近年の電子機器、例えば、DVC(Digital Video Camera)や携帯電話機とPDA(Personal Digital Assistance)に代表される携帯型情報機器に実装される電子部品モジュールやプリント基板間を接続するには、平型柔軟ケーブルであるFPCが使用されている。
プリント基板に表面実装されるFPC用コネクタ、いわゆる表面実装型のFPC用コネクタは、FPCが挿入される挿入部が形成されている絶縁性のハウジングと、このハウジングに所定のピッチで横並びに装着された複数のコンタクトを備えている。そして、FPCとこのコンタクトとを当接させるために、例えば、開閉するカバーハウジングが開口部に備えられている。
プリント基板に表面実装されるFPC用コネクタは実装密度を上げるべく、実装高さを低くすること(低背化)が求められており、この表面実装型のFPC用コネクタに配列されるコンタクトも多ピン化、狭ピッチ化が進行している。
このような表面実装型のFPC用コネクタとして、FPCと接触する接触脚とこの接触脚に対応するスタビライザ脚(水平脚)とを有する複数のコンタクトを、互いに平行に整列する第1のコンタクト群と第2のコンタクト群とから構成するFPC用コネクタが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1によるFPC用コネクタは、開閉するアクチュエータ(以下、カバーハウジングという)に第1のコンタクト群のスタビライザ脚に係合するカム部と、第2のコンタクト群のスタビライザ脚に係合する被押圧部とを設けている。
そして、このカバーハウジングの開閉軸の周囲に形成されるカム部は、当該カバーハウジングが閉じられた状態から開く状態に開閉軸が回動するときに、第1のコンタクト群のスタビライザ脚は対応する接触脚との間隔を広げるように弾性変形される。
一方、被押圧部は、当該カバーハウジングが閉じられた状態から開く状態に開閉軸が回動するときに、第2のコンタクト群のスタビライザ脚は、第1のコンタクト群のスタビライザ脚がカバーハウジングに与える力と反対方向の力を受けるように形成されている。
特許文献1によるFPC用コネクタは、カバーハウジングを回動させてFPCの挿入部を開くと、第1のコンタクト群のスタビライザ脚が弾性変形させ、当該スタビライザ脚に備わるFPC押さえ部と接触脚との間隔を広げる。そして、ZIF作用を損なうことなく、カバーハウジングの変形を防止又は抑制できるとしている。
又、特許文献1によるFPC用コネクタは、カバーハウジングを閉じた状態では、第1のコンタクト群と第2のコンタクト群により、カバーハウジングに有害な変形を与える力は加わらないとしている。
又、このような表面実装型のFPC用コネクタとして、絶縁性のハウジングと、このハウジングに装着された複数のコンタクトと、回動可能に設けられたカバーハウジングとを備えているFPC用コネクタが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2によるFPC用コネクタにおいては、コンタクトは、FPCの挿入部に延びるコンタクトビームと、枢支ビームとを有しており、この枢支ビームの先端部下縁に切欠部が形成されてカバーハウジングの枢支部を構成している。
更に、特許文献2によるFPC用コネクタにおいては、カバーハウジングは、各コンタクトの枢支部に対応させて貫通孔が形成され、この貫通孔の孔縁部を断面略円形の軸部とされて枢支部に係合している。そして、隣り合う軸部の間に加圧用突部が設けられ、この加圧用突部でFPCをコンタクトの接点へ向けて押圧するようにしてある。
このような特許文献2によるFPC用コネクタにおいては、カバーハウジングはハウジングへの組み付けが容易であり、しかも、組み付け時にコンタクトの接点を傷付けるおそれのない構造としている。
特開2002−329536号公報
特開2003−151660号公報
図10は、特許文献1によるFPC用コネクタ7の断面図であり、特許文献1における図3に対応している。図10において、ハウジング70はFPC1が挿入される挿入部70Aを有しており、第1のコンタクト71における接触脚71Aは挿入部70A側からハウジング70に圧入されている。なお、接触脚71Aの端部は、ハウジング70から延出してプリント基板9にはんだ接合されるリード部を形成している。
図10に示されるように、接触脚71Aにおける延出端部はUの字状に反転分岐して、挿入部70A側に延出するスタビライザ脚71Bを形成している。そして、スタビライザ脚71Bの端部は、カバーハウジング73の開閉軸の周囲に形成されたカム部73Aに係合している。
図11は、特許文献1によるFPC用コネクタ7の断面図であり、特許文献1における図4に対応している。図11において、第2のコンタクト72は、接触脚72Aとスタビライザ脚72Bとが対向しており、端部が連結する二股コンタクトとなっている。
図11に示されるように、第2のコンタクト72におけるスタビライザ脚72Bは、挿入部70Aの反対側からハウジング70に圧入されている。そして、スタビライザ脚72Bの端部はハウジング70から延出する自由端となっており、この自由端がカバーハウジング73の開閉軸の周囲に形成された被押圧部73Bと係合している。なお、接触脚72Aの端部は、ハウジング70から延出してプリント基板9(図10参照)にはんだ接合されるリード部を形成している。
