JP2005161625A - 熱ラミネート用多層フィルム、積層体および熱成形容器 - Google Patents

熱ラミネート用多層フィルム、積層体および熱成形容器 Download PDF

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Abstract

【課題】スチレン系重合体よりなるシート対して熱ラミネートが容易で、且つ、十分な接着強度がある印刷インキが積層されてなる熱ラミネート用多層フィルムを供給する。
【解決手段】下記の(A)層、(B)層、(C)層の3層からなり、かつ(A)層/(B)層/(C)層の順に積層された多層フィルムの(C)層側表面にアクリル系樹脂を含む印刷インキが積層されてなることを特徴とする熱ラミネート用多層フィルム。
(A)プロピレン系重合体よりなる層。
(B)プロピレン系重合体30〜70重量%とエチレン系重合体30〜70重量%よりなる層。
(C)密度0.90〜0.97g/cmのエチレン系重合体30〜70%、軟化点が110〜150℃である石油樹脂10〜50重量%、非結晶性あるいは低結晶性エチレン−αオレフィンランダム共重合体10〜50重量%からなる層。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリスチレン系シートまたはフィルムへの熱ラミネート性に優れた印刷インキが積層された熱ラミネート用多層フィルム、該多層フィルムにポリスチレン系シートまたはフィルムが積層された積層体および該積層体よりなる熱成形容器に関するものであり、詳しくは、熱ラミネート時および熱成形時にポリスチレン系シートまたはフィルムとの十分な接着強度、加工適性を有した熱ラミネート用多層フィルム及び積層体、ならびに、積層体よりなる、耐ボイル性、耐油性等、実用物性の優れた成形容器に関するものである。
ポリスチレン樹脂は熱成形性に優れ、また、安価であることから食品用容器として広く使用されている。しかし、ポリスチレン樹脂は耐熱性、耐油性に劣ること、また、ポリオレフィン系蓋材との接着性がないことから、必要に応じて、他樹脂との貼り合わせをおこなって使用されている。特に耐油性が必要な用途ではポリスチレン系シートまたはフィルムにポリプロピレン系フィルムを貼り合わす場合が多い。この場合、ポリスチレン系シートまたはフィルムとポリプロピレン系フィルムを積層する目的で、従来は、接着剤を介してポリスチレン系シートまたはフィルムとポリプロピレン系フィルムとを貼り合わせていたが、接着剤により貼り合せる方法では、作業工程が増えることばかりでなく、接着剤を使うことにより、環境保護、ならびに安全衛生面から好ましくない。
また、容器の意匠性等を高めるためにポリスチレン系シートまたはフィルムと印刷を施したポリプロピレン系フィルムとを貼り合せているが、ポリプロピレン系フィルム用の印刷インキの樹脂としては通常、硝化綿、ポリアミド樹脂、塩素化ポリプロピレン、ポリウレタン樹脂の単独または混合物が用いられており、これらを用いた印刷インキではポリスチレン系樹脂とは接着しないため、ポリプロピレン系フィルムに前述の印刷インキを積層し、その上にポリスチレン系樹脂に接着可能な粘着剤を塗布しているため、コスト高となっている。
そのため、ポリスチレンと他樹脂を共押出する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、ポリスチレンと共押出する他の樹脂として、エチレンと酢酸ビニルを含む共重合体樹脂に粘着付与剤を配合したものがポリスチレンに接着可能であるとして示されているが、接着強度がいまだ十分でなく、またこのものは耐熱性に劣り、熱成形後にボイル処理を行う場合、接着力が低下し、剥離する場合がある。また、共押出するためには多層シート化するための設備等が必要となる。
そこで、ポリスチレンシートと印刷を施した他樹脂からなるフィルムとを加熱することで接着できれば、簡易な設備で積層できることから、印刷インキが積層されてもポリスチレンシートに加熱接着可能であって、接着力のより高いフィルムが望まれていた。
特開昭54−10384号
こうした背景にあって本発明は、スチレン系重合体よりなるシートまたはフィルムに対して接着剤塗布の必要がなく、熱ラミネートが容易で、且つ、十分な接着強度がある印刷インキが積層されてなる熱ラミネート用多層フィルム及び積層体、ならびに、該積層体を熱成形し、ボイル等の熱処理をした後においても十分な接着強度を保った、熱成形容器を供給することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねてきた。その結果、特定の樹脂を特定の層構成で積層したフィルムを用いることで、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の(A)層、(B)層、(C)層の3層からなり、かつ(A)層/(B)層/(C)層の順に積層された多層フィルムの(C)層側表面にアクリル系樹脂を含む印刷インキが積層されてなることを特徴とする熱ラミネート用多層フィルム、熱ラミネート用多層フィルムの(C)層側にさらにポリスチレン系シートまたはフィルムが積層されてなる積層体及び該積層体よりなる熱成形容器である。
