JP2005160287A - 回転位置角推定方法及び回転位置角推定装置、並びにモータの制御方法及びモータの制御装置 - Google Patents

回転位置角推定方法及び回転位置角推定装置、並びにモータの制御方法及びモータの制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】突極モータが低速度で回転する領域においても、誤差を小さくして回転位置角を推定する。
【解決手段】電圧指令値v* 1,α,v* 1,βと高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βとを重畳してインバータ5に入力する。3/2相変換部6は、インバータ5から検出される電圧v,v,v及び電流i,i,iを相変換して電圧vα,vβ及び電流iα,iβを求める。λ演算部11は電圧vα,vβと電流iα,iβ、突極モータ2のq軸インダクタンスLとに基づいて磁束鎖交数λd,α,λd,βを求め、BPF部12は前記磁束鎖交数を角周波数ω近傍で濾波して高周波成分λd,h,α,λd,h,βを求め、識別信号発生部15はd軸電流の高周波成分idhを求め、位置角演算部13は高周波成分λd,h,α,λd,h,β,idhから突極モータ2の回転位置角θreを推定にて求める。
【選択図】図1

Description

この発明は、回転位置角推定方法及び回転位置角推定装置、並びにモータの制御方法及びモータの制御装置に関し、例えばインバータ制御に適用することができる。
誘導モータに比して効率良く運転できるモータは、回転子に永久磁石が採用されており、例えばブラシレスDCモータが広く用いられている。ブラシレスDCモータには、回転子が突極性を有するものとそうでないものとがある。いずれにしても、このブラシレスDCモータを効率良く動作させるために、回転位置角に応じてトルクを制御する等、回転位置に同期した電圧・電流の制御が必要とされる。回転位置角は、例えばモータに位置センサを設けることで検出することができるが、コストの増加や装置の大型化等の問題を生じるため、あまり実用的でない。
そこで従来から、センサレスのブラシレスDCモータについて回転位置角を推定する方法が開発されている。回転位置角を推定する方法として、回転子が非突極な場合には誘起電圧を用いる方法や軸誤差を演算する方法等が、また回転子が突極性を有する場合には突極性を用いる方法等が提案されている。
なお、本発明に関連する技術が非特許文献1〜3に示されている。
上野勝実、他3名,「リラクタンスモータの回転子位置センサレスベクトル制御法」,平成6年電気学会産業応用部門全国大会論文集,No16,1994年,p.59−p.64 陳志謙、他3名,「突極型ブラシレスDCモータのセンサレス位置推定法と安定性の検討」,平成10年電気学会産業応用部門全国大会論文集,No.59,1998年,p.179−182 マラコンダイア ナイデュ(Malakondaiah Naidu)、他1名,「ローター ポジション エスティメイション スケム オブ ア パーマネント マグネット シンクロナス マシン フォー ハイ パフォーマンス ヴァリアブル スピード ドライブ(Rotor Position Estimation Scheme of a Permanent Magnet Synchronous Machine for High Performance Variable Speed Drive)」,アイイーイーイー アイエイエス アニュアル カンファレンス レコード(IEEE IAS Annual conference record),1992年,p.48−p.53
回転子が突極性を有するブラシレスDCモータ(以下「突極モータ」と称す)について、式(1)で表される突極モータの電圧方程式を用いて回転位置角を求める。ここで、Rは突極モータの抵抗、Lはd軸インダクタンス、Lはq軸インダクタンス、Kは誘起電圧定数、pは時間微分演算子、vα,vβはα軸電圧,β軸電圧、iα,iβはα軸電流,β軸電流、iはd軸電流、θreは回転位置角をそれぞれ表す。
Figure 2005160287
式(1)について右辺第1項を左辺へ以降した後、両辺を積分することで、式(2)が求められる。ここでλd,α,λd,βは、磁束鎖交数であって、式(3)で表される。式(3)を用いて(λd,β/λd,α)を計算して逆正接を求めることで回転位置角θreを推定することができる(式(4))。ここで下付きで示される(α,β)及び(d,q)は、図18で示される固定軸と、N極とS極を有する回転子と同期して回転する座標軸とをそれぞれ示す。この従来の手法は、例えば非特許文献2に紹介されている。
Figure 2005160287
Figure 2005160287
Figure 2005160287
突極モータが低速度で回転する領域においては突極モータの端子電圧が低下し、例えば以下に述べる理由によって、回転位置角θreに推定誤差を生じる。さらには、突極モータの低速度側の許容範囲を越えて突極モータが低速度になると、突極モータは脱調や異常停止等に至る。
例えばインバータ駆動の場合、デッドタイムの影響で指令電圧と実電圧に誤差が生じる。特に突極モータの端子電圧が低い場合には、パルス幅が狭くなり誤差が無視できなくなる。このため、回転位置角θreに推定誤差を生じる。これを回避するために、電圧検出用のトランスもしくはアイソレーションアンプ等を設けて、突極モータの端子電圧を精度良く検出することもできるが、コストがかかることや装置が大型化すること等からあまり望ましくない。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、突極モータが低速度で回転する領域においても、誤差を小さくして回転位置角を推定することを目的とする。
この発明の請求項1にかかる回転位置角推定方法は、突極性を有するモータの回転位置角(θre)を推定する方法であって、(a)電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)と、前記電圧指令値よりも大きな角周波数(ω)を有する高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)とを重畳して、第2の電圧指令値(v* α,v* β)を得るステップと、(b)前記第2の電圧指令値に基づいてインバータ(5)から前記モータに入力される電圧(v,v,v)及び電流(i,i,i)を、固定座標系で求めるステップと、(c)前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)とに基づいて、前記回転位置角を求めるステップとを備え、前記ステップ(c)では、(c−1)前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンス(L;L)とに基づいて磁束鎖交数(λd,α,λd,β;λq,α,λq,β)を求めるステップと、(c−2)前記磁束鎖交数を前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β;λq,h,α,λq,h,β)を求めるステップと、(c−3)前記角周波数近傍の角周波数を有する第2の高周波成分(idh;iqh)を求めるステップと、(c−4)前記第1の高周波成分と前記第2の高周波成分とから前記回転位置角(θre)を求めるステップとを行う。
この発明の請求項2にかかる回転位置角推定方法は、請求項1記載の回転位置角推定方法であって、前記ステップ(c−3)は、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)を前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標に変換して、前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、前記第2の高周波成分(idh;iqh)を求める。
この発明の請求項3にかかる回転位置角推定方法は、請求項1記載の回転位置角推定方法であって、前記ステップ(c−3)は、前記高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)の位相(θ)に基づいて前記第2の高周波成分(idh;iqh)を求める。
この発明の請求項4にかかる回転位置角推定方法は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法であって、前記ステップ(c−4)は、前記第2の高周波成分(idh;iqh)の符号に基づいて前記回転位置角(θre)を選定するステップを更に含む。
この発明の請求項5にかかる回転位置角推定方法は、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法であって、前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記回転座標のd軸への成分(idh)を求め、これらに基づいて前記回転位置角(θre)を求める。
この発明の請求項6にかかる回転位置角推定方法は、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法であって、前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のd軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記回転座標のq軸への成分(iqh)を求め、これらに基づいて前記回転位置角(θre)を求める。
この発明の請求項7にかかる回転位置角推定方法は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法であって、前記ステップ(c)において、前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸に直交するd軸方向への成分(idh)を求め、これらに基づいて第1の回転位置角候補(θre,d)が求められ、前記モータのインダクタンスのうち、前記d軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸方向への成分(iqh)を求め、これらに基づいて第2の回転位置角候補(θre,q)が求められ、前記モータのインダクタンスのうち前記d軸方向への成分を採用して得られた前記第1の高周波成分の振幅(|λq,h|)に対する、前記モータのインダクタンスのうち前記q軸方向への成分を採用して得られた前記第1の高周波成分の振幅(|λd,h|)の比である振幅比(γ1)を求め、前記振幅比が所定値(J1)よりも大きい時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角(θre)とし、前記振幅比が前記所定値よりも小さい時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする。
この発明の請求項8にかかる回転位置角推定方法は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法であって、前記ステップ(c)において、前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸に直交するd軸方向への成分(idh)を求め、これらに基づいて第1の回転位置角候補(θre,d)が求められ、前記モータのインダクタンスのうち、前記d軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸方向への成分(iqh)を求め、これらに基づいて第2の回転位置角候補(θre,q)が求められ、前記第2の高周波成分の前記q軸方向への成分(iqh)の振幅に対する、前記第2の高周波成分の前記d軸方向への成分(idh)の振幅の比である振幅比(γ2)を求め、前記振幅比が所定値(J2)よりも大きい時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角とし、前記比が前記所定値よりも小さい時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする。
この発明の請求項9にかかる回転位置角推定方法は、請求項8記載の回転位置角推定方法であって、前記所定値は、前記モータのインダクタンスの前記d軸方向への成分(L)に対する前記q軸方向への成分(L)の比である。
この発明の請求項10にかかる回転位置角推定方法は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法であって、前記ステップ(c)において、前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸に直交するd軸方向への成分(idh)を求め、これらに基づいて第1の回転位置角候補(θre,d)が求められ、前記モータのインダクタンスのうち、前記d軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸方向への成分(iqh)を求め、これらに基づいて第2の回転位置角候補(θre,q)が求められ、前記第2の高周波成分の前記固定座標系での位相(θih)に基づいて、前記第1の回転位置角候補及び前記第2の回転位置角候補のどちらか一方を選択して、前記回転位置角とする。
この発明の請求項11にかかる回転位置角推定方法は、請求項10記載の回転位置角推定方法であって、前記位相(θih)は、前記高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)の前記固定座標系での位相から90°を差し引いた値である。
この発明の請求項12にかかる回転位置角推定方法は、請求項10または請求項11記載の回転位置角推定方法であって、前記第2の高周波成分の前記q軸方向への第1成分(iqh)と、前記第2の高周波成分の前記d軸方向への第2成分(idh)とを予め求め、前記第1成分の振幅(|iqh|)に対する前記第2成分の振幅(|idh|)の振幅比を求め、前記振幅比が所定値よりも大きい時の第1の位相領域(S1)と、前記振幅比が前記所定値よりも小さい時の第2の位相領域(S2)とを求め、前記位相が前記第1の位相領域内にある時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角とし、前記位相が前記第2の位相領域内にある時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする。
この発明の請求項13にかかる回転位置角推定方法は、請求項12記載の回転位置角推定方法であって、前記第2の高周波成分の前記q軸方向への第1成分(iqh)と、前記第2の高周波成分の前記d軸方向への第2成分(idh)は、前記モータの突極比及び前記高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)から求める。
この発明の請求項14にかかる回転位置角推定方法は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法であって、前記ステップ(c)において、前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸に直交するd軸方向への成分(idh)を求め、これらに基づいて第1の回転位置角候補(θre,d)が求められ、前記モータのインダクタンスのうち、前記d軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸方向への成分(iqh)を求め、これらに基づいて第2の回転位置角候補(θre,q)が求められ、予め求められた前記回転位置角(θre1)と前記第1の回転位置角候補との差の絶対値を、第1誤差(ε)として求め、前記予め求められた前記回転位置角と前記第2の回転位置角候補との差の絶対値を、第2誤差(ε)として求め、前記第1誤差が前記第2誤差よりも小さい時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角とし、前記第1誤差が前記第2誤差よりも大きい時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする。
