JP2005159553A - 分散補償方法、wdm光伝送システム、光伝送システム及び光伝送装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 伝送路、可変分散補償器を通過した光信号を、光受信器において、光電気変換、増幅後、信号全体の時間平均値と識別位相での平均スペースレベルの差を検出し、検出した信号全体の時間平均値と識別位相での平均スペースレベルの差が大きくなるように可変分散補償記を制御する。
【選択図】 図1
Description
この分散補償方法は、受信器で光信号のデューティを検出し、検出したデューティが最小となるように可変分散補償器での分散補償量を制御する、といった分散補償方法である。なお、デューティとはパルスに与えられたタイムスロットとパルス幅の比である。現状での大半の安価な受信器では、光電気変換後、増幅、高周波遮断等を経て信号全体の平均レベルをもって0or1の識別レベルとしている。このような受信器を用いた場合、デューティが最小となる分散補償量が最適とは限らない。
従って、デューティを最小にするようにフィードバックを行っても、信号全体の時間平均レベルを識別レベルとするような受信器を用いた場合には最適なフィードバックとは言えず、十分な受信特性が得られない、という問題があった。
この分散補償方法は、初期設定時、または予め設定した測定周期で、決められた信号パターンを伝送することによりBERを検出し、BERが良くなるように分散補償量を制御する、という方法である。
しかしこの方法では、送信器、受信器ともに同一の信号パターンを予め記憶しておく必要があり、その為のメモリ領域が必要になる。さらに、記憶した特定パターンに依存したエラーしか測定できない。また、動的に分散補償量を最適に制御するために、ある測定周期でBER測定を繰り返すことになり、その分データ伝送容量は削減されることになる、という問題があった。
この分散補償方法は、光電気変換で得られるベースバンドスペクトルからバンドパスフィルタを用いて特定の周波数成分を抜き出し、その強度が極大、または極小になるようにフィードバックを施す、という方法である。
しかし、RZ信号、OTDM信号の場合はクロック周波数成分を最小に、NRZ信号の場合は逆に最大に制御する等、変調方法によってフィードバックを施す方向が変わるため(周波数成分が極大or極小)、それぞれの変調方法によって制御方法を変えなければならない、というデメリットがある。また、ビットレートが変わると、それに伴って、前記バンドパスフィルタも調整する必要があった。従って、一つの受信器をあらゆる変調方法に使い回せない、という問題があった。
動作の説明で後述するように、識別レベルを信号の平均値に固定するような安価な受信回路を用いる場合には、信号全体の時間平均レベル(識別レベル)と識別位相での平均スペースレベルの差をモニタし、この差を最大になるように制御することによって伝送路中の分散を最適補償することができる。
図6の回路例では、AC結合回路を用いることにより、信号全体の時間平均レベルを0Vに固定した状態で、識別位相でのスペースレベルの検出のみを行う。Photo Diode(以下、PDという)63で光伝送信号を光電気変換、トランスインピーダンスアンプ(以下、TIAという)64で増幅する。なお、TIA64はその周波数特性により、高周波成分削減を兼ねるので、低域通過フィルタの役割も果たす。この信号をポストアンプ65でさらに増幅し、コンデンサ66を用いて交流信号とする。ここで信号全体の時間平均レベルは0Vとなる。この時点の信号を分岐し、片方をCDR69にてデータ再生、もう一方をS.L.M.67にて識別位相でのスペースレベルの平均値を検出し、この検出信号を元に分散量制御部68で可変分散補償器62における分散補償量を制御する。分散制御部68ではS.L.M.67における検出レベルが小さく(絶対値が大きく)なるように可変分散補償器62を制御する。なお、CDR69では識別レベルを0Vとしてデータのリタイミングを行う。
図4は、信号全体の平均レベルを識別レベルとする場合、識別レベルとスペースレベルとの差は、原則として、デューティによって変化しないことを表ししている。図4(a)が、デューティが1より小さい場合、図4(b)が、デューティが1より大きい場合を表している。
まず、S.L.M.717で識別位相でのスペースレベルを検出、P0とする(S2)。次に、分散量制御部718において可変分散補償器712の分散補償量を、前記P0を測定した時点の値より100ps/nm増加させた値に設定する(S3)。再度S.L.M.717で識別位相でのスペースレベルを検出、P0’とする(S4)。ここで先ほど測定したP0とP0’の絶対値の大小を比較し(S5)、|P0|<|P0’|であればS6へ、|P0|≧|P0’|であればS07へ進む。ここでP0の値をP0’に置き換え、分散補償量を変化させ(S3、S7)、S.L.M.でスペースレベルをモニタ、P0と比較する、といった処理を繰り返す。
伝送信号は伝送路801を通った後、可変分散補償器802により分散補償を施される。本実施例では可変分散補償器802に、WDM一括分散補償の可能なリング共振器型可変分散補償器を用いた。分散補償された信号はAWG803(Arrayed Waveguide Grating )によって波長分離され、各波長の信号が受信器804、805、806、807、808へと入射する。各受信器は実施例1と同様に光電気変換、増幅、高周波削減、AC結合後の波形を分岐して外部へ出力しており、それぞれの信号に対してS.L.M.809、810、811、812、813でスペースレベルの検出を行い、加算回路(または平均値演算回路)814で加算(または平均)後、分散量制御部815で可変分散補償器802における分散補償量を制御する。
12 可変分散補償器
13 光受信回路
14 スペースレベルモニタ
15 分散量制御部
16 クロックデータリカバリー
61 伝送路
62 可変分散補償器
63 フォトダイオード