(A)プロピレン系重合体よりなる層
(B)プロピレン系重合体30〜70重量%とエチレン系重合体30〜70重量%よりなる層
(C)密度0.90〜0.97g/cmのエチレン系重合体30〜70%、軟化点が110〜150℃である石油樹脂10〜50重量%、非結晶性あるいは低結晶性エチレン−αオレフィンランダム共重合体10〜50重量%からなる層
本発明の熱ラミネート用多層フィルムは、特定の樹脂を特定の層構成とすることにより、印刷が施されていてもスチレン系シートまたはフィルムに対して実用上、十分な接着強度を有する。また、本発明の熱ラミネート用多層フィルムを用いて得られる積層体及び熱成形容器は、耐ボイル性等の耐熱性、耐油性等の実用物性に優れる。
従って、本発明の熱ラミネート用多層フィルムは、食品などの物品を充填したポリスチレン系熱成形容器用としてポリスチレン系シートまたはフィルムの内面に貼り合わすことに好適に使用でき、また、ポリオレフィン系シーラントを有する蓋材とのシールにも好適に使用できる。
本発明の(A)層に用いるプロピレン系重合体としては特に限定されず、プロピレンの単独重合体、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体が好ましいが、熱ラミネート時、熱成形時における耐熱性の点から示差走査熱量計によって測定される融点が145℃〜165℃の範囲内、好ましくは148℃〜162℃の範囲内にあるプロピレン単独重合体あるいはプロピレンとα−オレフィンとの共重合体が好ましく、より好ましくはプロピレン単独重合体である。また、融点が145℃以上であると、熱ラミネート時の多層フィルムへのしわの発生が防止でき、熱成形後の型離れ、トリミングカット性も良好であるので好ましく、165℃以下であると、熱成形時の割れが発生しにくくなるので好ましい。
該プロピレンとα−オレフィンとの共重合体としては、プロピレンが95〜99重量%とプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィンが1〜5重量%、好ましくはプロピレンが97〜99重量%とプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィンが1〜3重量%との共重合体、又はそれらの混合物であることが好ましい。プロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等を挙げることができる。該プロピレンとα−オレフィンとの共重合体としてはプロピレンとα−オレフィンのランダム共重合体、およびブロック共重合体が挙げられる。なお、(A)層にはプロピレン系重合体以外の樹脂を耐熱性を損なわない範囲において、適量添加してもかまわない。具体的には、本発明の熱成形容器と蓋材との接着性を向上するため、あるいは容器側にイージーピール性を付与する目的で、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等の、密度が0.84〜0.90g/cmの低結晶性又は非結晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体を添加することがあげられる。添加量としては耐熱性の点から50重量%を超えない範囲が好ましい。
本発明において、(A)層に用いるプロピレン系重合体のメルトフローレート(以下、MFRという)は、フィルム製膜性を勘案すると、1.0〜50g/10分(温度230℃、荷重2.16kg)の範囲が良好であり、好ましくは2.0〜40g/10分の範囲である。
本発明において、(B)層に用いるプロピレン系重合体としては特に限定されず、プロピレンの単独重合体、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体が好ましいが、示差走査熱量計によって測定される融点が120℃〜140℃の範囲内、好ましくは123℃〜137℃の範囲内にあるプロピレンとα−オレフィンとの共重合体が好ましく、より好ましくはプロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィンとの共重合体である。融点が120℃以上であると、プロピレン系重合体自体の製造が容易であり、得られるフィルムのブロッキングや滑りが良好であるので好ましく、140℃以下であると、熱成形時の延伸性に優れるので好ましい。
該プロピレンとα−オレフィンとの共重合体としては、プロピレンが80〜99重量%とプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィンが1〜20重量%、好ましくはプロピレンが85〜96重量%とプロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィンが4〜15重量%との共重合体、又はそれらの混合物であることが好ましい。プロピレンを除く炭素数2〜10のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等を挙げることができる。該プロピレンとα−オレフィンとの共重合体としてはプロピレンとα−オレフィンのランダム共重合体、およびブロック共重合体が挙げられる。
