JP2006256874A - シリカスラリー、その製造方法及び用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】可視光波長における光透過性が高く、イオン性不純物の少ないシリカスラリー、その製造方法、及びこれを用いた硬化体、例えば封止材を提供する。
【解決手段】シリカ粉末と有機媒体とを含み、可視光波長における光透過率が80%以上で、ナトリウムイオン、鉄イオン、塩素イオンの合計が20μg/g以下であるシリカスラリー。シリカ粉末と有機媒体とを、50〜350MPaの加圧下で混合した後、200nm以上の粒子を除去することを特徴とするシリカスラリーの製造方法。シリカスラリー中のシリカ粉末を樹脂及び/又はゴムに含有させてなる組成物及びその硬化体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、シリカスラリー、その製造方法及び用途に関する。
従来、シリカ粉末と有機媒体を含むシリカスラリーは、例えば半導体素子の封止材(以下、単に「封止材」ともいう。)、特に受光素子、発光素子等の光半導体素子の封止材を製造するのに用いられている。近年、その要求特性はますます向上しており、耐熱性、耐湿性の他に、一段と高い光透過性が求められている。これを解決するため、微細なシリカ粉末を封止材中に均一に分散させることがよく、その一例として、シリカ粉末と有機媒体を含むシリカスラリーを調整し、それと樹脂を混合した後、有機媒体を除去する方法が提案されている。シリカ粉末としては、四塩化珪素を燃焼させて得られたヒュームドシリカ、珪酸ソーダを原料とするコロイダルシリカ、珪素のアルコキシドを原料とするゾル-ゲル法シリカ、更には珪石粉末やシリコン粉末を火炎処理して得られた火炎法球状シリカなどが知られている。
これらのシリカには一長一短がある。ヒュームドシリカ及びゾル-ゲル法シリカは、高純度であるが、火炎法球状シリカよりも凝集力が強いので樹脂中に高分散させることが困難であり、平均粒子径が100nm未満のシリカスラリーを得た報告はこれまでにない。平均粒子径が100nm以上であると、可視光波長における光透過性が低下する。コロイダルシリカは、凝集力が小さいが、樹脂硬化に影響を及ぼすナトリウムイオン等のイオン性不純物を多く含んでいるので、封止材には不適である。これに対し、火炎法球状シリカは、これらのシリカの中間的性質を示し、しかも生産性も高いので、封止材用のシリカ粉末として注目されている。
火炎法球状シリカの課題は、コロイダルシリカのように凝集力が小さくないことである。これを解決するには、アミノ基含有シランカップリング剤で表面処理されたシリカをスラリー化して用いることが考えられるが(特許文献1)、スラリー化するには強力なせん断力を有する分散機を用いる必要があるので不純物の混入が不可避であることに加えて、シランカップリング剤のアミノ基の一部あるいは全部がカチオン化してしまい、シリカ粒子表面のシラノール基と凝集体を形成するので、光透過性の著しい向上はなかった。
特開2004−75459公報
以上のように、可視光波長における光透過性が高く、イオン性不純物の少ないシリカスラリーはこれまでになかった。本発明の目的は、可視光波長における光透過性が高く、イオン性不純物の少ないシリカスラリー、その製造方法、及びこれを用いた硬化体、例えば封止材を提供することである。
本発明は、シリカ粉末と有機媒体とを含み、可視光波長における光透過率が80%以上で、ナトリウムイオン、鉄イオン、塩素イオンの合計が20μg/g以下であるシリカスラリーである。また、本発明は、シリカ粉末と有機媒体とを、50〜350MPaの加圧下で混合した後、200nm以上の粒子を除去することを特徴とするシリカスラリーの製造方法である。
本発明のシリカスラリー及びシリカスラリーの製造方法においては、以下の実施態様から選ばれた1又は2以上を有していることが好ましい。すなわち、シリカスラリー中のシリカ粉末の含有率が10〜60質量%であること、シリカ粉末の平均粒子径が20〜40nm、最大一次粒子径が200nm以下であり、実質的にストラクチャー構造を形成していないこと、シリカ粉末がシリカ粉末100質量部に対して0.01〜1質量部のC〜C10の直鎖状有機官能基を有するシランカップリング剤で処理されていること、シランカップリング剤がオクチルトリエトキシシランであること、有機媒体がベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンから選ばれた少なくとも1種であること、25℃における粘度が1Pa・s以下であること、である。
また、本発明は、上記いずれかのシリカスラリー中のシリカ粉末を樹脂及び/又はゴムに含有させてなることを特徴とする組成物である。なかでも、上記いずれかのシリカスラリーと樹脂及び/又はゴムとを混合した後、有機媒体を除去して得られた組成物であることが好ましい。
