JP5385221B2 - 雑音信号推定装置、雑音信号推定の方法、及び光受信機 - Google Patents

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Description

本発明は、光信号に含まれる雑音信号を推定する雑音信号推定装置及びその方法、並びに光信号を受信する光受信機に関する。
伝送網の容量を拡大するために、1980年代から光伝送システムが導入されており、また、大容量化のために1990年代後半から複数波長の光信号を同時に伝送する高密度波長分割多重(DWDM:Dense Wavelength Devision Multiplexing)伝送技術が導入されてきている。このような光伝送システムの光受信機は図15に示すように、光電変換回路で受信した光信号を電気の信号へ変換した後、増幅して識別判定部でビットの0、1の識別判定を行う。
長距離の光伝送システムでは、伝送路の損失で劣化した信号対雑音比(SNR:Signal−Noise Ratio)を補償するために光増幅器を多段に接続した多中継伝送が必須となっている。しかし、各々の光増幅器では増幅自然放出光(ASE:Amplified Spontaneous Emission)が発生し、多段に接続された光増幅器を中継する度にASEが累積し、光受信機において、ASE自身または信号光と相互作用によって信号雑音を発生させる。このため、光受信端ではASEに起因する信号雑音によりSNRが劣化する。
近年、陸上基幹系の光伝送システムや海底光伝送システムでは、変調方式として、受信感度改善が得られるDPSK(Differential Phase Shift Keying、或いはDifferential Binary Phase Shift Keying:DBPSKと呼ぶこともある)や、多値変調信号を生成するDQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAMなどが検討されるようになってきた。多値信号フォーマットでは周波数効率(単位周波数あたりのビット数)が大きくなり、(1)式で表されるシャノン=ハートレーの定理で示される伝送容量(または周波数効率)の限界に近づく。
Figure 0005385221
ここで、Cは伝送容量、Bはビットレート、SNRは信号対雑音比を表す。このシャノン=ハートレーの定理で示される限界値に近づいた場合に伝送容量を増加させるためにはSNRを大きくする必要がある。これまでに、周波数効率は最大で6.2bit/Hz程度の検討がなされているが(非特許文献1)、この場合、SNRは20dB程度以上必要となり、さらに伝送容量(または周波数効率)を増加させるためには、さらなるSNRの改善が必要となる。しかしながら、光増幅器を使用した光伝送システムでは前述したようにASEに起因する信号雑音があるため、SNRの改善が困難な状況となっている。
光増幅器で増幅された光信号をフォトダイオードなどで受信した場合の雑音は、主に、(1)信号ショット雑音、(2)ASEショット雑音、(3)信号−ASEビート雑音、(4)ASE−ASEビート雑音の成分からなる。ところで、長距離・大容量光伝送システムではDWDM伝送が用いられるが、この場合、受信端において多重化された複数の光信号を狭帯域の光フィルタで1波長ずつに分波することになるため、受信光パワーに占めるASEの割合は小さくなる。このため、前述の主要な雑音4成分のうちASEにのみ関係する、(2)ASEショット雑音、(4)ASE−ASEビート雑音は信号雑音としてあまり影響せず、(1)信号ショット雑音、(3)信号−ASEビート雑音が主要な雑音成分となり、これら両者を比較しても(3)信号−ASEビート雑音が支配的な雑音成分となる。
この信号−ASEビート雑音のパワー密度は、次式(2)で示される。
Figure 0005385221
上記式(2)において、eは電荷、hはプランク定数、νは信号光周波数、Pinは光増幅器へ入力する信号光パワー、Gは光増幅器の利得である。なお、光増幅器が多段に接続されている場合は、各光増幅器へ入力する信号光パワー及び利得は同じと仮定する。また、nspは反転分布パラメータであり、増幅に関わる誘導放出の上準位、下準位の占有数N2、N1を用いて、nsp=N2/(N2−N1)で定義されるパラメータである。
