JP2005162640A - X線検査用造影剤の製造方法 - Google Patents

X線検査用造影剤の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
リポソームの安定化とヨウド化合物の保持安定性を図るとともに造影化合物の血中滞留性を高め、造影剤の効率的送達および良好なターゲティングを達成する、安全性の高いX線検査用造影剤を製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明のX線造影剤の製造方法は、ヨウド系化合物、水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤を含有する水溶液と溶媒(好ましくは超臨界二酸化炭素)に溶解したリン脂質とを混合する。その後、系内を減圧することにより二酸化炭素を排出して得られたリポソームの懸濁液を、さらに0.1〜0.4μの孔径を有する濾過膜を透過させる。前記リポソームの懸濁液は、リポソーム内に封入された水溶液と該リポソームが分散されている水性媒体との両方にヨウド系化合物、水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤を含有しており、特にこれらの物質の濃度がそれぞれリポソーム内外で実質的に同一であることが望ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、X線検査用造影剤の製造方法に関し、詳しくは内部に造影物質を内包したリポソームを含むX線検査用造影剤の製造方法に関する。
X線単純撮影やCT撮影法(コンピュータ断層撮影法)は、今日の画像診断の中核をなしている。骨、歯などのいわゆる硬組織はX線を良好に吸収するために容易に高コントラスト像を得ることができる。これに対し、軟組織間ではX線吸収の差が小さいため高いコントラスト像を得ることは困難である。このような場合、コントラストの高い像を得るために造影剤を使用することが一般に行なわれている。
現在実用化されているX線造影剤の大部分は、トリヨードフェニル基を含有し水溶性化した化合物を造影物質とするものである。これらの造影剤は、血管、尿管、輸卵管などの管腔部位に投与され、管腔の形状、狭窄などの診断に使用されている。しかしながら、これらの化合物は組織や疾患部位と相互作用をすることなく管腔部位から速やかに排出されるために、組織や疾患部位、特に癌組織をより詳細に診断する目的には役立たない。このため目標とする組織もしくは疾患部位に選択的に集積し、その周囲またはその他の部位と明瞭なコントラストで区別できる画像を提供するX線造影剤が望まれている。そのようなX線検査用造影剤であれば、微細癌組織であっても精度良く検出することが可能となる。
国際公開WO98/46275、同WO95/31181、同WO94/19025、同WO96/28414、同WO96/00089、米国特許4873075号、同4567034号などには、疎水性ヨウド化合物を界面活性剤や油脂の存在下で水中に分散させ、腫瘍、肝臓、脾像、副腎皮質、動脈硬化巣、血管プール、リンパ系などを造影する方法が開示されている。これらの方法では、造影剤を微粒子化することにより体内での滞留時間を長くして疾患部位を選択的に造影しようとするものである。しかしながら、その目的のために提案された製剤方法は、造影の効率および選択性とも充分でない。さらに使用するヨウド化合物が疎水性であるために、造影後に体外へ排出する速度が遅く、患者への負担が大きいという問題点もある。
一方、造影剤を微粒子状にする方法として、生体膜類似の脂質から構成され、低い抗原性のために安全性が高いとされているリポソームに造影性化合物を内包させる手法も検討されている。たとえば国際公開WO88/09165、同WO89/00988、同WO90/07491、特開平07-316079、特開2003-5596では、イオン性または非イオン性の造影剤を含有するリポソームが提案されている。これらの方法では、素材としての安全性が高く、生体内で適度な分解性を有するリポソームを用いるにもかかわらず、製造過程においてリポソーム膜を構成するリン脂質の溶剤として、有機溶媒、特にクロロホルム、ジクロロメタンといったクロル系溶剤を使用する。したがって、どうしても残存する溶剤の毒性があるという理由で実用化に至っていない(たとえば、特許文献1参照)。
他方、脂質可溶性の薬剤は容易にリポソーム中に封入されるが、その封入量は他の要因にも左右されることから必ずしもそれほど多くはない。また水溶性電解質である薬剤は、その薬剤の電荷と荷電した脂質の電荷との相互作用を通じてリポソーム内部の水相に封入できるが、薬剤が水溶性の非電解質である場合には、そうした手段を採ることはできない。X線造影剤についても、一般にイオン性造影化合物よりも、実質的に毒性の低い非イオン性ヨウド化合物をリポソーム内に封入することが望まれるが、上記の理由から容易ではない。さらに形成されたリポソームは多重層になりやすく、ヨウド化合物の内包率も低いために効率が悪くなる。このような水溶性の非電解質を効率的にリポソーム中に封入する
手段として、逆相蒸発法、エーテル注入法が挙げられるが、有機溶剤を使用するためにやはり安全性の問題が残る。
特開2003-119120(特許文献2)では、リポソームを含有する化粧料、皮膚外用剤を、
超臨界二酸化炭素を用いて製造する方法が開示されており、親水性薬効成分や親油性薬効成分をリポソームに内包する皮膚外用剤の製造例が示されている。しかし、親水性薬効成分として、水溶性電解質の例は示されているが、同法により水溶性非電解質をリポソームに効率よく内包できるか不明であった。
特開平7-316079号公報 特開2003-119120号公報
本発明は、造影物質のマイクロキャリヤーとしてその保持効率を高めたリポソームを使用することにより、造影の効率および選択性に優れ、しかも安全性の高いX線検査用造影剤の製造方法を提供することを目的とする。より具体的には毒性のある有機溶媒を使用することなく狭い粒径範囲の一枚膜リポソーム内に水溶性ヨウド系化合物を封入したX線造影剤の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、以下の構成を有する。
本発明のX線検査用造影剤の製造方法は、ヨウド系化合物、水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤を含有する水溶液と溶媒に溶解したリン脂質とを混合することにより形成したリポソームの懸濁液を、さらに0.1〜0.4μの孔径を有する濾過膜を透過させることを特徴としている。前記リン脂質の溶媒は超臨界二酸化炭素が望ましい。
また、本発明のX線検査用造影剤の製造方法は、60〜120℃、100〜400気圧の条件下の