また、本発明は、上記いずれかの組成物の硬化物からなることを特徴とする硬化体であり、特に硬化体が光半導体素子の封止材であることが好ましい。
本発明によれば、可視光波長における光透過性が高く、イオン性不純物の少ないシリカスラリーが提供される。また、本発明の製造方法によれば、本発明のシリカスラリーを容易に製造することができる。また、本発明によれば、可視光波長における光透過性が高く、イオン性不純物の少ない樹脂組成物及び/又はゴム組成物(以下、樹脂組成物及び/又はゴム組成物を単に「組成物」ともいう。)及びその組成物の硬化体が提供される。
本発明のシリカスラリーは、可視光波長における光透過率が80%以上である。好ましい光透過率は90%以上である。スラリーの光透過率が80%未満では、それを用いて製造された組成物又は硬化体の光透過率の向上が十分でなくなる。本発明において、光透過率は波長380nmにおける値である。
本発明のシリカスラリーは、ナトリウムイオン、鉄イオン、塩素イオンの合計が20μg/g以下である。これらのイオン性不純物の好ましい含有量は15μg/g以下である。これらのイオン性不純物の合計が20μg/gを超えると、組成物の硬化を阻害させ、また封止材の信頼性、耐湿性に悪影響を与える恐れがある。イオン性不純物は原子吸光法で測定される。
本発明のシリカスラリーにおいては、組成物への均一混合性及び有機媒体の除去の容易性の点から、シリカ粉末の含有率が10〜60質量%であることが好ましい。また、25℃におけるスラリー粘度は1Pa・s以下が好ましく、特に0.6Pa・s以下であることが好ましい。この場合におけるシリカ含有率は20〜40質量%であることが好ましい。シリカスラリーの25℃における粘度が1Pa・sを超えると、組成物を製造する際、混練後に脱気しても気泡が十分に除去されず、光透過性が一段と向上しない恐れがある。
本発明に用いられるシリカ粉末には特に制限はない。しかし、平均粒子径が20〜40nm、最大一次粒子径が200nm以下、実質的にストラクチャー構造を形成していないシリカ粉末を用いると、本発明のシリカスラリーの上記特性を有させ易い。このようなシリカ粉末は、例えばシリコン粒子又はシリコン粒子のスラリーを、火炎で形成された高温場に供給し、酸化反応させながら球状化する方法(例えば特許第1568168号明細書)によって製造することができる。
シリカ粉末の粒子径は動的光散乱法により測定できる。測定機を例示すれば、日機装社製「マイクロトラックUPA150」がある。
また、本発明において、「実質的にストラクチャー構造を形成していない」とは、以下に従って画像解析された粒子の平均球形度が0.90以上であると定義される。すなわち、アセトン媒体に極微量の試料を超音波分散させてからメンブレンフィルターで吸引濾過して粉末を分散状態にして乾燥させる。ついで、このままの状態でTEM観察(透過型電子顕微鏡:倍率10万倍〜100万倍)をし、任意に選ばれた100個の粒子を画像解析装置(例えば日本アビオニクス社製「SPICCA−II」)に取り込み、各粒子の球形度を求め、その平均値を算出する。
シリカ粉末の凝集を少しでも多く解き、一段と高い光透過率を有するシリカスラリーを得るために、シリカ粉末はC〜C10の直鎖状有機官能基を有するシランカップリング剤で処理されていることが好ましい。そのシランカップリング剤を例示すれば、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシランなどであるが、中でもオクチルトリエトキシシランが最適である。処理量は、シリカ粉末100質量部に対して0.01〜1質量部であることが好ましい。
本発明で用いられる有機媒体は、揮発性のある有機媒体であれば特に制限はない。これを例示すると、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンから選ばれた少なくとも1種であることが、中でもメチルエチルケトンが好ましい。
本発明のシリカスラリーは、高圧ホモジナイザーと呼ばれている市販の装置を用いて製造することができる。それを例示すると、スギノマシン社製「アルティマイザー」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」、マイクロフルイディクス社製「マイクロフルイダイザー」、ミラクル社製「ナノメーカー」などである。高圧ホモジナイザーは、例えばメディア媒体型分散装置に比べて、シリカ粉末の分散能力高いこと、不純物の混入が極めて少ないこと、大量処理が可能であること、などの利点がある。