この発明の請求項15にかかる回転位置角推定方法は、突極性を有するモータの回転位置角(θre)を推定する方法であって、(a)電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)と、前記電圧指令値よりも大きな角周波数(ω)を有する高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)とを重畳して、第2の電圧指令値(v* α,v* β)を得るステップと、(b)前記第2の電圧指令値に基づいてインバータ(5)から前記モータに入力される電圧(v,v,v)及び電流(i,i,i)を、固定座標系で求めるステップと、(c)前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)とに基づいて、前記回転位置角を求めるステップとを備え、前記ステップ(c)では、(c−1)前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンス(L;L)とに基づいて磁束鎖交数(λd,α,λd,β;λq,α,λq,β)を求めるステップと、(c−2)前記磁束鎖交数を前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β;λq,h,α,λq,h,β)を求めるステップと、(c−3)前記第1の高周波成分から多値で求まる前記回転位置角(θre)を、予め求められた前記回転位置角(θre1)に基づいて一つ選定するステップとを行う。
この発明の請求項16にかかる回転位置角推定方法は、請求項15記載の回転位置角推定方法であって、前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて前記回転位置角(θre)を求める。
この発明の請求項17にかかる回転位置角推定方法は、請求項15記載の回転位置角推定方法であって、前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のd軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて前記回転位置角(θre)を求める。
この発明の請求項18にかかる回転位置角推定方法は、請求項15乃至請求項17のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法であって、前記ステップ(c)において、前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて第1の回転位置角候補(θre,d)が求められ、前記モータのインダクタンスのうち、前記d軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸方向への成分(iqh)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて第2の回転位置角候補(θre,q)が求められ、前記モータのインダクタンスのうち前記d軸方向への成分を採用して得られた前記第1の高周波成分の振幅(|λq,h|)に対する、前記モータのインダクタンスのうち前記q軸方向への成分を採用して得られた前記第1の高周波成分の振幅(|λd,h|)の比である振幅比(γ1)を求め、前記振幅比が所定値(J1)よりも大きい時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角(θre)とし、前記振幅比が前記所定値よりも小さい時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする。
この発明の請求項19にかかる回転位置角推定方法は、請求項15乃至請求項17のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法であって、前記ステップ(c)において、前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて第1の回転位置角候補(θre,d)が求められ、前記モータのインダクタンスのうち、前記d軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて第2の回転位置角候補(θre,q)が求められ、前記第2の高周波成分の前記固定座標系での位相(θih)に基づいて、前記第1の回転位置角候補及び前記第2の回転位置角候補のどちらか一方を選択して、前記回転位置角とする。
この発明の請求項20にかかる回転位置角推定方法は、請求項19記載の回転位置角推定方法であって、前記位相(θih)は、前記高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)の前記固定座標系での位相から90°を差し引いた値である。
この発明の請求項21にかかる回転位置角推定方法は、請求項19または請求項20記載の回転位置角推定方法であって、前記第2の高周波成分の前記q軸方向への第1成分(iqh)と、前記第2の高周波成分の前記d軸方向への第2成分(idh)とを予め求め、前記第1成分の振幅(|iqh|)に対する前記第2成分の振幅(|idh|)の振幅比を求め、前記振幅比が所定値よりも大きい時の第1の位相領域(S1)と、前記振幅比が前記所定値よりも小さい時の第2の位相領域(S2)とを求め、前記位相が前記第1の位相領域内にある時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角とし、前記位相が前記第2の位相領域内にある時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする。
この発明の請求項22にかかる回転位置角推定方法は、請求項21記載の回転位置角推定方法であって、前記第2の高周波成分の前記q軸方向への第1成分(iqh)と、前記第2の高周波成分の前記d軸方向への第2成分(idh)は、前記モータの突極比及び前記高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)から求める。
この発明の請求項23にかかる回転位置角推定方法は、請求項15乃至請求項17のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法であって、前記ステップ(c)において、前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて第1の回転位置角候補(θre,d)が求められ、前記モータのインダクタンスのうち、前記d軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角とに基づいて第2の回転位置角候補(θre,q)が求められ、前記予め求められた前記回転位置角と前記第1の回転位置角候補との差の絶対値を、第1誤差(ε)として求め、前記予め求められた前記回転位置角と前記第2の回転位置角候補との差の絶対値を、第2誤差(ε)として求め、前記第1誤差が前記第2誤差よりも小さい時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角とし、前記第1誤差が前記第2誤差よりも大きい時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする。
この発明の請求項24にかかるモータの制御方法は、請求項1乃至請求項23のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法を用いて得られた前記回転位置角(θre)に基づいて、前記電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)が求められる。
この発明の請求項25にかかる回転位置角推定装置は、回転位置角推定部(1a;1b;2a;2b)と、高周波電圧発生部(3)と、電流制御部(4)と、加算器(34)と、インバータ(5)と、相変換部(6)とを備え、前記電流制御部は電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)を発生し、前記高周波電圧発生部は前記電圧指令値よりも大きな角周波数(ω)を有する高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)を発生し、前記加算器は、前記高周波電圧の指令値と前記電圧指令値とを重畳し、これを第2の電圧指令値(v* α,v* β)として出力し、前記相変換部は、第2の電圧指令値に基づいてインバータ(5)から前記モータに入力される電圧(v,v,v)及び電流(i,i,i)を、固定座標系で求め、前記回転位置角推定部は、前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)とに基づいて、前記モータの回転位置角(θre)を求め、前記回転位置角推定部は、前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンス(L;L)とに基づいて磁束鎖交数(λd,α,λd,β;λq,α,λq,β)を求める第1の演算部(11;21)と、前記磁束鎖交数を前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β;λq,h,α,λq,h,β)を求めるバンドパスフィルタ(12;22)と、前記角周波数近傍の角周波数を有する第2の高周波成分(idh;iqh)を求める第2の演算部(15;16;25;26)と、前記第1の高周波成分と前記第2の高周波成分から前記回転位置角(θre)を求める第3の演算部(13;23)とを有する。
この発明の請求項26にかかる回転位置角推定装置は、請求項25記載の回転位置角推定装置であって、前記第2の演算部(15;25)は、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)を、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標に変換する変換部(151;251)と、前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、前記第2の高周波成分(idh;iqh)を求めるバンドパスフィルタ(152;252)とを備える。
この発明の請求項27にかかる回転位置角推定装置は、請求項25記載の回転位置角推定装置であって、前記第2の演算部(16;26)は、前記高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)の位相(θ)に基づいて前記第2の高周波成分(idh;iqh)を求める。
この発明の請求項28にかかる回転位置角推定装置は、請求項25乃至請求項27のいずれか一つに記載の回転位置角推定装置であって、前記第3の演算部(13;23)は、前記第2の高周波成分(idh;iqh)の符号に基づいて前記回転位置角(θre)を選定する選定部(134;234)を更に含む。
この発明の請求項29にかかる回転位置角推定装置は、請求項25乃至請求項28のいずれか一つに記載の回転位置角推定装置であって、前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記回転座標のd軸への成分(idh)を求め、これらに基づいて前記回転位置角(θre)を求める。
この発明の請求項30にかかる回転位置角推定装置は、請求項25乃至請求項28のいずれか一つに記載の回転位置角推定装置であって、前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のd軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記回転座標のq軸への成分(iqh)を求め、これらに基づいて前記回転位置角(θre)を求める。
この発明の請求項31にかかる回転位置角推定装置は、第1の回転位置角推定部(1a;1b)と、第2の回転位置角推定部(2a;2b)と、高周波電圧発生部(3)と、電流制御部(4)と、加算器(34)と、インバータ(5)と、相変換部(6)と、選択部(81)とを備え、前記電流制御部は電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)を発生し、前記高周波電圧発生部は前記電圧指令値よりも大きな角周波数(ω)を有する高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)を発生し、前記加算器は、前記高周波電圧の指令値と前記電圧指令値とを重畳し、これを第2の電圧指令値(v* α,v* β)として出力し、前記相変換部は、第2の電圧指令値に基づいてインバータ(5)から前記モータに入力される電圧(v,v,v)及び電流(i,i,i)を、固定座標系で求め、前記第1の回転位置角推定部は、前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンスのうち、回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)とに基づいて第1の磁束鎖交数(λd,α,λd,β)を求める第1の演算部(11)と、前記第1の磁束鎖交数を前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、前記第1の磁束鎖交数の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求めるバンドパスフィルタ(12)と、前記角周波数近傍の角周波数を有する第2の高周波成分として、前記q軸方向に直交するd軸方向への第1成分(idh)を求める第2の演算部(15;16)と、前記第1の磁束鎖交数の前記高周波成分と、前記第2の高周波成分の前記第1成分とに基づいて第1の回転位置角候補(θre,d)を求める第3の演算部(13)とを有し、前記第2の回転位置角推定部は、前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンスのうち前記d軸方向への成分(L)とに基づいて第2の磁束鎖交数(λq,α,λq,β)を求める第4の演算部(21)と、前記磁束鎖交数を前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、前記第2の磁束鎖交数の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求めるバンドパスフィルタ(22)と、前記角周波数近傍の角周波数を有する第2の高周波成分として、前記q軸方向への第2成分(iqh)を求める第5の演算部(25;26)と、前記第2の磁束鎖交数の前記高周波成分と、前記第2の高周波成分の前記第2成分とに基づいて第2の回転位置角候補(θre,q)を求める第6の演算部(23)と
を有し、前記選択部は、前記第1の回転位置角候補及び前記第2の回転位置角候補のいずれか一方を、前記回転位置角として選択する。
