JP2005162769A - 水性インク - Google Patents
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Abstract
【課題】 アニオン性基を有する染料、特に水溶性のフタロシアニン染料及び/又はポルフィリン染料を用いたインクにより形成される画像の堅牢性を、粘度や透明性等のインクとしての特性や画像の発色性を損なうことなく簡単な方法で向上させること。
【解決手段】 少なくとも染料及びオニウムカチオン化合物を含有し、該オニウムカチオン化合物が1分子中に2以上のオニウムカチオンを有する多価カチオンであることを特徴とする水性インク。
【選択図】 なし
【解決手段】 少なくとも染料及びオニウムカチオン化合物を含有し、該オニウムカチオン化合物が1分子中に2以上のオニウムカチオンを有する多価カチオンであることを特徴とする水性インク。
【選択図】 なし
Description
本発明は、優れた堅牢性を有する画像を形成することができる水性インクに関する。
現在、色材や着色剤は多種多様に用いられており、その中で環境問題の点から粉体化や水性化が盛んに行われている。塗料、ペン・マーカー・プリンターのインク、化粧品等がその例として挙げられる。プリンターの中でもインクジェットプリンターについてみると、産業用や一般家庭用のページプリンター、回路基盤の配線や液晶、EL素子のパターニング等、多様に用いられている。そのインクジェットプリンターに使用する液、即ち、インクの成分として色材には染料や顔料を使用している。
染料を色材とするインクを用いてインクジェット方式により作成される画像は、顔料を色材とするインクにより形成される画像に比較して彩度が高いことが挙げられるが、その反面、耐水性や耐光性等の堅牢性が低い欠点もある。
画像の堅牢性については、耐水性、耐光性及び耐ガス性等が挙げられ、これらの堅牢性はインクに使用する染料の分子構造に応じて変化するという特徴がある。例えば、アゾ色素からなる画像では、一般にオゾン等のガス劣化に対しては比較的高い堅牢性を示すが、光に対する堅牢性は低い傾向が見られる。又、フタロシアニン色素からなる画像では、オゾン等のガス劣化に対しては堅牢性が低く、光に対する堅牢性は高い傾向が見られる。
上記染料からなる画像の堅牢性を向上すべく、多くの研究例が見られる。その方法としては、インク中に樹脂成分を導入する、劣化防止剤を添加する等、さまざまなものがある。インク中に樹脂成分を導入する方法は、染料と樹脂を混合する方法或いは染料を樹脂で包含(カプセル)する方法等が挙げられる。しかしながら、樹脂成分をインク中に導入する場合には、例えば、樹脂がインク溶媒中に溶解して溶液となってインクの粘性が上昇し、上記溶液中の樹脂が加熱すると変性する等の不具合を生じることがある。
一方、染料を樹脂で包含する場合も上記と同じ不具合が懸念され、加えて、例えば、染料含有樹脂微粒子等を想定すると、染料の存在形態や含有量、或いは染料と樹脂の相互作用を考慮する必要があり、非常に高い技術が要求される。染料を含むインクに劣化防止剤を添加する場合についても同様である。
又、インクに用いる色材の種類と特徴についてみると、上述したようにフタロシアニンやポルフィリン染料は光に対しては非常に高い堅牢性を有するが、オゾン等の酸化性のガスに対する堅牢性は低いのが現状である(特許文献1〜4参照)。このオゾン等のガスに対する堅牢性を向上させる研究例もあり、例えば、フタロシアニンやポルフィリンを合成する際に官能基の配向性を制御する(特許文献5参照)、或いは水溶性を付与するための官能基をアミド化する(特許文献6参照)等である。これらは有用な技術であるが、これらのフタロシアニンやポルフィリン誘導体は合成が難しく、又、コスト高になり、或いは上記誘導体の水に対する溶解性が変化して、水との親和性が低下する反面もある。
従って、本発明の目的は、アニオン性基を有する染料、特に水溶性のフタロシアニン染料及び/又はポルフィリン染料を用いたインクにより形成される画像の堅牢性を、粘度や透明性等のインクとしての特性や画像の発色性を損なうことなく簡単な方法で向上させることである。
上記の課題を解決するために本発明者は鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。即ち、インクの調製に際して、アニオン性基を有する染料、特にフタロシアニン染料及び/又はポルフィリン染料において水溶性を確保している酸性基又は陰イオン基と逆のイオン性を有する塩基性基又はカチオンを有する水溶性化合物を用いることによって、インク中の上記色材の安定性を確保しつつ、且つ堅牢性が高い画像を形成できるインクとすることができることを見出した。