高圧ホモジナイザーは、スラリーを加圧する高圧発生部と絞り機構とからなっている。高圧発生部は、プランジャーポンプと呼ばれている高圧ポンプで構成されており、一連式、二連式、三連式など各種の形式があるがいずれであってもよい。また、その動力としては、空圧、電動、油圧などがあるが、シリカスラリーを50〜350MPaに加圧できるものであれば特に制約はない。スラリー中のシリカ粉末の分散性は、処理圧力と処理回数に比例して向上するが、処理圧力が50〜350MPaであれば本発明のシリカスラリーを容易に製造することができる。処理回数は、通常、1回から数10回の範囲で選択される。
高圧ホモジナイザーで処理されたシリカスラリーに対し、次いで200nm以上の粗大粒子の除去を行うことが好ましい。その具体的手段の例としては、遠心分離法、精密濾過、限外濾過による清澄濾過法などが挙げられる。
つぎに、本発明の組成物について説明する。
本発明の組成物は、上記シリカスラリーのシリカ粉末分を樹脂及びゴムから選ばれた少なくとも一方に含有させてなるものである。その一例は、本発明のシリカスラリーと樹脂及び/又はゴムとの混合物から有機媒体を揮発除去させたものである。組成物中のシリカ粉末の含有率は10〜99質量%であることが好ましい。
本発明で使用される樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、マレイミド変成樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリルーアクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン)樹脂等をあげることができる。また、ゴムとしては、例えばシリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体等をあげることができる。これらの樹脂又はゴムは一種以上が使用される。
これらの中でも、本発明に特に好適なものは、上記有機媒体との相溶性の高いものであり、特にエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、ウレタンゴム、アクリルゴム等が好ましい。
これらの中でも、封止材としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂が好ましい。その具体例をあげれば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールSなどのグリシジルエーテル、フタル酸やダイマー酸などの多塩基酸とエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルエステル酸エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、アルキル変性多官能エポキシ樹脂、β−ナフトールノボラック型エオキシ樹脂、1,6−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、2,7−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、更には難燃性を付与するために臭素などのハロゲンを導入したエポキシ樹脂等である。中でも、耐湿性や耐ハンダリフロー性の点からは、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格のエポキシ樹脂等が好適である。
エポキシ樹脂の硬化剤については、エポキシ樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定されず、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、クロロフェノール、t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、イソプロピルフェノール、オクチルフェノール等の群から選ばれた1種又は2種以上の混合物をホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又はパラキシレンとともに酸化触媒下で反応させて得られるノボラック型樹脂、ポリパラヒドロキシスチレン樹脂、ビスフェノールAやビスフェノールS等のビスフェノール化合物、ピロガロールやフロログルシノール等の3官能フェノール類、無水マレイン酸、無水フタル酸や無水ピロメリット酸等の酸無水物、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン等をあげることができる。