超臨界二酸化炭素にリン脂質を溶解し、次いで同条件でヨウド系化合物、水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤を含有する水溶液を加えて、その後、系内を減圧することにより二酸化炭素を排出してリポソームの懸濁液を得ることを特徴とする。
リン脂質の溶解助剤として、低級アルコールを使用することが望ましい。
二酸化炭素を排出して得るリポソームの懸濁液をさらに0.1〜0.4μの孔径を有する濾過膜を透過させることを特徴としている。
前記リポソームの懸濁液は、リポソーム内に封入された水溶液と該リポソームが分散されている水性媒体との両方にヨウド系化合物、水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤を含有しており、これらの物質の濃度がそれぞれリポソーム内外で実質的に同一である。本発明のX線検査用造影剤は、上記のいずれかの方法で作製され、かつリポソーム内に封入された水溶液とリポソームが分散されている水性媒体との両方にヨウド系化合物、水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤を含有しており、これらの物質の濃度がそれぞれリポソーム内外で実質的に同一である。
〔発明の具体的説明〕
本発明によるX線検査用造影剤の製造方法は、ヨウド系化合物、水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤を含有する水溶液と溶媒(好ましくは超臨界二酸化炭素)に溶解したリン脂質とを混合することにより形成したリポソームの懸濁液を、さらに0.1〜0.4μの孔径を有する濾過膜を透過させることを特徴としている。以下、本発明を、造影剤の製造に使用する造影化合物、リポソームの素材と設計、X線検査用造影剤の製造方法、X線検査用造影剤の順に詳細に説明する。
使用する造影化合物
本発明の製造方法に使用する水溶性ヨウド系化合物は、造影性があればイオン性、非イオン性を問わず特に規定されない。一般的に非イオン性ヨウド化合物の方が、イオン性ヨウド化合物よりも浸透圧が低く毒性が低いためにより望ましい。水溶性の非イオン性ヨウド系化合物としてヨウ化フェニルを含み、たとえば2,4,6−トリヨードフェニル基を少な
くとも1個有する非イオン性ヨウド化合物が好適である。
具体的には、そのような非イオン性ヨウド化合物として、イオヘキソール、イオペントール、イオジキサノール、イオプロミド、イオトロラン、イオメプロール、N,N′−ビス
〔2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)−エチル〕−5−〔〔(2−ヒドロキシ−1−オキソプピル)−アミノ〕−2,4,6−トリヨード−1,3−ベンゼン−ジカルボキシアミド(イオパミドール);メトリザミドなどが挙げられる。
その他のヨウド系化合物として、ジアトリゾイン酸;ジアトリゾエートナトリウム;メグルミンジアトリゾエート;アセトリゾイン酸およびその可溶性塩;ジプロトリゾ酸;ヨーダミド,ヨージパミドナトリウム、メグルミンヨージパミド、ヨード馬尿酸およびその可溶性塩;ヨードメタム酸;ヨードピラセットヨード−2−ピリドン−N−酢酸、3,5−
ジヨード−4−ピリドン−N−酢酸(ヨードピラセット);前記酸のジエチルアンモニウム塩;イオタラム酸;メトリゾイン酸およびその塩;イオパノ酸、イオセファム酸、イオフェノ酸およびそれらの可溶性塩;チロパノエートナトリウム、イオポダートナトリウムおよび他の同様なヨウ素化された化合物などを挙げることができる。
これらの化合物は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。またその例示に限定されるものではない。なお本明細書において、化合物は遊離形態の他に、その塩、水和物なども含めて言及することがある。
本発明の製造方法に使用される好適なヨウド系化合物として、高度に親水性であり、かつ高濃度でも浸透圧が高くならないイオメプロール、イオパミドール、イオトロラン、イオジキサノールなどが挙げられる。特にイオトラン、イオジキサノールといった二量体非イオン性ヨウド化合物では、同一ヨウド濃度の造影剤を調製しても全体のモル数が低いために浸透圧をさらに低下させる利点がある。
本発明方法において、水溶性ヨウド系化合物の濃度は、該造影化合物の性質、意図する製剤の投与経路および臨床上の指標といった要因に基づき任意に設定することができる。リポソーム内に封入されたヨウド系化合物の量は、典型的にはX線造影剤における全ヨウド化合物の5〜95質量%、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは5〜70質量%である。
特にヨウド化合物をカプセル化したリポソームの不安定化を防止するには、リポソーム内に封入されたヨウド系化合物の量は、全ヨウド化合物の5〜25質量%、好ましくは5〜20質量%であることが望ましい。X線検査用造影剤において、リポソーム内部に全体の5〜25
質量%(または5〜20質量%)の割合で封入されたヨウド化合物であれば、残り75〜95質
量%(または80〜95質量%)が存在するリポソーム外の水性分散液へ流出する量は実質的に無視できる。したがって、ヨウド化合物をカプセル化したリポソームの浸透圧効果による不安定化を充分に防止でき、リポソームにおける造影物質の保持安定性は向上する。
リポソームの素材および設計
本発明によるX線検査用造影剤の製造方法は、上記造影化合物を目標とする臓器、組織などといった標的部位へ選択的に効率よく送達する目的のために、マイクロキャリヤーとしてのリポソーム内に封入する工程を含む。本発明の方法に基づいて製造される造影剤は、造影物質の保持効率が改善されたリポソームを使用することにより血中滞留性を向上させて、効率的な薬物送達ならびにターゲティングの実現を図っている。特に優れた腫瘍描出性を獲得するために有効とされるEPR(Enhanced permeability and retention、透
過性の亢進および滞留)効果を生じさせるためには、リポソーム構造の安定化および封入
物質の保持安定性という表裏をなす保持効率を改善させた上で、血中安定性、血中滞留性といった特性を有することが求められる。
本発明の製造方法において、製造されるX線造影剤がターゲティング機能を実現することができるように、造影化合物を内包するリポソームの粒径およびその二分子膜を適切に設計することが望ましい。そのためには受動的ターゲティングおよび能動的ターゲティングいずれも考慮される。前者は、リポソームの粒径、脂質組成、荷電などの調整を通じてその生体内挙動を制御することができる。リポソーム粒径を狭い範囲に揃える調整は、後述する方法に基づき容易に行われる。リポソーム膜表面の設計は、リン脂質の種類、組成および混在物質を変えることにより所望の特性を付与することができる。
