JP2005162472A - テープの巻き取り方法、装置及びパンケーキ - Google Patents

テープの巻き取り方法、装置及びパンケーキ Download PDF

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Abstract

【課題】高速で磁気テープの巻き取りができ、巻き姿を良好とできる磁気テープの巻き取り方法及び装置を提供する。
【解決手段】巻取ハブ2の軸心を水平になるように配置し、巻取ハブと軸心が略平行になるように第一のローラ50を巻取ハブのテープ走行方向上流側に設け、テープが巻取ハブに巻き取られてなるテープロール1’と接するとともに、巻取ハブと軸心が略平行になるように第二のローラ52を設け、テープロールの最外周にあるテープを押圧するとともに、巻取ハブと軸心が略平行になるように第三のローラ54を設け、第三のローラの下流側において、テープロールと接するとともに、巻取ハブと軸心が略平行になるように第四のローラ56を設け、磁気テープのテープロールへの巻き取りを規制する。そして、第四のローラを、軸部と、軸部の両側に配されるフランジ部とより構成し、フランジ部の内側面にテーパ部を形成するとともに、テープの軸部表面への接触を防止しながらテープを支持するように、第四のローラのテープロールに対する距離を制御する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、テープの巻き取り方法、装置及びパンケーキに係り、特に、高速で磁気テープの巻き取りができ、巻き姿を良好にできるテープの巻き取り方法、装置及びパンケーキに関する。
カセットテープやビデオテープを始めとして、コンピュータのデータバックアップ用にも使用されている各種のいわゆるパンケーキ(巻取ハブに磁気テープを巻回したテープ巻取体)は、ロール状に巻回された幅広な帯状の磁気テープ原反を、送り出し側から引き出して搬送させながら裁断部で複数の幅狭な磁気テープに裁断して、巻き取り側のフランジレス型のハブに巻き取ることにより製造される。
このようなパンケーキは、生産性の点より、巻き取った磁気テープ長さが可能な限り長いものが望まれ、同様の点で、巻き取り速度が可能な限り速い巻き取り方法が望まれている。
このような課題に対応すべく、パンケーキを製造するための、磁気テープの巻き取り方法及び装置として、従来より高速巻き取りを可能とする各種の方式が知られている(特許文献1〜3参照)。
たとえば、特許文献1によれば、パンケーキの直前の位置規制ローラと、パンケーキと接触するエッジ規制ローラと押圧ローラとを組み合わせて磁気テープを巻き取る構成が提案されている。特許文献2によれば、3個以上の規制ローラにより、磁気テープの段落ちや巻き乱れを減少させる構成が提案されている。特許文献3によれば、パンケーキと接触する主タッチローラとその手前に設けたガイドローラとを備えるヘッド部により、高速巻き取りを可能とする構成が提案されている。
特開昭62−31645号公報 特開平5−159284号公報 特開平7−296556号公報
ところで、近年において、磁気テープの用途として、バックアップコンピュータの磁気記録媒体用が主流となっている。このようなバックアップコンピュータの用途の場合、磁気テープの表面にサーボ信号が記録される。この際、サーボ信号を書き込む前のパンケーキの巻き姿が重要になってくる。すなわち、巻き姿が悪ければ、サーボ信号が正確に記録されず、品質上問題となる。また、巻き姿が悪ければ、保管時や輸送時等において磁気テープのエッジ部に損傷を与えやすい。
特に、近年の磁気テープは、薄厚で平滑なテープが多く、従来の磁気テープと比べて巻き取りが難しくなっており、上記欠陥が問題となっている。図14は、磁気テープ1の巻き姿が悪い各例を示す概念図である。同図において、パンケーキ3の断面が示されている。パンケーキ3は巻取ハブ2に磁気テープ1を巻回することにより形成される。各図において、磁気テープ1は、ガイドローラ4、4にガイドされて巻回されている。
図14(a)及び(b)は、スタート時に磁気テープ1をガイドローラ4のフランジで規制できない巻き不良である。このうち、(a)は磁気テープ1を巻取ハブ2に巻き付ける際に、ガイドローラ4のフランジより磁気テープが飛び出した状態5であり、増速時の飛び出し欠陥とも称される。(b)は、磁気テープ1がガイドローラ4のフランジに入っていた状態より、フランジ外に飛び出した状態6である。
図14(c)は、「巻き乱れ」と称されている欠陥のうち「ザラ巻き」と称される欠陥であり、磁気テープ1の端面が揃っていない状態7である。そして、磁気テープ1の端面が揃っていない状態で巻き取られることにより、磁気テープ1の端面がガイドローラ4のフランジで擦られて傷となる「端面擦れ」と称される他の「巻き乱れ」をも生じる。
図14(d)は、「飛び出し」と称されている欠陥であり、磁気テープ1が巻取ハブ2にかなりの長さ巻き付けられた状態で、磁気テープ1がガイドローラ4のフランジに入っていた状態より、フランジ外に飛び出した状態8である。
このように、上記のような欠陥が問題となっているにもかかわらず、従来の技術によっては、現状ではこれらの欠陥を除去できない状態にある。前述した特許文献1〜3においても、巻取ハブ2とガイドローラ4との微妙な位置調整機能を備えていないので、上記のような欠陥には十分な対策とはなっていない。特に、以下に示すように、磁気テープ1の湾曲が大きい場合、磁気テープ1が幅方向にずれ、巻取ハブ2から外れてしまうトラブルも生じることがある。