本発明の組成物には、以下の成分を必要に応じて含有させることができる。すなわち、低応力化剤として、シリコーンゴム、ポリサルファイドゴム、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、スチレン系ブロックコポリマーや飽和型エラストマー等のゴム状物質、各種熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂状物質、更にはエポキシ樹脂、フェノール樹脂の一部又は全部をアミノシリコーン、エポキシシリコーン、アルコキシシリコーンなどで変性した樹脂など、シランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン等の疎水性シラン化合物やメルカプトシランなど、表面処理剤として、Zrキレート、チタネートカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤など、難燃助剤として、Sb、Sb、Sbなど、難燃剤として、ハロゲン化エポキシ樹脂やリン化合物などである。更には、ワックス等の離型剤を添加することができる。その具体例をあげれば、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸塩の金属塩、酸アミド類、エステル類、パラフィンなどである。
とくに、高い耐湿信頼性や高温放置安定性が要求される場合には、各種イオントラップ剤の添加が有効である。イオントラップ剤の具体例としては、協和化学社製「DHF−4A」、「KW−2000」、「KW−2100」や東亜合成化学工業社製「IXE−600」などである。
本発明の組成物には、エポキシ樹脂と硬化剤との反応を促進させるために硬化促進剤を配合することができる。その硬化促進剤としては、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリフェニルホスフィン、ベンジルジメチルアミン、2−メチルイミダゾール等がある。
本発明の組成物は、上記各材料の所定量とシリカスラリーをブレンダーやヘンシェルミキサー等により混合した後、有機媒体を除去し、ロール、ニーダー、一軸又は二軸押出機等により混練したものを冷却することによって製造することができる。
本発明の硬化体は、本発明の組成物を硬化させたものである。組成物の硬化方法は、常法でよく、例えば熱硬化法、紫外線硬化法、電子線効果法である。本発明の硬化体を封止材とするには、本発明の組成物を、例えばトランスファーモールド、マルチプランジャー等の常法手段により硬化させればよい。
シリカ粉末(P1〜P6)の製造
内炎と外炎を形成する二重管構造のLPG−酸素混合型バーナーの複数個と、これらのバーナーで囲まれた中心部には金属シリコン粉末の水スラリーを噴射する二流体ノズルとを炉頂に設置し、炉の下部を捕集装置に直結して炉を準備した。火炎の形成は、バーナーの二重管のそれぞれの噴射口の細孔から、外炎形成用と内炎形成用のLPG−酸素の混合ガスを噴射することによって行われ、LPGと酸素ガスの供給量によって火炎状態が調整される。金属シリコン粉末の水スラリーは二流体ノズルの中心部から噴射され、その周囲からは酸素が噴射される。火炎を通過した熱処理物(シリカ粉末)は、ブロワーで捕集装置(バグフィルター)に送られて捕集される。
金属シリコン粉末(平均粒径9.6μm)含有率が30質量%である水系スラリーを用意し、二流体ノズルの中心部から火炎中(温度約1950℃)に12.0kg/時間の速度で噴射し、得られたシリカ粉末をバグフィルターで捕集した。このシリカ粉末(P1)のイオン性不純物、平均粒子径、最大粒子径、平均球形度を測定した。その結果を表1に示す。水系スラリーの金属シリコン粉末の含有率と噴射速度を変えたこと以外は同様にしてシリカ粉末(P2〜P6)を製造した。
Figure 2006256874
シリカ粉末(P7〜P12)の製造
シリカ粉末P1〜P6のそれぞれの製造において、シリカ粉末を炉の下部からバグフィルターに搬送される間にあって温度が100〜130℃の部分から、シリカ粉末100質量部あたり0.3質量部のシランカップリング剤を噴霧して、シリカ粉末P1〜P6に対応するシリカ粉末P7〜P12を製造した。シランカップリング剤は、P7〜P9及びP12ではオクチルトリエトキシシラン(日本ユニカー製「A137」)、P10ではヘキシルトリエトキシシラン(信越化学工業製「KBE3063」)、P11ではヘキシルトリメトキシシラン(信越化学工業製「KBM3063」)を用いた。
実施例1〜10
シリカ粉末P1〜P12のいずれか一種を30質量部と有機媒体(メチルエチルケトン)70質量部とを混合し、高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製「アルティマイザー」)を用い、圧力150MPaにて3回処理した後、遠心分離機により10000G以上の遠心力を付与し200nm以上の粒子を除去してシリカスラリーを製造した。
比較例1、2
シリカ粉末P1の変わりに、シリカ粉末P6(比較例1)又はシリカ粉末P12(比較例2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリカスラリーを製造した。
比較例3
高圧ホモジナイザーによる処理と、遠心分離による処理を行わなかったこと以外は、実施例9と同様にしてシリカスラリーを製造した。