表面実装型のFPC用コネクタに配列されるコンタクトは多ピン化、狭ピッチ化が進行しており、図10又は図11に示されたコンタクト71及び72は板厚の薄い板ばねとなっている。更に、表面実装型のFPC用コネクタは低背化が進行しており、例えば、図11に示されたスタビライザ脚72Bの固定端を保持するハウジング70の極間壁Cが薄いものとなっている。
図10において、カバーハウジング73を開くと、カバーハウジング73の開閉軸の周囲に形成された偏心カムとなるカム部73Aが回転して、スタビライザ脚71Bの端部は上方に変位される。つまり、図10に示されるように、カバーハウジング73の開閉軸にはカム部73Aの回転により上向きの力Rが働く。
一方、図10に示されるように、カバーハウジング73の開閉軸にはスタビライザ脚71Bの端部が復帰しようとする反力Sが働く。そして、図11に示されるように、この反力Sは、カバーハウジング73の開閉軸と同軸となる被押圧部73Bがスタビライザ脚72Bの端部を下向きに付勢する力として作用する。
すなわち、カバーハウジング73を開こうとすると、プリント基板9(図10参照)にはんだ接合されるリード部(接触脚72Aの端部となるリード部)を支点として、スタビライザ脚72Bは、反時計方向に曲げモーメントが作用する。
前述のように、スタビライザ脚72Bの固定端を保持するハウジング70の極間壁Cは薄いものとなっているので、第2のコンタクト72が圧入されている極間壁Cは、座屈するように応力が作用し、破損しやすいものとなっている。
コンタクトは多ピン、狭ピッチであり、低背のZIF型のFPC用コネクタにおいて、開閉するカバーハウジングの開閉軸が変位しないような構造のZIF型のFPC用コネクタが求められている。
図12は、特許文献2によるFPC用コネクタ8の断面図であり、特許文献2における図3に対応している。図12において、ハウジング80はFPC1が挿入される挿入部80Aを有しており、端子(以下、コンタクトという)81におけるコンタクトビーム81Aと枢支ビーム81Bは、挿入部80Aの反対側からハウジング80に圧入されている。なお、コンタクトビーム81Aの端部は、ハウジング80から延出して図示されないプリント基板にはんだ接合されるリード部を形成している。
図12はカバーハウジング83が開いた状態図である。この図12に示されるように、枢支ビーム81Bの先端部下縁に切欠部811が形成されている。そして、カバーハウジング83の開閉軸となる軸部83Aを開閉自在に支持する枢支部812は、この切欠部811内に構成されている。又、軸部83Aの回りは貫通孔831が設けられている。
図13は、特許文献2によるFPC用コネクタ8の断面図であり、特許文献2における図4に対応している。図13はカバーハウジング83が閉じた状態図である。この図13に示されるように、カバーハウジング83の下壁に形成された加圧用突起832はFPC1を押圧している。
特許文献2によるFPC用コネクタ8は、カバーハウジング83に形成される貫通孔831の開口寸法Aを、コンタクト81の枢支部812の高さ方向寸法Bよりも小さくすることで、カバーハウジング83の開閉の際に、カバーハウジング83が枢支部812から外れないようにできるとしている。この結果、FPCの接続作業を確実にできるFPC用コネクタとすることができるとしている。
表面実装型のFPC用コネクタに配列されるコンタクトは多ピン化、狭ピッチ化が進行おり、図12又は図13に示されたコンタクト81は板厚の薄い板ばねとなっている。更に、表面実装型のFPC用コネクタは低背化が進行しており、例えば、図12に示された枢支ビーム81Bの固定端を保持するハウジング80の肉厚は薄いものとなっている。
図12又は図13に示されたFPC用コネクタ8は、コンタクト81がハウジング80に一列に配置されており、FPC用コネクタ8にFPC1が挿入されてカバーハウジング83が閉じられた状態においては、片持ち梁となる枢支ビーム81Bは反時計方向に曲げモーメントが作用する。
しかしながら、図12又は図13に示されたような形状となる片持ち梁となる枢支ビーム81Bは、板厚も薄くなり低背化すると、前記曲げモーメントに対抗できるような断面2次モーメントの大きい剛性腕とはならない。
つまり、等分布荷重を受ける片持ち梁となる枢支ビーム81Bは、上方に撓むという懸念が払拭できないものとなる。このことは、例えば、FPCとコンタクトとの接触不良の要因となる。
コンタクトは多ピン、狭ピッチであり、低背のFPC用コネクタにおいて、開閉するカバーハウジングの開閉軸が変位しないような構造のFPC用コネクタが求められている。
本発明は、このような問題に鑑み、コンタクトは多ピン、狭ピッチであり、低背のFPC用コネクタにおいて、開閉するカバーハウジングの開閉軸が変位しないような構造のFPC用コネクタを提供することを目的とする。