磁気テープ1は、幅広の磁気テープ原反より複数本に裁断されることにより製造される。一般に、この磁気テープ原反には、磁性層が、磁気テープ原反の幅方向の中央部が厚く、幅方向の両端部が薄くなるように形成される。図15は、磁気テープ原反の厚さ分布等を示す概念図であり、同図(a)は、この磁気テープ原反20がハブ(巻芯)にロール状に巻回された状態で、幅方向に表面プロファイルを測定した結果を示すグラフである。このように、所定幅の磁気テープ原反では874μmもの中高量となっている。特に極端な部分は、原反ロール状態での幅方向の両端部であり、たとえば12.65mm幅での両側の厚さの差(傾厚量)が右端部の円内では52μmであり、左端部の円内では70μmである。
したがって、このような磁気テープ原反を、たとえば、12.65mm幅の磁気テープ1に裁断しても、幅方向の厚さ分布は残る。そして、上記の部分(幅方向の両端部)の磁気テープ原反20より採取した磁気テープ1は、左端部においては図15(b)に示されるように、右端部においては図15(c)に示されるように、湾曲した形状となる。この湾曲形状の度合いは、長さLに対する湾曲量Δとした値として示される。
図16は、湾曲を有する磁気テープ1を巻き取る状態を説明する概念図である。同図(a)は、図15(b)に示された湾曲を有する磁気テープ1の所定長さ分であり、左側縁の長さはL1であり、右側縁の長さはL2である。図16(b)は、この磁気テープ1に張力を加えて湾曲をを除去した状態であり、左右側縁の長さはいずれも略L2となっている。このとき、磁気テープ1の左右側縁には、図16(b)中の矢印長さに相当する内部応力が生じていると推定される。
図16(c)は、磁気テープ1を巻取ハブ2へ巻き取る状態を示している。この際、磁気テープ1の巻き取りは、図16(b)の状態で行われることとなるが、磁気テープ1の左右側縁の内部応力が異なることより、この内部応力を緩和するように、図16(c)に示される矢印の方向にずれようとする力を生じている。したがって、湾曲を有する磁気テープ1を巻取ハブ2に巻き取る際に、幅方向の飛び出しを生じやすい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、高速でテープの巻き取りができ、巻き姿を良好にできるテープの巻き取り方法、装置及びパンケーキを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、テープを巻取ハブに巻き取るテープの巻き取り方法において、前記巻取ハブの軸心を水平になるように配置し、前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように、前記巻取ハブのテープ走行方向上流側に設けられた第一のローラにより前記テープの前記巻取ハブへの進入方向を規制し、前記テープが前記巻取ハブに巻き取られてなるテープロールと接するとともに、前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように設けられた第二のローラにより前記テープの幅方向の位置を規制し、前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように設けられた第三のローラにより前記テープロールの最外周にある前記テープを押圧し、前記テープロールの最外周における前記第三のローラのテープ走行方向下流側において、該テープロールと接しながら前記テープの幅方向の位置を規制するとともに、前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように設けられるフランジ付きの第四のローラにより前記テープの幅方向の位置を規制し、テープ長さ1m当たりの湾曲量が6mm以下の前記テープを前記巻取ハブに巻き取ることを特徴とするテープの巻き取り方法、及びこれに使用される装置を提供する。
本発明によれば、第一〜第四のローラを設け、これらによりテープの位置等を規制するので、テープ長さ1m当たりの湾曲量が6mm以下のテープであれば、高速でテープの巻き取りができ、巻き姿を良好にできる。
また、本発明は、テープを巻取ハブに巻き取るテープの巻き取り方法において、前記巻取ハブの軸心を水平になるように配置し、前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように、前記巻取ハブのテープ走行方向上流側に設けられた第一のローラにより前記テープの前記巻取ハブへの進入方向を規制し、前記テープが前記巻取ハブに巻き取られてなるテープロールと接するとともに、前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように設けられた第二のローラにより前記テープの幅方向の位置を規制し、前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように設けられた第三のローラにより前記テープロールの最外周にある前記テープを押圧し、前記テープロールの最外周における前記第三のローラのテープ走行方向下流側において、該テープロールと接しながら前記テープの幅方向の位置を規制するとともに、前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように設けられるローラであって、該ローラが、軸部と、該軸部の両側に配されるフランジ部とより構成され、前記フランジ部の内側面に、該フランジ部の内側面同士の間隔が内径方向から外径方向に向かって大きくなるようなテーパ部が形成される第四のローラの、前記軸部表面が前記テープに接触しないように、該第四のローラの前記テープロールに対する距離を制御することを特徴とするテープの巻き取り方法、及びこれに使用される装置を提供する。
本発明によれば、巻取ハブを軸心が水平になるように設け、この巻取ハブと軸心が略平行になるように第一〜第四のローラを設け、テープのテープロールへの巻き取りを規制する。そして、第三のローラの下流側に設けられる第四のローラによりテープの幅方向の位置を規制する構成において、第四のローラを、軸部と、この軸部の両側に配されるフランジ部とより構成するとともに、テープの軸部表面への接触を防止しながらテープを支持するように、第四のローラのテープロールに対する距離を制御する。これにより、テープの湾曲が大きい場合であっても、第四のローラによるテープの巻取ハブへの幅方向の位置規制が確実に行えるとともに、高速でテープの巻き取りができ、巻き姿を良好にできるテープの巻き取りが可能となる。