帯域B0の光フィルタでDWDM信号を分波したときの信号−ASEビート雑音について図16によって説明する。図16に示すように、信号−ASEビート雑音のスペクトルは、信号−ASEビート雑音のパワー密度とB0/2で囲まれる領域、すなわち光フィルタの帯域B0/2以下の領域に一様に分布することとなる。
図15に示す従来の光受信機では、光電変換回路101によって光電変換した信号に対して増幅器102で所望の増幅を行った後、アナログの低域通過フィルタ(帯域をBeとする)103で不要な帯域の雑音を取り除き、識別判定回路104により雑音除去後の信号について識別判定を行っている。この低域通過フィルタ103で雑音除去すると、信号−ASEビート雑音パワーNspは、次式(3)に示す値となり、その結果、信号電流をIsとすると受信端でのSNRは次式(4)で示す値となる。
Figure 0005385221
Figure 0005385221
しかしながら、BeはRZ(Return to Zero)強度変調信号、RZ化された位相変調、強度変調を伴わない位相変調信号ではビットレート以上に、NRZ(Non Return to Zero)強度変調やNRZ化された位相変調信号ではビットレートの半分以上に設定する必要があるため、上記の低域通過フィルタ103では、Be以下の雑音は除去しきれない。したがって、光増幅器で発生するASEに起因する信号雑音が十分に補正できていない状況にあった。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、光増幅器で発生するASEに起因する信号雑音を補正して受信信号のSNRを改善した光受信機、これに用いられる雑音信号推定装置および雑音信号推定方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載された雑音信号推定装置は、受信した光信号をディジタル変換したディジタル電気信号に含まれる雑音を推定する雑音信号推定装置であって、前記ディジタル電気信号の絶対値を計算する絶対値計算部と、前記算出された絶対値について、前記光信号の単位時間スロット内の一つの値を検出する値検出部と、前記検出した値のうちで低域信号のみを通過させる低域通過フィルタ部と、前記値検出部の出力値と前記低域通過フィルタ部の出力値との差分値を計算する差分演算部と、前記差分値のうち、前記絶対値計算部で絶対値を計算する際に符号が変換された値に対応する差分値の符号を変換して雑音成分として出力するする符号変換部とを備えることを特徴とする。
請求項2の雑音信号推定装置は、請求項1に記載の雑音信号推定装置において、前記低域通過フィルタ部は、前記検出した値の移動平均値を計算して出力することを特徴とする。
請求項3の雑音信号推定装置は、請求項1に記載の雑音信号推定装置において、前記光信号の単位時間スロット内のピーク値を検出するか、または前記値検出部は、前記光信号の単位時間スロット内の所定の時刻の値を検出するかのいずれかであることを特徴とする。
請求項4の雑音信号推定装置は、請求項1から3のいずれかに記載の雑音信号推定装置において、前記差分演算部出力値について時間的補間演算を行う補間演算部をさらに備えることを特徴とする。
請求項5の雑音信号推定方法は、受信した光信号をディジタル変換したディジタル電気信号に含まれる雑音を推定する雑音信号推定方法であって、前記ディジタル電気信号の絶対値を計算する絶対値計算段階と、前記算出された絶対値について、前記光信号の単位時間スロット内の一つの値を検出する値検出段階と、前記検出した値うちで低域信号のみを通過させる低域通過フィルタ段階と、前記値検出段階で検出した値と前記低域通過フィルタ段階の出力値との差分値を計算する差分演算段階と、前記差分値のうち、前記絶対値計算段階で絶対値を計算する際に符号が変換された値に対応する差分値の符号を変換して雑音成分として出力する符号変換段階とを備えることを特徴とする。
請求項6の雑音信号推定方法は、請求項5に記載の雑音信号推定方法において、前記低域通過フィルタ段階は、前記検出した値の移動平均値を計算して出力することを特徴とする。