本発明において(B)層に用いるエチレン系重合体は、高圧法により製造される低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどが好適に用いられる。
該エチレン系重合体の密度は特に限定されないが、多層フィルムの製膜安定性の点から0.90〜0.97g/cmの範囲であり、好ましくは0.92〜0.97g/cmの範囲であり、更に好ましくは0.925〜0.970g/cmの範囲である。
本発明に使用されるエチレン系重合体のMFRは、フィルムへの成形性を考慮すると、1〜50g/10分(温度190℃、荷重2.16kg)の範囲であることが好ましく、更に2〜20g/10分の範囲であることがより好ましい。
本発明の(B)層に用いられるプロピレン系重合体とエチレン系重合体の配合割合はプロピレン系重合体30〜70重量%、エチレン系重合体30〜70重量%である。プロピレン系重合体の配合量が30重量%より少ないとフィルムの弾性率が低くなり、熱ラミネート時、しわが発生しやすくなる。プロピレン系重合体の配合量が70重量%を超えると、(C)層との層間剥離強度が低下することで、熱成形後に蓋材を設けた場合、容器から蓋材を剥離する時、(C)層と(B)層間で剥離することがある。
本発明において(C)層に用いるエチレン系重合体は、密度0.90〜0.97g/cmであり、高圧法により製造される低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどが好適に用いられる。
該エチレン系重合体の密度が0.90g/cm未満であると、耐熱性が低下し、熱成形した容器をボイル処理する場合、容器が白化したり、フィルムが剥離することがある。密度が0.97g/cm以上であるとポリスチレン系シートまたはフィルムとの接着強度が低下する。
本発明に使用されるエチレン系重合体のMFRは、フィルムへの成形性を考慮すると、0.5〜20g/10分(温度190℃、荷重2.16kg)の範囲であることが好ましく、更に1〜10g/10分の範囲であることがより好ましい。
本発明の(C)層に用いられる軟化点が110〜150℃の石油樹脂は脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、テルペン系石油樹脂から選ばれたものなら制限されないが、特に脂環族系石油樹脂が好適である。また、これらの石油樹脂をブレンドして用いてもよい。石油樹脂の軟化点が110℃未満であると、耐熱性が低下する。また、軟化点が150℃を超えると、ポリスチレン系シートまたはフィルムとの接着性が低下する。なお、石油樹脂の軟化点は、JIS K2207に準じて環球法により測定した軟化点である。
本発明の(C)層に用いられる低結晶性又は非結晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体は特に限定されないが、エチレンと炭素数が3〜10のα−オレフィンとの共重合体、またはそれらの混合物で、密度が0.84〜0.90g/cmのものが好適である。炭素数3〜10のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等を挙げることができる。上記低結晶性又は非結晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体が好適に用いられる。
上記低結晶性又は非結晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、0.84〜0.90g/cmの範囲のものであり、好ましくは0.850〜0.895g/cmのものである。密度が0.84以上であると、低結晶性又は非結晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造が容易であるので好ましく、0.90g/cm以下であると、ポリスチレン系シートまたはフィルムとの接着性に優れた多層フィルムとなるので好ましい。
上記低結晶性又は非結晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体は、X線回折法によって求められる結晶化度が40%以下、好ましくは30%以下のものである。
上記低結晶性又は非結晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン単位の量は、好ましくは5〜40重量%であり、10〜30重量%がより好適である。また、上記低結晶性又は非結晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体はマレイン酸、アクリル酸、カルボン酸もしくはその誘導体、等で変性されたものを用いてもかまわない。