本発明において、前記第四のローラの前記フランジ部の内側面の表面粗さRaを0.15μm以下とすることが好ましい。このような表面粗さの内側面とすることにより、テープの傷の発生が抑制され、その結果パンケーキの品質を向上させ得る。
また、本発明において、前記第四のローラの前記フランジ部の内側面同士の最狭部間隔を前記テープの幅より50〜500μm大きく設定することが好ましい。このような第四のローラを使用することにより、テープの巻取ハブへの幅方向の位置規制が確実に行えるとともに、テープの傷の発生が抑制され、その結果パンケーキの品質を向上させ得る。
以上説明したように、本発明によれば、第一〜第四のローラを設け、これらによりテープの位置等を規制するので、テープ長さ1m当たりの湾曲量が6mm以下のテープであれば、高速でテープの巻き取りができ、巻き姿を良好にできる。
また、本発明によれば、第四のローラの軸部表面へのテープの接触を防止するように第四のローラの位置を制御することにより、テープの湾曲が大きい場合であっても、第四のローラによるテープの巻取ハブへの幅方向の位置規制が確実に行え、その結果、高速で、かつ巻き姿を良好にできるテープの巻き取りが可能となる。
以下、添付図面にしたがって本発明に係るテープの巻き取り方法、装置及びパンケーキの好ましい実施の形態について、磁気テープを巻き取る場合について詳説する。図1は、本発明が適用されるパンケーキの製造装置10の構成を示す概念図であり、図2は裁断装置14の側面図であり、図3は磁気テープの巻き取り装置15を示す構成図である。
図1に示されるように、このパンケーキの製造装置10は、主として、ロール状に巻回された磁気テープ原反20を送り出す送り出し装置11と、幅広な帯状の磁気テープ原反20を複数の幅狭な磁気テープ1、1…に裁断する裁断装置14と、磁気テープを巻取ハブ2に巻き取る巻き取り装置15、15と、で構成される。
送り出し装置11のハブ12(巻芯)には、ロール状に巻回された磁気テープ原反20が装着される。磁気テープ原反20は、通常、非磁性支持体上に強磁性微粒子を含む磁性層が塗布法や真空蒸着法等により形成され、その磁性層に配向処理、乾燥処理、表面処理等が行われることによって製造される。
裁断装置14は、幅広で帯状の磁気テープ原反20を上下一対の回転刃30、32により複数本の磁気テープ1、1、…に裁断する装置であり、図2に示されるように、受け刃としてローラ状に形成された複数の回転下刃30、30…と、回転下刃30との間で磁気テープ原反20に剪断力を与えて裁断する薄円盤状の複数の回転上刃32、32…とで構成される。
回転下刃30は、下側シャフト34にスペーサ36を介して嵌合固定され、回転上刃32は、下側シャフト34と平行な上側シャフト38にスペーサ40を介して嵌合固定され、回転上刃32と回転下刃30との刃先部分が互いに重なり合うように配置されている。そして、回転上刃32は図示しないバネにより図2の軸方向右側に付勢され、回転上刃32の刃先部分が回転下刃30の刃先部分に当接した状態で位置決めされる。
上側シャフト38と下側シャフト34はそれぞれ回転速度を自由に可変可能なモータ41、43に接続され、回転上刃32と回転下刃30の周速度を個別に可変できるようになっている。
図1において、送り出し装置11と裁断装置14との間には、磁気テープ原反20の搬送路を形成する複数のガイドローラ22、22…と、磁気テープ原反20の搬送速度を規制するグルーブドサクションドラム24が設けられる。グルーブドサクションドラム24は、回転速度を自由に可変可能なモータ(図示せず)に接続され、グルーブドサクションドラム24の周面に磁気テープ原反20を吸着して回転することにより、磁気テープ原反20の搬送速度を任意に可変する。
そして、巻き取り装置15における巻取ハブ2の巻芯18の回転速度は、このグルーブドサクションドラム24の周速度を基準として制御される。なお、磁気テープ原反20の搬送速度を規制する手段としてはグルーブドサクションドラム24に限定されず、磁気テープ原反20を挟持搬送するピンチローラを使用することもできる。
裁断装置14とそれぞれの巻取ハブ2との間にはテンションローラ28が設けられ、裁断時における磁気テープ原反20の搬送方向のテンションが任意に調整される。
図3に示されるように、巻き取り装置15は、巻取ハブ2と、第一のローラである位置規制ローラ50と、第二のローラであるエッジ規制ローラ52と、第三のローラである押圧ローラ54と、第四のローラである補助エッジ規制ローラ56を備えている。
位置規制ローラ50は、下側アーム60の基端部(図3の左端部)近傍に軸受51を介して回動自在に支持されている。エッジ規制ローラ52と押圧ローラ54は、第一アーム60の先端部(図3の右端部)近傍に設けられる支持プレート58を介して回動自在に支持されている。補助エッジ規制ローラ56は、支持腕62の先端部(図3の左端部)近傍に回動自在に支持されている。
巻取ハブ2は、軸心が水平になるように図示しない装置本体(躯体)に設けられ、矢印で示されるように反時計方向に回転駆動される。この巻取ハブ2に磁気テープ1が巻き取られて、テープロール1’が形成されている。そして、所定長さの磁気テープ1が巻き取られたテープロール1’が、製品としてのパンケーキとなる。
第一のローラである位置規制ローラ50は、巻取ハブ2のテープ走行方向上流側に、この巻取ハブ2と軸心が略平行になるように、下側アーム60に設けられるフランジ付きのローラである。位置規制ローラ50の形状は、図4に示されるように、フランジ50B付きのローラであり、ローラ50Aの表面は中高(Crown)をつけて形成されている。この位置規制ローラ50はステンレス鋼による一体物である。ローラ50Aの幅は、磁気テープ1の幅と略同一に形成されている。フランジ50B、50Bは、内径部から外径部に向かって間隔が大きくなるように傾斜したテーパ面50C、50Cを内面に有する。この位置規制ローラ50は、磁気テープ1のテープロール1’への進入方向を規制する。
