JP2005159811A - 超音波振動子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波振動子のセラミック多孔体に有機ガラスを形成した音響整合層を有する高信頼性の超音波流量計を提供することを目的とする。
【解決手段】超音波振動子1を直方体の圧電体3で構成するとともに、有機ガラス6を内包するセラミック多孔体5で音響整合層4を構成し、さらに、有機ガラス6の表面を凹面状に形成し、信頼性を向上させた。また、セラミック多孔体の効率的な成形方法をも提供し、信頼性の高い超音波振動子を実現した。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体の流量を計測する超音波流量計などに用いる超音波振動子に関するものである。
従来、この種の超音波振動子は、図7に示すような構成であった。図7は超音波振動子101の外観を示し、102は正方柱状の圧電体、103は圧電体102の一方の正方面上に設けられた音響整合層を示す。
なお、圧電体102の上下面には焼付け銀からなる電極104,105が設けられている。音響整合層103は、ガラスバル−ンや、プラスチックバル−ンなどの空隙の多い材料と気泡などをエポキシ樹脂などに充填し、固めて使用していた(例えば、特許文献1参照)。
また、音響整合層として有機ガラスが、音響インピ−ダンスが小さく超音波流量計に用いる超音波振動子には適していることも知られていた(例えば、特許文献2参照)。
また、セラミック多孔体の形成方法としてゾルキャスティング法が有効であることも知られていた(例えば、特許文献3参照)。
特開平11−215594号公報 特開2003−225564号公報 特開2001−261463号公報
このような構成の従来の超音波振動子では、音響整合層にエポキシ樹脂を用いているので、高温高湿中では膨潤したり、あるいは、軟化点が比較的低いため、温度特性に問題があるなどの課題を有していた。また、音響インピ−ダンスが充分に小さくすることが出来ないため、感度が低いという課題も有していた。
有機ガラスを音響整合層に用いると、表面が非常にもろく、物理的な接触で表面が破壊するという課題があり、加えて、減圧乾燥が必要であり、量産性に対する課題もあった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、セラミック多孔体で構成される第1の整合層と有機ガラスで構成される第2整合層とで音響整合層を構成し、超音波振動子とした。
前記従来の課題を解決するために、本発明の超音波振動子は、圧電体と、セラミック多孔体で構成された第1整合層と、有機ガラスの乾燥ゲルで構成された第2整合層とを備え、前記圧電体、第1整合層、第2整合層とを順次積層し、前記第2整合層表面を凹面状となるよう構成した。
この構成により、第2整合層が平面状の物体に接触しても、第2整合層の表面が凹面状であるため、破損することが無くなった。
また、本発明の超音波振動子は、第1整合層の平板状部分の気孔率を低下させた構成としたので、多孔体内部に形成した有機ガラスが、第1整合層の平板状部分に染み出すことがなくなり、圧電体などへの接着する際の接着強度が向上した。
本発明の超音波振動子は、音響整合層の表面を形成する第2整合層の表面を凹面状としたので、簡単に破損しなくなるものである。
第1の発明は、超音波振動子を、圧電体と、セラミック多孔体で構成された第1整合層と、有機ガラスの乾燥ゲルで構成された第2整合層とを備え、前記圧電体、第1整合層、第2整合層とを順次積層し、前記第2整合層の表面を凹面状とした構成としので、有機ガラスで構成される第2整合層の表面が簡単に破損されることがなくなった。
第2の発明は、第1の発明のセラミック多孔体を構成する第1整合層を凹部状に構成し、前記第2の整合層を構成する有機ガラスを前記セラミック多孔体内部および前記凹部状部分に連続して形成する構成としたので、前記有機ガラスが第1整合層の強固に固着するようになり、信頼性の高い超音波振動子が実現できる。
第3の発明は、第1の発明のセラミック多孔体を構成する第1整合層をゾルキャスティング法で形成した構成としたので、気孔率が大きく、且つ、強度の比較的大きなセラミック多孔体が得られ、信頼性の高い超音波振動子が実現できる。