比較例4
遠心分離による処理を行わなかったこと以外は、実施例9と同様にしてシリカスラリーを製造した。
得られたシリカスラリーについて、25℃における粘度及び光透過率を以下に従って測定した。また、シリカスラリーを構成しているシリカ粉末の平均粒子径と最大一次粒子径、平均球形度を上記に従って測定した。それらの結果を表2、表3に示す。
(1)シリカスラリー粘度
B型粘度計(東京計器社製「BH」)を用い、20rpmにおける粘度を測定した。
(2)光透過率
光路長10mmのセルにシリカスラリーを入れ、紫外可視分光光度計(日本分光社製「V−530」)を用い、波長380nmにおける光透過率を測定した。
Figure 2006256874
Figure 2006256874
実施例11〜16
有機媒体の種類と配合量(シリカ粉末の含有率)を表3に示すように種々変えたこと、高圧ホモジナイザーの処理圧力を400MPaに変えたこと以外は、実施例6と同様にしてシリカスラリーを製造した。その結果を表4に示す。
Figure 2006256874
表からわかるように、本発明の実施例によれば、可視光波長における光透過性が高く、イオン性不純物の少ないシリカスラリーが製造された。
実施例17
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製「エピコート828」)100質量部に対し、テトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化製「リカシッドTH」)30質量部、フェノール樹脂(群栄化学製「PSM6200」)30質量部、実施例1で得られたシリカスラリー80質量部を投入し、万能混合撹拌機(ダルトン製「5DMV−01」)を用いて混合し、撹拌機内の真空度0.1MPa、温度100℃の状態でメチルエチルケトンを除去し組成物を製造した。この組成物を冷却プレス後粉砕し、トランスファー成形により硬化体を製造した。得られた硬化体の光透過性を、紫外可視分光光度計(日本分光社製「V−530」)により評価した。その結果、波長380nmにおける硬化体(厚み1mm)の光透過率は91%となり、高い光透過性を示した。
実施例18
樹脂の変わりにシリコーンゴムを用いたこと以外は、実施例17と同様にして硬化体を製造した。この硬化体の光透過率は89%であった。
実施例17及び18の結果から、本発明の硬化体は光半導体素子の封止材として好適であることが分かる。
本発明のシリカスラリー、組成物及び硬化体は、通常の封止材はもとより、受光素子、発光素子等の光半導体素子用の透明封止材として利用できる。

Claims (12)

  1. シリカ粉末と有機媒体とを含み、可視光波長における光透過率が80%以上、ナトリウムイオン、鉄イオン、塩素イオンの合計が20μg/g以下であることを特徴とするシリカスラリー。
  2. シリカ粉末の含有率が10〜60質量%であることを特徴とする請求項1に記載のシリカスラリー。
  3. シリカ粉末の平均粒子径が20〜40nm、最大一次粒子径が200nm以下であり、実質的にストラクチャー構造を形成していないことを特徴とする請求項1又は2に記載のシリカスラリー。
  4. シリカ粉末が、シリカ粉末100質量部に対して0.01〜1質量部のC〜C10の直鎖状有機官能基を有するシランカップリング剤で処理されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリカスラリー。
  5. シランカップリング剤がオクチルトリエトキシシランであることを特徴とする請求項4に記載のシリカスラリー。
  6. 有機媒体が、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシリカスラリー。
  7. 25℃における粘度が1Pa・s以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシリカスラリー。
  8. シリカ粉末と有機媒体とを、50〜350MPaの加圧下で混合した後、200nm以上の粒子を除去することを特徴とするシリカスラリーの製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載のシリカ粉末を樹脂及び/又はゴムに含有させてなることを特徴とする組成物。
  10. シリカスラリーと樹脂及び/又はゴムとを混合した後、有機媒体を除去されたものであることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
  11. 請求項9又は10に記載の組成物の硬化物からなることを特徴とする硬化体。
  12. 光半導体素子の封止材であることを特徴とする請求項11に記載の硬化体。
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