請求項7の雑音信号推定方法は、請求項5に記載の雑音信号推定方法において、前記値検出段階は、前記光信号の単位時間スロット内のピーク値を検出するか、または前記光信号の単位時間スロット内の所定の時刻の値を検出するかのいずれかであることを特徴とする。
請求項8の雑音信号推定方法は、請求項5から7のいずれかに記載の雑音信号推定方法において、前記差分演算部出力値について時間的補間演算を行う補間演算段階をさらに備えることを特徴とする。
請求項9の光受信機は、受信した光信号をディジタル変換したディジタル電気信号に変換する処理部と、請求項1乃至3に記載の雑音信号推定装置と、前記ディジタル電気信号から前記雑音信号推定装置から出力される雑音成分を除去する手段とを備えたこと特徴とする。
請求項10の光受信機は、請求項9に記載の光受信機において、光信号の1ビットの遅延干渉部とバランス型光検出部を備えることを特徴とする。
本発明は、光増幅器で発生するASEに起因する信号雑音を補正して受信信号のSNRを改善できるという利点を有する。
本発明の雑音推定装置を搭載した光受信機の第1の実施形態を示すブロック図である。 本発明の雑音推定装置を搭載した光受信機と従来の光受信機の受信特性を測定する測定系を説明する図である。 本発明の第1の実施形態にかかる光受信機の光復調素子、光電変換回路、増幅器の構成を示すブロック図である。 本発明の雑音推定装置を搭載した光受信機のアイ開口率を示す図である。 従来の光受信機のアイ開口率を示す図である。 RZ−DPSK変調された光信号を本発明の雑音推定装置を搭載した光受信機と従来の光受信機で受信したときのアイ開口率の光SNR依存性を示す図である。 RZ−DQPSK変調された光信号を本発明の雑音推定装置を搭載した光受信機と従来の光受信機で受信したときのアイ開口率の光SNR依存性を示す図である。 本発明の第1の実施形態で低域通過フィルタ部を異なる構成とした場合に、RZ−DPSK変調された光信号を受信したときのアイ開口率の光SNR依存性を示す図である。 本発明の雑音推定装置を搭載した光受信機の第2の実施形態を示すブロック図である。 本発明の雑音推定装置を搭載した光受信機の第3の実施形態を示すブロック図である。 本発明の雑音推定装置を搭載した光受信機の第4の実施形態を示すブロック図である。 本発明の光受信機を用いた光伝送システムの構成を示すブロック図である。 本発明の光受信機を用いた光伝送システムの伝送特性(Qファクター)を示す図である。 従来の光受信機を用いた光伝送システムの伝送特性(Qファクター)を示す図である。 従来の光受信機の構成を示すブロック図である。 信号−ASEビート雑音低減の概念を示す雑音スペクトル図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本発明の雑音推定装置は、光受信機において用いられる雑音推定装置であって、従来の光受信機の低域通過フィルタの帯域Beより小さい帯域を有するフィルタで雑音成分を抽出している。以下の実施形態で説明する光受信機では、この雑音推定装置で抽出した抽出成分によって雑音を含んだ信号を補正している。この補正により、雑音信号の帯域をBeからさらに制限することができるので、この雑音推定装置を搭載した光受信機の受信端でのSNRは次式(5)または式(6)に示す値となる。
Figure 0005385221
Figure 0005385221
すなわち、受信端におけるSNRがBe/(Be−Bc)またはBe/Bcのファクターで改善できる。この雑音信号の分布する領域を図示したのが図16である。
(第1の実施形態)
本実施の形態では、雑音推定装置は、受信信号の各時間スロットのピーク値を検出し、低域通過フィルタを通過させ、ピーク値との差分を雑音成分として抽出する構成とすることにより、従来の光受信機では阻止できない周波数Be以下の雑音成分を抽出することを可能としている。
図1に第1の実施形態の雑音推定装置を搭載した光受信機の概略構成を示す。本実施形態の光受信機30は、光復調素子12、光電変換部1、増幅器2、アナログ/ディジタル(A/D)変換器3、遅延部4、絶対値化部5、ピーク検出部6、低域通過フィルタ部7、差分演算部8、補間演算部9、符号反転部10、識別判定部11から構成される。また、光変調方式によっては、光電変換器1の前の光復調素子12を省略してもよく、低域通過フィルタ11と識別判定部11との間に、歪等化、周波数オフセット補償、搬送波位相推定などをディジタル演算で行うディジタル演算部を別に設けてもよい。