造影剤の高度な集積性および選択性を一層可能とする能動的ターゲティングの採用もまた検討されるべきである。一例として、リポソーム表面にポリアルキレンオキシド高分子鎖またはポリエチレングリコール(PEG)を導入することは、標的部位までの誘導過程を制御し得るため、極めて有益である。癌組織、疾患部位などに到達しなかったX線造影剤は、正常部位に集積することなく、副作用が発現する前にリポソームが分解されて体外に排泄されるようにする。このようなことはリポソームを設計する際にその安定性を体外排出時間との関係で適切にコントロールすることにより可能である。造影物質は、水溶性のヨウド系化合物であれば、腎臓を経由して速やかに尿中に排泄される。かくして徒に体内に留まることによる弊害、遅発性の副作用などを防止できる。
本発明の製造方法において上記薬物送達システムに使用されるリポソームの設計、作製方法について、以下に詳述する。
リポソームは、通常、脂質二重膜から形成されている。その脂質膜の成分として、一般にリン脂質および/または糖脂質が好ましく使用される。
本発明方法に使用するリポソーム用の好ましい中性リン脂質として、大豆、卵黄などから得られるレシチン、リゾレシチンおよび/またはこれらの水素添加物、水酸化物の誘導体を挙げることができる。
その他のリン脂質として、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリン、ホスファチジン酸、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストリルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(DPPI
)、ジステアロイルホスファチジルイノシトール(DSPI)、ジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)などを挙げることができる。
これらのリン脂質は通常、単独で使用されるが、2種以上併用してもよい。ただし2種以上の荷電リン脂質を使用する場合には、負電荷のリン脂質同士または正電荷のリン脂質同士で使用することが、リポソームの凝集防止の観点から望ましい。中性リン脂質と荷電リン脂質を併用する場合、重量比として通常、200:1〜3:1、好ましくは100:1〜4:1、より好ましくは40:1〜5:1である。
糖脂質としては、ジガラクトシルジグリセリド、ガラクトシルジグリセリド硫酸エステルなどのグリセロ脂質、ガラクトシルセラミド、ガラクトシルセラミド硫酸エステル、ラクトシルセラミド、ガングリオシドG7、ガングリオシドG6、ガングリオシドG4などのスフ
ィンゴ糖脂質などを挙げることができる。
上記脂質の他にリポソームの膜構成成分として、必要に応じ他の物質を加えることもできる。たとえば、崩壊、凝集などの恐れのある不安定なリポソームのために膜安定化剤として作用するコレステロール、ジヒドロコレステロール、コレステロールエステル、フィトステロール、シトコレステロール、スチグマコレステロール、カンペコレステロール、コレスタノール、ラノステロールまたは2,4−ジヒドロラノステロールなどのステロール類などが挙げられる。また1−O−ステロールグルコシド,1−O−ステロールマルトシドまたは1−O−ステロールガラクトシドといったステロール誘導体もリポソームの安定化に効果があることが示されている(特開平5−245357号公報)
ステロールの使用量は、リン脂質1モルに対して0.01〜0.5モル、好ましくは0.05〜0.1モルの割合が望ましい。0.01モルより少ないとステロールによる安定化が発揮されず、0.5
モルより多すぎるとリポソームの形成が阻害されるか、形成されても不安定となる。
リポソーム膜中のコレステロールは、ポリアルキレンオキシド導入用のアンカーにもなり得る。特開平09-3093号公報には、ポリオキシアルキレン鎖の先端に、効率よく種
々の「機能性物質」を共有結合により固定化することができ、リポソームの形成成分として利用することができる新規なコレステロール誘導体が開示されている。
他に添加できる化合物として、負荷電物質であるジセチルホスフェートといったリン酸ジアルキルエステルなど、正電荷を与える化合物としてステアリルアミンなどの脂肪族アミンが例示される。
リポソーム膜の一成分として高分子鎖のポリアルキレンオキシド鎖(PAO、ポリオキシアルキレン鎖)またはポリエチレングリコール(PEG)鎖、すなわち−(CH2CH2O)n−HPEG鎖をリポソーム表面に付けることにより、新たな機能を該リポソームに付与することができる。たとえば、PEG化リポソームには免疫系(たとえば細網内皮系細胞)から認識されにくくなる(いわゆる「ステルス化」された状態である)効果が期待できる。あるいはリポソームが親水的傾向を有することにより血中安定性を増して、長時間にわたり血液中の濃度を維持できることが明らかになっている(Biochim. Biophys. Acta., 1066, 29-36(1991))。
これらの性質を利用してX線造影剤に臓器特異性を与えることもできる。具体的には脂質成分は肝臓に貯まりやすいことから肝臓の選択的な造影を目的とする場合には、PEGを使用しないか、あるいはPEG含有量の少ないリポソームを用いるのがよい。また粒径を200nm以上に大きくすると、肝臓Kupffer細胞の食作用により速やかに取り込まれる可能性が高くなり、肝臓の該部位に集積する。反対に他臓器の造影の場合、PEGを導入すればリポソームをステルス化して肝臓などに集まりにくくすることができるため、PEG化リポソームの使用が推奨される。PEGの導入により水和層が形成されるためにリポソームは安定化し、血中滞留性も向上する。PEGのオキシエチレン単位の長さ、導入する割合を適宜変えることにより、その機能を調節することができる。PEGとして、オキシエチレン単位が10〜3500のポリエチレングリコールが好適である。またPEGを使用する場合の使用量は、該リポソームを構成する脂質に対して0.1〜30質量%、好ましくは1〜15質量%程度含むのがよい。
リポソームのPEG化は、公知の技術を利用することができる。PEGが結合するアンカー(たとえばコレステロールなど)を膜構成成分であるリン脂質と混ぜてリポソームを作製し、そのアンカーに活性化PEGを結合させてもよい。なお、リポソーム表面に導入されたポリエチレングリコール基は「機能性物質」と反応しないため、そうしたリポソーム表面上に「機能性物質」を固定化することは困難である。代わりにPEG先端に何らかの修飾をさらに施したPEGをリン脂質に結合させ、これをリポソーム構成成分として含めてリポソームを作製することもできる。