即ち、本発明は、少なくとも染料及びオニウムカチオン化合物を含有し、該オニウムカチオン化合物が1分子中に2以上のオニウムカチオンを有する多価カチオンであることを特徴とする水性インクを提供する。
本発明によれば、オニウムカチオン化合物をインク中に含有することで、アニオン性基を有する染料、特に水溶性のフタロシアニン染料及び/又はポルフィリン染料を用いた水性のインクにより、形成される画像の堅牢性を簡単な方法で向上させることができる。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明の水性インクは、少なくとも染料及びオニウムカチオン化合物を含有し、該オニウムカチオン化合物が1分子中に2以上のオニウムカチオンを有する多価カチオンであることを特徴とする。
本発明で使用する染料としては、アニオン性基を有する染料、例えば、直接染料、酸性染料等の公知となっている何れの染料も使用できるが、好ましい染料として下記一般式(I)で示される水可溶性フタロシアニン化合物及び/又は水可溶性ポルフィリン化合物が挙げられる。以下フタロシアニン系染料を代表例として説明する。
上記式中のPxは、置換又は無置換のフタロシアニン残基及び/又は置換又は無置換のポルフィリン残基であり、xは1以上4以下、y及びzは各々0以上3以下であり、且つ式[1≦x+y+z≦4]を満たす任意の数であり、M1は水素原子、金属、金属酸化物、金属水酸化物及び金属ハロゲン化物から選ばれる少なくとも1種を表し、M2 +は1価の金属イオン、金属酸化物イオン及び有機カチオンから選ばれる少なくとも1種を表し、xが複数である場合M2 +は同一でも異なってもよい。Aは置換又は無置換の水酸基、アミノ基及びカルボキシルアミノ基から選ばれる基を表し、yが複数である場合Aは同一でも異なってもよく、Rは水素原子又は有機基であり、zが複数である場合Rは同一でも異なってもよい。
上記において、M1は金属である場合、銅、亜鉛、ニッケル、チタン、アルミニウムを例示でき、特に銅が好ましい。又、上記においてRが有機基の場合、Rの具体例は、後述の一般式(II)のZの場合と同様である。
上記染料は単独でも使用でき、又、2種以上の混合物、例えば、異種フタロシアニン化合物の混合、異種ポルフィリン化合物の混合、フタロシアニン化合物とポルフィリン化合物との混合物、更にフタロシアニン化合物或いはポルフィリン化合物と他の構造を有する色材と混合して使用できる。前記一般式(I)で示される水可溶性フタロシアニン化合物同士の混合物の場合、例えば、x=1のフタロシアニンとx=2のフタロシアニンとの混合物の場合、インクの成分を分析したときに得られるxの値は、1を超えて2未満の実数となる。同様に、y及びzは、0を超えて3未満の実数になる。又、該他の色材としては、例えば、アゾ染料(モノアゾ染料、ジスアゾ染料、トリスアゾ染料)、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料等の染料が好ましく例示できる。
本発明のインクに用いる前記染料の量は、染料の発色性の観点から、上記の混合使用するものも含めて全染料量がインク中の0.05質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上10質量%以下である。
本発明に用いるオニウムカチオン化合物は、アンモニウム、スルホニウム及びホスホニウムからなる群より選択されるカチオン構造を2つ以上含む化合物とカウンターアニオンとを有する化合物であって、好ましくは下記一般式(II)及び一般式(III)で表わすことができる。
上記式中のDは、炭素数1〜12の範囲の無置換又は側鎖及び/又は末端が置換されたアルキレン、アルケニレン、オキシアルキレン、オキシアルケニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン及び2価の芳香環から選ばれる少なくとも1種の有機基であり、n又はn+lが複数である場合Dは同一でも異なってもよい。具体的には−CH2−、−C2H4−、−C3H6−、−C4H8−、−C5H10−、−C6H12−、−C2H4−O−C2H4−O−C2H4−、−CH2−C6H4−CH2−、−CH=CH−、−CH=CH−CH2−、−CH=CH−CH=CH−、−CH=CH−CH=CH−CH2−、−CH=CH−CH2−CH=CH−、−CH2−CH=C=CH−CH2−、−O−C4H8−、−O−CH2−CH=C=CH−CH2−、−CH2−C6H4−及び−C6H4−を好ましく例示できる。