発明者は、上記目的を満たすため、カバーハウジングの開閉軸を変位させないように断面2次モーメントの大きい剛性腕を有するコンタクトを備える構造とし、以下のような新たなFPC用コネクタを発明した。
(1) FPCが挿入される開口部を有しており、当該開口部に配列されている複数のコンタクトと前記FPCとが電気的に接続するFPC用コネクタであって、前記FPCが載置される上面開放凹部は前記開口部を部分形成しており、当該上面開放凹部の延長上に前記FPCの挿入端部が当接される差込口が形成されている絶縁性のハウジングと、前記ハウジングに連結する開閉軸を有しているカバーハウジングであって、当該カバーハウジングが開くことにより前記FPCは前記差込口に挿入可能となり、当該カバーハウジングが閉じることにより前記差込口に挿入された前記FPCを押圧して前記複数のコンタクトに当接させる絶縁性のカバーハウジングと、を備えており、水平脚と第1アームと第2アームとで構成されている前記コンタクトは前記上面開放凹部側から前記ハウジングに圧入されており、前記第1アームは、前記水平脚の一方の端部から立脚分岐して更に前記開口部の入口から前記差込口に向けて延出分岐しており、当該第1アームにおける前記延出端部は前記上面開放凹部の底面から突出して前記FPCと弾性接触する接点を備えており、前記第2アームは、前記水平脚の他方の端部から立脚分岐して更に前記第1アームにおける前記接点に向けて延出分岐しており、当該第2アームにおける前記延出端部は前記接点に対向配置されている前記開閉軸を回転可能に支持する枢止部を備えており、端部となる前記枢止部に荷重が作用する片持梁となる前記第2アームは、前記開閉軸を変位させないように断面2次モーメントの大きい剛性腕となっていることを特徴とするFPC用コネクタ。
(2) 前記複数のコンタクトと交互に前記ハウジングに配列されている複数の板ばねを更に備えており、前記板ばねは圧入アームと弾性アームが対向するように端部が連結されて二股に構成されており、前記圧入アームは前記上面開放凹部の反対側から前記ハウジングに圧入されており、前記弾性アームの先端部は前記開閉軸の軸中心に向けて延出しており、当該弾性アームの先端部と係止される前記開閉軸の軸周囲は前記開閉軸の軸中心を平面に含む水平壁と当該水平壁に隣接すると共に直交する垂直壁とが形成されており、前記カバーハウジングが開かれているときは前記水平壁に当接する前記弾性アームの先端部は前記垂直壁を付勢して当該カバーハウジングの開状態が維持されていることを特徴とする(1)記載のFPC用コネクタ。
(3) 前記コンタクトは前記開口部の入口から前記FPCの反挿入方向に第1リード部が延出しており、当該第1リード部の底面がプリント基板に接合されていることを特徴とする(1)又は(2)のいずれかに記載のFPC用コネクタ。
(4) 前記板ばねは前記開口部の反対側から前記FPCの挿入方向に第2リード部が延出しており、当該第2リード部の底面がプリント基板に接合されていることを特徴とする(2)又は(3)のいずれかに記載のFPC用コネクタ。
(5) 前記FPCの挿入端部が当接される差込口の輪郭を囲むように前記コンタクトにおける他方の端部で対向している前記水平脚と前記第2アームとでUの字状の溝が形成されていることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載のFPC用コネクタ。
(6) 前記差込口に前記FPCが挿入されて前記カバーハウジングが閉じられているときは前記水平壁に当接している前記弾性アームの先端部は当該水平壁から離間し、前記弾性アームの先端部に下設されている突起に当該FPCが押圧されることを特徴とする(2)から(5)のいずれかに記載のFPC用コネクタ。
(7) 前記カバーハウジングの両翼に相反するように突出する一対のディテントを備えており、前記ハウジングは当該カバーハウジングが閉じられて格納される凹部を有しており、当該凹部において対向する内壁側面に前記一対のディテントと嵌合される一対のインデントを形成しており、前記一対のディテントと前記一対のインデントとが噛み合うことにより当該カバーハウジングは閉じられた状態にロックされることを特徴とする(2)から(6)のいずれかに記載のFPC用コネクタ。
(8) 前記カバーハウジングの両翼に相反するように配置されており前記開閉軸と同軸となる一対の円柱突起と、前記一対の円柱突起を回転可能に下方から支持しており前記カバーハウジングの両翼に相反して配置されるように前記ハウジングに圧入されている一対の支持部材と、を更に備えており、前記第2アームにおける枢止部は半円弧溝が形成されて、当該半円弧溝が前記開閉軸を回転可能に上方から支持しており、前記一対の支持部材は前記FPCの挿入方向から前記前記ハウジングに圧入され、当該一対の支持部材は、前記半円弧溝を有する枢止部に前記開閉軸が係止するように前記一対の円柱突起を下方から上方に移動させる傾斜面が形成されていることを特徴とする(7)記載のFPC用コネクタ。
(9) プリント基板に表面実装されることを特徴とする(1)から(8)のいずれかに記載のFPC用コネクタ。