第4の発明は、第3の発明の第1整合層を構成するセラミック多孔体の平板状部分の気孔率を低下させた構成としたので、内部に形成する有機ガラスの平板部への染み出しが大幅に減少し、接着強度が低下することがなくなり、信頼性の高い超音波振動子が実現できる。
第5の発明は、第3の発明の第1整合層を構成する多孔体セラミックを、アルミナ系、ジルコニア系、ムライト系などの酸化物系材料で構成したので、セラミック中に多数個の気泡を混合、焼結することができ、第1整合層としての多孔体セラミックを実現することができる。
第6の発明は、第3の発明の第1整合層を構成する多孔体セラミックを、炭化珪素系、チッ化珪素系、チッ化アルニウムム系、グラファイト系などの非酸化物系材料で構成したので、セラミック中に多数個の気泡を混合、焼結することができ、第1整合層としての多孔体セラミックを実現することができる。
第7の発明は、第1および第2の発明の第2整合層の有機ガラスを、酸化ケイ素、酸化チタン、ジルコニア、アルミナから選ばれる少なくとも1つを含む材料で構成したので、気孔率の大きい低密度な有機ガラスを簡単に形成することができ、高感度な超音波振動子を実現できる。
第8の発明は、超音波振動子の製造方法において、第1整合層を、成形型にセラミックスラリ−を充填後、ロ−ル状の押圧具により変形自在の型材で成形する工程を採用したので、成形時に気泡を成形型から排出しながら成形することが出来るので、再現性よく、成形することができる。
第9の発明は、第8の発明の変形自在の型材表面をプラスチック材料で構成したので、第1整合層の表面状態を制御することができ、表面部分の気孔率を低下させることができ、接着特性に優れた第1整合層を提供することができる。
第10の発明は、第8および第9の発明の成形型をテフロン(R)で構成し、前記プラスチック材をPET樹脂あるいは塩化ビニル樹脂で構成したので、成形型から容易に脱型でき、且つ、表面形状を制御でき、接着特性に優れた第1整合層を量産性よく、提供することができる。
第11の発明は、第1整合層を構成するセラミック多孔体の表面を酸化処理した後、第2整合層を形成する工程を採用したので、有機ガラスがセラミック多孔体に充分固着し、信頼性の高い、超音波振動子を製造できる。
第12の発明は、第11の発明の第1整合層を構成するセラミック多孔体を、予め高圧高温の水で煮沸処理した後、第2整合層を構成する有機ガラスを形成する工程を採用したので、有機ガラスがセラミック多孔体により強固に固着し、信頼性の高い、超音波振動子を製造できる。
第13の発明は、第11および第12の発明の第2の整合層を構成する有機ガラスを形成する前に、第1整合層を構成するセラミック多孔体を減圧脱気後、昇圧することなく有機ガラス原料を直接投入し、形成する工程を採用したので、セラミック多孔体内に気泡の含まない均一な有機ガラスが形成でき、より信頼性の高い超音波振動子が製造できる。
第14の発明は、第2の整合層を構成する有機ガラスを形成する際に、第1の整合層を構成するセラミック多孔体の凹部面をテフロン(R)板に密着させ、有機ガラスを形成する工程を採用したので、第2整合層の表面を凹面状に形成することができる。
第15の発明は、第2の整合層を構成する有機ガラスを形成する際に、一度湿潤有機ガラスを形成後、再度加水分解による表面活性化処理後、重合縮合反応させる工程を採用したので、強固な有機ガラスを形成することができ、信頼性の高い超音波振動子が製造できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1において、超音波振動子1は、キャップ状のケ−ス2と、その内部にエポキシ樹脂などの接着剤を介して固定された圧電体3と、同ケ−ス2の外部に接着された音響整合層4とから構成されている。
音響整合層4は、第1の整合層を構成するセラミック多孔体5と、第2の整合層部分を構成する有機ガラス6とで構成されている。セラミック多孔体5は、外径を12[mm]、板厚を1.5[mm]とした。また、有機ガラス6は、外径を10[mm]、厚さを0.5[mm]とした。したがって、音響整合層4の外周部分はセラミック多孔体5が幅1.0[mm]で取り囲むような構成となった。
圧電体3の上面、下面には焼き付け銀などで構成される電極が形成されている(図示せず)。また、台座部7はケ−ス2と周辺部で溶接され、圧電体3を密封する構成とした。