第二のローラであるエッジ規制ローラ52は、テープロール1’と接するとともに、巻取ハブ2と軸心が略平行になるように下側アーム60に設けられるフランジ付きのローラである。図5は、エッジ規制ローラ52の側面図である。円筒状のローラ52Aの両側にフランジ52B、52Bが設けられており、ローラ52Aとフランジ52B、52Bとはローラ52Aの内部に配されたころがり軸受け52D、52Dを介して連結されている。したがって、フランジ52B、52Bはローラ52Aに対して回動自在となっている。
ローラ52Aの幅は、磁気テープ1の幅より若干小さく形成されている。ローラ52Aはポリアセタールで形成されているが、これ以外の各種樹脂、たとえば各種エンジニアリングプラスチックスで形成されてもよい。フランジ52Bの内側面は、ローラ52Aの外径と同一の内径部から外径部に向かって間隔が大きくなるように傾斜したテーパ面52C、52Cに形成されている。フランジ52Bはステンレス鋼で形成されている。フランジ52Bのテーパ面52Cの表面粗さRaは0.15μm以下とすることが好ましい。このような平滑なテーパ面52Cとすることにより、磁気テープ1のエッジ部に欠陥を生じさせなくすることができる。
このエッジ規制ローラ52は、磁気テープ1の幅方向の位置を規制する。すなわち、磁気テープ1のエッジがテーパ面52Cに当接することにより、磁気テープ1の幅方向の位置が規制される。磁気テープ1の幅方向の位置を良好に規制して、巻き姿を良好にするためには、テーパ面52Cの傾斜角度θC を2〜15度の範囲とすることが好ましい。また、ローラ52Aの幅を磁気テープ1の幅の95〜99%の範囲とすることが好ましい。
第三のローラである押圧ローラ54は、テープロール1’の最外周にある磁気テープ1を押圧するとともに、巻取ハブ2と軸心が略平行になるように下側アーム60に設けられる円柱状のローラである。押圧ローラ54はウレタンゴムで形成されているが、これ以外の各種合成ゴム、たとえばシリコンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム等で形成することもできる。押圧ローラ54は磁気テープ1を押圧することにより、磁気テープ1とテープロール1’との間の空気を押し出し、巻き姿を良好にするために設けられる。押圧ローラ54の幅は、磁気テープ1の幅より若干小さいことが好ましい。押圧ローラ54の幅が、磁気テープ1の幅より大きいと、押圧ローラ54の表面が凹状に変形し、磁気テープ1の巻き不良となりやすいからである。
エッジ規制ローラ52と押圧ローラ54は、支持プレート58に回動自在に支持されている。支持プレート58は下側アーム60の先端部近傍に設けられた支点60Aを中心として、下側アーム60に回動自在に支持されている。
下側アーム60は、基端部に設けられた支点60Bを中心として、図示しない装置本体(躯体)に回動自在に支持されている。また、下側アーム60は、ばね等よりなる付勢手段61によりテープロール1’側(反時計方向)に付勢されている。これにより、エッジ規制ローラ52と押圧ローラ54とがテープロール1’に所定圧力で押圧される。この押圧力は、テープロール1’の回転によって、エッジ規制ローラ52及び押圧ローラ54がテープロール1’から離れないような所定の力とすることが好ましい。この押圧力は、磁気テープ1の幅、テープロール1’の回転数、磁気テープ1の材質等に応じて適宜の値が採り得る。なお、付勢手段61としては、エアシリンダ等の公知の手段が採用できる。
テープロール1’を挟んで、エッジ規制ローラ52及び押圧ローラ54の反対側には、第四のローラである補助エッジ規制ローラ56が設けられている。すなわち、テープロール1’の最外周における押圧ローラ54の下流側において、テープロール1’と接するとともに、巻取ハブ2と軸心が略平行になるように補助エッジ規制ローラ56が設けられている。
図6は、補助エッジ規制ローラ56の側面図である。この補助エッジ規制ローラ56において、円筒状のローラ56Aの両側にフランジ56B、56Bが設けられており、ローラ56Aとフランジ56B、56Bとはローラ56Aの内部に配されたころがり軸受け56E、56Eを介して連結されている。したがって、フランジ56B、56Bはローラ56Aに対して回動自在となっている。
補助エッジ規制ローラ56は、テープロール1’を支えて、テープロール1’の幅を、所定のがた(隙間、あそび)をもってゆるやかに規制することより、ローラ56Aの幅は、磁気テープ1の幅より若干大きく設けることが好ましい。ローラ56Aはポリアセタールで形成されているが、これ以外の各種樹脂、たとえば各種エンジニアリングプラスチックスで形成されてもよい。フランジ56Bの内側面は、所定の径まではストレート状の内側面56D、56Dに形成され、そこから外径側は外径部に向かって間隔が大きくなるように傾斜したテーパ面56C、56Cに形成されている。フランジ56Bはステンレス鋼で形成されている。図3に示されるように、補助エッジ規制ローラ56は、支持腕62の先端部近傍に設けられた支点62Aを中心として、支持腕62に回動自在に支持されている。
支持腕62は、基端部62Bにおいて、回動支点64であるころがり軸受を介して、上側アーム66によって略水平方向に回動自在に支持されている。更に、この上側アーム66は、基端部66Aにおいて、図示しない装置本体(躯体)に略鉛直方向に回動自在に支持されている。また、上側アーム66は、付勢手段66Bによりテープロール1’側(反時計方向)に付勢されている。これにより、補助エッジ規制ローラ56がテープロール1’に所定圧力で押圧される。