(1)記載の発明によれば、「FPCが挿入される開口部を有しており、当該開口部に配列されている複数のコンタクトと前記FPCとが電気的に接続するFPC用コネクタであって、前記FPCが載置される上面開放凹部は前記開口部を部分形成しており、当該上面開放凹部の延長上に前記FPCの挿入端部が当接される差込口が形成されている絶縁性のハウジングと、前記ハウジングに連結する開閉軸を有しているカバーハウジングであって、当該カバーハウジングが開くことにより前記FPCは前記差込口に挿入可能となり、当該カバーハウジングが閉じることにより前記差込口に挿入された前記FPCを押圧して前記複数のコンタクトに当接させる絶縁性のカバーハウジングと、を備えており、水平脚と第1アームと第2アームとで構成されている前記コンタクトは前記上面開放凹部側から前記ハウジングに圧入されており、前記第1アームは、前記水平脚の一方の端部から立脚分岐して更に前記開口部の入口から前記差込口に向けて延出分岐しており、当該第1アームにおける前記延出端部は前記上面開放凹部の底面から突出して前記FPCと弾性接触する接点を備えており、前記第2アームは、前記水平脚の他方の端部から立脚分岐して更に前記第1アームにおける前記接点に向けて延出分岐しており、当該第2アームにおける前記延出端部は前記接点に対向配置されている前記開閉軸を回転可能に支持する枢止部を備えており、端部となる前記枢止部に荷重が作用する片持梁となる前記第2アームは、前記開閉軸を変位させないように断面2次モーメントの大きい剛性腕となっている」ことを特徴としてよい。
上面開放凹部は対向する立設壁を有しており、この立設壁によって上面開放凹部に載置されるFPCの幅方向が規制される。差込口は該薄直方体に形成されており、カバーハウジングが開かれた状態においてFPCはこの差込口に鋭角に挿入される。そして、このFPC用コネクタは、FPCを差込口に挿抜するときにほとんど力を必要としないZIFコネクタを構成している。
ハウジングには、上面開放凹部から差込口、更に後方まで貫通する縦長の矩形溝が櫛の歯状に複数形成されており、上面開放凹部側からこの縦長の矩形溝にコンタクトが圧入される。そして、第1アームにおける接点がこの上面開放凹部の底面から突出している。
前記縦長の矩形溝は、上面開放凹部の入口から一定距離は第1アームが撓むようにコンタクトの幅より僅かに広くなっている。そして、一定距離以降はコンタクトを幅方向に挟圧するようにコンタクトの幅より僅かに狭くなっている。ハウジングの後部(開口部の対向側)において、コンタクトの幅方向と上下方向とがハウジングに固着されていると言ってもよい。
好適な実施態様において、FPCの挿入端部が当接される差込口の輪郭を囲むようにコンタクトにおける他方の端部で対向している水平脚と第2アームとでUの字状の溝が形成されている。当該コンタクトは前記Uの字状の溝を輪郭とする部分が幅広となっている。
端部となる枢止部に荷重が作用する片持梁となる第2アームは、矩形断面の板厚を「b」とし、幅を「h」とすれば、当該第2アームの断面2次モーメントIはI=bh3/12の計算式で算出され、幅広の第2アームは断面2次モーメントを大きいものとする断面形状としている。
加えて、延出端部はハウジングからの延出距離を短くしており、荷重が作用する端部となる枢止部の撓み量を少ないものとしている。
このような構造を有するFPC用コネクタは、コンタクトは多ピン、狭ピッチであり、低背のFPC用コネクタにおいて、開閉するカバーハウジングの開閉軸が変位しないようにしている。このようなFPC用コネクタにあっては、開閉軸の変位によるコンタクトの接触不良を防止できる。
(2)記載の発明によれば、「(1)記載のFPC用コネクタにおいて、前記複数のコンタクトと交互に前記ハウジングに配列されている複数の板ばねを更に備えており、前記板ばねは圧入アームと弾性アームが対向するように端部が連結されて二股に構成されており、前記圧入アームは前記上面開放凹部の反対側から前記ハウジングに圧入されており、前記弾性アームの先端部は前記開閉軸の軸中心に向けて延出しており、当該弾性アームの先端部と係止される前記開閉軸の軸周囲は前記開閉軸の軸中心を平面に含む水平壁と当該水平壁に隣接すると共に直交する垂直壁とが形成されており、前記カバーハウジングが開かれているときは前記水平壁に当接する前記弾性アームの先端部は前記垂直壁を付勢して当該カバーハウジングの開状態が維持されている」ことを特徴としてよい。
本発明によるFPC用コネクタは、カバーハウジングを回転支持すると共にFPCと接触するコンタクトを備えており、カバーハウジングの開閉姿勢を維持するための従来のコンタクトに代えてカバーハウジングの開状態を維持する板ばねを更に備えたことを特徴としてよい。
FPCが挿入されていない状態においてカバーハウジングが閉じられているときは、この板ばねは、当該弾性アームの先端部が水平壁に当接している。カバーハウジングが開かれたときは、開閉軸の軸中心から離れた輪郭となる垂直壁が弾性アームの先端部を変位させる。そして、弾性アームの復帰力により当該弾性アームの先端部が垂直壁を付勢して、カバーハウジングの開状態が維持される。