この発明の請求項32にかかる回転位置角推定装置は、回転位置角推定部(1a;1b;2a;2b)と、高周波電圧発生部(3)と、電流制御部(4)と、加算器(34)と、インバータ(5)と、相変換部(6)とを備え、前記電流制御部は電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)を発生し、前記高周波電圧発生部は前記電圧指令値よりも大きな角周波数(ω)を有する高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)を発生し、前記加算器は、前記高周波電圧の指令値と前記電圧指令値とを重畳し、これを第2の電圧指令値(v* α,v* β)として出力し、前記相変換部は、第2の電圧指令値に基づいてインバータ(5)から前記モータに入力される電圧(v,v,v)及び電流(i,i,i)を、固定座標系で求め、前記回転位置角推定部は、前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)とに基づいて、前記モータの回転位置角(θre)を求め、前記回転位置角推定部は、前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンス(L;L)とに基づいて磁束鎖交数(λd,α,λd,β;λq,α,λq,β)を求める第1の演算部(11;21)と、前記磁束鎖交数を前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β;λq,h,α,λq,h,β)を求めるバンドパスフィルタ(12;22)と、予め求められた前記回転位置角(θre1)が与えられ、前記第1の高周波成分から多値で求まる前記回転位置角(θre)を、前記予め求められた前記回転位置角に基づいて一つ選定する第2の演算部(17;27)とを有する。
この発明の請求項33にかかる回転位置角推定装置は、請求項32記載の回転位置角推定装置であって、前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて前記回転位置角(θre)を求める。
この発明の請求項34にかかる回転位置角推定装置は、請求項32記載の回転位置角推定装置であって、前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のd軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて前記回転位置角(θre)を求める。
この発明の請求項35にかかる回転位置角推定装置は、第1の回転位置角推定部(1a;1b)と、第2の回転位置角推定部(2a;2b)と、高周波電圧発生部(3)と、電流制御部(4)と、加算器(34)と、インバータ(5)と、相変換部(6)と、選択部(81)とを備え、前記電流制御部は電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)を発生し、前記高周波電圧発生部は前記電圧指令値よりも大きな角周波数(ω)を有する高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)を発生し、前記加算器は、前記高周波電圧の指令値と前記電圧指令値とを重畳して、これを第2の電圧指令値(v* α,v* β)として出力し、前記相変換部は、第2の電圧指令値に基づいてインバータ(5)から前記モータに入力される電圧(v,v,v)及び電流(i,i,i)を、固定座標系で求め、前記第1の回転位置角推定部は、前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンスのうち、回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)とに基づいて第1の磁束鎖交数(λd,α,λd,β)を求める第1の演算部(11)と、前記第1の磁束鎖交数を前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、前記第1の磁束鎖交数の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求めるバンドパスフィルタ(12)と、予め求められた前記回転位置角(θre1)が与えられ、前記第1の高周波成分から多値で求まる前記回転位置角(θre)を、前記予め求められた前記回転位置角に基づいて一つ選定する第2の演算部(17)とを有し、前記第2の回転位置角推定部は、前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンスのうち前記d軸方向への成分(L)とに基づいて第2の磁束鎖交数(λq,α,λq,β)を求める第3の演算部(21)と、前記磁束鎖交数を前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、前記第2の磁束鎖交数の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求めるバンドパスフィルタ(22)と、前記予め求められた前記回転位置角(θre1)が与えられ、前記第1の高周波成分から多値で求まる前記回転位置角(θre)を、前記予め求められた前記回転位置角に基づいて一つ選定する第4の演算部(27)とを有し、前記選択部は、前記第1の回転位置角候補及び前記第2の回転位置角候補のいずれか一方を、前記回転位置角として選択する。
この発明の請求項36にかかる回転位置角推定装置は、請求項31または請求項35記載の回転位置角推定装置であって、前記選択部(81)は、第1の振幅計算部(811a)と、第2の振幅計算部(811b)と、振幅比計算部(812)と、判定部(813)とを有し、前記第1の振幅計算部は、前記第1の磁束鎖交数の前記高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)が与えられて、前記第1の磁束鎖交数の前記高周波成分の第1振幅(|λd,h|)を求め、前記第2の振幅計算部は、前記第2の磁束鎖交数の前記高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)が与えられて、前記第2の磁束鎖交数の前記高周波成分の第2振幅(|λq,h|)を求め、前記振幅比計算部は、前記第2振幅に対する前記第1振幅の振幅比(γ1)を求め、前記判定部は、前記第1の回転位置角候補(θre,d)及び前記第2の回転位置角候補(θre,q)が与えられ、前記振幅比が所定値(J1)よりも大きい時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角とし、前記振幅比が前記所定値よりも小さい時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする。
この発明の請求項37にかかる回転位置角推定装置は、請求項31記載の回転位置角推定装置であって、前記選択部(81)は、第1の振幅計算部(814a)と、第2の振幅計算部(814b)と、振幅比計算部(815)と、判定部(816)とを有し、前記第1の振幅計算部は、前記第2の高周波成分の前記第1成分(idh)が与えられ、前記第1成分の第1振幅(|idh|)を求め、前記第2の振幅計算部は、前記第2の高周波成分の前記第2成分(iqh)が与えられ、前記第2成分の第2振幅(|iqh|)を求め、前記振幅比計算部は、前記第2振幅に対する前記第1振幅の振幅比(γ2)を求め、前記判定部は、前記第1の回転位置角候補(θre,d)及び前記第2の回転位置角候補(θre,q)が与えられ、前記振幅比が所定値(J2)よりも大きい時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角とし、前記振幅比が前記所定値よりも小さい時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする。
この発明の請求項38にかかる回転位置角推定装置は、請求項37記載の回転位置角推定装置であって、前記所定値は、前記モータのインダクタンスの前記d軸方向への成分(L)に対する前記q軸方向への成分(L)の比である。
この発明の請求項39にかかる回転位置角推定装置は、請求項31または請求項35記載の回転位置角推定装置であって、前記選択部(81)は、位相計算部(817)と、判定部(818)とを有し、前記位相計算部は、前記第2の高周波成分の前記固定座標系での位相(θih)を求め、前記判定部は、前記第1の回転位置角候補(θre,d)及び前記第2の回転位置角候補(θre,q)が与えられ、前記位相の値に従って、前記第1の回転位置角候補及び前記第2の回転位置角候補のどちらか一方を前記回転位置角とする。
この発明の請求項40にかかる回転位置角推定装置は、請求項39記載の回転位置角推定装置であって、前記位相(θih)は、前記高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)の前記固定座標系での位相から90°を差し引いた値である。
この発明の請求項41にかかる回転位置角推定装置は、請求項39または請求項40記載の回転位置角推定装置であって、前記判定部(818)は、前記位相(θih)が第1の位相領域(S1)内にある時には、前記第1の回転位置角候補(θre,d)を前記回転位置角(θre)とし、前記位相が前記第2の位相領域(S2)内にある時には、前記第2の回転位置角候補(θre,q)を前記回転位置角とし、前記第1の位相領域は、振幅比が所定値よりも大きく、前記第2の位相領域は、前記振幅比が前記所定値よりも小さく、前記振幅比は、前記第2の高周波成分の前記q軸方向への第1成分(iqh)の振幅(|iqh|)に対する、前記第2の高周波成分の前記d軸方向への第2成分(idh)の振幅(|idh|)の比である。
この発明の請求項42にかかる回転位置角推定装置は、請求項41記載の回転位置角推定装置であって、前記第2の高周波成分の前記q軸方向への第1成分(iqh)及び前記第2の高周波成分の前記d軸方向への第2成分(idh)には、前記モータの突極比及び前記高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)から求まる電流の前記q軸方向の成分及び前記d軸方向の成分がそれぞれ採用される。
この発明の請求項43にかかる回転位置角推定装置は、請求項31または請求項35記載の回転位置角推定装置であって、前記選択部(81)は、記憶部(819)と、第1の誤差計算部(820a)と、第2の誤差計算部(820b)と、判定部(821)とを有し、前記記憶部は、予め求められた回転位置角(θre1)を記憶し、前記第1の誤差計算部は、前記第1の回転位置角候補(θre,d)及び前記予め求められた前記回転位置角が与えられ、前記回転位置角と前記第1の回転位置角候補との差の絶対値を第1誤差(ε)として求め、前記第2の誤差計算部は、前記第2の回転位置角候補(θre,q)及び前記予め求められた前記回転位置角が与えられ、前記回転位置角と前記第2の回転位置角候補との差の絶対値を第2誤差(ε)として求め、前記判定部は、前記第1の回転位置角候補(θre,d)及び前記第2の回転位置角候補(θre,q)が与えられ、前記第1誤差が前記第2誤差よりも小さい時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角(θre)とし、前記第1誤差が前記第2誤差よりも大きい時には、前記第2の回転位置角を前記回転位置角とする。
この発明の請求項44にかかるモータの制御装置は、請求項25乃至請求項43のいずれか一つに記載の回転位置角推定装置を用いて得られた前記回転位置角(θre)に基づいて、前記電流制御部(4)が前記電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)を発生する。
この発明の請求項1または請求項15にかかる回転位置角推定方法もしくは請求項25または請求項32にかかる回転位置角推定装置によれば、突極性を有するモータが低速度で回転する領域においても、誤差を小さくして回転位置角を推定することができる。
この発明の請求項2にかかる回転位置角推定方法もしくは請求項26にかかる回転位置角推定装置によれば、固定座標系で求めた電流から、高周波電圧の指令値が有する角周波数近傍の角周波数を持つ第2の高周波成分を求めることができるので、請求項1にかかる回転位置角推定方法もしくは請求項25にかかる回転位置角推定装置として採用することができる。
この発明の請求項3にかかる回転位置角推定方法もしくは請求項27にかかる回転位置角推定装置によれば、高周波電圧の指令値の位相に基づいて、高周波電圧の指令値が有する角周波数近傍の角周波数を持つ第2の高周波成分を求めることができるので、請求項1にかかる回転位置角推定方法もしくは請求項25にかかる回転位置角推定装置として採用することができる。しかも、電流を座標変換して濾波する方法もしくは手段を必要としないため、演算の高速化やコストの低減が可能となる。
この発明の請求項4にかかる回転位置角推定方法もしくは請求項28にかかる回転位置角推定装置によれば、第1の高周波成分と第2の高周波成分から回転位置角を求めることができるので、請求項1乃至請求項3のいずれか一つにかかる回転位置角推定方法もしくは請求項25乃至請求項27のいずれか一つにかかる回転位置角推定装置として採用することができる。
この発明の請求項5または請求項16にかかる回転位置角推定方法もしくは請求項29または請求項33にかかる回転位置角推定装置によれば、インダクタンスのd軸成分を採用して求めた第1の高周波成分と、第2の高周波成分のq軸成分とに基づいて回転位置角を求める場合において、例えば第2の高周波成分のq軸成分が小さくなって回転位置角の誤差が大きくなる場合であっても、第2の高周波成分のd軸成分が小さくない場合には、誤差の小さい回転位置角を推定することができる。
この発明の請求項6または請求項17にかかる回転位置角推定方法もしくは請求項30または請求項34にかかる回転位置角推定装置によれば、インダクタンスのq軸成分を採用して求めた第1の高周波成分と、第2の高周波成分のd軸成分とに基づいて回転位置角を求める場合において、例えば第2の高周波成分のd軸成分が小さくなって回転位置角の誤差が大きくなる場合であっても、第2の高周波成分のq軸成分が小さくない場合には、誤差の小さい回転位置角を推定することができる。
この発明の請求項7乃至請求項14及び請求項18乃至請求項23のいずれか一つにかかる回転位置角推定方法若しくは請求項31及び請求項35乃至請求項43のいずれか一つにかかる回転位置角推定装置によれば、第1の回転位置角候補及び第2の回転位置角候補のいずれか一方において誤差が大きくなる場合であっても、他方が回転位置角として採用される。よって、いずれの場合においても誤差の小さい回転位置角を推定することができる。
この発明の請求項24にかかるモータの制御方法もしくは請求項44にかかるモータの制御装置によれば、請求項1乃至請求項23にかかる回転位置角推定方法もしくは請求項25乃至請求項43にかかる回転位置角推定装置を用いて得られた回転位置角に基づいて、電圧指令値を得るので、突極性を有するモータが低速度で回転する領域においても当該モータを制御することができる。
第1の実施の形態.
図1は、本実施の形態にかかる回転位置角推定装置A1を概念的に示すブロック図である。回転位置角推定装置A1は、回転位置角推定部1a、突極モータ2、高周波電圧発生部3、電流制御部4、インバータ5、3/2相変換部6、スイッチング部72、初期位置検出部8、速度制御部31、回転速度計算部32、回転座標変換部33及び加算器34を備える。
電流制御部4は、電圧指令値v* 1,α,v* 1,βを発生させる。電圧指令値v* 1,α,v* 1,βは、電圧指令値のα軸成分及びβ軸成分をそれぞれ表す。電圧指令値v* 1,α,v* 1,βは、突極モータ2の回転速度mと極対数nとの積で表される駆動電源角周波数を有する。
高周波電圧発生部3は、入力される位相θに従って高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βを発生させる。高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βは、高周波電圧指令値のα軸成分及びβ軸成分をそれぞれ表す。高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βは、位相θの時間微分である角周波数ωを有する。
加算器34は、電圧指令値v* 1,α,v* 1,βに、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βを重畳する。そして、重畳された電圧指令値v* α,v* βをインバータ5へと入力する。