この付勢手段66Bとして、ボールねじ70とサーボモータ72の組み合わせが採用されている。サーボモータ72は躯体に回動自在に支持されており、サーボモータ72の回転軸にはボールねじ70のねじ部70Aが固定されている。ボールねじ70のボールヘッド70B(ナット部に相当する)は、上側アーム66に固着されている。この状態でサーボモータ72を回転駆動させると、ボールヘッド70Bが略鉛直方向に移動し、上側アーム66が略鉛直方向に回動する。この付勢手段66Bによる上側アーム66の位置制御の詳細については後述する。
なお、付勢手段66Bとしては、これ以外に、コイルばね等の公知の手段が採用できる。補助エッジ規制ローラ56による押圧力は、下側アーム60と同様に、磁気テープ1の幅、テープロール1’の回転数、磁気テープ1の材質等に応じて適宜の値が採り得るが、補助エッジ規制ローラ56がテープロール1’を押圧する押圧力(タッチ圧)が0.2〜2.0Nの範囲で可変となるように調整可能となっていることが好ましい。
次に、補助エッジ規制ローラ56の機能について説明する。図15及び図16によって説明したように、湾曲を有する磁気テープ1をテープロール1’(巻取ハブ2)に巻き取る際には、幅方向の飛び出しを生じやすい。補助エッジ規制ローラ56は、このような幅方向の飛び出しを防止すべく設けられる。
図7は、磁気テープの巻き取り装置15の斜視図である。同図において、位置規制ローラ50によって、磁気テープ1のテープロール1’への進入方向が規制され、エッジ規制ローラ52によって、磁気テープ1の幅方向の位置が規制され、押圧ローラ54によって、磁気テープ1とテープロール1’との間の空気が押し出され、巻き姿が良好に規制される。しかし、湾曲の大きい磁気テープ1の場合、押圧ローラ54の下流において、磁気テープ1がテープロール1’から幅方向にずれる、いわゆる飛び出しDを生じている。この場合であっても、補助エッジ規制ローラ56によって、テープロール1’の幅が規制され、幅方向の飛び出しDを修正して良好な巻き姿が得られる。
次に、補助エッジ規制ローラ56を支持する支持腕62等の構成について説明する。図8は、図3の部分平面図であり、図9は、図3の左側面図であり、図10は、図3の部分拡大左側面図である。なお、図10においては、補助エッジ規制ローラ56の周囲のみが示されている。
図8において、既述のように、支持腕62は、基端部62Bにおいて、回動支点64であるころがり軸受を介して、上側アーム66(図3参照)によって略水平方向に回動自在に支持されている。また、図9において、テープロール1’の下側を押圧するエッジ規制ローラ52の軌道心52Kと、テープロール1’の上側を押圧する補助エッジ規制ローラ56の軌道心56Kとがずれた状態が示されている。
このような軌道心同士がKだけずれた状態であっても、支持腕62が図8及び図9の矢印A方向、又は矢印B方向に回動することにより、補助エッジ規制ローラ56が適正位置に移動し、これにより、幅方向の飛び出しDが解消される。特に、支持腕62がテープ走行方向下流側に設けられる回動支点64を中心として略水平方向に回動自在に支持されているので、支持腕62は、走行する磁気テープ1の位置に追随し、負荷が最もかからない位置に自動的に落ち着き、幅方向の飛び出しDが解消できる。なお、既述の回動支点64は、上記の機能が発揮できれば、ころがり軸受以外の構成であってもよい。
以下に説明した、補助エッジ規制ローラ56により磁気テープ1を幅方向に位置制御する構成において、支持腕62の矢印A方向、又は矢印B方向の移動量は、たとえば±0.5〜2.0mmの範囲であれば好ましく、軌道心同士のずれ量Kは、たとえば±0.15mmの範囲であれば好ましく、支持腕62の長さ62L(補助エッジ規制ローラ56の軸心から回動支点64の軸心までの距離)は、たとえば20〜150mmの範囲であれば好ましい。
次に、補助エッジ規制ローラ56の上下位置が支持腕62及び上側アーム66により制御される構成について説明する。図11は、補助エッジ規制ローラ56とテープロール1’との位置関係を示す部分拡大側面図である。同図において、(a)は、磁気テープ1の巻き始めの状態を示し、(b)は、磁気テープ1の巻き取りが進行し、磁気テープ1の巻き取り厚さが「乗り完了厚さd」と称される値になった状態を示し、(c)は、磁気テープ1の巻き取りが更に進行した状態を示す。
図11の構成において、補助エッジ規制ローラ56のフランジ56Bの内側面同士の最狭部間隔を磁気テープ1の幅より50〜500μm大きく設定することが好ましい。このような補助エッジ規制ローラ56を使用することにより、磁気テープ1の巻取ハブへ2の幅方向の位置規制が確実に行えるとともに、磁気テープ1の傷の発生が抑制され、その結果パンケーキの品質を向上させ得る。
すなわち、図11(a)に示されるように、フランジ56Bの内側面同士の最狭部間隔(以下、「規制幅」という)d1を磁気テープ1の幅d0より50〜500μm大きく設定する。具体的には、磁気テープ1の幅d0が12.650mmのものである場合、軸部56Aの幅d2を12.700mmとし、規制幅d1を12.700〜13.150mmに設定する。
図11の(a)から(b)に到るまでの状態では、補助エッジ規制ローラ56のフランジ56B、56Bが巻取ハブ2に接してつれ回りしている。そして、磁気テープ1のエッジ部の位置がフランジ56B、56Bの内側面で規制されている。この状態では、磁気テープ1と、補助エッジ規制ローラ56の軸部56Aとは接触していない。そして、図11(b)に示される状態では、テープロール1’の最外周における磁気テープ1の表面と、補助エッジ規制ローラ56の軸部56Aの表面との距離がgとなっており、磁気テープ1の巻き取り厚さが「乗り完了厚さd」と称される値になっている。