導電性のゴム8は圧電体3の下面電極と端子9とを電気的に接続している。この端子9は、ハ−メチックシ−ルなどの絶縁性材料10により台座7に固定されている。他方の端子11は、台座7に直接固定され、ケ−ス2を介して圧電体3の上面電極に接続される構成とした。
そして、第2整合層を形成する有機ガラス6の表面は、図1に示すように中央部が凹面状となるように設定してある。
この構成により、平板状の物体が第2整合層を形成する有機ガラス6に接触ようとしても、比較的強度の大きい第1整合層を形成するセラミック多孔体5の周辺部と接触することになる。したがって、セラミック多孔体5は保護されることとなり破損することがなくなる。なお、セラミック多孔体5の凹部深さは10[μm]以上あれば、比較的破損することが少なかった。
超音波特性は、約50[μm]程度の凹部深さであれば放射特性が若干広がる程度となり、感度などが大きく低下するまでには至らなかった。
図2は他の実施形態における音響整合層12を示し、有機ガラス6の表面を円輪状の凹面状とし、同心円状にセラミック多孔体13を位置させるようにしたものである。
このように、有機ガラス6の外周部分および中央部分をセラミック多孔体13で保護することになり、その破損を確実に防止できるものである。この場合、中央のセラミック多孔体13中央部の大きさは、有機ガラス6が形成する面積の1/10以下であれば、超音波特性に殆ど影響がなかった。
セラミック多孔体13の中央部の面積が1/10を越えて大きくなると、超音波出力あるいは受信感度が大きく低下することがわかった。
以下この種の音響整合層を構成するセラミック多孔体13について説明する。セラミック多孔体13に要求される特性は、気孔率が大きく、気孔分布が一様で、かつ、連通孔で構成されていることが重要である。このようなセラミック多孔体13を形成するには、気泡を多く含むセラミックスラリ−を固化させ、焼成するゾルキャスティグ法が適している。
簡単にゾルキャスティング法の工程を説明する。まず、セラミック粉末原料と、架橋剤、触媒、界面活性剤などを含むゲル化材料とを十分混合する。このとき混合媒体としては水あるいは有機溶媒などを用いるとよい。このようにしてセラミックスラリ−が形成される。なお、上記以外に分散剤、滑剤、増粘剤、糊剤などを添加してもよい。
次に、このセラミックスラリ−に気泡剤を添加し、攪拌・混合し、スラリ−中に気泡を所定量導入する。気泡を導入する前には、セラミックスラリ−を充分脱気しておくと、気泡の導入量が安定する。
このようにして気泡が導入されたセラミックスラリ−を図1あるいは図2に示した形状となるよう型枠に入れ、成形する。乾燥後、脱型し、界面活性剤などの有機物を焼き飛ばすことにより連通孔を形成した後、所定の温度、時間によりセラミック多孔体13を焼成する。
セラミック粉末材料として、アルミナ系、ムライト系、ジルコニア系などの酸化物系の材料を用いると、比較的簡単にゾルキャスティング法によるセラミック多孔体の形成ができる。また、炭化珪素系、窒化珪素系、窒化アルミニウム系、窒化ホウ素系、グラファイト系などの非酸化物系のセラミック材料を用いても比較的簡単にゾルキャスティング法によりセラミック多孔体を形成することができる。
次に、有機ガラス6の形成について説明する。音響整合層としての有機ガラス6としては、音速が小さく、密度の低いことが要求される。エトキシシランあるいはメトキシシランなどのガラス原料を、触媒を用い十分活性な状態で、メチルあるいはエチルなどのアルコ−ル系溶媒に分散させる。
この溶液をアンモニア水などの触媒を添加するとともに、十分に脱気したセラミック多孔体5,13に含浸させて熟成させ、溶媒を多く含んだ有機ガラスの湿潤ゲルを得る。この湿潤ゲルは、セラミック多孔体5,13内部およびその凹部に連続して形成される。
このように連続して形成された有機ガラス6は、セラミック多孔体5,13に強固に密着することになり、信頼性の高い音響整合層4,12として機能させることができる。この湿潤ゲルの内部の溶媒を乾燥し、有機ガラスの乾燥体を得る。このようにして、音速が小さく、密度の低いこと有機ガラス6を形成する。
なお、凹部が形成されていないセラミック多孔体上に有機ガラスを形成しても、接着強度が弱いため、音響整合層として使用している間に剥離することが多く発生した。
このようにセラミック多孔体5,13に凹部を設け、その内部から連続して有機ガラス6を形成することが信頼性の高い音響整合層を得るためには肝要である。また、図2に示したように中央部にセラミック多孔体13の円柱状部分を設けると、さらに強固に有機ガラス6が接着し、より信頼性の高い音響整合層12を得ることができる。