Eは、N+、P+及びS+から選ばれるカチオンであり、前記一般式(II)及び(III)においては、少なくとも2つのEがN+、P+及びS+から選ばれるカチオンであれば、他のEはN、P及びSから選ばれる原子でもよい。同一分子中の複数のEは同一でも異なってもよい。Zは水素原子又は炭素数1〜12の範囲の無置換又は側鎖か末端が置換されたアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、オキシアルキル、オキシアルケニル及び芳香環から選ばれる少なくとも1種の有機基であり、具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ビニル、プロペニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンチル、ベンジル及びフェニル基を好ましく例示でき、これらの基は水酸基、カルボキシル基及びケトン基から選ばれる置換基を有してもよい。同一分子中のZは同一でも異なってもよい。X-はカウンターイオンを表す。
前記mは、EがN+及びP+の場合3であり、N、P及びS+の場合2であり、Sの場合1である。Gは、上記のZで表される基と同一の基又は(D−E)b−(Z)mで表される結合である。即ち、前記一般式(III)においてbが2以上の化合物は(D−E)結合を繰り返す多分岐構造体(デンドリマー)であってもよい。前記のb、l及びnは1以上50以下の任意の数であり、本発明において最終的に得られるインクの液安定性の観点から、より好ましくはb、l及びnは平均値で1〜20の範囲である。
前記一般式(II)及び一般式(III)で表わされる化合物に関して、より具体的な構造を下記一般式(IV)及び一般式(V)に示す。式中、D及びZは、一般式(II)及び一般式(III)のものと同様である。又、一般式(V)におけるEは、N+及び/又はP+であり得る。
前記一般式(II)及び一般式(III)で表されるオニウムカチオン化合物は、式中のX-で表されるカウンターイオンとして無機及び/又は有機のアニオンから選ばれる少なくとも1種を有してよく、該カウンターイオンとしてハロゲンイオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオン、水酸化物イオン、カルボン酸類イオン、硝酸類イオン、燐酸類イオン及び硫酸類イオンを好ましく例示でき、該カウンターイオンは同一でも異なってもよい。
上記一般式(II)及び一般式(III)で表されるオニウムカチオン化合物の使用量は、インクの液安定性の観点から、[オニウムカチオン当量/染料のアニオン当量]比が0.01〜2であることが好ましく、0.25〜1.0の範囲がより好ましい。又、オニウムカチオン化合物は単独でも混合物としても使用できる。更には一般式(II)の化合物と一般式(III)の化合物とは混合物として使用してもよい。
上記の各化合物を用いてインクを作成するにあたり、インクを構成する他の成分として水及び通常のインクや塗料に用いられる溶剤や添加剤を加えることができる。水は、イオン交換水、精製水等を用いることができる。又、溶剤としては水溶性の有機溶剤を用いるのが好ましく、具体的にはホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、イソプロピルアルコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、シクロヘキサノール、フリフリルアルコール、γ−ブチロラクトン、モノエタノールアミン等であるが、これらに限定されるものではない。又、これらを単独のみならず、2種類以上を併用してもよい。
上記の添加剤としては非イオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤、防腐剤、防カビ剤、pH調整剤等が挙げられ、従来公知の化合物から目的に応じて任意に選択すればよい。
上記本発明の水性のインクを用いて画像を形成する方法としては、インクジェット印刷、ペン・マーカー等が挙げられる。画像の形成方法はこれに限定されない。インクジェット方法としては、バブルジェット(登録商標)タイプ及びピエゾジェットタイプの両方が使用可能である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。尚、文中「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
