基準>
対照と同等 1点
対照よりわずかに薄汚れている 2点
対照よりやや薄汚れている 3点
対照よりかなり薄汚れている 4点
対照よりはっきり薄汚れている 5点
ポリエステル繊維100%からなる白地のシャツを、前処理として、市販洗剤「トップ」(ライオン社製、2001年12月製造)を用い、乾燥機能付き洗濯機(洗乾白い約束 NW−D8BX 縦型 日立製作所社製)にて3回洗濯した(洗剤標準使用量、浴比30倍、45℃の水道水、標準水流、洗浄10分間後、注水すすぎ10分を2回)。
前処理後のシャツを5人に一日着用してもらい、これを試験シャツとした。
二槽式洗濯機(三菱電機(株)製、CW-C30A1-H)、に水温25℃、ト゛イツ硬度3°DH(イオン交換水に塩化カルシウムを添加して調整)、の水30Lを供給した。次に評価対象の洗剤組成物を洗液濃度として667mg/Lを添加し、標準水流で1分攪拌した後、前記の試験シャツを5枚入れ、10分間洗浄した。洗浄後、脱水1分、ためすすぎ(水道水30L)3分を2回行なう。2回目のすすぎを行う際に、市販柔軟剤「ソフランC」(ライオン(株)製、2001年2月製造)を水量30Lに対して7ml加えて試験布の柔軟処理を行った。その後、20℃、40%RHの条件で24時間自然乾燥(風乾)し、柔軟性の評価を行った。対照として、洗濯時に使用する洗剤組成物を、下記表3に示す組成の洗剤組成物に代えた他は実施例および比較例と同様にして同じ前処理および着用を行った試験シャツを洗濯し、2回目のすすぎ時に同じ市販柔軟剤「ソフランC」を用いて柔軟仕上げ処理をした。各試験シャツと対照のシャツで専門ハ゜ネラー10名による官能一対比較を行ない、以下に示す基準で評価を行った。各ハ゜ネラー毎に5枚の平均値を評価値とし、さらに10名のハ゜ネラーの評価値の平均を評価結果とした。
<評価基準>
+2 対照よりはっきり柔らかい
+1 対照よりやや柔らかい
0 対照とほぼ同じ
−1 対照の方がやや柔らかい
−2 対照の方がはっきり柔らかい
表1,2の結果より、実施例1〜11の洗剤組成物を用いて洗濯および柔軟仕上げを行った場合には、比較例1〜3の洗剤組成物を用いた場合に比べて、着用洗濯を繰り返したときの汚れの蓄積が小さく、柔軟性においても優れていることが認められた。
Claims (3)
- (a)泥に対する吸着率が20%以上である酵素、および(b)疎水性繊維布に対する吸着率が10%以上である高分子化合物を含有することを特徴とする洗剤組成物。
- さらに、ノニオン界面活性剤を含有する請求項1記載の洗剤組成物。
- ポリエステル繊維用である請求項1または2に記載の洗剤組成物。
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