有機ガラス6は、上記の酸化ケイ素系以外に酸化チタン、ジルコニア、アルミナなどでも形成してもよい。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2における超音波振動子の製造方法としてゾルキャスティング法を示すものである。図3において、成形型14は、凸部15を有する平板部分16と、円筒状の開孔部分17を有する孔開き型18と、変形自在の押し板19と、開孔部分17に注入されたセラミックスラリ−20を押し出す作用をするロ−ラ−21とから構成している。
次に、簡単に動作を説明する。まず、孔開き型18の開孔部分17にセラミックスラリ−20を適量注入する。次いで、ロ−ラ−21が回転しながら、スラリ−20を孔開き型18の開孔部分17に充填するとともに、余分なスラリ−を押し出すように作用する。
このように一方向からロ−ラ−21により余分なスラリ−を押し出すようにすることにより、開孔部分17に気泡が混入することなく、セラミックスラリ−を充填することが出来る。この場合、ロ−ラ−21が、左から右へ移動するとともに、平板部分16、孔開き型18と変形自在の押し板19とは静止していることが必要である。あるいは、ロ−ラ−21はただ単に回転するだけで、その回転と同期して、平板部分16、孔開き型18と変形自在の押し板19とが同期して左側に移動してもよい。このようにして、セラミックスラリ−を成形・乾燥した後、変形自在の押し板19を、ロ−ラ−の回転とともに剥離させ、成形されたスラリ−の上面を開放し、更に充分に乾燥させることが出来る。
この様子は、図示しないが、図3(a)を逆方向に動作させることに相当する。この場合、ロ−ラ−21に押圧されている変形自在の押し板19は、成形されたスラリ−とはロ−ラ−の外周部分の直線で接触していることになり、例え、スラリ−と変形自在の押し板19とが弱く固着していても、その抵抗力は接触面積に比例するため、直線状に剥離する場合には抵抗力が非常に小さくなり、成形されたセラミックスラリ-の表面を破壊することなく、変形自在の押し板19を取り除くことができる。また、この場合、成形されたセラミックスラリ−を容易に脱型するために、孔開き型18をセラミックスラリ−とは反応性の低い樹脂材料が適している。金属材料の場合、セラミックスラリ−との反応性が高く、乾燥時に固着しやすく、脱型時にセラミックスラリ−の表面が破壊されることが多く発生した。
このことは変形自在の押し板19に対しても同様であり、金属製のバネ材などは不適である。樹脂材料のなかでも、最も反応性の低かったのはテフロン(R)であった。またPET、塩化ビニルなども反応性が低く、価格も安く実用的である。
また、種々の樹脂材料を用いた場合、セラミックスラリ−との相性があり、乾燥時のセラミックスラリ−の表面状態が、用いる樹脂材料により大きく左右されることがわかった。
即ち、凸部15を有する平板部分16を厚さ10[mm]とし、円筒状の開孔部分17を有する孔開き型18を厚さ2.5[mm]とし、ともにテフロン(R)で構成した。また変形自在の押し板19を、厚さ0.5[mm]程度のPETフィルムで構成した。
この構成により、成形されたスラリ−は、適度に乾燥した状態で簡単に脱型することができた。また、テフロン(R)型に接触していた部分、即ち、セラミック多孔体の側面部と凹面状部分とは気泡が表面に接触しいる状態で成形された。
この様子を図4に示す。図4は成形されたセラミック多孔体22の焼成後の凹部拡大図を示す。上面23および凹部24はテフロン(R)型と接触していた部分を示す。同図より、気泡25が表面に達し、表面に開口していることがわかる。
また、下面26は、変形自在のPETフィルムに接触していた部分を示し、一部の気泡は表面で開口していたが、多くの気泡が表面で閉じているように形成された。これは、成形時の型材料による違いと考えられる。これは用いる型材料により、セラミック多孔体の表面状態をある程度制御できることを意味している。
なお、音響整合層として用いる場合、セラミック多孔体22の下面26は、内部に形成した有機ガラスが表面にあまり多く滲出しない方が好ましい。即ち、エポキシ樹脂などで音響整合層をケ−スに接着する場合、有機ガラス6が表面に多く滲出していると、接着強度が大きく低下する場合がるためである。