光電変換部1 に入力した光信号は、増幅器2で増幅される。ここでは、前置増幅器、自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)増幅器、電力増幅器などをまとめて一つのブロックで表現している。また、増幅器帯域特性により、増幅器が従来の光受信機の低域透過フィルタの効果も併せて持っている。
増幅された光信号は、A/D変換器3でディジタル信号に変換された後、本信号と雑音補正信号とに分岐される。本信号はタイミング調整回路を備えた遅延部4で遅延を受ける。一方、雑音補正信号はまず絶対値化部5で全ての値の符号が正に変換された後、ピーク検出部6により各信号パルスのピーク値を検出する。このときピーク値検出はほぼ光変調信号のボーレート(シンボルレート)でサンプリングされることと等価になる。
サンプリングされたピーク値は低域透過フィルタ部7を通過する。本実施形態では、低域透過フィルタとしてN点移動平均(N=10)を用いており、過去10点の移動平均値が演算される。
低域透過フィルタ部7で移動平均がとられた信号は、差分演算部8で現在のピーク値からその移動平均値が差し引かれる。この演算により、差分演算部8の出力値は信号−ASEビート雑音による揺らぎの高周波成分(雑音成分)となる。
差分演算部8から各ピークごとの雑音成分が出力されると、補間演算部9は、ピーク間の雑音成分の値を線形補間、3次スプライン補間、3次エルミート内挿等により補間する。補間演算部9の出力信号は符号反転部10において、絶対値化部5で符号を反転した値とその補間値に対応する雑音成分の符号のみを反転して雑音補正値として出力する。本信号の遅延部4の出力値から符号反転部10から出力される雑音補正値(雑音成分)が差し引かれることにより、本信号から雑音成分が差し引かれることとなる。雑音成分が差し引かれた受信信号は、識別判定部11でビットの0、1が判定される。
ここで、波長1550nm、43Gbaud RZ−DPSKで変調された光信号を、図2で示すような測定系、すなわち、光増幅器13で増幅後に、本実施形態の光受信器30で受信する構成の受信特性を説明する。光復調素子12と光電変換素子1は図3に示すようにそれぞれ、1ビット分の光遅延干渉回路による光復調器とバランス型フォトダイオード15によって処理された後、増幅器2に入力され、上述した光受信機30における処理によりビットの0、1が判定される。
図4および図5はそれぞれ本発明の光受信機及び従来の光受信機を使用した場合のアイパターンを示す。光受信機入力信号光パワー(平均パワー)は−5dBmの場合、光信号対雑音比(SNR)は、15dB(波長分解能0.1nm)である。図4に示すように、従来の光受信機では、信号−ASEビート雑音による揺らぎが大きくアイパターンがかなり閉じてしまい、アイ開口率は0.29であった。一方、図5に示すように、本発明の光受信機では雑音補正信号による補正の効果で信号−ASEビート雑音による揺らぎが抑制されアイ開口率は0.71であった。このように、本光受信機のアイ開口率は、従来の光受信機のアイ開口率に比べて大幅に改善できていることが判る。
図6は光受信機へ入力する信号光の光SNRに対する本光受信機30のアイ開口率(a)と従来の光受信機のアイ開口率(b)とを示すグラフである。いずれの光SNRにおいても本発明の光受信機では従来の光受信機と比較してアイ開口率、すなわち信号対雑音比が大幅に改善できている。
また、図7には変調方式を21.5Gbaud RZ−DQPSK(4値信号)としたときに光受信機へ入力する信号光の光SNRに対する本光受信機30のアイ開口率(c)と従来の光受信機のアイ開口率(d)を示すグラフである。RZ−DPSKと同様に本光受信機30では4値信号の変調フォーマットに対しても、従来の光受信機と比較してアイ開口率、すなわち信号対雑音比が大幅に改善できている。