電圧指令値v* α,v* βは駆動電源角周波数と角周波数ωとを含む。このとき、角周波数ωを駆動電源角周波数よりも大きく設定することで、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βが突極モータ2の動作にほとんど影響しなくなる。よって、電圧指令値v* 1,α,v* 1,βの振幅が小さい場合であっても、高周波電圧指令値のv* h,α,v* h,βの振幅を大きく設定することで、突極モータ2の動作に影響を与えずに端子電圧レベルを高めることができる。
また、後述するBPF部12,152において角周波数ω近傍の成分だけを容易に取り出すためには、駆動電源角周波数と角周波数ωにできるだけ大きな角周波数差を設定することが望ましい。そこで、高周波電圧指令値の角周波数ωには、ω≧10n・mを満たす値を採用することが望ましい。
インバータ5は、3/2相変換要素51とPWM(Pulse Width Modulation)部52、インバータ回路53とを含む。入力された電圧指令値v* α,v* βが、まず3/2相変換要素51において式(5)によって2相から3相へ変換される。ここでxは2相電圧の指令値(v* α,v* βであり、xは3相電圧の指令値(v* ,v* ,v* である。上付きtは転置行列もしくは転置ベクトルであることを表す。そして、3相電圧指令値v* ,v* ,v* はPWM部52に与えられる。
Figure 2005160287
PWM部52は、3相電圧指令値v* ,v* ,v* のパルス幅をそれぞれ変調して、それらをインバータ回路53に与える。インバータ回路53は、パルス幅が変調された3相電圧指令値v* ,v* ,v* に基づいて3相電圧v,v,vを発生させて、突極モータ2へと3相電流i,i,iを供給する。
3/2相変換部6は、3/2相変換要素61,62を含む。3/2相変換要素61には、インバータ5から検出した3相電圧v,v,vが与えられる。3相電圧v,v,vは、インバータ5から直接に測定して得ることができる。このとき、3相電圧のうち2相分だけを検出し、残りの1相分の電圧を計算で求めても良い。また、インバータ回路53の直流部電圧とPWMパターンから演算して3相電圧v,v,vを求めてもよいし、ハードウェアにより相電圧あるいは相関電圧を検出してもよい。
3/2相変換要素62には、インバータ5から検出した3相電流i,i,iが与えられる。3相電流i,i,iは、例えばインバータ5から直接に測定して得られる。
3/2相変換要素61は、電圧3相電圧v,v,vを固定座標系での2相電圧vα,vβへと変換する。3/2相変換要素62は、3相電流i,i,iを固定座標系での2相電流iα,iβへと変換する。3相から2相への変換は、式(6)により行われる。このとき、yは2相電圧(vα,vβもしくは2相電流(iα,iβであり、yは3相電圧(v,v,vもしくは3相電流(i,i,iである。そして、2相電圧vα,vβ及び2相電流iα,iβは、回転位置角推定部1aに与えられる。
Figure 2005160287
回転位置角推定部1aは、λ演算部11、位置角演算部13,14、BPF(Band Pass Filter)部12、識別信号発生部15及びスイッチング部71を有する。そして、回転位置角推定部1aに与えられた2相電圧vα,vβ及び2相電流iα,iβは、λ演算部11に与えられる。
スイッチング部71は、入力端子71a,71bと出力端子71cを有する。そして、突極モータ2の回転速度mが小さい場合には、スイッチング部71は入力端子71a側にスイッチして、位置角演算部13と接続する。また、回転速度mが大きい場合には、スイッチング部71は入力端子71b側にスイッチして、位置角演算部14と接続する。例えば、回転速度mの最大値が120(rps)の突極モータの場合には、所定値15(rps)を境にして入力端子71a,71b間で切り換えが行われる。
まず、回転速度mが小さくて、スイッチング部71が入力端子71aにスイッチしている場合を説明する。
λ演算部11は、2相電圧vα,vβ、2相電流iα,iβ及びq軸インダクタンスLに基づいて、式(3)により磁束鎖交数λd,α,λd,βを求め、これをBPF部12に与える。
BPF部12は、磁束鎖交数λd,α,λd,βを角周波数ωの近傍で濾波して、高周波成分λd,h,α,λd,h,βを抽出する。これに伴って、式(2)から高周波成分を取り出すことで式(7)が得られる。ここで、電流idhは、後述する識別信号発生部15で求められるd軸電流の高周波成分である。抽出された高周波成分λd,h,α,λd,h,βは、位置角演算部13に与えられる。
Figure 2005160287
識別信号発生部15は、d軸電流演算部151とBPF部152を含む。そして、2相電流iα,iβは、d軸電流演算部151にも与えられる。d軸電流演算部151は、式(8)に従って2相電流iα,iβを回転角θに基づいて回転する回転座標に変換して、d軸電流iを求める。d軸電流iはBPF部152へ与えられる。
Figure 2005160287
式(8)中の座標回転角θには、d軸電流演算部151での最初の演算では、初期位置検出部8で検出される初期回転位置角θre0が採用される。初期位置検出部8での初期位置の検出方法は、例えば非特許文献3に紹介されている。また、その後の演算では、前回推定された回転位置角θreが採用される。以下では、前回推定された回転位置角回転位置角θreを符号回転位置角θre1で表す。回転位置角θreの変化は、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βの角周波数ωに比べて小さいので、前回推定された回転位置角θre1を採用してもその影響は小さい。
BPF部152は、d軸電流iを角周波数ωの近傍で濾波して高周波成分idhを求める。そして、高周波成分idhは位置角演算部13に与えられる。
図2は、位置角演算部13を概念的に示すブロック図である。位置角演算部13は、逆正接部131、演算部132、k発生部133及び選定部134を有する。
逆正接部131は、高周波成分λd,h,α,λd,h,βが与えられ、式(9)に従って(λd,h,β/λd,h,α)の逆正接を求める。このとき、角度θ* reは、−π/2から+π/2の範囲に限定される。そして、角度θ* reは選定部134に与えられる。
Figure 2005160287
演算部132は、高周波成分idh、d軸インダクタンスL及びq軸インダクタンスLが与えられる。そして、(L−L)・idhを演算して、その結果をk発生部133に与える。
k発生部133は、係数k,kを次の条件で発生させる。つまり、(L−L)・idh>0ならば(k,k)=(0,1)、(L−L)・idh<0ならば(k,k)=(1,0)である。そして、係数k,kは選定部134に与えられる。
選定部134は、λd,h,α>0ならば回転位置角θreをθre=θ* re+k・πで求め、λd,h,α<0ならば回転位置角θreをθre=θ* re+k・πで求める。d軸インダクタンスL及びq軸インダクタンスLの大小関係を定める突極性は突極モータ2に固有であるので、この内容は、高周波成分idhの符号に基づいて回転位置角θreを選定すると把握できる。そして、回転位置角θre(−π/2≦θre<+3/2π)は、スイッチング71を介して出力される。
上述した内容においては、磁束鎖交数の高周波成分λd,h,α,λd,h,β及びd軸電流の高周波成分idhは、2相電圧vα,vβ及び2相電流iα,iβをBPF部12,152で濾波して、それらの高周波成分vh,α,vh,β,iαh,iβhを求めてから、λ演算部11及びd軸電流演算部151において求めてよい。
次に、回転速度mが大きくて、スイッチング部71が入力端子71bにスイッチしている場合を、次に説明する。
位置角演算部14は、λ演算部11から磁束鎖交数λd,α,λd,βが与えられ、式(4)に従って従来の方法を用いて回転位置角θreを推定する。そして、回転位置角θreは、スイッチング71を介して出力される。
突極モータ2の回転速度mの増加に従って、高周波電圧発生部3で発生される高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βの角周波数ωがω≧10n・mを満たすように増加できれば、回転位置角推定部1aから位置角推定部14を取り除いてもよい。この場合、回転位置角θreの推定が、回転速度mに依らずに位置角推定部13で行われる。
スイッチング72は、入力端子72a,72bと出力端子72cを有する。初期回転位置角θre0を検出する場合には、スイッチング部72は入力端子72a側にスイッチして、初期位置検出部8に接続する。また、回転位置角θreを推定する場合には、スイッチング部72は入力端子72b側にスイッチして、スイッチング部71の出力端子71cに接続する。そして、回転位置角推定部1aで推定された回転位置角θreもしくは初期位置検出部8で検出された初期回転位置角θre0は、回転速度計算部32、回転座標変換部33及びd軸電流演算部151へと与えられる。
回転速度計算部32は、前回推定された回転位置角θre1を記憶しつつ、新しく推定された回転位置角θreがスイッチング部72から与えられる。そして、式(10)により回転速度mが求められる。ここで、回転位置角推定が時間間隔Δt毎に行われているとする。求められた回転速度mは、速度制御部31へと与えられる。前回推定された回転位置角θre1は、例えば別途設けられた記憶部で記憶して、当該記憶部から与えられてもよい。
Figure 2005160287
速度制御部31は、回転速度の指令値m*及び回転速度mが与えられ、これらに基づいて電流の指令値i*を出力する。電流の指令値i*は、電流制御部4に与えられる。
回転座標変換部33は、前回推定された回転位置角θreを記憶しつつ、3/2相変換要素62から2相電流iα,iβが与えられる。そして、2相電流iα,iβを回転座標系での2相電流i,iへと変換する。回転座標は、固定座標に対して、前回推定された回転位置角θre1だけ回転している。そして、2相電流i,iは、電流制御部4へと与えられる。前回推定された回転位置角θre1は、例えば別途設けられた記憶部で記憶して、当該記憶部から与えられてもよい。
電流制御部4は、電流の指令値i*及び2相電流i,iに基づいて、回転座標系での電圧指令値v* 1,d,v* 1,qを新たに発生させる。そして、電流制御部4は、回転座標変換部を更に有し、電圧指令値v* 1,d,v* 1,qを固定座標系での電圧指令値v* 1,α,v* 1,βへと変換して出力する。これにより、突極モータ2の回転速度とトルクとが制御される。
電流制御部4が有する回転座標変換部は、例えばインバータ5内において、電流制御部4と3/2相変換要素51との間に設けられてもよい。この場合、電流制御部4からは、回転座標系での電圧指令値v* 1,d,v* 1,qが出力され、高周波電圧発生部3からは、回転座標系での高周波電圧指令値v* h,d,v* h,qが出力される。そして、加算器34で重畳された電圧指令値v* ,v* は、インバータ5内の回転座標変換部により固定座標系の電圧指令値v* α,v* βに変換されて、3/2相変換要素51へと与えられる。
本実施の形態の内容によれば、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βを重畳することを利用して突極モータ2の回転位置角θreを推定することができる。よって、突極モータ2が低速度で回転する領域においても、誤差を小さくして回転位置角θreを推定することができる。しかも、電圧検出用のトランスもしくはアイソレーションアンプ等を設ける必要がなくコストが低減される。
また、後述する第4の実施の形態で説明される回転位置角推定装置A2で推定される回転位置角θreが、例えばq軸電流iの高周波成分iqhが小さくなったために、その誤差が大きくなる場合であっても、d軸電流iの高周波成分idhが小さくない場合には、本実施の形態にかかる回転位置角推定装置A1により誤差の小さい回転位置角θreを推定することができる。
第2の実施の形態.
図3は、本実施の形態にかかる回転位置角推定装置B1を概念的に示すブロック図である。回転位置角推定装置B1は、図1で示される回転位置角推定部1aに替えて回転位置角推定部1bが採用される。回転位置角推定部1bは、回転位置角推定部1aに含まれる識別信号発生部15に替えて、識別信号発生部16を有する。図3に示される構成要素のうち図1で示される構成要素と同じものは、同符号が付されており、同じ動作を行う。
識別信号発生部16は、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βの位相θが与えられ、位相θに基づいて式(11)によりd軸電流iの高周波成分idhを求める。ここでλは、後述する磁束鎖交数の高周波成分の振幅を表し、高周波電圧発生部3において任意に設定することができる。式(11)中の位相θには、識別信号発生部16での最初の演算では、初期位置検出部8で検出される初期回転位置角θre0が採用される。その後の演算では、前回推定された回転位置角θre1が採用される。回転位置角θreの変化は、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βの角周波数ωに比べて小さいので、前回推定された回転位置角θre1を採用してもその影響は小さい。
Figure 2005160287
式(11)は、次にようにして導出される。式(1)で表される電圧方程式において、電圧降下項−R・iα,−R・iβを無視して、式(12)を得る。ここで、式(1)中の回転位置角θreには、位相θが用いられる。また、磁束鎖交数λα,λβは式(13)で表される。式(1)から式(12)を得る方法は、例えば非特許文献1に紹介されている。そして、式(12)の両辺に、(iα,iβにかかる行列の逆行列を左から作用させることで、2相電流iα,iβを表す式(14)が得られる。
Figure 2005160287
Figure 2005160287
Figure 2005160287
d軸電流iは、2相電流iα,iβを用いて、式(15)の第1式で表される。式(14)で表される2相電流iα,iβを式(15)の第1式に代入することで、式(15)の第2式が得られる。
Figure 2005160287
式(15)の第1式及び第2式から高周波成分を抽出すると、第1式に示される2相電流iα,iβからはその高周波成分ih,α,ih,βが、第2式に示される成分(λα−Kcosθre),(λβ−Ksinθre)からは磁束鎖交数λα,λβの高周波成分λh,α,λh,βが抽出される。すなわち、d軸電流iの高周波成分idhは、式(16)で表される。ここで、高周波成分λh,α,λh,βは、2相電圧vα,vβの高周波成分vh,α,vh,βを用いて式(17)で表される。
Figure 2005160287
Figure 2005160287
特に、高周波成分vh,α,vh,βとして式(18)で示される余弦波と正弦波を採用することで、式(16)と式(17)から式(11)が求められる。
Figure 2005160287
第1の実施の形態でも説明したように、λ演算部11に入力される2相電流iα,iβは、角周波数ωの高周波成分を含む。このため、式(1)で示されるp(L・iα),p(L・iβ)の項は、L・ω・iα,L・ω・iβを成分として含む。このとき、L・ωは、突極モータ2の誘導リアクタンスの高周波成分であって、突極モータ2の抵抗Rに比べて非常に大きくなる。よって、式(1)において、p(L・iα),p(L・iβ)に比べて、R・iα,R・iβの項を無視することができる。よって、本発明において、式(11)を適用してd軸電流の高周波成分idhを導出することは、特に望ましい。
本実施の形態の内容によれば、第1の実施の形態の識別信号発生部15に含まれるd軸電流演算部151やBPF部152が必要でなくなり、d軸電流iの高周波成分idhを発生させる演算が簡単化される。よって、第1の実施の形態で得られる効果に加えて、演算の高速化やコストの更なる低減が可能となる。
第3の実施の形態.