上記PEGに代わり、公知の各種ポリアルキレンオキシド基、−(AO)n−Yをリポソーム表面に導入してもよい。ここでAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数で、1〜2000の正数である。Yは、水素原子、
アルキル基または機能性官能基を表す。
炭素数2〜4のオキシアルキレン基(AOで表される)として、たとえば
オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基、オキシ−1−エチルエチレン基、オキシ−1,2−ジメチルエチレン基などが挙げられる。これらのオキシアルキレン基は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、テトラヒドロフランなどのアルキレンオキシドを付加重合させた基である。
nは1〜2000、好ましくは10〜500、さらに好ましくは20〜200の正数である。
nが2以上の場合、オキシアルキレン基の種類は、同一のものでも異なるものでもよい。後者の場合、ランダム状に付加していても、ブロック状に付加していてもよい。ポリアルキレンオキシド鎖に親水性を付与する場合、AOとしてはエチレンオキシドが単独で付加したものが好ましく、この場合、nが10以上のものが好ましい。また種類の異なるアルキレンオキシドを付加する場合、エチレンオキシドが20モル%以上、好ましくは50モル%以上付加しているのが望ましい。ポリアルキレンオキシド鎖に親油性を付与する場合はエチレンオキシド以外の付加モル数を多くする。
Yは、水素原子、アルキル基または機能性官能基である。アルキル基として、炭素数1〜5の、分岐していてもよい脂肪族炭化水素基が挙げられる。機能性官能基は、ポリアルキレンオキシド鎖の先端に糖、糖タンパク質、抗体、レクチン、細胞接着因子といった「機能性物質」を付するためのもので、たとえばアミノ基、オキシカルボニルイミダゾール基、N-ヒドロキシコハク酸イミド基といった反応性に富む官能基が挙げられる。
ポリアルキレンオキシド基を有するリン脂質または化合物は、一種類を単独で使用することができ、あるいは二種以上のものを組み合わせて使用することもできる。その含有量は、リポソーム膜形成成分の合計量に対し、0.001〜50モル%、好ましくは0.01〜30モル
%、より好ましくは0.1〜10モル%である。0.001モル%未満では期待される効果が小さくなる。
リポソームへのポリアルキレンオキシド鎖の導入は、公知の技術を利用することができる。たとえば、ポリアルキレンオキシドが結合するアンカー(たとえばコレステロールなど)を膜構成成分であるリン脂質と混ぜてリポソームを作製し、そのアンカーに活性化ポリアルキレンオキシドを結合させる。このような方法では、リポソーム調製後にリポソーム膜表面上で多段階の化学反応を行なう必要があり、目的とする「機能性物質」の導入量が低く制限され、また反応による副生成物や不純物が混入し、リポソーム膜へのダメージが大きいなどの問題点がある。
これに代わる好ましい製造方法として、原料のリン脂質類の中に、予めリン脂質ポリアルキレンオキシド(PEO)誘導体などを含めてリポソームを作製するのがよい。これには、ホスファチジルエタノールアミンなどのポリエチレンオキシド(PEO)誘導体、たとえばジステアロイルホスファチルジルエタノールアミンポリエチレンオキシド(DSPE−PEO)などといった修飾リン脂質が提案された(特開平7−165770号公報)。さらに特開2002−37883号公報には、血中滞留性を高めた水溶性高分子修飾リポソームを作製するための高純度ポリアルキレンオキシド修飾リン脂質が開示されている
。リポソームを作製する際にモノアシル体含量が低いポリアルキレンオキシド修飾リン脂質を使用すると、リポソーム分散液の経時安定性が良好であったことが記載されている。X線検査用造影剤の製造方法
リポソームを作製する方法として、これまでに種々の方法が提案されている。作製方法が異なると、最終的に出来上がったリポソームの形態および特性もまた著しく異なることが多い(特開平6-80560号公報)。そのため所望するリポソームの形態、特性に応
じてその製造方法を適宜選択することが行なわれている。
本発明の製造方法は、ヨウド系化合物、製剤助剤(好ましくは水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤)を含有する水溶液と溶媒(好ましくは超臨界二酸化炭素)に溶解したリン脂質とを混合することにより形成したリポソームの懸濁液を、さらに一定サイズ(たとえば0.1〜0.4μ)の孔径を有する濾過膜を透過させることを特徴としている。
「製剤助剤」とは、製剤化に際し、造影物質とともに添加されるものであり、これまでの造影剤製造技術に基づいて各種の物質が適宜使用される。具体的には生理学的に許容される各種の緩衝剤、キレート化剤、さらに必要に応じて、浸透圧調節剤、安定化剤、粘度調節剤、α‐トコフェロールなどの抗酸化剤、パラオキシ安息香酸メチルといった保存剤などが挙げられる。
各種の緩衝剤には、水溶性アミン系緩衝剤、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液などが含まれる。中でも、水溶性アミン系緩衝剤が望ましい。具体的には、トリス、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン、モルホリン、トロメタモールなどが例示される。特に、トリスが後述する理由により好ましい。キレート化剤として、製剤学的に使用が認められるEDTA、EDTANa2−Ca(エデト酸二ナトリウムカルシウム)、ヘキサメ
タリン酸などが挙げられる。結局、水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤が特に好ましく使用される。
従来技術においてリポソームは、リン脂質、ステロール、レシチンといった脂質成分をほとんど例外なく、まず溶媒、たとえばクロロホルム、ジクロロメタン、エチルエーテル、四塩化炭素、酢酸エチル、ジオキサン、THFなどとともに容器中で、溶解、混合するこ
とにより調製されている。このようなリポソームの調製品は、必ず有機溶媒を含んでいる。残存するこれらの有機溶媒を除去するために、多段階の工程および長時間の処理を要しているのが現状である。そうした残留する有機溶媒、特にクロル系有機溶媒は、完全に除去することが困難であり、生体に及ぼす悪影響、具体的には副作用が懸念される。
本発明の方法においては、リン脂質などを溶解する溶媒として、上記の問題点を回避できる超臨界もしくは亜臨界二酸化炭素を使用するリポソーム調製法を利用する。二酸化炭素の臨界温度(31.1℃)と臨界圧力(73.8 bar)が比較的扱いやすく、不活性なガスゆ