低域通過フィルタ部7は、移動平均を算出する構成に限らず、任意のフィルタ構成を利用可能である。例えば、低域通過フィルタ部7として、0〜1GHzで通過域最大減衰量0.5dB、2GHz以上で阻止域最小減衰量80dBのディジタル低域通過フィルタを用いることもできる。このディジタル低域通過フィルタを用いたときに光受信機へ入力する信号光の光SNRに対するアイ開口率を、本光受信機30のアイ開口率と従来の光受信機のアイ開口率とを比較してそれぞれ図8中の実線e、実線fに示す。図8から判るように、いずれの光SNRにおいても本発明の光受信機では従来の光受信機と比較してアイ開口率、すなわち信号対雑音比が大幅に改善できている。
以上説明したように、本願発明の光受信機では光増幅器で発生するASEに起因する信号雑音を抑制し、従来の光受信機より受信信号のSNRを改善することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態の雑音推定装置を搭載した光受信機31の構成を図9に示す。本実施形態にかかる光受信機31は、第1の実施形態のピーク検出部6に代えて、受信信号の時間スロット内の特定の時刻の値を検出する値検出部14を設けた構成としている。この構成により、受信信号の各時間スロット内の特定の時刻の値を一つ検出して低域通過フィルタを通過させ、検出した特定の時刻の値との差分を雑音成分として抽出することにより、従来の光受信機では阻止できない周波数Be以下の雑音成分を抽出することを可能としている。
光受信機31において、値検出部14は、絶対値化部5から出力された信号の各信号パルスの時間スロット内の同時刻の値を検出する。例えば時間スロットの中心となる時刻の値を検出する。このときの検出値検出は光変調信号のボーレート(シンボルレート)でサンプリングされることと等価になる。サンプリングされた検出値は低域通過フィルタ部7を通過する。本実施形態では、低域透過フィルタとしてN点移動平均(N=10)を用いており、過去10点の移動平均値が演算され、差分演算部8で現在の検出値からその移動平均値が差し引かれる。この演算により、差分演算部8の出力値は信号−ASEビート雑音による揺らぎの高周波成分(雑音成分)となる。
差分演算部8で算出された雑音成分は、第1の実施形態と同様に信号処理される。ピーク間の値が補間演算部9で線形補間、3次スプライン補間、3次エルミート内挿等により補間される。補間演算部9の出力信号は符号反転部10において、絶対値化部5で符号が反転した値とその補間値に対応する雑音成分の符号のみを反転して雑音補正値として出力する。本信号の遅延部4の出力値から符号反転部10から出力される雑音補正値(雑音成分)が差し引かれることにより、本信号から雑音成分が差し引かれることとなる。雑音成分が差し引かれた受信信号は、低域通過フィルタ11によりさらに不要な帯域の雑音が除去された後、識別判定部11でビットの0、1が判定される。 本実施形態では時間スロット内の特定の時刻の値を検出するので、時間スロット内でパルスピークがない、すなわちRZ化されていないDPSKなどの位相変調や周波数変調信号にも適用できる。
本実施形態の光受信機で波長1550nm、10.7Gbaud DPSK(RZ化されていないDPSK)で変調された光信号を光増幅器13で増幅後に受信したときの受信特性を第1の実施形態と同様に図2に示す測定系で測定した結果を示す。光受信機の入力信号の光パワー(平均パワー)は、−5dBmで光信号対雑音比(SNR)は15dB(波長分解能0.1nm)として測定)、Qファクターは従来の光受信機を用いたときに比較して本実施形態の光受信機では2.5dBの改善が確認できた。
(第3の実施形態)
本実施形態の雑音推定装置を搭載した光受信機の構成を図10に示す。本実施形態にかかる光受信機32は、図1に示した第1の実施形態の光受信機30において補間演算部9がない構成としている。
OKK(On/Off Keying)変調方式のRZ変調やNRZ変調信号では、補間演算を行わなくとも、検出した各時間スロットのピーク値のみを用いてビットの0、1判定が可能となるため、各時間スロットのピーク値に対してのみ雑音補正を行う。本実施形態の光受信機32では、0のビットに対応する時間スロットでは光が無い状態となるため、低域通過フィルタ部7での移動平均演算は位相変調や周波数変調時より平均する時間スロットを多く取ったうえで0のビットの時間スロットの値は無視するように演算を行う。
