JP2005162593A - 加熱処理する事によって「角（かど）」無くしたシリカ - Google Patents

Abstract

【課題】シリカの中で充填材として最もすぐれた性能をもつ「球状シリカ」は、高価であるため、多くを使用できない。
そこで、加熱処理の条件を変えて、流動性、信頼性等の重要項目を確保しつつ、安価で、しかも、バリ止めにも有利なシリカを提供する。
【解決手段】原料シリカの粉末を加熱する時、まずするどく尖った「角（かど）」の先端部が丸くなり、次に真球になり、最後に中心まで熔融（ガラス化）する。
現在は最後の熔融迄、完全に加熱して、球状シリカを作っているが、これを「角（かど）」がとれるだけの第一段階で加熱をとめる。

Description

本発明は球状シリカを製造する装置を用い、特殊な加熱処理を加えたものである。すなわち、製品シリカを真球にするのではなく、するどい「角（かど）」を加熱熔融するだけにとどめる処理をしたものである。

シリカは所定粒度に粉砕する工程で、無数のとがった「角（かど）」が発生する。この「角（かど）」が、配合物の流動性をはじめとする重要性能の低下の原因となっている。そこで、従来球状シリカの工程は、形状を真球にする事を第一の目標として来た。だから充分に加熱処理されるため、製造コストが高くなる点や、それを充填材に用いた材料の成型時に、バリが多く流出する点など、他の性能に障害が発生していた。

シリカ粉末を充填材として使用する各分野に於いては、球状シリカは、応力の均一分散、高度な流動性、チップダメージが少ない、等、重要性能が向上出来る、優れた材料とされている。しかしコストが高い点、成型時バリが多い点から、使用量に限界があった。

球状シリカ製造設備の運転において、原料粉末の粒径、酸素ガスとの混合率を変えて、又吹込圧力を加減して、加熱処理時間を短縮する事により、目標とする形状のシリカを得る。

「角（かど）」の先端部を丸くするだけの、軽い加熱処理なら、流動性を向上させ、且つ、成型時のバリ流出を抑える事が出来る。

本発明は、熔融破砕型シリカを原料とすれば、コストの面からやむを得ず球状シリカと熔融破砕型シリカを混合使用している処方において、全て「角（かど）」のないシリカに置きかえる事が可能になる。

本発明は、結晶シリカを原料とすれば、結晶シリカの優れた特性をもったまま、流動性を向上させ、特殊レジンとの組み合わせ使用をする必要がなくなる。

粉砕、加熱処理が、より容易に出来るシリカ（印度、スリランカ産以外）を、原料とすれば、処理コストが更に軽減出来る。

Claims (3)

1. 原石を粉砕する際に生じた、「角（かど）」を、加熱処理で丸くしたシリカ。
   球状シリカの様に、形が真球になる迄充分に、加熱するのではなく、「角（かど）」が丸くなる程度に軽く加熱処理したもので、流動性、信頼性等、重要性能は確保できて、しかも、処理コストが安い事を特徴とするシリカ。
2. 結晶破砕型シリカで、その「角（かど）」を取り、結晶シリカの特性を保持したまま、流動性を向上、高充填配合にも適用できる「結晶角（かど）なしシリカ」
3. 熔融破砕型シリカで、その「角（かど）」を取ることによって、球状シリカと混合使用する必要がなく、全量置きかえが可能となる「熔融角（かど）なしシリカ」