<原料の調製>
後述の実施例及び比較例で使用する染料及びオニウムカチオン化合物を公知の方法に従って合成し、その具体例を以下に示す。
<原料の調製>
後述の実施例及び比較例で使用する染料及びオニウムカチオン化合物を公知の方法に従って合成し、その具体例を以下に示す。
<実施例1>
サンプル瓶中で、下記の成分を染料に対してオニウムカチオン化合物が当量比で0.5となるように処方し、マグネチックスターラー台上で攪拌子を用いて攪拌混合し、混合液のpHを測定して7≦pH≦10となるように水酸化リチウムでpH調整を行い、本発明のインクを得た。該インクを用いて、インクジェットプリンター(キヤノン社製;PIXUS850i)にて単色のベタパターンを光沢紙(キヤノン社製;プロフォトペーパー)に印刷して評価紙を得、該評価紙を用いて画像の堅牢性としては耐光性と耐オゾン性を評価した。
サンプル瓶中で、下記の成分を染料に対してオニウムカチオン化合物が当量比で0.5となるように処方し、マグネチックスターラー台上で攪拌子を用いて攪拌混合し、混合液のpHを測定して7≦pH≦10となるように水酸化リチウムでpH調整を行い、本発明のインクを得た。該インクを用いて、インクジェットプリンター(キヤノン社製;PIXUS850i)にて単色のベタパターンを光沢紙(キヤノン社製;プロフォトペーパー)に印刷して評価紙を得、該評価紙を用いて画像の堅牢性としては耐光性と耐オゾン性を評価した。
・染料A 4部
・オニウムカチオン化合物2
(カチオン当量/アニオン当量=0.5)1.6部
・ジエチレングリコール 8部
・グリセリン 8部
・イソプロピルアルコール 2.5部
・脱イオン水 75.9部
・オニウムカチオン化合物2
(カチオン当量/アニオン当量=0.5)1.6部
・ジエチレングリコール 8部
・グリセリン 8部
・イソプロピルアルコール 2.5部
・脱イオン水 75.9部
耐光性
上記の評価紙を耐光性試験機(アトラス社製;Ci4000)内で40℃、70%RH、0.39W/m2条件で50時間キセノン光曝露を行った。曝露前後の評価紙中のベタパターンについて、反射濃度計(ミノルタ社製;分光反射計:CM2002)を用いて測色し、色差(ΔE)にて評価した。結果を表1に示す。
上記の評価紙を耐光性試験機(アトラス社製;Ci4000)内で40℃、70%RH、0.39W/m2条件で50時間キセノン光曝露を行った。曝露前後の評価紙中のベタパターンについて、反射濃度計(ミノルタ社製;分光反射計:CM2002)を用いて測色し、色差(ΔE)にて評価した。結果を表1に示す。
耐オゾン性
上記の評価紙をオゾン試験機(スガ試験機社製;オゾンウェザーメーター)を用いて評価紙をオゾン濃度3ppm、温度40℃、相対湿度55%の条件下で2時間曝露した。曝露前後の評価紙中のベタパターンについて、耐光性と同様に反射濃度計を用いて測色して色差にて評価した。結果を表1に示す。
上記の評価紙をオゾン試験機(スガ試験機社製;オゾンウェザーメーター)を用いて評価紙をオゾン濃度3ppm、温度40℃、相対湿度55%の条件下で2時間曝露した。曝露前後の評価紙中のベタパターンについて、耐光性と同様に反射濃度計を用いて測色して色差にて評価した。結果を表1に示す。
<実施例2〜7>
実施例1において、オニウムカチオン化合物2をオニウムカチオン化合物4、5、7、8、9、11にそれぞれ変更し、アニオン/カチオン当量比を実施例1と同様に設定してインク及び評価紙を得、堅牢性評価は実施例1と同様に行った。使用したオニウムカチオン化合物種及び評価結果を下記表1に示す。
実施例1において、オニウムカチオン化合物2をオニウムカチオン化合物4、5、7、8、9、11にそれぞれ変更し、アニオン/カチオン当量比を実施例1と同様に設定してインク及び評価紙を得、堅牢性評価は実施例1と同様に行った。使用したオニウムカチオン化合物種及び評価結果を下記表1に示す。
<実施例8〜24>
染料を前記具体例(原料の調製)に記載の別の染料に変更し、オニウムカチオン化合物を前記具体例(原料の調製)に記載の別のオニウムカチオン化合物に変更し、他は実施例1〜7と同様にアニオン/カチオン当量比を設定して、実施例1〜7と同様にしてインクを各々調製し、実施例1〜7と同様に評価を行った。用いた染料種、オニウムカチオン化合物種及び評価結果を下記表1に示す。