波長1550nm、43Gbaud RZ−OKK変調された光信号を光増幅器13で増幅後に本実施形態の光受信機32で受信したときの受信特性を第1の実施形態と同様に図2に示す測定系で測定した結果、(光受信機入力信号光パワー(平均パワー)は−5dBmで光信号対雑音比(SNR)は15dB(波長分解能0.1nm)として測定)本実施形態の光受信機では2.5dBの改善が確認できた。なお、この受信特性を測定した光受信機32では、光復調素子12は用いておらず、光電変換素子は単一のフォトダイオード及び増幅器から構成されている。
(第4の実施形態)
本実施形態の雑音推定装置を搭載した光受信機の構成を図11に示す。本実施形態にかかる光受信機33は、図9に示した第2の実施形態の光受信機31において補間演算部9がない構成としている。
第3の実施形態と同様に、OKK(On/Off Keying)変調方式の変調信号では、補間演算を行わなくとも、検出した各時間スロットの値のみを用いてビットの0、1判定が可能となるため、時間スロット内の特定の時刻の値に対してのみ雑音補正を行う。
本実施形態の光受信機32では、0のビットに対応する時間スロットでは光が無い状態となるため、低域通過フィルタ部7での移動平均演算は位相変調や周波数変調時より平均する時間スロットを多く取ったうえで0のビットの時間スロットの値は無視するように演算を行う。
波長1550nm、43Gbaud RZ−OKK変調された光信号を光増幅器13で増幅後に本実施形態の光受信機33で受信したときの受信特性を第1の実施形態と同様に図2に示す測定系で測定した結果、(光受信機入力信号光パワー(平均パワー)は−5dBmで光信号対雑音比(SNR)は15dB(波長分解能0.1nm)として測定)本実施形態の光受信機では2.5dBの改善が確認できた。なお、この受信特性を測定した光受信機33では、光復調素子12は用いておらず、光電変換素子は単一のフォトダイオード及び増幅器から構成されている。
(第5の実施形態)
本実施形態では、上記第1の実施形態乃至第4の実施形態で説明した光受信機を用いて光伝送システムを構成している。
光伝送システムは図12に示した構成を用いた。信号送信端において、複数の光送信器15はそれぞれL帯1571.65nm(190.75THz)−1604.88nm(196.80THz)に配置された50GHz間隔80波のうち一波長の信号光を発生すると共に、内部に備えた光変調器により、12.4Gbaud RZ−DQPSKで信号光を変調する。各波長の信号光はアレイ導波路回折格子16で合波された後、後置光増幅器17で増幅され、伝送ファイバ19に−2dBm/chのパワーで入力される。伝送ファイバ18は標準シングルモードファイバ80km長で、各光中継装置20で分布ラマン増幅用の励起光が伝送ファイバに入力されると共に、光増幅器で、減衰した信号光は増幅される。光中継装置19による中継は10箇所で行った。信号受信端では分布ラマン増幅用の励起光が送信されると共に、信号光を増幅する前置光増幅装置20で信号光が増幅された後、各信号波長での−3dB透過帯域が約30GHzのアレイ導波路回折格子21で各信号光に分波された後、第1の実施形態乃至第4の実施形態で説明した光受信機30(31、32、33)で検出・識別判定後、誤り訂正され信号のビットが判定される。
図13は本願発明の光受信機を用いた場合のQファクターを示している。比較のために図14同じ光伝送システムに従来の光受信機を適用したときのQファクターも示している。
本願発明の光受信機を使用した場合は、いずれの信号光もQファクターはFEC(Forward Error Correction)の適用限界(ITU−T G.975.1 Enhanced FECを用いた場合)のQファクター9.1dBを上回っており、また、エラーレートはすべてBER10-12を下回っている(BERは10-12以下であるが、図11ではBER=10-12のところに点を打っている)。一方、従来の光受信機ではASEに起因する信号雑音の影響で、いずれの信号光もQファクターはFEC(Forward Error Correction)の適用限界のQファクター9.1dBを大きく下回ってしまい、エラーレートは最悪の波長でBER1.3×10-9と非常に大きな値となった。