上記低結晶性又は非結晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体のMFRは、フィルムへの成形性の点から0.5〜30g/10分(温度230℃、荷重2.16kg)の範囲が良好であり、好ましくは1〜20g/10分の範囲である。
本発明の(C)層に用いられるエチレン系重合体、石油樹脂及び低結晶性又は非結晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体の配合割合は、エチレン系重合体30〜70重量%、石油樹脂10〜50重量%、非結晶性あるいは低結晶性エチレン−αオレフィンランダム共重合体10〜50重量%である。中でも、特に石油樹脂の配合量が重要である。石油樹脂配合量が10重量%未満の場合、ポリスチレン系シートまたはフィルムとの接着性に劣り、また、多層フィルムの(C)層側表面に積層される印刷インキと該多層フィルムとの接着性が劣るため好ましくない。石油樹脂配合量が50重量%を超えると、石油樹脂の表面へのブリードが激しくなりフィルムがブロッキングし、また、印刷ロールを汚す等の弊害が発生するため好ましくない。また、低結晶性又は非結晶性のエチレン−α−オレフィン共重合体の配合割合が10重量%未満の場合、ポリスチレン系シートまたはフィルムとの接着性に劣り、70重量%を超えるとボイル等の熱処理後の接着性に劣るため好ましくない。エチレン系重合体の配合割合については、30重量%未満の場合、(B)層との層間剥離強度に劣るため、熱成形後に蓋材を設けた場合、容器から蓋材を剥離する時、(C)層と(B)層間で剥離することがある。70重量%を超えるとポリスチレン系シートまたはフィルムとの接着性に劣るため好ましくない。
本発明において、(A)層の厚みは特に限定されないが、多層フィルムの剛性および成形性の点から、2〜30μm、好ましくは3〜20μmの範囲である。
本発明において、(B)層の厚みは特に限定されないが、多層フィルムの剛性および成形性の点から5〜50μm、好ましくは7〜30μmの範囲である。
本発明において、(C)層の厚みは特に限定されないが、1〜20μm、好ましくは2〜10μmの範囲である。(C)層の厚みが1μm以上であると、ポリスチレンシートとの接着強度に優れるので好ましく、20μm以下であると、フィルムブロッキングが小さいので好ましい。
本発明において、多層フィルムの総厚みは、該フィルムの加工性等の点から好ましくは10〜100μm、より好ましくは15〜60μmの範囲である。
本発明において、プロピレン系重合体よりなる(A)層、プロピレン系重合体30〜70重量%とエチレン系重合体30〜70重量%よりなる(B)層、密度0.90〜0.97g/cmのエチレン系重合体30〜70%、軟化点が110〜150℃である石油樹脂10〜50重量%、及び非結晶性あるいは低結晶性エチレン−αオレフィンランダム共重合体10〜50重量%からなる(C)層は、(A)層/(B)層/(C)層の順に積層されており、(A)層、および(C)層が多層フィルムのおのおの表面層を構成する。
多層フィルムの各層には必要に応じて、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤等の添加剤を本発明の効果を阻害することのない範囲で添加することができる。
また、多層フィルムは、層間接着強度を損なわない限り、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリ塩化ビニル等の耐ガス透過性樹脂、あるいは、フィルム製膜時に発生するフィルムロスの回収原料等からなる層を、(A)層と(B)層との間、あるいは(B)層と(C)層との間に設けてもかまわない。
本発明において多層フィルムの製造法としては、公知の方法が適用できる。例えばフィードブロック法やマルチマニホールド法による共押出成形法、押出ラミネート法等が挙げられるが、なかでも共押出成形法が好適である。各層の樹脂の溶融混練は、180〜250℃の温度で行うのが良好である。
共押出成形法のより具体的な方法としては、例えばTダイ法により樹脂を溶融押出し、温調可能なロールにより冷却し連続的に巻き取る方法や、インフレーション法により溶融押出し、温調可能なエアチャンバーによる空冷法もしくは温調可能な水槽による水冷法により冷却し連続的に巻き取る方法等がある。
また、多層フィルムは、無延伸でも良いが、成形性を阻害しない範囲で延伸を施されていても良い。
本発明の熱ラミネート用多層フィルムは、上記多層フィルムの(C)層側表面にアクリル系樹脂を含む印刷インキが積層されている。
アクリル系樹脂を含んだ印刷インキとしては、特に限定されず、一般に市販されているポリスチレン系シートまたはフィルムに印刷可能なインキであればよい。また、印刷インキを多層フィルムの(C)層側表面に積層するための印刷の方法は特に限定されず、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等公知の方法が用いられるが、通常グラビア印刷が多く用いられる。また、印刷インキは多層フィルムの(C)層側表面の全面に積層されていても、また一部に積層されていてもよい。