染料を前記具体例(原料の調製)に記載の別の染料に変更し、オニウムカチオン化合物を前記具体例(原料の調製)に記載の別のオニウムカチオン化合物に変更し、他は実施例1〜7と同様にアニオン/カチオン当量比を設定して、実施例1〜7と同様にしてインクを各々調製し、実施例1〜7と同様に評価を行った。用いた染料種、オニウムカチオン化合物種及び評価結果を下記表1に示す。
<比較例1〜5>
上記の実施例に準じて、オニウムカチオン化合物のみを使用しないこと以外は実施例と同様にしてインクを各々調製し、実施例と同様に評価を行った。結果を下記表1に示す。
上記の実施例に準じて、オニウムカチオン化合物のみを使用しないこと以外は実施例と同様にしてインクを各々調製し、実施例と同様に評価を行った。結果を下記表1に示す。
上記表1に示す通り、何れの実施例も、染料が同一でオニウムカチオン化合物を含まない比較例に対して試験前後の色差(ΔE)が小さくなっており、このことから実施例で得られた画像は光劣化及びオゾン劣化試験前後での色変化の減少が示唆され、耐光性及び耐オゾン性に関する堅牢性が向上していることが明らかである。
以上説明したように、オニウムカチオン化合物をインク中に含有させることで、アニオン性基を有する染料、特に水溶性のフタロシアニン染料及び/又はポルフィリン染料を用いた水性インクにより形成される画像の堅牢性を簡単な方法で向上させることができる。
Claims (4)
- 少なくとも染料及びオニウムカチオン化合物を含有し、該オニウムカチオン化合物が1分子中に2以上のオニウムカチオンを有する多価カチオンであることを特徴とする水性インク。
- 前記染料がアニオン性基を有する染料であり、前記オニウムカチオン化合物と該染料の[オニウムカチオン当量/アニオン当量]の比が0.01〜2である請求項1に記載の水性インク。
- 前記染料が、下記一般式(I)で示される水可溶性染料を少なくとも含有する請求項1に記載の水性インク。
(上記式中のPxは、置換又は無置換のフタロシアニン残基及び/又は置換又は無置換のポルフィリン残基であり、xは1以上4以下、y及びzは各々0以上3以下であり、且つ式[1≦x+y+z≦4]を満たす任意の数であり、M1は水素原子、金属、金属酸化物、金属水酸化物及び金属ハロゲン化物から選ばれる少なくとも1種を表し、M2 +は1価の金属イオン、金属酸化物イオン及び有機カチオンから選ばれる少なくとも1種を表し、xが複数である場合M2 +は同一でも異なってもよい。Aは置換又は無置換の水酸基、アミノ基及びカルボキシルアミノ基から選ばれる基を表し、yが複数である場合Aは同一でも異なってもよく、Rは水素原子又は有機基であり、zが複数である場合Rは同一でも異なってもよい。) - 前記オニウムカチオン化合物が、下記一般式(II)又は一般式(III)で表わされる線状又は多分岐構造を有する化合物である請求項1に記載の水性インク。
(上記式中のDは、炭素数1〜12の範囲の無置換又は側鎖及び/又は末端が置換されたアルキレン、アルケニレン、オキシアルキレン、オキシアルケニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン及び2価の芳香環から選ばれる少なくとも1種の有機基であり、Dは同一でも異なってもよい。EはN+、P+及びS+から選ばれるカチオン、又はN、P、Sから選ばれる原子であり、同一分子中の複数のEは同一でも異なってもよい。Zは水素原子又は炭素数1〜12の範囲の無置換又は側鎖か末端が置換されたアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、オキシアルキル、オキシアルケニル及び芳香環から選ばれる少なくとも1種の有機基であり、該基は水酸基、カルボキシル基、ケトン基から選ばれる置換基を有する。同一分子中のZは同一でも異なってもよい。Gは、上記のZで表される基と同一の基又は(D−E)b−(Z)mで表される基であり、bが2以上の場合は(D−E)結合を繰り返したものである。mは、EがN+及びP+の場合3であり、N、P及びS+の場合2であり、Sの場合1である。b、l及びnは1以上50以下の任意の数である。X-はカウンターイオンである。)
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KR20190104588A (ko) * | 2017-01-10 | 2019-09-10 | 알렉트로나 피티이. 리미티드 | 화합물 및 조성물 |
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