図4は、本実施の形態にかかる回転位置角推定装置D1を概念的に示すブロック図である。回転位置角推定装置D1は、図1で示される回転位置角推定部1aに替えて回転位置角推定部1dが採用される。回転位置角推定部1dは、回転位置角推定部1aに含まれる位置角演算部13に替えて、位置角演算部17を有する。図4に示される構成要素のうち図1で示される構成要素と同じものは、同符号が付されており、同じ動作を行う。
位置角演算部17は、BPF部12で抽出された高周波成分λd,h,α,λd,h,βと、前回推定された回転位置角θre1とが与えられる。
図5は、位置角演算部17を概念的に示すブロック図である。位置角演算部17は、逆正接部171及び選定部172を有する。
逆正接部171は、高周波成分λd,h,α,λd,h,βが与えられ、式(9)に従って(λd,h,β/λd,h,α)の逆正接を求める。このとき、角度θ* reは、−π/2から+π/2の範囲に限定される。そして、角度θ* reは選定部172に与えられる。
選定部172は、図6で示されるフローチャートに従って、回転位置角θreを選定する。逆正接部171で求められた角度θ* reは、ステップ101で用いられる。角度θ* reが前回推定された回転位置角θre1よりも大きい場合には、ステップ102において角度θ* reから回転位置角θre1を差し引くことで差分Δθが求められる。また、角度θ* reが回転位置角θre1よりも小さい場合には、ステップ103において回転位置角θre1から角度θ* reを差し引くことで差分Δθが求められる。
ステップ104において差分Δθがπよりも大きいと判断された場合には、ステップ105において2πから差分Δθを差し引いた値を、新たな差分Δθとして更新する。また、ステップ104において差分Δθがπよりも小さいと判断された場合には、差分Δθは更新されない。
選定部172に与えられた角度θ* reは、ステップ106でも用いられる。角度(θ* re+π)が前回推定された回転位置角θre1よりも大きい場合には、ステップ107において角度(θ* re+π)から回転位置角θre1を差し引くことで差分Δθが求められる。また、角度(θ* re+π)が回転位置角θre1よりも小さい場合には、ステップ108において回転位置角θre1から角度(θ* re+π)を差し引くことで差分Δθが求められる。
ステップ109において差分Δθがπよりも大きいと判断された場合には、ステップ110において2πから差分Δθを差し引いた値を、新たな差分Δθとして更新する。また、ステップ109において差分Δθがπよりも小さいと判断された場合には、差分Δθは更新されない。
ステップ111において差分Δθが差分Δθよりも大きいと判断された場合には、ステップ112において回転位置角θreとして角度(θ* re+π)を採用する。また、ステップ111において差分Δθが差分Δθよりも小さいと判断された場合には、回転位置角θreとして角度θ* reを採用する。そして、回転位置角θreは位置角演算部17から出力される。このとき、回転位置角θreは−π/2から3π/2の範囲で求められる。
上述した内容は、−π/2から3π/2の範囲において多値で求まる回転位置角θreを、前回推定された回転位置角θre1に基づいて一つ選定すると把握することができる。
上述した回転位置角推定装置D1によれば、第1の実施の形態で説明した効果が得られる。しかも、電流iの高周波成分idhを求める必要がなくなるので、回転位置角θreの演算が簡単化され、かつ高周波成分idhに含まれる誤差の影響がなくなる。
第4の実施の形態.
図7は、本実施の形態にかかる回転位置角推定装置A2を概念的に示すブロック図である。回転位置角推定装置A2は、図1で示される回転位置角推定装置A1において回転位置角推定部1aに替えて回転位置角推定部2aを採用する。図7に示される構成要素のうち図1で示される構成要素と同じものは、同符号が付されており、同じ動作を行う。
回転位置角推定部2aは、λ演算部21、位置角演算部23,24、BPF部22、識別信号発生部25及びスイッチング部71を有する。
本実施の形態では、式(19)で表される電圧方程式が用いられる。式(19)は、式(1)を変形して得られる。ここで、iはq軸電流を表す。そして、式(19)について右辺第1項を左辺へ以降した後、両辺を積分することで、式(20)が得られる。ここで、λq,α,λq,βは、磁束鎖交数であって、式(21)で表される。
Figure 2005160287
Figure 2005160287
Figure 2005160287
スイッチング部71は、入力端子71a,71bと出力端子71cを有して、第1の実施の形態で説明されると同様に動作する。つまり、突極モータ2の回転速度mが小さい場合には、スイッチング部71は入力端子71a側にスイッチして、位置角演算部23と接続する。また、回転速度mが大きい場合には、スイッチング部71は入力端子71b側にスイッチして、位置角演算部24と接続する。
まず、回転速度mが小さくて、スイッチング部71が入力端子71aにスイッチしている場合を説明する。
λ演算部21は、2相電圧vα,vβ、2相電流iα,iβ及びd軸インダクタンスLに基づいて、式(21)に従って磁束鎖交数λq,α,λq,βを求めて、これをBPF部22に与える。
BPF部22は、磁束鎖交数λq,α,λq,βを角周波数ωの近傍で濾波して、高周波成分λq,h,α,λq,h,βを抽出する。これに伴って、式(20)から高周波成分を取り出すことで式(22)が得られる。ここで、電流iqhは、後述する識別信号発生部25で求められるq軸電流の高周波成分である。抽出された高周波成分λq,h,α,λq,h,βは位置角演算部23に与えられる。
Figure 2005160287
識別信号発生部25は、q軸電流演算部251とBPF部252を含む。そして、2相電流iα,iβは、q軸電流演算部251にも与えられる。q軸電流演算部251は、式(23)に従って2相電流iα,iβを回転座標変換して、q軸電流iを求める。q軸電流iはBPF部152へ与えられる。
Figure 2005160287
式(23)中の座標回転角θには、q軸電流演算部251での最初の演算では、初期位置検出部8で検出される初期回転位置角θre0が採用される。その後の演算では、前回推定された回転位置角θre1が採用される。回転位置角θreの変化は、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βの角周波数ωに比べて小さいので、前回推定された回転位置角θre1を採用してもその影響は小さい。
BPF部252は、q軸電流iを角周波数ωの近傍で濾波して高周波成分iqhを求める。そして、高周波成分iqhは位置角演算部23に与えられる。
図8は、位置角演算部23を概念的に示すブロック図である。位置角演算部23は、逆正接部231、演算部232、k発生部233及び選定部234を有する。
逆正接部231は、高周波成分λq,h,α,λq,h,βが与えられ、式(24)に従って(λq,h,β/λq,h,α)の逆正接を求める。このとき、角度(θ* re−π/2)は、−π/2から+π/2の範囲に限定される。そして、角度(θ* re−π/2)は選定部234に与えられる。
Figure 2005160287
演算部232は、高周波成分iqh、d軸インダクタンスL及びq軸インダクタンスLが与えられる。そして、(L−L)・iqhを演算して、その結果をk発生部233に与える。
k発生部233は、係数k,kを次の条件で発生させる。つまり、(L−L)・iqh>0ならば(k,k)=(0,1)、(L−L)・iqh<0ならば(k,k)=(1,0)である。そして、係数k,kは選定部234に与えられる。
選定部234は、λq,h,α>0ならば回転位置角θreをθre=θ* re+k・πで求め、λq,h,α<0ならば回転位置角θreをθre=θ* re+k・πで求める。突極性は突極モータ2に固有であるので、この内容は、高周波成分iqhの符号に基づいて回転位置角θreを選定すると把握できる。そして、回転位置角θre(0≦θre<+2π)は、スイッチング71を介して出力される。
上述した内容においては、磁束鎖交数の高周波成分λq,h,α,λq,h,β及びq軸電流の高周波成分iqhは、2相電圧vα,vβ及び2相電流iα,iβをBPF部22,252で濾波してから、λ演算部21及びq軸電流演算部251において求めてよい。
次に、回転速度mが大きくて、スイッチング部71が入力端子71bにスイッチしている場合を、次に説明する。
λ演算部21は、式(21)に従って磁束鎖交数λq,α,λq,βを求める。磁束鎖交数λq,α,λq,βは、位置角演算部24に与えられる。
位置角演算部24は、λ演算部21から磁束鎖交数λq,α,λq,βが与えられ、式(25)に従って回転位置角θreを推定する。式(25)は、式(20)を式(26)のように変形することで得ることができる。回転位置角θreは、スイッチング71を介して出力される。
Figure 2005160287
Figure 2005160287
すなわち位置角演算部24では、(λq,β/λq,α)の逆正接により得られる角度(θ* re+δ)を、−π/2から+π/2の範囲に限定して求める。また、位相δについては、(L−L)・i>0ならば−π/2<δ<0とし、(L−L)・i<0ならば0<δ<π/2として求める。そして、λq,α>0ならば回転位置角θreをθre=θ* reで求め、λq,α<0ならば回転位置角θreをθre=θ* re+πで求める。
突極モータ2の回転速度mの増加に従って、高周波電圧発生部3で発生される高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βの角周波数ωがω≧10n・mを満たすように増加できれば、回転位置角推定部2aから位置角推定部24を取り除いてもよい。
本実施の形態の内容によれば、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βを重畳することを利用して突極モータ2の回転位置角θreを推定することができる。よって、突極モータ2が低速度で回転する領域においても、誤差を小さくして回転位置角θreを推定することができる。しかも、電圧検出用のトランスもしくはアイソレーションアンプ等を設ける必要がなくコストが低減される。
また、上述した第1の実施の形態で説明される回転位置角推定装置A1で推定される回転位置角θreが、例えばd軸電流iの高周波成分idhが小さくなったために、その誤差が大きくなる場合であっても、q軸電流iの高周波成分iqhが小さくない場合には、本実施の形態にかかる回転位置角推定装置A2により誤差の小さい回転位置角θreを推定することができる。
第5の実施の形態.
図9は、本実施の形態にかかる回転位置角推定装置B2を概念的に示すブロック図である。回転位置角推定装置B2は、図7で示される回転位置角推定部2aに替えて回転位置角推定部2bが採用される。回転位置角推定部2bは、回転位置角推定部2aに含まれる識別信号発生部25に替えて、識別信号発生部26を有する。図9に示される構成要素のうち図7で示される構成要素と同じものは、同符号が付されており、同じ動作を行う。
識別信号発生部26は、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βの位相θが与えられ、式(27)に従ってq軸電流の高周波成分iqhを求める。式(27)中の位相θには、識別信号発生部26での最初の演算では、初期位置検出部8で検出される初期回転位置角θre0が採用される。その後の演算では、前回推定された回転位置角θre1が採用される。回転位置角θreの変化は、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βの角周波数ωに比べて小さいので、前回推定された回転位置角θre1を採用してもその影響は小さい。
Figure 2005160287
式(27)は、第2の実施の形態で説明したd軸電流と同様にして導出される。つまり、q軸電流iは、2相電流iα,iβを用いて、式(28)の第1式で表される。式(14)で表される2相電流iα,iβを式(28)の第1式に代入することで、式(28)の第2式が得られる。
Figure 2005160287
式(28)の第1式及び第2式から高周波成分を抽出すると、第1式に示される2相電流iα,iβからはその高周波成分ih,α,ih,βが、第2式に示される成分(λα−Kcosθre),(λβ−Ksinθre)からは磁束鎖交数λα,λβの高周波成分λh,α,λh,βが抽出される。よって、q軸電流iの高周波成分iqhは、式(29)で表される。そして、式(29)に、式(17)及び式(18)で表される高周波成分λh,α,λh,βを代入することで、式(27)が求められる。
Figure 2005160287
本実施の形態の内容によれば、第4の実施の形態の識別信号発生部25に含まれるq軸電流演算部251やBPF部252が必要でなくなり、q軸電流iの高周波成分iqhを発生させる演算が簡単化される。よって、第4の実施の形態で得られる効果に加えて、演算の高速化やコストの更なる低減が可能となる。
第6の実施の形態.
図10は、本実施の形態にかかる回転位置角推定装置D2を概念的に示すブロック図である。回転位置角推定装置D2は、図7で示される回転位置角推定部2aに替えて回転位置角推定部2dが採用される。回転位置角推定部2dは、回転位置角推定部2aに含まれる位置角演算部23に替えて、位置角演算部27を有する。図10に示される構成要素のうち図7で示される構成要素と同じものは、同符号が付されており、同じ動作を行う。
位置角演算部27は、BPF部22で抽出された高周波成分λq,h,α,λq,h,βと、前回推定された回転位置角θre1とが与えられる。
図11は、位置角演算部27を概念的に示すブロック図である。位置角演算部27は、逆正接部271及び選定部272を有する。
逆正接部271は、高周波成分λq,h,α,λq,h,βが与えられ、式(24)に従って(λq,h,β/λq,h,α)の逆正接を求める。このとき、角度(θ* re−π/2)は、−π/2から+π/2の範囲に限定される。すなわち、角度θ* reが0から+πの範囲に限定される。そして、角度θ* reは選定部272に与えられる。
選定部272は、図6で示されるフローチャートに従って、第3の実施の形態で説明したと同様にして回転位置角θreを選定する。そして、回転位置角θreは位置角演算部27から出力される。このとき、角度θ* reが0から+πの範囲で求められるので、回転位置角θreは0から+2πの範囲で求められる。
上述した内容は、0から2πの範囲において多値で求まる回転位置角θreを、前回推定された回転位置角θre1に基づいて一つ選定すると把握することができる。
上述した回転位置角推定装置D2によれば、第4の実施の形態で説明した効果が得られる。しかも、電流iの高周波成分iqhを求める必要がなくなるので、回転位置角θreの演算が簡単化され、かつ高周波成分iqhに含まれる誤差の影響がなくなる。
第7の実施の形態.