このように、凸部15を有する平板部分16と、円筒状の開孔部分17を有する孔開き型18とをテフロン(R)で構成し、変形自在の押し板19をPETフィルムで構成した場合、有機ガラスを形成する音響整合層として最適なセラミック多孔体22が得られることが解った。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3における超音波振動子の有機ガラスの製造方法を説明する。図5は、セラミック多孔体への有機ガラス形成法を説明するための配置図を示す。音響整合層となるセラミック多孔体27がテフロン(R)製の下板28と、テフロン(R)製の円筒状の孔の開いたスペ−サ29と、テフロン(R)製の上板30とで囲まれた状態で配置されている。
この状態のセラミック多孔体27内部及び周囲の空間に、原料ガラスを満たし、ゲル化させる。このとき、原料ガラスは、セラミック多孔体27内部にも含浸しゲル化するとともに、セラミック多孔体27の凹部にも形成され湿潤ゲルが形成される。このようにしてセラミック多孔体27内部およびセラミック多孔体27の凹部に連続して湿潤ゲルが形成される。
従って、湿潤ゲルが強固にセラミック多孔体27に形成されることになる。なお、セラミック多孔体27が、テフロン(R)下板28の密着しているため、溶液の循環が不十分となり、セラミック多孔体27の凹部中央部の湿潤ゲルの成長がややおそく、実施の形態1で説明したように、中央部が凹面状に形成されたと考えられる。また、この時セラミック多孔体27の表面および内部の表面を酸化処理しておくと、有機ガラスが強固にセラミック多孔体27に固着することがわかった。
これはセラミック多孔体27の表面に酸化層が形成され、その酸化層と有機ガラスとの相性がよく、強固に接着するものと考えられる。具体的には、セラミック多孔体27を高温、高圧の水(プレッシャ−クッカ−)などで煮沸処理すると良い。密閉容中で、120℃前後の温度状態のもと、30分〜60分程度煮沸するとよい。また、原料ガラスをセラミック多孔体に注入する際に、セラミク多孔体27を充分、脱気することが必要である。
具体的には、図6に示す。図6は、脱気・溶液注入治具31を示し、セラミック多孔体32を含む容器33に、コック34の付いた原料ガラスを保持するロ−ト35と、排気脱気する排気装置(図示せず)に接続される排気コック36の付いた排気管37とから構成した。
まず、セラミック多孔体32を、容器33内に入れ、原料ガラスを満たしたロ−ト35を容器33に取り付ける。コック34を閉止し、排気コック36を開いて容器33内を充分排気脱気する。
充分に容器33を排気した後、排気コック36を閉止し、溶液を注入するためにコック34を開放し、ロ−ト35に満たされている原料ガラスを容器33へ内へ注入する。注入された原料ガラスは、容器33を満たすとともに、セラミック多孔体32の内部へも含浸していく。
従って、この場合には、排気した後、開封することなく原料ガラスを注入することができるので、セラミック多孔体32内部に気泡が形成されることが無くなり、安定した音響整合層を形成することが出来た。なお、原料ガラスを容器33へ注入後、コック34を閉じ、排気コック36を開放して、排気しても良い。
この場合、セラミック多孔体32から気泡の発生を目視により確認できるので、セラミック多孔体から気泡が充分排気されたことを確認することもできる。
従来は、容器33を充分排気した後、容器33を開封するとともに、空気中で、原料ガラスを容器33へ注入していた。このためセラミック多孔体内部に、空気が侵入し、セラミック多孔体内部での気泡の要因となっていた。この場合、大きな気泡が形成されると超音波特性が著しく低下する要因となっており、音響整合層としての不安定要因の一つであった。
(実施の形態4)
以下に、有機ガラスの熟成方法について説明する。実施の形態1で示したように作製された湿潤ゲルを乾燥処理し、有機ガラスを形成するが、その際、急激な形状の縮小あるいは変形が発生し、有機ガラスが破壊されることがある。
したがって、湿潤ゲルを以下のような工程を経たのち乾燥処理を実施した。まず湿潤ゲルを実施の形態1に示したようにして作製する。その後、水で若干希釈した溶媒を湿潤ゲルが充分浸漬する程度に補給し、湿潤ゲルの表面を加水分解する。この処理により、湿潤ゲルの余分な部分が取り除かれたと考えている。