一方、弾性アームの復帰力は、開閉軸を回転可能に支持する枢止部をカバーハウジングが押し下げる力となって作用する。しかしながら、枢止部に荷重が作用する片持梁となる前記第2アームは、開閉軸を変位させないように断面2次モーメントの大きい剛性腕となっているので当該枢止部は容易に変位しない。つまり、差込口に対向する第1アームにおける接点と第2アームにおける枢止部底壁との間隔は、一定距離に維持されてFPCの挿入を妨げないものとなっている。
更に、弾性アームの固定端はハウジングに保持されておらず、弾性アームは変動自在にハウジングに内装されている。このような構造を有するFPC用コネクタにあっては、例えば、従来のようにスタビライザ脚の固定端を保持するハウジングの極間壁に座屈するように応力が作用し、破損しやすいということが防止できる。
好適な実施態様において、本発明によるFPC用コネクタは、「前記コンタクトは前記開口部の入口から前記FPCの反挿入方向に第1リード部が延出しており、当該第1リード部の底面がプリント基板に接合されている」ことを特徴としてよい。
好適な実施態様において、本発明によるFPC用コネクタは、「前記板ばねは前記開口部の反対側から前記FPCの挿入方向に第2リード部が延出しており、当該第2リード部の底面がプリント基板に接合されている」ことを特徴としてよい。
これら好適な実施態様のFPC用コネクタは、第1リード部と第2リード部がプリント基板にはんだ接合されることによって、このFPC用コネクタがプリント基板に強固に表面実装されるものである。
又、好適な実施態様において、本発明によるFPC用コネクタは、「前記差込口に前記FPCが挿入されて前記カバーハウジングが閉じられているときは前記水平壁に当接している前記弾性アームの先端部は当該水平壁から離間し、前記弾性アームの先端部に下設されている突起に当該FPCが押圧される」ことを特徴としてよい。
カバーハウジングが閉じられているときは、この突起はFPCと弾性接触する接点の上方近傍に位置しており、この突起がFPCを押圧してFPCと接点の接触を確実なものとしている。
好適な実施態様において、本発明によるFPC用コネクタは、「前記カバーハウジングの両翼に相反するように突出する一対のディテントを備えており、前記ハウジングは当該カバーハウジングが閉じられて格納される凹部を有しており、当該凹部において対向する内壁側面に前記一対のディテントと嵌合される一対のインデントを形成しており、前記一対のディテントと前記一対のインデントとが噛み合うことにより当該カバーハウジングは閉じられた状態にロックされる」ことを特徴としてよい。
この一対のディテントは角錐体であってよく、半球状突起であってもよい。対応するインデントは角穴であってよく、円形穴であってもよい。この一対のディテントは、凹部において対向する内壁側面と滑りあった後に一対のインデントと噛み合う。一対のディテントが一対のインデントを乗り上げる強い力でカバーハウジングを引き上げることにより、ロックが解除される。
更に、好適な実施態様において、本発明によるFPC用コネクタは、「前記カバーハウジングの両翼に相反するように配置されており前記開閉軸と同軸となる一対の円柱突起と、前記一対の円柱突起を回転可能に下方から支持しており前記カバーハウジングの両翼に相反して配置されるように前記ハウジングに圧入されている一対の支持部材と、を更に備えており、前記第2アームにおける枢止部は半円弧溝が形成されて、当該半円弧溝が前記開閉軸を回転可能に上方から支持しており、前記一対の支持部材は前記FPCの挿入方向から前記前記ハウジングに圧入され、当該一対の支持部材は、前記半円弧溝を有する枢止部に前記開閉軸が係止するように前記一対の円柱突起を下方から上方に移動させる傾斜面が形成されている」ことを特徴としてよい。
この好適な実施態様によれば、カバーハウジングの組み付けに際し、一対の支持部材を圧入することにより、カバーハウジングの開閉軸か傾斜面に沿って上昇し、組み付けを容易とするものである。又、一対の支持部材がハウジングに組み立てられた状態においては、前記開閉軸は支持部材と枢止部とで全周囲が保持されており、このカバーハウジングが容易に外れないものとしている。
本発明のFPC用コネクタは、コンタクトは多ピン、狭ピッチであり、低背のFPC用コネクタにおいて、開閉するカバーハウジングの開閉軸を回転可能に支持する枢止部を有する第2アームは、前記開閉軸を変位させないように断面2次モーメントの大きい剛性腕としたので、第2アームと対向する第1アームが有する接点がFPCと正しく確実に接触する。
又、本発明のFPC用コネクタは、第1アームと第2アームとを有するコンタクトとは別に、カバーハウジングの開姿勢を維持するための複数の板ばねを更に備えているので、カバーハウジングの開状態が維持されることにより、FPCの挿抜が容易となる。
又、カバーハウジングの開状態においては、複数の板ばねは開閉軸を変位させる力を作用させるが、開閉軸を変位させないように断面2次モーメントの大きい剛性腕となる第2アームを備えているので、差込口に対向する第1アームにおける接点と第2アームにおける枢止部底壁との間隔は、一定距離に維持されてFPCの挿入を妨げない。