え残存しても人体に無害であり、高純度流体が安価で容易に入手できるなどといった理由により好適である。さらにこの方法により作製されたリポソームは、後記するようにX線造影剤のヨウド化合物を内包するのに種々の好ましい特性および利点を有している。
超臨界もしくは亜臨界二酸化炭素を使用してリポソームを作製する場合、リン脂質を中心とする脂質膜成分を、超臨界状態(亜臨界状態を含む)にある二酸化炭素に溶解、分散または混合することが必要となる。かかる超臨界二酸化炭素は、物質中に浸透しやすいため溶解性に優れている。その際、低級アルコール、グリコール、グリコールエーテルなどのアルコールを溶解助剤(助溶媒)として1種または2種以上併用することは、上記脂質膜成分の溶解性が一層向上するために望ましい。たとえばアルコール類を超臨界二酸化炭素の0.1〜10質量%、好ましくは、1〜8質量%の割合で溶解助剤(助溶媒)として使用する
のがよい。このうち、より好ましい溶解助剤は、安全性の観点および除去の容易性から、
低級アルコール、とりわけエタノールである。
本発明の製造方法で使用する超臨界状態(亜臨界状態を含む)の二酸化炭素の好適な圧力は、50〜500気圧、好ましくは100〜400 気圧である。また好適な臨界状態の二酸化炭素ガスの温度としては、25〜200℃、好ましくは60〜120℃、より好ましくは31〜100℃、さ
らに好ましくは35〜80℃である。これらの範囲内で、温度および圧力を適宜選択して組み合わせることにより、超臨界状態(亜臨界状態を含む)を確立するのがよい。
本発明の方法により製造されるX線造影剤に使用するリポソームの好適な作製は、具体的には以下のように行なわれる。上記の好適な圧力および温度のもとにある超臨界状態もしくは亜臨界状態の二酸化炭素にリポソーム膜成分を溶解する。膜脂質成分として、上記リン脂質を、好ましくはポリアルキレンオキシド修飾リン脂質、ポリアルキレンオキシド基を有する化合物、ポリエチレングリコール基を有する化合物、ステロール類から少なくとも1種選ばれた化合物とともに添加して、撹拌下、溶解する。もしくは、あらかじめこ
れらの化合物を加えた圧力容器に液体状二酸化炭素を加え、次いで温度や圧力を調整して超臨界状態にして、溶解する。その際、必要に応じて上記溶解助剤を併用することができる。続いて生成した脂質混合物に、同条件でヨウド系化合物および製剤助剤(好ましくは水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤)を含有する水溶液を連続的に添加して、水相/二酸化炭素エマルジョンを形成する。次いで全体を数分〜数十時間、混合・撹拌する。
このエマルジョン系において脂質成分はミセル状となり離合集散をしていると推定される。しばらく撹拌を続行してミセルを含むエマルジョンが安定化した後に、さらに二酸化炭素相と水相とが分離するまで水を連続的に添加する。水相の増大とともに、水/炭酸ガ
スエマルジョン+炭酸ガス/水エマルジョンの2相となる。系内を、最終的に大気圧まで
減圧して二酸化炭素を排出すると、ヨウド系化合物を内包するリポソームが分散している水性分散液、つまりリポソームの懸濁液が得られる。通常、該リポソームの膜内部以外の水相(すなわち該リポソームが分散されている水性媒体)にも少なくともヨウド系化合物の他に、製剤助剤(たとえば水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤)が含まれている。二酸化炭素を排出して得られたリポソームの懸濁液をさらに0.1〜0.4μの孔径を有する濾過膜を通す。この工程を含めることにより、さらに粒径を狭い範囲内に揃えることができる。次いで、滅菌処理(必要に応じて行なう)、パッケージングなどの製剤過程を経てX線検査用造影剤が調製される。
前記リポソームの懸濁液は、リポソーム内に封入された水溶液と該リポソームが分散されている水性媒体との両方にヨウド系化合物、水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤を含有していて、これらの物質の濃度がそれぞれリポソーム内外で実質的に同一となっているX線検査用造影剤を与えるような製造方法もまた本発明の好ましい一態様である。
超臨界もしくは亜臨界二酸化炭素を使用する上記リポソーム作製方法は、従来法に比べて、均一なリポソームの生成率、封入する物質の内包率、封入物質のリポソーム内残存率が高いことが示されている(上記特許文献2参照)。さらに一枚膜リポソームを一段階で短時間に作製することができるために、工業的スケールでの応用も可能である。したがって、実質的に有機溶剤を使用せずに非イオン性かつ水溶性の物質を効率よくリポソームに封入することができる本法は、上記特性を有するX線造影剤の製造に有用な方法である。
本発明の方法により製造されるX線検査用造影剤では、後述するようにヨウド系化合物を、保持安定性の観点からリポソーム膜脂質重量に対して適切な重量比でリポソーム内に封入している。さらにリポソーム中の造影物質の保持安定性は、リポソームが通常50〜300nmの中心粒径であり、実質的に一枚膜であることによっても図られている。一枚膜のリ
ポソームは、実質的にリン脂質二重層が1つの層としてなる膜(unilamellar vesicle)で構成されるリポソームである。ここで「実質的に」とは、以下の凍結かつ断(Freeze fracture )レプリカ法による透過型電子顕微鏡(TEM)観察において、レプリカが概ね1
つの層として認められるリン脂質二重層によりリポソームが構成されていることをいう。すなわち、観察したカーボン膜に残された粒子の跡について段差がないものを一枚膜と判定し、2つ以上の段差が認められるものを「多層膜」と判定した。本発明の製造方法によれば、一枚膜リポソームを、造影剤中に含まれる全リポソーム中、少なくとも80%、好ましくは90%以上含むものが得られる。
このような一枚膜リポソームは、脂質類の溶媒として上記超臨界二酸化炭素を使用し、水による相分離方法により効率よく作製できる。超臨界二酸化炭素を使用するリポソーム作製方法は、水溶性物質の保持効率の高い大きな一枚膜リポソーム(粒子径、0.1〜1.2μm)を調製できることが示されている(Pharm. Tech. Japan 19(5) 819-828(2003))。こ
れに対し、従来のリポソーム作製方法では、多重層膜(multilamellar vesicles; MLV)からなるリポソームがかなりの割合で存在することが多い。そのため、一枚膜リポソームの比率を高めるためには、超音波を照射するか、一定孔サイズのフィルターに何度も通すなどの操作をさらに必要としていた。一枚膜リポソームは、MLVと比較して、リポソームの投与量、換言すると投与脂質量が大きくならないという利点もある。