このように、従来の光受信機では光増幅器で発生するASEに起因する信号雑音により伝送品質が劣化してしまう伝送容量・伝送距離であっても、本願発明の光受信機を使用することで、信号のSNRを保って伝送品質の劣化を抑制することができる。
30、31、32、33 光受信機
1 光電変換部
2、13 増幅器
3 アナログ/ディジタル(A/D)変換器
4 遅延部
5 絶対値化部
6 ピーク検出部
7 低域通過フィルタ部
8 差分演算部
9 補間演算部
10 符号反転部
11 識別判定部
13 増幅器
14 値検出部
22 光復調素子
101 光電変換回路
102 増幅器
103 低域通過フィルタ
104 識別判定部

Claims (10)

  1. 受信した光信号をディジタル変換したディジタル電気信号に含まれる雑音を推定する雑音信号推定装置であって、
    前記ディジタル電気信号の絶対値を計算する絶対値計算部と、
    前記算出された絶対値について、前記光信号の単位時間スロット内の一つの値を検出する値検出部と、
    前記検出した値のうちで低域信号のみを通過させる低域通過フィルタ部と、
    前記値検出部の出力値と前記低域通過フィルタ部の出力値との差分値を計算する差分演算部と、
    前記差分値のうち、前記絶対値計算部で絶対値を計算する際に符号が変換された値に対応する差分値の符号を変換して雑音成分として出力するする符号変換部とを備えることを特徴とする雑音信号推定装置。
  2. 前記低域通過フィルタ部は、前記検出した値の移動平均値を計算して出力することを特徴とする請求項1に記載の雑音信号推定装置。
  3. 前記値検出部は、前記光信号の単位時間スロット内のピーク値を検出するか、または前記光信号の単位時間スロット内の所定の時刻の値を検出するかのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の雑音信号推定装置。
  4. 前記差分演算部出力値について時間的補間演算を行う補間演算部をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の雑音信号推定装置。
  5. 受信した光信号をディジタル変換したディジタル電気信号に含まれる雑音を推定する雑音信号推定方法であって、
    前記ディジタル電気信号の絶対値を計算する絶対値計算段階と、
    前記算出された絶対値について、前記光信号の単位時間スロット内の一つの値を検出する値検出段階と、
    前記検出した値うちで低域信号のみを通過させる低域通過フィルタ段階と、
    前記値検出段階で検出した値と前記低域通過フィルタ段階の出力値との差分値を計算する差分演算段階と、
    前記差分値のうち、前記絶対値計算段階で絶対値を計算する際に符号が変換された値に対応する差分値の符号を変換して雑音成分として出力する符号変換段階とを備えることを特徴とする雑音信号推定方法。
  6. 前記低域通過フィルタ段階は、前記検出した値の移動平均値を計算して出力することを特徴とする請求項5に記載の雑音信号推定方法。
  7. 前記値検出段階は、前記光信号の単位時間スロット内のピーク値を検出するか、または前記光信号の単位時間スロット内の所定の時刻の値を検出するかのいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の雑音信号推定方法。
  8. 前記差分演算部出力値について時間的補間演算を行う補間演算段階をさらに備えることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の雑音信号推定方法。
  9. 受信した光信号をディジタル変換したディジタル電気信号に変換する処理部と、請求項1乃至3に記載の雑音信号推定装置と、
    前記ディジタル電気信号から前記雑音信号推定装置から出力される雑音成分を除去する手段とを備えたこと特徴とする光受信機。
  10. 光信号の1ビットの遅延干渉部とバランス型光検出部を備えることを特徴とする請求項9に記載の光受信機。
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