図11(b)に示される状態以降では、距離gが一定値に保たれるように、補助エッジ規制ローラ56の鉛直方向の位置が制御される。すなわち、図11(c)に示されるように、磁気テープ1の巻き取りが更に進行した状態においても、磁気テープ1と、補助エッジ規制ローラ56の軸部56Aとは接触していない。
このような動作を可能とする構成として、テープロール1’の外径を検出する手段と、補助エッジ規制ローラ56の位置を制御する手段とが必要である。テープロール1’の外径を検出する手段としては、巻取ハブ2の回転数を検出する手段(タコメータ等)が採用されている(図示略)。すなわち、磁気テープ1の走行速度は常に一定であり、巻取ハブ2の回転数はテープロール1’の外径により変化する。したがって、巻取ハブ2の回転数を検出することにより、テープロール1’の外径は容易に算出できる。
一方、補助エッジ規制ローラ56の位置を制御する手段としては、図3によって既述した、ボールねじ70とサーボモータ72との組み合わせが採用されている。すなわち、算出されたテープロール1’の外径より、図11に示される距離gが一定値に保たれるように補助エッジ規制ローラ56の鉛直方向の位置を制御すべく、サーボモータ72を回転駆動させる。このような制御はマイクロコンピュータ等の公知の手段により行える。
なお、テープロール1’の外径を検出する手段として、これ以外の構成、たとえば、下側アーム60の付勢手段として、位置センサ付きのエアシリンダを使用し、下側アーム60の回動位置を検出することによりテープロール1’の外径を求める構成が採用できる。また、テープロール1’の外径を求めずに、補助エッジ規制ローラ56又は支持腕62に位置センサを取り付け、図11に示される距離gを直接求める構成も採用できる。同様に、補助エッジ規制ローラ56の位置を制御する手段としても、公知の各種手段が採用できる。
次に、上記のように構成されたパンケーキの製造装置10の作用を説明する。先ず、図1において、送り出し装置11のハブ12に巻回されたロール状の磁気テープ原反20は、ハブ12から連続的に引き出され、裁断装置14に搬送される。そして、裁断装置14で複数本の磁気テープ1に裁断されて、巻き取り装置15に搬送され、巻取ハブ2に巻き取られる。これにより、例えば磁気テープ原反20が100〜500本に裁断され、規定の幅寸法(例えば12.65mm、25.4mm、3.81mm等)の磁気テープ1が製造される。
図3において、巻き取り装置15では、位置規制ローラ50によって、磁気テープ1のテープロール1’への進入方向が規制される。次いで、エッジ規制ローラ52によって、磁気テープ1の幅方向の位置が規制される。次いで、押圧ローラ54によって、磁気テープ1とテープロール1’との間の空気が押し出され、巻き姿が良好に規制される。そして、テープロール1’の約180度下流において、補助エッジ規制ローラ56によって、テープロール1’が支持され、テープロール1’の幅が、所定のがたをもってゆるやかに規制される。
この際、図9に示されるように、エッジ規制ローラ52の軌道心52Kと補助エッジ規制ローラ56の軌道心56KとがKだけずれた状態であっても、支持腕62が回動することにより、補助エッジ規制ローラ56が適正位置に移動し、これにより、巻き始めのスタート時に磁気テープ1をローラのフランジで規制できない巻き不良が生じにくい。
この巻き取り装置15において、磁気テープ1の巻き取りが進行し、テープロール1’の外径が増加して行くに従い、下側アーム60は支点60Bを中心として図3の矢印方向に回動し、また、エッジ規制ローラ52と押圧ローラ54は、下側アーム60の回動と
支持プレート58の支点60Aを中心とした微小な回動により、適切な押圧力でのテープロール1’の押圧を維持する。
同様に、テープロール1’の外径が増加して行くに従い、上側アーム66は支点66Aを中心として図3の矢印方向に回動し、また、補助エッジ規制ローラ56は、上側アーム66の回動により、適切な押圧力でのテープロール1’の押圧を維持する。
より詳細には、既述の図11に示されるように、磁気テープ1の巻き始めの(a)の状態から(b)に到るまでの状態では、補助エッジ規制ローラ56の鉛直方向の移動はない。そして、磁気テープ1のエッジ部の位置がフランジ56B、56Bの内側面で規制されている。また、この状態では、磁気テープ1と、補助エッジ規制ローラ56の軸部56Aとは接触していない。
図11(b)に示される状態において、テープロール1’の最外周における磁気テープ1の表面と、補助エッジ規制ローラ56の軸部56Aの表面との距離がgとなっている。この状態以降では、既述の制御手段により、距離gが一定値に保たれるように、補助エッジ規制ローラ56の鉛直方向の位置が制御される。そして、図11(c)に示されるように、磁気テープ1の巻き取りが更に進行した状態においても、磁気テープ1と、補助エッジ規制ローラ56の軸部56Aとは接触していない。また、磁気テープ1のエッジ部の位置がフランジ56B、56Bの内側面で規制されている。これにより、磁気テープ1の巻取ハブ2への幅方向の位置規制が確実に行えるとともに、磁気テープ1の傷の発生が抑制され、その結果パンケーキの品質を向上させ得る。
以上、本発明に係る磁気テープの巻き取り方法、装置及びパンケーキの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、本実施形態では、磁気テープ原反20より裁断装置14を経て巻き取り装置15により巻き取られる態様が採られているが、予めスリット処理され、所定幅の磁気テープ1となっている状態から送り出される態様であってもよい。
また、巻き取り装置15の構成も本実施形態に拘束されるものではなく、各種の構成が採用できる。たとえば、本実施形態ではエッジ規制ローラ52と押圧ローラ54とが支持プレート58により支持されているが、これらが個別に下側アーム60により支持される構成であってもよい。