本発明の熱ラミネート用多層フィルムは、印刷インキが積層されている(C)層側とポリスチレン系シートまたはフィルムとが接着するよう熱ラミネートすることで本発明の目的とする効果を発揮する。
本発明の熱ラミネート用多層フィルムの用途は特に限定されないが、熱ラミネート用多層フィルムの印刷インキが積層されている(C)層側とポリスチレン系シートまたはフィルムとが接着するよう熱ラミネートして、熱ラミネート用多層フィルムの(C)層側にポリスチレン系シートまたはフィルムが積層されてなる積層体とすることができ、加熱ロールで加熱、圧着することで十分な強度で接着できる。
本発明のラミネート用多層フィルムをポリスチレン系シートまたはフィルムに熱ラミネートした積層体は、熱成形して耐ボイル性等の耐熱性、耐油性等の実用物性に優れた容器とすることができる。該積層体は、熱成形する場合、あるいは熱成形した容器をボイル処理等の熱処理する場合においても、熱ラミネート用多層フィルムとポリスチレン系シートまたはフィルム間に十分な接着強度を有している。熱成形はいかなる方法でもかまわないが、一般的には、真空成形、圧空成形、圧空真空成形、あるいは熱板圧空成形等の、加熱後、金型等の型枠内にて賦形した後、冷却される方法等があげることができる。
本発明を更に具体的に説明するために、以下に実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例で得られたフィルムの評価方法は次の方法にて行った。
1.測定条件
(1)MFR
JIS K7210に準じて測定した。
(2)結晶化度
X線回折法によって非晶質あるいは低結晶性エチレン−αオレフィンランダム共重合体中の結晶の割合を求めた。
日本電子社製のX線回折装置JDX−3500を用い、X線出力16kw(管電圧:40kv、管電流:400mA)、ターゲット:Cu、測定角度:2θ=9ないし31度にて測定した。得られたX線回折図形より結晶ピークを波形分離し、その面積強度比より結晶化度を求めた。
試料は予め230℃で融解後、降温速度10℃/分で20℃まで冷却した厚み1mmのシートを用いた。
(3)示差走査熱量計によって測定される融点
約5〜6mgの試料を秤量後アルミパンに封入し、示差走査熱量計(セイコ電子製SSC/5200)にて、20ml/分で供給される窒素気流中で230℃まで昇温し、この温度で10分間保持し、次いで降温速度10℃/分でマイナス10℃まで冷却する。次いで、昇温速度10℃/分で210℃まで昇温する際に得られる吸熱曲線において最大吸熱を示すピーク温度を融点とした。
(4)接着強度
接着強度は、熱ラミネート時のフィルムへのしわの発生の有無、フィルムとポリスチレン系シートとを熱ラミネートした後のラミネート強度及び積層シートを熱成形して得たトレーをボイル処理した際の外観変化により評価した。
(i)ラミネート強度
ロール加熱式熱ラミネーターを用いて、熱ラミネート用多層フィルム側のロール温度を70℃、ポリスチレン系シート側のロール温度を100、110、120℃の各温度、熱ラミネート速度20m/minでロール間、熱圧着し、熱ラミネートして作成した積層シートを、幅15mm、長さ200mmの短冊状に切断し(n=10)、引張試験機を用い速度300mm/min、剥離角度180度にて、熱ラミネートした部分を剥離し、そのときの剥離強度の平均値をその温度でのラミネート強度とした。
(ii)熱ラミネート時のしわの発生
上記(i)の条件で耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)と熱ラミネートして作成したフィルムの外観を観察した。
○ :良好
△ :しわが発生
× :著しく、しわが発生
(iii)ボイル処理後の外観変化
耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)と熱ラミネートして作成した積層シートを、真空圧空成形機(真空度70mmHg、圧空度3kg/cm、温度130℃)を用いて、トレー(縦200mm、横250mm、高さ30mm)に成形した。
熱成形したトレーを80℃の熱水に30分間浸漬し、熱水処理した。外観変化、フィルムの剥離状態を観察した。
○ :良好
△ :若干、白化
× :白化およびフィルム剥離
2.使用原料
原料1:プロピレン単独重合体
MFR(230℃、2.16kg)=8.0g/10分
示差走査熱量計によって測定される融点:162℃
原料2:プロピレン−エチレンランダム共重合体
MFR(230℃、2.16kg)=7.5g/10分
エチレン含有量:0.4重量%
示差走査熱量計によって測定される融点:156℃
原料3:プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体
MFR(230℃、2.16kg)=6.5g/10分
エチレン含有量:3.8重量%、ブテン−1:含有量3.0重量%
示差走査熱量計によって測定される融点:128℃