図12は、本実施の形態にかかる回転位置角推定装置Cを概念的に示すブロック図である。回転位置角推定装置Cは、回転位置角推定部1cと、第1の実施の形態で説明されると同様に動作する突極モータ2、高周波電圧発生部3、電流制御部4、インバータ5、3/2相変換部6、スイッチング部72、初期位置検出部8、速度制御部31、回転速度計算部32、回転座標変換部33及び加算器34とを備える。
回転位置角推定部1cは、回転位置角推定部1a、回転位置角推定部2a及び選択部81を有する。回転位置角推定部1aは、第1の実施の形態で説明されると同様にして回転位置角を推定して、これを回転位置角候補θre,dとして出力する。回転位置角推定部2aは、第4の実施の形態で説明されると同様にして回転位置角を推定して、これを回転位置角候補θre,qとして出力する。回転位置角候補θre,d,θre,qの各々は、選択部81に与えられる。
選択部81は、回転位置角候補θre,d,θre,qのいずれか一方を、回転位置角推定装置Cで推定される回転位置角θreとして選択する。回転速度mが大きくて、回転位置角推定部1a,2aの各々においてスイッチング部71が入力端子71b側にスイッチしている場合には、回転位置角候補θre,d,θre,qはいずれも誤差をほとんど含まないので、選択部81は回転位置角θreとしていずれを選んでもよい。もしくは、回転位置角推定部1a、2aのいずれか一方だけが位置角演算部14,24を含むとしてもよい。
回転速度mが小さくて、回転位置角推定部1a,2aの各々においてスイッチング部71が入力端子71a側にスイッチしている場合には、以下に示す方法で回転位置角候補θre,d,θre,qのいずれか一方が選択される。
図13は、選択部81を概念的に示すブロック図である。選択部81は、振幅計算部811a,811b、振幅比計算部812及び判定部813を有する。
振幅計算部811aは、回転位置角推定部1aで演算された磁束鎖交数λd,α,λd,βの高周波成分λd,h,α,λd,h,βが与えられ、式(30)に従って振幅|λd,h|を計算する。同様にして、振幅計算部811bは、回転位置角推定部2aから与えられた磁束鎖交数λq,α,λq,βの高周波成分λq,h,α,λq,h,βの振幅|λq,h|を、式(31)に従って計算する。振幅|λq,h|,|λd,h|の各々は、振幅計算部812に与えられる。
Figure 2005160287
Figure 2005160287
振幅比計算部812は、振幅|λq,h|に対する振幅|λd,h|の振幅比γ1を求める。振幅比γ1は、判定部813に与えられる。
判定部813は、更に回転位置角候補θre,d,θre,q及び所定値J1が与えられる。そして、振幅比γ1が所定値J1よりも大きい時には、回転位置角候補θre,dを回転位置角θreとして選択し、振幅比γ1が所定値J1よりも小さい時には、回転位置角候補θre,qを回転位置角θreとして選択する。
所定値J1としては、例えば、突極モータ2のd軸インダクタンスLに対するq軸インダクタンスLの比を用いることができる。
振幅比γ1が所定値J1と同程度である場合には、回転位置角候補θre,d,θre,qのいずれを選択してもよく、いずれか一方を選択するとしてもよい。
第1乃至第6の実施の形態で説明した回転位置角θreの推定方法によれば、磁束鎖交数の高周波成分λd,h,α,λd,h,βの振幅|λd,h|が小さくなれば、磁束鎖交数の高周波成分λd,h,α,λd,h,βの値も小さくなり、推定される回転位置角候補θre,dに誤差が生じやすくなる。回転位置角候補θre,qについても同様のことが言え、磁束鎖交数の高周波成分λq,h,α,λq,h,βの振幅|λq,h|が小さくなれば回転位置角候補θre,qに誤差が生じやすくなる。
しかし、上述した選択部81によれば、回転位置角候補θre,d,θre,qのいずれか一方において誤差が大きくなる場合であっても、他方が回転位置角として採用される。よって、上述した回転位置角推定装置Cによれば、いずれの場合においても誤差の小さい回転位置角を推定することができる。
第8の実施の形態.
本実施の形態では、図12で示される回転位置角推定装置Cの選択部81における回転位置角の選択方法を、第7の実施の形態で示されるもの以外に3つ示す。
第1の選択方法を示す。図14は、第1の選択方法に用いられる選択部81の構成を示す。選択部81は、振幅計算部814a,814b、振幅比計算部815及び判定部816を有する。
振幅計算部814aは、回転位置角推定部1aで演算されたd軸電流iの高周波成分idhが与えられ、その振幅|idh|を計算する。同様にして、振幅計算部814bは、回転位置角推定部2aから与えられた高周波成分iqhの振幅|iqh|を計算する。振幅|idh|,|iqh|の各々は、振幅計算部815に与えられる。
振幅比計算部815は、振幅|iqh|に対する振幅|idh|の振幅比γ2を求める。振幅比γ2は、判定部816に与えられる。
判定部816は、更に回転位置角候補θre,d,θre,q及び所定値J2が与えられる。そして、振幅比γ1が所定値J2よりも大きい時には、回転位置角候補θre,dを回転位置角θreとして選択し、振幅比γ2が所定値J2よりも小さい時には、回転位置角候補θre,qを回転位置角θreとして選択する。
所定値J2としては、例えば、突極モータ2のd軸インダクタンスLに対するq軸インダクタンスLの比を用いることができる。
振幅比γ2が所定値J2と同程度である場合には、回転位置角候補θre,d,θre,qのいずれを選択してもよく、いずれか一方を選択するとしてもよい。
第1、第2、第4及び第5の実施の形態で説明した回転位置角θreの推定方法によれば、d軸電流の高周波成分idhの振幅|idh|が小さくなれば、推定される回転位置角候補θre,dに誤差が生じやすくなる。回転位置角候補θre,qについても同様のこと言え、q軸電流の高周波成分iqhの振幅|iqh|が小さくなれば回転位置角候補θre,qに誤差が生じやすくなる。
しかし、上述した第1の選択方法によれば、回転位置角候補θre,d,θre,qのいずれか一方において誤差が大きくなる場合であっても、他方が回転位置角として採用される。
第2の選択方法を示す。図15は、第2の選択方法に用いられる選択部81の構成を示す。選択部81は、位相計算部817及び判定部818を有する。
位相計算部817は、電流の高周波成分について固定座標系での位相θihを求める。位相θihは、α軸電流iαの高周波成分iαh及びβ軸電流iβの高周波成分iβhを用いて、式(32)従って求められる。また、d軸電流iの高周波成分idh及びq軸電流iの高周波成分iqhを用いて、式(33)に従って位相θihを求めてもよい。このとき、前回推定された回転位置角θre1も用いられる。図15では、高周波成分idh,iqhを用いて位相θihを求める時にだけ前回推定された回転位置角θre1を用いることが、破線によって示されている。
Figure 2005160287
Figure 2005160287
また、電流の位相が電圧の位相に対して90°だけ遅れることを利用して、位相θihを求めてもよい。すなわち、位相計算部817には高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βの位相θが与えられ、その位相θから90°だけ差し引いた値を位相θihとする。
判定部818は、位相θihが与えられ、更に回転位置角候補θre,d,θre,q及び領域S1,S2が与えられる。領域S1,S2は予め求められ、例えば次のようにして得られる。d軸電流iの高周波成分idhとq軸電流iの高周波成分iqhとを予め測定する。図16は、測定された高周波成分idh,iqhの位相θihに対する変化を例示する。そして、高周波成分iqhの振幅|iqh|に対する高周波成分idhの振幅|idh|の振幅比が所定値よりも大きくなる位相θihの領域S1を、θih,1≦θih<θih,2及びθih,3≦θih<θih,4と設定する。また、当該振幅比が所定値よりも小さくなる位相θihの領域S2を、θih,2≦θih<θih,3及びθih,4≦θih<θih,1と設定する。
そして、判定部818は、位相計算部817で計算された位相θihが領域S1にある時には、振幅比が所定値より大きくなるので回転位置角候補θre,dを回転位置角θreとして選択し、位相θihが領域S2にある時には、振幅比が所定値より小さくなるので回転位置角候補θre,qを回転位置角θreとして選択する。
領域S1,S2を得るために測定された高周波成分idh,iqhは、突極モータ2の突極比と、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βの位相θに対する変化とから求めてもよい。すなわち、突極比からは高周波成分idh,iqhの振幅比が求まり、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βの位相θに対する変化からは高周波成分idh,iqhの波形が求まる。
第2の選択方法によれば、上述した第1の選択方法のように、回転位置角θreの選択を判定するごとに振幅|idh|,|iqh|の計算をする必要がなくなる。よって、選択部81の構成が簡単化される。
第3の選択方法を示す。図17は、第3の選択方法に用いられる選択部81の構成を示す。選択部81は、記憶部819、誤差計算部820a,820b及び判定部821を有する。
記憶部819は、回転位置角推定装置Cにおいて前回推定された回転位置角θre1を記憶する。
誤差計算部820aは、回転位置角推定部1aで今回推定された回転位置角候補θre,dと記憶部819で記憶される回転位置角θre1とが与えられ、回転位置角候補θre,dと回転位置角θre1との差の絶対値を誤差εとして求める。同様にして、誤差計算部820bは、回転位置角推定部2aで今回推定された回転位置角候補θre,qと回転位置角θreとの差の絶対値を誤差εとして求める。誤差ε,εは判定部821に与えられる。
判定部821は、更に回転位置角候補θre,d,θre,qが与えられる。そして、誤差εが誤差εよりも小さい時には、回転位置角候補θre,dを回転位置角θreとして選択し、誤差εが誤差εよりも大きい時には、回転位置角候補θre,qを回転位置角θreとして選択する。
回転位置角θreの変化は、高周波電圧指令値v* h,α,v* h,βの角周波数ωに比べて小さいので、今回推定される回転位置角θreは、前回推定された回転位置角θre1に対して変化が小さい。よって、回転位置角候補θre,d,θre,qのうち、誤差ε,εが小さいほうを採用することが望ましい。
上述した第1乃至第3の選択方法のいずれか一つを採用した回転位置角推定装置Cによれば、いずれの場合においても誤差の小さい回転位置角を推定することができる。
上述した第7の実施の形態及び本実施の形態のいずれにおいても、回転位置角推定部1a,2aに替えて、第2の実施の形態及び第5の実施の形態で説明された回転位置角推定部1b,2bを採用してもよいし、第3の実施の形態及び第6の実施の形態で説明された回転位置角推定部1d,2dを採用してもよい。
上述した実施の形態のいずれにおいても、誘起電圧定数Kを零とすることができる。すなわち、本発明は、磁石を有する突極モータに限らず、磁石を有さない突極モータ、例えばリラクタンスモータへ適用することもできる。
第1の実施の形態で説明される、回転位置角推定装置を概念的に示すブロック図である。 位置角演算部13を概念的に示すブロック図である。 第2の実施の形態で説明される、回転位置角推定装置を概念的に示すブロック図である。 第3の実施の形態で説明される、回転位置角推定装置を概念的に示すブロック図である。 位置角演算部17を概念的に示すブロック図である。 選定部171での演算を概念的に示すフローチャート図である。 第4の実施の形態で説明される、回転位置角推定装置を概念的に示すブロック図である。 位置角演算部23を概念的に示すブロック図である。 第5の実施の形態で説明される、回転位置角推定装置を概念的に示すブロック図である。 第6の実施の形態で説明される、回転位置角推定装置を概念的に示すブロック図である。 位置角演算部27を概念的に示すブロック図である。 第7の実施の形態で説明される、回転位置角推定装置を概念的に示すブロック図である。 選択部81を概念的に示すブロック図である。 第8の実施の形態で説明される、選択部81を概念的に示すブロック図である。 選択部81を概念的に示すブロック図である。 d軸電流及びq軸電流の高周波成分と位相との関係を示す図である。 選択部81を概念的に示すブロック図である。 固定座標系と回転座標系を示す平面図である。
符号の説明
θre,θre1 回転位置角
θre,d,θre,q 回転位置角候補
* 1,α,v* 1,β 電圧指令値
ω 角周波数
* h,α,v* h,β 高周波電圧指令値
,v,v 3相電圧
,i,i 3相電流
α,vβ 2相電圧
α,iβ 2相電流
d軸インダクタンス
q軸インダクタンス
λd,α,λd,β,λq,α,λq,β 磁束鎖交数
λd,h,α,λd,h,β,λq,h,α,λq,h,β 磁束鎖交数の高周波成分
dh d軸電流の高周波成分
qh q軸電流の高周波成分
|λd,h|,|λq,h|,|idh|,|iqh| 高周波成分の振幅
γ1,γ2 振幅比
J1,J2 所定値
θ 高周波電圧の位相
θih 電流の高周波成分の位相
S1,S2 (位相)領域
ε,ε 誤差
1a,1b,2a,2b,1c 回転位置角推定部
2 突極モータ
3 高周波電圧発生部
4 電流制御部
5 インバータ
6 3/2相変換部
11 λ演算部
21 λ演算部
12,152,22,252 BPF部
13,23 位置角演算部
15,16,25,26 識別信号発生部
134,234 選定部
151 d軸電流演算部
251 q軸電流演算部
17,27 位置角演算部
81 選択部
811a,811b,814a,814b 振幅計算部
812,815 振幅比計算部
813,816,818,821 判定部
817 位相計算部
819 記憶部
820a,820b 誤差計算部

Claims (44)

  1. 突極性を有するモータの回転位置角(θre)を推定する方法であって、
    (a)電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)と、前記電圧指令値よりも大きな角周波数(ω)を有する高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)とを重畳して、第2の電圧指令値(v* α,v* β)を得るステップと、
    (b)前記第2の電圧指令値に基づいてインバータ(5)から前記モータに入力される電圧(v,v,v)及び電流(i,i,i)を、固定座標系で求めるステップと、
    (c)前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)とに基づいて、前記回転位置角を求めるステップと
    を備え、
    前記ステップ(c)では、
    (c−1)前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンス(L;L)とに基づいて磁束鎖交数(λd,α,λd,β;λq,α,λq,β)を求めるステップと、
    (c−2)前記磁束鎖交数を前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β;λq,h,α,λq,h,β)を求めるステップと、
    (c−3)前記角周波数近傍の角周波数を有する第2の高周波成分(idh;iqh)を求めるステップと、
    (c−4)前記第1の高周波成分と前記第2の高周波成分とから前記回転位置角(θre)を求めるステップと
    を行う、回転位置角推定方法。
  2. 前記ステップ(c−3)は、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)を前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標に変換して、前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、前記第2の高周波成分(idh;iqh)を求める、請求項1記載の回転位置角推定方法。
  3. 前記ステップ(c−3)は、前記高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)の位相(θ)に基づいて前記第2の高周波成分(idh;iqh)を求める、請求項1記載の回転位置角推定方法。
  4. 前記ステップ(c−4)は、前記第2の高周波成分(idh;iqh)の符号に基づいて前記回転位置角(θre)を選定するステップを更に含む、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法。