更に、本実施形態の例では、上側アーム66が支点66Aを中心として鉛直方向に回動される構成としているが、支持腕62を水平な状態に維持する必要性が強い場合には、たとえば、上側アームをパンダグラフ機構とし、その先端部に支持腕62を水平方向に回動自在に支持する構成とできる。
(実施例1)
図3に示される構成の巻き取り装置15を使用して、磁気テープ1の巻き取り試験を行った。磁気テープ1としては、予めスリット処理され、所定幅の磁気テープ1となっている状態から送り出される態様とした。この磁気テープ1は、幅が12.65mmであり、厚さが8.9μmのポリエステルベースのものである。パンケーキとして、磁気テープ1の巻き取り長さを14000mに設定している。磁気テープ1として、各種の湾曲量のものを準備した。湾曲量Δとしては、図15(b)及び図15(c)に示されるL=1mに対し0〜6mmである。
実施例において、補助エッジ規制ローラ56の構成及び鉛直方向の位置制御は、「発明を実施するための最良の形態」において説明した方式をそのまま採用した。
一方、比較例として、補助エッジ規制ローラ56の鉛直方向の位置制御方式のみ異ならせる構成を採用した。すなわち、比較例においては、上側アーム66の付勢手段66Bを、ボールねじ70とサーボモータ72の組み合わせに代えて、コイルばねによる押圧手段とした。したがって、比較例においては、補助エッジ規制ローラ56がテープロール1’に所定圧力で押圧され、補助エッジ規制ローラ56の鉛直方向の位置制御がなされないことより、磁気テープ1と、補助エッジ規制ローラ56の軸部56Aとは接触する。
なお、実施例及び比較例において、補助エッジ規制ローラ56は、図5によって説明した構成のものを採用した。なお、ローラ56Aの外径は16mm、フランジ52Bのストレート状部56Dの外径は26mm、テーパ面56Cの最外径は30mmである。
磁気テープ1の走行速度を600m/分として巻取ハブ2巻き取り、その際巻き取り欠陥が生じなかった巻き取り長さを「巻き取りOK長」として記録した。図12は、実施例と比較例との巻き取り結果をを示すグラフであり、縦軸は、巻き取りOK長(単位:m)であり、横軸は、磁気テープ1の湾曲量Δ(単位:mm)である。
実施例においては、湾曲量Δが0〜6mmの全ての条件において、巻き取りOK長が14000mであり、全ての条件においてパンケーキとしての良品が得られた。
これに対し、比較例においては、湾曲量Δが0〜2mmの条件においては、巻き取りOK長が14000mであったが、湾曲量Δが2mmを超えると、巻き取りOK長は極端に低下した。
以上に示した図12の結果より、補助エッジ規制ローラ56の鉛直方向の位置制御を行うことにより、高速で、巻き姿の良好な磁気テープの巻き取りを可能とできることが確認された。
(実施例2)
図3に示される構成の巻き取り装置15を使用して、磁気テープ1の巻き取り試験を行った。磁気テープ1としては、予めスリット処理され、所定幅の磁気テープ1となっている状態から送り出される態様とした。この磁気テープ1は、幅が12.65mmであり、厚さが8.9μmのポリエステルベースのものである。パンケーキとして、磁気テープ1の巻き取り長さを14000mに設定している。
実施例1と同様に、補助エッジ規制ローラ56は、図5によって説明した構成のものを採用した。ローラ56Aの外径は16mm、フランジ52Bのストレート状部56Dの外径は26mm、テーパ面56Cの最外径は30mmである。
補助エッジ規制ローラ56のフランジ52Bの内側面、すなわち、ストレート状部52D及びテーパ面52Cの表面粗さRaを0.05〜0.25μmまで変化させたものを7種類準備し、これを巻き取り装置15に順次交換して取り付け、それぞれの表面粗さRaにおけるパンケーキの品質を評価した。
なお、フランジ52Bの内側面の表面粗さRaを制御する方法としては、フランジ52Bのバフ条件(研磨布の番手等)を変化させることにより行った。
評価結果を図13の表に示す。同表において、評価項目である「擦れ模様」とは、パンケーキの側面を目視で観察したときに認められる擦れ模様の有無である。擦れ模様が認められない場合を○と、擦れ模様が認められる場合を×と判定した。なお、この擦れ模様を顕微鏡により観察すると、エッジ部に損傷を生じていることが認められた。
図13の表における評価項目である「エッジダメージ」とは、パンケーキをテープデッキに装着して走行させた際に、ドロップアウト等の問題を生じるか否かであり、問題を生じない場合を○と、問題を生じる場合を×と判定した。
図13の表によれば、表面粗さRaが0.15μm以下の条件では、擦れ模様及びエッジダメージのいずれの項目も○であった。一方、表面粗さRaが0.15μmを超える条件では、擦れ模様及びエッジダメージのいずれの項目も×であった。したがって、フランジ52Bの内側面の表面粗さRaを0.15μm以下に制御することが好ましいと言える。
本発明に適用されるパンケーキの製造装置の構成を示す概念図 裁断装置の構成図 本発明に係る磁気テープの巻き取り装置の構成図 位置規制ローラの構成を示す側面図 エッジ規制ローラの構成を示す側面図 補助エッジ規制ローラの構成を示す側面図 磁気テープの巻き取り装置の斜視図 図3の部分平面図 図3の左側面図 図3の部分拡大左側面図 補助エッジ規制ローラとテープロールとの位置関係を示す部分拡大側面図 実施例1の結果を示すグラフ 実施例2の結果を示す表 巻き取り不良状態を示すパンケーキの断面図 磁気テープ原反の厚さ分布等を示す概念図 湾曲を有する磁気テープを巻き取る状態を説明する概念図
符号の説明
1…磁気テープ、2…巻取ハブ、3…パンケーキ、10…パンケーキの製造装置、11…送り出し装置、14…裁断装置、15…巻き取り装置、20…磁気テープ原反、50…位置規制ローラ、52…エッジ規制ローラ、54…押圧ローラ、56…補助エッジ規制ローラ、62…支持腕、64…回動支点、66…上側アーム

Claims (8)

  1. テープを巻取ハブに巻き取るテープの巻き取り方法において、