64 トランスインピーダンスアンプ
65 ポストアンプ
66 コンデンサ
67 スペースレベルモニタ
68 分散制御部
69 クロックデータリカバリー
121、122、123 遅延回路
124、125、126、127 定倍回路
128 加算回路
171、174 Arrayed Waveguide Grating
172 光伝送路
173 可変分散補償器
175 光受信器
176 スペースレベルモニタ
177 分散量制御部
311 送信器
312 伝送路
313 フォトダイオード
314 コンデンサ
315 低域通過フィルタ(Bessel Thomson 4th 7.5GHz)
316 波形モニタ
317 BERモニタ
341 デューティ1の波形
342 デューティ0.5の波形
343 デューティ0.25の波形
411 デューティ1の波形
412 デューティ0.5の波形
413 デューティ1の波形の識別レベル
414 デューティ0.5の波形の識別レベル
421 デューティ1の波形
422 デューティ1.5の波形
423 デューティ1の波形の識別レベル
424 デューティ1.5の波形の識別レベル
711 伝送路
712 可変分散補償器
713 フォトダイオード
714 トランスインピーダンスアンプ
715 1入力差動増幅回路
716 減算回路
717 スペースレベルモニタ
718 分散量制御部
719 クロックデータリカバリー
801 伝送路
802 可変分散補償器
803 Arrayed Waveguide Grating
804、805、806、807、808 受信器
809、810、811、812、813 スペースレベルモニタ
814 加算回路(平均値計算回路)
815 分散量制御部
901 伝送路
902 フォトダイオード
903 プリアンプ
904 低域通過フィルタ
905 電気波形等化器
906 AC結合回路
907 スペースレベルモニタ
908 等化量制御部
909 クロックデータリカバリー
910 受信部
1401、1406、1413 送信波形
1402、1407、1414 伝送後波形
1408、1415 分散補償波形
1403、1409、1416 光送信器
1404、1410、1417 光伝送路
1405、1412、1419 光受信器
1411、1418 分散補償器
1501 情報処理部
1502 A/D変換部
1601 1光送信器
1602、1606 光伝送路
1603、1605、1607、1609 光増幅器
1604、1608 可変分散補償器
1610、1613 光受信器
1611、1614 スペースレベルモニタ
1612、1615 分散量制御部
Claims (10)
- 光伝送路において生じる光伝送信号の波形劣化を検出し、検出信号を元に前記波形劣化を補償する分散補償方法であって、
光受信器において前記光伝送信号を電気信号に変換後、前記検出信号全体の時間平均レベルと識別位相での時間平均スペースレベルとの差を検出するスペースレベル検出工程と、
前記検出信号全体の時間平均レベルと前記識別位相での平均スペースレベルとの差が大きくなるように可変分散補償器を制御する制御工程と、
制御信号として入力される電気信号によって分散補償量を可変する可変分散補償工程と、
からなることを特徴とする分散補償方法。 - 前記スペースレベル検出工程は、
前記信号全体の時間平均レベルを0VとするためのAC結合増幅工程と、
前記識別位相での平均スペースレベルを検出する平均値検出工程と、
からなることを特徴とする請求項1記載の分散補償方法。 - 前記光伝送信号が一波長の光信号であり、
前記平均スペースレベルは、単一チャネルのスペースレベルの時間平均値であることを特徴とする、請求項1乃至2に記載の分散補償方法。 - 前記光信号が波長分割多重信号であり、
前記平均スペースレベルは、複数チャネル全てのスペースレベルの時間平均値であることを特徴とする請求項1乃至2に記載の分散補償方法。 - 前記可変分散補償器は、電気段の波形等化器であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の分散補償方法。
- 前記可変分散補償器は、光学的に光信号の波長分散を補償することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の分散補償方法。
- 前記光伝送信号の伝送前または伝送後、あるいは伝送前及び伝送後の両方において、前記光伝送信号に対して分散補償を適用することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の分散補償方法。
- WDM光伝送システムにおいて、
波長多重信号の内の1波、または複数波に対して請求項1乃至7のいずれかに1項に記載の分散補償方法を用いることにより、全波長多重信号に対して光伝送路で生じる波形劣化を補償することを特徴とするWDM光伝送システム。 - 多段中継を行う光伝送システムにおいて、
中継器、または光伝送路中の可変分散補償器に対して、請求項1乃至8のいずれかに1項に記載の分散補償方法を用いて、前記光伝送路で生じる波形劣化を補償することを特徴とする光伝送システム。 - 光伝送路において生じる光伝送信号の波形劣化を検出し、検出信号を元に前記波形劣化を補償する光伝送装置であって、
光受信器において前記光伝送信号が電気信号に変換後、前記検出信号全体の時間平均レベルと識別位相での時間平均スペースレベルの差を検出するスペースレベル検出手段と、
前記検出信号全体の平均レベルと識別位相での平均スペースレベルの差が大きくなるように可変分散補償手段を制御する制御手段と、
制御信号として入力される電気信号によって分散補償量を可変する可変分散補償手段と、を有し、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の分散補償方法を用いることを特徴とする光伝送装置。
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