  5. 前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記回転座標のd軸への成分(idh)を求め、これらに基づいて前記回転位置角(θre)を求める、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法。
  6. 前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のd軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記回転座標のq軸への成分(iqh)を求め、これらに基づいて前記回転位置角(θre)を求める、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法。
  7. 前記ステップ(c)において、
    前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸に直交するd軸方向への成分(idh)を求め、これらに基づいて第1の回転位置角候補(θre,d)が求められ、
    前記モータのインダクタンスのうち、前記d軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸方向への成分(iqh)を求め、これらに基づいて第2の回転位置角候補(θre,q)が求められ、
    前記モータのインダクタンスのうち前記d軸方向への成分を採用して得られた前記第1の高周波成分の振幅(|λq,h|)に対する、前記モータのインダクタンスのうち前記q軸方向への成分を採用して得られた前記第1の高周波成分の振幅(|λd,h|)の比である振幅比(γ1)を求め、
    前記振幅比が所定値(J1)よりも大きい時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角(θre)とし、前記振幅比が前記所定値よりも小さい時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法。
  8. 前記ステップ(c)において、
    前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸に直交するd軸方向への成分(idh)を求め、これらに基づいて第1の回転位置角候補(θre,d)が求められ、
    前記モータのインダクタンスのうち、前記d軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸方向への成分(iqh)を求め、これらに基づいて第2の回転位置角候補(θre,q)が求められ、
    前記第2の高周波成分の前記q軸方向への成分(iqh)の振幅に対する、前記第2の高周波成分の前記d軸方向への成分(idh)の振幅の比である振幅比(γ2)を求め、
    前記振幅比が所定値(J2)よりも大きい時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角とし、前記比が前記所定値よりも小さい時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法。
  9. 前記所定値は、前記モータのインダクタンスの前記d軸方向への成分(L)に対する前記q軸方向への成分(L)の比である、請求項8記載の回転位置角推定方法。
  10. 前記ステップ(c)において、
    前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸に直交するd軸方向への成分(idh)を求め、これらに基づいて第1の回転位置角候補(θre,d)が求められ、
    前記モータのインダクタンスのうち、前記d軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸方向への成分(iqh)を求め、これらに基づいて第2の回転位置角候補(θre,q)が求められ、
    前記第2の高周波成分の前記固定座標系での位相(θih)に基づいて、前記第1の回転位置角候補及び前記第2の回転位置角候補のどちらか一方を選択して、前記回転位置角とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法。
  11. 前記位相(θih)は、前記高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)の前記固定座標系での位相から90°を差し引いた値である、請求項10記載の回転位置角推定方法。
  12. 前記第2の高周波成分の前記q軸方向への第1成分(iqh)と、前記第2の高周波成分の前記d軸方向への第2成分(idh)とを予め求め、
    前記第1成分の振幅(|iqh|)に対する前記第2成分の振幅(|idh|)の振幅比を求め、
    前記振幅比が所定値よりも大きい時の第1の位相領域(S1)と、前記振幅比が前記所定値よりも小さい時の第2の位相領域(S2)とを求め、
    前記位相が前記第1の位相領域内にある時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角とし、前記位相が前記第2の位相領域内にある時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする、請求項10または請求項11記載の回転位置角推定方法。
  13. 前記第2の高周波成分の前記q軸方向への第1成分(iqh)と、前記第2の高周波成分の前記d軸方向への第2成分(idh)は、前記モータの突極比及び前記高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)から求める、請求項12記載の回転位置角推定方法。
  14. 前記ステップ(c)において、
    前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸に直交するd軸方向への成分(idh)を求め、これらに基づいて第1の回転位置角候補(θre,d)が求められ、
    前記モータのインダクタンスのうち、前記d軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸方向への成分(iqh)を求め、これらに基づいて第2の回転位置角候補(θre,q)が求められ、
    予め求められた前記回転位置角(θre1)と前記第1の回転位置角候補との差の絶対値を、第1誤差(ε)として求め、
    前記予め求められた前記回転位置角と前記第2の回転位置角候補との差の絶対値を、第2誤差(ε)として求め、
    前記第1誤差が前記第2誤差よりも小さい時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角とし、前記第1誤差が前記第2誤差よりも大きい時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法。
  15. 突極性を有するモータの回転位置角(θre)を推定する方法であって、
    (a)電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)と、前記電圧指令値よりも大きな角周波数(ω)を有する高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)とを重畳して、第2の電圧指令値(v* α,v* β)を得るステップと、
    (b)前記第2の電圧指令値に基づいてインバータ(5)から前記モータに入力される電圧(v,v,v)及び電流(i,i,i)を、固定座標系で求めるステップと、
    (c)前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)とに基づいて、前記回転位置角を求めるステップと
    を備え、
    前記ステップ(c)では、
    (c−1)前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンス(L;L)とに基づいて磁束鎖交数(λd,α,λd,β;λq,α,λq,β)を求めるステップと、
    (c−2)前記磁束鎖交数を前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β;λq,h,α,λq,h,β)を求めるステップと、
    (c−3)前記第1の高周波成分から多値で求まる前記回転位置角(θre)を、予め求められた前記回転位置角(θre1)に基づいて一つ選定するステップと
    を行う、回転位置角推定方法。
  16. 前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて前記回転位置角(θre)を求める、請求項15記載の回転位置角推定方法。
  17. 前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のd軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて前記回転位置角(θre)を求める、請求項15記載の回転位置角推定方法。
  18. 前記ステップ(c)において、
    前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて第1の回転位置角候補(θre,d)が求められ、
    前記モータのインダクタンスのうち、前記d軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記q軸方向への成分(iqh)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて第2の回転位置角候補(θre,q)が求められ、
    前記モータのインダクタンスのうち前記d軸方向への成分を採用して得られた前記第1の高周波成分の振幅(|λq,h|)に対する、前記モータのインダクタンスのうち前記q軸方向への成分を採用して得られた前記第1の高周波成分の振幅(|λd,h|)の比である振幅比(γ1)を求め、
    前記振幅比が所定値(J1)よりも大きい時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角(θre)とし、前記振幅比が前記所定値よりも小さい時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする、請求項15乃至請求項17のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法。
  19. 前記ステップ(c)において、
    前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて第1の回転位置角候補(θre,d)が求められ、
    前記モータのインダクタンスのうち、前記d軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて第2の回転位置角候補(θre,q)が求められ、
    前記第2の高周波成分の前記固定座標系での位相(θih)に基づいて、前記第1の回転位置角候補及び前記第2の回転位置角候補のどちらか一方を選択して、前記回転位置角とする、請求項15乃至請求項17のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法。
  20. 前記位相(θih)は、前記高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)の前記固定座標系での位相から90°を差し引いた値である、請求項19記載の回転位置角推定方法。
  21. 前記第2の高周波成分の前記q軸方向への第1成分(iqh)と、前記第2の高周波成分の前記d軸方向への第2成分(idh)とを予め求め、
    前記第1成分の振幅(|iqh|)に対する前記第2成分の振幅(|idh|)の振幅比を求め、
    前記振幅比が所定値よりも大きい時の第1の位相領域(S1)と、前記振幅比が前記所定値よりも小さい時の第2の位相領域(S2)とを求め、
    前記位相が前記第1の位相領域内にある時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角とし、前記位相が前記第2の位相領域内にある時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする、請求項19または請求項20記載の回転位置角推定方法。
  22. 前記第2の高周波成分の前記q軸方向への第1成分(iqh)と、前記第2の高周波成分の前記d軸方向への第2成分(idh)は、前記モータの突極比及び前記高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)から求める、請求項21記載の回転位置角推定方法。
  23. 前記ステップ(c)において、
    前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて第1の回転位置角候補(θre,d)が求められ、
    前記モータのインダクタンスのうち、前記d軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角とに基づいて第2の回転位置角候補(θre,q)が求められ、
    前記予め求められた前記回転位置角と前記第1の回転位置角候補との差の絶対値を、第1誤差(ε)として求め、
    前記予め求められた前記回転位置角と前記第2の回転位置角候補との差の絶対値を、第2誤差(ε)として求め、
    前記第1誤差が前記第2誤差よりも小さい時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角とし、前記第1誤差が前記第2誤差よりも大きい時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする、請求項15乃至請求項17のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法。
  24. 請求項1乃至請求項23のいずれか一つに記載の回転位置角推定方法を用いて得られた前記回転位置角(θre)に基づいて、前記電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)が求められる、モータの制御方法。
  25. 回転位置角推定部(1a;1b;2a;2b)と、
    高周波電圧発生部(3)と、
    電流制御部(4)と、
    加算器(34)と、
    インバータ(5)と、
    相変換部(6)と
    を備え、
    前記電流制御部は電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)を発生し、
    前記高周波電圧発生部は前記電圧指令値よりも大きな角周波数(ω)を有する高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)を発生し、
    前記加算器は、前記高周波電圧の指令値と前記電圧指令値とを重畳し、これを第2の電圧指令値(v* α,v* β)として出力し、
    前記相変換部は、第2の電圧指令値に基づいてインバータ(5)から前記モータに入力される電圧(v,v,v)及び電流(i,i,i)を、固定座標系で求め、
    前記回転位置角推定部は、前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)とに基づいて、前記モータの回転位置角(θre)を求め、
    前記回転位置角推定部は、
    前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンス(L;L)とに基づいて磁束鎖交数(λd,α,λd,β;λq,α,λq,β)を求める第1の演算部(11;21)と、
    前記磁束鎖交数を前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β;λq,h,α,λq,h,β)を求めるバンドパスフィルタ(12;22)と、
    前記角周波数近傍の角周波数を有する第2の高周波成分(idh;iqh)を求める第2の演算部(15;16;25;26)と、
    前記第1の高周波成分と前記第2の高周波成分から前記回転位置角(θre)を求める第3の演算部(13;23)と
    を有する、回転位置角推定装置。
  26. 前記第2の演算部(15;25)は、
    前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)を、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標に変換する変換部(151;251)と、