更に、弾性アームの固定端はハウジングに保持されておらず、弾性アームは変動自在にハウジングに内装されている。このような構造を有するFPC用コネクタにあっては、例えば、従来のようにスタビライザ脚の固定端を保持するハウジングの極間壁に座屈するように応力が作用し、破損しやすいということが防止できる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明によるFPC用コネクタ(以下、コネクタと略称する)の一実施形態を示す斜視外観図である。そして、図1は要部を断面としている。図1において、符号1はFPC、符号2はハウジングである。又、符号3はコンタクト、符号4はカバーハウジング、符号5は板ばねである。
図1はカバーハウジング4が閉じられた状態図であり、図1の実施形態において、コネクタ200はFPC1が挿入される開口部20を有している。この開口部20に配列されている複数のコンタクト3とFPC1とが電気的に接続する。
図1の実施形態において、ハウジング2は絶縁性の合成樹脂で成形されている。ハウジング2は、FPC1が載置される上面開放凹部21を形成している。上面開放凹部21は開口部20を部分形成している。そして、上面開放凹部21の延長上にFPC1の挿入端部が当接される差込口22が形成されている。
図1の実施形態において、カバーハウジング4は絶縁性の合成樹脂で成形されている。カバーハウジング4はハウジング2に連結する開閉軸41を有しており、カバーハウジング4が開くことにより、FPC1は差込口22に挿入可能となる。そして、カバーハウジング4が閉じることにより、差込口22に挿入されたFPC1を押圧して、複数のコンタクト3に当接させる。
図1に示されるように、コンタクト3は水平脚30と第1アーム31と第2アーム32とで構成されている。コンタクト3は、例えば、金属薄板を精密打ち抜き加工したものである。複数のコンタクト3は、上面開放凹部21側からハウジング2に所定ピッチで圧入されている。
図1に示されるように、第1アーム31は、水平脚30の一方の端部から立脚分岐して更に開口部20の入口から差込口22に向けて延出分岐している。そして、第1アーム31における延出分岐端部は、上面開放凹部21の底面から突出してFPC1と弾性接触する接点31Aを備えている。
一方、第2アーム32は、水平脚30の他方の端部から立脚分岐して、更に第1アーム31における接点31Aに向けて延出分岐している。第2アーム32における延出分岐端部は、接点31Aに対向配置されている開閉軸41を回転可能に支持する枢止部32Aを備えている。
図1の実施形態において、コンタクト3における第1アーム31は、開口部20の入口からFPC1の反挿入方向に第1リード部31Lが延出している。そして、第1リード部31Lの底面は図示されないプリント基板にはんだ接合される。
又、図1の実施形態において、FPC1の挿入端部が当接される差込口22の輪郭を囲むように、コンタクト3における他方の端部において対向している水平脚30と第2アーム32とでUの字状の溝3Uが形成されている。
図1の実施形態において、コネクタ200は、カバーハウジング4が開いた状態を維持するための複数の板ばね5を更に備えている。複数の板ばね5は複数のコンタクト3と交互にハウジング2に配列されている。
図1に示されるように、板ばね5は、圧入アーム51と弾性アーム52が対向するように端部が連結されて二股に構成されている。板ばね5は、例えば、金属薄板を精密打ち抜き加工したものである。圧入アーム51は、上面開放凹部21の反対側からハウジング2に所定ピッチで圧入されている。
図1に示されるように、弾性アーム52の先端部52Aは開閉軸41の軸中心に向けて延出している。又、板ばね5における弾性アーム52の先端部52Aは、FPC1を押圧する突起52Bが下設されている。一方、弾性アーム52の先端部52Aと係止される開閉軸41の軸周囲は、開閉軸41の軸中心を平面に含む水平壁42Aと、水平壁42Aに隣接すると共に直交する垂直壁42Bとが形成されている。
図1の実施形態において、板ばね5は開口部20の反対側からFPC1の挿入方向に第2リード部51Lが延出している。そして、第2リード部51Lの底面は図示されないプリント基板にはんだ接合される。
更に、図1の実施形態において、コネクタ200は、カバーハウジング4の開閉軸41の延長端を回転自在に保持する一対の支持部材6A及び6Bを更に備えている。一対の支持部材6A及び6Bは、カバーハウジング4の両翼に相反して配置されるようにハウジング2に圧入されている。
次に、図2により本発明によるコネクタ200の構成を更に説明する。図2は図1に示されたコネクタ200の平面図である。
図2の実施形態において、第1アーム31における第1リード部31Lは、ハウジング2の前方に突出している。同様に、圧入アーム51における第2リード部51Lは、ハウジング2の後方に突出している。第2リード部51Lの底面は図示されないプリント基板にはんだ接合される。
図2の実施形態において、カバーハウジング4の後部中央は横長の矩形に切り欠かれており、更に、この切り欠きに櫛の歯状に複数の溝が形成されており、当該複数の溝に枢止部32Aと先端部52Aが交互に配列されている。なお、図2の実施形態において、図1に示された開閉軸41と水平壁42Aは、それぞれ枢止部32Aと先端部52Aに覆われて図示されていない。