一枚膜リポソーム、特に大きい一枚膜リポソームであるLUV(Large unilamellar veislcles)は、多重層リポソームに比べて、大きい封入容量を提供するという利点がある
。本発明の方法により製造される造影剤に使用するリポソームは、粒径が200〜1000nmの
LUVと、粒径が50nm未満の小さい一枚膜リポソームであるSUV(Small unilamellar vesicles)との中間に位置する。このため、保持容積もSUVより大きくなり、ヨウド系化合物、特に水溶性ヨウド系化合物のトラップ効率、換言すると内包効率も、後述するように格段に優れたものとなる。また、MLV、LUVと違い、細網内皮系細胞に取り込まれて急速に血流から消失することもない。
リポソーム粒子のサイズおよびその分布は、本発明の方法により製造されるX線造影剤が目指す、高い血中滞留性、ターゲティング性、送達効率と密接に関わっている。粒径は凍結かつ断レプリカ法により測定することができる。ここで「中心粒径」とは、粒子分布で最も出現頻度の高い粒径を指している。粒径の調整は、処方またはプロセス条件で行なうことができる。たとえば、上記の超臨界の圧力を大きくすると形成されるリポソーム粒径は小さくなる。
作製するリポソームの粒径分布をより狭い範囲に揃えるには、ポリカーボネート膜で濾過してもよい。この場合、濾過膜として0.1〜0.4μの孔径のフィルターを装着したエクストルーダーに通すことにより、一枚膜の中心粒径として 100〜300nm以下の最適寸法を有
する均一なリポソームを効率よく調製することができる。押出しろ過法については、たとえばBiochim. Biophys.Acta 557巻,9ページ(1979)に記載されている。このような「押出
し」操作を取り入れることにより、上記サイジングに加えて、リポソーム外に存在するヨウド系化合物の濃度の調整、リポソーム分散液の交換、望ましくない物質の除去も併せて可能になるという利点もある。
上記のように受動的ターゲティング能力をリポソームに持たせるには、その粒径のサイジングが重要である。特2619037号公報には、粒径3000nm以上のリポソームを排除することにより、肺の毛細血管における不都合な保持が回避されると記載されている。しかし、150〜3000nmの粒径範囲のリポソームでは、必ずしも向腫瘍性とはならない。
本発明の方法により製造される造影剤リポソームの中心粒径は、通常50〜300nm、好ま
しくは50〜200nm、より好ましくは50〜130nmである。X線撮像の目的に応じて、粒径を適切に設定することができる。たとえば腫瘍部分の選択的撮像目的の場合には、特に110〜130nmが好ましい。リポソームの粒径を100〜200nm、より好ましくは110〜130nmの範囲に均一に揃えることにより癌組織へ選択的にX線造影剤を集中させることが可能となる。これは「EPR効果」として知られている。固形癌組織にある新生血管壁の孔は、正常組織の毛細血管壁窓(fenestra)の孔サイズ、30〜80nm未満に比べて異常に大きく、約100nm〜
約200nmの大きさの分子でも血管壁から漏れ出る。すなわちEPR効果は、癌組織にある
新生血管壁では、正常組織の微小血管壁より透過性が高いことによるものである。
X線検査用造影剤
本発明の方法により製造されるX線検査用造影剤は、狭い粒径範囲に揃えた、実質的に一枚膜のリポソームの懸濁液を含む。そのリポソームの懸濁液は、リポソーム内に封入された水溶液とリポソームが分散されている水性媒体との両方にヨウド化合物、製剤助剤(好ましくは水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤)を含有しており、特にこれらの物質の濃度がそれぞれリポソーム膜内外で実質的に同一となっていることが望ましい。ここで「実質的に」とは、通常の場合ほとんど濃度が同一であることをいう。また、「水性媒体」とは、水をベースとしてヨウド化合物、製剤助剤などを溶解する溶媒である。
リポソーム膜内部に上記水溶液が封入されているため、ヨウド系化合物および製剤助剤(好ましくは水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤)はリポソーム外部の水性媒体のほか、リポソーム内部の水相に存在して、いわゆる「内包」の状態にある。ヨウド系化合物および製剤助剤の濃度が該リポソームの膜内外で実質的に同一であれば、該膜内外で著しい浸透圧差は生じることはなく、これによりリポソームの構造安定性が維持される。
X線造影剤のコントラスト性能を規定する、標的臓器への必要なヨウ素送達量は、明らかにされている(たとえば、特許2619037号公報には肝臓の場合)。本発明のようにヨウド系化合物をリポソームというマイクロキャリヤーに封入する場合には、造影物質の送達効率および保持安定性に加えて脂質の用量も考慮されねばならない。脂質量が多くなると造影剤の粘度が大きくなる。リポソーム内へのヨウド系化合物の封入量については、リポソーム内に封入された水溶液中にヨウド系化合物が、リポソーム膜脂質重量に対して、1〜10、好ましくは3〜8、より好ましくは5〜8の重量比で含有されていることが望まし
い。
リポソーム内の水相へカプセル化されたヨウド系化合物の重量比が1未満であると、比較的多量の脂質を注入することが必要となり、結果的に造影物質の送達効率が悪くなる。
特許2619037号公報の記載によると、当該比が1でも当時の技術水準からは高い値とされていた。X線造影剤の粘度は、リポソームの脂質量にも左右されるため、保持容積および内包効率に優れる一枚膜リポソームの優位性は明らかである。反対に、リポソーム膜脂質重量に対するヨウド系化合物の封入重量比が10を超えると、リポソームが構造的にも不安定となり、リポソーム膜外へのヨウド系化合物の拡散、漏出は貯蔵中または生体内に注入された後でも避けられない。またリポソーム懸濁薬剤が製造され、単離した直後は100%の封入が達成されても、浸透圧効果による不安定化に基づいて、早くも短時間に
封入成分が減少していくことが記載されている(特表平9−505821号公報)。
本発明の方法により製造されるX線検査用造影剤は、ヨウド含有量として、通常、想定される10〜300mlの製剤溶液の投与量では、100〜500mgI/mlであり、好ましくは、150〜300mgI/mlである。また本発明の製剤溶液の粘度は、37℃で、6cPa以下、好ましくは0.9〜3cPaである。さらに本発明造影剤は、投与後にリポソームが体内に安定に維持されるように、体内の浸透圧に対し、等張の溶液または懸濁液の形でリポソーム中に封入される。そうした溶液もしくは懸濁液の媒質として、水、緩衝液などを使用することができる