    前記巻取ハブの軸心を水平になるように配置し、
    前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように、前記巻取ハブのテープ走行方向上流側に設けられた第一のローラにより前記テープの前記巻取ハブへの進入方向を規制し、
    前記テープが前記巻取ハブに巻き取られてなるテープロールと接するとともに、前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように設けられた第二のローラにより前記テープの幅方向の位置を規制し、
    前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように設けられた第三のローラにより前記テープロールの最外周にある前記テープを押圧し、
    前記テープロールの最外周における前記第三のローラのテープ走行方向下流側において、該テープロールと接しながら前記テープの幅方向の位置を規制するとともに、前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように設けられるフランジ付きの第四のローラにより前記テープの幅方向の位置を規制し、
    テープ長さ1m当たりの湾曲量が6mm以下の前記テープを前記巻取ハブに巻き取ることを特徴とするテープの巻き取り方法。
  2. テープを巻取ハブに巻き取るテープの巻き取り方法において、
    前記巻取ハブの軸心を水平になるように配置し、
    前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように、前記巻取ハブのテープ走行方向上流側に設けられた第一のローラにより前記テープの前記巻取ハブへの進入方向を規制し、
    前記テープが前記巻取ハブに巻き取られてなるテープロールと接するとともに、前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように設けられた第二のローラにより前記テープの幅方向の位置を規制し、
    前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように設けられた第三のローラにより前記テープロールの最外周にある前記テープを押圧し、
    前記テープロールの最外周における前記第三のローラのテープ走行方向下流側において、該テープロールと接しながら前記テープの幅方向の位置を規制するとともに、前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように設けられるローラであって、該ローラが、軸部と、該軸部の両側に配されるフランジ部とより構成され、前記フランジ部の内側面に、該フランジ部の内側面同士の間隔が内径方向から外径方向に向かって大きくなるようなテーパ部が形成される第四のローラの、前記軸部表面が前記テープに接触しないように、該第四のローラの前記テープロールに対する距離を制御することを特徴とするテープの巻き取り方法。
  3. 前記第四のローラの前記フランジ部の内側面の表面粗さRaを0.15μm以下とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のテープの巻き取り方法。
  4. 前記第四のローラの前記フランジ部の内側面同士の最狭部間隔を前記テープの幅より50〜500μm大きく設定することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のテープの巻き取り方法。
  5. 前記請求項1〜4のいずれか1項に記載のテープの巻き取り方法により製造されたことを特徴とするパンケーキ。
  6. テープを巻取ハブに巻き取るテープの巻き取り装置において、
    軸心が水平になるように配置される前記巻取ハブと、
    前記巻取ハブのテープ走行方向上流側に、前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように設けられる第一のローラと、
    前記テープが前記巻取ハブに巻き取られてなるテープロールと接するとともに、前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように設けられる第二のローラと、
    前記テープロールの最外周にある前記テープを押圧するとともに、前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように設けられる第三のローラと、
    前記テープロールの最外周における前記第三のローラのテープ走行方向下流側において、該テープロールと接しながら前記テープの幅方向の位置を規制するとともに、前記巻取ハブの軸心とその軸心とが略平行になるように設けられるローラであって、該ローラが、軸部と、該軸部の両側に配されるフランジ部とより構成され、前記フランジ部の内側面に、該フランジ部の内側面同士の間隔が内径方向から外径方向に向かって大きくなるようなテーパ部が形成される第四のローラと、
    前記テープの前記軸部表面への接触を防止しながら該テープを支持するように、前記第四のローラの前記テープロールに対する距離を制御する制御手段と、を備えることを特徴とするテープの巻き取り装置。
  7. 前記第四のローラの前記フランジ部の内側面の表面粗さRaが0.15μm以下であることを特徴とする請求項6に記載のテープの巻き取り装置。
  8. 前記第四のローラの前記フランジ部の内側面同士の最狭部間隔が前記テープの幅より50〜500μm大きく設定されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のテープの巻き取り装置。
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