図2の実施形態において、一対の円柱突起41A及び41Bは、カバーハウジング4の両翼に相反するように配置されている。そして、一対の円柱突起41A及び41Bは、図1に示された開閉軸41と同軸となっている。
次に、図3により本発明によるコネクタ200の構成を更に説明する。図3は図1に示されたコネクタ200の正面図である。
図3の実施形態において、ハウジング2には、縦長の矩形溝24が櫛の歯状に複数形成されている。そして、縦長の矩形溝24は、図1に最もよく示されているように、上面開放凹部21から差込口22、更に後方まで貫通している。上面開放凹部21側からこの縦長の矩形溝24に複数のコンタクト3が圧入されている。
図3の実施形態において、カバーハウジング4の両翼に相反して配置されるように、一対の支持部材6A及び6Bがハウジング2に圧入されている。なお、支持部材6Aと支持部材6Bとは同じものであるが、配置が判るように便宜上、支持部材6Aと支持部材6Bに区別した。
図3の実施形態に示されるように、一対のディテント43A及び43Bは、カバーハウジング4の両翼に相反するように突出している。ハウジング2は、カバーハウジング4が閉じられて格納される凹部23を有している。
一対のディテント43A及び43Bと嵌合される一対のインデント23A及び23Bが、この凹部23において対向する内壁側面に形成されている。一対のディテント43A及び43Bと、一対のインデント23A及び23Bとが噛み合うことにより、カバーハウジング4は閉じられた状態にロックされる。
次に、図面を参照して本発明によるコネクタの作用を説明する。
図4は、図1においてコンタクト3の側面を断面とする縦断面図である。図4はカバーハウジング4が閉じられた状態図である。開口部20に挿入されたFPC1(図1参照)は、カバーハウジング4の底壁に押圧されて、第1アーム31における接点31Aと弾性接触する。なお、図4においては、断面構成を明確にするためにFPC1を図示していない。
図4の実施形態に示されるように、FPC1(図1参照)の挿入端部が当接される差込口22の輪郭を囲むように、コンタクト3における他方の端部で対向している水平脚30と第2アーム32とでUの字状の溝3Uが形成されている。そして、コンタクト3はUの字状の溝3Uを輪郭とする部分が幅広となっている。
図4において、開閉軸41及び開閉軸41と連結している枢止部32Aは、FPC1(図1参照)を介して、第1アーム31における接点31Aからの反力Pが作用している。第2アーム32は、端部となる枢止部32Aに荷重が作用する片持梁となっている。
片持梁となる第2アーム32は、その矩形断面の板厚を「b」とし、幅を「h」とすれば、当該第2アーム32の断面2次モーメントIはI=bh3/12の計算式で算出される。図4において、幅広の第2アーム32は断面2次モーメントを大きいものとする断面形状としている。
加えて、第2アーム32における延出端部はハウジング2からの延出距離を短くしており、荷重が作用する端部となる枢止部32Aの撓み量を少ないものとしている。更には、固定端となる応力集中部分を円弧形状とし、枢止部32Aの撓み量を少ないものとしている。つまり、第2アーム32は、開閉軸41を変位させないように断面2次モーメントの大きい剛性腕となっている。
このような構造を有するFPC用コネクタは、コンタクトは多ピン、狭ピッチであり、低背のFPC用コネクタにおいて、開閉するカバーハウジングの開閉軸が変位しないようにしている。このようなFPC用コネクタにあっては、開閉軸の変位によるコンタクトの接触不良を防止できる。
次に、図5は、図1において板ばね5の側面を断面とする縦断面図である。図5はカバーハウジング4が閉じられた状態図である。なお、図5は、開口部20にFPC1(図1参照)が挿入されていない状態を示している。
図5の実施形態において、圧入アーム51は、ハウジング2の後部から圧入されて固着されている。弾性アーム52は、圧入アーム51の後部から隆起して、更に開閉軸41(図4参照)の軸中心Qに向けて延出している。そして、図5に示されるように、板ばね5における弾性アーム52の先端部52Aは、FPC1(図1参照)を押圧する突起52Bが下設されている。
一方、弾性アーム52の先端部52Aと係止される開閉軸41の軸周囲は、開閉軸41の軸中心Qを平面に含む水平壁42Aと、水平壁42Aに隣接すると共に直交する垂直壁42Bとが形成されている。
図5の実施形態においては、カバーハウジング4が閉じられているときは、弾性アーム52の先端部52Aは水平壁42Aに当接している。FPC1(図1参照)が開口部20に挿入されている状態においては、弾性アーム52の先端部52Aは水平壁42Aから離間し、弾性アーム52の先端部52Aに下設されている複数の突起52Bは、FPC1を付勢する。
次に、図6は、図1において支持部材6Bの側面を断面とする縦断面図である。図6はカバーハウジング4が閉じられた状態図である。