次に、エトキシシランあるいはメトキシシランなどのガラス原料を、アンモニアなどの触媒を用い十分活性な状態で、メチルあるいはエチルなどのアルコ−ル系溶媒に分散させ、表面を加水分解した状態の湿潤ゲルが十分に浸漬するよう補給し、湿潤ゲルが溶解し、且つ、縮合反応を起こすようにする。この処理により、湿潤ゲル内のネットワ−クが強くなり、内部に含んでいる溶媒が蒸発し、無くなっても、破壊されないで乾燥ゲルが作製される。
以上のプロセスを経過して初めて、セラミック多孔体の内部および凹部に有機ガラスが形成されたことになる。その後、よく知られた疎水化処理を実施し、音響整合層とした。
このように、一度湿潤状態の有機ガラスを形成後、再度加水分解による表面活性化処理後、重合縮合反応させるることにより、湿潤ゲル内のネットワ−クが強くなり、内部に含んでいる溶媒が蒸発し、無くなっても、破壊されないで乾燥ゲルが作製され、安定性よく音響整合層を形成することができる。
以上のように、本発明にかかる超音波振動子は、セラミック多孔体の内部および凹部に強固に固着した有機ガラスとで構成された音響整合層を有しているので、超音波感度が大きく、また、表面が凹面上に形成されているため、外部からの衝撃などで簡単に破壊されない、信頼性の高い超音波振動子を実現することができる。従って、本発明の超音波振動子は、超音波流量計などの用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における超音波振動子の断面図 (a)本発明の実施の形態1における音響整合層の断面大図(b)平面図 (a)本発明の実施の形態2における成形型の断面図(b)孔開き型の平面図 実施の形態2におけるセラミック多孔体の一部断面図 本発明の実施の形態3におけるセラミック多孔体の配置図 本発明の実施の形態3における脱気・溶液注入治具の断面図 従来の超音波振動子の断面図
符号の説明
1 超音波振動子
2 圧電体
4、12 音響整合層
5、13、22、27 セラミック多孔体
6 有機ガラス

Claims (15)

  1. 圧電体と、セラミック多孔体で構成された第1整合層と、有機ガラスの乾燥ゲルで構成された第2整合層とを備え、前記圧電体、第1整合層、第2整合層とを順次積層し、前記第2整合層の表面を凹面状とした超音波振動子。
  2. セラミック多孔体を構成する第1整合層を凹部状に構成し、前記第2の整合層を構成する有機ガラスを前記セラミック多孔体内部および前記凹部状部分に連続して形成した構成とする請求項1記載の超音波振動子。
  3. セラミック多孔体を構成する第1整合層をゾルキャスティング法で形成した請求項1記載の超音波振動子。
  4. 第1整合層の平板状部分の気孔率を低下させた構成とした請求項3記載の超音波振動子。
  5. 第1整合層の多孔体セラミックを酸化物系材料で構成した請求項3記載の超音波振動子。
  6. 第1整合層の多孔体セラミックを非酸化物系材料で構成した請求項3記載の超音波振動子。
  7. 第2整合層の有機ガラスを、酸化ケイ素、酸化チタン、ジルコニア、アルミナから選ばれる少なくとも1つを含む材料で構成した請求項1または2記載の超音波振動子。
  8. 第1整合層を、成形型にセラミックスラリ−を充填後、ロ−ル状の押圧具により変形自在の型材で成形して第1整合層をつくるようにした超音波振動子の製造方法。
  9. 変形自在の型材表面をプラスチック材料で構成した請求項8記載の超音波振動子の製造方法。
  10. 成形型をテフロン(R)で構成し、前記プラスチック材をPET樹脂あるいは塩化ビニル樹脂で構成した請求項8または9記載の超音波振動子の製造方法。
  11. セラミック多孔体の第1整合層の表面を酸化処理した後、第2整合層を形成する超音波振動子の製造方法。
  12. セラミック多孔体を高圧高温の水で煮沸処理する請求項11記載の超音波振動子の製造方法。
  13. セラミック多孔体の第1整合層を減圧脱気後、昇圧することなくい有機ガラス原料を直接投入し、第2整合層を形成する超音波振動子の製造方法。
  14. セラミック多孔体の凹部面をテフロン(R)板に密着させ、有機ガラスを形成する超音波振動子の製造方法。
  15. 一度湿潤有機ガラスを形成後、再度加水分解による表面活性化処理を行い、しかる後、重合縮合反応させる超音波振動子の製造方法。
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