    前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、前記第2の高周波成分(idh;iqh)を求めるバンドパスフィルタ(152;252)と
    を備える、請求項25記載の回転位置角推定装置。
  27. 前記第2の演算部(16;26)は、前記高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)の位相(θ)に基づいて前記第2の高周波成分(idh;iqh)を求める、請求項25記載の回転位置角推定装置。
  28. 前記第3の演算部(13;23)は、前記第2の高周波成分(idh;iqh)の符号に基づいて前記回転位置角(θre)を選定する選定部(134;234)を更に含む、請求項25乃至請求項27のいずれか一つに記載の回転位置角推定装置。
  29. 前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記回転座標のd軸への成分(idh)を求め、これらに基づいて前記回転位置角(θre)を求める、請求項25乃至請求項28のいずれか一つに記載の回転位置角推定装置。
  30. 前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のd軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、前記第2の高周波成分として前記回転座標のq軸への成分(iqh)を求め、これらに基づいて前記回転位置角(θre)を求める、請求項25乃至請求項28のいずれか一つに記載の回転位置角推定装置。
  31. 第1の回転位置角推定部(1a;1b)と、
    第2の回転位置角推定部(2a;2b)と、
    高周波電圧発生部(3)と、
    電流制御部(4)と、
    加算器(34)と、
    インバータ(5)と、
    相変換部(6)と、
    選択部(81)と
    を備え、
    前記電流制御部は電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)を発生し、
    前記高周波電圧発生部は前記電圧指令値よりも大きな角周波数(ω)を有する高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)を発生し、
    前記加算器は、前記高周波電圧の指令値と前記電圧指令値とを重畳し、これを第2の電圧指令値(v* α,v* β)として出力し、
    前記相変換部は、第2の電圧指令値に基づいてインバータ(5)から前記モータに入力される電圧(v,v,v)及び電流(i,i,i)を、固定座標系で求め、
    前記第1の回転位置角推定部は、
    前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンスのうち、回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)とに基づいて第1の磁束鎖交数(λd,α,λd,β)を求める第1の演算部(11)と、
    前記第1の磁束鎖交数を前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、前記第1の磁束鎖交数の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求めるバンドパスフィルタ(12)と、
    前記角周波数近傍の角周波数を有する第2の高周波成分として、前記q軸方向に直交するd軸方向への第1成分(idh)を求める第2の演算部(15;16)と、
    前記第1の磁束鎖交数の前記高周波成分と、前記第2の高周波成分の前記第1成分とに基づいて第1の回転位置角候補(θre,d)を求める第3の演算部(13)と
    を有し、
    前記第2の回転位置角推定部は、
    前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンスのうち前記d軸方向への成分(L)とに基づいて第2の磁束鎖交数(λq,α,λq,β)を求める第4の演算部(21)と、
    前記磁束鎖交数を前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、前記第2の磁束鎖交数の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求めるバンドパスフィルタ(22)と、
    前記角周波数近傍の角周波数を有する第2の高周波成分として、前記q軸方向への第2成分(iqh)を求める第5の演算部(25;26)と、
    前記第2の磁束鎖交数の前記高周波成分と、前記第2の高周波成分の前記第2成分とに基づいて第2の回転位置角候補(θre,q)を求める第6の演算部(23)と
    を有し、
    前記選択部は、前記第1の回転位置角候補及び前記第2の回転位置角候補のいずれか一方を、前記回転位置角として選択する、回転位置角推定装置。
  32. 回転位置角推定部(1a;1b;2a;2b)と、
    高周波電圧発生部(3)と、
    電流制御部(4)と、
    加算器(34)と、
    インバータ(5)と、
    相変換部(6)と
    を備え、
    前記電流制御部は電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)を発生し、
    前記高周波電圧発生部は前記電圧指令値よりも大きな角周波数(ω)を有する高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)を発生し、
    前記加算器は、前記高周波電圧の指令値と前記電圧指令値とを重畳し、これを第2の電圧指令値(v* α,v* β)として出力し、
    前記相変換部は、第2の電圧指令値に基づいてインバータ(5)から前記モータに入力される電圧(v,v,v)及び電流(i,i,i)を、固定座標系で求め、
    前記回転位置角推定部は、前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)とに基づいて、前記モータの回転位置角(θre)を求め、
    前記回転位置角推定部は、
    前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンス(L;L)とに基づいて磁束鎖交数(λd,α,λd,β;λq,α,λq,β)を求める第1の演算部(11;21)と、
    前記磁束鎖交数を前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β;λq,h,α,λq,h,β)を求めるバンドパスフィルタ(12;22)と、
    予め求められた前記回転位置角(θre1)が与えられ、前記第1の高周波成分から多値で求まる前記回転位置角(θre)を、前記予め求められた前記回転位置角に基づいて一つ選定する第2の演算部(17;27)と
    を有する、回転位置角推定装置。
  33. 前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて前記回転位置角(θre)を求める、請求項32記載の回転位置角推定装置。
  34. 前記モータのインダクタンスのうち、前記回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のd軸方向への成分(L)を採用して前記第1の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求め、これと前記予め求められた前記回転位置角(θre1)とに基づいて前記回転位置角(θre)を求める、請求項32記載の回転位置角推定装置。
  35. 第1の回転位置角推定部(1a;1b)と、
    第2の回転位置角推定部(2a;2b)と、
    高周波電圧発生部(3)と、
    電流制御部(4)と、
    加算器(34)と、
    インバータ(5)と、
    相変換部(6)と、
    選択部(81)と
    を備え、
    前記電流制御部は電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)を発生し、
    前記高周波電圧発生部は前記電圧指令値よりも大きな角周波数(ω)を有する高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)を発生し、
    前記加算器は、前記高周波電圧の指令値と前記電圧指令値とを重畳して、これを第2の電圧指令値(v* α,v* β)として出力し、
    前記相変換部は、第2の電圧指令値に基づいてインバータ(5)から前記モータに入力される電圧(v,v,v)及び電流(i,i,i)を、固定座標系で求め、
    前記第1の回転位置角推定部は、
    前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンスのうち、回転位置角(θre)に基づいて回転する回転座標のq軸方向への成分(L)とに基づいて第1の磁束鎖交数(λd,α,λd,β)を求める第1の演算部(11)と、
    前記第1の磁束鎖交数を前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、前記第1の磁束鎖交数の高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)を求めるバンドパスフィルタ(12)と、
    予め求められた前記回転位置角(θre1)が与えられ、前記第1の高周波成分から多値で求まる前記回転位置角(θre)を、前記予め求められた前記回転位置角に基づいて一つ選定する第2の演算部(17)と
    を有し、
    前記第2の回転位置角推定部は、
    前記固定座標系で求めた電圧(vα,vβ)と、前記固定座標系で求めた電流(iα,iβ)と、前記モータのインダクタンスのうち前記d軸方向への成分(L)とに基づいて第2の磁束鎖交数(λq,α,λq,β)を求める第3の演算部(21)と、
    前記磁束鎖交数を前記角周波数(ω)の近傍で濾波して、前記第2の磁束鎖交数の高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)を求めるバンドパスフィルタ(22)と、
    前記予め求められた前記回転位置角(θre1)が与えられ、前記第1の高周波成分から多値で求まる前記回転位置角(θre)を、前記予め求められた前記回転位置角に基づいて一つ選定する第4の演算部(27)と
    を有し、
    前記選択部は、前記第1の回転位置角候補及び前記第2の回転位置角候補のいずれか一方を、前記回転位置角として選択する、回転位置角推定装置。
  36. 前記選択部(81)は、
    第1の振幅計算部(811a)と、
    第2の振幅計算部(811b)と、
    振幅比計算部(812)と、
    判定部(813)と
    を有し、
    前記第1の振幅計算部は、前記第1の磁束鎖交数の前記高周波成分(λd,h,α,λd,h,β)が与えられて、前記第1の磁束鎖交数の前記高周波成分の第1振幅(|λd,h|)を求め、
    前記第2の振幅計算部は、前記第2の磁束鎖交数の前記高周波成分(λq,h,α,λq,h,β)が与えられて、前記第2の磁束鎖交数の前記高周波成分の第2振幅(|λq,h|)を求め、
    前記振幅比計算部は、前記第2振幅に対する前記第1振幅の振幅比(γ1)を求め、
    前記判定部は、前記第1の回転位置角候補(θre,d)及び前記第2の回転位置角候補(θre,q)が与えられ、前記振幅比が所定値(J1)よりも大きい時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角とし、前記振幅比が前記所定値よりも小さい時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする、請求項31または請求項35記載の回転位置角推定装置。
  37. 前記選択部(81)は、
    第1の振幅計算部(814a)と、
    第2の振幅計算部(814b)と、
    振幅比計算部(815)と、
    判定部(816)と
    を有し、
    前記第1の振幅計算部は、前記第2の高周波成分の前記第1成分(idh)が与えられ、前記第1成分の第1振幅(|idh|)を求め、
    前記第2の振幅計算部は、前記第2の高周波成分の前記第2成分(iqh)が与えられ、前記第2成分の第2振幅(|iqh|)を求め、
    前記振幅比計算部は、前記第2振幅に対する前記第1振幅の振幅比(γ2)を求め、
    前記判定部は、前記第1の回転位置角候補(θre,d)及び前記第2の回転位置角候補(θre,q)が与えられ、前記振幅比が所定値(J2)よりも大きい時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角とし、前記振幅比が前記所定値よりも小さい時には、前記第2の回転位置角候補を前記回転位置角とする、請求項31記載の回転位置角推定装置。
  38. 前記所定値は、前記モータのインダクタンスの前記d軸方向への成分(L)に対する前記q軸方向への成分(L)の比である、請求項37記載の回転位置角推定装置。
  39. 前記選択部(81)は、
    位相計算部(817)と、
    判定部(818)と
    を有し、
    前記位相計算部は、前記第2の高周波成分の前記固定座標系での位相(θih)を求め、
    前記判定部は、前記第1の回転位置角候補(θre,d)及び前記第2の回転位置角候補(θre,q)が与えられ、前記位相の値に従って、前記第1の回転位置角候補及び前記第2の回転位置角候補のどちらか一方を前記回転位置角とする、請求項31または請求項35記載の回転位置角推定装置。
  40. 前記位相(θih)は、前記高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)の前記固定座標系での位相から90°を差し引いた値である、請求項39記載の回転位置角推定装置。
  41. 前記判定部(818)は、前記位相(θih)が第1の位相領域(S1)内にある時には、前記第1の回転位置角候補(θre,d)を前記回転位置角(θre)とし、前記位相が前記第2の位相領域(S2)内にある時には、前記第2の回転位置角候補(θre,q)を前記回転位置角とし、
    前記第1の位相領域は、振幅比が所定値よりも大きく、
    前記第2の位相領域は、前記振幅比が前記所定値よりも小さく、
    前記振幅比は、前記第2の高周波成分の前記q軸方向への第1成分(iqh)の振幅(|iqh|)に対する、前記第2の高周波成分の前記d軸方向への第2成分(idh)の振幅(|idh|)の比である、請求項39または請求項40記載の回転位置角推定装置。
  42. 前記第2の高周波成分の前記q軸方向への第1成分(iqh)及び前記第2の高周波成分の前記d軸方向への第2成分(idh)には、前記モータの突極比及び前記高周波電圧の指令値(v* h,α,v* h,β)から求まる電流の前記q軸方向の成分及び前記d軸方向の成分がそれぞれ採用される、請求項41記載の回転位置角推定装置。
  43. 前記選択部(81)は、
    記憶部(819)と、
    第1の誤差計算部(820a)と、
    第2の誤差計算部(820b)と、
    判定部(821)と
    を有し、
    前記記憶部は、予め求められた回転位置角(θre1)を記憶し、
    前記第1の誤差計算部は、前記第1の回転位置角候補(θre,d)及び前記予め求められた前記回転位置角が与えられ、前記回転位置角と前記第1の回転位置角候補との差の絶対値を第1誤差(ε)として求め、
    前記第2の誤差計算部は、前記第2の回転位置角候補(θre,q)及び前記予め求められた前記回転位置角が与えられ、前記回転位置角と前記第2の回転位置角候補との差の絶対値を第2誤差(ε)として求め、
    前記判定部は、前記第1の回転位置角候補(θre,d)及び前記第2の回転位置角候補(θre,q)が与えられ、前記第1誤差が前記第2誤差よりも小さい時には、前記第1の回転位置角候補を前記回転位置角(θre)とし、前記第1誤差が前記第2誤差よりも大きい時には、前記第2の回転位置角を前記回転位置角とする、請求項31または請求項35記載の回転位置角推定装置。
  44. 請求項25乃至請求項43のいずれか一つに記載の回転位置角推定装置を用いて得られた前記回転位置角(θre)に基づいて、前記電流制御部(4)が前記電圧指令値(v* 1,α,v* 1,β)を発生する、モータの制御装置。
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