図6の実施形態に示されるように、支持部材6Bの上縁は、背の低い平坦面61が形成されており、背の低い平坦面61に連続して傾斜面62が形成されており、傾斜面62に連続して背の高い平坦面が形成された後に、円柱突起41Bと回転連結する円弧面63が形成されている。
このような形状を有する一対の支持部材6A及び6B(図3参照)における背の低い平坦面61に、一対の円柱突起41A及び41B(図2参照)が載置されて、一対の支持部材6A及び6Bはハウジング2に仮挿入される。
更に、一対の支持部材6A及び6Bをハウジング2に挿入(圧入)すると、一対の円柱突起41A及び41Bはハウジング2に当接し、一対の円柱突起41A及び41Bは傾斜面62に倣ってその軸中心Qは上昇していく。
一対の支持部材6A及び6Bがハウジング2に完全に挿入(圧入)された段階においては、軸中心Qに形成された開閉軸41(図4参照)は、半円弧溝が形成されている枢止部32Aによって上方から回転可能に支持される。
一方、軸中心Qに形成された一対の円柱突起41A及び41Bは、一対の支持部材6A及び6Bに形成された円弧面63によって下方から回転可能に支持される。
このように、カバーハウジングの組み付けに際し、一対の支持部材を圧入することにより、カバーハウジングの開閉軸か傾斜面に沿って上昇し、組み付けを容易とするものである。又、一対の支持部材がハウジングに組立られた状態においては、開閉軸は支持部材と枢止部とで全周囲が保持されており、このカバーハウジングが容易に外れないものとしている。
次に、図7は、本発明によるコネクタ200におけるカバーハウジング4が90度開いた状態での斜視外観図である。そして、図7は要部を断面としている。
図7の実施形態に示されるように、上面開放凹部21は対向する立設壁21A及び21Bを有している。この立設壁21A及び21Bによって上面開放凹部21に載置されるFPC1の幅方向が規制される。
図7に最もよく示されているように、カバーハウジング4の片翼に突出しているディテント43Bは、四角錐体に形成されている。カバーハウジング4の片翼に突出しているディテント43Aは、図示されてはいないが四角錐体に形成されている。
一方、図7に最もよく示されているように、凹部23の内壁に形成されたインデント23Aは四角錐体のディテント43Aに嵌合するように角穴となる切り欠き溝となっている。インデント23Bも、四角錐体のディテント43Bと嵌合するように角穴となる切り欠き溝となっている。
図7の実施形態において、この一対のディテント43A及び43Bは、凹部23において対向する内壁側面と滑りあった後に一対のインデント23A及び23Bと噛み合う。一対のディテント43A及び43Bが一対のインデント23A及び23Bを乗り上げる強い力でカバーハウジング4を引き上げることにより、ロックが解除される。
図8は、図7においてコンタクト3の側面を断面とする縦断面図である。図8は、図7の状態から更にカバーハウジング4が開いた状態図である。
図8の実施形態に示されるように、カバーハウジング4はハウジング2に当接してこれ以上は開かない。又、後述するように図8の開状態は維持される。図8においては、FPC1は差込口22に鋭角に挿入される。
図8の実施形態に示されるように、FPC1は、接点31Aと枢止部32Aとの十分な間隙に挿入される。すなわち、コネクタ200は、FPC1を差込口22に挿抜するときにほとんど力を必要としないZIFコネクタを構成している。
図9は、図7において板ばね5の側面を断面とする縦断面図である。図9は、図7の状態から更にカバーハウジング4が開いた状態図である。
図9に示されるように、カバーハウジング4が開かれているときは、弾性アーム52の先端部52Aが垂直壁42Bを付勢して開状態が維持されている。このような板ばね5を有するコネクタ200は、カバーハウジング4の開状態が維持されることにより、FPC1の挿抜が容易となる。
図9において、カバーハウジング4が開かれたときは、開閉軸41(図8参照)の軸中心Qから離れた輪郭となる垂直壁42Bが、弾性アーム52の先端部52Aを上方に変位させる。そして、弾性アーム52の復帰力により当該弾性アーム52の先端部52Aが垂直壁42Bを付勢して、軸中心Qを押し下げる力Tが作用する。
軸中心Qを押し下げる力Tは、図8に示されるように、カバーハウジング4に形成された斜壁44が枢止部32Aを押し下げる力Tとなって作用する。しかしながら、枢止部32Aに荷重が作用する片持梁となる第2アーム32は、開閉軸41を変位させないように断面2次モーメントの大きい剛性腕となっているので枢止部32Aは容易に変位しない。
このように、図8に示されている差込口22に対向する第1アーム31における接点31Aと、第2アーム32における枢止部32A底壁との間隔は、一定距離に維持されてFPC1の挿入を妨げないものとなっている。
更に、図9に示されるように、弾性アーム52の固定端はハウジング2に保持されておらず、弾性アーム52は変動自在にハウジング2に内装されている。このような構造を有するFPC用コネクタにあっては、例えば、従来のようにスタビライザ脚の固定端を保持するハウジングの極間壁に座屈するように応力が作用し、破損しやすいということが防止できる。