上記溶液もしくは懸濁液の好ましいpH範囲は、室温で6.5〜8.5、さらに好ましくは6.8〜7.8である。X線造影剤が多ヒドロキシル基を有する水溶性ヨウド系化合物である場合、好ましい緩衝液は、米国特許第4278654号に記載されているような負の温度係数を有す
る緩衝液である。アミン系緩衝液はこのような要求を満たす性質を有しており、特に好ましくはトリス(TRIS)である。このタイプの緩衝液は、オートクレーブ温度で低いpHを有し、このことがオートクレーブ中のX線造影剤の安定性を増し、他方、室温では生理的に許容されるpHに戻る。この場合、ろ過滅菌のようにリポソーム粒径の微小化という制約も受けない。したがって、注射用無菌造影剤を製造するために、リポソーム調製物をオートクレーブ滅菌できることは極めて便利であり、貯蔵安定性なども確保できる。しかしオートクレーブ滅菌を適用できないリポソームには、ろ過滅菌を行なうのがよい。
等張の溶液または懸濁液を得るには、等張液を提供する濃度で、造影剤を媒質中に溶解もしくは懸濁させる。たとえば造影剤化合物の溶解性が低いために造影剤が単独では等張液を提供できない場合、等張の溶液もしくは懸濁液が形成されるように他の非毒性の水溶性物質、たとえば塩化ナトリウムのごとき塩類、マンニトール、グルコース、ショ糖、ソルビトールなどの糖類を水性媒体中に添加してもよい。
以上の製造方法により製造されるX線検査用造影剤は
リポソーム内に封入された水溶液とリポソームが分散されている水性媒体との両方にヨウド系化合物、水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤を含有しており、これらの物質の濃度がそれぞれリポソーム内外で実質的に同一であることを特徴としている。
特に腫瘍描出性およびリポソームの造影物質の保持効率が改善された、より好ましい造影剤の実施態様の一例は、上記特徴を有し、さらに脂質膜にポリアルキレンオキシド鎖および/またはステロールを有し、中心粒径が50〜200nmである一枚膜リポソームを含み、該
リポソームがヨウド系化合物を脂質膜重量に対して3〜8の重量比で含有しており、かつ、リポソーム内に封入されたヨウド化合物が全ヨウド化合物の5〜25重量%であるX線検査
用造影剤である。
本発明の方法により製造されるX線検査用造影剤は、リポソームの構造安定化とヨウド化合物の保持安定性を図るとともに、造影化合物の血中滞留性を高めている。これにより造影物質の効率的送達ならびに良好なターゲティングを達成することができる。結果として本造影剤は優れた腫瘍描出性を実現し、X線造影による診断的検査の精度を高めることが可能となった。
本発明の方法により製造されるX線検査用造影剤は、注射剤または点滴注入剤として、非経口的に、具体的には血管内投与、好ましくは静脈内投与により被験者に投与されX線照射により撮像される。その用量は、従来のヨウド系造影剤に準じる。リポソーム内のヨウド総量、またはそれとリポソーム外のヨウド総量の和が、従来の投与量と同程度になるようにしてもよい。
本発明の方法により製造されるX線検査用造影剤は、リポソームの膜内部の水相とそのリポソームが分散されている水性媒体との両方に、少なくともヨウド化合物および製剤助剤を含有しており、該膜内外ではそれぞれの濃度が実質的に同一となっている。このことは、同一ヨウド化合物が、同一X線検査用造影剤中で、異なる存在形態で共存していることを意味する。このような造影物質の態様は、診断的検査において次のような有利な場合があることを指摘できる。すなわち、本発明の方法により製造されるX線検査用造影剤を用いることにより、カプセル化されていない遊離の造影物質とリポソーム内にカプセル化された造影物質との体内拡散時間の違いが、経時的に分布挙動の異なった画像を与える。
これに基づいた組織状態についての詳細な分析が可能となり、診断上の有益な情報を提供することがある。実際の診断的検査においては、本発明の方法により製造されるX線検査用造影剤を、コンピュータ断層撮影装置と組み合わせたX線撮影装置に使用することにより、その造影剤性能をさらに有効に発揮することも期待される。
本発明によるX線検査用造影剤の製造方法は、リン脂質などを超臨界二酸化炭素に溶解してリポソームを作製する方法を採用するため、有毒な溶媒、特に毒性の高いクロル系溶媒を使用する必要がない。
本発明方法によるX線造影剤は、中心粒径を揃えた一枚膜リポソームを含み、リポソームの膜内部の水相とそのリポソームが分散されている水性媒体との両方に、少なくともヨウド化合物および製剤助剤を含有し、該膜内外でそれぞれの濃度が実質的に同一である。これによりリポソーム構造の安定化および封入物質の保持安定性を改善させている。
本発明造影剤の造影物質は血中滞留性が良好であり、EPR効果が発揮され、その結果、目的とする疾患部位または組織、とりわけ癌組織に選択的に集中し蓄積する。造影後は、該ヨウド化合物が水溶性であるため、いずれ体外へ排泄される。
以上より、本発明によるX線造影剤は、従来のX線造影剤に比べて使用量が少量で済み、毒性、副作用がはるかに軽減されている。したがって、その投与を受ける患者の負担は少ない。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。本発明は、かかる実施例によりなんら限定されるものではない。
〔試験〕
リポソームの形態および粒径
調製した造影剤中のリポソームの粒径および構造を凍結破砕法により透過型電子顕微鏡(TEM)で調べた。すなわち、リポソーム分散液を液体窒素にて急速に凍結し、凍結状態で破砕してリポソームの内部構造を露出させる。破砕面をカーボン蒸着し、形成されたカーボン膜を透過型電子顕微鏡で観察した。
粒径は、観察された造影剤粒子約20個の径の単純平均とした。リポソーム粒子の構造は、観察したカーボン膜に残された粒子の跡について段差がないものを「一枚膜」と判定し、2つ以上の段差が認められるものを「多層膜」と判定した。約20個の粒子を観察し、一枚膜構造のものが8割以上であるものを実質的に一枚膜リポソームと判定した。
ヨウド化合物のヨウドの定量
リポソーム分散液を等張の食塩水で透析し、透析終了後にエタノールを添加してリポソームを破壊して、吸光度の測定によりリポソーム内のヨウド化合物量を求めた。
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)0.04gと、アデカ社製「プルロニック」
(F-88)1.2mg、エタノール0.9gの混合物をステンレス製オートクレーブに仕込み、オー
トクレーブ内を60℃に加熱し、次いで液体二酸化炭素13gを加えた。オートクレーブ内の
圧力を50kg/cm2から200kg/cm2にまで加圧し、オートクレーブ内を撹拌して、超臨界二酸
化炭素中にDPPCを溶解させた。この超臨界二酸化炭素溶液を撹拌しながら、イオヘキソー