原料4:直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン−1−ブテン共重合体)
1−ブテン含有量:11.3重量%
MFR(190℃、2.16kg)=2.0g/10分
密度:0.919g/cm
示差走査熱量計によって測定される融点:106℃
原料5:直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン−1−ヘキセン共重合体)
1−ヘキセン含有量:12.4重量%
MFR(190℃、2.16kg)=2.0g/10分
密度:0.912g/cm
示差走査熱量計によって測定される融点:106℃
原料6:脂環族系水添石油樹脂
商品名 アルコンP140 荒川化学(株)製 軟化点140℃
原料7:エチレン−プロピレン共重合体
エチレン含有量:24重量%
MFR(230℃、2.16kg)=7.2g/10分
密度:0.880g/cm
結晶化度:10%
原料8:エチレン−プロピレン共重合体
MFR(230℃、2.16kg)=2.0g/10分
エチレン含有量:25重量%
密度:0.860g/cm
結晶化度:3%
実施例1
表1に示すように、(A)層として原料1、(B)層として原料3を55重量%と原料5を45重量%の割合でミキサーにてブレンドした混合原料、(C)層として原料6を45重量%、原料9を35重量%および原料12を20重量%の割合でミキサーにてブレンドした混合原料を用い、(A)層の原料及び(C)層の混合原料はスクリュー径50mmφの押出機で、(B)層の混合原料はスクリュー径75mmφの押出機で、各々220℃にて溶融混練し、(A)/(B)/(C)の構成でフィードブロック法によりTダイより共押出しし、25℃に調節した金属ロールで冷却し、(A)層の厚みが5μm、(B)層の厚みが15μm、(C)層の厚みが5μmの3種3層の多層フィルムを得た。
得られたアクリル系樹脂を含んだ印刷インキを積層する前の多層フィルムの(C)層の面と発泡ポリスチレン(PSP、厚さ2.6mm)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS、厚さ0.3mm)、透明HIPS(アサフレックス、0.6mm)の各ポリスチレンシートとを熱ラミネートし、積層シートを得た。さらに、得られた積層シートをトレーに熱成形した。
表2に、(C)層側表面にアクリル系樹脂を含んだ印刷インキを積層する前の多層フィルムから得られた積層シート及び容器の評価結果を示した。
得られた多層フィルムの(C)層側表面に、アクリル樹脂を含んだインキ(商品名スチプリT3赤、大阪インキ製造(株)製)でグラビア印刷し、その印刷面と発泡ポリスチレン(PSP、厚さ2.6mm)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS、厚さ0.3mm)の各ポリスチレンシートとを熱ラミネートし、積層体を得た。さらに、得られた積層体をトレーに熱成形した。
表3に、(C)層側表面にアクリル系樹脂を含んだ印刷インキを積層した熱ラミネート用多層フィルムから得られた積層体及び容器の評価結果を示した。
実施例2〜4、比較例1〜3
(A)層、(B)層、(C)層に用いる原料の種類及び配合割合、各層の厚みを表1に示したようにした以外は、実施例1と同様に行った。(C)層側表面にアクリル系樹脂を含んだ印刷インキを積層する前の多層フィルムから得られた積層シートおよび容器の評価結果を表2に示した。
表3に、(C)層側表面にアクリル系樹脂を含んだ印刷インキを積層した熱ラミネート用多層フィルムから得られた積層体及び容器の評価結果を示した。
比較例4
(A)層、(B)層及び(C)層の原料として原料1を用いた他は実施例1と同様に行った。表3に、(C)層側表面にアクリル系樹脂を含んだ印刷インキを積層した熱ラミネート用多層フィルムから得られた積層体及び容器の評価結果を示した。
Figure 2005161625
Figure 2005161625
Figure 2005161625

Claims (3)

  1. 下記の(A)層、(B)層、(C)層の3層からなり、かつ(A)層/(B)層/(C)層の順に積層された多層フィルムの(C)層側表面にアクリル系樹脂を含む印刷インキが積層されてなることを特徴とする熱ラミネート用多層フィルム。
    (A)プロピレン系重合体よりなる層
    (B)プロピレン系重合体30〜70重量%とエチレン系重合体30〜70重量%よりなる層
    (C)密度0.90〜0.97g/cmのエチレン系重合体30〜70%、軟化点が110〜150℃である石油樹脂10〜50重量%、非結晶性あるいは低結晶性エチレン−αオレフィンランダム共重合体10〜50重量%からなる層
  2. 請求項1記載の熱ラミネート用多層フィルムの(C)層側に、さらにポリスチレン系シートまたはフィルムが積層されてなる積層体。
  3. 請求項2記載の積層体よりなる熱成形容器。

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