ル溶液647mg/mL(ヨウド含有率300mg/mL)、トロメタモールを1.21mg/mL、エデト酸カル
シウム2ナトリウム0.1mg/mLを含有し、適量の塩酸および水酸化ナトリウムでpHを7前後に調整した溶液5gを定量ポンプで連続的に注入した。その後、系内を減圧して二酸化
炭素を排出し、イオヘキソールを含有するリポソームの分散液を得た。同じ作業を数回繰り返して得られた分散液を60℃まで加熱し、アドバンテック社製のセルロース系フィルター、0.1μmで加圧濾過して得られた造影剤を試料1とした。
さらに圧力を高圧側に調整すること、減圧速度を調整すること、使用リン脂質量を変更した以外は、上記と同様にして、アドバンテック社製のセルロース系フィルター、0.1μm、0.2μm 、0.4μmを用いて加圧濾過することにより、3種のリポソームの分散液を得た
。これらをそれぞれ試料2、3、4とした。
試料1〜4中のリポソームは、凍結破砕法によるTEM観察で、90%以上が一枚膜リポソームであった。粒径などの結果を表1に示す。
また、上記フィルターを通さないこと以外は、試料1の場合と同様にして作製した試料を
試料5とした。結果を表1に示す。また、同様のTEM観察で、90%以上が一枚膜リポソオームであった。平均粒径は、試料1とほとんど変化がなかったが、極僅かに500〜600nmの粒子が含まれていた。
さらにエタノールを使用しないことと、圧力を300kg/cm2とした以外は、試料1の場合
と同様にして作製した試料を試料6とした。同様のTEM観察で、85%の粒子が一枚膜リポソームであり、実質的に一枚膜リポソームであった。
リポソーム形成時に、トロメタモール、エデト酸カルシウム2ナトリウムを加えず、リポソーム分散液を得た後にこれらの化合物を所定量、分散物に加えた以外は、実施例1と同
様にして作製した試料を、試料7とした。同様のTEM観察で、90%以上が一枚膜リポソームであった。
試料1および試料7を45℃で5日間保温し、その後の粒径変化を観察したところ、試料1では変化がなかったが、試料7では、粗大粒子が観察された。
〔比較例〕
従来のリポソーム作製方法において、リン脂質などを超臨界二酸化炭素の代わりに有機溶媒に溶解し、使用リン脂質量を変更することによりリポソームを含む分散液を作製した。これにより2種のX線造影剤(試料8および9)を調製した。粒径などの結果を表1に示す。
家兎の皮下にVX2カルシノーマの細胞浮遊液を移植した。移植2週間後に、実施例1で得た造影剤試料1を静脈注射し、注射後にX線画像で観察した。また時間経過とともに造影レベルは減少するが、移植部分については造影レベルの減少は遅かった。
同様に実施例1で作製した造影剤試料2〜7および比較例で作製した造影剤試料8、9ならびに、特許第2619037号明細書の実施例2の試料2Bを再現して作製した試料(試料10)についても同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2005162640
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)と二酸化炭素とをステンレス製オートクレーブにエタノールとともに仕込み、オートクレーブ内を60℃、300kg/cm2にして撹拌し
、超臨界二酸化炭素中にDPPCを溶解させた。この超臨界二酸化炭素溶液を撹拌しながら、イオメプロール溶液(イオメプロール816.5mgを注射用水にて加温溶解し、これに20mMと
なるようにアスコルビン酸を加えて溶解し、さらにトロメタモールを1mg加えて溶解した
。希塩酸にてpHを生理的pHに調整した。最後に注射用水を加えて1.0mlに仕上げた溶
液)を定量ポンプで連続的に注入した。その後系内を減圧して二酸化炭素を排出し、イオメプロールを含有するリポソームの分散液を得た。
さらに得られた分散液をガラスバイアル中に入れ、121 ℃、20分間オートクレーブ滅菌し造影剤とした。
得られた造影剤中のリポソームの粒径を凍結破砕TEM法により測定し、粒子径分布で最も出現頻度の高い粒径を中心粒径とした。造影剤中のリポソームの粒径は130nmであっ
た。また同法による形態観察によると、出来上がったリポソームの90%以上が、一枚膜のリポソームであった。

Claims (7)

  1. ヨウド系化合物、水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤を含有する水溶液と溶媒に溶解したリン脂質とを混合することにより形成したリポソームの懸濁液を、さらに0.1〜0.4μの孔径を有する濾過膜を透過させることを特徴とするX線検査用造影剤の製造方法。
  2. 前記リン脂質の溶媒が超臨界二酸化炭素であることを特徴とする請求項1に記載のX線
    検査用造影剤の製造方法。
  3. 60〜120℃、100〜400気圧の条件下の超臨界二酸化炭素にリン脂質を溶解し、次いで同
    条件でヨウド系化合物、水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤を含有する水溶液を加えて、その後、系内を減圧することにより二酸化炭素を排出してリポソームの懸濁液を得ることを特徴とするX線検査用造影剤の製造方法。
  4. リン脂質の溶解助剤として、低級アルコールを使用することを特徴とする請求項2または3に記載のX線検査用造影剤の製造方法。
  5. 二酸化炭素を排出して得るリポソームの懸濁液をさらに0.1〜0.4μの孔径を有する濾過膜を透過させることを特徴とする請求項3に記載のX線検査用造影剤の製造方法。
  6. 前記リポソームの懸濁液は、リポソーム内に封入された水溶液と該リポソームが分散されている水性媒体との両方にヨウド系化合物、水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤を含有しており、これらの物質の濃度がそれぞれリポソーム内外で実質的に同一であることを特徴とする請求項5に記載のX線検査用造影剤の製造方法。
  7. 請求項1または3の方法で作製され、かつリポソーム内に封入された水溶液とリポソームが分散されている水性媒体との両方にヨウド系化合物、水溶性アミン系緩衝剤およびキレート化剤を含有しており、これらの物質の濃度がそれぞれリポソーム内外で実質的に同一であることを特徴とするX線検査用造影剤。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013125232A1 (ja) * 2012-02-23 2013-08-29 キヤノン株式会社 光音響造影剤用色素含有ナノ粒子

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